電子部品
【課題】放熱特性を向上できる電子部品を提供する。
【解決手段】LED素子等の回路素子7に接続される配線電極4が形成される回路基板3と、回路基板3の表面に形成された導体パターンから成る第1放熱部11と、回路基板3の裏面に配される第2放熱部12と、第1放熱部11に接して配されて回路素子7の周囲を囲む枠体6と、回路基板3に形成した孔部3d内に配されて枠体6と第2放熱部12とを連結する連結部13とを備え、回路素子7が第1放熱部11または第2放熱部12に接して配される。
【解決手段】LED素子等の回路素子7に接続される配線電極4が形成される回路基板3と、回路基板3の表面に形成された導体パターンから成る第1放熱部11と、回路基板3の裏面に配される第2放熱部12と、第1放熱部11に接して配されて回路素子7の周囲を囲む枠体6と、回路基板3に形成した孔部3d内に配されて枠体6と第2放熱部12とを連結する連結部13とを備え、回路素子7が第1放熱部11または第2放熱部12に接して配される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED素子等の発熱を伴う回路素子を有した電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子部品は特許文献1に開示されている。図13、図14はこの電子部品を示す正面断面図及び側面断面図を示している。電子部品1はLED素子から成る回路素子7を有した表面実装型LEDを構成する。電子部品1は導体パターンから成る配線電極4が形成された回路基板3の裏面に金属から成る放熱板2が接着剤等によって固着される。
【0003】
回路基板3には略円形の開口部3aが形成され、配線電極4を有して開口部3a内に2方向から突出して対向する第1、第2突出部3b、3cが設けられる。回路素子7は第1、第2突出部3b、3c間に配され、放熱板2に熱伝導率の高い接着剤等によって固着される。
【0004】
開口部3a内には放熱板2に熱伝導率の高い接着剤等によって固着される筒状の枠体6が配される。金属から成る枠体6は内面6bを円錐面で形成される。枠体6には第1、第2突出部3b、3cを跨いで第1、第2突出部3b、3cとの干渉を回避する逃げ溝6aが形成される。第1、第2突出部3b、3c上の配線電極4は逃げ溝6aと対向する表面に絶縁層5が形成される。これにより、配線電極4と枠体6との短絡が防止される。
【0005】
配線電極4には枠体6の外側に配される外部接続端子(不図示)と内部に配される素子接続端子(不図示)とが形成される。回路素子7はリード線8によって第1、第2突出部3b、3c上の素子接続端子に接続される。枠体6の内側には透光性樹脂9が充填され、回路素子7及びリード線8が封止される。外部接続端子は外部の基板等に接続され、回路素子7に電力を供給する。
【0006】
上記構成の電子部品1において、外部接続端子を介して外部から電力が供給されると回路素子7が発光して光が出射される。回路素子7の出射光は枠体6の内面6bで反射して集光され、発光効率の高い電子部品1を得ることができる。また、回路素子7の発熱は放熱板2に伝えられて放熱板2から放熱されるとともに、放熱板2を介して枠体6に伝えられて枠体6から放熱される。これにより、大きな放熱面積を有して放熱効率の高い電子部品1を得ることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2005−50838号公報(第6頁−第10頁、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
LED素子は高輝度を得るために駆動電流を増加させると電力損失も増大して高温になる。また、LED素子は温度が低いほど光電変換効率が高いため、高温になると輝度が低下する。加えて、LED素子は高温になると寿命が短縮され、信頼性が低下する。このため、高輝度の回路素子7の発熱を更に放熱できる放熱効率のより高い電子部品1が求められている。尚、LED素子に限られず、発熱を伴う回路素子を有した電子部品において同様の問題がある。
【0009】
本発明は、放熱特性を向上できる電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、回路素子に接続される配線電極が形成される回路基板と、前記回路基板の表面に形成された導体パターンから成る第1放熱部と、前記回路基板の裏面に配される第2放熱部と、第1放熱部に接して配されて前記回路素子の周囲を囲む枠体と、前記回路基板に形成した孔部内に配されて前記枠体と第2放熱部とを連結する連結部とを備え、前記回路素子が第1放熱部または第2放熱部に接して配されることを特徴としている。
【0011】
この構成によると、配線電極を介して回路素子に電力が供給される。例えば、回路素子が第1放熱部に接して配されると、電力供給による回路素子の発熱は第1放熱部を介して放熱される。更に、回路素子の発熱は第1放熱部に接する枠体から放熱され、連結部を介して枠体に連結される第2放熱部から放熱される。また、回路素子が第2放熱部に接して配されると、電力供給による回路素子の発熱は第2放熱部を介して放熱される。更に、回路素子の発熱は連結部を介して第2放熱部に連結される枠体から放熱され、枠体に接する第1放熱部から放熱される。
【0012】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記回路基板の表面に段差部を設け、前記段差部に充填される固着部材によって前記枠体を固着したことを特徴としている。この構成によると、枠体は接着層を介することなく第1放熱部と密着する。
【0013】
また本発明は、上記構成の電子部品において、第2放熱部が前記回路基板上に形成される導体パターンから成ることを特徴としている。この構成によると、孔部の深さよりも連結部の高さが長い時に、枠体が第1放熱部に接した状態で導体パターンから成る第2放熱部が湾曲して連結部に接する。
【0014】
また本発明は、上記構成の電子部品において、第2放熱部が前記回路基板に固着された金属板から成ることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、上記構成の電子部品において、第2放熱部は前記孔部に対向する凹部を有し、前記連結部が前記凹部の周面に接することを特徴としている。この構成によると、孔部の深さよりも連結部の高さが長く、枠体が第1放熱部に接した状態で孔部から凹部内に突出する連結部が凹部の周面に接する。
【0016】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記連結部は前記枠体から突出して前記枠体と一体に形成されることを特徴としている。この構成によると、枠体は金属の切削加工等によって連結部と一体に形成される。
【0017】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記連結部は第2放熱部上に積層して前記孔部に充填された導体から成ることを特徴としている。この構成によると、回路基板の裏面に設けた第2放熱部上に導体をメッキ等によって積層し、孔部内に該導体が充填されて連結部が形成される。
【0018】
また本発明は、上記構成の電子部品において、第1放熱部は絶縁部材を挟んで前記配線電極上に形成されることを特徴としている。
【0019】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記回路素子がLED素子から成り、前記LED素子の出射光を前記枠体により反射させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、回路基板の表面に第1放熱部を形成して裏面に第2放熱部を配し、第1放熱部に接する枠体と第2放熱部とを連結部で連結するので、第1放熱部または第2放熱部に接する回路素子の発熱が第1、第2放熱部及び枠体から放熱される。従って、従来よりも回路基板の表面から放熱される面積が増加し、電子部品の放熱効率を向上することができる。
【0021】
また本発明によると、回路基板の表面に設けた段差部に固着部材を充填して枠体を固着したので、第1放熱部と枠体との間に接着層が形成されず枠体が第1放熱部と密着する。従って、接着層による伝熱量の低下を防止し、電子部品の放熱効率をより向上することができる。
【0022】
また本発明によると、第2放熱部が回路基板上に形成される導体パターンから成るので、孔部から突出する連結部により第2放熱部が湾曲し、連結部を確実に第2放熱部に密着させることができる。
【0023】
また本発明によると、第2放熱部が回路基板に固着された金属板から成るので、第2放熱部の熱容量を大きくして放熱効率を向上することができる。
【0024】
また本発明によると、第2放熱部は孔部に対向する凹部を有し、連結部が凹部の周面に接するので、孔部から連結部が突出した際に連結部を確実に第2放熱部に密着させることができる。
【0025】
また本発明によると、連結部は枠体から突出して枠体と一体に形成されるので、切削加工等によって連結部を容易に形成することができる。
【0026】
また本発明によると、連結部は第2放熱部上に積層して孔部に充填された導体から成るので、フィルドビア法等によって連結部を容易に形成することができる。
【0027】
また本発明によると、第1放熱部が絶縁部材を挟んで配線電極上に形成されるので、第1放熱部の面積を広くすることができる。また、枠体に配線電極との接触を回避する逃げ溝を設ける必要がなく、枠体の全周を第1放熱部と接触させることができる。従って、電子部品の放熱効率をより向上することができる。
【0028】
また本発明によると、回路素子がLED素子から成り、LED素子の出射光を枠体により反射させるので、LED素子の出射光を集光して発光効率の高い電子部品を得ることができる。また、高輝度で信頼性の高いLED素子を有した電子部品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。説明の便宜上、前述の図13〜図14に示す従来例と同一の部分は同一の符号を付している。図1は第1実施形態の電子部品を示す斜視図である。電子部品1は絶縁体から成る基材3fを有した回路基板3上に導体パターンから成る第1放熱部11が形成される。
【0030】
第1放熱部11上にはアルミダイカスト等の金属から成る筒状の枠体6が設置される。枠体6の周部には下面と側面との間に跨る空所6cに絶縁体18が充填されている。これにより、電子部品1を切断してチップ化する際に枠体6の下面に生じる金属バリを防止することができる。枠体6の内面6bは円錐面から成っている。
【0031】
枠体6の内側の第1放熱部11上にはLED素子から成る回路素子7が設置される。従って、電子部品1はLED素子から成る回路素子7を有した表面実装型LEDを構成する。回路素子7は赤、緑、青をそれぞれ発光する3つの回路素子7R、7G、7Bを有している。回路素子7は1個でもよく、複数でもよい。回路素子7の出射光は枠体6の内面6bで反射して集光される。
【0032】
回路基板3は基材3fの表面と裏面とに導体パターンから成る配線電極4が形成される。配線電極4は第1放熱部11と離れて枠体6の内側に配される複数の素子接続端子4aを有している。各素子接続端子4aにはリード線8によって回路素子7R、7G、7Bが接続される。枠体6の内側には透光性樹脂(不図示)が充填され、回路素子7及びリード線8が封止される。
【0033】
図2は図1をA−Aで切断した斜視図を示している。図3は図1をA−Aで切断した断面図を示している。回路基板3の表面側及び裏面側の配線電極4はスルーホール4cによって導通する。第1放熱部11は絶縁部材から成る基材3fを挟んで裏面側の配線電極4の上方に形成される。裏面側の配線電極4の端部には外部の基板等に接続される外部接続端子4bが形成される。外部接続端子4bは各素子接続端子4aに対応して複数設けられ、外部接続端子4bを介して回路素子7に電力が供給される。
【0034】
素子接続端子4a及び外部接続端子4bを除く配線電極4にはレジスト4dが塗布される。露出した素子接続端子4a及び外部接続端子4bには金メッキ処理が施されている。表面側の配線電極4の外周部は厚みが薄く形成され、回路基板3の表面側に段差部3eが形成される。
【0035】
段差部3eには接着剤等の固着部材15が充填され、固着部材15によって枠体6が回路基板3に固着される。これにより、第1放熱部11と枠体6との間に接着層が形成されずに枠体6が第1放熱部11と密着する。従って、接着層による第1放熱部11と枠体6との間の伝熱量の低下を防止することができる。
【0036】
図4は図1をB−Bで切断した斜視図を示している。また、図5は図1をB−Bで切断した断面図を示している。回路素子7の下方に配される第1放熱部11はスルーホール14によって第2放熱部12と導通する。スルーホール14は各回路素子7R、7G、7Bの直下にそれぞれ設けられ、回路素子7R、7G、7Bの熱が第2放熱部12に伝えられやすくなっている。
【0037】
第2放熱部12は回路基板3の裏面の一方向に延び、両端部に亙って広い面積に形成される。回路基板3には枠体6の下方に孔部3dが形成される。枠体6は下方に突出する連結部13を有し、連結部13が孔部3dに挿通される。連結部13は枠体6を切削加工して一体に形成され、高さHが孔部3dの深さに一致する。これにより、連結部13の座面が第1放熱部11に接した状態で連結部13の下面が第2放熱部12に接する。
【0038】
連結部13の高さHにばらつきが生じると、連結部13の座面が第1放熱部11に接した状態で連結部13の下面が第2放熱部12と離れる場合がある。このため、連結部13の高さHを孔部3dの深さよりも長く形成してもよい。これにより、孔部3dから突出する連結部13により導体パターンから成る第2放熱部12が湾曲し、連結部13を確実に第2放熱部12に密着させることができる。
【0039】
上記構成の電子部品1において、外部接続端子4bを介して外部から電力が供給されると回路素子7が発光して光が出射される。回路素子7の出射光は枠体6の内面6bで反射して集光され、発光効率の高い電子部品1を得ることができる。
【0040】
回路素子7の発熱は第1放熱部11を介して枠体6に伝えられ、第1放熱部11及び枠体6から放熱される。また、回路素子7の発熱はスルーホール14を介して第2放熱部12に伝えられ、連結部13を介して枠体6に伝えられる。これにより、第2放熱部12及び枠体6から放熱される。
【0041】
本実施形態によると、回路基板3の表面に第1放熱部11を形成して裏面に第2放熱部12を配し、第1放熱部11に接する枠体6と第2放熱部12とを連結部13で連結するので、第1放熱部11に接する回路素子7の発熱が第1、第2放熱部及11、12及び枠体6から放熱される。従って、従来よりも回路基板3の表面から放熱される面積が増加する。
【0042】
また、連結部13は枠体6の下部に配されて断面積を広く確保できるため、第2放熱部12と枠体6との間の伝熱量が大きくなる。従って、第2放熱部12から熱容量の大きい枠体6に効率よく熱を伝えることができる。これらによって、電子部品1の放熱効率を向上することができ、高輝度で信頼性の高い電子部品1を得ることができる。
【0043】
また、回路基板3の表面に設けた段差部3eに固着部材15を充填して枠体6を固着したので、接着層による伝熱量の低下を防止して電子部品1の放熱効率をより向上することができる。
【0044】
また、第1放熱部11は絶縁部材から成る基材3fを挟んで裏面側の配線電極4の上方に形成されるので、第1放熱部11の面積を広くすることができる。また、枠体6に配線電極4との接触を回避する逃げ溝6a(図13参照)を設ける必要がなく、枠体6の全周を第1放熱部11と接触させることができる。従って、電子部品1の放熱効率をより向上することができる。
【0045】
本実施形態において、連結部13を枠体6と一体に形成しているが、別部材により形成してもよい。例えば、フィルドビア法によって第2放熱部12上に積層した銅メッキで孔部3dを埋めて連結部13を形成することができる。
【0046】
次に、図6は第2実施形態の電子部品を示す斜視図である。説明の便宜上、前述の図1〜図5に示す第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。電子部品1は絶縁体から成る基材3fを有した回路基板3上に導体パターンから成る第1放熱部11が形成される。回路基板3の裏面には金属板から成る第2放熱部22が接着剤等によって固着される。
【0047】
第1放熱部11上にはアルミダイカスト等の金属から成る筒状の枠体6が設置される。回路基板3の四隅には外部接続端子4bが設けられ、枠体6の四隅は外部接続端子4bを露出させるための逃げ部6eが形成されている。枠体6の内側には回路基板3及び第1放熱部11を貫通する開口部16が形成される。
【0048】
開口部16内には第1実施形態と同様のLED素子から成る回路素子(不図示)が設置され、回路素子は第2放熱部22に密着する。従って、電子部品1はLED素子から成る回路素子を有した表面実装型LEDを構成する。
【0049】
回路基板3は基材3fの表面と基材3fの内部とに導体パターンから成る配線電極4が形成される。配線電極4は第1放熱部11と離れて枠体6の内側に配される複数の素子接続端子4aを有している。各素子接続端子4aにはリード線(不図示)によって回路素子が接続される。枠体6の内側には透光性樹脂(不図示)が充填され、回路素子及びリード線が封止される。
【0050】
図7は図6をC−Cで切断した斜視図を示している。図8は図6をC−Cで切断した断面図を示している。回路基板3の表面側の素子接続端子4a及び外部接続端子4bは回路基板3の内部に形成される配線電極4にスルーホール4cによって導通する。第1放熱部11は絶縁部材から成る基材3fを挟んで内部の配線電極4の上方に形成される。露出した素子接続端子4a及び外部接続端子4bには金メッキ処理が施されている。
【0051】
図9は図6をD−Dで切断した斜視図を示している。また、図10は図6をD−Dで切断した断面図を示している。回路基板3の周部には第1放熱部11が配されない段差部3eが形成される。段差部3eには接着剤等の固着部材15が充填され、枠体6が回路基板3に固着される。これにより、第1放熱部11と枠体6との間に接着層が形成されずに枠体6が第1放熱部11と密着する。従って、接着層による第1放熱部11と枠体6との間の伝熱量の低下を防止することができる。
【0052】
回路基板3には枠体6の下方に孔部3dが形成される。枠体6は下方に突出する連結部13を有し、連結部13が孔部3dに挿通される。連結部13は枠体6を切削加工して一体に形成され、高さHが孔部3dの深さに一致する。これにより、連結部13の座面が第1放熱部11に接した状態で連結部13の下面が第2放熱部22に接する。
【0053】
上記構成の電子部品1において、外部接続端子4bを介して外部から電力が供給されると回路素子が発光して光が出射される。回路素子の出射光は枠体6の内面6bで反射して集光され、発光効率の高い電子部品1を得ることができる。
【0054】
回路素子の発熱は第2放熱部22に伝えられ、連結部13を介して枠体6に伝えられる。また、枠体6に伝えられた熱は第1放熱部11に伝えられる。これにより、第1、第2発熱部11、22及び枠体6から放熱される。
【0055】
本実施形態によると、第1実施形態と同様に、回路基板3の表面に第1放熱部11を形成して裏面に第2放熱部22を配し、第1放熱部11に接する枠体6と第2放熱部22とを連結部13で連結するので、第2放熱部22に接する回路素子7の発熱が第1、第2放熱部及11、22及び枠体6から放熱される。これにより、従来よりも回路基板3の表面から放熱される面積が増加する。従って、電子部品1の放熱効率を向上することができ、高輝度で信頼性の高い電子部品1を得ることができる。
【0056】
また、第1放熱部11は絶縁部材から成る基材3fを挟んで内部の配線電極4の上方に形成されるので、第1放熱部11の面積を広くすることができる。また、枠体6に配線電極4との接触を回避する逃げ溝6a(図13参照)を設ける必要がなく、枠体6の全周を第1放熱部11と接触させることができる。加えて、第2放熱部22は絶縁部材から成る基材3fを挟んで回路基板3の内部の配線電極4の下方に配されるため、第2放熱部22の面積を広くすることができる。従って、電子部品1の放熱効率をより向上することができる。
【0057】
尚、連結部13を枠体6と一体に形成しているが、枠体6と別部材により形成してもよい。また、連結部13を金属板から成る第2放熱部材22と一体に形成してもよい。
【0058】
次に、図11、図12は第3実施形態の電子部品を示す斜視図及び断面図である。説明の便宜上、前述の図6〜図10に示す第2実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。本実施形態は第2実施形態と同様に構成され、連結部13部分の構成が異なっている。図11は前述の図6をD−Dで切断した斜視図になっており、図12は図6をD−Dで切断した断面図になっている。
【0059】
金属板から成る第2放熱部22には回路基板3に設けた孔部3dに対向する凹部22aが形成される。連結部13の高さHは孔部3dの深さよりも長く形成される。孔部3dから突出した連結部13は凹部22aに嵌合し、凹部22aの周面に接する。
【0060】
従って、連結部13の高さHがばらついても確実に連結部13を第2放熱部22に密着させて第2放熱板22から枠体6に伝熱することができる。尚、凹部22aは第2放熱部22を貫通してもよい。
【0061】
第1〜第3実施形態において、段差部3eに接着剤等の固着部材15を充填して枠体6を回路基板3に固着しているが、孔部3dに固着部材15を充填してもよい。このようにしても、枠体6と回路基板3との間に接着層を設けることなく枠体6を固着することができる。
【0062】
また、回路素子7がLED素子から成っているが、発熱を伴う他の素子であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によると、発熱を伴う回路素子を有した電子部品に利用することができる。より詳しくは、スイッチ内照明、LEDディスプレイ、バックライト光源、光プリンターヘッド、カメラフラッシュ等の光源として用いられる表面実装型LEDに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1実施形態の電子部品を示す斜視図
【図2】図1をA−Aで切断した斜視図
【図3】図1をA−Aで切断した断面図
【図4】図1をB−Bで切断した斜視図
【図5】図1をB−Bで切断した断面図
【図6】本発明の第2実施形態の電子部品を示す斜視図
【図7】図6をC−Cで切断した斜視図
【図8】図6をC−Cで切断した断面図
【図9】図6をD−Dで切断した斜視図
【図10】図6をD−Dで切断した断面図
【図11】本発明の第3実施形態の電子部品を示す斜視図
【図12】本発明の第3実施形態の電子部品を示す断面図
【図13】従来の電子部品を示す正面断面図
【図14】従来の電子部品を示す側面断面図
【符号の説明】
【0065】
1 電子部品
2 放熱板
3 回路基板
3a 開口部
3b 第1突出部
3c 第2突出部
3d 孔部
3e 段差部
4 配線電極
4a 素子接続端子
4b 外部接続端子
4c スルーホール
4d レジスト
5 絶縁層
6 枠体
6a 逃げ溝
6b 内面
6c 空所
6e 逃げ部
7、7R、7G、7B 回路素子
8 リード線
9 透光性樹脂
11 第1放熱部
12、22 第2放熱部
13 連結部
14 スルーホール
15 固着部材
16 開口部
18 絶縁体
22a 凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED素子等の発熱を伴う回路素子を有した電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子部品は特許文献1に開示されている。図13、図14はこの電子部品を示す正面断面図及び側面断面図を示している。電子部品1はLED素子から成る回路素子7を有した表面実装型LEDを構成する。電子部品1は導体パターンから成る配線電極4が形成された回路基板3の裏面に金属から成る放熱板2が接着剤等によって固着される。
【0003】
回路基板3には略円形の開口部3aが形成され、配線電極4を有して開口部3a内に2方向から突出して対向する第1、第2突出部3b、3cが設けられる。回路素子7は第1、第2突出部3b、3c間に配され、放熱板2に熱伝導率の高い接着剤等によって固着される。
【0004】
開口部3a内には放熱板2に熱伝導率の高い接着剤等によって固着される筒状の枠体6が配される。金属から成る枠体6は内面6bを円錐面で形成される。枠体6には第1、第2突出部3b、3cを跨いで第1、第2突出部3b、3cとの干渉を回避する逃げ溝6aが形成される。第1、第2突出部3b、3c上の配線電極4は逃げ溝6aと対向する表面に絶縁層5が形成される。これにより、配線電極4と枠体6との短絡が防止される。
【0005】
配線電極4には枠体6の外側に配される外部接続端子(不図示)と内部に配される素子接続端子(不図示)とが形成される。回路素子7はリード線8によって第1、第2突出部3b、3c上の素子接続端子に接続される。枠体6の内側には透光性樹脂9が充填され、回路素子7及びリード線8が封止される。外部接続端子は外部の基板等に接続され、回路素子7に電力を供給する。
【0006】
上記構成の電子部品1において、外部接続端子を介して外部から電力が供給されると回路素子7が発光して光が出射される。回路素子7の出射光は枠体6の内面6bで反射して集光され、発光効率の高い電子部品1を得ることができる。また、回路素子7の発熱は放熱板2に伝えられて放熱板2から放熱されるとともに、放熱板2を介して枠体6に伝えられて枠体6から放熱される。これにより、大きな放熱面積を有して放熱効率の高い電子部品1を得ることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2005−50838号公報(第6頁−第10頁、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
LED素子は高輝度を得るために駆動電流を増加させると電力損失も増大して高温になる。また、LED素子は温度が低いほど光電変換効率が高いため、高温になると輝度が低下する。加えて、LED素子は高温になると寿命が短縮され、信頼性が低下する。このため、高輝度の回路素子7の発熱を更に放熱できる放熱効率のより高い電子部品1が求められている。尚、LED素子に限られず、発熱を伴う回路素子を有した電子部品において同様の問題がある。
【0009】
本発明は、放熱特性を向上できる電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、回路素子に接続される配線電極が形成される回路基板と、前記回路基板の表面に形成された導体パターンから成る第1放熱部と、前記回路基板の裏面に配される第2放熱部と、第1放熱部に接して配されて前記回路素子の周囲を囲む枠体と、前記回路基板に形成した孔部内に配されて前記枠体と第2放熱部とを連結する連結部とを備え、前記回路素子が第1放熱部または第2放熱部に接して配されることを特徴としている。
【0011】
この構成によると、配線電極を介して回路素子に電力が供給される。例えば、回路素子が第1放熱部に接して配されると、電力供給による回路素子の発熱は第1放熱部を介して放熱される。更に、回路素子の発熱は第1放熱部に接する枠体から放熱され、連結部を介して枠体に連結される第2放熱部から放熱される。また、回路素子が第2放熱部に接して配されると、電力供給による回路素子の発熱は第2放熱部を介して放熱される。更に、回路素子の発熱は連結部を介して第2放熱部に連結される枠体から放熱され、枠体に接する第1放熱部から放熱される。
【0012】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記回路基板の表面に段差部を設け、前記段差部に充填される固着部材によって前記枠体を固着したことを特徴としている。この構成によると、枠体は接着層を介することなく第1放熱部と密着する。
【0013】
また本発明は、上記構成の電子部品において、第2放熱部が前記回路基板上に形成される導体パターンから成ることを特徴としている。この構成によると、孔部の深さよりも連結部の高さが長い時に、枠体が第1放熱部に接した状態で導体パターンから成る第2放熱部が湾曲して連結部に接する。
【0014】
また本発明は、上記構成の電子部品において、第2放熱部が前記回路基板に固着された金属板から成ることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、上記構成の電子部品において、第2放熱部は前記孔部に対向する凹部を有し、前記連結部が前記凹部の周面に接することを特徴としている。この構成によると、孔部の深さよりも連結部の高さが長く、枠体が第1放熱部に接した状態で孔部から凹部内に突出する連結部が凹部の周面に接する。
【0016】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記連結部は前記枠体から突出して前記枠体と一体に形成されることを特徴としている。この構成によると、枠体は金属の切削加工等によって連結部と一体に形成される。
【0017】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記連結部は第2放熱部上に積層して前記孔部に充填された導体から成ることを特徴としている。この構成によると、回路基板の裏面に設けた第2放熱部上に導体をメッキ等によって積層し、孔部内に該導体が充填されて連結部が形成される。
【0018】
また本発明は、上記構成の電子部品において、第1放熱部は絶縁部材を挟んで前記配線電極上に形成されることを特徴としている。
【0019】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記回路素子がLED素子から成り、前記LED素子の出射光を前記枠体により反射させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、回路基板の表面に第1放熱部を形成して裏面に第2放熱部を配し、第1放熱部に接する枠体と第2放熱部とを連結部で連結するので、第1放熱部または第2放熱部に接する回路素子の発熱が第1、第2放熱部及び枠体から放熱される。従って、従来よりも回路基板の表面から放熱される面積が増加し、電子部品の放熱効率を向上することができる。
【0021】
また本発明によると、回路基板の表面に設けた段差部に固着部材を充填して枠体を固着したので、第1放熱部と枠体との間に接着層が形成されず枠体が第1放熱部と密着する。従って、接着層による伝熱量の低下を防止し、電子部品の放熱効率をより向上することができる。
【0022】
また本発明によると、第2放熱部が回路基板上に形成される導体パターンから成るので、孔部から突出する連結部により第2放熱部が湾曲し、連結部を確実に第2放熱部に密着させることができる。
【0023】
また本発明によると、第2放熱部が回路基板に固着された金属板から成るので、第2放熱部の熱容量を大きくして放熱効率を向上することができる。
【0024】
また本発明によると、第2放熱部は孔部に対向する凹部を有し、連結部が凹部の周面に接するので、孔部から連結部が突出した際に連結部を確実に第2放熱部に密着させることができる。
【0025】
また本発明によると、連結部は枠体から突出して枠体と一体に形成されるので、切削加工等によって連結部を容易に形成することができる。
【0026】
また本発明によると、連結部は第2放熱部上に積層して孔部に充填された導体から成るので、フィルドビア法等によって連結部を容易に形成することができる。
【0027】
また本発明によると、第1放熱部が絶縁部材を挟んで配線電極上に形成されるので、第1放熱部の面積を広くすることができる。また、枠体に配線電極との接触を回避する逃げ溝を設ける必要がなく、枠体の全周を第1放熱部と接触させることができる。従って、電子部品の放熱効率をより向上することができる。
【0028】
また本発明によると、回路素子がLED素子から成り、LED素子の出射光を枠体により反射させるので、LED素子の出射光を集光して発光効率の高い電子部品を得ることができる。また、高輝度で信頼性の高いLED素子を有した電子部品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。説明の便宜上、前述の図13〜図14に示す従来例と同一の部分は同一の符号を付している。図1は第1実施形態の電子部品を示す斜視図である。電子部品1は絶縁体から成る基材3fを有した回路基板3上に導体パターンから成る第1放熱部11が形成される。
【0030】
第1放熱部11上にはアルミダイカスト等の金属から成る筒状の枠体6が設置される。枠体6の周部には下面と側面との間に跨る空所6cに絶縁体18が充填されている。これにより、電子部品1を切断してチップ化する際に枠体6の下面に生じる金属バリを防止することができる。枠体6の内面6bは円錐面から成っている。
【0031】
枠体6の内側の第1放熱部11上にはLED素子から成る回路素子7が設置される。従って、電子部品1はLED素子から成る回路素子7を有した表面実装型LEDを構成する。回路素子7は赤、緑、青をそれぞれ発光する3つの回路素子7R、7G、7Bを有している。回路素子7は1個でもよく、複数でもよい。回路素子7の出射光は枠体6の内面6bで反射して集光される。
【0032】
回路基板3は基材3fの表面と裏面とに導体パターンから成る配線電極4が形成される。配線電極4は第1放熱部11と離れて枠体6の内側に配される複数の素子接続端子4aを有している。各素子接続端子4aにはリード線8によって回路素子7R、7G、7Bが接続される。枠体6の内側には透光性樹脂(不図示)が充填され、回路素子7及びリード線8が封止される。
【0033】
図2は図1をA−Aで切断した斜視図を示している。図3は図1をA−Aで切断した断面図を示している。回路基板3の表面側及び裏面側の配線電極4はスルーホール4cによって導通する。第1放熱部11は絶縁部材から成る基材3fを挟んで裏面側の配線電極4の上方に形成される。裏面側の配線電極4の端部には外部の基板等に接続される外部接続端子4bが形成される。外部接続端子4bは各素子接続端子4aに対応して複数設けられ、外部接続端子4bを介して回路素子7に電力が供給される。
【0034】
素子接続端子4a及び外部接続端子4bを除く配線電極4にはレジスト4dが塗布される。露出した素子接続端子4a及び外部接続端子4bには金メッキ処理が施されている。表面側の配線電極4の外周部は厚みが薄く形成され、回路基板3の表面側に段差部3eが形成される。
【0035】
段差部3eには接着剤等の固着部材15が充填され、固着部材15によって枠体6が回路基板3に固着される。これにより、第1放熱部11と枠体6との間に接着層が形成されずに枠体6が第1放熱部11と密着する。従って、接着層による第1放熱部11と枠体6との間の伝熱量の低下を防止することができる。
【0036】
図4は図1をB−Bで切断した斜視図を示している。また、図5は図1をB−Bで切断した断面図を示している。回路素子7の下方に配される第1放熱部11はスルーホール14によって第2放熱部12と導通する。スルーホール14は各回路素子7R、7G、7Bの直下にそれぞれ設けられ、回路素子7R、7G、7Bの熱が第2放熱部12に伝えられやすくなっている。
【0037】
第2放熱部12は回路基板3の裏面の一方向に延び、両端部に亙って広い面積に形成される。回路基板3には枠体6の下方に孔部3dが形成される。枠体6は下方に突出する連結部13を有し、連結部13が孔部3dに挿通される。連結部13は枠体6を切削加工して一体に形成され、高さHが孔部3dの深さに一致する。これにより、連結部13の座面が第1放熱部11に接した状態で連結部13の下面が第2放熱部12に接する。
【0038】
連結部13の高さHにばらつきが生じると、連結部13の座面が第1放熱部11に接した状態で連結部13の下面が第2放熱部12と離れる場合がある。このため、連結部13の高さHを孔部3dの深さよりも長く形成してもよい。これにより、孔部3dから突出する連結部13により導体パターンから成る第2放熱部12が湾曲し、連結部13を確実に第2放熱部12に密着させることができる。
【0039】
上記構成の電子部品1において、外部接続端子4bを介して外部から電力が供給されると回路素子7が発光して光が出射される。回路素子7の出射光は枠体6の内面6bで反射して集光され、発光効率の高い電子部品1を得ることができる。
【0040】
回路素子7の発熱は第1放熱部11を介して枠体6に伝えられ、第1放熱部11及び枠体6から放熱される。また、回路素子7の発熱はスルーホール14を介して第2放熱部12に伝えられ、連結部13を介して枠体6に伝えられる。これにより、第2放熱部12及び枠体6から放熱される。
【0041】
本実施形態によると、回路基板3の表面に第1放熱部11を形成して裏面に第2放熱部12を配し、第1放熱部11に接する枠体6と第2放熱部12とを連結部13で連結するので、第1放熱部11に接する回路素子7の発熱が第1、第2放熱部及11、12及び枠体6から放熱される。従って、従来よりも回路基板3の表面から放熱される面積が増加する。
【0042】
また、連結部13は枠体6の下部に配されて断面積を広く確保できるため、第2放熱部12と枠体6との間の伝熱量が大きくなる。従って、第2放熱部12から熱容量の大きい枠体6に効率よく熱を伝えることができる。これらによって、電子部品1の放熱効率を向上することができ、高輝度で信頼性の高い電子部品1を得ることができる。
【0043】
また、回路基板3の表面に設けた段差部3eに固着部材15を充填して枠体6を固着したので、接着層による伝熱量の低下を防止して電子部品1の放熱効率をより向上することができる。
【0044】
また、第1放熱部11は絶縁部材から成る基材3fを挟んで裏面側の配線電極4の上方に形成されるので、第1放熱部11の面積を広くすることができる。また、枠体6に配線電極4との接触を回避する逃げ溝6a(図13参照)を設ける必要がなく、枠体6の全周を第1放熱部11と接触させることができる。従って、電子部品1の放熱効率をより向上することができる。
【0045】
本実施形態において、連結部13を枠体6と一体に形成しているが、別部材により形成してもよい。例えば、フィルドビア法によって第2放熱部12上に積層した銅メッキで孔部3dを埋めて連結部13を形成することができる。
【0046】
次に、図6は第2実施形態の電子部品を示す斜視図である。説明の便宜上、前述の図1〜図5に示す第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。電子部品1は絶縁体から成る基材3fを有した回路基板3上に導体パターンから成る第1放熱部11が形成される。回路基板3の裏面には金属板から成る第2放熱部22が接着剤等によって固着される。
【0047】
第1放熱部11上にはアルミダイカスト等の金属から成る筒状の枠体6が設置される。回路基板3の四隅には外部接続端子4bが設けられ、枠体6の四隅は外部接続端子4bを露出させるための逃げ部6eが形成されている。枠体6の内側には回路基板3及び第1放熱部11を貫通する開口部16が形成される。
【0048】
開口部16内には第1実施形態と同様のLED素子から成る回路素子(不図示)が設置され、回路素子は第2放熱部22に密着する。従って、電子部品1はLED素子から成る回路素子を有した表面実装型LEDを構成する。
【0049】
回路基板3は基材3fの表面と基材3fの内部とに導体パターンから成る配線電極4が形成される。配線電極4は第1放熱部11と離れて枠体6の内側に配される複数の素子接続端子4aを有している。各素子接続端子4aにはリード線(不図示)によって回路素子が接続される。枠体6の内側には透光性樹脂(不図示)が充填され、回路素子及びリード線が封止される。
【0050】
図7は図6をC−Cで切断した斜視図を示している。図8は図6をC−Cで切断した断面図を示している。回路基板3の表面側の素子接続端子4a及び外部接続端子4bは回路基板3の内部に形成される配線電極4にスルーホール4cによって導通する。第1放熱部11は絶縁部材から成る基材3fを挟んで内部の配線電極4の上方に形成される。露出した素子接続端子4a及び外部接続端子4bには金メッキ処理が施されている。
【0051】
図9は図6をD−Dで切断した斜視図を示している。また、図10は図6をD−Dで切断した断面図を示している。回路基板3の周部には第1放熱部11が配されない段差部3eが形成される。段差部3eには接着剤等の固着部材15が充填され、枠体6が回路基板3に固着される。これにより、第1放熱部11と枠体6との間に接着層が形成されずに枠体6が第1放熱部11と密着する。従って、接着層による第1放熱部11と枠体6との間の伝熱量の低下を防止することができる。
【0052】
回路基板3には枠体6の下方に孔部3dが形成される。枠体6は下方に突出する連結部13を有し、連結部13が孔部3dに挿通される。連結部13は枠体6を切削加工して一体に形成され、高さHが孔部3dの深さに一致する。これにより、連結部13の座面が第1放熱部11に接した状態で連結部13の下面が第2放熱部22に接する。
【0053】
上記構成の電子部品1において、外部接続端子4bを介して外部から電力が供給されると回路素子が発光して光が出射される。回路素子の出射光は枠体6の内面6bで反射して集光され、発光効率の高い電子部品1を得ることができる。
【0054】
回路素子の発熱は第2放熱部22に伝えられ、連結部13を介して枠体6に伝えられる。また、枠体6に伝えられた熱は第1放熱部11に伝えられる。これにより、第1、第2発熱部11、22及び枠体6から放熱される。
【0055】
本実施形態によると、第1実施形態と同様に、回路基板3の表面に第1放熱部11を形成して裏面に第2放熱部22を配し、第1放熱部11に接する枠体6と第2放熱部22とを連結部13で連結するので、第2放熱部22に接する回路素子7の発熱が第1、第2放熱部及11、22及び枠体6から放熱される。これにより、従来よりも回路基板3の表面から放熱される面積が増加する。従って、電子部品1の放熱効率を向上することができ、高輝度で信頼性の高い電子部品1を得ることができる。
【0056】
また、第1放熱部11は絶縁部材から成る基材3fを挟んで内部の配線電極4の上方に形成されるので、第1放熱部11の面積を広くすることができる。また、枠体6に配線電極4との接触を回避する逃げ溝6a(図13参照)を設ける必要がなく、枠体6の全周を第1放熱部11と接触させることができる。加えて、第2放熱部22は絶縁部材から成る基材3fを挟んで回路基板3の内部の配線電極4の下方に配されるため、第2放熱部22の面積を広くすることができる。従って、電子部品1の放熱効率をより向上することができる。
【0057】
尚、連結部13を枠体6と一体に形成しているが、枠体6と別部材により形成してもよい。また、連結部13を金属板から成る第2放熱部材22と一体に形成してもよい。
【0058】
次に、図11、図12は第3実施形態の電子部品を示す斜視図及び断面図である。説明の便宜上、前述の図6〜図10に示す第2実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。本実施形態は第2実施形態と同様に構成され、連結部13部分の構成が異なっている。図11は前述の図6をD−Dで切断した斜視図になっており、図12は図6をD−Dで切断した断面図になっている。
【0059】
金属板から成る第2放熱部22には回路基板3に設けた孔部3dに対向する凹部22aが形成される。連結部13の高さHは孔部3dの深さよりも長く形成される。孔部3dから突出した連結部13は凹部22aに嵌合し、凹部22aの周面に接する。
【0060】
従って、連結部13の高さHがばらついても確実に連結部13を第2放熱部22に密着させて第2放熱板22から枠体6に伝熱することができる。尚、凹部22aは第2放熱部22を貫通してもよい。
【0061】
第1〜第3実施形態において、段差部3eに接着剤等の固着部材15を充填して枠体6を回路基板3に固着しているが、孔部3dに固着部材15を充填してもよい。このようにしても、枠体6と回路基板3との間に接着層を設けることなく枠体6を固着することができる。
【0062】
また、回路素子7がLED素子から成っているが、発熱を伴う他の素子であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によると、発熱を伴う回路素子を有した電子部品に利用することができる。より詳しくは、スイッチ内照明、LEDディスプレイ、バックライト光源、光プリンターヘッド、カメラフラッシュ等の光源として用いられる表面実装型LEDに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1実施形態の電子部品を示す斜視図
【図2】図1をA−Aで切断した斜視図
【図3】図1をA−Aで切断した断面図
【図4】図1をB−Bで切断した斜視図
【図5】図1をB−Bで切断した断面図
【図6】本発明の第2実施形態の電子部品を示す斜視図
【図7】図6をC−Cで切断した斜視図
【図8】図6をC−Cで切断した断面図
【図9】図6をD−Dで切断した斜視図
【図10】図6をD−Dで切断した断面図
【図11】本発明の第3実施形態の電子部品を示す斜視図
【図12】本発明の第3実施形態の電子部品を示す断面図
【図13】従来の電子部品を示す正面断面図
【図14】従来の電子部品を示す側面断面図
【符号の説明】
【0065】
1 電子部品
2 放熱板
3 回路基板
3a 開口部
3b 第1突出部
3c 第2突出部
3d 孔部
3e 段差部
4 配線電極
4a 素子接続端子
4b 外部接続端子
4c スルーホール
4d レジスト
5 絶縁層
6 枠体
6a 逃げ溝
6b 内面
6c 空所
6e 逃げ部
7、7R、7G、7B 回路素子
8 リード線
9 透光性樹脂
11 第1放熱部
12、22 第2放熱部
13 連結部
14 スルーホール
15 固着部材
16 開口部
18 絶縁体
22a 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路素子に接続される配線電極が形成される回路基板と、前記回路基板の表面に形成された導体パターンから成る第1放熱部と、前記回路基板の裏面に配される第2放熱部と、第1放熱部に接して配されて前記回路素子の周囲を囲む枠体と、前記回路基板に形成した孔部内に配されて前記枠体と第2放熱部とを連結する連結部とを備え、前記回路素子が第1放熱部または第2放熱部に接して配されることを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記回路基板の表面に段差部を設け、前記段差部に充填される固着部材によって前記枠体を固着したことを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
第2放熱部が前記回路基板上に形成される導体パターンから成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
第2放熱部が前記回路基板に固着された金属板から成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品。
【請求項5】
第2放熱部は前記孔部に対向する凹部を有し、前記連結部が前記凹部の周面に接することを特徴とする請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記連結部は前記枠体から突出して前記枠体と一体に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電子部品。
【請求項7】
前記連結部は第2放熱部上に積層して前記孔部に充填された導体から成ることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子部品。
【請求項8】
第1放熱部は絶縁部材を挟んで前記配線電極上に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電子部品。
【請求項9】
前記回路素子がLED素子から成り、前記LED素子の出射光を前記枠体により反射させることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の電子部品。
【請求項1】
回路素子に接続される配線電極が形成される回路基板と、前記回路基板の表面に形成された導体パターンから成る第1放熱部と、前記回路基板の裏面に配される第2放熱部と、第1放熱部に接して配されて前記回路素子の周囲を囲む枠体と、前記回路基板に形成した孔部内に配されて前記枠体と第2放熱部とを連結する連結部とを備え、前記回路素子が第1放熱部または第2放熱部に接して配されることを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記回路基板の表面に段差部を設け、前記段差部に充填される固着部材によって前記枠体を固着したことを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
第2放熱部が前記回路基板上に形成される導体パターンから成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
第2放熱部が前記回路基板に固着された金属板から成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品。
【請求項5】
第2放熱部は前記孔部に対向する凹部を有し、前記連結部が前記凹部の周面に接することを特徴とする請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記連結部は前記枠体から突出して前記枠体と一体に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電子部品。
【請求項7】
前記連結部は第2放熱部上に積層して前記孔部に充填された導体から成ることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子部品。
【請求項8】
第1放熱部は絶縁部材を挟んで前記配線電極上に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電子部品。
【請求項9】
前記回路素子がLED素子から成り、前記LED素子の出射光を前記枠体により反射させることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の電子部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−21383(P2009−21383A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182724(P2007−182724)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【出願人】(503344252)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【出願人】(503344252)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]