説明

配線基板及びその製造方法、半導体パッケージ

【課題】接続信頼性が高く、狭ピッチの接続端子を形成可能な配線基板を提供する。
【解決手段】配線基板1は、無機材料からなる基板本体11に形成された配線パターン12と、前記配線パターンと電気的に接続され、半導体チップが搭載される外部接続端子15と、を備えた無機基板10と、絶縁層31、33、35と配線層32、34、36が積層された有機基板30と、熱膨張係数が前記無機基板よりも大きく前記有機基板よりも小さい材料からなる応力緩和層21と、前記応力緩和層を貫通する貫通配線22と、を備えた接合層20と、を有し、前記無機基板は、前記有機基板上に前記接合層を介して積層され、前記無機基板の配線パターンと前記有機基板の配線層とは、前記貫通配線を介して電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップを搭載するための配線基板及びその製造方法、前記配線基板に半導体チップを搭載した半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体チップを搭載するための配線基板として種々の形態が提案されている。
【0003】
例えば、複数の配線層等を含む第1配線部上に、第1配線部の熱膨張率よりも小さく、かつ、半導体チップの熱膨張率と同等である第2配線部を設け、第2配線部上に半導体チップを搭載する配線基板が提案されている。又、シリコン基板上に配線パターンを形成した配線基板が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−270037号公報
【特許文献2】国際公開第05/114728号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体チップを搭載するための配線基板においては、熱膨張係数の違いにより発生する応力に耐える接続信頼性や、半導体チップの電極端子に対応した狭ピッチの外部接続端子(はんだバンプ等)を形成できることが要求される。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、接続信頼性が高く、狭ピッチの接続端子を形成可能な配線基板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本配線基板の一形態は、無機材料からなる基板本体に形成された配線パターンと、前記配線パターンと電気的に接続され、半導体チップが搭載される外部接続端子と、を備えた無機基板と、絶縁層と配線層が積層された有機基板と、熱膨張係数が前記無機基板よりも大きく前記有機基板よりも小さい材料からなる応力緩和層と、前記応力緩和層を貫通する貫通配線と、を備えた接合層と、を有し、前記無機基板は、前記有機基板上に前記接合層を介して積層され、前記無機基板の配線パターンと前記有機基板の配線層とは、前記貫通配線を介して電気的に接続されていることを要件とする。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、接続信頼性が高く、狭ピッチの接続端子を形成可能な配線基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に係る配線基板を例示する断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その1)である。
【図3】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その2)である。
【図4】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その3)である。
【図5】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その4)である。
【図6】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その5)である。
【図7】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その6)である。
【図8】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その7)である。
【図9】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その8)である。
【図10】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その9)である。
【図11】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その10)である。
【図12】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その11)である。
【図13】第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その12)である。
【図14】第1の実施の形態の変形例に係る配線基板の製造工程を例示する図(その1)である。
【図15】第1の実施の形態の変形例に係る配線基板の製造工程を例示する図(その2)である。
【図16】第1の実施の形態の変形例に係る配線基板の製造工程を例示する図(その3)である。
【図17】第2の実施の形態に係る半導体パッケージを例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0011】
〈第1の実施の形態〉
[第1の実施の形態に係る配線基板の構造]
まず、第1の実施の形態に係る配線基板の構造について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る配線基板を例示する断面図である。図1を参照するに、第1の実施の形態に係る配線基板1は、大略すると、無機基板10と、接合層20と、有機基板30とを有し、無機基板10と有機基板30とが接合層20の応力緩和層21を介して接合されている。なお、図1において、絶縁層37が形成される側の面(実装基板搭載側)を一方の面、金属層15が形成される側の面(半導体チップ搭載側)を他方の面と称する場合がある。
【0012】
無機基板10は、大略すると、基板本体11と、配線パターン12と、絶縁層13と、金属柱14と、金属層15とを有する。無機基板10の一方の面は、接合層20と接している。
【0013】
基板本体11は、配線パターン12等を形成する基体となる部分であり、シリコンやガラス等の無機材料から構成されている。基板本体11として無機材料を用いることにより、基板本体11の熱膨張係数を低くすることができる。例えば、シリコンの熱膨張係数は3ppm/℃程度、ガラスとして硼珪酸ガラスを用いた場合の熱膨張係数は3ppm/℃程度である。
【0014】
基板本体11の厚さは、例えば、20〜300μm程度とすることができる。基板本体11には、ビアホール11xが形成されている。ビアホール11xの平面形状は、例えば円形とすることができ、その直径は、例えば20〜200μm程度とすることができる。なお、本実施の形態では、基板本体11の材料としてシリコンを用いる場合を一例として以下の説明をする。
【0015】
配線パターン12は、基板本体11を貫通するビアホール11x内に充填されたビア配線、及び基板本体11の他方の面に形成された平面配線を含んで構成されている。配線パターン12は、ビアホール11x内に露出している後述する貫通配線22と電気的に接続されている。配線パターン12の材料としては、例えば銅(Cu)を主成分として含む金属材料等を用いることができる。配線パターン12は、例えば、ライン/スペース=1μm/1μm程度とすることができる。
【0016】
なお、シリコンは絶縁体ではないため、基板本体11の一方の面には熱酸化膜(SiO)等の絶縁膜11aが形成されている。又、基板本体11の他方の面及びビアホール11xの内壁面には熱酸化膜(SiO)等の絶縁膜11bが形成されており、絶縁膜11bを介して配線パターン12が形成されている。基板本体11としてガラス等の絶縁体を用いる場合には、基板本体11の一方の面に絶縁膜11aを形成する必要はない。又、基板本体11の他方の面及びビアホール11xの内壁面に絶縁膜11bを形成する必要はない。
【0017】
絶縁層13は、基板本体11の他方の面に配線パターン12を覆うように形成されている。絶縁層13は、所謂ソルダーレジスト層である。絶縁層13は開口部13xを有し、開口部13x内には配線パターン12の一部が露出している。絶縁層13の材料としては、例えば、エポキシ系やアクリル系等の感光性樹脂組成物を用いることができる。
【0018】
必要に応じ、開口部13x内に露出する配線パターン12上に、例えば無電解めっき法等により金属層を形成してもよい。金属層の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を挙げることができる。
【0019】
金属柱14は、開口部13x内に露出する配線パターン12上に設けられている。金属柱14の一部は、絶縁層13の他方の面から突出している。金属柱14としては、例えば円柱状の銅ピラー等を用いることができる。金属柱14の直径は、例えば、20μm程度とすることができる。金属柱14の高さは、例えば、10〜50μm程度とすることができる。金属柱14のピッチは、例えば、40μm程度とすることができる。但し、金属柱14の形状は円柱状には限定されず、角柱状等であってもよい。
【0020】
金属層15は、金属柱14の他方の面を覆うように形成されている。金属層15の形状は、例えば、ドーム状とすることができる。ここで、ドーム状とは、中央部近傍の高さが高く、周縁部に行くに従って低くなる形状を指す。金属柱14の高さ(中央部近傍の高さ)は、例えば、10μm程度とすることができる。
【0021】
金属層15の材料としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等のはんだ材料を用いることができる。金属層15の材料として、Cu/Ni/Au層(Cu層とNi層とAu層をこの順番で積層した金属層)や、Cu/Ni/Pd/Au層(Cu層とNi層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を用いても構わない。金属層15は、配線基板1に半導体チップが実装される際に、半導体チップのパッドと電気的に接続される部分である。
【0022】
接合層20は、応力緩和層21と、応力緩和層21を貫通する貫通配線22とを有する。応力緩和層21は、弾性材料又は低熱膨張係数材料からなる層である。ここで、弾性材料とは、ヤング率が50〜1000MPa程度の材料を指す。応力緩和層21に弾性材料を用いることにより、無機基板10と有機基板30との接合部で発生する応力を応力緩和層21が伸縮して吸収するため、無機基板10と有機基板30との間の接続信頼性を向上できる。
【0023】
又、低熱膨張係数材料は、熱膨張係数が無機基板10よりも大きく有機基板30よりも小さい材料を指す。応力緩和層21の好ましい熱膨張係数は、7〜13ppm/℃程度である。応力緩和層21に低熱膨張係数材料を用いることにより、無機基板10と有機基板30との間が強固に固定される。そのため、無機基板10と有機基板30との接合部に応力が発生しても接合部が動き難くなり、無機基板10と有機基板30との間の接続信頼性を向上できる。
【0024】
応力緩和層21の具体的な材料の一例としては、エポキシ系、ポリイミド系、フェノール系、アクリル系等の絶縁性樹脂を挙げることができる。応力緩和層21は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有してもよい。応力緩和層21の厚さは、例えば、5〜30μm程度とすることができる。
【0025】
応力緩和層21として弾性材料を用いる場合には、ヤング率が50〜1000MPaの材料を選定すればよい。又、エポキシ系、ポリイミド系、フェノール系、アクリル系等の絶縁性樹脂の分子構造の設計によりヤング率を調整することも可能である。
【0026】
応力緩和層21として低熱膨張係数材料を用いる場合には、エポキシ系、ポリイミド系、フェノール系、アクリル系等の絶縁性樹脂にシリカ(SiO)等のフィラーを含有させ、その含有量により熱膨張係数を調整できる。フィラーの含有量が多いほど、熱膨張係数は小さくなる。但し、含有するフィラーはシリカ(SiO)には限定されず、例えば、アルミナ(Al)等であってもよい。
【0027】
貫通配線22は、応力緩和層21の一方の面から他方の面に貫通する配線であり、例えば銅(Cu)を主成分として含む金属材料等から構成されている。貫通配線22は、無機基板10の配線パターン12と後述の有機基板30の配線層32とを電気的に接続している。応力緩和層21の一方の面と貫通配線22の一端面とは、略面一とすることができる。又、応力緩和層21の他方の面と貫通配線22の他端面とは、略面一とすることができる。貫通配線22の平面形状は、例えば円形とすることができ、その直径は、例えば20〜200μm程度とすることができる。
【0028】
有機基板30は、熱可塑性や熱硬化性の絶縁性樹脂等の有機材料を主成分として含む基板であり、絶縁層31と、配線層32と、絶縁層33と、配線層34と、絶縁層35と、配線層36と、絶縁層37とを有する。なお、有機基板30全体の熱膨張係数は、応力緩和層21よりも大きく、実装基板(マザーボード等)よりも小さくなるような値(例えば、13〜20ppm/℃程度)に調整される。
【0029】
又、無機基板10全体の熱膨張係数は、応力緩和層21よりも小さくなるような値(例えば、3〜7ppm/℃程度)に調整される。又、有機基板30全体のヤング率は、応力緩和層21より大きく、例えば2〜5GPa程度である。ちなみに、実装基板(マザーボード等)全体の熱膨張係数は、約20〜50ppm/℃程度である。
【0030】
絶縁層31の一方の面には、配線層32が形成されている。絶縁層31の他方の面は、応力緩和層21の一方の面及び貫通配線22の一端面と接している。絶縁層31は、例えばエポキシ系樹脂等を主成分とする絶縁性樹脂により構成されている。絶縁層31は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有してもよい。絶縁層31の厚さは、例えば20〜50μm程度とすることができる。
【0031】
配線層32は、絶縁層31を貫通し接合層20の貫通配線22の一端面を露出するビアホール31x内に充填されたビア配線、及び絶縁層31の一方の面に形成された配線パターンを含んで構成されている。ビアホール31xは、絶縁層33側の開口面積が貫通配線22側の開口面積よりも大となる形状とされている。配線層32は、ビアホール31x内に露出した貫通配線22と電気的に接続されている。配線層32の材料としては、例えば銅(Cu)を主成分として含む金属材料等を用いることができる。配線層32を構成する配線パターンの厚さは、例えば10〜20μm程度とすることができる。
【0032】
絶縁層33は、絶縁層31の一方の面に、配線層32を覆うように形成されている。絶縁層33の材料や厚さは、絶縁層31と同様とすることができる。配線層34は、絶縁層33を貫通し配線層32の一方の面を露出するビアホール33x内に充填されたビア配線、及び絶縁層33の一方の面に形成された配線パターンを含んで構成されている。ビアホール33xは、絶縁層35側の開口面積が配線層32側の開口面積よりも大となる形状とされている。配線層34は、ビアホール33x内に露出した配線層32と電気的に接続されている。配線層34の材料や配線層34を構成する配線パターンの厚さは、配線層32と同様とすることができる。
【0033】
絶縁層35は、絶縁層33の一方の面に、配線層34を覆うように形成されている。絶縁層35の材料や厚さは、絶縁層31と同様とすることができる。配線層36は、絶縁層35を貫通し配線層34の一方の面を露出するビアホール35x内に充填されたビア配線、及び絶縁層35の一方の面に形成された配線パターンを含んで構成されている。ビアホール35xは、絶縁層37側の開口面積が配線層34側の開口面積よりも大となる形状とされている。配線層36は、ビアホール35x内に露出した配線層34と電気的に接続されている。配線層36の材料や配線層36を構成する配線パターンの厚さは、配線層32と同様とすることができる。
【0034】
絶縁層37は、絶縁層35の一方の面に配線層36を覆うように形成されている。絶縁層37は、所謂ソルダーレジスト層である。絶縁層37の材料としては、例えば、エポキシ系やアクリル系等の感光性樹脂組成物を用いることができる。絶縁層37の厚さは、絶縁層31と同様とすることができる。絶縁層37は開口部37xを有し、開口部37x内には配線層36の一部が露出している。開口部37x内に露出する配線層36の平面形状は例えば円形であり、その直径は例えば200〜1000μm程度とすることができる。開口部37x内に露出する配線層36のピッチは、例えば500〜1200μm程度とすることができる。
【0035】
必要に応じ、開口部37x内に露出する配線層36上に、例えば無電解めっき法等により金属層等を形成してもよい。金属層の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を挙げることができる。 更に、開口部37x内に露出する配線層36に、はんだボールやリードピン等の外部接続端子を形成しても構わない。外部接続端子は、マザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続するための端子となる。但し、開口部37x内に露出する配線層36自体を外部接続端子としてもよい。
【0036】
[第1の実施の形態に係る配線基板の製造方法]
次に、第1の実施の形態に係る配線基板の製造方法について説明する。図2〜図13は、第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図である。
【0037】
まず、図2に示す工程の前に、シリコンからなる基板本体11を準備し、準備した基板本体11の一方の面に絶縁膜11aを形成する。基板本体11としては、例えば、6インチ(約150mm)、8インチ(約200mm)、12インチ(約300mm)等のシリコンウェハ等を用いることができる。シリコンウェハの厚さは、例えば0.625mm(6インチの場合)、0.725mm(8インチの場合)、0.775mm(12インチの場合)等とすることができる。
【0038】
絶縁膜11aとしては、例えば、熱酸化膜(SiO)等を用いることができる。熱酸化膜(SiO)は、例えば、基板本体11の一方の面近傍の温度を例えば1000℃以上とするウェット熱酸化法により熱酸化することで形成できる。熱酸化膜(SiO)の厚さは、例えば1.5〜3μm程度とすることができる。但し、絶縁膜11aは、CVD(Chemical Vapor Deposition、以降同様)法やPVD(Physical Vapor Deposition、以降同様)法等により形成してもよい。
【0039】
次に、図2に示す工程では、基板本体11の一方の面に、絶縁膜11aを介して、所定の平面形状にパターンニングされた貫通配線22を形成する。貫通配線22の厚さは、例えば、5〜30μm程度とすることができる。貫通配線22は、例えば、セミアディティブ法により形成できる。具体的には、基板本体11の一方の面に、絶縁膜11aを介して、無電解めっき法やCVD法、PVD法等により、例えば銅(Cu)を主成分として含む金属材料等からなる第1金属層(図示せず)を形成する。そして、第1金属層上に貫通配線22に対応する開口部を備えたレジスト層(図示せず)を形成する。
【0040】
次に、第1金属層を給電層に利用した電解めっき法により、レジスト層の開口部内に露出する第1金属層上に例えば銅(Cu)を主成分として含む金属材料等からなる第2金属層(図示せず)を積層形成する。続いて、レジスト層を除去した後に、第2金属層をマスクにして、第2金属層に覆われていない部分の第1金属層をエッチングにより除去する。これにより、第1金属層上に第2金属層が積層形成された貫通配線22が形成される。なお、貫通配線22は、サブトラクティブ法等の各種配線形成方法により形成してもよい。
【0041】
次に、図3に示す工程では、貫通配線22の周囲に応力緩和層21を形成し、接合層20を作製する。応力緩和層21は、例えば、基板本体11の一方の面に、絶縁膜11aを介して、貫通配線22を覆うように液状の絶縁性樹脂をスピンコート法やロールコート法等により塗布し、塗布した絶縁性樹脂を硬化させた後、CMP(Chemical Mechanical Polishing、以降同様)法やプラズマアッシング法等により貫通配線22を覆う絶縁性樹脂を除去することにより形成できる。貫通配線22の一端面は応力緩和層21の一方の面から露出する。貫通配線22の一端面と、応力緩和層21の一方の面とは、略面一とすることができる。応力緩和層21の材料や厚さは、前述の通りである。なお、応力緩和層21として、フィルム状の絶縁性樹脂をラミネートしても構わない。
【0042】
次に、図4〜図6に示す工程では、有機基板30を形成する。まず、図4に示す工程では、接合層20の一方の面(貫通配線22の一端面及び応力緩和層21の一方の面)を覆うように絶縁層31を形成し、絶縁層31上に配線層32を積層形成する。絶縁層31の材料としては、例えばエポキシ系樹脂等を主成分とする絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁層31は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有してもよい。絶縁層31の厚さは、例えば20〜50μm程度とすることができる。
【0043】
絶縁層31の材料として、例えば熱硬化性を有するフィルム状のエポキシ系樹脂等を主成分とする絶縁性樹脂を用いた場合には、貫通配線22の一端面及び応力緩和層21の一方の面にフィルム状の絶縁性樹脂をラミネートする。そして、ラミネートした絶縁性樹脂を押圧しつつ、硬化温度以上に加熱して硬化させることにより、絶縁層31を形成できる。なお、絶縁性樹脂を真空雰囲気中でラミネートすることにより、ボイドの巻き込みを防止できる。
【0044】
絶縁層31の材料として、例えば熱硬化性を有する液状又はペースト状のエポキシ系樹脂等を主成分とする絶縁性樹脂を用いた場合には、貫通配線22の一端面及び応力緩和層21の一方の面に液状又はペースト状の絶縁性樹脂を例えばスピンコート法等により塗布する。そして、塗布した絶縁性樹脂を硬化温度以上に加熱して硬化させることにより、絶縁層31を形成できる。
【0045】
次に、絶縁層31に、絶縁層31を貫通し貫通配線22の一端面を露出させるビアホール31xを形成する。ビアホール31xは、例えばCOレーザ等を用いたレーザ加工法により形成できる。レーザ加工法により形成したビアホール31xは、次工程で形成する絶縁層33側の開口面積が貫通配線22側の開口面積よりも大となる。なお、他のビアホールもレーザ加工法により形成すると同様の形状となる。ビアホール31xをレーザ加工法により形成した場合には、デスミア処理を行い、ビアホール31x内に露出する貫通配線22の一端面に付着した絶縁層31の樹脂残渣を除去することが好ましい。
【0046】
なお、絶縁層31の材料として感光性絶縁樹脂を用い、フォトリソグラフィ法によりパターニングしてビアホール31xを形成する方法を用いてもよい。又、スクリーン印刷により開口部が設けられた樹脂膜をパターニングしてビアホール31xを形成する方法を用いてもよい。
【0047】
次に、絶縁層31の一方の面に配線層32を形成する。配線層32は、ビアホール31x内に充填されたビア配線、及び絶縁層31の一方の面に設けられ所定の平面形状にパターンニングされた配線パターンを含んで構成される。配線層32は、ビアホール31x内に露出した貫通配線22と電気的に接続される。配線層32の材料としては、例えば銅(Cu)を主成分として含む金属材料等を用いることができる。配線層32を構成する配線パターンの厚さは、例えば10〜20μm程度とすることができる。配線層32は、セミアディティブ法やサブトラクティブ法等の各種の配線形成方法を用いて形成できる。
【0048】
次に、図5に示す工程では、上記と同様な工程を繰り返すことにより、絶縁層31の一方の面に、絶縁層33、配線層34、絶縁層35、及び配線層36を積層する。すなわち、絶縁層31の一方の面に配線層32を被覆する絶縁層33を形成した後に、絶縁層33を貫通し配線層32の一方の面を露出するビアホール33xを形成する。絶縁層33の材料や厚さは、絶縁層31と同様とすることができる。
【0049】
更に、絶縁層33の一方の面に、ビアホール33xを介して配線層32に接続される配線層34を形成する。配線層34は、ビアホール33x内を充填するビア配線、及び絶縁層33の一方の面に形成された配線パターンを含んで構成されている。配線層34は、ビアホール33x内に露出した配線層32と電気的に接続されている。配線層34の材料や配線層34を構成する配線パターンの厚さは、配線層32と同様とすることができる。
【0050】
更に、絶縁層33の一方の面に配線層34を被覆する絶縁層35を形成した後、絶縁層35を貫通し配線層34の一方の面を露出するビアホール35xを形成する。絶縁層35の材料や厚さは、絶縁層31と同様とすることができる。そして、絶縁層35の一方の面に、ビアホール35xを介して配線層34に接続される配線層36を形成する。配線層36は、ビアホール35x内に充填されたビア配線、及び絶縁層35上に形成された配線パターンを含んで構成されている。配線層36は、ビアホール35x内に露出した配線層34と電気的に接続されている。配線層36の材料や配線層36を構成する配線パターンの厚さは、配線層32と同様とすることができる。
【0051】
なお、本実施の形態では3層のビルドアップ配線層(配線層32、配線層34、及び配線層36)が形成したが、n層(nは1以上の整数)のビルドアップ配線層を形成してもよい。
【0052】
次に、図6に示す工程では、絶縁層35の一方の面に開口部37xを有する絶縁層37を形成する。絶縁層37は、所謂ソルダーレジスト層である。開口部37x内には、配線層36の一部が露出する。絶縁層37及び開口部37xを形成するには、例えば、エポキシ系やアクリル系等の感光性樹脂組成物を配線層36を覆うように絶縁層35の一方の面に塗布し、塗布した感光性樹脂組成物を露光及び現像すればよい。以上の工程で、有機基板30が完成する。
【0053】
次に、図7に示す工程では、絶縁層37の一方の面に支持体90を形成する。支持体90は、例えば、絶縁層37の一方の面にポリイミドフィルム等をラミネートすることにより形成できる。絶縁層37の一方の面に、接着剤を介してシリコン板やガラス板を貼付してもよい。支持体90の厚さは、例えば、500μm程度とすることができる。なお、支持体90は、後述の工程で基板本体11を薄型化した後の機械的強度を維持するために形成するものである。従って、例えば、有機基板30が層数や厚さ等の関係で充分な機械的強度を有している場合には、この工程を省略してもよい。
【0054】
次に、図8に示す工程では、基板本体11を薄型化する。基板本体11は、例えばバックサイドグラインダー等で薄型化できる。薄型化後の基板本体11の厚さは、例えば20〜300μm程度とすることができる。基板本体11を薄型化することにより、後述の工程で基板本体11にビアホール11xを容易に形成でき、又、ビアホール11x内に電解めっきを行うための給電層を容易に形成できる。なお、図8〜図13は、図2〜図7とは上下を反転した状態で描かれている。
【0055】
次に、図9に示す工程では、基板本体11を貫通し、接合層20の貫通配線22の他端面を露出するビアホール11xを形成する。ビアホール11xは、例えば、ビアホール11xの形成位置を開口するレジスト層(図示せず)を形成し、レジスト層(図示せず)をマスクとして基板本体11をエッチングすることにより形成できる。エッチングとしては、例えばSF(六フッ化硫黄)を用いた反応性イオンエッチング(DRIE:Deep Reactive Ion Etching、以降同様)等の異方性エッチング法を用いると好適である。
【0056】
ビアホール11xは、例えば、COレーザ等を用いたレーザ加工法により形成してもよい。又、ビアホール11xは、例えば、ウェットブラスト処理等のブラスト処理により形成してもよい。ビアホール11xの平面形状は、例えば円形とすることができ、その直径は、例えば20〜200μm程度とすることができる。
【0057】
ビアホール11xを形成後、基板本体11の他方の面及びビアホール11xの内壁面に絶縁膜11bを形成する。絶縁膜11bとしては、例えば、CVD法やPVD法等により、二酸化珪素(SiO)や窒化珪素(SiN)、ポリイミド(PI)等の膜を形成することができる。絶縁膜11bの厚さは、例えば1.5〜3μm程度とすることができる。
【0058】
その後、エッチング等により、ビアホール11xの底部に形成された絶縁膜11a及び11bを除去し、ビアホール11xの底部に貫通配線22の他端面を露出させる。
【0059】
次に、図10に示す工程では、基板本体11に、配線パターン12を形成する。配線パターン12は、絶縁膜11bを介してビアホール11x内に充填されたビア配線、及び絶縁膜11bを介して基板本体11の他方の面に形成された平面配線を含んで構成される。配線パターン12は、ビアホール11x内に露出した貫通配線22と電気的に接続される。配線パターン12の材料や配線パターン12を構成する平面配線の厚さは、配線層32と同様とすることができる。配線パターン12は、セミアディティブ法やサブトラクティブ法等の各種の配線形成方法を用いて形成できる。
【0060】
次に、図11に示す工程では、基板本体11の他方の面に開口部13xを有する絶縁層13を形成する。絶縁層13は、所謂ソルダーレジスト層である。開口部13x内には、配線パターン12の一部が露出する。絶縁層13及び開口部13xを形成するには、例えば、エポキシ系やアクリル系等の感光性樹脂組成物を配線パターン12を覆うように基板本体11の他方の面に塗布し、塗布した感光性樹脂組成物を露光及び現像すればよい。
【0061】
必要に応じ、開口部13x内に露出する配線パターン12の他方の面に、例えば無電解めっき法等により金属層等を形成してもよい。金属層の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を挙げることができる。
【0062】
次に、図12に示す工程では、開口部13x内に露出する配線パターン12の他方の面に、金属柱14及び金属層15をこの順番で形成し、無機基板10を作製する。金属柱14は、例えば、以下のようにして形成できる。まず、絶縁層13の他方の面、開口部13xの内壁面、及び開口部13x内に露出する配線パターン12の他方の面に、無電解めっき法やCVD法やPVD法等により、例えば銅(Cu)を主成分として含む第3金属層(図示せず)を形成する。そして、第3金属層の他方の面に、金属柱14を形成する部分を露出する開口部を備えたレジスト層(図示せず)を形成する。
【0063】
次に、第3金属層を給電層に利用した電解めっき法により、レジスト層の開口部内に露出する第3金属層の他方の面に例えば銅(Cu)を主成分として含む第4金属層(図示せず)を所定の高さまで積層形成する。必要に応じ、レジスト層及び第4金属層の他方の面をCMP法等により研磨して平坦化する。続いて、レジスト層を除去した後に、第4金属層をマスクにして、第4金属層に覆われていない部分の第3金属層をエッチングにより除去する。これにより、第3金属層上に第4金属層が積層形成された金属柱14が形成される。
【0064】
金属層15は、例えば、金属柱14の他方の面に、ペースト状の金属材料を塗布することにより形成できる。金属層15は、金属柱14と同様に、電解めっき法により形成してもよい。金属層15の材料としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等のはんだ材料を用いることができる。金属層15の材料として、Cu/Ni/Au層(Cu層とNi層とAu層をこの順番で積層した金属層)や、Cu/Ni/Pd/Au層(Cu層とNi層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を用いても構わない。
【0065】
次に、図13に示す工程では、図12に示す構造体から支持体90を除去後、ダイサー等を用いて所定位置で切断し、個片化することにより、配線基板1が完成する。支持体90は、例えば、機械的に剥離することで除去できる。
【0066】
図12に示す構造体から支持体90を除去後、必要に応じ、開口部37x内に露出する配線層36の一方の面に、例えば無電解めっき法等により金属層を形成してもよい。金属層の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を挙げることができる。
【0067】
更に、開口部37x内に露出する配線層36に、はんだボールやリードピン等の外部接続端子を形成しても構わない。外部接続端子は、マザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続するための端子となる。但し、開口部37x内に露出する配線層36自体を、外部接続端子としても良い。なお、外部接続端子は、図12に示す構造体から支持体90を除去後、個片化前に形成してもよいし、個片化後に形成してもよい。
【0068】
又、図6に示す工程の後に、開口部37x内に露出する配線層36に外部接続端子を形成し、図7に示す工程で、絶縁層37の一方の面に外部接続端子を覆うように支持体90を形成してもよい。
【0069】
このように、第1の実施の形態に係る配線基板1は、無機基板10が応力緩和層21を介して有機基板30と一体化した構造を有する。これにより、無機基板10と有機基板30との接合部で発生する応力が応力緩和層21により緩和されるため、無機基板10と有機基板30と間の接続信頼性を向上できる。
【0070】
又、シリコン等からなる基板本体11にビアホールや配線パターンを半導体プロセスにより形成可能であるため、超微細なビアホール11xや超微細な配線パターン12、狭ピッチの接続端子(金属柱14)を形成できる。
【0071】
又、配線基板1では、無機基板10側が半導体チップ搭載側、有機基板30側がマザーボート等の実装基板との接続側となるため、半導体チップ、配線基板1、及びマザーボート等の実装基板の熱膨張係数のミスマッチを低減できる。
【0072】
又、従来は、例えば、有機基板上にシリコンインターポーザを介して半導体チップを搭載していたため、有機基板上にシリコンインターポーザを搭載する工程と、シリコンインターポーザ上に半導体チップを搭載する工程が必要であり、工程が複雑化していた。配線基板1は、無機基板10が応力緩和層21を介して有機基板30と一体化した構造を有するため、無機基板10上に直接半導体チップを搭載できる。そのため、有機基板上にシリコンインターポーザを搭載する工程が不要となり、工程を簡略化できる。
【0073】
又、無機基板10と有機基板30との間に、無機基板10よりも大きく有機基板30よりも小さい熱膨張係数を持つ応力緩和層21を配置する。そして、有機基板30は、応力緩和層21よりも大きく実装基板(マザーボード等)よりも小さい熱膨張係数を有することで、無機基板10から実装基板(マザーボード等)にかけて、熱膨張係数が段階的に大きくなるため、応力がより緩和され、接続信頼性を向上できる。ヤング率についても、熱膨張係数と同様に、応力がより緩和され、接続信頼性を向上できる。
【0074】
〈第1の実施の形態の変形例〉
第1の実施の形態の変形例では、第1の実施の形態とは異なる配線基板1の製造方法の例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0075】
図14〜図16は、第1の実施の形態の変形例に係る配線基板の製造工程を例示する図である。第1の実施の形態の図2及び図3に示す工程を、図14〜図16に示す工程に置換することができる。
【0076】
まず、図14に示す工程では、基板本体11の一方の面に、絶縁膜11aを介して、応力緩和層21を形成する。応力緩和層21は、例えば、基板本体11の一方の面に、絶縁膜11aを介して、液状の感光性絶縁性樹脂をスピンコート法やロールコート法等により塗布することで形成できる。応力緩和層21の材料や厚さは、前述の通りである。
【0077】
次に、図15に示す工程では、所定のマスクを介して、応力緩和層21を露光及び現像して開口部21xを形成する。開口部21x内には、基板本体11の一方の面に形成された絶縁膜11aの一部が露出する。開口部21xは、貫通配線22のパターン形状に対応するように形成する。
【0078】
次に、図16に示す工程では、開口部21x内に露出する絶縁膜11a上に貫通配線22を形成し、接合層20を作製する。貫通配線22は、例えば、セミアディティブ法により形成できる。貫通配線22は、例えば、開口部21x内に金属ペーストを充填することにより形成してもよい。
【0079】
このように、第1の実施の形態の図2及び図3に示す工程に代えて、図14〜図16に示す工程を実施してもよい。
【0080】
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係る配線基板1に半導体チップを搭載した半導体パッケージの例を示す。なお、第2の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0081】
図17は、第2の実施の形態に係る半導体パッケージを例示する断面図である。図17を参照するに、半導体パッケージ2は、図1に示す配線基板1と、半導体チップ40とを有する。
【0082】
半導体チップ40は、本体41と、電極パッド42とを有する。本体41は、シリコン等からなる薄板化された半導体基板(図示せず)上に半導体集積回路(図示せず)等が形成されたものである。本体41には、電極パッド42が形成されている。電極パッド42は、半導体集積回路(図示せず)と電気的に接続されている。電極パッド42の材料としては、例えばAl等を用いることができる。電極パッド42は、金属柱14及び金属層15と対向配置され、金属層15を介して、金属柱14と電気的に接続されている。
【0083】
なお、図17の例では、配線基板1に1つの半導体チップ40を搭載する例を示したが、配線基板1には複数の半導体チップを搭載できる。その場合、同一機能の半導体チップを複数搭載してもよいし、異なる機能の半導体チップを混在させてもよい。
【0084】
このように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態に係る配線基板に半導体チップを搭載した半導体パッケージを実現できる。すなわち、接続信頼性の高い配線基板に狭ピッチの半導体チップを搭載した半導体パッケージを実現できる。
【0085】
又、従来は、例えば、マザーボードに対して、パッケージ化された複数の半導体チップを搭載する場合があった。この場合には、マザーボード上の占有面積が大きくなることが問題であった。配線基板1にはパッケージ化されていない複数の半導体チップを搭載できる。そのため、パッケージ化されていない複数の半導体チップを搭載した配線基板1をマザーボードに搭載することにより、マザーボード上の占有面積を小さくできる。
【0086】
以上、好ましい実施の形態及びその変形例について詳説したが、上述した実施の形態及びその変形例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及びその変形例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0087】
1 配線基板
2 半導体パッケージ
10 無機基板
11 基板本体
11a、11b 絶縁膜
11x、31x、33x、35x ビアホール
13、31、33、35、37 絶縁層
13x、21x、37x 開口部
14 金属柱
15 金属層
20 接合層
21 応力緩和層
22 貫通配線
30 有機基板
32、34、36 配線層
40 半導体チップ
41 本体
42 電極パッド
90 支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機材料からなる基板本体に形成された配線パターンと、前記配線パターンと電気的に接続され、半導体チップが搭載される外部接続端子と、を備えた無機基板と、
絶縁層と配線層が積層された有機基板と、
熱膨張係数が前記無機基板よりも大きく前記有機基板よりも小さい材料からなる応力緩和層と、前記応力緩和層を貫通する貫通配線と、を備えた接合層と、を有し、
前記無機基板は、前記有機基板上に前記接合層を介して積層され、
前記無機基板の配線パターンと前記有機基板の配線層とは、前記貫通配線を介して電気的に接続されている配線基板。
【請求項2】
無機材料からなる基板本体に形成された配線パターンと、前記配線パターンと電気的に接続され、半導体チップが搭載される外部接続端子と、を備えた無機基板と、
絶縁層と配線層が積層された有機基板と、
弾性材料からなる応力緩和層と、前記応力緩和層を貫通する貫通配線と、を備えた接合層と、を有し、
前記無機基板は、前記有機基板上に前記接合層を介して積層され、
前記無機基板の配線パターンと前記有機基板の配線層とは、前記貫通配線を介して電気的に接続されている配線基板。
【請求項3】
前記応力緩和層のヤング率は、50〜1000MPaである請求項2記載の配線基板。
【請求項4】
前記配線パターンは、前記基板本体を貫通するビアホール内に形成されたビア配線と、前記基板本体の前記接合層と接する面とは反対側の面に形成された平面配線と、を含み、
前記外部接続端子は金属柱である請求項1乃至3の何れか一項記載の配線基板。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項記載の配線基板と、
前記配線基板の前記外部接続端子側に搭載された、電極パッドを有する半導体チップと、を有し、
前記電極パッドは前記外部接続端子と対向配置され、前記外部接続端子と電気的に接続されている半導体パッケージ。
【請求項6】
無機材料からなる基板本体の一方の面に、応力緩和層及び前記応力緩和層を貫通する貫通配線を形成する応力緩和層形成工程と、
前記応力緩和層を介して、前記基板本体の一方の面に絶縁層と配線層を積層し、前記貫通配線と電気的に接続する有機基板を形成する有機基板形成工程と、
前記基板本体に前記貫通配線の端面を露出する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記基板本体の他方の面に、前記貫通孔を介して前記貫通配線と電気的に接続する配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
前記配線パターンに外部接続端子となる金属柱を形成する金属柱形成工程と、を有し、
前記応力緩和層形成工程では、弾性材料を用いて前記応力緩和層を形成する配線基板の製造方法。
【請求項7】
無機材料からなる基板本体の一方の面に、応力緩和層及び前記応力緩和層を貫通する貫通配線を形成する応力緩和層形成工程と、
前記応力緩和層を介して、前記基板本体の一方の面に絶縁層と配線層を積層し、前記貫通配線と電気的に接続する有機基板を形成する有機基板形成工程と、
前記基板本体に前記貫通配線の端面を露出する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記基板本体の他方の面に、前記貫通孔を介して前記貫通配線と電気的に接続する配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
前記配線パターンに外部接続端子となる金属柱を形成する金属柱形成工程と、を有し、
前記応力緩和層形成工程では、熱膨張係数が前記無機材料よりも大きく前記有機基板よりも小さい材料を用いて前記応力緩和層を形成する配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記応力緩和層形成工程は、前記基板本体の一方の面にパターンニングされた貫通配線を形成する工程と、
前記貫通配線を覆うように前記基板本体の一方の面に応力緩和層を形成する工程と、
前記応力緩和層を研磨して前記貫通配線の端部を露出させる工程と、を含む請求項6又は7記載の配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記応力緩和層形成工程は、前記基板本体の一方の面の全面に応力緩和層を形成する工程と、
前記応力緩和層に前記基板本体の一方の面の一部を露出する貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔を充填する貫通配線を形成する工程と、を含む請求項6又は7記載の配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−58570(P2013−58570A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195456(P2011−195456)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】