説明

離型剤塗布ノズル

【課題】離型剤塗布ノズルを分割構造にし、分解清掃による機能回復を可能にするとともに、ノズルヘッド交換方式により金型のキャビティに合わせて噴霧口の配置を最適化できるようにし、さらにノズルヘッドにおける離型剤通路をマシニングセンター等で自由に設定可能な構造とし、離型剤噴霧の応答性の向上および噴霧量の調整を図ることを可能とした離型剤塗布ノズルを提供する。
【解決手段】本発明の離型剤塗布ノズルは、金型の上型と下型に対し離型剤を吹き付ける塗布ノズルにおいて、塗布ノズルを、ノズル先端部、空気・離型剤通路部および本体取付接合部の3分割構造にしてこれらの部材を接離可能に接合するとともに、前記ノズル先端部を上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディの2分割構造にして接離可能に接合し、上型用ノズルボディの噴霧口および下型用ノズルボディの噴霧口にそれぞれ連通する離型剤通路および空気通路を設けることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型のキャビティを画成する壁面へ離型剤を塗布するためのノズルに関し、特に、ノズルの清掃性向上と金型壁面形状にマッチした噴霧性能の確保を可能にするようにした離型剤塗布ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金型のキャビティを画成する壁面へ離型剤を吹き付けるための噴射ノズルとしては、図6に示すものが知られている(以下「従来技術」という。例えば、特許文献1参照。)。
図6に示す従来技術の噴射ノズル50は、ノズル先端部51、ノズル中間部52、ノズル基部53のそれぞれをSUS304等の鋼板を角柱状または角錐状に折り曲げて溶接にて形成し、これらの3部材を溶接にて一体構造にしたもので剛性を重視した構造となっている。先端にドレンプラグ54が装着されているものの、一体構造のために噴射ノズル50内で離型剤のつまりが発生した場合その対応が全くできず、使い捨てにするしかなかった。また、完全につまる以前の一部つまりの状態でも、噴霧特性が変化するため、その都度調整が必要であった。
【0003】
また、従来技術のものは、水溶性離型剤に対応するためステンレス製としているため高価であること、また、種々の金型のキャビティに対応しようとする場合、部分交換ができず全体を交換するしかないため、噴射ノズルに要する費用が嵩むという問題もあった。
【特許文献1】特開2005−342783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鍛造の型打ちにおいて離型剤の塗布は鍛造成型時の鍛造部材の流動性を左右し、成形の欠陥や金型寿命に大きい影響を与えるものであり、離型剤の噴霧塗布の良否は鍛造の成否に重大な影響を与えるものである。しかし、従来の塗布ノズルは上記の問題を有し、市場の要求条件を完全に満足するものではなかった。
【0005】
本発明は、離型剤塗布ノズルを分割構造にし、分解清掃による機能回復を可能にするとともに、ノズルヘッド交換方式により金型のキャビティに合わせて噴霧口の配置を最適化できるようにし、さらにノズルヘッドにおける離型剤通路をマシニングセンター等で自由に設定可能な構造とし、離型剤噴霧の応答性の向上および噴霧量の調整を図ることを可能とした離型剤塗布ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明の離型剤塗布ノズルは以下の特徴を有する。
(1)金型の上型と下型に対し離型剤を吹き付ける塗布ノズルにおいて、塗布ノズルを、ノズル先端部、空気・離型剤通路部および本体取付接合部の3分割構造にしてこれらの部材を接離可能に接合するとともに、前記ノズル先端部を上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディの2分割構造にして接離可能に接合し、上型用ノズルボディの噴霧口および下型用ノズルボディの噴霧口にそれぞれ連通する離型剤通路および空気通路を設けることを特徴としている。
(2)上記(1)において、本体取付接合部における離型剤通路は断面円形に形成され、また、空気・離型剤通路部の内部の離型剤通路は断面円形の金属製引抜パイプにより形成され、空気・離型剤通路部の空気通路はケーシングとパイプとの間に形成されることを特徴としている。
(3)上記(1)または(2)において、ノズル先端部の上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディは中間隔壁部材を介して接離可能に接合されるとともに、金型の上型および下型に離型剤を吹き付けるための噴霧口が形成されており、金型の上型および下型の形状に対応して噴霧口の配置パターンが異なる複数の種類の上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディが備えられていることを特徴としている。
(4)上記(1)ないし(3)のいずれか1において、ノズル先端部の上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディの噴霧口に離型剤および空気を導くための離型剤分配部材が上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディにそれぞれ嵌合されることを特徴としている。
(5)上記(1)ないし(4)のいずれか1において、離型剤エアー分配部材には、空気・離型剤通路部の離型剤通路および空気通路と上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディの噴霧口とを連通する離型剤通路および空気通路が形成されており、離型剤通路は噴霧口に向けて先細り形状に形成されていることを特徴としている。
(6)上記(5)において、離型剤分配部材の離型剤通路に離型剤溜まり部が形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の離型剤塗布ノズルは、以下のような優れた効果を奏する。
(1)塗布ノズルを、ノズル先端部、空気・離型剤通路部および本体取付接合部の3分割構造にしてこれらの部材を接離可能に接合しているため、簡単に分解することができ、分解清掃性の向上を図ることができる。
また、ノズル先端部を取換え容易とすること、および、ノズル先端部を上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディの2分割構造にして接離可能とすることにより、金型のキャビティの種類に合わせてノズル先端部を選択することができる。
(2)離型剤通路を断面円形とすることにより、離型剤の詰まりを抑制するとともに、清掃を容易にすることができる。
(3)ノズル先端部の上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディは中間隔壁部材を介して接離可能に接合されるとともに、金型の上型および下型に離型剤を吹き付けるための噴霧口が形成されており、金型の上型および下型の形状に対応して噴霧口の配置パターンが異なる複数の種類の上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディが備えられていることにより、噴射位置、噴霧口の数、噴射量等の離型剤噴霧性能を最適なものとすることができる。
(4)ノズル先端部の上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディの噴霧口に離型剤および空気を導くための離型剤分配部材が上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディにそれぞれ嵌合される形式とすることにより、離型剤通路の形状、特性に自由度を持たせることができる。
(5)離型剤分配部材には、空気・離型剤通路部の離型剤通路および空気通路と上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディの噴霧口とを連通する離型剤通路および空気通路が形成されており、離型剤通路は噴霧口に向けて先細り形状に形成されていることにより、離型剤の流速を先端部向けて加速し、離型剤の詰まり防止およびON・OFF応答性の向上を図ることができる。
(6)中間隔壁部材の離型剤通路に離型剤溜まり部が形成されていることにより、噴霧量の調整をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に係る離型剤塗布ノズルを実施するための最良の形態を図面を参照して以下に説明する。
【0009】
図1は、本実施の形態に係る離型剤塗布ノズルの使用状態を示す正面図である。
図1において、離型剤塗布ノズル1は、ノズル架台32にフランジ等を介して着脱自在に装着されており、ノズル架台32を前進位置(実線位置)または後退位置(2点鎖線位置)に駆動することにより離型剤塗布ノズル1も前進位置又は後退位置をとる。
離型剤塗布ノズル1の前進位置では、鍛造等の金型の上型33および下型34のキャビティ面に離型剤をノズル先端部の上下面から噴射できるように設定されている。また、上型33および下型34に離型剤の噴射が終了し、鍛造ショット時には、ノズル架台32が後退位置まで駆動され、離型剤塗布ノズル1も上型33および下型34から退避して待機する。
これらの一連の動きは非常に高速、短時間に作動する。例えば、プレスの1サイクルの時間は数秒であり、その間に、鍛造ショット、ワークの移動および離型剤塗布ノズル1による離型剤の塗布動作が行われる。
【0010】
そのため、離型剤塗布ノズル1には、以下の要件が求められる。
(1)長時間使用しても離型剤とエアーの安定供給ができること。
特に、離型剤の詰まりによる噴霧塗布条件の不安定は許されない。また、離型剤の一般的な性状は沈殿し易く、離型剤流路に詰まり易い性質があるため、噴霧塗布安定化のためには詰まり難い流路形状にし、定期的に分解清掃ができることが重要な要件になる。
(2)非常に短時間に離型剤を塗布し、乾燥させるためには離型剤塗布ノズル1の応答性が重要な要件である。
(3)種々の金型形状に適合させるためには、金型形状に合わせた噴霧形態、噴霧量を実現できる専用の離型剤塗布ノズルを用意し、取換交換可能な形態であることが重要である。
(4)離型剤との化学反応で錆、腐食がないことも要件である。
【0011】
図2は、以上の要件を満たすべく開発された離型剤塗布ノズル1を示したもので、図2(a)は平面図、図2(b)はA−A断面図、図2(c)はB−B断面図である。
離型剤塗布ノズル1は、ノズル先端部2、空気・離型剤通路部3および本体取付接合部4の3部材から構成され、これらの3部材はボルト5で接離可能に接合されている。
そのため、必要に応じて簡単に分解することができ、清掃が容易であり、また、ノズル先端部2を金型の形状に合わせて最適なものに交換することが容易にできる。
【0012】
図2(b)、(c)に示すように、ノズル先端部2はやや扁平な直方体形状をなし、中間隔壁部材35を介して上下2分割構造になっており、上型用ノズルボディ6および下型用ノズルボディ7をボルト8により接離可能に接合する構成になっている。上型用ノズルボディ6および下型用ノズルボディ7には、それぞれに噴霧口9が形成されており、これらの噴霧口9に離型剤および空気を供給できるように離型剤通路10および空気通路11が連通している。
このように、ノズル先端部2が中間隔壁部材35を介して上下2分割構造となっているため、離型剤の詰まりが生じた場合にも、分解して清掃工具で簡単に噴霧口9の内部の詰まりを解消できる。また、金型の上型及び下型の形状が異なっている場合であっても、それぞれの形状に適した上型用ノズルボディ6および下型用ノズルボディ7を装着することができ、適切な噴霧特性を得ることができる。
【0013】
空気・離型剤通路部3のケーシング12は、アルミニウムあるいは鉄等の引抜材を加工等して形成され、断面が矩形状をなし、両側の端部にはノズル先端部2および本体取付接合部4とフランジ接合するためのフランジ部13を有している。
ケーシング12の内部にはノズル先端部2および本体取付接合部4の上下の離型剤通路に接続するように断面円形の金属製引抜パイプ14が上下に2本設けられ、これらのパイプ14の内部が離型剤通路15を形成している。金属製引抜パイプ14の材料としては、例えば、Cu、Al、SUS等が適しており、このような材料の引抜パイプを使用することにより、離型剤の内部詰まりを抑制することができ、また、形状がパイプ状のため容易に分解清掃ができ、さらに、最小断面のパイプを使用することにより離型剤のためのパイプ内ボリュームを減少することができ噴霧の応答性向上に寄与できる。
また、ケーシング12の内部には空気通路16がケーシング12とパイプ14との間に形成され、ノズル先端部2および本体取付接合部4の空気通路に連通している。
【0014】
本体取付接合部4は鉄等の金属材料から切削加工等により形成されるもので、断面が矩形状をなし、先端側に空気・離型剤通路部3のフランジと接合するためのフランジ部17を有し、基部側にノズル架台2に装着されるための装着プレート18とフランジ接合するためのフランジ部20を有している。
本体取付接合部4の内部には離型剤通路および空気通路を形成した空気・離型剤導入部材19が嵌合されており、該空気・離型剤導入部材19には断面円形の離型剤通路21が上下に設けられ、空気・離型剤通路部3の離型剤通路15を形成するパイプ14と接続されている。また、空気通路22が離型剤通路21の両側に位置して形成されている。これらの離型剤通路21および空気通路22にはノズル架台2側からそれぞれ離型剤および空気が所定の圧力で供給される。
ノズル架台2から本体取付接合部4を切り離し、本体取付接合部4と空気・離型剤通路部3とのフランジ部13、17のボルト5を緩めて分解することにより、本体取付接合部4内の清掃および空気・離型剤通路部3内部の清掃を容易にすることができる。また、離型剤通路21の断面形状が円形であるため、詰まりが抑制され、清掃も容易となっている。
【0015】
図3は、ノズル先端部2を構成する上型用ノズルボディ6あるいは下型用ノズルボディ7を外面から見た平面図で、(a)(b)(c)はそれぞれパターン1、パターン2、パターン3を示している。(a)のパターン1においては噴霧口9は、中心、上下および左右に5個形成され、(b)のパターン2では噴霧口9は、中心、左右および左側に偏奇した上下に5個形成され、(c)のパターン3では、中心、斜め方向上下に5個形成されている。図3では3つのパターンを示しているが、これに限らず、必要に応じた種類のパターンを容易すればよい。上型用ノズルボディ6および下型用ノズルボディ7のパターンは金型の上型および下型の形状に応じて最適な噴霧がなされるように選択される。
【0016】
図4は、上型用ノズルボディ6(あるいは下型用ノズルボディ7。以下、単に「ノズルボディ」と呼ぶことがある。)を示すもので、(a)は平面図、(b)はC−C断面図である。
ノズルボディ6はアルミニウム等の金属部材を切削等にて形成されるもので、扁平した直方体形状をしており、後記する離型剤分配部材25が内部に嵌合できるように空洞部24が形成されている。空洞部24は空気・離型剤通路部3と接合する側の側壁が切り欠かれ、残り3側壁と天井壁で囲まれた形状となっている。
そして、天井壁には前記した噴霧口9が複数個分散して形成されている。
【0017】
図5は、離型剤分配部材25を示すもので、(a)は上面図、(b)はD−D断面図、(c)は下面図である。
離型剤分配部材25は上型用ノズルボディ6および下型用ノズルボディ7内に上下対称に配置され、それぞれの噴霧口9に離型剤および空気を導くものであって前記ノズルボディの空洞部24に嵌合できる外形をなしており、金属材料を切削等にて形成される。したがって、上型用ノズルボディ6および下型用ノズルボディ7にそれぞれ離型剤分配部材25が嵌合しボルト8で締め付けられた状態では上下の離型剤分配部材25も中間隔壁部材35を介して密に接合し、上型用ノズルボディ6および下型用ノズルボディ7の接合面から流体が漏れ出すことがないようになっている。
【0018】
今、上型用ノズルボディ6に配置される離型剤分配部材25を例にして説明すると、離型剤分配部材25には、空気・離型剤通路部3の上側の離型剤通路15および空気通路16と接続される離型剤通路10および空気通路26がそれぞれ形成される。離型剤通路15は空気・離型剤通路部3側の入口部分ではノズル上下方向中心から少し上方に位置して断面円形の孔27を有し、そこから徐々にノズル上下方向中心に向かい、やがて中間隔壁部材35との間で形成する断面略半円形状の離型剤導入通路28となる。離型剤導入通路28に連通して上型用ノズルボディ6の噴霧孔9の位置に合致する位置に上下方向に離型剤導通孔29が複数設けられている。
【0019】
離型剤導入通路28は、すべての離型剤導通孔29に連通するように形成されるものであって、図5(a)(c)に示すように、すべての離型剤導通孔29になるべく均等に、かつ、スムースに離型剤が分配されるように左右対称形で滑らかな曲線の流路パターンに形成されている。また、離型剤導入通路28は離型剤導通孔29に向けて先細り形状に形成されている。このような形状とすることにより、離型剤の左右分配性が向上し、離型剤の流速を先端部に向けて加速でき、詰まり防止および応答性の向上を図ることができる。
【0020】
また、離型剤導入通路28の途中に離型剤溜まり部30を設けて部分的に噴霧量をコントロールできるようにしておけば、金型の形状に合わせたより緻密な対応を可能とすることができる。
一方、空気通路16は、離型剤分配部材25の上側でかつ空気・離型剤通路部3の空気通路16に連通して穿設された2つの空気導入路26、26と、これに連続してすべての離型剤導通孔29をカバーする範囲に形成された凹部31により構成されている。
上記した離型剤分配部材25の離型剤通路15および空気通路16は、機械加工等により自由に形成できるものであるため、形状、特性に自由度を持たせることができ、噴霧特性を最適なものに設定できる。
【0021】
上型用ノズルボディ6および下型用ノズルボディ7に導入された離型剤は、離型剤通路10の孔27から離型剤導入通路28に入り、すべての離型剤導通孔29に供給され、離型剤導通孔29から凹部31の空気と共に噴霧口9から噴霧される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態に係る離型剤塗布ノズルの使用状態を示す正面図である。
【図2】本実施の形態における離型剤塗布ノズル1を示したもので、(a)は平面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図である。
【図3】本実施の形態におけるノズル先端部を構成する上型用ノズルボディあるいは下型用ノズルボディを外面から見た平面図で、(a)(b)(c)は種々のパターンを示したものである。
【図4】本実施の形態におけるノズルボディを示すもので、(a)は平面図、(b)はC−C断面図である。
【図5】本実施の形態における離型剤分配部材を示すもので、(a)は上面図、(b)はD−D断面図、(c)は下面図である。
【図6】従来技術の噴射ノズルを示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 離型剤塗布ノズル
2 ノズル先端部
3 空気・離型剤通路部
4 本体取付接合部
5 ボルト
6 上型用ノズルボディ
7 下型用ノズルボディ
8 ボルト
9 噴霧口
10 離型剤通路
11 空気通路
12 ケーシング
13 フランジ部
14 金属製引抜パイプ
15 離型剤通路
16 空気通路
17 フランジ部
18 装着プレート
19 空気・離型剤導入部材
20 フランジ部
21 離型剤通路
22 空気通路
24 空洞部
25 離型剤分配部材
26 空気通路
27 孔
28 離型剤導入通路
29 離型剤導通孔
30 離型剤溜まり部
31 凹部
32 ノズル架台
33 上型
34 下型
35 中間隔壁板




【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型の上型と下型に対し離型剤を吹き付ける塗布ノズルにおいて、塗布ノズルを、ノズル先端部、空気・離型剤通路部および本体取付接合部の3分割構造にしてこれらの部材を接離可能に接合するとともに、前記ノズル先端部を上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディの2分割構造にして接離可能に接合し、上型用ノズルボディの噴霧口および下型用ノズルボディの噴霧口にそれぞれ連通する離型剤通路および空気通路を設けることを特徴とする離型剤塗布ノズル。
【請求項2】
本体取付接合部における離型剤通路は断面円形に形成され、また、空気・離型剤通路部の内部の離型剤通路は断面円形の金属製引抜パイプにより形成され、空気・離型剤通路部の空気通路はケーシングとパイプとの間に形成されることを特徴とする請求項1記載の離型剤塗布ノズル。
【請求項3】
ノズル先端部の上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディは中間隔壁部材を介して接離可能に接合されるとともに、金型の上型および下型に離型剤を吹き付けるための噴霧口が形成されており、金型の上型および下型の形状に対応して噴霧口の配置パターンが異なる複数の種類の上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディが備えられていることを特徴とする請求項1または2記載の離型剤塗布ノズル。
【請求項4】
ノズル先端部の上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディの噴霧口に離型剤および空気を導くための離型剤分配部材が上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディにそれぞれ嵌合されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の離型剤塗布ノズル。
【請求項5】
離型剤分配部材には、空気・離型剤通路部の離型剤通路および空気通路と上型用ノズルボディおよび下型用ノズルボディの噴霧口とを連通する離型剤通路および空気通路が形成されており、離型剤通路は噴霧口に向けて先細り形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の離型剤塗布ノズル。
【請求項6】
離型剤分配部材の離型剤通路に離型剤溜まり部が形成されていることを特徴とする請求項5記載の離型剤塗布ノズル。








【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−131767(P2009−131767A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309473(P2007−309473)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(599141582)ティエフオー株式会社 (2)
【Fターム(参考)】