説明

電池モジュール

【課題】電圧の検出精度を高めることが可能な電池モジュールを提供する。
【解決手段】正極端子10Aおよび負極端子10Bが突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う前記電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとをジョイント端子20により接続することで、前記複数の電池セルを直列に接続してなる電池モジュールであって、隣り合う前記電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとのうち少なくとも一方には球面が形成され、前記ジョイント端子20には、前記正極端子10Aまたは負極端子10Bに形成された球面に弾性的に接触する電圧検出部25が一体に形成されるとともに、電圧測定回路の電圧測定線30が接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池セルが直列に接続されてなる電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電池モジュールの一例として、隣り合う2つの電池セル間を電気的に接続するバスバーと、隣り合う2つの電池セル毎に電圧を検知する電圧検出端子とを備えてなる電池モジュールが知られている(例えば特許文献1)。この電池モジュールを構成する各電池セルの正極および負極には、雄ネジ型をなす端子部が突出して設けられ、バスバーおよび電圧検出端子には、電池セルの端子部を挿通可能な挿通孔がそれぞれ形成されている。
【0003】
そして、隣り合う2つの電池セルの端子部に挿通孔をそれぞれ挿通させてバスバーを正極および負極に面接触させ、また隣り合う端子部のうち一方の端子部に挿通孔を挿通させて電圧検出端子をバスバーに面接触させ、端子部にナットを締め付けることでバスバーと電圧検出端子とを固定している。
【特許文献1】特開2000−333343公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような電池モジュールにおいては、電池セルの電圧を検出して電圧が均一になるように制御している。しかしながら、電圧のバラツキをより小さくするために、電圧の検出精度をさらに高めたいという要望があった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電圧の検出精度を高めることが可能な電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電池モジュールは、正極端子および負極端子が突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とをジョイント端子により接続することで、前記複数の電池セルを直列に接続してなる電池モジュールであって、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とのうち少なくとも一方には球面が形成され、前記ジョイント端子には、前記正極端子または負極端子に形成された球面に弾性的に接触する電圧検出部が一体に形成されるとともに、電圧測定回路の電圧測定線が接続されている。
【0007】
このような構成によれば、電圧検出部が正極端子または負極端子に直接接触した状態になるから、電圧の検出精度を高めることができる。また、電池セルの正極と負極とを接続する端子と、電圧検出用の端子とを別体に設ける場合に比べて部品点数を減らすことができる。
【0008】
また、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子との両方に前記球面が形成され、前記ジョイント端子は、前記電池セルの正極端子と負極端子とに形成された前記球面にそれぞれ接触する一対の前記電圧検出部を有し、前記電圧測定線は、前記電圧検出部のそれぞれに接続されているものとしてもよい。このような構成によれば、各電池セル毎に電圧を検出することができるから、2つの電池セル毎に電圧を検出する場合に比べて電圧の検出精度を高めることができる。
【0009】
また、前記電圧検出部は、片持ち状をなして前記球面に弾性的に接触するものとしてもよい。
また、前記電圧測定線は、前記電圧検出部のうち前記球面に接触する接点部に接続されているものとしてもよい。
また、前記ジョイント端子は、前記電圧測定線を保持する保持部を有しているものとしてもよい。
【0010】
また、前記ジョイント端子は、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とを弾性的に挟み込む一対の接続片を有するものとしてもよい。このような構成によれば、ボルト締め等することなく、隣り合う電池セルの正極端子と負極端子とにジョイント端子を固定することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電圧の検出精度を高めることが可能な電池モジュールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1について、図1〜図4を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態における電池モジュールは、正極端子10Aおよび負極端子10Bが突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとをジョイント端子20により接続することで、複数の電池セルを直列に接続してなるものである。以下、各構成部材において、図1の上側を上方、下側を下方として説明する。
【0013】
電池セルは、電気自動車またはハイブリッド自動車等の駆動源として使用される周知の構成のものであり、全体として円柱状に形成された本体部(図示せず)と、この本体部における軸方向の一方の端面および他方の端面に垂直に突出して設けられた正負の電極端子(正極端子10Aおよび負極端子10B)とを備えている。複数の電池セルは、互いに隣り合う電池セルが軸方向に逆向きになるよう(正極端子10Aと負極端子10Bとが隣り合って配置されるよう)にして並べられ、図示しない保持部材により一体に保持されている。なお、電池モジュールには、セル電圧・電流・温度等の検出、各電池セルの充放電コントロール等を行うための機能を有する周知の電池制御部(図示せず)が備えられている。
【0014】
正極端子10Aおよび負極端子10Bは、金属製(銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等)であって、切削加工、鋳造、または鍛造等、公知の手法により形成されている。正極端子10Aおよび負極端子10Bは略同形・同大に形成され、それぞれ球形状をなす接続部11を有している。なお、接続部11の外周面が、本発明における球面に該当する。
【0015】
ジョイント端子20は、例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)等の金属製の板材を、所定の形状にプレス加工することにより形成されている。
ジョイント端子20は、隣り合う電池セルの正極端子10Aおよび負極端子10Bを弾性的に挟み込む一対の接続片21を有している。一対の接続片21は、それぞれ左右方向(正極端子10Aおよび負極端子10Bの並列方向)に長い略長方形の板状をなし、その上縁は連結部22に連結されている。連結部22と一対の接続片21とは側方から見ると略U字形状をなし、各接続片21は、連結部22からそれぞれ片持ち状をなして下方に延出している(図4参照)。
【0016】
一対の接続片21は、互いに接近・離間方向(対向方向)に弾性変位可能とされ、自然状態における一対の接続片21の間の間隔は、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11の最大幅寸法よりも小さく設定されている。なお、一対の接続片21の下端部は、下方に向かって少しずつ互いの間隔が大きくなる向きに屈曲されており、その最下端における間隔は、接続部11の最大径寸法と同等の寸法となっている。
【0017】
一対の接続片21のうち長手方向の両端部は、正極端子10Aおよび負極端子10Bが接続する部分とされ、この部分には、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11が嵌合可能な孔部23が設けられている。孔部23は一対の接続片21の両方に設けられ、各接続片21を壁厚方向に打ち抜いて形成されている。各接続片21に設けられた孔部23は、すべて略円形状をなしている。
【0018】
また、各接続片21の長手方向の両端部には、下縁(正極端子10Aおよび負極端子10Bに対する接続方向前側の縁)から孔部23にかけて接続部11を案内する案内溝24が形成されている。案内溝24は、接続片21を壁厚方向に打ち抜いて形成されている。
連結部22は、正極端子10Aおよび負極端子10Bの並列方向に長い略長方形の板状をなし、その長手方向寸法は、接続片21の長手方向寸法と同等の寸法とされている。
【0019】
さて、ジョイント端子20には、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11にそれぞれ接触する一対の電圧検出部25が一体に形成されている。
電圧検出部25は、連結部22の長手方向の両端縁からそれぞれ片持ち状をなして下方に延出している(図3参照)。一対の電圧検出部25は、互いに接近・離間方向(連結部22の長手方向)に弾性変位可能とされ、自然状態における一対の電圧検出部25の間の間隔は、隣り合う正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11の間隔(2つの接続部11の並列方向における最外端同士の間隔)よりも若干小さく設定されている。そして、一対の電圧検出部25は、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11の外周面、詳しくは、接続部11の外周面のうち2つの接続部11の並列方向における最外端にそれぞれ弾性的に接触している。なお、一対の電圧検出部25の下端部は外側に屈曲され、下端部の内側面は弧状をなしている。
【0020】
連結部22の長手方向の両端部(電圧検出部25の根元部分)には、電線30(本発明の電圧測定線に該当する)が1本ずつ接続されている。なお、連結部22の両端部を電線接続部26と称する。
電線30は、電線30の端末部のうち絶縁被覆31の端部から突出する芯線32が、溶接により電線接続部26に接続されている。芯線32の露出部分は、連結部22を短手方向に横切る長さ寸法を有し、一対の電線30は、各電線接続部26から連結部22の長手方向に対して直交方向に延びている(図2参照)。なお、各電線30は、電池制御部に接続されている。
なお、正極端子10A、負極端子10B、ジョイント端子20は、合成樹脂製のカバー(図示せず)により覆われている。
【0021】
次に、隣り合う正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子20を接続する作業について説明する。
まず、複数の電池セルを、正極端子10Aと負極端子10Bとが隣り合うように並べる。
【0022】
次いで、正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子20を接続する。
ジョイント端子20を、一対の電圧検出部25が下方に延出する向きにして、各電圧検出部25がそれぞれ正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11の上方に配されるよう位置合わせし、ジョイント端子20を下側(電池セル側)に移動させる。すると、各案内溝24の入り口に正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11が入り込み、やがて、一対の接続片21は、その間に接続部11が差し入れられることで互いに離間方向へ弾性変位し始める。また、一対の電圧検出部25が接続部11の外周面にそれぞれ接触し、接続部11との接触により外側へ弾性変位し始める。そして、接続部11はそれぞれ孔部23に嵌合し、同時に、一対の接続片21は互いに接近方向へ弾性復帰して、孔部23の孔縁が接続部11の外周面に押し付けられた状態になる。また、一対の電圧検出部25は、接続部11の外周面にそれぞれ押し付けられた状態になる。
【0023】
こうして、正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子20が接続され、同時に、一対の電圧検出部25が正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11にそれぞれ弾性的に接触した状態になる。なお、上記のような接続作業を、さらに隣接する電池セルにおける正極端子10Aおよび負極端子10Bに対して行い、これを順次繰り返すことにより、複数の電池セルは、全体として直列に接続されるとともに各正極端子10Aおよび負極端子10Bにそれぞれ電圧検出部25が接触した状態になる。
【0024】
上記のように構成された実施形態1によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態の電池モジュールは、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとには球形状の接続部11が設けられ、ジョイント端子20には、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11の外周面に弾性的に接触する電圧検出部25が一体に形成されるとともに、電圧測定回路の電線30が接続されている。これにより、電圧検出部25は、正極端子10Aおよび負極端子10Bに直接接触した状態になるから、例えば従来のように正極または負極との間にバスバー等が介在する場合に比べて、電圧の検出精度を高めることができる。また、電圧検出用の端子と、電池セルの正極と負極とを接続するための端子とを別体に設ける場合に比べて、部品点数を減らすことができる。
【0025】
また、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとの両方に球形状の接続部11が設けられ、ジョイント端子20は、電池セルの正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11の外周面にそれぞれ接触する一対の電圧検出部25を有し、電線30は、一対の電圧検出部25のそれぞれに接続されている。これにより、各電池セル毎に電圧を検出することができるから、例えば従来のように2つの電池セル毎に電圧を検出する場合に比べて、電圧の検出精度を高めることができる。
【0026】
また、ジョイント端子20は、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとを弾性的に挟み込む一対の接続片21を有するものである。これにより、ジョイント端子20を接続部11側に押し込むだけで接続部11に固定することができるから、例えば従来のように正極と負極とを接続するための端子をボルト締め等する必要がなく、もって接続作業を容易に行うことができる。
【0027】
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2に係る電池モジュールを図5〜図10によって説明する。
本実施形態の電池モジュールは、電線30が、電圧検出部40のうち接続部11の外周面に接触する接点部41に接続されている点で、実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0028】
本実施形態に係る電池モジュールは、実施形態1と同様に、正極端子10Aおよび負極端子10Bが突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとをジョイント端子42により接続することで、複数の電池セルを直列に接続してなるものである。正極端子10Aおよび負極端子10Bは、実施形態1と同様、略同形・同大に形成され、ともに球形状をなす接続部11を有している。
【0029】
ジョイント端子42は、実施形態1と同様、例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)等の金属製の板材を、所定の形状にプレス加工することにより形成されている。
ジョイント端子42は、隣り合う電池セルの正極端子10Aおよび負極端子10Bのそれぞれを弾性的に挟み込む一対の接続片43を2組有している。各接続片43は、それぞれ左右方向(正極端子10Aおよび負極端子10Bの並列方向)に長い略長方形の板状をなし、左右方向における両端のうち一方が互いに連結されている。一対の接続片43は、互いの連結部分(以後、屈曲部44と称する)から、互いに対向して片持ち状に延出しており、一対の接続片43および屈曲部44を上下方向から見ると略U字形状をなしている(図9参照)。一対の接続片43は、互いに接近・離間方向(対向方向)に弾性変位可能とされ、自然状態における一対の接続片43の間の間隔は、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11の最大幅寸法よりも小さく設定されている。なお、一対の接続片43のうち屈曲部44とは反対側の端部が、正極端子10Aおよび負極端子10Bに接続する端子接続部45とされている。
【0030】
2組の接続片43は、左右方向に逆向きの姿勢、言い換えると、屈曲部44がジョイント端子42の中央部に配置され、端子接続部45がジョイント端子42の右端または左端に配置される姿勢で、連結部46を介して互いに連結されている。
【0031】
連結部46は、左右方向に長い略長方形の板状をなし、その長手方向寸法は、接続片43の長手方向寸法と略同等の寸法とされている。2組の接続片43は、各組の接続片43の端子接続部45がそれぞれ連結部46から右方および左方に突出するようにして、連結部46の右側寄り位置と左側寄り位置とにそれぞれ連結されている。連結部46の周縁のうち長手方向に延びる両縁には、一対の接続片43のうち一方の接続片43がそれぞれ連結しており、屈曲部44および他方の接続片43は連結部46には連結されておらず、フリーな状態になっている。
【0032】
ジョイント端子42には、実施形態1と同様、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11にそれぞれ接触する一対の電圧検出部40が一体に形成されており、一対の電圧検出部40は、連結部46の長手方向の両端縁からそれぞれ片持ち状をなして下側方に延出している。各電圧検出部40は、連結部46の両端縁のうち短手方向の一端寄りの位置、言い換えると、一対の接続片43の間の位置から延出している。
【0033】
各電圧検出部40は、連結部46からその長手方向の側方に向かって少しずつ下方に下がる傾斜をなす傾斜部47と、傾斜部47の下端から連結部46と略平行をなして側方に延出する接点部41とを有している。各電圧検出部40は上下方向に弾性変位可能とされ、各電圧検出部40の接点部41が正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11の外周面、詳しくは、接続部11の外周面のうち最上端にそれぞれ弾性的に接触している。
【0034】
電圧検出部40の接点部41には、電線30が1本ずつ接続されている。電線30は、接点部41の周縁のうち電圧検出部40の延出方向に延びる縁に接続されている。電線30は、電線30の端末部のうち絶縁被覆31の端部から突出する芯線32が、溶接により接点部41の側縁の略全長にわたり接続されている。電圧検出部40に接続された電線30の芯線32は、接点部41の側縁と接続片43の内面との間に挟まれている(図7参照)。
【0035】
ジョイント端子42には、各電線30を保持する一対の保持部48が設けられている。保持部48は、連結部46のうち長手方向の両端部に設けられている。各保持部48は、連結部46の周縁のうち長手方向に延びる側縁から連結部46の下側へ折り返されてなり、左右方向から見るとU字形状をなしている(図7参照)。各保持部48の内側には、連結部46の長手方向に沿って電線30を挿通可能な挿通孔49が形成されている。挿通孔49は、外側が保持部48により閉じられ、内側が開放された状態になっている。電線30は、芯線32の先端が電圧検出部40の接点部41に固定され、それよりも後側の部分が連結部46の側縁に沿って延び、屈曲部44の上方を通って保持部48内を挿通し、電圧検出部40とは反対側へ延出している。
【0036】
隣り合う正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子42を接続するには、実施形態1と同様、ジョイント端子42を、一対の電圧検出部40が下方に延出する向きにして、下側(電池セル側)に移動させる。すると、一対の接続片43の端子接続部45に正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11が入り込んで、一対の接続片43は互いに離間方向へ弾性変位し、また、一対の電圧検出部40の接点部41は接続部11の外周面にそれぞれ接触し、接続部11との接触により上側へ弾性変位する。そして、一対の接続片43は、各接続部11をそれぞれ弾性的に挟持した状態になり、また一対の電圧検出部40の接点部41は、接続部11の外周面にそれぞれ押し付けられた状態になる。こうして、正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子42が接続され、同時に、一対の電圧検出部40が正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11にそれぞれ弾性的に接触した状態になる。
【0037】
以上のように本実施形態においては、実施形態1と同様、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとには球形状の接続部11が設けられ、ジョイント端子42には、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11の外周面に弾性的に接触する電圧検出部40が一体に形成されるとともに、電圧測定回路の電線30が接続されている。したがって、電圧検出部40は、正極端子10Aおよび負極端子10Bに直接接触した状態になるから、実施形態1と同様、電圧の検出精度を高める効果を得ることができる。
【0038】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0039】
(1)上記実施形態では、接続部11は球形状をなしているが、接続部は、球面を有していればどのような形状をなしていてもよく、例えば軸方向の両端に球面を有する円筒状等であってもよい。
【0040】
(2)上記実施形態では、ジョイント端子20(42)は、正極端子10Aおよび負極端子10Bに接触する一対の電圧検出部25(40)を有しているが、いずれか一方に接触する電圧検出部のみを有するものとしてもよい。
【0041】
(3)実施形態1では、電線30は溶接により電線接続部26に接続されているが、これに限らず、例えば各電線接続部にバレル部を一体に設け、バレル部に電線を圧着することで、電線を電線接続部に接続するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態1にかかるジョイント端子が正極端子および負極端子に接続した状態を表す外観斜視図
【図2】同上面図
【図3】同正面図
【図4】同側面図
【図5】実施形態2にかかるジョイント端子が正極端子および負極端子に接続した状態を表す外観斜視図
【図6】同正面図
【図7】同側面図
【図8】同上面図
【図9】同下面図
【図10】図8のA−A断面図
【符号の説明】
【0043】
10A…正極端子
10B…負極端子
20,42…ジョイント端子
21,43…接続片
25,40…電圧検出部
30…電線(電圧測定線)
41…接点部
48…保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極端子および負極端子が突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とをジョイント端子により接続することで、前記複数の電池セルを直列に接続してなる電池モジュールであって、
隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とのうち少なくとも一方には球面が形成され、
前記ジョイント端子には、前記正極端子または負極端子に形成された球面に弾性的に接触する電圧検出部が一体に形成されるとともに、電圧測定回路の電圧測定線が接続されている電池モジュール。
【請求項2】
隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子との両方に前記球面が形成され、
前記ジョイント端子は、前記電池セルの正極端子と負極端子とに形成された前記球面にそれぞれ接触する一対の前記電圧検出部を有し、
前記電圧測定線は、前記電圧検出部のそれぞれに接続されている請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記電圧検出部は、片持ち状をなして前記球面に弾性的に接触するものである請求項1または請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記電圧測定線は、前記電圧検出部のうち前記球面に接触する接点部に接続されている請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記ジョイント端子は、前記電圧測定線を保持する保持部を有している請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記ジョイント端子は、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とを弾性的に挟み込む一対の接続片を有するものである請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−225383(P2010−225383A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70447(P2009−70447)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】