説明

電子機器

【課題】組み付け公差を吸収して電子部品と基板を支持部材に組み付けることができる電子機器を提供する。
【解決手段】仮止め部材90が、厚銅基板50の下面とインテリジェントパワーモジュール20との間に介在され、仮止め部材90によりインテリジェントパワーモジュール20が厚銅基板50に仮止めされ、ねじ80,81によりインテリジェントパワーモジュール20がアルミ製筐体60のプレート部61に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に電気部品の取付構造が開示されている。具体的には、本体と外部に導出された端子とを有する電気部品と、該電気部品の端子を半田付けして電気部品を取り付けるプリント基板と、該プリント基板を収納するケースとを備えている。ケースの電気部品の本体と対向する位置に、本体を保持する保持部を設け、該保持部と電気部品の本体とを接着剤にて固着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−173309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、筐体に基板と電子部品を組み付けた電子機器において、電子部品を基板にはんだ付けして電気的に接続するとともに基板を筐体にねじ止めし、また、電子部品を筐体に固定する構成とした場合、各部品(筐体、基板、電子部品)の公差によりはんだ付け部に応力が発生しクラックが生じてしまう虞がある。また、予め筐体に電子部品を固定し、電子部品のリードを基板に挿入する構造の場合、電子部品のリードが基板の貫通孔にうまく挿入できない虞がある。
【0005】
本発明の目的は、組み付け公差を吸収して電子部品と基板を支持部材に組み付けることができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、基板と、前記基板の下面に実装される電子部品と、前記基板を固定するための基板固定部および前記電子部品を固定するための電子部品固定部を有する支持部材と、前記基板を前記支持部材の基板固定部に固定する基板固定部材と、前記基板の下面と前記電子部品との間に介在され、前記電子部品を前記基板に仮止めする仮止め部材と、前記仮止め部材により前記電子部品を前記基板に仮止めした状態で前記電子部品を前記支持部材の電子部品固定部に固定する電子部品固定部材と、を備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、仮止め部材が基板の下面と電子部品との間に介在され、電子部品が基板に仮止めされる。この仮止め部材により電子部品を基板に仮止めした状態で、電子部品固定部材により電子部品が支持部材の電子部品固定部に固定される。また、基板固定部材により基板が支持部材の基板固定部に固定される。
【0008】
よって、電子部品と支持部材との固定と、基板と支持部材との固定を独立して行ったときの組み付け公差について、仮止め部材により、組み付け公差を吸収して電子部品と基板を支持部材に組み付けることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の電子機器において、前記仮止め部材は、クッション性を有する部材と、その表裏両面に形成された接着層を有することを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、電子部品を支える際に仮止め部材のクッション性を有する部材による弾力により容易に支えることができる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の電子機器において、前記クッション性を有する部材は、スポンジ材であることを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、スポンジ材により弾力を生じさせることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器において、前記基板固定部材は、ねじであると共に、前記電子部品固定部材は、ねじであることを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、ねじにより締結固定することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器において、前記電子部品は、ピン挿入型電子部品であることを要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明によれば、ピン挿入型電子部品のピンを基板に挿入する構造の場合、電子部品のピンを基板の貫通孔に確実に挿入することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器において、前記電子部品と前記支持部材の電子部品固定部との間に熱伝導材を介在させてなることを要旨とする。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、熱伝導材を通して電子部品の熱を支持部材に容易に逃がすことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、組み付け公差を吸収して電子部品と基板を支持部材に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は実施形態における電子機器の平面図、(b)は(a)のA−A線での電子機器の縦断面図。
【図2】電子機器の分解断面図。
【図3】(a)は製造工程を説明するための電子機器の縦断面図、(b)は電子機器の下面図。
【図4】製造工程を説明するための電子機器の縦断面図。
【図5】(a)は製造工程を説明するための電子機器の縦断面図、(b)は製造工程を説明するための電子機器の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1,2に示すように、電子機器10は、例えばモータ駆動用インバータである。電子機器10は、インテリジェントパワーモジュール(IPM)20と、コンデンサ30,40と、厚銅基板50と、アルミ製筐体(ケース)60と、ねじ70,71,72,73,80,81と、仮止め部材90,95,96,97を備えている。支持部材としてのアルミ製筐体60は、厚銅基板50およびインテリジェントパワーモジュール20、コンデンサ30,40を支持するための支持部材となるとともにヒートシンクとして機能する。インテリジェントパワーモジュール(IPM)20は、スイッチング用パワーデバイスに加えて駆動回路等を複数のチップを用いて構成したモジュールである。
【0018】
厚銅基板50は、絶縁基板51の上面に銅板52が接着されて構成されている。銅板52は所望の形状にパターニングされている。図2に示すように、厚銅基板50には、ねじ80,81が通過できる貫通孔55が形成されている。
【0019】
電子部品としてのインテリジェントパワーモジュール(IPM)20はピン挿入型電子部品である。インテリジェントパワーモジュール20は、板状をなす本体部21と、本体部21の両側面から延びるリード22により構成されている。インテリジェントパワーモジュール20の本体部21が厚銅基板50の下面側に位置する状態でリード22が厚銅基板50の貫通孔を貫通し、この状態でリード22がはんだ付けされている。図2に示すように、インテリジェントパワーモジュール(IPM)20の本体部21の両端部には、ねじ80,81の本体が通る貫通孔23,24(図3参照)が形成されている。
【0020】
電子部品としての各コンデンサ30,40はそれぞれ、円柱状の本体部31,41と、本体部31の一端面から延びるリード32,42と、本体部41の外周面を覆う絶縁シート33,43にて構成されている。コンデンサ30,40の本体部31,41が厚銅基板50の下面側において接近して並設する状態で配置され、リード32,42が厚銅基板50の貫通孔を貫通する状態で、厚銅基板50に、はんだ付けされている。
【0021】
このようにして、厚銅基板50の片面(下面)には、インテリジェントパワーモジュール(IPM)20およびコンデンサ30,40が実装される。
アルミ製筐体60は、水平方向に延びるプレート部61と、基板固定用支柱62,63,64,65を有している。電子部品固定部としてのプレート部61はインテリジェントパワーモジュール20およびコンデンサ30,40を固定するためのものである。プレート部61の上面における四角形状の厚銅基板50の四隅に対応する部位には基板固定用支柱62,63,64,65が上方に突設されている。
【0022】
基板固定部としての基板固定用支柱62,63,64,65は厚銅基板50を固定するためのものである。基板固定用支柱62,63,64,65の上面に四角形状の厚銅基板50の四隅が位置する状態で載置されている。即ち、下面にインテリジェントパワーモジュール20、コンデンサ30,40を配した厚銅基板50が基板固定用支柱62,63,64,65の上に載置されている。
【0023】
基板固定部材としてのねじ70,71,72,73が厚銅基板50を貫通してアルミ製筐体60の基板固定用支柱62,63,64,65に螺入されている。つまり、ねじ70,71,72,73は、厚銅基板50をアルミ製筐体60の基板固定用支柱62,63,64,65に機械的に固定するための部材である。
【0024】
電子部品固定部材としてのねじ80,81は、インテリジェントパワーモジュール20をアルミ製筐体60のプレート部61に機械的に固定するための部材である。ねじ80,81を、インテリジェントパワーモジュール20の貫通孔23,24を通してアルミ製筐体60のプレート部61に螺入することによりインテリジェントパワーモジュール20がアルミ製筐体60のプレート部61に固定されている。この固定は、仮止め部材90によりインテリジェントパワーモジュール20を厚銅基板50に仮止めした状態で行われる。
【0025】
仮止め部材90は、四角板状をなし、インテリジェントパワーモジュール20の本体部21とほぼ同じ寸法となっている。仮止め部材90は、厚銅基板50の下面とインテリジェントパワーモジュール20の本体部21との間に介在されている。仮止め部材90は、インテリジェントパワーモジュール20を厚銅基板50に仮止めするための部材となっている。
【0026】
図2に示すように、仮止め部材90は、両面テープ付きスポンジ材を使用し、インテリジェントパワーモジュール20を厚銅基板50に仮止めする構造としている。つまり、仮止め部材90は、クッション性を有する部材91と、その表裏両面に形成された接着層92,93を有する。クッション性を有する部材91は、スポンジ材である。そして、仮止め部材(両面テープ付きスポンジ材)90にてインテリジェントパワーモジュール20を仮止め(仮固定)して組み付け公差を吸収させる。よって、組み付け公差を吸収することができ、インテリジェントパワーモジュール20をアルミ製筐体60に組み付けて放熱させることができる。仮止め部材90には、ねじ80,81が通過できる貫通孔94が形成されている。
【0027】
また、インテリジェントパワーモジュール(IPM)20の本体部21の下面とアルミ製筐体60のプレート部61の上面との間には、熱伝導材としてのシリコーングリース100が介在されている。このとき、インテリジェントパワーモジュール20は、アルミ製筐体60のプレート部61に対しシリコーングリース100を介して圧接されており、インテリジェントパワーモジュール20とアルミ製筐体60のプレート部61とは熱的に結合している。これにより、インテリジェントパワーモジュール20の駆動に伴いインテリジェントパワーモジュール20から熱が発生するがこの熱は熱伝導性の良いシリコーングリース100を通して容易にアルミ製筐体60のプレート部61に逃がすことができる。
【0028】
仮止め部材95,96,97は、それぞれ長尺状をなし、コンデンサ30,40の本体部31,41とほぼ同じ長さとなっている。コンデンサ30の本体部31とコンデンサ40の本体部41とは隣接して平行に配置され、仮止め部材96は、コンデンサ30の本体部31とコンデンサ40の本体部41との間の部位において厚銅基板50の下面とコンデンサ30,40の本体部31,41との間に介在されている。仮止め部材95は、コンデンサ30の本体部31の側方に対応する部位において厚銅基板50の下面とコンデンサ30の本体部31との間に介在されている。仮止め部材97は、コンデンサ40の本体部41の側方に対応する部位において厚銅基板50の下面とコンデンサ40の本体部41との間に介在されている。仮止め部材95,96,97は、コンデンサ30,40を厚銅基板50に仮止めするための部材となっている。
【0029】
仮止め部材95,96,97は仮止め部材90と同様に、両面テープ付きスポンジ材を使用し、コンデンサ30,40を厚銅基板50に仮止めする構造としている。つまり、仮止め部材95,96,97についても、クッション性を有する部材と、その表裏両面に形成された接着層を有し、クッション性を有する部材は、スポンジ材である。
【0030】
コンデンサ30,40とアルミ製筐体60のプレート部61との間に、電子部品固定部材としてのポッティング材110が介在されている。ポッティング材110は、コンデンサ30,40をアルミ製筐体60のプレート部61に固定するための部材である。この固定は、仮止め部材95,96,97によりコンデンサ30,40を厚銅基板50に仮止めした状態で行われる。
【0031】
次に、このように構成した電子機器10の作用について説明する。
インテリジェントパワーモジュール20は駆動に伴い発熱する。この熱はシリコーングリース100を介してアルミ製筐体60に伝わり、アルミ製筐体60から大気中に放熱される。これによりインテリジェントパワーモジュール20の熱が逃がされる。
【0032】
次に、製造工程について説明する。
図3に示すように、厚銅基板50とインテリジェントパワーモジュール20とコンデンサ30,40と仮止め部材(両面テープ付きスポンジ材)90,95,96,97を用意する。
【0033】
そして、インテリジェントパワーモジュール20のリード22を厚銅基板50の貫通孔を貫通するとともに仮止め部材(両面テープ付きスポンジ材)90を用いてインテリジェントパワーモジュール20を厚銅基板50に仮止めする。同様に、コンデンサ30,40のリード32,42を厚銅基板50の貫通孔を貫通するとともに仮止め部材(両面テープ付きスポンジ材)95,96,97を用いてコンデンサ30,40を厚銅基板50に仮止めする。
【0034】
さらに、図4に示すように、シリコーングリース100、ポッティング材110を介してアルミ製筐体60に載置する。
引き続き、仮止め部材90,95,96,97によりインテリジェントパワーモジュール20とコンデンサ30,40を仮止めした状態で、図1に示すように、ねじ70,71,72,73を、厚銅基板50を貫通してアルミ製筐体60の基板固定用支柱62,63,64,65に螺入する。これにより、厚銅基板50をアルミ製筐体60の基板固定用支柱62,63,64,65に固定する。また、ねじ80,81を、厚銅基板50の貫通孔55、仮止め部材90の貫通孔94、インテリジェントパワーモジュール20の貫通孔23,24を通してアルミ製筐体60のプレート部61に螺入する。これにより、インテリジェントパワーモジュール20をアルミ製筐体60のプレート部61に固定する。さらに、ポッティング材110の硬化によりコンデンサ30,40をアルミ製筐体60のプレート部61に固定する。
【0035】
ねじ70,71,72,73による厚銅基板50の締結と、ねじ80,81によるインテリジェントパワーモジュール20の締結の順序は問わない。
続いて、インテリジェントパワーモジュール20のリード22、コンデンサ30,40のリード32,42を厚銅基板50にはんだ付けする。その結果、電子機器10が製造される。
【0036】
このような製造工程において、インテリジェントパワーモジュール20のアルミ製筐体60へのねじ止めを行う際に、ねじ締めで仮止め部材(両面テープ付きスポンジ材)90は上下方向に伸びる。あるいは、図5(a),(b)に示すように、仮止め部材(両面テープ付きスポンジ材)90は分断される。
【0037】
即ち、図2において基板固定用支柱62,63,64,65の高さH1について図5(a)に示すようにΔHだけプラスの公差となっていた場合、図5(b)に示すようにねじ止めに伴い仮止め部材90のクッション性を有する部材(スポンジ材)91が破断されてもよい。
【0038】
このようにして、電子部品と筐体との固定と、基板と筐体との固定を独立して行ったときに生じる組み付け公差を仮止め部材(両面テープ付きスポンジ材)90で吸収することができる。
【0039】
詳しくは、従来、厚銅基板に実装された電子部品を筐体に組み付け(ねじ止め)する際、各部品(筐体、基板、電子部品)の公差によりはんだ付け部に応力が発生しクラックが生じてしまう虞がある。また、予め筐体に電子部品を固定し、電子部品のリードを基板に挿入する構造の場合、電子部品のリードが基板の貫通孔にうまく挿入できない虞がある。
【0040】
これに対し本実施形態では、仮止め部材90は、接着層92,93による接着要素と、スポンジ材(部材91)によるばね要素を備えており、厚銅基板50の下面に電子部品(20)を仮止めした状態で厚銅基板50を筐体60に載置し、厚銅基板50を筐体60にねじ止めするとともに電子部品(20)を筐体60にねじ止めする。このとき、仮止め部材90のばね要素は伸びても切れてもよい。このようにして、厚銅基板50に電子部品(20)を仮止めしたものを筐体60にねじ止めすることにより、各部品(筐体、基板、電子部品)の公差により電子部品(20)のリードには応力が発生することはない。また、電子部品(20)のリードを厚銅基板50に挿入した状態で仮止めしているので電子部品(20)のリードを厚銅基板50の貫通孔に挿入することができる。
【0041】
このように、仮止め部材(両面テープ付きスポンジ材)90が伸びたり切れることで、アルミ製筐体60のプレート部61の上面と基板固定用支柱62,63,64,65の上面との間の組み付け公差、即ち、アルミ製筐体60の基板固定用支柱62,63,64,65の高さH1の公差を吸収することができる。また、直接インテリジェントパワーモジュール20をアルミ製筐体60に固定することにより、インテリジェントパワーモジュール20の放熱性を向上させることができる。
【0042】
同様に、コンデンサ30,40についても、コンデンサ30,40をアルミ製筐体60のプレート部61にポッティング材110により固定する際に、仮止め部材(両面テープ付きスポンジ材)95,96,97は上下方向に延びる。これにより、アルミ製筐体60のプレート部61の上面と基板固定用支柱62,63,64,65の上面との間の組み付け公差、即ち、アルミ製筐体60の基板固定用支柱62,63,64,65の高さH1の公差を吸収することができる。
【0043】
以上のごとく本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)仮止め部材(両面テープ付きスポンジ材)90,95,96,97を、厚銅基板50の下面とインテリジェントパワーモジュール20およびコンデンサ30,40との間に介在して仮止め部材90,95,96,97によりインテリジェントパワーモジュール20およびコンデンサ30,40を厚銅基板50に仮止めした。この状態で、ねじ80,81によるインテリジェントパワーモジュール20のアルミ製筐体60のプレート部61への固定、ポッティング材110によるコンデンサ30,40のアルミ製筐体60のプレート部61への固定、および、ねじ70〜73による厚銅基板50のアルミ製筐体60の基板固定用支柱62,63,64,65への固定を行った。これにより、組み付け公差を吸収してインテリジェントパワーモジュール20およびコンデンサ30,40と厚銅基板50をアルミ製筐体60に組み付けることができる。これにより、インテリジェントパワーモジュール20で発生する熱をアルミ製筐体60から逃がすことができる。
【0044】
(2)仮止め部材90,95,96,97によりインテリジェントパワーモジュール20、コンデンサ30,40が厚銅基板50に仮止めされるので、運搬時に厚銅基板50からインテリジェントパワーモジュール20、コンデンサ30,40が抜け落ちることを防止することができる。
【0045】
(3)仮止め部材90,95,96,97は両面テープ付きスポンジ材であり、クッション性を有する部材91と、その表裏両面に形成された接着層92,93を有するので、インテリジェントパワーモジュール20やコンデンサ30,40を支える際にクッション性を有する部材91による弾力により容易に支えることができる。
【0046】
(4)クッション性を有する部材91は、スポンジ材であるので、スポンジ材により弾力を生じさせることができる。
(5)基板固定部材は、ねじ70,71,72,73であると共に、電子部品固定部材は、ねじ80,81であるので、ねじ70,71,72,73,80,81により締結固定することができる。
【0047】
(6)インテリジェントパワーモジュール20およびコンデンサ30,40は、ピン挿入型電子部品であるので、ピンとしてのリード22,32,42を厚銅基板50に挿入する構造の場合、リード22,32,42を厚銅基板50の貫通孔に確実に挿入することができる。
【0048】
(7)インテリジェントパワーモジュール20とアルミ製筐体60のプレート部61との間にシリコーングリース100を介在させたので、シリコーングリース100を通してインテリジェントパワーモジュール20の熱をアルミ製筐体60に容易に逃がすことができる。
【0049】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・基板として厚銅基板50を用いたが、これに代わり、基板としてプリント基板を用いてもよい。
【0050】
・仮止め部材として両面テープ付きスポンジ材を用いたが、これに代わり、仮止め部材として接着剤を用いてもよい。詳しくは、例えば厚い接着剤や弱い接着剤を用いる。
【符号の説明】
【0051】
10…電子機器、20…インテリジェントパワーモジュール、30…コンデンサ、40…コンデンサ、50…厚銅基板、60…アルミ製筐体、61…プレート部、62…基板固定用支柱、63…基板固定用支柱、64…基板固定用支柱、65…基板固定用支柱、70…ねじ、71…ねじ、72…ねじ、73…ねじ、80…ねじ、81…ねじ、90…仮止め部材、91…部材、92…接着層、93…接着層、95…仮止め部材、96…仮止め部材、97…仮止め部材、100…シリコーングリース、110…ポッティング材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の下面に実装される電子部品と、
前記基板を固定するための基板固定部および前記電子部品を固定するための電子部品固定部を有する支持部材と、
前記基板を前記支持部材の基板固定部に固定する基板固定部材と、
前記基板の下面と前記電子部品との間に介在され、前記電子部品を前記基板に仮止めする仮止め部材と、
前記仮止め部材により前記電子部品を前記基板に仮止めした状態で前記電子部品を前記支持部材の電子部品固定部に固定する電子部品固定部材と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記仮止め部材は、クッション性を有する部材と、その表裏両面に形成された接着層を有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記クッション性を有する部材は、スポンジ材であることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記基板固定部材は、ねじであると共に、前記電子部品固定部材は、ねじであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記電子部品は、ピン挿入型電子部品であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記電子部品と前記支持部材の電子部品固定部との間に熱伝導材を介在させてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−8853(P2013−8853A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140772(P2011−140772)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】