説明

集合住宅インターホンシステム

【課題】居住者による駐車場の空き状況の確認を容易として車両の入庫又は出庫の管理を確実性なものとし、効率的な利用を図るとともに、来訪者による車両の入庫又は出庫の利便性を高める。
【解決手段】居室親機1a、1b、1c、・・・の親機操作部100でのゲート開閉操作をトリガとして、ゲート開閉機4の制御によりゲート2を開ける。また、ゲート開閉機にて生成・記憶される暗証番号を居室親機の表示部104に表示させ、開閉機操作部403での暗証番号の入力操作をトリガとしてゲートを開ける。また、住戸毎で駐車場に入庫できる車両の台数をゲート開閉機に設定・記憶し、この台数値より多い数の車両を駐車場に入庫しようとした場合、入庫不可のメッセージを居室親機の報知部102、104にて報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション等の集合住宅に設置される集合住宅インターホンシステムに係り、特に、駐車場への車両の入庫又は駐車場からの車両の出庫を管理できる集合住宅インターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の集合住宅インターホンシステムとして、IDコードが割り当てられた住戸毎の居住者が駐車場へと車両を入庫させるにあたり、ゲートを開くための有効な操作を集合玄関機にて行い、IDコードが割り当てられていない部外者による駐車場への車両の入庫を的確に防止することができる集合住宅インターホンシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−210481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術に記載された特許文献1の集合住宅インターホンシステムによれば、居住者が暗証番号の入力やキー操作等を行うことにより、駐車場のゲートを開け、車両を入庫又は出庫させることができる。しかしながら、防犯上の問題から暗証番号を知り得ない、或いはゲートを開けるための所定の鍵を所持していない来訪者にとっては、駐車場へと車両を入庫させることができなかった。
【0005】
本発明は、この難点を解消するためになされたもので、居住者による駐車場の空き状況の確認を容易として車両の入庫又は出庫の管理を確実性なものとし、効率的な利用を図るとともに、来訪者による車両の入庫又は出庫の利便性を高めた集合住宅インターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様である集合住宅インターホンシステムは、集合住宅の各住戸に設置される居室親機と、駐車場へと車両を入庫させる又は駐車場から車両を出庫させる際に開閉されるゲートと、駐車場のゲート付近に設置される集合玄関機と、ゲートの開閉を行うためのゲート開閉機と、居室親機、集合玄関機及びゲート開閉機をそれぞれ制御するための制御機とを備えている。居室親機には、ゲートの開閉を指示するための開閉操作を行う親機操作と、親機操作部による開閉操作を検出してゲートを開閉させるためのゲート開閉信号を生成し、ゲート開閉機に送出するための親機CPUとを備えている。
【0007】
この集合住宅インターホンシステムによれば、駐車場のゲート付近に設置されている集合玄関機から呼び出された居室親機でのゲート開閉操作がトリガとなって、ゲート開閉機の制御によりゲートが開くため、防犯上の問題から暗証番号を知り得ない、或いはゲートを開けるための所定の鍵を所持していない来訪者であっても、駐車場への車両の入庫を容易に行うことができ利便性が高められる。
【0008】
また、本発明の第2の態様である集合住宅インターホンシステムは、本発明の第1の態様において、ゲート開閉機には、居室親機の親機CPUからのゲート開閉信号を受信し、ゲートの開閉を許可する暗証番号を生成するための開閉機CPUと、開閉機CPUにて生成された暗証番号を記憶するための暗証番号記憶部と、暗証番号の入力操作を行うための開閉機操作部とを備えている。居室親機には、ゲート開閉機の開閉機CPUからの暗証番号を受信した親機CPUにより制御され、当該暗証番号を表示するための親機表示部を備えている。ゲート開閉機の開閉機CPUは、居室親機の親機表示部に表示され開閉機操作部にて入力される暗証番号と暗証番号記憶部に記憶された暗証番号との一致を検出してゲートの開閉制御を行うものである。
【0009】
この集合住宅インターホンシステムによれば、ゲート開閉操作が行われた居室親機には、ゲート開閉機にて生成・記憶される暗証番号が表示されるため、これを確認した来訪者によれば、防犯上の問題から暗証番号を予め知り得ていない場合であっても、確認した暗証番号の入力操作がトリガとなってゲートが開くため、駐車場からの車両の出庫を容易に行うことができ利便性が高められる。
【0010】
また、本発明の第3の態様である集合住宅インターホンシステムは、本発明の第2の態様において、ゲート開閉機には、駐車場に駐車されている車両の台数値を住戸毎に記憶するための住戸駐車台数記憶部を備えている。ゲート開閉機の開閉機CPUは、居室親機の親機CPUからのゲート開閉信号を受信したときに住戸駐車台数記憶部の台数値を「1」増加し、開閉機操作部による暗証番号の入力を検出したときに住戸駐車台数記憶部の台数値を「1」減少し、台数値が住戸毎に予め定められた値以上になったときにゲートの開閉制御を停止させるとともに入庫不可信号を生成する機能を備えている。居室親機には、ゲート開閉機の開閉機CPUからの入庫不可信号を受信した親機CPUにより制御され、入庫不可メッセージを音響出力・表示するための報知部を備えている。
【0011】
この集合住宅インターホンシステムによれば、住戸毎で駐車場に入庫できる車両の台数を設定し、その台数値をゲート開閉機に記憶することにより、設定された台数値より多い数の車両を駐車場に入庫しようとした場合、入庫不可のメッセージを居室親機にて報知することができ、それ以上の入庫が抑えられて駐車場の効率的な管理・利用が可能となる。
【0012】
また、本発明の第4の態様である集合住宅インターホンシステムは、本発明の第2の態様において、ゲート開閉機には、駐車場に駐車されている車両の台数値を住戸毎に記憶するための住戸駐車台数記憶部と、駐車場に駐車されている全車両の台数値を記憶するための全駐車台数記憶部とを備えている。ゲート開閉機の開閉機CPUは、居室親機の親機CPUからのゲート開閉信号を受信したときに住戸駐車台数記憶部及び全駐車台数記憶部の各台数値を「1」増加し、開閉機操作部による暗証番号の入力を検出したときに住戸駐車台数記憶部及び全駐車台数記憶部の各台数値を「1」減少し、各台数値が予め定められた値以上になったときに警報信号を生成する機能を備えている。居室親機には、ゲート開閉機の開閉機CPUからのを警報信号を受信した親機CPUにより制御され、警報メッセージを音響出力・表示するための報知部を備えている。
【0013】
この集合住宅インターホンシステムによれば、住戸毎に駐車場に入庫できる車の台数、駐車場に入庫できる全車両の台数をそれぞれ設定し、それら各台数値をゲート開閉機に記憶することにより、全車両の台数が所定値を超え、さらには、住戸毎の車両の台数が所定値を超えた場合、当該車両の台数が超えた住戸の居室親機にて警報発報を行うことができ、車両の出庫を促すことで駐車場の効率的な管理・利用が可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の集合住宅インターホンシステムによれば、防犯上の問題から暗証番号を知り得ない、或いはゲートを開けるための所定の鍵を所持していない来訪者であっても、駐車場への車両の入庫又は車両の出庫を容易に行うことができ利便性が高められるばかりでなく、駐車場の効率的な管理・利用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の集合住宅インターホンシステムを適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施例による集合住宅インターホンシステムの具体的な構成を示すブロック図である。この集合住宅インターホンシステムは、マンション等の集合住宅において、各住戸に設置され住戸毎の居室番号(詳述せず。)が割り当てられた(複数の)居室親機1a、1b、1c、・・・と、駐車場へと車両を入庫させる又は駐車場から車両を出庫させる際に開閉されるゲート2と、駐車場のゲート2付近に設置される集合玄関機3と、駐車場へと車両を入庫させる又は駐車場から車両を出庫させる際にゲート2の開閉を行うためのゲート開閉機4と、親機ラインL1を介して接続、ここでは、バス接続された居室親機1a、1b、1c、・・・、玄関機ラインL2を介して接続された集合玄関機2及び開閉機ラインL3を介して接続されたゲート開閉機4をそれぞれ制御するための制御機5とを備えている。
【0017】
次に、前述の構成各部について詳述するにあたり、集合玄関機3には、玄関機操作部300、玄関機表示部301、玄関機マイク302、玄関機スピーカ303、玄関機音声処理部304、玄関機CPU305及び玄関機インターフェース(以下、I/Fという。)306が備えられている。
【0018】
この集合玄関機3において、玄関機操作部300は、玄関機CPU305によって操作検出され、来訪者が居住者を呼び出すにあたり、呼出先の住戸に割り当てられている居室番号を入力するような所定の呼出操作を行うものであって、例えば、テンキーボタン及び呼出ボタン等の各種の押圧ボタンや、玄関機表示部301の前面に配置されるタッチパネル上の操作ボタンで構成されている。
【0019】
玄関機表示部301は、玄関機CPU305によって制御され、玄関機操作部300の操作情報を表示するためのものであり、例えば、LCD、PDP、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。
【0020】
玄関機マイク302及び玄関機スピーカ303は、来訪者が呼び出した居住者との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)信号を入出力するものである。
【0021】
玄関機音声処理部304は、玄関機CPU305によって制御され、玄関機マイク302及び玄関機スピーカ303にて入出力される音声信号について所定の信号処理を行う例えば、4線/2線変換、2線/4線変換及び増幅を行うためのものである。
【0022】
玄関機CPU305は、集合玄関機3の構成各部を制御するためのものである。また、玄関機I/F306は、玄関機音声処理部304及び玄関機ラインL2の間の信号伝送路と、玄関機CPU305及び玄関機ラインL2の間の信号伝送路とをそれぞれ形成するためのものである。
【0023】
また、居室親機1a、1b、1c、・・・はそれぞれ同様な構成であり、親機操作部100、親機マイク101、親機スピーカ102、親機音声処理部103、親機表示部104、親機CPU105及び親機I/F106が備えられている。
【0024】
この居室親機1a、1b、1c、・・・において、親機操作部100は、親機CPU105によって操作検出され、来訪者による集合玄関機3からの呼び出しに居住者が応答して通話を成立させるための所定の応答操作及び成立中の通話を終了させるための所定の応答操作を行うとともに、ゲート2を開閉させるための所定のゲート開閉操作を行うものであり、例えば、通話ボタン、テンキーボタン、開閉(許可)ボタン等の各種の押圧ボタンや、親機表示部104の前面に配置されるタッチパネル上の操作ボタンで構成されている。
【0025】
親機マイク101及び親機スピーカ102は、居住者が来訪者との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)信号を入出力するものである。また、親機スピーカ102は、前述の通話機能のみならず、親機CPU105の制御によって、来訪者からの呼び出しがある旨の呼出発報を行うこともでき、さらには、駐車場への車両の入庫を許可するための入庫許可メッセージ、駐車場への車両の入庫を不可とするメッセージ又は駐車場からの車両の出庫を促すための警報メッセージを出力(音響出力)することができる。
【0026】
親機音声処理部103は、親機CPU105によって制御され、親機マイク101及び親機スピーカ102にて入出力される音声信号について所定の信号処理を行う例えば、4線/2線変換、2線/4線変換及び増幅を行うためのものである。
【0027】
親機表示部104は、親機CPU105によって制御され、来訪者からの呼び出しがある旨の呼出表示を行うとともに、ゲート2の開閉を許可する暗証番号を表示し、さらには、駐車場への車両の入庫を許可するための入庫許可メッセージ、駐車場への車両の入庫を不可とするメッセージ又は駐車場からの車両の出庫を促すための警報メッセージを表示するものであり、例えば、LCD、PDP、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。
【0028】
親機CPU105は、居室親機1a、1b、1c、・・・の構成各部を制御するためのものである。また、親機I/F106は、親機音声処理部103及び親機ラインL1の間の信号伝送路と、親機CPU105及び親機ラインL1の間の信号伝送路とをそれぞれ形成するためのものである。
【0029】
さらに、ゲート開閉機4には、暗証番号記憶部400、住戸駐車台数記憶部401、全駐車台数記憶部402、開閉機操作部403、開閉機表示部404、ゲート駆動部405、開閉機CPU406及び開閉機I/F407が備えられている。
【0030】
このゲート開閉機4において、暗証番号記憶部400は、ゲート2の開閉を許可する暗証番号を記憶するためのものである。また、住戸駐車台数記憶部401は、駐車場に駐車されている車両の台数値を住戸毎に記憶するためのものである。さらに、全駐車台数記憶部402は、駐車場に駐車されている全車両の台数値を記憶するためのである。なお、これらの記憶部400、401、402は、開閉機CPU406によって制御され、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体で構成されている。
【0031】
開閉機操作部403は、開閉機CPU406によって操作検出され、居室親機1a、1b、1c、・・・の親機表示部104に表示され自機の暗証番号記憶部400に記憶されている暗証番号を入力するための所定の入力操作を行うものであり、例えば、テンキーボタン及び確定ボタン等の各種の押圧ボタンや、開閉機表示部404の前面に配置されるタッチパネル上の操作ボタンで構成されている。
【0032】
開閉機表示部404は、開閉機CPU406によって制御され、開閉機操作部403の操作情報を表示するためのものであり、例えば、LCD、PDP、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。
【0033】
ゲート駆動部405は、開閉器CPU406によって制御され、ゲート2を開閉させるためのものである。また、開閉機CPU406は、ゲート開閉機4の構成各部を制御するためのものである。さらに、開閉機I/F407は、開閉機CPU406及び開閉機ラインL3の間の信号伝送路を形成するためのものである。
【0034】
このように構成された本発明の実施例による集合住宅インターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
【0035】
図1のブロック図に示す当該システムが設けられているマンション等の集合住宅内の居住者、ここでは、居室親機1aが設置された住戸内に在室中の居住者を呼び出すにあたって、自己の車両を使用してゲート2付近に到着した来訪者は、呼出先の住戸に割り当てられている居室番号を集合玄関機3の玄関機操作部300を使用して入力するような所定の呼出操作を行うことができる。この操作を検出した玄関機CPU305は、前述の居室番号を付加した呼出信号を生成し、玄関機I/F306、玄関機ラインL2、制御機5、親機ラインL1、居室親機1a、1b、1c、・・・の親機I/F106を介して親機CPU105に送出する。
【0036】
ここで、居室親機1a、1b、1c、・・・の親機CPU105のうち、集合玄関機3からの呼出信号に付加された居室番号と自親機に割り当てられている居室番号との一致を検出する居室親機1aの親機CPU105は、来訪者による集合玄関機3からの呼び出しがある旨の呼出発報を、親機スピーカ102からの音響出力及び親機表示部104の使用による呼出表示で行うことができる。
【0037】
なお、居室親機1aが設置された住戸内に在室中の居住者は、前述の呼出報知を確認した後、親機操作部100を使用して所定の応答操作を行うと、この操作を検出した親機CPU105(及び制御機5、集合玄関機3の玄関機CPU305)の制御によって、居住者が使用する親機マイク101及び親機スピーカ102と、親機音声処理部103、親機I/F106、親機ラインL1、制御機5、玄関機ラインL2、集合玄関機3の玄関機I/F306、玄関機音声処理部304を介して来訪者が使用する玄関機マイク302及び玄関機スピーカ303との間の信号伝送路、すなわち、通話路が形成され、音声信号を送受信させることで通話が成立する。
【0038】
次に、前述の呼出報知を確認した居住者又は通話が成立中の居住者は、来訪者の車両を駐車場に入庫させるにあたり、居室親機1aの親機操作部100を使用して所定のゲート開閉操作を行うことができる。この操作を検出した親機CPU105は、自親機に割り当てられている居室番号を付加したゲート開閉信号を生成し、親機I/F106、親機ラインL1、制御機5、開閉機ラインL3、ゲート開閉機4の開閉機I/F407を介して開閉機CPU406に送出する。
【0039】
ゲート開閉機4の開閉機CPU406は、受信したゲート開閉信号に付加されている居室番号をもとに、居室親機1aが設置された住戸内に在室中の居住者によるゲート開閉操作が行われたことを検出するとともに、この居室番号に割りあてて住戸駐車台数記憶部401に記憶されている現在の台数値(以下、住戸別駐車台数値という。)を検出し、さらには、全駐車台数記憶部402に記憶されている現在の台数値(以下、全駐車台数値という。)を検出することができる。
【0040】
この後、ゲート開閉機4の開閉機CPU406による第1の動作として、居室親機1aが設置された住戸の居室番号に割り当てて住戸駐車台数記憶部401に記憶されている現在の住戸別駐車台数値が「2台」であり、駐車を許可する台数値(以下、住戸別駐車許可台数値という。)が「3台」であって、さらには、全駐車台数記憶部402に記憶されている現在の全駐車台数値が「9台」であり、駐車の閾値を示す全台数値(以下、全駐車台数閾値という。)が「10台」であった場合、前述のように居室親機1aからのゲート開閉信号を検出した開閉機CPU406は、住戸駐車台数記憶部401に記憶される住戸別駐車台数値を「1」増加させ「3台」とするとともに、全駐車台数記憶部402に記憶される全駐車台数値を「1」増加させ「10台」とするような更新処理を行う。
【0041】
なお、駐車場への駐車を許可する台数値は、集合住宅の規模及び前述の全駐車台数閾値である「10台」に対応させて可変される数値であり、本実施例においては例えば、「20台」とし、全駐車台数閾値と比較して大きな数値とされる。
【0042】
ここで、ゲート開閉機4の開閉機CPU406は、居室親機1aが設置された住戸の居室番号に割り当てて住戸駐車台数記憶部401に更新された住戸別駐車台数値が「3」であって住戸別駐車許可台数値の範囲内であり、さらには、全駐車台数記憶部402に更新された全駐車台数値が「10」であって全駐車台数閾値の範囲内であることを検出し、ゲート駆動部405を制御してゲート2を開けることができ、来訪者にとっては、開かれたゲート2を経由して駐車場への車両の入庫が可能となる。
【0043】
また、ゲート開閉機4の開閉機CPU406は、駐車場に入庫された車両を出庫させるにあたり必要とされる暗証番号を生成して暗証番号記憶部400に記憶するとともに、この暗証番号を付加させた入庫許可信号を生成し、前述のゲート開閉信号と逆の経路を介して居室親機1aの親機CPU105に送出することにより、親機CPU105の制御によって、当該入庫許可信号に付加されている暗証番号が親機表示部104に表示されることになる。
【0044】
すなわち、居室親機1aが設置された住戸内に在室中の居住者を訪問した来訪者によれば、親機表示部104に表示されている暗証番号を、ゲート開閉機4の開閉機表示部404の表示内容を確認しながら開閉機操作部403を使用して入力することができる。この操作を検出した開閉機CPU406は、暗証番号記憶部400に記憶されている暗証番号との一致を検出し、ゲート駆動部405を制御してゲート2を開けることができ、来訪者にとっては、駐車場に入庫されている自己の車両を出庫させることができる。
【0045】
その後、ゲート開閉機4の開閉機CPU406は、居室親機1aが設置された住戸の居室番号に割り当てて住戸駐車台数記憶部401に記憶されている現在の住戸別駐車台数値を「1」減少させ「2台」とするとともに、全駐車台数記憶部402に記憶される全駐車台数値を「1」減少させ「9台」とするような更新処理を行う。
【0046】
次に、ゲート開閉機4の開閉機CPU406による第2の動作として、居室親機1aが設置された住戸の居室番号に割り当てて住戸駐車台数記憶部401に記憶されている現在の住戸別駐車台数値が「3台」であり、住戸別駐車許可台数値が「3台」であって、さらには、全駐車台数記憶部402に記憶されている現在の全駐車台数値が「9台」であり、全駐車台数閾値が「10台」であった場合、前述のように居室親機1aからのゲート開閉信号を検出した開閉機CPU406は、住戸駐車台数記憶部401に記憶される住戸別駐車台数値を「1」増加させ「4台」とするとともに、全駐車台数記憶部402に記憶される全駐車台数値を「1」増加させ「10台」とするような更新処理を行う。
【0047】
ここで、ゲート開閉機4の開閉機CPU406は、居室親機1aが設置された住戸の居室番号に割り当てて住戸駐車台数記憶部401に更新された住戸別駐車台数値が「4」であって住戸別駐車許可台数値の範囲を超えている一方、全駐車台数記憶部402に更新された全駐車台数値が「10」であって全駐車台数閾値の範囲内であることを検出し、ゲート2を閉じたまま保持するとともに、駐車場への車両の入庫を不可とするための入庫不可信号を生成し、前述の入庫許可信号と同一の信号伝送路を介して居室親機1aの親機CPU105に送出することにより、親機CPU105の制御によって、駐車場への入庫が不可である旨の例えば、「入庫できません」のような入庫不可メッセージを、親機スピーカ102からの音響出力及び親機表示部104における警報表示で報知することができ、ゆえに、駐車場からの車両の出庫が促される。
【0048】
次に、ゲート開閉機4の開閉機CPU406による第3の動作として、居室親機1aが設置された住戸の居室番号に割り当てて住戸駐車台数記憶部401に記憶されている現在の住戸別駐車台数値が「4台」であり、住戸別駐車許可台数値が「3台」、すなわち、出庫されずに過剰な台数の車両が駐車場に予め駐車されている状態であって、また、全駐車台数記憶部402に記憶されている現在の全駐車台数値が「10台」であり、全駐車台数閾値が「10台」であって、さらには、他の住戸の居室番号、ここでは、居室親機1bが設置された住戸の居室番号に割り当てて住戸駐車台数記憶部401に記憶されている現在の住戸別駐車台数値が「1台」であり、住戸別駐車許可台数値が「2台」であった場合、前述の居室親機1aからのゲート開閉信号と同様、居室親機1bの親機CPU105にて生成されるゲート開閉信号を検出した開閉機CPU406は、居室親機1bが設置された住戸の居室番号に割り当てて住戸駐車台数記憶部401に記憶される現在の住戸別駐車台数値を「1」増加させ「2台」とするとともに、全駐車台数記憶部402に記憶される全駐車台数値を「1」増加させ「11台」とするような更新処理を行う。
【0049】
ここで、ゲート開閉機4の開閉機CPU406は、居室親機1bが設置された住戸の居室番号に割り当てて住戸駐車台数記憶部401に更新された住戸別駐車台数値が「2」であって住戸別駐車許可台数値の範囲内である一方、全駐車台数記憶部402に更新された全駐車台数値が「11」であって全駐車台数閾値の範囲を超えるばかりでなく、同様に、居室親機1aが設置された住戸の居室番号に割り当てて住戸駐車台数記憶部401に記憶されている住戸別駐車台数値が「4」であって住戸別駐車許可台数値の範囲を超えていることを検出し、ゲート2を閉じたまま保持するとともに、前述のように出庫されずに過剰な台数の車両が駐車場に予め駐車されている居室親機1aに対して当該車両の出庫を促すための警報信号を生成し、前述の入庫許可信号及び入庫不可信号と同一の信号伝送路を介して居室親機1aの親機CPU105に送出することにより、親機CPU105の制御によって、駐車場からの車両の出庫を促す旨の例えば、「車両を出庫してください」のような警報メッセージを、親機スピーカ102からの音響出力及び親機表示部104における警報表示で報知することができる。
【0050】
居室親機1aが設置された住戸内に在室中の居住者を訪問した来訪者(又は当該居住者)によれば、前述の第1の動作と同様、駐車場への車両の入庫時において表示部104に表示されていた暗証番号を、ゲート開閉機4の開閉機表示部404の表示内容を確認しながら開閉機操作部403を使用して入力することができる。この操作を検出した開閉機CPU406は、暗証番号記憶部400に記憶されている暗証番号との一致を検出し、ゲート駆動部405を制御してゲート2を開けることにより、駐車場に過剰な台数で駐車されている車両を出庫させることができる。
【0051】
その後、ゲート開閉機4の開閉機CPU406は、居室親機1aが設置された住戸の居室番号に割り当てて住戸駐車台数記憶部401に記憶されている現在の住戸別駐車台数値を「1」減少させ「3台」とするとともに、全駐車台数記憶部402に記憶される全駐車台数値を「1」減少させ「10台」とするような更新処理を行う。
【0052】
前述までの説明から明らかなように、本発明の集合住宅インターホンシステムによれば、集合住宅の住戸内に在室中の居住者が居室親機1a、1b、1c、・・・の親機操作部100を使用して所定のゲート開閉操作を行うことで、駐車場のゲート2を容易に開閉することができるため、無断駐車の発生が抑制され、来訪者による効率的な駐車場の利用が可能となる。また、ゲート2を開閉させるゲート開閉機4で駐車場の使用状況を容易に把握できるため、効率的な駐車場の管理・利用が可能となる。
【0053】
本発明の集合住宅インターホンシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該装置であっても採用できるということはいうまでもないことである。例えば、居室親機1a、1b、1c、・・・、集合玄関機2及びゲート開閉機4と同様に制御機5によって制御される機器として、管理室親機を有する当該システムを適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例による集合住宅インターホンシステムの具体的な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0055】
1a、1b、1c、・・・……居室親機
100……親機操作部
102……親機スピーカ(報知部)
104……親機表示部(報知部)
105……親機CPU
2……ゲート
3……集合玄関機
4……ゲート開閉機
400……暗証番号記憶部
401……住戸駐車台数記憶部
402……全駐車台数記憶部
403……開閉機操作部
5……制御機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の各住戸に設置される居室親機(1a、1b、1c、・・・)と、駐車場へと車両を入庫させる又は駐車場から車両を出庫させる際に開閉されるゲート(2)と、駐車場の前記ゲート付近に設置される集合玄関機(3)と、前記ゲートの開閉を行うためのゲート開閉機(4)と、前記居室親機、前記集合玄関機及び前記ゲート開閉機をそれぞれ制御するための制御機(5)とを備え、
前記居室親機には、前記ゲートの開閉を指示するための開閉操作を行う親機操作部(100)と、前記親機操作部による開閉操作を検出して前記ゲートを開閉させるためのゲート開閉信号を生成し、前記ゲート開閉機に送出するための親機CPU(105)とを備えることを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【請求項2】
前記ゲート開閉機には、前記居室親機の親機CPUからのゲート開閉信号を受信し、前記ゲートの開閉を許可する暗証番号を生成するための開閉機CPU(406)と、前記開閉機CPUにて生成された暗証番号を記憶するための暗証番号記憶部(400)と、前記暗証番号の入力操作を行うための開閉機操作部(403)とを備え、
前記居室親機には、前記ゲート開閉機の前記開閉機CPUからの暗証番号を受信した前記親機CPUにより制御され、当該暗証番号を表示するための親機表示部(104)を備え、
前記ゲート開閉機の開閉機CPUは、前記居室親機の親機表示部に表示され前記開閉機操作部にて入力される暗証番号と前記暗証番号記憶部に記憶された暗証番号との一致を検出して前記ゲートの開閉制御を行うことを特徴とする請求項1記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項3】
前記ゲート開閉機には、前記駐車場に駐車されている車両の台数値を前記住戸毎に記憶するための住戸駐車台数記憶部(401)を備え、
前記ゲート開閉機の開閉機CPUは、前記居室親機の親機CPUからのゲート開閉信号を受信したときに前記住戸駐車台数記憶部の台数値を「1」増加し、前記開閉機操作部による前記暗証番号の入力を検出したときに前記住戸駐車台数記憶部の台数値を「1」減少し、前記台数値が住戸毎に予め定められた値以上になったときに前記ゲートの開閉制御を停止させるとともに入庫不可信号を生成する機能を備え、
前記居室親機には、前記ゲート開閉機の開閉機CPUからの入庫不可信号を受信した前記親機CPUにより制御され、入庫不可メッセージを音響出力・表示するための報知部(102、104)を備えることを特徴とする請求項2記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項4】
前記ゲート開閉機には、前記駐車場に駐車されている車両の台数値を前記住戸毎に記憶するための住戸駐車台数記憶部(401)と、前記駐車場に駐車されている全車両の台数値を記憶するための全駐車台数記憶部(402)とを備え、
前記ゲート開閉機の開閉機CPUは、前記居室親機の親機CPUからのゲート開閉信号を受信したときに前記住戸駐車台数記憶部及び前記全駐車台数記憶部の各台数値を「1」増加し、前記開閉機操作部による前記暗証番号の入力を検出したときに前記住戸駐車台数記憶部及び前記全駐車台数記憶部の各台数値を「1」減少し、前記各台数値が予め定められた値以上になったときに警報信号を生成する機能を備え、
前記居室親機には、前記ゲート開閉機の開閉機CPUからのを警報信号を受信した前記親機CPUにより制御され、警報メッセージを音響出力・表示するための報知部(102、104)を備えることを特徴とする請求項2記載の集合住宅インターホンシステム。

【図1】
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【公開番号】特開2010−154029(P2010−154029A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327797(P2008−327797)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】