説明

電源装置及び電源装置を有する画像形成装置

【課題】電源制御において、ほぼゼロボルトの近傍における電圧制御の制御性能を向上させる技術を提供する。
【解決手段】本発明は、電源装置を提供する。この電源装置は、ゼロボルトを含む予め設定された範囲の電圧の電力を出力するパワー回路と、電力の電圧である出力電圧に応じて、単一極性のフィードバック電圧を生成する電圧計測回路と、フィードバック電圧に応じて、予め設定された所定の目標電圧に出力電圧を近づけるようにパワー回路を制御する制御回路と、を備える。この電源装置は、ゼロボルト近傍の所定範囲において出力電圧の計測精度を高める機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、画像を形成するために、帯電、感光、現像、転写、および定着等の各工程において高圧電力を使用する。一方、画像形成装置では、画像を形成するためだけでなく、メインテナンスその他の用途のために高圧電力だけでなく、ゼロボルトを含む広い範囲の電力の供給が要請されることもある。
【0003】
しかしながら、ゼロボルトから高電圧までの広いダイナミックレンジを有する電源供給の制御方法に関し、特にゼロボルト近傍における電圧精度については十分に検討されていなかった。さらに、このような問題は、画像形成装置に限られず、ゼロボルトから高電圧までの広いダイナミックレンジを有する電力制御に共通する課題であった。
【特許文献1】特開2003−209972公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上述 本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するために完成されたものであって、電源制御において、ほぼゼロボルトの近傍における電圧制御の制御性能を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[適用例1]
電源装置であって、
ゼロボルトを含む予め設定された範囲の電圧の電力を出力するパワー回路と、
前記電力の電圧である出力電圧に応じて、単一極性のフィードバック電圧を生成する電圧計測回路と、
前記フィードバック電圧に応じて、予め設定された所定の目標電圧に前記出力電圧を近づけるように前記パワー回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記電源装置は、ゼロボルト近傍において前記出力電圧の計測精度を高める機能を有する電源装置。
【0006】
第1適用例の電源装置は、ゼロボルト近傍において電圧の計測精度を高める機能を有するので、出力電圧の設定範囲の広狭に関わらず、ゼロボルト近傍における出力電圧の精度を向上させることができる。なお、本明細書では、ゼロボルトは、実質的にゼロボルト、すなわち略ゼロボルト(たとえば0.1Vや−1Vといった低電圧)を含む広い意味を有している。
【0007】
[適用例2]
適用例1の電源装置であって、
前記電圧計測回路は、前記フィードバック電圧の電圧利得を高くして前記計測精度を高める電圧利得変更回路を含み、
前記制御回路は、前記所定の目標電圧が前記ゼロボルト近傍の所定範囲であるときに、前記利得変更回路を制御して前記電圧利得を高くする電源装置。
【0008】
第2適用例の電源装置では、目標電圧がゼロボルト近傍の所定範囲内においてフィードバック電圧の電圧利得を高くすることができるので、信号成分を大きくすることによって高いSN比で出力電圧を計測することができる。
【0009】
[適用例3]
適用例1または2の電源装置であって、
前記電圧計測回路は、前記パワー回路が出力を停止しているときの前記フィードバック電圧であるオフセット電圧を計測し、
前記制御回路は、前記オフセット電圧を補償して前記出力電圧を制御する電源装置。
【0010】
第3適用例の電源装置では、パワー回路が出力を停止しているとき、すなわちパワー回路の出力電圧がゼロボルトであるとき(たとえば起動前や制御指令値:0V)のフィードバック電圧を基準として一点較正や調整が行われるので、ほぼゼロボルト近傍におけるフィードバック電圧の誤差を補償してほぼゼロボルト近傍における出力電圧の精度を高めることができる。補償は、較正やフィードバック電圧の調整として実現することができる。
【0011】
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれか一項の電源装置であって、
前記パワー回路は、負極性の電力を発生する負極パワー回路と、正極性の電力を発生する正極パワー回路と、を含み、
前記電圧計測回路は、前記負極パワー回路と前記正極パワー回路の出力電圧に応じて前記単一極性のフィードバック電圧を生成する電源装置。
【0012】
第4適用例の電源装置では、負極パワー回路と正極パワー回路の出力電圧に応じて単一極性のフィードバック電圧が生成されるので、簡易な制御回路(たとえば単一極性のADコンバータを使用する回路)で正負2極の出力電圧をフィードバックして制御することができる。
【0013】
[適用例5]
適用例4記載の電源装置であって、
前記電圧計測回路は、前記負極パワー回路の出力電圧に応じて前記フィードバック電圧を生成する際の基準電位である第1の基準電位と、前記正極パワー回路の出力電圧に応じて前記フィードバック電圧を生成する際の基準電位である第2の基準電位と、を切り替える基準電位切替回路を含み、
前記制御回路は、前記負極パワー回路と前記正極パワー回路の切り替え後におけるフィードバック電圧を監視し、前記フィードバック電圧が所定の閾値に達したときに前記基準電位切替回路を制御して前記第1の基準電位と前記第2の基準電位とを切り替える電源装置。
【0014】
第5適用例の電源装置では、負極パワー回路と正極パワー回路の切り替え後におけるフィードバック電圧が所定の閾値に達したときに第1の基準電位と第2の基準電位とが切り替えられるので、フィードバック電圧の異常を抑制することができる。フィードバック電圧の異常は、現実の出力電位の極性と第1の基準電位(負の出力の基準電位)と第2の基準電位(正の出力の基準電位)との間の不整合によって発生するものである。
【0015】
このような不整合が発生するのは、負極パワー回路と正極パワー回路の切り替えにおいては、負荷の寄生容量に起因して現実の出力電圧の極性の切り替えに遅れが生じる一方、第1の基準電位と第2の基準電位との切り替えには殆ど遅れが発生しないので、出力系と計測系の極性の切り替えタイミングにズレが生じるからである。
【0016】
なお、本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、たとえば電源制御装置や電源制御装置を有する電源装置、この電源装置を備える画像形成装置、電源制御方法、さらには、この電源制御を実現するプログラムやプログラム製品などの種々の形態で実現することが可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電源制御において、ほぼゼロボルトの近傍における電圧制御の制御性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.本発明の各実施例における画像形成装置の概略構成:
B.本発明の各実施例におけるクリーニング機構の構成:
C.第1実施例における電源装置の構成と動作:
D.第2実施例と比較例とにおける電源装置の構成と動作:
E.第3実施例における電源装置の構成と動作:
F.変形例:
【0019】
A.本発明の各実施例における画像形成装置の概略構成:
図1は、本発明の各実施例におけるプリンタ1(特許請求の範囲に記載の「画像形成装置」の一例)の内部構成を表す概略断面図である。プリンタ1は、本実施例では、レーザや発光ダイオードの光を感光に利用し、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、およびK(ブラック)のトナーで画像を形成する電子写真方式のプリンタである。
【0020】
プリンタ1は、給紙部110と、各色の画像形成デバイス120C、120M、120Y、120Kと、搬送機構130と、定着部140と、ベルトクリーニング機構150と、高圧電源装置200と、を備える。高圧電源装置200は、各色の画像形成デバイス120C、120M、120Y、120Kや搬送機構130が有する複数の構成部品(後述)に種々の電圧の電力を供給する。高圧電源装置200の内部構成については後述する。
【0021】
給紙部110は、印刷用紙やOHPシートといったシート材111を収容するトレイ112と、シート材111を1枚ずつ取り出すピックアップローラ113と、搬送機構130にシート材111を供給する給紙機構114とを備える。
【0022】
搬送機構130は、各色の画像形成デバイス120K、120Y、120M、120Cに順にシート材111を搬送する機構である。搬送機構130は、駆動ローラ131および従動ローラ132と、その間に架け渡されたベルト133(特許請求の範囲に記載の「搬送ベルト」の一例)と、を備えている。
【0023】
図2は、本発明の各実施例における画像形成デバイス120Kの構成を示す拡大図である。画像形成デバイス120Kは、回収ローラ128が追加的に装備されている点を除いて、各色の画像形成デバイス120C、120M、120Yとほぼ同一の構成を有するので、説明を分かりやすくするために画像形成デバイス120Kを例にとって説明する。
【0024】
画像形成デバイス120Kは、帯電プロセスを実行するための感光体121K(特許請求の範囲に記載の「像担持体」の一例)と、感光体121Kに対して帯電プロセスを実行するための帯電器122Kと、感光体121Kに対して露光プロセスを実行するための露光装置123Kと、感光体121Kに対して現像プロセスを実行するための現像ローラ124Kと、トナーケース125Kと、転写ローラ126Kと、を備えている。このような構成によって、電子写真プロセスの各プロセスが実行される。
【0025】
このような各プロセスを経て、K(ブラック)のトナーについて転写プロセスが完了すると、シート材111に対して、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、およびC(シアン)のトナーについても同様に転写プロセスが実行される。転写プロセスがK(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、およびC(シアン)の全てのトナーについて完了すると、シート材111は、定着プロセスを実行するために定着部140(図1)へと搬送される。
【0026】
定着部140は、定着プロセスとしてトナー像をシート材111上に熱定着する。このようにして、熱定着が完了すると、シート材111は、プリンタ1の上面に排出されて印刷が完了する。
【0027】
画像形成デバイス120Kは、さらに、ドラムクリーニング機構(特許請求の範囲に記載の「像担持体クリーナ」の一例)として、紙粉やトナーの除去のためにドラムクリーニングローラ127Kと、回収ローラ128と、を備えている。
【0028】
B.本発明の各実施例におけるクリーニング機構の構成:
図3は、本発明の各実施例におけるドラムクリーニング機構とベルトクリーニング機構の各構成を示す拡大図である。図3には、画像形成デバイス120Kに装備されたドラムクリーニングローラ127Kおよび回収ローラ128が示されている。他の画像形成デバイス120M、120C、120Yには、3個のドラムクリーニングローラ127M、127C、127Yのそれぞれが装備されているが、回収ローラ128に相当する構成品は装備されていない。
【0029】
各実施例のドラムクリーニング機構としてのドラムクリーニングローラ127Kおよび回収ローラ128は、感光体121K上の付着物(トナーや紙粉)を静電気力で吸引して除去するクリーニング機構である。ドラムクリーニングローラ127Kおよび回収ローラ128は、ドラムクリーニングローラ127Kと、回収ローラ128と、回収された紙粉を回収ローラ128からかきとって貯留するための貯留ボックス(図示せず)と、を備える。
【0030】
ドラムクリーニングローラ127Kおよび回収ローラ128は、正極性を有するトナーと、負極性を有する紙粉と、を除去するための2つの作動モードを有している。2つの作動モードは、印刷時に実行されるトナー除去モードと、印刷ジョブ終了後や所定枚数印刷後において実行される紙粉除去モードとから構成されている。
【0031】
トナー除去モードは、正極性を有するトナーを感光体121Kから除去するための作動モードである。この作動モードでは、正極性を有するトナーを感光体121Kから除去するために、ドラムクリーニングローラ127Kには、トナーの極性(正極性)とは逆極性(負極性)の電位(たとえば基準電位に対して−400V)が印加される。
【0032】
このとき、回収ローラ128には、ドラムクリーニングローラ127Kに印加される電位よりも絶対値が低い電位(たとえば基準電位に対して−300V)が印加される。このため、ドラムクリーニングローラ127Kにより感光体121Kから除去された正極性のトナーは、回収ローラ128には回収されず、ドラムクリーニングローラ127Kに保持されることになる。
【0033】
紙粉除去モードは、負極性を有する紙粉を感光体121Kから除去するための作動モードである。この作動モードでは、ドラムクリーニングローラ127Kには、紙粉の極性(負極性)とは逆極性(正極性)の電位(たとえば基準電位に対して600V)が印加される。回収ローラ128には、ドラムクリーニングローラ127Kよりも紙粉との電位差が大きな電位(たとえば基準電位に対して700V)が印加されているので、ドラムクリーニングローラ127Kに吸引された付着物を回収することができる。
【0034】
紙粉除去モードでは、正極性を有するトナーは、正極に帯電したドラムクリーニングローラ127Kから感光体121Kに戻され、ベルト133を介してベルトクリーニング機構150(特許請求の範囲に記載の「搬送ベルトクリーナ」の一例)に回収されることになる。ベルトクリーニング機構150(図1、図2)は、ドラムクリーニング機構と同様の構成を有する。
【0035】
このように、ドラムクリーニングローラ127Kと回収ローラ128とには、紙粉除去モードにおいては、正の電位が印加される一方、トナー除去モードにおいては、負の電位が印加されることになる。
【0036】
このような電位は、制御基板210(特許請求の範囲に記載の「制御回路」の一例)と、ドラムクリーニング電圧発生回路220(特許請求の範囲に記載の「パワー回路」の一例)と、によって印加される。ドラムクリーニング電圧発生回路220は、ドラムクリーニングローラ127Kに出力電位を印加する。回収ローラ電圧発生回路230は、回収ローラ128に出力電位を印加させる。
【0037】
なお、後述の第1実施例乃至第3実施例の説明においては、説明を分かりやすくするために回収ローラ電圧発生回路230を省略し、ドラムクリーニング電圧発生回路220の構成と動作に絞って説明する。
【0038】
C.第1実施例における電源装置の構成と動作:
図4は、第1実施例のドラムクリーニング電圧発生回路220の構成を示す説明図である。ドラムクリーニング電圧発生回路220は、トナー除去用電力をドラムクリーニングローラ127Kに供給するトナー除去用電圧発生回路221(特許請求の範囲に記載の「負極パワー回路」の一例)と、紙粉除去モードにおいて紙粉除去用電力を回収ローラ128に供給する紙粉除去用電圧発生回路222(特許請求の範囲に記載の「正極パワー回路」の一例)と、フィードバック電圧発生回路250(特許請求の範囲に記載の「電圧計測回路」の一例)と、を備えている。
【0039】
トナー除去用電圧発生回路221は、制御基板210から入力したパルス幅変調信号PWM(−)を復調する平滑回路SMCと、復調された信号に応じて昇圧回路PRCを駆動する駆動回路DRCと、トナー除去用電力として高電圧を発生させる昇圧回路PRCと、を備える。
【0040】
平滑回路SMCは、トランジスタTr1と、コンデンサC1と、2個の抵抗R1、R2とを有するローパスフィルタとして構成されている。駆動回路DRCは、トランジスタTr2と抵抗R3とコンデンサC2とを有し、平滑化されたパルス幅変調信号PWM(−)に応じて昇圧回路PRCの昇圧トランスTRCを駆動する。昇圧回路PRCは、昇圧トランスTRCと、ダイオードD1と、コンデンサC3とを有し、昇圧トランスTRCで昇圧された交流電力を整流・平滑化して高圧直流電力を発生させる。
【0041】
紙粉除去用電圧発生回路222は、昇圧回路PRCが昇圧回路PRCaに変更されている点を除いてトナー除去用電圧発生回路221と同一の構成を有している。昇圧回路PRCaは、昇圧回路PRCのダイオードD1が逆の極性を有するダイオードD2に変更されている点を除いて昇圧回路PRCと同一である。換言すれば、紙粉除去用電圧発生回路222は、出力電力の極性が逆である点を除いてトナー除去用電圧発生回路221と同一である。
【0042】
フィードバック電圧発生回路250は、2個のセンス抵抗Rs1、Rs2と、切替スイッチSw1(特許請求の範囲に記載の「基準電位切替回路」の一例)と、を備えている。2個のセンス抵抗Rs1、Rs2は、これらの接続点であるフィードバック電圧計測点251の電位がトナー除去用電圧発生回路221や紙粉除去用電圧発生回路222の出力電圧範囲において、±5Vの変動範囲となるような抵抗値に設定されている。
【0043】
制御基板210は、フィードバック電圧の極性が常に正となるように切替スイッチSw1を操作して基準電位を切り替える。具体的には、切替スイッチSw1は、トナー除去用電圧発生回路221が負極性の高電圧を発生させる際には高電位側(+5V側:特許請求の範囲に記載の「第1の基準電位」の一例)に接続され、紙粉除去用電圧発生回路222が正極性の高電圧を発生させる際には低電位側(0V側:特許請求の範囲に記載の「第2の基準電位」の一例)に接続される。
【0044】
ただし、第1実施例では、出力電圧の極性の切替時の過渡応答特性を考慮して以下の切替方法が採用されている。この切替方法は、たとえば負極性のトナー除去用電圧発生回路221の出力から正極性の紙粉除去用電圧発生回路222の出力への出力回路の切替において、過渡状態におけるフィードバック電圧が制御基板210によって監視されるとともに、基準電位の切替にタイミングの遅れが入れられている点を特徴とする。出力回路の切替は、たとえばパルス幅変調信号PWM(−)のデューティをゼロとするとともに、パルス幅変調信号PWM(+)のデューティを大きくすることによって行われる。
【0045】
制御基板210は、出力回路の切替後の過渡状態におけるフィードバック電圧を監視し、フィードバック電圧が予め設定された所定の閾値を超えるまで基準電位を維持し、所定の閾値を超えたときに切替スイッチSw1を操作して基準電位を切り替える。所定の閾値との比較は、本実施例では、制御基板210が行うが、コンパレータ等を利用した電子回路によって行う構成としても良い。
【0046】
このように、制御基板210が出力回路221、222の切替と基準電位の切替とを同時に実行しないのは、現実の出力電位の極性と基準電位の極性との間の不整合によって発生するフィードバック電圧の異常を抑制するためである。
【0047】
このような不整合が発生するのは、負極の出力回路221と正極の出力回路222回路の切り替えにおいては、負荷の寄生容量に起因して負荷の現実の電圧の極性の切り替えに遅れが生じる一方、第1の基準電位と第2の基準電位との切り替えには殆ど遅れが発生しないので、出力系と計測系の極性の切り替えタイミングにズレが生じるからである。ここで、負荷とは、ドラムクリーニングローラ127K等のキャパシタンス成分やレジスタンス成分を意味する。
【0048】
このように、第1実施例は、フィードバック電圧を監視し、基準電位の極性切替のタイミングを出力電圧の極性の切替よりも遅らせることによってフィードバック電圧の異常を抑制することができる。
【0049】
特に、フィードバック電圧を増幅する構成(後述)においては、たとえばフィードバック電位がアナログデジタルコンバータの設定入力範囲を反対の極性に大きく超えることが想定されるので、顕著な効果を奏する。なお、詳細については後述する。
【0050】
D.第2実施例と比較例とにおける電源装置の構成と動作:
図5は、比較例のドラムクリーニング電圧発生回路220comの構成を示す説明図である。この比較例は、第2実施例の説明を分かりやすくするための構成の一例として示されるものである。ドラムクリーニング電圧発生回路220comは、フィードバック電圧発生回路250がフィードバック電圧発生回路250aに変更されている点を除いて第1実施例のドラムクリーニング電圧発生回路220と同一の構成を有している。
【0051】
フィードバック電圧発生回路250aは、3個のセンス抵抗Rs1a、Rs2a、Rs3を有している。3個のセンス抵抗Rs1a、Rs2a、Rs3は、トナー除去用電圧発生回路221が出力する負の高電圧から紙粉除去用電圧発生回路222が出力する正の高電圧までの出力電圧範囲が単一極性のフィードバック電圧で表せるような抵抗値に設定されている。
【0052】
フィードバック電圧発生回路250aは、フィードバック電圧計測点251が抵抗Rs3を介して高電位側(+5V)に接続されるとともに、抵抗Rs2aを介して接地されている。このような接続において、2個の抵抗Rs2a、Rs3の抵抗比によって、ドラムクリーニング電圧発生回路220comの出力電圧がゼロボルトのときの電位が決定されることになる。
【0053】
図6は、比較例のドラムクリーニング電圧発生回路220comにおける出力電圧とフィードバック電圧との間の関係と、フィードバック電圧のS/N比を示すグラフである。本図において、横軸と縦軸は、それぞれフィードバック電圧発生回路250aの出力電圧と、フィードバック電圧とを示している。
【0054】
具体的には、たとえばドラムクリーニング電圧発生回路220comが出力電圧を発生していないとき、すなわち出力電圧がゼロボルトのときには、フィードバック電圧は、2.5ボルトとなる。このような関係を式に表すと式1のように表すことができる。
Vfb=a×Vout+b・・・式1
ここで、Vfb、a、Vout、bは、それぞれフィードバック電圧、比例定数、出力電圧、および出力電圧がゼロボルト時のフィードバック電圧(切片)である。この例では、比例定数及び切片は、それぞれ0.025(無次元)及び2.5ボルトである。
【0055】
たとえばトナー除去用電圧発生回路221が−400ボルトの電圧を出力しているときには、フィードバック電圧は、1.5ボルトとなる。切片(2.5ボルト)との差(1ボルト)は、トナー除去用電圧発生回路221の出力電圧に起因して発生する信号成分としての信号電圧Vs1に相当する。紙粉除去用電圧発生回路222が、たとえば600ボルトの電圧を出力しているときには、フィードバック電圧は、4ボルトとなる。切片との差(1.5ボルト)は、紙粉除去用電圧発生回路222の出力電圧に起因して発生する信号成分としての信号電圧Vs2に相当する。
【0056】
本願発明者は、フィードバック電圧の信号成分とノイズ成分(たとえば定常偏差)の比に着目して各出力電圧について感度分析を行った。この感度分析では、比較例の構成では、負から正に渡っての広い範囲の出力電圧の範囲を0乃至5ボルトのフィードバック電圧の範囲で表現することになるとともに、ゼロボルト近傍では信号成分が少ないので、特にゼロボルト近傍においてS/N比が極度に低下することを見出した。
【0057】
図7は、第2実施例のドラムクリーニング電圧発生回路220aの構成を示す説明図である。ドラムクリーニング電圧発生回路220aは、フィードバック電圧増幅回路260を有する点で比較例のドラムクリーニング電圧発生回路220comの構成と相違する。一方、フィードバック電圧発生回路250a(特許請求の範囲に記載の「電圧計測回路」の一例)は、比較例のものと同一である。
【0058】
フィードバック電圧増幅回路260(特許請求の範囲に記載の「電圧利得変更回路」の一例)は、オペアンプ261と、ゲインAを操作する3個の抵抗Rg1、Rg2、Rg3と、ゲインAを切り替えるためのゲイン切替スイッチSwgとを備る非反転増幅回路として構成されている。フィードバック電圧増幅回路260のゲインAは、3個の抵抗Rg1、Rg2、Rg3の抵抗値をそれぞれR1、R2、R3とすると以下の式で表される。
(1)ゲイン切替スイッチSwgがオフ:ゲインA=1+R2/R1
(2)ゲイン切替スイッチSwgがオン:ゲインA=1+R2/RC
ここで、RCは、2個の抵抗Rg1、Rg3の合成抵抗である。2個の抵抗Rg1、Rg3は並列接続されているので、合成抵抗は、抵抗Rg1の抵抗値R1よりも小さくなる。
【0059】
このように、フィードバック電圧増幅回路260は、ゲイン切替スイッチSwgをオンとすることによってゲインAを大きくすることができることが分かる。
【0060】
ゲイン切替スイッチSwgは、制御基板210が有する利得切替信号ポートからの信号によって操作される。制御基板210は、たとえば目標値(出力電圧)が±100ボルトの範囲に入っているときにゲイン切替スイッチSwgをオンとし、目標値(出力電圧)が±100ボルトの範囲外の時にオフとするように設定することができる。このような設定は、フィードバック電圧の出力範囲と制御基板210のアナログデジタル変換ポートの入力電圧幅に基づいて適切に決定することができる。
【0061】
図8は、第2実施例におけるフィードバック値の較正処理の内容を示すフローチャートである。この較正処理では、出力がゼロボルトのときの一点較正としての較正値が取得されるので、ゼロボルト近傍での誤差を最も小さくすることができる。
【0062】
ステップS110では、制御基板210は、ゼロボルト設定処理を実行する。ゼロボルト設定処理とは、ドラムクリーニング電圧発生回路220aの出力電圧をゼロボルトとする処理である。具体的には、トナー除去用電圧発生回路221および紙粉除去用電圧発生回路222への制御指令値をゼロ(本実施例では、PWMのデューティが0%あるいは100%)とする方法、あるいはトナー除去用電圧発生回路221および紙粉除去用電圧発生回路222の起動前の状態を維持することによって実現することができる。このような処理は、いずれも特許請求の範囲の「出力を停止」に含まれる。
【0063】
ステップS120では、制御基板210は、サンプリング処理を実行する。サンプリング処理とは、信頼性の高いフィードバック電圧を取得する処理である。サンプリング処理の内容は、たとえば0.1msのサンプリングレートでフィードバック電圧を9回計測し、計測値の異常値除去(最大値と最小値とを異常値とみなして除去)を行った後に7個の値の平均を算出することによって行われる。
【0064】
ステップS130では、制御基板210は、較正値決定処理を実行する。較正値決定処理は、較正値Ca0を決定する処理である。較正値Ca0は、ゼロボルト設定処理におけるドラムクリーニング電圧発生回路220aのフィードバック電圧のアナログデジタル変換値と、ノミナル値としてのアナログデジタル変換値と、の間の差を意味する。
【0065】
ノミナル値とは、ゼロボルト出力時におけるドラムクリーニング電圧発生回路220のフィードバック電圧のアナログデジタル変換値として予め設定された名目値である。具体的には、たとえば−500ボルト乃至700ボルトの間で多点較正されたときのゼロボルト出力時における名目値としてのフィードバック電圧のアナログデジタル変換値である。
【0066】
ステップS140では、制御基板210は、較正値格納処理を実行する。較正値格納処理は、較正値Ca0を制御基板210が有する図示しないメモリに格納する処理である。
【0067】
このような処理は、ドラムクリーニング電圧発生回路220やプリンタ1の起動時に毎回実行するようにしてもよいし、あるいは定期的(所定期間毎、所定起動回数毎、所定ジョブ回数毎、あるいはトナーカートリッジ交換毎)に実行するようにしても良い。
【0068】
図9は、第2実施例の小出力モードにおける出力電圧制御処理の内容を示すフローチャートである。この出力電圧制御処理では、出力がゼロボルトのときの一点較正としての較正値Ca0を使用して出力電圧が制御される。
【0069】
ステップS210では、制御基板210は、フィードバック値(FB値とも表記される)を読み込む。フィードバック値は、フィードバック電圧のアナログデジタル変換値である。フィードバック値の取得は、フィードバック値の較正処理と同一のルーチンを使用して行われ、1ms未満の時間で取得することができる。
【0070】
ステップS220では、制御基板210は、フィードバック値と補正後下限値との比較を実行する。補正後下限値とは、目標値(たとえば50ボルト)におけるフィードバック値の目標下限値TLから較正値Ca0を減じた値である。フィードバック値が補正後下限値を下回った場合には、処理がステップS230に進められる。なお、目標下限値TLや目標上限値TH(後述)は、ノミナル値に基づいて設定された閾値である。
【0071】
ステップS230では、制御基板210は、出力電位上昇処理を実行する。出力電位上昇処理とは、たとえばPWMのデューティを増減してドラムクリーニング電圧発生回路220の出力電圧を上昇させる処理である。一方、フィードバック値が補正後下限値を上回った場合には、処理がステップS240に進められる。
【0072】
ステップS240では、制御基板210は、フィードバック値と補正後上限値との比較を実行する。補正後上限値とは、目標値(たとえば50ボルト)におけるフィードバック値の目標上限値THから較正値Ca0を減じた値である。フィードバック値が補正後上限値を上回った場合には、処理がステップS250に進められる。
【0073】
ステップS250では、制御基板210は、出力電位下降処理を実行する。出力電位下降処理とは、たとえばPWMのデューティを増減してドラムクリーニング電圧発生回路220の出力電圧を下降させる処理である。一方、フィードバック値が補正後下限値を下回った場合には、処理がステップS260に進められる。
【0074】
ステップS260では、制御基板210は、ホールド処理を実行する。ホールド処理とは、一定時間(本実施例では、1ms)だけ状態を保持する処理である。すなわち、この保持時間においては、PWMのデューティが一定に固定されるとともに、フィードバック値が新たに取得されることになる。
【0075】
このような処理は、出力が停止されるまで、1msの更新レートで実行されることになる(ステップS270)。
【0076】
このように、第2実施例は、ゼロボルト近傍における較正値Ca0による補償と、ゼロボルト近傍におけるフィードバック電圧の増幅と、によってゼロボルト近傍における出力電圧を正確に計測することができるので、この計測値を使用して出力電圧制御の精度を向上させることができる。
【0077】
特に、ゼロボルト近傍においてフィードバック電圧の増幅は、アナログデジタル変換ポートの入力電圧幅を有効に利用し、制御基板210とフィードバック電圧発生回路250との間のアナログ信号ラインに混入するノイズに対するS/N比を高くして出力電圧の計測精度を高めることができる。
【0078】
一方、ゼロボルト近傍における較正値の取得は、ゼロボルト近傍においてフィードバック電圧の増幅によって精度を向上させるので、両者は、相乗効果を奏してゼロボルト近傍における制御性能を顕著に高めることができる。なお、本実施例では、ノミナル値に基づいて設定された目標下限値TLや目標上限値THを使用して較正値Ca0による補償を実行しているが、フィードバック値の較正処理によって計測された値に基づいて目標下限値TLや目標上限値THを調整し直しても良い。
【0079】
ただし、両者は、単独でも実施可能であり、それぞれの効果を奏することができる。
【0080】
なお、フィードバック電圧増幅回路260は、第1実施例(図4)の構成に付加することも可能である。このような組み合わせでは、増幅によってフィードバック電位がアナログデジタルコンバータの設定入力範囲を大きく超えることが想定されるのに対し、第1実施例の切替制御では、極性切替に起因する電圧変動を抑制することができるので、両者は、顕著な相乗効果を奏することになる。
【0081】
具体的には、出力電圧の目標値が負の高電圧(−400V)から正の低電圧(+50V:±100ボルトの範囲内)となった場合のように、切替によって高電圧から逆極性の低電圧の出力が要求される場合に、第1実施例の構成と第2実施例の構成は相乗効果を発生させることができる。
【0082】
E.第3実施例における電源装置の構成と動作:
図10は、第3実施例のドラムクリーニング電圧発生回路220bの構成を示す説明図である。ドラムクリーニング電圧発生回路220bは、フィードバック電圧増幅回路260の代わりにフィードバック電圧調整回路270を有する点で第2実施例のドラムクリーニング電圧発生回路220と相違する。
【0083】
フィードバック電圧調整回路270は、基準電位としての高電位側(+5V)に接続されるとともに接地されたデジタルアナログコンバータ271を有している。デジタルアナログコンバータ271は、制御基板210から入力したデジタル制御信号に応じて、出力端子からアナログ出力として変動可能に電位を発生させることができる。
【0084】
フィードバック電圧調整回路270の出力端子は、抵抗Rs3を介してフィードバック電圧発生回路250aの高電位側に接続されている。この構成は、第2実施例や比較例において固定電位を発生させる高電位側(+5V)に接続された構成に対して、高電位側の電位を変動可能とした点で相違する。
【0085】
すなわち、第2実施例では、較正値Ca0を使用してゼロボルトにおけるフィードバック値の誤差が補償されているのに対して、第3実施例では、フィードバック電圧調整回路270の出力電位の調整によってフィードバック値が補償(調整)されている点で相違する。
【0086】
図11は、第3実施例におけるフィードバック値調整処理の内容を示すフローチャートである。フィードバック値調整処理は、第3実施例における構成処理をフィードバック電圧の調整で置き換えた処理である。
【0087】
ステップS310では、制御基板210は、ゼロボルト設定処理を実行する。ゼロボルト設定処理は、第2実施例のゼロボルト設定処理と同一の処理である。
【0088】
ステップS320では、制御基板210は、オフセット値計測処理を実行する。オフセット値計測処理は、第2実施例のサンプリング処理(ステップS120)と較正値決定処理(ステップS130)とを合わせた処理である。このような処理によって、第2実施例において較正値Ca0として決定された値は、第3実施例では、オフセット値Errとして扱われる。
【0089】
ステップS330では、制御基板210は、オフセット値Errの絶対値と予め決定された正の閾値Thと比較される。閾値Thは、フィードバック電圧の許容誤差として予め設定された値である。オフセット値Errの絶対値が閾値Thよりも大きな場合には、処理がステップS340に進められる。
【0090】
ステップS340では、制御基板210は、デジタルアナログコンバータ271を調整する。具体的には、制御基板210は、オフセット値Errが負の時にはデジタルアナログコンバータ271の出力電圧の電位が高くなるようにデジタル制御信号の値(DAC値)を大きくし、オフセット値Errが正の時にはデジタルアナログコンバータ271の出力電圧の電位が低くなるようにデジタル制御信号の値(DAC値)を小さくする。
【0091】
このような調整を繰り返すことによって、オフセット値Errの絶対値が閾値Thよりも小さくなったら処理がステップS350に進められる。
【0092】
ステップS350では、制御基板210は、オフセット値格納処理を実行する。オフセット値格納処理は、オフセット値Errを制御基板210が有する図示しないメモリに格納する処理である。
【0093】
このような処理は、第2実施例と同様に、ドラムクリーニング電圧発生回路220bやプリンタ1の起動時に毎回実行するようにしてもよいし、あるいは定期的(所定期間毎、所定起動回数毎、所定ジョブ回数毎、あるいはトナーカートリッジ交換毎)に実行するようにしても良い。
【0094】
このように、第3実施例は、ゼロボルト近傍におけるオフセット電圧を減殺あるいは消滅させることによってゼロボルト近傍における出力電圧を正確に計測することができるので、この計測値を使用して出力電圧制御の精度を向上させることができる。
【0095】
この構成は、ゼロボルト近傍においてフィードバック電圧の増幅する構成と組み合わせても良い。さらに、ゼロボルト近傍におけるオフセット値Errの取得は、ゼロボルト近傍においてフィードバック電圧の増幅によって精度を向上させることができるので、両者は、相乗効果を奏してゼロボルト近傍における制御性能を顕著に高めることができる点は第2実施例と同様である。
【0096】
F.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。特に、上記各実施例における構成要素中の独立請求項に記載された要素以外の要素は、付加的な要素なので適宜省略可能である。さらに、独立請求項に記載された要素についても、本願明細書に開示された範囲で独立請求項に記載されていない要素と適宜入れ替えが可能である。
【0097】
さらに、上述の実施例において、上述の利点や効果の各々の全てが本願発明の必須の構成要件につながるものではなく、本願発明は、上述の利点や効果の各々を簡易に実現させる設計自由度を与えるものであって、少なくとも一つの利点あるいは効果を実現させるものであれば良い。
【0098】
F−1.第1変形例:上述の各実施例では、負極の電力を供給するパワー回路および正極の電力を供給するパワー回路とを備えるパワー回路が使用されているが、たとえば正極あるいは負極の一極のみの電力を供給するパワー回路のみを使用するようにしても良い。本発明で利用可能なパワー回路は、一般にゼロボルトを含む予め設定された範囲の電圧の電力を出力するものであれば良い。
【0099】
F−2.第2変形例:上述の各実施例や変形例では、フィードバック電圧発生回路250は、正極性のフィードバック電圧を発生させているが、たとえばアナログデジタルコンバータが負極性の電圧を処理するものである場合には、負極性のフィードバック電圧を発生させるようにしても良い。本発明で利用可能な電圧計測回路は、一般に出力電圧に応じて単一極性のフィードバック電圧を生成するものであれば良い。
【0100】
F−3.第3変形例:上述の各実施例や変形例では、画像形成装置が有するドラムクリーニング機構に使用される電源として開示されているが、ドラムクリーニング機構に限られず、たとえば除電装置(除電ランプ)や転写ローラといった他の電子写真プロセスに使用されるデバイス用の電源として構成しても良い。さらに、画像形成装置に限られず、他の用途の電源装置として利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の各実施例におけるプリンタ1の内部構成を表す概略断面図。
【図2】本発明の各実施例における画像形成デバイス120Kの構成を示す拡大図。
【図3】本発明の各実施例におけるドラムクリーニング機構とベルトクリーニング機構の各構成を示す拡大図。
【図4】第1実施例のドラムクリーニング電圧発生回路220の構成を示す説明図。
【図5】比較例のドラムクリーニング電圧発生回路220comの構成を示す説明図。
【図6】比較例のドラムクリーニング電圧発生回路220comにおける出力電圧とフィードバック電圧との間の関係とフィードバック電圧のS/N比を示すグラフ。
【図7】第2実施例のドラムクリーニング電圧発生回路220aの構成を示す説明図。
【図8】第2実施例におけるフィードバック値の較正処理の内容を示すフローチャート。
【図9】第2実施例の小出力モードにおける出力電圧制御処理の内容を示すフローチャート。
【図10】第3実施例のドラムクリーニング電圧発生回路220bの構成を示す説明図。
【図11】第3実施例におけるフィードバック値調整処理の内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0102】
1…プリンタ
110…給紙部
111…シート材
112…トレイ
113…ピックアップローラ
114…給紙機構
120C、120K、120M…画像形成デバイス
121K…感光体
122K…帯電器
123K…露光装置
124K…現像ローラ
125K…トナーケース
126K…転写ローラ
127K、127M…ドラムクリーニングローラ
128…回収ローラ
130…搬送機構
131…駆動ローラ
132…従動ローラ
133…ベルト
140…定着部
150…ベルトクリーニング機構
200…高圧電源装置
210…制御基板
220com1、220、220a…ドラムクリーニング電圧発生回路
221…トナー除去用電圧発生回路
222com1、222com2…ドラムクリーニング電圧発生回路
221…トナー除去用電圧発生回路
222…紙粉除去用電圧発生回路
230…回収ローラ電圧発生回路
250、250com…フィードバック電圧発生回路
251、251com…フィードバック電圧計測点
260…フィードバック電圧増幅回路
261…オペアンプ
270…フィードバック電圧調整回路
271…デジタルアナログコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置であって、
ゼロボルトを含む予め設定された範囲の電圧の電力を出力するパワー回路と、
前記電力の電圧である出力電圧に応じて、単一極性のフィードバック電圧を生成する電圧計測回路と、
前記フィードバック電圧に応じて、予め設定された所定の目標電圧に前記出力電圧を近づけるように前記パワー回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記電源装置は、ゼロボルト近傍において前記出力電圧の計測精度を高める機能を有する電源装置。
【請求項2】
請求項1記載の電源装置であって、
前記電圧計測回路は、前記フィードバック電圧の電圧利得を高くして前記計測精度を高める電圧利得変更回路を含み、
前記制御回路は、前記所定の目標電圧が前記ゼロボルト近傍の所定範囲であるときに、前記利得変更回路を制御して前記電圧利得を高くする電源装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電源装置であって、
前記電圧計測回路は、前記パワー回路が出力を停止しているときの前記フィードバック電圧であるオフセット電圧を計測し、
前記制御回路は、前記オフセット電圧を補償して前記出力電圧を制御する電源装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電源装置であって、
前記パワー回路は、負極性の電力を発生する負極パワー回路と、正極性の電力を発生する正極パワー回路と、を含み、
前記電圧計測回路は、前記負極パワー回路と前記正極パワー回路の出力電圧に応じて前記単一極性のフィードバック電圧を生成する電源装置。
【請求項5】
請求項4記載の電源装置であって、
前記電圧計測回路は、前記負極パワー回路の出力電圧に応じて前記フィードバック電圧を生成する際の基準電位である第1の基準電位と、前記正極パワー回路の出力電圧に応じて前記フィードバック電圧を生成する際の基準電位である第2の基準電位と、を切り替える基準電位切替回路を含み、
前記制御回路は、前記負極パワー回路と前記正極パワー回路の切り替え後におけるフィードバック電圧を監視し、前記フィードバック電圧が所定の閾値に達したときに前記基準電位切替回路を制御して前記第1の基準電位と前記第2の基準電位とを切り替える電源装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の電源装置であって、
前記電源装置は、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部に電力を供給し、
前記画像形成部は、像担持体と、前記像担持体に付着した付着物を回収する像担持体クリーナと、前記像担持体に対向配置された搬送ベルトと、前記搬送ベルトに付着した付着物を回収する搬送ベルトクリーナと、を有し、
前記電源装置は、前記画像の形成時においては、前記像担持体クリーナから前記付着物を回収するための帯電電位を前記負極パワー回路によって発生させ、前記画像の非形成時においては、前記搬送ベルトを経由して前記搬送ベルトクリーナで回収するために前記回収された付着物を前記像担持体クリーナに戻すための帯電電位を前記正極パワー回路によって発生させる電源装置。
【請求項7】
画像形成装置であって、
被記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の電源装置と、
を備える画像形成装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成装置であって、
前記画像形成部は、像担持体と、前記像担持体に付着した付着物を回収する像担持体クリーナと、前記像担持体に対向配置された搬送ベルトと、前記搬送ベルトに付着した付着物を回収する搬送ベルトクリーナと、を有し、
前記電源装置は、請求項6記載の電源装置である画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−88157(P2010−88157A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251839(P2008−251839)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】