説明

部品実装装置およびトレイフィーダにおけるトレイ交換方法

【課題】トレイフィーダによって供給される部品を基板に実装する部品実装装置において、トレイ交換のための装置停止時間を短縮して生産性を向上させることができる部品実装装置およびトレイフィーダにおけるトレイ交換方法を提供する。
【解決手段】部品切れとなったトレイ6を保持するパレット24が新たなトレイ6との交換のためにパレット載置部27へ載置される。次に、パレット載置部27からパレット収納部23へ移動するパレット移動動作における戻し入れ先の収納アドレスを、パレット情報読み取りセンサ32によるパレット識別マークの読み取り結果と予め記憶されたパレット収納データとに基づき特定する。これにより、2つ以上のパレット24に部品切れが重複して発生した場合にあっても、特定される戻し入れ先の収納アドレスに対応するパレット収納部23に当該パレット24を戻し入れることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレイフィーダから部品を実装ヘッドによってピックアップして基板に実装する部品実装装置およびトレイフィーダにおいて部品切れとなったトレイを交換するトレイフィーダにおけるトレイ交換方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置において、半導体チップなどの部品を供給するパーツフィーダの一種としてトレイフィーダが知られている。このトレイフィーダは部品を格納したトレイを保持するパレットを、上下多段に並設された複数のパレット収納部の各々に収納する構成となっており、部品実装作業においてはこれらのパレットは実装順序に応じて引き出されて部品取出し位置へ移動する。パレット内のトレイにおいて部品切れが生じた場合には、その部品切れのパレットをパレット収納部とは別の領域として設けられたパレット載置部に移動させて、新たなトレイと交換するトレイ交換作業が行われる(例えば特許文献1参照)。この特許文献に示す先行技術においては、複数のパレット収納部において空いているパレット収納部に交換用の新たなパレットを一時的に収納することにより、部品切れのパレットがパレット収納部に収納されたままの状態であっても、新たに同種の部品を格納したトレイを保持するパレットと交換することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−124065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで部品実装装置では、トレイフィーダの複数のパレット収納部のそれぞれに当該トレイフィーダにおける収納位置を示す収納アドレスが設定される。そして部品実装作業においては、部品種と収納アドレスとの対応関係を示す部品収納位置情報を参照しながら、実装データによって指示される部品実装順序に従ってトレイフィーダからパレットが引き出される。しかしながら、上述の先行技術例においては、空いているパレット収納部を一時的に用いることから、部品収納位置情報通りにパレットを配置するために改めてパレットの入れ替えを必要とする。このパレット入れ替えは装置停止状態で行わなければならないため、必然的に装置稼働率の低下を招く。
【0005】
また部品実装作業中に発生する部品切れは必ずしも1つのパレットのみではなく、2つ以上のパレットについて同時期に部品切れが重複して発生する場合がある。このような場合には、上述の特許文献例を含め先行技術では、1つのパレットについてのトレイ交換が完了するまでは他のパレットをトレイ交換作業の対象とすることができなかった。このため同様にトレイ交換のための装置停止時間が遅延して生産性の低下を招くこととなっていた。
【0006】
そこで本発明は、トレイフィーダによって供給される部品を基板に実装する部品実装装置において、トレイ交換のための装置停止時間を短縮して生産性を向上させることができる部品実装装置およびトレイフィーダにおけるトレイ交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の部品実装装置は、部品が格納されたトレイを保持するパレットを複数のパレット収納部の各々に収納し前記パレットを部品取出し位置に移動させるトレイフィーダから、前記部品を実装ヘッドによってピックアップして基板に実装する部品実装装置であって、前記トレイフィーダは、前記複数のパレット収納部が収納アドレスと対応して設けられたフィーダ本体部と、前記パレット収納部とは別の領域に設けられ、部品切れとなったトレイを保持するパレットが載置されさらにこのパレットをトレイ交換のために前記フィーダ本体部外へ搬出することが可能なパレット載置部と、前記パレットを前記複数のパレット収納部から取り出して前記部品取出し位置または前記パレット載置部に移動させるとともに前記パレットをパレット収納部に戻し入れするパレット移動動作を行うパレット移動部と、前記パレット載置部からパレット収納部へのパレット移動動作における当該パレットの戻し入れ先の収納アドレスを特定する収納アドレス特定手段と、前記部品切れとなったトレイを保持するパレットが前記パレット載置部に移動した結果、前記実装ヘッドによる部品のピックアップ動作が一旦停止された後に、前記ピックアップ動作を再開させるための動作再開指令を入力する動作再開入力手段とを備えた。
【0008】
本発明のトレイフィーダにおけるトレイ交換方法は、部品を基板に実装する部品実装装置に装着して用いられ、前記部品が格納されたトレイを保持するパレットを複数のパレット収納部の各々に収納し前記パレットを部品取出し位置に移動させるトレイフィーダにおいて、部品切れを生じた前記トレイを新たなトレイと交換するトレイフィーダにおけるトレイ交換方法であって、前記トレイフィーダは、前記複数のパレット収納部が収納アドレスと対応して設けられたフィーダ本体部と、前記パレット収納部とは別の領域に設けられ、部品切れとなったトレイを保持するパレットが載置されさらにこのパレットをトレイ交換のために前記フィーダ本体部外へ搬出することが可能なパレット載置部と、前記パレットを前記複数のパレット収納部から取り出して前記部品取出し位置または前記パレット載置部に移動させるとともに前記パレットをパレット収納部に戻し入れするパレット移動動作を行うパレット移動部と、前記パレット載置部からパレット収納部へのパレット移動動作におけるパレットの戻し入れ先の収納アドレスを特定する収納アドレス特定手段と、前記部品切れとなったトレイを保持するパレットが前記パレット載置部に移動して前記フィーダ本体部外へ搬出された結果、前記実装ヘッドによる部品のピックアップ動作が一旦停止された後に、前記ピックアップ動作を再開させるための動作再開指令を入力する動作再開入力手段とを備え、部品切れの前記トレイを保持した第1のパレットを前記パレット載置部まで移動させる第1パレット移動ステップと、前記第1のパレットを前記パレット載置部から取り出す第1パレット取出しステップと、前記第1のパレットを対象とするトレイ交換作業が完了していない状態において新たな部品切れのトレイを保持した第2のパレットを前記パレット載置部まで移動させる第2パレット移動ステップと、前記第2のパレットを前記パレット載置部から取り出す第2パレット取出しステップと、トレイ交換済みの前記第1のパレットまたは第2のパレットのいずれかを前記パレット載置部に載置するパレット載置ステップと、前記ピックアップ動作を再開させるための動作再開指令を入力する動作再開入力ステップと、前記動作再開指令を承けて、前記載置された第1のパレットまたは第2のパレットのいずれかを、前記部品取出し位置へ移動させるか、または前記収納アドレス特定手段によって特定される当該パレットの戻し入れ先の収納アドレスのパレット収納部に戻し入れるパレット移動ステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、トレイフィーダにおいて部品切れとなったトレイを保持するパレットが、新たなトレイとの交換のために載置されるパレット載置部から、戻し入れのためにパレット収納部へ移動するパレット移動動作における戻し入れ先の収納アドレスを特定する収納アドレス特定手段を備えることにより、トレイフィーダによって供給される部品を基板に実装する部品実装装置において、2つ以上のパレットについて同時期に部品切れが発生した場合にあっても、収納アドレス特定手段によって特定される当該パレットの戻し入れ先の収納アドレスのパレット収納部に戻し入れることができ、トレイ交換のための装置停止時間を短縮して生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態の部品実装装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態の部品実装装置の部分断面図
【図3】本発明の一実施の形態の部品実装装置に用いられるトレイフィーダの構成説明図
【図4】本発明の一実施の形態の部品実装装置に用いられるトレイフィーダの機能説明図
【図5】本発明の一実施の形態の部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図
【図6】本発明の一実施の形態のトレイフィーダにおけるトレイ交換方法を示す工程説明図
【図7】本発明の一実施の形態のトレイフィーダにおけるトレイ交換方法を示す工程説明図
【図8】本発明の一実施の形態のトレイフィーダにおけるトレイ交換方法を示す工程説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず図1,図2を参照して、部品実装装置1の構成を説明する。図1において、基台1aの上面には、基板搬送機構2がX方向(基板搬送方向)に配設されており、基板搬送機構2は部品実装対象となる基板3を搬送して,以下に説明する部品実装機構による作業位置に位置決め保持する。基板搬送機構2の両側方には、基板3に実装される部品を供給する部品供給部4A、4Bが配設されており、部品供給部4Aにはトレイフィーダ5が、部品供給部4Bには複数のテープフィーダ13が配置されている。トレイフィーダ5は部品60が格子配列で格納されたトレイ6を、以下に説明する部品実装機構による部品取出し位置に移動させることにより、部品60を実装ヘッドに供給する。またテープフィーダ13は部品を保持したキャリアテープをピッチ送りことにより、部品を部品実装機構に供給する。
【0012】
基台1aのX方向の一端部には、リニアモータ駆動のY軸移動テーブル7がY方向に配設されており、Y軸移動テーブル7には2基のX軸移動テーブル8A,8Bが、それぞれ部品供給部4A、部品供給部4Bに対応して、Y方向に移動自在に結合されている。X軸移動テーブル8A,8Bには実装ヘッド9A,9Bが、リニア駆動機構によってX方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド9A,9Bはいずれも複数の単位移載ヘッド10を備えた多連型ヘッドであり、それぞれの単位移載ヘッド10の下端部には吸着ノズル10a(図2参照)が交換自在に装着されている。
【0013】
Y軸移動テーブル7およびX軸移動テーブル8Aを駆動することにより、実装ヘッド9Aは部品供給部4Aと基板搬送機構2に保持された基板3との間で水平移動し、トレイ6に格納された部品60を吸着ノズル10aによって吸着保持してピックアップし、基板3に実装する。Y軸移動テーブル7およびX軸移動テーブル8Bを駆動することにより、実装ヘッド9Bは部品供給部4Bと基板3との間で水平移動し、テープフィーダ13によってピッチ送りされたキャリアテープから部品を吸着ノズル10aによって吸着保持して取り出し基板3に実装する。したがってY軸移動テーブル7、X軸移動テーブル8A,8B、実装ヘッド9A,9Bは、単位移載ヘッド10の吸着ノズル10aによって部品を吸着保持して基板3に実装する部品実装機構46(図5参照)を構成する。
【0014】
実装ヘッド9A,9Bには、X軸移動テーブル8A,8Bの下面側に位置して実装ヘッド9A,9Bと一体的に移動する基板認識カメラ11が設けられている。基板認識カメラ11は実装ヘッド9A,9Bと一体的に基板3の上方に移動し、ここで基板認識カメラ11によって基板3を撮像することにより、基板3の位置認識が行われる。部品供給部4A,4Bと基板搬送機構2との間には、部品認識カメラ12が配設されている。電子部品を保持した実装ヘッド9A,9Bが部品認識カメラ12の上方を移動することにより部品認識カメラ12はこれらの電子部品を撮像し、この撮像結果を認識処理することにより、実装ヘッド9A,9Bに保持された状態における電子部品の識別や位置認識が行われる。
【0015】
図2は部品供給部4Aにトレイフィーダ5をセットした状態を示している。トレイフィーダ5は車輪21によって作業床上で移動自在なベース部20を備えている。ベース部20の上面において、オペレータOPによる操作側にはフィーダ本体部22が配置されており、フィーダ本体部22にはトレイ6を保持するパレット24を収納する複数のパレット収納部23が上下多段に設けられている。フィーダ本体部22の前面側(部品実装装置1側)には、パレット収納部23からパレット24を引き出して保持するパレット保持部25およびパレット保持部25を昇降させて(矢印a)各パレット収納部23の高さ位置に位置させる保持部昇降機構26が設けられている。
【0016】
パレット24には、部品60が格子配列で格納されたトレイ6が保持されており(図4(a)参照)、パレット24に保持されたトレイ6はフィーダ本体部22の各パレット収納部23に収納される。部品実装装置1による部品実装作業においては、パレット24はパレット保持部25によって引き出されて、実装ヘッド9Aの単位移載ヘッド10による部品取出し位置Pまで移動する。そしてこの状態のトレイ6から部品60を吸着ノズル10aによってピックアップした実装ヘッド9Aが、基板搬送機構2に位置決め保持された基板3に移動することにより(矢印b)、部品60が基板3に実装される。
【0017】
この部品実装作業は本体制御装置14によって制御され、トレイフィーダ5におけるパレット24の移動動作は、トレイフィーダ5が備えたフィーダ制御部30によって制御される。部品供給部4Aにおいて、オペレータOPが視認容易な位置には操作パネル15が配設されており、操作パネル15の表示面に設けられたタッチパネルスイッチを操作することにより、本体制御装置14に対して、さらにはフィーダ制御部30に対して必要な操作入力を行うことができるようになっている。
【0018】
フィーダ本体部22においてパレット収納部23とは別の領域(ここでは、最上段のパレット収納部23の上方)には、パレット載置部27が設けられている。パレット載置部27には、部品実装作業の実行過程において部品切れとなったトレイ6を保持するパレット24がトレイ交換のために載置される。パレット載置部27の上面側はフィーダ本体部22の天井部によって覆われており、フィーダ本体部22の天井部の手前側(オペレータOPによる操作側)には、パレット載置部27へのパレット24の搬入・搬出を可能とするための開閉カバー28が開閉自在に設けられている。部品実装作業の実行中は開閉カバー28は閉じた状態にある。
【0019】
部品実装作業の実行過程においてパレット24に保持されたトレイ6の交換の必要が生じた場合には、当該パレット24はパレット保持部25から移動してパレット載置部27に載置される。そしてオペレータOPは開閉カバー28を開放してパレット載置部27からパレット24を搬出し、部品切れが生じた空のトレイ6を他のトレイ6と交換するトレイ交換を行う。トレイ交換後のパレット24は開閉カバー28を介して搬入されてパレット載置部27に再び載置され、さらにパレット保持部25によって引き出される。すなわち、パレット載置部27には部品切れとなったトレイを保持するパレット24が載置され、さらにこのパレット24をトレイ交換のためにフィーダ本体部22外へ搬出することが可能な構成となっている。
【0020】
次に図3,図4を参照して、トレイフィーダ5の詳細構成およびパレット保持部25,保持部昇降機構26の機能について説明する。図3において、フィーダ本体部22内に多段に設けられたパレット収納部23は、それぞれが収納アドレス(ここでは、最上段より下方に向かって(1)(2)(3)・・・の順序)に対応しており、この収納アドレスを特定することにより、フィーダ本体部22においてトレイ6を保持した個々のパレット24が収納される収納位置を特定できるようになっている。
【0021】
パレット載置部27に設けられた開閉カバー28はカバー保持ヒンジ28a廻りに回動(矢印c)自在となっており、開閉カバー28の開閉状態はカバー開閉検出スイッチ31によって検出される。カバー開閉検出スイッチ31が開閉カバー28の開状態を検出することにより、フィーダ制御部30を介して本体制御装置14に信号が伝達される。またパレット載置部27の上方にはパレット情報読み取りセンサ32が配設されている。パレット情報読み取りセンサ32は、パレット載置部27におけるパレット24の有無およびパレット載置部27に載置されたパレット24に付された識別標識としてのパレット識別マークM(図4参照)を読みとって識別する識別手段としての機能を有している。パレット情報読み取りセンサ32による識別結果は、フィーダ制御部30を介して本体制御装置14に伝達される。
【0022】
次に保持部昇降機構26の構成を説明する。ベース部20の上面に立設された縦フレーム33には、ナット部材36に螺合する送りねじ35を昇降駆動モータ34によって回転駆動する構成の保持部昇降機構26が設けられており、ナット部材36にはパレット保持部25を構成する水平なパレット保持プレート37が結合されている。昇降駆動モータ34を駆動することにより、パレット保持部25はフィーダ本体部22の前面側において昇降する(矢印d)。このとき、個々のパレット収納部23に付された収納アドレスを指定することにより、パレット保持部25をこの収納アドレスに対応したパレット収納部23の高さ位置に位置させることができる。
【0023】
パレット保持部25は、パレット収納部23からパレット24を引き出し、また引き出したパレット24をパレット収納部23に戻し入れるためのスライド動作を行うパレットスライド機能を有するものであり、パレット保持プレート37の下面側に配設されたスライド駆動モータ38を駆動することにより、パレット保持プレート37の上面に沿ってパレット24をスライド移動させることができるようになっている。すなわち図4(a)に示すように、パレット保持部25を構成するパレット保持プレート37の上面には、Y方向(パレット収納部23に対して接離する方向)にスライドガイド42が配設されており、スライドガイド42にはスライド部材41がスライド自在に嵌合している。
【0024】
スライド部材41はスライド駆動モータ38を駆動源とする移動機構(図示省略)によってスライドガイド42に沿って往復動自在となっており、パレット24の前端部に設けられた被係止部24aを係止可能な係止部41aを備えている。パレット24は被係止部24aを係止部41aによって係止可能なように、引き出し方向に突出させた状態でパレット収納部23に収納されている。さらにパレット保持プレート37の上面には、パレット24のY方向への移動をガイドするためのガイド部材43がスライドガイド42の両側に設けられている。
【0025】
スライド駆動モータ38を駆動することにより、図4(b)に示すように、スライド部材41はパレット収納部23に対して接近する方向に移動し(矢印e)、係止部41aによって被係止部24aを係止する。そしてこの状態でスライド駆動モータ38を駆動してスライド部材41をパレット収納部23から離隔する方向に移動させることにより、図4(c)に示すように、パレット24はスライド部材41によってパレット収納部23から引き出され、パレット保持プレート37の上面に乗り移ってガイド部材43によって両側面をガイドされながら移動する(矢印f)。このパレット保持部25によるパレット出し入れは、パレット収納部23のみならずパレット載置部27を対象としても実行される。
【0026】
すなわち、パレット保持部25を保持部昇降機構26によって昇降させることにより、パレット24を複数のパレット収納部23から取り出して、実装ヘッド9Aの単位移載ヘッド10による部品取出し位置Pに移動させる部品供給のための移動、パレット24をトレイ交換のためにパレット載置部27に載置するための移動、さらには部品供給後、トレイ交換後のパレット24を所定の収納アドレスのパレット収納部23に戻し入れするための移動が可能となっている。したがって、パレット保持部25および保持部昇降機構26は、パレット24を複数のパレット収納部23から取り出して部品取出し位置Pまたはパレット載置部27に移動させるとともにパレット24をパレット収納部23に戻し入れするパレット移動動作を行うパレット移動部47(図5参照)を構成する。
【0027】
このパレット移動動作において、トレイ交換のためにパレット載置部27を経由して搬出されたパレット24をトレイ交換後に再びパレット載置部27に搬入した後、当該パレット24をパレット載置部27からパレット収納部23へ戻し入れる際には、このパレット移動動作における当該パレット24の戻し入れ先の収納アドレスを特定する必要がある。本実施の形態においては、この収納アドレスの特定を、以下に説明する2種類の収納アドレス特定手段を選択して行うようにしている。
【0028】
まず第1の方式は、戻し入れ先の収納アドレスをオペレータOPが指定入力することにより、戻し入れ先のパレット収納部23の収納アドレスを特定する方式である。すなわち、部品実装装置1に設けられた操作パネル15(図2)を介して、オペレータOPが戻し入れすべきパレット収納部23の収納アドレスを入力する。そしてこの入力を受けた本体制御装置14からフィーダ制御部30に信号が伝達されることにより、フィーダ制御部30はパレット移動部47を制御して当該パレット24を指定された収納アドレスのパレット収納部23に収納する。
【0029】
なお、ここでは部品実装装置1に設けられた入力装置としての操作パネル15を介して収納アドレスの指定入力を行うようにしているが、この入力装置をトレイフィーダ5に直接設けるようにしてもよい。入力装置としては、各パレット収納部23毎に操作ボタンを設ける方式や、タッチパネル形式の入力パネルなどを適宜選択することができる。すなわち、この第1の方式では、前述の収納アドレス特定手段は部品実装装置1またはトレイフィーダ5に設けられた入力装置であり、オペレータOPがこの入力装置を介して収納アドレスを指定することにより、戻し入れ先のパレット収納部23の収納アドレスが特定される形態となっている。
【0030】
次に第2の方式は、まずパレット情報読み取りセンサ32によってパレット24のパレット識別マークMを読み取った読み取り結果をフィーダ制御部30が受信することにより、当該パレット24を識別する。次いでフィーダ制御部30が本体制御装置14を介してパレット収納データ44cを参照することにより、この識別されたパレット24に対応する収納アドレスを、当該パレット24を戻し入れるべき収納アドレスとして特定する。ここでは、フィーダ制御部30はパレット識別マークMの識別結果とパレット収納データ44cとに基づいて当該パレット24を戻し入れるべき収納アドレスを特定するパレット収納制御手段として機能する。
【0031】
すなわちこの第2の方式では、前述の収納アドレス特定手段は、トレイフィーダ5に設けられパレット24に形成された識別標識としてのパレット識別マークMを識別するパレット情報読み取りセンサ32(識別手段)およびパレット識別マークMの識別結果と各パレット24とパレット収納部23の収納アドレスとの対応を示すパレット収納データ44cとに基づいて当該パレット24を戻し入れるべき収納アドレスを特定するパレット収納制御手段より構成される形態となっている。
【0032】
次に図5を参照して、制御系の構成を説明する。本体制御装置14は記憶部44に記憶された各種のデータを参照して、以下の各部を制御することにより、部品実装装置1による部品実装作業を実行させる。記憶部44には、実装データ44a、フィーダ配置データ44b、パレット収納データ44cが記憶されている。実装データ44aは、基板3を対象とする部品実装作業を実行するためのデータであり、基板3に実装される部品種を示す部品データ、基板3おける部品実装点の位置データ、実装順序を示すシーケンスデータなどが含まれる。
【0033】
フィーダ配置データ44bは、部品供給部4Bにおける個別のテープフィーダ13の配列位置と当該テープフィーダ13が収納する部品種との対応関係を特定するデータである。またパレット収納データ44cは、部品供給部4Aのトレイフィーダ5において、各パレット24とパレット収納部23における収納アドレスとの対応を示すデータである。このパレット収納データ44cにより、個別のパレット収納部23の収納アドレスと当該パレット収納部23にパレット24に保持されて収納されるトレイ6の部品種との対応関係が特定される。
【0034】
部品実装作業においては、実装データ44aとフィーダ配置データ44b、パレット収納データ44cを参照することにより、実装ヘッド9Aの単位移載ヘッド10によってピックアップの対象とすべきテープフィーダ13やパレット24を個別の部品実装動作毎に特定することができる。機構駆動部45は、本体制御装置14に制御されて、基板搬送機構2、前述構成の部品実装機構46を駆動する。これにより、部品実装装置1によって複数の基板3を対象として連続的に部品実装作業が実行される。
【0035】
部品供給部4Aにおいてトレイフィーダ5を装着することにより、フィーダ制御部30は部品実装装置1の制御系と接続され、本体制御装置14との間で制御信号の授受を行うことが可能となる。同様に部品供給部4Bにおいてテープフィーダ13を装着することにより、各テープフィーダ13は部品実装装置1の制御系と接続される。フィーダ制御部30は前述構成のパレット移動部47を制御し、これによりトレイフィーダ5内におけるパレット移動動作が制御される。パレット情報読み取りセンサ32による読み取り結果、すなわちパレット載置部27におけるパレット24の有無、パレット24に形成されたパレット識別マークMの読み取り結果はフィーダ制御部30に伝達され、フィーダ制御部30によるパレット移動動作の制御において参照される。カバー開閉検出スイッチ31による検出結果は、フィーダ制御部30およびフィーダ制御部30を介して本体制御装置14に伝達され、本体制御装置14による部品実装機構46の部品実装動作の制御において参照される。
【0036】
すなわち、部品切れとなったトレイ6を保持するパレット24がパレット載置部27に移動してトレイ交換のためにフィーダ本体部22外へ搬出される際には開閉カバー28が開放され、これをカバー開閉検出スイッチ31によって検出したカバー開放信号が本体制御装置14に伝達されると、本体制御装置14は実装ヘッド9Aの単位移載ヘッド10によるピックアップ動作を停止する。そしてこの後、開閉カバー28が閉じられたことがカバー開閉検出スイッチ31によって検出されると、本体制御装置14は実装ヘッド9Aの単位移載ヘッド10によるピックアップ動作を再開させる。
【0037】
このときトレイ交換後のパレット24がパレット載置部27に載置されるまでの間にオペレータOPが開閉カバー28を閉じる操作を行った場合には、当該トレイ交換中のパレット24以外のパレット24を対象として動作再開指令がなされたとみなして、フィーダ制御部30は他のパレット収納部23からパレット24をパレット保持部25によって引き出しピックアップ動作を再開する。なおここではカバー開閉検出スイッチ31を動作再開指令を入力する手段として用いているが、もちろん他の入力手段、例えば操作パネル15に設けられたタッチパネルスイッチなどによって動作再開指令を入力するようにしてもよい。
【0038】
操作・入力部48は操作パネル15に設けられた入力装置であり、部品実装装置1への操作指令やデータ入力などの入力処理を行う。本実施の形態では操作パネル15に設けられたタッチパネルスイッチを介してこれらの入力が行われ、トレイ交換後のパレット24をパレット載置部27からパレット収納部23へ戻し入れる際の収納アドレスの特定のための指定入力も、操作パネル15を介して行われる。表示部49は液晶パネルなどの表示パネルであり、操作・入力部48による入力時の案内画面などの画面表示を行う。本実施の形態では、操作パネル15に設けられた表示画面が表示部49となっている。
【0039】
部品実装装置1は上記のように構成されており、次に図6〜図8を参照して、部品実装装置1に装着されたトレイフィーダ5において、部品切れを生じたトレイ6を新たなトレイ6と交換するトレイ交換方法について説明する。図6(a)は、パレット保持部25によって部品取出し位置Pに移動したパレット24に保持されたトレイ6から、実装ヘッド9Aの単位移載ヘッド10によって部品を取り出す部品実装作業の過程で、収納アドレスが(1)のパレット収納部23(1)から取り出した第1のトレイ6(1)において部品切れが発生した状態を示している。
【0040】
この場合には、部品切れの第1のトレイ6(1)*を保持した第1のパレット24(1)を、図6(b)に示すように、トレイ交換のためにパレット保持部25によってパレット載置部27に移動させる(矢印g,h)(第1パレット移動ステップ)。次いで、図6(c)に示すように、開閉カバー28を開放して(矢印i)、第1のトレイ6(1)*を保持した第1のパレット24(1)を、オペレータOPによってパレット載置部27から取り出す(矢印j)(第1パレット取出しステップ)。このとき、開閉カバー28を開放したことをカバー開閉検出スイッチ31が検出することにより、実装ヘッド9Aの単位移載ヘッド10によるピックアップ動作が一旦停止される。
【0041】
そして図6(d)に示すように、トレイフィーダ5の外部ではオペレータOPによって、第1のパレット24(1)を対象として部品切れのトレイ6(1)*を新たなトレイ6(1)と入れ替えるトレイ交換作業が行われる。このトレイ交換作業中にオペレータOPによって開閉カバー28が閉じられて、カバー開閉検出スイッチ31によってこの閉動作が検出された場合には、この検出信号は実装ヘッド9Aの単位移載ヘッド10によるピックアップ動作を再開する動作再開指令と見なされる。ここではパレット載置部27にパレット24が存在しないことがパレット情報読み取りセンサ32によって検出され、他のパレット収納部23からパレット24を引き出すことによってピックアップ動作を再開する。ここに示す例では、収納アドレス(2)のパレット収納部23(2)から、パレット保持部25によって第2のパレット24(2)が引き出される(矢印l,m)。
【0042】
そして図7(a)に示すように、パレット保持部25によって部品取出し位置Pに移動した第2のパレット24(2)に保持された第2のトレイ6(2)から、実装ヘッド9Aの単位移載ヘッド10によって部品を取り出す部品実装作業が再開される。すなわち、第1のパレット取出しステップ後において、トレイ交換済みの第1のパレット24(1)がパレット載置部27に載置されるまでの間に動作再開指令がなされたならば、第1のパレット24(1)以外のパレット(ここでは第2のパレット24(2))を対象としてピックアップ動作を再開するようにしている。
【0043】
そしてこのピックアップ動作を反復実行する部品実装作業の過程で、第2のトレイ6(2)において部品切れが発生すると、第1のパレット24(1)を対象とするトレイ交換作業が完了していない状態において、新たな部品切れの第2のトレイ6(2)*を保持した第2のパレット24(2)を、図7(b)に示すように、トレイ交換のためにパレット保持部25によってパレット載置部27まで移動させる(矢印n,o)(第2パレット移動ステップ)。次いで、図7(c)に示すように、開閉カバー28を開放して(矢印p)、第2のトレイ6(2)*を保持した第2のパレット24(2)を、オペレータOPによってパレット載置部27から取り出す(矢印q)(第2パレット取出しステップ)。
【0044】
そしてこの後、トレイフィーダ5から取り出されてトレイ交換済みの第1のパレット24(1)または第2のパレット24(2)のいずれかを、パレット載置部27に搬入して載置する(パレット載置ステップ)。すなわち、トレイ交換作業が早く完了したパレット24を先にパレット載置部27に載置することが原則であるが、状況によっては必ずしもこの順番通りに行う必要はない。ここに示す例では、トレイ交換作業が完了した第1のパレット24(1)が待機した状態にあり、第2のパレット24(2)の取り出し後、図7(d)に示すように、トレイ交換済みの第1のパレット24(1)をパレット載置部27に搬入して(矢印r)載置し、次いで開閉カバー28を閉じる(矢印s)。
【0045】
そして載置されたパレット24に形成されたパレット識別マークM(図4(a)参照)をパレット情報読み取りセンサ32によって読み取ることによって、パレット24の識別が行われる。また開閉カバー28を閉じる閉動作はカバー開閉検出スイッチ31によって検出され、これにより出力される検出信号は、実装ヘッド9Aの単位移載ヘッド10によるピックアップ動作を再開させるための動作再開指令と見なされる。すなわち、開閉カバー28を閉じる閉動作により、ピックアップ動作を再開させるための動作再開指令を入力する(動作再開入力ステップ)。
【0046】
この後、動作再開のためのパレット移動が行われる。このパレット移動に際しては、図6(a)に示す第1のトレイ6(1)の部品切れ発生時点において、本来に実装されるべき部品60であって部品切れのために、実装対象の基板3において実装されないままとなっている未実装部品が存在するか否かを本体制御装置14によって判断する。ここで未実装部品有りと判断された場合には、パレット保持部25によってパレット載置部27から取り出した第1のパレット24(1)を部品取出し位置Pに移動させ、残りの未実装部品を補充実装するための部品実装動作を実行する。
【0047】
そしてこの補充実装が完了した後の第1のパレット24(1)は、図8(a)に示すように、パレット情報読み取りセンサ32によるパレット24の識別結果とパレット収納データ44cに規定される収納アドレスと個別のパレット24との対応関係に基づいて特定された戻し入れ先のパレット収納部23(1)に戻し入れされる。また未実装部品無しと判断された場合には補充実装は必要とされず、パレット載置部27から直接戻し入れ先のパレット収納部23(1)に戻し入れされる(矢印t)。そしてこの状態で、トレイ交換作業が完了した第2のパレット24(2)が待機状態にある。
【0048】
この後、図8(b)に示すように、開閉カバー28を開放して(矢印u)、トレイ交換済みの第2のパレット24(2)をパレット載置部27に搬入して(矢印v)載置し、この後開閉カバーを閉じる(図8(c)に示す矢印x)。このとき、パレット保持部25はパレット載置部27に位置合わせするために移動する(矢印w)。そしてこの後、第1のパレット24(1)を対象とする図7(d)以降の動作ステップが、第2のパレット24(2)を対象として同様に実行される.すなわち載置されたパレット24に形成されたパレット識別マークMをパレット情報読み取りセンサ32によって読み取ることによって、パレット24の識別が行われる。また開閉カバー28を閉じる閉動作はカバー開閉検出スイッチ31によって検出され、これにより出力される検出信号が動作再開指令として入力される。
【0049】
この後、動作再開のためのパレット移動が行われる。このパレット移動に際しても同様に、図7(a)に示す第2のトレイ6(2)の部品切れ発生時点において、未実装部品が存在するか否かを判断する。ここで未実装部品有りと判断された場合には、パレット保持部25によってパレット載置部27から取り出した第2のパレット24(2)を部品取出し位置Pに移動させ、残りの未実装部品を補充実装するための部品実装動作を実行する。
【0050】
そしてこの補充実装が完了した後の第2のパレット24(2)は、図8(c)に示すように、パレット情報読み取りセンサ32によるパレット24の識別結果とパレット収納データ44cに規定される収納アドレスと個別のパレット24との対応関係に基づいて特定された戻し入れ先のパレット収納部23(2)に戻し入れされる(矢印y)。また未実装部品無しと判断された場合には補充実装は必要とされず、パレット載置部27から直接戻し入れ先のパレット収納部23(2)に戻し入れされる。
【0051】
すなわち、図7(d)〜図8(c)に示す動作ステップは、開閉カバー28の閉動作による動作再開指令を承けて、載置された第1のパレット24(1)または第2のパレット24(2)のいずれかを、未実装部品の補充実装のために部品取出し位置Pへ移動させるか、または前述の収納アドレス特定手段によって特定される当該パレット24の戻し入れ先の収納アドレスに対応するパレット収納部23に戻し入れるパレット移動ステップに相当する。
【0052】
上述実施例においては、収納アドレス特定手段は、トレイフィーダ5に設けられパレット24に形成されたパレット識別マークM(識別標識)を読み取って識別するパレット情報読み取りセンサ32(識別手段)およびこの識別結果と各パレット24とパレット収納部23の収納アドレスとの対応を示すパレット収納データ44cとに基づいて当該パレット24を戻し入れるべきパレット収納部23の収納アドレスを特定するフィーダ制御部30(パレット収納制御手段)より構成されている。そしてパレット載置ステップにおいて載置されたパレット24のパレット識別マークMを読みとって識別することにより、戻し入れ先のパレット収納部23の収納アドレスが特定されるようになっている。
【0053】
なお収納アドレス特定手段として、部品実装装置1の制御装置またはトレイフィーダに設けられた入力装置,例えば操作パネル15に設けられたタッチパネルスイッチなどを用い、パレット移動ステップにおいてオペレータOPがこの入力装置を介して収納アドレスを指定入力することにより、戻し入れ先の収納アドレスを特定するようにしてもよい。
【0054】
上記説明したように、本実施の形態に示す部品実装装置1では、トレイフィーダ5において部品切れとなったトレイ6を保持するパレット24が、新たなトレイ6との交換のために載置されるパレット載置部27から、戻し入れのためにパレット収納部23へ移動するパレット移動動作における戻し入れ先の収納アドレスを特定する収納アドレス特定手段を備えるようにしている。これにより、トレイフィーダ5によって供給される部品を基板3に実装する部品実装装置1において、2つ以上のパレット24について同時期に部品切れが重複して発生した場合にあっても、収納アドレス特定手段によって特定される戻し入れ先の収納アドレスに対応するパレット収納部23に当該パレット24を戻し入れることができる。したがって、1つのパレットについてのトレイ交換が完了するまでは他のパレットをトレイ交換作業の対象とすることができなかった従来技術と比較して、トレイ交換のための装置停止時間を短縮して生産性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の部品実装装置およびトレイフィーダにおけるトレイ交換方法は、トレイフィーダによって供給される部品を基板に実装する部品実装装置において、トレイ交換のための装置停止時間を短縮して生産性を向上させることができるという効果を有し、部品を基板に実装する部品実装分野において有用である。
【符号の説明】
【0056】
1 部品実装装置
3 基板
4A,4B 部品供給部
5 トレイフィーダ
6 トレイ
60 部品
7 Y軸移動テーブル
8A,8B X軸移動テーブル
9A,9B 実装ヘッド
10 単位移載ヘッド
13 テープフィーダ
15 操作パネル
22 フィーダ本体部
23 パレット収納部
24 パレット
25 パレット保持部
26 保持部昇降機構
27 パレット載置部
28 開閉カバー
31 カバー開閉検出スイッチ
32 パレット情報読み取りセンサ
38 スライド駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が格納されたトレイを保持するパレットを複数のパレット収納部の各々に収納し前記パレットを部品取出し位置に移動させるトレイフィーダから、前記部品を実装ヘッドによってピックアップして基板に実装する部品実装装置であって、
前記トレイフィーダは、前記複数のパレット収納部が収納アドレスと対応して設けられたフィーダ本体部と、
前記パレット収納部とは別の領域に設けられ、部品切れとなったトレイを保持するパレットが載置されさらにこのパレットをトレイ交換のために前記フィーダ本体部外へ搬出することが可能なパレット載置部と、
前記パレットを前記複数のパレット収納部から取り出して前記部品取出し位置または前記パレット載置部に移動させるとともに前記パレットをパレット収納部に戻し入れするパレット移動動作を行うパレット移動部と、
前記パレット載置部からパレット収納部へのパレット移動動作における当該パレットの戻し入れ先の収納アドレスを特定する収納アドレス特定手段と、
前記部品切れとなったトレイを保持するパレットが前記パレット載置部に移動した結果、前記実装ヘッドによる部品のピックアップ動作が一旦停止された後に、前記ピックアップ動作を再開させるための動作再開指令を入力する動作再開入力手段とを備えたことを特徴とする部品実装装置。
【請求項2】
前記収納アドレス特定手段は前記部品実装装置の制御装置またはトレイフィーダに設けられた入力装置であり、オペレータが前記入力装置を介して前記収納アドレスを指定することにより、前記戻し入れ先の収納アドレスが特定されることを特徴とする請求項1記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記収納アドレス特定手段は、前記トレイフィーダに設けられ前記パレットに形成された識別標識を識別する識別手段および前記識別標識の識別結果と各パレットとパレット収納部の収納アドレスとの対応を示すパレット収納データとに基づいて当該パレットを戻し入れるべき収納アドレスを特定するパレット収納制御手段より成ることを特徴とする請求項1記載の部品実装装置。
【請求項4】
部品を基板に実装する部品実装装置に装着して用いられ、前記部品が格納されたトレイを保持するパレットを複数のパレット収納部の各々に収納し前記パレットを部品取出し位置に移動させるトレイフィーダにおいて、部品切れを生じた前記トレイを新たなトレイと交換するトレイフィーダにおけるトレイ交換方法であって、
前記トレイフィーダは、前記複数のパレット収納部が収納アドレスと対応して設けられたフィーダ本体部と、前記パレット収納部とは別の領域に設けられ、部品切れとなったトレイを保持するパレットが載置されさらにこのパレットをトレイ交換のために前記フィーダ本体部外へ搬出することが可能なパレット載置部と、前記パレットを前記複数のパレット収納部から取り出して前記部品取出し位置または前記パレット載置部に移動させるとともに前記パレットをパレット収納部に戻し入れするパレット移動動作を行うパレット移動部と、前記パレット載置部からパレット収納部へのパレット移動動作におけるパレットの戻し入れ先の収納アドレスを特定する収納アドレス特定手段と、前記部品切れとなったトレイを保持するパレットが前記パレット載置部に移動して前記フィーダ本体部外へ搬出された結果、前記実装ヘッドによる部品のピックアップ動作が一旦停止された後に、前記ピックアップ動作を再開させるための動作再開指令を入力する動作再開入力手段とを備え、
部品切れの前記トレイを保持した第1のパレットを前記パレット載置部まで移動させる第1パレット移動ステップと、
前記第1のパレットを前記パレット載置部から取り出す第1パレット取出しステップと、
前記第1のパレットを対象とするトレイ交換作業が完了していない状態において新たな部品切れのトレイを保持した第2のパレットを前記パレット載置部まで移動させる第2パレット移動ステップと、
前記第2のパレットを前記パレット載置部から取り出す第2パレット取出しステップと、
トレイ交換済みの前記第1のパレットまたは第2のパレットのいずれかを前記パレット載置部に載置するパレット載置ステップと、
前記ピックアップ動作を再開させるための動作再開指令を入力する動作再開入力ステップと、
前記動作再開指令を承けて、前記載置された第1のパレットまたは第2のパレットのいずれかを、前記部品取出し位置へ移動させるか、または前記収納アドレス特定手段によって特定される当該パレットの戻し入れ先の収納アドレスのパレット収納部に戻し入れるパレット移動ステップとを含むことを特徴とするトレイフィーダにおけるトレイ交換方法。
【請求項5】
前記第1のパレット取出しステップ後において、トレイ交換済みの第1のパレットが前記パレット載置部に載置されるまでの間に前記動作再開指令がなされたならば、前記第1のパレット以外のパレットを対象として前記ピックアップ動作を再開することを特徴とする請求項4記載のトレイフィーダにおけるトレイ交換方法。
【請求項6】
前記収納アドレス特定手段は前記部品実装装置の制御装置またはトレイフィーダに設けられた入力装置であり、前記パレット移動ステップにおいてオペレータが前記入力装置を介して前記収納アドレスを指定することにより、前記戻し入れ先の収納アドレスが特定されることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載のトレイフィーダにおけるトレイ交換方法。
【請求項7】
前記収納アドレス特定手段は、前記トレイフィーダに設けられ前記パレットに形成された識別標識を識別する識別手段および前記識別標識の識別結果と各パレットとパレット収納部の収納アドレスとの対応を示すパレット収納データとに基づいて当該パレットを戻し入れるべき収納アドレスを特定するパレット収納制御手段より成り、前記パレット載置ステップにおいて載置された前記パレットの識別標識を識別することにより前記戻し入れ先の収納アドレスが特定されることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載のトレイフィーダにおけるトレイ交換方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−114324(P2012−114324A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263368(P2010−263368)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】