説明

電動装置のバッテリ交換システム

【課題】電動自転車などの電動装置に対するバッテリ交換に伴うデータ処理や課金処理を容易にする。
【解決手段】バッテリに取り付けられ履歴データが書き込まれるICチップ13aと、データ読書装置を介して電動装置から取り外されたバッテリと交換されるバッテリとのそれぞれの履歴データに基づいて双方の価値指数差を判定する価値判定装置(制御装置19)と、前記価値指数差に基づいてバッテリ交換に伴う精算処理や受け払い処理を行なう受払処理装置(制御装置19)と、を有するように電動装置のバッテリ交換システム10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動自転車(電動アシスト二輪車という場合がある)やハイブリッド車、携帯電話などの電動装置に搭載されたバッテリの交換に際して、そのバッテリ情報に基づいて精算などの受払処理を簡単適切に行なうことのできる電動装置のバッテリ交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電動自転車や電動自動車などの電動式車両は排出ガスの少ないことや、エネルギ資源の多様化への対応性などの面において、ガソリンエンジンなどを搭載した車両に比較して優位にある。このような電動式車両においては、搭載されたバッテリに対してその充電を迅速に行う必要があり、ガソリンスタンドと同形態の充電スタンドを設置し、該充電スタンドによりバッテリを充電するようにしたシステムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、充電情報及び電動車両の識別情報を通信回線を介して取得する管理装置を備え、充電スタンドには電動車両に取付けられた識別情報記録担体に記録されている電動車両の識別情報を取得する情報取得手段と、充電用電力を供給する電力供給手段と、前記管理装置と通信回線を介して情報を送受信する通信手段と、を備えた充電スタンド管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−65635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の充電システムでは、高性能のバッテリチャージャを備えた充電スタンドであっても、そのバッテリへの充電に数分間以上を要するため、利用者にとって使い勝手のよいものとはいえず、普及の妨げとなっていた。
また、特許文献1に記載の技術は、ユーザの識別情報に基づいて充電の可否を判断すると共に、その充電量に応じた課金をユーザ毎に記録することによって充電処理を容易にするものと考えられる。しかし、この技術は、本来、識別データなどを入出力する通信機能に依存しているものであり、通信機能を持たないバッテリステーションや電動自転車などにおけるバッテリ交換や充電に際して、その使用可能時間などバッテリ情報の入出力処理に労力がかかるとともに迅速な課金処理が困難であるという問題点があった。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解決するためになされたものであり、電動自転車などの電動装置におけるバッテリ交換に伴うデータ処理や課金処理を容易にして、バッテリにより駆動される電動自転車やハイブリッド車、携帯電話、音楽プレイヤなどを含む電動装置の利用、普及に寄与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の電動装置のバッテリ交換システムは、電動装置に着脱可能に搭載されその駆動源となるバッテリを予め充電されたバッテリに交換するバッテリステーションを備えた電動装置のバッテリ交換システムであって、前記バッテリにそれぞれ取り付けられその充電可能回数、使用年月日数、使用可能期限、残存電気量などの履歴データが書き込まれるICチップと、前記バッテリステーションに設けられバッテリから取得された履歴データをICチップに読み書きするデータ読書装置と、前記データ読書装置を介して前記電動装置から取り外されたバッテリと交換されるバッテリとのそれぞれの履歴データに基づいて双方の価値指数差を判定する価値判定装置と、前記価値指数差に基づいてバッテリ交換に伴う精算処理や受け払い処理を行なう受払処理装置と、を有することを特徴とする。
【0008】
(2)本発明の電動装置のバッテリ交換システムは、前記(1)の電動装置のバッテリ交換システムにおいて、前記電動装置が電動自転車であって、前記バッテリステーション又は前記バッテリには電動自転車から取り外されたバッテリの端子部に装着されてその残存電気量などの履歴データを取得するデータ取得装置を設けることもできる。
【0009】
(3)本発明の電動装置のバッテリ交換システムは、前記(1)又は(2)の電動装置のバッテリ交換システムにおいて、前記受払処理装置が、電動装置から取り外されたバッテリAが装入される使用済電池ボックスと、充電済のバッテリBが収納される交換用電池ボックスとを備え、前記交換用電池ボックスには内蔵するバッテリBの取り出しを禁止するロック機構を有し、前記価値判定装置により判定された各電池ボックスに収納されたバッテリAとBとの価値指数差に対応した手数料などを含む代金の納入によりバッテリBのロック状態を解除するように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電動装置から取り外されたバッテリと交換されるバッテリとのそれぞれのICチップに保持された履歴データに基づいて双方の価値指数差を判定して、この価値指数差に基づいて受け払い処理を行なうので、電動装置に対するバッテリ交換に伴うデータ処理や課金処理を容易にすることができる。こうして、バッテリにより駆動される電動自転車やハイブリッド車、携帯電話、音楽プレイヤなどを含む電動装置の利用、普及に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1に係る電動装置のバッテリ交換システムの概略説明図である。
【図2】同交換システムのバッテリステーションの拡大斜視図である。
【図3】同交換システムにおける制御系のブロック構成図である。
【図4】実施例2に係る電動装置のバッテリ交換システムの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態に係る電動装置のバッテリ交換システムは、電動自転車やハイブリッド車、携帯電話機などの電動装置に着脱可能に搭載され、消耗したバッテリを予め充電されたバッテリに交換するバッテリステーションを備えた電動装置のバッテリ交換システムであって、バッテリにそれぞれ取り付けられその充電可能回数、使用年月日数、使用可能期限、残存電気量などの履歴データが書き込まれるICチップと、バッテリステーションに設けられバッテリから取得された履歴データをICチップに読み書きするデータ読書装置と、データ読書装置を介して電動装置から取り外されたバッテリと交換されるバッテリとのそれぞれの履歴データに基づいて双方の価値指数差を判定する価値判定装置と、価値指数差に基づいてバッテリ交換に伴う精算処理や受け払い処理を行なう受払処理装置と、を有する。
これによって、電動自転車などの電動装置に対するバッテリ交換に伴う交換される双方のバッテリ価値指数に応じたデータ処理や課金処理を容易にすることができる。
【0013】
電動装置は、電力を補助動力源または主動力源として駆動する自転車や自動車、携帯電話などであって、着脱して交換可能なバッテリユニットなどを備えている。電動自転車の場合においては、ペダル、前後輪、チェーン等の一般的な自転車の構成に加え、使用者がペダルを踏み込むときの踏力を測定するトルクセンサや、補助駆動力を発生させるモータ、モータ出力を制御する制御部、モータ等に電力を供給する二次電池となるバッテリ等を備えている。
このような電動自転車では、使用者の踏力をトルクセンサで検出し、この踏力に応じた補助駆動力をモータで発生させるようにモータの制御が行なわれている。
【0014】
充電により繰り返し使用が可能なバッテリは、バッテリユニットなどを介して電動自転車などの電動装置のバッテリ装着部に着脱可能に搭載される。バッテリからモータに供給される電力とモータから出力される動力とは、モータの最大定格値の範囲内で実質的に比例し、バッテリの充電により一定のバッテリ電圧が維持される。そして、そのバッテリの充電可能回数、使用年月日数、使用可能期限、残存電気量、バッテリの履歴、廃棄処分料金、これらの一部あるいは複数を、数値化したデータが、バッテリ毎に付設されたICチップやICタグなどの電子メモリに記録され、このデータに基づいてバッテリが管理されるようになっている。
【0015】
ICチップは、近距離の無線通信によって情報をやりとりする電子メモリの機能を有した小型デバイスであり、データ読書装置となるICタグリーダから発射される電波によって微量な電力が回路内に発生し、その電力で情報を処理し、リーダに送信する。
ICチップ(ICタグ)には複数の電子素子が乗った回路基板で構成されたものや、ワンチップIC(集積回路)タイプのものがある。
なお、電池パックなどに実装して使用する電池残量をリアルタイムに計測可能とする電池残量管理ICをこのようなICチップに付設することもできる。このような電池残量管理ICには、バッテリの内部インピーダンスを算出するためのアルゴリズムが実現されており、電池の劣化や温度、充放電のパターンなどによって変動する内部インピーダンスをその電池電圧を基にしてリアルタイムに計測して記憶することが可能である。
【0016】
データ読書装置はバッテリステーションに設けられてICタグリーダとしての機能を備え、ICチップに記憶されたバッテリの充電可能回数、使用年月日数、使用可能期限、残存電気量などのデータを読み書きするための装置である。なおICチップには、バッテリ交換や充電に伴って発生する充電料金、廃棄処分料金、手数料などのデータも保持されており、これらの管理用データの処理もデータ読書装置を介して行なうことができる。データ読書装置は、RFIDタグなどの電子メモリに記憶されたバッテリの個別情報を、無線通信によってデータ呼び出し、登録、削除、更新などの読み書きを行なうための自動認識システムの構成要素である。ICチップにデータ読書装置の読み取り部をかざすことによって、バッテリ情報(製造年月、検査データなど)がその液晶パネルなどの表示機器に表示され、さらに新しい情報を書き込むことで、バッテリの流通情報などを一元管理することもできるようになっている。
【0017】
価値判定装置は、バッテリ価値指数の判定プログラムがロードされたパソコンなどのコンピュータにその機能が担われた装置であって、データ読書装置とともにバッテリステーションに設けられる。この価値判定装置は、データ読書装置を介して電動装置から取り外されたバッテリと交換されるバッテリとのそれぞれの履歴データに基づいて双方の価値指数差を判定する機能を有している。
【0018】
受払処理装置は、前記価値判定装置により取得された価値指数差に基づいてバッテリ交換に伴う精算処理や受け払い処理を行なうための装置である。このような受払処理装置は例えば、電動装置から取り外されたバッテリや充電済のバッテリを収納するためのバッテリ収納部、バッテリ価値指数を表示するための価値指数表示部、バッテリ交換に伴う代金を収納精算するための代金挿入口などを備えた精算部、などの他に、前記価値判定装置を含めて各部を制御するためのコンピュータ制御部を備えて構成されている。
【0019】
また、本実施形態の電動装置のバッテリ交換システムは、前記電動装置が電動自転車であって、前記バッテリステーション又は前記バッテリには電動自転車から取り外されたバッテリの端子部に装着されてその残存電気量などの履歴データを取得するデータ取得装置を設けることもできる。これによって、電池劣化状態や温度、充放電のパターンなどによって変動するバッテリの内部インピーダンスなどのデータをリアルタイムに計測記憶して、バッテリ管理を直接的かつ効率的に行なうことができる。
【0020】
データ取得装置は前記バッテリステーションに配置されたセンサ類などであり、電動装置から取り外されたバッテリや交換されるバッテリの端子部や、キーボードなどの外部入力装置に接続される。これによって、バッテリの残存電気量などの履歴データが、受払処理装置のコンピュータ制御部に送信されて、バッテリ交換に伴う精算処理を効率的に行なうことを可能にしている。
【0021】
本実施形態の電動装置のバッテリ交換システムは、前記受払処理装置が電動装置から取り外されたバッテリAが装入される使用済電池ボックスと、充電済のバッテリBが収納される交換用電池ボックスとを備え、前記交換用電池ボックスには内蔵するバッテリBの取り出しを禁止するロック機構を有し、前記価値判定装置により判定された各電池ボックスに収納されたバッテリA、Bとの価値指数差に対応した手数料などを含む代金の納入によりバッテリBのロック状態を解除することができる。これによって、バッテリ交換に伴う費用や、これらの一部あるいは複数を数値化し、バッテリに電子メモリとして記録を持たせた交換しようとするバッテリの数値を読み取り、そのバッテリの数値差を対価として表し、その対価を支払い、あるいは受領することで、バッテリの対価を精算させ、バッテリ交換の要求を満たすことができる。
【0022】
使用済電池ボックス及び交換用電池ボックスには、挿入されたバッテリのICチップからその情報を読み取るためのデータ読書装置や、バッテリに接続されてその残存電気量、充電料金、廃棄処分料金、手数料などのデータを取得するためのデータ取得装置、バッテリ充電装置、バッテリのロック機構が配置される。なお、使用済電池ボックス及び交換用電池ボックスはそれぞれの機能を共用した同一構成のものとして、複数のものをバッテリステーションに配置することもできる。
【0023】
(実施例1)
以下、本発明の電動装置のバッテリ交換システムの実施例について図面を参照して説明する。図1は実施例1に係る電動装置のバッテリ交換システムの概略説明図であり、図2は実施例1のバッテリ交換システムにおけるバッテリステーションの拡大斜視図である。
実施例1の電動装置のバッテリ交換システム10は、図示するように複数の電動自転車11が係止される係止ポイント12と、電動自転車11に着脱可能に搭載され消耗したバッテリ13を予め充電されたバッテリに交換するための複数のバッテリ収納部14などを備えたバッテリステーション15により構成されている。なお、バッテリが着脱されるバッテリ収納部14は、適用される電動自転車の車種やメーカなどに応じて複数種類のものが配置されており、利用者が適宜選択して利用できるようになっている。
【0024】
係止ポイント12は、電動自転車11や通常の自転車に応じて複数のものが配置されており、自転車を必要に応じて施錠して係止するための施錠機構12aや、バッテリ13の使用状態を判定するデータ取得装置などが設けられている。こうして使用者は、この電動自転車11に搭載されたバッテリ13の電源状態などに応じて、消耗したバッテリ13の電動自転車11から取り外して、係止ポイント12に隣接したバッテリステーション15のバッテリ収納部14のバッテリ差し込み口に挿入する。
バッテリ13には電子メモリとなるICチップ13aが取り付けられており、そのバッテリ13の充電可能回数、使用年月日数、使用可能期限、残存電気量などの履歴データが書き込まれており、ICタグリーダなどを介して必要に応じてこれらのデータを参照できるようになっている。
【0025】
バッテリステーション15は、図2に示すように、電動自転車11から取り外されたバッテリや充電済みのバッテリが挿入されて複数配列されるバッテリ収納部14を備えるとともに、バッテリ交換処理における操作方法や代金などを表示するための液晶パネルなどのディスプレー装置15aや、ブザー15b、精算ボタン15c、キャンセルボタン15d、領収書発行口15e、返金口15f、コインなどの貨幣投入口15g、充電完了ランプ15h、金額表示パネル15iなどが配置されている。
さらに、制御系のブロック構成図(図3)に示すように、台形スタンド状に形成されたバッテリステーション15のバッテリ収納部14には、ディスプレー装置15aや充電完了ランプ15hなどの入出力装置16に加えて、バッテリ13に取り付けられたICチップ13aを介して、その充電可能回数、使用年月日数、使用可能期限、残存電気量などの履歴データを取得するためのICタグリーダライタなどのデータ読書装置17と、バッテリ収納部14にセットされたバッテリ13を充電するためのバッテリ充電装置18と、バッテリステーション15におけるバッテリ充電や交換処理などを制御するための制御装置19とを備えている。
なお、コンピュータやシーケンサなどからなる制御装置19は、電動自転車11から取り外されたバッテリと交換されるバッテリとからデータ取得装置などを介して取得されたそれぞれの履歴データに基づいて双方の価値指数差を判定する価値判定装置と、価値指数差に基づいてバッテリ交換に伴う精算処理やバッテリの受け払い処理を行なうための受払処理装置としての機能を有している。
【0026】
バッテリの受払処理においては、電動自転車11から取り外されたバッテリAをバッテリ収納部14に挿入することによって、バッテリAと交換対象となる充電済のバッテリBの価値指数、充電料、手数料の差額を受領あるいは支払することによりバッテリBを受け取ることができる。
このような新品バッテリの価値指数を100%として設定して、これから例えば減価償却した残りの価値を以下のような項目別に価値指数として数値化する。
(1)バッテリ充電可能回数(最初を100として、残り回数を%表示)
(2)使用年月日数(最初を100として、残り日数を%表示)
(3)残存電気量(完全充電を100として、残りを%表示)
(4)バッテリ履歴:バッテリの経時劣化があるため、製造年月日から賞味期限までの期間を100%として、残り日数を%表示)
(5)充電料金:バッテリBの充電に要する料金
(6)バッテリの廃棄処分料金:予め新品バッテリの段階で廃棄処分費用または買取金を盛り込んだもの。
【0027】
こうして、バッテリAがバッテリ充電装置18に接続されると、データ取得装置を介してそのバッテリのICチップ13aに記録された情報データが制御装置19に読み込まれ、精算処理がなされる。バッテリステーション15では、大型のカセットテープ差込口と同じような形状の空いている差込口にバッテリAを入れることで、バッテリAの充電前の価値指数がディスプレー装置15aに表示される。そして利用者は他の差込口に差し込まれているバッテリBの中からその表示されている価値指数を参照して好みのものを選択する。こうして、バッテリBが収納されているバッテリ収納部14の金額表示パネル15iには充電後の料金表示がされ、精算ボタン15cの操作によってバッテリAとBとの交換に伴う精算処理が実行される。最後にバッテリステーション15の前面に設けられたロックボタン15jを操作することによりバッテリBをそのバッテリ収納部14から取り外すことができる。
【0028】
以上説明したように、実施例1の電動装置のバッテリ交換システム10は、バッテリを充電したい場合、その使用者は充電時間を待つことなく、既充電のバッテリと交換することでバッテリを充電することができる。
さらに、バッテリの充電可能回数、使用年月日数、使用可能期限、残存電気量、バッテリの履歴、充電料金、バッテリの廃棄処分料金、などこれらの一部あるいは複数をバッテリ価値指数として、価値判定装置として機能する制御装置により数値化することができる。こうして、バッテリに電子メモリとして記録を持たせた交換しようとする互いのバッテリの価値指数を読み取り、お互いのバッテリの価値指数差を対価として表し、その対価を支払い、あるいは受領することで、かかるバッテリの対価を精算させ、バッテリ充電の要求を満たすことを可能にするものである。
したがって、電動自転車などの電動装置に対するバッテリ交換に伴うデータ処理や課金処理を容易にして、バッテリにより駆動される電動自転車やハイブリッド車、携帯電話、音楽プレイヤなどを含む電動装置におけるバッテリの使い回しを有効化するとともにその利用、普及に資することができる。
【0029】
(実施例2)
図4は、実施例2に係る電動装置のバッテリ交換システムの概略説明図である。
実施例2の電動装置のバッテリ交換システム20は、電動アシスト自転車21などがフック係止機構22などを介して係止される自転車係止スタンド23と、電動アシスト自転車21から取り外されたバッテリ24を収納するための使用済電池ボックス25と、予め充電されたバッテリ26を保持する交換用電池ボックス27とを備えている。
そして、交換用電池ボックス27には、内蔵されたバッテリの取り出しを禁止する開閉扉などのロック機構を有するとともに、各ボックスに内蔵されたそれぞれのバッテリ24、26に付設されたICチップ28からデータ取得装置29を介してそれぞれの情報データが読み出される。こうして、各電池ボックス25、27に収納されたバッテリ24、26の価値指数差に対応した手数料などを含む所定の代金が表示部30に表示されて、貨幣投入口31に貨幣が投入されると、自転車係止スタンド23の図示しない実施例1と同様の制御装置32によりこの料金が判定されて、充電済みとなっているバッテリ26のロック状態が解除され、これによって交換対象となるバッテリ26の取り出しが可能となるようになっている。
【0030】
なお、バッテリの充電処理は、自転車係止スタンド23に内蔵された図示しない充電器もしくはこれとは別体に設けられた充電スタンドにおいてなされる。また、利用者により充電済みバッテリがその電池ボックスから取り出されると、使用済電池ボックス25と交換用電池ボックス27の機能が逆転して他方の使用済みバッテリの充電操作が開始されるようにしてもよい。これによって、使用済みバッテリの充電に伴う負荷を軽減して、電動装置のバッテリ交換システムの効率的な運営が可能になる。
【0031】
以上説明したように、本発明の電動装置のバッテリ交換システムは、バッテリの履歴データをICチップに記録してこのデータに基づいてバッテリ交換に伴う精算処理や受け払い処理を効率的に行なうようにしたことを要旨とするものであり、これに該当するものは本発明の権利範囲に属する。例えば、本発明のバッテリ交換システムは、電動自転車のみならずハイブリッド自動車、携帯電話機、音楽プレイヤなどを含む電動装置に対して広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0032】
10 実施例1の電動装置のバッテリ交換システム
11 電動自転車
12 係止ポイント
12a 施錠機構
13 バッテリ
13a ICチップ
14 バッテリ収納部
15 バッテリステーション
15a ディスプレー装置
15b ブザー
15c 精算ボタン
15d キャンセルボタン
15e 領収書発行口
15f 返金口
15g 貨幣投入口
15h 充電完了ランプ
15i 金額表示パネル
15j ロックボタン
16 入出力装置
17 データ読書装置
18 バッテリ充電装置
19 制御装置
20 実施例2の電動装置のバッテリ交換システム
21 電動アシスト自転車
22 フック係止機構
23 自転車係止スタンド
24 バッテリ
25 使用済電池ボックス
26 バッテリ
27 交換用電池ボックス
28 ICチップ
29 データ取得装置
30 表示部
31 貨幣投入口
32 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動装置に着脱可能に搭載されその駆動源となるバッテリを予め充電されたバッテリに交換するバッテリステーションを備えた電動装置のバッテリ交換システムであって、
前記バッテリにそれぞれ取り付けられその充電可能回数、使用年月日数、使用可能期限、残存電気量などの履歴データが書き込まれるICチップと、
前記バッテリステーションに設けられバッテリから取得された履歴データをICチップに読み書きするデータ読書装置と、
前記データ読書装置を介して前記電動装置から取り外されたバッテリと交換されるバッテリとのそれぞれの履歴データに基づいて双方の価値指数差を判定する価値判定装置と、
前記価値指数差に基づいてバッテリ交換に伴う精算処理や受け払い処理を行なう受払処理装置と、
を有することを特徴とする電動装置のバッテリ交換システム。
【請求項2】
前記電動装置が、電動自転車であって、
前記バッテリステーション又は前記バッテリには、
電動自転車から取り外されたバッテリの端子部に装着されてその残存電気量などの履歴データを取得するデータ取得装置が設けられていることを特徴とする請求項1記載の電動装置のバッテリ交換システム。
【請求項3】
前記受払処理装置が、
電動装置から取り外されたバッテリAが装入される使用済電池ボックスと、充電済のバッテリBが収納される交換用電池ボックスとを備え、
前記交換用電池ボックスは、
内蔵するバッテリBの取り出しを禁止するロック機構を有し、前記価値判定装置により判定された各電池ボックスに収納されたバッテリAとBとの価値指数差に対応した手数料などを含む代金の納入によりバッテリBのロック状態を解除することを特徴とする請求項1又は2記載の電動装置のバッテリ交換システム。

【図3】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−191636(P2010−191636A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34569(P2009−34569)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(302011560)株式会社 動研 (8)
【Fターム(参考)】