説明

重送処理装置、重送処理方法および重送処理プログラム

【課題】ユーザに煩わしい作業や操作をさせることなく、重送検知機能で重送が検知されたときの操作性を改善することができる重送処理装置、重送処理方法及び重送処理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態によれば、(1)搬送された用紙について重送検知ユニットで重送を検知した場合には、重送検知ユニットの出力および/または画像読取ユニットで読み取った用紙の画像から、重なり開始位置と重なり長、または重なり長、または用紙長と用紙長に対する重なり長の割合を重送検知パターンとして計測し、(2)計測した重送検知パターンが記憶部に記憶された重送無効パターンに含まれるか否かを判定し、(3)含まれると判定した場合には、重送検知ユニットでの重送検知を無効と見做して画像読取ユニットに読取動作を継続させ、(4)含まれないと判定した場合には、計測した重送検知パターンを重送無効パターンとして記憶部へ記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置(例えばスキャナ、コピー機、ファクシミリなど)の重送(マルチフィード)検知機能による重送検知結果を処理する重送処理装置、重送処理方法および重送処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波センサを用いた重送検知機能を備えた読取装置(例えば特許文献1など)において、当該重送検知機能が有効な状態のときには、用紙内に貼られた付箋紙なども重送と認識されて読取動作が止まってしまう場合がある。
【0003】
上記した場合を回避する手段として、重送検知を無効とする長さをスキャナ上のパネルから読取開始前に予め設定させる技術が特許文献2に開示され、また重送検知を無効とする開始位置と終了位置をスキャナと接続されたパーソナルコンピュータ上の画面から読取開始前に予め設定させる技術が非特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−269241号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0228535号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】キャノン株式会社のホームページ内に公開されているスキャナ「DR−X10C」のユーザーマニュアル(機能詳細編)「http://cweb.canon.jp/manual/dr/pdf/drx10c−usermanual2.pdf」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術によれば、重送検知を無効とする長さや位置の寸法をユーザが計測して入力するといった煩わしい作業や操作が必要である、という問題点があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに煩わしい作業や操作をさせることなく、重送検知機能で重送が検知されたときの操作性を改善することができる重送処理装置、重送処理方法および重送処理プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る重送処理装置は、制御部と記憶部とを備え、重送検知機構と画像読取機構とに接続され、前記記憶部は、前記重送検知機構で重送が検知された媒体における、重なり開始位置と重なり長、または前記重なり長、または媒体長と当該媒体長に対する前記重なり長の割合についての重送検知パターンを、前記重送検知機構での重送検知を無効とする重送無効パターンとして記憶し、前記制御部は、前記重送検知機構で重送が検知された場合には、前記重送検知機構の出力および/または前記画像読取機構で読み取られた前記媒体の画像から、前記重送検知パターンを計測する計測手段と、前記計測手段で計測した前記重送検知パターンが、前記記憶部に記憶された前記重送無効パターンに含まれるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で含まれると判定した場合には、前記重送検知機構での前記重送検知を無効と見做して前記画像読取機構に読取動作を継続させる読取制御手段と、前記判定手段で含まれないと判定した場合には、前記計測手段で計測した前記重送検知パターンを前記重送無効パターンとして前記記憶部へ記憶する記憶制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る重送処理装置は、前記に記載の重送処理装置において、入力部と出力部とにさらに接続され、前記制御部は、前記判定手段で含まれないと判定した場合には、前記重送検知機構での前記重送検知を通知する通知情報を前記出力部へ出力する出力制御手段をさらに備え、前記記憶制御手段は、前記出力制御手段で出力した前記通知情報に対して前記入力部から指示を受けた場合には、前記計測手段で計測した前記重送検知パターンを前記重送無効パターンとして前記記憶部へ記憶すること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明は重送処理方法に関するものであり、本発明に係る重送処理方法は、制御部と記憶部とを備え、重送検知機構と画像読取機構とに接続された重送処理装置の前記制御部で実行される、前記重送検知機構で重送が検知された場合には、前記重送検知機構の出力および/または前記画像読取機構で読み取られた媒体の画像から、重なり開始位置と重なり長、または前記重なり長、または媒体長と当該媒体長に対する前記重なり長の割合についての重送検知パターンを計測する計測ステップと、前記計測ステップで計測した前記重送検知パターンが、前記記憶部に記憶された、前記重送検知機構での重送検知を無効とする前記重送検知パターンである重送無効パターンに含まれるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで含まれると判定した場合には、前記重送検知機構での前記重送検知を無効と見做して前記画像読取機構に読取動作を継続させる読取制御ステップと、前記判定ステップで含まれないと判定した場合には、前記計測手段で計測した前記重送検知パターンを前記重送無効パターンとして前記記憶部へ記憶する記憶制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は重送処理プログラムに関するものであり、本発明に係る重送処理プログラムは、制御部と記憶部とを備え、重送検知機構と画像読取機構とに接続された重送処理装置の前記制御部に実行させるための、前記重送検知機構で重送が検知された場合には、前記重送検知機構の出力および/または前記画像読取機構で読み取られた媒体の画像から、重なり開始位置と重なり長、または前記重なり長、または媒体長と当該媒体長に対する前記重なり長の割合についての重送検知パターンを計測する計測ステップと、前記計測ステップで計測した前記重送検知パターンが、前記記憶部に記憶された、前記重送検知機構での重送検知を無効とする前記重送検知パターンである重送無効パターンに含まれるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで含まれると判定した場合には、前記重送検知機構での前記重送検知を無効と見做して前記画像読取機構に読取動作を継続させる読取制御ステップと、前記判定ステップで含まれないと判定した場合には、前記計測手段で計測した前記重送検知パターンを前記重送無効パターンとして前記記憶部へ記憶する記憶制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は記録媒体に関するものであり、本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記に記載の本発明に係る重送処理プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、(1)重送検知機構で重送が検知された場合には、重送検知機構の出力および/または画像読取機構で読み取られた媒体の画像から、重送検知パターン(「重なり開始位置と重なり長」、「重なり長」または「媒体長と媒体長に対する重なり長の割合」)についての重送検知パターンを計測し、(2)計測した重送検知パターンが記憶部に記憶された重送無効パターン(重送検知機構での重送検知を無効とする重送検知パターン)に含まれるか否かを判定し、(3)含まれると判定した場合には、重送検知機構での重送検知を無効と見做して画像読取機構に読取動作を継続させ、(4)含まれないと判定した場合には、計測した重送検知パターンを重送無効パターンとして記憶部へ記憶する。これにより、ユーザに煩わしい作業や操作をさせることなく、重送検知機能で重送が検知されたときの操作性を改善することができるという効果を奏する。具体的には、これまでのように事前にスキャナのパネルやパーソナルコンピュータ上のツール等で重送の無効領域を入力して設定するという煩わしさがなくなり、重送発生時の操作性を改善することができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明によれば、(4−1)含まれないと判定した場合には、重送検知機構での重送検知を通知する通知情報を出力部へ出力し、(4−2)出力した通知情報に対して入力部から指示を受けた場合には、計測した重送検知パターンを重送無効パターンとして記憶部へ記憶する。これにより、入力部から指示するという簡単な操作だけで、重送の無効パターンを記憶させることができるという効果を奏する。具体的には、入力部としての指定ボタンを押下するだけという簡単操作で、重送発生時の操作性を改善することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本実施形態に係る画像読取装置の構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る画像読取装置の具体例であるスキャナの構成を示す図である。
【図3】図3は、図2に示すスキャナに含まれる重送処理ユニットおよび重送検知ユニットの構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、重送処理ユニットで行われる本実施形態のメイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、モード1の場合の計測処理の一例を示す図である。
【図6】図6は、モード2の場合の計測処理の一例を示す図である。
【図7】図7は、モード3の場合の計測処理の一例を示す図である。
【図8】図8は、モード1の場合の比較処理の一例を示す図である。
【図9】図9は、モード2の場合の比較処理の一例を示す図である。
【図10】図10は、モード3の場合の比較処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る重送処理装置、重送処理方法及び重送処理プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。特に、本実施形態では、当該重送処理装置が画像読取装置に実装されている(組み込まれている)場合を一例として説明するが、当該重送処理装置は画像読取装置と通信可能に接続された情報処理装置(パーソナルコンピュータ)に実装されてもよい。
【0017】
[1.本実施形態の構成]
ここでは、本実施形態に係る画像読取装置100の構成について、図1から図3を参照して詳細に説明する。
【0018】
[1−1.構成の概要]
まず、本実施形態に係る画像読取装置100の構成の概要について、図1を参照して説明する。図1は、本発明に係る重送処理装置の適用される本実施形態に係る画像読取装置の構成の概要を示す図である。
【0019】
画像読取装置100は、機能概念的に、本発明に係る重送処理装置に相当する重送処理ユニット102と入力部108と出力部110と重送検知ユニット(機構)112と画像読取ユニット(機構)114とを備えており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
入力部108は、後述する計測部104aで計測した重送検知パターンの記憶をユーザに指示させるためのものであり、具体的には操作ボタン(記憶指示ボタン)である。出力部110は、重送検知ユニット112での重送検知を通知する通知情報を表示するためのものであり、具体的にはディスプレイである。
【0021】
重送検知ユニット112は、搬送された用紙の重送を検知するための機構であり、例えば、用紙の厚みを超音波で検知する超音波センサ(ハードウェア)や当該超音波センサの出力から重送であるかを検知する処理部(ソフトウェア)などを含むものである。なお、重送検知ユニット112の構成の具体例については、後述する[1−2.構成の具体例]にて詳細に説明する。画像読取ユニット114は、搬送された用紙を読み取って、当該用紙の画像を生成するための機構である。
【0022】
重送処理ユニット102は、図示の如く、機能概念的に、制御部104と記憶部106とを備える。記憶部106は、各種のデータベースやテーブルやファイルなどを格納する。記憶部106は、ストレージ手段であり、例えばRAM・ROM等のメモリ装置や、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、図示の如く、重送無効パターンファイル106aを記憶する。重送無効パターンファイル106aは、後述する計測部104aで計測した重送検知パターンを、重送検知ユニット112での重送検知を無効とする重送無効パターンとして格納する。
【0023】
制御部104は、画像読取装置100を制御するCPU等を備える。制御部104は、OS等の制御プログラムと各種の処理手順等を規定したプログラムと所要データとを格納するための内部メモリを備え、これらプログラムに基づいて種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部104は、機能概念的に、計測部104aと判定部104bと読取制御部104cと出力制御部104dと記憶制御部104eとを備える。
【0024】
計測部104aは、搬送された用紙について重送検知ユニット112にて重送が検知された場合、重送検知ユニット112の出力(具体的には、重送検知ユニット112に含まれている超音波センサの出力)および/または搬送された用紙について画像読取ユニット114で読み取られた当該用紙の画像から、予め指定された計測モード(モード1、モード2、モード3のいずれか)に従って、検知されたそれぞれの重なり領域ごとに、モード1が指定されているときは「重なり開始位置、および重なり長」を計測し、モード2が指定されているときは「重なり長」を計測し、モード3が指定されているときは「用紙長、および用紙長に対する重なり長の割合」を、重送検知パターンとして計測する。
【0025】
判定部104bは、計測部104aで計測した重送検知パターンと、重送無効パターンファイル部106aに格納されている重送無効パターンを比較して、計測部104aで計測した重送検知パターンが重送無効パターンに含まれるか否かを判定する。具体的には、判定部104bは、モード1が指定されているときは、計測部104aで計測した重なり開始位置および重なり長についての重送検知パターンが重送無効パターンと一致するか(同じであるか)否かを判定する。また、判定部104bは、モード2が指定されているときは、計測部104aで計測した重なり長についての重送検知パターンが重送無効パターンの重なり長以下であるか否かを判定する。また、判定部104bは、モード3が指定されているときは、計測部104aで計測した用紙長および当該用紙長に対する重なり長の割合についての重送検知パターンが重送無効パターンと一致するか(同じであるか)否かを判定する。
【0026】
読取制御部104cは、画像読取ユニット114での用紙の読取開始および読取終了を制御する。また、読取制御部104cは、判定部104bで「一致する(同じである)」または「以下である」と判定した場合には、重送検知ユニット112での重送検知を無効と見做して、画像読取ユニット114での用紙の読取動作を停止させずに読取動作を継続させる。また、読取制御部104cは、エラーロジックとして「エラー停止モード」が予め設定されている場合には画像読取ユニット114に用紙の読取動作を停止させ、そうでない場合には画像読取ユニット114での用紙の読取動作を停止させずに継続させる。
【0027】
出力制御部104dは、判定部104bで「一致しない(同じでない)」または「以下でない」と判定した場合には、重送検知ユニット112での重送検知を通知する通知情報を出力部110へ出力する。
【0028】
記憶制御部104eは、判定部104bで「一致しない(同じでない)」または「以下でない」と判定した場合には、計測部104aで計測した重送検知パターン(具体的には、モード1のときは重なり開始位置および重なり長、モード2のときは重なり長の最大値(最大重なり長)、モード3のときは用紙長および用紙長に対する重なり長の割合)を、重送無効パターンとして重送無効パターンファイル106aの所定の記憶領域に格納する。また、記憶制御部104eは、出力制御部104dで出力した通知情報に対しユーザにより入力部108から指示を受けた(具体的にはユーザにより記憶指示ボタンが押下された)場合には、計測部104aで計測した重送検知パターンを、重送無効パターンとして重送無効パターンファイル106aの所定の記憶領域に格納する。
【0029】
[1−2.構成の具体例]
つぎに、上述した画像読取装置100の構成の具体例について、図2および図3を参照して詳細に説明する。なお、ここでは、画像読取装置がスキャナである場合の具体的構成について説明するが、画像読取装置としてはスキャナに限らずコピー機、ファクシミリ等に適用することができる。
【0030】
図2は、画像読取装置100としてのスキャナ(以下、スキャナ100と記す場合がある。)の断面の概略を示す図であり、上述した重送処理ユニット102、入力部108、出力部110、重送検知ユニット112および画像読取ユニット114の適用されるスキャナの構成の概略を示す。
【0031】
スキャナ100は、図2に示すように、用紙載置台(シュータ)31、ピックローラ32、ピックアーム33、分離パッド34、フィードローラ35、36、排出ローラ37、38を備え、また、重送検知ユニット112に対応する後述する超音波検知器の送信側超音波センサ17、受信側超音波センサ18を備える。スキャナ100は、図2に示すように、入力部としての記憶指示ボタン108、出力部としてのディスプレイ110を備える。また、図2において、2点鎖線は用紙Aの搬送路を示し、矢印Rは用紙Aの読取位置を示す。
【0032】
用紙載置台(シュータ)31上に載置された用紙Aは、ピックアーム33により適切な押圧力を付与された状態で、ピックローラ32によりピックされる。この時、用紙Aは、ピックローラ32及び分離パッド34により、下側から順に1枚づつに分離される。ピックされた用紙Aは、更に、ピックローラ32によりフィードローラ35、36へ搬送され、フィードローラ35、36により読取位置に搬送され、この読取位置で画像読取ユニット114により読み取られ、排出ローラ37、38により排出される。用紙Aを前記搬送路に沿って搬送する過程で、分離パッド34によっても1枚に分離されなかった複数枚(通常は2枚)の即ちマルチフィードされた用紙Aが、送信側超音波センサ17、受信側超音波センサ18で検出される。このために、送信側超音波センサ17、受信側超音波センサ18は、図2に示すように、画像読取ユニット114が用紙を読み取る際の読取位置よりも搬送路において上流に設けられる。特に、フィードローラ35、36の下流又は上流に設けられる。
【0033】
図3は、重送処理ユニット102および重送検知ユニット112の具体的構成の一例を示す図である。図3において、重送検知ユニット112に対応する超音波検知器は、超音波を用いて複数の用紙Aの搬送を検知する。超音波検知器は、送信側超音波センサ17と、その駆動回路(送信側回路、以下同じ)41と、受信側超音波センサ18と、複数の用紙Aの搬送(マルチフィード)の検知における閾値を設定する設定手段(26)と、複数の用紙Aの搬送を検知する検知手段(26)とを備える。
【0034】
送信側超音波センサ17は超音波を出力する。駆動回路41は、送信側超音波センサ17に対してこれを駆動する駆動信号を供給する。駆動回路41は、送信側超音波センサ17の共振周波数近傍の周波数で発振する回路(ON/OFF制御可能)で構成される。受信側超音波センサ18は、送信側超音波センサ17と用紙搬送路を挟んで対向して設けられ、超音波を受ける。設定手段は、駆動回路41により送信側超音波センサ17の出力を停止した場合における受信側超音波センサ18の出力を基準値として、複数の用紙Aの搬送の検知における閾値を設定する。検知手段は、受信側超音波センサ18の出力と閾値とを比較して、複数の用紙Aの搬送を検知する。
【0035】
超音波検知器は、更に、(1段目の)増幅回路21、BPF(Band Pass Filter)22、(2段目の)増幅回路23、サンプルホールド(S&H)回路24、ADコンバータ25、CPU26、モータドライバ27、モータ28、ROM29、RAM30を備える。これらは、受信側回路を構成する。即ち、受信側超音波センサ18が送信側超音波センサ17から受信した超音波に応じた電気信号を出力し、これを増幅回路21で増幅した後にBPFでノイズを除去し、この後、更に、ノイズ除去後の信号を増幅回路23で増幅する。そして、サンプルホールド回路24が当該信号のピーク値をサンプルアンドホールド(SH)した後、当該値(アナログ信号)をADコンバータ25でデジタル値(デジタル信号)に変換する。このデジタル信号(入力信号)をCPU26(の設定手段及び検知手段)に入力して解析する。即ち、CPU26上に設定及び検知処理プログラム(及びハードウェア)により実現される設定手段及び検知手段により、前記入力信号を解析する。当該設定及び検知処理プログラムや重送処理プログラムは、例えばROM29及び/又はRAM30に格納される。CPU26(即ち、検知手段)は、例えばマルチフィード検出の場合、モータドライバ27に駆動信号を送信し、モータ28を駆動させ、(複数の)用紙Aの搬送を停止させる。CPU26は、重送検知ユニット112の設定手段や検知手段の他、重送処理ユニット102の制御部104の各処理部(計測部104a〜記憶制御部104e)を含んでいる。RAM30は、重送処理ユニット102の記憶部106の重送無効パターンファイル106aを格納している。検知手段で複数の用紙の搬送が検知されると、その情報は上述した重送処理ユニット102の計測部104aに入力され、計測部104aは上述した重送検知パターンの計測を開始する。
【0036】
超音波検知器は、送信側回路(駆動回路)41を備える。送信側回路41は、駆動IC、抵抗周波数調整発振器(OSC)、可変抵抗器から構成される。駆動ICは、送信側超音波センサ17に対してこれを駆動する駆動信号を供給する駆動回路である。これにより、送信側超音波センサ17が超音波を出力する。この超音波を受信側超音波センサ18が受信して、当該受信した超音波の強度に応じて検出信号を出力する。例えば、用紙Aが送信側超音波センサ17と受信側超音波センサ18との間に存在しない場合、受信側超音波センサ18は、あるレベル(通常レベル)の信号を検出し、用紙Aが1枚存在する場合、通常レベルより小さく所定の閾値よりは大きいレベル(正常レベル)の信号を検出し、用紙Aが2枚(以上)存在する場合、通常レベル及び前記閾値よりも小さいレベル(異常レベル)の信号を検出する。例えば、用紙Aの搬送に先立って、受信側超音波センサ18が通常レベルの信号(実際には、通常レベルと等しいか又はより大きい信号)を検出するように、駆動ICの制御が行なわれる。即ち、受信側超音波センサ18が受信した超音波に基づき、可変抵抗器を用いることなく、駆動信号の駆動周波数が送信側超音波センサ17の共振周波数に合うように、駆動ICを制御する。
【0037】
設定手段は、駆動回路41により送信側超音波センサ17の出力を停止した場合における受信側超音波センサ18の出力を基準値として、複数の用紙Aの搬送の検知における閾値を設定する(生成する)。閾値は、送信側超音波センサ17の出力を停止した場合における受信側超音波センサ18の出力(受信側超音波センサ18からの入力信号の平均値)に固定の値(補正値)を加えることにより求める。即ち、CPU26(のセンサ制御手段)が、送信側回路41へ制御信号を送信し、送信側回路41の発振を停止させる。また、CPU26(のセンサ制御手段)が、増幅回路23(の演算増幅器)に所定のバイアス電圧を加える。この状態で、CPU26(の生成手段)が、ADコンバータ25から受信側超音波センサ18からの入力信号を数十回、例えば32回繰り返して受信し、その平均値を算出してこれを基準値とする。即ち、例えば1ラスタ内における32ポイントでの信号を計測する。そして、CPU26(の生成手段)は、基準値に補正値を加える補正をして閾値を生成し、これをCPU26(のレジスタ)に格納する。ここで、補正値は、ノイズなどの影響を考慮して、設置される装置ごとに経験的に決定される。なお、予め補正値の値を決定しておくようにしてもよく、また、超音波センサの感度・音圧バラツキ、取付バラツキ、環境、紙粉付着などの影響を考慮し、装置ごとに可変値としてその都度決定してもよい。
【0038】
検知手段は、受信側超音波センサ18の出力と閾値とを比較して、複数の用紙Aの搬送を検知する。CPU26(のセンサ制御手段)において、送信側回路41等へ制御信号を送信し、送信側回路41を発振させる。また、CPU26(のセンサ制御手段)が増幅回路23(の演算増幅器)に所定のバイアス電圧を加える。この状態でCPU26(の比較手段)が、ADコンバータ25から受信側超音波センサ18からの入力信号(デジタル値)を数十回、例えば32回繰り返して受信して保持する。この時、送信側回路41の発振(送信側駆動パルス)を停止させた上で、複数の所定の位置、例えば32個のポイントでの信号を計測する。計測の位置は、例えば1ラスタ毎に1回、又は複数のラスタ毎に1回とされる。また、受信側超音波センサ18の出力波形が次第に大きくなって最大の値となった場合におけるその最大値をサンプルしてホールドする。つぎに、CPU26(のセンサ制御手段又は比較手段)が、SH割り込みでのタイマーセットを行い、割り込みが発生したかを判断する。SH割り込みは、例えば、前述のように32個の入力信号を得る場合、32回発生するようにされる。即ち、SH割り込みを契機として、送信側の連続した駆動パルスが出力される。例えば、1ラスタ毎に1回、32回のSH割り込みが所定の時間の経過と共に発生する。割り込みが発生していない場合、前述した割り込み発生の判断を繰り返す。割り込みが発生した場合、先に受信して保持した32個の値の平均値、例えば移動平均値を算出して、これをマルチフィード(MF)検出のための入力信号の値とする。この後、CPU26(の比較手段)が、入力信号の値とレジスタの閾値とを比較し、入力信号の値が閾値以上の場合、正常給紙であると判断し、入力信号の値が閾値未満の場合、この場合である回数が所定の回数、例えば10回以上か否かを判断し、10回以上である場合にはマルチフィードが発生したと判断してエラー信号を出力し、10回以上でない場合には前述したタイマーセット以下の処理を繰り返す。そして、エラー信号は、CPU26に含まれる上述した計測部104aに入力される。
【0039】
[2.本実施形態の処理]
上述した構成の画像読取装置100の重送処理ユニット102で行われるメイン処理の一例について、図4等を参照して説明する。図4は、メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【0040】
まず、制御部104は、重送検知ユニット112のマルチフィード(MF)検知を有効な状態に設定すると共にモード1からモード3のいずれかの計測モードを設定する(ステップSA1)。
【0041】
つぎに、読取制御部104cは、画像読取ユニット114での用紙の読取を開始する(ステップSA2)。
【0042】
つぎに、計測部104aは、重送検知ユニット112でMFが検知された場合(ステップSA3:Yes)には、ステップSA1で設定された計測モードに従って、以下の計測処理を実行する(ステップSA4からステップSA7)。なお、MFが検知されなかった場合(ステップSA3:No)には、制御部104は、ステップSA16へ処理を進める。
【0043】
具体的には、計測モードがモード1であった場合(ステップSA4:モード1)には、計測部104aは、重送検知ユニット112の超音波センサからの出力および/または画像読取ユニット114で読み取った用紙の画像から、図5に示すように、それぞれの重なり領域ごとに、重なり開始位置pおよび重なり長lを重送検知パターンとして計測する(ステップSA5)。なお、図5において、p、pおよびpは、付箋等の重なり領域ごとの「重なり開始位置」を表し、l、lおよびlは、付箋等の重なり領域ごとの「重なり長」を表している。
【0044】
また、計測モードがモード2であった場合(ステップSA4:モード2)には、計測部104aは、重送検知ユニット112の超音波センサからの出力および/または画像読取ユニット114で読み取った用紙の画像から、図6に示すように、それぞれの重なり領域ごとに、重なり長lを重送検知パターンとして計測する(ステップSA6)。なお、図6において、l、lおよびlは、付箋等の重なり領域ごとの「重なり長」を表している。
【0045】
また、計測モードがモード3であった場合(ステップSA4:モード3)には、計測部104aは、重送検知ユニット112の超音波センサからの出力および/または画像読取ユニット114で読み取った用紙の画像から、図7に示すように、それぞれの重なり領域ごとに、用紙長Lおよび用紙長に対する重なり長の割合l/Lを重送検知パターンとして計測する(ステップSA7)。なお、図7において、Lは「用紙長」を表し、l、lおよびlは、付箋等の重なり領域ごとの「重なり長」を表している。
【0046】
図4に戻り、判定部104bは、ステップSA5からステップSA7のいずれかで計測した重送検知パターンと重送無効パターンファイル106aに格納されている重送無効パターンについて以下の比較処理を実行して、計測した重送検知パターンが重送無効パターンに含まれるか否かを判定する(ステップSA8)。
【0047】
具体的には、モード1が指定されているときは、判定部104bは、ステップSA5で計測した重なり開始位置および重なり長の重送検知パターンが、重送無効パターンファイル部106aに格納されている重送無効パターンと一致するか(同じであるか)否かを判定する。例えば、重送無効パターンとして重なり開始位置pおよび重なり長lが格納されている場合において図8に示す用紙が搬送されたとき、判定部102bは、重なり開始位置pおよび重なり長lの検知パターンついては無効パターンと同じパターンであるので重送として検出せず、一方、重なり開始位置pおよび重なり長lの検知パターンと重なり開始位置pおよび重なり長lの検知パターンについては無効パターンと異なるパターンであるので重送として検出する。
【0048】
また、モード2が指定されているときは、判定部104bは、ステップSA5で計測した重なり長の重送検知パターンが、重送無効パターンファイル部106aに重送無効パターンとして格納されている重なり長以下であるか否かを判定する。例えば、重送無効パターンとして重なり長lが格納されている場合において図9に示す用紙が搬送されたとき、判定部104bは、重なり長lについては無効パターンの重なり長lより短く、また重なり長lについては無効パターンの重なり長lと等しいので重送として検出せず、一方、重なり長lについては無効パターンの重なり長lより長いので重送として検出する。
【0049】
また、モード3が指定されているときは、判定部104bは、ステップSA5で計測した用紙長および当該用紙長に対する重なり長の割合の重送検知パターンが、重送無効パターンファイル106aに格納されている重送無効パターンと一致するか(同じであるか)否かを判定する。例えば、重送無効パターンとして用紙長Lおよび用紙長に対する重なり長の割合l/Lが格納されている場合において図10の(A)に示す用紙が搬送されたとき、判定部104bは、当該用紙の用紙長がLであるがゆえ、用紙長Lと割合l/Lの検知パターンについては用紙内のどの位置に幾つあっても無効パターンと同じパターンであるので重送として検出せず、一方、用紙長Lと割合l/Lの検知パターンについては無効パターンと異なるパターンであるので重送として検出する。また、例えば、重送無効パターンとして用紙長Lおよび用紙長に対する重なり長の割合l/Lが格納されている場合において図10の(B)に示す用紙が搬送されたとき、判定部104bは、当該用紙の用紙長がLより長いLであるがゆえ、用紙長Lと割合l/Lの検知パターンおよび用紙長Lと割合l/Lの検知パターンのいずれについても無効パターンと異なるパターンであるので重送として検出する。
【0050】
図4に戻り、ステップSA8での判定結果が「一致する」または「以下である」というものであった場合(ステップSA9:Yes)には、読取制御部104cは、重送検知ユニット112での重送検知を無効と見做して、画像読取ユニット114に用紙の読取動作を停止させずに読取動作を継続させる(ステップSA10)。
【0051】
また、ステップSA8での判定結果が「一致しない」または「以下でない」というものであった場合、またはステップSA8において重送無効パターンが重送無効パターンファイル106aに格納されていない場合(ステップSA9:No)において、「エラー停止モード」が設定されていないとき(ステップSA11:No)は、読取制御部104cは、画像読取ユニット114に用紙の読取動作を停止させずに読取動作を継続させ、出力制御部104dは、重送検知ユニット112での重送検知を通知する通知情報を出力部110へ出力する(ステップSA12)。また、「エラー停止モード」が設定されているとき(ステップSA11:Yes)は、読取制御部104cは、画像読取ユニット114に用紙の読取動作を停止させ、出力制御部102dは、重送検知ユニット112での重送検知を通知する通知情報を出力部110へ出力する(ステップSA13)。
【0052】
つぎに、ステップSA13で出力した通知情報に対しユーザにより入力部108としての記憶指示ボタンが押下された場合(ステップSA14:Yes)には、記憶制御部104eは、ステップSA5からステップSA7のいずれかで計測した重送検知パターン(モード1のときは重なり開始位置と重なり長、モード2のときは重なり長の最大値、モード3のときは用紙長と用紙長に対する重なり長の割合)を、重送無効パターンとして重送無効パターンファイル106aの所定の記憶領域に格納する(ステップSA15)。
【0053】
つぎに、読取制御部104cは、画像読取ユニット114での用紙の読取を終了する(ステップSA16)。
【0054】
そして、制御部104は、次の用紙がある場合(ステップSA17:Yes)には各処理部に上述したステップSA2からステップSA16を実行させ、次の用紙がない場合(ステップSA17:No)には本メイン処理を終了する。
【0055】
[3.本実施形態のまとめ、及び他の実施形態]
以上、本実施形態によれば、マルチフィードが検知された場合には、指定されている計測モードに従い、重送検知されたそれぞれの領域ごとに、モード1のときは重なり開始位置と重なり長、モード2のときは重なり長、モード3のときは用紙長と用紙長に対する重なり長の割合を計測し、一旦、マルチフィードエラー応答を行う。その後、オペレータから現在のマルチフィードパターンの記憶が指示(特定ボタンを押下)された場合に、モード指定に従って、先程の計測したパターンを記憶する。その後は、マルチフィードが発生した場合に、計測したパターンと事前に記憶されたマルチフィード無効パターン(モード1:重なり開始位置と重なり長、モード2:重なり長の最大値(最大重なり長)、モード3:用紙長と用紙長に対する重なり長の割合)とを比較し、同パターンでない場合には、事前に設定されたエラーロジックを実行し(エラーで停止する、またはアラーム通知のみ)、同パターンである場合には、マルチフィードとせず用紙(原稿)を受理し通常動作を続ける。すなわち、マルチフィード発生後に、指定ボタンを押下するだけという簡単操作で、現在のマルチフィードのパターン(モード1:重なり開始位置と重なり長、モード2:最大重なり長、モード3:用紙長と用紙内における重なり領域の割合)を自動で記憶し、以降の媒体(用紙)が同パターンの場合には重送と見做さないようにする。これにより、これまでのように事前にスキャナのパネルやPC上のツール等で重送の無効領域を入力して設定するという煩わしさがなくなり、重送発生時の操作性が改善される。
【0056】
さらに、本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。例えば、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。また、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して、構成することができる。また、本明細書や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、画面例などについては、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0057】
また、画像読取装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、画像読取装置100が備える処理機能、特に制御部104にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて画像読取装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部106には、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0058】
また、本発明に係る重送処理装置は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置(任意の周辺装置が接続されている情報処理装置を含む。)として構成してもよい。また、本発明に係る重送処理装置は、情報処理装置に本発明に係る重送処理方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。また、本発明に係る重送処理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することができる。ここで、「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上のように、本発明に係る重送処理装置、重送処理方法及び重送処理プログラムは、産業上の多くの分野、特に、画像読取機構および重送検知機構を持つ画像読取装置を扱う情報処理分野や画像処理分野において実施することができ、極めて有用である。
【符号の説明】
【0060】
100 画像読取装置
102 重送処理ユニット
104 制御部
104a 計測部
104b 判定部
104c 読取制御部
104d 出力制御部
104e 記憶制御部
106 記憶部
106a 重送無効パターンファイル
108 入力部
110 出力部
112 重送検知ユニット
114 画像読取ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と記憶部とを備え、
重送検知機構と画像読取機構とに接続され、
前記記憶部は、前記重送検知機構で重送が検知された媒体における、重なり開始位置と重なり長、または前記重なり長、または媒体長と当該媒体長に対する前記重なり長の割合についての重送検知パターンを、前記重送検知機構での重送検知を無効とする重送無効パターンとして記憶し、
前記制御部は、
前記重送検知機構で重送が検知された場合には、前記重送検知機構の出力および/または前記画像読取機構で読み取られた前記媒体の画像から、前記重送検知パターンを計測する計測手段と、
前記計測手段で計測した前記重送検知パターンが、前記記憶部に記憶された前記重送無効パターンに含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で含まれると判定した場合には、前記重送検知機構での前記重送検知を無効と見做して前記画像読取機構に読取動作を継続させる読取制御手段と、
前記判定手段で含まれないと判定した場合には、前記計測手段で計測した前記重送検知パターンを前記重送無効パターンとして前記記憶部へ記憶する記憶制御手段と、
を備えたことを特徴とする重送処理装置。
【請求項2】
入力部と出力部とにさらに接続され、
前記制御部は、
前記判定手段で含まれないと判定した場合には、前記重送検知機構での前記重送検知を通知する通知情報を前記出力部へ出力する出力制御手段
をさらに備え、
前記記憶制御手段は、前記出力制御手段で出力した前記通知情報に対して前記入力部から指示を受けた場合には、前記計測手段で計測した前記重送検知パターンを前記重送無効パターンとして前記記憶部へ記憶すること、
を特徴とする請求項1に記載の重送処理装置。
【請求項3】
制御部と記憶部とを備え、重送検知機構と画像読取機構とに接続された重送処理装置の前記制御部で実行される、
前記重送検知機構で重送が検知された場合には、前記重送検知機構の出力および/または前記画像読取機構で読み取られた媒体の画像から、重なり開始位置と重なり長、または前記重なり長、または媒体長と当該媒体長に対する前記重なり長の割合についての重送検知パターンを計測する計測ステップと、
前記計測ステップで計測した前記重送検知パターンが、前記記憶部に記憶された、前記重送検知機構での重送検知を無効とする前記重送検知パターンである重送無効パターンに含まれるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで含まれると判定した場合には、前記重送検知機構での前記重送検知を無効と見做して前記画像読取機構に読取動作を継続させる読取制御ステップと、
前記判定ステップで含まれないと判定した場合には、前記計測手段で計測した前記重送検知パターンを前記重送無効パターンとして前記記憶部へ記憶する記憶制御ステップと、
を含むことを特徴とする重送処理方法。
【請求項4】
制御部と記憶部とを備え、重送検知機構と画像読取機構とに接続された重送処理装置の前記制御部に実行させるための、
前記重送検知機構で重送が検知された場合には、前記重送検知機構の出力および/または前記画像読取機構で読み取られた媒体の画像から、重なり開始位置と重なり長、または前記重なり長、または媒体長と当該媒体長に対する前記重なり長の割合についての重送検知パターンを計測する計測ステップと、
前記計測ステップで計測した前記重送検知パターンが、前記記憶部に記憶された、前記重送検知機構での重送検知を無効とする前記重送検知パターンである重送無効パターンに含まれるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで含まれると判定した場合には、前記重送検知機構での前記重送検知を無効と見做して前記画像読取機構に読取動作を継続させる読取制御ステップと、
前記判定ステップで含まれないと判定した場合には、前記計測手段で計測した前記重送検知パターンを前記重送無効パターンとして前記記憶部へ記憶する記憶制御ステップと、
を含むことを特徴とする重送処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−244092(P2011−244092A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112448(P2010−112448)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)
【Fターム(参考)】