説明

電力変換装置のノイズ低減装置

【課題】 電動機7で発生する大電流から微少電流に至る漏洩電流を高い精度で抑制する。
【解決手段】 交流電源1から供給される交流を整流器3で直流に変換して、この直流をインバータ5で交流に変換して交流電動機7に供給する電力変換装置において、
漏洩電流検出器13で検出された漏洩電流の電流レベルに応じた複数の打消し電流を作成する過程の増幅率を共通増幅率と個別増幅率とで構成し、各打消し電流を作成する過程に存在する回路の数を一致させている。このことによって、各打消し電流相互間の時間差を無くしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換して、この直流をインバータで交流に変換して交流電動機に供給する電力変換装置に係わり、特に、交流電動機から大地に流れる漏洩電流を抑制する電力変換装置のノイズ低減装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ビル等の大規模な建屋に組込まれたエレベータは、頻繁に起動、停止を繰り返し、起動から短時間で、最高速度に移行する。したがって、このエレベータを駆動する電動機には、広い速度範囲と高い応答特性(トルク特性)が要求される。このような動作特性が要求される電動機の電源として、電力変換装置が採用されている。
【0003】
この電力変換装置においては、周知のように、交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換して、この直流を平滑コンデンサでリップル成分を除去した後、インバータで交流に変換して電動機に供給する。そして、直流を例えば三相交流に変換するインバータにおいては、GTO(ゲート・ターンオフ・サイリスタ)やIGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)等の大電力用半導体素子で形成された6個のスイッチング素子がブリッジ接続されている。
【0004】
このブリッジ接続された6個のスイッチング素子を、このインバータの制御部から出力される各PWM(パルス幅変調)信号によって順次導通していくことによって直流を三相交流に変換する。各PWM信号の送信時間間隔及びパルス幅を変更することによって、このインバータから出力される三相交流の周波数及び振幅を任意に設定可能である。したがって、この三相交流が供給される電動機の速度及びトルクを連続的に変化させることが可能である。
【0005】
しかしながら、インバータから出力される三相交流の波形は、各PWM信号の印加時間だけ導通する(オンレベルを有する)パルス波形の集合である。一方、電動機においては、巻線とアース(大地)に接地されたフレームのとの間に浮遊容量Cが存在する。三相交流波形のパルスにおける電圧変化率dv/dtによって、この電動機とアースとの間に浮遊容量Cを介した電流路が形成され、電動機からアースに対して漏洩電流が流れる。
【0006】
この漏洩電流は電動機のフレームから電力変換装置のアース端子、大地(アース)を経由して交流電源の接地点に対して流入する。この漏洩電流は漏電ブレーカの誤動作や感電事故の原因となる。
【0007】
この漏洩電流を低減させるノイズ低減装置が組込まれた電力変換装置が特許文献1に開示されている。すなわち、図5に示すように、この電力変換装置においては、交流電源1から電力線2を介して供給される交流を整流器3で直流に変換して、この直流を平滑コンデンサ4でリップル成分を除去した後、インバータ5で交流に変換して電力線6を介して交流の電動機7に供給する。そして、前述したように、電動機7で発生した漏洩電流IRは、電動機7のアース線8a、大地、交流電源1のアース線8bを経由して、交流電源1に帰還する。また、漏洩電流IRは極性に応じて交流電源1側から大地を介して電動機7へ流入する。この漏洩電流IRは、電圧レベル(v)に変換して、例えば、図6に示ような波形を有する。
【0008】
そこで、この漏洩電流IRを低減させるために、ノイズ低減装置9が設けられている。このノイズ低減装置9は、高出力用ノイズ低減回路10と、低出力用ノイズ低減回路11と、電源回路12とで構成されている。
【0009】
交流電源1の電力線2に設けられた漏洩電流検出器13で検出され漏洩電流IRは先ず高出力用ノイズ低減回路10に供給される。この高出力用ノイズ低減回路10は、漏洩電流検出器13で検出され、電圧信号レベルに変換された漏洩電流IR(v)を反転増幅する反転増幅器14と、反転増幅された漏洩電流IR(v)を、漏洩電流IRに対する打消し電流IQとして、電動機7のアース線8aに送出する出力回路15とで構成されている。
【0010】
反転増幅器14は、入力抵抗16と、オペレーションアンプ17と帰還抵抗18と調整抵抗19と、抵抗20と、コンプリメンタリトランジスタペア21とで構成されている。すなわち、漏洩電流検出器13から入力された漏洩電流IR(v)はオペレーションアンプ17で極性反転されて増幅されるが、帰還回路の調整抵抗19の抵抗値を調整することによって、オペレーションアンプ17から出力される反転増幅された漏洩電流IR(v)の最大電圧が10v(ボルト)になるように増幅率(ゲイン)が調整されている。
【0011】
このオペレーションアンプ17で反転増幅された漏洩電流IR(v)は抵抗20を介して両極性増幅機能を有するコンプリメンタリトランジスタペア21を構成するNPN型のトランジスタ22及びPNP型のトランジスタ23の各ベースに印加される。
【0012】
コンプリメンタリトランジスタペア21を構成するNPN型のトランジスタ22とPNP型のトランジスタ23の各エミッタは接続され、出力回路15を構成するコンプリメンタリトランジスタペアの各トランジスタ24、25の各ベースに接続される。
【0013】
オペレーションアンプ17で反転増幅された漏洩電流IR(v)の正(+)側成分はNPN型のトランジスタ22で増幅され、漏洩電流IR(v)の負(―)側成分はPNP型のトランジスタ23で増幅され、両者は波形合成されて、反転増幅された新たな漏洩電流IR(v)として、出力回路15の各トランジスタ24、25の各ベースに印加される。
【0014】
出力回路15を構成するコンプリメンタリトランジスタペアの各トランジスタ24、25の各コレクタ端子には、電源回路12の一方の整流器26から、それぞれ(+)、(−)の駆動電圧P1,N1が供給されている。NPN型のトランジスタ24とPNP型のトランジスタ25の各エミッタは接続され、電動機7のアース線8aに接続されている。
【0015】
このようなコンプリメンタリトランジスタペアで構成された出力回路15は、反転増幅器14から出力された漏洩電流IR(v)を両極性増幅して、前記漏洩電流IR(v)に対する打消し電流IQ1として、電動機7のアース線8aに印加する。この場合、電源回路12の整流器26から各トランジスタ24,25のコレクタに供給される駆動電圧P1,N1を調整して、この出力回路15の最大値を±10vに設定する。すなわち、反転増幅器14に設定した、漏洩電流IR(v)における±10vの範囲で動作する。その結果、このアース線8aを流れる漏洩電流IRが相殺され、結果として、電動機7からアース線8aを介して大地へ流れる漏洩電流IQが抑制される。
【0016】
低出力用ノイズ低減回路11においては、先の高出力用ノイズ低減回路10とほぼ同一構成であり、異なる所は、高出力用ノイズ低減回路10の反転増幅器14のオペレーションアンプ17からの出力を極性反転器31を介して、低出力用ノイズ低減回路11の反転増幅器14aに±5v(ボルト)の双方向の定電圧ダイオード32を介して入力されている。
【0017】
反転増幅器14のオペレーションアンプ17の出力信号の最大値が10Vにゲイン調整され、5v(ボルト)の定電圧ダイオード32の存在にて、反転増幅器14aのオペレーションアンプ17には、図6の最大±10vの漏洩電流IRのうちの±5v未満の低電流部分の漏洩電流IRが切出されて印加される。反転増幅器14aのオペレーションアンプ17aの増幅率(ゲイン)を調整抵抗19aで2倍に調整することにより、反転増幅器14aのオペレーションアンプ17aの出力信号は最大±10v(ボルト)となる。
【0018】
この漏洩電流IR(v)は次のコンプリメンタリトランジスタペア21で両極性増幅されたのち、出力回路15aのコンプリメンタリトランジスタペアを構成する各トランジスタ24、25で増幅されて、漏洩電流IRに対する打消し電流IQ2として、電動機7のアース線8aに印加される。この場合、電源回路12の整流器27から各トランジスタ24,25のコレクタに供給される駆動電圧P2,N2を調整して、この出力回路15aの最大値を±5vに設定する。すなわち、反転増幅器14aに設定した、漏洩電流IR(v)における±5vの範囲で動作する。その結果、このアース線8aを流れる漏洩電流IRが相殺され、結果として、電動機7からアース線8aを介して大地へ流れる漏洩電流IQが抑制される。
【0019】
なお、出力回路15、15aのコンプリメンタリトランジスタペアを構成する各トランジスタ24、25の各コレクタ端子間にコンデンサ28、29が接続されており、コンデンサ28、29の中点位置は、コンデンサ30を介して、交流電源1の出力線2の1相(接地相)に接続されている。
【0020】
前記電源回路12においては、交流電源1の電力線2の接地されていない2相間の交流電力がトランス33で減圧されて各整流器26、27に供給される。
【0021】
このような構成において、高出力用ノイズ低減回路10においては、反転増幅器14の増幅率を低くして、例えば−10v〜+10vの高電流(全電流)レベルの漏洩電流に対応する高レベル動作領域を有し、漏洩電流IRの高(全)レベルに対応する高レベル打消し電流IQ1 を電動機7のアース線8aに出力する。
【0022】
一方、低出力用ノイズ低減回路11においては、例えば−5v〜+5vの低電流レベルの漏洩電流1Rに対応する低レベル動作領域を有し、漏洩電流IRの低レベルル部分に対応する打消し電流IQ2 を電動機7のアース線8aに出力する。
【0023】
そして、図6に示すー10v〜+10vの電圧範囲の漏洩電流IRが発生した場合には、この漏洩電流IRの(−10v〜+10v)の高電流を含む全電流範囲は、高出力用ノイズ低減回路10で基準ゲインで増幅され、漏洩電流IRの(−5v〜+5v)の低電流範囲は、低出力用ノイズ低減回路11で基準ゲインの2倍のゲインで増幅される。
【0024】
このように、漏洩電流IRの(−10v〜+10v)の高電流を含む全電流範囲に対する打消し電流IQ1の低電流部分を、増幅率を大きく設定した(−5v〜+5v)の低電流に対する打消し電流IQ2で補っている。したがって、発生した低レベルの漏洩電流から高レベルの漏洩電流まで、幅広い電流レベル範囲に亘って精度よく漏洩電流を打消すことが可能である。
【特許文献1】特開2003―111491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
しかしながら、図5に示す電力変換装置のノイズ低下装置においてもまだ改良すべき次のような課題があった。
【0026】
すなわち、図6に示す高レベルから低レベルに至る広い電流レベル範囲を有する漏洩電流が生じた場合は、この漏洩電流における例えば−10v〜+10vの高電流範囲は、高出力用ノイズ低減回路10の反転増幅器14と出力回路15との2つの回路を通過する。一方、漏洩電流における例えば−5v〜+5vの低電流範囲は、高出力用ノイズ低減回路10の反転増幅器14のオペレーションアンプ17と、低出力用ノイズ低減回路11の反転増幅器14aと出力回路15aとの3つの回路を通過する。
【0027】
このように、信号処理の回数が異なると、漏洩電流における高電流範囲に対応する打消し電流IQ1の作成時間と、漏洩電流における低電流範囲に対応する打消し電流IQ2の作成時間との間に、時間差が生じ、電動機のアース線上に、この各打消し電流IQ1、IQ2を出力した場合に時間差に起因する波形の不一致部分が生じ、発生した漏洩電流波形と異なる波形となり、発生する漏洩電流を高い精度で抑制できない問題があった。
【0028】
また、発生する漏洩電流の波形は図6に示すように、種々の周波数成分を有しており、広い周波数範囲に亘って、これらを打ち消す必要がある。
【0029】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、漏洩電流の電流レベルに応じて、複数のノイズ低減回路を設け、かつ各ノイズ低減回路の漏洩電流に対応する打消し電流を作成する回路の数を等しく設定することにより、電動機で発生する漏洩電流の波形に近似した、打消し電流を作成でき、電動機で発生する漏洩電流を高電流レベルから低電流レベルまで広範囲に亘って、高い精度で抑制できる電力変換装置のノイズ低減装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明は、交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換して、この直流をインバータで交流に変換して交流電動機に供給する電力変換装置における前記交流電動機から大地へ流れる漏洩電流を漏洩電流検出器で検出し、この検出した種々の電流レベルを有する漏洩電流を電流レベルに応じた動作領域を有する複数のノイズ低減回路にてそれぞれ反転増幅して前記漏洩電流に対する打消し電流として前記漏洩電流の流路にそれぞれ出力する電力変換装置のノイズ低減装置に適用される。
【0031】
そして、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置のノイズ低減装置においては、各ノイズ低減回路に設定された動作流域の電流を所定レベルまで増幅するための増幅率は、全てのノイズ低減回路に共通する共通増幅率と、各ノイズ低減回路毎に設定された個別増幅率とで構成している。また、前記各ノイズ低減回路には、当該ノイズ低減回路に設定された個別増幅率を有する増幅器が組込まれ、漏洩電流検出器と前記各ノイズ低減回路とに間に、前記漏洩電流検出器で検出された漏洩電流を前記共通増幅率で増幅して前記各ノイズ低減回路へ送出する一つの共通前置増幅器が介挿されている。
【0032】
このような構成の電力変換装置のノイズ低減装置においては、発生した漏洩電流における高信号レベル部分に対応する打消し電流を作成する場合の増幅率は低く設定し、発生した漏洩電流における低信号レベル部分に対応する打消し電流を作成する場合の増幅率は高く設定している。
【0033】
そして、各増幅率は共通増幅率と個別増幅率とで構成し、全ての打消し電流を作成する過程において2つの増幅器が存在するので、作成された全ての打消し電流は同一数の回路が含まれるので、時間遅れは発生しない。したがって、各打消し電流を漏洩電流の経路上に出力したとしても、時間差に起因する波形の不一致部分は生じなく、漏洩電流波形に対して大きく相違しないので、発生する漏洩電流を高い精度で抑制できる。
【0034】
また、別の発明においては、上述した電力変換装置のノイズ低減装置において、各ノイズ低減回路に設定された動作流域の電流を所定レベルまで増幅するための増幅率は、全てのノイズ低減回路に共通する共通増幅率と、各ノイズ低減回路毎に設定された個別増幅率とで構成されている。また、各ノイズ低減回路は、当該ノイズ低減回路に設定された個別増幅率を有するとともに当該ノイズ低減回路の動作領域の電流の周波数特性を有する増幅器が組込まれており、さらに、漏洩電流検出器と前記各ノイズ低減回路とに間にそれぞれ、前記漏洩電流検出器で検出された漏洩電流を前記共通増幅率で増幅して前記各ノイズ低減回路へ送出するとともに、前記各ノイズ低減回路の増幅器と同一の周波数特性を有した複数の個別前置増幅器が介挿されている。
【0035】
このように構成された電力変換装置のノイズ低減装置においては、発生する漏洩電流は図6に示すように、信号レベルの応じて波形の周波数が異なる。一般的に、信号レベルが低いと周波数は高くなり、信号レベルが高いと周波数は低くなる。したがって、各増幅器を増幅対象の信号レベルに対応する周波数特性を持たせている。
【0036】
また、別の発明においては、上述した電力変換装置のノイズ低減装置において、各ノイズ低減回路に設定された動作流域の電流を所定レベルまで増幅するための増幅率は、全てのノイズ低減回路に共通する共通増幅率と、各ノイズ低減回路毎に設定された個別増幅率とで構成されている。各ノイズ低減回路は、当該ノイズ低減回路に設定された個別増幅率を有するとともに当該ノイズ低減回路の動作領域の電流の周波数特性を有する増幅器が組込まれている。
【0037】
さらに、交流電動機から大地へ流れる漏洩電流をそれぞれ検出する、前記各ノイズ低減回路に設定された周波数特性を有する複数の漏洩電流検出器と、この各漏洩電流検出器と同一周波数特性を有する前記各ノイズ低減回路とに間に、前記漏洩電流検出器で検出された漏洩電流を前記共通増幅率で増幅して前記各ノイズ低減回路へ送出するとともに、前記各ノイズ低減回路の増幅器と同一の周波数特性を有した個別前置増幅器がそれぞれ介挿されている。
【0038】
このように構成された電力変換装置のノイズ低減装置においては、漏洩電流検出器も検出する漏洩電流の信号レベルに応じた周波数特性を有する複数台存在する。
【0039】
また、別の発明においては、上述した発明の電力変換装置のノイズ低減装置において、交流電源から供給される電力を整流して、前記各ノイズ低減回路の前記打消し電流の出力回路に打消し電流用の電源を共通に供給する共通電源回路を設けている。
【発明の効果】
【0040】
このような構成の電力変換装置のノイズ低減装置においては、漏洩電流の電流レベルに応じた打消し電流を作成する過程の増幅率を共通増幅率と個別増幅率とで構成している。したがって、かつ各ノイズ低減回路の漏洩電流に対応する打消し電流を作成する回路の数を等しく設定することにより、電動機で発生する漏洩電流の波形に近似した、打消し電流を作成でき、電動機で発生する漏洩電流を高い精度で抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
【0042】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係わる電力変換装置のノイズ低減装置の概略構成を示す回路図である。図5に示す従来の電力変換装置のノイズ低減装置と同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
【0043】
電力変換装置においては、Y結線又はΔ結線構成の交流電源1から電力線2を介して供給される交流を整流器3で直流に変換して、この直流を平滑コンデンサ4でリップル成分を除去した後、インバータ5で交流に変換して電力線6を介して交流の電動機7に供給する。そして、電動機7で発生した漏洩電流IRは、電動機7のアース線8a,大地、交流電源1のアース線8bを経由して、交流電源1に帰還する。また、漏洩電流IRは極性に応じて交流電源1側から大地を介して電動機7へ流入する。
【0044】
この漏洩電流IRを低減させるためにノイズ低減装置9が設けられている。このノイズ低減装置9は、一つの共通前置増幅器40と、高出力用ノイズ低減回路10と、低出力用ノイズ低減回路11と、電源回路12とで構成されている。
【0045】
高出力用ノイズ低減回路10は、反転増幅器14と、出力回路15とで構成され、低出力用ノイズ低減回路11は、反転増幅器14aと、出力回路15aとで構成されている。
【0046】
共通前置増幅器40は、入力抵抗41とオペレーションアンプ42と帰還抵抗43と増幅率調整用の調整抵抗44とで構成されている。
【0047】
交流電源1の電力線2に設けられた漏洩電流検出器13で検出され漏洩電流IRは共通前置増幅器40へ入力されて、共通増幅率だけ増幅されたのち、高出力用ノイズ低減回路10と、低出力用ノイズ低減回路11とに供給される。
【0048】
ここで、共通前置増幅器40、高出力用ノイズ低減回路10の反転増幅器14、低出力用ノイズ低減回路11の反転増幅器14aの各増幅率を説明する。
【0049】
この第1実施形態装置においては、図6に示す漏洩電流IRの電流(電圧)レベルにおける(−10v〜+10v)の高電流(電圧)レベルの漏洩電流IRに対する打消し電流IQ1を、高出力用ノイズ低減回路10で作成するために、使用する増幅率を増幅率Aとする。また、図6に示す漏洩電流IRの電流(電圧)レベルにおける(−5v〜+5v)の低電流(電圧)レベルの漏洩電流IRに対する打消し電流IQ2を、低出力用ノイズ低減回路11で作成するために、使用する増幅率を増幅率Bとする。(増幅率B>増幅率A)
そして、各増幅率A、Bを、それぞれ、共通増幅率Cと、個別増幅率Aa、Bbとに分割する。共通増幅率Cは共通前置増幅器40に設定される。具体的には増幅率調整用の調整抵抗44を調整する。
【0050】
個別増幅率Aaは高出力用ノイズ低減回路10の反転増幅器14に設定される。具体的には増幅率調整用の調整抵抗19を調整する。この実施形態においては、オペレーションアンプ17の最大出力値が、漏洩電流IRにおける±10vになるように増幅率を調整する。
【0051】
さらに、個別増幅率Bbは低出力用ノイズ低減回路11の反転増幅器14aに設定される。具体的には増幅率調整用の調整抵抗19aを調整する。この実施形態においては、オペレーションアンプ17aの最大出力値が、漏洩電流IRにおける±5vになるように増幅率を調整する。したがって、この反転増幅器14aに±5vを超える電圧の漏洩電流IRが印加されると、この部分は飽和して、オペレーションアンプ17aから出力されない。
【0052】
前述したように、交流電源1の電力線2に設けられた漏洩電流検出器13で検出され漏洩電流IRは共通前置増幅器40へ入力されて、共通増幅率Cだけ増幅されたのち、高出力用ノイズ低減回路10と、低出力用ノイズ低減回路11とに供給される。
【0053】
高出力用ノイズ低減回路10の反転増幅器14は、共通前置増幅器40から入力された漏洩電流IR(v)をオペレーションアンプ17で前述した増幅率Aaで極性反転増幅する。ささに、オペレーションアンプ17で反転増幅された漏洩電流IR(v)は抵抗20を介して両極性増幅機能を有するコンプリメンタリトランジスタペア21で両極性増幅を実施して、新たな漏洩電流IR(v)として、出力回路15の各トランジスタ24、25の各ベースに印加される。
【0054】
出力回路15の各トランジスタ24、25の各コレクタタ端子には、電源回路12の整流器26から、それぞれ(+)、(−)駆動電圧P1,N1が供給されているが、この駆動電圧P1,N1を調整して、出力回路15の出力信号の最大値を±10vに設定する。すなわち、反転増幅器14に設定した、漏洩電流IR(v)における±10vの範囲で動作する。言い換えれば、検出された漏洩電流IR(v)に対する増幅率Aは「1」となる。
【0055】
出力回路15において、反転増幅器14から出力された漏洩電流IR(v)の正(+)側成分はNPN型のトランジスタ24で増幅され、漏洩電流IR(v)の負(―)側成分はPNP型のトランジスタ25で増幅され、両者はエミッタの接続点で波形合成されて、前記漏洩電流IR(v)に対する打消し電流IQ1として、電動機7のアース線8aに印加される。その結果、このアース線8aを流れる漏洩電流IRが相殺され、結果として、電動機7からアース線8aを介して大地へ流れる漏洩電流IQが抑制される。
【0056】
低出力用ノイズ低減回路11の反転増幅器14aは、共通前置増幅器40から入力された漏洩電流IR(v)をオペレーションアンプ17aで前述した増幅率Bbで極性反転増幅する。ささに、オペレーションアンプ17aで反転増幅された漏洩電流IR(v)は抵抗20を介して両極性増幅機能を有するコンプリメンタリトランジスタペア21で両極性増幅を実施して、新たな漏洩電流IR(v)として、出力回路15aの各トランジスタ24、25の各ベースに印加される。
【0057】
出力回路15aの各トランジスタ24、25の各コレクタタ端子には、電源回路12の整流器27から、それぞれ(+)、(−)駆動電圧P2,N2が供給されているが、この駆動電圧P2,N2を調整して、出力回路15aの出力信号の最大値を±10vに設定する。すなわち、反転増幅器14aに設定した、漏洩電流IR(v)における±5vの範囲で動作する。言い換えれば、検出された漏洩電流IR(v)に対する増幅率Bは「2」となる。
【0058】
出力回路15aにおいて、反転増幅器14aから出力された漏洩電流IR(v)の正(+)側成分はNPN型のトランジスタ24で増幅され、漏洩電流IR(v)の負(―)側成分はPNP型のトランジスタ25で増幅され、両者はエミッタの接続点で波形合成されて、前記漏洩電流IR(v)に対する打消し電流IQ2として、電動機7のアース線8aに印加される。その結果、このアース線8aを流れる漏洩電流IRが相殺され、結果として、電動機7からアース線8aを介して大地へ流れる漏洩電流IRが抑制される。
【0059】
このように構成された第1実施形態の電力変換装置のノイズ低減装置においては、図6に示す、漏洩電流IRの電流(電圧)レベルにおける(−10v〜+10v)の高電流(電圧)レベルの漏洩電流IRに対する打消し電流IQ1は、この検出された漏洩電流IRを殆ど増幅することなく作成される。一方、漏洩電流IRの電流(電圧)レベルにおける(−5v〜+5v)の低電流(電圧)レベルの漏洩電流IRに対する打消し電流IQ2は、この検出された漏洩電流IRを例えば2倍に増幅して作成される。
【0060】
したがって、(−10v〜+10v)の高電流(電圧)レベルの漏洩電流IRに対する打消し電流IQ1における(−5v〜+5v)の低電流(電圧)レベルの漏洩電流IRに対する打消し電流IQ1の不足分を、増幅率を大きく設定した打消し電流IQ2で補うようにしている。よって、たとえ、電流レベルが低い漏洩電流であっても、この漏洩電流の発生を確実に抑制できる。
【0061】
また、発生した漏洩電流IRにおける高信号レベル部分に対応する打消し電流IQ1を作成する回路(40、14、15)の数(=3)と、低信号レベル部分に対応する打消し電流IQ2を作成する回路(40、14a、15a)の数(=3)とを等しく設定している。
【0062】
したがって、作成された打消し電流IQ1、IQ2相互間に時間遅れは発生しない。したがって、各打消し電流IQ1、IQ2を同一のアース線8aに出力して、アース路8a上で合成したとしても、この合成波形に、時間遅れに起因する高調波成分が発生しないので、発生する漏洩電流IRの低電流部分も高い精度で抑制できる。
【0063】
さらに、必要とされる各増幅率A、Bを、それぞれ、共通増幅率Cと、個別増幅率Aa、Bbとに分割し、それぞれ、2つの増幅器(40、14)(40、14a)とで実現しているので、各増幅率の調整が簡単にかつ短時間で実現できる。
【0064】
(第2実施形態)
図2は本発明の第2実施形態の電力変換装置のノイズ低減装置の概略構成を示す回路図である。図1に示す本発明の第1実施形態の電力変換装置のノイズ低減装置と同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
【0065】
この第2実施形態の電力変換装置のノイズ低減装置においては、交流電源1の電力線2に2台の漏洩電流検出器13、13aが取付けられている。漏洩電流検出器13は交流電源1に流入する漏洩電流IRを検出して、高出力用ノイズ低減回路10内の個別前置増幅器45へ送出する。他方の漏洩電流検出器13aは交流電源1に流入する漏洩電流IRを検出して、低出力用ノイズ低減回路11内の個別前置増幅器45aへ送出する。
【0066】
漏洩電流検出器13は、図6に示す漏洩電流IRの(−10v〜+10v)の高電流(電圧)レベルの比較的低周波の電流を検出する低周波数特性を有している。また、漏洩電流検出器13aは、図6に示す漏洩電流IRの(−5v〜+5v)の低電流(電圧)レベルの比較的高周波の電流を検出する高周波数特性を有している。
【0067】
各個別前置増幅器45、45aは、第1実施形態の共通前置増幅器40と同一の共通増幅率Cが設定されているが、個別前置増幅器45は前述した低周波数特性を有している。また、個別前置増幅器45aは前述した高周波数特性を有している。
【0068】
高出力用ノイズ低減回路10内の反転増幅器14は前述した低周波数特性を有している。低出力用ノイズ低減回路11内の反転増幅器14aは前述した高周波数特性を有している。
【0069】
そして、漏洩電流検出器13で検出された漏洩電流IR(v)は、高出力用ノイズ低減回路10内の個別前置増幅器45で増幅され、反転増幅器14で反転増幅される。反転増幅器14で反転増幅された漏洩電流IR(v)は、出力回路15で、検出された漏洩電流IR(v)の(−10v〜+10v)の高電流(電圧)レベルに対する打消し電流IQ1に変換されて、電動機7のアース線8aに印加される。
【0070】
一方、漏洩電流検出器13aで検出された漏洩電流IR(v)は、低出力用ノイズ低減回路11内の個別前置増幅器45aで増幅され、反転増幅器14aで反転増幅される。反転増幅器14aで反転増幅された漏洩電流IR(v)は、出力回路15aで、検出された漏洩電流IR(v)の(−5v〜+5v)の低電流(電圧)レベルに対する打消し電流IQ2に変換されて、電動機7のアース線8aに印加される。
【0071】
したがって、前述した図1に示す第1実施形態のノイズ低減装置とほぼ同じ作用効果を奏することが可能である。
【0072】
さらに、この第2実施形態においては、漏洩電流IR(v)の(−5v〜+5v)の低電流(電圧)レベルに対する打消し電流IQ2を作成するための各部(漏洩電流検出器13a、個別前置増幅器45a、反転増幅器14a)の周波数特性を、(−5v〜+5v)の低電流(電圧)レベルにおける比較的高周波の電流を検出する高周波数特性に設定しているので、より正確にかつより効率的に低電流(電圧)レベルに対する打消し電流IQ2を作成できる。
【0073】
(第3実施形態)
図3は本発明の第3実施形態の電力変換装置のノイズ低減装置の概略構成を示す回路図である。図1に示す本発明の第1実施形態の電力変換装置のノイズ低減装置と同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
【0074】
この第3実施形態の電力変換装置のノイズ低減装置においては、交流電源1の電力線2の接地されていない2相間の交流電力が電源回路12内のトランス33に供給される。トランス33は2相間の交流電圧を減圧して一つの整流器26に供給する。整流器26は正、負の駆動電圧P1、N1を得て、高出力用ノイズ低減回路10の出力回路15のコンプリメンタリトランジスタペアの各トランジスタ24、25のコレクタに供給している。
【0075】
さらに、この整流器26は、同一の正、負の駆動電圧P1、N1を、低出力用ノイズ低減回路11の出力回路15aのコンプリメンタリトランジスタペアの各トランジスタ24、25のコレクタに供給している。
【0076】
このように、大きく増幅された漏洩電流が入力される出力回路15aに、殆ど増幅されない漏洩電流が入力される出力回路15と、同一のコレクタ電圧(駆動電圧P1、N1)を印加すると、出力回路15aの出力が±5vを超えるので、反転増幅器14aの出力電圧を抵抗54で減圧して、出力回路15aに印加している。
【0077】
このように構成された第3実施形態のノイズ低減装置においても、前述した図1に示す第1実施形態のノイズ低減装置とほぼ同じ作用効果を奏することが可能である。
【0078】
さらに、この第3実施形態においては、電源回路12を簡素化でき、装置全体の製造費を節減できる。
【0079】
(第4実施形態)
図4は本発明の第4実施形態の電力変換装置のノイズ低減装置の概略構成を示す回路図である。図2に示す本発明の第2実施形態の電力変換装置のノイズ低減装置と同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
【0080】
この第4実施形態の電力変換装置のノイズ低減装置においては、図3に示す第3実施形態と同様に、電源回路12内に一つの整流器26のみが設けられている。そして、この整流器26から、正、負の駆動電圧P1、N1を、高出力用ノイズ低減回路10の出力回路15のコンプリメンタリトランジスタペアの各トランジスタ24、25のコレクタに供給している。さらに、この整流器26は、同一の正、負の駆動電圧P1、N1を、低出力用ノイズ低減回路11の出力回路15aのコンプリメンタリトランジスタペアの各トランジスタ24、25のコレクタに供給している。また、反転増幅器14aの出力電圧を抵抗54で減圧して、出力回路15aに印加している。
【0081】
このように構成された第4実施形態のノイズ低減装置においても、前述した図1に示す第1実施形態のノイズ低減装置とほぼ同じ作用効果を奏することが可能である。
【0082】
さらに、この第4実施形態においては、電源回路12を簡素化でき、装置全体の製造費を節減できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる電力変換装置のノイズ低減装置の概略構成を示す回路図
【図2】本発明の第2実施形態に係わる電力変換装置のノイズ低減装置の概略構成を示す回路図
【図3】本発明の第3実施形態に係わる電力変換装置のノイズ低減装置の概略構成を示す回路図
【図4】本発明の第4実施形態に係わる電力変換装置のノイズ低減装置の概略構成を示す回路図
【図5】従来の電力変換装置のノイズ低減装置の概略構成を示す回路図
【図6】漏洩電流の波形図
【符号の説明】
【0084】
1…交流電源、3…整流器、4…平滑コンデンサ、5…インバータ、7…電動機、8a,8b…アース線、9…ノイズ低減装置、10…高出力用ノイズ低減回路、11…低出力用ノイズ低減回路、12…電源回路、13,13a…漏洩電流検出器、14,14a…反転増幅器、15,15a…出力回路、17,17a,42…オペレーションアンプ、21…コンプリメンタリトランジスタペア、24…NPN型のトランジスタ、25…PNP型のトランジスタ、26,27…整流器、40…共通前置増幅器、45,45a…個別前置増幅器、46…抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換して、この直流をインバータで交流に変換して交流電動機に供給する電力変換装置における前記交流電動機から大地へ流れる漏洩電流を漏洩電流検出器で検出し、この検出した種々の電流レベルを有する漏洩電流を電流レベルに応じた動作領域を有する複数のノイズ低減回路にてそれぞれ反転増幅して前記漏洩電流に対する打消し電流として前記漏洩電流の流路にそれぞれ出力する電力変換装置のノイズ低減装置において、
前記各ノイズ低減回路に設定された動作流域の電流を所定レベルまで増幅するための増幅率は、全てのノイズ低減回路に共通する共通増幅率と、各ノイズ低減回路毎に設定された個別増幅率とで構成され、
前記各ノイズ低減回路には、当該ノイズ低減回路に設定された個別増幅率を有する増幅器が組込まれ、
前記漏洩電流検出器と前記各ノイズ低減回路とに間に、前記漏洩電流検出器で検出された漏洩電流を前記共通増幅率で増幅して前記各ノイズ低減回路へ送出する一つの共通前置増幅器が介挿されている
ことを特徴とする電力変換装置のノイズ低減装置。
【請求項2】
交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換して、この直流をインバータで交流に変換して交流電動機に供給する電力変換装置における前記交流電動機から大地へ流れる漏洩電流を漏洩電流検出器で検出し、この検出した種々の電流レベルを有する漏洩電流を電流レベルに応じた動作領域を有する複数のノイズ低減回路にてそれぞれ反転増幅して前記漏洩電流に対する打消し電流として前記漏洩電流の流路にそれぞれ出力する電力変換装置のノイズ低減装置において、
前記各ノイズ低減回路に設定された動作流域の電流を所定レベルまで増幅するための増幅率は、全てのノイズ低減回路に共通する共通増幅率と、各ノイズ低減回路毎に設定された個別増幅率とで構成され、
前記各ノイズ低減回路は、当該ノイズ低減回路に設定された個別増幅率を有するとともに当該ノイズ低減回路の動作領域の電流の周波数特性を有する増幅器が組込まれ、
前記漏洩電流検出器と前記各ノイズ低減回路とに間にそれぞれ、前記漏洩電流検出器で検出された漏洩電流を前記共通増幅率で増幅して前記各ノイズ低減回路へ送出するとともに、前記各ノイズ低減回路の増幅器と同一の周波数特性を有した複数の個別前置増幅器が介挿されている
ことを特徴とする電力変換装置のノイズ低減装置。
【請求項3】
交流電源から供給される交流を整流器で直流に変換して、この直流をインバータで交流に変換して交流電動機に供給する電力変換装置における前記交流電動機から大地へ流れる漏洩電流を検出し、この検出した種々の電流レベルを有する漏洩電流を電流レベルに応じた動作領域を有する複数のノイズ低減回路にてそれぞれ反転増幅して前記漏洩電流に対する打消し電流として前記漏洩電流の流路にそれぞれ出力する電力変換装置のノイズ低減装置において、
前記各ノイズ低減回路に設定された動作流域の電流を所定レベルまで増幅するための増幅率は、全てのノイズ低減回路に共通する共通増幅率と、各ノイズ低減回路毎に設定された個別増幅率とで構成され、
前記各ノイズ低減回路は、当該ノイズ低減回路に設定された個別増幅率を有するとともに当該ノイズ低減回路の動作領域の電流の周波数特性を有する増幅器が組込まれ、
前記交流電動機から大地へ流れる漏洩電流をそれぞれ検出する、前記各ノイズ低減回路に設定された周波数特性を有する複数の漏洩電流検出器と、
この各漏洩電流検出器と同一周波数特性を有する前記各ノイズ低減回路とに間に、前記漏洩電流検出器で検出された漏洩電流を前記共通増幅率で増幅して前記各ノイズ低減回路へ送出するとともに、前記各ノイズ低減回路の増幅器と同一の周波数特性を有した個別前置増幅器がそれぞれ介挿されている
ことを特徴とする電力変換装置のノイズ低減装置。
【請求項4】
前記交流電源から供給される電力を整流して、前記各ノイズ低減回路の前記打消し電流の出力回路に打消し電流用の電源を共通に供給する共通電源回路を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の電力変換装置のノイズ低減装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−68647(P2010−68647A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233471(P2008−233471)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】