説明

銅めっき方法

【課題】優先配向面が(200)面となる皮膜物性に優れためっき皮膜を得ることのできる銅めっき方法を提供すること。
【解決手段】硫酸銅を主成分とするめっき浴液に、少なくとも、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトとアクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体からなる添加剤と、その他の必要な添加剤とを添加し、高電流密度による電解めっきと低電流密度による電解めっきを交互に、あるいはPRパルス(極性反転パルス)による電解めっきを交互に、あるいは電解銅めっきと置換めっきを交互に、あるいは電解銅めっきとマイクロエッチングを交互に、あるいは上記いずれかのめっき方法の2つ以上を組み合わせることにより、電解めっきを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優先配向面が(200)面からなる皮膜物性に優れた銅めっき皮膜を得ることのできる銅めっき方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビや携帯電話の部品として使用されるCOF(Chip On Film)は、FCCL(フレキシブル銅張積層板)から製造される。FCCLの製造方法として、主に圧延銅箔を利用したキャスティング法やラミネート法、電解めっき銅箔を利用したメタライジング法等がある。電解銅箔を利用したメタライジング法としては、フレキシブル基板となるポリイミドフィルムに乾式シード層(Ni−Crスパッタ+Cuスパッタ)処理と湿式シード層処理(無電解Niめっき等)を行った後、その表面に電解めっきによって銅箔を8μm厚程度に形成する方法が知られている。
【0003】
近年、ICの高集積化・高密度化に対応するため、COFの銅配線ピッチも微細化しつつある。現在のCOFの量産ピッチは30〜40μmピッチであるが、数年で20μmピッチ以下となることが予想される。これに伴って当然銅配線も微細となるため、物理的に銅めっき皮膜が弱くなり、耐機械的物性や耐熱的物性が低下し、製品ヘの悪影響が懸念される。
【0004】
従来、機械的物性が良好な圧延銅箔の優先配向面は(200)面であることが知られており、またそれよりも機械的物性の劣る電解銅箔の優先配向面は(111)面であることが知られている。キャスティング法およびラミネート法で主に使用される圧延銅箔はその優先配向面は(200)面であり、機械的物性に優れている。しかし、圧延銅箔は薄膜化に適していないため、FCCL製造の主流は電解銅箔を用いたメタライジング法である。
【0005】
メタライジング法としては、従来より、特定の熱処理を行って結晶子サイズを制御する方法(特許文献1)、銅めっき皮膜中に0.01〜0.08wt%の硫黄と0.3〜1.2wt%の亜鉛を含有させる方法(特許文献2)等が提案され、優れた皮膜物性を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−262493号公報(全文、全図)
【特許文献2】特開2007−220730号公報(全文、全図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来においては、銅めっき皮膜の優先配向面を(200)面とすることができる銅めっき方法についてはいまだ開発されておらず、一般の光沢電解銅めっき被膜よりも優れた物性を有する銅めっき皮膜を得ることは困難であった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、優先配向面が(200)面からなる銅めっき皮膜を得ることのできる銅めっき方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するため、本発明では次のような手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の発明は、下記(1)の基本組成からなるめっき浴液に下記(2)〜(4)の添加剤を添加しためっき浴液を用い、下記(5)のめっき方法によって電解めっきすることを特徴とするものである。
【0010】
(1)めっき浴液の基本組成
硫酸銅5水和物:40〜300g/L(好ましくは50〜150g/L)
硫酸:30〜300g/L(好ましくは150〜250g/L)
塩素イオン:20〜100mg/L(好ましくは40〜80mg/L)
【0011】
(2)第1添加剤
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プルロニック型界面活性剤、テトロニック型界面活性剤、ポリエチレングリコール・グリセリルエーテル、ポリエチレングリコール・ジアルキルエーテル中から選ばれる1成分もしくは2成分以上を100〜20000mg/L(好ましくは1000〜10000mg/L)添加
【0012】
(3)第2添加剤
スルホアルキルスルホン酸塩、ビススルホ有機化合物、ジチオカルバミン酸誘導体中から選ばれる1成分もしくは2成分以上を0.02〜200mg/L(好ましくは0.2〜5.0mg/L)添加
【0013】
(4)第3添加剤
ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトとアクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体を10〜1000mg/L(好ましくは50〜500mg/L)添加
【0014】
(5)めっき方法
下記(a)(b)の条件の下に、高電流密度による電解めっきと低電流密度による電解めっきを交互に行う。
(a)低電流密度[A/dm]による電解めっきは、高電流密度[A/dm]による電解めっきの1/2〜1/50倍(好ましくは1/5〜1/20倍)の電流密度で行う。
(b)低電流密度による電解めっきによる膜厚[μm]は、高電流密度による電解めっきによる膜厚[μm]の1/5〜1/100倍(好ましくは1/20〜1/40倍)とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、前記(1)〜(4)の組成からなるめっき浴液を用い、下記(6)のめっき方法によって電解めっきすることを特徴とするものである。
(6)めっき方法
下記(c)(d)の条件の下に、PRパルス(極性反転パルス)による電解めっきを交互に行う。
(c)電流密度比は、正電解[A/dm]:負電解[A/dm]=1:1〜5(好ましくは1:1〜2)とする。
(d)めっき時間の比は、正電解[ms]:負電解[ms]=10〜500:1(好ましくは40〜100:1)とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、前記(1)〜(4)の組成からなるめっき浴液を用い、下記(7)のめっき方法によって電解めっきすることを特徴とするものである。
(7)めっき方法
下記(e)(f)の条件の下に、電解銅めっきと置換めっきを交互に行う。
(e)置換めっきの膜厚は電解銅めっきの膜厚の1/50〜1/10000倍(好ましくは1/100〜1/500倍)とする。
(f)置換めっき液の金属は銅皮膜上に置換するもの(例えば、Ag、Au、Pt、Pd、Sn等)を用いる。
【0017】
請求項4記載の発明は、前記(1)〜(4)の組成からなるめっき浴液を用い、下記(8)のめっき方法によって電解めっきすることを特徴とするものである。
(8)めっき方法
下記(g)(h)の条件の下に、電解銅めっきとマイクロエッチングを交互に行う。
(g)マイクロエッチングのエッチング厚は銅めっき膜厚の1/10〜1/1000倍(好ましくは、1/50〜500倍)とする。
(h)マイクロエッチングの溶液は銅を溶解するもの(例えば、過酸化水素水、過硫酸ナトリウム、塩化鉄、塩化銅等)を用いる。
【0018】
請求項5記載の発明は、前記(1)〜(4)の組成からなるめっき浴液を用い、前記(5)〜(8)のめっき方法のいずれか2つ以上を組み合わせて電解めっきすることを特徴とするものである。
【0019】
上記本発明方法によって銅めっきすると、形成される銅めっき皮膜の優先配向面は(200)面となり、一般の光沢電解銅めっき被膜よりも優れた物性を有する銅めっき皮膜となる。現在のところ、優先配向面が(200)面となる理由は定かではないが、通常の電解めっき層に異なる条件の層を形成することにより、添加剤の吸着方向が変化したために優先配向面が(200)面になったと推測される。
【発明の効果】
【0020】
本発明方法によれば、形成される銅めっき皮膜の優先配向面が(200)面となり、一般の光沢電解銅めっき被膜よりも優れた物性を有する銅めっき皮膜を得ることができる。このため、一般の光沢電解銅めっき被膜に比べて高い伸び率を有し、フレキシブル配線基板等に用いて高い折り曲げ強度を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明方法で採用した電解めっきの電流制御説明図であって、(a)は第1の実施の形態の電流制御説明図、(b)は第2の実施の形態の電流制御説明図、(c)は第3の実施の形態の電流制御説明図、(d)は第4の実施の形態の電流制御説明図である。
【図2】比較例1で採用した電解めっきの電流制御説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.第1の実施の形態
SUS板を被めっき面とし、下記に述べる硫酸銅めっきプロセスにてめっきした後、銅皮膜のみをSUS板から引き剥がし、アニール(120℃、1時間)処理後、引張り試験(JIS Z 2241、1980年)によって延び率を測定した。なお、通常の引っ張り試験では厚さ50μm程度の銅めっき皮膜を形成してその延び率を測定するが、COFの銅めっき皮膜は8〜12μm程度であるため、12μmにおける延び率を測定した。
【0023】
引張り試験機:SHIMADZU社製オートグラフAGS−H 500N
測定条件:引張り速度=10mm/分
引張り荷重=50kg/Full Scall
【0024】
また、XRD測定機によって銅の優先配向面およびその強度測定も行った。その測定結果も表1中に示した。フレキシブルフィルム基板となるポリイミドフィルムは、カプトン100−EN(東レ・デュポン製)を使用し、無電解Niプロセスは、荏原ユージライト(株)製エルフシードプロセスを使用した。
【0025】
XRD測定機:SHIMADZU社製XRD−6100
走査条件:駆動軸=2θ/θ
捜査範囲=40−80度
走査ステップ=0.02度
走査速度=2.00度/分
計数時間=0.6秒
XG条件:管電圧=40.0kV
管電流=30.0mA
【0026】
(第1の実施の形態で用いためっき浴液)
硫酸銅5水和物:130g/L
硫酸:160g/L
塩素:75mg/L
ポリエチレングリコール(※1):2000mg/L
SPS(※2):1mg/L
ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトとアクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体(※3):100mg/L
【0027】
(※1):HO−(C−O)n−H n=90
(※2):X−L−S−S−L−Y=L=C=Y=SONa
(※3):下記の一般式(1)からなる。
【0028】
【化1】

【0029】
ただし、(1)式中、
、Rは、独立にメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基から選ばれるが、共にヒドロキシエチル基ではない。Rはメチルまたはエチルを示す。R、Rは独立に水素ないし、炭素数1〜6までのアルキル基から選ばれるか、または環状エーテルのいずれかを選択する。ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト単位:アクリルアミド類単位:二酸化イオウ単位のモル比が、8:1:8〜8:8:8までのランダム共重合体である。
【0030】
めっき方法:図1(a)
5A/dm(3分)→0.5A/dm(1分)→5A/dm(3分)→0.5A/dm(1分)→5A/dm(3分)→0.5A/dm(1分)→5A/dm(3分)
浴温:30℃
めっき膜厚:計約12μm
【0031】
〔比較例1〕
めっき浴液:第1の実施の形態と同じ組成のめっき浴液
めっき方法:図2(5A/dm、12分)
浴温:30℃
めっき膜厚:計約12μm
【0032】
〔比較例2〕
めっき浴液
硫酸銅5水和物:130g/L
硫酸:160g/L
塩素:75mg/L
ポリエチレングリコール:500mg/L
SPS:10mg/L
ジアリルジアルキルアンモニウムクロリドと二酸化イオウとの共重合体(※4):20mg/L
【0033】
(※4):(1)式と同じく、R、Rは独立にメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基から選ばれるが、共にヒドロキシエチル基ではない。ジアリルジアルキルアンモニウムクロリドと二酸化イオウのモル比が1:1の交互共重合体である。
【0034】
めっき方法:第1の実施の形態と同じめっき方法(図1(a)参照)
【0035】
〔比較例3〕
めっき浴液
硫酸銅5水和物:130g/L
硫酸:160g/L
塩素:75mg/L
ポリエチレングリコール:500mg/L
SPS:1mg/L
ポリアルキレンイミン:0.05mg/L(和光純薬(株)製試薬)
【0036】
めっき方法:第1の実施の形態と同じめっき方法(図1(a)参照)
【0037】
〔比較例4〕
めっき浴液
硫酸銅5水和物:130g/L
硫酸:160g/L
塩素:75mg/L
ポリエチレングリコール:500mg/L
SPS:1mg/L
ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと二酸化イオウとの共重合体(※5):1000mg/L
【0038】
(※5):(1)式と同じく、R、Rは独立にメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基から選ばれるが、共にヒドロキシエチル基ではない。Rはメチルまたはエチルを示す。ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと二酸化イオウのモル比が1:1の交互共重合体である。
【0039】
めっき方法:第1の実施の形態と同じめっき方法(図1(a)参照)
【0040】
上記第1の実施の形態および比較例1〜4で得られた銅めっき皮膜について、その優先配向面、強度および延び率を測定した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
2.第2の実施の形態
めっき浴液:前記第1の実施の形態と同じ組成からなるめっき浴液を用いて、次のめっき方法によりめっきした。
【0043】
めっき方法:PRパルス電解めっき法(図1(b)参照)
正電解時→電流密度5A/dm、時間100ms
負電解時→電流密度5A/dm、時間1ms
浴温:30℃
めっき膜厚:計約12μm
【0044】
〔比較例5〕
めっき浴液:比較例2と同じめっき浴液
めっき方法:第2の実施の形態と同じめっき方法(図1(b)参照)
【0045】
〔比較例6〕
めっき浴液:比較例3と同じめっき浴液
めっき方法:第2の実施の形態と同じめっき方法(図1(b)参照)
【0046】
〔比較例7〕
めっき浴液:比較例4と同じめっき浴液
めっき方法:第2の実施の形態と同じめっき方法(図1(b)参照)
【0047】
上記第2の実施の形態および比較例5〜7で得られた銅めっき皮膜について、その優先配向面、強度および延び率を測定した。その結果を表2に示す。
【0048】
【表2】

【0049】
3.第3の実施の形態
めっき浴液:第1の実施の形態と同じ組成のめっき浴液
めっき方法:(図1(c)参照)
5A/dm(3分)→Ag置換めっき(35℃−0.5分)→5A/dm(3分)→Ag置換めっき(35℃−0.5分)→5A/dm(3分)→Ag置換めっき(35℃−0.5分)→5A/dm(3分)
浴温:30℃
めっき膜厚:約12μm
なお、Ag置換めっきは、Agイオンとして10mg/Lの溶液を使用した。
【0050】
〔比較例8〕
めっき浴液:比較例2と同じめっき浴液
めっき方法:第3の実施の形態と同じめっき方法(図1(c)参照)
【0051】
〔比較例9〕
めっき浴液:比較例3と同じめっき浴液
めっき方法:第3の実施の形態と同じめっき方法(図1(c)参照)
【0052】
〔比較例10〕
めっき浴液:比較例4と同じめっき浴液
めっき方法:第3の実施の形態と同じめっき方法(図1(c)参照)
【0053】
上記第3の実施の形態および比較例8〜10で得られた銅めっき皮膜について、その優先配向面、強度および延び率を測定した。その結果を表3に示す。
【0054】
【表3】

【0055】
4.第4の実施の形態
めっき浴液:第1の実施の形態と同じ組成のめっき浴液
めっき方法:図1(d)
5A/dm(3分)→ マイクロエッチング(25℃−0.5分)→5A/dm(3分)→マイクロエッチング(25℃−0.5分)→5A/dm(3分)→マイクロエッチング(25℃−0.5分)→5A/dm(3分)
浴温:30℃
めっき膜厚:約12μm
なお、マイクロエッチングは、35%H=10ml/L、HSO=50ml/Lの溶液を使用した。
【0056】
〔比較例11〕
めっき浴液:比較例2と同じめっき浴液
めっき方法:第4の実施の形態と同じめっき方法(図1(d)参照)
【0057】
〔比較例12〕
めっき浴液:比較例3と同じめっき浴液
めっき方法:第4の実施の形態と同じめっき方法(図1(d)参照)
【0058】
〔比較例13〕
めっき浴液:比較例4と同じめっき浴液
めっき方法:第4の実施の形態と同じめっき方法(図1(d)参照)
【0059】
上記第4の実施の形態および比較例11〜13で得られた銅めっき皮膜について、その優先配向面、強度および延び率を測定した。その結果を表4に示す。
【0060】
【表4】

【0061】
上記表1〜表4の測定結果から明らかなように、本発明方法によるときは、優先配向面が(200)面となり、強度と伸び率が比較例(従来法)に比べて向上していることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、スルーホールおよびブラインドビアホールを有するプリント基板(FPC基板含む)、銅,ニッケル,クロムなどを含む金属を液相または気相めっきにて被覆させたポリイミドなどの樹脂フィルムに銅めっきを行う場合等に広く利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)の基本組成からなるめっき浴液に下記(2)〜(4)の添加剤を添加しためっき浴液を用い、下記(5)のめっき方法によって電解めっきすることを特徴とする銅めっき方法。
(1)めっき浴液の基本組成
硫酸銅5水和物:40〜300g/L
硫酸:30〜300g/L
塩素イオン:20〜100mg/L
(2)第1添加剤
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プルロニック型界面活性剤、テトロニック型界面活性剤、ポリエチレングリコール・グリセリルエーテル、ポリエチレングリコール・ジアルキルエーテル中から選ばれる1成分もしくは2成分以上を100〜20000mg/L添加
(3)第2添加剤
スルホアルキルスルホン酸塩、ビススルホ有機化合物、ジチオカルバミン酸誘導体中から選ばれる1成分もしくは2成分以上を0.02〜200mg/L添加
(4)第3添加剤
ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトとアクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体を10〜1000mg/L添加
(5)めっき方法
下記(a)(b)の条件の下に、高電流密度による電解めっきと低電流密度による電解めっきを交互に行う。
(a)低電流密度[A/dm]による電解めっきは、高電流密度[A/dm]による電解めっきの1/2〜1/50倍の電流密度
(b)低電流密度による電解めっきによる膜厚[μm]は、高電流密度による電解めっきによる膜厚[μm]の1/5〜1/100倍
【請求項2】
前記(1)〜(4)の組成からなるめっき浴液を用い、下記(6)のめっき方法によって電解めっきすることを特徴とする銅めっき方法。
(6)めっき方法
下記(c)(d)の条件の下に、PRパルス(極性反転パルス)による電解めっきを交互に行う。
(c)電流密度比は、正電解[A/dm]:負電解[A/dm]=1:1〜5
(d)めっき時間の比は、正電解[ms]:負電解[ms]=10〜500:1
【請求項3】
前記(1)〜(4)の組成からなるめっき浴液を用い、下記(7)のめっき方法によって電解めっきすることを特徴と銅めっき方法。
(7)めっき方法
下記(e)(f)の条件の下に、電解銅めっきと置換めっきを交互に行う。
(e)置換めっきの膜厚は電解銅めっきの膜厚の1/50〜1/10000倍
(f)置換めっき液の金属は銅皮膜上に置換するものを使用
【請求項4】
前記(1)〜(4)の組成からなるめっき浴液を用い、下記(8)のめっき方法によって電解めっきすることを特徴とする銅めっき方法。
(8)めっき方法
下記(g)(h)の条件の下に、電解銅めっきとマイクロエッチングを交互に行う。
(g)マイクロエッチングのエッチング厚は銅めっき膜厚の1/10〜1/1000倍
(h)マイクロエッチングの溶液は銅を溶解するものを使用
【請求項5】
前記(1)〜(4)の組成からなるめっき浴液を用い、前記(5)〜(8)のめっき方法のいずれか2つ以上を組み合わせて電解めっきすることを特徴とする銅めっき方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−17036(P2011−17036A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160567(P2009−160567)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000120386)荏原ユージライト株式会社 (48)
【Fターム(参考)】