説明

電動システム

【課題】定格出力を抑えることなく、複数の電圧センサによって高精度に制御することが可能な電動システムを提供する。
【解決手段】燃料電池12及びバッテリ21と駆動モータ13との間の同一の回路Cに設けられた複数の燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の測定値に基づいて燃料電池12及びバッテリ21から駆動モータ13への給電制御を行うECU41を備え、ECU41は、回路Cの電圧が定常状態のときに、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の測定値を検出し、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の間における誤差を求めて補正する誤差補正処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力の供給により駆動する電動機を備えた電動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、燃料電池車、ハイブリッド車、電気自動車では、電動機へ供給する出力電圧を測定する電圧センサが設けられている。そして、制御部では、電圧センサから取得した測定値に基づいて、システムの各種制御を行う(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−218953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的に、電圧センサは、同電位となる回路に一つ設置すれば良いが、実際の車載状態では、例えば、コンバータ及びインバータの搭載位置が離れているような場合、これらのコンバータ及びインバータの近傍に電圧センサをそれぞれ設けて個別に電圧を測定し、高精度な制御を行うことが考えられる。
【0005】
しかし、このように、同一回路に複数の電圧センサを設けた場合、これらの電圧センサに公差の範囲内で特性のバラツキがあると、例えば、コンバータから出力される電力と、駆動源が消費する電力とに差異が生じ、高精度な制御が困難となる。また、電圧センサの特性のバラツキを考慮して運転する場合、電圧センサの誤差が最大または最小の場合にも不具合のない運転を行うために、電圧の上限及び下限に十分な余裕を持たせなければならず、定格出力を十分に発揮させることが困難となる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、定格出力を抑えることなく、複数の電圧センサによって高精度に制御することが可能な電動システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の電動システムは、
電力供給源と、
該電力供給源からの給電によって駆動する駆動源と、
前記電力供給源と前記駆動源との間の同一の回路に設けられた複数の電圧センサと、
前記電圧センサの測定値に基づいて前記電力供給源から前記駆動源への給電制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記回路の電圧が定常状態(例えば、一定値に保たれた状態あるいは一定値から所定の変動域内に保たれた状態)のときに、前記電圧センサの測定値を検出し、前記電圧センサ間における誤差を求めて補正する誤差補正処理を行う。
【0008】
かかる構成の電動システムによれば、同一の回路に設けられた複数の電圧センサの誤差を補正することにより、電圧の上限及び下限に余裕を持たせることなく、これらの電圧センサの測定値に基づいて、電力供給源や駆動源の制御を高精度に制御し、定格出力を十分に発揮させることができる。
また、上記補正処理を2点以上のシステム動作点において実施するようにすれば、前記基準電圧センサに対する他の電圧センサのオフセット誤差とゲイン誤差を共に、より高精度に補正することが可能になる。なお、システム動作点とは、燃料電池の運転動作点であって、所定の条件(例えば、要求出力や該要求出力から設定された設定出力)に基づいて燃料電池から出力を取り出すために設定された電圧と、この設定電圧に対応する電流とによって定められる運転ポイントである。
【0009】
また、本発明の電動システムにおいて、
前記制御部は、前記電力供給源から前記駆動源への給電中における前記回路の電圧が定常状態のときに、所定の電圧センサを基準電圧センサとし、この基準電圧センサの測定値に対する他の電圧センサの測定値の偏差を誤差として補正するものでも良い。
【0010】
本発明の電動システムにおいて、前記制御部は、前記回路が0Vのときに、前記電圧センサの測定値の0Vに対する誤差を求めて補正するものでも良い。
また、本発明の電動システムは、電力供給源と、該電力供給源からの給電によって駆動する駆動源と、前記電力供給源と前記駆動源との間の同一の回路に設けられた複数の電圧センサと、前記電圧センサの測定値に基づいて前記電力供給源から前記駆動源への給電制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記回路が0Vのときに、前記電圧センサの測定値の0Vに対する誤差を求めて補正する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電動システムによれば、定格出力を抑えることなく、複数の電圧センサによって高精度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る電動システムである燃料電池システムの概略回路図である。
【図2】オフセット・ゲイン誤差補正処理を説明するフローチャートである。
【図3】オフセット誤差補正処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る電動システムの実施形態について説明する。なお、本実施形態では、本発明に係る電動システムとして、燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の燃料電池システムを例にとって説明する。
【0014】
図1を参照して、本実施形態における電動システムである燃料電池システムの構成について説明する。図1は、実施形態における燃料電池システムを概略的に示した構成図である。
【0015】
図1に示すように、燃料電池システム(電動システム)11は、反応ガスである酸化ガスと燃料ガスの電気化学反応により電力を発生する燃料電池(電力供給源)12を備えている。
【0016】
燃料電池12は、例えば、高分子電解質形燃料電池であり、多数の単セルを積層したスタック構造となっている。単セルは、イオン交換膜からなる電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極および燃料極を両側から挟み込むように一対のセパレータを有する構造となっている。この場合、一方のセパレータの水素ガス流路に水素ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスである空気が供給され、これらの反応ガスが化学反応することで電力が発生する。
【0017】
この燃料電池12は、車両を走行させるための駆動モータ(駆動源)13に接続されており、駆動モータ13へ電力を供給する。
【0018】
この燃料電池12と駆動モータ13との間には、燃料電池12側から順に、FC昇圧コンバータ14及び駆動インバータ17が設けられている。
【0019】
このように、燃料電池システム11では、燃料電池12で発電された電力がFC昇圧コンバータ14で昇圧され、駆動インバータ17を介して駆動モータ13へ給電される。
【0020】
駆動モータ13は、例えば三相交流モータであり、駆動モータ13が接続された駆動インバータ17は、直流電流を三相交流に変換し、駆動モータ13に供給する。
【0021】
また、燃料電池システム11は、駆動モータ13へ電力を供給するバッテリ(電力供給源)21を備えている。このバッテリ21には、バッテリ昇圧コンバータ23が接続されている。
【0022】
このバッテリ21の回路は、燃料電池12の回路におけるFC昇圧コンバータ14と駆動インバータ17との間に接続されており、バッテリ21からの電力が駆動モータ13へ供給可能とされている。
【0023】
バッテリ昇圧コンバータ23は、直流の電圧変換器であり、バッテリ21から入力された直流電圧を調整して駆動モータ13側へ出力する機能と、燃料電池12または駆動モータ13から入力された直流電圧を調整してバッテリ21に出力する機能と、を有する。このようなバッテリ昇圧コンバータ23の機能により、バッテリ21の充放電が実現される。また、バッテリ昇圧コンバータ23により、燃料電池12の出力電圧が制御される。
【0024】
バッテリ21は、余剰電力を充電したり補助的に電力を供給したりすることが可能になっている。
【0025】
さらに、燃料電池システム11は、補機用インバータ25を備えており、この補機用インバータ25は、バッテリ21の回路におけるバッテリ昇圧コンバータ23の下流側に接続されている。補機用インバータ25には、エアコンプレッサ26、水素ポンプ27及び冷却水ポンプ28等の補機が接続されており、これらの補機は、補機用インバータ25からの給電によって駆動可能とされている。
【0026】
また、燃料電池システム11には、燃料電池12に繋がる回路Aに燃料電池電圧センサ31が設けられ、バッテリ21に繋がる回路Bにバッテリ電圧センサ32が設けられている。そして、燃料電池電圧センサ31では、燃料電池12の電圧が測定され、バッテリ電圧センサ32では、バッテリ21の電圧が測定される。
【0027】
さらに、燃料電池システム11には、FC昇圧コンバータ14、駆動インバータ17及びバッテリ昇圧コンバータ23に接続された同一の回路Cに、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35が設けられている。燃料電池出力電圧センサ33は、回路CにおけるFC昇圧コンバータ14の近傍に設けられ、駆動インバータ入力電圧センサ34は、回路Cにおける駆動インバータ17の近傍に設けられ、バッテリ出力電圧センサ35は、回路Cにおけるバッテリ昇圧コンバータ23の近傍に設けられている。
【0028】
また、燃料電池システム11は、ECU(制御部)41を備えている。このECU41には、燃料電池電圧センサ31、バッテリ電圧センサ32、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の信号線が接続されており、これらの電圧センサ31〜35の測定信号がECU41に送信される。そして、ECU41は、これらの電圧センサ31〜35の測定値に基づいて、燃料電池システム11を制御する。
【0029】
ここで、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35は、同一の回路Cに設けられているため、同電位となるが、FC昇圧コンバータ14、駆動インバータ17及びバッテリ昇圧コンバータ22が離れた位置に配置されていると、これらの間の配線インダクタンス等の影響で、必ずしも同電位とはならない。したがって、ECU41は、回路C内において、FC昇圧コンバータ14、駆動インバータ17及びバッテリ昇圧コンバータ22の近傍に設けた燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の測定値に基づいて、燃料電池システム11を高精度に制御することができる。
【0030】
しかし、これらの燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35に、公差の範囲内で、初期における誤差(オフセット誤差)や燃料電池システム11の運転中における誤差(ゲイン誤差)があると、これらの燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の測定値に基づく高精度な制御が困難となる。
【0031】
このため、本実施形態に係る燃料電池システム11では、これらの燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の誤差を補正する誤差補正処理を行う。
【0032】
次に、この補正処理について説明する。
(オフセット・ゲイン誤差補正処理)
まず、オフセット・ゲイン誤差補正処理について、図2のフローチャートに沿って説明する。
このオフセット・ゲイン誤差補正処理は、燃料電池システム11の運転中に行われる。
【0033】
このオフセット・ゲイン誤差補正処理では、まず、燃料電池システム11の運転中に、補正タイミングとなると、ECU41は、燃料電池システム11が定常状態(例えば、駆動モータ13への給電電力が一定値に保たれた状態あるいは一定値から所定の変動域内に保たれた状態)であるかを判定する(ステップS11)。
【0034】
燃料電池システム11が定常状態であると判定されると(ステップS11:Yes)、以降の補正処理が行われる。
【0035】
ここで、燃料電池システム11が過渡状態であると、配線インダクタンス等の影響によって、回路Cにおける燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35による電圧の測定箇所に電圧偏差が生じることがあり、この電圧偏差を誤差として検出してしまうことがある。このため、ステップS11で定常状態であることを判定し、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の測定値が同じ値を保証できる状態で補正処理を行うこととすれば、配線インダクタンス等の影響による電圧偏差を誤差としてしまうのを抑制することができる。
【0036】
燃料電池システム11が定常状態である場合、ECU41は、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の測定値を検出する(ステップS12)。
【0037】
次に、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35のうちの所定の電圧センサを基準電圧センサとし、この基準電圧センサに対する他の電圧センサのそれぞれの電圧偏差を求め、この電圧偏差をオフセット・ゲイン誤差とする(ステップS13)。例えば、燃料電池出力電圧センサ33を基準電圧センサとした場合、この燃料電池出力電圧センサ33の測定値に対して、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35のそれぞれの電圧偏差を求めてオフセット・ゲイン誤差とする。
【0038】
基準電圧センサとしては、後述するオフセット誤差補正処理において、オフセット誤差が一番小さかったものを選択するのが好ましい。また、製造時に予め求めた特性のバラツキの一番小さいものを選択しても良い。
【0039】
このようにして求めたオフセット・ゲイン誤差をECU41内の記憶部に記憶させる(ステップS14)。
【0040】
そして、燃料電池システム11の運転中、ECU41は、記憶部に記憶させたオフセット・ゲイン誤差に基づいて、基準電圧センサ以外の電圧センサに対してオフセット・ゲイン誤差を補正して燃料電池システム11を制御する(ステップS15)。
【0041】
このオフセット・ゲイン誤差補正処理は、燃料電池システム11が定常状態であるときに、定期的に行ってオフセット・ゲイン誤差を記憶部に記憶させて学習するのが好ましく、このように学習することにより、温度変化等の影響によるセンサドリフトの影響を極力排除することができる。なお、オフセット・ゲイン誤差の書換えは所定の条件のときに行う。
【0042】
また、上記の補正処理では、所定の電圧センサを基準電圧センサとし、この基準電圧センサの測定値に対する他の電圧センサの測定値の差を誤差として求めたが、全ての圧力センサの測定値の平均値を基準とし、この平均値に対する全ての電圧センサの測定値の差を誤差としても良い。
【0043】
(オフセット誤差補正処理)
次に、オフセット誤差補正処理について、図3のフローチャートに沿って説明する。
このオフセット誤差補正処理は、燃料電池システム11の起動時に行われる。
【0044】
このオフセット誤差補正処理では、まず、燃料電池システム11のECU41を起動させる(ステップS21)。
【0045】
このECU41の起動直後の燃料電池12による発電前に、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の測定値を検出する(ステップS22)。
【0046】
次に、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35のオフセット誤差を求める(ステップS23)。ここで、回路Cの電圧は、駆動モータ13への給電がされていないことから0Vである。したがって、検出した測定値が0Vでなく、+または−の測定値が検出された場合、その測定値をオフセット誤差とする。このように、回路Cが0Vであることから、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の測定値が同じ値(0V)を保証できる定常状態でオフセット誤差を求める。
【0047】
このようにして求めた燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35のオフセット誤差をECU41内の不揮発性メモリまたはRAM等の記憶部に記憶させる(ステップS24)。
【0048】
そして、ECU41は、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35が測定した測定値に対して、記憶部に記憶させたオフセット誤差を除去して燃料電池システム11を制御する(ステップS25)。
【0049】
なお、このオフセット誤差補正処理は、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35とともに、ECU41の起動時に電圧が0Vである回路Aに設けられた燃料電池電圧センサ31に対して行っても良い。
【0050】
このように、上記実施形態に係る燃料電池システム11からなる電動システムによれば、同一の回路Cに設けられた燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の誤差を補正することにより、電圧の上限及び下限に余裕を持たせることなく、これらの燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35の測定値に基づいて、電力供給源である燃料電池12、バッテリ21、駆動モータ13の制御を高精度に制御し、定格出力を十分に発揮させることができる。
【0051】
特に、燃料電池12またはバッテリ21から駆動モータ13への給電中における回路Cの電圧が定常状態のときに、所定の電圧センサを基準電圧センサとし、この基準電圧センサの測定値に対する他の電圧センサの測定値の偏差を誤差として補正すれば、オフセット誤差及びゲイン誤差の両方を補正することができる。
また、このような補正処理を、上記給電中における回路Cの電圧が互いに異なる2以上の定常状態におけるシステム動作点においてそれぞれ実施すれば、オフセット誤差及びゲイン誤差の両方をより高精度に補正することが可能になる。
【0052】
そして、本発明は、それぞれ電圧センサを備えたバッテリ昇圧コンバータ23を含むバッテリ21や駆動インバータ17を含む駆動モータ13を増設することにより、同一回路内に複数の電圧センサが設けられたシステムに好適である。
【0053】
なお、燃料電池出力電圧センサ33、駆動インバータ入力電圧センサ34及びバッテリ出力電圧センサ35等の電圧センサの製造出荷時に、基準となる検査用センサに対する偏差を求めるキャリブレーション工程を行い、このキャリブレーション工程で求めた偏差を予めマップとして電圧センサに持たせ、このマップに基づいてECU41がオフセット誤差及びオフセット・ゲイン誤差の補正処理を行うようにすることも可能である。
【0054】
また、上記実施形態では、本発明を燃料電池システムに適用した場合を例示したが、本発明は、電動システムであれば、ハイブリッドシステムやプラグインハイブリッドシステム等にも適用可能である。
【0055】
また、上述した実施形態においては、本発明に係る電動システムは、車両以外の各種移動体(ロボット、船舶、航空機等)にも適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
11 燃料電池システム(電動システム)
12 燃料電池(電力供給源)
13 駆動モータ(駆動源)
21 バッテリ(電力供給源)
33 燃料電池出力電圧センサ
34 駆動インバータ入力電圧センサ
35 バッテリ出力電圧センサ
41 ECU(制御部)
C 回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給源と、
該電力供給源からの給電によって駆動する駆動源と、
前記電力供給源と前記駆動源との間の同一の回路に設けられた複数の電圧センサと、
前記電圧センサの測定値に基づいて前記電力供給源から前記駆動源への給電制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記回路の電圧が定常状態のときに、前記電圧センサの測定値を検出し、前記電圧センサ間における誤差を求めて補正する誤差補正処理を行う電動システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電動システムであって、
前記制御部は、前記電力供給源から前記駆動源への給電中における前記回路の電圧が定常状態のときに、所定の電圧センサを基準電圧センサとし、この基準電圧センサの測定値に対する他の電圧センサの測定値の偏差を誤差として補正する電動システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電動システムであって、
前記制御部は、前記回路が0Vのときに、前記電圧センサの測定値の0Vに対する誤差を求めて補正する電動システム。
【請求項4】
請求項2に記載の補正処理を2点以上のシステム動作点において実施し、
前記基準電圧センサに対する他の電圧センサのオフセット誤差とゲイン誤差を共に補正する電動システム。
【請求項5】
電力供給源と、
該電力供給源からの給電によって駆動する駆動源と、
前記電力供給源と前記駆動源との間の同一の回路に設けられた複数の電圧センサと、
前記電圧センサの測定値に基づいて前記電力供給源から前記駆動源への給電制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記回路が0Vのときに、前記電圧センサの測定値の0Vに対する誤差を求めて補正する電動システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−235628(P2012−235628A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102870(P2011−102870)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】