電子ペーパーシステム
【課題】バッテリーの残容量を容易に認識することができる電子ペーパーシステムを提供することである。
【解決手段】本発明に係る電子ペーパーシステム100,100aにおいては、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量が所定の閾値を下回った場合に、残容量表示制御部によりバッテリー682の電力残容量が表示部680に表示される。ここで、所定の閾値とは、表示部680の表示変更が少なくとも1回は可能な電力残容量を示す。表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量が表示されるので、表示器600a,600b,600cのバッテリー682が完全に消費されるまでに、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の交換を行うことができる。
【解決手段】本発明に係る電子ペーパーシステム100,100aにおいては、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量が所定の閾値を下回った場合に、残容量表示制御部によりバッテリー682の電力残容量が表示部680に表示される。ここで、所定の閾値とは、表示部680の表示変更が少なくとも1回は可能な電力残容量を示す。表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量が表示されるので、表示器600a,600b,600cのバッテリー682が完全に消費されるまでに、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の交換を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無電源状態で表示を保持可能な電子ペーパーを有する電子ペーパーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙資源の保護のため電子ペーパーが開発され、使用されている。この電子ペーパーは、表示の書き換え時にのみ電力を消費し、書き換え後は無電力で表示を維持することができる。そのため、長期の使用が可能であり、電子ブック、電子カタログ、電子値札、電子広告等への利用が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電子棚札システムについて開示されている。特許文献1記載の電子棚札システムにおいては、商品の価格に関する価格情報と該価格情報とは異なる商品に関する商品情報とを表示する電子棚札として、バッテリーで動作する双安定型表示器が採用されると共に、電子棚札のバッテリーの電力残容量が所定の閾値よりも大きいときに、価格情報および商品情報を表示し、バッテリーの電力残容量が表示を書き換え可能で、かつ、閾値よりも小さくなったときに、価格情報を消去すると共に、商品情報を表示するようにしたものである。
【0004】
特許文献1記載の電子棚札システムによれば、価格表示が残らず、かつ、外観から電池切れか否かを知ることができる。
【0005】
また、例えば、特許文献2には、電子棚札システムについて開示されている。特許文献2記載の電子棚札システムにおいては、商品の価格に関する価格情報を双安定型表示器に表示するようにした電子棚札システムにおいて、前記表示器に表示を変更するための電力を供給する第1および第2バッテリーと、前記第1バッテリーの電力残容量が所定の閾値よりも小さくなったときに、前記表示器への電力の供給を前記第1バッテリーから前記第2バッテリーに切り換える切換制御手段と、前記第1バッテリーから前記表示器に給電する第1の状態と、前記第2バッテリーから前記表示器に給電する第2の状態とで互いに異なる表示内容を設定する表示制御手段とを備えたものである。
【0006】
特許文献2記載の電子棚札システムによれば、バッテリーの電力残容量を大きく余すことなく使い切ることができる。
【0007】
さらに、特許文献3には、電子棚札システムについて開示されている。特許文献3記載の電子棚札システムにおいては、表示部を備えた複数の電子棚札装置とこの各電子棚札装置を管理し、この各電子棚札装置と通信する電子棚札中央処理装置を備えた電子棚札システムにおいて、各電子棚札装置は、各部に電源を供給するバッテリーと、このバッテリーの電力残容量を確認する確認手段と、この確認手段がバッテリーの電力残容量を確認した時間情報とこの確認手段がバッテリーの電力残容量を確認する時間間隔情報を記憶する記憶手段と、電子棚札中央処理装置から断続的に送信される時間情報を受信する度にこの受信した時間情報と記憶手段に記憶した時間情報とから前回バッテリーの電力残容量を確認してからの経過時間を求めて記憶手段に記憶した時間間隔情報と比較する比較手段と、情報の出力手段とを備え、比較手段が記憶した時間間隔情報よりも経過時間が長いと判断したときには確認手段によりバッテリーの電力残容量を確認するとともにバッテリーの電力残容量を確認した新たな時間情報として受信した時間情報を記憶手段に記憶し、この確認手段が電力残容量の所定値以下を確認すると出力手段によりバッテリーの電力残容量が少なくなったことを知らせる情報を出力するものである。
【0008】
特許文献3記載の電子棚札システムによれば、電子棚札装置のバッテリーの電力残容量検出に要する電子棚札中央処理装置と電子棚札装置との通信時間を短くし本来の業務に使用する通信時間を十分に確保する。電力残容量検出時の電子棚札中央処理装置の処理負担を軽減することができる。
【0009】
さらに、特許文献4には、無線棚札表示変更システムについて開示されている。特許文献4記載の無線棚札表示変更システムによれば、各商品に関する情報を表示するために各商品の近傍に配置される複数の棚札表示器と、CPUと、表示画面と、各商品に関する情報を記憶する記憶部とを有し、各商品に関する情報を前記棚札表示器に対して無線送信するとともに前記棚札表示器からの送信を受け取るサーバと、を備え、前記サーバは、前記棚札表示器の異常を検知したときに、異常がある前記棚札表示器を特定して前記表示画面に異常であることを表示するものである。
【0010】
特許文献4記載の無線棚札表示変更システムによれば、ESLシステム(無線棚札表示変更システム)において、ESLの異常チェックを簡易に行うことができる。
【0011】
【特許文献1】特開2006−91984号公報
【特許文献2】特開2007−244795号公報
【特許文献3】特開2001−250166号公報
【特許文献4】特開2000−250497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、電子ペーパーシステムにおいては、バックライトを有さず、書き換え時のみに電力消費を行うため、セグメントまたは液晶等の表示装置と異なり、長期に渡りバッテリーの交換を行う必要がない。
【0013】
具体的には、数年間(5〜7年間)バッテリー交換を行う必要がなく、日々電子ペーパーシステムのバッテリーをオペレータが確認することは、事実上困難である。その結果、バッテリーの交換時期が不明となってしまい、表示内容の書き換え指示を出しても書き換えされない状態が起こり得、書き換えを行いたいときに書き換えできないという問題が生じる。
【0014】
また、特許文献1および特許文献2に開示された電子棚札システム等では、価格情報を消去して商品情報を表示させているが、表示部に商品情報の大部分が残ったまま、商品情報の大切な価格表示がなくなり、顧客に戸惑いを与える可能性がある。
【0015】
さらに、特許文献3記載の電子棚札システムでは、電子棚札中央処理装置においてバッテリーの電力残容量を確認させているため、時間帯に応じて臨機応変に変更される商品の価格に対応するため、電子棚札中央処理装置に常に人材を配置させておく必要がある。同様に、特許文献4記載の無線棚札表示変更システムでは、ESLサーバによりESLの異常表示を検知させているため、特許文献3と同様にESLサーバに常に人材を配置させておく必要がある。
【0016】
さらに、特許文献3の電子棚札システムおよび特許文献4の無線棚札表示変更システムにおいては、電子棚札中央処理装置またはサーバに過度の負担をかけることとなる。
【0017】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、バッテリーの残容量を容易に認識することができる電子ペーパーシステムを提供することである。
【0018】
さらに、本発明の他の目的は、表示部を有効活用することができ、かつバッテリーの残容量を容易に認識することができ、誤った情報を伝達することを防止することができる電子ペーパーシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(1)
本発明に係る電子ペーパーシステムは、電子ペーパーおよびバッテリーを有する電子ペーパーシステムであって、バッテリーの電力残容量が、所定の閾値を下回った場合に、バッテリーの電力残容量を電子ペーパーに表示させる残容量表示制御部を含むものである。
【0020】
本発明に係る電子ペーパーシステムにおいては、バッテリーの電力残容量が所定の閾値を下回った場合に、残容量表示制御部によりバッテリーの電力残容量が電子ペーパーに表示される。ここで、所定の閾値とは、電子ペーパーの表示変更が少なくとも1回は可能な電力残容量を示す。
【0021】
この場合、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量が表示されるので、バッテリーが完全に消費されるまでに、バッテリーの交換を行うことができる。一般に電子ペーパーシステムは、バッテリーの消費後であっても長期間表示内容を維持することができるメリットを有するため、当該メリットの反面、バッテリーの電力完全消費後においては、電子ペーパーの書き換えが不可能となる。したがって、時々刻々の表示内容の精度が必要となる場合には、書き換えが出来ず問題となる。しかしながら、当該電子ペーパーシステムによれば、残容量表示制御部により、表示内容を電気的に少なくとも一度書き換えることができる電力残容量を有する状態において電力残容量が表示されるので、電子ペーパーシステムのバッテリーの交換を容易に行うことができる。
【0022】
(2)
残容量表示制御部は、所定の時刻においてバッテリーの電力残容量を電子ペーパーに表示させることが可能な時刻対応残容量表示制御部をさらに含んでもよい。
【0023】
この場合、時刻対応残容量表示制御部により所定の時刻においてバッテリーの電力残容量を電子ペーパーに表示させることができるので、定刻に電子ペーパーシステムを目視することにより、電力残容量を容易に確認することができる。
【0024】
(3)
外部からの無線信号を受信する受信部をさらに備え、残容量表示制御部は、受信部からの信号に応じて電子ペーパーにバッテリーの電力残容量を表示させてもよい。
【0025】
この場合、無線信号を与えることにより電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量を認識することができる。例えば、電子ペーパーシステムに対向して無線信号を発信可能な携帯端末装置を用いることにより、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量を認識することができる。
【0026】
(4)
電子ペーパーは、商品の価格情報を表示可能であってもよい。
【0027】
この場合、商品販売店舗において商品の価格情報を表示させることができ、残容量表示制御部により、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量を表示させることができる。すなわち、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量が閾値より大きい場合には、電子ペーパーシステムの電子ペーパーに商品の価格情報を表示させ、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量が所定の閾値以下の場合には、電子ペーパーシステムの電子ペーパーにバッテリーの電力残容量を表示させることができるので、電子ペーパーシステムの電子ペーパーの有効活用を図ることができるとともに、商品の価格情報変更時に生じる、誤った価格情報の表示を防止することができる。
【0028】
(5)
電子ペーパーは、物流における物流情報を表示可能であってもよい。
【0029】
この場合、物流の物流情報を表示させることができ、残容量表示制御部により、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量を表示させることができる。すなわち、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量が閾値より大きい場合には、電子ペーパーシステムの電子ペーパーに物流の物流情報を表示させ、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量が所定の閾値以下の場合には、電子ペーパーシステムの電子ペーパーにバッテリーの電力残容量を表示させることができるので、電子ペーパーシステムの電子ペーパーの有効活用を図ることができるとともに、物流の物流情報書き換え時に生じる、誤った物流情報の表示を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。まず、第1の実施の形態においては、商品販売店舗において紙製の値札表示の代替として電子ペーパーシステムを用いた場合を説明し、第2の実施の形態においては、物流配送センターにおいて紙製の物流情報の指示表示の代替として電子ペーパーシステムを用いた場合を説明する。
【0031】
(第1の実施の形態)
まず、図1は、商品販売店舗に適用した電子ペーパーシステム100の一例を示す模式的概略図である。
【0032】
図1に示すように、電子ペーパーシステム100は、ストアコントローラ200、POSシステム210、送受信装置400、トリガ430、携帯情報端末(Personal Digital Assistant/以下、PDAと呼ぶ。)450、サーバ500、トランシーバ500a,500bおよび表示器600a,600b,600cを含む。
【0033】
ストアコントローラ200、POSシステム210、送受信装置400およびサーバ500は、ネットワークで接続されている。
また、PDA450は、商品販売店舗内における作業者が携帯できるように形成されており、送受信装置400と無線通信によりデータの送受信が可能に設けられている。
【0034】
トランシーバ500a,500bは、サーバ500と接続されており、商品販売店舗の表示器600a,600b,600cと赤外線通信によりデータの送受信が可能となるように商品販売店舗の天井に設けられている
【0035】
また、トリガ430は、ハンディタイプの表示切替リモコンからなり、商品販売店舗内における作業者が携帯できるように形成されている。トリガ430は、表示器600a,600b,600cのいずれかに近接させることにより赤外線通信で表示器600a,600b,600cの表示を変化させることができる。
【0036】
なお、本実施の形態においては、無線通信を行うこととしたが、これに限定されず、他の任意の非接触通信等を用いてもよい。さらに、表示器、トランシーバの個数を数個であることとして説明しているが、これに限定されず、商品販売店舗の大きさおよび商品棚の個数に応じた他の任意の個数を設けてもよい。
【0037】
電子ペーパーシステム100では、ストアコントローラ200およびサーバ500は、一般的なコンピュータにより構成されている。また、ストアコントローラ200は、商品販売店舗における最上位の制御システムとして配置され、外部ネットワークに接続可能な機能を有する。例えば、当該機能は、商品販売店舗が系列店である場合に、当該外部ネットワークを通じて本部のコンピュータと通信可能なものである。
【0038】
また、POSシステム210には、商品販売店舗における全ての商品の商品情報を記録した商品マスタ211が記録される。商品マスタ211の商品価格情報に基づいてPOSレジスター212で顧客の購入する商品の価格が算定される。また、商品マスタ211は、ストアコントローラ200を介して本部のコンピュータからの指示により、またはPOSシステム210からの指示により書き換え可能に設けられている。
【0039】
次に、図2は、サーバ500の概略構成の一例を示す模式図である。
【0040】
図2に示すように、サーバ500は、中央演算処理装置(以下、CPUと呼ぶ)501、汎用メモリ502、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスクドライブ(以下、HDDと呼ぶ)504、ディスプレイからなる表示部505、キーボードおよびマウスなどで構成される入力部506、インターフェィス(以下、I/Fと呼ぶ。)520、データ通信機能を有する外部通信530からなる。
【0041】
また、サーバ500のCPU501は、I/F520およびトランシーバ500a,500b(図1参照)を介して各表示器600a,600b,600cとの間で信号を送受信する。さらに、CPU501は、外部通信530を介してストアコントローラ200およびPOSシステム210とデータの送受信を行う。
【0042】
HDD504には、商品情報データ511が記録されている。例えば、商品情報データ511は、テーブル形式のデータであり、商品情報データ511においては、各商品毎の識別番号である商品コード、商品名、価格情報、販売店舗におけるロケーション情報および棚位置情報、電子棚札(表示器)の固有のハードIDである棚札コード、備考等が含まれる。なお、本実施の形態においては、上記例示を行ったが、これに限定されず、他の任意の情報、例えば、発注個数情報、販売個数、特売期間、賞味期限、消費期限、等を含んでもよい。
【0043】
次に、図3は、表示器600a,600b,600cの外観の一例を示す模式的外観図であり、図4は、表示器600a,600b,600cの構成の一例を示す模式的構成図である。
【0044】
図3に示すように、表示器600a,600b,600cは、主に制御部670、表示部680、記憶部681、バッテリー682、監視部683、送信部691および受信部692からなる。監視部683は、バッテリー682の電池容量を監視する。監視部683は、所定の閾値以下か否かを判定し、制御部670に情報を与える。
【0045】
表示器600a,600b,600cは、ドットマトリクス方式の電子ペーパーからなり、カラー表示およびモノクロ表示を選択可能なものである。制御部670は、トランシーバ500a、500bから送信部691を介して受け取った情報を記憶部681に記憶させ、表示部680に表示させることができる。
【0046】
表示器600a,600b,600cの表示部680には、商品の価格情報および文字、記号、図形など各種の情報を表示することができる。
【0047】
続いて、図5は、表示器600a,600b,600cの電圧降下の経時的変化を示す図である。図5の縦軸は、表示器600a,600b,600cの電池容量の割合(%)を示し、横軸は、表示器600a,600b,600cの使用時間(時間)を示す。
【0048】
上記したように、表示器600a,600b,600cは、書き換えを行った場合に、電力降下が生じる。
【0049】
図5に示すように、時間Aにおいては、表示器600a,600b,600cの電池容量は、100%であり、時間Bにおいては、表示器600a,600b,600cの電池容量は、80%であり、時間Cにおいては、表示器600a,600b,600cの電池容量は、70%である。
【0050】
ここで、表示器600a,600b,600cの電池容量が70%以下となると、表示器600a,600b,600cの書き換えが不可能となると仮定する。この場合、表示器600a,600b,600cの電池容量が80%以下となった場合、制御部670は、監視部683からの信号に基づいて、表示部680の表示を後述するように変更させる。
【0051】
なお、本実施の形態においては、電池容量が80%である場合を所定の閾値としているが、これに限定されず、少なくとも表示器600a,600b,600cの書き換えが一回は行うことができる電池容量を有する場合を所定の閾値としてもよい。また、監視部683からの信号を制御部670が判定することとしているが、これに限定されず、サーバ500と通信を行って、サーバ500のCPU501において判定させてもよい。
【0052】
次に、残容量が80%以下となった場合の表示部680について説明する。図6は、表示部680の一例を示す模式図である。
【0053】
図6に示すように、表示部680には、電池の残容量が少ないことを示す模式図680bが表示部680に大きく表示される。作業者は、当該表示を容易に認識して表示器600a,600b,600cの電池容量が少ないことを認識することができる。また、顧客は、表示部680の表示を視認したとしても、商品の情報が全く表示されず、誤った価格情報を認識することがない。
【0054】
なお、上記の図6の表示部680については、商品販売店舗の開店前、閉店後、作業員が店舗を回る所定の時間、および毎時の10分間の少なくともいずれかにおいて表示させることにより、作業員が容易にバッテリー682の残容量を認識することができる。すなわち、サーバ500のCPU501により内蔵されたタイマーあるいは表示器600a、600b,600cのタイマーで所定の時刻を認識し、送信を行い、表示を変更させるようにしてもよい。
【0055】
続いて、図7は、トリガ430からの信号に応じて制御部670が表示部680の内容を書き換えた場合を示す模式図である。
【0056】
図7に示すように、表示部680には、商品販売店舗の作業者に提示すべき商品情報および表示器600a,600b,600cの情報680eが表示される。具体的に表示部680には、表示器600a,600b,600c自体を判別するための装置コード“1234567”、商品販売店舗内の商品棚の位置を示すロケーション情報“123−45”、一の商品棚の場所を示す棚位置情報“67”、当該表示器600a,600b,600cに並べられる商品コード“11111”、表示器600a,600b,600cの電池残容量“1月”、当該商品コードの商品の納入個数“500”、当該商品コードの商品の在庫個数“005”等の情報680eが表示される。
【0057】
この場合、作業者がトリガ430を用いて表示器600a,600b,600cを個々に確認し、商品の状況、動向を判定するので、その際に、バッテリー682の電池残容量を認識することができる。その結果、作業員が容易にバッテリー682の残容量を認識することができる。
【0058】
以上のように、第1の実施の形態においては、表示器600a,600b,600cに商品の価格情報を表示させることができ、監視部683および制御部670により、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量を表示させることができる。そのため、バッテリー682が完全に消費されるまでに、バッテリー682の交換を行うことができる。当該電子ペーパーシステム100によれば、監視部683および制御部670により、表示内容を電気的に少なくとも一度書き換えることができる電力残容量を有する状態において電力残容量が表示されるので、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の交換を容易に行うことができる。また、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量が所定の閥値よりも大きい場合には、表示器600a,600b,600cの表示部680にバッテリー682の電力残容量を表示させないことができるので、表示器600a,600b,600cの表示部680の有効活用を図ることができる。その結果、価格情報変更時に生じる、誤った価格情報の表示を防止することができる。
【0059】
また、制御部670により商品販売店舗の開店前、閉店後、作業員が店舗を回る所定の時間、および毎時の10分間の少なくともいずれかにおいてバッテリー682の電力残容量を表示部680に表示させることができるので、作業者が定刻に表示器600a,600b,600cを目視することにより、電力残容量を容易に確認することができる。
【0060】
また、トリガ430またはPDA450から無線信号を与えることにより電子ペーパーシステム100のバッテリー682の電力残容量を認識することができる。例えば、表示器600a,600b,600cに対向してトリガ430またはPDA450を用いることにより、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量を認識することができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
続いて、図8は、物流配送センターに適用した電子ペーパーシステム100aの一例を示す模式的概略図である。
【0062】
図8に示すように、電子ペーパーシステム100aは、商品分配棚450および配送レール350,350a,〜,350eを含む。
【0063】
図8に示すように配送レール350,350a,〜,350eは、各配送先に応じて分岐して配設されており、配送レール350,350a,〜,350eの下流の各端部には、配送トラック(図示せず)が配置されている。また、配送レール350の上流側には、商品を配送先ごとに分配する商品分配棚450が設けられている。
【0064】
続いて、図9から図11を用いて物流配送センターについて具体的に説明する。図9は、商品分配棚450の外観の一例を示す模式的外観図である。
【0065】
図9に示すように、商品分配棚450の個々の棚に収納された収納ボックスに表示器600a,600b,600cが貼着されている。当該表示器600a,600b,600cは、図4に示した表示器600a,600b,600cと同様の構成からなる。また、商品分配棚450の正面右上側に作業完了時に押下操作する作業完了スイッチ360が設けられる。
【0066】
次に、図10は、図9の表示器600a,600b,600cの一例を示す模式的図である。
【0067】
図10に示すように、表示器600a,600b,600cには物流情報690a“α堂、A店舗、第2便”および配送情報を示すバーコード690bが表示部680に表示される。
【0068】
次いで、図11は、店舗毎に配送すべき商品の物流情報の一例を示す図である。
【0069】
図11に示すように、A店舗には、歯ブラシ10個、シャンプー1個、ひげそり5個を配送し、C店舗には、歯ブラシ5個、シャンプー10個、ひげそり2個を配送し、F店舗には、歯ブラシ10個、シャンプー10個、ひげそり5個を配送することを示している。すなわち、B店舗およびD店舗に配送すべき商品がない状態を示している。
【0070】
作業者は、図11の店舗毎の配送すべき物流情報に基づいて、図9の商品分配棚450の個々の棚に収納された収納ボックスに所定の商品を投入する。この場合、商品分配棚450の左上に配置された表示器600a,600b,600cには、物流情報690a“α堂、A店舗、第2便”および配送情報を示すバーコード690bが表示部680に表示され、商品分配棚450の中央に配置された表示器600a,600b,600cには、物流情報690a“α堂、C店舗、第2便”および配送情報を示すバーコード690bが表示部680に表示され、商品分配棚450の右上に配置された表示器600a,600b,600cには、物流情報690a“α堂、F店舗、第2便”および配送情報を示すバーコード690bが表示部680に表示される。
【0071】
これにより、作業者は、表示器600a,600b,600cの表示に基づいて容易に図11に示す商品の情報に基づいて商品を分配することができる。また、表示器600a,600b,600cは、書き換えができるので、B店舗およびD店舗への配送すべき商品がない場合に、表示器600a,600b,600cに、A店舗、C店舗およびF店舗のみ表示させることができる。すなわち、紙媒体を用いた場合には、A店舗、C店舗およびF店舗のみを表示させるためには、B店舗およびD店舗の表示を取り出し、C店舗とF店舗との表示をはりかえる必要がある。すなわち、商品の配送をスムーズに行うため、または商品分配棚450のスペースに限度があるからである。
【0072】
また、収納ボックスに配設された表示器600a,600b,600cの表示部680に配送情報を示すバーコード690bが表示されるので、配送レール350,350a,〜,350eの各分岐点において当該バーコード情報を読み取り下流の最適なトラックに収納ボックスを移送させることができる。
【0073】
この場合、表示器600a,600b,600cは、電池残量が完全になくなった場合でも、当該物流情報を表示させることができる。したがって、例えば、物流倉庫等にサーマルプリンタ等による印字を用いて物流情報を添付させた荷物を数年保管した場合、経年劣化により印字のかすれや、汚れで当該物流情報の紛失が生じるが、当該発明を用いることにより、それらの物流情報の紛失を防止することができる。
【0074】
次いで、図12は、残容量が80%以下となった場合の表示部680の一例を示す模式図である。
【0075】
図12に示すように、表示部680には、電池の残容量が少ないことを示す模式図690cが表示される。作業者は、当該表示を認識して表示器600a,600b,600cの電池容量が少ないことを認識することができる。作業者は、バッテリー682を交換するのに、十分な時間をとることができ、バッテリー682交換を計画することができる。このように、作業者は、当該表示を容易に認識して表示器600a,600b,600cの電池容量が少ないことを認識することができ、余裕を持って改善することができる。
【0076】
以上のように、第2の実施の形態の物流配送センターにおいては、表示器600a,600b,600cに物流の物流情報を表示させることができ、監視部683により、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量を表示させることができる。そのため、バッテリー682が完全に消費されるまでに、バッテリー682の交換を行うことができる。当該電子ペーパーシステム100aによれば、監視部683により、表示内容を電気的に少なくとも一度書き換えることができる電力残容量を有する状態において電力残容量が表示されるので、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の交換を容易に行うことができる。また、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量が所定の閥値よりも大きい場合には、表示器600a,600b,600cの表示部680にバッテリー682の電力残容量を表示させないことができるので、表示器600a,600b,600cの表示部680の有効活用を図ることができる。よって、物流情報変更時に生じる、誤った物流情報の表示を防止することができる。
【0077】
また、制御部670により物流配送センターの始業前、終業後、作業員が物流センター内を回る所定の時間、および毎時の10分間の少なくともいずれかにおいてバッテリー682の電力残容量を表示部680に表示させることができるので、作業者が定刻に表示器600a,600b,600cを目視することにより、電力残容量を容易に確認することができる。
【0078】
さらに、商品情報の価格情報のみを表示させない場合には、顧客の戸惑いを生じさせることとなるが、本発明においては、顧客の戸惑いを防止することができる。
【0079】
また、トリガ430またはPDA450から無線信号を与えることにより表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量を認識することができる。例えば、表示器600a,600b,600cに対向してトリガ430またはPDA450を用いることにより、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量を認識することができる。
【0080】
以上のように、第1および第2の実施の形態においては、表示部680が電子ペーパーに相当し、バッテリー682がバッテリーに相当し、表示器600a,600b,600c、電子ペーパーシステム100,電子ペーパーシステム100aが電子ペーパーシステムに相当し、表示部の表示変更が少なくとも1回は可能な電力残容量、または電池容量が80%であることが所定の閾値に相当し、監視部683が残容量表示制御部に相当し、商品販売店舗の開店前、閉店後、作業員が店舗を回る所定の時間、および毎時の10分間の少なくともいずれかが所定の時刻に相当し、制御部670が時刻対応残容量表示制御部に相当し、受信部692が外部からの無線信号を受信する受信部に相当し、398円または498円が価格情報に相当し、α堂、A店舗、第2便が物流情報に相当する。サーバ500の表示部505またはストアコントローラの表示部が表示部に相当する。
【0081】
また、現状のESLシステムでは、システム自体が重すぎ、テナント等の単独でデジタル表示を行うことができない。専門店のテナント単独で可能なシステム構築を行うことができる仕組みが要望されている。
【0082】
そこで、流通バックヤードプリンターにESL表示器(ドットマトリックス方式を含む)を連動させ、バックヤードに配設されている計量機からの情報をESL表示器に転送させたり、さらに、専門店システムとの連動をさせたりすることが考えられる。
【0083】
それにより、デリカ専門店など計量器で、価格を変更した場合に即座に価格を反映することができる。また、小規模の専門店等に対して有効であり、従来のESLシステムのように、価格を変更させるためにストアコントローラ200のところに移動する必要がないというメリットがある。
【0084】
また、表示を容易に変えることができるので、商品説明を行いたい場合などにドットマトリックス方式の表示器で行うことができる。特に、高付加価値型専門店に有効である。また、表示器の書き換えを赤外線照射で行うことができるため、照射範囲を限定することができ、天井埋め込み式からトランシーバまたはアンテナを商品棚の上に配設させるように変更することができる。
【0085】
また、従来、鉄道や電車等のPOP広告媒体として、電子ペーパーを用いることができる。電子ペーパーは、誤字脱字の修正が容易にでき、入稿期限を遅らせることができ、広告交換の人件費、ごみの削減、POP広告の盗難を防止することができる。特にごみは、数万枚となるので、問題となっている。
【0086】
例えば、出版社と協力し、受賞した小説・漫画などを毎日すこしづつ表示する。さらにスポンサー名を同時に表示させておき、広告料を収入源としたり、話題のブログなど、芸能関係など、ネット上の広告として十分に認知度があるものを表示させたりすることができる。この場合、人気ブログであれば、そのサイトに広告を出しているスポンサー企業にとっても、ブログの作者にとっても、電車内で公開されることにより、さらにアクセスが増加するので、好ましい。
【0087】
これにより、直木賞など、賞を受賞した小説の場合、出版社の雑誌等に掲載され、販売される。その際、最近のはやりである、ネット上の立ち読みシステムのように、電車内で少しずつ公開させることにより、スポンサーの広告だけでなく、その雑誌、小説の広告にもなる効果がある。すなわち、読者の購買意欲を高めることができる。
【0088】
なお、これらの電子ペーパーは、カラー表示であってもよく、白黒表示で用いてもよい。
【0089】
以上のように、容易な書き換え、低消費電力、電源不要で増設自由な電子ペーパーを用いることにより、新しい車内広告として用いることができる。なお、鉄道や電車に限定されず、デパート、ビルの上、駅構内等、さまざまなところにおける広告媒体として多くの情報を提供することができる。
【0090】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】商品販売店舗に適用した電子ペーパーシステムの一例を示す模式的概略図
【図2】サーバの概略構成の一例を示す模式図
【図3】電子ペーパーの外観の一例を示す模式的外観図
【図4】電子ペーパーの構成の一例を示す模式的構成図
【図5】電子ペーパーの電圧降下の経時的変化を示す図
【図6】表示部の一例を示す模式図
【図7】トリガからの信号に応じて制御部が表示部の内容を書き換えた場合を示す模式図
【図8】物流配送センターに適用した電子ペーパーシステムの一例を示す模式的概略図
【図9】商品分配棚の外観の一例を示す模式的外観図
【図10】図9の電子ペーパーの一例を示す模式的図
【図11】店舗毎の配送すべき商品の情報の一例を示す図
【図12】残容量が80%以下となった場合の表示部の一例を示す模式図
【符号の説明】
【0092】
100,100a 電子ペーパーシステム
500 サーバ
505 表示部
600a,600b,600c 表示器
670 制御部
680 表示部
682 バッテリー
683 監視部
692 受信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、無電源状態で表示を保持可能な電子ペーパーを有する電子ペーパーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙資源の保護のため電子ペーパーが開発され、使用されている。この電子ペーパーは、表示の書き換え時にのみ電力を消費し、書き換え後は無電力で表示を維持することができる。そのため、長期の使用が可能であり、電子ブック、電子カタログ、電子値札、電子広告等への利用が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電子棚札システムについて開示されている。特許文献1記載の電子棚札システムにおいては、商品の価格に関する価格情報と該価格情報とは異なる商品に関する商品情報とを表示する電子棚札として、バッテリーで動作する双安定型表示器が採用されると共に、電子棚札のバッテリーの電力残容量が所定の閾値よりも大きいときに、価格情報および商品情報を表示し、バッテリーの電力残容量が表示を書き換え可能で、かつ、閾値よりも小さくなったときに、価格情報を消去すると共に、商品情報を表示するようにしたものである。
【0004】
特許文献1記載の電子棚札システムによれば、価格表示が残らず、かつ、外観から電池切れか否かを知ることができる。
【0005】
また、例えば、特許文献2には、電子棚札システムについて開示されている。特許文献2記載の電子棚札システムにおいては、商品の価格に関する価格情報を双安定型表示器に表示するようにした電子棚札システムにおいて、前記表示器に表示を変更するための電力を供給する第1および第2バッテリーと、前記第1バッテリーの電力残容量が所定の閾値よりも小さくなったときに、前記表示器への電力の供給を前記第1バッテリーから前記第2バッテリーに切り換える切換制御手段と、前記第1バッテリーから前記表示器に給電する第1の状態と、前記第2バッテリーから前記表示器に給電する第2の状態とで互いに異なる表示内容を設定する表示制御手段とを備えたものである。
【0006】
特許文献2記載の電子棚札システムによれば、バッテリーの電力残容量を大きく余すことなく使い切ることができる。
【0007】
さらに、特許文献3には、電子棚札システムについて開示されている。特許文献3記載の電子棚札システムにおいては、表示部を備えた複数の電子棚札装置とこの各電子棚札装置を管理し、この各電子棚札装置と通信する電子棚札中央処理装置を備えた電子棚札システムにおいて、各電子棚札装置は、各部に電源を供給するバッテリーと、このバッテリーの電力残容量を確認する確認手段と、この確認手段がバッテリーの電力残容量を確認した時間情報とこの確認手段がバッテリーの電力残容量を確認する時間間隔情報を記憶する記憶手段と、電子棚札中央処理装置から断続的に送信される時間情報を受信する度にこの受信した時間情報と記憶手段に記憶した時間情報とから前回バッテリーの電力残容量を確認してからの経過時間を求めて記憶手段に記憶した時間間隔情報と比較する比較手段と、情報の出力手段とを備え、比較手段が記憶した時間間隔情報よりも経過時間が長いと判断したときには確認手段によりバッテリーの電力残容量を確認するとともにバッテリーの電力残容量を確認した新たな時間情報として受信した時間情報を記憶手段に記憶し、この確認手段が電力残容量の所定値以下を確認すると出力手段によりバッテリーの電力残容量が少なくなったことを知らせる情報を出力するものである。
【0008】
特許文献3記載の電子棚札システムによれば、電子棚札装置のバッテリーの電力残容量検出に要する電子棚札中央処理装置と電子棚札装置との通信時間を短くし本来の業務に使用する通信時間を十分に確保する。電力残容量検出時の電子棚札中央処理装置の処理負担を軽減することができる。
【0009】
さらに、特許文献4には、無線棚札表示変更システムについて開示されている。特許文献4記載の無線棚札表示変更システムによれば、各商品に関する情報を表示するために各商品の近傍に配置される複数の棚札表示器と、CPUと、表示画面と、各商品に関する情報を記憶する記憶部とを有し、各商品に関する情報を前記棚札表示器に対して無線送信するとともに前記棚札表示器からの送信を受け取るサーバと、を備え、前記サーバは、前記棚札表示器の異常を検知したときに、異常がある前記棚札表示器を特定して前記表示画面に異常であることを表示するものである。
【0010】
特許文献4記載の無線棚札表示変更システムによれば、ESLシステム(無線棚札表示変更システム)において、ESLの異常チェックを簡易に行うことができる。
【0011】
【特許文献1】特開2006−91984号公報
【特許文献2】特開2007−244795号公報
【特許文献3】特開2001−250166号公報
【特許文献4】特開2000−250497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、電子ペーパーシステムにおいては、バックライトを有さず、書き換え時のみに電力消費を行うため、セグメントまたは液晶等の表示装置と異なり、長期に渡りバッテリーの交換を行う必要がない。
【0013】
具体的には、数年間(5〜7年間)バッテリー交換を行う必要がなく、日々電子ペーパーシステムのバッテリーをオペレータが確認することは、事実上困難である。その結果、バッテリーの交換時期が不明となってしまい、表示内容の書き換え指示を出しても書き換えされない状態が起こり得、書き換えを行いたいときに書き換えできないという問題が生じる。
【0014】
また、特許文献1および特許文献2に開示された電子棚札システム等では、価格情報を消去して商品情報を表示させているが、表示部に商品情報の大部分が残ったまま、商品情報の大切な価格表示がなくなり、顧客に戸惑いを与える可能性がある。
【0015】
さらに、特許文献3記載の電子棚札システムでは、電子棚札中央処理装置においてバッテリーの電力残容量を確認させているため、時間帯に応じて臨機応変に変更される商品の価格に対応するため、電子棚札中央処理装置に常に人材を配置させておく必要がある。同様に、特許文献4記載の無線棚札表示変更システムでは、ESLサーバによりESLの異常表示を検知させているため、特許文献3と同様にESLサーバに常に人材を配置させておく必要がある。
【0016】
さらに、特許文献3の電子棚札システムおよび特許文献4の無線棚札表示変更システムにおいては、電子棚札中央処理装置またはサーバに過度の負担をかけることとなる。
【0017】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、バッテリーの残容量を容易に認識することができる電子ペーパーシステムを提供することである。
【0018】
さらに、本発明の他の目的は、表示部を有効活用することができ、かつバッテリーの残容量を容易に認識することができ、誤った情報を伝達することを防止することができる電子ペーパーシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(1)
本発明に係る電子ペーパーシステムは、電子ペーパーおよびバッテリーを有する電子ペーパーシステムであって、バッテリーの電力残容量が、所定の閾値を下回った場合に、バッテリーの電力残容量を電子ペーパーに表示させる残容量表示制御部を含むものである。
【0020】
本発明に係る電子ペーパーシステムにおいては、バッテリーの電力残容量が所定の閾値を下回った場合に、残容量表示制御部によりバッテリーの電力残容量が電子ペーパーに表示される。ここで、所定の閾値とは、電子ペーパーの表示変更が少なくとも1回は可能な電力残容量を示す。
【0021】
この場合、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量が表示されるので、バッテリーが完全に消費されるまでに、バッテリーの交換を行うことができる。一般に電子ペーパーシステムは、バッテリーの消費後であっても長期間表示内容を維持することができるメリットを有するため、当該メリットの反面、バッテリーの電力完全消費後においては、電子ペーパーの書き換えが不可能となる。したがって、時々刻々の表示内容の精度が必要となる場合には、書き換えが出来ず問題となる。しかしながら、当該電子ペーパーシステムによれば、残容量表示制御部により、表示内容を電気的に少なくとも一度書き換えることができる電力残容量を有する状態において電力残容量が表示されるので、電子ペーパーシステムのバッテリーの交換を容易に行うことができる。
【0022】
(2)
残容量表示制御部は、所定の時刻においてバッテリーの電力残容量を電子ペーパーに表示させることが可能な時刻対応残容量表示制御部をさらに含んでもよい。
【0023】
この場合、時刻対応残容量表示制御部により所定の時刻においてバッテリーの電力残容量を電子ペーパーに表示させることができるので、定刻に電子ペーパーシステムを目視することにより、電力残容量を容易に確認することができる。
【0024】
(3)
外部からの無線信号を受信する受信部をさらに備え、残容量表示制御部は、受信部からの信号に応じて電子ペーパーにバッテリーの電力残容量を表示させてもよい。
【0025】
この場合、無線信号を与えることにより電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量を認識することができる。例えば、電子ペーパーシステムに対向して無線信号を発信可能な携帯端末装置を用いることにより、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量を認識することができる。
【0026】
(4)
電子ペーパーは、商品の価格情報を表示可能であってもよい。
【0027】
この場合、商品販売店舗において商品の価格情報を表示させることができ、残容量表示制御部により、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量を表示させることができる。すなわち、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量が閾値より大きい場合には、電子ペーパーシステムの電子ペーパーに商品の価格情報を表示させ、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量が所定の閾値以下の場合には、電子ペーパーシステムの電子ペーパーにバッテリーの電力残容量を表示させることができるので、電子ペーパーシステムの電子ペーパーの有効活用を図ることができるとともに、商品の価格情報変更時に生じる、誤った価格情報の表示を防止することができる。
【0028】
(5)
電子ペーパーは、物流における物流情報を表示可能であってもよい。
【0029】
この場合、物流の物流情報を表示させることができ、残容量表示制御部により、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量を表示させることができる。すなわち、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量が閾値より大きい場合には、電子ペーパーシステムの電子ペーパーに物流の物流情報を表示させ、電子ペーパーシステムのバッテリーの電力残容量が所定の閾値以下の場合には、電子ペーパーシステムの電子ペーパーにバッテリーの電力残容量を表示させることができるので、電子ペーパーシステムの電子ペーパーの有効活用を図ることができるとともに、物流の物流情報書き換え時に生じる、誤った物流情報の表示を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。まず、第1の実施の形態においては、商品販売店舗において紙製の値札表示の代替として電子ペーパーシステムを用いた場合を説明し、第2の実施の形態においては、物流配送センターにおいて紙製の物流情報の指示表示の代替として電子ペーパーシステムを用いた場合を説明する。
【0031】
(第1の実施の形態)
まず、図1は、商品販売店舗に適用した電子ペーパーシステム100の一例を示す模式的概略図である。
【0032】
図1に示すように、電子ペーパーシステム100は、ストアコントローラ200、POSシステム210、送受信装置400、トリガ430、携帯情報端末(Personal Digital Assistant/以下、PDAと呼ぶ。)450、サーバ500、トランシーバ500a,500bおよび表示器600a,600b,600cを含む。
【0033】
ストアコントローラ200、POSシステム210、送受信装置400およびサーバ500は、ネットワークで接続されている。
また、PDA450は、商品販売店舗内における作業者が携帯できるように形成されており、送受信装置400と無線通信によりデータの送受信が可能に設けられている。
【0034】
トランシーバ500a,500bは、サーバ500と接続されており、商品販売店舗の表示器600a,600b,600cと赤外線通信によりデータの送受信が可能となるように商品販売店舗の天井に設けられている
【0035】
また、トリガ430は、ハンディタイプの表示切替リモコンからなり、商品販売店舗内における作業者が携帯できるように形成されている。トリガ430は、表示器600a,600b,600cのいずれかに近接させることにより赤外線通信で表示器600a,600b,600cの表示を変化させることができる。
【0036】
なお、本実施の形態においては、無線通信を行うこととしたが、これに限定されず、他の任意の非接触通信等を用いてもよい。さらに、表示器、トランシーバの個数を数個であることとして説明しているが、これに限定されず、商品販売店舗の大きさおよび商品棚の個数に応じた他の任意の個数を設けてもよい。
【0037】
電子ペーパーシステム100では、ストアコントローラ200およびサーバ500は、一般的なコンピュータにより構成されている。また、ストアコントローラ200は、商品販売店舗における最上位の制御システムとして配置され、外部ネットワークに接続可能な機能を有する。例えば、当該機能は、商品販売店舗が系列店である場合に、当該外部ネットワークを通じて本部のコンピュータと通信可能なものである。
【0038】
また、POSシステム210には、商品販売店舗における全ての商品の商品情報を記録した商品マスタ211が記録される。商品マスタ211の商品価格情報に基づいてPOSレジスター212で顧客の購入する商品の価格が算定される。また、商品マスタ211は、ストアコントローラ200を介して本部のコンピュータからの指示により、またはPOSシステム210からの指示により書き換え可能に設けられている。
【0039】
次に、図2は、サーバ500の概略構成の一例を示す模式図である。
【0040】
図2に示すように、サーバ500は、中央演算処理装置(以下、CPUと呼ぶ)501、汎用メモリ502、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスクドライブ(以下、HDDと呼ぶ)504、ディスプレイからなる表示部505、キーボードおよびマウスなどで構成される入力部506、インターフェィス(以下、I/Fと呼ぶ。)520、データ通信機能を有する外部通信530からなる。
【0041】
また、サーバ500のCPU501は、I/F520およびトランシーバ500a,500b(図1参照)を介して各表示器600a,600b,600cとの間で信号を送受信する。さらに、CPU501は、外部通信530を介してストアコントローラ200およびPOSシステム210とデータの送受信を行う。
【0042】
HDD504には、商品情報データ511が記録されている。例えば、商品情報データ511は、テーブル形式のデータであり、商品情報データ511においては、各商品毎の識別番号である商品コード、商品名、価格情報、販売店舗におけるロケーション情報および棚位置情報、電子棚札(表示器)の固有のハードIDである棚札コード、備考等が含まれる。なお、本実施の形態においては、上記例示を行ったが、これに限定されず、他の任意の情報、例えば、発注個数情報、販売個数、特売期間、賞味期限、消費期限、等を含んでもよい。
【0043】
次に、図3は、表示器600a,600b,600cの外観の一例を示す模式的外観図であり、図4は、表示器600a,600b,600cの構成の一例を示す模式的構成図である。
【0044】
図3に示すように、表示器600a,600b,600cは、主に制御部670、表示部680、記憶部681、バッテリー682、監視部683、送信部691および受信部692からなる。監視部683は、バッテリー682の電池容量を監視する。監視部683は、所定の閾値以下か否かを判定し、制御部670に情報を与える。
【0045】
表示器600a,600b,600cは、ドットマトリクス方式の電子ペーパーからなり、カラー表示およびモノクロ表示を選択可能なものである。制御部670は、トランシーバ500a、500bから送信部691を介して受け取った情報を記憶部681に記憶させ、表示部680に表示させることができる。
【0046】
表示器600a,600b,600cの表示部680には、商品の価格情報および文字、記号、図形など各種の情報を表示することができる。
【0047】
続いて、図5は、表示器600a,600b,600cの電圧降下の経時的変化を示す図である。図5の縦軸は、表示器600a,600b,600cの電池容量の割合(%)を示し、横軸は、表示器600a,600b,600cの使用時間(時間)を示す。
【0048】
上記したように、表示器600a,600b,600cは、書き換えを行った場合に、電力降下が生じる。
【0049】
図5に示すように、時間Aにおいては、表示器600a,600b,600cの電池容量は、100%であり、時間Bにおいては、表示器600a,600b,600cの電池容量は、80%であり、時間Cにおいては、表示器600a,600b,600cの電池容量は、70%である。
【0050】
ここで、表示器600a,600b,600cの電池容量が70%以下となると、表示器600a,600b,600cの書き換えが不可能となると仮定する。この場合、表示器600a,600b,600cの電池容量が80%以下となった場合、制御部670は、監視部683からの信号に基づいて、表示部680の表示を後述するように変更させる。
【0051】
なお、本実施の形態においては、電池容量が80%である場合を所定の閾値としているが、これに限定されず、少なくとも表示器600a,600b,600cの書き換えが一回は行うことができる電池容量を有する場合を所定の閾値としてもよい。また、監視部683からの信号を制御部670が判定することとしているが、これに限定されず、サーバ500と通信を行って、サーバ500のCPU501において判定させてもよい。
【0052】
次に、残容量が80%以下となった場合の表示部680について説明する。図6は、表示部680の一例を示す模式図である。
【0053】
図6に示すように、表示部680には、電池の残容量が少ないことを示す模式図680bが表示部680に大きく表示される。作業者は、当該表示を容易に認識して表示器600a,600b,600cの電池容量が少ないことを認識することができる。また、顧客は、表示部680の表示を視認したとしても、商品の情報が全く表示されず、誤った価格情報を認識することがない。
【0054】
なお、上記の図6の表示部680については、商品販売店舗の開店前、閉店後、作業員が店舗を回る所定の時間、および毎時の10分間の少なくともいずれかにおいて表示させることにより、作業員が容易にバッテリー682の残容量を認識することができる。すなわち、サーバ500のCPU501により内蔵されたタイマーあるいは表示器600a、600b,600cのタイマーで所定の時刻を認識し、送信を行い、表示を変更させるようにしてもよい。
【0055】
続いて、図7は、トリガ430からの信号に応じて制御部670が表示部680の内容を書き換えた場合を示す模式図である。
【0056】
図7に示すように、表示部680には、商品販売店舗の作業者に提示すべき商品情報および表示器600a,600b,600cの情報680eが表示される。具体的に表示部680には、表示器600a,600b,600c自体を判別するための装置コード“1234567”、商品販売店舗内の商品棚の位置を示すロケーション情報“123−45”、一の商品棚の場所を示す棚位置情報“67”、当該表示器600a,600b,600cに並べられる商品コード“11111”、表示器600a,600b,600cの電池残容量“1月”、当該商品コードの商品の納入個数“500”、当該商品コードの商品の在庫個数“005”等の情報680eが表示される。
【0057】
この場合、作業者がトリガ430を用いて表示器600a,600b,600cを個々に確認し、商品の状況、動向を判定するので、その際に、バッテリー682の電池残容量を認識することができる。その結果、作業員が容易にバッテリー682の残容量を認識することができる。
【0058】
以上のように、第1の実施の形態においては、表示器600a,600b,600cに商品の価格情報を表示させることができ、監視部683および制御部670により、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量を表示させることができる。そのため、バッテリー682が完全に消費されるまでに、バッテリー682の交換を行うことができる。当該電子ペーパーシステム100によれば、監視部683および制御部670により、表示内容を電気的に少なくとも一度書き換えることができる電力残容量を有する状態において電力残容量が表示されるので、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の交換を容易に行うことができる。また、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量が所定の閥値よりも大きい場合には、表示器600a,600b,600cの表示部680にバッテリー682の電力残容量を表示させないことができるので、表示器600a,600b,600cの表示部680の有効活用を図ることができる。その結果、価格情報変更時に生じる、誤った価格情報の表示を防止することができる。
【0059】
また、制御部670により商品販売店舗の開店前、閉店後、作業員が店舗を回る所定の時間、および毎時の10分間の少なくともいずれかにおいてバッテリー682の電力残容量を表示部680に表示させることができるので、作業者が定刻に表示器600a,600b,600cを目視することにより、電力残容量を容易に確認することができる。
【0060】
また、トリガ430またはPDA450から無線信号を与えることにより電子ペーパーシステム100のバッテリー682の電力残容量を認識することができる。例えば、表示器600a,600b,600cに対向してトリガ430またはPDA450を用いることにより、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量を認識することができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
続いて、図8は、物流配送センターに適用した電子ペーパーシステム100aの一例を示す模式的概略図である。
【0062】
図8に示すように、電子ペーパーシステム100aは、商品分配棚450および配送レール350,350a,〜,350eを含む。
【0063】
図8に示すように配送レール350,350a,〜,350eは、各配送先に応じて分岐して配設されており、配送レール350,350a,〜,350eの下流の各端部には、配送トラック(図示せず)が配置されている。また、配送レール350の上流側には、商品を配送先ごとに分配する商品分配棚450が設けられている。
【0064】
続いて、図9から図11を用いて物流配送センターについて具体的に説明する。図9は、商品分配棚450の外観の一例を示す模式的外観図である。
【0065】
図9に示すように、商品分配棚450の個々の棚に収納された収納ボックスに表示器600a,600b,600cが貼着されている。当該表示器600a,600b,600cは、図4に示した表示器600a,600b,600cと同様の構成からなる。また、商品分配棚450の正面右上側に作業完了時に押下操作する作業完了スイッチ360が設けられる。
【0066】
次に、図10は、図9の表示器600a,600b,600cの一例を示す模式的図である。
【0067】
図10に示すように、表示器600a,600b,600cには物流情報690a“α堂、A店舗、第2便”および配送情報を示すバーコード690bが表示部680に表示される。
【0068】
次いで、図11は、店舗毎に配送すべき商品の物流情報の一例を示す図である。
【0069】
図11に示すように、A店舗には、歯ブラシ10個、シャンプー1個、ひげそり5個を配送し、C店舗には、歯ブラシ5個、シャンプー10個、ひげそり2個を配送し、F店舗には、歯ブラシ10個、シャンプー10個、ひげそり5個を配送することを示している。すなわち、B店舗およびD店舗に配送すべき商品がない状態を示している。
【0070】
作業者は、図11の店舗毎の配送すべき物流情報に基づいて、図9の商品分配棚450の個々の棚に収納された収納ボックスに所定の商品を投入する。この場合、商品分配棚450の左上に配置された表示器600a,600b,600cには、物流情報690a“α堂、A店舗、第2便”および配送情報を示すバーコード690bが表示部680に表示され、商品分配棚450の中央に配置された表示器600a,600b,600cには、物流情報690a“α堂、C店舗、第2便”および配送情報を示すバーコード690bが表示部680に表示され、商品分配棚450の右上に配置された表示器600a,600b,600cには、物流情報690a“α堂、F店舗、第2便”および配送情報を示すバーコード690bが表示部680に表示される。
【0071】
これにより、作業者は、表示器600a,600b,600cの表示に基づいて容易に図11に示す商品の情報に基づいて商品を分配することができる。また、表示器600a,600b,600cは、書き換えができるので、B店舗およびD店舗への配送すべき商品がない場合に、表示器600a,600b,600cに、A店舗、C店舗およびF店舗のみ表示させることができる。すなわち、紙媒体を用いた場合には、A店舗、C店舗およびF店舗のみを表示させるためには、B店舗およびD店舗の表示を取り出し、C店舗とF店舗との表示をはりかえる必要がある。すなわち、商品の配送をスムーズに行うため、または商品分配棚450のスペースに限度があるからである。
【0072】
また、収納ボックスに配設された表示器600a,600b,600cの表示部680に配送情報を示すバーコード690bが表示されるので、配送レール350,350a,〜,350eの各分岐点において当該バーコード情報を読み取り下流の最適なトラックに収納ボックスを移送させることができる。
【0073】
この場合、表示器600a,600b,600cは、電池残量が完全になくなった場合でも、当該物流情報を表示させることができる。したがって、例えば、物流倉庫等にサーマルプリンタ等による印字を用いて物流情報を添付させた荷物を数年保管した場合、経年劣化により印字のかすれや、汚れで当該物流情報の紛失が生じるが、当該発明を用いることにより、それらの物流情報の紛失を防止することができる。
【0074】
次いで、図12は、残容量が80%以下となった場合の表示部680の一例を示す模式図である。
【0075】
図12に示すように、表示部680には、電池の残容量が少ないことを示す模式図690cが表示される。作業者は、当該表示を認識して表示器600a,600b,600cの電池容量が少ないことを認識することができる。作業者は、バッテリー682を交換するのに、十分な時間をとることができ、バッテリー682交換を計画することができる。このように、作業者は、当該表示を容易に認識して表示器600a,600b,600cの電池容量が少ないことを認識することができ、余裕を持って改善することができる。
【0076】
以上のように、第2の実施の形態の物流配送センターにおいては、表示器600a,600b,600cに物流の物流情報を表示させることができ、監視部683により、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量を表示させることができる。そのため、バッテリー682が完全に消費されるまでに、バッテリー682の交換を行うことができる。当該電子ペーパーシステム100aによれば、監視部683により、表示内容を電気的に少なくとも一度書き換えることができる電力残容量を有する状態において電力残容量が表示されるので、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の交換を容易に行うことができる。また、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量が所定の閥値よりも大きい場合には、表示器600a,600b,600cの表示部680にバッテリー682の電力残容量を表示させないことができるので、表示器600a,600b,600cの表示部680の有効活用を図ることができる。よって、物流情報変更時に生じる、誤った物流情報の表示を防止することができる。
【0077】
また、制御部670により物流配送センターの始業前、終業後、作業員が物流センター内を回る所定の時間、および毎時の10分間の少なくともいずれかにおいてバッテリー682の電力残容量を表示部680に表示させることができるので、作業者が定刻に表示器600a,600b,600cを目視することにより、電力残容量を容易に確認することができる。
【0078】
さらに、商品情報の価格情報のみを表示させない場合には、顧客の戸惑いを生じさせることとなるが、本発明においては、顧客の戸惑いを防止することができる。
【0079】
また、トリガ430またはPDA450から無線信号を与えることにより表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量を認識することができる。例えば、表示器600a,600b,600cに対向してトリガ430またはPDA450を用いることにより、表示器600a,600b,600cのバッテリー682の電力残容量を認識することができる。
【0080】
以上のように、第1および第2の実施の形態においては、表示部680が電子ペーパーに相当し、バッテリー682がバッテリーに相当し、表示器600a,600b,600c、電子ペーパーシステム100,電子ペーパーシステム100aが電子ペーパーシステムに相当し、表示部の表示変更が少なくとも1回は可能な電力残容量、または電池容量が80%であることが所定の閾値に相当し、監視部683が残容量表示制御部に相当し、商品販売店舗の開店前、閉店後、作業員が店舗を回る所定の時間、および毎時の10分間の少なくともいずれかが所定の時刻に相当し、制御部670が時刻対応残容量表示制御部に相当し、受信部692が外部からの無線信号を受信する受信部に相当し、398円または498円が価格情報に相当し、α堂、A店舗、第2便が物流情報に相当する。サーバ500の表示部505またはストアコントローラの表示部が表示部に相当する。
【0081】
また、現状のESLシステムでは、システム自体が重すぎ、テナント等の単独でデジタル表示を行うことができない。専門店のテナント単独で可能なシステム構築を行うことができる仕組みが要望されている。
【0082】
そこで、流通バックヤードプリンターにESL表示器(ドットマトリックス方式を含む)を連動させ、バックヤードに配設されている計量機からの情報をESL表示器に転送させたり、さらに、専門店システムとの連動をさせたりすることが考えられる。
【0083】
それにより、デリカ専門店など計量器で、価格を変更した場合に即座に価格を反映することができる。また、小規模の専門店等に対して有効であり、従来のESLシステムのように、価格を変更させるためにストアコントローラ200のところに移動する必要がないというメリットがある。
【0084】
また、表示を容易に変えることができるので、商品説明を行いたい場合などにドットマトリックス方式の表示器で行うことができる。特に、高付加価値型専門店に有効である。また、表示器の書き換えを赤外線照射で行うことができるため、照射範囲を限定することができ、天井埋め込み式からトランシーバまたはアンテナを商品棚の上に配設させるように変更することができる。
【0085】
また、従来、鉄道や電車等のPOP広告媒体として、電子ペーパーを用いることができる。電子ペーパーは、誤字脱字の修正が容易にでき、入稿期限を遅らせることができ、広告交換の人件費、ごみの削減、POP広告の盗難を防止することができる。特にごみは、数万枚となるので、問題となっている。
【0086】
例えば、出版社と協力し、受賞した小説・漫画などを毎日すこしづつ表示する。さらにスポンサー名を同時に表示させておき、広告料を収入源としたり、話題のブログなど、芸能関係など、ネット上の広告として十分に認知度があるものを表示させたりすることができる。この場合、人気ブログであれば、そのサイトに広告を出しているスポンサー企業にとっても、ブログの作者にとっても、電車内で公開されることにより、さらにアクセスが増加するので、好ましい。
【0087】
これにより、直木賞など、賞を受賞した小説の場合、出版社の雑誌等に掲載され、販売される。その際、最近のはやりである、ネット上の立ち読みシステムのように、電車内で少しずつ公開させることにより、スポンサーの広告だけでなく、その雑誌、小説の広告にもなる効果がある。すなわち、読者の購買意欲を高めることができる。
【0088】
なお、これらの電子ペーパーは、カラー表示であってもよく、白黒表示で用いてもよい。
【0089】
以上のように、容易な書き換え、低消費電力、電源不要で増設自由な電子ペーパーを用いることにより、新しい車内広告として用いることができる。なお、鉄道や電車に限定されず、デパート、ビルの上、駅構内等、さまざまなところにおける広告媒体として多くの情報を提供することができる。
【0090】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】商品販売店舗に適用した電子ペーパーシステムの一例を示す模式的概略図
【図2】サーバの概略構成の一例を示す模式図
【図3】電子ペーパーの外観の一例を示す模式的外観図
【図4】電子ペーパーの構成の一例を示す模式的構成図
【図5】電子ペーパーの電圧降下の経時的変化を示す図
【図6】表示部の一例を示す模式図
【図7】トリガからの信号に応じて制御部が表示部の内容を書き換えた場合を示す模式図
【図8】物流配送センターに適用した電子ペーパーシステムの一例を示す模式的概略図
【図9】商品分配棚の外観の一例を示す模式的外観図
【図10】図9の電子ペーパーの一例を示す模式的図
【図11】店舗毎の配送すべき商品の情報の一例を示す図
【図12】残容量が80%以下となった場合の表示部の一例を示す模式図
【符号の説明】
【0092】
100,100a 電子ペーパーシステム
500 サーバ
505 表示部
600a,600b,600c 表示器
670 制御部
680 表示部
682 バッテリー
683 監視部
692 受信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ペーパーおよびバッテリーを有する電子ペーパーシステムであって、
前記バッテリーの電力残容量が、所定の閾値を下回った場合に、前記バッテリーの電力残容量を前記電子ペーパーに表示させる残容量表示制御部を含むことを特徴とする電子ペーパーシステム。
【請求項2】
前記残容量表示制御部は、所定の時刻において前記バッテリーの電力残容量を前記電子ペーパーに表示させることが可能な時刻対応残容量表示制御部をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の電子ペーパーシステム。
【請求項3】
外部からの無線信号を受信する受信部をさらに備え、
前記残容量表示制御部は、受信部からの信号に応じて前記電子ペーパーに前記バッテリーの電力残容量を表示させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子ペーパーシステム。
【請求項4】
前記電子ペーパーは、商品の価格情報を表示可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子ペーパーシステム。
【請求項5】
前記電子ペーパーは、物流における物流情報を表示可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子ペーパーシステム。
【請求項1】
電子ペーパーおよびバッテリーを有する電子ペーパーシステムであって、
前記バッテリーの電力残容量が、所定の閾値を下回った場合に、前記バッテリーの電力残容量を前記電子ペーパーに表示させる残容量表示制御部を含むことを特徴とする電子ペーパーシステム。
【請求項2】
前記残容量表示制御部は、所定の時刻において前記バッテリーの電力残容量を前記電子ペーパーに表示させることが可能な時刻対応残容量表示制御部をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の電子ペーパーシステム。
【請求項3】
外部からの無線信号を受信する受信部をさらに備え、
前記残容量表示制御部は、受信部からの信号に応じて前記電子ペーパーに前記バッテリーの電力残容量を表示させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子ペーパーシステム。
【請求項4】
前記電子ペーパーは、商品の価格情報を表示可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子ペーパーシステム。
【請求項5】
前記電子ペーパーは、物流における物流情報を表示可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子ペーパーシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−217198(P2009−217198A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63604(P2008−63604)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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