説明

電子封印管理タグ、RFIDカード、電子封印管理タグによる封印方法、RFIDカードへの情報記録方法、電子封印管理タグによる封印用プログラム、RFIDカードへの情報記録用プログラム、電子封印管理タグ利用輸送管理システム、RFIDカード利用輸送管理システム

【課題】 不正な開封を早期に検知できるとともに、その後の対象物の状況を把握できる電子封印管理タグ及びRFIDカードの利用技術を提供する
【解決手段】 ICタグ100に、CPU110、メモリ120、封印検知部130、R/W IF140、光I/F150、無線I/F160、GPS受信機170、衛星送受信機180、電源制御回路190及びバッテリ191を備える。封印検知部130には、ケーブル131の一端が接続されるとともに、そのケーブル131の他端と接離する接点132が設けられている。封印検知部130は、接点132の接離を検知する検知部133と、検知部133による検知を許可する許可部134とを有する。ケーブル131は、絶縁被覆された導電性ケーブル若しくは光ファイバケーブルから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、コンテナ等の輸送対象物を封印し、その輸送対象物に関する種々の情報を記録して管理するための電子封印管理タグ、RFIDカード、電子封印管理タグによる封印方法、RFIDカードへの情報記録方法、電子封印管理タグによる封印用プログラム、RFIDカードへの情報記録用プログラム、電子封印管理タグ利用輸送管理システム、RFIDカード利用輸送管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報を電子的に記憶することができるICチップと、このICチップと外部との間で無線での情報の送受信を可能とするアンテナを備えたICタグが、その多様な可能性から注目を集めている。特に、ICタグは、従来の商品管理に用いられていたバーコード等に比べて、遥かに大量の情報を記憶しておくことができるため、商品や貨物等の物流を管理するシステムの核として、広く実用化されている。
【0003】
ICタグが付与される対象としては、商品自体、箱等の商品の包装、商品を収容したコンテナ等、さまざまなものがあり、海上、陸上、航空等の各種輸送経路における集配業務、検品、貨物管理等の自動化に役立っている。さらに、物流の国際化が進んだ現代社会においては、物品の紛失や危険物の混入等を防止して、セキュリティを強化する必要性が高まっており、これをICタグを用いて実現することが期待されている。
【0004】
ところで、コンテナを封印するために利用されるタグとして、従来から、特許文献1に示すようなコンテナシールタグが提案されている。このコンテナシールタグは、ロッドを鞘管に挿入することにより、コンテナの開閉扉を封印し、封印中にシール番号を発信し続け、開閉扉の封印が解かれたときには、作動配線ごと鞘管が切断されるためにシール番号の発信が停止するものであり、シール番号の発信の有無により封印を自動的に確認する技術である。
【0005】
また、コンテナを封印するためのICシールタグとして、従来から、特許文献2に示すようなものが提案されている。このICシールタグは、ループ状の閉回路を形成するように施封することによって発信可能となり、施封すると、破壊しない限り再び開かないように構成されている。
【特許文献1】特開2003−56224号公報
【特許文献2】特開2001−213522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来技術においては、封印が解除された場合には、配線が切断されて発信が停止するに過ぎない。このため、封印解除後には、ゲート通過時に、シール番号が発信されていないこと(過去に開封があったこと)を検知できる以外には、何の情報も得られない。つまり、不正な封印解除や盗難等が行われた後におけるコンテナの位置や状況を把握することはできない。また、コンテナが不正に開かれたことを発見できるのは、通過ゲートの通過時であるため、異常事態の発見が遅れる。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、不正な開封を早期に検知できるとともに、その後の対象物の状況を把握できる電子封印管理タグ、RFIDカード、電子封印管理タグによる封印方法、RFIDカードへの情報記録方法、電子封印管理タグによる封印用プログラム、RFIDカードへの情報記録用プログラム、電子封印管理タグ利用輸送管理システム、RFIDカード利用輸送管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明である電子封印管理タグは、開閉可能な錠部と、前記錠部の開閉を検知する封印検知部と、外部から封印検知を有効若しくは無効とする信号を受信する受信部と、前記受信部が封印検知を有効とする信号を受信した場合に、前記封印検知部による検知を許可する信号を出力し、前記受信部が封印検知を無効とする信号を受信した場合に、前記封印検知部による検知を停止させる信号を出力する制御部と、前記錠部によって封印される対象に関する情報を記録するとともに、前記錠部の開閉の検知に関する情報を記録する記録部と、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項12の発明である電子封印管理タグによる封印方法は、受信部が、開閉可能な錠部の封印検知を有効とする信号を受信し、制御部が、封印検知部による検知を許可する信号を出力し、封印検知部が、封印検知を許可され、封印検知部が、錠部が閉状態となって対象物に取り付けられていることを検知した場合に、これを記録部が記録し、記録部が、対象物に関する情報を記録し、封印検知部が、錠部の開状態を検知した場合に、これを記録部が記録し、受信部が、封印検知を無効とする信号を受信し、制御部が、封印検知部による検知を停止させる信号を出力し、封印検知部が、封印検知を停止することを特徴とする。
【0010】
請求項23記載の発明である電子封印管理タグによる封印用プログラムは、電子封印管理タグに内蔵されたコンピュータにより実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、開閉可能な錠部の封印検知を有効とする信号を受信させ、封印検知を許可させ、錠部が閉状態となって対象物に取り付けられていることを検知した場合に、これを記録させ、対象物に関する情報を記録させ、錠部の開状態を検知した場合に、これを記録させ、封印検知を無効とする信号を受信させ、封印検知を停止させることを特徴とする。
【0011】
以上のような請求項1、12及び23の発明では、封印検知が許可されてから停止するまでの間に、錠部の開閉状態及び封印の対象物に関する情報が記録されるので、錠部が不正に開状態となった場合の記録が残るとともに、その後の対象物に関する情報も記録されるので、不正な開封や盗難等が行われた後における対象物の情報を把握することができる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1記載の電子封印管理タグにおいて、前記記録部における情報の記録は、前記封印検知部が検知を停止した後も継続して行われるように設定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項13の発明は、請求項12記載の電子封印管理タグによる封印方法において、前記記録部は、前記封印検知部が検知を停止した後も継続して情報を記録することを特徴とする。
【0014】
請求項24の発明は、請求項23記載の電子封印管理タグによる封印方法において、前記コンピュータに、前記封印検知を停止した後も継続して情報を記録させることを特徴とする。
【0015】
以上のような請求項2、13及び24の発明では、封印検知を停止した後も情報が記録されるため、その後のアクシデント等についても把握することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の電子封印管理タグにおいて、前記記録部に記録された情報を送信する情報送信部を有することを特徴とする。
【0017】
請求項14の発明は、請求項12又は請求項13記載の電子封印管理タグによる封印方法において、情報送信部が、記録部に記録された情報を送信することを特徴とする。
【0018】
請求項25の発明は、請求項23又は請求項14記載の電子封印管理タグによる封印用プログラムにおいて、前記コンピュータに、記録された情報を送信させることを特徴とする。
【0019】
以上のような請求項3、14及び25の発明では、対象物の封印が不正に解かれたことが記録されるとともに、外部に送信されるので、早期の対処が可能となる。
【0020】
請求項4の発明は、請求項3記載の電子封印管理タグにおいて、前記送受信部による情報の送信は、前記封印検知部が検知を停止した後も継続して行われるように設定されていることを特徴とする。
【0021】
請求項15の発明は、請求項14記載の電子封印管理タグによる封印方法において、前記送受信部は、前記封印検知部が検知を停止した後も継続して情報を送信することを特徴とする。
【0022】
請求項26の発明は、請求項25記載の電子封印管理タグによる封印方法において、前記コンピュータに、前記封印検知を停止した後も継続して情報を送信させることを特徴とする。
【0023】
以上のような請求項4、15及び26の発明では、封印検知を停止した後も情報が外部に送信されるため、その後のアクシデント等についても把握することができる。
【0024】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4記載の電子封印管理タグにおいて、衛星からの航法メッセージを受信するGPS受信部と、前記GPS受信部が受信した航法メッセージに基づいて、現在位置を算出する現在位置算出部とを有し、前記錠部によって封印される対象に関する情報には、現在位置に関する情報が含まれることを特徴とする。
【0025】
請求項16の発明は、請求項14又は請求項15記載の電子封印管理タグによる封印方法において、GPS受信機が、衛星からの航法メッセージを受信し、GPS受信部が受信した航法メッセージに基づいて、現在位置を算出し、算出された現在位置に関する情報を記録部に記録し、記録部に記録された現在位置に関する情報を、情報送信部が送信することを特徴とする。
【0026】
請求項27の発明は、請求項25又は請求項26記載の電子封印管理タグによる封印用プログラムにおいて、前記コンピュータに、衛星からの航法メッセージを受信させ、受信した航法メッセージに基づいて、現在位置を算出させ、算出された現在位置に関する情報を記録させ、記録部に記録された現在位置に関する情報を送信させることを特徴とする。
【0027】
以上のような請求項5、16及び27の発明では、対象物の封印が不正に解かれた場合に、その位置情報が記録されるとともに、外部に送信されるので、原因の究明に役立つ。また、常時監視や早期の対応にも役立つ。
【0028】
請求項6の発明は、請求項3〜5のいずれか1項に記載の電子封印管理タグにおいて、外部の状態を検知するセンサが設けられ、前記錠部によって封印される対象に関する情報には、前記センサによって検知された情報が含まれることを特徴とする。
【0029】
請求項17の発明は、請求項14〜16のいずれか1項に記載の電子封印管理タグによる封印方法において、センサが外部の状態を検知し、検知された外部の状態に関する情報を記録部に記録し、記録部に記録された外部の状態に関する情報を、情報送信部が送信することを特徴とする。
【0030】
請求項28の発明は、請求項25〜27のいずれか1項に記載の電子封印管理タグによる封印用プログラムにおいて、前記コンピュータに、センサが検知した外部の状態に関する情報を記録させ、記録された外部の状態に関する情報を送信させることを特徴とする。
【0031】
以上のような請求項6、17及び28の発明では、センサによって検知された情報を、受信することにより、対象物の状況を詳細に把握することができる。また、対象物を移動させる装置等に、情報を受信する装置を積んでおくことにより、常時監視や早期の対応が可能となる。
【0032】
請求項7の発明は、請求項6記載の電子封印管理タグにおいて、前記センサによって検知された情報とあらかじめ設定された情報に基づいて、異常の発生を判定する判定部を有し、前記錠部によって封印される対象に関する情報には、前記判定部によって判定された異常の発生が含まれることを特徴とする。
【0033】
請求項18の発明は、請求項17記載の電子封印管理タグによる封印方法において、センサによって検知された情報とあらかじめ設定された情報に基づいて、異常の発生を判定し、発生した異常に関する情報を記録部に記録し、記録部に記録された異常に関する情報を、情報送信部が送信することを特徴とする。
【0034】
請求項29の発明は、請求項28記載の電子封印管理タグによる封印用プログラムにおいて、前記コンピュータに、センサによって検知された情報とあらかじめ設定された情報に基づいて、異常の発生を判定させ、発生した異常に関する情報を記録させ、記録された異常に関する情報を送信させることを特徴とする。
【0035】
以上のような請求項7、18及び29の発明では、異常が発生した場合に、それが外部に送信されるので、対象物の劣化や盗難に対して、早期に対処することができる。
【0036】
請求項8の発明は、請求項7記載の電子封印管理タグにおいて、前記封印検知部が前記錠部の開状態を検知した場合若しくは前記判定部が異常が発生したと判定した場合に、警告を出力する警告出力部を有することを特徴とする。
【0037】
請求項19の発明は、請求項18記載の電子封印管理タグによる封印方法において、封印検知部が錠部の開状態を検知した場合若しくは判定部が異常が発生したと判定した場合に、警告出力部が警告を出力することを特徴とする。
【0038】
請求項30の発明は、請求項29記載の電子封印管理タグによる封印用プログラムにおいて、前記コンピュータに、錠部の開状態を検知した場合若しくは異常が発生したと判定した場合に、警告を出力させることを特徴とする。
【0039】
以上のような請求項8、19及び30の発明では、不正な開封や異常が発生した場合、警告が出力されるので、現場にいる人間が、すばやく対処することができる。
【0040】
請求項9の発明であるRFIDカードは、メモリ及びCPUを備えたICと、ICと外部との無線による送受信を可能とするアンテナと、前記IC及び前記アンテナを備えたカードと、前記カードの外部に設けられ、前記IC若しくは前記アンテナに接続された端子と、前記IC若しくは前記アンテナは、複数枚のカードにおける端子同士が接触している場合にのみ、動作可能となるように設定されていることを特徴とする。
【0041】
請求項20の発明であるRFIDカードへの情報記録方法は、外部に端子が設けられた複数枚のRFIDカードにおけるCPUが、その端子が互いに接触している場合にのみ、メモリへの読み書きを許可することを特徴とする。
【0042】
請求項31の発明であるRFIDカードへの情報記録用プログラムは、外部に端子が設けられた複数枚のRFIDカードに内蔵されたコンピュータにより実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、複数枚のRFIDカードの端子が端子が互いに接触している場合にのみ、メモリへの読み書きを許可させることを特徴とする。
【0043】
以上のような請求項9、20及び31の発明では、必ず複数のRFIDカードの端子を合わせない限り、情報の読み書きができないため、偽造等の防止に役立つ。
【0044】
請求項10の発明は、請求項9記載のRFIDカードにおいて、前記端子は、複数設けられていることを特徴とする。
【0045】
請求項21の発明は、請求項20記載のRFIDカードへの情報記録方法において、前記端子は複数であることを特徴とする。
【0046】
請求項32の発明は、請求項31記載のRFIDカードへの情報記録用プログラムにおいて、前記端子は複数であることを特徴とする。
【0047】
以上のような請求項10、21及び32の発明では、端子を複数とすることにより、異なる組み合わせを多数作ることができる。
【0048】
請求項11の発明は、請求項10記載のRFIDカードにおいて、複数の前記端子のうちの一部が、前記IC若しくは前記アンテナの動作とは関係のないダミーであることを特徴とする。
【0049】
請求項22の発明は、請求項21記載のRFIDカードへの情報記録方法において、複数の前記端子のうちの一部が、メモリへの読み書きの許可とは関係のないダミーであることを特徴とする。
【0050】
請求項33の発明は、請求項32記載のRFIDカードへの情報記録用プログラムにおいて、複数の前記端子のうちの一部が、メモリへの読み書きの許可とは関係のないダミーであることを特徴とする。
【0051】
以上のような請求項11、22及び33の発明では、複数の端子の一部に、ダミーが含まれているので、外観だけを見て偽造されても機能せず、セキュリティが向上する。
【0052】
請求項34の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子封印管理タグを、輸送物の封印に用いる電子封印管理タグ利用輸送管理システムにおいて、前記電子封印管理タグに、封印検知を有効若しくは無効とする信号及び搬送物に関する情報を、無線により送受信する送受信部を備え、有線若しくは無線により通信ネットワークに接続された管理装置を有することを特徴とする。
【0053】
以上のような請求項34の発明では、通信ネットワークに接続されたサーバ等において、管理装置を介して送信された輸送物の情報を得ることができる。
【0054】
請求項35の発明である電子封印管理タグ利用輸送管理システムは、輸送物の封印に用いられる請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子封印管理タグと、前記電子封印管理タグと共通する輸送物に関する情報を記録する請求項9〜11のいずれか1項に記載のRFIDカードとを備えた電子封印管理タグ利用輸送管理システムにおいて、前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードと無線により通信可能な送受信部と、前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードがともに通信可能な位置にある場合にのみ、前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードへの輸送物に関する情報の読み書きを可能とする制御部とを有する管理装置を有し、前記管理装置は、有線若しくは無線により通信ネットワークに接続されていることを特徴とする。
【0055】
以上のような請求項35の発明は、電子封印管理タグとRFIDカードが揃った場合のみ、情報を読み書きできるので、セキュリティが向上する。
【0056】
請求項36の発明は、輸送物の封印に用いられる請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子封印管理タグと、前記電子封印管理タグと共通する輸送物に関する情報を記録した請求項9〜11のいずれか1項に記載のRFIDカードとを備えた電子封印管理タグ利用輸送管理システムにおいて、前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードと無線により通信可能な送受信部と、前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードがともに通信可能な位置にある場合にのみ、前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードへの輸送物に関する情報の読み書きを可能とする制御部とを有する管理装置を有し、前記管理装置には、複数の組のRFIDカードに記録された情報を互いに照合する照合手段が接続されていることを特徴とする。
【0057】
請求項37の発明は、輸送物に関する情報が記録された請求項9〜11のいずれか1項に記載のRFIDカードを、複数組備えたRFIDカード利用輸送管理システムにおいて、前記RFIDカードと無線により通信可能な送受信部と、前記RFIDカードへの輸送物に関する情報の読み書きを行う制御部とを有する管理装置が、複数の地点に設けられ、前記管理装置には、複数の組のRFIDカードに記録された情報を互いに照合する照合手段が接続されていることを特徴とする。
【0058】
以上のような請求項36及び37の発明では、同一若しくは異なる場所において、同一の輸送物に関する情報を、複数組のRFIDカードに記録し(共通の内容を電子封印管理タグに記録してもよい)、これを搬送後、互いに同一内容かを照合することにより、正規のものであるか、改ざん等がないかを判断することができる。従って、例えば、船荷証券をRFIDカードに記録したものを、銀行が複数組発行し、これを入手した取引に関連する複数の者が、輸送物の輸送後に、記録された内容を照合することにより、セキュリティの高い決済等を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、不正な開封を早期に検知できるとともに、その後の対象物の状況を把握できる電子封印管理タグ、RFIDカード、電子封印管理タグによる封印方法、RFIDカードへの情報記録方法、電子封印管理タグによる封印用プログラム、RFIDカードへの情報記録用プログラム、電子封印管理タグ利用輸送管理システム、RFIDカード利用輸送管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施形態)について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
[構成]
[全体構成]
本実施形態の構成を、図1及び図2のブロック図を参照して説明する。すなわち、本実施形態は、図1に示すように、ICタグ100(電子封印管理タグ)、RFIDカード200及び管理装置300を用いて、コンテナを管理するシステムである。図1において、400はコンテナのリース会社のサーバ、500は船会社のサーバ、600は顧客端末である。これらのリース会社サーバ400、船会社サーバ500、顧客端末600は、通信ネットワークNを介して、情報を送受信可能に構成されている。さらに、港湾等の拠点には、拠点送受信機700、衛星送受信機800が設置され、これらが通信ネットワークNに接続された通信制御サーバ900に接続されている。なお、リース会社、船会社は、システムを管理する組織の例示であり、コンテナのレンタル会社、宅配便などの陸上輸送会社、空輸を行う航空会社、港湾や空港を運営する会社等が管理するサーバであってもよい。
【0061】
[ICタグ]
ICタグ100は、図2に示すように、CPU110、メモリ120、封印検知部130、リーダライタインタフェース(R/W IF)140、光インタフェース(光I/F)150、無線インタフェース(無線I/F)160、GPS受信機170、衛星送受信機180が、信号を送受信可能なバスによって接続されることにより構成されている。そして、ICタグ100は、電源制御回路190及びバッテリ191を備え、バッテリ191からの給電を受けて作動できるアクティブタグ構成となっている。なお、ICタグ100は、コンテナ等への装着を可能とするために、金属に装着しても信号の送受信に支障なく利用できるタイプである。
【0062】
CPU110は、所定のプログラムによって各部を制御して、必要な演算処理を行う制御部である。このCPU110は、例えば、一般的なICタグと同様に、外部から入力された情報をメモリ120に記録する処理や、外部から入力された認証情報に基づく認証処理を行うことができる。また、本実施形態のCPU110は、R/W IF140、光I/F150、無線I/F160等から入力された封印検知を有効若しくは無効とする信号に基づいて、封印検知部130に対して、封印検知を許可若しくは停止させる信号を出力する機能、現在位置を算出する機能等を有している。
【0063】
メモリ120は、プログラム等を記録したROM及び情報記録用のRAMを備えた記録部である。本実施形態のICタグ100は、一般的なICタグのような96〜128ビット程度の読み書きしかできないネットワーク型と異なり、比較的大容量の情報を記憶できるデータキャリー型であり、ICタグの識別番号、認証情報ばかりでなく、封印、位置情報等のコンテナの状態に関する情報、これを記録及び発信する周期等も記録可能である。
【0064】
封印検知部130には、図3に示すように、ケーブル131の一端が接続されるとともに、そのケーブル131の他端と接離する接点132が設けられており、ケーブル131と接点132によって錠部が構成されている。そして、封印検知部130は、接点132の接離を検知する検知部133と、検知部133による検知を許可する許可部134とを有している。ケーブル131は、絶縁被覆された導電性ケーブル若しくは光ファイバケーブルから成る。ケーブル131が導電性ケーブルの場合には、検知部133としては、閉回路の開閉を検知する回路等、周知のあらゆる技術を適用可能である。
【0065】
ケーブル131が光ファイバケーブルの場合にも、検知部133としては、周知のあらゆる技術を適用可能であり、例えば、光ファイバケーブルの一端から入光させる発光ダイオード等の発光部と、光ファイバケーブルの他端からの出射光を検知するフォトトランジスタ等の受光部と、受光部における受光の有無を検知する回路等により構成することが考えられる。さらに、許可部134による検知部133の検知の許可は、CPU110からの制御信号に応じてON、OFFされるフラグ等、周知の技術を適用できる。
【0066】
R/W IF140、光I/F150、無線I/F160は、請求項に記載の受信部及び情報送信部に相当する。R/W IF140は、電磁結合方式若しくは電磁誘導方式により、管理装置300との間で情報を送受信する手段である。光I/F150は、送受信する信号と光信号とを相互に変換し、発光ダイオード等の発光部とフォトトランジスタ等の受光部を介して、管理装置300との間で情報を送受信する手段である。無線I/F160は、アンテナを介して送受信される電波によって、情報をやり取りする手段である。
【0067】
使用する電波としては、現在、10m以上の読取距離が得られ、数秒(1〜10秒)間隔で電波を発信する電池搭載型無線タグ用のもの(300MHz帯)が望ましい。但し、本発明はこれには限定されず、433MHz,900MHz、2.45GHz、5.80GHz等、現在又は将来において利用可能なあらゆる周波数が適用可能である。無線LANの通信規格として普及しているIEEE802.11やBluetooth等を使用することもできる。
【0068】
GPS受信機170は、複数(理論的には3機、一般的には誤差修正のために4機)のGPS衛星S2からの航法メッセージを受信する手段である。このGPS受信機170において受信した航法メッセージに基づいて、CPU110は、ICタグ100の位置を算出する。なお、実際には、GPS受信機170は、航法メッセージに含まれる補正データや、基準局から送信される補正情報をも受信するので、CPU110による位置の算出を、可能な限り正確なものとすることができる。
【0069】
衛星送受信機180は、通信サービスを提供するための通信衛星S1との間で、電波を送受信するための手段であり、例えば、静止衛星を利用した海上用衛星携帯電話によるパケットの送受信技術等を利用できる。なお、衛星送受信機180は、衛星との通信を可能とする出力を得るために、バッテリ191、電源制御回路190及びアンテナの指向性等が設定されているが、安定した通信ができる十分な出力を得るために、ICタグ100とは別体の独立した装置として構成してもよい。
【0070】
[RFIDカード]
RFIDカード200は、電源を内蔵しないパッシブ型であり、ICチップとアンテナという一般的なRFIDカードと同様の基本構造を有している。但し、図4に示すように、本実施形態においては、2枚のカード201,202を一組として使用する。この2枚のカード201,202は、互いに合わせることにより、電気的に接続される複数のスナップ状の端子203が設けられている。
【0071】
同一の組の2枚のカード201,202における端子の数と位置は、一致するようになっており、2枚のカード201,202が、その端子が接続されるように合わされたときにのみ、メモリへの情報の読み書きが可能となるように設定されている。つまり、異なる組のカード201,202については、スナップ状の端子203の数や位置を変えることによって、同一の組の2枚のカード201,202が揃わない限り、RFIDカード200として使用できないように構成されている。
【0072】
これは、例えば、RFIDカード200に内蔵されたICチップ若しくはアンテナが、他のRFIDカード200の端子203同士が接触した場合にのみ、回路の一部が閉じて動作可能となるように構成してもよいし、ICチップのCPUが、個々の端子203同士の接触を検知して、動作可能となるように構成してもよい。なお、端子203の数と位置は全て同じとして、そのいずれかをダミーとすることによって、複製が困難な構造としてもよい。この場合には、CPUが個々の端子の接触、非接触を検知して、あらかじめメモリに記憶された組み合わせに合致する場合にのみ、動作可能となるように構成してもよい。また、一組のRFIDカード200の枚数は、3枚以上であってもよいが、あらかじめ決められた枚数以外の発行は行わないようにすべきである。
【0073】
[管理装置]
管理装置300は、図2に示すように、CPU310、メモリ320、入力装置330、R/W IF340、光I/F350、無線I/F360、表示装置370が、信号を送受信可能なバスによって接続されることにより構成されている。そして、管理装置300は、電源制御回路390及びバッテリ391を備えており、バッテリ391からの給電を受けて作動するように構成されている。
【0074】
CPU310は、所定のプログラムによって各部を制御するとともに、必要な演算処理を行う制御部である。このCPU310は、例えば、一般的なリーダライタと同様に、外部から入力された情報をメモリ320に記録する処理、表示装置370に表示させる処理、外部から入力された認証情報に基づく認証処理等を行うことができる。また、本実施形態のCPU310は、入力装置330からの指示入力に応じて、R/W IF340、光I/F350若しくは無線I/F360へ、封印検知を有効若しくは無効とする信号を出力する機能を有している。なお、セキュリティの観点から、管理装置300と外部のとの情報のやり取りは、メモリ320に記憶されたファームウェア等によって、CPU310が暗号化処理することによって行われる。
【0075】
メモリ320は、プログラム等を記録したROM及び情報記録用のRAMを備えている。このメモリ320は、ICタグの識別番号、認証情報、封印、位置情報等のコンテナの状態に関する情報を記録可能である。入力装置330は、データの読み書きの指示、封印を制御する信号の出力指示、認証情報等の入力等を行うためのキーボード若しくはタッチパネルである。表示装置370は、各種の情報を表示して確認するためのLCD等である。R/W IF340、光I/F350及び無線I/F360は、ICタグ100における対応するインタフェースと同様の構成であり、互いに信号を送受信するための手段である。なお、管理装置300は、バーコードリーダを内蔵させたものとすることもできる。
【0076】
[サーバ及び端末]
リース会社サーバ400、船会社サーバ500は、コンテナのリース会社、船会社が管理するコンピュータによって実現され、通信ネットワークNに接続されている。なお、これらのサーバ400,500は、特定の1台のコンピュータによって実現されるものには限定されず、通信用、データベース用等を別の単数若しくは複数のコンピュータにより構成することにより処理を分散させ、複数台が連繋して処理するシステムとして構成することもできる。
【0077】
顧客端末600は、ユーザが使う通信端末であり、通信ネットワークNに接続されている。この顧客端末600は、ブラウザを備えた周知のパーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA、その他のモバイル通信機器を使用することができる。なお、これらのリース会社サーバ400、船会社サーバ500及び顧客端末600の数は、利用する会社、ユーザの数に応じたものとなるため、図1に示した数に限定されるものではない。
【0078】
[拠点通信設備]
港湾や空港等の拠点に設置された拠点送受信機700は、ICタグ100や管理装置300におけるインタフェースに対応するインタフェースを備えており、ICタグ100や管理装置300と無線により情報をやり取りできる送受信機である。衛星送受信機800は、通信衛星S1と情報を送受信できる送受信機である。これらは、通信ネットワークNに接続された通信制御サーバ900に接続されており、受信した情報を、通信ネットワークNを介してリース会社サーバ400、船会社サーバ500、顧客端末600との間で送受信できるように構成されている。
【0079】
[通信ネットワーク]
リース会社サーバ400、船会社サーバ500、顧客端末600、通信制御サーバ900は、通信ネットワークNを介して、互いに情報を送受信可能であり、その出力画面を参照しながら、情報入力、選択操作入力等の様々な作業を行うことができる。このネットワークNは、有線若しくは無線のあらゆる通信ネットワークを適用可能であり、どのようなLANやWANを経由するか若しくは経由しないかは問わない。通信プロトコルについても、現在又は将来において利用可能なあらゆるものを適用可能である。
【0080】
例えば、リース会社サーバ400、船会社サーバ500、顧客端末600間の通信に、狭義の専用線、IP−VPN、インターネットVPN等の仮想的な専用線、インターネット等の公衆回線網等のいずれを経由するかは自由であり、アクセス回線としても、ADSLやFTTH等、種々のものが利用可能である。また、PHS網や無線LANアクセスポイントを経由するリモートアクセスは、顧客端末600によるアクセスに適している。データの暗号化、回線の二重化等、安全性、信頼性の確保のためにどのような対策を採用するかも自由である。
【0081】
[作用]
以上のような本実施形態による処理の概要を、図5のシステム全体のデータのやり取りを示す説明図、図6のフローチャートを参照して説明する。なお、図6は、ICタグ100における処理の手順を示したものである。
【0082】
[システムの処理手順]
まず、港湾係員が、管理装置300の入力装置330からIDやパスワード等の認証情報を入力して送信すると、これを受信したICタグ100及びRFIDカード200において(ステップ601)、あらかじめ記憶された認証情報との照合による認証が行われ、利用可能な状態となる(ステップ602)。そして、港湾係員が、入力装置330を操作して、あらかじめ管理装置300に記録されたコンテナに関する情報を読み取って送信すると、これを受信したICタグ100及びRFIDカード200ににおいて(ステップ603)、データが記録される(ステップ604)。
【0083】
このとき、RFIDカード200は、図4(B)に示すように、2枚のカード201,202を重ねて、その端子203を接触させた状態でなければ、データの書き込みができない。なお、ICタグ100及びRFIDカード200の双方若しくは一方への情報の記録は、後述するように、発行者(銀行等)があらかじめ行ってもよい。ICタグ100及びRFIDカード200の一方に記録された情報を、管理装置300が読み取り、他方へ書き込むようにしてもよい。このようなRFIDカード200の具体的な利用方法は、後述する利用例の欄でも説明する。
【0084】
次に、図3に示すように、港湾係員は、コンテナCを閉じる際に、ICタグ100のケーブル131の一端を扉の取っ手等に通して、接点132に接続する。そして、入力装置330を操作して、管理装置300から、ICタグ100と通信可能な距離において、封印検知を有効とする信号の出力指示を入力すると、この信号が、ICタグ100に送信される。これを受信したICタグ100においては(ステップ605)、CPU110が封印検知部130に対して、封印検知を許可する信号を出力するので、許可部134が検知部133による封印検知を許可する(ステップ606)。
【0085】
すると、既にケーブル131の接点132が閉じているので、検知部133によって封印されたことが検知される(ステップ607)。また、このような封印がなされたこと及びその時刻情報等がメモリ120に記録されるとともに、管理装置300に送信される(ステップ608)。これを受信した管理装置300もメモリ120に記録し、RFIDカード200に送信するので、RFIDカード200のメモリに記録される。そして、管理装置300から、封印検知を無効とする信号を受信しない限り(ステップ609)、封印検知後、数秒間隔の周期で、無線I/F160からの電池搭載型無線タグ用電波の発信が開始する(ステップ610)。
【0086】
さらに、ICタグ100においては、あらかじめ設定された周期が到来すると(ステップ611)、GPS受信機170を介して、GPS衛星S2から航法メッセージを取得して、CPU110が自己の位置を算出し、その時刻とともにメモリ120に記録する(ステップ612)。記録された位置情報及び時刻情報は、無線I/F160や衛星送受信機180を介して送信される(ステップ613)。
【0087】
また、コンテナが不正に開封された場合には、ケーブル131と接点132との接続が解除されるので、これが検知部133によって検知され(ステップ614)、開封された時刻と位置に関する情報を含む通知が、無線I/F160や衛星送受信機180を介して送信される(ステップ615)。これを受信した管理装置300が、表示装置370に、その旨の情報を文字、図形等を表示することにより明示してもよい。その後も、管理装置300から、封印検知を無効とする信号を受信しない限り(ステップ609)、信号の発信、現在位置算出及び送信が行われる(ステップ610以降)。なお、搬送途中で正規の開封及び封印が行われる場合には、これについても検知、記録、送信するようにしてもよい。
【0088】
コンテナが移動を開始していない場合や所定の領域内(管理装置300や拠点送受信機700との通信可能な範囲)で移動している場合等には、数秒間隔で発信される電波が受信できる(正規の場所にある)か否か(無断で搬出された)によって、コンテナ自体の不正な移動や盗難等を検知することができる。そして、その位置情報も、拠点送受信機700を介して受信される。拠点送受信機700において受信したデータは、通信ネットワークNを介して、リース会社サーバ400、船会社サーバ500、顧客端末600において受信できるので、コンテナの位置を把握できる。
【0089】
コンテナが予定通り搬出され、搬送途中にある場合であっても、通信衛星S1を介して、衛星送受信機800において位置情報を受信できるので、通信ネットワークNを介して、リース会社サーバ400、船会社サーバ500、顧客端末600において把握することができる。さらに、コンテナが、管理装置300や拠点送受信機700との通信可能な範囲にある場合であっても、搬送途中にある場合であっても、不正に開封された場合には、その位置と時刻を含む通知を拠点送受信機700や衛星送受信機800において受信できるので、内容物の盗難等を、リース会社サーバ400、船会社サーバ500、顧客端末600において検知することができる。
【0090】
リース会社サーバ400、船会社サーバ500においては、かかる受信データを記録し、状況を解析、表示させることにより、配送の遅れや異常の発生の把握をリアルタイムに行うことができる。つまり、コンテナが正常な状態で移動しても、不正に開封等がなされた後であっても、コンテナの追跡が可能となる。
【0091】
さらに、コンテナが目的の拠点へ到着した場合には、港湾係員が、管理装置300によって、管理装置300の入力装置330からIDやパスワード等の認証情報を入力して送信するとともに、封印検知を無効とする信号を送信すると、これを受信したICタグ100において(ステップ609)、あらかじめ記憶された認証情報との照合による認証が行われ、封印検知が停止する(ステップ616)。つまり、管理装置300から、ICタグ100と通信可能な距離において、封印検知を無効とする信号の出力指示を入力すると、この信号が、ICタグ100に送信される。これを受信したICタグ100においては、CPU110が封印検知部130に対して、封印検知を停止させる信号を出力するので、許可部134が検知部133による封印検知を停止する。このような封印解除後、無線I/F160からの電池搭載型無線タグ用電波の発信が停止する(ステップ617)。そして、ケーブル111を接点134から離して、封印を解く。
【0092】
[利用例]
[輸出入業務]
本システムの具体的な利用例を、輸出入業務の流れに沿って説明する。まず、発行依頼人(輸入者)が、輸出代金の支払いを保証してくれる信用状(L/C:Letter of Credit)の発行を取引銀行に依頼する。このとき、取引銀行は、現在、一般的に使用されているL/Cの書類の代わりに、L/Cに関する情報を記録したRFIDカード200を発行する。なお、取引銀行は、RFIDカード200のみを発行するようにしてもよいし、同時にL/Cを記録したICタグ100を発行するようにしてもよい。
【0093】
以下の説明では、RFIDカード200のみで述べるが、RFIDカード200及びICタグ100の双方若しくはいずれか一方を、発行対象とすることも可能である。RFIDカード200及びICタグ100の双方を用いる場合には、対応するRFIDカード200及びICタグ100が全て揃わないと、後述する照合や読み書きができないようにしてもよい。
【0094】
RFIDカード200は、ランダムなパスワード等と本人確認用のIDを併用して認証を受けなければ、更新、消去、改ざん、読み取りができないように設定されている。さらに、RFIDカード200は、上記のように、2枚一組で使用され、一組のカード201,202を重ねて、端子203を接触させた状態でなければ読み書きができない。このように本実施形態は、非常に高いセキュリティを確保できるため、取り消し不能(Irrevocable)の確認(Confirmed )信用状(Credit)に適している。
【0095】
また、RFIDカード200(以下、コンテナ側とする)を発行した銀行は、紛失防止のため、L/Cの複写用RFIDカード200(以下、コピー側とする)も発行する。輸入者は、これらのRFIDカード200のうちのコピー側を、購入契約書とともに輸出者に送る。なお、発行銀行は、RFIDカード200のコンテナ側を、通知銀行経由か、直接買取り銀行に、銀行間取引で金額とともに送る。
【0096】
一方、船会社は、輸入者からの注文に応じて、商業送り状(Invoice)、包装明細書(Packing List)、船荷証券(B/L)、荷為替手形、保険を掛けた場合保険証券を書き込んだRFIDカード200を、輸出者に発行する。輸出者は、船会社が発行したRFIDカード200と、輸入者から送られてきたRFIDカード200のコピー側を、買い取り銀行に持ち込む。
【0097】
そして、発行銀行から送られてきたコンテナ側のRFIDカード200と、コピー側のRFIDカード200とを、管理装置300を使用して、同一対象に関するものか、改ざん等がなく内容が正しいかを確認した後、決済してもらう。このとき、管理装置300におけるCPUが、読み取った内容を照合する照合手段として機能するように、プログラムが設定されている。このように、船会社がRFIDカード200にB/L等を記載し、輸出者が金融機関に持ち込む。B/L等の情報は金融機関間で電子連絡するので、B/Lの輸送が不要となり、輸送時間を節約でき、紛失の危険がなくなるとともに、訂正も簡略化できる。インターネットによる電子決済も可能となり、これに連動し保険の付保ができる。
【0098】
買い取り銀行においては、そこが発行するセキュリティの高いRFIDカード200に、前記の必要書類に相当する内容を、管理装置300を使用して書き込んでもらうか、船会社や保険会社からオンラインによって、買取銀行に、前記の必要書類に相当する内容を連絡して、その内容も同じRFIDカード200に、管理装置300を使用して書き込んでもらい、送られてきた発行銀行からのコンテナ側のRFIDカード200をつき合わせて決済してもらう。このときも、所定のプログラムによって、管理装置300におけるCPUが、読み取った内容を照合する照合手段として機能する。買い取り銀行は、買い取ったすべての内容を記載したRFIDカード200を、文書規定の通り一定期間保管し、指定期間終了後、情報を消して再利用する。
【0099】
文書による確認だけの場合には、偽造分に対抗できないこともあるが、本実施形態の場合には、仮にRFIDカード200が間違って配送されても、認証ができなければ内容の読み書きができないため、偽造による悪意の引き取りや悪意の輸出者の取引きを防止できるとともに、書類の輸送費低減や紙類の消費を抑えられるので、環境対策にも役に立つ。さらに、銀行間の書類チェックや管理の手間が減少し、オンラインによる複数確認が同時にできるため、ミスが減少する。
【0100】
また、輸出者が自分のRFIDカード200を使用することもできるが、その場合には、船会社や保険会社等での打ち込み業務の際、間違いのないように、輸出者が直接その画面をオンラインで見て内容を確認することにより、二重にチェックをして発行することが望ましい。その際、書き換え及びその二重チェック後は、内容変更不可能のパスワード等のセキュリティをかけるようにする。
【0101】
このように、有価証券としてのB/Lのセキュリティを、RFIDカード200によって実現する。なお、B/Lの記載項目は、荷送り人の氏名または商号、荷受人の氏名または商号、運送人の氏名または商号、運送品の商号、運送品の状態、運送品の容積、重量、包み、個品の数量及び運送品の記号、船舶の名称及び国籍、船積み港及び船積みの年月日、陸揚げ港、運送費、作成地及び作成年月日、数通の船荷証券を作った時はその数等である。荷為替手形の発行に関しても、買取者のIDを、買い取り銀行にあらかじめ署名あるいは暗号記号、カードを合わせるセキュリティによって、貨物の安全性を図ることができる。
【0102】
また、RFIDカード200は、金属に装着しても信号の送受信に支障ないものを利用しているので、一枚に重ねることが可能となり、複数枚の情報の読み込みと需要書類の一体化で紛失率を減らすことができる。発行銀行、発行依頼者、買い取り者、買い取り銀行、船会社、保険会社など共通の照合システムを持って、オンライン上で上記手続きが可能となり、全ての情報を記録し、セキュリティが確保されたRFIDカード200を利用したL/C決済が可能となる。
【0103】
さらに、上記の管理装置300における照合手段は、通信ネットワークNを介して、管理装置300と情報をやり取りできるサーバ等において実現してもよい。照合の対象となる情報の選択は自由であり、照合項目を多数設定することによってセキュリティを向上させても、照合項目を限定することによって、照合時間の短縮化を図ってもよい。RFIDカード同士のみならず、ICタグ100内の情報との照合を行うように設定してもよい。
【0104】
[貴重品運搬管理]
貴重品の運搬システムは、貴重品を収納したセーフティーボックスを利用者から運搬者が引き受け、これを貨物ターミナルにおいて保管し、飛行機やトラックなどの運搬手段により送り先近くの貨物ターミナルに保管しさらに受け渡しを行うものである。
【0105】
このような貴重品の運搬システムにおいて、上記のように、封印の有無を管理できるICタグ100を、封印箇所に取り付けることにより、物品の紛失・盗難の防止を図ることができる。同時に、GPSによる位置管理も可能となる。コンテナに設けられたタグを読み取ることによりコンテナ内に複数の内容物が存在した場合にそれぞれの送り先などのデータが判別できる。
【0106】
封印用ICタグ100は、封印時において管理装置300を用いることによって、上記のように封印(ロック)を行う。ロックがされると数秒間隔で電波を発信し、この電波の発信が行われることによりロックされていることがわかる。このように、ICタグ100は、常に電波を発信しているので、この電波を保管場所において常時受信するようにしておけば、その位置管理が可能となる。例えば、貴重品ボックスが保管場所から無断で搬出された場合には、この電波が途切れるために警報がセンターに発信される。
【0107】
また、集荷の際には顧客との間で封印の確認が可能となり、貨物ターミナルにおいては、常に封印を確認できる。そして、メモリ120に対して封印を開けたり閉めたりした場合の時間、その他を記録することが可能であるので、履歴管理が実施できる。なお、顧客による封印の確認は、管理装置300の表示装置370に表示を行い、ロックされていることを顧客に目視してもらうことも望ましい。
【0108】
[効果]
以上のような本実施形態によれば、封印が不正に解除された場合や盗難等が行われた場合には、その時間や位置に関する情報が記録されるとともに、その後も位置情報等の記録、信号の発信が継続的に行われる。このため、不正な封印解除や盗難等が行われた後であっても、コンテナの位置や状況を追跡し、詳細に把握することができる。ICタグ100がコンテナから外されてしまった場合であっても、ICタグ100の現在位置を把握できるので、原因の究明や追跡の手がかりとすることができる。
【0109】
また、ICタグ100が外部といずれかの手段によって通信が可能な範囲にある場合には、コンテナが不正に開かれたことを即座に検知することができ、早期の対処が可能となる。特に、コンテナヤード、倉庫等の拠点ばかりでなく、陸上、海上及び上空での輸送中においても、位置管理及び封印管理ができる。これは、車両、船舶、航空機等に警報用の衛星送受信機を積んで、若しくはICタグ100用の受信機を積んでおいて、常時監視ができることも意味する。従って、例えば、船会社やコンテナのリース会社における契約者の期間、条件、内容を、それぞれのコンピュータシステムと連動させることで、個々のコンテナについて位置管理と個別管理の両立が可能となる。また、船会社やリース会社においては、各コンテナや船舶、航空機が効率よく運用されているかどうかの情報を得ることができる。なお、航空機内部では電波の発射は禁止されているので、航空機内部に、タグ電波発信を禁止する信号を送出する送信機を設置してもよいし、シールドされたエリアを用意してもよい。
【0110】
また、必ず2つのRFIDカード200を合わせない限り、管理装置300による読み書きができないため、カードの偽造等を防止することができる。しかも、RFIDカード200とICタグ100とを関連付けることができ、かかる場合には、コンテナに装着したカードに記録された情報と、ICタグ100内の情報とが一致している必要があるため、より一層セキュリティが向上する。
【0111】
[第2の実施形態]
[構成]
本実施形態は、基本的には第1の実施形態と同様の構成である。但し、図7に示すように、ICタグ100に、コンテナに配設された温度センサ111、湿度センサ112、振動センサ113が接続されている。各センサからの検出データは、ICタグ100に内蔵されたアンプ部114〜116、A/D変換部117を介して、CPU110によって処理されるように構成されている。また、ICタグ100には、CPU110からの制御信号に応じて作動するブザー118及びLED119が設けられている。CPU110は、プログラムによって、各センサからの検出値がメモリ120にあらかじめ記録された所定のしきい値を超えた場合や、所定の値の範囲外となった場合等に、異常が発生したと判定して、ブザー118を鳴らし、LED119を発光させるように、制御信号を出力する設定となっている。
【0112】
[作用]
以上のような本実施形態の作用を、図8の説明図、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、上記の第1の実施形態と共通する部分については、説明を省略する。すなわち、ICタグ100において、封印検知後、数秒間隔の周期で、無線I/F160からの電池搭載型無線タグ用電波の発信が開始し(ステップ910)、あらかじめ設定された周期が到来すると(ステップ911)、温度センサ111、湿度センサ112、振動センサ113からの検出信号が、アンプ部114〜116、A/D変換部117を介して入力され、メモリ120に記録される(ステップ912)。このような検出信号は、無線I/Fや衛星送受信機180を介して送信される(ステップ913)。なお、同様の周期で、上記の第1の実施形態と同様に、GPSによる自己の位置の算出、送信も行われる。
【0113】
そして、CPU110は、温度センサ111、湿度センサ112、振動センサ113からの検出値を、あらかじめ設定された値と比較して(ステップ914)、しきい値を超えていたり、範囲を逸脱している場合には、異常が発生したと判定する(ステップ915)。このように異常が発生した時刻と位置に関する情報を含む異常発生通知が、無線I/F160や衛星送受信機180を介して送信されるとともに、ブザー118が鳴り、LED119が発光して外部に警告される(ステップ916)。警告を、管理装置300の表示装置370に、文字、図形等を表示することにより明示してもよい。その後も、管理装置300から、封印を解除する信号を受信しない限り(ステップ909)、外部データの取得と送信が行われる(ステップ910以降)。なお、上記の第1の実施形態と同様に、コンテナが不正に開封された場合も検知され、異常発生通知が行われる。
【0114】
以上のように、コンテナが拠点内にある場合であっても、搬送のために移動中であっても、拠点送受信機700、衛星送受信機800において、位置情報とともに、センサによって検出されたコンテナの状況に関する情報を受信できるので、これを、通信ネットワークNを介して、リース会社サーバ400、船会社サーバ500、顧客端末600において受信することにより、コンテナの状況を把握できる。従って、リース会社サーバ400、船会社サーバ500、顧客端末600においては、コンテナの温度、湿度、振動等を解析することにより、内容物の劣化等を検知できる。
【0115】
また、異常が発生した場合には、ブザー118の音とLED119の光によって、付近にいる者も知ることができるので、異常事態に即座に対処できる。さらに、コンテナが目的の拠点に到着した場合には、上記の第1の実施形態と同様に、封印検知停止(ステップ917)、電波停止(ステップ918)が行われる。そして、ケーブル111を接点134から離して、封印を解く。
【0116】
[効果]
以上のような本実施形態によれば、コンテナの状況に関する情報をネットワーク経由で管理できるのみならず、異常の発生をICタグ100の周囲に即座に知らせることができるので、内容物の劣化や盗難を未然に防止できるとともに、現場にいる人間が、より一層すばやく対応することが可能となる。例えば、SUS及び金属コンテナの温度管理を一定時間毎に自動記録し、設定外温度、湿度、振動による影響が出たとき、自動的にアラームが作動することにより、生鮮食料品や高級果物、反応性の化学品、精密電子機器のダメージを低減することができる。
【0117】
[他の実施形態]
本発明は上記のような実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態のICタグにおいて、封印検知部による封印検知を有効としてから(不正開封された場合も含んで)、封印検知を無効とする間ばかりでなく、封印検知を無効とした後も、継続的に情報の記録及び送信を行うように設定してもよい。例えば、開封時間、開封されてからの累計時間、温度、湿度、振動等も記録として残すことにより、開封後のアクシデントについても記憶、送信が可能となる。
【0118】
また、システムの各構成要素の設置場所は、自由である。例えば、拠点送受信機若しくはそのアンテナの設置場所については、港湾の場合には、ガントリークレーン、ゲート、コンテナヤード、倉庫等が考えられるが、これには限定されない。拠点についても、港湾ばかりでなく、空港、集荷基地等のあらゆる場所が考えられる。サーバについても、船舶のコントロールーム、船会社の中央監視室、港の船会社事務所などが考えられるが、これには限定されない。各種センサの種類や数、取付場所についても自由である。
【0119】
通信に利用する媒体も、上記に例示した周波数の電波には限定されない。例えば、FMを利用することも考えられる。メモリに記憶する情報や記憶容量に関しても、自由である。例えば、各コンテナの、洗浄、定期検査、メンテナンス情報も記憶量(1Mbyte〜10Mbyte、100Mbyte〜100Gbyte)の増大に伴い併用することができる。内容物の画像データを入れるようにして、管理装置の表示装置に表示させるようにすれば、外国語を読めない作業員であっても、内容物の確認が可能となる。
【0120】
ICタグを付ける貨物についても、特に限定はない。例えば、封印の対象となる物としては、例えば、海上、航空、陸送の20フィートコンテナ、40フィートコンテナ、IBCコンテナ、アイソコンテナ、ドラム缶、ペール缶、ジェラルミン製貴重品保管用運搬ボックス等が考えられるが、これには限定されない。冷凍保存用コンテナ等で、コンテナに発電装置がついている場合には、ICタグの外部電源として使用することもできる。
【0121】
コンテナの場合に、FCL (Fll Full Container Load)であっても、LCL (Less Than Container Load)であってもよい。LCLの内容物の梱包毎に、ICタグによって封印したり、マジックテープを利用してRFIDカードを取り付けてもよい。これにより、コンテナの個々の内容物毎に、把握、監視することができる。例えば、ある区域にコンテナが4個あり、そのコンテナの内容物はPC、化学品、あるいは食料品であることを管理装置に表示させることができる。
【0122】
セキュリティのための認証情報に関しても、利用者の利便性との関係も考慮した上で、様々なものを適用可能である。例えば、現場登録者のサイン、筆跡、筆圧、指紋、虹彩、瞳孔、角膜、網膜、声紋、掌、静脈、顔等の生体認証、蛍光顔料やDNAインキ併用により3重4重のプロテクトを施すことが考えられる。通常のセキュリティの手法として、暗証番号を一定期間で変更したり、複数回の入力の失敗により使用不能とする方式を併用させることもできる。
【0123】
RFIDカード200やICタグ100の形状についても、図8に示すように、カード型、ピン型、コイン型、ブロック型等、種々のものが考えられ、特定のものには限定されない。錠部の具体的構成についても、電気若しくは光により接点との接離が検出可能な構成であれば、どのようなものであってもよい。接点の数も自由である。端子が一致する一組のRFIDカードの枚数も、2枚には限定されず、3枚以上であってもよい。
【0124】
また、RFIDカードやICタグの材料についても、耐候性、耐熱性、耐水性、耐薬品性の向上の為、上下をPPS、UV、ポリアミド、ポリイミド、PET、フッ素、シリコン、PEEKなど高機能樹脂及びガラスをRFIDカードやICタグの表面にコーティングあるいはフィルムでカバーすることが考えられる。また、ICの保護のため、図9に示すように、耐衝撃性、耐熱性(温度の変化を少なくする)をさらに向上させるために、カード200の上下をトップコート材、例えば、ポリミイド、フッ素、ウレタン、スチレン、シリコンなどの独立発泡剤Pでカバー後、前記樹脂でコーティングすることにより改善することもできる。さらに、火災時の保護のため、上記素材に、リン酸系、リン系、チッソ系、フェノール系などの難燃剤を配合した樹脂組成物でICタグ、RFIDカードを作成し、内部ICを保護することもできる。
【0125】
ICタグにおける封印用のケーブルについても、どのようなものを使用するかは自由である。例えば、ある固有の抵抗値を持つ導電性ケーブルを用いるとともに検知部によって抵抗値の変化を検知できる構成とすることによって、他の導体によってバイパスを設けた後に、ケーブルが切断された場合であっても、固有の抵抗値からバイパス用の導体の抵抗値への変化を検知することができるので、不正な封印解除を検出可能となる。固有の抵抗値を持つ導電性ケーブルとしては、例えば、タングステン等が考えられるが、これには限定されない。
【0126】
また、複数本の光ファイバケーブルを束ね、その端部からの出射光の陰影を記録しておくことにより、その陰影に変化があった場合に、切断や曲げ等のなんらかの不正な行為が行われたことを検知できる。この場合、例えば、複数束ねた光ファイバケーブルの一部を切断することにより、その端部の出射光がそのICタグにとって固有のユニークな陰影となるので、これをメモリにあらかじめ登録しておく。そして、ケーブルの端部における検知部に配設された感光素子や感光材料の受光結果を、あらかじめ登録しておいた陰影と照合して、変化していた場合には、何らかの不正な行為が行われたことを検知できる。例えば、一部の光ファイバケーブルが切断されたり、通常以上の圧力等が加わった場合であっても、陰影が変化する。
【0127】
ICタグ、RFIDカードにその材質に関する情報を記憶しておくこともできる。また、樹脂製コンテナの廃棄時における選別用に、コンテナに使用している樹脂の種類や焼却時における副生ガスの情報を、ICタグ、RFIDカードに入力しておき、環境対応を可能とすることもできる。
【0128】
本システムの用途としても、船舶、航空機、鉄道、トラック等による大型のコンテナの輸送には限定されない。比較的小型の荷物を輸送する宅配便や郵便などにおいても適用可能である。例えば、宅配便等において、貨物の追跡が、顧客端末においても、ICタグ及びRFIDカードを利用することで可能となる。また、個人や会社が、端末を利用して、リース会社のデータベースにアクセスしたり、衛生データからの受信データを利用することができる。
【0129】
システム内でやり取りされる情報に関しても、上記のものには限定されない。例えば、キャッチオール規制や各種の政府の規制情報を、インターネットを介して入手することにより、サーバや端末において検討することができる。さらに、セキュリティの管理を厳しくしつつ、貨物の内容物のチェックを簡便として、実際の通関手続に適用可能とすることにより、物流の効率を上げ、通関の諸問題(内容羅列問題、待ち時間の長期化等)を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の第1の実施形態における全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1のICタグと管理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1のICタグの開封時(A)、封印時(B)を示す説明図である。
【図4】図1のRFIDカードの並置時(A)、重ね合わせ時(B)を示す説明図である。
【図5】図1の実施形態の処理の流れを示す説明図である。
【図6】図1のICタグの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明のICタグの第2の実施形態を示すブロック図である。
【図8】図7の実施形態の処理の流れを示す説明図である。
【図9】図7のICタグの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】ICタグ若しくはRFIDカードの形状例を示す斜視図である。
【図11】ICタグ若しくはRFIDカードを特殊な材質とした例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0131】
100…ICタグ
110,310…CPU
111…ケーブル
111…温度センサ
112…湿度センサ
113…振動センサ
114〜116…アンプ部
117…A/D変換部
118…ブザー
120,320…メモリ
130…封印検知部
131…ケーブル
132…接点
133…検知部
134…許可部
140,340…R/W I/F
150,350…光I/F
160,360…無線I/F
170…GPS受信機
180…衛星送受信機
190,390…電源制御回路
191,391…バッテリ
200…RFIDカード
201,202…カード
203…端子
300…管理装置
330…入力装置
370…表示装置
400…リース会社サーバ
500…船会社サーバ
600…顧客端末
700…拠点送受信機
800…衛星送受信機
800…拠点送受信機
900…通信制御サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な錠部と、
前記錠部の開閉を検知する封印検知部と、
外部から封印検知を有効若しくは無効とする信号を受信する受信部と、
前記受信部が封印検知を有効とする信号を受信した場合に、前記封印検知部による検知を許可する信号を出力し、前記受信部が封印検知を無効とする信号を受信した場合に、前記封印検知部による検知を停止させる信号を出力する制御部と、
前記錠部によって封印される対象に関する情報を記録するとともに、前記錠部の開閉の検知に関する情報を記録する記録部と、
を有することを特徴とする電子封印管理タグ。
【請求項2】
前記記録部における情報の記録は、前記封印検知部が検知を停止した後も継続して行われるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の電子封印管理タグ。
【請求項3】
前記記録部に記録された情報を送信する情報送信部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子封印管理タグ。
【請求項4】
前記送受信部による情報の送信は、前記封印検知部が検知を停止した後も継続して行われるように設定されていることを特徴とする請求項3記載の電子封印管理タグ。
【請求項5】
衛星からの航法メッセージを受信するGPS受信部と、
前記GPS受信部が受信した航法メッセージに基づいて、現在位置を算出する現在位置算出部とを有し、
前記錠部によって封印される対象に関する情報には、現在位置に関する情報が含まれることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の電子封印管理タグ。
【請求項6】
外部の状態を検知するセンサが設けられ、
前記錠部によって封印される対象に関する情報には、前記センサによって検知された情報が含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子封印管理タグ。
【請求項7】
前記センサによって検知された情報とあらかじめ設定された情報に基づいて、異常の発生を判定する判定部を有し、
前記錠部によって封印される対象に関する情報には、前記判定部によって判定された異常の発生が含まれることを特徴とする請求項6記載の電子封印管理タグ。
【請求項8】
前記封印検知部が前記錠部の開状態を検知した場合若しくは前記判定部が異常が発生したと判定した場合に、警告を出力する警告出力部を有することを特徴とする請求項7記載の電子封印管理タグ。
【請求項9】
メモリ及びCPUを備えたICと、
ICと外部との無線による送受信を可能とするアンテナと、
前記IC及び前記アンテナを備えたカードと、
前記カードの外部に設けられ、前記IC若しくは前記アンテナに接続された端子と、
前記IC若しくは前記アンテナは、複数枚のカードにおける端子同士が接触している場合にのみ、動作可能となるように設定されていることを特徴とするRFIDカード。
【請求項10】
前記端子は、複数設けられていることを特徴とする請求項9記載のRFIDカード。
【請求項11】
複数の前記端子のうちの一部が、前記IC若しくは前記アンテナの動作とは関係のないダミーであることを特徴とする請求項10記載のRFIDカード。
【請求項12】
受信部が、開閉可能な錠部の封印検知を有効とする信号を受信し、
制御部が、封印検知部による検知を許可する信号を出力し、
封印検知部が、封印検知を許可され、
封印検知部が、錠部が閉状態となって対象物に取り付けられていることを検知した場合に、これを記録部が記録し、
記録部が、対象物に関する情報を記録し、
封印検知部が、錠部の開状態を検知した場合に、これを記録部が記録し、
受信部が、封印検知を無効とする信号を受信し、
制御部が、封印検知部による検知を停止させる信号を出力し、
封印検知部が、封印検知を停止することを特徴とする電子封印管理タグによる封印方法。
【請求項13】
前記記録部は、前記封印検知部が検知を停止した後も継続して情報を記録することを特徴とする請求項12記載の電子封印管理タグによる封印方法。
【請求項14】
情報送信部が、記録部に記録された情報を送信することを特徴とする請求項12又は請求項13記載の電子封印管理タグによる封印方法。
【請求項15】
前記送受信部は、前記封印検知部が検知を停止した後も継続して情報を送信することを特徴とする請求項14記載の電子封印管理タグによる封印方法。
【請求項16】
GPS受信機が、衛星からの航法メッセージを受信し、
GPS受信部が受信した航法メッセージに基づいて、現在位置を算出し、
算出された現在位置に関する情報を記録部に記録し、
記録部に記録された現在位置に関する情報を、情報送信部が送信することを特徴とする請求項14又は請求項15記載の電子封印管理タグによる封印方法。
【請求項17】
センサが外部の状態を検知し、
検知された外部の状態に関する情報を記録部に記録し、
記録部に記録された外部の状態に関する情報を、情報送信部が送信することを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の電子封印管理タグによる封印方法。
【請求項18】
センサによって検知された情報とあらかじめ設定された情報に基づいて、異常の発生を判定し、
発生した異常に関する情報を記録部に記録し、
記録部に記録された異常に関する情報を、情報送信部が送信することを特徴とする請求項17記載の電子封印管理タグによる封印方法。
【請求項19】
封印検知部が錠部の開状態を検知した場合若しくは判定部が異常が発生したと判定した場合に、警告出力部が警告を出力することを特徴とする請求項18記載の電子封印管理タグによる封印方法。
【請求項20】
外部に端子が設けられた複数枚のRFIDカードにおけるCPUが、その端子が互いに接触している場合にのみ、メモリへの読み書きを許可することを特徴とするRFIDカードへの情報記録方法。
【請求項21】
前記端子は複数であることを特徴とする請求項20記載のRFIDカードへの情報記録方法。
【請求項22】
複数の前記端子のうちの一部が、メモリへの読み書きの許可とは関係のないダミーであることを特徴とする請求項21記載のRFIDカードへの情報記録方法。
【請求項23】
電子封印管理タグに内蔵されたコンピュータにより実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
開閉可能な錠部の封印検知を有効とする信号を受信させ、
封印検知を許可させ、
錠部が閉状態となって対象物に取り付けられていることを検知した場合に、これを記録させ、
対象物に関する情報を記録させ、
錠部の開状態を検知した場合に、これを記録させ、
封印検知を無効とする信号を受信させ、
封印検知を停止させることを特徴とする電子封印管理タグによる封印用プログラム。
【請求項24】
前記コンピュータに、前記封印検知を停止した後も継続して情報を記録させることを特徴とする請求項23記載の電子封印管理タグによる封印用プログラム。
【請求項25】
前記コンピュータに、記録された情報を送信させることを特徴とする請求項23又は請求項24記載の電子封印管理タグによる封印用プログラム。
【請求項26】
前記コンピュータに、前記封印検知を停止した後も継続して情報を送信させることを特徴とする請求項25記載の電子封印管理タグによる封印用プログラム。
【請求項27】
前記コンピュータに、
衛星からの航法メッセージを受信させ、
受信した航法メッセージに基づいて、現在位置を算出させ、
算出された現在位置に関する情報を記録させ、
記録部に記録された現在位置に関する情報を送信させることを特徴とする請求項25又は請求項26記載の電子封印管理タグによる封印用プログラム。
【請求項28】
前記コンピュータに、
センサが検知した外部の状態に関する情報を記録させ、
記録された外部の状態に関する情報を送信させることを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項に記載の電子封印管理タグによる封印用プログラム。
【請求項29】
前記コンピュータに、
センサによって検知された情報とあらかじめ設定された情報に基づいて、異常の発生を判定させ、
発生した異常に関する情報を記録させ、
記録された異常に関する情報を送信させることを特徴とする請求項28記載の電子封印管理タグによる封印用プログラム。
【請求項30】
前記コンピュータに、
錠部の開状態を検知した場合若しくは異常が発生したと判定した場合に、警告を出力させることを特徴とする請求項29記載の電子封印管理タグによる封印用プログラム。
【請求項31】
外部に端子が設けられた複数枚のRFIDカードに内蔵されたコンピュータにより実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
複数枚のRFIDカードの端子が互いに接触している場合にのみ、メモリへの読み書きを許可させることを特徴とするRFIDカードへの情報記録用プログラム。
【請求項32】
前記端子は複数であることを特徴とする請求項31記載のRFIDカードへの情報記録用プログラム。
【請求項33】
複数の前記端子のうちの一部が、メモリへの読み書きの許可とは関係のないダミーであることを特徴とする請求項32記載のRFIDカードへの情報記録用プログラム。
【請求項34】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子封印管理タグを、輸送物の封印に用いる電子封印管理タグ利用輸送管理システムにおいて、
前記電子封印管理タグに、封印検知を有効若しくは無効とする信号及び搬送物に関する情報を、無線により送受信する送受信部を備え、有線若しくは無線により通信ネットワークに接続された管理装置を有することを特徴とする電子封印管理タグ利用輸送管理システム。
【請求項35】
輸送物の封印に用いられる請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子封印管理タグと、前記電子封印管理タグと共通する輸送物に関する情報を記録する請求項9〜11のいずれか1項に記載のRFIDカードとを備えた電子封印管理タグ利用輸送管理システムにおいて、
前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードと無線により通信可能な送受信部と、前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードがともに通信可能な位置にある場合にのみ、前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードへの輸送物に関する情報の読み書きを可能とする制御部とを有する管理装置を有し、
前記管理装置は、有線若しくは無線により通信ネットワークに接続されていることを特徴とする電子封印管理タグ利用輸送管理システム。
【請求項36】
輸送物の封印に用いられる請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子封印管理タグと、前記電子封印管理タグと共通する輸送物に関する情報を記録した請求項9〜11のいずれか1項に記載のRFIDカードとを備えた電子封印管理タグ利用輸送管理システムにおいて、
前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードと無線により通信可能な送受信部と、前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードがともに通信可能な位置にある場合にのみ、前記電子封印管理タグ及び前記RFIDカードへの輸送物に関する情報の読み書きを可能とする制御部とを有する管理装置を有し、
前記管理装置には、複数の組のRFIDカードに記録された情報を互いに照合する照合手段が接続されていることを特徴とする電子封印管理タグ利用輸送管理システム。
【請求項37】
輸送物に関する情報が記録された請求項9〜11のいずれか1項に記載のRFIDカードを、複数組備えたRFIDカード利用輸送管理システムにおいて、
前記RFIDカードと無線により通信可能な送受信部と、前記RFIDカードへの輸送物に関する情報の読み書きを行う制御部とを有する管理装置が、複数の地点に設けられ、
前記管理装置には、複数の組のRFIDカードに記録された情報を互いに照合する照合手段が接続されていることを特徴とするRFIDカード利用輸送管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−161302(P2006−161302A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−350719(P2004−350719)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.マジックテープ
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【出願人】(597077469)丸紅ケミックス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】