説明

錠剤充填装置及びPTP包装機

【課題】非円形状の錠剤を容器フィルムのポケット部内へと正しい姿勢で充填させることのできる錠剤充填装置及びPTP包装機を提供する。
【解決手段】容器フィルムのポケット部に対し、外周面に少なくとも三つの角状部を有する非円形状の錠剤5を充填するための錠剤充填装置23は、外周に沿って所定間隔毎に収容凹部32が形成されたロータリドラム31と、ロータリドラム31の上部近傍に設けられ、錠剤5を一錠ずつ収容凹部32に供給可能な錠剤供給シュート41とを備えている。収容凹部32は、錠剤供給シュート41から供給された錠剤5の姿勢を所定の準備姿勢となるように矯正する土手部51と、土手部51において準備姿勢とされた錠剤5の姿勢を、ポケット部に充填するときの正しい姿勢である充填姿勢となるように矯正する矯正壁部55とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器フィルムに形成されたポケット部に錠剤を充填する錠剤充填装置及び該錠剤充填装置を備えたPTP包装機を含む技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシート(いわゆるブリスタシート)は、錠剤が投入されるポケット部が形成された容器フィルムと、その容器フィルムにポケット部の開口側を密封するように前記容器フィルムに固着されるカバーフィルムとから構成されている。そして、容器フィルムとカバーフィルムとを固着する前段階において、ポケット部に錠剤等が充填される。
【0003】
容器フィルムに錠剤等を自動的に充填する錠剤充填装置として、ロータリドラムと該ロータリドラムの上方に配置される錠剤供給シュートとを備えたものが知られている。そのロータリドラムの外周面には、錠剤供給シュートから導出された錠剤を収容して、移送するための収容凹部が多数形成されている。これら収容凹部は、錠剤の形状及び大きさや、容器フィルムに形成された各ポケット部の間隔に合わせて形成されている。そして、ロータリドラムの回転により、収容凹部に収容された錠剤がロータリドラムの下部まで移送されると、その錠剤はポケット部内へと落下し充填される。
【0004】
ところで、ポケット部に充填される錠剤が平面視円形状以外の形状(非円形状)をなす場合には、収容凹部内に収容された錠剤の姿勢が定まらないことに起因して、該錠剤をポケット部に対して正しく充填できないといったおそれがある。特に、非円形状(例えば三角形状)の錠剤等を、これに対応した形状(例えば三角形状)のポケット部に充填するような場合には、かかるおそれが顕著なものとなる。
【0005】
これに対し、収容凹部のうちロータリドラムの回転方向下流側の部位を先細り形状としたものがある(例えば、特許文献1参照)。このような構成を採用することで、例えば、三角形状の錠剤をポケット部に充填するような場合、収容凹部に収容された錠剤がロータリドラムの回転に伴って自重により収容凹部内を下流側へと変位する際に、収容凹部下流側の先細りとなる部分によって、三つある角状部のうちの一つがロータリドラム回転方向下流側を向くようにして案内されることとなる。このように、収容凹部内において錠剤の姿勢が矯正されることで、ポケット部に充填する際の錠剤の姿勢を揃えることができる。
【特許文献1】特開2004−338723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、例えば、三角形状をなす錠剤の三つある角状部のうちの一つがロータリドラムの回転方向上流側を向いた姿勢で錠剤が収容凹部に投入された場合には、残り二つの角状部が収容凹部下流側の先細りとなる部分を構成する左右の壁面に対して同時に当接して突っ張ってしまい、上記のように姿勢を矯正することができないといった事態を招くおそれがある。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、非円形状の錠剤を容器フィルムのポケット部内へと正しい姿勢で充填させることのできる錠剤充填装置及びPTP包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0009】
手段1.ポケット部の形成された容器フィルムの搬送経路上に設けられ、外周に沿って所定間隔毎に収容凹部が形成されたロータリドラムと、
前記ロータリドラムの上部近傍又は上方に設けられ、外周面に少なくとも三つの角状部を有する非円形状の錠剤を一錠ずつ前記収容凹部に供給可能な錠剤供給シュートとを備え、
前記ロータリドラムの回転に伴って、前記錠剤供給シュートから供給された錠剤を前記収容凹部に収容して下方へと移送し、前記容器フィルムの前記ポケット部に充填するとともに、
前記収容凹部は、前記ロータリドラムの回転に伴って前記収容凹部に収容された錠剤がその自重に基づいて前記収容凹部内を変位する際に、当該錠剤の姿勢を前記ポケット部に充填するときの正しい姿勢である充填姿勢となるように矯正する姿勢矯正部を備える錠剤充填装置であって、
前記錠剤供給シュートから供給された錠剤が前記姿勢矯正部に至る前段階において、当該錠剤の姿勢を前記姿勢矯正部において姿勢が矯正され得る所定の準備姿勢となるように矯正する補助矯正部を備えることを特徴とする錠剤充填装置。
【0010】
手段1によれば、収容凹部に収容された錠剤は、姿勢矯正部においてポケット部に充填されるときの正しい姿勢である充填姿勢となるように姿勢が矯正される。換言すれば、錠剤は、姿勢矯正部において姿勢が矯正されることで充填姿勢を確実にとり得るのである。そして、本手段によれば、姿勢矯正部において姿勢が矯正されることとなる準備姿勢となるように、補正矯正部において錠剤供給シュートから供給された錠剤の姿勢が矯正される。従って、錠剤供給シュートから供給される錠剤が略三角形等の非円形状であっても、姿勢矯正部において姿勢が適切に矯正されるので、容器フィルムのポケット部に充填される際の錠剤の姿勢が一様に正しくなり、充填不良の発生が少なくなる。従って、得られるPTPシート等の品質の向上及び生産性の向上を図ることができる。
【0011】
また、補助矯正部及び姿勢矯正部において錠剤の姿勢が矯正されることから、例えば、錠剤供給シュートが錠剤を充填姿勢で供給するような構成に比べ、錠剤供給シュートから供給される際の錠剤の姿勢をそれ程厳密に規定する必要がなくなる。このため、錠剤供給シュートの設計を容易なものとすることができる。さらに、錠剤が一錠ずつ供給されるため、例えば一つの収容凹部に対して錠剤が二錠ずつ供給される場合に両錠剤がお互いの変位(姿勢変化)を阻害してしまうといった事態を回避することができ、補助矯正部及び姿勢矯正部において確実に錠剤の姿勢を矯正することができる。加えて、ロータリドラムの回転に伴って収容凹部に収容された錠剤がその自重に基づいて収容凹部内を変位する際に、姿勢矯正部において当該錠剤の姿勢が自然と矯正されるため、設備の複雑化を招くことなく錠剤を充填姿勢とすることができる。尚、「角状部」とあるのは、必ずしも尖った角部に限定されるものではなく、その他にも、その尖った部分が削られ丸みを有する(湾曲面を有する)ものであってもよい。
【0012】
手段2.ポケット部の形成された容器フィルムの搬送経路上に設けられ、外周に沿って所定間隔毎に収容凹部が形成されたロータリドラムと、
前記ロータリドラムの上部近傍又は上方に設けられ、外周面に少なくとも三つの角状部を有する非円形状の錠剤を一錠ずつ前記収容凹部に供給可能な錠剤供給シュートとを備え、
前記ロータリドラムの回転に伴って、前記錠剤供給シュートから供給された錠剤を前記収容凹部に収容して下方へと移送し、前記容器フィルムの前記ポケット部に充填する錠剤充填装置であって、
前記収容凹部は、
前記錠剤供給シュートから供給された錠剤の姿勢を所定の準備姿勢となるように矯正する補助矯正部と、
前記ロータリドラムの回転に伴って、前記補助矯正部において前記準備姿勢とされた錠剤が、その自重に基づいて前記収容凹部内を変位する際に、当該錠剤の姿勢を前記ポケット部に充填するときの正しい姿勢である充填姿勢となるように矯正する姿勢矯正部とを備え、
前記補助矯正部は、前記ロータリドラムの軸方向に対して斜めに交わる方向へ傾斜する案内面を少なくとも一つ備え、錠剤を前記補助矯正部上に載せることで、錠剤は、その自重に基づいて前記案内面にて案内されつつ傾動して前記準備姿勢となることを特徴とする錠剤充填装置。
【0013】
手段2によれば、錠剤供給シュートから供給された錠剤は、補助矯正部において準備姿勢とされたうえで、姿勢矯正部において充填姿勢とされる。つまり、錠剤供給シュートから供給された錠剤の姿勢を多段階(二段階)で矯正しているため、容器フィルムのポケット部に充填される際の錠剤の姿勢をより確実に矯正することができる。従って、基本的に上記手段1と同様の作用効果が奏される。また、錠剤の姿勢が補助矯正部において自然と矯正されるので、設備の複雑化を伴うことなく、錠剤を準備姿勢とすることができる。
【0014】
手段3.前記収容凹部は、前記補助矯正部が形成された受け部と、錠剤を収容可能な保留部とに区分され、
前記ロータリドラムの回転に伴い、前記錠剤供給シュートから供給された錠剤が前記受け部から前記保留部へと変位するとともに、前記保留部に収容された錠剤の姿勢が前記姿勢矯正部において矯正される構成であって、
錠剤は、その表面及び裏面が前記ロータリドラムの軸方向とほぼ平行し、かつ、その外周面の少なくとも一部が前記ロータリドラムの外周面と対向する姿勢で前記錠剤供給シュートから供給されるとともに、前記受け部から前記保留部へと変位する際に、錠剤の表面又は裏面が前記保留部の底面と当接するようにして傾倒し、前記保留部に収容されることを特徴とする手段1又は2に記載の錠剤充填装置。
【0015】
手段3に記載の姿勢で錠剤供給シュートから錠剤を供給することで、補助矯正部上に位置した錠剤をスムースに傾動させることができる。
【0016】
手段4.前記姿勢矯正部は、前記ロータリドラムの回転方向に対して直交する壁面によって構成され、
錠剤は、前記補助矯正部において、錠剤の角状部と当該錠剤の重心とが鉛直方向に沿って一直線上に並ばないように回動変位することで前記準備姿勢となることを特徴とする手段3に記載の錠剤充填装置。
【0017】
手段4によれば、錠剤は、補助矯正部において、錠剤の角状部と当該錠剤の重心とが鉛直方向に沿って一直線上に並ばない姿勢(準備姿勢)となるため、ロータリドラムの回転方向に対して直交する姿勢矯正部において、確実に錠剤の姿勢を、二つの角状部間を結ぶ一辺部が姿勢矯正部と当接するような姿勢(充填姿勢)とすることができる。
【0018】
手段5.前記補助矯正部は、傾斜方向が逆向きとなる案内面を前記ロータリドラムの軸方向において連続して二つ備えることで断面山状をなすとともに、前記両案内面の境界線が前記ロータリドラムの回転方向に沿って延びることを特徴とする手段4に記載の錠剤充填装置。
【0019】
手段5によれば、ほとんどの場合、錠剤は補助矯正部のどちらかの案内面に案内され、錠剤の角状部と当該錠剤の重心とが鉛直方向に沿って一直線上に並ばない姿勢(準備姿勢)となる。従って、上記手段4の作用効果がより確実に奏される。
【0020】
手段6.前記保留部は、前記ロータリドラムの回転方向において前記受け部の上流側に位置し、錠剤が前記錠剤供給シュートから供給されてから前記保留部に収容されるまでの間は、錠剤の前記ロータリドラムの回転方向における移動が規制されることで、前記錠剤が前記受け部から前記保留部へと相対移動することを特徴とする手段3乃至5のいずれかに記載の錠剤充填装置。
【0021】
本手段6によれば、補助矯正部上を摺動させるようにして錠剤を保留部側に相対移動させる際に確実に準備姿勢とすることができるとともに、準備姿勢を維持しつつ錠剤を受け部から保留部へと移動させることができる。
【0022】
手段7.前記錠剤供給シュートは、最下部に前記ロータリドラムに向けて開口した開口部を有し、錠剤を一列に積載状態で貯留可能な供給通路と、前記供給通路に貯留されている錠剤を押えて支持することの可能なシャッタとを備えるとともに、前記開口部から前記ロータリドラムの外周面までの距離が、錠剤の厚みよりも短くなるように設置され、
前記シャッタを錠剤から離し、前記供給通路に貯留されていた錠剤のうち一番下側の錠剤を前記ロータリドラムに当接させるとともに、前記ロータリドラムに当接した錠剤に対して当接状態で隣接する次の錠剤を前記シャッタで押さえることを特徴とする手段6に記載の錠剤充填装置。
【0023】
手段7によれば、供給通路の最下部にあたる開口部からロータリドラムの外周面までの距離が錠剤の厚みよりも短いため、錠剤が保留部に収容されるまで、供給通路の開口部付近の部位によって錠剤のロータリドラムの回転方向における移動を規制することができる。また、供給通路とシャッタとを備える錠剤供給シュートを用いて、錠剤を一錠ずつ供給している。すなわち、シャッタを錠剤から離すと供給通路において貯留されている全ての錠剤が下側に移動する。供給通路に貯留されていた錠剤のうち一番下側の錠剤がロータリドラムの外周面に当接すると、供給通路内の全ての錠剤の下方への移動が規制されることとなる。そして、その状態でロータリドラム外周面に当接した錠剤に当接状態で隣接している次の錠剤をシャッタで押さえる。以上のようにして、比較的簡単な構成を採用しつつ、錠剤を一錠ずつ供給する構成とすることができる。
【0024】
手段8.前記補助矯正部は前記ロータリドラムの外周面よりもロータリドラムの内周側において形成され、
前記錠剤供給シュートの開口部から導出された錠剤は、前記ロータリドラムの回転方向において隣接する前記収容凹部同士の間に位置する前記ロータリドラムの外周面に投下されることを特徴とする手段7に記載の錠剤充填装置。
【0025】
上記手段7に記載のように、シャッタを錠剤から離すと供給通路において貯留されている全ての錠剤が下方に移動してしまうような錠剤供給シュートを採用する場合、例えば、錠剤供給シュートから直接受け部(補助矯正部)に対して錠剤が投下されると、補助矯正部における錠剤の変位が、かかる錠剤に当接状態で隣接する次の錠剤によって阻害されてしまうおそれがある。
【0026】
この点、手段8によれば、収容凹部間のロータリドラムの外周面に対して錠剤供給シュートから錠剤が投下されるようになっており、錠剤はロータリドラムの外周面から受け部へと変位する際に下方(ロータリドラムの内周側)に落ち込むこととなる。このため、受け部に供給された錠剤とこれに当接状態で隣接する次の錠剤とを離間させることができる。従って、錠剤の補助矯正部における傾動(回動変位)が確実に許容される。
【0027】
手段9.前記錠剤供給シュートは、前記ロータリドラムの回転方向において当該ロータリドラムの頂上よりも下流側に配置されていることを特徴とする手段3乃至8のいずれかに記載の錠剤充填装置。
【0028】
本手段9によれば、収容凹部の底部が次第に垂直となっていく過程で当該収容凹部に錠剤が供給されるため、錠剤をスムースに倒すことができる。
【0029】
手段10.前記姿勢矯正部において充填姿勢とされた錠剤を保持する保持手段を備えたことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の錠剤充填装置。
【0030】
手段10によれば、錠剤は姿勢矯正部において姿勢が矯正された後、保持手段に保持されることでその姿勢がより確実に維持される。このため、充填姿勢とされた錠剤が位置ずれを起こしたり、姿勢を悪化させてしまったりといった事態を防止することができ、より確実に錠剤を充填姿勢で容器フィルムのポケット部へと充填させることができる。
【0031】
手段11.手段1乃至10のいずれかに記載の錠剤充填装置を備えてなるPTP包装機。
【0032】
手段11によれば、錠剤をポケット部へと正しい姿勢で確実に充填させることができるため、得られるPTPシート等の生産性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0034】
まず、図2(a),(b)に基づいて、PTPシート1の構成について説明する。PTPシート1は、複数のポケット部2を有する容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを備えている。容器フィルム3は、例えばPPやPVC等の熱可塑性樹脂によって構成され、カバーフィルム4は、例えばアルミニウム等によって構成されている。各ポケット部2には被充填物としての錠剤5が一錠ずつ収容されている。本実施形態においてポケット部2に投入される錠剤5は平面視略三角形状をなしており、外周面において三つの角状部を有している。また、ポケット部2は、錠剤5の形状及び大きさに合わせて略三角形状に形成されている。
【0035】
次に、上記PTPシート1を製造するためのPTP包装機11の概略構成について、図1を参照しつつ説明する。PTP包装機11は、錠剤5を容器フィルム3に自動的に包装するものである。具体的には、帯状の容器フィルム3がフィルム送りロール12及びテンションロール13,14等に掛装されて加熱装置21及び成形装置22に送り込まれ、該容器フィルム3に対し錠剤5を収容するためのポケット部2が形成される。本実施形態では、ポケット部2は、容器フィルム3の搬送方向上流側に向けて先細る略三角形状に形成される。
【0036】
ポケット部2の形成された容器フィルム3が錠剤充填装置23の下にまで送られると、錠剤充填装置23によって各ポケット部2に錠剤5が充填される。
【0037】
錠剤5の充填後、各ポケット部2における錠剤5の有無、充填された錠剤5の欠損、異物の混入等を見付け出すために検査が行われる。該検査は、CCDカメラ24、照明25等から構成される検査装置により行われる。
【0038】
また、帯状のカバーフィルム4は、テンションロール16,17等を介し、錠剤5が充填されたポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3の上方に重ねられる。そして、容器フィルム3及びカバーフィルム4が、シール手段を構成するフィルム受けロール26と加熱ロール27との間に送り込まれ、両フィルム3、4が熱接着される。これにより、錠剤5が充填されたポケット部2をカバーフィルム4で密封した帯状のPTPフィルム8が製造される。
【0039】
その後、PTPフィルム8は、図示しない切離手段によってPTPシート1単位に切離され、図示しない不良シート排出機構やPTPシート集積機構等へ送られる。
【0040】
さて、図3は、本実施形態におけるPTP包装機11に適用される錠剤充填装置23を示している。錠剤充填装置23は、図示しない基台を備えており、該基台には、錠剤5を搬送するためのロータリドラム31が設けられている。該ロータリドラム31は図示しないモータにより回転可能に支持されているとともに、容器フィルム3の搬送と同期して回転するようになっている。
【0041】
ロータリドラム31の外周面には、錠剤5を収容するための収容凹部32が多数形成されている。各収容凹部32は、ロータリドラム31の周方向及び軸方向において所定の間隔で規則的に配列されている。尚、図4〜図7では、ロータリドラム31の周方向に沿って並ぶ収容凹部32の列が1列しか図示されていないが、これは便宜上のことであり、実際には、収容凹部32はロータリドラム31の軸方向に多数並列状態で形成されている。加えて、ロータリドラム31は、ロータリドラム31の最下部に位置する収容凹部32の移送方向と、容器フィルム3の搬送方向とが平行するようにして設置されている。
【0042】
ロータリドラム31の上部近傍には、錠剤5をロータリドラム31の収容凹部32に供給するための錠剤供給シュート41が配設されている。錠剤供給シュート41は、最下部にロータリドラム31に向けて開口した開口部43を有し、錠剤5を鉛直方向に一列に積載した状態で貯留可能な供給通路42と、供給通路42に貯留されている錠剤5のうち一番下側の錠剤5を供給通路42の壁部に押し付けて支持することのできるシャッタ44とを備えている。
【0043】
供給通路42において貯留されている錠剤5は、その表裏面(略三角形をなす二つの面)が容器フィルム3の搬送方向に対して直交するような姿勢(表裏面が鉛直方向に平行、かつ、ロータリドラム31の軸方向に平行するような姿勢)で、上下に隣接する錠剤5同士が外周面にて当接するようにして積まれている。また、シャッタ44は、錠剤5の表面又は裏面を所定のタイミング毎に押さえたり放したりすることができるようになっている。本実施形態では、ロータリドラム31の回転方向において隣接する収容凹部32同士の間の部位に対して錠剤5が投下されるようにシャッタ44の切替制御が行われる。尚、図3では、容器フィルム3の搬送方向においてシャッタ44が供給通路42よりも下流側(図3の右側)に設けられている場合を例示しているが、シャッタ44の設置箇所は特に限定される訳ではなく、従って供給通路42よりも上流側(図3の左側)に設けられていることとしてもよい。また、図4〜図7では、説明の便宜上、シャッタ44が供給通路42よりも上流側(図4の左側)に設けられている例を示すものとする。
【0044】
錠剤供給シュート41は、開口部43からロータリドラム31の外周面までの距離が、錠剤5の厚みよりも短くなるように設置されている。これにより、錠剤供給シュート41とロータリドラム31外周面との間の隙間から錠剤5が脱落してしまうといった事態の防止が図られている。また、本実施形態では、錠剤供給シュート41はロータリドラム31の回転方向において頂上よりも若干下流側(図3左側)に配置されている。つまり、供給通路42の開口部43から導出された錠剤5は、ロータリドラム31の頂上から所定角度だけ回転移動した位置に到達する収容凹部32に収容されることとなる。
【0045】
尚、ロータリドラム31の側部(図3左側)近傍には、ロータリドラム31の外周面に沿った半月ガイド部材33が設置固定されている。半月ガイド部材33は、収容凹部32に収容された錠剤5を落下させたり逸脱させたりすることなく、ロータリドラム31の下部へと案内するための部材である。
【0046】
さて、図4、図8(a),(b)等に示すように、ロータリドラム31に形成される収容凹部32は、ロータリドラム31の軸方向に沿って切断したときの断面形状が山状をなす土手部51が設けられた受け部52と、ロータリドラム31の回転方向において受け部52の上流側に位置する保留部53とに区別される。
【0047】
受け部52は保留部53よりも全体的に底面がロータリドラム31外周側に盛り上って(高く位置して)おり、さらに、受け部52には詳しくは後述する形状をなす土手部51が隆起するようにして設けられている。このため、受け部52と保留部53との境界部には、ロータリドラム31の回転方向に対向し、保留部53を画定する段差状の壁面(以下「矯正壁部55」と称する)が形成されている。より詳しくは、矯正壁部55はロータリドラム31の回転方向に対して直交し、かつロータリドラム31の外周面に対して直交する方向に延びている。
【0048】
また、土手部51は、図8(b)等に示すように、収容凹部32の幅方向中心を通り、ロータリドラム31の回転方向(錠剤5の移送方向)に沿って延びる仮想線Mに対して線対称となるよう山状に形成されている。つまり、仮想線Mを境に二つの斜面(案内面51a、51b)を有している。但し、土手部51の頂部は、ロータリドラム31の外周面よりもロータリドラム31の内周側(ロータリドラム31の一般周面よりも凹んだところ)に位置するよう構成されている。本実施形態では主として土手部51が補助矯正部を構成し、矯正壁部55が姿勢矯正部を構成する。
【0049】
一方、保留部53の底面はロータリドラム31の外周面に沿った平坦面となっている。また、保留部53は、錠剤5をその表面又は裏面が保留部53の底面と当接した状態で収容可能な大きさに形成されている。
【0050】
加えて、図4等に示すように、保留部53の底面には吸引孔57が形成されており、当該吸引孔57を介して保留部53内に収容された錠剤5を図示しない吸引手段によって吸引することで、当該錠剤5の姿勢を保持できるようになっている。本実施形態では吸引孔57及び吸引手段が保持手段を構成する。
【0051】
次に、容器フィルム3のポケット部2に錠剤5を充填する際の錠剤充填装置23及び錠剤5の動作について図面を参照しつつ説明する。尚、ロータリドラム31の回転方向において、錠剤供給シュート41よりも下流側に位置する各収容凹部32には本来錠剤5が投入されているのであるが、図4〜図7では便宜上かかる錠剤5の図示を省略している。
【0052】
図4に示すように、まず、所定のタイミングが到来したとき、つまり、〔錠剤5投入済みの(一つ前の)〕収容凹部32が開口部43(の下方)を通過したときに、錠剤供給シュート41のシャッタ44を開き、錠剤5を表裏面が容器フィルム3の搬送方向と直交するような姿勢で投下する。すると、錠剤5は、ロータリドラム31の周方向に沿って並ぶ収容凹部32同士の間のロータリドラム31の外周面(図4で散点模様を付した部位。以下、かかる部位を着地部59と称する)に当接する。
【0053】
尚、錠剤供給シュート41から供給された錠剤5が着地部59と当接することで、供給通路42に貯留されている全ての錠剤5の下方への移動が規制される。そして、シャッタ44を閉じることで、着地部59に当接した錠剤5に対して当接状態で隣接する次の錠剤5を押さえる。これにより、一度に二つの錠剤5が収容凹部32に供給されてしまうといった事態を回避することができ、結果として、錠剤供給シュート41から錠剤5を一錠ずつ供給できる。
【0054】
図5に示すように、着地部59に投下された錠剤5は、ロータリドラム31の回転に伴って、前記着地部59よりも上流側に位置する収容凹部32に向けて相対移動し、やがて受け部52に落下することとなる。尚、上記のように錠剤供給シュート41の開口部43とロータリドラム31の外周面との間には錠剤5の厚み程の隙間もないため、着地部59と当接状態にある投下姿勢の錠剤5は、錠剤供給シュート41の開口部43から完全に抜け出た状態ではなく、開口部43付近の供給通路42の壁部によって表裏面や外周面が支持される状態となっている。このため、錠剤5は、その表裏面の角度が変化することなくほぼ鉛直方向に延びた状態のまま着地部59上を摺動することとなる。
【0055】
さて、上記のように受け部52には断面山状をなす土手部51が設けられている。このため、受け部52に落下した錠剤5は、図8(a)に示すように、その自重に基づき、土手部51に案内されるようにして、土手部51の頂部の右側又は左側のどちらかに傾くこととなる。つまり、例えば、錠剤5の角状部が土手部51を構成する案内面51a(又は51b)に当接した場合には、かかる角状部が当該案内面51a(又は51b)上を滑るようにして収容凹部32(受け部52)の側壁部に寄せられる。また、例えば、錠剤5の角状部間を結ぶ辺部が土手部51の頂部に当接した場合には、錠剤5が収容凹部32の幅方向において左右のどちらか(錠剤5の重心が位置する側)に傾く。いずれにしても、錠剤5は土手部51上に載せられることによって、全体的に収容凹部32の一方の側壁部に寄せられることとなり、その際に、錠剤5の一辺部が案内面51a又は案内面51bに当接するようにして回動変位する。結果として、錠剤5は、土手部51において、一つの角状部が下方を向くとともに、錠剤5の重心がかかる角状部よりも収容凹部32の幅方向中心側に位置するような姿勢に矯正される。本実施形態では、土手部51において鉛直方向に沿って錠剤5の重心位置と錠剤5の角状部とが一直線上に並ばないように矯正された錠剤5の姿勢が準備姿勢に相当する。
【0056】
尚、土手部51の頂部はロータリドラム31の一般外周面よりも凹んで位置しているため、錠剤5が受け部52に落下することで、かかる錠剤5と、シャッタ44に押えられた錠剤5とが十分に離間することとなる。これにより、土手部51における錠剤5の回動変位が確実に許容されるようになっている。また、受け部52に落下した状態においても、錠剤5の上部分は錠剤供給シュート41の供給通路42内に位置しているため、錠剤5の表裏面や外周面が開口部43付近の供給通路42の壁部によって支持され、準備姿勢が維持される。
【0057】
次に、図6に示すように、ロータリドラム31の回転に伴って、錠剤5が準備姿勢のまま土手部51上を保留部53側に相対移動していくと、やがて錠剤5は保留部53に落下することとなる。このとき、保留部53の底面は鉛直方向に近くなっているため、錠剤5が保留部53に落下してからさらにロータリドラム31が回転すると、図8(b)の二点鎖線で示すように、錠剤5が保留部53に滑り込むようにして錠剤供給シュート41の開口部43から完全に抜け出すとともに、抜け出す際に開口部43周縁部に案内されつつ、錠剤5の表面又は背面が保留部53の底面に当接するようにして倒れ込み、保留部53に収容されることとなる。尚、本実施形態では、ロータリドラム31の頂上よりも下流側に位置する収容凹部32に対し錠剤供給シュート41から錠剤5が供給される。つまり、収容凹部32の底面が次第に垂直となっていく過程で当該収容凹部32に錠剤5が供給されるため、錠剤5をスムースに倒すことができる。
【0058】
さて、保留部53に収容された錠剤5は、ロータリドラム31の回転に伴って、その自重に基づき、矯正壁部55に案内されつつ、保留部53内をロータリドラム31の回転方向下流側へと変位する。より詳しくは、上記のように、既に土手部51において、錠剤5の姿勢が鉛直方向に沿って錠剤5の重心と錠剤5の角状部とが同一線上に並ばないような姿勢とされているため、保留部53に収容された当初の錠剤5は、図8(b)の二点鎖線で示すような状態となる。すなわち、錠剤5のうち一つの角状部がロータリドラム31の回転方向に直交する壁面である矯正壁部55に対して当接するとともに、錠剤5の重心がかかる角状部よりも収容凹部32の幅方向中心側に位置する状態となる。そして、図7、図8(b)に示すように、ロータリドラム31の回転に伴い、錠剤5は、矯正壁部55と当接した一つの角状部を中心として、受け部52にあるときに土手部51と当接していた一辺部が今度は矯正壁部55と当接するようにして回動変位する。本実施形態では、一つの角状部がロータリドラム31の回転方向上流側に向き、ロータリドラム31の回転方向下流側に位置する一辺部がロータリドラム31の回転方向に対して直交するといった姿勢が、錠剤5のポケット部2に充填するときの正しい姿勢である充填姿勢に相当する(図8(b)の実線)。加えて、矯正壁部55における姿勢の矯正が完了するタイミングに合わせて、吸引孔57を介して吸引手段により錠剤5が吸引される。
【0059】
その後更なるロータリドラム31の回転に伴い、保留部53に収容された錠剤5が吸引状態でロータリドラム31の最下点へと移送される。充填姿勢のままロータリドラム31の最下点に位置した錠剤5の形状は、その下方において水平方向に搬送されている容器フィルム3のポケット部2の形状と一致する。そして、錠剤5の吸引が解除されると、錠剤5は自然落下し、ポケット部2に対して一様な姿勢で充填される。
【0060】
以上詳述したように、本実施形態によれば、錠剤5は、補助矯正部としての土手部51において錠剤5の角状部と当該錠剤5の重心とが鉛直方向に沿って一直線上に並ばない姿勢(準備姿勢)とされる。さらに、錠剤5は、ロータリドラム31の回転方向に対して直交する姿勢矯正部としての矯正壁部55において、錠剤5の二つの角状部間を結ぶ一辺部が矯正壁部55と当接するような姿勢(充填姿勢)とされる。このように錠剤供給シュート41から供給された錠剤5の姿勢を二段階で矯正することによって、錠剤5が略三角形等の非円形状であっても、容器フィルム3のポケット部2に充填される際の錠剤5の姿勢を一様に正しくすることができ、充填不良の発生が少なくなる。従って、得られるPTPシート1の品質の向上及び生産性の向上を図ることができる。
【0061】
さらに、土手部51に錠剤5を載せることで、錠剤5の姿勢が自然と矯正されるので、設備の複雑化を伴うことなく、錠剤5を準備姿勢とすることができる。加えて、ロータリドラム31の回転に伴って収容凹部32に収容された錠剤5がその自重に基づいて保留部53内を変位する際に、矯正壁部55において当該錠剤5の姿勢が自然と矯正されるため、設備の複雑化を招くことなく錠剤5を充填姿勢とすることができる。
【0062】
また、土手部51及び矯正壁部55において錠剤5の姿勢が矯正されることから、例えば、錠剤供給シュート41が錠剤5を所定の充填姿勢で供給するような構成に比べ、錠剤供給シュート41から供給される際の錠剤5の姿勢をそれ程厳密に規定する必要がなくなる。このため、錠剤供給シュート41の設計を容易なものとすることができる。さらに、錠剤5が一錠ずつ供給されるため、例えば一つの収容凹部32に対して錠剤5が二錠ずつ供給される場合に両錠剤5がお互いの変位(姿勢変化)を阻害してしまうといった事態を回避することができ、土手部51及び矯正壁部55において確実に錠剤5の姿勢を矯正することができる。
【0063】
加えて、錠剤5は、その表裏面が容器フィルム3の移送方向と直交(収容凹部32の幅方向に平行)するような姿勢で錠剤供給シュート41から供給されるため、ロータリドラム31の軸方向に沿って切断したときの断面形状が山状をなす土手部51上に位置した錠剤5を、ロータリドラム31の軸方向に対してスムースに傾動させることができる。
【0064】
以上説明した実施の形態において、例えば、次のように構成の一部を適宜変更して実施することも可能である。勿論、以下において例示しない他の変更例も当然可能である。
【0065】
(a)上記実施形態では、補助矯正部を構成する土手部51が断面山状に構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、矯正壁部55において姿勢が矯正されることとなる所定の準備姿勢に矯正できるようになっていればよい。このため、土手部としては、例えば、図9(a)に示すように断面谷状の土手部61Aであってよいし、図9(b)に示すように、ロータリドラム31の軸方向に対して斜めに交わる方向に傾斜する一つの案内面によって土手部61Bが構成されてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、姿勢矯正部がロータリドラム31の回転方向に直交して延びる矯正壁部55により構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、ロータリドラム31に回転に伴って、保留部53内を錠剤5が移動する際に、かかる錠剤5の姿勢を一定の姿勢とすることができるようになっていればよい。例えば、土手部61Aが断面谷状に構成される場合、図10に示すように、姿勢矯正部62が、ロータリドラム31の回転方向下流側に向けて次第に互いまでの距離が狭まる2壁面63a、63bによって構成されてもよい。
【0067】
(b)上記実施形態では、錠剤充填装置23を用いて、ポケット部2に平面視略三角形状の錠剤5を充填する場合についての作用効果について説明しているが、必ずしも三角形状に限られるものではなく、外周面に少なくとも三つの角状部を有する非円形状の錠剤であれば、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。尚、三つの角状部を有する非円形状の錠剤としては、例えば略正四角形、略長方形、略五角形等の種々の形状の錠剤を含む趣旨である。特に、三直線に関し線対称であるような対称図形(例えば正三角形、正四角形、正五角形、星型等)や、かかる対象図形の一部を切欠く等した図形(例えば角状部をR加工したり、角状部間の辺部の中間部位をく字状に切欠いたような形状:ハート型、花型等)をなす錠剤に関しては上記作用効果が一層確実に奏される。
【0068】
また、上記実施形態では、ポケット部2の形状が錠剤5の形状とほぼ同じくなっているが、錠剤5とは異なる形状に形成されていることとしてもよい。
【0069】
(c)上記実施形態では、ロータリドラム31の頂上よりもロータリドラム31の回転方向下流側に錠剤供給シュート41を設置しているが、頂上或いは頂上よりも上流側に錠剤供給シュート41を設置してもよい。
【0070】
(d)上記実施形態では、姿勢矯正部において姿勢が矯正された錠剤5を保持する構成として、吸引孔57及び吸引手段よりなる錠剤5を吸引保持する吸引保持機構と、半月ガイド部材33とが設けられているが、吸引保持機構又は半月ガイド部材33のどちらか一方を省略してもよい。
【0071】
(e)錠剤供給シュート41の構成は特に限定されるものではなく、錠剤5を一錠ずつ投下できる構成となっていればよい。
【0072】
また、上記実施形態では、錠剤供給シュート41から供給される錠剤5を、ロータリドラム31の回転方向において隣接する収容凹部32同士の間(着地部59)に投下しているが、土手部61に投下することとしてもよい。
【0073】
さらに、着地部59において、ロータリドラム31の軸方向に沿って切断したときの断面形状が山状をなす土手部を設けてもよい。この場合、収容凹部32内の土手部61を省略してもよい。
【0074】
加えて、上記実施形態では、ロータリドラム31の回転方向において隣接する収容凹部32同士の間には着地部59が形成されているが、該着地部59を省略してもよい。つまり、収容凹部32の保留部53を、当該収容凹部32に対してロータリドラム31の回転方向の上流側において隣接する収容凹部32の受け部52(土手部61)にまで延長させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】PTP包装機の概略構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】(a)はPTPシートの斜視図であり、(b)はPTPシートの断面図である。
【図3】錠剤充填装置を示す断面図である。
【図4】収容凹部と該収容凹部に収容される錠剤との位置関係を説明するための斜視図である。
【図5】収容凹部と該収容凹部に収容される錠剤との位置関係を説明するための斜視図である。
【図6】収容凹部と該収容凹部に収容される錠剤との位置関係を説明するための斜視図である。
【図7】収容凹部と該収容凹部に収容される錠剤との位置関係を説明するための斜視図である。
【図8】(a)は錠剤供給シュートの開口部付近の構成を示す断面図であり、(b)は保留部に錠剤が収容された収容凹部を示す正面図である。
【図9】別の実施形態における収容凹部の構成を示す断面図である。
【図10】別の実施形態における収容凹部の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…容器フィルム、5…錠剤、11…PTP包装機、23…錠剤充填装置、31…ロータリドラム、32…収容凹部、41…錠剤供給シュート、42…供給通路、44…シャッタ、51…補助矯正部を構成する土手部、52…受け部、53…保留部、55…姿勢矯正部を構成する矯正壁部、57…吸引孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポケット部の形成された容器フィルムの搬送経路上に設けられ、外周に沿って所定間隔毎に収容凹部が形成されたロータリドラムと、
前記ロータリドラムの上部近傍又は上方に設けられ、外周面に少なくとも三つの角状部を有する非円形状の錠剤を一錠ずつ前記収容凹部に供給可能な錠剤供給シュートとを備え、
前記ロータリドラムの回転に伴って、前記錠剤供給シュートから供給された錠剤を前記収容凹部に収容して下方へと移送し、前記容器フィルムの前記ポケット部に充填するとともに、
前記収容凹部は、前記ロータリドラムの回転に伴って前記収容凹部に収容された錠剤がその自重に基づいて前記収容凹部内を変位する際に、当該錠剤の姿勢を前記ポケット部に充填するときの正しい姿勢である充填姿勢となるように矯正する姿勢矯正部を備える錠剤充填装置であって、
前記錠剤供給シュートから供給された錠剤が前記姿勢矯正部に至る前段階において、当該錠剤の姿勢を前記姿勢矯正部において姿勢が矯正され得る所定の準備姿勢となるように矯正する補助矯正部を備えることを特徴とする錠剤充填装置。
【請求項2】
ポケット部の形成された容器フィルムの搬送経路上に設けられ、外周に沿って所定間隔毎に収容凹部が形成されたロータリドラムと、
前記ロータリドラムの上部近傍又は上方に設けられ、外周面に少なくとも三つの角状部を有する非円形状の錠剤を一錠ずつ前記収容凹部に供給可能な錠剤供給シュートとを備え、
前記ロータリドラムの回転に伴って、前記錠剤供給シュートから供給された錠剤を前記収容凹部に収容して下方へと移送し、前記容器フィルムの前記ポケット部に充填する錠剤充填装置であって、
前記収容凹部は、
前記錠剤供給シュートから供給された錠剤の姿勢を所定の準備姿勢となるように矯正する補助矯正部と、
前記ロータリドラムの回転に伴って、前記補助矯正部において前記準備姿勢とされた錠剤が、その自重に基づいて前記収容凹部内を変位する際に、当該錠剤の姿勢を前記ポケット部に充填するときの正しい姿勢である充填姿勢となるように矯正する姿勢矯正部とを備え、
前記補助矯正部は、前記ロータリドラムの軸方向に対して斜めに交わる方向へ傾斜する案内面を少なくとも一つ備え、錠剤を前記補助矯正部上に載せることで、錠剤は、その自重に基づいて前記案内面にて案内されつつ傾動して前記準備姿勢となることを特徴とする錠剤充填装置。
【請求項3】
前記収容凹部は、前記補助矯正部が形成された受け部と、錠剤を収容可能な保留部とに区分され、
前記ロータリドラムの回転に伴い、前記錠剤供給シュートから供給された錠剤が前記受け部から前記保留部へと変位するとともに、前記保留部に収容された錠剤の姿勢が前記姿勢矯正部において矯正される構成であって、
錠剤は、その表面及び裏面が前記ロータリドラムの軸方向とほぼ平行し、かつ、その外周面の少なくとも一部が前記ロータリドラムの外周面と対向する姿勢で前記錠剤供給シュートから供給されるとともに、前記受け部から前記保留部へと変位する際に、錠剤の表面又は裏面が前記保留部の底面と当接するようにして傾倒し、前記保留部に収容されることを特徴とする請求項1又は2に記載の錠剤充填装置。
【請求項4】
前記姿勢矯正部は、前記ロータリドラムの回転方向に対して直交する壁面によって構成され、
錠剤は、前記補助矯正部において、錠剤の角状部と当該錠剤の重心とが鉛直方向に沿って一直線上に並ばないように回動変位することで前記準備姿勢となることを特徴とする請求項3に記載の錠剤充填装置。
【請求項5】
前記補助矯正部は、傾斜方向が逆向きとなる案内面を前記ロータリドラムの軸方向において連続して二つ備えることで断面山状をなすとともに、前記両案内面の境界線が前記ロータリドラムの回転方向に沿って延びることを特徴とする請求項4に記載の錠剤充填装置。
【請求項6】
前記保留部は、前記ロータリドラムの回転方向において前記受け部の上流側に位置し、錠剤が前記錠剤供給シュートから供給されてから前記保留部に収容されるまでの間は、錠剤の前記ロータリドラムの回転方向における移動が規制されることで、前記錠剤が前記受け部から前記保留部へと相対移動することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の錠剤充填装置。
【請求項7】
前記錠剤供給シュートは、最下部に前記ロータリドラムに向けて開口した開口部を有し、錠剤を一列に積載状態で貯留可能な供給通路と、前記供給通路に貯留されている錠剤を押えて支持することの可能なシャッタとを備えるとともに、前記開口部から前記ロータリドラムの外周面までの距離が、錠剤の厚みよりも短くなるように設置され、
前記シャッタを錠剤から離し、前記供給通路に貯留されていた錠剤のうち一番下側の錠剤を前記ロータリドラムに当接させるとともに、前記ロータリドラムに当接した錠剤に対して当接状態で隣接する次の錠剤を前記シャッタで押さえることを特徴とする請求項6に記載の錠剤充填装置。
【請求項8】
前記補助矯正部は前記ロータリドラムの外周面よりもロータリドラムの内周側において形成され、
前記錠剤供給シュートの開口部から導出された錠剤は、前記ロータリドラムの回転方向において隣接する前記収容凹部同士の間に位置する前記ロータリドラムの外周面に投下されることを特徴とする請求項7に記載の錠剤充填装置。
【請求項9】
前記錠剤供給シュートは、前記ロータリドラムの回転方向において当該ロータリドラムの頂上よりも下流側に配置されていることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の錠剤充填装置。
【請求項10】
前記姿勢矯正部において充填姿勢とされた錠剤を保持する保持手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の錠剤充填装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の錠剤充填装置を備えてなるPTP包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−184196(P2008−184196A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20423(P2007−20423)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】