説明

電子機器及びナビゲーション装置

【課題】電力消費量の低減を好適に図る。
【解決手段】各種情報を表示する表示部2と、表示部に電源を供給する電源部7とを備える携帯可能なナビゲーション装置100であって、当該ナビゲーション装置の各種操作の実行指示を音声を介して入力する音声入力部4と、ユーザによる所定操作に基づいて実行指示を入力する操作入力部3と、音声入力部を介して実行指示が入力されたと判定された場合に、表示部に対する電源部からの電源供給を停止させる処理を行うCPU8とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声により操作する電子機器及びナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用して現在位置を測位し、その測位した現在位置を地図情報とともに表示画面上に表示するナビゲーション装置が知られている。
【0003】
ところで、従来から、ナビゲーション装置の消費電力を抑えるために、ユーザによる操作が所定時間ない場合に、バックライトを減光させたり消灯させる技術が開発されている。また、本体にユーザの指やペン等が接触しているか否かを検出して、非接触状態となった場合に、バックライトを消灯させる等の節電処理を行う方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、自車が高速道路や有料道路等の主要道路を走行している際には、ナビゲーションが不必要であると判定し、ナビゲーションが不必要であると判定した場合には、表示画面のバックライトを消灯させるナビゲーションシステムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6−119090号公報
【特許文献2】特開平8−54249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1等のように、ユーザによる所定操作がなくなってからの経過時間が所定時間を超えたか否かに基づいて、バックライトの調光を制御する構成の場合、判定のための時間を短く設定すると、通常の使用状態で省電力機能が頻繁に働いてしまい、また、長く設定すると、省電力機能が働きにくくなり当該省電力の効果が発揮されないといった問題がある。
【0005】
ところで、近年では、表示部とタッチパネルが一体となって設けられたナビゲーション装置が開発され、当該ナビゲーション装置の各種操作をより容易に行うことができるようになっている。
かかる場合、ユーザはナビゲーション装置の操作のために表示画面を注視しなければならないが、表示画面を視ることができないような状況下にあっては、当該ナビゲーション装置の操作を適正に行うことができないにもかかわらず、表示部には各種情報が表示された状態となっており、電力消費量の低減の観点からは好ましくない。
特に、車両に着脱自在に設けられるポータブル型のナビゲーション装置の場合、車両から給電しない状態では、充電池により駆動するため、より長時間の駆動を確保するためには、できる限り電力消費量の低減を図る必要がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、電力消費量の低減を好適に図ることができる電子機器及びナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
各種情報を表示する表示手段と、前記表示手段に電源を供給する電源部とを備える電子機器であって、
当該電子機器の各種操作の実行指示を音声を介して入力する第1の実行指示入力手段と、
前記音声とは異なる他の手段を介して前記実行指示を入力する第2の実行指示入力手段と、
前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が入力されたか否かを判定する音声入力判定手段と、
前記音声入力判定手段により前記実行指示が入力されたと判定された場合に、前記表示手段に対する前記電源部からの電源供給を停止させる電源停止制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、
前記音声入力判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が所定回数連続して入力されたか否かを判定する入力回数判定手段を備え、
前記電源停止制御手段は、前記入力回数判定手段により前記実行指示が所定回数連続して入力されたと判定された場合に、前記電源供給を停止させることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電子機器において、
前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が入力されてからの時間を計時する計時手段を備え、
前記入力回数判定手段は、前記計時手段による計時が開始されてから所定時間内に、前記実行指示が所定回数連続して入力されたか否かを判定することを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器において、
当該電子機器は、携帯可能に構成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の発明は、
現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段により測位された現在位置を表示する表示手段と、前記表示手段に電源を供給する電源部とを備える携帯可能なナビゲーション装置であって、
当該電子機器の各種操作の実行指示を音声を介して入力する第1の実行指示入力手段と、
前記音声とは異なる他の手段を介して前記実行指示を入力する第2の実行指示入力手段と、
前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が入力されたか否かを判定する音声入力判定手段と、
前記音声入力判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が所定回数連続して入力されたか否かを判定する入力回数判定手段と、
前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が入力されてからの時間を計時する計時手段と、
前記計時手段による計時が開始されてから所定時間内に、前記入力回数判定手段により前記実行指示が所定回数連続して入力されたと判定された場合に、前記表示手段に対する前記電源部からの電源供給を停止させる電源停止制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、音声を介した各種操作の実行指示が入力された場合、即ち、音声とは異なる所定の操作手段の操作といった他の手段を介した各種操作の実行指示を入力することができない状況下にて、表示手段に対する電源部からの電源供給を停止させて、電力消費量の低減を好適に図ることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、音声を介した各種操作の実行指示が所定回数連続して入力された場合に、表示手段に対する電源部からの電源供給を停止させることで、電源供給の停止タイミングを適正化することができ、電力消費量の低減をより好適に図ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、計時手段による計時が開始されてから所定時間内に、音声を介した各種操作の実行指示が所定回数連続して入力された場合に、表示手段に対する電源部からの電源供給を停止させることで、電源供給の停止タイミングを適正化することができ、電力消費量の低減をより好適に図ることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、携帯可能に構成された電子機器にて、電力消費量の低減をより好適に図ることができ、より長時間連続して使用することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、携帯可能なナビゲーション装置にて、音声とは異なる所定の操作手段の操作といった他の手段を介した各種操作の実行指示を入力することができない状況下にて、音声を介した各種操作の実行指示が入力されて、計時手段による計時が開始されてから所定時間内に、音声を介した各種操作の実行指示が所定回数連続して入力されると、表示手段に対する電源部からの電源供給を停止させることで、電源供給の停止タイミングを適正化することができ、電力消費量の低減をより好適に図ることができる。
特に、携帯可能に構成されたナビゲーション装置にて、電力消費量の低減をより好適に図ることができ、より長時間連続して使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した好適な一実施形態として例示するナビゲーション装置100の要部構成を示すブロック図である。
【0018】
本実施形態のナビゲーション装置100は、例えば、自動車等の車両に後付け可能に構成されたポータブル型のカーナビゲーション装置である。
具体的には、図1に示すように、ナビゲーション装置100は、GPSアンテナ1と、表示部2と、操作入力部3と、音声入力部4と、音声出力部5と、計時部6と、電源部7と、CPU(Central Processing Unit)8と、RAM(Random Access Memory)9と、記憶部10等を備えて構成されている。
【0019】
GPSアンテナ1は、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星から送信されるGPS信号(例えば、アルマナック(概略軌道情報)やエフェメリス(詳細軌道情報)など)を受信して、当該受信したGPS信号をCPU8に出力する。
【0020】
表示部2は、例えば、液晶表示機器(図示略)等から構成され、CPU8から入力される表示信号に従って、所与の表示処理を行う。
具体的には、表示部2は、CPU8の制御下における測位処理(後述)にて測位された現在位置を記憶部10の地図情報データベース10a(後述)に記憶された地図情報とともに表示画面(図示略)に表示する。
ここで、表示部2は、各種情報を表示する表示手段を構成している。
【0021】
操作入力部3は、ユーザによる所定操作に基づいて当該ナビゲーション装置100の各種操作の実行指示を入力するためのものであり、例えば、タッチパネル31や、文字/数字キー(図示略)や、各種機能キー(図示略)等を備えている。
タッチパネル31は、表示部2と一体となって設けられ、表示画面に接触するユーザの手やペン等の接触位置を検出する。即ち、タッチパネル31は、例えば、表示画面上或いは表示画面よりも内側に設けられ、抵抗膜方式、超音波表面弾性波方式、静電容量方式等の方式により、表示画面上における接触位置のXY座標を検出する。そして、タッチパネル31は、接触位置のXY座標に係る位置信号をCPU8に出力する。
ここで、操作入力部3は、音声とは異なる他の手段を介して当該ナビゲーション装置100の実行指示を入力する第2の実行指示入力手段を構成している。
【0022】
なお、操作入力部3は、例えば、ナビゲーション装置100本体を遠隔操作するためのリモートコントローラ等の外部操作機器を備える構成であっても良い。
【0023】
音声入力部4は、ユーザから発せられた音声に従って当該ナビゲーション装置100の各種操作の実行指示に係る音声操作実行指示を入力するためのものであり、例えば、マイク41等を備えている。具体的には、音声入力部4は、マイク41により集音された音声に係る音声情報をCPU8に出力する。
ここで、音声入力部4は、当該ナビゲーション装置100の各種操作の実行指示を音声を介して入力する第1の実行指示入力手段を構成している。
【0024】
音声出力部5は、例えば、スピーカ機器(図示略)等を備えて構成され、CPU8から入力される制御信号に従って、所与の音声出力処理を行う。
具体的には、音声出力部5は、CPU8の制御下における測位処理にて測位された現在位置等に関する音声情報に基づいて所定の音声をスピーカ機器から出力する。また、例えば、ユーザ所望の目的地が設定された場合には、音声出力部5は、CPU8の制御下にて、現在位置から目的地までの案内等に関する音声情報に基づいて所定の音声をスピーカ機器から出力する。
【0025】
計時部6は、計時手段として、音声入力部4を介して音声による各種操作の実行指示(音声操作実行指示)が入力された時間及び当該実行指示が入力されてからの時間を計時する。
【0026】
電源部7は、ナビゲーション装置100を構成する各部に電源を供給するためのものであり、例えば、第1電源部71と、第2電源部72等を備えている。
【0027】
第1電源部71は、例えば、電源コード(図示略)を介してナビゲーション装置100が設置された車両から供給された電源を当該ナビゲーション装置100を構成する各部に供給する。
第2電源部72は、例えば、充電池(図示略)等を内蔵し、所定の場合に、ナビゲーション装置100を構成する各部に電源を供給する。
即ち、例えば、ナビゲーション装置100が車両に設置されている場合には、第1電源部71がナビゲーション装置100を構成する各部に電源を供給し、ナビゲーション装置100が車両から外されている場合には、第2電源部72がナビゲーション装置100を構成する各部に電源を供給する。
【0028】
CPU8は、記憶部10に記憶されたナビゲーション装置100用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0029】
RAM9は、例えば、CPU8により実行される処理プログラム等を展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等を格納するデータ格納領域などを備える。
【0030】
記憶部10は、例えば、ナビゲーション装置100で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ等を記憶する。
具体的には、記憶部10は、地図情報データベース10aと、測位プログラム10bと、表示制御プログラム10cと、音声出力制御プログラム10dと、音声認識プログラム10eと、音声入力判定プログラム10fと、入力回数判定プログラム10gと、電源停止制御プログラム10h等を記憶している。
【0031】
地図情報データベース10aは、例えば、地図情報記憶手段として、所定の地域内(例えば、日本全土)を表現したナビゲーション用の道路地図に関する地図情報を記憶する。
【0032】
測位プログラム10bは、CPU8を測位手段として機能させるものである。即ち、測位プログラム10bは、例えば、GPSアンテナ1により受信され出力されたGPS信号に基づいて、ナビゲーション装置100が設置されている車両の絶対的な2次元の現在位置(緯度、経度)を測位する測位処理に係る機能をCPU8に実現させるためのプログラムである。
【0033】
表示制御プログラム10cは、測位処理にて測位された現在位置を地図情報データベース10aに記憶された地図情報とともに表示部2に表示させる表示処理に係る機能をCPU8に実現させるためのプログラムである。
【0034】
音声出力制御プログラム10dは、測位処理にて測位された現在位置等に関する音声情報や現在位置から目的地までの移動案内等に関する音声情報に基づいて、所定の音声を音声出力部5から出力させる音声出力処理に係る機能をCPU8に実現させるためのプログラムである。
【0035】
音声認識プログラム10eは、音声入力部4を介して入力された音声情報に対して音声認識処理に係る機能をCPU8に実現させるためのプログラムである。
具体的には、音声認識処理は、CPU8の制御下にて、例えば、音響モデル(音素(ローマ字1文字にほぼ相当)や音節(かな1文字に相当))の周波数パターンを保持し、単語辞書を参照しながら、入力された音声の音声波形信号から単音節部分を切出した音節列信号とマッチングを行うことにより行われる。そして、CPU8は、音声認識結果と一致するコマンド情報をコマンドテーブル(図示略)より取得する。
なお、コマンド情報の取得が行われると、CPU8は、記憶部10から表示制御プログラム10cや音声出力制御プログラム10dを読み出して実行し、コマンド情報に基づいて所定の表示項目を表示部2に表示させる表示処理や所定の音声を音声出力部5から出力させる音声出力処理を実行するようになっている。
【0036】
音声入力判定プログラム10fは、CPU8を音声入力判定手段として機能させるものである。即ち、音声入力判定プログラム10fは、音声入力部4を介して音声操作実行指示が入力されたか否かを判定する音声入力判定処理に係る機能をCPU8に実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU8による音声入力判定プログラム10fの実行に基づいて、音声認識処理の認識結果に従って所定の音声操作実行指示が入力されたか否かを判定する。
【0037】
入力回数判定プログラム10gは、CPU8を入力回数判定手段として機能させるものである。即ち、入力回数判定プログラム10gは、音声入力判定処理の判定結果に基づいて、音声入力部4を介して音声による各種操作の実行指示(音声操作実行指示)が所定回数(例えば、3回)連続して入力されたか否かを判定する入力回数判定処理に係る機能をCPU8に実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU8による入力回数判定プログラム10gの実行に基づいて、音声入力部4を介して音声操作実行指示が入力され計時部6による計時が開始されてから所定時間内に、当該音声操作実行指示が所定回数連続して入力されたか否かを判定する。
【0038】
電源停止制御プログラム10hは、CPU8を電源停止制御手段として機能させるものである。即ち、電源停止制御プログラム10hは、音声入力判定処理にて音声入力部4を介して音声による当該ナビゲーション装置100の各種操作の実行指示(音声操作実行指示)が入力されたと判定された場合に、表示部2に対する電源部7からの電源供給を停止させる電源停止制御処理に係る機能をCPU8に実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU8による電源停止制御プログラム10hの実行に基づいて、音声入力部4を介して音声操作実行指示が入力され計時部6による計時が開始されてから所定時間内に、入力回数判定処理にて音声操作実行指示が所定回数連続して入力されたと判定された場合に、表示部2に対する電源部7からの電源供給を停止させる。
【0039】
次に、CPU8の制御下における電力消費量低減処理について図2を参照して説明する。
ここで、図2は、電力消費量低減処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0040】
図2に示すように、先ず、ユーザによる操作入力部3の所定操作に基づいてナビゲーション装置100の電源がONされると、CPU8は、電源部7からナビゲーション装置100を構成する各部に電源を供給する。これにより、表示部2は、CPU8の制御下における測位処理にて測位された現在位置を地図情報とともに表示(表示ON)する(ステップS1)。
【0041】
そして、例えば、ユーザ所望の目的地が設定された状態等にて、音声入力部4のマイク41により音声が集音されると、CPU8は、記憶部10から音声認識プログラム10eを読み出して実行して音声認識処理を行い、音声入力判定プログラム10fの実行に基づいて、音声認識処理の認識結果に従って当該ナビゲーション装置100の各種操作に係る所定の音声操作実行指示が入力されたか否かを判定する(ステップS2)。
ここで、音声操作実行指示が入力されたと判定されると(ステップS2;YES)、CPU8は、計時部6を制御して、音声操作実行指示が入力された時間及び当該実行指示が入力されてからの時間の計時を開始する(ステップS3)。
【0042】
続けて、CPU8は、記憶部10から入力回数判定プログラム10gを読み出して実行して、音声操作実行指示の入力回数をカウント(入力回数カウント;UP)した後(ステップS4)、当該音声操作実行指示が所定回数連続して入力されたか否かを判定する(ステップS5)。
【0043】
ステップS5にて、音声操作実行指示が所定回数連続して入力されていないと判定されると(ステップS5;NO)、CPU8は、ユーザによる操作入力部3の所定操作に基づいて各種操作の実行指示が入力されたか否かを判定する(ステップS6)。
ここで、操作入力部3を介して各種操作の実行指示が入力されたと判定されると(ステップS6;YES)、CPU8は、音声操作実行指示の入力回数のカウントを0(ゼロ)とした後(ステップS7)、ステップS2の処理の実行を制御する。
一方、操作入力部3を介して各種操作の実行指示が入力されていないと判定されると(ステップS6;NO)、CPU8は、記憶部10から音声入力判定プログラム10fを読み出して実行して、当該ナビゲーション装置100の各種操作に係る所定の音声操作実行指示が入力されたか否かを判定する(ステップS8)。
【0044】
ステップS8にて、音声操作実行指示が入力されたと判定されると(ステップS8;YES)、CPU8は、ステップS4の処理の実行を制御する。
一方、音声操作実行指示が入力されていないと判定されると(ステップS8;NO)、CPU8は、計時部6による計時が開始されてから所定時間が経過したか否か(制限時間をオーバーしたか否か)を判定する(ステップS9)。
【0045】
ステップS9にて、制限時間がオーバーしていない(所定時間が経過していない)と判定されると(ステップS9;NO)、CPU8は、ステップS8の処理の実行を制御する。
一方、制限時間がオーバーした(所定時間が経過した)と判定されると(ステップS9;YES)、CPU8は、ステップS7の処理の実行を制御する。
【0046】
そして、上記動作を繰り返すことにより、ステップS5にて、音声操作実行指示が所定回数連続して入力されたと判定されると(ステップS5;YES)、CPU8は、記憶部10から電源停止制御プログラム10hを読み出して実行して、表示部2に対する電源部7からの電源供給を停止させて、表示部2による所定の情報の表示をOFFする(ステップS10)。
その後、CPU8は、ユーザによる操作入力部3の所定操作に基づいて各種操作の実行指示が入力されたか否かを判定する(ステップS11)。
ここで、操作入力部3を介して各種操作の実行指示が入力されていないと判定されると(ステップS11;NO)、CPU8は、表示部2による所定の情報の表示をOFFした状態を維持する一方で、各種操作の実行指示が入力されたと判定されると(ステップS11;YES)、CPU8は、ステップS7の処理の実行を制御する。
【0047】
以上のように、本実施形態のナビゲーション装置100によれば、操作入力部3の所定操作に基づいて各種操作の実行指示を入力することができない状況下、即ち、表示部2の表示画面を視ることができないような状況下にて、当該ナビゲーション装置100の各種操作に係る所定の音声操作実行指示が音声入力部4を介して入力されて、計時部6による計時が開始されてから所定時間内に、音声操作実行指示が所定回数連続して入力されると、表示部2に対する電源部7からの電源供給を停止させることで、電源供給の停止タイミングを適正化することができる。
即ち、ユーザによる所定操作がなくなってからの経過時間が所定時間を超えたか否かに基づいて、バックライトの調光を制御する従来のナビゲーション装置のように、判定のための時間を短く設定すると、通常の使用状態で省電力機能が頻繁に働いてしまい、また、長く設定すると、省電力機能が働きにくくなり当該省電力の効果を適正に発揮することができないといった問題がなくなり、電力消費量の低減をより好適に図ることができる。
特に、携帯可能に構成されたナビゲーション装置100にあっては、第2電源部72がナビゲーション装置100を構成する各部に電源を供給している状態にて、電力消費量の低減をより好適に図ることができ、より長時間連続して使用することができる。
【0048】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、音声操作実行指示が所定回数連続して入力された場合に、表示部2に対する電源部7からの電源供給を停止させるようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、音声操作実行指示の一度の入力に基づいて電源供給を停止させるようにしても良い。
また、上記実施形態では、音声操作実行指示が計時部6による計時が開始されてから所定時間内に連続して入力された場合に、表示部2に対する電源部7からの電源供給を停止させるようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、音声操作実行指示の入力を判定する期間の制限をなくして、音声操作実行指示が所定回数連続して入力された場合に、電源供給を停止させるようにしても良い。
さらに、上記実施形態では、携帯可能なナビゲーション装置100を例示したが、これに限られるものではなく、車両等に固定され携帯不可とされたナビゲーション装置であっても良い。
【0049】
また、上記実施形態では、電源停止制御処理にて表示部2に対する電源部7からの電源供給を停止させるようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、液晶表示機器のバックライトに対する電源供給を停止させるなど、省電力化を図ることができるような電源制御処理であれば如何なる処理であっても良い。
【0050】
さらに、上記実施形態では、第2の実行指示入力手段として、タッチパネル31を備える操作入力部3を例示したが、これに限られるものではなく、タッチパネル31を備えるか否かは適宜任意に変更することができ、また、音声以外の他の手段により当該ナビゲーション装置100の各種操作の実行指示を入力可能なものであれば如何なるものであっても良い。
【0051】
また、上記実施形態にあっては、ナビゲーション装置100の構成等は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これらに限られるものではない。
さらに、電子機器として、ナビゲーション装置100を例示したが、これに限られるものではなく、携帯電話機やPDA等の表示部を備える電子機器であれば如何なるものであっても良い。
【0052】
加えて、上記実施形態では、音声入力判定手段、電源停止制御手段、入力回数判定手段、測位手段としての機能を、CPU8によって、所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、各種機能を実現するためのロジック回路等から構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明を適用した好適な一実施形態として例示するナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1のナビゲーション装置による電力消費量低減処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
100 ナビゲーション装置(電子機器)
2 表示部(表示手段)
3 操作入力部(第2の実行指示入力手段)
31 タッチパネル
4 音声入力部(第1の実行指示入力手段)
41 マイク
7 電源部
8 CPU(音声入力判定手段、電源停止制御手段、入力回数判定手段、測位手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種情報を表示する表示手段と、前記表示手段に電源を供給する電源部とを備える電子機器であって、
当該電子機器の各種操作の実行指示を音声を介して入力する第1の実行指示入力手段と、
前記音声とは異なる他の手段を介して前記実行指示を入力する第2の実行指示入力手段と、
前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が入力されたか否かを判定する音声入力判定手段と、
前記音声入力判定手段により前記実行指示が入力されたと判定された場合に、前記表示手段に対する前記電源部からの電源供給を停止させる電源停止制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記音声入力判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が所定回数連続して入力されたか否かを判定する入力回数判定手段を備え、
前記電源停止制御手段は、前記入力回数判定手段により前記実行指示が所定回数連続して入力されたと判定された場合に、前記電源供給を停止させることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が入力されてからの時間を計時する計時手段を備え、
前記入力回数判定手段は、前記計時手段による計時が開始されてから所定時間内に、前記実行指示が所定回数連続して入力されたか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
当該電子機器は、携帯可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段により測位された現在位置を表示する表示手段と、前記表示手段に電源を供給する電源部とを備える携帯可能なナビゲーション装置であって、
当該電子機器の各種操作の実行指示を音声を介して入力する第1の実行指示入力手段と、
前記音声とは異なる他の手段を介して前記実行指示を入力する第2の実行指示入力手段と、
前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が入力されたか否かを判定する音声入力判定手段と、
前記音声入力判定手段による判定結果に基づいて、前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が所定回数連続して入力されたか否かを判定する入力回数判定手段と、
前記第1の実行指示入力手段により前記実行指示が入力されてからの時間を計時する計時手段と、
前記計時手段による計時が開始されてから所定時間内に、前記入力回数判定手段により前記実行指示が所定回数連続して入力されたと判定された場合に、前記表示手段に対する前記電源部からの電源供給を停止させる電源停止制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−292190(P2008−292190A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135537(P2007−135537)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】