説明

選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤およびPDEV阻害剤の配合物

本発明は選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤の配合物に関する。そうした配合物は特に疼痛の治療に対して有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤の配合物、ならびにそうした配合物を含む医薬組成物およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)は中枢神経系における重要なモノアミン神経伝達物質である。正常値のノルアドレナリンは報酬への動因および受容能力を導く。ノルアドレナリン性伝達における異常性、特に正常値より低いレベルのノルアドレナリンは、各種の型の、精神的、挙動的および神経学的障害、特に、活力、動機付けおよび人生への関心の欠如を含む様々な症状によって特徴付けられる鬱病をもたらす。(R. J. Baldessarini, “Drugs and the Treatment of Psychiatric Disorders: Depression and Mania”in Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, McGraw−Hill, NY, pp. 432−439, 1996を参照)。
【0003】
ノルアドレナリンは、第一の神経細胞の末端からシナプス間隙と呼ばれる小さな隙間を通って移行し、第二の神経細胞の表面上の受容体分子に結合する。この結合は、第二の(シナプス後の)神経細胞中における応答または変化を開始または活性化する細胞内変化を引き起こす。神経伝達物質の不活性化は、主に、第一の(シナプス前の)神経細胞による神経伝達物質の再取込みにより生じる。この再取込みを阻止する化合物は、ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)として知られており、それによりノルアドレナリンのシナプスにおける濃度を増加させることができ、そしてノルアドレナリン伝達異常の正常化を助ける。そうしたノルアドレナリン再取込阻害剤の例は、レボキセチン、(R,R/S,S)−(2−[(2−エトキシフェノキシ)(フェニル)メチル]モルホリン)である。レボキセチンは、短期間の(すなわち、8週間未満)および長期の鬱病の治療で有効であることが知られている(例えば、S.A. Montgomery, Reboxetine: Additional Benefits to the Depressed Patient, Psychopharmacol (Oxf) 11:4 Suppl., S9−15 (Abstract), 1997を参照)。レボキセチンの特定の光学異性体、(S,S)−レボキセチンの、慢性疼痛、末梢神経障害、失禁(緊張性尿失禁、真性緊張性尿失禁および混合型尿失禁)、線維筋肉痛および他の身体性疾患、ならびに片頭痛の治療における使用が、WO−A−01/01973で開示されている。
【0004】
PDEV阻害剤は、環状グアノシン3', 5'−モノリン酸ホスホジエステラーゼ5型(cGMP PDEV)酵素の活性を阻害する化合物である。一例はシルデナフィル(5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、バイアグラ(R))であり、最初はいくつかの心血管系疾患のための治療剤として記載され、そして続いて、初めての経口的に有効な雄性勃起障害(MED)の治療剤であることがわかった。神経障害の治療におけるPDEV阻害剤の使用は、EP−A−1129706およびWO−A−01/26659に記載されている。シルデナフィルの鎮痛作用は最近になってJain等が報告している(Brain Research, 909, 170−178 (2001); Asomoza−Espinosa等, Eur. J. Pharm., 418, 195−200 (2001); およびMixcoatl−Zecutal等, Eur. J. Pharm., 400, 81−87 (2001) )。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在なお、疼痛のより良い治療、例えば、より少ない投与量でのより強い活性、疼痛症状のより広範囲のスペクトルに対する活性、副作用を生じる可能性の低さ、より迅速な作用およびより長期の作用を提供する必要性が存在している。
【0006】
驚くべきことに、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤を組み合わせた治療が、疼痛の治療において、特にそのいずれかの薬剤の単独での使用と比較して、顕著な利点を与えることが、判明した。そうした組み合わせは、予期せぬことに、いずれかの薬剤のクラスの単独での使用に比べて、より大きな有効性を与える相乗効果をもたらす。
【0007】
現在では、脊髄中の疼痛シナプスでのノルアドレナリンの再取込の阻止が、神経軸を上昇する疼痛シグナルの伝達を阻害することにより、疼痛の認知を減少させるのだろうと考えられている。さらに、PDEVの阻害は、慢性糖尿病のような疼痛を誘導する症状の結果として障害を受けた末梢神経の血管の潅流を改善できると考えられている。したがって、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤の組み合わせによる疼痛の治療で観察された予期せぬ相乗作用は、疼痛シグナルの中枢神経系への入力を減少させること、および同時にそうしたシグナルの伝達を弱めること、の両方の結果をもたらすだろう。このことは、なぜ薬剤を組み合わせた利点が、それぞれの薬剤を別々に使用することにより得られる利点の和を超えるのかということを、説明できるだろう。
【0008】
そのために、本発明は、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤の配合物を提供する。
【0009】
さらに、本発明は、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)、ホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤および医薬的に受容できる賦形剤、希釈剤または担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0010】
さらに、本発明は、医薬として使用するための、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)、ホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤の配合物を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、疼痛の治療において、両方の薬剤を同時に、連続的にまたは別々に投与するための医薬の製造における、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤の使用を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、疼痛の治療において、同時に、連続的にまたは別々に投与するための、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤の配合物を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、有効量の選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤を、そうした治療を必要としている哺乳類に、同時に、連続的にまたは別々に投与することを含む、疼痛の治療方法を提供する。
【0014】
さらに、本発明は、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤、ならびに該化合物を収納するための手段を含むキットを提供する。
【0015】
さらに、本発明は、疼痛の治療において、同時に、連続的にまたは別々に使用をするための配合製剤として、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤を含む製品を提供する。
【0016】
本発明で提供される配合物は、疼痛の治療において有用であり、そしてこれは好ましい使用である。生理的な疼痛は、外部の環境に由来する傷害を及ぼす可能性のある刺激に対する危険性を警告するように創られた重要な保護機構である。このシステムは、一次的感覚神経細胞の特定の組を介して作動し、そして、末梢性の変換機構を介して、もっぱら有害な刺激によってのみ活性化される(総説としてMillan, 1999, Prog. Neurobiol., 57, 1−164を参照)。そうした感覚線維は侵害受容器(nociceptor)として知られ、そしてゆっくりした伝導速度を有する特徴的な小さな直径の軸索である。侵害受容器は、有害な刺激の強度、持続時間および質、ならびに、それらの立体的に組織化された脊髄に対する突起によってその刺激の位置をコード化する。この侵害受容器は、侵害受容神経線維上に見られ、2つの主なタイプ、すなわちA−デルタ線維(ミエリン化)およびC−線維(非ミエリン化)が存在している。侵害受容器の入力によって産生された活動性は、後角(dorsal horn)での複雑な処理を受けた後、直接に、または脳幹中継核を介して、視床腹側基底へと伝えられ、次いで皮質に伝えられてそこで痛覚が生じる。
【0017】
急性疼痛および慢性疼痛は、多くの場合同じ経路ではあるが病理生理学的過程により駆動され、そしてそれにより保護機構の供給は終了し、代わりに広範な疾患状態に関連した消耗性の症状がもたらされる。実質的な傷害が、疾患や外傷を介して身体の組織に生じた場合、侵害受容器活性化の特性が変化する。末梢における損傷の周囲での局所的な、および、侵害受容器が終結する中枢における、感作が存在する。これにより損傷部位および近接する正常組織において過敏性が生じる。急性疼痛においてはこれらの機構は有用であり、修復過程を生じさせ、そしていったん損傷が治癒されれば過敏性を正常に戻す。しかしながら、多くの慢性的な疼痛状態においては、この過敏性は治癒過程をずっと長引かせ、そして通常は神経系の損傷に起因する。この損傷は多くの場合、求心性線維の不適応をもたらす(WoolfおよびSalter, 2000, Science, 288, 1765−1768)。不快で異常な感受性が患者の症状の間で特徴的な場合に、臨床的な疼痛が存在している。患者は非常に多種多様な傾向を有し、そして様々な疼痛症状を伴って存在するだろう。いくつかの典型的な疼痛のサブタイプが存在し、それには、1)鈍く、ヒリヒリし、または突き刺すような自然発生の疼痛;2)有害性の刺激に対する誇張された疼痛応答(痛覚過敏);および、3)正常な無害の刺激による疼痛(異痛症−Meyer等, 1994, Textbook of Pain, 13−44)が含まれる。背痛、関節炎痛、CNS外傷、または神経障害性疼痛を有する患者は似たような症状を有する可能性があるが、その根底にある機構は異なっており、そしてそのために異なった治療方針が要求されるだろう。したがって、疼痛は、侵害受容性、炎症性および神経障害性の疼痛を含む異なる病理生理学のためにいくつかの異なる分野に分けることができる。あるタイプの疼痛は複数の病因を有し、したがって2以上の分野に分類でき、例えば、背痛および癌性疼痛は、侵害受容的および神経障害性の両方の要素を有することに注意すべきである。
【0018】
侵害受容性疼痛は、組織傷害により、または傷害を生じさせうる可能性のある強い刺激によって誘導される。疼痛求心性神経は、損傷部位の侵害受容器による刺激の変換によって活性化され、そして脊髄をその末端レベルにおいて感作する。これは次に、脊髄路から上に向かって、疼痛が感知される脳まで中継されていく(Meyer等、1994, Textbook of Pain, 13−44)。侵害受容器の活性化は、2つのタイプの求心性神経線維を活性化する。ミエリン化したA−デルタ線維は速やかに伝送し、そして鋭く突き刺すような疼痛の感覚に関与し、一方、非ミエリン化C線維はより遅い速度で伝送し、そして鈍いまたはウズウズするような疼痛をもたらす。中間的なものから重篤な急性の侵害受容性疼痛は、中枢神経系の外傷、挫傷/捻挫、火傷、心筋梗塞および急性膵臓炎の疼痛、手術後疼痛(あらゆるタイプの外科処置の後の疼痛)、外傷後疼痛、腎疝痛、癌性疼痛(腫瘍関連性疼痛であるもの、例えば、骨痛、頭痛、顔面痛および内臓痛、または癌治療に伴う疼痛、例えば、化学療法後症候群、慢性手術後疼痛症候群および放射線処置後症候群、または癌関連急性疼痛症候群、例えば、化学療法、免疫療法、ホルモン療法および放射線療法に起因する治療での相互作用によるもの)、ならびに背痛(ヘルニア性または破裂性椎間板、または腰椎面関節、仙腸関節、脊髄傍筋肉もしくは後部縦靱帯の異常によると考えられる)に由来する顕著な様相である。
【0019】
神経障害性疼痛は、神経系の原発性の病変または機能障害によって始まるかまたは引き起こされる疼痛として定義される。神経障害は外傷および疾患によって引き起こされることがあるので、「神経障害性疼痛」という用語は、多様な病因を有する多くの疾患を包含する。それらには、それには限定されないが、末梢性神経障害、糖尿病性神経障害、疱疹後神経痛、三叉神経痛、背痛、癌性神経障害、HIV神経障害、幻肢疼痛、手根管症候群、中枢性卒中後疼痛、ならびに、慢性アルコール中毒症、甲状腺機能低下症、尿毒症、多発性硬化症、脊髄損傷、パーキンソン病、癲癇およびビタミン欠乏症に関連する疼痛、が含まれる。神経障害性疼痛は保護的役割を持たないので病理的である。多くの場合、最初の原因が解消されたずっと後に、通常は数年続いて存在し、患者の生活の質を著しく低下させる(WoolfおよびMannion, 1999, Lancet, 353, 1959−1964)。神経障害性疼痛の症状は、多くの場合同じ疾患を有する患者の間でさえも多様であるために、治療が困難である(WoolfおよびDecosterd, 1999, Pain Supp., 6, S141−S147; WoolfおよびMannion, 1999, Lancet, 353, 1959−1964)。それらには、継続しうる自然発症性疼痛、および、痛覚過敏(有害な刺激に対する増強された感受性)および異痛(正常な無害の刺激に対する感受性)のような、発作性または異常に引き起こされた疼痛を含んでいる。
【0020】
炎症性の過程は、組織傷害または外来性物質の存在に応答して活性化された、生化学的および細胞性事象の複合系であり、むくみおよび疼痛をもたらす(LevineおよびTaiwo, 1994, Textbook of Pain, 45−56)。関節炎痛は、最も普通にみられる炎症性疼痛である。リウマチ性疾患は、先進国で最も普通な慢性的炎症性症状の一つであり、そして関節リウマチは、身体障害の一般的な原因である。関節リウマチの正確な病因は知られていないが、最近の仮説は、遺伝性および微生物学的因子が重要であることを示唆している(GrennanおよびJayson, 1994, Textbook of Pain, 397−407)。約1600万人のアメリカ人が症状を伴った変形性関節炎(OA)または変性関節疾患を有し、それらのほとんどが60歳を超えており、そして人口の高齢化につれて4000万人まで増加すると予想され、このことは非常に重い公共の健康問題となっている(HougeおよびMersfelder, 2002, Ann Pharmacother., 36, 679−686; McCarthy等, 1994, Textbook of Pain, 387−395)。
【0021】
変形性関節炎の患者の多くは、関連する疼痛のために治療を求めている。関節炎は、心理社会的および身体的な機能に顕著な影響力を有し、そして人生後期における身体障害の主要な原因であることが知られている。炎症性疼痛のその他のタイプは、炎症性腸疾患(IBD)に伴う疼痛である。
【0022】
内臓痛は、腹腔の臓器を包含する、内臓に関連する疼痛である。これらの臓器には、性器、脾臓、および消化系の一部が含まれる。内臓に関連する疼痛は、消化系内臓痛および非消化系内臓痛に分けることができる。一般的にみられる、疼痛を引き起こす胃腸(GI)疾患には、機能性腸疾患(FBD)および炎症性腸疾患(IBD)が含まれる。これらのGI疾患には、現在中程度にしか制御されていないような、広範囲の疾患状態が含まれ、それには、FBDに関しては、胃食道逆流、消化不良、過敏性腸症候群(IBS)および機能性腹部疼痛症候群(FAPS)、ならびに、IBDに関しては、クローン病、回腸炎および潰瘍性大腸炎が含まれ、これら全ては定期的に内臓痛を生じる。内臓痛のその他のタイプには、月経困難症、膀胱炎および膵炎に伴う疼痛、ならびに骨盤痛を含む。
【0023】
他のタイプの疼痛には以下のものが含まれる:
− 筋骨格性疾患、例えば、筋肉痛、線維筋肉痛、脊椎炎、血清陰性(非リウマチ性)関節症、非関節性リウマチ、ジストロフィノパシー、糖原病、多発性筋炎、および化膿性筋炎;
− 心臓および血管性疼痛、例えば、狭心症、心筋梗塞症、僧帽弁狭窄症、心膜炎、レイノー現象、強皮症および骨格筋虚血、に由来する疼痛;
− 頭痛、例えば、片頭痛(オーラを伴う片頭痛およびオーラを伴わない片頭痛を含む)、群発性頭痛および緊張性頭痛;ならびに
− 口腔顔面疼痛、例えば歯痛および側頭下顎骨の筋筋膜疼痛を含む。
【0024】
本発明の配合物は、全ての種類の疼痛、特に神経障害性疼痛、最も特定すれば、疱疹後神経痛、痛性糖尿病性神経障害、および慢性腰痛の治療において有用である。
【0025】
本発明の配合物はまた、疼痛以外の症状の治療にも有用である。特に、本発明により提供される配合物は、以下に挙げられるような神経系の障害の治療において有用である: 中毒性疾患(アルコール、ニコチン、および他の精神活性物質によるものを含む)および引きこもり症候群、適応障害(鬱状態、不安症、不安症および鬱状態の混合型、行為障害、ならびに行為および気分の混合型障害を含む)、加齢性学習および精神障害(アルツハイマー病を含む)、拒食症、無気力、一般的な医学的症状による注意欠損(または他の認識の)障害、注意欠損過活動障害(ADHD)、双極性障害、神経性多食症、慢性疲労症候群、慢性または急性ストレス、行為障害、気分循環性障害、鬱病(思春期鬱病および軽微な鬱病を含む)、気分変調障害、線維筋肉痛および他の身体型の障害(身体化障害、変換障害、沈鬱症、身体醜形障害、未分化身体型障害、および身体型のNOSを含む)、全般性不安障害、尿失禁(例えば、緊張性尿失禁、真性緊張性尿失禁、切迫性尿失禁、および混合型尿失禁)、吸息障害、中毒性障害(アルコール耽溺)、躁病、肥満症、強迫神経障害および関連スペクトラム障害、反抗的行為障害、パニック障害、外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害(すなわち、月経前症候群および黄体期後不快気分障害)、精神障害(統合失調症、分裂情動性精神障害および統合失調症様障害を含む)、季節性情動障害、睡眠障害(例えば、ナルコレプシーおよび夜尿症)、対人恐怖症(対人不安症を含む)、特異的発達障害、選択性セロトニン再取込阻害(SSRI)「息切れ(poop out)」症候群(そこで患者は、最初の十分な応答期間の後で、SSRI治療に十分な応答の維持ができなくなる)、パーキンソン病、認識および記憶傷害、神経成長障害、記憶欠損、重度健忘症、集中力障害、学習障害、痴呆ならびにTIC障害(例えば、ツーレット(Tourette)病)。
【0026】
本発明の配合物はまた、尿失禁、例えば、真性緊張性尿失禁(GSI)、緊張性尿失禁(SUI)または高齢者の尿失禁;特発性排尿筋不安定、神経性疾患(例えば、パーキンソン病、多発性硬化症、脊髄損傷および卒中)からの二次的な排尿筋過活動、および、膀胱排出障害(例えば、良性前立腺過形成(BPH)、尿道口狭窄または狭窄症)からの二次的な排尿筋過活動、を含む過活動膀胱(OAB);夜尿症;上記の症状が組み合わされることによる尿失禁(例えば、過活動膀胱を伴う緊張性尿失禁);ならびに、頻発および切迫性のような下部尿管症状の治療においても有用である。OABという用語は、湿式(wet)OABおよび乾式(dry)OABの両方を包含する。
【0027】
本発明の配合物はまた、雄性勃起機能障害、インポテンス、雌性性機能障害、陰核機能障害、雌性性欲抑制障害、雌性性的刺激障害、雌性性的疼痛障害、雌性性的オルガスム機能障害、性交疼痛症、鎌状赤血球病を有する患者の持続勃起症、脊髄損傷による性機能障害および選択的セロトニン再取込阻害剤誘発性機能障害(例えば、射精遅延)、のような哺乳類の性機能障害の治療においても有用である。
【0028】
性機能障害(SD)は、雄性および雌性の両方に影響するであろう大きな臨床的問題である。SDの原因は、器質的であると同時に心理的なものでありうる。SDの器質的な側面は、典型的には、高血圧または糖尿病に関連したもののような、潜在的な血管性疾患によって、処方薬の治療によって、および/または、鬱病のような精神病によって、引き起こされる。心理的因子には、恐怖、業績不安および人間同士の葛藤が含まれる。SDは性的遂行能力を損ない、自負心を減少させ、そして人間関係を破壊して個人的な苦痛に導く。臨床において、SD障害は、雌性性機能障害(FSD)および雄性性機能障害(MSD)に分類されている(Melman等, J.Urology, 1999, 161, 5−11)。FSDは、女性が性的表現において満足を見出す困難さまたは無能力として定義できる。
【0029】
FSDは、いくつもの多様な雌性の性的障害に関する集合的な用語である(Leiblum, S. R. (1998). Definition and classification of female sexual disorders. Int. J. Impotence Res., 10, S104−S106; Berman, J. R., Berman, L.およびGoldstein, I. (1999). Female sexual dysfunction: Incidence, pathophysiology, evaluations and treatment options. Urology, 54, 385−391)。女性は、欲望の欠損、喚起もしくはオルガスムの困難さ、性交時の疼痛、またはそれらの問題の組合せを有するかもしれない。いくつものタイプの疾患、医療処置、傷害または心理的な問題がFSDを引き起こすだろう。開発中の治療は、特定のサブタイプのFSD、主に欲望および喚起障害を治療することに的をしぼっている。
【0030】
FSDのカテゴリーは、それらを正常の雌性の性的応答:欲望、喚起およびオルガスムの局面と対比されることによって最も良く定義される(Leiblum, S. R. (1998). Definition and classification of female sexual disorders, Int. J. Impotence Res., 10, S104−S106)。欲望または性衝動は性的表現を駆りたてるものである。その発現は、多くの場合、関心のあるパートナーと一緒にいる場合、または他の性的な刺激に晒された場合のいずれかでの性的考えを含んでいる。喚起は、性的刺激に対する血管性応答であり、その重要な要素は、性器の充血であり、そして膣潤滑度の増大、膣の伸長化および性器の感覚/感度の増大である。オルガスムは、喚起の間に頂点に達した性的緊張の解放である。
【0031】
そのために、FSDは、女性が、それらの局面、通常は欲望、喚起またはオルガスムのいずれかにおける不適切または不満足な応答を有する場合に生じる。FSDのカテゴリーには、性的欲望抑制障害、性的喚起障害、オルガスム障害および性的疼痛障害が含まれる。本発明の配合物はまた、性的刺激に対する性器の応答を改善するために有用であり(雌性の性的喚起障害におけるような)、そうすることによって、関連する疼痛、性交に伴う苦痛および不快感もまた改善でき、そして他の性的障害についてもそのように改善する。
【0032】
本発明の配合物はまた、性的欲望抑制障害、性的喚起障害、オルガスム障害および性的疼痛障害の治療または予防のため、より好ましくは、性的喚起障害、オルガスム障害および性的疼痛障害の治療および予防のため、そして最も好ましくは、性的喚起障害の治療および予防のために有用である。性的欲望抑制障害は、女性が全くまたはほとんど性的であるための欲望を持たない場合、そして全くまたはほとんど性的考えまたは幻想を持たない場合に存在する。このタイプのFSDは、自然の閉経または外科的閉経のいずれかによる、低濃度のテストステロンによって引き起こされるだろう。他の原因には、病気、医療処置、疲労、欝病および不安が含まれる。
【0033】
雌性性的喚起障害(FSAD)は、性的刺激に対する不適切な性器の応答により特徴付けられる。性器は、正常の性的喚起を特徴付ける充血をおこさない。膣壁は潤滑性に乏しく、そのための性交で痛みを感じる。オルガスムは損なわれるだろう。喚起障害は、閉経時、または出産後および授乳期間、ならびに、糖尿病や動脈硬化症のような血管性要素を伴った疾患による、エストロゲンの減少により引き起こされるだろう。他の原因は、利尿剤、抗ヒスタミン剤、抗欝剤(例えば、SSRI)または抗高血圧剤による治療に由来するものである。性的疼痛障害(性交疼痛症および膣痙を含む)は、挿入からくる疼痛により特徴付けられ、そして潤滑性を減少させる医療処置、子宮内膜症、骨盤内炎症性疾患、炎症性腸疾患または尿管障害により引き起こされるだろう。
【0034】
FSDの罹患率は、この用語がいくつものタイプの問題を含み、そのいくつかは測定する
ことが困難であるために、そして、FSDを治療することへの関心が比較的最近のことであるために、測定することは難しい。多くの女性の性的問題は、女性の加齢の過程と直接にか、または糖尿病や高血圧のような慢性疾患と関わっている。
【0035】
FSDは、性的応答サイクルの別々の局面で症状が発現するいくつものサブタイプから成っているために、単一の治療というのが存在しない。最近のFSDの治療は、主に、心理的または人間関係的な問題点に焦点をあわせている。FSDの治療は、より多くの臨床的および基礎的な科学研究が、この医学的問題の研究に向けられてくるに従って、徐々に発展してきている。女性の性的不満は、全てが病理生理学的に心理的なものというわけではなく、このことは特に、全体的な女性の性的不満に係わる血管性機能障害(例えば、FSAD)の要因を有するであろう個人において当てはまる。FSDの治療のために認可を受けている薬剤は現在のところ存在しない。経験的な薬物治療には、エストロゲン投与(局所的またはホルモン交換療法として)、アンドロゲンまたはブスピロンもしくはトラゾドンのような精神安定剤が含まれる。そうした治療の選択は、多くの場合、低い有効性または受容できない副作用によって不満足なものである。
【0036】
米国精神医学会の診断および統計マニュアル(DSM)IVには、女性の性的喚起障害(FSAD)を「性的活動が完了するまで性的興奮の適切な潤滑化−膨潤応答に到達するか、または維持することが、永続的または反復的にできないことであり、この障害は、著しい苦痛または人間関係の困難さを必ず引き起こす。」として定義している。この喚起応答は、骨盤内での血管充血、膣の潤滑化および外性器の拡張と膨潤から成っている。この障害は、大きな苦痛および/または人間関係の困難さを引き起こす。
【0037】
FSDは、閉経期(±HRT)の前、近くおよびその後の女性に影響を及ぼす広く蔓延している性的障害である。これは、鬱病、心血管系疾患、糖尿病およびUG障害のような合併症を伴っている。FSADの最初の結果は、充血/膨潤の欠如、潤滑化の欠如、および性器の快い感覚の欠如である。FSADの二次的な結果は、性欲の減少、性交時の疼痛およびオルガスムを達成する困難さである。
【0038】
雄性性機能障害(MSD)は一般に、雄性勃起機能障害(MED)としても知られている勃起機能障害、および/または、早発射精のような射精障害、無オルガスム症(オルガスムに到達できないこと)、または、性欲低下障害(性的興味の欠如)のような欲望障害のいずれかに関連している。
【0039】
PEは、男性で比較的一般的に見られる性機能障害である。これはいくつかの異なったやり方で定義されているが、最も広く受け入れられているのは、精神障害の診断および統計マニュアル(DSM)IVの定義であって、そこでは「PEは、生涯にわたって持続するまたは再発する、挿入の前、間、もしくは直後であって、患者が望む前に、最小の性的刺激によって生じる射精である。臨床医は、年齢、性的パートナーまたは刺激の新しさ、および性的行為の頻度のような、興奮局面の持続時間に影響する要因を考慮に入れなければならない。この障害は、人間関係の困難さの大きな苦痛を引き起こす。」と述べられている。
【0040】
疾患の国際分類10の定義には、「性行為を十分に享受するために十分に射精を遅らせる能力の欠如が存在し、以下のいずれかとして顕れる:(1)性交の開始前またはその直後の射精の発生(もし時間の限定を要する場合は、性交の開始の前または15秒以内);(2)性交を可能にするために十分な勃起の不在下での射精の発生。この問題は、性的活動からの長引く禁欲の結果ではない。」
【0041】
用いられてきた他の定義には、以下の基準による分類を含む:パートナーのオルガスムへの関連;挿入と射精との間の持続;およびスラスト数および自発的制御の能力。
【0042】
人間関係の問題、不安症、欝病、事前の性的不全全てが一役買いながら心理的ファクターがPEに関与するだろう。
【0043】
射精は、交感神経および副交感神経系に依存する。交感神経系を介した輸精管および精巣上体への遠心性インパルスは、平滑筋収縮を引き起こし、精子を後部尿道へと送り出す。精嚢、前立腺および尿道球腺の同様の収縮が、精液の体積および流動体含量を増加させる。精液の送出は、腰仙脊髄中の腰部脊髄視床の細胞集団から発生する遠心性インパルスにより仲介され(Coolen & Truitt, Science, 2002, 297, 1566)、それは副交感神経系を介して通過し、そして球海綿体筋、坐骨海綿体および骨盤床筋の律動的収縮を引き起こす。射精の皮質の制御はヒトにおいてはまだ議論の最中である。ラットにおいては中間の前視覚領および視床下部の傍室核が、射精に関与しているようである。
【0044】
射精は、2つの別々の要因、放出および射精を含んでいる。放出は、末梢精巣上体、輸精管、精嚢および前立腺から後部尿道への精液および精子の排出である。この排出に続くのは、尿道口からの精液含有物の強制的な放出である。射精はオルガスムとは区別されて、純粋な脳の事象である。多くの場合2つの過程は同時である。
【0045】
本発明の配合物はまた、以下の疾患や症状の治療においても有用である:子癇前症、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内発育障害、雌性不妊症、月経困難症、排尿障害、蓄尿障害、二型糖尿病、一型糖尿病、耐糖能異常、インスリン抵抗性、代謝症候群、糖尿病合併症(糖尿病性潰瘍、足の糖尿病性壊疽、脚の糖尿病性壊疽、糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、および肝性インスリン感作性物質(HISS)依存性インスリン抵抗性のようなもの)、早期分娩、月経異常症、良性前立腺過形成(BPH)、膀胱排尿障害、下部尿路症候群、間欠性跛行、狭心症(安定、不安定および異型プリンツメタル(Prinzmetal)狭心症を含む)、高血圧症(本態性高血圧、肺性高血圧、二次性高血圧、収縮期高血圧、糖尿病関連高血圧、アテローム性動脈硬化症関連高血圧、および腎血管性高血圧を含む)、冠動脈疾患、鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化症、血管開放性が減少した症状(例えば、経皮経管冠動脈形成術後)、末梢血管障害、卒中、硝酸塩誘発性耐性、気管支炎、アレルギー性喘息、慢性喘息、アレルギー性鼻炎、低酸素性血管収縮、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎、嚢胞性線維症、可逆的肺性血管収縮、肺性血管抵抗の減少、局部的および全身的呼吸不全、腸運動性の障害により特徴付けられる疾患(例えば、過敏性腸症候群、IBS)、胃不全麻痺(糖尿病性胃不全麻痺を含む)、胃内容物排出障害、バレット食道、肛門直腸障害、蠕動障害、痙攣性食道運動性障害(高血圧性下部食道括約筋)、広汎性痙攣、機能性消化不良、胃障害(吐き気、嘔吐、腹痛および早期満腹感のような)、慢性低酸素症、子癇前症、川崎症候群、多発性硬化症、急性呼吸不全、乾癬(腎性症候群に関連した乾癬を含む)、壊死、瘢痕化、慢性および急性皮膚損傷、線維症(肺線維症、皮膚および角膜瘢痕化、感染後の線維症、外傷、外科的または熱性損傷、強皮症および他の結合組織障害、心線維症、筋線維症、腎線維症、慢性皮膚潰瘍形成、ならびに、唇皮膚硬化症(lipdermatosclerosis)を含む)、手術後および特発性癒着、皮膚の炎症性症状(苔癬および関連症状を含む)、老化および全ての老化関連変性疾患(皮膚の老化を含む)、全ての病因の肝線維症(ウイルス性および非ウイルス性肝炎および肝硬変を含む)、慢性膵炎、慢性甲状腺炎、石灰沈着症(あらゆる由来の)、その病因が結合マトリクスの沈着/再形成に関連している症状、座瘡、癌(ポリープ性癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、白血病、腎癌、クローン病、肝癌、慢性リンパ性癌および新生物)、癌転移、はげ頭、脱毛症、敗血症、骨粗鬆症、耳鳴り、難聴、ヒルシュスプリング病、重症筋無力症、アイゼンメンジャー症候群、ナッツクラッカー食道、裂肛、痔核、低酸素性血管収縮、CREST症候群、全身性紅斑性狼瘡、リウマチ様疾患(関節リウマチのような)、血栓症、全身性硬化症、血栓塞栓症、心筋梗塞、冠動脈機能不全、虚血性心疾患、血小板凝集、血液透析時の血圧不安定、虚血性/再還流性損傷、ならびに冠動脈性心臓障害。
【0046】
本発明の配合物はまた、血液透析時の血圧の安定化および出生時体重の増加において有効である。
【0047】
本発明の配合物はまた、以下の疾患および症状の治療において有用である:眼の疾患および症状、例えば、緑内障、視神経症、網膜中心静脈閉塞症、眼圧上昇、網膜動脈閉塞症、視血流障害、眼神経障害、黄斑変性(老人性黄斑変性を含む)、視神経疾患(例えば、正常血圧掘削(excavatory)視神経障害、虚血性視神経障害、中毒性視神経障害、外傷性視神経障害、特発性視神経障害、視神経ドルーゼ、および、良性頭蓋内高血圧)、腎疾患(例えば、腎性血管新生、虚血性の血液学的/レオロジー的障害、および中毒性黄斑変性症)、脈絡膜疾患(例えば、後部脈絡膜の虚血性疾患、変性網膜下血管新生、糖尿病性脈絡膜虚血、炎症性網膜下血管新生、非加齢性脈絡膜虚血、変性黄斑ドルーゼ、斑状網膜色素上皮萎縮症、網膜色素上皮剥離、変性網膜下血管新生、湿性加齢関連黄斑変性、黄斑浮腫、家族性ドルーゼ、高血圧関連性黄斑障害、血管腫、乳頭炎、神経性網膜炎、色素性網膜変性障害、血管漏出のない黄斑浮腫、網膜色素変性、早期黄斑円孔、脈絡膜血管新生、枝状網膜静脈閉塞、中間型ブドウ膜炎、および、特発性網膜毛細血管拡張症)、眼血流低下、眼機能低下、眼内圧上昇、ならびに、網膜または動脈閉塞。
【0048】
本発明の文脈において、「選択的」ノルアドレナリン取込阻害剤とは、セロトニン再取込よりノルアドレナリン再取込に対してより強い阻害剤、特に、セロトニンおよびドパミン再取込よりノルアドレナリン再取込に対してより強い阻害を有する阻害剤である化合物である。そうした選択性は、化合物のセロトニン再取込部位に関する阻害定数(またはKi値)を測定し、そしてノルアドレナリン再取込部位に関するこの化合物のKi値で除することで、決定できる。ノルアドレナリン再取込に関するより低いKi値は、ノルアドレナリン受容体に対するより強い結合親和性を示す。より高いセロトニン(Ki)/ノルアドレナリン(Ki)比は、ノルアドレナリン受容体に対する結合がより高い選択性を示す。好ましくは、そうした選択性(セロトニン(Ki)/ノルアドレナリン(Ki))は、少なくとも10倍、より好ましくは少なくとも100倍、さらに好ましくは少なくとも1000倍、最も好ましくは少なくとも5000倍である。阻害定数(Ki値)は、典型的には、ナノモル(nM)の単位で報告され、Y.C. ChengおよびW. H. Prusoffによる“Relationship Between the Inhibitory Constant (Ki) and the Concentration of Inhibitor Which Causes 50% Inhibition (IC5O) of an Enzymatic Reaction,”Biochemical Pharmacology, vol. 22, pp. 3099−3108 (1973) に記載された方法に従って、IC5O値から計算できる。適切な実験の詳細はWO−A−01/01973に開示されている。
【0049】
「ノルアドレナリン」および「ノルエピネフリン」という用語は同義語であり、両方ともこの明細書中で使用される。同様に、「ノルアドレナリン再取込阻害剤」および「ノルエピネフリン再取込阻害剤」という用語も同義語であり、そして「選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤」という用語は「選択的ノルエピネフリン再取込阻害剤」と同じである。
【0050】
好ましい選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤はレボキセチンであり、GB−A−2014981にて開示されている。レボキセチンは、ごくわずかのセロトニン再取込阻害を示し、そしてドパミン再取込阻害は示さない。化学的に、レボキセチンは2つのキラル中心を有し、それゆえに、理論上は、ジアステレオマーの2つの鏡像異性体の対、すなわち、(R,R)および(S,S) 鏡像異性体の対、ならびに、(R,S)および(S,R) 鏡像異性体の対として存在できる。しかしながら、一般名のレボキセチンは、商業的に入手可能な(R,R)および(S,S)鏡像異性体の、1:1比での、ラセミ混合物を意味している。レボキセチンは、エドロナックスTM、プロリフトTM、ベストラTM、およびノレボックスTMという商品名で販売されている。
【0051】
特に好ましい選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤は、レボキセチンの(S,S)−鏡像異性体であり、GB−A−2167407にて開示されている。このレボキセチンの(S,S)−鏡像異性体は、WO−A−01/01973にて開示されているように、セロトニン再取込阻害に比べてノルエピネフリン再取込阻害に対して著しく増強された選択性を有している。したがって、WO−A−01/01973は、選択的なノルエピネフリンの再取込阻害の方法を開示し、この方法は、治療有効量の組成物を個体に投与する段階を含み、この組成物は、少なくとも約5000のセロトニン(Ki)/ノルアドレナリン(Ki)の薬理学的選択性を有している。
【0052】
本発明の配合物で使用するための、適切なPDEV阻害剤の例には、EP−A−0463756で開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;EP−A−0526004で開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン; WO−A−93/06104で開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン; WO−A−93/07149で開示された異性体のピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;WO−A−93/12095で開示されたキナゾリン−4−オン;WO−A−94/05661で開示されたピリド[3,2−d]ピリミジン−4−オン;WO−A−94/00453で開示されたプリン−6−オン;WO−A−98/49166で開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;WO−A−54333で開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;EP−A−0995751で開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン;WO−A−00/24745で開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;EP−A−0995750で開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン;WO−A−95/19978で開示されたヘキサヒドロピラジノ[2',1':6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン;EP−A−1092719およびWO−A−99/24433で開示されたイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−オン;ならびに、WO−A−93/07124で開示された二環式化合物;が挙げられ、これらは全て参照により本願に組み入れられる。
【0053】
本発明の配合物で使用するための、適切なPDEV阻害剤のさらなる例には、WO−A−01/27112で開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;WO−A−01/27113で開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;EP−A−1092718で開示された化合物およびEP−A−1092719で開示された化合物; EP−A−1241170で開示された三環式化合物; WO−A−02/074774で開示されたアルキルスルホン化合物;WO−A−02/072586で開示された化合物; WO−A−02/079203で開示された化合物;WO−A−01/87882で開示された化合物;WO−A−00/56719で開示された化合物、例えばBMS−341400; WO−A−99/64004で開示された化合物、例えばBMS−263504; EP−A−1057829 (Jordanian Pharmaceutical Manufacturing and Medical Equipment Company) で開示された化合物; EP−A−722936で開示された化合物; WO−A−93/07124で開示された化合物; WO−A−98/06722で開示された化合物; WO−A−98/06722で開示された化合物;EP−A−579496で開示された化合物、特にONO1505 (オノ); WO−A−97/03070で開示された化合物、特にOPC35564 (オツカ); ならびにWO−A−02/074312で開示された化合物;が挙げられ、これらは全て参照により本願に組み入れられる。
【0054】
本発明の配合物で使用するための、適切なPDEV阻害剤のなおさらなる例には、WO−A−03/000691、WO−A−02/098875、WO−A−02/064591、WO−A−02/064590およびWO−A−01/08688で開示されたカルボリン誘導体; WO−A−02/098877で開示されたピラジノ[1',2':1,6]ピリド[3,4−B]インドール1,4−ジオン誘導体; WO−A− 02/098428で開示された四環式化合物; WO−A−02/088123およびWO−A−02/00656で開示された化合物;WO−A−02/38563およびWO−A−02/000657で開示された縮合型ピラジンジオン誘導体;WO−A−02/36593で開示されたインドール誘導体;WO−A−02/28865およびWO−A−02/28859で開示された縮合型ピリンドール誘導体; WO−A−02/28858およびWO−A−01/94345で開示されたヘキサヒドロピラジノ [1',2':1,6]ピリド[3,4−B]インドール−1,4−ジオン誘導体;WO−A−02/10166で開示された縮合型複素環誘導体; WO−A−02/00658で開示された環状GMP特異的ホスホジエステラーゼ阻害剤;WO−A−01/94347で開示された四環式ジケトピペラジン化合物;WO−A−02/98877で開示された化合物;ならびに、WO−A−02/19213で開示された化合物;が挙げられ、これらは全て参照により本願に組み入れられる。
【0055】
本発明の配合物で使用するための、適切なPDEV阻害剤のなおさらなる例には、WO−A−01/64192、DE−A−10104800、WO−A−02/59126、DE−A−10104095、WO−A−02/49651、DE−A−10063224、DE−A−10060338、DE−A−10058662、WO−A−02/00660、WO−A−2004/096810およびWO−A−2005/049616に記載された化合物が挙げられ、これらは全て参照により本願に組み入れられる。
【0056】
さらに本発明の配合物と組み合わせて使用できる他のPDEV阻害剤には、4−ブロモ−5−(ピリジルメチルアミノ)−6−[3−(4−クロロフェニル)−プロポキシ]−3(2H)ピリダジノン; 1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−6−クロロ−2−キノゾリニル]−4−ピペリジン−カルボン酸、一ナトリウム塩;(+)−シス−5,6a,7,9,9,9a−ヘキサヒドロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−フェニルメチル−5−メチル−シクロペンタ−4,5]イミダゾ−[2,1−b]プリン−4(3H)オン;フラズロシリン;シス−2−ヘキシル−5−メチル−3,4,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロシクロペンタ[4,5]−イミダゾ[2,1−b]プリン−4−オン;3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボキシレート;3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボキシレート;4−ブロモ−5−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−(3−(4−クロロフェニル)プロポキシ)−3−(2H)ピリダジノン;1−メチル−5(5−モルホリノアセチル−2−n−プロポキシフェニル)−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン;1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−6−クロロ−2−キナゾリニル]−4−ピペリジン−カルボン酸、一ナトリウム塩;ファーマプロジェクツ(Pharmaprojects)第4516番 (グラクソ・ウエルカム); ファーマプロジェクツ第5051番 (バイエル); ファーマプロジェクツ第5064番(協和発酵;WO−A−96/26940を参照); ファーマプロジェクツ第5069番(シェーリング・プラウ); ER−118585、E−8010、E− 4021およびE−4010 (エーザイ); Bay−38−3045および38−9456 (バイエル); FR181074、FR229934およびFR226807 (藤沢); TA−1032、T−0156およびTA−1790 (田辺製薬); EMD82639およびEMR6203 (メルク); LAS34179およびLAS35917 (アルミラル); Sch−51866; BMS−223131 (ブリストル・マオヤーズ・スクリップ); NCX911 (ニコックス); ならびに、ABT−724およびABT−670 (アボット)、が含まれる。
【0057】
本発明の配合物で使用するための好ましいPDEV阻害剤には以下のものが含まれる:
(i) 5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル、バイアグラ(R))、これは1−[[3−(6,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−メチルピペラジン(EP−A−0463756を参照)としても知られている;
(ii) 5−(2−エトキシ−5−モルホリノアセチルフェニル)−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(EP−A−0526004を参照);
(iii) 3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO−A−98/49166を参照);
(iv) 3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO−A−99/54333を参照);
(v) (+)−3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシ−1(R)−メトキシエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、これは3−エチル−5−{5−[4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル]−2−([(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチル]オキシ)ピリジン−3−イル}−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オンとしても知られている(WO−A−99/54333を参照);
(vi) 5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、これは1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルホニル}−4−エチルピペラジンとしても知られている(WO−A−01/27113の実施例8を参照);
(vii) 5−[2−イソ−ブトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−(1−メチルピペリジン−4−イル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO−A−01/27113の実施例15を参照);
(viii) 5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−フェニル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO−A−01/27113の実施例66を参照);
(ix) 5−(5−アセチル−2−ピロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO−A−01/27112、実施例124を参照);
(x) 5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO−A−01/27112、実施例132を参照);
【0058】
(xi) (6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレン−ジオキシフェニル)ピラジノ[2',1':6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(タダラフィル、IC−351、シアリス(R)(Cialis(R)))、すなわち、WO−A−95/19978の実施例78および95の化合物、同様に実施例1、3、7および8の化合物;
(xii) 2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル、レビトラ(R)(Levitra))、これは1−[[3−(3,4−ジヒドロ−5−メチル−4−オキソ−7−プロピルイミダゾ[5,1−f]−アス−トリアジン−2−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−エチルピペラジンとしても知られている、すなわちWO−A−99/24433の実施例20、19、337および336の化合物;
(xiii) WO−A−00/27848で開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン、特にN−[[3−(4,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]−ピリミジン−5−イル)−4−プロポキシフェニル]スルホニル]−1−メチル−2−ピロリジン−プロパンアミド [DA−8159 (WO−A−00/27848の実施例68)];
(xiv) WO−A−93/07124の実施例11の化合物;
(xv) 4−(4−クロロベンジル)アミノ−6,7,8−トリメトキシキナゾリン;
(xvi) 7,8−ジヒドロ−8−オキソ−6−[2−プロポキシフェニル]−1H−イミダゾ[4,5−g]キナゾリン;
(xvii) 1−[3−[1−[(4−フルオロフェニル)メチル]−7,8−ジヒドロ−8−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−g]キナゾリン−6−イル]−4−プロポキシフェニル]カルボキサミド;
(xviii) 5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;
(xix) 1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルホニル}−4−エチルピペラジン;
(xx) N−[1−(2−エトキシエチル)−5−(N−エチル−N−メチルアミノ)−7−(4−メチルピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボニル]メタンスルホンアミド(WO−A−2005/049616の実施例115);
【0059】
(xxi) N−{5−(エチル−メチル−アミノ)−7−(4−メチル−ピリジン−2−イルアミノ)−1−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボニル}−メタンスルホンアミド;
(xxii) N−[5−(2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1−(2−エトキシエチル)−3−エチル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−イル]−(4−メチルピリジン−2−イル)−アミン、 特に、N−[5−(1S,4S)−(2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1−(2−エトキシエチル)−3−エチル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−イル]−(4−メチルピリジン−2−イル)−アミン(WO−A−2004/098610の実施例229);および
(xxiii) {3−エチル−5−[(R)−3−メチル−ピペラジン−1−イル]−1−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−イル}−ピリミジン−4−イル−アミン(WO−A−2004/098610の実施例249);
ならびに、それらの医薬的に受容できる塩および溶媒和物。
【0060】
本発明の配合物で使用されるさらに好ましいPDEV阻害剤は式(III)の化合物である:
【化1】

式中:
Aは、CHまたはNであり;
R1は、H、C1−C6アルキル、C3−C6アルケニル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6シクロアルケニルまたはC1−C3パーフルオロアルキルであって、
ここで該アルキル基は、分枝鎖または直鎖であり、そして該アルキル、アルケニル、シクロアルキルまたはパーフルオロアルキル基は、場合によって1またはそれ以上の以下から選択される置換基で置換されており:
ヒドロキシ;C1−C4アルコキシ;C3−C6シクロアルキル;C1−C3パーフルオロアルキル;フェニル(1またはそれ以上のC1−C3アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキルまたはC1−C4ハロアルコキシから選択された置換基で置換されており、ここで該ハロアルキルおよびハロアルコキシ基は、1またはそれ以上のハロ原子、ハロ、CN、NO2、NHR11、NHSO2R12、SO2R12、SO2NHR11、COR11、CO2R11を含んでおり、ここでR11は、H、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C1−C4アルカノイル、C1−C4ハロアルキルもしくはC1−C4ハロアルコキシであり、およびR12は、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C1−C4アルカノイル、C1−C4ハロアルキルもしくはC1−C4ハロアルコキシであり);
【0061】
NR7R8、CONR7R8、またはNR7COR11であって、ここでR7およびR8は、それぞれ独立してH、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C1−C4アルコキシ、CO2R9、SO2R9から選択され、ここで該アルキル、アルケニルまたはアルコキシ基は、場合によってNR5R6、C1−C4ハロアルキルまたはC1−C4ハロアルコキシで置換され、および、ここでR9は、H、ヒドロキシC2−C3アルキル、C1−C4アルカノイルまたはC1−C4アルキルであって、このアルキルは、場合によってフェニルで置換され、該フェニルは、場合によって、1またはそれ以上の、C1−C4アルキル(このアルキルは、場合によって、C1−C4ハロアルキルまたはC1−C4ハロアルコキシで置換されている)、C1−C4アルコキシ、ハロ、CN、NO2、NHR11、NHSO2R12、SO2R12、SO2NHR11、COR11またはCO2R11で置換されている;
Het1
Het2またはHet3であるか;
または、
R1はHet4またはフェニルであって、ここで該フェニル基は場合によって1またはそれ以上の、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C1−C4アルコキシ、ハロ、CN、CF3、OCF3、NO2、NHR11、NHSO2R12、SO2R12、SO2NHR11、COR11、CO2R11、から選択される置換基で置換されており:
R2は、H、C1−C6アルキル、C3−C6アルケニルまたは(CH2)n(C3−C6シクロアルキル) であって、ここでnは0、1または2であり、および、該アルキルまたはアルケニル基は、場合によって1またはそれ以上のフルオロ置換基で置換されており;
R13は、OR3またはNR5R6であり;
R3は、C1−C6アルキル、C3−C6アルケニル、C3−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、C1−C6パーフルオロアルキルまたは(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキルであって、これは場合によって、1または2個の、C3−C5シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、C3−C6アルケニル、C3−C6アルキニル、ベンジルオキシNR5R6、フェニル、Het1、Het2、Het3もしくはHet4 から選択された置換基で置換されており、ここでC1−C6 アルキルおよびC1−C4アルコキシ基は、場合によって、CF3のようなハロアルキル基;C3−C6シクロアルキル; Het1、Het2、Het3もしくはHet4によって末端が形成されていてもよく;
R4は、場合によってOH、NR5R6、CN、CONR5R6またはCO2R7で置換されたC1−C4アルキル;場合によってCN、CONR5R6またはCO2R7で置換されたC2−C4アルケニル;場合によってNR5R6で置換されたC2−C4アルカノイル;場合によってNR5R6で置換されたヒドロキシC2−C4アルキル;場合によってOHまたはNR5R6で置換された(C2−C3アルコキシ)C1−C2アルキル;CONR5R6; CO2R7; ハロ; NR5R6; NHSO2NR5R6; NHSO2R8; または、フェニルまたは複素環であってそのいずれかが場合によってメチルで置換され;または、
【0062】
R4は、ピロリジニルスルホニル、ピペリジノスルホニル、モルホリノスルホニル、またはピペラジニル基の4位に置換基R10を有するピペラジン−1−イルスルホニル基であって、該ピペラジニル基は場合によって1または2個のC1−C4アルキル、C1−C3アルコキシ、NR7R8またはCON R7R8により置換されており、そして場合によって4−N−オキシドの形態であり;
R5およびR6は、それぞれ独立して、Hおよび、場合によりC3−C5シクロアルキルまたはC1−C4アルコキシで置換されたC1−C4アルキルから選択されるか、または、それらが結合している窒素原子と共に、アゼチジニル、プロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、4−(NR9)−ピペラジニルまたはイミダゾリル基を形成し、ここで該基は場合によりメチルまたはヒドロキシで置換されており;
R10は、H; C1−C6アルキル、(C1−C3アルコキシ)C2−C6 アルキル、ヒドロキシC2−C6アルキル、(R7R8N)C2−C6 アルキル、(R7R8NCO)C1−C6 アルキル、CONR7R8、CSNR7R8、または場合によりヒドロキシ、NR5R6、CONR5R6、フェニル(場合によってC1−C4 アルキルもしくはC1−C4アルコキシ基で置換された)から選択される1または2個の置換基で置換されたC(NH)NR7R8; C2−C6アルケニル、またはHet4であり;
Het1は、N−結合型4−、5−または6−員式窒素含有複素環基であって、これは場合によりS、NまたはOから選択される1またはそれ以上のさらなるヘテロ原子を含み;
Het2は、C−結合型5−員式複素環基であって、これはS、NまたはOヘテロ原子を含みそして場合によりSまたはOから選択される1またはそれ以上のさらなるヘテロ原子を含み;
Het3は、C−結合型6−員式複素環基であって、これはOまたはSヘテロ原子を含みそして場合によりS、NまたはOから選択される1またはそれ以上のさらなるヘテロ原子を含むか、または、Het3は、C−結合型6−員式複素環基であって3個のNヘテロ原子を含み;
Het4は、C−結合型4−、5−または6−員式複素環基であって、これはS、NまたはOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含み;およびここで、該複素環基Het1、Het2、Het3またはHet4のどれもが飽和、部分飽和または芳香族であってよく、およびここで該複素環基のどれもが場合によってC1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C1−C4アルコキシ、ハロ、CO2R11、COR11、SO2R12またはNHR11から選択された1またはそれ以上の置換基で置換されてよく、および/またはここで該複素環基のどれもがベンゾ融合型であり;
【0063】
または、R13がOR3またはR3NR5を示す場合;R1は、Het、アルキルHet、アリールもしくはアルキルアリールであり、後者の5つの基は全て、場合によって、ハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選択される1またはそれ以上の置換基により置換されるかおよび/または末端を形成されており;R2は、H、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13、SO2NR14R15、低級アルキル、Het、アルキルHet、アリールまたはアルキルアリールであり、後者の5つの基は全て、場合によって、ハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選択される1またはそれ以上の置換基により置換されるかおよび/または末端を形成されており;R3は、H、低級アルキル、アルキルHetまたはアルキルアリールであり、後者の3つの基は全て、場合によって、ハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選択される1またはそれ以上の置換基により置換されるかおよび/または末端を形成されており;R4は、H、ハロ、シアノ、ニトロ、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13、NR16Y(O)R17、SOR18、SO2R19R20、C(O)AZ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、Het、アルキルHet、アリール、アルキルアリールであり、後者の7つの基は全て、場合によって、ハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選択される1またはそれ以上の置換基により置換されるかおよび/または末端を形成されており;YはCまたはS(O)であり、ここでYがS(O)の場合はR16およびR17の1つは存在しておらず;Aは低級アルキレンであり;ZはOR6、ハロ、Hetまたはアリールであって、後者の2つの基は、いずれも場合によって、ハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選択される1またはそれ以上の置換基により置換されており;R5、R6、R7、R8、R9、R18、R19 およびR20は、独立してHまたは低級アルキルであり;R10およびR11は、独立してHまたは低級アルキル(この後者の基は、場合によって、ハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選択される1またはそれ以上の置換基により置換されるかおよび/または末端を形成されている)またはHetまたはアリール(場合によって、該後者の11個の基の1またはそれ以上で置換されている)、またはR10およびR11はの1つは、低級アルコキシ、アミノまたはHetであってよく、後者の2つの基はいずれも場合により低級アルキルで置換されており;R12およびR13は、独立してHまたは低級アルキルであるか、またはR12またはR13の1つは、C(O)−低級アルキルまたはC(O)Hetであってよく、ここでHetは、場合によって、低級アルキルで置換されており;R14およびR15は、独立してHもしくは低級アルキルであるか、またはR12およびR13が、それらが結合している窒素と共に、複素環を形成し;R16およびR17は、独立してHまたは低級アルキルであるか、またはR16およびR17の1つは、Hetまたはアリールであり、後者の2つの基はいずれも場合により低級アルキルで置換されており;Hetは、場合によって置換された4から12員複素環式基であって、これは芳香族でも非芳香族であってもよく、これは1またはそれ以上の二重結合を含んでもよく、これは単もしくは二環式であってもよく、そしてS、NまたはOから選択される1またはそれ以上のヘテロ原子を含んでいる;
または、そのいずれかの医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物である。
【0064】
式(III)において、PDEV阻害剤は、ハロ基を含んでもいい。ここで「ハロ」はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0065】
式(III)において、PDEV阻害剤は、非分枝鎖または分枝鎖であっていい、1またはそれ以上のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキレンおよびアルケニレン基を含んでもいい。
【0066】
式(III)において、本発明で使用するための化合物の好ましい基は:R1が、H、メチ
ルまたはエチル;R2が、H、C1−C3アルキル(場合によってOHで置換された)、またはメトキシ;R3は、C2−C3アルキルまたはアリル;R4は、スルホニルピペリジノまたは4−N−(R10)−スルホニルピペラジン−1−イル基;R5が、H、NR7R8、またはCONR7R8;R10が、H、C1−C3アルキル、ヒドロキシC2−C6アルキル、CONR7R8、CSNR7R8またはC(NH)NR7R8;R7およびR8は、互いに独立してHまたはメチルであるものである。
【0067】
式(III)において、本発明で使用するための化合物の他の好ましい基は、式中が下記のものである:R1は、Hetで場合によって置換されたC1−C2アルキル;2−(モルホリン−4−イル)エチルまたはベンジル;R2は、C2−C4アルキル;R13は、OR3またはNR5R6; R3は、場合によって、シクロプロピル、シクロブチル、OH、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、NR5R6、フェニル、フラン−3−イル、ピリジン−2−イルおよびピリジン−3−イルから選択された1または2の置換基により置換されたC1−C4アルキル;シクロブチル;1−メチルピペリジン−4−イル;テトラヒドロフラン−3−イルまたはテトラヒドロピラン−4−イル;R5およびR6は、それぞれ独立して、Hおよびシクロプロピルまたはメトキシで場合によって置換されたC1−C2アルキル、または、それが結合している窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニルまたはモルホリニル基を形成し;R7およびR8は、それが結合している窒素原子と共に、場合によって、1または2個のメチル基により置換されるか、そして、場合によって、その4−N−オキシドの形態である、4−R10−ピペラジニル基を形成し;R10は、H、場合によって、OH、NR5R6、CONR5R6、フェニル(場合によって、メトキシ、ベンゾジオキソール−5−イルおよびベンゾジオキサン−2−イルにより置換された)から選択された1または2の置換基により置換されたC1−C3アルキル;アリル;ピリジン−2−イル;ピリジン−4−イル、またはピリミジン−2−イル;ならびに、Hetはピリジン−2−イル;1−オキシドピリジン−2−イル;6−メチルピリジン−2−イル;6−メトキシピリジン−2−イル;ピリダジン−3−イル;ピリミジン−2−イルおよび1−メチルイミダゾール−2−イルから選ばれる。これらの基のうちでより好ましい基は、式中が下記のものである化合物である:R1は、Hetで場合によって置換されたC1−C2アルキル;2−(モルホリノ−4−イル)エチルまたはベンジル; R2は、C2−C4アルキル;R13は、OR3;R3は、場合によって、シクロプロピル、シクロブチル、OH、メトキシ、エトキシ、フェニル、フラン−3−イルまたはピリジン−2−イルにより一置換されたC1−C4アルキル;シクロブチル;テトラヒドロフラン−3−イルまたはテトラヒドロピラン−4−イル; R7およびR8は、それが結合している窒素原子と共に、場合によって、その4−N−オキシドの形態である、4−R10−ピペラジニル基を形成し; R10は、場合によってOHで一置換されたC1−C3アルキル;ならびに、Hetはピリジン−2−イル;1−オキシドピリジン−2−イル;6−メチルピリジン−2−イル;6−メトキシピリジン−2−イル;ピリダジン−3−イル;ピリミジン−2−イルおよび1−メチルイミダゾール−2−イルから選ばれる。
【0068】
式(III)において、本発明で使用するための化合物の他のさらなる好ましい基は、式中が下記のものである: R1は、C1−C6アルキルまたはC3−C6アルケニルであって該アルキルまたはアルケニル基は分枝鎖または直鎖であってよく、またはR1は、C3−C6シクロアルキルまたはC4−C6シクロアルケニルであって、ここで、R1がC1−C3アルキルである場合は該アルキル基が;そして、ここで、R1が、C4−C6アルキル、C3−C6アルケニル、C3−C6
シクロアルキルまたはC4−C6シクロアルケニルである場合は該アルキル、アルケニル、シクロアルキルまたはシクロアルケニル基が、場合によって;ヒドロキシ;C1−C4アルコキシ;C3−C4シクロアルキル;フェニル(C1−C3アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキルまたはC1−C4ハロアルコキシ、ハロ、CN、NO2、NHR11、NHCOR12、NHSO2R12、SO2R12、SO2NHR11、COR11、CO2R11から選択される1またはそれ以上の置換基で置換されており、ここで該ハロアルキルおよびハロアルコキシ基は1またはそれ以上のハロ原子を含む);NR7R8、CONR7R8、またはNR7COR11;N−結合型 4−員 N−含有複素環式基であるHet1基;O、SまたはNヘテロ原子を含み、場合によって1またはそれ以上のO、SまたはNヘテロ原子を含むC−結合型 5−員複素環式基であるHet2基;OまたはSヘテロ原子を含み、場合によって1もしくはそれ以上のO、SまたはNヘテロ原子を含むC−結合型
6−員複素環式基であるHet3基か、または、3個のNヘテロ原子を含むC−結合型 6−員複素環式基であるHet3基であって;ここで、R7、R8、R11およびR12は本明細書中で先に定義されたとおりであるか、または、R1は、S、OまたはNから選択される1個のヘテロ原子を含むC−結合型 4−、5−員複素環式基である;SまたはOから選択される1、2または3個の窒素ヘテロ原子を含むC−結合型 6−員複素環式基であるHet4基;、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、CO2R11、SO2R12、COR11、NHR11またはNHCOR12から選択された1またはそれ以上の置換基で置換され、そして、場合によって、さらにS、OまたはNから選択される1個のヘテロ原子を含む、1または2個の窒素ヘテロ原子を含むC−結合型 6−員複素環式基であるHet4基であって、ここで、該複素環式基のHet1、Het2、Het3またはHet4のいずれもが、必要に応じて、飽和型、部分不飽和型または芳香族型であり、そして該複素環式基のいずれもが、場合によって、C1−C4アルキル、C3−C4アルケニル、C1−C4アルコキシ、ハロ、CO2R11、SO2R12、COR11またはNHR11から選択される1またはそれ以上の置換基で置換されており、ここでR11は先に本明細書中で定義されたとおりおよび/またはここで該複素環式基のいずれもがベンゾ融合型であり;または、
【0069】
R1は、CF3、OCF3、SO2R12またはCO2R12から選択された1またはそれ以上の置換基で置換されたフェニルであり、ここでR12は、場合によって、フェニル、C1−C4ハロアルキルまたはC1−C4ハロアルコキシ(該ハロアルキルおよびハロアルコキシ基は1またはそれ以上のハロ原子を有している)により置換されたC1−C4アルキルであり;R2は、C1−C6アルキル;R13は、OR3;R3は、場合によって、C3−C5シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、ベンジルオキシ、NR5R6、フェニル、フラニル、テトラヒドロフラニルまたはピリジニルから選択された1または2個の置換基により置換されたC1−C6アルキルであり、ここで、該C1−C6アルキルおよびC1−C4アルコキシ基は、場合により、CF3のようなハロアルキル基を末端に有してもよく;または、R3は、C3−C6シクロアルキル、1−(C1−C4アルキル)ピペリジニル、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニル; R4は、ピペラジニル基の4位に置換基R10を有するピペラジン−1−イルスルホニル基であって、ここで該ピペラジニル基は、場合によって、1または2個のC1−C4アルキル基で置換されており、そして、場合によって、その4−N−オキシドの形態である;R5およびR6は、それぞれ独立して、H、およびC3−C5シクロアルキルまたはC1−C4アルコキシにより場合によって置換されたC1−C4アルキルから選択された、または、それが結合している窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニル基を形成し;ならびに、R10は、H;場合により、ヒドロキシ、NR5R6、CONR5R6、フェニル(場合により、C1−C4アルキルまたはC1−C4アルコキシで置換された)から選択された1または2個の置換基で置換されたC1−C4アルキル;C3−C6アルケニル;Het4;ただし、R1がフェニルで置換されたC1−C3アルキルである場合は、該フェニル基はC1−C4アルコキシで置換されていない; CN; ハロ; CF3; OCF3; またはC1−C4アルキルである。化合物のこの基でより好ましいのは、式中が下記のものである化合物である:R1は、C1−C6アルキルであって該アルキルは分枝鎖もしくは直鎖であってよく、またはR1は、C3−C6シクロアルキルであって、ここで、R1がC1−C3アルキルである場合は該アルキル基が以下の基から選択される1または2個の置換基で置換されており;そして、ここで、R1が、C4−C6アルキルまたはC3−C6
クロアルキルである場合は該アルキルまたはシクロアルキル基が、場合によって以下の基から選択される1または2個の置換基で置換されており;ヒドロキシ;C1−C2アルコキシ;C3−C5シクロアルキル;NR7R8, NR7COR11またはCOR11、ここでR7およびR8は、互いに独立して、H、C1−C4アルキルまたはCO2R9から選択され、ここでR9およびR11は、本明細書中で先に定義されたとおりであり;N−結合型 4−員 N−含有複素環式基であるHet1基;OまたはSヘテロ原子を含み、場合によって1またはそれ以上のO、SまたはNから選択されるヘテロ原子を含むC−結合型 6−員複素環式基であるHet3基、または、3個のNヘテロ原子を含むC−結合型 6−員複素環式基であるHet3基;
【0070】
または、R1は、S、OまたはNから選択される1個のヘテロ原子を含むC−結合型 4−員複素環式基であるHet4基であり、または、R1は、SまたはOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含むC−結合型 6−員複素環式基であるHet4基であり、ここで、該複素環式基のHet1、Het2、Het3またはHet4のいずれもが、飽和型、部分不飽和型または芳香族型であり、そして該複素環式基のいずれもが、場合によって、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、−CO2R11、−SO2R12、−COR11または−NHR11から選択される1またはそれ以上の置換基で置換されており、ここでR11およびR12は先に本明細書中で定義されたとおりおよび/またはここで該複素環式基のいずれもがベンゾ融合型であり;
または、R1は、CF3、−OCF3、−SO2R12、−COR11、−CO2R11から選択された1またはそれ以上の置換基で置換されたフェニルであって、ここでR11およびR12は先に本明細書中で定義されたとおりであり;R2は、C1−C6アルキル;R13は、OR3であり;R3は、場合によって、シクロプロピル、シクロブチル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、フェニル、ベンジル、フラン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イルメチル、テトラヒドロフラン−3−イルメチル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イルまたはNR5R6から選択された、1または2個の置換基で置換された、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、i−ブチルまたはt−ブチルであり、ここで、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、およびC1−C2アルキルから選択される; R4は、ピペラジニル基の4位に置換基R10を有するピペラジン−1−イルスルホニル基であって、ここで該ピペラジニル基は、場合によって、1または2個のC1−C4アルキル基で置換されており、そして、場合によって、その4−N−オキシドの形態である;ならびに、R10は、H、場合により、ヒドロキシ、NR5R6、CONR5R6から選択される1または2個の置換基で置換されたC1−C3アルキルであり、ここで、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C1−C4アルキルおよびC3アルケニルから選択される。
【0071】
式(III)において、本発明で使用するための化合物の他のさらなる好ましい基は、式中が下記のものである:R1は、H、低級アルキル、Het、アルキルHet、またはアルキルアリールを表し(ここで後者の4つの基は全て、場合によって、シアノ、低級アルキル、OR6、C(O)OR9またはNR12R13から選択される1またはそれ以上の置換基で置換されるかおよび/またはそれを末端に有している); R2は、H、ハロ、低級アルキル、Hetまたはアリールを表し(ここで後者の3つの基は全て、場合によって、ここで前に定義された置換基の1またはそれ以上、好ましくはNR12R13またはSO2NR14R15により、置換されるかおよび/またはそれを末端に有している);R3は、場合によって、ハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選択される1またはそれ以上の置換基で置換されるかおよび/またはそれを末端に有している、C1−C4アルキルまたはC3−C4シクロアルキルを表し;R4は、ハロ、シアノ、ニトロ、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13、N[Y(O)R17]2、NR16Y(O)R17、SOR18、SO2R19、C(O)AZ、低級アルキル、低級アルキニル、Hetまたはアリールを表し、ここで後者の3つの基は全て、場合によって、ここで前に定義された置換基の1またはそれ以上により、置換されるかおよび/またはそれを末端に有しており;ならびに、ここでY、A、Z、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R5、R6、R7、R8、R9、R18、R19およびHetは本明細書中で先に定義されたとおりである。このさらなる基においてより好ましいのは、式中が下記のものである:R1は、場合によって置換された低級アルキル、より好ましくは低級アルキル、低級アルコキシ末端低級アルキル、NR12R13−末端低級アルキル、またはN−モルホリノ−末端低級アルキルである。代わりに、R1は、場合によってピペリジニル基の窒素原子において低級アルキルまたはC(O)OR9により置換された、4−ピペリジニルまたは3−アゼチジニル基を表してもいい。このさらなる基におけるそうしたより好ましい化合物において、R2は、C(O)NR10R11、NR12R13、場合によって1またはそれ以上のO、SまたはNによって遮断され、場合によってNにおいて低級アルキルまたはアシルで置換され、または場合によってアリールまたはHetで置換された、低級アルキルである。より好ましくは、R2が低級アルキルで遮断されている場合は、遮断している原子は1またはそれ以上のOおよび低級アルキル化−Nであり、そしてR2がアリールの場合は、これは場合によってフェニルまたはピリジルで置換されている。このさらなる基の特に好ましい化合物は、R2が、C(O)NR10R11、NR12R13、場合によってOまたはNで遮断された、場合によって、Nにおいて、低級アルキル、場合によって置換されたフェニル、または場合によって置換されたピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリミジン−5−イル、ピラジン−2−イル、ピラゾール−4−イル、オキサジアゾール−2−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イルおよびイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルで置換された C1-4アルキル、を表すものである。このさらなる化合物のより好ましい基において、R3は、低級アルキルまたはシクロアルキルを表すことができる。また、Xは好ましくはOである。そうしたさらなるそしてより好ましい化合物は、ハロ、低級アルキル、低級アルキニル、場合により置換されたHet、場合によって置換されたアリール、C(O)R8、C(O)AZ、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13またはNR16Y(O)R17を表すR4を有する。R4のより好ましい意義は、C(O)R8 (例えば、アセチル)、ハロ(例えば、ヨード)、SO2R19(ここでR19は低級アルキルを表す)およびC(O)NR10R11(例えば、ここでR10およびR11が独立してHおよび低級アルキル、および/または、R10およびR11の1つが低級アルコキシを表す)またはNHBであって、ここでBはH、SO2CH3またはC(O)Hetである。またさらに好ましいのは、R4が、ヨード、低級アルキル、低級アルキニル(ここで、後者の2つの基は、C(O)OR9で置換されているかおよび/またはそれを末端に有しており(ここでR9は、HまたはC1-6アルキルであり))、N(H)Y(O)R17、N[Y(O)R17]2、場合によって置換されたHetまたはNR12R13(ここで、R12およびR13は共にOまたはN−S(O)2−(場合によって置換されたアリール)で遮断されたC3-5アルキレンを表す)である化合物である。
【0072】
本発明の配合物で使用するための好ましいPDEV阻害剤は、PDEV酵素に関して100ナノモル未満、より好ましくは50ナノモル未満、さらにより好ましくは10ナノモル未満のIC50を有する。そうしたIC50値は、例えばWO−A−01/27113、EP−A−0526004およびEP−B−0463756に記載されたような公知のPDE5アッセイ法を用いて測定することができる。
【0073】
好ましくは、本発明に従って使用するPDEV阻害剤は、PDEV酵素に関して選択的である(IC50に関して測定するように)。好ましくは、これはPDEVに関して、PDE3に比べて100を越えて、より好ましくは300を越えて、選択性を有する。より好ましくは、このPDEV阻害剤は、PDE3およびPDE4の両方に比べて100を越えて、より好ましくは300を越えて、選択性を有する。さらにより好ましくは、これは全ての他のPDE酵素に比べて10を越えて、より好ましくは100を越えて、選択性を有する。選択比は、当業者により容易に決定できる。PDE3およびPDE4酵素に関するIC50は、確立した文献記載の方法を用いて決定できる(S A Ballard等、Journal of Urology, 1998, vol.159, p2164−2171を参照)。
【0074】
本発明の配合物で使用するための特に好ましいPDEV阻害剤は、以下のものである:
5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にクエン酸シルデナフィル;
(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレン−ジオキ
シフェニル)ピラジノ[2',1':6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(タダラフィル、IC−351、シアリス(R))、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル、レビトラ(R))、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−ア
ゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルホニル}−4−エチルピペラジン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
N−[1−(2−エトキシエチル)−5−(N−エチル−N−メチルアミノ)−7−(4−メチルピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボニル]メタンスルホンアミド、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;および
{3−エチル−5−[(R)−3−メチル−ピペラジン−1−イル]−1−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−イル}−ピリミジン−4−イル−アミン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物。
【0075】
本発明の好ましい配合物は、以下のものから選択される選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI):
レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にメシル酸レボキセチン;および
(S,S)−レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にコハク酸(S,S)−レボキセチン;
ならびに、以下のものから選択されるホスホジエステラーゼ5型(PDEV):
5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にクエン酸シルデナフィル;
(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピラジノ[2',1':6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(タダラフィル、IC−351、シアリス(R))、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル)、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オ
キソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルホニル}−4−エチルピペラジン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
N−[1−(2−エトキシエチル)−5−(N−エチル−N−メチルアミノ)−7−(4−メチルピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボニル]メタンスルホンアミド、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;および
{3−エチル−5−[(R)−3−メチル−ピペラジン−1−イル]−1−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−イル}−ピリミジン−4−イル−アミン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、
との配合物である。
【0076】
本発明の好ましい配合物は、(S,S)−レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にコハク酸(S,S)−レボキセチン、ならびに、以下のものから選択されるホスホジエステラーゼ5型(PDEV):
5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にクエン酸シルデナフィル;
(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピラジノ[2',1':6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(タダラフィル、IC−351、シアリス(R))、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル、レビトラ(R))、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルホニル}−4−エチルピペラジン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
N−[1−(2−エトキシエチル)−5−(N−エチル−N−メチルアミノ)−7−(4−メチルピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボニル]メタンスルホンアミド、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;
3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物;および
{3−エチル−5−[(R)−3−メチル−ピペラジン−1−イル]−1−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−イル}−ピリミジン−4−イル−アミン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、
との配合物である。
【0077】
本発明の好ましい配合物は、(S,S)−レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にコハク酸(S,S)−レボキセチン、および、5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にクエン酸シルデナフィルの配合物である。
【0078】
本発明の好ましい配合物は、(S,S)−レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にコハク酸(S,S)−レボキセチン、および、(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピラジノ[2',1':6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(タダラフィル、IC−351、シアリス(R))、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物の配合物である。
【0079】
本発明の好ましい配合物は、(S,S)−レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にコハク酸(S,S)−レボキセチン、および、2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル)、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物の配合物である。
【0080】
本発明の好ましい配合物は、(S,S)−レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にコハク酸(S,S)−レボキセチン、および、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物の配合物である。
【0081】
本発明の好ましい配合物は、(S,S)−レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にコハク酸(S,S)−レボキセチン、および、5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物の配合物である。
【0082】
本発明の好ましい配合物は、(S,S)−レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にコハク酸(S,S)−レボキセチン、および、1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルホニル}−4−エチルピペラジン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物の配合物である。
【0083】
本発明の好ましい配合物は、(S,S)−レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にコハク酸(S,S)−レボキセチン、および、N−[1−(2−エトキシエチル)−5−(N−エチル−N−メチルアミノ)−7−(4−メチルピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボニル]メタンスルホンアミド、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物の配合物である。
【0084】
本発明の好ましい配合物は、(S,S)−レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にコハク酸(S,S)−レボキセチン、および、3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物の配合物である。
【0085】
本発明の好ましい配合物は、(S,S)−レボキセチン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特にコハク酸(S,S)−レボキセチン、および、{3−エチル−5−[(R)−3−メチル−ピペラジン−1−イル]−1−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−イル}−ピリミジン−4−イル−アミン、またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物の配合物である。
【0086】
本発明の配合物で使用するために選択される、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)またはホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤、特に上記でリストした適切または好ましい化合物の一つ(以下、「本発明で使用するための化合物」とよぶ)は、医薬的に受容できる塩、例えば酸付加または塩基塩の形態で使用することができる。
【0087】
適切な酸付加塩は、非毒性の塩を生成する酸から形成される。例には、酢酸、アスパラギン酸、安息香酸、ベシル酸、重炭酸/炭酸、重硫酸/硫酸、ホウ酸、カンシル酸、クエン酸、エジシル酸、エシル酸、ギ酸、フマル酸、グルセプト酸、グルコン酸、グルクロン酸、ヘキサフルオロリン酸、ヒベンズ酸、塩酸/塩化物、臭化水素酸/臭化物、ヨウ化水素酸/ヨウ化物、イセチオン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、メシル酸、メチル硫酸、ナフチル酸、2−ナプシル酸、ニコチン酸、硝酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸/一水素リン酸/二水素リン酸、サッカリン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、トシル酸、およびトリフルオロ酢酸の塩が挙げられる。適切な塩基塩は、非毒性の塩を生成する塩基から形成される。例には、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オーラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛の塩が挙げられる。
【0088】
酸および塩基のヘミ塩もまた、例えば、ヘミ硫酸およびヘミカルシウムの塩のように、形成できる。
【0089】
適切な塩に関する総説は、例えば、StahlおよびWermuthによるHandbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use(Wiley−VCH、バインハイム、ドイツ、2002)を参照のこと。
【0090】
本発明で使用されるための化合物の医薬的に受容できる塩は、以下の3つのモードの1またはそれ以上を用いて製造できる:
(i) 化合物を、所望の酸または塩基と反応させることにより;
(ii) 化合物の適切な前駆体から酸もしくは塩基で壊れやすい保護基を除去により、または適切な環状前駆体、例えばラクトンもしくはラクタムを、所望の酸もしくは塩基を用いて開環することにより; または
(iii) 化合物の一つの塩を、適切な酸もしくは塩基との反応により、または適切なイオン交換カラムを用いて、他のものに変換することにより。
【0091】
3つの反応は全て通常は溶液中で行われる。得られた塩は析出することができ、そして濾過により回収されるか、または溶媒の蒸発により回収することができる。得られた塩のイオン化の程度は、完全にイオン化されたものからほぼ非イオン化のものまで変化するだろう。
【0092】
本発明で使用するための化合物は、非溶媒和型および溶媒和型の両方の形態で存在できる。本願で「溶媒和物」という用語は、化合物と、化学量論的量の1またはそれ以上の医薬的に受容できる溶媒分子、例えばエタノールとを含む、分子複合体を記載するために用いる。「水和物」という用語は、該溶媒が水の場合である。
【0093】
本発明で使用するための化合物は、包接化合物のような複合体、すなわち薬物−ホスト包接複合体(上記の溶媒和物とは反対に、薬物およびホストが化学量論的または非化学量論的な量で存在する)を形成することができる。本発明で使用するための化合物は、また、2またはそれ以上の有機および/または無機化合物(化学量論的または非化学量論的な量で存在する)を含むことができる。得られた複合体は、イオン化、部分的イオン化されても、またはイオン化されていてもいい。そうした複合体の総説は、HaleblianによるJ. Pharm. ScL, 64 (8), 1269−1288 (1975年8月) を参照のこと。
【0094】
本発明で使用するための化合物は、プロドラッグの形態で使用することができる。したがって、それ自体はほとんどまたは全く薬理活性を有さない化合物の特定の誘導体を、身体中または身体上に投与した場合、例えば、加水分解により、所望の活性を有する化合物へと変換できる。そうした誘導体を「プロドラッグ」とよぶ。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、Pro−drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ACS Symposium Series (T. HiguchiおよびW. Stella)、およびBioreversible Carriers in Drug Design, Pergamon Press, 1987 (E. B. Roche編集、米国薬学会)で見出すことができる。プロドラッグは、適切な機能性を例えば、Design of Prodrugs by H. Bundgaard (Elsevier, 1985)に記載された「プロ−部分構造(pro-moieties)」のような、当業者に知られた特定部分構造で置換することによって製造することができる。
【0095】
本発明で使用するための化合物は、また、患者に投与した場合に、主に酸化過程によって活性代謝物を生成できるだろう。肝酵素による水酸化が特に注目される。
【0096】
1またはそれ以上の非対称炭素原子を有する、本発明で使用するための化合物は、2またはそれ以上の立体異性体として存在できる。化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含む場合は、幾何的シス/トランス(またはZ/E)異性体が可能である。構造異性体が、低いエネルギー障壁を経由して相互変換可能な場合は、互変異性(tautomerism)が生じうる。これは、例えば、イミノ、ケトもしくはオキシム基を含む化合物中のプロトン互変異性、または、芳香族部分構造を含む化合物中のいわゆる原子価互変異性(valence tautomerism)の形態をとることができる。それにより、単一の化合物は2以上の型の異性体を示すことができる。
【0097】
シス/トランス異性体は、当業者に周知の慣用法、例えばクロマトグラフィーおよび分別結晶化により分離できる。
【0098】
個別の光学異性体の調製/分離のための慣用技術には、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または、例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、ラセミ化合物(または塩もしくは誘導体のラセミ化合物)の分離を含む。
【0099】
代わりに、ラセミ化合物(または、ラセミ前駆体)は、適切な光学的活性化合物、例えばアルコールと、または酸性もしくは塩基性部分構造を含む化合物の場合は、塩基もしくは酸、例えば1−フェニルエチルアミンもしくは酒石酸と反応させることができる。得られたジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化により分離することができ、次いで、一方または両方のジアステレオマーを当業者に周知の手段により対応する純粋な光学異性体に変換することができる。
【0100】
キラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、クロマトグラフィー、通常はHPLCを用いて、非対称的な樹脂上で、炭化水素、通常はヘプタンまたはヘキサンから成り、イソプロパノールを0から50体積%、通常は2%から20体積%、およびアルキルアミンを0から5体積%、通常はジエチルアミンを0.1%含む移動相を用いて、光学異性体富化形態で得ることができる。溶出物の濃度は富化した混合物を与える。
【0101】
立体異性体の集合体は、当業者に知られた慣用技術により分離できる;例えば、E. L. ElielおよびS. H. WilenによるStereochemistry of Organic Compounds(Wiley、ニューヨーク、1994)を参照のこと。
【0102】
本発明で使用するための化合物は、同位体標識することができ、同じ原子番号であるが天然に優勢的に存在する原子量または質量数とは異なった原子量または質量数を有する原子で1またはそれ以上の原子が置換されている。
【0103】
そうした同位体の例には、2Hおよび3Hのような水素、11C, 13Cおよび14Cのような炭素、36Clのような塩素、18Fのようなフッ素、123Iおよび125Iのようなヨウ素、13Nおよび15Nのような窒素、15O, 17Oおよび18Oのような酸素、32Pのようなリン、ならびに35Sのような硫黄の同位元素が含まれる。
【0104】
特定の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体を組み込んでいるものは、薬物および/または基質の組織分布試験において有用である。放射性同位体のトリチウム、すなわち3Hおよび炭素−14、すなわち14Cは、それらの組み込み易さおよび容易な検出手段を考慮して、この目的のために特に有用である。
【0105】
より重い同位体、例えば重水素、すなわち2Hによる置換は、より大きな代謝上の安定性に帰因する、例えばインビボの半減期の増加または投与必要量の減少のような特定の治療上の利点を与えることができ、それによりある環境下では好ましいだろう。
【0106】
陽電子放出同位体、例えば11C、18F、15Oおよび13Nによる置換は、基質受容体の占有度を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)研究において使用できる。
【0107】
医薬的に受容できる溶媒和物には、結晶化の溶媒が同位体で置換されることのできるもの、例えばD2O、d6−アセトン、d6−DMSOが含まれる。
【0108】
本発明で使用するための化合物は、結晶性または非晶性生成物として投与できる。これは、例えば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥または蒸発乾燥のような方法を用いて、固体のプラグ、粉末またはフィルムとして得ることができる。電子レンジまたは高周波乾燥がこの目的に使用できる。
【0109】
本発明で使用するための化合物は、単独で投与できるが、しかし多くの場合1またはそれ以上の医薬的に受容できる賦形剤と一緒での製剤として投与されるだろう。本願で「賦形剤」という用語は、本発明で使用するための化合物以外のあらゆる成分を記載するために用いられる。賦形剤の選択は、特定の投与方法、溶解性および安定性への賦形剤の作用、ならびに投与剤形の性質のような要因に大きく依存するであろう。
【0110】
本発明で使用するための化合物の送達のために適切な医薬組成物、およびそれらの製造方法は、当業者には容易に理解できるだろう。そうした組成物およびそれらの製造方法は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 第19版 (Mack Publishing Company, 1995)でみいだすことができる。
【0111】
本発明で使用するための化合物は、経口的に投与できる。経口投与は、化合物が胃腸管に入れるように嚥下を含んでもよく、または、化合物が口腔から直に血流に入る頬内もしくは舌下投与を用いてもいい。
【0112】
経口投与に適した製剤には、固体製剤、例えば錠剤、粒子を含有するカプセル剤、液剤、または粉剤、ロゼンザ(液体充填型も含む)、咀嚼剤(chew)、マルチ−およびナノ−粒子、ゲル剤、固溶体、リポソーム、フィルム、オブール(ovule)、スプレー剤ならびに液体製剤が含まれる。
【0113】
液体製剤には、分散液剤、溶液剤、シロップ剤、およびエキシール剤が含まれる。そうした製剤は、軟カプセル剤または硬カプセル剤中の充填物として用いることができ、そして通常は、担体、例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは適切な油、および1またはそれ以上の乳化剤および/または分散剤を含んでいる。液体製剤はまた、固形物、例えばサッシェ剤の再構成により調製することもできる。
【0114】
本発明で使用するための化合物は、また、迅速溶解性、迅速崩壊性の投与剤形、例えばLiangおよびChenによりExpert Opinion in Therapeutic Patents, H (6), 981−986, (2001)に記載されたようなものの一つで、使用することができる。
【0115】
錠剤投与剤形については、投与量に依存して、本発明で使用するための化合物は、一般に、投与剤形の1質量%から80質量%、より典型的には投与剤形の5質量%から60質量%を占めるだろう。さらに、錠剤は一般に崩壊剤を含んでいる。崩壊剤の例には、スターチグリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般に、崩壊剤は投与剤形の1質量%から25質量%、好ましくは5質量%から20質量%含まれるだろう。
【0116】
結合剤は一般に錠剤製剤に粘着性を与えるために用いられる。適切な結合剤には、微結晶化セルロース、ゼラチン、糖類、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤はまた、希釈剤、例えば乳糖(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、しょ糖、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプンおよび二塩基性リン酸カルシウム二水和物を含むこともできる。
【0117】
錠剤はまた、場合によっては、界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80、ならびに潤滑剤、例えば二酸化ケイ素およびタルクを含むこともできる。存在する場合は、界面活性剤は錠剤の0.2質量%から5質量%含むことができ、そして潤滑剤は錠剤の0.2質量%から1質量%含むことができる。
【0118】
錠剤はまた一般に滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物を含むことができる。滑沢剤は通常、錠剤の0.25質量%から10質量%、好ましくは0.5質量%から3質量%含まれる。
【0119】
他の可能な成分には、抗酸化剤、発色剤、矯味矯臭剤、保存剤および味覚遮断剤が含まれる。
【0120】
例示的な錠剤には、薬物を約80%まで、結合剤を約10質量%から約90質量%、希釈剤を約0質量%から約85質量%、崩壊剤を約2質量%から約10質量%、そして滑沢剤を約0.25質量%から約10質量%含んでいる。
【0121】
錠剤混合物を直接にまたはローラーにより圧縮して錠剤を成形できる。錠剤混合物または混合物の部分は代わりに、錠剤化の前に、湿潤−、乾燥−もしくは融解−顆粒化、融解凝固化、または押出成形を行うことができる。最終的な製剤は1またはそれ以上の層を含んでもよく、そして被覆であっても非被覆であってもよく;それはさらにカプセル化されていてもいい。
【0122】
錠剤の製剤化については、H. LiebermanおよびL. LachmanによるPharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Vol. 1 (Marcel Dekker, New York, 1980)において論じられている。
【0123】
ヒトまたは獣医分野での使用のための摂取可能な経口フィルム剤は一般に、柔軟な水溶性または水膨潤性の薄いフィルム投与剤形であり、迅速溶解性または粘膜吸着性であり、そして、典型的には、本発明で使用するための化合物、フィルム形成性重合体、結合剤、溶媒、湿潤剤、可塑剤、安定化剤または乳化剤、粘度調節剤および溶媒を含んでいる。この製剤のある成分は2以上の機能を達成できる。
【0124】
本発明で使用するための化合物は、水溶性であっても水不溶性であってもいい。水溶性化合物は典型的に溶質の1質量%から80質量%、より典型的には20質量%から50質量%含まれている。難溶性の化合物は、この組成物のより大きな比率を含み、典型的には溶質の88質量%まで含むことができる。代わりに、本発明で使用するための化合物は、多粒子ビーズの形態であることもできる。
【0125】
フィルム形成性重合体は、天然の多糖類、タンパク質、または合成親水コロイドから選択でき、そして典型的には0.01から99質量%の範囲で、より典型的には30から80質量%の範囲で存在している。
【0126】
他の可能な成分には、抗酸化剤、発色剤、矯味矯臭剤および芳香促進剤、保存剤、唾液刺激剤、冷却剤、共溶媒(油を含む)、柔軟剤、充填剤、抗発泡剤、界面活性剤および味覚遮断剤が含まれる。
【0127】
フィルム剤は典型的には、剥離可能な裏当て支持体または紙上に被覆した薄い水性フィルムを蒸発乾燥することで製造できる。これは、乾燥オーブンもしくはトンネル、典型的には組合せ型コーター乾燥機、または凍結乾燥もしくは減圧によって行うことができる。
【0128】
経口投与のための固形物製剤は、即時および/または修飾型放出として製剤化できる。修飾型放出製剤には、遅延型、持続型、パルス型、制御型、標的型およびプログラム化放出が含まれる。
【0129】
本発明の目的のための適切な修飾型放出製剤は、米国特許第6,106,864に記載されている。他の適切な放出技術、例えば高エネルギー散布ならびに浸透圧および被覆粒子の詳細は、Verma等によるPharmaceutical Technology On−line,25(2), 1−14, (2001)で見出せる。制御型放出を達成するためのチュウーインガムの使用は、WO 00/35298に記載されている。
【0130】
本発明で使用するための化合物は、また、直接に血流内、筋肉内、または内部の器官内へと投与することができる。そうした非経口投与には、静脈内、動脈内、腹腔内、鞘内(intrathecal)、心室内(intraventricular)、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、および皮下への投与が含まれる。非経口投与のための適切な器具には、針(微小針を含む)注射器、無針注射器、および輸液技術が含まれる。
【0131】
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくはpHを3から9に)を含むことができる水溶液であるが、いくつかの適用のためには、それらは無菌非水性溶液として、または、適切な媒体、例えば無菌で発熱物質を含まない水、と組み合わせて用いる乾燥形態として、より適切な製剤化が可能である。
【0132】
例えば凍結乾燥による無菌条件下での非経口製剤の製造は、当業者に周知の標準的な製薬技術を用いて容易に達成できる。
【0133】
非経口溶液の製造において使用する化合物の溶解性は、例えば溶解性促進剤の混和のような適切な製剤化技術を用いて、増加させることができる。
【0134】
非経口投与の製剤は、即時型および/または修飾型放出をするように製剤化できる。修飾型放出製剤には、遅延型、持続型、パルス型、制御型、標的型およびプログラム化放出が含まれる。したがって、本発明で使用するための化合物は、固形物、半固形物、または、活性化合物の修飾型放出を与えるインプラント・デポ(implanted depot)として投与するためのチクソトロピー性の液体として製剤化できる。そうした製剤の例には、薬物被覆ステントおよびポリ(dl−乳酸−共グリコール酸)(PGLA)ミクロスフェアを含む。
【0135】
本発明で使用するための化合物は、また、皮膚または粘膜、すなわち経皮的または経粘膜的に、局所的に投与することができる。この目的での典型的な製剤には、ゲル剤、ハイドロゲル剤、ローション、溶液剤、クリーム、軟膏、粉剤、ドレッシング剤、泡剤、フィルム剤、皮膚パッチ、ウエーハー剤、インプラント剤、スポンジ剤、線維剤(fibres)、包帯剤および微小乳剤が含まれる。リポソームも使用できる。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが含まれる。浸透促進剤を混和することができる(例えば、FinninおよびMorganによるJ. Pharm. Sci., 88 (10), 955−958, (1999年10月) を参照)。
【0136】
他の局所投与手段には、エレクトロポレーション、イオントフォレーゼ、フォノフォレシス、ソノフォレシスおよび微小針または無針(例えば、パウダージェクトTM、バイオジェクトTM)注射が含まれる。
【0137】
局所投与のための製剤は、即時型および/または修飾型放出をするように製剤化できる。修飾型放出製剤には、遅延型、持続型、パルス型、制御型、標的型およびプログラム化放出が含まれる。
【0138】
本発明で使用するための化合物は、また、経鼻的にまたは吸入によって、典型的には、ドライパウダーインヘラー、または加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、微小なミストを発生させる電気流体力学を用いたアトマイザー)、またはネブライザーから、適切な推進剤、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンを用いて、または用いないで、ドライパウダーの形態で(単独、または、例えば乳糖との乾燥混和物のような混合物、または、例えばホスファチジルコリンのようなリン脂質と混合した混合成分粒子、のいずれかで)、投与もできる。経鼻用途のためには、粉剤は、生体粘着剤、例えばキトサンまたはシクロデキストリンを含むことができる。
【0139】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーは、例えば、エタノール、水性エタノール、または分散化、可溶化もしくは活性物の放出の延長のための適切な代替薬剤、溶媒としての推進剤、および任意の界面活性剤、例えばトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、またはオリゴ乳酸を含む、本発明で使用するための化合物の溶液または懸濁液を含有している。
【0140】
ドライパウダーまたは分散製剤での使用の前に、医薬生成物は吸入での送達に適した大きさ(通常、5ミクロン未満)まで微粉化される。これは、適切な粉砕方法、例えばスパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子を生成するための超臨界流動体加工、高圧ホモジナイゼーション、または噴霧乾燥により達成できる。
【0141】
インヘラーまたはインサフレータ(insufflator)で使用するための、カプセル(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから作られた)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明で使用するための化合物の粉末混合物、乳糖またはデンプンのような適切な粉末基剤、および、l−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムのような性能改良剤を含むように、製剤化することができる。乳糖は無水物でも一水和物の形態でもいいが、好ましいのは後者である。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、ショ糖およびトレハロースが含まれる。
【0142】
微小なミストを発生させるための電気流体力学を用いたアトマイザーにおいて使用するための適切な溶液製剤は、一作動につき本発明で使用するための化合物を1μgから20mg含むことができ、そして作動容積は1μLから100μLまで変えられる。
【0143】
典型的な製剤には、本発明で使用するための化合物、プロピレングリコール、無菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含むことができる。プロピレングリコールの代わりに用いることのできる代わりの溶媒にはグリセロールおよびポリエチレングリコールが含まれる。
【0144】
適切な矯味矯臭剤、例えばメントールおよびレボメントール、または甘味剤、例えばサッカリンまたはサッカリンナトリウムを、吸入/経鼻投与の目的のそうした製剤に添加することもできる。
【0145】
吸入/経鼻投与のための製剤は、例えばPGLAを用いて、即時および/または修飾型放出として製剤化できる。修飾型放出製剤には、遅延型、持続型、パルス型、制御型、標的型およびプログラム化放出が含まれる。
【0146】
ドライパウダーインヘラーおよびエアゾールの場合には、投与単位は、計量した量を送達するバルブを用いて決定できる。単位は典型的には、計量した用量または「一吹き(puff)」を投与できるように設定される。一日投与量の総量は、単回用量、または、より一般的には、一日を通して分割された用量で、投与されるだろう。
【0147】
本発明で使用するための化合物は、直腸経由または膣経由で、例えば、座薬、ペッサリー、または浣腸の形態で、投与することができる。カカオバターは従来から使用されてきた座薬基剤だが、各種の代替物も場合によっては使用することができる。
【0148】
直腸/膣投与のための製剤は、即時および/または修飾型放出として製剤化できる。修飾型放出製剤には、遅延型、持続型、パルス型、制御型、標的型およびプログラム化放出が含まれる。
【0149】
本発明で使用するための化合物は、また、直接眼または耳に、典型的には、等張性でpHを調整した無菌生理食塩水中の、微小化懸濁液または溶液の滴剤の形態で、投与することもできる。眼および耳への投与のために適した他の製剤には、軟膏、生物分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生物分解性(例えば、シリコーン)インプラント、ウエーハー、レンズおよび粒子、またはニオソーム(niosomes)またはリポソームのような、小胞システムが含まれる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニールアルコール、ヒアルロン酸、セルロース性重合体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖類重合体、例えばゲランゴム、のような重合体を、塩化ベンザルコニウムのような保存剤と一緒に混和することができる。そうした製剤もまたイオントフォレーゼにより送達できる。
【0150】
眼および耳への投与のための製剤は、即時および/または修飾型放出として製剤化できる。修飾型放出製剤には、遅延型、持続型、パルス型、制御型、標的型およびプログラム化放出が含まれる。
【0151】
本発明で使用するための化合物は、上記の投与モードのいずれの使用のためにも、その溶解性、溶出速度、味覚遮蔽、生体利用性および/または安定性を改善するために、可溶性高分子性物質、例えばシクロデキストリンおよびその適切な誘導体またはポリエチレングリコール含有重合体と、組み合わせることができる。
【0152】
例えば、薬物−シクロデキストリン複合体は、ほとんどの投与剤形および投与経路について一般に有用であることが判っている。包接および非包接複合体の両方を使用することができる。薬物との直接の複合化の代わりとして、シクロデキストリンは補助的添加物、すなわち、担体、希釈剤または可溶化剤として使用することもできる。この目的で最も使用されるものは、α−、β−およびγ−シクロデキストリンであり、その例は、国際特許公開WO−A−91/11172, WO−A−94/02518およびWO−A−98/55148でみつけることができる。
【0153】
本発明の配合物の2つの成分(すなわち、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤)は、本発明により提供される組合せ療法の利点を享受するために、同時に、連続的にまたは別々に、投与することができる。各成分は、単独で投与できるが、より一般的には、上記の医薬組成物の1つとして1またはそれ以上の賦形剤と組み合わせて投与される。通常、両方の成分は、同じ経路(例えば、経口経路で)で投与されるだろう。しかしながら、各成分を異なった経路(例えば、一成分を経口経路で、そして一成分を非経口経路で)で投与することが好ましいような状況もあるだろう。同時投与のためには、2つの成分は好ましくは同じ医薬組成物の部分を形成し、それゆえに同じ経路で投与される。
【0154】
本発明の両方の成分については経口投与が好ましい。最も好ましくは、2つの成分が経口経路で同時に、例えば錠剤の形態で、投与される。
【0155】
本発明の配合物の2つの成分は、便利なようにキットの形態で組み合わせることができる。そうしたキットには、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤、それぞれ通常は上記の医薬組成物の一つの形態として、および、それぞれを別々に保持する手段、例えば、容器、分割ボトル、または分割ホイルポケット、を含んでいる。そうしたキットの例は、錠剤、カプセル等を包装するために用いられる、常用のブリスターパックである。
【0156】
本発明のキットは、異なった投与剤形、例えば経口と非経口を投与するために、個別の組成物を異なった投与間隔で投与するために、または個別の組成物を互いに滴定するために、特に適している。使用法遵守(compliance)のために、キットには通常、投与のための指示書を含み、そしていわゆる記憶補助物(memory aid)と共に提供してもいい。
【0157】
1またはそれ以上の成分の間の相乗的相互作用、効果に対する最適範囲および効果に対する各成分の絶対的用量範囲の測定は、治療を必要としている患者に異なった質量/質量比の範囲および用量で成分を投与することで、確実に測定できる。ヒトに関して、患者での臨床試験を実施する複雑さおよび費用により、相乗効果の予備的なモデルとしてこのタイプの試験を用いることは実際的ではない。しかしながら、一つの動物種での相乗効果の観察は他の動物種での効果の予知とすることができ、そして、本願で記載されているように、相乗効果を測定するための動物モデルが存在し、そしてそうした研究の結果はまた、薬物動態学的/薬理学的方法の適用により、他の動物種で必要とされる有効用量および血漿濃度比の範囲ならびに絶対的用量および血漿濃度を予測するために用いることができる。動物モデルとヒトでみられる効果との間での確立された相関関係は、動物での相乗効果が、異痛症(allodynia)を誘導する外科的(例えば、慢性的緊縮損傷)または化学的(例えば、ストレプトゾシン)操作を受けたげっ歯類での静的および動的異痛症測定を用いて、最適に証明されることを示唆している。そうしたモデルでの平坦(plateau)効果のために、それらの値は、神経障害性疼痛患者において用量を軽減する利点へと翻訳できる相乗作用の点から最も良く評価される。神経障害性疼痛の治療のために使用する既存の薬物が部分的な応答しか与えない他のモデルは、2つの成分の最大の耐用量における最大効果の増加を与えるために相乗的に作用する配合物の有効性を予知するためには、より適している。
【0158】
したがって、本発明のさらなる態様として、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)、例えば(S,S)−レボキセチンまたはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特に (S,S)−レボキセチンコハク酸塩、ならびに、PDEV阻害剤またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物を、非ヒト動物モデル、好ましくは、相乗効果を同定するために予備的に用いられた、ラットモデルで観察された絶対的範囲に対応するw/w配合比率で含む、ヒトへの投与のための相乗的配合物を提供する。適切には、非ヒトの範囲に対応するヒトでの比の範囲は、質量部で1:50から50:1、1:50から20:1、1:50から10:1、1:50から1:1、1:20から50:1、1:20から20:1、1:20から10:1、1:20から1:1、1:10から50:1、1:10から20:1、1:10から10:1、1:10から1:1、1:1から50:1、1:1から20:1、および1:1から10:1、の間から選択される。
【0159】
選択的NRIが(S,S)−レボキサチンおよびPDEV阻害剤がシルデナフィルである場合、ヒトの範囲は、非ヒト、好ましくはラットのモデルでの20:1から1:10、好ましくは10:1から1:5、より好ましくは5:1から2:5のオーダーの相乗的用量範囲に対応する。
【0160】
選択的NRIが(S,S)−レボキサチンおよびPDEV阻害剤がバルデナフィルである場合、ヒトの範囲は、非ヒト、好ましくはラットのモデルでの20:1から1:10、好ましくは10:1から1:5、より好ましくは5:1から2:5のオーダーの相乗的用量範囲に対応する。
【0161】
選択的NRIが(S,S)−レボキサチンおよびPDEV阻害剤がタダラフィルである場合、ヒトの範囲は、非ヒト、好ましくはラットのモデルでの20:1から1:10、好ましくは10:1から1:5、より好ましくは5:1から2:5のオーダーの相乗的用量範囲に対応する。
【0162】
選択的NRIが(S,S)−レボキサチンおよびPDEV阻害剤が3−エチル−5− [5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(化合物A)である場合、ヒトの範囲は、非ヒト、好ましくはラットのモデルでの20:1から1:10、好ましくは10:1から1:5、より好ましくは5:1から2:5、そして最も好ましくは4:1から1:2のオーダーの相乗的用量範囲に対応する。一つの特定の例では、ヒトの範囲は、非ヒト、好ましくはラットのモデルでの、好ましくは3:1の相乗的用量範囲に対応する。他の特定の例では、ヒトの範囲は、非ヒト、好ましくはラットのモデルでの、好ましくは1:1の相乗的用量範囲に対応する。
【0163】
ヒトのためには、動物で相乗効果が証明された薬剤がヒトでもその相乗効果に対応する効果を有していることを証明するために、いくつかの実験的疼痛モデルが、ヒトでも用いることができる。この目的に適合することができるヒトモデルの例には、熱/カプサイシンモデル(Petersen, K.L.およびRowbotham, M. C. (1999) NeuroReport 10, 1511−1516)、反復カプサイシン外傷(Witting, N., Svesson, P., Arendt−Nielsen, L.およびJensen, T.S. (2000) Somatosensory Motor Res. 17, 5−12)の使用を含む皮内投与(i.d.)カプサイシンモデル(Andersen, O.L., Felsby, S., Nicolaisen, L., Bjerring, P., Jsesn, T.S.およびArendt−Nielsen, L. (1996) Pain 66, 51−62)、および、総和(summation)または巻き上げ(wind−up)応答(Curatolo, M.等 (2000) Anesthesiology 93, 1517−1530)、が含まれる。これらのモデルを用いて、疼痛強度もしくは痛覚過敏領域の主観的評価はエンドポイントとして、または、より客観的なエンドポイントとして、電気生理学的もしくは画像技術に依存して、用いることができる(Bornhovd, K., Quante, M., Glauche, V., Bromm, B., Weiller, C.およびBuchel, C. (2002) Brain 125, 1326−1336)。全てのそうしたモデルは、それらが動物実験で観察された配合物の相乗作用を裏付ける、ヒトでの証拠を提供すると結論づける前に、客観的な妥当性確認の証拠を必要とする。
【0164】
ヒトでの本発明に関して、適切なNRI:PDEV阻害剤の比の範囲は、質量比で、1:50から50:1、1:50から20:1、1:50から10:1、1:50から1:1、1:20から50:1、1:20から20:1、1:20から10:1、1:20から1:1、1:10から50:1、1:10から20:1、1:10から10:1、1:10から1:1、1:1から50:1、1:1から20:1および1:1から10:1、より好ましくは1:10から20:1、好ましくは1:1から10:1の間から選択される。
【0165】
相乗効果のための各成分の最適用量は、動物モデルでの公表された方法に従って決定することができる。しかしながら、ヒトでは(たとえ疼痛の実験的モデルにおいても)、配合物の各成分の全ての治療的に適切な用量で、全体の曝露−応答の相関関係を決める研究に必要な費用はきわめて大きいだろう。少なくとも当初は、動物において最適相乗効果を与えるものから外挿された用量で、相乗効果に対応する効果が観察されるかどうかを見積もることが必要であろう。動物からヒトへ用量を調整する場合に、相対的体重/身体表面面積、各成分の相対的吸収、分布、代謝および排泄、ならびに相対的な血漿タンパク質結合性を考慮する必要があり、そして、こうした理由により、ヒト(および患者に関しても)で予測される最適用量比は、動物で最適であることが示された用量比と同じであることはありそうにもない。しかし、これら2つの間での関連性は、動物およびヒト薬物動態学の分野での当業者により理解されそして計算することができる。動物とヒトでの効果の間に橋渡しを確立するために重要なのは、動物研究で用いられた各成分について得られた血漿濃度であって、これらは、ヒトでの効果を与えるであろうと期待される各成分の血漿濃度に関連する。薬物動態学的/薬理学的のモデル化(イソボログラム、相互作用インデックスおよび応答表面モデル化)およびシミュレーションは、ヒトでの相乗用量比を予測するために、特にそれらの成分のいずれかまたは両方が既にヒトで試験されていた場合に、助けになる。
【0166】
したがって、本発明のさらなる態様により、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)、例えば(S,S)−レボキセチンまたはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、特に (S,S)−レボキセチンコハク酸塩、ならびに、PDEV阻害剤またはその医薬的に受容できる塩もしくは溶媒和物、を含む、ヒトに投与するための相乗的配合物が提供され、ここで各成分の用量範囲は、非ヒト動物モデル、好ましくは当初に相乗的相互作用を同定するために用いられたラットモデルで観察された絶対的な相乗効果の範囲に対応する。適切には、ヒトでの選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤の用量範囲は、ラットでの、0.5−50mg/kg、より適切には1−30mg/kgの用量範囲に対応し、そしてPDEV阻害剤に関する対応する用量範囲は、0.1−10mg/kg、より適切には1−10mg/kgである。
【0167】
(S,S)−レボキサチンおよびシルデナフィルについて、ヒトでの用量範囲は、ラットでの、(S,S)−レボキサチンの1−30mg/kgおよびシルデナフィルの0.5−10mg/kgの相乗効果の範囲に適切に対応している。(S,S)−レボキサチンおよびバルデナフィルについて、ヒトでの用量範囲は、ラットでの、(S,S)−レボキサチンの1−30mg/kgおよびバルデナフィルの0.5−10mg/kgの相乗効果の範囲に適切に対応している。(S,S)−レボキサチンおよびタダラフィルについて、ヒトでの用量範囲は、ラットでの、(S,S)−レボキサチンの1−30mg/kgおよびタダラフィルの0.5−10mg/kgの相乗効果の範囲に適切に対応している。(S,S)−レボキサチンおよび3−エチル−5− [5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(化合物A)について、ヒトでの用量範囲は、ラットでの、(S,S)−レボキサチンの1−30mg/kgおよび化合物Aの0.5−10mg/kgの相乗効果の範囲に適切に対応している。
【0168】
ヒト患者への投与に関して、本発明にしたがって投与される選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤の最適な一日総用量は、選んだ特定の化合物によって相当に変化するだろう。そうした最適投与量は、正常な製薬上の実務に基づいて当業者により容易に決定される。適切には、ヒトで使用するための選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)の用量は、0.05−1OOOmg、0.1−500mg、0.2−100mg、0.5−50mg、1−25mgから選択された範囲で一日1から4回、適切には一日1回または2回であり、そしてPDEV阻害剤の用量は、1−200mg、1−100mg、1−50mg、1−25mg、10−1OOmg、10−50mgまたは10−25mg、適切には10−1OOmgから選択された範囲で一日1回、2回または3回、適切には一日1回である。例として、選ばれた選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤が(S,S)−レボキサチンの場合は、一日総用量は典型的には、もちろん投与モードに依存するが、0.1mgから10 mgの範囲である。好ましくは、(S,S)−レボキサチンの一日用量は、0.1mgから8mgの範囲、最も好ましくは0.5mgから6mgの範囲だろう。さらなる例として、選ばれたPDEV阻害剤がシルデナフィルの場合は、典型的には10から100mg(例えば、25、50または100mg)の用量が、一日1回、2回または3回、適切には一日1回、投与される。さらなる例として、選ばれたPDEV阻害剤がバルデナフィルの場合は、典型的には1から50mg(例えば、2.5、5、10または20mg)の用量が、一日1回または2回、適切には一日1回、投与される。さらなる例として、選ばれたPDEV阻害剤がタダラフィルの場合は、典型的には1から50mg(例えば、5、10または20mg)の用量が、一日1回、2回または3回、適切には一日1回、投与される。
【0169】
いずれの成分の一日総用量も、単回または分割で投与でき、そして、医師の判断で、上記の典型的な範囲から外れてもいい。そうした典型的な範囲は、体重が約60kgから70kgの平均的なヒトの対象者に基づいている。医師は、幼児および高齢者のような、この範囲から体重が外れた対象者のための用量を容易に決定することができる。好ましくは、本発明の配合物の2つの成分は一日に1回または2回投与される。
【0170】
疑義を避けるために、本願で「治療」に言及する場合、治癒的、緩和的および予防的処置への言及を含んでいる。
【0171】
本発明の配合物は、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤を含む。本発明の配合物で用いる化合物のPDEV活性は、以下の試験方法により測定できる。
【0172】
環状グアノシン3',5'−モノリン酸(cGMP)塩および環状アデノシン3',5'−モノリン酸塩(cAMP)ホスホジエステラーゼに対するインビトロでのPDE阻害活性は、それらのIC50値(酵素活性の50%阻害に必要な化合物濃度)を測定することで決定された。
【0173】
必要なPDE酵素は各種の供給源、例えば、ヒト海綿体、ヒトおよびウサギの血小板、ヒト心室、ヒト骨格筋ならびにウシ網膜から、実質的にW.J. ThompsonおよびM. M. Applemanの方法(Biochem., 1971, 10, 311)により単離された。特に、cGMP−特異的PDE (PDE5)およびcGMP−阻害性cAMP PDE (PDE3)は、ヒト海綿体組織、ヒト血小板またはウサギ血小板から得られ;cGMP−刺激性 PDE (PDE2)は、ヒト海綿体から得られ;カルシウム/カルモジュリン(Ca/CAM)依存性PDE (PDE1)は、ヒト心室から;cAMP−特異的PDE (PDE4)はヒト骨格筋から;および、光受容体PDE (PDE6)はウシ網膜から、得られた。ホスホジエステラーゼ7〜11は、SF9細胞に形質導入した全長のヒト組み換えクローンから産生された。
【0174】
アッセイは、WJ. Thompson等(Biochem., 1979, 18, 5228)の「バッチ」法の修正法を用いるか、またはアマシャム株式会社(Amersham plc)により製品コードTRKQ7090/7100として記載されたプロトコールの修正法を用いるAMP/GMPを直接検出するためのシンチレーション近接アッセイを用いるかの、いずれかの方法により実施した。要約すれば、PDE阻害剤の作用は、異なった阻害剤濃度、および、IC50≒Kiであるような低分子基質(〜1/3 Kmの濃度で、非標識体の[3H]−標識体に対する比が3:1のcGMPまたはcAMP)の存在下で、固定された酵素量を測定することによって調べられた。最終アッセイ容量は、アッセイ緩衝液[20 mM Tris−HCl pH 7.4, 5mM MgCl2, 1mg/ml ウシ血清アルブミン]を用いて100μLとした。反応は酵素を用いて開始し、30℃で30〜60分間インキュベートし、<30%の基質回転が得られ、そしてケイ酸イットリウムSPAビーズ(PDE9および11のためのそれぞれの非標識環状ヌクレオチドを3mM含んでいる)を用いて終結させた。プレートを再シールし、20分間振盪し、その後、このビーズを30分間暗所で静置した後、トップカウントプレートリーダー(パッカード社、メリデン、コネチカット州)でカウントした。放射能単位は非阻害対照(100%)の%活性へと変換し、阻害剤濃度およびマイクロソフトエクセル拡張版の「フィットカーブ(Fit Curve)」を用いて得られた阻害剤のIC50値に対してプロットした。
【0175】
機能的活性
これは、本発明の化合物が予め収縮させたウサギ海綿体組織切片のニトロプルッシドナトリウム誘導性弛緩を増強する能力を、S.A. Ballard等(Brit. J. Pharmacol., 1996, 118 (suppl.), abstract 153P)が記載したように、測定することによってインビトロで評価した。
【0176】
インビボ活性
化合物を、麻酔したイヌにおいて、静脈内投与後、Trigo−Rocha等(Neurourol. and Urodyn., 1994, 13, 71)により記載されたものに基づく方法を用いて、ニトロプルッシドナトリウムを海綿体注射することにより誘導された陰茎海綿体の圧上昇を増強する、それらの能力を測定することによりスクリーニングした。
【0177】
本発明の配合物は、以下の段落に記載するように、動物疼痛モデルにおいて、相乗作用を示す。
【0178】
方法
動物
チャールズ・リバー社(マルゲート、英国)から入手した、雄性のスピローグドーリー(Sprague Dawley)ラット(術時175−20Og)を、3〜6匹の群で飼育した。全ての動物は12時間の明/暗サイクル(点灯は07時00分)の下で、食餌と水を自由に与えて飼育した。全ての実験は、観察者に薬物治療を知らせず(blind)に実施した。
【0179】
慢性的緊縮障害(CCI)モデル
動物を麻酔室に置き、2%イソフルオランO2混合物を用いて麻酔した。右後腿部を剃って1%ヨウ素を塗布した。動物を次に、実験の間、恒温ブランケットに移し、そして手術の間、鼻円錐部(nose cone)を介して麻酔を維持した。皮膚を大腿骨線に沿って切開した。共通坐骨神経を、大腿部の中央で大腿二頭筋を切れ味悪く切開して、露出させた。坐骨三叉(sciatic trifurcation)の近くで、鉗子を神経の下に挿入して約7mmの神経を剥がし、そしてこの神経を丁寧に大腿部から引き上げた。神経から筋膜を剥がすために、鉗子をゆっくりと数度開閉した。鉗子を用いて縫合糸を神経の下から引き出し、そして少しだけ抵抗が感じられるまで簡単な結紮で結び、次に二重に結紮を行った。この操作は、4つの結紮線(4−0絹)が神経の周囲で約1mmの間隔でゆるく結ばれるまで繰り返された。切開部を層状に閉鎖し、そして傷を局所用抗生物質で処置した。
【0180】
疼痛様閾値の評価
動物を、異痛(allodynia)の評価の前に、試験ケージに慣らした。静的異痛は、後肢の足裏面へ、力の増強順(0.7, 1.2, 1.4, 2, 4, 6, 8, 10, 15および26グラム)で、フォンフライヘアー(von Frey hairs)(ステルチング(Stoelting)、ウッドデール、イリノイ州、米国)を適用して評価した。各フォンフライヘアーを、足に、最大で6秒間、または引戻し応答が生じるまで、適用した。フォンフライヘアーに対して引戻し応答が一旦できあがったら、その足について、引戻しを起こしたほうの足の下にフィラメントを用いて始め、そして続いて残りのフィラメントを、引戻しが生じなくなるまで、減弱する力の順で用いて、再試験した。最高で26gの力は、足を持ち上げ同時に応答を誘導し、したがって中止時点(cut off point)を表している。各動物は、このやり方で試験した両方の後肢を有する。応答を引き出すための最小の力の量を、グラムで示す足引戻し閾値(PWT)として記録した。静的異痛は、動物が、正常ラットでは無反応である4g、またはそれ未満の刺激に対して応答した場合として、定義された。
【0181】
化合物
コハク酸(S,S)−レボキサンを、ミリポアで濾過した水に溶解し、そして遊離塩基の1、3、10および30mg/kgで、腹腔内(IP)に投与した。これは、コハク酸(S,S)−レボキサンの1.38、4.13、13.8および41.3mg/kgに対応する。
PDEV阻害剤の、3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(以下、化合物Aとよぶ)を、ポリエチレングリコール400に溶解し、そして3、10そして30mg/kgで皮下に投与(SC)した。
【0182】
データ解析
静的異痛は、対数尺度で中央値[LQ;UQ]として図示的に表され、そして、非パラーメーター性の結果に関するクルスカル−ワリス(Kruskall−Wallis)試験により、次いで、各時点で、プリスム(Prism)ソフトウエア第3版(グラフパッドTM(GraphPad)、サンジエゴ、米国)を用いた、ビークル群に対するマン−ウイットニーのU試験(Mann−Whitney's U test)によりデータを解析した。
【0183】
結果
2つの医薬の相乗効果を確認するために、神経障害性疼痛のCCIラットモデルにおいて、(S,S)−レボキセチンおよび化合物Aを組み合わせた投与量の薬理学的効果を、単独化合物のそれ自体の活性と、比較した。通常、未処置のラットは、フォンフライフィラメントを用いて静的異痛を試験した場合、機械的刺激の8から15gの間の疼痛閾値を示す。坐骨のCCIの後に、ラットは慢性疼痛を発症し、このことは足引戻し閾値(PWT)の2g[0;0]までの顕著な減少に反映している。ビークルで処置された場合、CCIラットは、疼痛閾値の変化を示さなかったが、実験を通して一定の値を維持した。
【0184】
図1は、CCIラットモデルでの静的異痛における、S,S−レボキセチン (1−3−10−30mg/kg, IP)、化合物A(3−10−30mg/kg, SC) ならびに、2つの化合物の1:1および3:1の割合での配合物 ((S.S)−レボキセチンの3または10mg/kg、IP、および、化合物Aの3mg/kg、SC)の効果を示している。データは、各化合物のピークの効果(投与後1時間)、および、群あたり6匹のラットの中央値[LQ;UQ]で表わされた用量である。点線は、先にTallaridaにより記載されたような(“Drug synergism: Its detection and application”; JPET (2001), 298, 865−872)、予想される追加線を示す。この特定のケースでは、これは化合物Aの用量−応答曲線に対応している。
【0185】
単独投与の後、(S,S)−レボキサチンおよび化合物Aの両方は、慢性疼痛の前臨床モデルで、用量依存性の抗異痛効果を与えた。特に、両方の化合物の最大用量(30mg/kg)では、ビークル処置群と比較して、逆転していた((S,S)−レボキサチンおよびPDEVに関して、それぞれ、6g[1;0]および6[0;1])。
【0186】
(S,S)−レボキサチンおよびPDEV阻害剤の配合物の効果を、(S.S)−レボキセチンの3または10mg/kg、および、化合物Aの3mg/kgを用いて1:1および3:1の割合で、探求した。図1に示すように、2つの化合物の両方の配合物は、抗異痛効果を与え、いずれかの化合物を単独で用いたときに見られたものより、または、予想された付加効果(点線で示された)より優れた効果が得られた。このことは、2つの化合物の薬理学的特性における相乗効果を示唆している。
【0187】
本発明により提供される配合物のさらなるいくつかの利点は、以下の疼痛モデルを用いて理解されるだろう。
【0188】
ストレプトゾシン誘発性神経障害
動物にストレプトゾシン(50mg/kg i.p.)を投与して糖尿病を誘導した。2週間後、動物は、疼痛症状の発症について調べられ、そして全ての実験はこの時点の後に行われる。
【0189】
MIA誘発性変形関節症
動物を麻酔室に置き、そして2%イソフルオラン/酸素混合物で麻酔する。ヨード酢酸一ナトリウムの単回注入分(2mg/25μL)を、膝頭から関節内に投与する。注入の間、鼻円錐部を通して麻酔を維持する。
【0190】
カラゲーナン誘発性熱痛覚過敏
熱痛覚過敏は、Hargreaves等の改良法(1988)に従ったラットの足裏試験(ウゴ・バジル(Ugo Basile)、イタリア)を用いて評価する。ラットは、上昇するガラステーブルの上の3つの別々の風防ガラス箱から成る装置に慣らされる。 可動性照射熱源をテーブルの下に設置し、そして後肢へと焦点を合わせ、そして足引戻しの潜伏時間(latencies)を記録する。組織の損傷を防ぐために、22.5秒で自動的に中断する点がおかれている。足引戻しの潜伏時間を、各動物の後肢の両方に関して2から3回測定され、その平均が右および左の後肢のベースラインを表す。機器は、約10秒の足引戻しの潜伏時間を与えるために較正される。
これらの疼痛モデルにおいて、さらなる下記のエンドポイントが用いられる。
【0191】
動的異痛
動的異痛は、綿棒で後肢の足裏面を軽く打つことにより評価する。一般的な運動活性を記録することを避けるために、活動的ではない十分に慣らしたラットで、この操作を達成するように注意しなければならない。各時点で少なくとも3回の測定を行い、その平均が足引戻しの潜伏時間を表す。15秒以内に活動がみられない場合は、操作を終了し、そして動物をこの引戻し時間に割り当てる。したがって、この15秒は事実上引戻しがないことを表す。引戻し応答には、反復する尻込みまたは足を舐めることがしばしば伴う。動物が打撃の8秒前に綿棒の刺激に応答すれば、動的異痛が存在すると考えられる。
【0192】
用量応答は最初に配合物の各成分単独で行われる。次に、配合物が、一定の割合のデザインに従って、調べられる。配合物の各一定の用量の割合に対する用量応答が行われる。各試験日に、フォンフライヘアーに対するベースラインの足引戻し閾値および綿棒刺激に対する足引戻し潜在時間が、薬物処置の前に測定される。薬物投与の後、足引戻し閾値および足引戻し潜在時間を5時間まで再検査する。データは2時間の時点での静的および動的データで表され、それはこの時点がピークの抗異痛効果を表すからである。
【0193】
質量負荷
動物は、「無能力化試験機(incapacitance tester)」(リントン・インストラメント、ジス、ノーフォーク州、英国)を用いた、質量負荷試験における過敏性を調べられる。ラットは、風防ガラスの斜面上に前肢を乗せるように置かれ、そして後肢の質量分布を、各後肢の下の力トランスデューサーを介して測定する。各動物は機器中に置かれ、そして後肢により生じる質量負荷を記録する。質量負荷の差異は、反対側(正常)の肢から同側(神経損傷した)の肢を差し引いて算出し、そしてこれが生データを構成する。
【0194】
本発明の配合物は、特に疼痛の治療において、さらに、もう1つの薬理学的に活性な化合物と、または2またはそれ以上の他の薬理学的に活性な化合物と組み合わせることもできる。したがって、本発明の配合物は、その最も広い意味で、または上記の好ましい態様のいずれにおいてでも、以下のものから選択される1またはそれ以上の薬剤と組み合わせて、同時に、連続的にまたは別々に投与することができる:
− オピオイド系鎮痛剤、例えば、モルフィン、ヘロイン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、レボルファノール、レバロルファン、メタドン、メペリジン、フェンタニル、コカイン、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコトン、ヒドロコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィン、またはペンタゾシン;
− 非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、例えば、アスピリン、ジクロフェナック、ジフルシナル、エトドラック、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサール、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、ニメスリド、ニトロフルルビプロフェン、オルサラジン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スルファサラジン、スリンダック、トルメチン、またはゾメピラック;
− バルビツール酸塩系鎮静剤、例えば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタビタール、メフォバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、タルブタール、テアミラール、またはチオペンタール;
− 鎮静作用を有するベンゾジアゼピン、例えば、クロルジアゼポキシド、クロラゼペート、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、またはトリアゾラム;
− 鎮静作用を有するH1アンタゴニスト、例えば、ジフェンヒドラミン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニラミン、またはクロルシクリジン;
− グルテチミド、メプロバメート、メタクアロンまたはジクロルアルフェナゾンのような鎮静剤;
− 骨格筋弛緩剤、例えば、バクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモール、またはオルフレナジンン;
【0195】
− NMDA受容体アンタゴニスト、例えば、デクストロメトルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン) もしくはその代謝物デクストロルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、ケタミン、メマンチン、ピロロキノリンキニン、シス−4−(ホスホノメチル)−2−ピペリジンカルボン酸、ブジピン、EN−3231 (モルフィデクス(R)(MorphiDex)、モルフィンとデクストロメトルファンとの配合剤)、トピラメート、ネラメキサン、またはペルジンフォテルであって、NR2Bアンタゴニスト、例えば、イフェンプロジル、トラキソプロジルもしくは(−)−(R)−6−{2−[4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル]−1−ヒドロキシエチル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノンを含む、が含まれる;
− α−アドレナリン系、例えば、ドキサゾシン、タムスロシン、クロニジン、グアンファシン、デクスメタトミジン、モダフィニル、または4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−(5−メタン−スルホナミド−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノール−2−イル)−5−(2−ピリジル) キナゾリン;
− 三環系抗欝剤、例えば、デシプラミン、イミプラミン、アミトリプチリン、またはノルトリプチリン;
− 抗痙攣剤、例えば、カルバマゼピン、ラモトリジン、トピラトメート、またはバルプロエート;
− タキキニン(NK)アンタゴニスト、特にNK−3、NK−2またはNK−1アンタゴニスト、例えば、(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]−ナフチリジン−6−13−ジオン(TAK−637)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]−メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(MK−869)、アプレピタント、ラネピタント、ダピタント、または3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−メチルアミノ]−2−フェニルピペラジン(2S,3S);
− ムスカリン性アンタゴニスト、例えば、オキシブチニン、トルテロジン、プロピベリン、塩化トロピシウム、ダリフェナシン、ソリフェナシン、テミベリンおよびイプラトロピウム;
【0196】
− COX−2選択的阻害剤、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、デラコキシブ、エトリコキシブ、またはルミラコキシブ;
− コールタール系鎮痛剤、特にパラセタモール;
− 神経安定剤、例えば、ドロペリドール、クロルプロマジン、ハロペリドール、ペルフェナジン、チオリダジン、メソリダジン、トリフルオペラジン、フルフェナジン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、ジプラシドン、クエチアピン、セルチンドール、アリピプラゾール、ソネピプラゾール、ブロナンセリン、イロペリドン、ペロスピロン、ラクロプリド、ゾテピン、ビフェプルノックス、アセナピン、ルラシドン、アミスルプリド、バラペリドン、パリンドール、エプリバセリン、オサネタント、リモナバント、メクリネルタント、ミラキシオン(R)、またはサリゾタン;
− バニロイド受容体アゴニスト(例えば、レシンフェラトキシン)またはアンタゴニスト(例えば、カプサゼピン);
− β−アドレナリン系、例えば、プロプラノロール;
− 局所麻酔剤、例えば、メキシレチン;
− コルチコステロイド、例えば、デキサメタソン;
− 5−HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HTIB/IDアゴニスト、例えば、エレトリプタン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、またはリザトリプタン;
− 5−HT2A受容体アンタゴニスト、例えば、R(+)−α−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−1−[2−(4−フルオロフェニルエチル)]−4−ピペリジンメタノール(MDL−100907);
− コリン系(ニコチン系)鎮痛剤、例えば、イスプロニクリン(TC−1734)、(E)−N−メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブテン−1−アミン(RJR−2403)、(R)−5−(2−アゼチジニルメトキシ)−2−クロロピリジン(ABT−594) またはニコチン;
− トラマドール(R)
【0197】
− α−2−δリガンド、例えば、ガバペンチン、プレガバリン、3−メチルガバペンチン、(1α,3α,5α()(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−イル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリン、(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)−プロリン、[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−6−イル]酢酸、3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、C−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル− オクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸、および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸;
− カンナビノイド;
− 代謝刺激性グルタミン酸塩サブタイプ1受容体(mGluR1)アンタゴニスト;
【0198】
− セルロトニン再取込阻害剤、例えば、セルトラリン、セルトラリン代謝物のデメチルセルトラリン、フルオキセチン、ノルフルオキセチン(フルオキセチンのデスメチル代謝物)、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、シタロプラム代謝物のデスメチルシタロプラム、エスシタロプラム、d,l−フェンフルラミン、フェモキセチン、イフォキセチン、シアノドチエピン、リトキセチン、ダポキセチン、ネファゾドン、セリクラミン、およびトラゾドン;
− セロトニン−ノルアドレナリン二重性再取込阻害剤、例えば、バンラファキシン、バンラファキシン代謝物のO−デスメチルベンラファキシン、クロミプラミン、クロミプラミン代謝物のデスメチルクロミプラミン、ジュロキセチン、ミルナシプラン、およびイミプラミン;
− 誘導性一酸化窒素シンターゼ(iNOS)阻害剤、例えば、S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−L−ホモシステイン、S−[2−[(1−イミノエチル)−アミノ]エチル]−4,4−ジオキソ−L−システイン、S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイン、(2S,5Z)−2−アミノ−2−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)−ブチル]チオ]−5−クロロ−3−ピリジンカルボニトリル、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−4−クロロベンゾニトリル、(2S,4R)−2−アミノ−4−[[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−5−チアゾールブタノール、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボニトリル、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−5−クロロベンゾニトリル、N−[4−[2−(3−クロロベンジルアミノ)エチル]フェニル]チオフェン−2−カルボキサミジン、または、グアニジノエチルジスルフィド;
【0199】
− アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えば、ドネペジル;
− プロスタグランジンE2サブタイプ4(EP4)アンタゴニスト、例えば、N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)−カルボニル]−4−メチルベンゼンスルフォナミド、または4−[(1S)−1−({[5−クロロ−2−(3−フルオロフェノキシ)ピリジン−3−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
− ロイコトリエンB4アンタゴニスト、例えば、1−(3−ビフェニル−4−イルメチル−4−ヒドロキシ−クロマン−7−イル)−シクロペンタンカルボン酸(CP−105696)、5−[2−(2−カルボキシエチル)−3−[6−(4−メトキシフェニル)−5E−ヘキセニル]オキシフェノキシ]−吉草酸 (ONO−4057) またはDPC−11870;
− 5−リポキシゲナーゼ阻害剤、例えば、ジレウトン、6−[(3−フルオロ−5−[4−メトキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル])フェノキシ−メチル]−1−メチル−2−キノロン(ZD−2138)、または2,3,5−トリメチル−6−(3−ピリジルメチル),1,4−ベンゾキノン(CV−6504);
− ナトリウムチャネルブロッカー、例えば、リドカイン;
− 5−HT3アンタゴニスト、例えば、オンダンセトロン;
ならびに、それらの医薬的に受容できる塩および溶媒和物。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】CCIラットモデルでの静的異痛における、S,S−レボキセチン (1−3−10−30mg/kg, IP)、化合物A(3−10−30mg/kg, SC) ならびに、2つの化合物の1:1および3:1の割合での配合物 ((S.S)−レボキセチンの3または10mg/kg、IP、および、化合物Aの3mg/kg、SC)の効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤の配合物。
【請求項2】
選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)が(S,S)−レボキセチンまたは医薬的に受容できるその塩もしくは溶媒和物である、請求項1に記載の配合物。
【請求項3】
ホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤が以下:
5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)、または医薬的に受容できるその塩もしくは溶媒和物;
(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピラジノ[2',1':6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(タダラフィル、IC−351、シアリス(R)) 、または医薬的に受容できるその塩もしくは溶媒和物;
2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル)、または医薬的に受容できるその塩もしくは溶媒和物;
5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、または医薬的に受容できるその塩もしくは溶媒和物;
5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、または医薬的に受容できるその塩もしくは溶媒和物;
1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルホニル}−4−エチルピペラジン、または医薬的に受容できるその塩もしくは溶媒和物;
N−[1−(2−エトキシエチル)−5−(N−エチル−N−メチルアミノ)−7−(4−メチルピリジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボニル]メタンスルホンアミド、または医薬的に受容できるその塩もしくは溶媒和物;
3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、または医薬的に受容できるその塩もしくは溶媒和物; および
{3−エチル−5−[(R)−3−メチル−ピペラジン−1−イル]−1−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−イル}−ピリミジン−4−イル−アミン、または医薬的に受容できるその塩もしくは溶媒和物、
から選ばれる、請求項1または2に記載の配合物。
【請求項4】
選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)、ホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤および医薬的に受容できる賦形剤、希釈剤または担体を含む、医薬組成物。
【請求項5】
医薬として使用するための、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤の配合物。
【請求項6】
疼痛の治療において、両方の薬剤を同時に、連続的にまたは別々に投与するための医薬の製造のための、選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)またはホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤の使用。
【請求項7】
有効量の選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤を同時に、連続的にまたは別々に、そうした治療を必要としている哺乳類に投与することを含む、疼痛の治療方法。
【請求項8】
選択的ノルアドレナリン再取込阻害剤(NRI)およびホスホジエステラーゼ5型(PDEV)阻害剤、ならびに該化合物を収納するための手段を含む、キット。

【図1】
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【公表番号】特表2008−509900(P2008−509900A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525380(P2007−525380)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002457
【国際公開番号】WO2006/016262
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】