説明

電子放出素子、これを備えた電子放出ディスプレイ装置、及びその製造方法

【課題】電子放出素子、これを備えた電子放出ディスプレイ装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1基板210と、第1基板上に配置されたカソード電極220と、カソード電極220と電気的に絶縁されるように配置されたゲート電極240と、カソード電極220とゲート電極との間に配置されてカソード電極220とゲート電極240とを絶縁する絶縁体層230と、カソード電極220上に配置された触媒成長層225と、触媒成長層225から垂直成長させて形成配置された炭素ナノチューブを備える電子放出源と、を備える電子放出素子。これにより、電子放出素子の動作電圧を低下させることができ、このような電子放出素子を採用したディスプレイ装置は電力の消費を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子放出素子、これを備えた電子放出ディスプレイ装置、及びその製造方法に関し、より詳細には、触媒成長層を備えることによって、動作電圧を低下させた電子放出素子と、これを備えることによって電力消費を低減させた電子放出ディスプレイ装置と、電子放出素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に電子放出素子は、電子放出源として熱陰極を利用する方式と冷陰極を利用する方式とがある。冷陰極を利用する方式の電子放出素子としては、FEA(Field Emitter Array)型、SCE(Surface Conduction Emitter)型、MIM(Metal Insulator Metal)型及びMIS(Metal Insulator Semiconductor)型、BSE(Ballistic electron Surface Emitting)型などが知られている。
【0003】
前記FEA型は、仕事関数が低いか、β関数の高い物質を電子放出源として使用する場合に、真空中で電位差によって容易に電子が放出される原理を利用したものであり、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)などを主材質とする先端がとがっているチップ構造物や、グラファイト、DLC(Diamond Like Carbon)などの炭素系物質、そして最近ナノチューブやナノワイヤーのようなナノ構造物を電子放出源として適用した素子が開発されている。
【0004】
前記SCE型は、第1基板上に互いに対向して配置された第1電極と第2電極との間に導電薄膜を提供し、前記導電薄膜に微細な隙間を提供することによって電子放出源を形成した素子である。前記素子は、前記電極に電圧を印加すると、前記導電薄膜表面に電流が流れ、微細な隙間の電子放出源から電子が放出される原理を利用する。
【0005】
前記MIM型とMIS型電子放出素子は、それぞれ金属−誘電層−金属(MIM)と金属−誘電層−半導体(MIS)構造を有する電子放出源を含み、誘電層を介して位置する二つの金属、または金属と半導体との間に電圧を印加することによって、高い電子電位を有する金属または半導体から、低い電子電位を有する金属方向へ電子が加速及び移動されて放出される原理を利用した素子である。
【0006】
前記BSE型は、半導体のサイズを半導体中の電子の平均自由行程より小さくすると電子が散乱せずに進行する原理を利用して、オーミック電極上に金属または半導体からなる電子供給層を形成し、電子供給層上に絶縁体層と金属薄膜とを形成してオーミック電極と金属薄膜とに電圧を印加することによって電子を放出させる素子である。
【0007】
このうち、FEA型電子放出素子は、カソード電極とゲート電極との配置形態によってトップゲート型とアンダーゲート型とに大別でき、使われる電極の数によって2極管、3極管または4極管に分けられる。FEA型電子放出素子を用いてディスプレイ装置を実現する場合の例が図1及び図2に示されている。
【0008】
図1は、従来のトップゲート型電子放出ディスプレイ装置の概略的な構成を示す部分斜視図であり、図2は、図1のII−II線の断面図である。
【0009】
図1及び図2に示すように、従来の電子放出ディスプレイ装置100は、平行に配置されて真空の発光空間103を形成する電子放出素子101及び前面パネル102と、前記電子放出素子101と前面パネル102との間隔を維持するスペーサ60を備える。
【0010】
前記電子放出素子101は、第1基板110、前記第1基板110上に交差されるように配置されたゲート電極140、カソード電極120、及び前記ゲート電極140と前記カソード電極120との間に配置されて前記ゲート電極140と前記カソード電極120とを電気的に絶縁する絶縁体層130を備える。
【0011】
前記ゲート電極140と前記カソード電極120とが交差する領域には電子放出源ホール131が形成されており、その内部に電子放出源150が配置されている。
【0012】
前記前面パネル102は、第2基板90、前記第2基板90の底面に配置されたアノード電極80、前記アノード電極80の底面に配置された蛍光体層70を備える。
【0013】
化学的気相蒸着(Chemical Vapor Deposition;CVD)法を利用し、炭素ナノチューブ(Carbon Nano Tube:CNT)を直接合成して電子放出源を作製する場合において、トップゲート型構造の電子放出素子は、カソード内のガスフローが乏しいために長いCNTの合成が容易ではない。したがって、電子放出源のCNTの終端からゲート電極までの距離が遠くなってゲート電圧が高くなるという問題点があった。
【特許文献1】韓国特許公開第2005−0042380号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は前記のような問題点を解決するためのものであり、本発明の目的は、触媒成長層を備えることによって、動作電圧を低下させた電子放出素子と、これを備えることによって電力消費を低減させたディスプレイ装置とを提供することである。
【0015】
また、このような電子放出素子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の目的を達成するために、本発明は、第1基板と、前記第1基板上に配置されたカソード電極と、前記カソード電極と電気的に絶縁されるように配置されたゲート電極と、前記カソード電極と前記ゲート電極との間に配置されて前記カソード電極と前記ゲート電極とを絶縁する絶縁体層と、前記カソード電極上に配置された触媒成長層と、前記触媒成長層から垂直成長させて形成されたCNTを備える電子放出源と、を備える電子放出素子を提供する。
【0017】
また、前記の目的を達成するために、本発明は、第1基板と、前記第1基板上に配置された複数のカソード電極と、前記カソード電極と交差するように配置された複数のゲート電極と、前記カソード電極と前記ゲート電極との間に配置されて前記カソード電極と前記ゲート電極とを絶縁する絶縁体層と、前記カソード電極と前記ゲート電極とが交差する領域に形成された電子放出源ホールと、前記カソード電極上に配置された触媒成長層と、前記触媒成長層から垂直成長させて形成されたCNTを備える電子放出源と、前記第1基板と実質的に平行に配置される第2基板と、前記第2基板に配置されたアノード電極と、前記アノード電極に配置された蛍光体層と、を備えることを特徴とする電子放出ディスプレイ装置を提供する。
【0018】
また、前記の他の目的を達成するために、本発明は、基板、カソード電極、絶縁体層、及びゲート電極を順次形成する工程(a)と、前記ゲート電極の上面にフォトレジストによって所定の厚さのマスクパターンを形成する工程(b)と、前記マスクパターンを利用してゲート電極、絶縁体層を部分エッチングして電子放出源ホールを形成する工程(c)と、前記カソード電極上に触媒金属粒子を提供し、前記電子放出源ホール内に一酸化炭素及び水素ガスを投入して300ないし350℃の温度に加熱して触媒成長層を形成する工程(d)と、前記触媒金属粒子をCVD法によって垂直成長させてCNTを作製する工程(e)と、を含む電子放出素子の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電子放出素子の動作電圧を低下させることができ、このような電子放出素子を採用したディスプレイ装置は電力の消費を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付された図面を参照して本発明による電子放出素子の望ましい実施形態を詳細に説明する。
【0021】
図3は、本発明の一実施形態による電子放出素子とこれを利用して具現したディスプレイ装置の構成を概略的に示す図であり、図4は、図3のIV部分の拡大図である。
【0022】
図3に示すように、本発明の第1実施形態による電子放出素子201は、第1基板210、カソード電極220、ゲート電極240、第1絶縁体層230、触媒成長層225、及び電子放出源231を備える。
【0023】
前記第1基板210は、所定の厚さを有する板状の部材であり、石英ガラス、少量のNaのような不純物を含むガラス、板ガラス、SiOがコーティングされたガラス基板、酸化アルミニウム、またはセラミック基板が使われうる。また、フレキシブルディスプレイ装置を具現する場合には柔軟な材質が使われることもある。
【0024】
前記カソード電極220は、前記第1基板210上に一方向に延びるように配置され、例えば、Al、Ti、Cr、Ni、Au、Ag、Mo、W、Pt、Cu、Pdなどの金属またはその合金などの通常の導電物質からなりうる。さらに、前記カソード電極220は、ガラス及びPd、Ag、RuO、Pd−Agなどの金属または金属酸化物から構成される印刷された導電体、InまたはSnOなどの透明導電体、あるいは多結晶シリコンなどの半導体物質からなりうる。
【0025】
前記ゲート電極240は、前記カソード電極220に対して前記絶縁体層230を介して配置され、前記カソード電極220のように通常の導電物質からなりうる。
【0026】
前記絶縁体層230は、前記ゲート電極240と前記カソード電極220との間に配置されて前記カソード電極220とゲート電極240とを絶縁することによって二つの電極がショートすることを防止する。
【0027】
前記電子放出源231は、前記カソード電極220と通電されるように配置され、前記ゲート電極240より低い位置に配置される。前記電子放出源231の材料としては、針状構造を有するものならばいずれも使われうる。特に、仕事関数が小さく、β関数の大きいCNT、グラファイト、ダイアモンド、及びダイアモンド状カーボンなどの炭素系物質からなることが望ましい。特に、CNTは電子放出特性に優れているので、低電圧駆動が容易である。したがって、これを電子放出源として使用することによって、大規模なディスプレイ装置を生産する上で有利である。
【0028】
本実施形態による電子放出源231は、化学気相蒸着(Chemical VaporDeposition:CVD)成長法として、所定のピクセル内に選択的に触媒金属粒子を直接成長合成する方法によって作製されうる。電子放出源ホール内に触媒成長層225を形成し、触媒金属粒子をCVD法により安定した高効率のCNTを垂直成長させる。
【0029】
CVD法を利用した直接成長合成方法は、非常に局部的に高い電流密度を実現しつつも電流の調節を容易にするという長所がある。
【0030】
直接基板上の所望の領域にCNTを生成するためには、まず触媒の役割を担う触媒金属が必要である。その材料としては、コバルト(Co)、鉄(Fe)、またはニッケル(Ni)などが主に使われ、その蒸着方法は主にDCあるいはRFスパッタリング法を利用できる。前記の方法を利用して1〜50nmの厚さに蒸着すれば、これはCNTを成長させる触媒の役割を担う。
【0031】
一般的に、触媒金属が蒸着形成された基板上にCVD法を利用してCNTを成長させる場合、その基板上の触媒金属の有無によって任意に選択的に蒸着を行える。すなわち、触媒金属が形成されていない部分は全くCNTが蒸着成長されない。
【0032】
したがって、本実施形態では、CNTを成長させる領域にのみ触媒金属を形成し、CNTをCVD法を利用して選択的に形成させて電子放出源231を形成する。
【0033】
図3と共に図4を参照すれば、第1基板210上に、カソード電極220、ゲート電極240、絶縁体層230、及び電子放出源231が形成される。カソード電極220上に触媒成長層225が形成される。具体的には、カソード電極220上において絶縁体層230で覆われていない領域の少なくとも一部に触媒成長層225が選択的に形成される。次いで、前記触媒成長層225の上部にCNT350が形成されることによって電子放出源231が形成される。触媒成長層225を形成することによって、結果的に電子放出源231のCNT350の高さがより高まり、ゲート電極240との距離を短縮させて走査電圧(scan voltage)を低くする効果が得られる。
【0034】
前記触媒成長層225は、触媒金属を含んでおりカーボンナノチューブの触媒成長を促進する層であって、好ましくは、金属触媒粒子を含む炭化層(char layer)であり、厚さは0.1ないし2μmであることが望ましい。この炭化層は、主に非晶質炭素よりなる。触媒成長層225の厚さが前記範囲を外れる場合に動作電圧を低下させる効果が顕著に減少する。
【0035】
触媒成長層225及びCNT350を作製する方法は、まず、カソード電極に一酸化炭素及び水素ガスを流して触媒金属を形成し、得られた構造物を300ないし350℃の温度に加熱すると触媒成長層225を得ることができる。触媒成長層225の厚さは0.1ないし2μmであることが望ましい。一酸化炭素及び水素ガスの圧力、反応温度、及び反応時間を調節することで触媒成長層225の厚さを調節できる。一酸化炭素及び水素ガスの圧力は50〜300torrが適当であり、10分ないし30分間反応させることが望ましい。
【0036】
前記触媒成長層225の形成後に350ないし450℃の温度に加熱してCNTを成長させる。前記CNT350は、触媒成長層225を通じてカソード電極220と通電される。
【0037】
図5は、本発明の一実施形態による電子放出源の写真である。図5を参照すれば、カソード電極(示されず)上に形成された触媒成長層470を確認することができる。
【0038】
これまで説明したような構成を有する電子放出素子は、カソード電極に負の電圧を印加し、ゲート電極に正の電圧を印加して、前記電子放出源から電子を均一に放出させることができる。
【0039】
前記電子放出素子は可視光線を発生させて画像を形成するディスプレイ装置に利用できる。
【0040】
図3を再び参照すれば、本発明の一実施形態による電子放出ディスプレイ装置200は、本発明による電子放出素子201の第1基板210と平行に配置される第2基板290、前記第2基板290上に設けられるアノード電極280、及び前記アノード電極280に設けられる蛍光体層270をさらに備える。
【0041】
また、単純にランプとして可視光線を発生させるものではなく画像を形成するためには、前記カソード電極220と前記ゲート電極240とが互いに交差するように配置されることが望ましい。
【0042】
また、前記ゲート電極240と前記カソード電極220とが交差する領域には電子放出源ホールが形成されて、その内部に電子放出源231を配する。電子放出源の製造方法は前述した通りである。
【0043】
前記第1基板210を備える電子放出素子201と前記第2基板290を備える前面パネル202とは、互いに所定の間隔を維持しつつ対向して発光空間を形成する。前記電子放出素子201と前面パネル202との間隔を維持するためにスペーサ260が配置される。前記スペーサ260は絶縁物質で形成されうる。
【0044】
また、内部の真空を維持するためにフリットで電子放出素子201と前面パネル102とが画定する空間の周囲を密封し、内部の空気などを排気する。
【0045】
このような構成を有する電子放出ディスプレイ装置200は、次のように動作する。
【0046】
カソード電極220に負の電圧を印加し、ゲート電極240に正の電圧を印加すると、カソード電極220に設けられた電子放出源231から電子が放出される。さらに、アノード電極280に強い正の電圧を印加すると、放出された電子は、アノード電極280の方向に加速される。このように電圧が印加されれば、電子放出源231を構成する針状の物質から電子が放出され、ゲート電極240に向かって進行し、アノード電極280に向かって加速される。アノード電極280に向かって加速された電子は、アノード電極280側に位置する蛍光体層270に衝突して可視光線を発生させる。
【0047】
前記電子放出素子201は下記のように作製されうる。まず、第1基板210、カソード電極220、絶縁体層230、及びゲート電極240を順次所定の厚さに積層する。積層は薄膜形成工程で行うことが望ましい。
【0048】
次いで、前記ゲート電極240の上面に所定の厚さのマスクパターンを形成する。前記マスクパターンの形成は、電子放出源ホールを形成するためのものであり、フォトレジスト(Photo Resist:PR)を塗布してUVやEビームを利用してパターンを形成するフォトリソグラフィ工程により行われる。
【0049】
次いで、前記マスクパターンを利用してゲート電極240、絶縁体層230をエッチングして電子放出源ホールを形成する。なお、触媒成長層を形成し易くするために、カソード電極の表面を一部エッチング処理することがある。エッチング工程は、ゲート電極240、絶縁体層230、及びカソード電極220の材料、厚さなどを考慮してエッチング液を利用するドライエッチング、腐食性ガスを利用するウェットエッチングまたはイオンビームなどを利用するマイクロマシニング方式により行われうる。
【0050】
前記カソード電極220上に触媒金属粒子を提供し、前記電子放出源ホール内に一酸化炭素及び水素ガスを投入し、300ないし350℃の温度に加熱して触媒成長層225を形成させる。前記触媒成長層の厚さは0.1ないし2μmであることが望ましく、触媒成長層の厚さが前記範囲を外れる場合に、前述したように動作電圧を低下させる効果が顕著に減少する。
【0051】
前記触媒成長層225が形成された後、前記触媒金属粒子をCVD法によって垂直成長させてCNT350を作製する。望ましくは、前記CNT350を垂直成長させるために電子放出源ホールを400ないし450℃に加熱する。
【0052】
図6は、本発明の他の実施形態による電子放出素子の概略的な構成を示す部分断面図である。図6を参照すれば、前記電子放出素子は、前述した一実施形態の電子放出素子の構造に第2絶縁体層435及び集束電極445が追加されたものである。
【0053】
前記集束電極445は、前記第2絶縁体層435によりゲート電極440と電気的に絶縁され、前記ゲート電極と平行な方向に設けられる。また、カソード電極420とゲート電極440とにより形成される電界により、電子放出源425から放出される電子を、できる限り図3に示すような前面パネル202のアノード電極280に向かって直進させる機能を有する。前記集束電極445の材料は、カソード電極420及びゲート電極と同じく導電性に優れた材料である。このように集束電極445をさらに備える電子放出素子の場合に、電子放出源から放出される電子放出を均一にすることができる。
【0054】
図7は、本発明の実施形態による電子放出素子を備えたディスプレイ装置及び従来技術による電子放出素子を備えたディスプレイ装置のゲート電圧に対するアノード電流を示すグラフである。図7を参照すれば、本発明による電子放出素子を備えたディスプレイ装置が、従来技術による電子放出素子を備えたディスプレイ装置より顕著に低い動作電圧を示すということが分かる。
【0055】
本発明は図面に示された実施形態を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば形式および詳細についての多様な変形が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、ディスプレイ関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】従来の電子放出素子及びディスプレイ装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による電子放出素子及びディスプレイ装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図4】図3のIV部分の拡大図である。
【図5】本発明の一実施形態による電子放出素子の写真である。
【図6】本発明の他の実施形態による電子放出素子の構成を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明の一実施形態による電子放出素子を備えたディスプレイ装置及び従来技術による電子放出素子を備えたディスプレイ装置のゲート電圧に対するアノード電流を示すグラフである。
【符号の説明】
【0058】
60,260 スペーサ、
70,270 蛍光体層、
80,280 アノード電極、
90,290 第2基板、
100,200 電子放出ディスプレイ装置、
101,201 電子放出素子、
102,202 前面パネル、
103,203 発光空間、
110,210 第1基板、
120,220 カソード電極、
130,230 絶縁体層、
150,231 電子放出源、
435 第2絶縁体層、
140,240 ゲート電極、
445 集束電極、
225,470 触媒成長層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板上に配置されたカソード電極と、
前記カソード電極と電気的に絶縁されるように配置されたゲート電極と、
前記カソード電極と前記ゲート電極との間に配置されて前記カソード電極と前記ゲート電極とを絶縁する絶縁体層と、
前記カソード電極上に配置された触媒成長層と、
前記触媒成長層から垂直成長させて形成された炭素ナノチューブを備える電子放出源と、を備える電子放出素子。
【請求項2】
前記触媒成長層は、金属触媒粒子を含む炭化層であることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
【請求項3】
前記触媒成長層の厚さは、0.1ないし2μmであることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
【請求項4】
前記炭素ナノチューブは、前記触媒成長層を通じて前記カソード電極と通電されることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
【請求項5】
前記ゲート電極の上側を覆う第2絶縁体層と、
前記第2絶縁体層により前記ゲート電極と絶縁され、前記ゲート電極と平行な方向に配置された集束電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
【請求項6】
前記カソード電極と前記ゲート電極とは互いに交差する方向に伸延されることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
【請求項7】
第1基板と、
前記第1基板上に配置された複数のカソード電極と、
前記カソード電極と交差するように配置された複数のゲート電極と、
前記カソード電極と前記ゲート電極との間に配置されて前記カソード電極と前記ゲート電極とを絶縁する絶縁体層と、
前記カソード電極と前記ゲート電極とが交差する領域に形成された電子放出源ホールと、
前記カソード電極上に配置された触媒成長層と、
前記触媒成長層から垂直成長させて形成された炭素ナノチューブを備える電子放出源と、
前記第1基板と実質的に平行に配置される第2基板と、
前記第2基板に配置されたアノード電極と、
前記アノード電極に配置された蛍光体層と、を備えることを特徴とする電子放出ディスプレイ装置。
【請求項8】
前記触媒成長層は、金属触媒粒子を含む炭化層であることを特徴とする請求項7に記載の電子放出ディスプレイ装置。
【請求項9】
前記触媒成長層の厚さは、0.1ないし2μmであることを特徴とする請求項7に記載の電子放出ディスプレイ装置。
【請求項10】
前記炭素ナノチューブは、前記触媒成長層を通じて前記カソード電極と通電されることを特徴とする請求項7に記載の電子放出ディスプレイ装置。
【請求項11】
前記ゲート電極の上側を覆う第2絶縁体層と、
前記第2絶縁体層により前記ゲート電極と絶縁され、前記ゲート電極と平行な方向に配置された集束電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の電子放出ディスプレイ装置。
【請求項12】
基板、カソード電極、絶縁体層、及びゲート電極を順次形成する工程(a)と、
前記ゲート電極の上面に、フォトレジストによって所定の厚さのマスクパターンを形成する工程(b)と、
前記マスクパターンを利用して前記ゲート電極、前記絶縁体層を部分エッチングして電子放出源ホールを形成する工程(c)と、
前記カソード電極上に触媒金属粒子を提供し、前記電子放出源ホール内に一酸化炭素及び水素ガスを投入して300ないし350℃の温度に加熱して触媒成長層を形成する工程(d)と、
前記触媒金属粒子を化学的気相蒸着法によって垂直成長させて炭素ナノチューブを作製する工程(e)と、を含む電子放出素子の製造方法。
【請求項13】
前記工程(e)で、電子放出源ホールを400ないし450℃に加熱することを特徴とする請求項12に記載の電子放出素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−226825(P2008−226825A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21076(P2008−21076)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】