閉塞装置
【課題】可膨張式チャンバにおけるリークが生じた場合、可膨張式チャンバ内の流体が圧力により減圧チャンバ又は真空チャンバに流入することを防止しうる汎用的な装置を提供する。
【解決手段】本発明の閉塞装置は、可動に支持されている閉塞要素(1)と、貫通開口部(3)がチャンバウォールに適合するように構成されている基体(2)と、可膨張式チャンバ(6)を有し、閉位置において閉塞要素(1)とシート(4)との間に介在して閉塞用素(1)をシート(4)に対して密封する弾性シール部材(5)と、を備えている。弾性シール部材(5)が、可膨張式チャンバ(6)にリークが生じた場合に流体を受容する補助チャンバ(7)を備えている。
【解決手段】本発明の閉塞装置は、可動に支持されている閉塞要素(1)と、貫通開口部(3)がチャンバウォールに適合するように構成されている基体(2)と、可膨張式チャンバ(6)を有し、閉位置において閉塞要素(1)とシート(4)との間に介在して閉塞用素(1)をシート(4)に対して密封する弾性シール部材(5)と、を備えている。弾性シール部材(5)が、可膨張式チャンバ(6)にリークが生じた場合に流体を受容する補助チャンバ(7)を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉塞装置に関する。
【背景技術】
【0002】
減圧チャンバ及び真空チャンバのそれぞれが、減圧環境及び真空環境のそれぞれにおける製造又は処理工程を実施するためによく用いられている。処理対象であるワークピースを減圧チャンバ又は真空チャンバに挿入するため、処理対象物が挿入された後、減圧チャンバ又は真空チャンバが減圧状態又は真空状態にされる前に再び閉塞される開口部がウォールに設けられる必要がある。
【0003】
汎用的な装置が減圧チャンバ及び真空チャンバのそれぞれのチャンバウォールの開口部を適当に閉塞するために用いられている。当該装置は、閉塞要素の開状態において処理対象物が減圧チャンバ又は真空チャンバに挿入されうるのみならず、そこから取り外されている必要があるのはもちろんである。汎用的な装置は複数の部品により構成され、チャンバのウォールに適当に取り付けられている。
【0004】
一方、構成要素及び基体のうち一方又は両方をチャンバウォールに対して直接的に一体化することも可能である。チャンバウォールに構成要素を一体化するのと同様に取り付けることにより、装置の貫通開口部がチャンバウォールの開口部に対して合致した場合、閉塞要素が閉位置にあるとき、処理対象であるワークピースは貫通開口部を通じて装置に案内され、開口部を介してチャンバに案内される。閉塞要素の閉位置において、貫通開口部及びチャンバウォールの開口部はともに完全に閉塞される。
【0005】
この種の閉塞要素としては、さまざまなものが存在する。この種の汎用的な構成要素として、閉塞要素及びシートの間に介在して閉塞要素をシートに対して密封し、可膨張式チャンバを構成する弾性シール部材が知られている。このいわゆる膨張シール部材は、当接先であるシートにおける凹凸を補償することができるという利点がある。さらに、閉塞要素をシートに近づける方向及び遠ざける方向に動かす必要がなく、汎用要素の機械的構造を簡素化できるという利点もある。
【0006】
減圧チャンバ及び真空チャンバのそれぞれに適用されるさまざまな膨張シール部材が知られている。例えば、真空チャンバの蓋部が、膨張シールを介して当該真空チャンバの残りのウォールに対して取り付けられる(特許文献1〜3参照)。真空チャンバを密閉するために可膨張式のシール部材が用いられる電子ビーム処理用の装置が知られている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許公報 US5,772,950A
【特許文献2】米国特許公開公報 US2004/0123916A1
【特許文献3】英国特許公報 GB1530977A
【特許文献4】米国特許公報 US4,080,526A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、膨張シール部材によれば、特にエイジング処理等に際してシール部材の可膨張式チャンバのウォールがリークを誘発する程度に損傷し、シール部材を膨張させるための流体が処理過程において減圧チャンバ又は真空チャンバに流入してしまう。これにより、減圧チャンバ又は真空チャンバにおける処理が阻害されるのみならず、圧力差が高くなり処理対象物が損傷し、減圧チャンバ又は真空チャンバそのものが劣化又は損傷する。
【0009】
そこで、本発明は、可膨張式チャンバにおけるリークが生じた場合、可膨張式チャンバ内の流体が圧力により減圧チャンバ又は真空チャンバに流入することを防止しうる汎用的な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールにおける開口部を閉塞するための装置であって、可動に支持されている一又は複数の閉塞要素と、貫通開口部と、前記貫通開口部を包囲する一又は複数のシートとを有し、前記貫通開口部が前記チャンバウォールに合致するように構成されている一又は複数の基体と、前記貫通開口部が前記閉塞要素により開放されている前記閉塞要素の一又は複数の開位置と、前記貫通開口部が前記閉塞要素により完全に閉塞されている前記閉塞要素の一又は複数の閉位置と、可膨張式チャンバを有し、前記閉位置において前記閉塞要素と前記シートとの間に介在して前記閉塞要素を前記シートに対して密封する一又は複数の弾性シール部材とを備えている閉塞装置に関する。
【0011】
本発明の目的は、前記弾性シール部材が、前記可膨張式チャンバに加えて、前記可膨張式チャンバにリークが生じた場合に前記可膨張式チャンバからの流体を受容する一又は複数の補助チャンバをさらに備えている閉塞装置により達成される。
【0012】
本発明の思想によれば、シール部材に設けられている一又は複数の付加的なチャンバ、すなわち補助チャンバが、可膨張式チャンバのウォールにリークが生じた場合、可膨張式チャンバから流出した流体が真空チャンバ又は減圧チャンバに流れ込まないように、当該流体を収容することができる。当該思想によれば、一又は複数の補助チャンバが弾性シール部材に直接的に設けられている。一又は複数の補助チャンバが可膨張式チャンバに近接して配置されていることが好ましい。
【0013】
前記可膨張式チャンバが、前記シール部材の一又は複数の中間ウォールによって前記一又は複数の補助チャンバから隔離されていることが好ましい。所定の破壊点(breaking point)が、可膨張式チャンバ及び補助チャンバの間に存在する中間ウォールに設けられていることが好ましい。所定の破壊点は、可膨張式チャンバにリークが当該破壊点において生じるように構成されていることが好ましい。
【0014】
所定の破壊点とは、通常動作時に破壊が生じることを意味するのではなく、破壊が生じるような不測の事態に際して、当該破壊が少なくとも所定箇所、すなわち所定の破壊点で生じることを意味する。これは、所望の形態である箇所が脆弱化され、このような不測の事態が生じた場合、当該箇所で破損が生じることを意味する。
【0015】
これは、前記可膨張式チャンバが、前記シール部材の前記中間ウォール及び他のウォールにより包囲され、前記中間ウォールが前記他のウォールより部分的に弱く、付加的又は代替的に薄く構成されていることにより実現される。前記一又は複数の補助チャンバが、前記シール部材の前記中間ウォール及び縦エクステリアウォールにより画定されていてもよい。
【0016】
本発明の弾性シール部材は、前記のように一又は複数の補助チャンバを備えている。複数の補助チャンバがシール部材に一体化されていることが好ましい。可膨張式チャンバが、複数の反対側のそれぞれにおいて補助チャンバにより包囲されていることが好ましい。可膨張式チャンバの周囲の補助チャンバの対称的な構成は、
当該可膨張式チャンバの膨張過程において膨張シール部材が最も対称的に拡張するという観点から有利である。
【0017】
可膨張式チャンバが完全に補助チャンバの中空チャンバの内側に配置されてもよい。このため、可膨張式チャンバ及び補助チャンバの間の中間ウォールが、可膨張式チャンバ又は可膨張式チャンバの中空スペースを完全に包囲するように設けられてもよい。例えば、可膨張式チャンバが、チューブ状に構成されている中間ウォールにより包囲され、かつ、補助チャンバの中空空間に配置されてもよい。
【0018】
説明の簡単のため、一又は複数の補助チャンバについてのみ考慮に入れる。一又は複数の補助チャンバが弾性シール部材に設けられている場合も同様である。
【0019】
明確化のため「可膨張式」が、通常、拡張可能なチャンバを意味することを指摘しておく。可膨張式は、圧縮空気等の圧縮気体又は混合気体の導入による気圧式により実現されてもよく、これに代えて圧縮液体又は混合液体の導入による液圧式により実現されてもよい。可膨張式チャンバに導入された一定圧の気体又は液体は、閉塞要素が開位置に移動する前に排出される。
【0020】
本発明の閉塞装置は、通常、複数の閉位置及び複数の中間位置のうち一方又は両方を有している。1つの最大開位置が存在する。最大開位置は貫通開口部が完全に開放されている場合に実現される。最大開位置は、閉塞要素が貫通開口部に完全に重なっていない位置に動かされたときに実現される。当該位置において、処理対象であるワークピースをチャンバウォールの開口部を通じて減圧チャンバ又は真空チャンバに導入する又は減圧チャンバ又は真空チャンバから導出するために、貫通開口部の全面積が有効となる。
【0021】
閉塞要素が貫通開口部の一部に重なっている状態で、閉塞要素が最大開位置に到達していてもよい。本発明の閉塞装置は、液体又は気体の遮断及び流通のためのバルブとして構成され、或いは適用されてもよい。
【0022】
本発明の閉塞装置によれば、前記のように閉塞要素を動かすための構造が簡単であるという利点がある。例えば、当該駆動機構は、貫通開口部が完全に閉塞されるように閉塞要素を動かし、付加的又は代替的にその反対方向に閉塞要素を動かす。弾性シール部材又はその可膨張式チャンバを膨張させることにより、閉塞要素をシートに近接する方向等にそれ以上動かすことなく最終的な閉位置が実現され、密封(シーリング)が実現される。シートは、通常、シール面を有するシール部材に対して密封する基体又は閉塞要素のシール面として機能する。
【0023】
流入口の閉塞後においてチャンバの内側が大気圧よりも低圧に減圧される場合、減圧チャンバについても勘案される。真空チャンバはその内部気圧が10-2[mbar]以下、特に10-3[mbar]以下であることを意味する。
【0024】
シール部材が一体的に構成されていることが好ましい。シール部材のすべてのウォールが一体的に相互に接続されていることが好ましい。十分な弾性を実現するため、シール部材又はウォールは、部分的に又は全体的に一又は複数種類のエラストマーにより構成されている。エラストマーとしては、例えばフルオロゴム(FKM)、フルオロカーボンゴム、パーフルオロゴム(FFKM)、ニトリルゴム(NBR)又はエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)が採用されうる。これに代えて、シール部材又はウォールが、所望の弾性を実現するため、部分的に一又は複数種類のエラストマーにより構成され、或いは全体的に一又は複数種類のプラスティックにより構成されていてもよい。
【0025】
本発明のさらなる詳細及び特徴は以下の図面に示されている本発明の実施形態によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の閉塞装置の正面図。
【図2】図1の閉塞装置の側面図。
【図3】図2のA−A線に沿った縦断面図。
【図4】閉塞要素が最大開口状態にあるときの図3に相当する縦断面図。
【図5】図3のB部分拡大図。
【図6】図5のC−C線に沿った横断面図。
【図7】図5のD−D線に沿った横断面図。
【図8】図5のE−E線に沿った横断面図。
【図9】図3のF−F線に沿った横断面。
【図10】閉塞要素のリニアドライバの動作説明図。
【図11】弾性シール部材の可膨張式チャンバの膨張の様子の説明図。
【図12】図6の断面図に相当する本発明の第2実施形態の詳細説明図。
【図13】図8の断面図に相当する本発明の第2実施形態の詳細説明図。
【図14】本発明の他の実施形態におけるシール部材の横断面図。
【図15】本発明の他の実施形態におけるシール部材の横断面図。
【図16】本発明の他の実施形態におけるシール部材の横断面図。
【図17】本発明の他の実施形態におけるシール部材の縦断面図。
【図18】本発明の他の実施形態におけるシール部材の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の第1実施形態としての閉塞装置が図1〜図11に示されている。図1は前方からみた本発明の装置を示している。第1実施形態では、まず閉塞装置が別々の部品として製造された上で、組立フランジ18とともに減圧チャンバ又は真空チャンバ(図示略)に搭載される。閉塞要素1により貫通開口部3が開閉されることにより減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールの開口部が開閉されるように、貫通開口部3が減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールの開口部に合致するように装置が組み立てられる。これに代えて、貫通開口部3それ自体が減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールの開口部を構成するように又は合致するように、基体2が減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールに取り付けられてもよい。
【0028】
図1、図2及び図3において、閉塞要素1は閉位置にあり、シール部材5(図示略)とともに貫通開口部3を完全に密閉する。図4は、閉塞要素1が最大の開位置にあるときの図3と同様の装置の断面図を示している。この位置において、閉塞要素1は、シート4により包囲されている貫通開口部3に合致していない。換言すると、閉塞要素1及び貫通開口部3は最大開位置において合致しておらず、通常は相互にまったく重ならないように配置されている。これにより、処理対象であるワークピース及び流体が貫通開口部3を通じて減圧チャンバ又は真空チャンバに搬入又はそこから搬出される際に貫通開口部3の全開口面積が有効活用される。
【0029】
第1実施形態において、閉塞要素1は図3及び図4のそれぞれに示されている一の間で直線的に変位する。そのために、閉塞要素1は、ピストンロッド様のアクチュエータアーム17により支持されている。リニアドライバ19のシリンダにおいて案内されながら動くピストン20がアクチュエータアーム17と相互作用する。
【0030】
アクチュエータアーム17、ひいては閉塞要素1を駆動するため、所望の動作方向に応じて、シリンダチャンバ26又は27が圧力により作用する。そのために、シリンダチャンバ26及び27が、それぞれの圧力ライン25に接続されている。本実施形態におけるリニアドライバ19は気圧駆動式又は油圧駆動式を採用している。
【0031】
リニアドライバ19のための気圧又は油圧回路図が図10に示されている。圧力源16’には少なくとも1種のガス又は液体等の流体が一定圧力下で蓄積されている。アクチュエータアーム17の動作方向及び閉塞要素1の運動方向に応じて、切替バルブ15’によりシリンダチャンバ26又は27に圧力が作用する。シリンダチャンバ26又は27に圧力が作用するとき、相手方のチャンバ27又は26から流体が排出されるように、各チャンバはそれぞれの切替バルブ15’を介して圧力排出部30に接続されている。これにより、明らかなように、閉塞要素1はアクチュエータアーム17とともに、図3及び図4のそれぞれに示されている2つの端位置の間で前進又は後退する。
【0032】
前記実施形態とは別に、説明されたリニアドライバ19に代えてあらゆる公知のリニアドライバが採用されてもよい。本発明は、閉塞要素1がアクチュエータアーム17とともに単純な揺動又は直線的変位と揺動との重ね合わせ運動を行い、付加的又は代替的に適当に変位可能、揺動可能、又は変位かつ揺動可能な形態で支持されているような閉塞装置において用いられる。
【0033】
本実施形態では、閉塞要素1が閉塞プレート又は閉塞シールドの形態で構成されているが、他の形態で構成されていてもよい。
【0034】
図1〜図11に示されている本発明の第1実施形態によれば、弾性シール部材5に対する流体供給及び排出手段として必要とされる流体ダクト21及び22が、後述するようにアクチュエータアーム17の内部に少なくとも部分的に延設されているという利点がある。これにより、弾性シール部材に対する流体供給及び排出の問題が非常に簡単に解決される。
【0035】
図3及び図4には弾性シール状部材5それ自体は示されていない。配置関係を示すため、本実施形態における弾性シール部材5の環状に閉塞する過程が図3及び図4に破線により示されている。本発明の第1実施形態における弾性シール部材5を説明するため、供給及び排出ラインが図5〜図8に示されている。
【0036】
図5は図3のB部分を拡大して詳細に示している。図6〜図8のそれぞれは、図5の断面に対して直交する又は垂直に配置されている断面を示している。これらの断面は、本発明の第1実施形態における弾性シール部材5を含んでいる。図6の断面図は図5のC−C線に沿った断面図であるため、流体チャンネル21を通じて可膨張式チャンバ6に連通する部分を示している。図7は図5のD−D線に沿った、流体チャンネル21及び22の間の領域における断面図を示している。この断面レベルにおいて、流体流入口10又は流体流出口11は存在しない。図8は図5のE−E線に沿った、補助チャンバ7及び流体流出口11のうち一方又は両方に連通する第2流体チャンネル22を通じた断面図である。
【0037】
本実施形態では2つのシール部材5が閉塞要素1に設けられ、基体2の2つの対向するシート4のそれぞれから閉塞要素1を密封する。これにより、可膨張式チャンバ6の膨張過程において、閉塞要素1が装置又はアクチュエータアーム17の縦中心軸に沿って簡単に中心にとどめることができる。また、二重の密封が実現される。これは、付加的な実施形態に関して後述するように、公的な実施形態においてのみ採用される。
【0038】
図6及び図8の断面図においてシール部材5は非膨張状態であることを指摘しておく。この状態において、シール部材5は閉塞要素1をシート4に対して密封していない。したがって、シール面13はシート4に接触していない。その一方、図7は、各シール部材5がシート4に押し付けられ、閉塞要素1をシート4及び基体2のうち一方又は両方に対して密封し、閉位置にあるのと等価な状態におけるシール部材5を可膨張式チャンバ6とともに示している。
【0039】
図3及び図4に示されているように、弾性シール部材5は閉じた環状シール部材である。本実施形態において当該シール部材はチューブ様に構成されている。可膨張式チャンバ6及び補助チャンバ7は環状であり、流体流入口10又は流体流出口11を除いて閉じた構成とされている。各シール部材5は、基体2のシート4に当接するシール面13を有するフロントウォール12を備えている。各シール部材5は、閉塞要素1に当接するリアウォール14と、補助チャンバ7及び可膨張式チャンバ6の間に一又は複数の中間ウォール8とを備えている。
【0040】
本実施形態において、シール部材5は、閉塞要素1においてリアウォールに対して固定されている。これにより、弾性シール部材5は、閉塞要素1に対して取り付けられている。当該構成は必須のものではない。シール部材5が基体2の一又は複数のシート4に固定され、シール部材5又はその可膨張式チャンバ6の膨張過程において、シート4のシール面13が閉塞要素1の相応のシートに対して押し付けられる。
【0041】
可膨張式チャンバ6及び補助チャンバ7を区画する中間ウォール8は、可膨張式チャンバ6にリークが生じたとき、可膨張式チャンバ6の内部の一定圧力の流体が補助チャンバ7の1つに限定的に流入し、真空チャンバ又は減圧チャンバ(図示略)に到達させないような一種の破壊点を構成する。そのために、可膨張式チャンバ6は、好ましくはフロントウォール12及びリアウォール1並びに一又は複数の中間ウォール8により閉鎖的又は完全に包囲され、中間ウォール8は、フロントウォール12及びリアウォール14よりの局所的に脆弱に又は薄くなるように構成されている。
【0042】
図11に示されているように可膨張式チャンバ6を膨張させ、かつ、シール部材5及びシール面13をシート4に対して押し付けるため、可膨張式チャンバ6は圧力源16の切替バルブ15を介して流体通路に連通している。シール部材5の領域における詳細な構成が図6に示されている。本実施形態における流体通路は、可膨張式チャンバ6が流体流入口10を介して流体チャンネル21に接続されることにより構成される。
【0043】
図11に示されているように切替バルブ15に対する連結部23が流体チャンネル21の他端に設けられ、流体チャンネル21は圧力源16に連通している。図11の切替状態において、可膨張式チャンバ6は圧力排出部30に連通している。切替バルブ15の当該切替位置において、高圧流体が可膨張式チャンバ6から排出される。流体流入口10は流体流出口として機能する。切替バルブ15が他方の切替位置にあるとき、可膨張式チャンバ6は圧力源16に連通している。シール面13がシート4に対して適当な圧力で押し付けられるまで可膨張式チャンバ6が膨張するように、当該位置において高圧流体は、基体及び液体の別を問わずに可膨張式チャンバ6の内部を昇圧させる。
【0044】
可膨張式チャンバ6の昇圧状態において中間ウォール8にリークが生じた場合、高圧流体は各補助チャンバ7に流れ込む。両方の補助チャンバ7は流体流出口11を介して第2流体チャンネル22に対して接続されている。当該チャンネルは他端側に可膨張式チャンバ6から流出した流体が雰囲気に流出しうる開放端24を有している。このため、少なくとも1つの補助チャンバ7が流体流出口11を介して、減圧チャンバ又は真空チャンバの外側にある外部空間に対して連通していることが好ましい。
【0045】
本実施形態において大気圧は開放端24及び補助チャンバ7において実現される。第2流体チャンネル22及び補助チャンバ7のうち一方又は両方が、圧力が相違する高圧容器又は減圧容器に対して接続されてもよい。可膨張式チャンバ6から流出した適当量の流体を収容できる程度に補助チャンバ7が大容量である場合、補助チャンバ7が完全に閉塞された構成とされ、流体流出口11が省略されてもよい。
【0046】
第1実施形態では2つの可膨張式シール部材5が閉塞要素1に設けられ、反対方向に駆動されたが、本発明の第2実施形態によれば、図12及び図13に示されているように環状の膨張可能な自己完備式のシール部材5が1つだけ閉塞要素1に設けられている。図12及び図13は、図6及び図8と同様に相違が明確になるように詳細部分のみを示している。本発明の第2実施形態としての閉塞装置のその余の構成は、第1実施形態と同様に構成されている。
【0047】
閉塞要素1を他方側に適当に支持するため支持部材31が設けられている。シール部材5の可膨張式チャンバ6が膨張するとき、閉塞装置の基体2の支持部材又は突出部材31により閉塞要素1が適当に支持されるため、シール面13の押し付けによりシール部材5によって基体2及び閉塞要素1が密封される。
【0048】
支持部材31は他の構成であってもよい。アクチュエータアーム17の適度に硬質の支持部材が適用されることにより、シール部材5の膨張過程においてアクチュエータアーム17が十分に強い抗力を生じる場合、支持部材31が省略されてもよい。補助チャンバ7に対する流体の供給及び排出は第1実施形態と同様に実現されるので、説明を繰り返さない。シール部材の全体的な連結は第1実施形態と同様である。
【0049】
図14及び図15は、可膨張式チャンバ6及び補助チャンバ7とともにシール部材5の他の実施形態を示している。連結部、流体流入口10及び流体流出口11は図示されていないが、第1実施形態と同様に構成されている。可膨張式チャンバ6及び補助チャンバ7のそれぞれの中間に配置されている中間ウォール8が最も脆弱又は薄いウォールであり、破壊点を構成することが好ましい。これは、図14及び図15から明らかなように、可膨張式チャンバ6の膨張及び収縮過程においてウォール8及び9が屈曲又は回転する場合に特に重要である。
【0050】
前記実施形態において補助チャンバ7は可膨張式チャンバ6の両側に対称的に配置されていたが、図16は可膨張式チャンバ6の一方側のみに配置されている変形実施形態が示されている。中間ウォール8にリークが生じた場合、高圧流体が可膨張式チャンバ6から補助チャンバ7に流れ込み、減圧チャンバ又は真空チャンバに流れ込まないように、右縦エクステリアウォール9は、フロントウォール12及びリアウォール14とともに、中間ウォール8よりも相当に堅固に構成されている。図16における流体流入口10及び流体流出口11は、他の実施形態と同様に構成されている。
【0051】
図17は本発明の他の実施形態の装置におけるシール部材5の断面図を示し、図18はその縦断面図を示している。当該他の実施形態において、可膨張式チャンバは補助チャンバの中空チャンバの内側に配置されている。可膨張式チャンバ6及び補助チャンバ7の間にある中間ウォール8は、可膨張式チャンバ6又は可膨張式チャンバ6の中空空間を完全に囲んでいる。可膨張式チャンバ6はチューブ状に構成されている中間ウォール8により包囲され、かつ、その全体が補助チャンバ7の中空空間の内側に配置されている。
【0052】
可膨張式チャンバ6を包囲する中間ウォール8が内側チューブとして構成され、好ましくは縦エクステリアウォール9を構成するエクステリアウォール29、並びに補助チャンバ7を包囲するフロントウォール12及びリアウォール14が外側チューブとして構成され、かつ、内側チューブが好ましくは完全に外側チューブの内側に配置されている、いわゆるチューブ・イン・チューブ配置であってもよい。
【0053】
中間ウォール8がエクステリアウォール29に癒着することを防止するため、中間ウォール8の外側の間隙を確保し、付加的又は代替的にエクステリアウォール29の内側の空間を確保する構成部材28が中間ウォール8に設けられていてもよい。構成部材28は、節状、網状又は棒状の部材であってもよい。シール面13は、このシール部材5の補助チャンバ7のエクステリアウォール29に位置し、これにより可膨張式チャンバ6の膨張過程においてシール部材5が基体2のシート4に対して押し付けられる。
【0054】
図18の縦断面において示されている流体流入口10は、流体チャンネル21及び22と同様に、可膨張式チャンバ6の流体流出口11及びこれに隣接して配置されている補助チャンバ7の流体流出口11として機能する。
【0055】
図14〜図18のそれぞれに示されているすべてのシール部材5が、図1〜図12に示されている本発明の実施形態としての閉塞装置に実装されてもよく、又はそこに示されているシール部材5と置換されてもよい。もちろん、本発明にしたがって前記実施形態とは異なる実施形態が実現されうる。
【0056】
最後に、本発明の目的を勘案して、本発明それ自体にしたがった構成のみならず、少なくとも1つの本発明の装置を備える減圧チャンバ及び真空チャンバのそれぞれが構成されうることを指摘しておく。シール部材5及びそのシール面13のうち一方又は両方をシート4に対して適度に密に押し付けるため、可膨張式チャンバ6が10[bar]以下の圧力で用いられてもよい。
【0057】
シール面13及びシール部材5のうち一方又は両方のストロークは1〜5[mm]であってもよく、好ましくは1〜3[mm]である。本発明によれば、減圧チャンバ又は真空チャンバ用の多くの閉塞装置に要求される閉塞要素のL字形状の通路に代えて、閉塞要素の直線的な変位又は揺動を必要とするのみであるという利点もある。
【符号の説明】
【0058】
1‥閉塞要素、2‥基体、3‥貫通開口部、4‥シート、5‥シール部材、6‥可膨張式チャンバ、7‥補助チャンバ、8‥中間ウォール、9‥縦エクステリアウォール、10‥流体流入口、11‥流体流出口、12‥フロントウォール、13‥シール面、14‥リアウォール、15,15’‥切替バルブ、16,16’‥圧力源、17‥アクチュエータアーム、18‥組立フランジ、19‥リニア装置、20‥ピストン、21‥第1流体チャンネル、22‥第2流体チャンネル、23‥接続部、24‥開口端部、25‥圧力ライン、26‥第1シリンダチャンバ、27‥第2シリンダチャンバ、28‥構成部材、29‥エクステリアウォール。
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉塞装置に関する。
【背景技術】
【0002】
減圧チャンバ及び真空チャンバのそれぞれが、減圧環境及び真空環境のそれぞれにおける製造又は処理工程を実施するためによく用いられている。処理対象であるワークピースを減圧チャンバ又は真空チャンバに挿入するため、処理対象物が挿入された後、減圧チャンバ又は真空チャンバが減圧状態又は真空状態にされる前に再び閉塞される開口部がウォールに設けられる必要がある。
【0003】
汎用的な装置が減圧チャンバ及び真空チャンバのそれぞれのチャンバウォールの開口部を適当に閉塞するために用いられている。当該装置は、閉塞要素の開状態において処理対象物が減圧チャンバ又は真空チャンバに挿入されうるのみならず、そこから取り外されている必要があるのはもちろんである。汎用的な装置は複数の部品により構成され、チャンバのウォールに適当に取り付けられている。
【0004】
一方、構成要素及び基体のうち一方又は両方をチャンバウォールに対して直接的に一体化することも可能である。チャンバウォールに構成要素を一体化するのと同様に取り付けることにより、装置の貫通開口部がチャンバウォールの開口部に対して合致した場合、閉塞要素が閉位置にあるとき、処理対象であるワークピースは貫通開口部を通じて装置に案内され、開口部を介してチャンバに案内される。閉塞要素の閉位置において、貫通開口部及びチャンバウォールの開口部はともに完全に閉塞される。
【0005】
この種の閉塞要素としては、さまざまなものが存在する。この種の汎用的な構成要素として、閉塞要素及びシートの間に介在して閉塞要素をシートに対して密封し、可膨張式チャンバを構成する弾性シール部材が知られている。このいわゆる膨張シール部材は、当接先であるシートにおける凹凸を補償することができるという利点がある。さらに、閉塞要素をシートに近づける方向及び遠ざける方向に動かす必要がなく、汎用要素の機械的構造を簡素化できるという利点もある。
【0006】
減圧チャンバ及び真空チャンバのそれぞれに適用されるさまざまな膨張シール部材が知られている。例えば、真空チャンバの蓋部が、膨張シールを介して当該真空チャンバの残りのウォールに対して取り付けられる(特許文献1〜3参照)。真空チャンバを密閉するために可膨張式のシール部材が用いられる電子ビーム処理用の装置が知られている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許公報 US5,772,950A
【特許文献2】米国特許公開公報 US2004/0123916A1
【特許文献3】英国特許公報 GB1530977A
【特許文献4】米国特許公報 US4,080,526A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、膨張シール部材によれば、特にエイジング処理等に際してシール部材の可膨張式チャンバのウォールがリークを誘発する程度に損傷し、シール部材を膨張させるための流体が処理過程において減圧チャンバ又は真空チャンバに流入してしまう。これにより、減圧チャンバ又は真空チャンバにおける処理が阻害されるのみならず、圧力差が高くなり処理対象物が損傷し、減圧チャンバ又は真空チャンバそのものが劣化又は損傷する。
【0009】
そこで、本発明は、可膨張式チャンバにおけるリークが生じた場合、可膨張式チャンバ内の流体が圧力により減圧チャンバ又は真空チャンバに流入することを防止しうる汎用的な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールにおける開口部を閉塞するための装置であって、可動に支持されている一又は複数の閉塞要素と、貫通開口部と、前記貫通開口部を包囲する一又は複数のシートとを有し、前記貫通開口部が前記チャンバウォールに合致するように構成されている一又は複数の基体と、前記貫通開口部が前記閉塞要素により開放されている前記閉塞要素の一又は複数の開位置と、前記貫通開口部が前記閉塞要素により完全に閉塞されている前記閉塞要素の一又は複数の閉位置と、可膨張式チャンバを有し、前記閉位置において前記閉塞要素と前記シートとの間に介在して前記閉塞要素を前記シートに対して密封する一又は複数の弾性シール部材とを備えている閉塞装置に関する。
【0011】
本発明の目的は、前記弾性シール部材が、前記可膨張式チャンバに加えて、前記可膨張式チャンバにリークが生じた場合に前記可膨張式チャンバからの流体を受容する一又は複数の補助チャンバをさらに備えている閉塞装置により達成される。
【0012】
本発明の思想によれば、シール部材に設けられている一又は複数の付加的なチャンバ、すなわち補助チャンバが、可膨張式チャンバのウォールにリークが生じた場合、可膨張式チャンバから流出した流体が真空チャンバ又は減圧チャンバに流れ込まないように、当該流体を収容することができる。当該思想によれば、一又は複数の補助チャンバが弾性シール部材に直接的に設けられている。一又は複数の補助チャンバが可膨張式チャンバに近接して配置されていることが好ましい。
【0013】
前記可膨張式チャンバが、前記シール部材の一又は複数の中間ウォールによって前記一又は複数の補助チャンバから隔離されていることが好ましい。所定の破壊点(breaking point)が、可膨張式チャンバ及び補助チャンバの間に存在する中間ウォールに設けられていることが好ましい。所定の破壊点は、可膨張式チャンバにリークが当該破壊点において生じるように構成されていることが好ましい。
【0014】
所定の破壊点とは、通常動作時に破壊が生じることを意味するのではなく、破壊が生じるような不測の事態に際して、当該破壊が少なくとも所定箇所、すなわち所定の破壊点で生じることを意味する。これは、所望の形態である箇所が脆弱化され、このような不測の事態が生じた場合、当該箇所で破損が生じることを意味する。
【0015】
これは、前記可膨張式チャンバが、前記シール部材の前記中間ウォール及び他のウォールにより包囲され、前記中間ウォールが前記他のウォールより部分的に弱く、付加的又は代替的に薄く構成されていることにより実現される。前記一又は複数の補助チャンバが、前記シール部材の前記中間ウォール及び縦エクステリアウォールにより画定されていてもよい。
【0016】
本発明の弾性シール部材は、前記のように一又は複数の補助チャンバを備えている。複数の補助チャンバがシール部材に一体化されていることが好ましい。可膨張式チャンバが、複数の反対側のそれぞれにおいて補助チャンバにより包囲されていることが好ましい。可膨張式チャンバの周囲の補助チャンバの対称的な構成は、
当該可膨張式チャンバの膨張過程において膨張シール部材が最も対称的に拡張するという観点から有利である。
【0017】
可膨張式チャンバが完全に補助チャンバの中空チャンバの内側に配置されてもよい。このため、可膨張式チャンバ及び補助チャンバの間の中間ウォールが、可膨張式チャンバ又は可膨張式チャンバの中空スペースを完全に包囲するように設けられてもよい。例えば、可膨張式チャンバが、チューブ状に構成されている中間ウォールにより包囲され、かつ、補助チャンバの中空空間に配置されてもよい。
【0018】
説明の簡単のため、一又は複数の補助チャンバについてのみ考慮に入れる。一又は複数の補助チャンバが弾性シール部材に設けられている場合も同様である。
【0019】
明確化のため「可膨張式」が、通常、拡張可能なチャンバを意味することを指摘しておく。可膨張式は、圧縮空気等の圧縮気体又は混合気体の導入による気圧式により実現されてもよく、これに代えて圧縮液体又は混合液体の導入による液圧式により実現されてもよい。可膨張式チャンバに導入された一定圧の気体又は液体は、閉塞要素が開位置に移動する前に排出される。
【0020】
本発明の閉塞装置は、通常、複数の閉位置及び複数の中間位置のうち一方又は両方を有している。1つの最大開位置が存在する。最大開位置は貫通開口部が完全に開放されている場合に実現される。最大開位置は、閉塞要素が貫通開口部に完全に重なっていない位置に動かされたときに実現される。当該位置において、処理対象であるワークピースをチャンバウォールの開口部を通じて減圧チャンバ又は真空チャンバに導入する又は減圧チャンバ又は真空チャンバから導出するために、貫通開口部の全面積が有効となる。
【0021】
閉塞要素が貫通開口部の一部に重なっている状態で、閉塞要素が最大開位置に到達していてもよい。本発明の閉塞装置は、液体又は気体の遮断及び流通のためのバルブとして構成され、或いは適用されてもよい。
【0022】
本発明の閉塞装置によれば、前記のように閉塞要素を動かすための構造が簡単であるという利点がある。例えば、当該駆動機構は、貫通開口部が完全に閉塞されるように閉塞要素を動かし、付加的又は代替的にその反対方向に閉塞要素を動かす。弾性シール部材又はその可膨張式チャンバを膨張させることにより、閉塞要素をシートに近接する方向等にそれ以上動かすことなく最終的な閉位置が実現され、密封(シーリング)が実現される。シートは、通常、シール面を有するシール部材に対して密封する基体又は閉塞要素のシール面として機能する。
【0023】
流入口の閉塞後においてチャンバの内側が大気圧よりも低圧に減圧される場合、減圧チャンバについても勘案される。真空チャンバはその内部気圧が10-2[mbar]以下、特に10-3[mbar]以下であることを意味する。
【0024】
シール部材が一体的に構成されていることが好ましい。シール部材のすべてのウォールが一体的に相互に接続されていることが好ましい。十分な弾性を実現するため、シール部材又はウォールは、部分的に又は全体的に一又は複数種類のエラストマーにより構成されている。エラストマーとしては、例えばフルオロゴム(FKM)、フルオロカーボンゴム、パーフルオロゴム(FFKM)、ニトリルゴム(NBR)又はエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)が採用されうる。これに代えて、シール部材又はウォールが、所望の弾性を実現するため、部分的に一又は複数種類のエラストマーにより構成され、或いは全体的に一又は複数種類のプラスティックにより構成されていてもよい。
【0025】
本発明のさらなる詳細及び特徴は以下の図面に示されている本発明の実施形態によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の閉塞装置の正面図。
【図2】図1の閉塞装置の側面図。
【図3】図2のA−A線に沿った縦断面図。
【図4】閉塞要素が最大開口状態にあるときの図3に相当する縦断面図。
【図5】図3のB部分拡大図。
【図6】図5のC−C線に沿った横断面図。
【図7】図5のD−D線に沿った横断面図。
【図8】図5のE−E線に沿った横断面図。
【図9】図3のF−F線に沿った横断面。
【図10】閉塞要素のリニアドライバの動作説明図。
【図11】弾性シール部材の可膨張式チャンバの膨張の様子の説明図。
【図12】図6の断面図に相当する本発明の第2実施形態の詳細説明図。
【図13】図8の断面図に相当する本発明の第2実施形態の詳細説明図。
【図14】本発明の他の実施形態におけるシール部材の横断面図。
【図15】本発明の他の実施形態におけるシール部材の横断面図。
【図16】本発明の他の実施形態におけるシール部材の横断面図。
【図17】本発明の他の実施形態におけるシール部材の縦断面図。
【図18】本発明の他の実施形態におけるシール部材の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の第1実施形態としての閉塞装置が図1〜図11に示されている。図1は前方からみた本発明の装置を示している。第1実施形態では、まず閉塞装置が別々の部品として製造された上で、組立フランジ18とともに減圧チャンバ又は真空チャンバ(図示略)に搭載される。閉塞要素1により貫通開口部3が開閉されることにより減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールの開口部が開閉されるように、貫通開口部3が減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールの開口部に合致するように装置が組み立てられる。これに代えて、貫通開口部3それ自体が減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールの開口部を構成するように又は合致するように、基体2が減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールに取り付けられてもよい。
【0028】
図1、図2及び図3において、閉塞要素1は閉位置にあり、シール部材5(図示略)とともに貫通開口部3を完全に密閉する。図4は、閉塞要素1が最大の開位置にあるときの図3と同様の装置の断面図を示している。この位置において、閉塞要素1は、シート4により包囲されている貫通開口部3に合致していない。換言すると、閉塞要素1及び貫通開口部3は最大開位置において合致しておらず、通常は相互にまったく重ならないように配置されている。これにより、処理対象であるワークピース及び流体が貫通開口部3を通じて減圧チャンバ又は真空チャンバに搬入又はそこから搬出される際に貫通開口部3の全開口面積が有効活用される。
【0029】
第1実施形態において、閉塞要素1は図3及び図4のそれぞれに示されている一の間で直線的に変位する。そのために、閉塞要素1は、ピストンロッド様のアクチュエータアーム17により支持されている。リニアドライバ19のシリンダにおいて案内されながら動くピストン20がアクチュエータアーム17と相互作用する。
【0030】
アクチュエータアーム17、ひいては閉塞要素1を駆動するため、所望の動作方向に応じて、シリンダチャンバ26又は27が圧力により作用する。そのために、シリンダチャンバ26及び27が、それぞれの圧力ライン25に接続されている。本実施形態におけるリニアドライバ19は気圧駆動式又は油圧駆動式を採用している。
【0031】
リニアドライバ19のための気圧又は油圧回路図が図10に示されている。圧力源16’には少なくとも1種のガス又は液体等の流体が一定圧力下で蓄積されている。アクチュエータアーム17の動作方向及び閉塞要素1の運動方向に応じて、切替バルブ15’によりシリンダチャンバ26又は27に圧力が作用する。シリンダチャンバ26又は27に圧力が作用するとき、相手方のチャンバ27又は26から流体が排出されるように、各チャンバはそれぞれの切替バルブ15’を介して圧力排出部30に接続されている。これにより、明らかなように、閉塞要素1はアクチュエータアーム17とともに、図3及び図4のそれぞれに示されている2つの端位置の間で前進又は後退する。
【0032】
前記実施形態とは別に、説明されたリニアドライバ19に代えてあらゆる公知のリニアドライバが採用されてもよい。本発明は、閉塞要素1がアクチュエータアーム17とともに単純な揺動又は直線的変位と揺動との重ね合わせ運動を行い、付加的又は代替的に適当に変位可能、揺動可能、又は変位かつ揺動可能な形態で支持されているような閉塞装置において用いられる。
【0033】
本実施形態では、閉塞要素1が閉塞プレート又は閉塞シールドの形態で構成されているが、他の形態で構成されていてもよい。
【0034】
図1〜図11に示されている本発明の第1実施形態によれば、弾性シール部材5に対する流体供給及び排出手段として必要とされる流体ダクト21及び22が、後述するようにアクチュエータアーム17の内部に少なくとも部分的に延設されているという利点がある。これにより、弾性シール部材に対する流体供給及び排出の問題が非常に簡単に解決される。
【0035】
図3及び図4には弾性シール状部材5それ自体は示されていない。配置関係を示すため、本実施形態における弾性シール部材5の環状に閉塞する過程が図3及び図4に破線により示されている。本発明の第1実施形態における弾性シール部材5を説明するため、供給及び排出ラインが図5〜図8に示されている。
【0036】
図5は図3のB部分を拡大して詳細に示している。図6〜図8のそれぞれは、図5の断面に対して直交する又は垂直に配置されている断面を示している。これらの断面は、本発明の第1実施形態における弾性シール部材5を含んでいる。図6の断面図は図5のC−C線に沿った断面図であるため、流体チャンネル21を通じて可膨張式チャンバ6に連通する部分を示している。図7は図5のD−D線に沿った、流体チャンネル21及び22の間の領域における断面図を示している。この断面レベルにおいて、流体流入口10又は流体流出口11は存在しない。図8は図5のE−E線に沿った、補助チャンバ7及び流体流出口11のうち一方又は両方に連通する第2流体チャンネル22を通じた断面図である。
【0037】
本実施形態では2つのシール部材5が閉塞要素1に設けられ、基体2の2つの対向するシート4のそれぞれから閉塞要素1を密封する。これにより、可膨張式チャンバ6の膨張過程において、閉塞要素1が装置又はアクチュエータアーム17の縦中心軸に沿って簡単に中心にとどめることができる。また、二重の密封が実現される。これは、付加的な実施形態に関して後述するように、公的な実施形態においてのみ採用される。
【0038】
図6及び図8の断面図においてシール部材5は非膨張状態であることを指摘しておく。この状態において、シール部材5は閉塞要素1をシート4に対して密封していない。したがって、シール面13はシート4に接触していない。その一方、図7は、各シール部材5がシート4に押し付けられ、閉塞要素1をシート4及び基体2のうち一方又は両方に対して密封し、閉位置にあるのと等価な状態におけるシール部材5を可膨張式チャンバ6とともに示している。
【0039】
図3及び図4に示されているように、弾性シール部材5は閉じた環状シール部材である。本実施形態において当該シール部材はチューブ様に構成されている。可膨張式チャンバ6及び補助チャンバ7は環状であり、流体流入口10又は流体流出口11を除いて閉じた構成とされている。各シール部材5は、基体2のシート4に当接するシール面13を有するフロントウォール12を備えている。各シール部材5は、閉塞要素1に当接するリアウォール14と、補助チャンバ7及び可膨張式チャンバ6の間に一又は複数の中間ウォール8とを備えている。
【0040】
本実施形態において、シール部材5は、閉塞要素1においてリアウォールに対して固定されている。これにより、弾性シール部材5は、閉塞要素1に対して取り付けられている。当該構成は必須のものではない。シール部材5が基体2の一又は複数のシート4に固定され、シール部材5又はその可膨張式チャンバ6の膨張過程において、シート4のシール面13が閉塞要素1の相応のシートに対して押し付けられる。
【0041】
可膨張式チャンバ6及び補助チャンバ7を区画する中間ウォール8は、可膨張式チャンバ6にリークが生じたとき、可膨張式チャンバ6の内部の一定圧力の流体が補助チャンバ7の1つに限定的に流入し、真空チャンバ又は減圧チャンバ(図示略)に到達させないような一種の破壊点を構成する。そのために、可膨張式チャンバ6は、好ましくはフロントウォール12及びリアウォール1並びに一又は複数の中間ウォール8により閉鎖的又は完全に包囲され、中間ウォール8は、フロントウォール12及びリアウォール14よりの局所的に脆弱に又は薄くなるように構成されている。
【0042】
図11に示されているように可膨張式チャンバ6を膨張させ、かつ、シール部材5及びシール面13をシート4に対して押し付けるため、可膨張式チャンバ6は圧力源16の切替バルブ15を介して流体通路に連通している。シール部材5の領域における詳細な構成が図6に示されている。本実施形態における流体通路は、可膨張式チャンバ6が流体流入口10を介して流体チャンネル21に接続されることにより構成される。
【0043】
図11に示されているように切替バルブ15に対する連結部23が流体チャンネル21の他端に設けられ、流体チャンネル21は圧力源16に連通している。図11の切替状態において、可膨張式チャンバ6は圧力排出部30に連通している。切替バルブ15の当該切替位置において、高圧流体が可膨張式チャンバ6から排出される。流体流入口10は流体流出口として機能する。切替バルブ15が他方の切替位置にあるとき、可膨張式チャンバ6は圧力源16に連通している。シール面13がシート4に対して適当な圧力で押し付けられるまで可膨張式チャンバ6が膨張するように、当該位置において高圧流体は、基体及び液体の別を問わずに可膨張式チャンバ6の内部を昇圧させる。
【0044】
可膨張式チャンバ6の昇圧状態において中間ウォール8にリークが生じた場合、高圧流体は各補助チャンバ7に流れ込む。両方の補助チャンバ7は流体流出口11を介して第2流体チャンネル22に対して接続されている。当該チャンネルは他端側に可膨張式チャンバ6から流出した流体が雰囲気に流出しうる開放端24を有している。このため、少なくとも1つの補助チャンバ7が流体流出口11を介して、減圧チャンバ又は真空チャンバの外側にある外部空間に対して連通していることが好ましい。
【0045】
本実施形態において大気圧は開放端24及び補助チャンバ7において実現される。第2流体チャンネル22及び補助チャンバ7のうち一方又は両方が、圧力が相違する高圧容器又は減圧容器に対して接続されてもよい。可膨張式チャンバ6から流出した適当量の流体を収容できる程度に補助チャンバ7が大容量である場合、補助チャンバ7が完全に閉塞された構成とされ、流体流出口11が省略されてもよい。
【0046】
第1実施形態では2つの可膨張式シール部材5が閉塞要素1に設けられ、反対方向に駆動されたが、本発明の第2実施形態によれば、図12及び図13に示されているように環状の膨張可能な自己完備式のシール部材5が1つだけ閉塞要素1に設けられている。図12及び図13は、図6及び図8と同様に相違が明確になるように詳細部分のみを示している。本発明の第2実施形態としての閉塞装置のその余の構成は、第1実施形態と同様に構成されている。
【0047】
閉塞要素1を他方側に適当に支持するため支持部材31が設けられている。シール部材5の可膨張式チャンバ6が膨張するとき、閉塞装置の基体2の支持部材又は突出部材31により閉塞要素1が適当に支持されるため、シール面13の押し付けによりシール部材5によって基体2及び閉塞要素1が密封される。
【0048】
支持部材31は他の構成であってもよい。アクチュエータアーム17の適度に硬質の支持部材が適用されることにより、シール部材5の膨張過程においてアクチュエータアーム17が十分に強い抗力を生じる場合、支持部材31が省略されてもよい。補助チャンバ7に対する流体の供給及び排出は第1実施形態と同様に実現されるので、説明を繰り返さない。シール部材の全体的な連結は第1実施形態と同様である。
【0049】
図14及び図15は、可膨張式チャンバ6及び補助チャンバ7とともにシール部材5の他の実施形態を示している。連結部、流体流入口10及び流体流出口11は図示されていないが、第1実施形態と同様に構成されている。可膨張式チャンバ6及び補助チャンバ7のそれぞれの中間に配置されている中間ウォール8が最も脆弱又は薄いウォールであり、破壊点を構成することが好ましい。これは、図14及び図15から明らかなように、可膨張式チャンバ6の膨張及び収縮過程においてウォール8及び9が屈曲又は回転する場合に特に重要である。
【0050】
前記実施形態において補助チャンバ7は可膨張式チャンバ6の両側に対称的に配置されていたが、図16は可膨張式チャンバ6の一方側のみに配置されている変形実施形態が示されている。中間ウォール8にリークが生じた場合、高圧流体が可膨張式チャンバ6から補助チャンバ7に流れ込み、減圧チャンバ又は真空チャンバに流れ込まないように、右縦エクステリアウォール9は、フロントウォール12及びリアウォール14とともに、中間ウォール8よりも相当に堅固に構成されている。図16における流体流入口10及び流体流出口11は、他の実施形態と同様に構成されている。
【0051】
図17は本発明の他の実施形態の装置におけるシール部材5の断面図を示し、図18はその縦断面図を示している。当該他の実施形態において、可膨張式チャンバは補助チャンバの中空チャンバの内側に配置されている。可膨張式チャンバ6及び補助チャンバ7の間にある中間ウォール8は、可膨張式チャンバ6又は可膨張式チャンバ6の中空空間を完全に囲んでいる。可膨張式チャンバ6はチューブ状に構成されている中間ウォール8により包囲され、かつ、その全体が補助チャンバ7の中空空間の内側に配置されている。
【0052】
可膨張式チャンバ6を包囲する中間ウォール8が内側チューブとして構成され、好ましくは縦エクステリアウォール9を構成するエクステリアウォール29、並びに補助チャンバ7を包囲するフロントウォール12及びリアウォール14が外側チューブとして構成され、かつ、内側チューブが好ましくは完全に外側チューブの内側に配置されている、いわゆるチューブ・イン・チューブ配置であってもよい。
【0053】
中間ウォール8がエクステリアウォール29に癒着することを防止するため、中間ウォール8の外側の間隙を確保し、付加的又は代替的にエクステリアウォール29の内側の空間を確保する構成部材28が中間ウォール8に設けられていてもよい。構成部材28は、節状、網状又は棒状の部材であってもよい。シール面13は、このシール部材5の補助チャンバ7のエクステリアウォール29に位置し、これにより可膨張式チャンバ6の膨張過程においてシール部材5が基体2のシート4に対して押し付けられる。
【0054】
図18の縦断面において示されている流体流入口10は、流体チャンネル21及び22と同様に、可膨張式チャンバ6の流体流出口11及びこれに隣接して配置されている補助チャンバ7の流体流出口11として機能する。
【0055】
図14〜図18のそれぞれに示されているすべてのシール部材5が、図1〜図12に示されている本発明の実施形態としての閉塞装置に実装されてもよく、又はそこに示されているシール部材5と置換されてもよい。もちろん、本発明にしたがって前記実施形態とは異なる実施形態が実現されうる。
【0056】
最後に、本発明の目的を勘案して、本発明それ自体にしたがった構成のみならず、少なくとも1つの本発明の装置を備える減圧チャンバ及び真空チャンバのそれぞれが構成されうることを指摘しておく。シール部材5及びそのシール面13のうち一方又は両方をシート4に対して適度に密に押し付けるため、可膨張式チャンバ6が10[bar]以下の圧力で用いられてもよい。
【0057】
シール面13及びシール部材5のうち一方又は両方のストロークは1〜5[mm]であってもよく、好ましくは1〜3[mm]である。本発明によれば、減圧チャンバ又は真空チャンバ用の多くの閉塞装置に要求される閉塞要素のL字形状の通路に代えて、閉塞要素の直線的な変位又は揺動を必要とするのみであるという利点もある。
【符号の説明】
【0058】
1‥閉塞要素、2‥基体、3‥貫通開口部、4‥シート、5‥シール部材、6‥可膨張式チャンバ、7‥補助チャンバ、8‥中間ウォール、9‥縦エクステリアウォール、10‥流体流入口、11‥流体流出口、12‥フロントウォール、13‥シール面、14‥リアウォール、15,15’‥切替バルブ、16,16’‥圧力源、17‥アクチュエータアーム、18‥組立フランジ、19‥リニア装置、20‥ピストン、21‥第1流体チャンネル、22‥第2流体チャンネル、23‥接続部、24‥開口端部、25‥圧力ライン、26‥第1シリンダチャンバ、27‥第2シリンダチャンバ、28‥構成部材、29‥エクステリアウォール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールにおける開口部を閉塞するための装置であって、
可動に支持されている一又は複数の閉塞要素(1)と、
貫通開口部(3)と、前記貫通開口部を包囲する一又は複数のシート(4)とを有し、前記貫通開口部(3)が前記チャンバウォールの開口部に合致するように構成されている一又は複数の基体(2)と、
前記貫通開口部(3)が前記閉塞要素(1)により開放されている前記閉塞要素(1)の一又は複数の開位置と、前記貫通開口部(3)が前記閉塞要素(1)により完全に閉塞されている前記閉塞要素(1)の一又は複数の閉位置と、
可膨張式チャンバ(6)を有し、前記閉位置において前記閉塞要素(1)と前記シート(4)との間に介在して前記閉塞要素(1)を前記シート(4)に対して密封する一又は複数の弾性シール部材(5)と、を備え、
前記弾性シール部材(5)が、前記可膨張式チャンバ(6)に加えて、前記可膨張式チャンバ(6)にリークが生じた場合に前記可膨張式チャンバ(6)からの流体を受容する一又は複数の補助チャンバ(7)をさらに備えていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項2】
請求項1記載の閉塞装置において、
前記可膨張式チャンバ(6)が、前記シール部材(5)の一又は複数の中間ウォール(8)によって前記一又は複数の補助チャンバ(7)から隔離されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項3】
請求項2記載の閉塞装置において、
前記可膨張式チャンバ(6)が、前記シール部材(5)の前記中間ウォール(8)及び他のウォール(12)(14)により包囲され、前記中間ウォール(8)が前記他のウォール(12)(14)より部分的に弱く、付加的又は代替的に薄く構成されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の閉塞装置において、
前記一又は複数の補助チャンバ(7)が、前記シール部材(5)の前記中間ウォール(8)及び縦エクステリアウォール(9)により画定されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項5】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の閉塞装置において、
前記一又は複数の補助チャンバ(7)が、前記可膨張式チャンバ(6)に隣接して配置されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項6】
請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の閉塞装置において、
前記シール部材(5)が円環状の自己完結したシール部材として構成され、前記可膨張式チャンバ(6)及び前記一又は複数の補助チャンバ(7)が円環状かつ相互に自己完結して構成されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項7】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の閉塞装置において、
前記シール部材(5)が、前記基体(2)の前記シート(4)に対して当接するシール面(13)を有するフロントウォール(12)と、前記閉塞要素(1)及び前記一又は複数の補助チャンバ(7)と前記可膨張式チャンバ(6)との間の前記一又は複数の中間ウォール(8)に対して当接するリアウォール(14)と、を備えていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項8】
請求項6記載の閉塞装置において、
前記可膨張式チャンバ(6)が、前記フロントウォール(12)及び前記リアウォール(14)並びに前記一又は複数の中間ウォール(8)により包囲され、前記中間ウォール(8)が前記フロントウォール(12)及び前記リアウォール(14)より部分的に弱く、付加的又は代替的に薄く構成されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項9】
請求項7又は8記載の閉塞装置において、
前記シール部材(5)の前記リアウォール(14)が、前記閉塞要素(1)に対して固定されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の閉塞装置において、
前記シール部材(5)が一体的に構成され、付加的又は代替的に前記シール部材(5)の前記ウォール(8)(9)(12)(14)が相互に一体的に連結されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項1】
減圧チャンバ又は真空チャンバのチャンバウォールにおける開口部を閉塞するための装置であって、
可動に支持されている一又は複数の閉塞要素(1)と、
貫通開口部(3)と、前記貫通開口部を包囲する一又は複数のシート(4)とを有し、前記貫通開口部(3)が前記チャンバウォールの開口部に合致するように構成されている一又は複数の基体(2)と、
前記貫通開口部(3)が前記閉塞要素(1)により開放されている前記閉塞要素(1)の一又は複数の開位置と、前記貫通開口部(3)が前記閉塞要素(1)により完全に閉塞されている前記閉塞要素(1)の一又は複数の閉位置と、
可膨張式チャンバ(6)を有し、前記閉位置において前記閉塞要素(1)と前記シート(4)との間に介在して前記閉塞要素(1)を前記シート(4)に対して密封する一又は複数の弾性シール部材(5)と、を備え、
前記弾性シール部材(5)が、前記可膨張式チャンバ(6)に加えて、前記可膨張式チャンバ(6)にリークが生じた場合に前記可膨張式チャンバ(6)からの流体を受容する一又は複数の補助チャンバ(7)をさらに備えていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項2】
請求項1記載の閉塞装置において、
前記可膨張式チャンバ(6)が、前記シール部材(5)の一又は複数の中間ウォール(8)によって前記一又は複数の補助チャンバ(7)から隔離されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項3】
請求項2記載の閉塞装置において、
前記可膨張式チャンバ(6)が、前記シール部材(5)の前記中間ウォール(8)及び他のウォール(12)(14)により包囲され、前記中間ウォール(8)が前記他のウォール(12)(14)より部分的に弱く、付加的又は代替的に薄く構成されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の閉塞装置において、
前記一又は複数の補助チャンバ(7)が、前記シール部材(5)の前記中間ウォール(8)及び縦エクステリアウォール(9)により画定されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項5】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の閉塞装置において、
前記一又は複数の補助チャンバ(7)が、前記可膨張式チャンバ(6)に隣接して配置されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項6】
請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の閉塞装置において、
前記シール部材(5)が円環状の自己完結したシール部材として構成され、前記可膨張式チャンバ(6)及び前記一又は複数の補助チャンバ(7)が円環状かつ相互に自己完結して構成されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項7】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の閉塞装置において、
前記シール部材(5)が、前記基体(2)の前記シート(4)に対して当接するシール面(13)を有するフロントウォール(12)と、前記閉塞要素(1)及び前記一又は複数の補助チャンバ(7)と前記可膨張式チャンバ(6)との間の前記一又は複数の中間ウォール(8)に対して当接するリアウォール(14)と、を備えていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項8】
請求項6記載の閉塞装置において、
前記可膨張式チャンバ(6)が、前記フロントウォール(12)及び前記リアウォール(14)並びに前記一又は複数の中間ウォール(8)により包囲され、前記中間ウォール(8)が前記フロントウォール(12)及び前記リアウォール(14)より部分的に弱く、付加的又は代替的に薄く構成されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項9】
請求項7又は8記載の閉塞装置において、
前記シール部材(5)の前記リアウォール(14)が、前記閉塞要素(1)に対して固定されていることを特徴とする閉塞装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の閉塞装置において、
前記シール部材(5)が一体的に構成され、付加的又は代替的に前記シール部材(5)の前記ウォール(8)(9)(12)(14)が相互に一体的に連結されていることを特徴とする閉塞装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2013−518223(P2013−518223A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550263(P2012−550263)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【国際出願番号】PCT/AT2010/000445
【国際公開番号】WO2011/091451
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(593030945)バット ホールディング アーゲー (31)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【国際出願番号】PCT/AT2010/000445
【国際公開番号】WO2011/091451
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(593030945)バット ホールディング アーゲー (31)
【Fターム(参考)】
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