説明

酵素合成グリコーゲンを含有する皮膚外用剤。

【課題】本発明は皮膚の保湿効果や皮膚のハリ弾力、老化防止もしくは美白効果などを著しく向上し、製剤として安定性や安全性などに優れた皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】酵素合成グリコーゲンを有効成分としてビタミン類、糖及び糖誘導体、アミノ酸類、多価アルコール、コラーゲン類、有機酸類、植物抽出エキス類、生薬エキス類、天然エキス類、尿素及びこれら以外の紫外線吸収剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、酸化防止剤、保湿剤、美白剤等に用いられる成分から選ばれる一種類以上を含有したものを配合する皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚の保湿効果、肌のはり、つやの改善、細胞の賦活効果もしくは美白効果に優れた皮膚外用剤に関するものであり、製剤としての安定性、安全性などの面から総合的に優れた皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
肌は加齢による影響や紫外線、活性酸素等の影響により皮膚本来の保湿性が衰え、さらには収縮性、柔軟性、が衰える。肌の保湿性が低下すると皮膚ではシワが生じ、見た目の美しさが低下するだけではなく、乾燥肌、肌荒れとなる。さらにアレルギー、アトピー性皮膚炎等でも皮膚の保湿性を高めることは治癒の方法においても非常に重要である。
シワは、角質層のバリア機能の低下や、水分保持能力の低下、真皮の細胞外マトリクスを産生する細胞数の低下、細胞活動の低下といった細胞の老化やコラーゲンの減少および変性等が原因となってあらわれる。
【0003】
従来より、皮膚のシワ形成の対処法としてはコラーゲンやヒアルロン酸、アスコルビン酸の塗布が行われてきた。しかしながらこれらの方法では満足のいく効果を生み出すものではなかった。さらにはレチノイン酸やグリコール酸に代表されるα−ヒドロキシ酸も対処法の一つとして利用されるが、これらは高い配合量が必要とされ炎症等を起こすなど、長期使用に耐えられるものではなかった。
【0004】
また、グリコーゲンを塗布することにより、保湿性を高めたり、皮膚細胞を賦活したりすることによって、皮膚の質を高め、あるいは皮膚機能を向上させようという試みは既になされていた(特開昭62−178505、特開平11−180818、特開2003−321373)。さらに、グリコーゲンと、抗炎症剤、抗酸化剤、細胞賦活剤を組み合わせて用いることにより、皮膚の質を高め、あるいは皮膚機能を向上させようという試みは既になされていた(特開2003−335651、特開2003−335628、特開2003−335619)。しかし、これらもグリコーゲンの純度、微細構造の変動、および分解に対する安定性の低さから満足のいくものではなかった。
【0005】
最近、グリコーゲンを酵素を用いて合成する方法が開発された(WO2006035848号)。得られた酵素合成グリコーゲンは、高純度であり分子量や分岐度が制御されている。さらに、酵素合成グリコーゲンの場合、天然グリコーゲンと比較して、各種消化酵素に対する抵抗性が高いという優れた特徴を有する。この酵素合成グリコーゲンにも、天然グリコーゲンと同程度以上の保湿効果、皮膚機能改善効果、および皮膚老化防止が認められる。
【0006】
【特許文献1】特開昭62−178505号公報
【特許文献2】特開平11−180818号公報
【特許文献3】特開2003−321373号公報
【特許文献4】特開2003−335651号公報
【特許文献5】特開2003−335628号公報
【特許文献6】特開2003−335619 号公報
【特許文献7】WO2006035848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
皮膚の保湿効果や美白効果を高めるために近年様々な研究がなされているが、十分なものではない。そこで本発明は単独で用いても顕著な保湿効果、皮膚機能改善効果、および皮膚老化防止効果を有す酵素合成グリコーゲンに着目し、その効果を補完、または前記の効果を助長する物質を配合し皮膚外用剤とする。このことで従来品にはない肌状態の改善、老化防止効果、保湿効果や美白効果を得ることができる皮膚外用剤を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、酵素合成グリコーゲンには単独で用いても、天然のグリコーゲンと同程度以上の顕著な保湿効果や皮膚の老化防止効果があるが、特定の成分(以下、「補助成分」と記載することがある)を酵素合成グリコーゲンと併用することにより、更に優れた保湿効果、皮膚機能改善効果や皮膚の老化防止効果を発揮することを見出した。また酵素合成グリコーゲンの保湿効果により表皮状態が改善し皮膚のターンオーバーが促進され表皮状態が改善されることから、補助成分が本来持っている作用を発揮しやすくなる。更には酵素合成グリコーゲンにより補助成分を安定させる作用により補助成分の活性を長期間持続させ効果を高める。例えば美白剤と併用することで著しい美白効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、アスコルビン酸及びその誘導体、アスコルビン酸以外のビタミン類、糖及び糖誘導体、アミノ酸類及びその誘導体、多価アルコール、フェノール及びその誘導体、コラーゲン類、ヒドロキシカルボン酸及びその塩、ハイドロキシサリチル酸配糖体、ハイドロキシサリチル酸脂肪族エステルの配糖体、ヒドロキシケイ皮酸及びその誘導体、カフェイン酸及びその誘導体、生薬エキス類、天然エキス類、胎盤抽出物、油溶性甘草抽出物、セラミド類、セラミド類似構造物粗糖抽出物、糖蜜抽出物、菌糸体培養物及びその抽出物、尿素、ヒノキチオール、イオウ、アゼライン、深層水、アルカリ単純温泉水、リン酸化糖及びそのミネラル塩、紫外線吸収剤、細胞賦活剤、酸化防止剤及びこれら以外の保湿剤、チロシナーゼ阻害剤、エンドセリン拮抗剤、α−MSH阻害剤、α−アルブチン、アルブチン及びその塩さらにはその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、エラグ酸系化合物及びそのアルカリ金属塩、コウジ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ノルジヒドログアイアレチン酸、テプレノン、アラントイン、アミノエチル化合物、アルキレンジアミンカルボン酸誘導体、ベタイン誘導体、アシルメチルタウリン、ヘデラコサイド、ギムネマサポニン、ビートサポニンγ−ピロン配糖体、ビフェニル化合物、亜硫酸水素ナトリウム、フィブロネクチン、植物抽出液類及びそれ以外の美白剤等に用いられる成分から選ばれる少なくとも一種と、酵素合成グリコーゲンを含有することを特徴とする皮膚外用剤を要旨とする。
【0010】
ここでいう酵素合成グリコーゲンはWO2006035848号記載の酵素合成グリコーゲンをさす。
すなわち、グリコーゲンを合成する能力を有するブランチングエンザイムを溶液中で基質に作用させてグリコーゲンを生産する工程により製造されるものであり、該基質が主にα-1,4-グルコシド結合で連結された重合度4以上のα-グルカンであり、該基質が澱粉枝切り物、デキストリン枝切り物または酵素合成アミロースであり、該グリコーゲンの重量平均分子量が100万Da以上であり、該グリコーゲンに50U/g基質のプルラナーゼを60℃で30分作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であり、かつ該グリコーゲンに300U/g基質のα-アミラーゼを37℃で30分作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であるグリコーゲンである。

【発明の効果】
【0011】
本発明の皮膚外用剤は、単独でも保湿効果や細胞賦活剤の製剤として安定性、安全性に優れる酵素合成グリコーゲンが、各種の補助成分との併用により、本来単独で有する効果を相乗的に高めることができる。したがって、本発明の皮膚外用剤は、皮膚の保湿効果や老化予防、細胞賦活効果もしくは美白効果を著しく向上し、製剤としての安定性や安全性にも優れ、美容や医療において極めて有用なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は酵素合成グリコーゲンと少なくとも1種類以上の補助成分を併用することにより、皮膚外用剤における肌の保湿効果を高めたり、乾燥肌や肌荒れの改善、肌の弾力、ハリを改善したり美白効果がある皮膚外用剤を提供するものである。以下に本発明に用いる補助成分について説明する。
【0013】
上記に述べるアスコルビン酸及びその誘導体としては、アスコルビン酸モノステアレート、アスコルビン酸モノパルミテート、アスコルビン酸モノオレートなどのアスコルビン酸モノアルキルエステル類、アスコルビン酸モノリン酸エステル、アスコルビン酸−2−硫酸のようなアスコルビン酸モノエステル誘導体、アスコルビン酸ジステアレート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸ジオレートなどのアスコルビン酸ジリン酸エステルのようなアスコルビン酸ジエステル誘導体、アスコルビン酸トリステアレート、アスコルビン酸トリパルミテート、アスコルビン酸トリオレートなどのアスコルビン酸トリアルキルエステル類、アスコルビン酸トリリン酸エステルなどのアスコルビン酸トリエステル誘導体、アスコルビン酸-2-グルコシドのようなアスコルビン酸配糖体などが挙げられる。特にL−アスコルビン酸は、一般にビタミンCといわれ、その強い還元作用により細胞呼吸作用、酵素賦活作用、膠原形成作用を有し、かつメラニン還元作用を有する。配合量は、皮膚外用剤全量中に、0.01重量%以上配合すると効果が現れ、上限値は10重量%程度である。
【0014】
アスコルビン酸以外のビタミン類としては、天然抽出物、レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、パントテン酸(ビタミンB 5)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナジオン(ビタミンK3)、メナジオール(ビタミンK4)、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、γ−オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンUがある。望ましくは、レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ピリドキシン、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、へスペリジン(ビタミンP)およびその誘導体(例;α-グルコシル−へスペリジン)である。これらのビタミンの1種又は2種以上を適宜選択して配合することができ、その配合量は一律に決められないが、皮膚外用剤の0.001〜10.0重量%である。
【0015】
ピリドキシン誘導体としては、ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン−5′−リン酸ピリドキサール−5′−リン酸、ピリドキサミン−5′−リン酸、ピリドキサールリン酸、ピリドキシン酸などが挙げられる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%である。
【0016】
α−トコフェロール誘導体として、例えば、ビタミンE酸のエステルであるα−トコフェリルレチノエートがある。この場合のα−トコフェロールは、DL−α−トコフェロール、D−α−トコフェロール、又はD−α−トコフェロールを含む天然混合トコフェロールで、ビタミンA酸は、レチノイン酸(all−trans−レチノイン酸)、13−cis−レチノイン酸、11−cis−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、又はこれらの混合異性体であり、特にDL−α−トコフェロールとall−trans−レチノイン酸とのエステルが好ましい。
【0017】
パントテン酸誘導体としては、パンテティン−S−スルホン酸、4′−ホスホパンテティン−S−スルホン酸、パンテティン、グルコピラノシルパントテン酸などが挙げられる。また、これらは遊離酸のみではなく、塩の形で用いることもできる。塩としては、有機酸塩及び無機酸塩が広く挙げられるが、アルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩が好ましい。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%で望ましい。
【0018】
糖および糖誘導体としては、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、高度分岐環状デキストリン、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等)、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース、アルドヘプトース、ヘプロース等、オクツロース等、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α、α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類、キトサンおよびキトサン分解物、ヒアルロン酸、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマタン硫酸、ムコイチン硫酸、カロニン硫酸、ケラト硫酸、ヘパリン、キチンまたはそれらの塩などのムコ多糖類、グルコサミン、グルコサミン−6−リン酸やグルコサミン−6−硫酸などのグルコサミンおよびその誘導体が挙げられる。一般的に、アミノ酸を含む多糖類は、生体の運動を円滑にさせ、細胞や組織の表面を覆って外界から保護する作用をもつことが知られている。これらの糖および糖誘導体成分の1種又は2種以上を適宜選択して配合される。その配合量は、糖および糖誘導体の種類により異なり、一律に決められないが、通常、皮膚外用剤の0.01〜5重量%である。
【0019】
アミノ酸類及びその誘導体は、老化や硬化した表皮に水和性を回復するために用い、グリシン、セリン、シスチン、アラニン、トレオニン、システイン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、ロイシン、チロシン、プロリン、イソロイシン、トリプトファン、ヒドロキシブロリン等の中性アミノ酸、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸等の酸性アミノ酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。アミノ酸誘導体としては、アシルサルコシンとその塩、アシルグルタミン酸とその塩、アシル−β−アラニンとその塩、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸とその塩の他に、グルタチン、カルノシン、グラムシギンS、チロシジンA、チロシジンB等のオリゴペプチド、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸とその塩が挙げられる。配合量は、少なすぎると皮膚に対する保温効果が弱く、多すぎても効果の向上がみられないばかりか、アミノ酸の変質を防止し難くなるため、皮膚外用剤全量中の0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%である。
【0020】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価の多価アルコール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価の多価アルコール類;ペンタエリスリトール等の4価の多価アルコール類;キシリトール、フルクトース等の5価の多価アルコール類;ソルビトール、マンニトール等の6価の多価アルコール類。デンプン分解糖還元アルコール等の多価アルコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール、POP−ブチルエーテル、POP・POE−ブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテル、POP・POE−ジグリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテルリン酸、POP・POE−ペンタエリスリトールエーテル等のポリアルキレンオキシドエーテル等が挙げられる。配合量は、皮膚外用剤全量中に、0.01重量%以上配合すると効果が現れ、上限値は10重量%程度である。
【0021】
フェノール及びその誘導体としては、ハイドロキノン配糖体、ハイドロキノンモノエチルエーテル、ハイドロキノンモノ
n−プロピルエーテル、ハイドロキノンモノ n−ブチルエーテル、ハイドロキノンモノ n−ヘキサデシルエーテル、ハイドロキノンモノ n−オクタデシルエーテル、p−エチルフェノール、p−n−プロピルフェノール、p−n−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−ヘキサデシルフェノール、p−オクタデシルフェノール、4−イソプロピルカテコールモノブチルエステル、4−イソプロピルカテコールモノヘプタデカエステルなどが挙げられる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0022】
コラーゲン類としては、哺乳動物の皮膚、腱、骨、血管、結合組織、こう原繊維種などの抽出コラーゲン、魚類コラーゲン(皮、うろこ抽出)、可溶性コラーゲン、加水分解コラーゲン液、加水分解コラーゲンエチル、加水分解コラーゲンヘキサデシルなどが挙げられる。配合量は、皮膚外用剤全量中に、0.01重量%以上配合すると効果が現れ、上限値は1.0重量%程度である。
【0023】
ヒドロキシカルボン酸及びその塩としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、メバロン酸、メバロン酸ラクトンなどが挙げられ、その塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの金属塩やトリエタノールアミン、2−アミノ−メチル−1,3−プロパンジオールなどの有機塩などが挙げられる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.0001〜5重量%、好ましくは0.001〜3重量%である。
【0024】
ハイドロキシサリチル酸配糖体とハイドロキシサリチル酸脂肪族エステルの配糖体は、一般式1.2.3で表される。これらの配糖体は、ハイドロキシサリチル酸又はハイドロキシサリチル酸脂肪族エステルとペンタアセチルグルコースのような糖のアセチル化物(又はアセトブロモグルコースのような糖のアセトブロモ化物)とを酸触媒の存在下で反応させることによって得ることができる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜20重量%、好ましくは0.1〜7重量%である。
【0025】
(化1)

【0026】
一般式1〜3中、R1は水素原子、炭素数1〜20の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基で、R2は糖残基である。
【0027】
上記配糖体の具体例は、3−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸、3−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸メチル、3−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸エチル、3−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸プロピル、3−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸イソプロピル、4−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸、4−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸メチル、4−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸エチル、4−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸プロピル、4−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸イソプロピル、5−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸、5−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸メチル、5−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸エチル、5−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸プロピル、5−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸イソプロピル、6−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸、6−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸メチル、6−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸エチル、6−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸プロピル、6−β−D−グルコピラノシルオキシサリチル酸イソプロピル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−3−ヒドロキシ安息香酸、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−3−ヒドロキシ安息香酸エチル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−3−ヒドロキシ安息香酸プロピル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−3−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−4−ヒドロキシ安息香酸エチル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−5−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−5−ヒドロキシ安息香酸エチル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−5−ヒドロキシ安息香酸プロピル、2−β−D−グルコピラノシルオキシ−5−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル等である。
【0028】
このエーテル化合物は、公知の方法、例えば、対応するアルコールとアルキルハライドとの直接エーテル化法、ルイス酸触媒存在下における対応するアルコールとオレフィンとの付加反応、アルカリ触媒下における対応するアルコールとアルキルハライドとの付加反応で得られるアリルエーテルを還元する方法、対応するアルコールとアルデヒド又はケトンから生成するアセタール又はケタールを還元する方法等、で製造することができる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.01〜50重量%、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。
【0029】
ヒドロキシケイ皮酸及びその誘導体としては、p−クマリン酸、p−クマル酸を含むヒドロキシケイ皮酸、コーヒー酸などが挙げられる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0030】
カフェイン酸及びその誘導体の配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0031】
生薬エキス類としては、クワ(ソウハクヒ)、シャクヤク、オウゴン、カミツレ、トウキ、ローズマリー、ゲンノショウコ、シコン、茶、葛根、丁字、甘草、枇杷、橙皮、高麗人参、芍薬、山査子、麦門冬、生姜、松笠、厚朴、阿仙薬、黄ゴン、アロエ、アルテア、シモツケ、オランダガラシ、キナ、コンフリー、ロート、ホホバ、センブリ、西洋のこぎり草(Achillea
millefolium Linn′e(Compositae))などが挙げられ、それらのエキスも同様に用いることができる。本発明において、生薬及びそのエキスとは、上記生薬の全草、根、葉、花、種子を、必要により乾燥するなどして微粉末としたもの、あるいは水及び/又は有機溶剤で浸漬抽出し、残査を濾別することにより得られる抽出液、この抽出液から溶媒を除去したもの、あるいはこれらの微粉末、または、上記抽出液や溶媒除去物を適当な溶剤を用いるなどして溶解、分散、希釈したものなどをいう。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.0001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%である。
【0032】
天然エキス類としては、サッカロマイセスなどの酵母、バクテリア、人臍帯、酵母、牛乳由来蛋白、シルク、小麦、大豆、牛血液、ブタ血液、鶏冠、アーモンド、カカオ、マカデミアナッツ、オリーブ、ショウガ、トウモロコシ、ボダイジュ、マツ、ハッカ、ゴボウ、ゴマ、プルーン、ドクダミ、クマザザ、ツバキ、グレープフルーツ、ゼニアオイ、イネ、アボガド、サボテン、ラベンダー、ヒマワリ、ヒノキ、ゴマ、ユリ、ユズ、バラ、アセロラ、キュウリ、コメ、シアバター、シラカバ、トマト、ニンニク、ハマメリス、ヘチマ、ホップ、モモ、アンズ、レモン、キウイ、ドクダミ、トウガラシ、クララ、ギシギシ、コウホネ、セージ、ノコギリ草、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、タイム、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、オウバク、ベニバナ、サンシシ、タイソウ、チンピ、ヨクイニン、クチナシ、サワラ、カモミラ、メリッサ、ビワ、ジャトバ等の動植物・微生物およびその一部から有機溶媒、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコール等で抽出または加水分解して得た天然エキスが挙げられる。天然エキスを含有させる場合の配合量は、0.001〜10重量%である。
【0033】
胎盤抽出物及びその抽出物としては、ヒト、サル、ウシ、ブタ、ヒツジ、マウスなどの動物の胎盤から、水及び/又は有機溶剤で浸漬抽出し、残査を濾別することにより得られる抽出液、この抽出液から溶媒を除去したもの、あるいはこれらの微粉末、または、上記抽出液や溶媒除去物を適当な溶剤を用いるなどして溶解、分散、希釈したものなどをいう。具体的には、水溶性や油溶性のプラセンタエキスとして市販されている。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0034】
油用性甘草抽出物としては、マメ科に属する多年草である甘草(学名Glycyrrhizaglabra linne)から、メチルアルコール、エチルアルコールなどの低級1価アルコールや、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどの液状多価アルコールなどの抽出溶媒を用いて抽出したものである。その調製法は特に限定されないが、例えば、様々の適当な溶媒を用いて低温もしくは室温から加温下にて抽出される。好ましい抽出方法の例としては、エチルアルコールを用い、加温しながら2〜10時間抽出を行った後、濾過し、得られた濾液をさらに2〜3日間ほど放置して熟成させ、再び濾過を行う方法が挙げられ、必要に応じて加熱抽出を行った後に濃縮乾燥してもよい。このようにして得られる油溶性甘草抽出物は、特有の臭気を有する茶褐色の物質であり、多くの場合そのままで利用することができるが、必要ならばその効力に影響がない範囲で、脱臭や脱色などの精製処理をしてから用いてもよい。精製処理の手段としては、活性炭カラムなどを用いればよく、抽出物質について一般に適用される通常の精製手段を任意に選択して使用することができる。配合量は、用いる抽出物の品質などにもよるが、皮膚外用剤全量中の0.0001〜5重量%、好ましくは0.001〜3重量%である。
【0035】
セラミド類とセラミド類似構造物質は、皮膚に対する保湿、柔軟、美白、抗炎症、抗酸化、血行促進等の効果を有し、セラミド類とセラミド類似構造物質は、いずれか一方又は双方の1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、皮膚外用剤全量中の0.01〜50重量%、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。この配合量の範囲内であれば、使用感、保湿効果、肌荒れ予防・改善効果、安定性の面で良好となる。
【0036】
一般式R3−O−(X−O)n−R4で表されるエーテル化合物は、本発明の皮膚外用剤の経皮吸収性を高める作用を有し、しかも皮膚刺激性を与えることはない。この一般式中、R3とR4は、同じでも、異なっていてもよく、炭素数1〜12、好ましくは2〜22、より好ましくは3〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、R3とR4の少なくとも一方が2カ所以上、特に2カ所分岐したものが好ましく、具体的には、メチル基、ブチルn−ブチn−デシルn−ドデシル基n−テトラデシル基n−オクタデシル基、n−エイコシル基、n−テトラコシル基、1−メチルプロピル基、3−メチルヘキシル基、2−メチルヘプタデシル基、1,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルペンチル基、シクロペンチル基等が挙げられる。Xは、炭素数1〜12、好ましくは1〜8のアルキレン基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等が挙げられる。なお、R3とR4とXの合計炭素数は、10〜32が必須であり、好ましくは12〜28である。nは、0又は1、好ましくは0である。
【0037】
粗糖抽出物は、褐色を呈する色素成分であり、乾燥粉末は吸湿性であってわずかに焦臭があり、やや苦みを有する。その製法は、特開昭60−78912号公報に記載されているが、具体的には、粗糖(黒砂糖)、または糖蜜(黒砂糖から砂糖を製造する過程で生じる副産物)を適当量の水に溶解し、非極性のポリスチレン系樹脂吸着剤などの吸着剤に接触させて色素成分を吸着させ、この吸着剤を水で洗浄して糖分を十分に除去した後、吸着剤に吸着した色素成分を濃度20%以上の含水アルコールなどで溶離し、濃縮あるいは凍結乾燥、蒸発乾固などを施して必要により再結晶して精製することにより得られる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0038】
糖蜜出物はオリゴ糖が主成分であり、糖蜜をメタノール、エタノールなどの低級アルコールにより冷浸もしくは温浸し、その後濾過、濃縮して脱色することにより得られる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0039】
菌糸体培養物及びその抽出物とは、西洋キノコ、マンネンタケなどの菌糸体を適当な培地で培養したものであり、液体培養による場合はその培養液をそのまま、固体培養による場合は、得られた菌糸体を必要により乾燥するなどして微粉末としたものなどをいう。また菌糸体培養物の抽出物とは、上記の菌糸体培養液、菌糸体、またはこれを微粉末としたものから、水及び/又は有機溶剤で浸漬抽出し、残査を濾別することにより得られる抽出物、この抽出液から溶媒を除去したもの、あるいはこれらの微粉末、または、上記抽出液や溶媒除去物を適当な溶剤を用いるなどして溶解、分散、希釈したものなどをいう。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0040】
尿素の配合量は、皮膚外用剤全量中の0.1〜20重量%、このましくは1.0〜10%重量である。
【0041】
ヒノキチオールの配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0042】
イオウの配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0043】
アゼライン及びその誘導体としては、アゼライン、アゼライン酸などが挙げられる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0044】
ビタミンE−ニコチネートとジイソプロピルアミンジクロロアセテートは、血行促進作用や細胞賦活作用を有し、皮膚の代謝を促進し、紫外線障害による皮膚の老化を防ぐ。配合量は、皮膚外用剤全量中、ビタミンE−ニコチネート、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート共に、それぞれ0.01〜5重量%である。
【0045】
紫外線吸収剤は従来の皮膚外用剤に汎用されている任意の紫外線吸収剤を用いることができる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.01〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%である。
【0046】
抗炎症剤の配合量は、抗炎症剤の種類により異なり、一律に決められないが、通常、皮膚外用剤に対して0.01〜1重量%である。
【0047】
細胞賦活化剤の配合量は細胞賦活化剤の種類により異なるが、通常、皮膚外用剤に対して0.01〜5重量%である。
【0048】
酸化防止剤の含有量は、酸化防止剤の成分の種類により異なり、一律に決められないが、通常、皮膚外用剤に対して0.01〜10重量%である。植物抽出物等を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分換算の量である。
【0049】
抗チロシナーゼ活性剤としては、ニチニチソウ(Catharanthusroseus L.)の培養細胞(ニチニチソウの芽生え《幼植物》の根、胚軸、子葉、成熟体の根、茎、葉柄、花、花粉等の細胞群又は組織片)を、オーキシンやサイトカイニン等の植物ホルモンを含む植物成長調整物質を添加した培地でカルスを誘導するか、アクロバクテリウムトウメファシエンス(Agrobacterium
tomefaciens)やアクロバクテリウムリゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)等を用いて腫瘍組織を作出し、カルス又は腫瘍組織をハイドロキノン−α−D−グルコース含有培地(ムラシゲ−スクーム培地、リンスマイヤー−スクーム培地、ホワイト培地、ガンボルグ培地、ニッチ培地、ヘラー培地、シェンク−ヒルデブラント培地、ニッチ−ニッチ培地、コーレンバッハ−シュミット培地等で培養して得られる培養物のホモジエネートに由来する透明液又はその乾燥物を用いる。配合量は、所望の抗チロシナーゼ活性を示す量とすればよい。
【0050】
エンドセリン拮抗剤とは、BE−18257類(特開平3−94692号公報)、WS7338類(特開平3−130299号公報)、アントラキノン誘導体(特開平3−47163号公報)、TAN−1415類(特開平4−134048号公報)である。配合量は皮膚外用剤全量中の0.001〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%が適している。
【0051】
α-MSH阻害剤とは、メラニン生成に深く関与するα−メラノトロピンの生成を阻害する物質群を意味するものである。配合量は皮膚外用剤全量中の0.001〜30重量%、好ましくは0.05〜10重量%が適している。
【0052】
エラグ酸系化合物及びそのアルカリ金属塩は、本発明の皮膚外用剤の長期保存安定性を向上させるためのものである。エラグ酸系化合物のアルカリ金属塩としては、Na塩、K塩が挙げられる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜30重量%、好ましくは0.05〜10重量%が適している。
【0053】
エラグ酸系化合物と、そのアルカリ金属塩は、エラグ酸、3,4−ジ−o−メチルエラグ酸、3,3′−ジ−o−メチルエラグ酸、3,3′,4−トリ−o−メチルエラグ酸、3,3′,4,4′−テトラ−o−メチル−5−メトキシエラグ酸、3−o−エチル−4−o−メチル−5−ヒドロキシエラグ酸、アムリトシド(Amritoside)や、これらのアルカリ金属塩が挙げられる。これらのエラグ酸系化合物は、イチゴ、タラ(Caesalupinia
Spinosa)、ユーカリ材(Eucalyptus)、リンゴ、毒ウツギ(コリアリア ヤポニカ)、ラジアタ松、クマコケモモ、ザクロ、アンマロク、ウキュウヨウ、エンフヨウ、ガイジチャ、カコウジュヨウ、カシ、キジュ、ケンジン、コウナカ、サンウキュウコン、サンウキュウヨウ、シュウフウボウ、センクツサイ、ソウゲンロウカンソウ、ダイヒョウソウ、ドウモウアンヨウ、ハオウベン、バンセキリュウカン、バンセキリュウヒ、ボウカ、モッショクシ、ヤトウセイカ、ヤトウセイヒ、ユウカンコン、ユウカンボクヒ、ユウカンヨウ、リュウガソウコン、バンセキリュウヨウ、ウキュウボクコンビ、シドコン、チンシュウソウ、ゲンノショウコなどの天然物から得ることができる。
【0054】
コウジ酸及びその誘導体としては、コウジ酸、コウジ酸配糖体、コウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸モノステアレート、コウジ酸モノシンナモエート、コウジ酸モノベンゾエートなどのモノエステルや、コウジ酸ジブチレート、コウジ酸ジパルミテート、コウジ酸ジステアレート、コウジ酸ジオレエートなどのジエステルなどが挙げられる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.01〜5重量%である。
【0055】
レゾルシノール誘導体は、血行促進作用や細胞賦活作用を有し、表皮の乾燥を防ぎ、皮膚の代謝を促進し、紫外線障害による皮膚の老化を防ぐ。具体例としては、4−n−エチルレゾルシノール、4−n−ブチルレゾルシノール、4−n−ヘキシルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が挙げられる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.0001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%が適している。
【0056】
ノルジヒドログアイアレチン酸は、一般には、抗酸化剤やリポキシゲナーゼ阻害剤として知られている物質であり、酸化防止や薬剤安定化を目的として化粧品、医療品などに応用されているものである。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0057】
テプレノンの化学名は、ゲラニルゲラニルアセトンであり、粘膜保護修復作用、細胞増殖賦活作用、リン脂質合成促進作用などを有する。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.01〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは、1.0〜10重量%である。
【0058】
アラントインは、皮膚科の諸疾患の治療薬に用いられており、皮膚の創傷治療や肌荒れ防止などに効果的に作用する。アラントインの誘導体としては、ジヒドロキシアルミニウムアラントイネート、クロロヒドロキシアルミニウムアラントイネートなどが挙げられる。配合量は皮膚外用剤全量中の0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0059】
アミノエチル化合物は、肌荒れ防止・改善、くすみ改善のために用い、NH2CH2CH2X(Xは、−SO2H又は−SO2SHである)で表される。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.0001〜1.0重量%、好ましくは0.001〜0.3重量%が適している。
【0060】
アルキレンジアミンカルボン酸誘導体は、皮膚外用剤の保存安定性を高めるために用い、特にエチレンジアミン四酢酸と、そのNa、K、Li塩等のアルカリ金属塩、Ca、Mg等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルカノール塩等が好ましく、より好ましくはNa塩である。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.01〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0061】
ベタイン誘導体は、経皮促進剤として用い、アルキルジメチルアミノ酸、2−アルキル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチル−2−イミダゾリン、N−(3−アシルアミノプロピル)−N,N−ジメチルアミノ酢酸、N−アルキル−N,N−ジメチル−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸が好ましい。
【0062】
アシルメチルタウリンは経皮促進剤として用いられる。
【0063】
ベタイン誘導体とアシルメチルタウリンの配合量は、両者の合計で皮膚外用剤全量中の0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。
【0064】
ヘデラコサイド(Hederacoside)としては、ムクロジン(エンメイヒ:Sapindus
mukurossi Gaertn.)やアケビ(モクツウ:Akebia quinata Decne.)の抽出物から得られるトリテルペノイドサポニンであり、その塩としては、Na塩、K塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩、アルカノールアミン塩、エステル等があり、これらは抽出物のままで使用してもよい。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%が適している。
【0065】
ギムネマサポニン(Gymnemasaponin)は、ギムネマイノドラムや、インド原産ガガイモ科ギムネマ・シルベスタ(Gymnema
sylvestre R.Br.)の抽出物から得られるトリテルペノイドサポニンであり、その塩としては、Na塩、K塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩、アルカノールアミン塩、エステル等があり、これらは抽出物のままで使用してもよい。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%が適している。
【0066】
ビートサポニンは、アカザ科てん菜の抽出物から得られるオレアノール酸配糖体であり、その塩としては、Na塩、K塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩、アルカノールアミン塩、エステル等があり、これらは抽出物のままで使用してもよい。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.001〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%が適している。
【0067】
γ−ピロン配糖体は、日焼けによるシミ、ソバカスを防止する作用を有する、化学名マルトール−3−O−(6′−O−アピオシル)−グルコシドあるいはマルトール−3−O−グルコシドであり、例えば葛根抽出液よりカラムクロマトグラフィ、分取HPLC、薄層クロマトグラフィ等で採取したものが使用できる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.00001〜2.5重量%、好ましくは0.0001〜1重量%である。
【0068】
ビフェニル化合物は、チロシナーゼ活性阻害効果やメラニン生成抑制効果をする化合物であり、具体的には、デヒドロジクレオソール、デヒドロジオイゲノール、テトラハイドロマグノロール等が挙げられる。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.0001〜20重量%、好ましくは0.001〜5重量%である。
【0069】
亜硫酸水素ナトリウムは、皮膚外用剤中におけるアルブチンの安定化に効果を発揮する物質として知られているが(特許第2107858号)、ハイドロキノン−α−D−グルコースについても同様の効果を発揮する。配合量は、重量比で、ハイドロキノン−α−D−グルコース:亜硫酸水素ナトリウムが、1:0.0001〜1、好ましくは1:0.001〜0.1となるようにする。
【0070】
フィブロネクチン(寒冷不溶性グロブリン)は、本発明におけるハイドロキノン−α−D−グルコースの美白効果を向上させる効果を有する。配合量は、皮膚外用剤全量中の0.000001〜0.1重量%が適している。
【0071】
美白剤としての植物抽出液類は、アスパラガス抽出物、アルテア抽出物、イブキトラノオ抽出物、インチンコウ抽出物、エンドウ豆抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、オノニス抽出物、海藻抽出物、火棘抽出物、カンゾウ抽出物、キイチゴ抽出物、クジン抽出物、黒砂糖抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シャクヤク抽出物、シラユリ抽出物、センプクカ抽出物、ソウハクヒ抽出物、大豆抽出物、胎盤抽出物、タラノキ抽出物、茶抽出物、トウキ抽出物、糖蜜抽出物、ノイバラ抽出物、ビャクレン抽出物、ブドウ種子抽出物、ブナノキ抽出物、フローデマニータ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ヨクイニン抽出物、羅漢果抽出物などをあげることができ、その1種または2種以上を適宜選択して配合される。美白剤成分の配合量は、通常、皮膚外用剤に対して0.01〜10重量%である。
【0072】
上記した補助成分は上述の効果の他に、薬剤としての安定性や安全性を高める効果を兼ねているものもある。いずれの補助成分も、上記した配合量の範囲であれば、酵素合成グリコーゲンと併用した場合、皮膚外用剤中の酵素合成グリコーゲンに影響を及ぼすことがなく、経時安定性も良好で、高い保湿効果や美白効果を発揮することができるが、期待される効果の程度によっては、増減することもできる。なお、上記した補助成分は、少なくとも一種、すなわち一種又は2種以上の物質を組み合わせて用いることができる。
【0073】
次に、本発明に用いる酵素合成グリコーゲンについて説明する。
本発明に用いる酵素合成グリコーゲンはWO2006035848号記載の酵素合成グリコーゲンをさす。
すなわち、グリコーゲンを合成する能力を有するブランチングエンザイムを溶液中で基質に作用させてグリコーゲンを生産する工程により製造されるものであり、該基質が主にα-1,4-グルコシド結合で連結された重合度4以上のα-グルカンであり、該基質が澱粉枝切り物、デキストリン枝切り物または酵素合成アミロースであり、該グリコーゲンの重量平均分子量が100万Da以上であり、該グリコーゲンに50U/g基質のプルラナーゼを60℃で30分作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であり、かつ該グリコーゲンに300U/g基質のα-アミラーゼを37℃で30分作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であるグリコーゲンである。
MALLS法とは、多角度光散乱検出器と、示差屈折計を検出器として併用したHPLCゲルろ過分析法であり、Takataら、J. Appl. Glycosci. 50巻, 15-20頁、2003年に記述されている。.
該グリコーゲンの重量平均分子量は、100万Daから1億Daであり、より好ましくは100万から5000万Daであり、より好ましくは200万から3000万Daであり、さらにより好ましくは300万から2000万でありうる。
グリコーゲン合成に用いる、グリコーゲンを合成する能力を有するブランチングエンザイムはAquifex aeolicus、Aquifex pyrophilus、Rhodothermus obamensis、Rhodothermus marinus、Bacillus stearothermophilus、Bacillus caldovelox、Bacillus thermocatenulatus、Bacillus caldolyticus、Bacillus flavothermus、Bacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus smithii、Thermosynechococcus elongatusおよびEscherichia coliからなる群より選択される細菌に由来し得る。
【0074】
本発明に用いる酵素合成グリコーゲンは、天然のグリコーゲンとほぼ同様の大きさと形状を持つ高分子であり、天然のグリコーゲンが持つのと同程度以上の、保湿効果や細胞賦活効果、皮膚防御効果を有する。さらに、本発明に用いる酵素合成グリコーゲンは、天然のグリコーゲンと比較して、電解質などの不純物含量が少なく、皮膚への安全性が高い。また、分岐結合の分子内での配置が若干異なることから、溶液の経時安定性が高く、酵素や微生物などの生物的分解への耐性が高く、化学的、物理的分解に対する耐性も高い。このような特徴から、各種の補助成分との併用により、本来単独で有する効果を相乗的に高めることができる。
【0075】
酵素合成グリコーゲンの配合量は、皮膚外用剤全量中の0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量%、さらに好ましくは、0.1〜10重量%である。
【0076】
本発明の皮膚外用剤には上記した成分の他に、通常化粧品や医薬品などの皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば必要に応じて通常皮膚外用剤に配合される添加成分、例えば低級アルコール類・シリコーン類・油脂類・エステル油剤・ステロール類及びその誘導体・炭化水素類等の油性成分、油分、酸化防止剤、界面活性剤、保湿剤、湿潤材、香料、水、色剤、粉末、薬剤、キレート剤、pH調整剤乳化・可溶化剤、増粘・ゲル化剤、防腐剤、殺菌剤、酸・アルカリ、紫外線吸収剤、抗炎症剤、美白剤、溶剤、角質剥離・溶解剤、消炎剤、清涼剤、収瞼剤、高分子粉体、ヒドロキシ酸・ビタミン類及びその誘導体類、糖類及びその誘導体類、有機酸類、酵素類、無機粉体類、などを必要に応じて適宜配合することができるが、これらは本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内で使用されなければならない。
【0077】
また、本発明に係る皮膚外用剤の剤型は任意であり、皮膚外用剤とは皮膚に触れるものをいい、特にその形体にはとらわれない。例えば清浄用化粧品、頭髪用化粧品、基礎化粧品、メークアップ化粧品、芳香化粧品、日焼け・日焼け止め化粧品、爪化粧品、アイライナー化粧品、アイシャドウ化粧品、チーク、口唇化粧品、口腔化粧品、入浴剤、浴用剤、石鹸、メーク落としパック等に包含され皮膚に直接的もしくは間接的に触れる繊維と当該物質を結合させた繊維などの化粧品や医薬部外品がある。また、本発明の皮膚外用剤の剤型としては、軟膏、増粘ゲル系、ローション、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、固形状、シート状、パウダー状、ジェル状、ムース状、スプレー状などの任意の剤型を取ることができる。
【0078】
皮膚外用剤の剤型をローション、乳液、増粘ゲル系などとする場合、上記の成分の中でも特に、増粘剤のうち、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、カラギナン、ペクチン、クインスシード(マルメロ)抽出物、褐藻粉末などの植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、ブルランなどの微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチンなどの動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシデンプンなどのデンプン類、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸塩、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、セルロース末などのセルロース類、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマーなどのビニル系高分子、ポリアクリル酸及びその塩、ポリアクリルイミドなどのアクリル系高分子、グリチルリチン酸やアルギン酸などの有機系増粘剤、ベントナイト、ヘクトライト、ラボナイト、珪酸アルミニウムマグネシウム、無水珪酸などの無機系増粘剤などからなる水溶性増粘剤と、アルコールのうち、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールとを配合することが効果を増大させる点で好ましい。配合量は、皮膚外用剤全量中、水溶性増粘剤が0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%であり、低級アルコールが0.3〜35重量%であるが、皮膚外用剤中の酵素合成グリコーゲンと低級アルコールとの配合比(重量比)は、3:1〜1:3とすることが好ましい。
【0079】
本発明の皮膚外用剤は公知の方法により製造することができる。
【実施例】
【0080】
(実施例1)

次の処方に従い、常法により化粧水を製造した。
【0081】
酵素合成グリコーゲンを除いたものと比較して、どちらも繰り返し利用したところ、被験者の10人中7人が実施例 の方がしっとり感やシワ、タルミの改善間に優れていると答えた。
【0082】
(実施例2)
次の処方に従い、常法により化粧水を製造した。

【0083】
酵素合成グリコーゲンを除いたものと比較して、どちらも繰り返し利用したところ、被験者の10人中8人が実施例 の方がしっとり感やシワ、タルミの改善間に優れていると答えた。
【0084】
(実施例3)
次の処方に従い、常法により化粧水を製造した。

【0085】
酵素合成グリコーゲンを除いたものと比較して、どちらも繰り返し利用したところ、被験者の10人中7人が実施例 の方がしっとり感やシワ、タルミの改善間に優れていると答えた。
【0086】
(実施例4)
次の処方に従い、常法により乳液を製造した。

【0087】
酵素合成グリコーゲンを除いたものと比較して、どちらも繰り返し利用したところ、被験者の10人中6人が実施例 の方がしっとり感やシワ、タルミの改善間に優れていると答えた。
【0088】
(実施例5)
次の処方に従い、常法により乳液を製造した。

【0089】
酵素合成グリコーゲンを除いたものと比較して、どちらも繰り返し利用したところ、被験者の10人中8人が実施例 の方がしっとり感やシワ、タルミの改善間に優れていると答えた。
【0090】
(実施例6)
次の処方に従い、常法によりパウダーを製造した。

【0091】
本処方を繰り返し利用したところ、本処方から酵素合成グリコーゲンのみを除いたものと比較して、被験者の10人中6人が実施例 の処方の方がしっとり感やシワ、タルミの改善感に優れていると答えた。
【0092】
(実施例7)
次の処方に従い、常法によりパックを製造した。

【0093】
本処方を繰り返し利用したところ、本処方から酵素合成グリコーゲンのみを除いたものと比較して、被験者の10人中7人が実施例 の処方の方がしっとり感やシワ、タルミの改善感に優れていると答えた。
【0094】
(実施例8)
次の処方に従い、常法によりパックを製造した。

【0095】
酵素合成グリコーゲンを除いたものと比較して、どちらも繰り返し利用したところ、被験者の10人中6人が実施例 の方がしっとり感やシワ、タルミの改善間に優れていると答えた。
【0096】
(実施例9)
次の処方に従い、常法によりクリームを製造した。

【0097】
酵素合成グリコーゲンを除いたものと比較して、どちらも繰り返し利用したところ、被験者の10人7人が実施例 の方がしっとり感やシワ、タルミの改善間に優れていると答えた。
【0098】
(実施例10)
次の処方に従い、常法によりハンドクリームを製造した。

【0099】
酵素合成グリコーゲンを除いたものと比較して、どちらも繰り返し利用したところ、被験者の10人7人が実施例 の方がしっとり感やシワ、タルミの改善間に優れていると答えた。
【0100】
(実施例11)
次の処方に従い、常法により頭皮用化粧料を製造した

【0101】
酵素合成グリコーゲンを除いたものと比較して、どちらも繰り返し利用したところ、被験者の10人中8人が実施例 の方がしっとり感やシワ、タルミの改善間に優れていると答えた。
【0102】
(実施例12)
次の処方に従い、常法により軟膏を製造した。

【0103】
酵素合成グリコーゲンを除いたものと比較して、どちらも繰り返し利用したところ、被験者の10人中7人が実施例 の方がしっとり感やシワ、タルミの改善間に優れていると答えた。
【0104】
(実施例13)
次の処方に従い、常法により入浴剤を製造した。

【0105】
酵素合成グリコーゲンを除いたものと比較して、どちらも繰り返し利用したところ、被験者の10人中6人が実施例 の方がしっとり感やシワ、タルミの改善間に優れていると答えた。
【0106】
実施例1〜13で得られた皮膚外用剤は、全て保湿効果に優れ、皮膚刺激性、感作性が少なく、経時安定性にも優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保湿成分及び美白成分、紫外線吸収剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、酸化防止剤を少なくとも一種類以上含み且つ酵素合成グリコーゲンを配合することを特徴とした皮膚外用剤。
【請求項2】
保湿成分がアスコルビン酸及びその誘導体、アスコルビン酸以外のビタミン類、ピリドキシンの誘導体、α−トコフェロールの誘導体、パントテン酸誘導体、糖及び糖誘導体、アミノ酸類及びその誘導体、多価アルコール、フェノール及びその誘導体、コラーゲン類、ヒドロキシカルボン酸及びその塩、ハイドロキシサリチル酸配糖体、ハイドロキシサリチル酸脂肪族エステルの配糖体、ヒドロキシケイ皮酸及びその誘導体、カフェイン酸及びその誘導体、生薬エキス類、天然エキス類、胎盤抽出物、油溶性甘草抽出物、セラミド類、セラミド類似構造物粗糖抽出物、粗糖抽出物、糖蜜抽出物、菌糸体培養物及びその抽出物、尿素、ヒノキチオール、イオウ、アゼライン及びその誘導体、ビタミンE−ニコチネートとジイソプロピルアミンジクロロアセテート、深層水、アルカリ単純温泉水、リン酸化糖及びそのミネラル塩から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
美白成分がチロシナーゼ阻害剤、エンドセリン拮抗剤、α-MSH阻害剤、α-アルブチン、アルブチン及びその塩さらにはその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、エラグ酸系化合物及びそのアルカリ金属塩、コウジ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ノルジヒドログアイアレチン酸、テプレノン、アラントイン、アミノエチル化合物、アルキレンジアミンカルボン酸誘導体、ベタイン誘導体、アシルメチルタウリン、ヘデラコサイド、ギムネマサポニン、ビートサポニンγ−ピロン配糖体、ビフェニル化合物、亜硫酸水素ナトリウム、フィブロネクチン、植物抽出液類から選ばれることを特徴とした請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
紫外線吸収剤が安息香酸系紫外線吸収剤パラアミノ安息香酸(以下PABAと略する)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAアミルエステル、N,N−ジメチルPABAオクチルエステル、アントラニル酸系紫外線吸収剤ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート、サリチル酸系紫外線吸収剤アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート、桂皮酸系紫外線吸収剤オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルへキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ4′−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルへキシル−4′−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン、その他の紫外線吸収剤3−(4′−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4′−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オンから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
細胞賦活化剤がCoQ10、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMP、サイクリックGMP、フラビンアデニンヌクレオチド、グアニン、アデニン、シトシン、チミン、キサンチン及びそれらの誘導体、カフェイン、テオフェリンおよびその塩、レチノール及びパルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール誘導体、レチナール及びデヒドロレチナール等のレチナール誘導体、カロチンなどのカロチノイド及びビタミンA類、チアミンおよびチアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩等のチアミン塩類、リボフラビンおよび酢酸リボフラビンなどのリボフラビン塩類、ピリドキシンおよび塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等のピリドキシン塩類、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸およびニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸誘導体、コリン類などのビタミンB類、γ−リノレン酸およびその誘導体、エイコサペンタエン酸及びその誘導体、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、グリコール酸、コハク酸、乳酸、サリチル酸などの有機酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
酸化防止剤がレチノール、デヒドロレチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、レチナール、レチノイン酸、ビタミンA油などのビタミンA類およびそれらの誘導体及びそれらの塩、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、クリプトキサンチン、アスタキサンチン、フコキサンチンなどのカロテノイド類及びその誘導体、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサール−5−リン酸エステル、ピリドキサミンなどのビタミンB類、それらの誘導体及びそれらの塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸リン酸マグネシウム等のビタミンC類、それらの誘導体及びそれらの塩、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、1、2、5−ジヒドロキシ−コレカルシフェロールなどのビタミンD類、それらの誘導体及びそれらの塩、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロールなどのビタミンE類、それらの誘導体及びそれらの塩、トロロックス、その誘導体及びそれらの塩、ジヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、α−リポ酸、デヒドロリポ酸、グルタチオン、その誘導体及びそれらの塩、尿酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム等のエリソルビン酸、その誘導体及びそれらの塩、没食子酸、没食子酸プロピルなどの没食子酸、その誘導体及びそれらの塩、ルチン、α−グリコシル−ルチンなどのルチン、その誘導体及びそれらの塩、トリプトファン、その誘導体及びそれらの塩、ヒスチジン、その誘導体及びそれらの塩、N−アセチルシステイン、N−アセチルホモシステイン、N−オクタノイルシステイン、N−アセチルシステインメチルエステル等のシステイン誘導体及びそれらの塩、N、N’−ジアセチルシスチンジメチルエステル、N、N’−ジオクタノイルシスチンジメチルエステル、N、N’−ジオクタノイルホモシスチンジメチルエステルなどのシスチン誘導体及びそれらの塩、カルノシン及びその誘導体及びそれらの塩、ホモカルノシン及びその誘導体及びそれらの塩、アンセリン及びその誘導体及びそれらの塩、カルシニン及びその誘導体及びそれらの塩、ヒスチジン及び/又はトリプトファン及び/又はヒスタミンを含むジペプチド又はトリペプチド誘導体及びそれらの塩、フラバノン、フラボン、アントシアニン、アントシアニジン、フラボノール、クエルセチン、ケルシトリン、ミリセチン、フィセチン、ハマメリタンニン、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどのフラボノイド類、タンニン酸、カフェ酸、フェルラ酸、プロトカテク酸、カルコン、オリザノール、カルノソール、セサモール、セサミン、セサモリン、ジンゲロン、クルクミン、テトラヒドロクルクミン、クロバミド、デオキシクロバミド、ショウガオール、カプサイシン、バニリルアミド、エラグ酸、ブロムフェノール、フラボグラシン、メラノイジン、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンヌクレオチド、ユビキノン、ユビキノール、マンニトール、ビリルビン、コレステロール、エブセレン、セレノメチオニン、セルロプラスミン、トランスフェリン、ラクトフェリン、アルブミン、ビリルビン、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、メタロチオネイン、O−ホスホノ−ピリドキシリデンローダミン、及び米国特許第5、594、012記載のN−(2−ヒドロキシベンジル)アミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、及びN−(4−ピリドキシルメチレン)アミノ酸、並びにその誘導体及びそれらの塩から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項7】
抗炎症剤として、酸化亜鉛、イオウ及びその誘導体、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウムなどのグリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、β−グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、3−サクシニルオキシグリチルレチン酸二ナトリウムなどのグリチルレチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、トラネキサム酸、コンドロイチン硫酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、アラントイン、グアイアズレン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、各種微生物及び動植物の抽出物など選ばれることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。


【公開番号】特開2009−227632(P2009−227632A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77831(P2008−77831)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000000228)江崎グリコ株式会社 (187)
【Fターム(参考)】