説明

電子装置およびその製造方法

【課題】電子部品における接続端子の形状の矯正を行うことなく、半田からなる接合部の接合信頼性を、より高くした電子装置を提供する。
【解決手段】電子部品1の接続端子2a,2b,2cが接合部5により接合されるランド4a,4b,4cを配線基板3に備えた電子装置10であり、配線基板3の一表面3aからの高さ位置の基準とする第1の接続端子2a,2bと、該第1の接続端子2a,2bとは一表面3aからの高さ位置の異なる第2の接続端子2cとを有するとともに、第1の接続端子2a,2bが接合される第1のランド4a,4bと、第2の接続端子2cが接合される第2のランド4cとを有し、第1の接続端子2a,2bと第1のランド4a,4bとの距離である第1の距離と、第2の接続端子2cと第2のランド4cとの距離である第2の距離との差を、接続端子2a,2b,2cの平坦度よりも小さくするように第2のランド4cの高さが設定されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を配線基板上に表面実装させた電子装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子部品の集積密度を向上させることなどのため、電子部品の接続端子を配線基板のランド上に表面実装させた電子装置が用いられている。
【0003】
この種の電子装置に用いられる電子部品は、大きさや形など種々の種類のものがあり接続端子の形状も種々異なっている。電子部品は、より小型化が望まれる場合もあり、電子部品の接続端子を精度よく形成させることが難しく、配線基板における電子部品の実装面に対して複数個の接続端子の高さがそれぞれ異なる場合がある。また、電子部品の接続端子の高さを精度よく形成させていても、その後の搬送工程などにより、接続端子が外力などで変形する場合もある。接続端子が変形した電子部品の接続端子は、接続端子の平坦度が異なることになる。このような接続端子の平坦度が異なる電子部品を配線基板に表面実装させた電子装置では、電子部品の接続端子が配線基板のランドから浮き上がった状態となる。接続端子の平坦度が異なる電子部品は、配線基板に表面実装させても、半田により接続端子とランドとを接合することができず、電子部品と配線基板との接合不良を生じさせる恐れがある。
【0004】
接合不良を抑制するものとして、図7(c)に示すように、複数個の接続端子2d,2eにおける先端の高さ寸法の差hが異なる電子部品(図7(b)を参照)と、接続端子2d,2eそれぞれが各別に半田からなる接合部5により接合(図7(a)の白抜きの矢印を参照)される複数個のランド4fを有する配線基板3とを備え、ランド4fが接続端子2d,2eと接合される溶融半田24の高さを高くする幅広部41を備えた電子装置が知られている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0005】
図7(c)に示す電子装置は、各ランド4fに幅広部41を設けることで、溶融半田24の表面張力により幅広部41の半田の高さを部分的に高くさせている(図7(c)を参照)。図7(c)に示した電子装置は、接続端子2eの配線基板3側からの高さと、接続端子2dの配線基板3側からの高さとの間に寸法差hがあっても、溶融半田24により、接続端子2eの浮きに起因する接続端子2eとランド4fとの接合不良の発生を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−230521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しなしながら、電子装置は、接続端子2e,2dと、ランド4fとを接合させる半田からなる接合部5の半田量が異なる(図7(c)を参照)ことにより、電子部品の各接続端子2e,2dと、ランド4fとの接合強度が異なる。そのため、特に応力が掛かる用途などに用いられる電子装置では、電子部品と配線基板3との接合強度が十分ではない恐れがあり、更なる接合強度の向上が求められている。
【0008】
また、電子装置は、電子部品の接続端子2d,2eそれぞれの平坦度が一致するように各接続端子2d,2eの形状を矯正させた電子部品を用いる。あるいは、電子装置は、電子部品の接続端子2d,2eを配線基板3のランド4f上に半田接合が行なわれた後、接続端子2eとランド4fとの隙間を埋めるように人による手作業や人に代わる設備作業により半田を補充する追い半田が施される。電子装置は、接続端子2d,2eの形状の矯正や追い半田を施されることで接合不良を改善される。
【0009】
しかしながら、電子部品における接続端子2eの形状の矯正や接続端子2eとランド4fとの隙間に追い半田を行うことは、電子装置の製造コストの上昇を招くことになる。また、追い半田の半田量を精度よく制御して電子装置を製造することが難しく、半田の過不足による接合不具合が改善されない恐れもある。
【0010】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、電子部品における接続端子の形状の矯正を行うことなく、半田からなる接合部の接合信頼性が、より高い電子装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電子装置は、表面実装型パッケージを備えた電子部品と、該電子部品の複数個の接続端子が各別に半田からなる接合部により接合される複数個のランドを一表面上に有する配線基板とを備えた電子装置であって、上記複数個の接続端子が、上記配線基板の上記一表面からの高さ位置の基準とする第1の接続端子と、該第1の接続端子とは上記一表面からの高さ位置の異なる第2の接続端子とを有し、上記複数個のランドが、上記第1の接続端子が接合される第1のランドと、上記第2の接続端子が接合される第2のランドとを有し、上記第1の接続端子と上記第1のランドとの距離である第1の距離と、上記第2の接続端子と上記第2のランドとの距離である第2の距離との差を、上記複数個の接続端子の平坦度よりも小さくするように上記第2のランドの高さが設定されてなることを特徴とする。
【0012】
この電子装置において、上記電子部品は、上記表面実装型パッケージに収納されたLEDチップを備えており、上記第1の接続端子が、上記表面実装型パッケージから側面側に突出した上記LEDチップへの給電用の電極端子であるとともに、上記第2の接続端子が、上記表面実装型パッケージの外底面側から突出し上記LEDチップの熱を外部に放熱する放熱用の端子であることを特徴とする。
【0013】
この電子装置において、上記電子部品は、上記表面実装型パッケージに収納されたLEDチップを備えており、上記第1の接続端子が、上記表面実装型パッケージの外底面側から突出し上記LEDチップの熱を外部に放熱する放熱用の端子であるとともに、上記第2の接続端子が、上記表面実装型パッケージから側面側に突出した上記LEDチップへの給電用の電極端子であることを特徴とする。
【0014】
本発明の電子装置の製造方法は、上記電子装置の製造方法であって、上記接合部の形成時に、ハーフエッチング加工により一方面側に上記第1のランドと上記第2のランドの高さの差に応じて深さがそれぞれ異なる凹部が形成されてなるメタルマスクを、該メタルマスクの上記一方面側を上記配線基板の上記一表面側に向けて上記配線基板上に配置させ、上記メタルマスクを用いた半田印刷により上記メタルマスクの複数個の上記凹部に設けた貫通孔から上記第1のランドおよび上記第2のランドそれぞれに上記半田を設ける工程と、
リフロー半田方式により上記電子部品の上記第1の接続端子と上記第2の接続端子とをそれぞれ上記第1のランドと第2のランドとに上記半田からなる接合部により接合する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子装置は、電子部品における接続端子の形状の矯正を行うことなく、半田からなる接合部の接合信頼性が、より高い電子装置を提供できるという顕著な効果がある。
【0016】
本発明の電子装置の製造方法は、電子部品における接続端子の形状の矯正を行うことなく、半田からなる接合部の接合信頼性が、より高い電子装置を量産性よく製造することができるという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1の電子装置を示し、(a)は略断面図、(b)は要部の側面図、(c)は別の要部の断面図である。
【図2】同上の電子装置に用いられる電子部品を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は下面図である。
【図3】実施形態2の電子装置の要部を示す概略説明図である。
【図4】実施形態3の電子装置を示し、(a)は略断面図、(b)は要部の側面図、(c)は別の要部の断面図である。
【図5】同上の電子装置に用いられる電子部品を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図6】同上の電子装置の製造工程を示す略断面図である。
【図7】従来の電子装置を示す要部説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態1)
以下、本実施形態の電子装置を図1および図2に基づいて説明する。なお、同一の部材については、同一の番号を付している。
【0019】
本実施形態の図1に示す電子装置10は、表面実装型パッケージ11を備えた発光ダイオード1Aとして機能する電子部品1と、該発光ダイオード1Aの複数個(ここでは、3個)の接続端子2a,2b,2cが各別に半田からなる接合部5により接合される複数個(ここでは、3個)のランド4a,4b,4cを一表面3a上に有する配線基板3とを備えている。
【0020】
また、電子装置10に用いられる発光ダイオード1Aは、複数個の接続端子2a,2b,2cが、配線基板3の一表面3aからの高さ位置の基準となる第1の接続端子2a,2bと、該第1の接続端子2a,2bとは一表面3aからの高さが異なる第2の接続端子2cとを備えている(図1(b)を参照)。
【0021】
特に、本実施形態の電子装置10は、複数個のランド4a,4b,4cが、第1の接続端子となる接続端子2bが接合される第1のランドとなるランド4bと、第2の接続端子となる接続端子2cとが接合される第2のランドとなるランド4cとを有し、接続端子2bとランド4bとの距離である第1の距離と、接続端子2cとランド4cとの距離である第2の距離との差を、複数個の接続端子2a,2b,2cの平坦度よりも小さくなるようにランド4cの高さを設定している。なお、本実施形態の電子装置10においては、図1(b)に示すように発光ダイオード1Aを表面実装させる接合部5側の仮想の基準平面αからの距離が近い接続端子2bと、基準平面αから距離が遠い接続端子2cとの寸法差hを接続端子2cの平坦度として例示している。仮想の基準平面αを設定するため、たとえば、各種の画像認識手段によって、発光ダイオード1Aにおける各接続端子2a,2b,2cの配線基板3側となる先端を測定する。次に、コンピュータにより測定された複数の点から最小二乗法を用いて計算することで、仮想の基準平面αを設定することができる。
【0022】
より具体的には、本実施形態の電子装置10は、電子部品1として発光ダイオード1Aを平板状の配線基板3の一表面3a側に半田からなる接合部5を用いて表面実装させ構成している。
【0023】
発光ダイオード1Aは、図2に示すように、たとえば、エポキシ樹脂からなる表面実装型パッケージ11の凹部の内底面11a側に収納されたLEDチップ12を有している(図2(a)を参照)。発光ダイオード1Aは、表面実装型パッケージ11の両側面11b,11b側から板状の接続端子2a,2bをLEDチップ12への給電用の電極端子として突出させている。また、発光ダイオード1Aの発光面側には、LEDチップ12を覆うように透光性の樹脂からなる凸状のレンズ13を設けている(図2(b)を参照)。発光ダイオード1Aは、発光面と反対側の表面実装型パッケージ11の外底面11c側から突出された接続端子2cをLEDチップ12が実装されLEDチップ12の駆動に伴う発熱を外部に放熱する放熱用の端子として用いている(図2(b)および図2(c)を参照)。
【0024】
ここで、発光ダイオード1Aは、図2(b)で示すように、給電用の電極端子である接続端子2a,2bが表面実装型パッケージ11の側面11bの中央部から突出している。また、発光ダイオード1Aは、放熱用の端子である接続端子2cが表面実装型パッケージ11の外底面11cから突出している。発光ダイオード1Aは、配線基板3上に表面実装できるように、表面実装型パッケージ11の両側面11bから突出した板状の接続端子2a,2bをそれぞれ折り曲げ加工して接続端子2cの高さに近づけている。
【0025】
発光ダイオード1Aは、一般に、LEDチップ12への給電用の電極端子となる平板状の接続端子2a,2bと、LEDチップ12を配線基板3側へ実装して表面実装型パッケージ11の外部にLEDチップ12の熱を放熱させるヒートシンクとなる放熱用の接続端子2cとは厚みや大きさなど形状が異なっている。放熱用の接続端子2cは、表面実装型パッケージ11の外底面11c側から一部が突出し、図示していない大部分が表面実装型パッケージ11の内部に収納されている。本実施形態の電子装置10に用いられる発光ダイオード1Aでは、平板状に形成された給電用の電極端子である接続端子2a,2bよりも、表面実装型パッケージ11の内部温度を効率的に下げさせる放熱用の端子である接続端子2cを厚く大きな面積で形成させて伝熱効率を高めている。
【0026】
そのため、発光ダイオード1Aは、給電用の電極端子となる接続端子2a,2bと、放熱用の端子となる接続端子2cとの配線基板3の一表面3aからの高さが異なるように定めている。
【0027】
本実施形態の電子装置10に用いられる発光ダイオード1Aでは、図1(b)で例示するように、配線基板3の一表面3aからの高さ位置の基準とする給電用の接続端子2bを仮想の基準平面αと一致させた第1の接続端子としている。また、発光ダイオード1Aは、接続端子2bとは一表面3aからの高さ位置の異なる表面実装型パッケージ11の外底面11cから突出する接続端子2cを第2の接続端子としている。すなわち、発光ダイオード1Aの接続端子2bは、表面実装型パッケージ11の外底面11cから突出する接続端子2cよりも表面実装される配線基板3側にhだけ突出することになる。なお、発光ダイオード1Aの接続端子2aも、接続端子2bと同じ高さで配線基板3側に突出するように折り曲げ加工している。なお、図1(b)では、接続端子2bの平坦度の基準を基準平面αで示したが、基準は面状だけでなく線状や点状としてもよい。
【0028】
また、本実施形態の電子装置10は、第1の接続端子となる給電用の電極端子たる接続端子2bが接合される第1のランド4bと、第2の接続端子となる放熱用の端子たる接続端子2cが接合される第2のランド4cとを備えた配線基板3を有している。
【0029】
ここで、接続端子2bとランド4bとの距離である第1の距離(図示していない)と、接続端子2cとランド4cとの距離である第2の距離との差を、上述した複数個の接続端子2a,2b,2cの平坦度よりも小さくなるようにランド4cの高さをランド4bと比較してhだけ高く形成している。
【0030】
このような配線基板3は、電子部品1が表面実装可能なものであり、絶縁性基材31と、該絶縁性基材31の一表面3a側に形成されせた金属材料からランド4a,4b,4cにより構成することができる。配線基板3のランド4a,4b,4cには、ランド4a,4b,4cから図示しない配線パターンが適宜に延出されており、電子部品1の配線回路や放熱経路を構成することができる。配線パターンの材料としては、たとえば、銅やアルミニウムなどが挙げられる。
【0031】
本実施形態の電子装置10に用いられる配線基板3のランド4a,4b,4cは、メッキ処理や半田レベラー処理による厚膜化、研磨処理やエッチング処理による薄膜化などにより高さを変えることができる。第2のランドとなるランド4cの高さは、発光ダイオード1Aの予め設計された接続端子2a,2b,2cの平坦度よりも小さくなるように高さが設定されている。
【0032】
ランド4cの高さを変えるためには、たとえば、ランド4cの部分を除いて樹脂からなるマスクパターンを配線基板3の一表面3a側に形成させる。ランド4cから延在する配線パターンと電気的に接続させた電極を電解液中に浸漬させて電解メッキを施す。配線基板3のランド4cは、ランド4cに個別に電流を流しメッキ処理の時間や電流量をかえることにより、ランド4cの高さを高くすることが可能となる。
【0033】
また、配線基板3のランド4bを所定の高さに形成させるためには、たとえば、高さを低くさせたいランド4a,4bをエッチングにより部分的に除去すればよい。また、配線基板3のランド4a,4b,4cの高さを調整するために、ランド4a,4b,4cの部分的な除去や部分的な厚膜化を適宜組み合わせて異なる高さのランド4a,4b,4cを形成することもできる。
【0034】
なお、電子装置10は、電子部品1たる発光ダイオード1Aから放射された光を反射させる表面反射層(図示していない)を配線基板3の一表面3a側に適宜に設けてもよく、表面反射層をランド4cの高さを高くさせるメッキ処理時のマスクパターンとして利用することもできる。こうして、本実施形態の電子装置10に用いられる配線基板3は、一表面3a側から高さの異なるランド4a,4b,4cを形成することができる。配線基板3の一表面3a側に設けられた各ランド4a,4b,4cの高さは、それぞれ電子部品1たる発光ダイオード1Aの接続端子2a,2b,2cにおける平坦度に応じて異なっている。
【0035】
なお、本実施形態の電子装置10は、接合部5を介して接続される配線基板3の放熱用のランド4cを、ランド4cの形状を対向する接続端子2cにおける平面形状と略相似形状に形成させている。すなわち、電子装置10は、発光ダイオード1Aにおける接続端子2cの平面形状が、たとえば、図2(c)で示すように円形状であれば、ランド4cの平面形状も略円形状に形成することが好ましい。また、放熱用のランド4cの平面形状は、放熱用の接続端子2cの平面形状と相似形であって、より小さい大きさに形成することがより好ましい。
【0036】
ランド4cの平面形状が接続端子2cの平面形状より小さい相似形状とした場合、発光ダイオード1Aは、接合部5の形成時における半田の溶融にともない半田の表面張力で発光ダイオード1Aの配置がずれることを防止し、セルフアライメント効果を高めることが可能となる。
【0037】
また、本実施形態の電子装置10に用いられる配線基板3のランド4cは、発光ダイオード1Aにおける各接続端子2a,2b,2cの表面実装型パッケージ11内部での電気的な接続構造によって適宜に設計を変えてもよい。配線基板3のランド4cは、たとえば、放熱用の端子となる接続端子2cをLEDチップ12と電気的に独立して配線回路を構成しない構造としてもよいし、給電用の電極端子となる接続端子2a,2bと電気的に接合させた配線回路の構成としてもよい。
【0038】
電子装置10は、発光ダイオード1Aの接続端子2cが接続端子2a,2bと配線回路を構成せずに電気的に独立している場合、接続端子2cと接合部5を介して接続されるランド4cをランド4a,4bのいずれか一方から延出する配線パターンと接続してもよい。これにより、電子装置10は、LEDチップ12からの熱をランド4cから他のランド4a,4cと接続させた配線パターンに伝熱させ放熱効果を高めることが可能となる。
【0039】
また、電子装置10は、接続端子2cが接続端子2a,2bのいずれか一方と電気的に接続されて配線回路を構成している場合、配線回路と同極の接続端子2a,2bとは別に電気的に独立したランド4cを別途に設けてもよい。これにより、電子装置10は、接続端子2a,2bと同極の接続端子2a,2bが接続されるランド4a,4bから延在する配線パターンと、ランド4cから延在する配線パターンとをテスターなどを用いて接合部5の導通を確認することができる。そのため、本実施形態の電子装置10は、接続端子2cと配線基板3のランド4cとの間に形成され、表面実装型パッケージ11の真下で目視が困難な接合部5であっても、接合部5が電気的に適正に接合されているか否かを検査することが可能となる。
【0040】
配線基板3には、絶縁性基材31の配線パターンが形成されている上記一表面3aと反対の上記他表面2b側に、銅箔などの金属材料からなる放熱層(図示していない)を設けてもよい。放熱層は、発光ダイオード1AのLEDチップ1で生じた熱を放熱するランド4cと、配線基板3を貫設するスルーホール(図示していない)を介して熱的に接続させてもよい。これにより、電子装置10は、発光ダイオード1Aの熱を接続端子2c、接続端子2cに接続された接合部5、該接合部5を介して接続されたランド4c、スルーホールを介して放熱層から放熱させることが可能となる。
【0041】
本実施形態の電子装置10は、発光ダイオード1Aの各接続端子2a,2b,2cと、配線基板3の各ランド4a,4b,4cとを半田を介して配置させ、リフロー半田方式によって半田付けすることで表面実装することができる。
【0042】
電子装置10は、リフロー半田方式により電子部品1の接続端子2a,2b,2cを配線基板3のランド4a,4b,4cと半田からなる接合部5で接続させることができる。ここで、電子装置10は、予め電子部品1の異なる平坦度の接続端子2a,2b,2cに合わせて形成させた配線基板3の異なる高さのランド4a,4b,4c上に、フラックスに半田粒子を混ぜたクリーム半田を半田印刷により印刷させる。一表面3a側にクリーム半田が形成された配線基板3のランド4a,4b,4c上に電子部品1の各接続端子2a,2b,2cを配置させる。
【0043】
その後、電子部品1が配置された配線基板3の一表面3a側を熱風に曝すことによりクリーム半田を溶融した後、溶融半田の冷却により接合部5を形成させて電子装置10を形成させることができる。電子装置10における接合部5の形成には、必ずしも熱風を利用したリフロー方式でなくともよく、手動で半田付けすることもできるし、レーザ照射により半田付けを行ってよい。
【0044】
本実施形態の電子装置10は、第1の接続端子となる接続端子2bと第1のランドとなるランド2bとの距離である第1の距離と、第2の接続端子たる接続端子2cと第2のランドとなるランド4cとの距離だある第2の距離との差を、発光ダイオード1の接続端子2a,2b,2cの平坦度よりも小さくするようにランド4cの高さを設定することにより、発光ダイオード1Aの接続端子2a,2bの形状の矯正を行うことなく、半田からなる接合部5の接続信頼性をより高めることが可能となる。また、本実施形態の電子装置10は、接続端子2a,2b,2cとランド4a,4b,4cとの間に形成される接合部5の厚みが略一定で、発光ダイオード1Aを配線基板3に表面実装させることが可能となる。すなわち、本実施形態の電子装置10は、発光ダイオード1Aの接続端子2a,2b,2cの平坦度が異なるにもかかわらず、半田からなる接合部5の形成に使用される半田量を各接続端子2a,2b,2cで略等しくできる。
【0045】
そのため、電子装置10は、発光ダイオード1Aと配線基板3とを接合させる各接合部5の強度を略等しくすることが可能となる。電子装置10は、発光ダイオード1Aと配線基板3とを接続させる各接合部5に応力が掛かっても接合部5が部分的に損傷することを抑制し、より信頼性を高めることが可能となる。
【0046】
なお、本実施形態の電子装置10では、電子部品1として発光ダイオード1Aを例示して説明したが、電子部品1は発光ダイオード1Aだけに限られない。電子部品1は、たとえば、平坦度が異なる接続端子2a,2b,2cが定まった発光ダイオード1Aやパワートランジスタ、チップ状に形成された各種ICなどを用いてもよい。
【0047】
本実施形態の図1に示す電子装置10では、電子部品1として発光ダイオード1Aを配線基板3上に一つ実装させているが、電子部品1の数は、これに限定されるものでもなく適宜増加させることができる。また、異なる種類の電子部品1を実装させてもよい。この場合、各電子部品1は、配線基板3の一表面3a上に形成させたランド4a,4b,4cから延在する配線パターンを利用して、適宜に直列、並列や直並列に電気的に接続させればよい。
【0048】
(実施形態2)
本実施形態の電子装置10は、実施形態1の電子装置10と同様の構成であって、図1(b)に示す発光ダイオード1Aにおける給電用の電極端子である接続端子2a,2bを第1の接続端子とし、放熱用の端子である接続端子2cを第2の接続端子に用いた代わりに、図3(a)に示すように発光ダイオード1Aにおける放熱用の端子である接続端子2cを第1の接続端子とし、給電用の電極端子である接続端子2a,2bを第2の接続端子に用いた点が異なる。なお、図1と同様の構成については、同じ番号を付して説明を省略する。
【0049】
本実施形態の電子装置10に用いられる図3(a)に示す電子部品1たる発光ダイオード1Aは、表面実装型パッケージ11に収納されたLEDチップ12を備えている。本実施形態の電子装置10は、第1の接続端子を表面実装型パッケージ11の外底面11c側から突出しLEDチップの熱を外部に放熱する放熱用の端子である接続端子2cとしている。また、本実施形態の電子装置10は、第2の接続端子を表面実装型パッケージ11から側面11b側に突出したLEDチップ12への給電用の電極端子である接続端子2a,2bとしている。
【0050】
本実施形態の電子装置10では、複数個のランド4a,4b,4cが、第1の接続端子となる接続端子2cが接合される第1のランドとなるランド4cと、第2の接続端子となる接続端子2bとが接合される第2のランドとなるランド4bとを有し、接続端子2cとランド4cとの距離である第1の距離と、接続端子2bとランド4bとの距離である第2の距離との差を、複数個の接続端子2a,2b,2cの平坦度よりも小さくなるように第2のランド4bの高さを設定している。なお、本実施形態の電子装置10においては、図3(a)に示すように発光ダイオード1Aを表面実装させる接合部5側の仮想の基準平面αからの高さが低い接続端子2cと、基準平面αからの高さが高い接続端子2bとの寸法差hを接続端子2bの平坦度として例示している。なお、図3(a)の発光ダイオード1Aでは、接続端子2cを基準平面αに一致させて図示している。
【0051】
また、接続端子2cとランド4cとの距離である第1の距離(図示していない)と、接続端子2bとランド4bとの距離である第2の距離との差を、上述した複数個の接続端子2a,2b,2cの平坦度よりも小さくなるようにランド4bの高さをランド4cと比較してhだけ高く形成してなることを図3(b)に図示している。
【0052】
これにより、本実施形態の電子装置10は、接続端子2b,2cとランド4b,4cとの間に形成される接合部5の厚みが略一定で、発光ダイオード1Aを配線基板3に表面実装させることが可能となる。
【0053】
特に、本実施形態の電子装置10に用いられる発光ダイオード1Aは、発光ダイオード1Aの内部のLEDチップ12からの熱を外部に放熱する放熱用の端子となる接続端子2cを配線基板3の一表面3aからの高さの位置の基準としている。
【0054】
そのため、電子装置10は、発光ダイオード1Aを配線基板3の一表面3a側に表面実装させるに際し、発光ダイオード1Aの接続端子2cと配線基板3のランド4cとの間に形成される接合部5で必要となる半田量を接続端子2cの高さで制御することが可能となる。すなわち、本実施形態の電子装置10は、給電用の電極端子たる接続端子2a,2bの接合状態により、接続端子2cの接合される高さが変動する可能性が実施形態1の電子装置10よりも少なくすることができる。そのため、本実施形態の電子装置10は、発光ダイオード1と配線基板3とを、より制御性よく制御された半田量の半田からなる接合部5で接合することが可能となる。本実施形態の電子装置10は、接続端子2cとランド4cとの間に形成される接合部5の接続面積を広げさせ接合をより安定化させることができる。これにより本実施形態の電子装置10は、発光ダイオード1Aの接続端子2cから接合部5を介して配線基板3側に安定して発光ダイオード1Aからの熱を放熱させることもできる。
【0055】
本実施形態の電子装置10では、発光ダイオード1Aにおける接続端子2a,2b,2cの形状の矯正を行うことなく、半田からなる接合部5の接合信頼性を、より高くすることが可能となる。
【0056】
(実施形態3)
本実施形態の図4に示す電子装置10は、実施形態1の図1に示した電子装置10と同様の構成であって、予め設計した平坦度の接続端子2a,2b,2cを備えた発光ダイオード1Aを電子部品1として用いる代わりに、意図しない接続端子2d,2eの変形により接続端子2d,2eの平坦度が異なった電子部品1を用いた点が異なる。なお、図1と同様の構成については、同じ番号を付して説明を省略する。
【0057】
本実施形態の図4に示す電子装置10は、複数個の接続端子2d,2eを備えた電子部品1と、該電子部品1が表面実装される一表面3a側に複数個のランド4d,4eを備えた配線基板3と、接続端子2d,2eそれぞれが各別にランド4d,4eと半田により接合された接合部5とを有している。
【0058】
ここで、本実施形態の電子装置10に用いられる図5に示す電子部品1は、直方体状の表面実装型パッケージ11の内部に図示していない半導体素子が収納されている。半導体素子は、金線などの導電性ワイヤを介して平板状の接続端子2dと電気的に接続させている。電子部品1は、直方体状の表面実装型パッケージ11の両側面11b,11b側から外部に複数個(ここでは、8個)の板状の接続端子2dを等間隔でそれぞれ突出させている。電子装置1は、表面実装型パッケージ11の側面11bの中央部から突出する各接続端子2dが表面実装できるように配線基板3側に折り曲げ加工して接続端子2dの先端部の高さを揃えて形成している。
【0059】
ところで、薄型化が進んだ電子部品1では、接続端子2dも薄く接続端子2dの強度がより低くなる傾向にある。そのため、電子部品1は、配線基板3へ表面実装されるまでの間に実装冶具に当接するなどして一部の接続端子2eが変形する場合もある。変形した接続端子2eは、電子部品1の接続端子2d,2eの平坦度が異なることになる。
【0060】
本実施形態の電子装置10に用いられる電子部品1は、複数個の接続端子2d,2eが、配線基板3の一表面3aからの高さ位置の基準となる第1の接続端子2dと、該第1の接続端子2dとは一表面3aからの高さが異なる第2の接続端子2eとを備えている(図4(b)を参照)。
【0061】
また、本実施形態の電子装置10は、複数個のランド4d,4eが、第1の接続端子となる接続端子2dが接合される第1のランドとなるランド4dと、第2の接続端子となる接続端子2eとが接合される第2のランドとなるランド4eとを有し、接続端子2dとランド4dとの距離である第1の距離と、接続端子2eとランド4eとの距離である第2の距離との差を、複数個の接続端子2e,2dの平坦度よりも小さくなるようにランド4eの高さを設定している。
【0062】
すなわち、本実施形態の電子装置10においては、図4(b)に示すように電子装置1を表面実装させる配線基板3の一表面3aからの高さが低い接続端子2dと、配線基板3の一表面3aからの高さが高い接続端子2eとの寸法差hが接続端子2eの変形により生じている。
【0063】
また、本実施形態の電子装置10においては、図4(c)に示すように接続端子2dとランド4dとの距離である第1の距離(図示していない)と、接続端子2eとランド4eとの距離である第2の距離との差を、上述した複数個の接続端子2d,2eの平坦度よりも小さくなるようにランド4eの高さをランド4dと比較してhだけ高く形成している。
【0064】
本実施形態の電子装置10は、高さが異なる配線基板3のランド4d,4e上にクリーム半田を半田印刷した後、異なる平坦度の接続端子2d,2eを備えた電子部品1を配置し表面実装して形成している。
【0065】
なお、本実施形態の電子装置10は、接続端子2d,2eの変形が外力などによって生じた電子部品1では、予め接合する接続端子2eの平坦度や接続端子2eの位置が定まっていない。そのため、本実施形態の電子装置10では、電子装置10の製造工程において、電子部品1の接続端子2d,2eを画像認識手段により接続端子2eの平坦度や接続端子2eの位置を把握させた後、各ランド4d,4eの高さを適宜に調整すればよい。
【0066】
これにより、本実施形態の電子装置10は、電子部品1の接続端子2d,2eの形状を矯正することなく、接合部5の厚みが不安定となる配線基板3への後追い半田を不要とすることができる。
【0067】
次に、本実施形態の電子装置10に用いられる接続端子2d,2eの平坦度の異なる電子部品1と、高さの異なるランド4d,4eを備えた配線基板3とを表面実装する工程について説明する。配線基板3の高さが異なるランド4d,4e上にクリーム半田を形成させる工程について図6を用いて説明する。
【0068】
電子装置10は、たとえば、図4(b)で示した電子部品1における接続端子2c,2dの位置や平坦度を予め画像認識処理装置に接続されたコンピュータの記憶保持手段(たとえば、EEPROMなど)に記憶させておく。
【0069】
図4(b)で示す電子部品1の平坦度の異なる接続端子2d,2eに対応して、コンピュータの記憶保持手段に保持させた平坦度の情報に基づき各ランド4d,4eをそれぞれ研磨することにより、図4(c)で示す高さの異なるランド4d,4eを備えた配線基板3を形成させておく。
【0070】
次に、本実施形態の電子装置10は、配線基板3のランド4d,4e上に電子装置10における接合部5となる半田を半田印刷によって印刷する。すなわち、本実施形態の電子装置10における配線基板3は、接合部5の形成時に図6に示すようにメタルマスク21を用いてランド4d,4e上にクリーム半田23を半田印刷させる。メタルマスク21は、クリーム半田23を印刷する各ランド4d,4eの配線基板3の一表面3a側における配置や大きさに合わせて貫通孔21d,21eを備えている。メタルマスク21は、メタルマスク21の一方面21b側にハーフエッチング加工により段状に窪んだ凹部21cを形成している。メタルマスク21の他方面21a側には、貫通孔21d,21eを除いて平らな面としてある。
【0071】
メタルマスク21は、一方面21b側を配線基板3の一表面3a側へ向けて配置させている。これにより、メタルマスク21は、配線基板3の一表面3aから高さの低いランド4dがメタルマスク21の一方面21b側の突出した表面に当接している。また、メタルマスク21は、配線基板3の一表面3aから高さの高いランド4eが凹部21cに当接している。これにより、メタルマスク21には、一方面21a側に第1のランドとなるランド4dと第2のランドとなるランド4eの高さの差に応じて深さがそれぞれ異なる凹部21が形成されることなる。
【0072】
配線基板3のランド4e,4dヘのクリーム半田23の印刷は、メタルマスク21の他方面21a上に配置させたクリーム半田23をウレタンゴムやメタル、プラスチックなどの材料からなるスキージ22で掻き取って(図6中の白抜きの矢印を参照)、メタルマスク21の各貫通孔21d,21eにクリーム半田23を充填させる。メタルマスク21を配線基板3の一表面3a側から除去することにより、配線基板3の各ランド4d,4eそれぞれにクリーム半田23を転写して半田印刷を行うことができる。
【0073】
本実施形態の電子装置10を形成するために用いられるハーフエッチング加工されたメタルマスク21は、メタルマスク21の一方面21b側に部分的に厚みを変えた凹部21cを備えている。ここで、メタルマスク21は、電子部品1の接続端子2d,2eの高さに対応してクリーム半田23の半田量を変えたい場合、ランド4d,4eの高さに合わせた深さで段掘りのハーフエッチング加工を行っている。メタルマスク21は、ハーフエッチング加工が施されることにより配線基板3のランド4d,4e上に印刷するクリーム半田23の半田量を適宜に調整することが可能となる。
【0074】
本実施形態の電子装置10に用いられる配線基板3のランド4d,4e上にクリーム半田23を形成させるためのメタルマスク21は、クリーム半田23を印刷する配線基板3の一表面3a側に凹部21cを備えている。そのため、本実施形態の電子装置10の製造に用いられるメタルマスク21は、厚みが均一なメタルマスクを用いて半田印刷する場合と比較して、メタルマスク21と、高さの低いランド4dとの間に間隙を生ずることを抑制しクリーム半田23の半田量が不安定になることを防止することが可能となる。
【0075】
また、本実施形態の電子装置10は、配線基板3上にクリーム半田23を半田印刷するにあたり、配置基板3の一表面3a側からの高さが低いランド4dに半田印刷されるクリーム半田23の半田量が、配置基板3の一表面3a側からの高いランド4eと比較して高くなるようにメタルマスク21の貫通孔21d,21eおよび凹部21cの形状を形成してある。
【0076】
これにより、クリーム半田23が印刷された配線基板3のランド4d,4e上には、図6(b)に示すように高さの低いランド4d上のクリーム半田23dの高さGに対して、高さの高いランド4eのクリーム半田23eの高さEよりも高くして半田量を調整させている。同様に、メタルマスク21は、貫通孔21dの開口径を貫通孔21eの開口径よりも小さくして、低いランド4d上のクリーム半田23dの幅Fを、高いランド4e上のクリーム半田23eの幅Dよりも狭くして半田量を調整させている。
【0077】
これにより、本実施形態の電子装置10は、隣接するランド4d,4e間の高さの差が大きい場合や異なる高さのランド4d,eの間隔が狭い場合であっても配線基板3のランド4d,4eと、メタルマスク21との間に隙間が発生することを、メタルマスク21の凹部21cの段堀で抑制することにより、安定した半田量でクリーム半田23を印刷することが可能となる。
【0078】
これにより、本実施形態の電子装置10を量産性よく製造することができる。また、電子装置10は、厚みが異なるランド4d,4eを備えた配線基板3上にランド4d,4eの厚みに合わせた貫通孔21d,21eが形成されたメクルマスク21を用いて半田印刷を行うことにより、スキージ22の消耗を抑制することが可能となる。そのため、スキージ22の交換に伴う生産ロスや交換時期の厳密な管理を軽減することが可能となる。
【0079】
なお、電子装置10に用いられる配線基板3への半田印刷は、本実施形態だけでなく、上述した実施形態1や実施形態2の電子装置10にも用いられることはいうまでもない。
【0080】
本実施形態の電子装置10は、電子部品1の接続端子2d,2eの形状を矯正することなく、複数個の接続端子2d,2eの平坦度が異なる構造の電子部品1を配線基板3の各ランド4d,4eと半田により接合して、半田からなる接合部5の接合信頼性をより高めることが可能となる。また、本実施形態の電子装置10は、複数個の接続端子2d,2eの平坦度が異なる構造の電子部品1を配線基板3の各ランド4d,4eと半田により接合して製造する上で、半田付けを確実に安価で行うことが可能となる。
【0081】
こうして形成された本実施形態の電子装置10は、電子部品1における接続端子2dの形状の矯正や配線基板3への追い半田を行うことなく、半田からなる接合部5の接合信頼性をより高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0082】
1 電子部品
1A 発光ダイオード
2a,2b,2c,2d,2e 接続端子
3 配線基板
3a 一表面
4a,4b,4c,4d,4e ランド
5 接合部
10 電子装置
11 表面実装型パッケージ
21 メタルマスク
22 スキージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面実装型パッケージを備えた電子部品と、該電子部品の複数個の接続端子が各別に半田からなる接合部により接合される複数個のランドを一表面上に有する配線基板とを備えた電子装置であって、
前記複数個の接続端子が、前記配線基板の前記一表面からの高さ位置の基準とする第1の接続端子と、該第1の接続端子とは前記一表面からの高さ位置の異なる第2の接続端子とを有し、
前記複数個のランドが、前記第1の接続端子が接合される第1のランドと、前記第2の接続端子が接合される第2のランドとを有し、前記第1の接続端子と前記第1のランドとの距離である第1の距離と、前記第2の接続端子と前記第2のランドとの距離である第2の距離との差を、前記複数個の接続端子の平坦度よりも小さくするように前記第2のランドの高さが設定されてなることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記電子部品は、前記表面実装型パッケージに収納されたLEDチップを備えており、前記第1の接続端子が、前記表面実装型パッケージから側面側に突出した前記LEDチップへの給電用の電極端子であるとともに、前記第2の接続端子が、前記表面実装型パッケージの外底面側から突出し前記LEDチップの熱を外部に放熱する放熱用の端子であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記電子部品は、前記表面実装型パッケージに収納されたLEDチップを備えており、前記第1の接続端子が、前記表面実装型パッケージの外底面側から突出し前記LEDチップの熱を外部に放熱する放熱用の端子であるとともに、前記第2の接続端子が、前記表面実装型パッケージから側面側に突出した前記LEDチップへの給電用の電極端子であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電子装置の製造方法であって、前記接合部の形成時に、ハーフエッチング加工により一方面側に前記第1のランドと前記第2のランドの高さの差に応じて深さがそれぞれ異なる凹部が形成されてなるメタルマスクを、該メタルマスクの前記一方面側を前記配線基板の前記一表面側に向けて前記配線基板上に配置させ、前記メタルマスクを用いた半田印刷により前記メタルマスクの複数個の前記凹部に設けた貫通孔から前記第1のランドおよび前記第2のランドそれぞれに前記半田を設ける工程と、
リフロー半田方式により前記電子部品の前記第1の接続端子と前記第2の接続端子とをそれぞれ前記第1のランドと第2のランドとに前記半田からなる接合部により接合する工程とを有することを特徴とする電子装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−249546(P2011−249546A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120943(P2010−120943)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】