説明

電気光学装置及び電子機器

【課題】従来の表示装置では、適視範囲を拡大することが困難である。
【解決手段】互いに対向する一対の基板21及び23と、一対の基板21及び23間に、一対の基板21及び23によって保持された状態で介在し、第1の画像を形成する第1の画素及び第2の画像を形成する第2の画素を少なくとも含む複数の画素の前記画素ごとに駆動される液晶25と、を有し、一対の基板21及び23のうちの一方と液晶25との間に、前記第1の画素を経て第1の方向に向かう光と前記第2の画素を経て第2の方向に向かう光とを発する複数の発光部27が、互いに間隔をあけた状態で設けられていることを特徴とする電気光学装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気光学装置の1つとして、複数の方向から見たときに、それぞれの視方向ごとに異なる画像を表示(以下、指向性表示と呼ぶ)することができる表示装置が知られている。このような表示装置としては、開口部と遮光部とを有するバリアを介して複数の視点のそれぞれに、互いに異なる画像を表示することができるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第3096613号公報(第2頁、図21)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、画像を形成する表示パネルと上記のバリアとを有する表示装置で、2つの方向に指向性表示を行う仕組みについて、断面図を用いて説明する。表示パネル600は、図31(a)に示すように、第1の画像を表示する第1の画素601と、第2の画像を表示する第2の画素603とを有している。表示パネル600に重ね合わされるバリア605には、第1の画素601と第2の画素603とに重なる領域に開口部607が設けられている。隣り合う開口部607同士の間には、遮光部609が位置している。第1の画素601及び第2の画素603には、照明装置610からの光がバリア605の開口部607を介して入射される。
【0005】
開口部607を介して第1の画素601に入射された光は、第1の範囲611に及ぶ。また、開口部607を介して第2の画素603に入射された光は、第2の範囲613に及ぶ。つまり、第1の範囲611内にある視点からは第1の画像が視認され、第2の範囲613内にある視点からは第2の画像が視認され得る。なお、第1の範囲611及び第2の範囲613は、互いに重なる範囲615を有している。範囲615内にある視点からは、第1の画像と第2の画像とが重畳した状態で視認される。
【0006】
第1の範囲611から範囲615を除いた範囲619a内にある視点からは、第1の画像だけが視認され得る。同様に、第2の範囲613から範囲615を除いた範囲619b内にある視点からは、第2の画像だけが視認され得る。範囲619a及び範囲619bは、それぞれ、適視範囲619a及び適視範囲619bと呼ばれる。
ここで、適視範囲619a及び適視範囲619bは、図31(b)に示すように、表示パネル600とバリア605との間の距離tを短縮することによって拡大され得る。
【0007】
ところで、バリアが重ね合わされる表示パネルは、多くの場合、一対のガラス基板間に表示素子が介在した構成を有している。このような構成で適視範囲を拡大するには、バリアが重ね合わされる側のガラス基板を薄くしなければならない。しかしながら、ガラス基板を薄くすることは、基板強度の低下に起因して、歩留まりの低下、製造時間の長期化、品質の低下等の多くの弊害を招来してしまうことにつながる。
つまり、従来の表示装置では、適視範囲を拡大することが困難であるという未解決の課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0009】
[適用例1]互いに対向する一対の基板と、前記一対の基板間に、前記一対の基板によって保持された状態で介在し、第1の画像を形成する第1の画素及び第2の画像を形成する第2の画素を少なくとも含む複数の画素の前記画素ごとに駆動される液晶と、を有し、前記一対の基板のうちの一方の前記基板と前記液晶との間に、前記第1の画素を経て第1の方向に向かう光と前記第2の画素を経て第2の方向に向かう光とを発する複数の発光部が、平面視で互いに間隔をあけた状態で設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【0010】
適用例1の電気光学装置は、一対の基板と、一対の基板間に介在する液晶と、複数の発光部と、を有している。液晶は、一対の基板によって保持されており、複数の画素の画素ごとに駆動される。複数の画素には、少なくとも、第1の画素と第2の画素とが含まれる。複数の発光部は、平面視で互いに間隔をあけた状態で設けられている。各発光部は、第1の画素を経て第1の方向に向かう光と第2の画素を経て第2の方向に向かう光とを発する。これにより、第1の方向からは、第1の画素によって形成される第1の画像が視認され、第2の方向からは、第2の画素によって形成される第2の画像が視認され得る。つまり、適用例1の電気光学装置では、少なくとも2つの方向に指向性表示を行うことができる。
【0011】
ここで、複数の発光部は、一対の基板のうちの一方と液晶との間に設けられている。つまり、複数の発光部は、一対の基板間に介在している。このため、複数の発光部が一対の基板の外側に配置される場合に比較して、複数の画素と複数の発光部との間の距離を短縮することができる。従って、適用例1の電気光学装置では、指向性表示を行う各方向における適視範囲を拡大することができる。
【0012】
[適用例2]上記の電気光学装置であって、前記複数の発光部と前記液晶との間に、各前記発光部からの光の偏光状態を規定する偏光素子が介在することを特徴とする電気光学装置。
【0013】
適用例2では、複数の発光部と液晶との間に、各発光部からの光の偏光状態を規定する偏光素子が介在しているので、偏光光を利用して画像を形成することができる。
【0014】
[適用例3]上記の電気光学装置であって、平面視で前記複数の発光部同士間を覆う遮光膜が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【0015】
適用例3では、平面視で複数の発光部同士間を覆う遮光膜が設けられているので、発光部同士間での光の往来が遮られる。これにより、各発光部からの光が第2の画素を経て第1の方向に漏れたり、第1の画素を経て第2の方向に漏れたりすることを低く抑えることができる。従って、指向性表示における各画像のコントラストの向上が図られる。
【0016】
[適用例4]上記の電気光学装置であって、前記複数の発光部は、少なくとも隣り合う2つの前記発光部の間で一連した状態で設けられた発光層の前記液晶側に前記遮光膜を設けることによって構成されていることを特徴とする電気光学装置。
【0017】
適用例4では、複数の発光部が、少なくとも隣り合う2つの発光部の間で一連した状態で設けられた発光層の液晶側に遮光膜を設けることによって構成されている。複数の発光部を個別に設ける場合に比較して、発光層を一連した状態で設けることができるので、電気光学装置の製造の効率化が図られる。
【0018】
[適用例5]上記の電気光学装置であって、前記一方の基板と前記複数の発光部との間で、少なくとも前記複数の発光部のそれぞれに平面視で重なる領域に反射膜が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【0019】
適用例5では、一方の基板と複数の発光部との間で、少なくとも複数の発光部のそれぞれに平面視で重なる領域に反射膜が設けられているので、各発光部から一方の基板に向かう光を液晶側に反射させることができる。これにより、液晶側に反射された反射光の少なくとも一部を画像の表示に活用することができ、発光部からの光の利用効率を向上させることができる。
【0020】
[適用例6]上記の電気光学装置であって、前記一方の基板と前記発光層との間で、前記発光層に平面視で重なる領域にわたって反射膜が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【0021】
適用例6では、一方の基板と発光層との間で、発光層に平面視で重なる領域にわたって反射膜が設けられているので、発光層の全域から一方の基板に向かう光を液晶側に反射させることができる。これにより、液晶側に反射された反射光の少なくとも一部を画像の表示に活用することができ、発光部からの光の利用効率を向上させることができる。
【0022】
[適用例7]上記の電気光学装置であって、前記発光層と前記遮光膜との間で、前記発光層と前記遮光膜とが平面視で重なる領域に反射膜が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【0023】
適用例7では、発光層と遮光膜との間で、発光層と遮光膜とが平面視で重なる領域に反射膜が設けられているので、発光層から遮光膜に向かう光を一方の基板側に反射させることができる。これにより、一方の基板側に反射された反射光の少なくとも一部を画像の表示に活用することができ、発光層からの光の利用効率を一層向上させることができる。
【0024】
[適用例8]互いに対向する一対の基板と、前記一対の基板間に、前記一対の基板によって保持された状態で介在し、第1の画像を形成する複数の第1の画素及び第2の画像を形成する複数の第2の画素を含む複数の画素の前記画素ごとに駆動される液晶と、前記一対の基板のうちの一方の前記基板と前記液晶との間に設けられ、前記第1の画素を経て第1の方向に向かう光と前記第2の画素を経て第2の方向に向かう光とを発する複数の発光部と、を有し、前記複数の第1の画素及び前記複数の第2の画素は、それぞれ、赤系の色を呈する光を透過可能な赤系画素と、緑系の色を呈する光を透過可能な緑系画素と、青系の色を呈する光を透過可能な青系画素と、を有しており、前記複数の発光部は、赤系の色を呈する前記光を発する赤系発光部と、緑系の色を呈する前記光を発する緑系発光部と、青系の色を呈する前記光を発する青系発光部とを、平面視で並べた構成を有することを特徴とする電気光学装置。
【0025】
適用例8の電気光学装置は、一対の基板と、一対の基板間に介在する液晶と、複数の発光部と、を有している。液晶は、一対の基板によって保持されており、複数の画素の画素ごとに駆動される。複数の画素には、複数の第1の画素と複数の第2の画素とが含まれる。複数の第1の画素及び複数の第2の画素は、それぞれ、赤系の色を呈する光を透過可能な赤系画素と、緑系の色を呈する光を透過可能な緑系画素と、青系の色を呈する光を透過可能な青系画素と、を有している。また、複数の発光部は、赤系の色を呈する光を発する赤系発光部と、緑系の色を呈する光を発する緑系発光部と、青系の色を呈する光を発する青系発光部とを、平面視で並べた構成を有している。
【0026】
複数の第1の画素及び複数の第2の画素のそれぞれにおいて、各赤系画素からは、赤系発光部からの光が視認され、各緑系画素からは、緑系発光部からの光が視認され、各青系画素からは、青系発光部からの光が視認され得る。これにより、複数の第1の画素が形成する第1の画像、及び複数の第2の画素が形成する第2の画像のそれぞれを、少なくとも、赤系の色を呈する光、緑系の色を呈する光及び青系の色を呈する光で構成することができる。これにより、第1の方向からは、第1の画素によって形成される第1の画像がカラー画像として視認され、第2の方向からは、第2の画素によって形成される第2の画像がカラー画像として視認され得る。つまり、適用例8の電気光学装置では、少なくとも2つの方向に指向性表示を行うことができるとともに、指向性表示のカラー化が図られる。
【0027】
ここで、複数の発光部は、一対の基板のうちの一方と液晶との間に設けられている。つまり、複数の発光部は、一対の基板間に介在している。このため、複数の発光部が一対の基板の外側に配置される場合に比較して、複数の画素と複数の発光部との間の距離を短縮することができる。従って、適用例8の電気光学装置では、指向性表示を行う各方向における適視範囲を拡大することができる。
【0028】
[適用例9]上記の電気光学装置であって、前記一対の基板のうちの他方の前記基板と前記液晶との間で、前記複数の画素に平面視で重なる領域に反射膜が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【0029】
適用例9では、一対の基板のうちの他方の基板と液晶との間で、複数の画素に平面視で重なる領域に反射膜が設けられているので、複数の発光部から液晶を透過した光が反射膜によって一方の基板側に反射される。液晶を透過した光のうち第1の画素を経て反射膜に到達した光は、反射膜によって一方の基板側に反射され、再び第1の画素を経て第1の方向に向かう。また、第2の画素を経て反射膜に到達した光は、反射膜によって一方の基板側に反射され、再び第2の画素を経て第2の方向に向かう。これにより、第1の方向からは、一方の基板を介して第1の画像が視認され、第2の方向からは、一方の基板を介して第2の画像が視認され得る。つまり、適用例9の電気光学装置では、一方の基板側に、少なくとも2つの方向に指向性表示を行うことができる。
【0030】
[適用例10]上記の電気光学装置であって、前記一方の基板と前記複数の発光部との間に、平面視で前記複数の発光部のそれぞれを覆う遮光膜が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【0031】
適用例10では、一方の基板と複数の発光部との間に、平面視で複数の発光部のそれぞれを覆う遮光膜が設けられているので、複数の発光部から一方の基板に向かう光が遮られる。これにより、複数の発光部からの光が一方の基板に漏れることを低く抑えることができる。従って、指向性表示における各画像のコントラストの向上が図られる。
【0032】
[適用例11]上記の電気光学装置であって、前記複数の発光部が、エレクトロルミネセンス素子で構成されていることを特徴とする電気光学装置。
【0033】
[適用例12]上記の電気光学装置であって、前記複数の発光部と前記液晶との間に樹脂層が介在していることを特徴とする電気光学装置。
【0034】
適用例12では、複数の発光部と液晶との間に樹脂層が介在している。樹脂層では、例えばガラス基板などに比較して、厚みが容易に調整され得る。従って、適用例12の電気光学装置では、樹脂層の厚みを調整することで、適視範囲を調整しやすくすることができる。
【0035】
[適用例13]互いに対向する一対の基板と、前記一対の基板間に、前記一対の基板によって保持された状態で介在し、複数の画素の前記画素ごとに駆動される液晶と、を有し、前記一対の基板のうちの一方の前記基板と前記液晶との間に、前記複数の画素に入射させる光を発する発光部が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【0036】
適用例13の電気光学装置は、一対の基板と、一対の基板間に介在する液晶と、複数の発光部と、を有している。液晶は、一対の基板によって保持されており、複数の画素の画素ごとに駆動される。そして、複数の画素に入射させる光を発する発光部は、一対の基板のうちの一方の基板と液晶との間に設けられている。このため、発光部が一対の基板の外側に配置される場合に比較して、複数の画素と発光部との間の距離を短縮することができる。従って、適用例13では、電気光学装置の薄型化が図られる。
【0037】
[適用例14]上記の電気光学装置を表示部として備えたことを特徴とする電子機器。
【0038】
適用例14の電子機器は、表示部としての電気光学装置が、一対の基板と、一対の基板間にこれらの一対の基板によって保持された状態で介在する液晶と、一対の基板のうちの一方と液晶との間に設けられた発光部と、を有している。この電気光学装置では、発光部が一対の基板のうちの一方と液晶との間に設けられているので、発光部が一対の基板の外側に配置される場合に比較して、複数の画素と発光部との間の距離を短縮することができる。これにより、この電気光学装置は、薄型化が図られる。そして、適用例14の電子機器は、薄型化が図られた電気光学装置を表示部として備えているので、薄型化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
実施形態について、電気光学装置の1つである表示装置を例に、図面を参照しながら説明する。
【0040】
第1実施形態における表示装置1には、図1に示すように、複数の画素3が設定されている。複数の画素3は、表示領域5内で、図中のX方向及びY方向に配列しており、X方向を行方向とし、Y方向を列方向とするマトリクスMを構成している。表示装置1は、内蔵する発光部からの光を、複数の画素3から選択的に表示面7を介して表示装置1の外に射出することで、表示面7に画像を表示することができる。なお、表示領域5とは、画像が表示され得る領域である。図1では、構成をわかりやすく示すため、画素3が誇張され、且つ画素3の個数が減じられている。
【0041】
表示装置1は、図1中のA−A線における断面図である図2に示すように、液晶パネル11と、偏光板15とを有している。
液晶パネル11は、発光素子基板21と、駆動素子基板23と、液晶25とを有している。
発光素子基板21には、表示面7側すなわち液晶25側に、複数の発光部27などが設けられている。なお、図2では、構成をわかりやすく示すため、各構成が誇張され、且つ発光部27の個数が減じられている。
【0042】
駆動素子基板23は、発光素子基板21よりも表示面7側で発光素子基板21に対向し、且つ発光素子基板21との間に隙間を有した状態で設けられている。駆動素子基板23には、表示装置1における表示面7の裏面に相当する面である底面35側すなわち液晶25側に、複数の画素3のそれぞれに対応して、後述するスイッチング素子などが設けられている。
【0043】
液晶25は、発光素子基板21及び駆動素子基板23の間に介在しており、表示装置1の周縁よりも内側で表示領域5を囲むシール材37によって、発光素子基板21及び駆動素子基板23の間に封止されている。つまり、液晶25は、発光素子基板21及び駆動素子基板23に保持された状態で、これらの発光素子基板21及び駆動素子基板23間に介在している。なお、表示装置1では、液晶25として、TN(Twisted Nematic)型が採用されている。
【0044】
偏光板15は、駆動素子基板23よりも表示面7側に設けられている。偏光板15は、透過軸の方向に偏光軸を有する光を透過させることができる。
表示装置1に設定されている複数の画素3は、それぞれ、表示面7から射出する光の色が、図3に示すように、赤系(R)、緑系(G)及び青系(B)のうちの1つに設定されている。つまり、マトリクスMを構成する複数の画素3は、Rの光を射出する画素3rと、Gの光を射出する画素3gと、Bの光を射出する画素3bとを含んでいる。
【0045】
ここで、Rの色は、純粋な赤の色相に限定されず、橙等を含む。Gの色は、純粋な緑の色相に限定されず、青緑や黄緑を含む。Bの色は、純粋な青の色相に限定されず、青紫や青緑等を含む。他の観点から、Rの色を呈する光は、光の波長のピークが、可視光領域で570nm以上の範囲にある光であると定義され得る。また、Gの色を呈する光は、光の波長のピークが500nm〜565nmの範囲にある光であると定義され得る。Bの色を呈する光は、光の波長のピークが415nm〜495nmの範囲にある光であると定義され得る。
【0046】
マトリクスMでは、Y方向に沿って並ぶ複数の画素3が、1つの画素列41を構成している。1つの画素列41内の各画素3は、光の色がR、G及びBのうちの1つに設定されている。つまり、マトリクスMは、複数の画素3rがY方向に配列した画素列41rと、複数の画素3gがY方向に配列した画素列41gと、複数の画素3bがY方向に配列した画素列41bとを有している。そして、マトリクスMでは、画素列41r、画素列41g及び画素列41bが、この順でX方向に沿って反復して並んでいる。
【0047】
また、表示装置1では、マトリクスMを構成する複数の画素3は、図4に示すように、複数の第1の画素31と、複数の第2の画素32とにわけられている。表示装置1は、複数の発光部27からの光を、複数の第1の画素31から選択的に表示面7を介して表示装置1の外に射出することで、表示面7に第1の画像を表示することができる。また、表示装置1は、複数の発光部27からの光を、複数の第2の画素32から選択的に表示面7を介して表示装置1の外に射出することで、表示面7に第2の画像を表示することができる。
【0048】
なお、第1の画像と第2の画像とは、互いに異なる画像であることと、互いに同じ画像であることとが問われない。また、以下においては、画素3という表記と、画素3r、3g及び3bという表記と、第1の画素31及び第2の画素32という表記とが、適宜、使いわけられる。また、第1の画素31及び第2の画素32のそれぞれに対してR、G及びBが識別される場合、第1の画素3r1、3g1及び3b1、並びに、第2の画素3r2、3g2及び3b2という表記が用いられる。
【0049】
表示装置1では、第1の画素31と第2の画素32とが、X方向に交互に並んでいる。1つの画素列41は、複数の第1の画素31又は複数の第2の画素32によって構成されている。つまり、マトリクスMは、複数の第1の画素31がY方向に沿って配列した画素列411と、複数の第2の画素32がY方向に沿って配列した画素列412とを有している。なお、以下においては、画素列41という表記と、画素列41r、画素列41g及び画素列41bという表記と、画素列411及び画素列412という表記とが、適宜、使いわけられる。
【0050】
また、表示装置1では、マトリクスMを構成する複数の画素3は、X方向に隣り合う第1の画素31及び第2の画素32の2つの画素3ごとに、これらの2つの画素3を1組とする複数組の画素群43にわけられている。各画素群43での第1の画素31及び第2の画素32の並び順は、複数組の画素群43間で統一している。表示装置1では、第1の画素31と第2の画素32とが、図4で見て、X方向に左側から右側に向かってこの順で並んでいる。なお、第1の画素31及び第2の画素32の並び順は、複数組の画素群43間で統一していれば、いずれが左側でも右側でもよい。
マトリクスMにおいて、複数組の画素群43は、図5に示すように、X方向及びY方向のそれぞれの方向に沿って並んでいる。つまり、複数組の画素群43は、マトリクス状に配列している。
【0051】
ここで、発光素子基板21及び駆動素子基板23のそれぞれの構成について、詳細を説明する。
発光素子基板21は、図4中のC−C線における断面図である図6に示すように、第1基板51を有している。第1基板51は、例えばガラスなどの光透過性を有する材料で構成されており、表示面7側に向けられた第1面53を有している。なお、第1基板51の第1面53とは反対側の面は、底面35に相当している。
【0052】
第1基板51の第1面53には、反射膜55が設けられている。複数の発光部27は、反射膜55の表示面7側に設けられている。各発光部27は、互いに対向する一対の電極57a及び57b間に発光層59を挟んだ構成を有している。電極57a及び57bは、それぞれ、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の酸化導電膜、MgAg等の金属が光透過性を有するように薄膜化されたものなどの光透過性を有する材料で構成されている。各発光層59は、有機材料で構成されており、電極57a及び57b間に電圧が印加されると、白色の光を発する。各発光部27は、有機EL(Electro Luminescence)素子を構成している。
【0053】
なお、白色の光を発する発光層としては、赤系の色を呈する光を発する発光層と、緑系の色を呈する光を発する発光層と、青系の色を呈する光を発する発光層とを積層した構成や、1つの発光層に各色の色素を添加した構成などが採用され得る。さらに色の組み合わせとしては、赤、緑、青の3波長成分を用いる方法の他、青及び橙、又は青緑及び赤の補色関係にある2波長成分を用いる方法などがある。
【0054】
電極57bの表示面7側には、保護膜61が設けられている。保護膜61は、例えばSiOやSiNなどの光透過性を有する材料で構成されている。保護膜61の表示面7側には、偏光子63が設けられている。
【0055】
表示装置1では、偏光子63としてワイヤーグリッド構造が採用されている。ワイヤーグリッド構造は、底面35側からの偏光子63の斜視図である図7に示すように、多数のワイヤー65を互いに平行に所定間隔Hで配列したものである。間隔Hは、光の波長よりも短い値に設定されている。偏光子63に入射される光67のうち、ワイヤー65が延びる方向に偏光軸を有する成分67aが反射され、ワイヤー65が延びる方向に直行する偏光軸を有する成分67bが透過する。なお、ワイヤー65の材料としては、例えば、光反射性が高い金、銀、アルミニウムなどが採用され得る。
【0056】
偏光子63の表示面7側には、図6に示すように、保護膜71が設けられている。保護膜71は、例えばSiOやSiNなどの光透過性を有する材料で構成されている。
保護膜71の表示面7側には、樹脂層73が設けられている。樹脂層73は、光透過性を有する樹脂で構成されており、シート状の樹脂を貼り付けたり、液状の樹脂をスピンコート法などで膜状に配置してから固化させたりすることで形成され得る。
樹脂層73の表示面7側には、各画素3を区画する光吸収層75が領域76にわたって設けられている。表示装置1では、各画素3は、光吸収層75によって囲まれた領域であると定義され得る。光吸収層75は、光吸収性を有する材料で構成され、樹脂層73の表示面7側に、平面視で格子状に設けられている。
【0057】
樹脂層73の表示面7側には、光吸収層75によって囲まれた各領域、すなわち各画素3の領域を表示面7側から覆うカラーフィルタ77が設けられている。
ここで、カラーフィルタ77は、入射された光のうち所定の波長域の光を透過させることができる。カラーフィルタ77は、画素3r、画素3g及び画素3bごとに異なる色に着色された樹脂などで構成されている。画素3rに対応するカラーフィルタ77は、Rの光を透過させることができる。画素3gに対応するカラーフィルタ77はGの光を透過させ、画素3bに対応するカラーフィルタ77はBの光を透過させることができる。
【0058】
光吸収層75及びカラーフィルタ77の表示面7側には、オーバーコート層79が設けられている。オーバーコート層79は、光透過性を有する樹脂などで構成されており、光吸収層75及びカラーフィルタ77を表示面7側から覆っている。
オーバーコート層79の表示面7側には、対向電極81が設けられている。対向電極81は、例えばITOなどの光透過性を有する材料で構成されている。なお、対向電極81は、図示しない共通線につながっている。
対向電極81の表示面7側には、配向膜83が設けられている。配向膜83は、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料で構成されており、対向電極81を表示面7側から覆っている。なお、配向膜83には、配向処理が施されている。
【0059】
駆動素子基板23は、第2基板85を有している。第2基板85は、例えばガラスなどの光透過性を有する材料で構成されており、表示面7側に向けられた外向面86aと、底面35側に向けられた素子面86bとを有している。
第2基板85の素子面86bには、ゲート絶縁層87が設けられている。ゲート絶縁層87の底面35側には、絶縁層89が設けられている。絶縁層89の底面35側には、配向膜91が設けられている。
【0060】
また、駆動素子基板23には、各画素3に対応して、スイッチング素子の1つであるTFT(Thin Film Transistor)素子93と、画素電極95とが、第2基板85の素子面86b側に設けられている。
TFT素子93は、ゲート電極101と、半導体層103と、ソース電極105と、ドレイン電極107とを有している。
【0061】
ゲート電極101は、第2基板85の素子面86bに設けられており、ゲート絶縁層87によって底面35側から覆われている。なお、ゲート絶縁層87の材料としては、例えば、SiOやSiNなどの光透過性を有する材料が採用され得る。
半導体層103は、例えばアモルファスシリコンで構成されており、ゲート絶縁層87を挟んでゲート電極101に対向する位置に設けられている。半導体層103には、図示しないソース領域と、ドレイン領域とが設けられている。
【0062】
ソース電極105は、ゲート絶縁層87の底面35側に設けられており、一部が半導体層103のソース領域に重なっている。
ドレイン電極107は、ゲート絶縁層87の底面35側に設けられており、一部が半導体層103のドレイン領域に重なっている。
【0063】
表示装置1では、上記の構成を有するTFT素子93は、図6で見て左側の領域76内に設けられており、ドレイン電極107が領域76内から画素3の領域内に延長されている。X方向に隣り合う画素3間において、ゲート電極101同士は、図示しないゲート線によって接続されている。また、Y方向に隣り合う画素3間において、ソース電極105同士は、図示しないデータ線によって接続されている。
【0064】
TFT素子93は、絶縁層89によって底面35側から覆われている。なお、絶縁層89の材料としては、例えば、SiO、SiN、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する材料が採用され得る。
画素電極95は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの光透過性を有する材料で構成され、絶縁層89の底面35側に設けられている。画素電極95は、絶縁層89に設けられたコンタクトホール109を介してドレイン電極107につながっている。
配向膜91は、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料で構成されており、絶縁層89及び画素電極95を底面35側から覆っている。なお、配向膜91には、配向処理が施されている。
【0065】
発光素子基板21及び駆動素子基板23の間に介在する液晶25は、配向膜83と配向膜91との間に介在している。表示装置1では、図2に示すシール材37は、図6に示す第1基板51の第1面53と、第2基板85の素子面86bとによって挟持されている。つまり、表示装置1では、液晶25は、第1基板51及び第2基板85によって保持されている。なお、シール材37は、配向膜83及び配向膜91の間に設けられていてもよい。この場合、液晶25は、発光素子基板21及び駆動素子基板23に保持されているとみなされ得る。
【0066】
発光部27を構成する一対の電極57a及び57bは、それぞれ、図6中のD−D線における断面図である図8に示すように、複数の画素3間にわたって一連した状態で設けられている。つまり、電極57a及び57bは、それぞれ、複数の発光部27間にわたって設けられており、これら複数の発光部27によって共有されている。電極57a及び57b間に電圧が印加されると、複数の発光部27から光が射出される。
対向電極81は、複数の画素3間にわたって一連した状態で設けられており、複数の画素3間にわたって共通して機能する。各画素電極95は、平面視で周縁部が領域76に重なっている。
【0067】
各発光部27は、X方向において、各画素群43に対応して設けられており、画素群43を構成する第1の画素31及び第2の画素32の間に設けられている。なお、X方向に隣り合う発光部27同士間には、遮光性を有する材料で構成された遮光膜111が設けられている。
また、各発光部27は、発光部27と画素群43との平面図である図9に示すように、Y方向に沿って延びている。つまり、1つの発光部27は、Y方向に配列する複数組の画素群43に対応している。なお、図9では、構成をわかりやすく示すため、各発光部27にハッチングが施されている。
【0068】
上記の構成を有する表示装置1では、各発光部27を発光させた状態で液晶25の配向状態を変化させることにより、表示が制御される。液晶25の配向状態は、TFT素子93のOFF状態及びON状態を切り替えることによって変化される。
ここで、偏光板15の透過軸の方向と、偏光子63の各ワイヤー65が延びる方向と、配向膜83及び配向膜91のそれぞれの配向方向との関係について説明する。
【0069】
図10(a)は、TFT素子93がOFF状態のときの偏光状態を示す図であり、図10(b)は、TFT素子93がON状態のときの偏光状態を示す図である。
表示装置1では、偏光子63の各ワイヤー65が延びる方向115は、図10(a)及び図10(b)に示すように、偏光板15の透過軸の方向117に沿っている。配向膜83の配向方向119は、透過軸の方向117に直行している。配向膜91の配向方向121は、透過軸の方向117に沿っている。
なお、図10(a)及び図10(b)において、X’方向及びY’方向は、X’方向が偏光板15の透過軸の方向117に沿った方向を示し、Y’方向がXY平面内でX’方向に直行する方向を示している。X’方向及びY’方向は、XY平面内で互いに直交する任意の2方向である。
【0070】
各発光部27から偏光子63に入射された入射光は、ワイヤー65が延びる方向115に直行する方向すなわちY’方向に沿った偏光軸を有する直線偏光123として液晶25に入射される。
液晶25に入射された直線偏光123は、TFT素子93がOFF状態のときに、図10(a)に示すように、液晶25の旋光性によってX’方向に沿った偏光軸を有する直線偏光125として偏光板15に向けて射出される。偏光板15に向けて射出された直線偏光125は、偏光軸の方向が偏光板15の透過軸の方向117に沿っているため、偏光板15を透過する。
【0071】
他方で、TFT素子93がON状態のときに、直線偏光123は、図10(b)に示すように、偏光状態が維持されたまま直線偏光123として偏光板15に向けて射出される。偏光板15に向けて射出された直線偏光123は、偏光軸の方向が偏光板15の透過軸の方向117に対して直交しているため、偏光板15によって吸収される。
表示装置1では、TFT素子93がOFF状態のときに表示面7から光が射出され、TFT素子93がON状態のときに表示面7からの光の射出が遮断される所謂ノーマリホワイトの表示モードが採用されている。
【0072】
ここで、表示装置1では、前述したように、X方向において各画素群43に対応する発光部27が設けられている。各発光部27からの光は、複数組の画素群43及び発光部27を模式的に示す断面図である図11に示すように、発光部27に対応する画素群43を構成する第1の画素31及び第2の画素32のそれぞれを介して表示面7から射出される。このとき、第1の画素31及び第2の画素32のそれぞれから射出された光127a及び127bは、光127aが第1の範囲131に及び、光127bが第2の範囲133に及ぶ。なお、図11に示す断面は、図9中のE−E線における断面に相当している。
【0073】
第1の範囲131からは、第1の画素31を介して発光部27からの光127aが視認され得る。第2の範囲133からは、第2の画素32を介して発光部27からの光127bが視認され得る。第1の範囲131内に視点があれば、複数の第1の画素31からの光127aによって形成される第1の画像が視認され得る。第2の範囲133内に視点があれば、複数の第2の画素32からの光127bによって形成される第2の画像が視認され得る。つまり、表示装置1では、第1の画像を第1の範囲131に表示し、第2の画像を、第1の範囲131とは異なる第2の範囲133に表示する所謂指向性表示を行うことができる。
【0074】
表示装置1では、図11に示す第1の範囲131及び第2の範囲133に、互いに重複する範囲135がある。この範囲135からは、第1の画像と第2の画像とが重畳した状態で視認される。第1の範囲131から範囲135を除いた範囲137a(以下、適視範囲137aと呼ぶ)からは、第1の画像だけが視認され得る。また、第2の範囲133から範囲135を除いた範囲137b(以下、適視範囲137bと呼ぶ)からは、第2の画像だけが視認され得る。
【0075】
表示装置1は、複数の第1の画素31から射出された光127aが第1の範囲131の両端のそれぞれにおいて交差し、複数の第2の画素32から射出された光127bが第2の範囲133の両端のそれぞれにおいて交差するように構成されている。これは、X方向に隣り合う発光部27同士間の間隔Paを、X方向に隣り合う画素群43同士間の間隔Pbよりも長く設定することによって実現され得る。
これにより、適視範囲137a内にある任意の視点から視認される光の量を、複数の第1の画素31間で同等にすることができる。同様に、適視範囲137b内にある任意の視点から視認される光の量を、複数の第2の画素32間で同等にすることができる。
【0076】
表示装置1において、偏光子63が偏光素子に対応している。
表示装置1では、有機EL素子で構成される複数の発光部27が、液晶25を保持する第1基板51と第2基板85との間に設けられている。このため、照明装置と表示パネルとを個別に備え、照明装置からの光を表示パネルに照射して表示を行う表示装置に比較して、複数の画素3と発光部27との間の距離を短縮することができる。従って、表示装置1の薄型化が図られる。
【0077】
また、表示装置1では、X方向において各画素群43に対応する発光部27が、液晶25を保持する第1基板51と第2基板85との間に設けられている。このため、照明装置と表示パネルとを個別に備え、照明装置からの光を表示パネルに照射して表示を行う表示装置に比較して、各画素群43と発光部27との間の距離を短縮することができる。従って、適視範囲137aや適視範囲137bを拡大することができる。
【0078】
また、表示装置1では、複数の発光部27と液晶25との間に偏光子63が設けられているので、偏光光を利用して表示を行うことができる。
また、表示装置1では、X方向に隣り合う発光部27同士間に遮光膜111が設けられている。このため、各発光部27からの光が第1の画素31を経て第2の範囲133に漏れたり、第2の画素32を経て第1の範囲131に漏れたりすることを低く抑えることができる。従って、指向性表示における第1の画像及び第2の画像のそれぞれのコントラストを向上させることができる。
【0079】
また、表示装置1では、第1基板51と複数の発光部27との間に反射膜55が設けられている。このため、各発光部27から底面35側に向かう光を表示面7側に反射させることができる。これにより、表示面7側に反射された反射光を画像の表示に活用することができ、各発光部27からの光の利用効率を向上させることができる。
【0080】
また、表示装置1では、複数の発光部27と液晶25との間に樹脂層73が設けられている。樹脂層73では、ガラスなどに比較して厚みを容易に調整することができる。従って、表示装置1では、樹脂層73の厚みを調整することで、適視範囲137aや適視範囲137bを調整しやすくすることができる。
【0081】
なお、表示装置1では、カラーフィルタ77が第1基板51と第2基板85との間に設けられているが、カラーフィルタ77の位置はこれに限定されない。
ここで、表示装置1において、各発光部27のX方向における中点から、複数の第1の画素31のそれぞれにおける中点を経て第1の範囲131に至る光127aは、図12に示すように、適視範囲137a内の視点Laで交差する。同様に、各発光部27のX方向における中点から、複数の第2の画素32のそれぞれにおける中点を経て第2の範囲133に至る光127bは、適視範囲137b内の視点Lbで交差する。
【0082】
これらの光127a及び127b間で同じ色に着目すると、画素3r1から視点Laに至る光127aと、画素3r2から視点Lbに至る光127bとは、交点Krで交差する。同様に、画素3g1から視点Laに至る光127aと、画素3g2から視点Lbに至る光127bとが交点Kgで交差し、画素3b1から視点Laに至る光127aと、画素3b2から視点Lbに至る光127bとが交点Kbで交差する。各交点Kr、Kg及びKbに、それぞれの光の色に対応するカラーフィルタ77を配置すれば、第1の画素31と第2の画素32とにカラーフィルタ77を共用させることができる。
【0083】
そこで、第1の画素31と第2の画素32とにカラーフィルタ77を共用させる例を、第2実施形態として説明する。
第2実施形態における表示装置10は、表示装置10を図1中のA−A線の位置に相当する位置で切断したときの断面図である図13に示すように、液晶パネル11と偏光板15との間にカラーフィルタ基板141が設けられている。なお、表示装置10は、表示装置1の光吸収層75、カラーフィルタ77及びオーバーコート層79がカラーフィルタ基板141に設けられていることを除いては、表示装置1と同様の構成を有している。従って、以下において、表示装置10の各構成のうちで表示装置1と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0084】
カラーフィルタ基板141は、図4中のC−C線における断面図である図14に示すように、第3基板143を有している。第3基板143は、例えばガラスなどの光透過性を有する材料で構成されており、表示面7側に向けられた外向面144aと、底面35側に向けられた対向面144bとを有している。
第3基板143の対向面144bには、光吸収層75が、平面視で格子状に設けられている。また、対向面144bには、光吸収層75によって囲まれた各領域を底面35側から覆うカラーフィルタ77が設けられている。
【0085】
上記の構成を有するカラーフィルタ基板141は、対向面144bが第2基板85の外向面86aに向けられた状態で、オーバーコート層79が外向面86aに、光透過性を有する接着剤145を介して貼り付けられている。
なお、発光素子基板21の樹脂層73の表示面7側には、対向電極81が設けられている。
また、表示装置10では、各カラーフィルタ77が各交点Kr、Kg及びKb(図12参照)に位置するように、樹脂層73や第2基板85の厚みが設定されている。
【0086】
表示装置10では、光吸収層75によって囲まれた各領域は、画素3の領域とは定義されない。表示装置10において画素3の領域は、平面視で対向電極81と各画素電極95とが重なる各領域であると定義される。それは、光吸収層75によって囲まれた各領域は、図14中のJ−J線における断面図である図15に示すように、X方向に隣り合う2つの画素電極95間にまたがっているためである。
【0087】
表示装置10では、表示装置1と同様の効果を奏するのみならず、第1の画素31と第2の画素32とにカラーフィルタ77を共用させることができるので、カラーフィルタ77の個数を軽減することができるとともに、1つのカラーフィルタ77の大きさを拡大することができる。
【0088】
なお、表示装置1や表示装置10では、複数の発光部27のそれぞれに対応して、発光部27ごとに独立した複数の発光層59が設けられた場合を例に説明したが、複数の発光部27の構成はこれに限定されない。例えば、複数の発光部27の構成は、発光部27の他の例を示す断面図である図16(a)に示すように、複数の発光部27間で一連した状態で設けられた発光層147よりも表示面7側に遮光膜111を設けた構成が採用され得る。この場合、一連した発光層147を一連した一対の電極57a及び57b間に挟んだ構成を有する発光素子149のうち、遮光膜111同士間の部位が各発光部27として機能する。
【0089】
図16(a)に示す構成の場合、図16(a)中のN部の拡大図である図16(b)に示すように、電極57bと各遮光膜111との間に反射膜151を設けることが、光の利用効率を高めることができる点で好ましい。発光層147から遮光膜111に向かう光153は、反射膜151によって底面35側に反射される。反射膜151によって底面35側に反射された光153は、反射膜55によって表示面7側に反射される。反射膜55によって表示面7側に反射された光153の一部は、遮光膜111同士間を経て液晶25に入射され、表示に活用され得る。このため、光の利用効率が高められる。
【0090】
また、表示装置1や表示装置10では、複数の発光部27のそれぞれが白色の光を発する場合を例に説明したが、各発光部27が発する光は白色に限定されない。例えば、複数の発光部27は、発光部27の他の例を示す断面図である図17に示すように、Rの光を発する発光部27rと、Gの光を発する発光部27gと、Bの光を発する発光部27bとを有する構成が採用され得る。この場合、発光部27rは、視点La及び画素3r1間を結ぶ線を底面35側に延長した線R1と、視点Lb及び画素3r2間を結ぶ線を底面35側に延長した線R2との交点に位置する。発光部27gは、視点La及び画素3g1間を結ぶ線を底面35側に延長した線G1と、視点Lb及び画素3g2間を結ぶ線を底面35側に延長した線G2との交点に位置する。発光部27bは、視点La及び画素3b1間を結ぶ線を底面35側に延長した線B1と、視点Lb及び画素3b2間を結ぶ線を底面35側に延長した線B2との交点に位置する。
【0091】
図17に示す構成を有する表示装置100の場合、発光部27rからのRの光は、Rのカラーフィルタ77を透過するときに彩度が高められる。他方で、発光部27rからのRの光は、GやBのカラーフィルタ77によって吸収される。同様に、Gの光はGのカラーフィルタ77によって彩度が高められ、Bの光はBのカラーフィルタ77によって彩度が高められる。そして、Gの光はRやBのカラーフィルタ77によって吸収され、Bの光はRやGのカラーフィルタ77によって吸収される。従って、表示装置1や表示装置10において図17に示す構成が採用された表示装置100の場合、カラー表示を行うことができるとともに、カラー表示における彩度の向上が図られる。
【0092】
また、表示装置1や表示装置10において、複数の第1の画素31が第1の画像だけを形成し、複数の第2の画素32が第2の画像だけを形成する場合に限られない。表示装置1や表示装置10は、複数の第1の画素31が第1の画像と第2の画像とを交互に形成し、複数の第2の画素32が第2の画像と第1の画像とを交互に形成するように制御され得る。この場合、例えば、1フレーム期間を前半と後半とにわけて、1フレーム期間の前半と後半とで第1の画像と第2の画像とを入れ替えることが考えられる。つまり、1フレーム期間の前半では、複数の第1の画素31によって第1の画像が形成されるとともに、複数の第2の画素32によって第2の画像が形成される。そして、1フレーム期間の後半では、複数の第1の画素31によって第2の画像が形成されるとともに、複数の第2の画素32によって第1の画像が形成される。
【0093】
しかしながら、この場合、表示装置1や表示装置10の構成では、図11に示す第1の範囲131及び第2の範囲133のそれぞれに、第1の画像と第2の画像とが交互に表示されることになってしまう。そこで、X方向に並ぶ複数の発光部27同士間すなわちX方向に隣り合う画素群43同士間に、図18に示すように、発光部155を追加した構成が採用され得る。図18に示す構成では、発光部27同士間に発光部155が追加されているので、各発光部27及び発光部155は、X方向に隣り合う2つの画素3間に設けられていると表現され得る。これらの発光部27と発光部155とは、駆動が個別に制御される。つまり、発光部155は、発光部27から独立して発光が制御されるように構成される。これは、発光部27の電極57a及び57bと、発光部155の電極57aと57bとを互いに独立した状態で設けることによって実現され得る。
【0094】
そして、発光部27と発光部155とは、複数組の画素群43並びに発光部27及び発光部155を模式的に示す断面図である図19に示すように、1フレーム期間の前半では、発光部27がON状態となり、発光部155がOFF状態となるように制御される。また、1フレーム期間の後半では、図20に示すように、発光部27がOFF状態となり、発光部155がON状態となるように、発光部27と発光部155とが制御される。なお、図19及び図20では、構成をわかりやすく示すため、発光部27及び発光部155のうちでOFF状態にある方が塗りつぶされている。
【0095】
表示装置1や表示装置10に複数の発光部155を追加した構成を有する表示装置200では、第1の範囲131に第1の画像が1フレーム期間内に、複数の第1の画素31と複数の第2の画素32とによって交互に形成される。同様に、第2の範囲133には、第2の画像が1フレーム期間内に、複数の第2の画素32と複数の第1の画素31とによって交互に形成される。つまり、1フレーム期間内に第1の範囲131及び第2の範囲133のそれぞれからは、マトリクスMを構成する複数の画素3によって形成される画像が視認され得る。従って、表示装置200では、形成される画像の解像度が向上され、高精細な表示が実現され得る。
【0096】
また、表示装置1、10、100及び200のそれぞれに対して、複数の画素3の表示面7側に、図21に示す遮光膜161を付加すれば、第1の画像と第2の画像とが重畳する範囲135(図11参照)が解消され得る。
遮光膜161には、複数の開口部163が形成されている。各開口部163は、各発光部27から各視点La及びLbに至る光127a及び127bのうちで、X方向に隣り合う2つの画素群43間にまたがって隣り合う第1の画素31を通る光127aと第2の画素32とを通る光127bとの交点Qに位置している。
【0097】
そして、開口部163の大きさを適切に設定することにより、第1の範囲131からは各開口部163を介して複数の第1の画素31からの光127aだけが視認され、第2の範囲133からは各開口部163を介して複数の第2の画素32からの光127bだけが視認され得る。この表示装置300によれば、第1の画像と第2の画像とが重畳する範囲135が解消され得る。
【0098】
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、複数の発光部27からの光が液晶25を1回だけ透過することによって表示が行われる所謂透過表示を例に説明したが、表示方式はこれに限定されない。以下に、複数の発光部27から液晶25を透過した光を液晶25側に反射させることによって表示が行われる反射表示の例を、第3実施形態として説明する。
【0099】
第3実施形態における表示装置400は、表示装置400を図1中のA−A線の位置に相当する位置で切断したときの断面図である図22に示すように、図2に示す表示装置1から偏光板15が省略されている。さらに、表示装置400は、発光素子基板21側に表示面7が設定され、駆動素子基板23側に底面35が設定されている点が、図2に示す表示装置1とは異なる。表示装置400は、偏光板15が省略されている点、並びに表示面7及び底面35の設定が異なる点を除いては、表示装置1と同様の構成を有している。従って、以下においては、表示装置400の各構成のうちで表示装置1と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0100】
表示装置400において、発光素子基板21は、図4中のC−C線における断面図である図23に示すように、第1基板51の第1面53が底面35側すなわち液晶25側に向けられている。第1基板51と反射膜55との間には、光吸収性を有する材料で構成された光吸収膜171が設けられている。
駆動素子基板23は、素子面86bが表示面7側すなわち液晶25側に向けられている。絶縁層89と画素電極95との間には、偏光子173と絶縁層175とが設けられている。偏光子173は、絶縁層89の表示面7側に設けられている。絶縁層175は、例えばSiOやSiNなどの光透過性を有する材料で構成されており、偏光子173の表示面7側に設けられている。偏光子173は、ワイヤーグリッド構造が採用されており、偏光子63と同様の構成を有している。なお、第2基板85の外向面86aは、底面35側に向けられており、表示装置400では底面35に相当している。
【0101】
発光部27を構成する一対の電極57a及び57bは、図23中のS−S線における断面図である図24に示すように、発光部27ごとに設けられている。反射膜55及び光吸収膜171のそれぞれも、発光部27ごとに設けられている。
光吸収膜171は、表示面7側から第1基板51に入射される外光を吸収する機能を有する。この機能により、外光が反射膜55で反射されて表示面7側から射出されるのを妨げることができ、表示におけるコントラストの向上が図られる。
X方向に隣り合う発光部27同士間には、例えばアクリル樹脂などの光透過性を有する材料で構成される光透過層177が設けられている。
【0102】
表示装置400では、各発光部27から液晶25に入射された光が偏光子173で反射され、その反射光が光透過層177を介して表示面7から射出されることによって表示が行われる。
図25(a)は、TFT素子93がOFF状態のときの偏光状態を示す図であり、図25(b)は、TFT素子93がON状態のときの偏光状態を示す図である。
表示装置400では、偏光子173の各ワイヤー65が延びる方向115は、図25(a)及び図25(b)に示すように、X’方向に沿っている。つまり、偏光子173の各ワイヤー65が延びる方向115は、偏光子63の各ワイヤー65が延びる方向115に沿っている。
【0103】
各発光部27から偏光子63に入射された入射光は、Y’方向に沿った偏光軸を有する直線偏光123として液晶25に入射される。
液晶25に入射された直線偏光123は、TFT素子93がOFF状態のときに、図25(a)に示すように、液晶25の旋光性によってX’方向に沿った偏光軸を有する直線偏光125として偏光子173に向けて射出される。偏光子173に向けて射出された直線偏光125は、偏光軸の方向が偏光子173のワイヤー65が延びる方向115に沿っているため、偏光子173によって液晶25側に反射される。
【0104】
液晶25側に反射された直線偏光125は、液晶25の旋光性によってY’方向に沿った偏光軸を有する直線偏光179として偏光子63に向けて射出される。偏光子63に向けて射出された直線偏光179は、偏光軸の方向が偏光子63のワイヤー65が延びる方向115に直交しているため、偏光子63を透過して表示面7から射出される。
【0105】
他方で、TFT素子93がON状態のときに、直線偏光123は、図25(b)に示すように、偏光状態が維持されたまま直線偏光123として偏光子173に向けて射出される。偏光子173に向けて射出された直線偏光123は、偏光軸の方向が偏光子173のワイヤー65が延びる方向115に対して直交しているため、偏光子173を透過する。つまり、TFT素子93がON状態のときには、発光部27から液晶25に入射された光は、表示面7から射出されない。
【0106】
表示装置400では、上述したように、ノーマリホワイトの表示モードが採用されているが、表示モードはこれに限定されない。偏光子63の各ワイヤー65が延びる方向115と、偏光子173の各ワイヤー65が延びる方向115とを直交させれば、ノーマリブラックの表示モードとすることができる。
【0107】
ここで、表示装置400には、前述したように、X方向に隣り合う発光部27同士間に光透過層177が設けられている。偏光子173によって液晶25側に反射された光は、複数組の画素群43及び発光部27を模式的に示す断面図である図26に示すように、光透過層177を透過して表示面7から射出される。なお、この図26では、構成をわかりやすく示すため、光透過層177のハッチングが省略されている。
【0108】
第1の範囲131からは、光透過層177を介して第1の画素31が視認され得る。第2の範囲133からは、光透過層177を介して第2の画素32が視認され得る。第1の範囲131内に視点があれば、複数の第1の画素31からの光127aによって形成される第1の画像が視認され得る。第2の範囲133内に視点があれば、複数の第2の画素32からの光127bによって形成される第2の画像が視認され得る。つまり、表示装置400では、反射表示で、第1の画像を第1の範囲131に表示し、第2の画像を第2の範囲133に表示することができる。なお、図26に示す断面は、図9中のE−E線における断面に相当している。
【0109】
この表示装置400では、X方向に隣り合う発光部27同士間の間隔Paが、X方向に隣り合う画素群43同士間の間隔Pbよりも短く設定されている。これにより、表示装置400は、複数の第1の画素31から射出された光127aが第1の範囲131の両端のそれぞれにおいて交差し、複数の第2の画素32から射出された光127bが第2の範囲133の両端のそれぞれにおいて交差するように構成され得る。
【0110】
なお、表示装置1、10、100、200及び300では、各発光部27が、図9に示すように、Y方向に沿って配列する複数組の画素群43間にわたって一連して延びる場合を例に説明したが、各発光部27はこれに限定されない。各発光部27は、図27に示すように、画素群43ごとに独立した構成も採用され得る。
【0111】
また、表示装置1、10、100、200、300及び400では、TN型の液晶25を例に説明したが、液晶25はこれに限定されず、FFS(Fringe Field Switching)型、IPS(In Plane Switching)型、VA(Vertical Alignment)型等の種々の型が採用され得る。
【0112】
また、表示装置1、10、100、200、300及び400では、複数組の画素群43が、図5に示すように、X方向及びY方向のそれぞれの方向に沿ってマトリクス状に配列した場合を例に説明したが、複数組の画素群43の配列はこれに限定されない。複数組の画素群43の配列は、例えば、図28に示すように、Y方向にシグザグに並んだ配列も採用され得る。図28に示す配列の場合、図4に示す第1の画素31と第2の画素32とは、X方向に交互に並んでいるとともに、Y方向にも交互に並んでいる。この場合、各発光部27は、図29に示すように、画素群43ごとに設けられる。
【0113】
上述した表示装置1、10、100、200、300及び400は、それぞれ、例えば、図30に示す電子機器500の表示部510に適用され得る。この電子機器500は、カーナビゲーションシステム用の表示機器である。電子機器500では、表示装置1、10、100、200、300又は400が適用された表示部510によって、例えば、運転席側から第1の画像として地図などの画像が視認され、助手席側から第2の画像として映画などの画像が視認され得る。さらに、電子機器500では、第1の画像と第2の画像とが重畳する範囲135の軽減が図られ、広い適視範囲137aから第1の画像が視認され、広い適視範囲137bから第2の画像が視認され得る。
なお、電子機器500としては、カーナビゲーションシステム用の表示機器に限られず、携帯電話機、モバイルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器等の種々の電子機器が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第1実施形態における表示装置の主要構成を示す分解斜視図。
【図2】図1中のA−A線における断面図。
【図3】第1実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図4】第1実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図5】第1実施形態における複数組の画素群の配列を説明する平面図。
【図6】図4中のC−C線における断面図。
【図7】第1実施形態における偏光子を示す斜視図。
【図8】図6中のD−D線における断面図。
【図9】第1実施形態における発光部と画素群とを示す平面図。
【図10】第1実施形態における表示装置の偏光状態を説明する図。
【図11】第1実施形態における複数組の画素群及び発光部を模式的に示す断面図。
【図12】第1実施形態における複数組の画素群及び発光部を模式的に示す断面図。
【図13】第2実施形態における表示装置を図1中のA−A線の位置に相当する位置で切断したときの断面図。
【図14】図4中のC−C線における断面図。
【図15】図14中のJ−J線における断面図。
【図16】第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれにおける発光部の他の例を示す断面図。
【図17】第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれにおける発光部のさらに他の例を示す断面図。
【図18】第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれにおける表示装置の他の構成例における発光部と画素群とを示す平面図。
【図19】第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれにおける表示装置の他の構成例における複数組の画素群及び発光部を模式的に示す断面図。
【図20】第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれにおける表示装置の他の構成例における複数組の画素群及び発光部を模式的に示す断面図。
【図21】第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれにおける表示装置のさらに他の構成例を模式的に示す断面図。
【図22】第3実施形態における表示装置を図1中のA−A線の位置に相当する位置で切断したときの断面図。
【図23】図4中のC−C線における断面図。
【図24】図23中のS−S線における断面図。
【図25】第3実施形態における表示装置の偏光状態を説明する図。
【図26】第3実施形態における複数組の画素群及び発光部を模式的に示す断面図。
【図27】第1〜第3実施形態のそれぞれにおける発光部の他の例を示す平面図。
【図28】第1〜第3実施形態のそれぞれにおける複数組の画素群の配列の他の例をを示す平面図。
【図29】第1〜第3実施形態のそれぞれにおける発光部の他の例を示す平面図。
【図30】第1〜第3実施形態における表示装置を適用した電子機器の斜視図。
【図31】従来技術の課題を説明する断面図。
【符号の説明】
【0115】
1,10,100,200,300、400…表示装置、3…画素、31…第1の画素、32…第2の画素、7…表示面、11…液晶パネル、21…発光素子基板、23…駆動素子基板、25…液晶、27…発光部、43…画素群、51…第1基板、55…反射膜、57a,57b…電極、59…発光層、63,173…偏光子、73…樹脂層、75…光吸収層、85…第2基板、111…遮光膜、131…第1の範囲、133…第2の範囲、137a,137b…適視範囲、147…発光層、149…発光素子、151…反射膜、171…光吸収膜、177…光透過層、500…電子機器、510…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する一対の基板と、
前記一対の基板間に、前記一対の基板によって保持された状態で介在し、第1の画像を形成する第1の画素及び第2の画像を形成する第2の画素を少なくとも含む複数の画素の前記画素ごとに駆動される液晶と、を有し、
前記一対の基板のうちの一方の前記基板と前記液晶との間に、前記第1の画素を経て第1の方向に向かう光と前記第2の画素を経て第2の方向に向かう光とを発する複数の発光部が、平面視で互いに間隔をあけた状態で設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記複数の発光部と前記液晶との間に、各前記発光部からの光の偏光状態を規定する偏光素子が介在することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
平面視で前記複数の発光部同士間を覆う遮光膜が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記複数の発光部は、少なくとも隣り合う2つの前記発光部の間で一連した状態で設けられた発光層の前記液晶側に前記遮光膜を設けることによって構成されていることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記一方の基板と前記複数の発光部との間で、少なくとも前記複数の発光部のそれぞれに平面視で重なる領域に反射膜が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記一方の基板と前記発光層との間で、前記発光層に平面視で重なる領域にわたって反射膜が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記発光層と前記遮光膜との間で、前記発光層と前記遮光膜とが平面視で重なる領域に反射膜が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
互いに対向する一対の基板と、
前記一対の基板間に、前記一対の基板によって保持された状態で介在し、第1の画像を形成する複数の第1の画素及び第2の画像を形成する複数の第2の画素を含む複数の画素の前記画素ごとに駆動される液晶と、
前記一対の基板のうちの一方の前記基板と前記液晶との間に設けられ、前記第1の画素を経て第1の方向に向かう光と前記第2の画素を経て第2の方向に向かう光とを発する複数の発光部と、を有し、
前記複数の第1の画素及び前記複数の第2の画素は、それぞれ、赤系の色を呈する光を透過可能な赤系画素と、緑系の色を呈する光を透過可能な緑系画素と、青系の色を呈する光を透過可能な青系画素と、を有しており、
前記複数の発光部は、赤系の色を呈する前記光を発する赤系発光部と、緑系の色を呈する前記光を発する緑系発光部と、青系の色を呈する前記光を発する青系発光部とを、平面視で並べた構成を有することを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
前記一対の基板のうちの他方の前記基板と前記液晶との間で、前記複数の画素に平面視で重なる領域に反射膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項10】
前記一方の基板と前記複数の発光部との間に、平面視で前記複数の発光部のそれぞれを覆う遮光膜が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置。
【請求項11】
前記複数の発光部が、エレクトロルミネセンス素子で構成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項12】
前記複数の発光部と前記液晶との間に樹脂層が介在していることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項13】
互いに対向する一対の基板と、
前記一対の基板間に、前記一対の基板によって保持された状態で介在し、複数の画素の前記画素ごとに駆動される液晶と、を有し、
前記一対の基板のうちの一方の前記基板と前記液晶との間に、前記複数の画素に入射させる光を発する発光部が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電気光学装置を表示部として備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2009−63956(P2009−63956A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233695(P2007−233695)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】