説明

電気工学装置

【課題】構造が単純であり、画像の表示に要する電力が抑制された2画面ディスプレイを得る。
【解決手段】第1の透光性基板10と、第1の透光性基板10に対向する第2の透光性基板11と、該一対の基板間に挟持された液晶層12と、液晶層12に画素8毎に駆動電圧を印加して、液晶層12の透光性を駆動電圧の印加量に応じて画素8毎に変化させて、表示面14に画像を形成する一対の電極と、印加量を制御するスイッチング素子40と、を備える液晶パネル7と、表示面14側から入射して液晶パネル7を透過してきた光を表示面14側に反射する反射手段と、液晶パネル7に第1〜第nの画像を時分割的に表示する可能な制御部3と、表示面14に光を照射可能な光源80と、を備える電気光学装置2であって、反射手段が再帰反射シート5であり、制御部3はいずれかの画像が形成されている間に、該画像に対応する光源80を点灯させることを特徴とする電気光学装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気工学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置の1つとして、電圧の印加による液晶分子の配列の変化を利用して画像を表示する液晶装置がある。液晶装置としては、平面的な画像を正面方向を中心に表示する一般的なディスプレイの他に、見る方向によって異なる画像を表示する2画面ディスプレイ、あるいは左右の眼に異なる画像を表示する立体ディスプレイのような指向性ディスプレイがある。液晶自体は光の透過量を制御するシャッターとしての機能を有するのみなので、かかる指向性ディスプレイは、パララックスバリア等の構造を液晶パネルの表示面側に配置して、表示光を限定された方向に向けて射出している。
【0003】
【特許文献1】特開2002−149115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上述の技術は、構造を複雑化させて製造コストを上昇させるという問題がある。また、表示光の一部を遮蔽するため、画像の表示に要する電力を増大させるという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]
第1の透光性基板と、上記第1の透光性基板に対向する第2の透光性基板と、該一対の基板間に挟持された液晶層と、上記液晶層に画素毎に駆動電圧を印加して、上記液晶層の透光性を上記駆動電圧の印加量に応じて画素毎に変化させる一対の電極と、上記印加量を制御するスイッチング素子と、を備える液晶パネルと、上記液晶パネルの表示面の反対側の面に対向する位置に配置されており、上記表示面側から入射して上記液晶パネルを透過してきた光を上記表示面側に反射する反射手段と、を備える電気光学装置であって、上記反射手段が再帰反射シートであることを特徴とする電気光学装置。
【0007】
このような構成であれば、一人の観察者(視聴者)が、光源を用いて上記表示面を見る場合に、該観察者の近傍に上記光源を配置して、該観察者が位置する方向にのみ表示光(上記液晶パネルを透過した光)を反射させることができる。したがって、光源を用いて画像を観察する場合の電力を低減できる。なお、上述の印加量とは時間、及び/又は印加時間である。
【0008】
[適用例2]
第1の透光性基板と、上記第1の透光性基板に対向する第2の透光性基板と、該一対の透光性基板間に挟持された液晶層と、上記液晶層に画素毎に駆動電圧を印加して、上記液晶層の透光性を上記駆動電圧の印加量に応じて画素毎に変化させて、上記一対の基板のいずれかの基板の上記液晶層の側と反対側の面に形成される表示面に画像を形成する一対の電極と、上記印加量を制御するスイッチング素子と、を備える液晶パネルと、上記液晶パネルの表示面の反対側の面に対向する位置に配置されており、上記表示面側から入射して上記液晶パネルを透過してきた光を上記表示面側に反射する反射手段と、上記液晶パネルに第1〜第nの画像を所定の周期で時分割的に表示させることが可能な制御部と、上記表示面に光を照射可能であり、上記第1〜第nの画像に1対1で対応する第1〜第nの光源と、を備える電気光学装置であって、上記反射手段が再帰反射シートであり、上記制御部は、上記第1〜第nの画像のうちのいずれかの画像が形成されている間に、該画像に対応する光源を点灯させることを特徴とする電気光学装置。
【0009】
このような構造であれば、1台の電気光学装置を用いて複数の観察者に夫々異なる画像を表示できる。
【0010】
[適用例3]
上述の電気光学装置であって、上記nは2であり、上記第1の画像は左眼用の画像であり、上記第2の画像は右眼用の画像であり、上記第1の光源は上記電気光学装置の観察者の左眼の近傍に配置可能であり、上記第2の光源は上記電気光学装置の観察者の右眼の近傍に配置可能であることを特徴とする電気光学装置。
【0011】
このような構成によれば、パララックスバリア等を用いずに、左眼用画像と右眼用画像とを分割して表示することが可能となり、立体表示ディスプレイを低コストで得ることができる。
【0012】
[適用例4]
上述の電気光学装置であって、上記所定の周期は1/120秒以下であることを特徴とする電気光学装置。
【0013】
このような周期で画像を時分割的に表示すれば、同一の画像を連続的に表示する場合と略同等の画像を表示できる。したがって、1台の電気光学装置を用いて、上記の複数の観察者の各々に高品質の画像を表示できる。
【0014】
[適用例5]
上述の電気光学装置であって、上記スイッチング素子は薄膜トランジスタであることを特徴とする電気光学装置。
【0015】
薄膜トランジスタはスイッチング速度が速いため、画像の切り替えを高い速度で行う事ができる。したがって、このような構成であれば、複数の画像を時分割的に表示する場合における表示品質を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明を具体化した電気光学装置としての液晶装置の実施形態について述べる。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、該各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる、反射型液晶装置(以下、「液晶装置」と称する。)における反射光の概略を示す図である。本実施形態の液晶装置2は、液晶パネル7と、偏光板6と、反射手段としての再帰反射シート5を備えている。再帰反射とは、入射してきた光が反射されて、再び入射方向へ向けて射出される反射現象のことである。再帰反射シートとは、上述の反射現象を可能とするシート状、若しくは板状の部材である。
【0018】
図1において、図示しない光源から射出され表示面14に入射した照射光84は、偏光板6と液晶パネル7とを透過して再帰反射シート5に入射する。再帰反射シートによる反射光は指向性を有し、光が入射してきた方向にのみ射出される。したがって、本実施形態の液晶装置の反射光88は、照射光84の光源(図示せず)の方向に向かって射出される。本実施形態の液晶装置2は、かかる特性を利用して、屋内で一人のみの観察者に画像を表示する場合の、光源で消費される電力を抑制している。
【0019】
液晶パネル7と、偏光板6と、反射手段としての再帰反射シート5を備える構成により、観察者に対する指向性を持たせることができる。よって、観察者と液晶パネル7との間に液晶パネル7の画素に対応したバリアやレンズを形成する場合に比べて、構造を簡略化することができる。
【0020】
ここで、観察者がいる環境の明るさに対して、再帰反射シート5からの反射光88を観察者が認識できる程度の光を光源から照射すればいい。特に、暗所で用いると光源で消費される電力を抑制できる。
【0021】
図2は、第1の実施形態の液晶装置の、表示面14における画素8の配置を模式的に示す図である。偏光板6は表示面14全域に渡って同一なので、具体的には液晶パネル7内の画素の配置ということになる。各々の画素8は、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と称する。)40(図5等参照)を備えており、画素8毎に光源から照射される光の反射量を制御することで、画像を形成している。なお本図は表示面14内の一部領域を示すものであり、実際の画素8の数は、縦方向、横方向共に数百〜数千ある。
【0022】
画素8は、赤色光を射出する赤画素8r、緑色光を射出する緑画素8g、青色光を射出する青画素8b、の3種類がある。かかる3種類の画素(8r,8g,8b)の総称が画素8である。同種の画素8は、縦方向に一列に並ぶように配置されており、3原色光を射出することでカラー画像の表示を可能にしている。したがって、外光(光源の光)は白色光であることが前提である。上述の変換はカラーフィルタ15(図5参照)によって行われている。画素8の構造は、射出する光の色にかかわらず、(カラーフィルタ15の色を除いて)基本的に同一である。
【0023】
なお、図2において画素8の形状は方形であるが、かかる形状に限定されるものではない。また画素8の配置も、同一の色の画素8を横方向に並べてもよく、千鳥状に配置することも可能である。
【0024】
図3は、本実施形態、及び後述する第2〜3の各実施形態に共通する、液晶パネル7の回路構成を模式的に示す図である。規則的に配置された個々の画素を個別に制御して表示領域75に画像を形成するアクティブマトリクス型の液晶パネル7の回路図である。
【0025】
液晶パネル7は、画素8が規則的に配置されている表示領域75と、該領域と隣り合う周縁部領域に形成された駆動回路等からなる。該駆動回路は液晶パネル駆動部71から駆動信号Sを供給される。なお、本実施形態の液晶装置2において、液晶パネル駆動部71は、液晶パネル7と共に液晶装置2の構成要素であり、液晶パネル7の構成要素ではない。
【0026】
表示領域75は、平面視で実際に画像が形成される領域であり、液晶パネル7の双方の面(表示面14側と、その反対側の面)に適用できる概念である。図示するように、表示領域75には、走査線76とデータ線77とが格子状に形成されている。走査線76とデータ線77とで囲まれる方形の領域が、1つの画素8(図2参照)が形成されている領域である。
【0027】
走査線駆動回路72は、液晶パネル駆動部71から供給される駆動信号Sに基いて形成した走査信号を、走査線76を介してTFT40に供給する。データ線駆動回路73は、液晶パネル駆動部71から供給される駆動信号Sに基いて形成した画像信号を、データ線77を介して画素電極21に供給する。
【0028】
画素電極21に供給された所定レベルの画像信号は、画素電極21と後述する対向電極22(図5参照)との間で一定時間保持される。そして、かかる時間中、該一対の電極間に挟持された液晶層12(図5参照)中の液晶分子の配向方向を一定に保ち、該液晶層の透光性を規定する。各々の画素8に個別に画像信号が印加されて、画素8毎に光の透過量が制御されることで、表示領域75に画像が形成される。
【0029】
図4は、本実施形態の液晶装置が備える再帰反射シート5の概要を示す図である。再帰反射シートは、ガラス球体(ガラスからなる球体)51と該ガラス球体の下半分の部分を焦点層53を介して覆う反射層52とからなる微細な反射球が、結合樹脂層56上に平面状に敷き詰められて形成されている。ガラス球体51の上半分の部分は表面フィルム54で覆われており、該表面フィルム上には接着層55が形成されている。接着層55により所定の領域に貼付することが可能である。本実施形態の液晶装置2においては、再帰反射シート5は、液晶パネル7の裏面(表示面14とは反対側の面)の少なくとも表示領域75(図3参照)を含む領域に貼付されている。なお、結合樹脂層56上には、保護フィルム57が形成されている。
【0030】
液晶パネル7の表示面14に照射され、該液晶パネルを透過してきた照射光84は、接着層55及び表面フィルム54を透過してガラス球体51に入射する。ガラス球体51はレンズとして機能している。したがって、平行に入射してきた照射光84を反射層52の一点に集めて反射させることができる。そして反射層52により所定の範囲の角度を持つように反射された光を屈折させて、平行な反射光88として、入射してきた方向、すなわち照射光84の光源の方向に向けて射出させることができる。
【0031】
したがってガラス球体51が平面状に敷き詰められた再帰反射シート5は、通常の平滑な表面を持つ平板状の反射板(反射シート)と異なり、光源から照射された光を該光源の位置する方向にのみ反射することができる。また、互いに離れた位置に置かれた複数の光源から照射された場合、各々の光源に向けて夫々反射できる。
【0032】
図5は、液晶パネル7の断面を、再帰反射シート5等と共に模式的に示す図である。1つの画素8が含まれるように図示している。液晶パネル7は、TFT40等が形成された第1の透光性基板としての素子基板10と、カラーフィルタ15等形成された第2の透光性基板としての対向基板11と、該双方の基板間に挟持された液晶層12等、及び図示しない(走査線駆動回路72等の)外部回路からなる。上記双方の基板は、図示しないシール材により所定の間隔を持って対向するように保持されている。素子基板10のTFT40が形成されている側の反対側の面には偏光板6が貼付され、対向基板11のカラーフィルタ15が形成されている側の反対側の面には再帰反射シート5が貼付されている。偏光板6の表面(素子基板10と接していない側の面)が、表示面14である。液晶パネル7に、偏光板6及び再帰反射シート5が加わって液晶装置2となる。
【0033】
TFT40は、走査線76の一部を延伸して形成したゲート電極41と、ゲート絶縁膜42と、アモルファスシリコンの真性半導体層43と、データ線77の一部を分岐するように延長して形成したソース電極45と、ドレイン電極46と、真性半導体層43とソース電極45及びドレイン電極46間に形成されたn+シリコン層44と、からなる。
【0034】
ゲート絶縁膜42は酸化シリコンあるいは窒化シリコン等からなり、表示領域75全域に形成されている。また、n+シリコン層44は、真性半導体層43とソース電極45との間のコンタクト抵抗、及び真性半導体層43とドレイン電極46との間のコンタクト抵抗を低減して、TFT40の信頼性を向上させる機能を果たしている。
【0035】
TFT40の上には、TFT40と画素電極21とを絶縁する層間絶縁膜23が形成されている。層間絶縁膜23は、酸化シリコンあるいは窒化シリコン等の透光性絶縁材料からなる。そして、該層間絶縁膜の一部を選択的にエッチングして、画素電極21とドレイン電極46とを接続するコンタクトホール25が形成されている。
【0036】
画素電極21は島状にパターニングされたITO(酸化インジウム・すず合金)層からなる。ITOは透明導電材料であり、照射光84及び反射光88の透過と液晶層12への電圧の印加を両立できる。素子基板10の層間絶縁膜23の上層(つまり液晶層12側)には、画素電極21を覆うように第1の配向膜31が形成されている。また、対向基板11の液晶層12側の面には、カラーフィルタ15(若しくはブラックマトリクス16)、オーバーコート層34、位相差膜33、対向電極22、第2の配向膜32が順に積層されている。第1の配向膜31及び第2の配向膜32は、ポリイミド等の高分子材料からなる薄膜に配向処理を施した膜であり、液晶層12に含まれる液晶分子の配向方向を揃えることができる。
【0037】
液晶装置2では、液晶層12の配向状態を画素8毎に変化させることにより、表示が制御される。上記の配向状態は、TFT40のON状態及びOFF状態を切り替えて、画素電極21に印加する電圧を変化させることで行われている。
【0038】
対向電極22は、少なくとも表示領域75(図3参照)の全面に形成されたITOからなる薄膜であり、該領域において、液晶層12の対向基板11側を同電位に保っている。したがって、TFT40を介して画素電極21に印加された電圧が、該画素電極が形成されている領域の液晶層12に印加される電圧となる。
【0039】
カラーフィルタ15は着色された樹脂等で形成された層である。入射した光のうちの所定の範囲の波長の光を透過させ、それ以外の波長範囲の光を吸収することにより、白色光を有色光に変換する層である。カラーフィルタ15は、画素8毎に異なる色に着色されており、画素8毎に異なる範囲の波長の光を透過させることができる。具体的には、赤画素8rに対応するカラーフィルタ15は赤色光を透過させることができ、緑画素8gに対応するカラーフィルタ15は緑色光を透過させることができ、青画素8bに対応するカラーフィルタ15は青色光を透過させることができる。
【0040】
ブラックマトリクス16は、黒色に着色され遮光性を付与された樹脂等からなり、表示領域75(図3参照)内に、個々のカラーフィルタ15を囲むように格子状に形成されている。走査線76、データ線77、及びTFT40は、平面視によってブラックマトリクス16と重なるように形成されている。該走査線等が形成されている領域は液晶層12に電圧を印加できない領域であり、かかる領域が透光性となる事を、ブラックマトリクス16により回避している。
【0041】
位相差膜33は、液晶ポリマ等で形成されており、透過する光に1/4波長の位相差を付与することができる。また、遅相軸の方向は偏光板6の透過軸方向に直交している。オーバーコート層34は、透光性を有する樹脂等で形成されており、カラーフィルタ15及びブラックマトリクス16を保護している。
【0042】
再帰反射シート5は、上述したように照射された光を光源の位置する方向に向けて指向的に反射できる。図示しない光源から表示面14に向けて照射された光が、液晶パネル7を透過してきた場合に、該光を該光源の方向に向けて指向的に反射できる。照射された光はカラーフィルタ15を2回透過して充分に着色される。
なお、本実施形態の液晶装置2において再帰反射シート5は対向基板11に接着層55(図4参照)で接着されているが、本発明の実施の形態はかかる態様に限定されるものではない。再帰反射シートを対向基板11から若干の間隔を開けて保持してもよく、また、接着層55を用いずに、他の部材で押し付けて固定してもよい。
【0043】
上述したように、位相差膜33は偏光板6の透過軸の方向に直交する遅相軸を有しており、透過する光に1/4波長の位相差を付与することができる。また、第1の配向膜31の配向方向は、偏光板6の透過軸の方向と平行であり、第2の配向膜32の配向方向は、偏光板6の透過軸の方向と直交している。したがって、液晶層12に電圧が印加されていない状態において、液晶層12に含まれる液晶分子の長軸は、液晶層12内で90度ねじれた状態となる。そして液晶層12は、入射された光に1/4波長の位相差を付与する。これは、液晶層12の屈折率異方性及び厚みの設定によって達成され得る。
表示面14側から偏光板6を経て液晶パネル7内に入射された照射光84は、偏光板6の透過軸の方向と平行方向の偏光軸を有する直線偏光光として液晶層12に入射される。
【0044】
TFT40がOFF状態、すなわち液晶層12に電圧が印加されていない状態において、液晶層12に入射された該直線偏光光は、1/4波長の位相差が付与されて円偏光光となり、位相差膜33に入射する。位相差膜33に入射した円偏光光は、該位相差膜により1/4波長の位相差が付与されて偏光板6の透過軸方向から時計周りに45度の方向の偏光軸を有する直線偏光光として再帰反射シート5に向けて射出される。そして再帰反射シート5よって偏光状態が維持されたまま位相差膜33に向けて反射される。
【0045】
位相差膜33に向けて反射された該直線偏光光は、該位相差膜により1/4波長の位相差が付与されて円偏光光となり、液晶層12に向けて射出される。液晶層12に入射した円偏光光は1/4波長の位相差が付与されて偏光板6の透過軸方向の偏光軸を有する直線偏光光となって表示面14の方向に射出される。そして同様の方向の変更軸をもつ偏光板6を透過して表示面14から射出される。
【0046】
一方、TFT40がON状態、すなわち液晶層12に電圧が印加されている状態において、液晶層12に含まれる液晶分子の長軸は素子基板10等に対して垂直方向を向いている。したがって、偏光板6を透過した直線偏光光は偏光状態を維持したままで位相差膜33に入射される。位相差膜33に入射された直線偏光光は1/4波長の位相差が与えられ、円偏光光となって再帰反射シート5に向けて射出される。そして再帰反射シート5によって反射され反時計周りの円偏光光となって位相差膜33に入射される。
【0047】
位相差膜33に入射された円偏光光は、1/4波長の位相差が付与され偏光板6の透過軸方向と直交する方向の偏光軸を有する直線偏光光として液晶層12内に入射される。液晶層12内に入射された直線偏光光は該偏光状態を維持したまま液晶層12を透過して偏光板6に入射される。そして、偏光軸が直交しているため、略全てが偏光板6に吸収される。このように、液晶装置2の画素8は、TFT40のON/OFFの切り替えにより光の反射が制御される。上述したように表示領域75には3原色のうちのいずれかの色のカラーフィルタ15を備える画素8が規則的に配置されており、かかる画素8の反射を画素毎に制御することでカラー表示を行っている。
【0048】
図6は、本実施形態の液晶装置、すなわち反射手段に再帰反射シート5を用いた液晶装置の使用の態様を示す図である。液晶装置2と、該液晶装置の観察者Vr及び光源80と、の位置関係、及び本実施形態の液晶装置2の効果を示す図でもある。
【0049】
図6(a)において、液晶装置2は、正面方向、すなわち本図が描かれている紙面の法線方向を向くように配置されている。一方、観察者Vrは、正面方向ではなくではなく向かって左寄りに位置しており、光源80は該観察者の近傍に配置されている。なお、光源80は指向的に光を照射できる型のものが好ましい。
【0050】
液晶装置2の表示面14には、画像60が形成されている。すなわち、反射した光が画像60を構成するように、表示領域75に規則的に配置されている各々の画素8の画素電極21に電圧が印加されている。なお、画像60は静止画像と動画像とのどちらも含まれる。表示面14に画像60が形成された状態で光源80が点灯し、照射光84が表示面14から液晶装置2内に入射すると、再帰反射シート5により該照射光が反射されて、観察者Vrが位置する方向に指向的に、反射光88として反射される。したがって、観察者Vrは画像60を観察できる。この場合、観察者Vrから離れた位置では画像60を観察することは困難である。
【0051】
図6(b)は、観察者Vr及び光源80が正面方向を挟んで反対側の位置、すなわち表示面14と床面(液晶装置2及び観察者Vrが位置する平面)の双方に垂直な面を挟んで対称となる位置に移動した場合を示している。
【0052】
再帰反射シート5は、照射光84を該照射光の光源80が位置する方向に反射するため、観察者Vrの近傍に光源80が配置されていれば、反射光88は、観察者Vrが位置する方向に指向的に反射される。したがって、光源80の移動に合わせて反射光88の反射方向も変り、観察者は図6(a)に示す位置にいたときと同様の画像60を観察できる。
【0053】
ここで、反射手段として一般的な反射板、例えば平滑な表面を有する金属板等を用いた場合を仮定すると、照射光84は乱反射されて、反射光88はあらゆる方向に向かう。特に、図6(a)、図6(b)に示すように観察者Vrが液晶装置2の正面ではなく斜め方向に位置し、光源80が観察者Vrの近傍に配置されている場合には、反射光88は上述の反対側の位置の方向に多くの割合で戻り、観察者Vrの方向に照射される(戻ってくる)反射光88の割合は極僅かとなる。したがって、外光(太陽光等)を利用できない暗所において良好な画像60を観察するためには、非常に強い光源80が必要になる。
【0054】
それに比べて、本実施形態の液晶装置2は反射手段に再帰反射シート5を用いているため、観察者Vrの近傍に光源80が配置されていれば、光源80から照射される光を常に高い割合で観察者Vrがいる方向に向けて指向的に反射できる。したがって、同一の構造の液晶パネル7を用いているにもかかわらず、室内等の暗所で光源80を用いて画像60を表示する場合に照射光84を有効に利用でき、画像表示に要するコストを低減できる。
なお、本図において、観察者Vrが液晶装置2の正面ではなく斜め方向に位置する様に図示したが、観察者Vrが正面に位置している場合においても光源80が該観察者の近傍に配置されていれば、上述のコスト低減効果を得ることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
図7に、第2の実施形態の液晶装置の構成の概略を示す。本実施形態の液晶装置は、液晶パネル7、液晶パネル駆動部71に加えて、第1の光源81と第2の光源82、及び該双方の光源の点灯を制御する制御部3を、構成要素として含んでいる。第1の実施形態における液晶装置との混同を避けるため、「液晶装置」としての符号は付与していない。
【0056】
本実施形態の液晶装置は、表示すべき2つの画像のデータを第1の画像ソースDS1と第2の画像ソースDS2とに夫々記録している。制御部3は、第1の画像ソースDS1及び第2の画像ソースDS2の双方の画像ソースから同時に伝送される2つの画像データを交互に、すなわち時分割的にいずれか一方の画像データを液晶パネル駆動部71に伝送する。なお、上記第1の実施形態と同様に、上記2つの画像には、静止画像と動画像とのどちらも含まれる。
【0057】
液晶パネル駆動部71は、伝送された画像データを画像駆動信号Sとして液晶パネル7の駆動回路(走査線駆動回路72等)に伝送し、液晶パネル7の表示面14に画像を形成している。上記双方の光源は、図示するように液晶パネル7の正面ではなく斜め方向の位置に、互いに間隔が生じるように配置されている。そして、制御部3は、上述の画像データの伝送にタイミングを合わせて、上記双方の光源の点灯のタイミングを制御している。なお、双方の光源(81及び82)は照射光(85及び86)を指向的に照射できることが好ましい。
【0058】
図7(a)は、制御部3が第1の画像データDT1を液晶パネル駆動部71に伝送し、同時に第1の光源81を点灯させている第1の状態を示している。液晶パネル駆動部71は、第1の画像データDT1に基く第1の画像駆動信号S1を液晶パネル7に伝送している。液晶パネル7の表示領域75(図3参照)に規則的に配置されている画素8の画素電極21(図5参照)には、第1の画像駆動信号S1に基き、第1の画像が形成されるように駆動電圧が印加される。そして、かかる印加がなされている間、液晶パネル7の表示面14には、第1の光源81からの第1の照射光85が照射される。
【0059】
図7(b)は、制御部3が第2の画像データDT2を液晶パネル駆動部71に伝送し、同時に第2の光源82を点灯させている第2の状態を示している。液晶パネル駆動部71は、第2の画像データDT2に基く第2の画像駆動信号S2を液晶パネル7に伝送している。液晶パネル7の表示領域75に規則的に配置されている画素8の画素電極21(図5参照)には、第2の画像駆動信号S2に基き、第2の画像が形成されるように駆動電圧が印加される。そして、かかる印加がなされている間、液晶パネル7の表示面14には、第2の光源82からの第2の照射光86が照射される。
上記第1の状態と上記第2の状態とは、1/120秒以下の周期で切り替えられる。したがって、表示面14は同じ画像が少なくとも1/120秒おきに表示される。
【0060】
図8は、液晶装置の表示面14を正面から見た図である。配線等は図示を省略している。第1の観察者Vr1と第2の観察者Vr2とは、表示面14の正面ではなく斜め方向に、互いに間隔をおいて位置している。第1の光源81は第1の観察者Vr1の近傍に配置され、第2の光源は82第2の観察者Vr2の近傍に配置されている。
【0061】
図8(a)は、液晶装置が図7(a)に示す状態の時の反射光88の態様を、双方の観察者と共に示している。表示面14には第1の画像駆動信号S1(図7参照)に基く第1の画像61が表示されている。同時に、表示面14には、第1の光源81が発光する第1の照射光85が照射されている。液晶パネル7の裏面には反射手段として再帰反射シート5が貼付されているため、反射光88は第1の光源81が位置する方向に指向的に反射される。したがって、第1の光源の近傍に位置する第1の観察者Vr1は第1の画像61を観察できるが、第2の観察者Vr2は第1の画像61を観察できない。
【0062】
図8(b)は、液晶装置が図7(b)に示す状態の時の反射光88の態様を、双方の観察者と共に示している。表示面14には第2の画像駆動信号S2(図7参照)に基く第2の画像62が表示されている。同時に、表示面14には、第2の光源82が発光する第2の照射光86が照射されている。反射光88は第2の光源82が位置する方向に指向的に反射される。したがって、第2の観察者Vr2は第2の画像62を観察できるが、第1の観察者Vr1は第2の画像62を観察できない。
【0063】
図8(a)に示す状態と図8(b)に示す状態とは、周期的に切り替えられる。したがって、双方の観察者Vr1,Vr2は対応する画像のみを、すなわち、第1の観察者Vr1は第1の画像61のみを、第2の観察者Vr2は第2の画像62のみを、間欠的(周期的)に観察する。そして、上述の周期は1/120秒以下という非常に短い周期に設定されている。したがって、双方の観察者Vr1,Vr2は、表示面14に画像が表示されている時間帯と暗表示となる時間帯とが切り替わる事を殆んど認識することなく、表示面14に画像が連続して表示されている場合と略同等に、夫々の画像61,62を観察できる。
【0064】
以上の結果、本実施形態の液晶装置は、レンチキュラーレンズ等の振り分け手段を用いることなく、2画面表示、すなわち1つの表示面14を用いて2人の観察者Vr1,Vr2の各々に異なる画像61,62を表示することが可能となる。また、照射された光を観察者の位置する方向に指向的に反射させるため、第1の実施形態に示す液晶装置2と同様に画像表示に要するコストを低減できる。
【0065】
なお、第1の画像61が表示されている時間帯と第1の照射光85が照射されている時間帯とは完全に一致している事が好ましいが、完全に一致していなくても、上記双方の時間帯が重なっている時間帯があれば、該時間帯には観察者は対応する画像を観察できる。第2の画像62が表示されている時間帯と第2の照射光86が照射されている時間帯との関係についても同様である。ただし、第1の画像61が表示されている時間帯と第2の照射光86が照射されている時間帯とが重なる事、及び、第2の画像62が表示されている時間帯と第1の照射光85が照射されている時間帯とが重なる事、は完全に回避する必要がある。
【0066】
また、本実施形態では液晶装置が画像ソースを備えており、画像データが画像ソースに記憶されている場合について述べたが、本発明の実施形態はかかる態様に限定されるものではない。画像データはディスク等の再生機器から得てもよく、カメラ等から入力される画像データを用いてもよい。また、テレビ画像等の電波を受信して画像データとしてもよい。
【0067】
(第3の実施形態)
図9(a)〜(d)は、第3の実施形態の液晶装置の構成の概略を、使用の態様等と合わせて示す図である。本実施形態の液晶装置は、2画面ディスプレイである上記第2の実施形態の液晶装置とは異なり、一人の観察者Vrに立体画像を表示する液晶装置である。第1の画像は左画像63、第2の画像は右画像64であり、双方の画像を交互に表示して立体表示を行っている。かかる画像は、1つの被写体を、該被写体から所定の距離を持って、互いに間隔を開けて位置する2台のカメラで同時に撮影する方法で得ることができる。なお、第2の実施形態と同様に、「液晶装置」としての符号は付与していない。
【0068】
本実施形態の液晶装置は、2つ画像を交互に表示する点で上記第2の実施形態の液晶装置と共通している。したがって、上記第2の実施形態の液晶装置と類似した構成を有している。液晶パネル7の裏面には反射手段として再帰反射シート5が貼付されており、照射された光を光源の位置する方向に指向的に反射できる。制御部3(図示は省略)は、左画像63のデータと右画像64のデータ2つの画像のデータを、時分割的に液晶パネル駆動部71に伝送する。表示面14には該2つの画像が交互に表示され、かかる表示に合わせて光源が発光する。左画像63と右画像64との表示の周期は第2の実施形態の液晶装置と同様に1/120秒以下である。
【0069】
図9(a)は左画像63が表示されているときの状態を(観察者Vrが位置する面に対して)垂直方向から見た図であり、図9(b)は同様の状態を水平方向から見た図である。同じく、図9(c)は右画像64が表示されているときの状態を垂直方向から見た図であり、図9(d)は同様の状態を水平方向から見た図である。
【0070】
観察者Vrは表示面14の略正面に位置している。第1の光源81は観察者Vrの左眼65の近傍に配置され、第2の光源82は観察者Vrの右眼66の近傍に配置されている。左画像63が表示されている間は第1の光源81からの第1の照射光85が表示面14に向けて照射され、右画像64が表示されている間は第2の光源82からの第2の照射光86が表示面14に向けて照射される。
【0071】
第1の光源81と第2の光源82との間隔はあまり離れていないが、観察者Vrと表示面14との間の距離がさほど離れていない場合、双方の光源は表示面14に対して角度をつけて、照射光を照射できる。したがって、第1の照射光85の反射光88は左眼65に向かって指向的に反射され、第2の照射光86の反射光88は右眼66に向かって指向的に反射される。そのため、左画像63すなわち左眼用の画像は左眼65で観察され、右画像64すなわち右眼用の画像は右眼66で観察される。
【0072】
上述したように、図9(a)及び図9(b)に示す状態と図9(c)及び図9(d)に示す状態とは1/120秒以下の周期で切り替えられるため、左眼65は表示面14に左画像63が連続して表示されているように観察し、右眼66は表示面14に右画像64が連続して表示されているように観察する。その結果、観察者Vrは、表示面14に立体画像が表示されているように認識する。
【0073】
以上の結果、本実施形態の液晶装置は、レンチキュラーレンズ等の振り分け手段を用いることなく立体表示が可能となる。また、観察者Vrの位置する方向に指向的に反射光88を反射させるため、第1の実施形態に示す液晶装置2と同様に、画像表示に要するコストを低減できる。
【0074】
(変形例1)
第2の実施形態では、観察者が2人の場合について述べている。しかし、第2の実施形態に示す液晶装置の観察者は、3人以上とすることも可能である。制御部3が3以上の画像データを周期的に液晶パネル駆動部71に供給可能であり、3以上の光源を周期的に点灯させる事が可能であれば、3人以上の観察者に同時に夫々異なる画像を表示できる。
【0075】
(変形例2)
上述の第1〜3の実施形態に示す液晶装置では、スイッチング素子にTFT40を用いている。しかしスイッチング素子はTFTに限定されるものではなく、単純マトリクス方式のスイッチング素子を用いてもよい。かかる構成であれば液晶パネルを低コストで製造でき、画像表示に要するコストをより一層低減できる。
【0076】
(変形例3)
上述の第2〜3の実施形態に示す液晶装置では、表示する画像の切り替えは制御部3により行われている。しかし、かかる切り替えを制御部ではなく光センサーを用いて行うこともできる。表示面14の周縁部に照射光(85及び86)が照射される角度を検出可能な光センサーを配置すれば、点灯している光源(81及び82)の位置により表示する画像を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第1の実施形態の、反射型液晶装置における反射光の概略を示す図。
【図2】第1の実施形態の液晶装置の表示面における画素の配置を示す図。
【図3】液晶パネルの回路構成を示す図。
【図4】第1の実施形態の液晶装置が備える再帰反射シートの概要を示す図。
【図5】液晶パネルに配置された画素の断面を模式的に示す図。
【図6】第1の実施形態の液晶装置の使用の態様を示す図。
【図7】第2の実施形態の液晶装置の構成の概略を示す図。
【図8】第2の実施形態の液晶装置の使用の態様を示す図。
【図9】第3の実施形態の液晶装置の構成の概略を示す図。
【符号の説明】
【0078】
2…液晶装置、3…制御部、5…反射手段としての再帰反射シート、6…偏光板、7…液晶パネル、8…画素、10…第1の透光性基板としての素子基板、11…第2の透光性基板としての対向基板、12…液晶層、14…表示面、15…カラーフィルタ、16…ブラックマトリクス、21…画素電極、22…対向電極、23…層間絶縁膜、25…コンタクトホール、31…第1の配向膜、32…第2の配向膜、33…位相差膜、34…オーバーコート層、40…スイッチング素子としてのTFT、41…ゲート電極、42…ゲート絶縁膜、43…真性半導体層、44…n+シリコン層、45…ソース電極、46…ドレイン電極、51…ガラス球体、52…反射層、53…焦点層、54…表面フィルム、55…接着層、56…結合樹脂層、57…保護フィルム、60…画像、61…第1の画像、62…第2の画像、63…左画像、64…右画像、65…左眼、66…右眼、71…液晶パネル駆動部、72…走査線駆動回路、73…データ線駆動回路、75…表示領域、76…走査線、77…データ線、80…光源、81…第1の光源、82…第2の光源、84…照射光、85…第1の照射光、86…第2の照射光、88…反射光、DS1…第1の画像ソース、DS2…第2の画像ソース、DT1…第1の画像データ、DT2…第2の画像データ、S…画像駆動信号、S1…第1の画像駆動信号、S2…第2の画像駆動信号、Vr…観察者、Vr1…第1の観察者、Vr2…第2の観察者。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の透光性基板と、前記第1の透光性基板に対向する第2の透光性基板と、該一対の基板間に挟持された液晶層と、前記液晶層に画素毎に駆動電圧を印加して、前記液晶層の透光性を前記駆動電圧の印加量に応じて画素毎に変化させる一対の電極と、前記印加量を制御するスイッチング素子と、を備える液晶パネルと、
前記液晶パネルの表示面の反対側の面に対向する位置に配置されており、前記表示面側から入射して前記液晶パネルを透過してきた光を前記表示面側に反射する反射手段と、
を備える電気光学装置であって、
前記反射手段が再帰反射シートであることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
第1の透光性基板と、前記第1の透光性基板に対向する第2の透光性基板と、該一対の透光性基板間に挟持された液晶層と、前記液晶層に画素毎に駆動電圧を印加して、前記液晶層の透光性を前記駆動電圧の印加量に応じて画素毎に変化させて、前記一対の基板のいずれかの基板の前記液晶層の側と反対側の面に形成される表示面に画像を形成する一対の電極と、前記印加量を制御するスイッチング素子と、を備える液晶パネルと、
前記液晶パネルの表示面の反対側の面に対向する位置に配置されており、前記表示面側から入射して前記液晶パネルを透過してきた光を前記表示面側に反射する反射手段と、
前記液晶パネルに第1〜第nの画像を所定の周期で時分割的に表示させることが可能な制御部と、
前記表示面に光を照射可能であり、前記第1〜第nの画像に1対1で対応する第1〜第nの光源と、
を備える電気光学装置であって、
前記反射手段が再帰反射シートであり、
前記制御部は、前記第1〜第nの画像のうちのいずれかの画像が形成されている間に、該画像に対応する光源を点灯させることを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電気光学装置であって、
前記nは2であり、前記第1の画像は左眼用の画像であり、前記第2の画像は右眼用の画像であり、
前記第1の光源は前記電気光学装置の観察者の左眼の近傍に配置可能であり、前記第2の光源は前記電気光学装置の観察者の右眼の近傍に配置可能であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の電気光学装置であって、前記所定の周期は1/120秒以下であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、前記スイッチング素子は薄膜トランジスタであることを特徴とする電気光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−150956(P2009−150956A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326860(P2007−326860)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】