説明

電力提供システム

【課題】電気自動車を使用する使用者が、共有者やレンタカーであっても給電を受けることができるようにするとともに、そのための手続を簡便にする。
【解決手段】プラグとコンセントとを有し通電され得る持ち運び可能な携帯IFに認証用の識別情報を記録し、電流が供給されたときにこの識別情報を送信可能としておく。使用者が給電サービスを受ける際には、この携帯IFのコンセントに電気自動車等の電子機器のプラグを差し込み、携帯IFのプラグを給電スタンドの給電コンセントに挿すと、携帯IFが識別情報を給電設備へ送り、給電設備は自動的に、識別情報を登録したサーバに問い合わせして、その識別情報が正当に登録されたものであれば、給電コンセントへの給電を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、屋外で充電可能な給電設備を使用者が簡便に利用可能にするシステムに関する。特に、設置者が一般家庭用電源を拡張して給電設備を設置し、使用者が電気自動車等の機器に搭載されたバッテリに給電を受ける際に、簡便に認証を済ませて給電サービスを受けることができるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリンエンジン等による化石燃料を個別に燃焼させて駆動する従来の自動車に比べて、消費される化石燃料の量や、放出される温室効果ガスの量という観点から、バッテリを搭載しその電気エネルギーで走行するプラグインハイブリッド車や電気自動車(以下、車両にバッテリを搭載し、そのバッテリへの充電を繰り返してその電気エネルギーで走行する車両を総称して「電気自動車」と称する)の優位性が知られるようになり、開発と普及が進められている。しかし、普及したガソリンスタンドに比べて、電気自動車への充電が可能な公共用給電スタンドは今なお少なく、電気自動車普及のために給電インフラの整備が急務となっている。プラグインハイブリッド車に代表されるように、自宅では家庭用電源を用いた充電が可能になりつつあるが、出先で充電が必要になったとき、公共用に提供される給電スタンドが必要になっている。
【0003】
従来のガソリンスタンドと同様に料金を受け取る店員を常駐させると、給電スタンドの提供コストが増加し、簡単に設置することが出来ない。このため、給電装置とともに課金するための装置を設けて、無人で運用できる給電スタンドを普及させることが検討されている。例えば、時間決めで課金する駐車場に給電専用の駐車スペースを設けて、その駐車スペースに、充電装置と充電情報入出力装置を設け、充電を行うとともに充電料金を計算し、出庫時に駐車料金と充電料金を精算することで出口ゲートが開くシステムが提案されている(特許文献1)。
【0004】
しかし、料金を現金で支払う給電スタンドでは、電力量に応じた細かい釣り銭を用意しなければならないために装置をコンパクトにしにくく、導入コストがかさんでしまう。また、料金の回収にも手間がかかり、給電スタンド自体が盗難に遭う可能性もある。このため、給電スタンドでは現金のやりとりをせず、電気通信回線を通じて給電スタンドと送受信可能なサーバに使用者の識別情報を記録しておき、サーバ側で課金を行うことが考えられている。
【0005】
例えば、電気自動車のバッテリユニットや電気自動車自体に利用者認識情報を持たせて、充電のための給電ケーブルを通じた電力線通信(PLC)により給電スタンドへ認識情報を送信し、給電スタンド(充電サービスステーション)はネットワークを通じて課金認証サーバに送信してこの課金認証サーバが利用者情報と充電量に基づいて課金する充電サービスシステムが提案されている(特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−312772号公報
【特許文献2】特開2006−262570号公報
【特許文献3】特開2009−254052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年はレンタカーの利用が広がるとともに、複数人で自動車を共有するカーシェアリングが広まりつつある。しかし電気自動車に固有の利用者情報で認証する特許文献2及び3の方式では、レンタカー利用者や共有者のうち、誰がどの程度電力を使ったのかはっきりしなくなってしまう。
【0008】
また、携帯電子機器の普及により出先で充電可能な給電スタンドの要請は電気自動車に留まらず、電子機器全般に広がりつつある。にも関わらず、従来のシステムでは認証情報を有する電気自動車のみが充電可能であり、給電サービスの機会を逸していた。
【0009】
そこでこの発明は、電気の供給を受けようとする者が、給電を受けようとする電気自動車又は電子機器を制限されることなく、簡便に給電サービスを受けることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、プラグとコンセントとを有し通電され得る持ち運び可能な携帯インターフェースに認証用の識別情報を記録し、電流が供給されたときにこの識別情報を送信可能としておく。使用者が給電サービスを受ける際には、この携帯インターフェースのコンセントに電気自動車等の電子機器のプラグを差し込み、携帯インターフェースのプラグを給電スタンドの給電コンセントに挿す。
一方、給電スタンドは、電気を供給する給電コンセントに、待機時においても上記携帯インターフェースの通信部を駆動可能な程度に制限した電流を流しておくようにする。これにより、携帯インターフェース自体は電池などを搭載する必要がなく、給電コンセントに挿す行為をスイッチとして識別情報の送信機能を起動させることができる。
【0011】
その識別情報を認証し、給電を開始させる機構と手順は次のようになる。
給電スタンドには、携帯インターフェースから送信された識別情報を受信し、電気通信回線を通じてサーバとの間で相互通信する機能を持たせる。サーバはサービス提供者が提供するもので、上記識別情報を登録し、その識別情報の使用者が使用した電力量や電力料金を計算して課金する機能を持たせる。サーバが給電スタンドから識別情報を受信すると、その識別情報が登録されているか否かを判別し、可否の情報を給電スタンドに送信する。給電スタンドは認証可の情報を受信すると、給電コンセントへ流す電流の制限を解除し、使用者が繋いだ電気自動車又は電子機器への給電を開始する。
【0012】
さらに、給電された電力量に応じた課金を行う場合は、給電の開始とともに、備え付けの電力量センサで給電の電流値と給電した電力量とを測定する。電子機器の充電が完了し、給電コンセントへ流れる電流値が0に近づいて予め定めた閾値以下になったことが電力量センサで確認できれば、給電スタンドは給電コンセントへの供給電流量を再び制限して待機状態にするとともに、給電した電力量をサーバへ送信する。サーバは識別情報ごとに電力量を積算して、識別情報を登録した使用者への課金を後日行う。
【0013】
携帯インターフェースは電池を内蔵する必要がなく、必要時にプラグからの電力で動くため、小型化することができる。識別情報の送信及び受信は、携帯インターフェースを給電コンセントへ差し込むことで、電力線通信や特定小電力無線などで自動的に行うので、使用者はそもそも認証を行うという作業を意識する必要すらなく、スムーズに給電を受けることができる。
【0014】
このような解決手段を実現した給電システムは、サーバと、給電設備と、携帯インターフェースとからなり、それぞれの具体的な構成は以下の通りである。
サーバは、識別情報を登録可能なデータベースを有し、電気通信回線を通じて受信した識別情報の認証を行う認証手段と、電気通信回線を通じて認証の可否を送信する認証結果送信手段とを有する。
携帯インターフェースは給電を受けるプラグ、そのプラグに繋がり充電対象機器へ給電可能なコンセント、前記識別情報を記録した記憶部、その記憶部から読み出した前記識別情報を送信可能な通信部を有し、持ち運びできる。
給電設備は、電源と繋がり給電可能な給電コンセントと、その給電コンセントへの電流の供給量を待機時に制限し供給時に制限を解除可能なスイッチと、前記通信部から前記識別情報を受信する受信部と、前記サーバとの間で信号を送受信可能な送受信部と、前記送受信部により上記通信部から受信した上記識別情報を前記サーバへ送信し認証の可否を受信する認証送受信手段と、その受信した認証が可である場合に前記スイッチへ制限を解除する信号を送信する認証処理手段とを有する。
【0015】
定額サービスであれば上記の構成で足りるが、電力量ごとの課金を行う場合は次のような構成が付加される。
上記データベースは識別情報とともに使用電力量又は課金額を登録可能とする。給電設備は前記の制限解除による充電の開始から給電する電流値が閾値以下になるまでの電力量を測定する電力センサと、上記送受信部により測定した前記電力量又は前記電力量から算出した課金値を前記サーバへ送信する電力量送信手段とを有する。
【0016】
上記通信部及び受信部は、プラグ及び給電コンセントを通じた電力線通信(Power Line Communications:PLC)で送受信してもよいし、特定小電力無線局方式、IEEE802.11a/b/g/n等の無線LAN、PHS、赤外線通信、アクティブ型のICタグといった無線通信でもよい。このうち、電力線通信で通信すると給電設備同士が近接しても接続先となる受信部を混同することがないため特に好ましい。無線通信で行う場合は、使用しようとする携帯インターフェースの通信部が周囲に設置された他の給電設備の受信部と通信してしまうことがないように、無線の到達距離を十分に制限し、上記受信部を上記給電コンセントのすぐ近くに設けるとよい。この発明では、携帯インターフェースのコンセントを給電設備に差し込む行為により給電設備側と物理的に繋がるので、電力線通信を利用できる環境が整っており、別途無線通信用機器を設けるよりも機器を小型化しやすい。
【0017】
携帯インターフェースの上記記憶部及び通信部と、上記給電設備の受信部とは、パッシブ型ICタグ及びその読取書換装置で実現してもよい。携帯インターフェースは給電設備と必然的に密着するため、到達距離の短いパッシブ型タグを用いると、混同するおそれなく読み取りが可能である。上記給電設備側の読取書換装置により、ICタグ側は受動的に電波で送信できるので、携帯インターフェース側にはなんら出力装置を設ける必要が無く、電力線通信や無線などで発信する場合と比べてさらに携帯インターフェースを小型化できる。また、電力センサから得られた電力量の値を記憶部に書き込むことも追加設備無しに容易にできる。
【0018】
なお、上記のICタグを用いる場合、記憶部にプリペイドの情報を記載しておき、給電設備の処理部がこのプリペイドの情報の金額の上限まで給電したらスイッチを待機時の制限状態へ移行させる料金制限手段を有するものとすると、使用者は電力量が過度にかさんで月毎の支払いが過剰になるという心配なく、必要な量だけ給電を受けることができる。
【0019】
サーバと上記送受信部とを繋ぐ通信回線は、無線又は有線によるインターネット回線でもよいし、専用の通信回線を用意してもよいし、携帯電話網でもよい。都市部ではインターネット回線が好適であるが、携帯電話網を用いると携帯電話の通信エリアであれば僻地であっても給電設備の設置が容易にできる。給電中はこの通信回線を通じて、上記サーバへ電力量や電流量の値を常時送り続けるようにすると、給電が正常に行われているかを監視することができ、充電未完了時に給電コンセントからプラグが抜けても、そこまでの供給電力量をほぼ正確にサーバに記録することができる。
【0020】
また、携帯インターフェースに携帯電力センサを設けても良い。電力の測定は上記給電設備側である必要はなく、上記の課金を行う場合の構成で、電力センサが行う処理を前記携帯電力センサに行わせてもよい。
【0021】
一方、上記給電設備側の電力センサを用いる場合の、上記携帯電力センサを用いる場合には得られない効果として、給電終了前に携帯インターフェースのプラグ又はコンセントが抜けてしまった場合でも、給電設備側に電力の情報が蓄積されているため、その時点で充電の終了とみなして、測定した電力量又は課金値を上記サーバに送ることができる。
【0022】
また、上記給電設備側の上記電力センサでの測定値及び累積値と、上記携帯インターフェース側の携帯電力センサでの測定値及び累積値の両方をサーバが取得することによって、この値同士のずれが誤差と考えられる範囲を超えていた場合、給電設備になんらかの異常が起きていることを検出できる。
【0023】
給電設備又は携帯インターフェースに、給電を中断するための遮断スイッチ又は入力装置を設けておくと、充電完了前に急遽電気自動車等を移動させたくなったときにも、コンセントの強制的な引き抜きという危険な手段を行わなくても済む。給電設備側に設ける場合には、上記スイッチへ強制的に制限時状態に戻す信号を送信できるものであればよい。携帯インターフェースに設ける場合には、一旦通信部を通じて発信し、給電設備側でスイッチへ信号を送信するようにする。
【0024】
給電設備に、使用者が操作可能なボタンやタッチパネルなどからなる入力装置を設け、この入力装置から所定の時間経過後に上記スイッチを待機時の制限状態へ戻す旨の信号を送信できるタイマー予約手段を備えさせると、電気自動車を再び使う時間のしばらく前までで充電を終わらせて、充電池を一旦クールダウンさせてから利用することができる。また、電力料金が安い夜間料金の適用時刻の終了とともに給電を停止させることができるようにタイマー予約手段を設定可能としておくと、利用者は安価な電力を使うことができ、サービス提供側も電力量の昼間時への集中を和らげることができるので環境負荷の点からも好ましい。いずれの場合も、タイマー予約手段は、別途設けた時計機能装置と連動し、終了時刻を入力装置から任意に、又は強制的に決定付けることができる。
【0025】
上記携帯インターフェースには、上記サーバへの認証の可否を表示する表示部を設けておくと、認証失敗時には使用者がすぐに異常を知ることができ、また、認証成功時には安心して充電を行うことができる。具体的には、上記受信部を、送信機能をも持たせた第二通信部とし、上記認証送受信手段が受信した認証の可否を送信して、携帯インターフェース側の通信部(第一通信部、とする。)へ送信する。携帯インターフェースでは、その結果を表示部へ送り表示する。例えば、認証可の場合と不可の場合とで異なる色にLEDを点灯させたり、液晶表示画面に認証の可否を符号等で表示させたりする。表示はプラグを挿入している際に、給電コンセントからの電力供給により行う。認証が否であっても、上記待機時の制限された電流量で表示可能とする。また、この表示部を充電終了まで継続的に点灯、又は表示しておくことで、充電表示ランプとして用いることもできる。
【0026】
また、上記携帯インターフェースに上記携帯電力センサを設け、上記表示部を液晶表示画面とし、なおかつ、上記携帯電力センサが測定した電流量、電力量、計算される課金料及びその累積値等を上記液晶表示画面に表示する記録表示手段を設けると、充電量を可視化できるので、使用者が安心して使用できる。給電設備に常設の表示装置を取り付ける必要がないため、給電設備の設置にかかる負荷を増加させることなく導入できる。
【0027】
携帯インターフェースに充電池又は太陽電池を取り付けることで、液晶表示画面で構成させた上記表示部を常時表示することができる。携帯インターフェースがその分大きく重くなるが、モノクロ液晶であれば消費する電力量は小さいため、充電池又は太陽電池は小型のもので済み、重量及び体積の増加を実用上問題無い範囲で抑えることができる。充電池を用いる場合は、給電コンセントからの電力により、給電時に併せて充電することで、それ自体を別途充電する手間を省くことができる。
【0028】
携帯インターフェースにタッチパネルなどの入力装置を取り付け、給電コンセントにプラグを差し込んで給電を受けようとする際に、識別情報とは別に使用者が記憶しているパスワードを入力可能にし、サーバのデータベースは、予め識別情報ごとのパスワードを記録したものとしておき、携帯インターフェースの通信部及び給電設備の送受信部が、識別情報とともにこのパスワードを送信するようにして、サーバが実行する認証手段は、識別情報ごとに対応したパスワードが送られて来た場合に限り認証結果を正とするようにすることもできる。このようにすると、携帯インターフェースを所持しているだけでは給電を受けることができないので、紛失や盗難に遭って携帯インターフェースが他人の手に渡ったときでも、不正利用されることを防ぐことができるロック機能を実現できる。上記の表示部を有する場合には、携帯インターフェースの処理部は、識別情報の送信前に、パスワードの入力を促す旨を表示部に表示することで、パスワードの入力をスムーズに行わせることができる。さらに、給電設備の受信部に送信機能を持たせた第二通信部としておき、認証結果が否であれば第二通信部から携帯インターフェースの表示部にその結果を送信させて、表示部に認証失敗した旨及び再度のパスワードの入力を促す旨の表示をして、入力装置から再度の入力を受け付けるようにすると、パスワードの入力に失敗してもスムーズに再試行できる。なお、表示部とタッチパネルを兼用させると、携帯インターフェースの部品が増えて大型化することを抑制でき、携帯性を高めることができる。
【0029】
また、上記のパスワードの代わりに、使用者の指紋や静脈、網膜データなどの生体情報を登録しておき、携帯インターフェースに入力装置として指紋読み取り装置等の生体読み取り装置を設け、パスワードの代わりに生体情報をサーバに送信して認証手段を実行してもよい。パスワードを入力するよりも簡便に利用でき、使用者の利便性が高いものとなる。
【0030】
なお、携帯インターフェース自体の起動の際に、携帯インターフェース自体の記憶部に登録させた識別情報や独自のパスワードの入力、あるいは登録させた生体情報の読み取りを必要とするようにしてもよい。サーバと通信するよりも簡便なロック機構として動作する。
【0031】
また、ロック機能の他の実現手法として、上記と同様にサーバのデータベースが、予め識別情報ごとのパスワードや生体情報を記録したものとしておいた上で、タッチパネルや10キーなどのキーボード、生体情報読み取り装置などの入力装置を給電設備に設けてもよい。送受信部が識別情報をサーバに送信する前に、又は、一旦送受信部がサーバに送信してサーバがデータベースの記録内に当該識別情報の存在を確認する確認手段を実行して存在する旨のレスポンスが返ってきた後でありかつスイッチの制限を解除する前に、その入力装置からパスワードや生体情報を入力させて、送受信部からサーバに送信し、サーバで識別情報とパスワード又は生体情報とが一致しているかを確認することで認証を行う。携帯インターフェースに入力装置を備えさせる場合と比べて、携帯インターフェースの部品数を減らし、大きさを抑制し、携帯性を高めることができる。この場合、パスワードの入力や生体情報の読み取りを使用者に促すために、給電設備が表示部を有していると、識別情報の存在の有無が確認されているか否かや、パスワードが正しいか否か、若しくは生体情報の読み取りが成功したか否かを表示できて、使用者の利便性を高めることができる。
【0032】
さらに、上記のいずれかのロック機能を持たせる場合、予め規定された回数を超えて誤ったパスワードや生体情報がサーバに送信された場合には、それ以上の受付を拒否するとともに、当該識別情報について予めサーバに登録された使用者の連絡先アドレスに通知し、不正使用の可能性がある携帯インターフェースが、どこにある給電設備で使用されたかを通知して、紛失又は盗難された携帯インターフェースの捜索に役立てるようにする機構を持たせてもよい。
【0033】
さらにまた、ロック機能の他の実現手法として、サーバのデータベースに識別情報とともにパスワードと使用者の連絡先アドレスとを登録しておくとともに、サーバに、その連絡先アドレスに認証用パスワード入力ページへのURLを通知する通知手段と、リクエストに従って認証用パスワード入力ページ情報を送信しかつそのページから情報を取得するweb送受信手段を持たせると、強固なセキュリティを実現できる。使用者は自分が普段携帯する携帯電話等のメールアドレス等を連絡先アドレスとして申請することでシステムを利用できる。携帯インターフェースから通信部及び送受信部を通じてサーバに識別情報が送られると、サーバはその識別情報についてのデータがデータベースに存在するか否か検索し、存在していれば、当該識別情報の連絡先アドレスへ、認証用パスワード入力ページへのURLをメール等の送信により通知する。使用者は当該URLへのリクエストを行って、サーバからその携帯電話等に認証用パスワードの入力ページを送信させる。使用者は当該識別情報に対応したパスワードを入力ページのフォームから入力して、サーバへ返送する。サーバはこのパスワードと識別情報とをデータベースで照合し、正しければ認証結果を正とし、一致しなければ認証結果を否とする。この認証結果を給電設備に送信した後のシステム実行手順は他の場合と同一である。ただし、正否にかかわらず、連絡先アドレスにその認証の結果を通知すると、使用者にとってわかりやすくなり、特に否の場合は、再度、認証用パスワード入力ページ情報を携帯電話等に送信すると再試行しやすく望ましい。
【0034】
携帯インターフェースの表面に、感熱などにより表示を書き換え可能な記載部を設け、この記載部に使用電力量を記載しておくと、電力を消費することなく、携帯インターフェースの記載部を見るだけで、累積電力量を知ることができる。また、電力量の代わりに、又は電力量とともに、累積電気料金を記載してもよい。給電設備には、加熱などの対応する手段により前記記載部を書き換え可能な書換部を、携帯インターフェースの記載部に相対する箇所に設ける必要がある。この書換部と記載部の構成は、一般にポイントカードの表示などに使われるサーマル方式などが挙げられるが、書き換え表示が可能であれば特に限定されるものではない。
【0035】
給電コンセントに供給する電気の電圧は、100Vでも200Vでもよいが、200Vの方が急速に充電できるため、大容量のバッテリを搭載する電気自動車に提供するには200Vであると望ましい。なお、給電を200Vで行い、上記通信部及び受信部がPLCである場合には、PLC用の電力線と200Vの給電線とを一部共有させ、三線で給電コンセントに引くとよい。
【発明の効果】
【0036】
この発明により、使用者は携帯インターフェースを一つ持ち歩くだけで、自己所有の自動車のみならず、共有の自動車やレンタカーなど、自分が使用する自動車への充電サービス及び課金サービスを受けることができる。また、自動車だけでなく、携帯電話やノートパソコンなど、他の機器の充電サービスも受けることができる。
給電設備の設置者は、建物の外部の駐車可能なスペースにコンセントが一つあれば、そのコンセントと分電盤との間の配線にスイッチと電力センサ、受信部、送受信部を設けるだけで、自前で給電サービスの提供者として利益を受けることができる。この設置コストは従来の対人用入力インターフェースを必要とした給電スタンドに比べて安価であり、液晶表示部やRFID検知部を設けなければ特に安価となる。従って、規模の小さな商店や個人でも給電設備を容易に設置できるため、サービス提供者は電気自動車を用いるための給電スタンドの設置を容易に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の第一の実施形態の構成図
【図2】この発明の第一の実施形態の第一のチャート図
【図3】この発明の第一の実施形態の第二のチャート図
【図4】この発明の第一の実施形態の第三のチャート図
【図5】第一の実施形態のデータベースの例を示すテーブル
【図6】この発明の第二の実施形態の、第一の実施形態と異なる部分のチャート図
【図7】この発明の第三の実施形態の構成図
【図8】この発明の第三の実施形態のチャート図
【図9】第三の実施形態のデータベースの例を示すテーブル
【図10】この発明の第四の実施形態の構成図
【図11】この発明の第四の実施形態の中途を抜き出したチャート図
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、この発明を実施する具体的な実施形態を述べる。
第一の実施形態を図1の構成図、図2〜4のチャート図を用いて、具体的な機能及び工程により説明する。
【0039】
まずシステムを整備するための手順を図2とともに説明する。
システムを実行するための準備として、電線網30等を有するサービス提供者は、サーバ41を用意し(S01)、設置者に給電設備21を設置させるか、自らが設置者となって給電設備21を設置し(S02)、これを利用するための携帯インターフェース(図中、「携帯IF」と略記する。)11を使用者に持たせ、給電サービスを提供する(S03)。
【0040】
給電設備21の設置工事(S02)は以下のような内容となる。一般家庭20等において、分電盤29と屋外に面した給電コンセント22との間にスイッチ23を設ける。スイッチ23と給電コンセント22との間に、電力センサ24の端子と、受信部25に繋がる電力線を繋ぐ。そして、電気通信回線40との送受信が可能な送受信部26を設け、これらを制御する処理部28を設ける。なお、図示しないがそれらの作業のための一時記憶部も有する。スイッチ23は待機時には分電盤29から給電コンセント22への電流供給量を、携帯インターフェース11の駆動に十分で、電気自動車の充電には不十分な程度に制限する。このスイッチ23自体は、一般的な電流抑制器を用いてよい。
【0041】
サービス提供者は使用者と契約の上で、不揮発メモリまたはROMからなる記憶部15に固有の識別情報を記録した携帯インターフェース11を手渡す(S03)。その上で、サーバ41のデータベース42において、契約された携帯インターフェース11の識別情報が送信されてきたら、処理部43が実行する認証手段44により認証可能な状態に設定する(S04)。以上がシステムを実施するための事前準備である。
【0042】
次に、図3とともにシステムの動作を説明する。
使用者が電気自動車に搭乗し、給電設備21で給電を受けるためには、まず電気自動車のプラグ10を、所持する携帯インターフェース11のコンセント12に挿入し(S11)、携帯インターフェース11のプラグ13を、給電設備21が屋外に設置している給電コンセント22に挿入する(S12)。この順序は逆でもよい。
【0043】
これにより、給電コンセント22から制限された電流が携帯インターフェース11に供給され、システムが給電のための処理を開始する。携帯インターフェース11のAC/DC切替部18は、この電流を直流変換して処理部16と第一通信部14を起動させる(S13)。処理部16は、記憶部15から記録された識別情報を読み出し(S14)、第一通信部14により送信する(S15)識別情報送信手段17を実行する。第一通信部14は電力線通信モデムであり、プラグ13及び給電コンセント22を通じた電力線通信により、給電設備21内の受信部25へ識別情報を送信する。受信部25も電力線通信モデムである。
【0044】
受信部25が識別情報を受信すると、給電設備21の処理部28は、受信部25が受信した識別情報を読み取り(S16)、送受信部26により電気通信回線40を通じて送信する(S17)認証送受信手段31を実行する。送受信部26は電気通信回線40への接続機能を持った通信端末であり、電気通信回線40からサーバ41へ送信する。
【0045】
サーバ41は識別情報を受信すると(S18。実際には通信部が存在するが省く。)、処理部43がその識別情報がデータベース42において、システムを利用可能な識別情報として登録されているか否かを判断する認証手段44を実行する(S19)。その正否の認証結果を、処理部43は電気通信回線40を通じて、識別情報送信元である給電設備21の送受信部26へ返送する(S20)。
【0046】
送受信部26が認証結果を受信すると(S21)、処理部28の認証結果手段32を実行し、その認証結果が否であればエラーとして何もせず(S23)、その認証結果が正であればスイッチ23の電流量制限を解除する(S24)。これにより、給電コンセント22から携帯インターフェース11を通じて電気自動車のプラグ10へ充電用の大電流が供給される(S25)。
【0047】
次に、図4とともに給電開始後のシステム動作を説明する。
電力センサ24は給電開始の大電流を感知すると(S31)、その給電開始からの電力量を累算していく(S32)。この値は図示していない一時記憶部に記憶する。処理部28は、電力センサ24から一定時間ごとに電流量と電力量の値を読み取り(S34)、電力量を当該識別情報とともに送受信部26により送信する(S35)電力量送信手段33を実行する。これを充電完了まで繰り返す(S33)。電気通信回線40を通じて電力量の値を受けたサーバ41の処理部43は(S36)、その時点における電力料金から、加算された電力量に対応した課金額を算出し(S37)、電力量とともにデータベース42の当該識別情報のカラムに記録、書き換える(S38)課金手段46を実行する。データベースの構成の例を図5に示す。
【0048】
電気自動車の充電が完了すると、電気自動車が有する充電機構により、プラグ10が受ける電流がカットされ、スイッチ23から給電コンセント22へ流れる電流が0になる。電力センサ24が、電流量が閾値以下になったことを検知したら(S33)、処理部28はそれを充電の完了とみなし、電流値と電力量の計算を終了する。このときに、一時記憶部の電力量及び識別情報をクリアする。次の使用に備えるためである。システム側での給電処理はこれで終わる。
【0049】
一方、電気自動車は内部の表示により、充電の完了を知ることができるので、使用者は充電の完了を確認したら、携帯インターフェース11のプラグ13を給電コンセント22から引き抜き(S39)、電気自動車のプラグ10をコンセント12から抜いて(S40)、給電を完了する。
【0050】
その後、サービス提供者は、使用者との契約形態に従い、例えば月毎の課金額の累積値を得て、契約した使用者への請求手続を行う。
【0051】
第二の実施形態について、図6を用いて説明する。この形態は、給電開始後の処理以外は第一の実施形態と同じであり、具体的には、図中S32までは同一である。この実施形態では、電力センサは電流値が閾値以下になるまで電力量の累算を続け(S51)、一定時間ごとにその値を検知する。上記の通り、電気自動車の充電が完了したら電流量が低下する、この電流量の低下を検知したら(S51)、処理部28は電力センサ24から電力量の値を読み取り(S52)、識別情報とともに送受信部26へ送信する(S53)電力量送信手段33を実行する。電力量の値を受信した(S54)サーバ41は、充電時間中の電力料金から課金額を計算し(S55)、データベース42の当該識別情報の電力量及び課金額を更新する(S56)。その後の処理(S58,S59)は第一の実施形態と同一である。
【0052】
この第二の実施形態は、第一の実施形態に比べて、サーバ41への通信量とサーバ41での計算、及びデータベースの書き換え負荷を少なくすることができる。一方で、予期せぬ充電の終了時や電力センサ24の故障が生じたときには、正常な電力量の値を得ることができない。ただし、給電コンセント22又はコンセント12からプラグが途中で抜けてしまったような場合は、その時点で給電される電流量が0になるため、正常な終了の場合と同様に電力量をサーバに送ることができる。
【0053】
第三の実施形態について説明する。この実施形態の構成図を図7に示す。この実施形態は、識別情報だけでなく、使用者により入力されるパスワードとともに認証を行うものである。第一の実施形態との違いは、携帯インターフェース11が表示部51及び入力部52からなるタッチパネル50を有しており、認証結果を受けて給電を開始するまでの手順(第一の実施形態の図3に記載の部分)である。第三の実施形態におけるその手順部分のフローを図8に示す。それ以外は第一の実施形態と同様である。
【0054】
まず前提として、サーバ41のデータベースには、識別情報とともに、パスワードと連絡先アドレスを登録する。このデータベースの例を示すテーブルを図9に示す。パスワードが数字のみからなるのは、後述する入力部52がテンキーからの数字入力のみに対応する場合に対応する。入力部52が英字入力可能なソフトウェアを有している場合には、パスワードに使える文字はその分拡張可能である。パスワードは使用者が契約時に任意に決めるものでもよいし、システムを管理するサービス提供者がランダムに付与するものでもよい。また、別途の手段で変更可能でもよい。
【0055】
認証までの手順を図8のフローに沿って説明する。まず使用者が給電を受けようとするにあたって、プラグ10及びプラグ13をそれぞれコンセント12及び給電コンセント22に挿入することで携帯インターフェースに通電され、システムが給電のための処理を開始するまでは第一の実施形態と同様である(S71,S72。それぞれ上記のS11,S12に対応。)。制限された電流が通電されることで、処理部16、第一通信部14、タッチパネル50が起動し、処理部16は表示部51に、パスワードの入力を促す旨のメッセージを表示する(S73。上記S13に対応)。表示部51自体は一般的な液晶や有機ELのモニタでよい。処理部16は入力部52からのパスワードの入力を待ち、入力されたら(S74)、記憶部15から識別情報を読み出す(S75。上記S14に対応。)。処理部16の識別情報送信手段17’は、識別情報とパスワードとをセットにして、第一通信部14から送信させる(S76。上記S15に対応。)。給電設備21は第二通信部25’が識別情報とパスワードを受信すると、処理部28が読み取り(S77。上記S16に対応。)、送受信部26により電気通信回線40を通じて送信する(S78。上記S17に対応。)認証送受信手段31’を実行する。
【0056】
サーバ41は、識別情報及びパスワードを受信すると(S79。上記S18に対応。)処理部43が認証手段44’を実行して、識別情報とパスワードがデータベース42に登録されたものであるか否かを確認する(S80。上記S19に対応。)。このとき(S81)、認証結果が否であった場合には、それが連続して何回目の認証失敗であるかを判断する(S82)。認証結果が正であるか、否であっても規定回数nに満たない場合には、処理部43はその認証結果を元の送受信部26へ返送する認証結果送信手段45を実行し(S83。上記S20に対応。)、送受信部26が認証結果を受信すると(S84。上記S21に対応。)、この後の対応が第三の実施形態独自のものとなる。
【0057】
まず、認証結果が否であった場合(S85)、処理部28の認証結果手段32’は、第二通信部25’からその旨を第一通信部14へ送信する(S86、S87)。これは、S76とは逆の方向の通信であり、この実施形態で用いる第一通信部14と第二通信部25’とは給電コンセント22及びプラグ13を通じた電力線通信により相互通信可能なものである。処理部16は、受信した結果を受けて、表示部51に認証失敗の旨を表示し、再び入力部52からのパスワードの入力を受け付ける状態へ移行する(S88)。
【0058】
一方、認証結果が正であった場合(S85)、処理部28の認証結果手段32’は、スイッチ23の制限を解除する(S89。上記S24に対応。)。これにより給電が開始される(S90。上記S25に対応。)。以降のシステムの処理は図4又は図6における第一又は第二の実施形態のステップと同じである。
【0059】
ところで、サーバ41での認証結果が連続してn回目の失敗であった場合には(S82)、処理部43は、データベースのその識別情報に登録された連絡先アドレスへ、連続n回のパスワードの入力失敗があった旨とそれがされた給電設備の場所をメールで通知する通知手段47を実行し(S91)、その後の処理を停止する。使用者はこの通知により、不正使用がされたと考えられる場所へ急行することができるようになる。
【0060】
また、第三の実施形態の付加的な要素として、第二の実施形態と同様の手順となる図6中、電力量と課金額についてデータベース42を更新する作業(S56)と並行して、連絡先アドレスへ電力量と課金額を記載したメールを送信する、使用量通知手段(図示せず)を実行してもよい。また、給電設備21の送受信部26,第二通信部25’を通じ、携帯インターフェース11の第一通信部14へ同様の情報を伝達して、処理部16が表示部51に電力量と課金額を表示してもよい。
【0061】
さらに、第三の実施形態の応用形態として、タッチパネル50ではなく、表示部51と入力部52を分けて、入力部52として指紋読取装置を設けることができる。この場合、上記第三の実施形態においてやりとりされ、かつデータベース42に登録されるパスワードを、読み取った指紋データと、登録された指紋データとに変更したフローでシステムが処理を行う。指紋データは画像データでも、画像データから要素を抽出したデータでも実施できる。
【0062】
第四の実施形態について説明する。この実施形態の構成図を図10に示す。この実施形態も、識別情報だけでなく、使用者により入力されるパスワードとともに認証を行うものである。第三の実施形態との違いの要点は、パスワードの入力に、電気通信回線40にアクセス可能な携帯端末61のWEBページ表示機能を用いることで、携帯インターフェース11や給電設備21には入力部52も表示部51も不要になり、携帯インターフェースの利便性を損なわないように小型化することができる点にある。データベースの構成は第三の実施形態と同様に、図9のようにパスワードと連絡先アドレスを項目として必要とする。ただし連絡先アドレスは緊急時ではなく、通常の認証に使用する。
【0063】
システムの実行処理内容は、識別情報がサーバ41に到達するまで(図3のS18まで。)は第一の実施形態と同様である。以下、図11のフロー図により、それ以後の処理について説明する。処理部43の確認手段44’’は、まず受け取った識別情報がデータベースに登録されているかを検索する(S101)。登録されていなければ(S102)、登録ユーザの使用ではないので、何も対応せずそこで処理は終了する(S103)。
【0064】
識別情報が登録されていたら(S102)、確認手段44’’はその識別情報の連絡先アドレスを読み出す(S105)。処理部43の通知手段47は、この読み出した連絡先アドレスに、サーバ41への送信を可能とするWEBページへアクセスできるURLを、メールにて送信する(S106)。電気通信回線40を通じて、この連絡先アドレスへのメールを受信できる、使用者が所持する携帯端末61にメールが着信する(S107)。
【0065】
携帯端末61から当該URLへのアクセスリクエストが発生し、サーバ41に到着すると(S108)、処理部43のWEBページ送受信手段48は、携帯端末61へ、ページ情報を送信する(S109)。このページ情報は、パスワードを入力する欄と、パスワードをサーバへ送信する命令を発するフォームを含んだ、HTML等のデータである。このページ情報によりパスワードの送信をWEBページ送受信手段48が受けると(S110)、処理部43の認証手段44’が識別情報とパスワードとがデータベースの記録と一致するか否かを判断する(S111)。
【0066】
認証結果が否である場合(S112)、WEBページ送受信手段48は、パスワードの再入力を促す旨と、上記と同様の入力欄及びフォームとを含んだページ情報を携帯端末61のブラウザへ送信する(S113)。以後、S110に戻り、同様の認証を行う。
【0067】
認証結果が正である場合(S112)、WEBページ送受信手段48は、認証に成功した旨の表示を含んだページ情報を携帯端末61のブラウザへ送信する(S115)。併せて、認証成功の結果を、給電設備21の送受信部26に送信する(S116)。給電設備21の処理部28は認証結果手段32を実行して、スイッチ23の制限を解除する(S117)。これにより給電が開始され(S118)、以下のシステムの処理は第一又は第二の実施形態と同一である。
【0068】
なお、第四の実施形態の付加的な要素として、第二の実施形態と同様の手順となる図6中、電力量と課金額についてデータベース42を更新する作業(S56)と並行して、通知先アドレスに、給電した電力量と課金額を通知するメールを送信する使用量通知手段を実行しても良い。
【符号の説明】
【0069】
10 電気自動車プラグ
11 携帯インターフェース
12 コンセント
13 プラグ
14 第一通信部
15 記憶部
16 処理部
17,17’ 識別情報送信手段
18 AC/DC切替部
20 一般家庭
21 給電設備
22 給電コンセント
23 スイッチ
24 電力センサ
25 受信部
25’ 第二通信部
26 送受信部
28 処理部
29 分電盤
30 電線網
31、31’ 認証送受信手段
32、32’ 認証結果手段
33 電力量送信手段
40 電気通信回線
41 サーバ
42 データベース
43 処理部
44、44’ 認証手段
44’’ 確認手段
45 認証結果送信手段
46 課金手段
47 通知手段
48 WEBページ送受信手段
50 タッチパネル
51 表示部
52 入力部
61 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報及びその使用電力量又は課金額とともに登録可能なデータベースを有し、電気通信回線を通じて受信した識別情報の認証を行う認証手段と、電気通信回線を通じて認証の可否を送信する認証結果処理手段とを備えたサーバと、
給電を受けるプラグ、そのプラグに繋がり充電対象機器へ給電可能なコンセント、前記識別情報を記録した記憶部、その記憶部から読み出した前記識別情報を送信可能な通信部を有し、持ち運びできる携帯インターフェースと、
電源と繋がり給電可能な給電コンセント、その給電コンセントへの電流の供給量を待機時に制限し供給時に制限を解除可能なスイッチ、前記通信部から前記識別情報を受信する受信部、前記サーバとの間で信号を送受信可能な送受信部、前記送受信部により上記通信部から受信した上記識別情報を前記サーバへ送信し認証の可否を受信する認証送受信手段、その受信した認証が可である場合に前記スイッチへ制限を解除する信号を送信する認証処理手段を有する給電スタンドを構成要素として有する給電設備とからなる電力提供システム。
【請求項2】
上記サーバは、データベースに識別情報ごとの使用電力量又は課金額を登録可能であり、
上記給電設備は、前記の制限解除による充電の開始から給電する電流値が閾値以下になるまでの電力量を測定する電力センサ、及び、上記送受信部により測定した前記電力量又は前記電力量から算出した課金値を前記サーバへ送信する電力量送信手段を有する、請求項1に記載の電力提供システム。
【請求項3】
上記通信部と上記受信部とが電力線通信により通信するものであり、
上記待機時の電流の供給量が、上記給電コンセントに上記プラグが挿入された上記携帯インターフェースを動作させるために必要な電流量以上である、請求項1又は2に記載の電力提供システム。
【請求項4】
上記通信部と上記受信部とが、特定小電力通信による無線通信により通信するものであり、
上記待機時の電流の供給量が、上記給電コンセントに上記プラグが挿入された上記携帯インターフェースを動作させるために必要な電流量以上である、請求項1又は2に記載の電力提供システム。
【請求項5】
上記携帯インターフェースがパスワード又は生体情報の入力を可能とする入力部を有し、
上記サーバのデータベースが上記識別情報ごとのパスワード又は生体情報を記録しており、
上記通信部と上記送受信部と上記認証送受信手段とは上記識別情報とともにパスワード又は生体情報を送受信し、
上記認証手段は、該当するパスワード又は生体情報の存在を条件として上記識別情報の認証を行う、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力提供システム。
【請求項6】
上記サーバのデータベースは上記識別情報ごとのパスワードと、連絡先アドレスを記録しており、
上記サーバは、上記識別情報の受信後であって当該識別情報についての上記認証手段の実行前に実行する手段として、
当該識別情報がデータベースに記録されているか否かを確認し、存在するならば上記連絡先アドレスを読み出す確認手段と、
当該識別情報についての上記連絡先アドレスへパスワード認証用ページへのリクエストを可能とするURLを送信する通知手段と、
前記リクエストを要求してきた端末へ、パスワードの入力及び送信を可能とするページ情報を送信し、パスワードを受け付けるWEBページ送受信手段とを有し、
上記認証手段は、該当するパスワードの存在を条件として上記識別情報の認証を行う、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項7】
上記携帯インターフェースが、充電の開始から給電の終了までの電力量を測定する電力センサを有する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電力提供システム。
【請求項8】
上記携帯インターフェースが、上記の電力センサにより測定された電力量の累積値、その累積値から算出される課金額、又はその両方を表示する表示部を有する、請求項7に記載の電力提供システム。
【請求項9】
上記携帯インターフェースが、上記の電力センサにより測定された電力量の累積値、その累積値から算出される課金額、又はその両方を記録する使用量記録部と、その記録した情報の一部又は全部を表示する表示部を有する、請求項8に記載の電力提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−164756(P2011−164756A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24246(P2010−24246)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000220882)株式会社エネゲート (42)
【Fターム(参考)】