防護柵及びその連結金具
【課題】構築作業が簡易であるとともに使用する連結金具を最小限として施工コストが低廉化され、該連結金具が外部から看取されないことにより腐食を防止するとともに外観性も良好な防護柵及びその連結金具を提供することを目的とする。
【解決手段】平板状の基体2の略中央両端部に形成された突条3と、この突条3に近接する基体裏面側にあって先鋭部4aが中央部を向くように突設されたクサビ4と、基体2から左右に伸びる延長部2aとから構成された防護柵の連結金具1と、この連結金具1を用いて構築した防護柵を基本手段としている。上記基体2に皿木ネジ用孔5を形成するとともに該基体2の延長部2aにコーチスクリュー用孔6と鬼目ナット用長孔7を形成してある。
【解決手段】平板状の基体2の略中央両端部に形成された突条3と、この突条3に近接する基体裏面側にあって先鋭部4aが中央部を向くように突設されたクサビ4と、基体2から左右に伸びる延長部2aとから構成された防護柵の連結金具1と、この連結金具1を用いて構築した防護柵を基本手段としている。上記基体2に皿木ネジ用孔5を形成するとともに該基体2の延長部2aにコーチスクリュー用孔6と鬼目ナット用長孔7を形成してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歩道と車道の境界などに設置される横断防止柵とか境界フェンス、駅のホームにおける転落防止柵等において、木製の支柱に木製ビームを連結するための新規な連結金具と該連結金具を使用した防護柵に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から横断防止柵とか境界フェンス及び転落防止柵を構築する際に、所定間隔に配置した支柱の上端から水平ビームを架設し、この水平ビームの内径と略同径の外径を有する接続部材の一端部を水平ビームの端部に挿入し、この接続部材の他端部を次の水平ビームの端部に挿入して支柱上端に設けた取付部上に載置し、接続部材の両端に設けたボルト孔にボルトを挿入して固定することにより水平ビームを支柱上端に取付ける方法が一般に用いられている。
【0003】
特に遊歩道や公園、公共施設等に構築されている仕切り用,案内用又は転落防止用の防護柵には、耐久性の観点から金属製の材質が多用されているが、近時は自然指向と相俟って天然の木材(特には間伐材)を使用した防護柵の需要が高くなっている。このような防護柵としては1本の支柱の両側に2個の連結金具を用いて横桟としての木製ビームを連結した構造が一般に用いられている。
【0004】
上記に関して特許文献1には、鉄道の駅のホームの床の縁部近傍に該縁部に沿って所定間隔をおいて立設された複数本の支柱と、隣り合う該支柱間に該支柱の上部高さ位置で略水平に架け渡された笠木と、隣り合う該支柱間に該笠木から所定間隔だけ下方の高さ位置で略水平に架け渡された下段ビームと、隣り合う該支柱間に該笠木から該下段ビームに向けて平行に設けられた複数本の縦桟とを備え、該支柱は支柱心棒と該支柱心棒を被覆する絶縁カバーとからなり、該縦桟は縦桟心棒と該縦桟心棒を被覆する絶縁カバーとからなり、該笠木は笠木骨と該笠木骨に支持されている木製の笠木本体とからなる転落防止柵が記載されている。
【0005】
特許文献2には、地表に立設された支柱の上端に水平ビームが取着された防護柵において、相隣合う水平ビームの端部が互いに接続部材で接続され、この接続部材の中央に水平ビームの端部を隠蔽するカバーが形成された防護柵が記載されている。
【特許文献1】特開2003−146202号公報
【特許文献2】特開平11−61756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記したように遊歩道や公園、公共施設等に構築されている天然の木材(特には間伐材)を使用した防護柵は、1本の支柱の両側に2個の連結金具を用いて左右の木製ビームが連結されているため、防護柵の構築作業が繁雑になるとともに多数個の連結金具を必要とするため、施工コストが高くなるという課題がある。この課題は上記特許文献1,2によっても解決されていない。
【0007】
更に木製ビームの接続に使用した連結金具が外部から看取されてしまうため、折角天然の木材を利用したとしても見映えが低下するとともに、自然指向の点から好ましくなく、外部に露出した連結金具が風雨に曝されることで腐食しやすいという問題も生じる。
【0008】
そこで本発明は上記に対処してなされたものであって、構築作業が簡易であるとともに使用する連結金具を最小限として施工コストが低廉化され、該連結金具が外部から看取されないことにより天然木材の持つ雰囲気を高めることができて外観性が良好であるとともに、連結金具が風雨に曝されることがないので腐食を防止することができる防護柵及びその連結金具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、平板状の基体の略中央両端部に形成された突条と、この突条に近接する基体裏面側にあって先鋭部が中央部を向くように突設されたクサビと、基体から左右に伸びる延長部とから構成された防護柵の連結金具と、この連結金具を用いて構築した防護柵を基本手段としている。
【0010】
上記基体に皿木ネジ用孔を形成するとともに該基体の延長部にコーチスクリュー用孔と鬼目ナット用長孔を形成してあり、地表に立設された木製の支柱内を横方向に縦断して形成された貫通孔内に連結金具を挿通し、該連結金具の基体裏面側に突設されたクサビの先鋭部を支柱の内方に食い込ませて締結支持し、横桟としての木製ビームを基体の延長部に螺合固定して防護柵を構築する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって得られた木材(特には間伐材)を使用した防護柵は、1個の連結金具の両端部に左右の木製ビームが固定されるため、従来の連結金具に比して金具自体の個数は半分となり、防護柵の構築作業が簡易になるとともに施工コストを低廉化することができ、かつ、確実・強固に固着できる。また、木製ビームの接続に使用した連結金具が外部から看取されないので、天然木材を使用した転落防護柵において雰囲気を壊す金具を使用していることが判らず、構築した防護柵の外観性が良好であるとともにデザイン性に優れている。また、連結金具が風雨に曝されることがないので、金具が腐食する等の問題は解消される。更に、転落防護柵のカーブに沿ってビームを連結でき、任意のカーブで施工できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明にかかる防護柵及びその連結金具の最良の実施形態を説明する。本発明は平板状の基体の略中央両端部に形成された突条と、この突条に近接する基体裏面側にあって先鋭部が中央部を向くように突設されたクサビと、基体から左右に伸びる延長部とから構成された防護柵の連結金具と、この連結金具を用いて構築した防護柵を基本手段としている。
【0013】
図1は本実施形態にかかる連結金具1を示す側面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図、図4は図1のC−C線断面図である。図中の2は平板状の基体であって該基体2の略中央両端部に角状の突条3,3が形成されており、この突条3,3に近接する基体2の裏面側にクサビ4が突設されている。このクサビ4の先鋭部4aが突条3の中央部を向くように設定されている。2a,2aは基体2から左右に伸びる延長部を示している。
【0014】
図2に示す5,5は基体2に形成された皿木ネジ用孔、6,6は基体2の延長部2a,2aに形成されたコーチスクリュー用孔、7,7は同じく延長部2a,2aの端部に形成された鬼目ナット用長孔である。破線8は地表に立設される支柱の位置を示しており、基体2は支柱10内に挿入されるとともに延長部2a,2aは支柱10の外方にある。
【0015】
本実施形態にかかる連結金具1は木製であることが特徴であるが、該連結金具1の材質は特に限定されず、金属製であっても使用することが可能である。
【0016】
図5は本実施形態にかかる連結金具1を利用して構築した防護柵の要部を示す断面図であって、10は地表に立設された木製の丸柱型支柱であり、該支柱10内を横方向に縦断して形成された貫通孔11内に本連結金具1を挿通する。この時に基体2の裏面側に突設されたクサビ4の先鋭部4aが突条3の中央部を向くように形成されているので、このクサビ4が支柱10の端部から支柱10の内方に食い込むことによって連結金具1が支柱10に強固に締結支持される。
【0017】
次に皿木ネジ用孔5,5に皿木ネジ12,12を挿入固定し、支柱10の左右両側に突出している基体2の延長部2a,2a上に横桟としての木製ビーム13,13を載置してからコーチスクリュー用孔6,6にコーチスクリュー14,14を螺合し、鬼目ナット用長孔7,7に鬼目ナット15,15を挿入して六角ボルトで螺合固定することにより、本実施形態にかかる防護柵が構築される。なお、図5に示す例では支柱10と木製ビーム13間に所定の間隙16,16が形成されているが、この間隙16,16はなくてもよい。木製ビーム13としては天然の木材(特には間伐材)を使用することができる。
【0018】
図6は完成した防護柵の上面図、図7は同側面図であり、支柱10,10は地下に埋設された砕石17上に搭載されて基礎ブロック18,18を用いて強固に立設されており、各支柱10,10の上端部近傍と地表面近傍に本実施形態にかかる連結金具1を用いて横桟としての木製ビーム13,13を固定してから必要に応じて木製ビーム13,13間に多数本の縦ビーム19,19を配設固定する。
【0019】
図8は上記丸柱型支柱10に代えて角柱型支柱10aを用いた防護柵の上面図、図9は同側面図であり、前記図5に示す丸柱型支柱10を角柱に代えた以外は木製ビーム13,13の固定方法は基本的に同一である。図9に示したように、各支柱10a,10aの上端部近傍と地表面近傍及び中間部に本実施形態にかかる連結金具1を用いて複数本、図示例では3本の横桟としての木製ビーム13,13を固定して防護柵が構築されている。この例では図7に示す縦ビーム19の設置は省略することができる。
【0020】
図10は防護柵の変形例を示す上面図であって、支柱10aに対する木製ビーム13,13の水平方向の角度を変えることにより、防護柵を現場の状況に合わせて曲線的に構築することができる。即ち、防護柵の施工時に木製ビーム13,13に対するコーチスクリュー14の螺合と、鬼目ナット15,15の螺合固定位置を変えることによって木製ビーム13,13の水平方向の角度を任意に変化させることができる。
【0021】
図11は防護柵の他の変形例を示す側面図であって、支柱10aに対する木製ビーム13,13の上下方向の角度を変えることにより、防護柵を地盤の傾斜に合わせて構築することができる。この場合には防護柵の施工時に連結金具1の支柱10aに対する取付角度を変えて木製ビーム13,13に対するコーチスクリュー14の螺合と、鬼目ナット15,15の螺合固定を行うことによって木製ビーム13,13の上下方向の角度を任意に変化させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば1個の連結金具の両端部に左右の木製ビームが固定されるため、連結金具の個数は半分となるとともに防護柵の構築作業が簡易になり、施工コストを低廉化するとともに使用した連結金具が外部から看取されないので、防護柵の外観性が良好となって連結金具の腐食等の問題が解消される。従って歩道と車道の境界などに設置される横断防止柵とか境界フェンス、駅のホームにおける転落防止柵、遊歩道や公園、公共施設等に構築されている仕切り用,案内用又は転落防止用の防護柵に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明にかかる連結金具を示す側面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】図1のC−C線断面図。
【図5】本発明により構築した防護柵の要部を示す断面図。
【図6】構築した防護柵の上面図。
【図7】図6の側面図。
【図8】角柱型支柱を用いた防護柵の上面図。
【図9】図8の側面図。
【図10】防護柵の変形例を示す上面図。
【図11】防護柵の他の変形例を示す側面図。
【符号の説明】
【0024】
1…連結金具
2…基体
2a…延長部
3,3a…突条
4…クサビ
4a…先鋭部
5…皿木ネジ用孔
6…コーチスクリュー用孔
7…鬼目ナット用長孔
10,10a…支柱
11…貫通孔
12…皿木ネジ
13…木製ビーム
14…コーチスクリュー
15…鬼目ナット
17…砕石
18…基礎ブロック
19…縦ビーム
【技術分野】
【0001】
本発明は歩道と車道の境界などに設置される横断防止柵とか境界フェンス、駅のホームにおける転落防止柵等において、木製の支柱に木製ビームを連結するための新規な連結金具と該連結金具を使用した防護柵に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から横断防止柵とか境界フェンス及び転落防止柵を構築する際に、所定間隔に配置した支柱の上端から水平ビームを架設し、この水平ビームの内径と略同径の外径を有する接続部材の一端部を水平ビームの端部に挿入し、この接続部材の他端部を次の水平ビームの端部に挿入して支柱上端に設けた取付部上に載置し、接続部材の両端に設けたボルト孔にボルトを挿入して固定することにより水平ビームを支柱上端に取付ける方法が一般に用いられている。
【0003】
特に遊歩道や公園、公共施設等に構築されている仕切り用,案内用又は転落防止用の防護柵には、耐久性の観点から金属製の材質が多用されているが、近時は自然指向と相俟って天然の木材(特には間伐材)を使用した防護柵の需要が高くなっている。このような防護柵としては1本の支柱の両側に2個の連結金具を用いて横桟としての木製ビームを連結した構造が一般に用いられている。
【0004】
上記に関して特許文献1には、鉄道の駅のホームの床の縁部近傍に該縁部に沿って所定間隔をおいて立設された複数本の支柱と、隣り合う該支柱間に該支柱の上部高さ位置で略水平に架け渡された笠木と、隣り合う該支柱間に該笠木から所定間隔だけ下方の高さ位置で略水平に架け渡された下段ビームと、隣り合う該支柱間に該笠木から該下段ビームに向けて平行に設けられた複数本の縦桟とを備え、該支柱は支柱心棒と該支柱心棒を被覆する絶縁カバーとからなり、該縦桟は縦桟心棒と該縦桟心棒を被覆する絶縁カバーとからなり、該笠木は笠木骨と該笠木骨に支持されている木製の笠木本体とからなる転落防止柵が記載されている。
【0005】
特許文献2には、地表に立設された支柱の上端に水平ビームが取着された防護柵において、相隣合う水平ビームの端部が互いに接続部材で接続され、この接続部材の中央に水平ビームの端部を隠蔽するカバーが形成された防護柵が記載されている。
【特許文献1】特開2003−146202号公報
【特許文献2】特開平11−61756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記したように遊歩道や公園、公共施設等に構築されている天然の木材(特には間伐材)を使用した防護柵は、1本の支柱の両側に2個の連結金具を用いて左右の木製ビームが連結されているため、防護柵の構築作業が繁雑になるとともに多数個の連結金具を必要とするため、施工コストが高くなるという課題がある。この課題は上記特許文献1,2によっても解決されていない。
【0007】
更に木製ビームの接続に使用した連結金具が外部から看取されてしまうため、折角天然の木材を利用したとしても見映えが低下するとともに、自然指向の点から好ましくなく、外部に露出した連結金具が風雨に曝されることで腐食しやすいという問題も生じる。
【0008】
そこで本発明は上記に対処してなされたものであって、構築作業が簡易であるとともに使用する連結金具を最小限として施工コストが低廉化され、該連結金具が外部から看取されないことにより天然木材の持つ雰囲気を高めることができて外観性が良好であるとともに、連結金具が風雨に曝されることがないので腐食を防止することができる防護柵及びその連結金具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、平板状の基体の略中央両端部に形成された突条と、この突条に近接する基体裏面側にあって先鋭部が中央部を向くように突設されたクサビと、基体から左右に伸びる延長部とから構成された防護柵の連結金具と、この連結金具を用いて構築した防護柵を基本手段としている。
【0010】
上記基体に皿木ネジ用孔を形成するとともに該基体の延長部にコーチスクリュー用孔と鬼目ナット用長孔を形成してあり、地表に立設された木製の支柱内を横方向に縦断して形成された貫通孔内に連結金具を挿通し、該連結金具の基体裏面側に突設されたクサビの先鋭部を支柱の内方に食い込ませて締結支持し、横桟としての木製ビームを基体の延長部に螺合固定して防護柵を構築する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって得られた木材(特には間伐材)を使用した防護柵は、1個の連結金具の両端部に左右の木製ビームが固定されるため、従来の連結金具に比して金具自体の個数は半分となり、防護柵の構築作業が簡易になるとともに施工コストを低廉化することができ、かつ、確実・強固に固着できる。また、木製ビームの接続に使用した連結金具が外部から看取されないので、天然木材を使用した転落防護柵において雰囲気を壊す金具を使用していることが判らず、構築した防護柵の外観性が良好であるとともにデザイン性に優れている。また、連結金具が風雨に曝されることがないので、金具が腐食する等の問題は解消される。更に、転落防護柵のカーブに沿ってビームを連結でき、任意のカーブで施工できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明にかかる防護柵及びその連結金具の最良の実施形態を説明する。本発明は平板状の基体の略中央両端部に形成された突条と、この突条に近接する基体裏面側にあって先鋭部が中央部を向くように突設されたクサビと、基体から左右に伸びる延長部とから構成された防護柵の連結金具と、この連結金具を用いて構築した防護柵を基本手段としている。
【0013】
図1は本実施形態にかかる連結金具1を示す側面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図、図4は図1のC−C線断面図である。図中の2は平板状の基体であって該基体2の略中央両端部に角状の突条3,3が形成されており、この突条3,3に近接する基体2の裏面側にクサビ4が突設されている。このクサビ4の先鋭部4aが突条3の中央部を向くように設定されている。2a,2aは基体2から左右に伸びる延長部を示している。
【0014】
図2に示す5,5は基体2に形成された皿木ネジ用孔、6,6は基体2の延長部2a,2aに形成されたコーチスクリュー用孔、7,7は同じく延長部2a,2aの端部に形成された鬼目ナット用長孔である。破線8は地表に立設される支柱の位置を示しており、基体2は支柱10内に挿入されるとともに延長部2a,2aは支柱10の外方にある。
【0015】
本実施形態にかかる連結金具1は木製であることが特徴であるが、該連結金具1の材質は特に限定されず、金属製であっても使用することが可能である。
【0016】
図5は本実施形態にかかる連結金具1を利用して構築した防護柵の要部を示す断面図であって、10は地表に立設された木製の丸柱型支柱であり、該支柱10内を横方向に縦断して形成された貫通孔11内に本連結金具1を挿通する。この時に基体2の裏面側に突設されたクサビ4の先鋭部4aが突条3の中央部を向くように形成されているので、このクサビ4が支柱10の端部から支柱10の内方に食い込むことによって連結金具1が支柱10に強固に締結支持される。
【0017】
次に皿木ネジ用孔5,5に皿木ネジ12,12を挿入固定し、支柱10の左右両側に突出している基体2の延長部2a,2a上に横桟としての木製ビーム13,13を載置してからコーチスクリュー用孔6,6にコーチスクリュー14,14を螺合し、鬼目ナット用長孔7,7に鬼目ナット15,15を挿入して六角ボルトで螺合固定することにより、本実施形態にかかる防護柵が構築される。なお、図5に示す例では支柱10と木製ビーム13間に所定の間隙16,16が形成されているが、この間隙16,16はなくてもよい。木製ビーム13としては天然の木材(特には間伐材)を使用することができる。
【0018】
図6は完成した防護柵の上面図、図7は同側面図であり、支柱10,10は地下に埋設された砕石17上に搭載されて基礎ブロック18,18を用いて強固に立設されており、各支柱10,10の上端部近傍と地表面近傍に本実施形態にかかる連結金具1を用いて横桟としての木製ビーム13,13を固定してから必要に応じて木製ビーム13,13間に多数本の縦ビーム19,19を配設固定する。
【0019】
図8は上記丸柱型支柱10に代えて角柱型支柱10aを用いた防護柵の上面図、図9は同側面図であり、前記図5に示す丸柱型支柱10を角柱に代えた以外は木製ビーム13,13の固定方法は基本的に同一である。図9に示したように、各支柱10a,10aの上端部近傍と地表面近傍及び中間部に本実施形態にかかる連結金具1を用いて複数本、図示例では3本の横桟としての木製ビーム13,13を固定して防護柵が構築されている。この例では図7に示す縦ビーム19の設置は省略することができる。
【0020】
図10は防護柵の変形例を示す上面図であって、支柱10aに対する木製ビーム13,13の水平方向の角度を変えることにより、防護柵を現場の状況に合わせて曲線的に構築することができる。即ち、防護柵の施工時に木製ビーム13,13に対するコーチスクリュー14の螺合と、鬼目ナット15,15の螺合固定位置を変えることによって木製ビーム13,13の水平方向の角度を任意に変化させることができる。
【0021】
図11は防護柵の他の変形例を示す側面図であって、支柱10aに対する木製ビーム13,13の上下方向の角度を変えることにより、防護柵を地盤の傾斜に合わせて構築することができる。この場合には防護柵の施工時に連結金具1の支柱10aに対する取付角度を変えて木製ビーム13,13に対するコーチスクリュー14の螺合と、鬼目ナット15,15の螺合固定を行うことによって木製ビーム13,13の上下方向の角度を任意に変化させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば1個の連結金具の両端部に左右の木製ビームが固定されるため、連結金具の個数は半分となるとともに防護柵の構築作業が簡易になり、施工コストを低廉化するとともに使用した連結金具が外部から看取されないので、防護柵の外観性が良好となって連結金具の腐食等の問題が解消される。従って歩道と車道の境界などに設置される横断防止柵とか境界フェンス、駅のホームにおける転落防止柵、遊歩道や公園、公共施設等に構築されている仕切り用,案内用又は転落防止用の防護柵に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明にかかる連結金具を示す側面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】図1のC−C線断面図。
【図5】本発明により構築した防護柵の要部を示す断面図。
【図6】構築した防護柵の上面図。
【図7】図6の側面図。
【図8】角柱型支柱を用いた防護柵の上面図。
【図9】図8の側面図。
【図10】防護柵の変形例を示す上面図。
【図11】防護柵の他の変形例を示す側面図。
【符号の説明】
【0024】
1…連結金具
2…基体
2a…延長部
3,3a…突条
4…クサビ
4a…先鋭部
5…皿木ネジ用孔
6…コーチスクリュー用孔
7…鬼目ナット用長孔
10,10a…支柱
11…貫通孔
12…皿木ネジ
13…木製ビーム
14…コーチスクリュー
15…鬼目ナット
17…砕石
18…基礎ブロック
19…縦ビーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の基体の略中央両端部に形成された突条と、この突条に近接する基体裏面側にあって先鋭部が中央部を向くように突設されたクサビと、基体から左右に伸びる延長部とから構成されたことを特徴とする防護柵の連結金具。
【請求項2】
上記基体に皿木ネジ用孔を形成するとともに該基体の延長部にコーチスクリュー用孔と鬼目ナット用長孔を形成した請求項1に記載の防護柵の連結金具。
【請求項3】
地表に立設された木製の支柱内を横方向に縦断して形成された貫通孔内に連結金具を挿通し、該連結金具の基体裏面側に突設されたクサビの先鋭部を支柱の内方に食い込ませて締結支持し、横桟としての木製ビームを基体の延長部に螺合固定することにより構築したことを特徴とする防護柵。
【請求項4】
基体に形成された皿木ネジ用孔に皿木ネジを挿入固定し、支柱の左右両側に突出している延長部に木製ビームを載置してからコーチスクリュー用孔にコーチスクリューを螺合するとともに鬼目ナット用長孔に鬼目ナットを挿入して螺合固定する請求項3に記載の防護柵。
【請求項1】
平板状の基体の略中央両端部に形成された突条と、この突条に近接する基体裏面側にあって先鋭部が中央部を向くように突設されたクサビと、基体から左右に伸びる延長部とから構成されたことを特徴とする防護柵の連結金具。
【請求項2】
上記基体に皿木ネジ用孔を形成するとともに該基体の延長部にコーチスクリュー用孔と鬼目ナット用長孔を形成した請求項1に記載の防護柵の連結金具。
【請求項3】
地表に立設された木製の支柱内を横方向に縦断して形成された貫通孔内に連結金具を挿通し、該連結金具の基体裏面側に突設されたクサビの先鋭部を支柱の内方に食い込ませて締結支持し、横桟としての木製ビームを基体の延長部に螺合固定することにより構築したことを特徴とする防護柵。
【請求項4】
基体に形成された皿木ネジ用孔に皿木ネジを挿入固定し、支柱の左右両側に突出している延長部に木製ビームを載置してからコーチスクリュー用孔にコーチスクリューを螺合するとともに鬼目ナット用長孔に鬼目ナットを挿入して螺合固定する請求項3に記載の防護柵。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−183262(P2006−183262A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−375623(P2004−375623)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(301054748)株式会社南国土木工事 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(301054748)株式会社南国土木工事 (4)
【Fターム(参考)】
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