説明

防振装置

【課題】成型性を確保しながら、接着耐久性を向上することができる筒型の防振装置を提供する。
【解決手段】軸方向中央部に膨出部18を有する内筒部材12と、軸方向一端部にフランジ部20を有する外筒部材14と、両部材を連結するゴム弾性体からなる防振基体16とを備え、軸方向Xを主たる荷重入力方向とする防振装置10において、フランジ部20の軸方向外側面20Aにストッパゴム部24を防振基体から連なるゴム弾性体で形成し、防振基体におけるフランジ部側の軸方向端面16Aにゴム材料の注入口部26を設け、該注入口部をストッパゴム部の径方向内側面24Bから径方向内方Ki側に離間した位置であって、かつ内筒部材の膨出部18よりも径方向外方Ko側の位置に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内筒部材と外筒部材との間にゴム弾性体からなる防振基体が介設されてなる筒型の防振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のディファレンシャル(差動装置)を車体に取り付ける際に、そのディファレンシャルケースと車体との間に、デフマウントと称される上記筒型の防振装置を設けて、ディファレンシャルケースを車体に対して防振支持することがある。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、内筒部材と、該内筒部材を同軸状に取り囲む筒状をなしてディファレンシャルケースの装着孔に圧入内嵌される外筒部材と、これら内筒部材と外筒部材とに加硫接着されて両者を連結するゴム弾性体からなる防振基体とを備えた筒型の防振装置が開示されている。外筒部材の軸方向一端部には径方向外方に広がるフランジ部が設けられ、フランジ部の軸方向外側面には、車体側部材との間でストッパ作用を発揮するストッパゴム部が防振基体から連なるゴム弾性体により設けられている。
【0004】
また、下記特許文献2には、自動車のサスペンションにおけるメンバーマウントとして用いられるものとして、上記と同様、外筒部材のフランジ部にストッパゴム部を設けた構成を持つ筒型の防振装置において、内筒部材の軸方向中央部に径方向外方側に膨出した膨出部を設けたものが開示されている。
【特許文献1】特開2004−028250号公報
【特許文献2】特開2001−012548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記防振装置において、防振基体は、内筒部材の外周面と外筒部材の内周面に接着剤を塗布し、これらを成形型内にセットした上で、成形型内にゴム材料を注入することにより加硫成形され、内筒部材の外周面と外筒部材の内周面に加硫接着される。上記のように外筒部材にフランジ部が設けられている場合、成形型への外筒部材のセット性を考慮すると、外筒部材はフランジ部が設けられた側の端部が上側になるように成形型にセットされることが好ましい。そうすると、ゴム材料の注入口部は、防振基体の軸方向両端面のうちフランジ部側の端面に設けられることになる。
【0006】
上記のようにフランジ部には防振基体から連なるストッパゴム部が設けられることから、径方向において外筒部材に近い位置に注入口部を設けると、注入口部とストッパゴム部との間の成形型部分の厚みが薄くなってしまい、成形型の強度が確保しにくくなるなど成型性が損なわれる。
【0007】
一方で、注入口部を径方向において内筒部材に近い位置に設定すると、内筒部材に膨出部が設けられている場合、注入口部から注入されたゴム材料の注入圧により、膨出部の表面に塗布された接着剤が剥がれてしまい、加硫成形後の耐久性が損なわれる。特に、デフマウントのように主たる荷重入力方向が軸方向であると、防振基体のせん断変形により内筒部材と防振基体との間での接着耐久破壊を生じやすく、上記接着剤の剥がれによる耐久性の確保がより一層難しくなる。
【0008】
本発明は、以上に鑑み、成型性を確保しながら、接着耐久性を向上することができる筒型の防振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る防振装置は、軸方向中央部に径方向外方側に膨出した膨出部を有する内筒部材と、前記内筒部材を同軸状に取り囲む筒状をなして被取付部材の装着孔に圧入内嵌されるものであって軸方向一端部に径方向外方に広がるフランジ部を有する外筒部材と、前記内筒部材の前記膨出部を含む外周面と前記外筒部材の内周面とに加硫接着されて前記内筒部材と前記外筒部材とを連結するゴム弾性体からなる防振基体と、を備え、前記軸方向を主たる荷重入力方向とするものである。前記フランジ部の軸方向外側面には、前記内筒部材の軸方向一端部に固定される部材との間でストッパ作用を発揮するストッパゴム部が、前記防振基体から連なるゴム弾性体により設けられている。そして、前記防振基体における前記フランジ部側の軸方向端面に、当該防振基体を成形する際のゴム材料の注入口部が設けられ、前記注入口部が、前記ストッパゴム部の径方向内側面から径方向内方側に離間した位置であって、かつ前記内筒部材の前記膨出部よりも径方向外方側の位置に設定されている。
【0010】
このように防振基体を成形するゴム材料の注入口部を、外筒部材側のストッパゴム部の径方向内側面から径方向内方側に離間させて設けたので、注入口部とストッパゴム部との間の成形型部分の厚みを十分に確保することができ、成形型の強度を確保することができる。また、該注入口部を内筒部材の膨出部よりも径方向外方側に位置させて設けたので、注入口部から注入されたゴム材料の注入圧によって膨出部の表面に塗布された接着剤が剥がれる不具合を低減することができ、すなわち接着剤を剥がさずにゴム材料を成形型の内部全体に行き渡りやすくして、加硫成形後の耐久性を向上することができる。よって、成型性を確保しながら、接着耐久性を向上することができる。
【0011】
上記防振装置においては、前記フランジ部の軸方向内側面に、前記装着孔周縁部の軸方向端面に当接配置される環状プレートが溶接固定されていることが好ましい。
【0012】
上記特許文献1にも示されるように従来の防振装置において、ストッパゴム部と内筒部材が固定される部材との間には軸方向で比較的大きなクリアランスが確保されている。このようにストッパクリアランスが大きいと、比較的低振幅域での軸方向変位に対するたわみ抑制が不十分となる。これを解決するために、ストッパゴム部の高さを大きくするなど、ストッパゴム部の大型化によりストッパクリアランスを小さくしたのでは、軸方向のたわみ抑制を十分に行うことはできない。ストッパクリアランスを小さくための手段としては、例えば、外筒部材が圧入される被取付部材の高さを大きくすることも考えられるが、被取付部材側を大きくすると重量増加が大きくなる。これに対し、上記のように外筒部材のフランジ部に環状プレートを溶接固定することで、大幅な重量増加を抑えながら、フランジ部の板厚を大きくしてストッパクリアランスを小さくすることができ、軸方向のたわみ抑制を効果的に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の防振装置であると、成型性を確保しながら、接着耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る防振装置の平面図
【図2】図1のII−II線断面図
【図3】図2の要部拡大断面図
【図4】同防振装置の組み付け状態を示す断面図
【図5】同防振装置の加硫成形時の断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の1実施形態に係る防振装置10について図1〜5を参照して説明する。
【0016】
この防振装置10は、自動車のディファレンシャルケースとその上方の車体との間を連結するデフマウントであり、内筒部材12と、これを同軸状に取り囲む外筒部材14と、これら筒部材12,14の間に介設されたゴム弾性体からなる防振基体16とを備えてなる筒型のマウントである。
【0017】
内筒部材12は、金属製の円筒状部材であり、軸方向Xの中央部に径方向外方Ko側(即ち、軸直角方向外方側)に膨出した膨出部18を有する。膨出部18は、図2に示す断面形状において、外径が一定で厚肉のストレート筒部18Aと、該ストレート筒部18Aの軸方向Xの両端に設けられた傾斜面部18B,18Bとからなる台形状をなしており、内筒部材12の全周にわたって一定断面で形成されている。このように、軸方向Xの中央部に膨出部18を設けて大径部としつつ、軸方向Xの両端部を小径部19としたことにより、軽量化を図りつつ、軸方向Xと径方向(軸直角方向)Kでのバネ定数を高く設定することができる。
【0018】
外筒部材14は、金属製の円筒状部材であり、軸方向Xの一端部に径方向外方Koに広がる環状のフランジ部20が全周にわたって折曲形成されている。外筒部材14は、金属板のプレス成形品であり、全体にわたって肉厚が一定に形成されている。外筒部材14の軸方向寸法は、図2に示すように内筒部材12よりも短く、外筒部材14の軸方向Xの両端からそれぞれ軸方向外方Xo側に内筒部材12の両端部の小径部19が突出するように設定されている。外筒部材14は、内筒部材12の上記膨出部18については、軸方向Xの全体にわたってその周りを取り囲むように形成されている。
【0019】
防振基体16は、内筒部材12の膨出部18を含む外周面12Aと、該外周面に対向する外筒部材14の内周面14Aとに、それぞれ加硫接着されて、これら内筒部材12と外筒部材14との間を連結するゴム部材である。
【0020】
防振基体16は、この例では、周方向の全周にわたって軸方向Xに貫通するすぐりを有しておらず、全周にわたって断面一定の円筒状に形成されている。防振基体16は、膨出部18のストレート筒部18Aのみでなく、その軸方向X両側の傾斜面部18Bも覆うように設けられている。防振基体16の軸方向両端面16A,16Bは、軸方向内方Xi側に向かって断面湾曲状に陥没する凹状面に形成されている。
【0021】
外筒部材14のフランジ部20の軸方向外側面20A(図2における上面)には、内筒部材12の上端部に固定される車体側部材22との間で、たわみ規制、即ちストッパ作用を発揮するストッパゴム部24が設けられている。ストッパゴム部24は、防振基体16から連なるゴム弾性体により設けられており、すなわち、防振基体16の上端部における外周縁から外側に連続して設けられたゴムによりストッパゴム部24が形成されている。ストッパゴム部24は、フランジ部20の軸方向外側面20Aに加硫接着されており、この例では、周方向の全体にわたって一定の高さを持ち、上面24Aが平坦に形成されている。
【0022】
防振基体16は、成形型内にゴム材料を注入し加硫成形することで形成されたものであり、図1,2に示すように、軸方向両端面16A,16Bのうち、上記フランジ部20側の軸方向端面16A(図2における上面)に、ゴム材料を注入するための注入口部26が設けられている。図1に示すように、注入口部26は防振基体16の周方向における一箇所に設けられている。
【0023】
図2に示すように、注入口部26は、ストッパゴム部24の径方向内側面24B(すなわち、内周面)から径方向内方Ki側に離間した位置であって、かつ内筒部材12の膨出部18よりも径方向外方Ko側の位置に設定されている。すなわち、図3に拡大して示すように、ストッパゴム部24の径方向内側面24Bと注入口部26との間には、径方向Kにおいて所定の間隔Gが確保されている。また、注入口部26は、内筒部材12の膨出部18の径方向最外端である上記ストレート筒部18Aの外周面よりも、径方向Kにおける位置関係において外方Ko側に設けられており、注入口部26から注入されたゴム材料が高い注入圧のまま膨出部18の傾斜面部18Bに直接当たらないように設定されている。注入口部26は、上記凹面状をなす防振基体16の軸方向端面16Aにおいて、当該凹面部の最深部(即ち、底部)近傍に設けられている。
【0024】
外筒部材14のフランジ部20の軸方向内側面20B(図2における下面)には、図2に示すように、環状プレート28が溶接固定されている。上記のように外筒部材14は肉厚一定の金属部材からなるが、フランジ部20の軸方向内側面20Bに金属製の環状プレート28を溶接することにより、フランジ部20のみにおいて板厚が大きく設定されている。環状プレート28は、フランジ部20の軸方向内側面20Bの略全体に重なり合うリング状の板材であり、この例では、フランジ部20の肉厚と略同じ板厚を持つ板材が用いられている。
【0025】
環状プレート28は、フランジ部20の軸方向外側面20A(図2における上面)に設けた場合でもフランジ部20の板厚を増加させることができるが、その場合、環状プレートを被覆するようにストッパゴム部が加硫接着されることになり、ストッパゴム部が圧縮変形を受けたときに、環状プレートとフランジ部との段差部で耐久性が損なわれるおそれがある。そのため、環状プレート28は上記のように軸方向内側面20Bに設ける。
【0026】
以上よりなる本実施形態の防振装置10は、図4に示すように、被取付部材であるディファレンシャルケース30に設けられた装着孔32に外筒部材14が圧入内嵌されることでディファレンシャルケース30側に固定される。また、内筒部材12の中空部に挿通させた取付ボルト34で、上側の車体側部材22に対して下側の取付プレート36とともに締結することで、内筒部材12が車体側に固定される。これにより、ディファレンシャルケース30とその上方の車体側部材22との間が防振装置10を介して弾性的に連結され、防振装置10は、その軸方向Xを上下方向として、当該上下方向が主たる荷重入力方向となる。
【0027】
外筒部材14は、その外周面が軸方向Xの全体にわたってディファレンシャルケース30の装着孔32の内周面に嵌合保持される。そして、上記フランジ部20の軸方向内側面20Bに固定された環状プレート28が、装着孔32の周縁部の軸方向端面30A(上面)に当接配置されている。
【0028】
上記フランジ部20の軸方向外側面20Aに設けられたストッパゴム部24と、その上方に設けられた車体側部材22との間には、軸方向Xに微小隙間が設けられており、微振幅域での動バネ定数が低くなるように設定されている。
【0029】
内筒部材12の下端側の小径部19には、ゴム弾性体からなる円板状のストッパゴム板38が外嵌固定されている。ストッパゴム板38は、内筒部材12の下端面に固定された取付プレート36上に配されて、ディファレンシャルケース30の装着孔32の下側周縁部との間でストッパ作用を発揮するものであり、当該下側周縁部との間に軸方向Xで微小隙間が設けられている。
【0030】
この防振装置10を製造するに際しては、内筒部材12の外周面12Aと、環状プレート28を溶接した外筒部材14の内周面14Aに、接着剤を塗布した後、これらを、図5に示すように、成形型40内にセットする。
【0031】
上記のように外筒部材14はフランジ部20を有しているため、成形型へのセットしやすさを考慮して、フランジ部20を上側にして成形型40内にセットされる。そのため、成形型40は、内筒部材12の下端を支持するとともに、外筒部材14の外周を軸方向Xの全体にわたって支持する下型42と、内筒部材12の上端を支持するとともに、外筒部材14のフランジ部20の軸方向外側面20Aの周縁部に当接することで、下型42との間でゴム材料が注入されるキャビティ44を形成する上型46と、を備えてなる。そして、防振基体16を成形するゴム材料の注入口部26が、防振基体16の上側の軸方向端面16Aを形成する上型46の型面に設けられ、上型46には、該注入口部26につながるゴム材料の流路48が設けられている。
【0032】
かかる成形型40に内筒部材12と外筒部材14をセットした後、図5に示すように型締めしてから、注入口部26よりキャビティ44内にゴム材料を注入充填して、防振基体16を加硫成形する。これにより、内筒部材12の外周面12Aと外筒部材14の内周面14Aに加硫接着した状態に防振基体16が成形される。このようにして得られた加硫成形体は、その後、外筒部材14に絞り加工を施して、外筒部材14を縮径することにより、図2に示す防振装置10が得られる。
【0033】
以上よりなる本実施形態によれば、防振基体16を成形するゴム材料の注入口部26を、ストッパゴム部24の径方向内側面24Bから径方向内方Ki側に離間させて設けたので、注入口部26とストッパゴム部24との間の成形型部分50(図5参照)の厚みを十分に確保することができる。そのため、成形型40の強度を確保することができる。
【0034】
また、この注入口部26を内筒部材12の膨出部18よりも径方向外方Ko側に位置させて設けたので、注入口部26から注入されたゴム材料の注入圧によって膨出部18の表面に塗布された接着剤が剥がれる不具合を低減することができる。すなわち、仮に注入口部26が径方向Kにおいて膨出部18と重なり合う位置に設けられていた場合、注入口部26から注入されたゴム材料は、高い注入圧を持って膨出部18の傾斜面部18Bに当たり、これにより傾斜面部18Bに塗布された接着剤が剥がれてしまうおそれがあるが、上記の通り注入口部26を配置したことにより、接着剤を剥がさずにゴム材料を成形型40の内部全体に行き渡りやすくして、加硫成形後の耐久性を向上することができる。よって、成型性を確保しながら、接着耐久性を向上することができる。
【0035】
本実施形態によれば、また、外筒部材14のフランジ部20に環状プレート28を溶接してフランジ部20の板厚を大きくしたので、その分、車体側部材22との間でのストッパクリアランスが小さくなって、軸方向Xでのたわみ抑制を効果的に行うことができる。しかも、この場合、フランジ部20の板厚を大きくするものであり、被取付部材であるディファレンシャルケース30については、その装着孔32の深さはそのままで変更する必要がないので、大幅な重量増加を抑えつつ、たわみ抑制を行うことができる。
【0036】
なお、上記実施形態においては、防振基体16が軸方向Xに貫通するすぐり部を有しない構造としたが、このようなすぐり部を周方向の一部に有するものにおいても、本発明は適用可能である。また、上記実施形態では、ストッパゴム部24の高さを周方向で一定としたが、周方向の一部に凹部を設けるなどしてストッパゴム部の高さが周方向で異なるものについても、本発明は適用可能である。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、例えば、自動車のデフマウントや、ボディマウント、メンバマウントなどをはじめとする各種の筒型の防振装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0038】
10…防振装置
12…内筒部材、12A…外周面
14…外筒部材、14A…内周面
16…防振基体、16A…フランジ部側の軸方向端面
18…膨出部
20…フランジ部、20A…軸方向外側面、20B…軸方向内側面
22…車体側部材(内筒部材の軸方向一端部に固定される部材)
24…ストッパゴム部、24B…径方向内側面
26…注入口部
28…環状プレート
30…ディファレンシャルケース(被取付部材)、30A…軸方向端面、32…装着孔
X…軸方向、Xo…軸方向外方、Xi…軸方向内方
K…径方向、Ko…径方向外方、Ki…径方向内方

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向中央部に径方向外方側に膨出した膨出部を有する内筒部材と、
前記内筒部材を同軸状に取り囲む筒状をなして被取付部材の装着孔に圧入内嵌されるものであって、軸方向一端部に径方向外方に広がるフランジ部を有する外筒部材と、
前記内筒部材の前記膨出部を含む外周面と前記外筒部材の内周面とに加硫接着されて、前記内筒部材と前記外筒部材とを連結するゴム弾性体からなる防振基体と、
を備え、前記軸方向を主たる荷重入力方向とする防振装置において、
前記フランジ部の軸方向外側面に、前記内筒部材の軸方向一端部に固定される部材との間でストッパ作用を発揮するストッパゴム部が、前記防振基体から連なるゴム弾性体により設けられ、
前記防振基体における前記フランジ部側の軸方向端面に、当該防振基体を成形する際のゴム材料の注入口部が設けられ、前記注入口部が、前記ストッパゴム部の径方向内側面から径方向内方側に離間した位置であって、かつ前記内筒部材の前記膨出部よりも径方向外方側の位置に設定された、
ことを特徴とする防振装置。
【請求項2】
前記フランジ部の軸方向内側面に、前記装着孔周縁部の軸方向端面に当接配置される環状プレートが溶接固定された、
ことを特徴とする請求項1記載の防振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−216513(P2010−216513A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61500(P2009−61500)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】