説明

電動パワーステアリング装置

【課題】インバータのFETの駆動を簡易な構成と制御で安定的に行い得るようにした電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】PWMの各相デューティ指令値に基づいて、FETブリッジで成るインバータ106によりモータ20を駆動制御し、操舵系をアシスト制御するようになっている電動パワーステアリング装置において、FETブリッジの上段FETを駆動するための昇圧電源電圧を生成するチャージポンプ回路130及びブートストラップ回路140を具備し、高い方の電圧を昇圧電源電圧とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PWMのデューティ指令値に基づくインバータの駆動で制御されるモータにより、車両の操舵系をアシスト制御するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特にインバータの駆動を簡易な構成と制御で安定的に行い得るようにした電動パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の操舵系をモータの回転力でアシスト制御する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与するようになっている。そして、当該モータが所望のトルクを発生するようにモータに電流を供給するため、モータ駆動回路にFETブリッジで成るインバータが用いられている。
【0003】
ここで、従来の電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)100には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット100は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流制御部で電流指令値に補償等を施した電圧指令値Eによってモータ20に供給する電流Iを制御する。なお、車速VはCAN(Controller Area Network)等から受信することも可能である。
【0004】
コントロールユニット100は主としてCPU(MPU、MCUも含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
【0005】
図2を参照してコントロールユニット100の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクT及び車速センサ12で検出された車速Vは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部101に入力される。電流指令値演算部101は、入力された操舵トルクT及び車速Vに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流Iの制御目標値である電流指令値Iref1を決定する。電流指令値Iref1は加算部102Aを経て電流指令値Iref2として電流制限部103に入力され、最大電流を制限された電流指令値Iref3が減算部102Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差Is(=Iref3−Im)が演算され、その偏差IsがPI制御等を行う電流制御部104に入力される。電流制御部104で特性改善された電圧指令値EがPWM制御部105に入力され、更に駆動部としてのインバータ106を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはインバータ106内の電流検出器106Aで検出され、減算部102Bにフィードバックされる。インバータ106はスイッチング素子として一般的にFETが用いられ、FETのブリッジ回路で構成されている。
【0006】
また、加算部102Aには補償部110から補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によってシステム系の補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようようになっている。補償部110は、セルフアライニングトルク(SAT)113と慣性112を加算部114で加算し、その加算結果に更に収れん性111を加算部115で加算し、加算部115の加算結果を補償信号CMとしている。
【0007】
モータ20が3相(U,V,W)ブラシレスモータの場合、PWM制御部105及びインバータ106の詳細は例えば図3に示すような構成となっている。PWM制御部105及びインバータ106には電源スイッチ14を介してバッテリ13から電力が供給される。PWM制御部105は、電圧指令値Eを所定式に従って3相分のPWMのデューティ指令値D1〜D6を演算するデューティ演算部105Aと、デューティ指令値D1〜D3で上段FET1〜FET3の各ゲートを駆動してON/OFFする上段ゲート駆動部105B1と、デューティ指令値D4〜D6で下段FET4〜FET6の各ゲートを駆動してON/OFFする下段ゲート駆動部105B2と、上段ゲート駆動部105B1の電源電圧を昇圧するための昇圧電源回路105Cとで構成されている。上段ゲート駆動部105B1及び下段ゲート駆動部105B2は、それぞれU相ゲート駆動部、V相ゲート駆動部及びW相ゲート駆動部で構成されている。また、インバータ106は、A相の上段FET1及び下段FET4で成る上下アームと、B相の上段FET2及び下段FET5で成る上下アームと、C相の上段FET3及び下段FET6で成る上下アームとで構成された3相ブリッジとなっており、FET1〜FET6がデューティ指令値D1〜D6でON/OFFされることによってモータ20を駆動する。
【0008】
このような電動パワーステアリング装置において、昇圧電源回路(105C)として、例えば特開2004−173336号公報(特許文献1)ではチャージポンプ回路を用いて昇圧電源を生成し、例えば特開2005−51926号公報(特許文献2)ではブートストラップ回路を用いて昇圧電源を生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−173336号公報
【特許文献2】特開2005−51926号公報
【特許文献3】特開2009−220766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1のように、チャージポンプ回路の電圧を上段FETの駆動電源に用いる場合には、チャージポンプ回路が単一的に故障若しくは異常となって昇圧電源を生成できない場合、全てのアームの上段FETを駆動できなくなる。電動パワーステアリング装置におけるチャージポンプ回路の故障(異常)ではインバータをON/OFF制御できなくなるため、モータに電流が流れず、アシスト制御停止の状態になってしまうという問題がある。
【0011】
また、特許文献2のブートストラップ回路は、下段FETがONになることでブートストラップコンデンサに電圧が充電され、下段FETがOFF、上段FETがONするときに、ブートストラップコンデンサの充電電圧を使用して、上段FETを駆動する構成である。そのため、一定時間内に下段FETをONさせないと、上段FETをONする時間が長くなることによりブートストラップコンデンサの充電電圧が低下し、上段FETを駆動できなくなるという問題がある。具体的には、20KHzでFETをPWM駆動する場合には、上段FETは90%以下(下段FETは10%以上)で使用することが望ましく(コントローラの駆動部の抵抗値やFETのキャパシタ容量から90%以下に制限するのが良い)、デューティ指令値の制限が発生する。つまり、デューティ指令値を制限すると、電動パワーステアリング装置のモータに印加できる最大電圧が100%から例えば90%になるため、最大電圧が10%低下してしまい、モータ出力が低下するという問題がある。
【0012】
上記チャージポンプ回路が単一故障したことにより昇圧電源が生成できない場合、全てのアームの上段FETを駆動できなくなることを防止するため、例えば特開2009−220766号公報(特許文献3)に開示されるように、チャージポンプ回路を二重化し、2つのチャージポンプ回路の高い方の電圧を昇圧電源として使用することで、チャージポンプ回路の一方が単一故障しても昇圧電源を確保し、アシスト制御を継続することが提案されている。
【0013】
しかしながら、特許文献3に記載の装置では、チャージポンプ回路を二重化しているのでコストアップとなり、回路規模が大きくなってしまう問題がある。また、電動パワーステアリング装置では同じモードの故障が発生する可能性が高いので、チャージポンプ回路の二重化は技術的な効果が少ないという問題もある。
【0014】
本発明は上述のような事情からなされたものであり、本発明の目的は、インバータのFETの駆動を簡易な構成と制御で安定的に行い得るようにした電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、PWMの各相デューティ指令値に基づいて、FETブリッジで成るインバータによりモータを駆動制御し、操舵系をアシスト制御するようになっている電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記FETブリッジの上段FETを駆動するための昇圧電源電圧を生成するチャージポンプ回路及びブートストラップ回路を具備し、高い方の電圧を前記昇圧電源電圧とすることにより達成される。
【0016】
また、本発明の上記目的は、前記チャージポンプ回路の故障を判定し、前記故障が判定されたときに前記ブートストラップ回路により生成された電圧を用いて前記FETブリッジの上段FETを駆動し、前記アシスト制御を継続することにより、或いは前記チャージポンプ回路の故障の判定を、システム電圧と前記チャージポンプ回路の出力電圧とに基づいて行うことにより、或いは前記チャージポンプ回路の故障が判定されたときに、前記上段FETの各相デューティ指令値を制限するようになっていることにより、より効果的に達成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、チャージポンプ回路とブートストラップ回路とを上段FETゲート駆動部の昇圧電源電圧として設け、電圧の高い方を昇圧電源として用いるようにしている。そして、どちらか一方の回路が故障等で上段FETゲート駆動部の電源電圧を生成できなくなった場合でも、他方の回路により昇圧電圧を継続的に供給することができる。そのため、単一故障によりFET駆動ができなくなるということを防止でき、電動パワーステアリング装置のアシスト制御を安定的に継続することができる。
【0018】
また、本発明の電動パワーステアリング装置によれば、チャージポンプ回路の故障(異常を含む)を判定し、チャージポンプ回路の故障判定時にデューティ指令値に対して最大値を制限するようにしている。そのため、デューティ指令値が大きくなることによりブートストラップによる電圧生成ができず、上段FETを駆動できなくなるような不具合の発生を防止でき、アシスト変動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】一般的な電動パワーステアリング装置の構成例を示す図である。
【図2】コントロールユニットの一例を示すブロック構成図である。
【図3】PWM制御部及びインバータの構成例を示す結線図である。
【図4】本発明の構成例を示す結線図である。
【図5】デューティ制御部の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明では、昇圧電源回路としてチャージポンプ回路及びブートストラップ回路の両方を設け、いずれか高い方の電圧を昇圧電源として使用するようにしている。そして、チャージポンプ回路又はブートストラップ回路のどちらか一方が単一故障(異常を含む)した場合でも、他方で昇圧電源を生成して継続供給できるようにしている。そのため、チャージポンプ回路又はブートストラップ回路のどちらか一方が単一故障した場合でも、アシスト制御を安定的に継続することができる。また、チャージポンプ回路はスイッチング回路とコンデンサ、ダイオードとで成り、コンデンサとダイオードで構成される簡易なブートストラップ回路に対して回路規模が大きくなるため、チャージポンプ回路を二重化するよりも回路規模を低減することができるメリットがある。
【0021】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
本発明の構成例は、図2に対応させて示す図4のようになっており、上段FETゲート駆動部120の昇圧電源回路として、チャージポンプ回路130及びブートストラップ回路140を設けていると共に、デューティ演算部105Aで演算されるデューティ指令値D1〜D3に最大値の制限をかけるためのデューティ制御部150を設けている。
【0023】
上段FETゲート駆動部120はU相上段ゲート駆動部121、V相上段ゲート駆動部122及びW相上段ゲート駆動部123で構成されており、U相上段ゲート駆動部121の昇圧電源電圧部にはダイオードD11及びD12が逆方向に接続され、V相上段ゲート駆動部122の昇圧電源電圧部にはダイオードD13及びD14が逆方向に接続され、W相上段ゲート駆動部123の昇圧電源電圧部にはダイオードD15及びD16が逆方向に接続されている。そのため、U相上段ゲート駆動部121にはダイオードD11又はダイオードD12の昇圧電圧の高い方から電圧が印加され、V相上段ゲート駆動部122にはダイオードD13又はダイオードD14の昇圧電圧の高い方から電圧が印加され、W相上段ゲート駆動部123にはダイオードD15又はダイオードD16の昇圧電圧の高い方から電圧が印加される。
【0024】
また、チャージポンプ回路130はスイッチング回路131と、ダイオードD21〜D23の直列回路と、スイッチング回路131及びダイオードD21〜D23の直列回路に並列接続されたコンデンサC21〜C24とで構成されている。チャージポンプ回路130にはバッテリ(電圧Vb)から供給されるシステム電圧Vbsが印加され、出力電圧Vcpが上段FETゲート駆動部120内のダイオードD11,D13,D15に印加されると共に、電圧監視のためにスイッチング回路131に入力されている。
【0025】
ブートストラップ回路140は、システム電圧Vbsとインバータ106のU〜W相の上下接続点との間にそれぞれ接続されたダイオードD31及びコンデンサC31の直列接続、ダイオードD32及びコンデンサC32の直列接続及びダイオードD33及びコンデンサC33の直列接続で、各相毎に構成されている。そして、コンデンサC31〜C33の充電電圧がそれぞれ上段FETゲート駆動部120内のダイオードD12,D14,D16に印加されている。
【0026】
チャージポンプ回路130はバッテリ13から生成されたシステム電圧Vbsをスイッチング回路131により、並列接続されたコンデンサC21〜C23へ充電、放電することでインバータ106のFET1〜FET6の駆動に関わらず昇圧電圧(Vcp)を生成する。本実施形態のチャージポンプ回路130ではバッテリ電圧Vbを約3倍に昇圧することが可能な構成となっており、出力電圧Vcp=3×(Vbs−Vf)の電圧生成が可能である。なお、VfはダイオードD21〜D23の電圧降下成分である。一般的にFETを駆動する場合、FETを確実にONさせるためには、ゲート・ソース間の電圧は10V以上が望ましい。そのため、スイッチング回路130は出力電圧Vcpを監視しており、出力電圧Vcpが“Vbs+12V”となるようにスイッチング回路131をスイッチング動作させる。つまり、“Vb+12V”以上の場合はスイッチング動作を止め、“Vb+12V”より小さい場合はスイッチング動作を行い、出力電圧Vcpが“Vbs+12V”となるように動作する。
【0027】
一方、ブートストラップ回路140はU相を例にとると、インバータ106の下段FET6がONのときにダイオードD31を介してコンデンサC31にシステム電圧Vbsが充電される。つまり、上段FET1〜FET3のソース電圧に対してダイオードD31の降下成分Vfだけ小さい電圧がコンデンサC31に充電される。そして、下段FET6がOFF、上段FET3がONした場合には、コンデンサC31の充電電圧はソース電圧、つまりシステム電圧Vbsとなる。
【0028】
上述のようにチャージポンプ回路130により生成された出力電圧Vcpと、ブートストラップ回路140により生成された出力電圧(=2Vbs−Vr)のいずれか高い方の電圧が、ダイオードD11及びD12の導通及び遮断作用により、安定的にU相上段FETゲート駆動部121の昇圧電源に供給される。Vrはダイオードの降下電圧である。他のV相、W相についても全く同様である。
【0029】
このように本発明では、チャージポンプ回路130又はブートストラップ回路140の高い方の電圧が昇圧電源電圧として使用されると共に、どちらか一方の昇圧電源回路が上段FETゲート駆動部121〜123の昇圧電源電圧を生成できなくなった場合でも、他方の回路により昇圧電源電圧を供給することができるため、単一故障によりFET駆動ができなくなるということを防止でき、電動パワーステアリング装置のアシスト制御を安定的に継続することができる。
【0030】
ブートストラップ回路140を用いる場合、一定時間内に下段FET4〜FET6をONさせないと、上段FET1〜FET3をONする時間が長くなることによりブートストラップコンデンサの充電電圧が低下し、上段FET1〜FET3を駆動することができなくなり、モータ20で電流を流すことができなくなる。そのため電流が変動し、アシスト変動となる可能性があるため、デューティ指令値D1〜D3の制限が必要となる。しかしながら、チャージポンプ回路130はFET1〜FET6のON/OFF動作に関わらず昇圧電圧(Vcp)を生成できるため、デューティ指令値D1〜D3を制限する必要はない。
【0031】
本発明ではデューティ指令値D1〜D3の最大値を制限するために、デューティ制御部150を設けている。即ち、デューティ制御部150はシステム電圧Vbsとチャージポンプ回路130の出力電圧Vcpとを入力し、チャージポンプ回路130が正常か否かを監視しており、チャージポンプ回路130が故障(異常を含む)と判定された場合には、デューティ制限指令Ldをデューティ演算部105Aに入力し、デューティ演算部105Aはデューティ指令値D1〜D3の最大値を制限(例えば最大90%)するようにしている。
【0032】
図5はデューティ制御部150の動作例を示しており、先ずシステム電圧Vbsとチャージポンプ回路130の出力電圧Vcpとを入力し(ステップS1)、出力電圧Vcpが“Vbs+12V”より小さいか否かを判定する(ステップS2)。出力電圧Vcpが“Vbs+12V”より小さい場合はFETを正常に駆動することができないので、チャージポンプ回路130の故障と判定する(ステップS3)。チャージポンプ回路130が正常な場合には、デューティ指令値の制限が発生することはない。しかしながら、チャージポンプ回路130が故障の場合には上述のようにデューティ指令値の制限が必要になるので、デューティ制御部150はチャージポンプ回路130の故障を判定した場合には、デューティ制限指令Ldをデューティ演算部105Aに入力し、デューティ指令値D1〜D3の最大値を制限(例えば最大90%)する(ステップS4)。
【0033】
このようにチャージポンプ回路130の故障を判定し、チャージポンプ回路130の故障時にデューティ指令値の制限をかけることにより、デューティ指令値が大きくなることによりブートストラップによる電圧生成ができず、上段FETが駆動できなくなることを防止できるため、アシスト変動を防止することができる。
【0034】
なお、上述では3相モータについて説明したが、本発明は2相その他のモータについても同様に適用することができる。また、上述では補償部が設けられた電動パワーステアリング装置を説明しているが、補償部は必ずしも必要なものではない。
【符号の説明】
【0035】
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
20 モータ
100 コントロールユニット
101 電流指令値演算部
103 電流制限部
104 電流制御部
105 PWM制御部
105A デューティ演算部
106 インバータ
106A 電流検出器
110 補償部
120 上段FETゲート駆動部
130 チャージポンプ回路
140 ブートストラップ回路
150 デューティ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PWMの各相デューティ指令値に基づいて、FETブリッジで成るインバータによりモータを駆動制御し、操舵系をアシスト制御するようになっている電動パワーステアリング装置において、
前記FETブリッジの上段FETを駆動するための昇圧電源電圧を生成するチャージポンプ回路及びブートストラップ回路を具備し、高い方の電圧を前記昇圧電源電圧とすることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
前記チャージポンプ回路の故障を判定し、前記故障が判定されたときに前記ブートストラップ回路により生成された電圧を用いて前記FETブリッジの上段FETを駆動し、前記アシスト制御を継続する請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項3】
前記チャージポンプ回路の故障の判定を、システム電圧と前記チャージポンプ回路の出力電圧とに基づいて行う請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項4】
前記チャージポンプ回路の故障が判定されたときに、前記上段FETの各相デューティ指令値を制限するようになっている請求項2又は3に記載の電動パワーステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−95364(P2013−95364A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242212(P2011−242212)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】