説明

電界放出素子の作製方法

【課題】 安価で大面積の基板を用い、生産性を向上させることが可能な工程により、電
界放出表示装置の電界放出素子を形成する技術を提供する。
【解決手段】 本発明に係る電界放出素子は、絶縁性表面を有する基板上に形成されたカ
ソード電極と、前記カソード電極表面に形成された凸形状の電子放出部とを有し、前記カ
ソード電極と前記電子放出部とは、同一の結晶性半導体膜で形成されており、前記電子放
出部は、円錐形又はウィスカー状であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界放出素子、及びその作製方法、並びにその電界放出素子を有する電界放
出表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、主流の陰極線管(CRT)に代わる画像表示装置として、平面型(フラットパネ
ル形式)の表示装置が検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装
置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PD
P)が挙げられる。また、電界効果によって放出される電子を利用して電子線励起発光す
る表示装置、いわゆる電界放出表示装置(フィールドエミッションディスプレイ、FED
)も提案されており、動画像の表示性能の高さと低消費電力特性の観点から注目を集めて
いる。
【0003】
FEDは、カソード電極を有する第1の基板と、蛍光体層を付したアノード電極を有す
る第2の基板とが対向して配置され、両基板が封止部材で封着されたものであり、両基板
と接着部材との間の閉空間は、高い真空に保持されている。カソード電極から放出された
電子が、この閉空間を移動してアノード電極に付された蛍光体層を励起させ発光させて画
像表示を得ている。
【0004】
FEDは、電極の分類からニ極管型、三極管型、四極管型とに分類できる。二極管型F
EDは、第1基板の表面にはストライプ状のカソード電極が形成され、第2の基板の表面
にはストライプ状のアノード電極が形成されおり、カソード電極とアノード電極とは、数
μm〜数mmの距離を介して直交している。カソード電極とアノード電極との真空空間を
経た交点において、〜10kVの電圧を印加することにより、電極間で電子が放出される
。この電子が、アノード電極に付された蛍光体層まで到達し、蛍光体を励起し、発光して
画像を表示する。
【0005】
三極管型FEDは、カソード電極が形成された第1基板上に、絶縁膜を介してカソード
電極と直交しているゲート電極が形成されている。カソード電極及びゲート電極は、スト
ライプ状またはマトリクス状になっており、これらの絶縁膜を介した交点部分には、電子
源である電子放出部が形成されている。カソード電極とゲート電極とに電圧を印加するこ
とにより、電子放出部から電子を放出させる。この電子が、ゲート電極よりも高電圧が印
加された第2基板のアノード電極に引き寄せられ、アノード電極に付された蛍光体層を励
起し、発光して画像を表示する。
【0006】
四極管型FEDは、三極管型FEDのゲート電極とアノード電極との間に、ドットごと
に開口部を有する板状又は薄膜状の収束電極が形成されており、該収束電極によって電子
放出部から放出された電子を各ドットごとに収束させて、アノード電極に付された蛍光体
層を励起し、発光して画像を表示する。
【0007】
カソード電極上に電子を放出する電子放出部を設けたものが電界放出素子である。なお
、電界放出素子は、絶縁膜を介してカソード電極を覆設したゲート電極を有していてもよ
い。現在、電界放出表示装置の電界放出素子には、様々な構造が提案されている。具体的
には、スピント型電界放出素子、表面型電界放出素子、エッジ型電界放出素子、MIM(
Metal-Insulator-Metal)素子等がある。
【0008】
スピント型電界放出素子は、カソード電極上に形成された円錐形の電子放出部を有した
電界放出素子である。他の電界放出素子と比較して(1)電界の集中が最も大きいゲート
電極の中央領域に配置される構造のため、電子引出し効率が高い、(2)電界放出素子の
配列を正確にパターン描画することが可能であり、電界分布が最適配置しやすく、引き出
し電流の面内均一性が高い、(3)電子の放出方向性が整っている、等の利点が挙げられ
る。
【0009】
従来のスピント型電界放出素子としては、金属を蒸着して円錐形の電界放出素子を形成
したもの(特許文献1)、MOSFETを用いて円錐形の電子放出部を形成したもの(特許
文献2)等がある。
【0010】
特許文献1に開示された電界放出素子の作製工程を図28を用いて示す。図28(A)
に示すように、ガラス基板1101上に形成されたストライプ状のカソード電極1102
上に、層間絶縁膜1103及びゲート電極1104を形成する。
【0011】
次に、図28(B)に示すように、ゲート電極1104と層間絶縁膜1103とをエッ
チングして開口部1105を形成する。次に、ゲート電極層に対してアルミニウムを斜め
蒸着することにより、ゲート電極の開口端に庇状にはりだした剥離層1106を形成する

【0012】
次に、図28(C)に示すように、基板の全面にモリブデン等の金属膜を垂直に蒸着す
ると、庇状の剥離層1106に金属層1107が堆積し、開口部1105が縮小されるの
で、開口部1105の底面、すなわちカソード電極1102で堆積される金属物は、次第
に開口部の中央付近を通過するものに限られる。この結果、開口部底部には円錐形の堆積
物1108が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部となる。
【0013】
次に、図28(D)に示すように、ゲート電極1104下方の層間絶縁膜1103をウ
エットエッチングして、ゲート電極が層間絶縁膜の上部からはりだした形状1109に形
成する。
【0014】
しかし、均一な寸法の庇状の剥離層を斜め蒸着により形成することは困難であり、何等
かの面内バラツキやロット間バラツキは避けられない。しかも、大型の蒸着装置が必要と
されること、スループットが低下すること、大面積に形成された剥離層を除去する際に、
その残渣がカソード電極または電界放出素子の汚染の原因となり、表示装置の製造歩留ま
りを低下させるといった問題もある。
【0015】
一方、特許文献2に開示された電界放出素子は、MOSFET型を用いたものであり、
半導体基板を用いている。このため、基板の大きさに制限があり、大量生産が困難でスル
ープットが低下するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2002−175764号公報(第11頁、第9図、第10図)
【特許文献2】特開平11−102637号公報(第3−4頁、第1図参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記問題点を鑑みなされたものであり、安価で大面積の基板を用い、生産性
を向上させることが可能な工程により、電界放出素子を形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、絶縁性表面を有する基板上に半導体膜を形成し、該半導体膜に第1の処理を
加えて凸部を有する結晶性半導体膜を形成することを特徴とする。第1の処理は、半導体
膜にレーザ光照射する。又は、半導体膜に金属元素を添加し、該金属元素を半導体膜の結
晶粒界に析出(偏析)させた後、半導体元素を含む雰囲気で加熱処理する。
【0019】
本発明は、絶縁性を有する基板上に形成された半導体膜にパルス発振のレーザ光を照射
して、電界放出素子の電子放出部を形成することを特徴とする。なお、本発明で形成され
る電子放出部は、電界放出素子のカソード電極表面に形成されており、カソード電極と電
子放出部とは、同一の半導体膜で形成されている。該工程で作製される電子放出部の形状
は円錐形である。また、本発明で用いることが可能なパルス発振のレーザ光の波長は、1
00〜600nmであり、レーザ光の照射条件は、レーザ光のエネルギー密度が、300
〜700mJ/cm2、照射パルス回数が30〜400回である。
【0020】
また、本発明は、絶縁性を有する基板上に形成された半導体表面に金属元素を添加し、
該金属元素を半導体膜の結晶粒界に凝集させた後、半導体元素を含む雰囲気で加熱し電界
放出素子の電子放出部を形成することを特徴とする。なお、本発明で形成される電子放出
部は、電界放出素子のカソード表面に形成されており、カソード電極と電子放出部とは、
同一の半導体膜で形成されている。また、該工程により形成される電界放出部は、ウィス
カー状である。なお、ウィスカー状とは、ひげ状のことであり、即ち針状又は極細繊維の
凝集体をいう。
【0021】
本発明において、金属元素を半導体膜の結晶粒界に凝集させる工程としては、加熱(サ
ーマルアニール法)又はレーザ照射(レーザ結晶化法)が挙げられる。また、半導体膜に
金属元素を添加する方法としては、塗布法、スパッタリング法、CVD法等が挙げられる。
【0022】
このような本発明の要旨に基づく本発明の電界放出素子及びその作製方法は、以下に示
す構成を包含することができる。
【0023】
本発明は、絶縁性を有する基板上に形成されたカソード電極と、前記カソード電極表面
に形成された凸形状の電子放出部とを有し、前記カソード電極と前記電子放出部とは、同
一の結晶性半導体膜で形成されていることを特徴とする。電子放出部の形状は、円錐形又
はウィスカー状である。なお、前記カソード電極は、面状であっても、ストライプ状であ
ってもよい。
【0024】
又、本発明は、絶縁性を有する基板上に形成されたストライプ状のカソード電極と、前
記カソード電極及び基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜に形成されたゲート電極と
、前記ゲート電極と前記絶縁膜を貫通しカソード電極が露出された開口部と、前記開口部
において、カソード電極表面上に形成された凸形状である電子放出部とを有し、前記電子
放出部は前記カソード電極と同一の結晶性半導体膜で形成されていることを特徴とする。
電子放出部の形状は、円錐形又はウィスカー状である。なお、前記半導体膜は、n型の導
電性を有する。
【0025】
又、本発明は、絶縁性を有する基板上に形成されたストライプ状のソース配線と、ソー
ス領域及びドレイン領域を含む結晶性半導体膜と、前記結晶性半導体膜及び基板上に形成
された絶縁膜と、前記絶縁膜に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極と前記絶縁膜を
貫通して結晶性半導体膜が露出された開口部と、前記開口部において、カソード表面上に
形成された凸形状である電子放出部とを有し、前記電子放出部は、前記半導体膜のドレイ
ン領域であって、前記ソース電極は、前記結晶性半導体膜のソース領域と接していること
を特徴とする。電子放出部の凸形状は、円錐形又はウィスカー状である。なお、前記結晶
性半導体膜のソース領域及びドレイン領域は、n型の導電性を有する。また、前記ソース
配線と前記ゲート電極とは、絶縁膜を介して交差している。
【0026】
本発明は、絶縁性を有する基板上に半導体膜を形成したのち、前記半導体膜にレーザ光
を照射して円錐形の凸部(電子放出部)を形成することを特徴とする。なお、絶縁性を有
する基板上にストライプ形状の半導体膜を形成したのち、前記半導体膜にレーザ光を照射
し凸部(電子放出部)を形成してもよい。
【0027】
又、本発明は、絶縁性を有する基板上にストライプ形状の半導体膜を形成し、前記半導
体膜及び前記基板上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜上にストライプ形状のゲート電極を形
成した後、前記ゲート電極及び前記絶縁膜の一部を除去して前記半導体膜を露出させた後
、レーザ光を前記半導体膜に照射して円錐形の凸部(電子放出部)を形成することを特徴
とする。なお、前記半導体膜には、n型を付与する不純物を添加する。
【0028】
又、本発明は、絶縁性を有する基板上に、ストライプ形状の第1の導電膜を形成し、前
記ストライプ形状の第1の導電膜の間に第1の絶縁膜を形成した後、前記第1の導電膜及
び前記第1の絶縁膜上に半導体膜を形成し、前記半導体膜を所望の形状にエッチングした
後、第2の絶縁膜を前記所望の形状の半導体膜上に形成し、前記第2の絶縁膜上に第2の
導電膜を形成したのち、前記第2の導電膜及び前記第2の絶縁膜の一部を除去して前記半
導体膜を露出させた後、レーザ光を前記半導体膜に照射して円錐形の凸部(電子放出部)
を形成することを特徴とする。
【0029】
又、本発明は、絶縁性を有する基板上に、半導体膜を形成し、前記半導体膜を所望の形
状にエッチングした後、第1の絶縁膜を前記所望の形状の半導体膜上に形成し、前記第1
の絶縁膜上に導電膜を形成し、前記導電膜及び前記第1の絶縁膜上に、第2の絶縁膜を形
成し、前記第2の絶縁膜及び前記第1の絶縁膜の一部を除去して前記半導体膜を露出させ
た後、前記露出された半導体膜の一方に接するソース電極を形成し、レーザ光を照射して
前記半導体膜の露出部の他方に円錐形の凸部(電子放出部)を形成することを特徴とする

【0030】
なお、前記半導体膜を所望の形状にエッチングした後、半導体膜の一部にn型を付与す
る不純物を添加してソース領域及びドレイン領域を形成する。
【0031】
また、前記レーザ光の波長は、100〜600nmのパルス発振のレーザ光であり、レ
ーザ光のエネルギー密度は、300〜700mJ/cm2であって、照射パルス回数が30〜4
00回である。レーザ光の照射する際の雰囲気は、酸素を1%以上含むことが望ましい。
【0032】
本発明の電子放出部に用いる半導体膜は、シリコンを有するものであり、シリコンゲル
マニウム(Si1-xGex:0<x<1、代表的には、x=0.001〜0.05)でもよい。
【0033】
本発明の電界放出素子の作製方法は、絶縁性を有する基板上に半導体膜を形成し、前記
半導体膜に金属元素を添加し、第1の処理により前記半導体膜を結晶化する共に、該結晶
化された半導体膜の結晶粒界において前記金属元素又は金属珪化物を偏析させたのち、半
導体元素を含む気体雰囲気で第2の処理により、前記偏析した金属元素又は金属珪化物表
面においてウィスカー状の電子放出部を作製することを特徴とする。
【0034】
なお、前記金属元素を添加する方法は、塗布法、PVD法、CVD法である。また、前記第1
の処理は、300〜650℃の加熱又はレーザ光照射である。また、前記半導体元素を含
む気体の代表例は、シラン、又はジシラン、トリシランのような珪素を含む気体である。
また、前記第2の処理は、400〜650℃の加熱である。さらに、前記半導体膜にn型
を付与する不純物を添加する。なお、前記金属元素は、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又は
Feの金属元素である。
【0035】
本発明の電子放出部に用いる半導体膜は、シリコンを有するものであり、シリコンゲル
マニウム(Si1-xGex:0<x<1、代表的には、x=0.001〜0.05)でもよい。
【0036】
本発明に用いる第1の基板、即ちカソード電極を有する基板は、少なくとも表面が絶縁
性材料から構成されていればよく、代表的には、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノシ
リケートガラスなど無アルカリガラスと呼ばれ市販されているガラス基板、石英基板、サ
ファイア基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板、表面に絶縁膜が形成された金属基
板などである。また、第2の基板、すなわち、蛍光体層を付したアノード電極を有する基
板としては、透光性を有する部材から構成されていればよく、代表的には、バリウムホウ
ケイ酸ガラスやアルミノシリケートガラスなど無アルカリガラスと呼ばれ市販されている
ガラス基板、石英基板、サファイア基板、有機樹脂基板等を挙げることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明により、電界放出表示装置の電界放出素子の作製工程において、複雑な工程を経
ずとも電界放出素子を形成することが可能となり、ロット間のバラツキを避けることがで
きる。すなわち、生産性を向上させることが可能となる。また、複雑な工程を経ずとも、
安価で大面積の基板、代表的にはガラス基板を用いて、電界放出素子を形成することが可
能となるため、コスト削減が可能となる。また、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界
を制御することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(A)本発明に係る電界放出表示装置の表示用パネルを説明する斜視図。 (B)、(C)本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図。
【図2】本発明に係る電界放出表示装置の表示用パネルを説明する斜視図。
【図3】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図。
【図4】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図
【図5】本発明に係る電界放出表示装置の表示用パネルを説明する斜視図。
【図6】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図
【図7】本発明に係る電界放出表示装置の表示用パネルを説明する斜視図。
【図8】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図
【図9】本発明に係る電界放出表示装置の表示用パネルを説明する斜視図。
【図10】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図。
【図11】本発明に係る電界放出表示装置の表示用パネルを説明する斜視図。
【図12】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図。
【図13】本発明により作製したカソード電極の表面を表す図。
【図14】本発明により作製したカソード電極の断面を表す図。
【図15】本発明に係る電界放出表示装置の表示用パネルを説明する斜視図。
【図16】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図。
【図17】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図。
【図18】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図
【図19】本発明に係る電界放出表示装置の表示用パネルを説明する斜視図。
【図20】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図
【図21】本発明に係る電界放出表示装置の表示用パネルを説明する斜視図。
【図22】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図
【図23】本発明に係る電界放出表示装置の表示用パネルを説明する斜視図。
【図24】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図
【図25】本発明に係る電界放出表示装置の表示用パネルを説明する斜視図。
【図26】本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図。
【図27】三重点の密度を示す図。
【図28】電界放出素子の従来の作製方法の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多く
の異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱すること
なくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従っ
て、本発明は本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0040】
(実施の形態1)
本実施の形態では、ゲート電極を設けずに、単にカソード電極上に電子源である電子放
出部を設けた構造を有する電界放出素子、すなわち二極管型FEDの電界放出素子、及び
その電界放出素子を有する表示装置を示す。具体的には、第1の基板及び第2の基板それ
ぞれにおいて、基板全面にカソード電極及び蛍光体層を付したアノード電極が面状に形成
されており、かつカソード電極表面に電子放出部が設けられている電界放出素子、及びそ
の電界放出素子を有する表示装置の作製工程を示す。なお、電子放出部の形状は、円錐形
である。
【0041】
図1(A)は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板100上に半
導体膜で形成された面状のカソード電極102と、第2の基板103上に形成された面状
のアノード電極104とが形成されている。カソード電極の表面において、電子放出部1
05が形成されている。
【0042】
図1(B)は、図1(A)のホ−ホ‘の断面図である。図1(B)を用いて、本実施の
形態の電界放出素子の作製方法を示す。
【0043】
図1(B)に示すように、第1の基板100上に絶縁膜101を形成する。絶縁膜によ
り、ナトリウム(Na)などガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属が拡散するのを防
ぐことができる。第1の絶縁膜上に公知の方法(CVD法、PVD法等)より半導体膜1
02を形成する。
【0044】
第1の基板としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、表面に絶縁膜が形成さ
れた半導体基板、表面に絶縁膜が形成された金属基板などを用いることができる。基板の
大きさは、任意であるが600mm×720mm、680mm×880mm、1000m
m×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm×1300mm、150
0mm×1800mm、1800mm×2000mm、2000mm×2100mm、2
200mm×2600mm、または2600mm×3100mmのような大面積基板を用
いることができる。また、半導体膜は、非晶質半導体膜でも結晶性半導体膜でも構わない
。結晶性半導体膜は、公知の結晶化方法(レーザ結晶化法、ラピッドサーマルアニール法
(RTA)、ファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法、または結晶化を助長する金属元
素を用いた熱結晶化法等)により非晶質半導体膜を結晶化して形成することができる。ま
た、半導体膜の膜厚は0.03〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、かかる範囲
に限定するものではない。また、導電性を高めるために半導体膜にn型を付与する不純物
元素を添加することが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、
典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
【0045】
次に、半導体膜にレーザ光110を照射して半導体膜に凸部を形成し、電子放出部10
5を形成する。このときのレーザ光は、半導体膜に吸収される波長域、即ち波長100〜
600nmであるパルス発振又は連続発振のレーザ光を適用する。このときの凸部は、円錐
形である。
【0046】
レーザー発振器としては、気体レーザー発振器、固体レーザー発振器、金属レーザ発振
器が適用される。気体レーザ発振器としては、CO、CO2、N2等を使用したレーザ発振
器、またはKrF,XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器を適用する。固体レーザー
発振器としてはYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、H
o、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使ったレーザー発振器を適用する。金
属レーザ発振器としては、銅蒸気レーザー発振器もしくはヘリウム−カドミウムレーザ発
振器を適応することができる。なお、固体レーザ発振器から発せられるレーザ光において
は、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。レーザ光の照射条件を、
繰り返しパルス周波数5〜300Hz、照射パルスエネルギー密度100〜900mJ/cm2
好ましくは300〜700mJ/cm2で、照射パルス回数30〜400として、レーザ光照射
を行うと、底面の直径が、300nm以下、好ましくは、50〜300nm、さらに好ま
しくは、60〜200nmであり、高さ(すなわち、底面と頂点との差)が、150〜4
00nmである凸部を5〜30/μm2形成することができる。レーザ光の照射する際の
雰囲気は、酸素を1%以上含むことが望ましい。
【0047】
図13は、本実施の形態により作製した電界放出表示装置の電子放出部の上面をSEM
により観察したものである。図14(A)は、同様の試料の断面を走査型電子顕微鏡(S
EM:Scanning Electron Microscopy)により観察したものであり、図14(B)は、図
14(A)を模式的に表したものである。図14(B)の領域aは、基板であるガラス基板
、領域b及び領域cは、絶縁膜である酸窒化珪素膜、領域dは半導体膜、領域eは、炭素膜
である。領域dの底面(上面から見たばあい、ほぼ平坦な領域)がカソード電極であり、
この表面上の凸部が電子放出部であって、これらが、電界放出素子を形成している。なお
、本試料においては、絶縁膜は積層構造であり、領域bは窒素含有量が酸素含有量よりも
多い又は同程度の第1酸窒化シリコン膜であり、領域cは、酸素含有量が窒素含有量より
も多い第2酸窒化シリコン膜である。また、領域eの炭素膜は、SEMによる観察をしや
すくするために成膜したものである。
【0048】
この試料を作製するためにはXeClレーザ光を用い、レーザ光照射条件は、エネルギ
ー密度を485mJ/cm2、周波数30Hz、照射パルス回数を60回とした。領域dでは、
底面の直径が80〜200μm、高さ(円錐体の底面と頂点との高低差)が250〜350
nmの円錐体が形成されてる。このときの密度は、10/μm2である。図14から、半
導体膜(領域d)は、凸部を形成していることが分かる。
【0049】
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成された円錐体の電子放出部からな
る電界放出素子を形成することができる。
【0050】
なお、本実施の形態で作製したカソード電極の表面に形成された電子放出部の表面に、
金属元素薄膜を成膜してもよい。このときの、金属元素薄膜には、タングステン、ニオブ
、タンタル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金
属元素を含む薄膜を用いることができる。
【0051】
また、半導体膜102と絶縁膜101との間に、金属元素膜によるカソード電極を形成
してもよい。カソード電極としては、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、ク
ロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金属元素、またはこれらの金属
元素を含む合金、あるいはこれらの金属元素を有する化合物(代表的には、窒化タンタル
、窒化チタン等の窒化物、タングステンシリサイド、ニッケルシリサイド、モリブデンシ
リサイド等のシリサイド等)を用いることができる。
【0052】
次に、図1(A)に示すように、第2の基板103に公知の手法により蛍光体層106
を形成し、その上に膜厚0.05〜0.1μmの導電膜を形成し、アノード電極104を
形成する。該導電膜には、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、また
は、ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23
―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電膜を公知の手法により成膜し、公知のパタ
ーニング技術を用いることもできる。
【0053】
蛍光体層は、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなる。アノード電極は、
各蛍光体層上に形成されていてもよい。アノード電極となる導電膜に、アルミニウム、ニ
ッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、またはこれらの金属元素を含む合金薄膜を用いた
場合、蛍光体の発光を第2の基板側へ反射させるため、表示画面の輝度を向上させること
ができる。
【0054】
本実施の形態により形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封
止部材とで囲まれた部分を減圧し電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
【0055】
第1の基板100に形成されたカソード電極102は、カソード電極駆動回路に接続さ
れており、第2の基板103に形成されたアノード電極104はアノード電極駆動回路に
接続されている。カソード電極駆動回路及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上の外
延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路を用いることもできる。
カソード電極駆動回路からカソード電極を通じて相対的に負電圧が印加され、アノード電
極にはアノード電極駆動回路から相対的に正電圧が印加される。これらの電圧印加によっ
て生じた電界に応じ、電子放出部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放出され、
アノード側に誘導される。この電子が、アノード電極に形成された蛍光体層に衝突するこ
とにより、蛍光体層が励起されて発光し表示を得ることができる。
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
【0056】
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成された円錐形の電子放出部を有す
る電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置を形成することができる。
【0057】
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも電界放出素子を形成することができる。ま
た、安価で大面積の基板を用いて電界放出素子を形成することができる。この電界放出素
子を用いて液晶表示装置の面光源または電飾用装置となるエリアカラーの表示装置を作製
することが可能であり、複雑な工程を経ずとも面光源又は表示装置を作製することができ
る。
【0058】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1と同様に二極管型FEDの電界放出素子、及びその電
界放出素子を有する電界放出表示装置を示す。具体的には、第1の基板上に形成されたス
トライプ状のカソード電極と、第2の基板に形成されたストライプ状のアノード電極とが
交差している点において、電子放出部が形成されている電界放出素子、及びその電界放出
素子を有する電界放出表示装置について図2及び図3を用いて述べる。なお、本実施の形
態では、電子放出部の作製工程に、実施の形態1で述べた電子放出部の作製工程を適応し
おり、電子放出部は円錐状である。
【0059】
図2は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板200上に半導体膜
で形成されたストライプ状のカソード電極202と、第2の基板203に形成されたスト
ライプ状のアノード電極207とがある間隔を介して交差している点において、電子放出
部205が形成されている。なお、図2においては、カソード電極とアノード電極との交
点には、ひとつの円錐形の電子放出部が形成されているが、これは模式的に表したもので
あって、複数の電子放出部を形成してもよい。
【0060】
図3は、図2のイ−イ‘の断面図である。図3を用いて、本実施の形態のカソード電極
及び電子放出部の作製方法を示す。なお、図2と同じ部分は同じ符号を用いて示す。
【0061】
実施の形態1と同様に、第1の基板200上に第1の絶縁膜201を形成したのち、公
知の方法(CVD法、PVD法等)より半導体膜301を形成する。また、このとき、導
電性を高めるために半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加することが好ましい。n
型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(
As)を用いることができる。
【0062】
次に、カソード電極を形成する部分にレジストマスク302を形成した後、半導体膜を
エッチングしてストライプ状の半導体膜202を形成する。(図3(B))
【0063】
次に、ストライプ状の半導体膜202にレーザ光310を照射して半導体膜表面に凸部
を形成し、円錐形の電子放出部205を形成する。このときのレーザ光は、半導体膜に吸
収される波長域、即ち波長100〜600nmであるパルス発振のレーザー光を適用する。
【0064】
レーザー発振器としては、気体レーザー発振器、固体レーザー発振器、金属レーザ発振
器が適用される。気体レーザ発振器としては、CO、CO2、N2等を使用したレーザ発振器、
またはKrF,XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器を適用する。固体レーザー発振
器としてはYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、
Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使ったレーザー発振器を適用する。金属レ
ーザ発振器としては、銅蒸気レーザー発振器もしくはヘリウム−カドミウムレーザ発振器
を適応することができる。なお、固体レーザ発振器から発せられるレーザ光においては、
基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。レーザ光の照射条件を、繰り
返しパルス周波数5〜300Hz、照射パルスエネルギー密度100〜900mJ/cm2、好ま
しくは300〜700mJ/cm2で、照射パルス回数30〜400として行う。レーザ光を照
射する際の雰囲気は、酸素を1%以上含むことが望ましい。以上の工程により、底面の直
径が、50〜300nm、好ましくは、80〜200nmであり、高さ(すなわち、底面
と頂点との差)が、150〜400nmである凸部を5〜30/μm2形成することがで
きる。以上の工程により、電界放出表示装置の電界放出素子を形成することができる。
【0065】
なお、本実施の形態で作製したカソード電極表面上に形成された電子放出部の表面に、
金属元素薄膜を成膜してもよい。このときの、金属元素薄膜には、タングステン、ニオブ
、タンタル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、又はニッケルの
金属元素を含む薄膜を用いることができる。
【0066】
また、半導体膜202と絶縁膜201との間に、ストライプ状の金属元素膜によるカソ
ード電極を形成してもよい。このときは、ストライプ状の金属元素膜によるカソード電極
は、半導体膜と平行に形成される。カソード電極としては、タングステン、ニオブ、タン
タル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、又はニッケルの金属元
素、若しくはこれらの金属元素を含む合金、あるいはこれらの金属元素化合物(代表的に
は、窒化タンタル、窒化チタン等の窒化物、タングステンシリサイド、ニッケルシリサイ
ド、モリブデンシリサイド等のシリサイド等)を用いることができる。
【0067】
次に、図2に示すように、第2の基板203に公知の手法により蛍光体層206を形成
し、その上に膜厚0.05〜0.1μmの導電膜を形成して、ストライプ状のアノード電
極207を形成する。該導電膜には、実施の形態1と同様の導電膜を適応することができ

【0068】
蛍光体層は、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなり、これらの蛍光体層
1組でひとつのピクセルとなる。なお、各蛍光体層の間に、コントラストを高めるためブ
ラックマトリクスを形成することが好ましい。アノード電極は、各蛍光体層上に形成され
ていてもよく、また、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、及び緑色蛍光体層からなるピクセル
上に形成されていてもよい。
【0069】
本実施の形態により形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封
止部材とで囲まれた部分を減圧し電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
【0070】
本実施の形態における駆動方法は、パッシプ型の駆動方法である。第1の基板200に
形成されたカソード電極202は、カソード電極駆動回路に接続されており、第2の基板
203に形成されたアノード電極207はアノード電極駆動回路に接続されている。カソ
ード電極駆動回路及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上の外延部に形成することが
できる。また、ICチップ等の外付け回路用いることもできる。カソード電極駆動回路か
らカソード電極を通じで相対的に負電圧が印加され、アノード電極にはアノード電極駆動
回路から相対的に正電圧が印加される。これらの電圧印加によって生じた電界に応じ、電
子放出部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放出され、アノード電極に誘導され
る。この電子が、アノード電極に形成された蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が
励起されて発光し表示を得ることができる。
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
【0071】
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成された円錐形の電子放出部を有す
る電界放出素子、及びそれを有する表示装置を形成する。
【0072】
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子、及びそれ
を有する表示装置を形成することができる。
【0073】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2と異なる工程によって実施の形態2と同様の電界放出
素子を作製する方法について、図4を用いて説明する。なお、図4は、図2のイ−イ‘の
断面図である。また、図2と同じ部分は同じ符号を用いて示す。
【0074】
実施の形態1と同様に、第1の基板200上に第1の絶縁膜201を形成したのち、公
知の方法(CVD法、PVD法等)より半導体膜401を形成する。また、このとき、導
電性を高めるために半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加することが好ましい。n
型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(
As)を用いることができる。
【0075】
次に、半導体膜401にレーザ光410を照射して半導体膜表面に凸部を形成し、円錐
形の電子放出部405を形成する。このときのレーザ光及びレーザ光の照射条件は、実施
の形態2と同様である。
【0076】
次に、カソード電極を形成する部分に公知のフォトリソグラフィー工程によりレジスト
マスク402を形成した後(図4(C))、半導体膜をエッチングして、表面上に電子放出
部405を有しかつストライプ状のカソード電極を形成する。(図4(D))。
【0077】
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成された円錐形の電子放出部からな
る電界放出素子及びそれを有する電界放出表示装置を形成する。
【0078】
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子及びそれを
有する電界放出表示装置を形成することができる
【0079】
(実施の形態4)
本実施の形態では、三極管型FEDの電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装
置について、図5及び図6を用いて説明する。なお、本実施の形態で述べる電界放出素子
は、(1)ストライプ状にエッチングされ、かつn型の導電性を有する半導体膜で形成さ
れるカソード電極、(2)層間絶縁膜を介してカソード電極と交差するゲート電極、(3
)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、カソード電極の表面に形成された凸部の電子
放出部、を含む。
【0080】
図5は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板501上に半導体膜
で形成されたストライプ状のカソード電極502と、ストライプ状であって、かつ該カソ
ード電極と直交しているゲート電極503が形成されている。カソード電極とゲート電極
とは、絶縁膜(図示しない。)を介して形成されているため、それぞれは絶縁されている
。カソード電極と、ゲート電極との交点には開口部507が形成されており、該開口部に
おいてカソード電極の表面に円錐形の電子放出部508が形成されている。第2の基板5
05には蛍光体層510とアノード電極511とが形成されている。
【0081】
図6は、図5のロ−ロ‘の断面図である。図6を用いて、本実施の形態の電界放出素子
の作製方法を示す。
【0082】
図6(A)に示すように、基板501上に第1の絶縁膜601を形成する。第1の絶縁
膜により、ガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属が拡散するのを防ぐことができる。
第1の絶縁膜上に公知の方法(CVD法、PVD法等)より半導体膜を形成する。このと
きの、半導体膜の膜厚は0.03〜0.3μmの範囲にとすることが望ましいが、かかる
範囲に限定するものではない。
【0083】
なお、半導体膜は、非晶質半導体膜でも結晶性半導体膜でもよい。結晶性半導体膜は、
公知の結晶化方法(レーザ結晶化法、RTAやファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法
、結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法等)により非晶質半導体膜を結晶化して
形成することができる。
【0084】
この後、カソード電極を形成する部分に、公知のフォトリソグラフィー工程によりレジ
ストマスクを形成した後、露出している半導体膜をドライエッチング法又はウエットエッ
チング法によりエッチングし、ストライプ状の半導体膜502を形成する。なお、半導体
膜502は、後にカソード電極となる。
【0085】
次に、カソード電極である半導体膜上に第2の絶縁膜602を形成する。第2の絶縁膜
としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒素を含む酸化珪素、SOG(スピンオングラス、
代表的にはシロキサンポリマー) 、アクリル、ポリイミド、ポリイミドアミド、またはベ
ンゾシクロブテンを単層又は積層して形成することができる。このときの第2の絶縁膜の
膜厚は、0.5〜2μmであり、CVD法、PVD法、塗布法、スクリーン印刷法等の公
知の方法を用いて作製する。
【0086】
次に、導電性を高めるために半導体膜502にn型を付与する不純物元素を添加する。
n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素
(As)を用いることができる。なお、n型不純物を添加する工程は、第2の絶縁膜60
2を形成する前でもよい。
【0087】
次に、導電膜603を形成する。導電膜としては、タングステン、ニオブ、タンタル、
モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、又はニッケル等の金属元素の
薄膜、もしくは、これらの金属元素を含む合金を用いる。導電膜603に上に、公知のフ
ォトリソグラフィー工程によりレジストマスクを形成してエッチング処理を施し、導電膜
の不要な部分を除去し、ストライプ状のゲート電極を形成する。
【0088】
次に、図6(B)に示すように、カソード電極とゲート電極とが第2の絶縁膜602を
介して交差する領域において、開口部507を形成する。公知のフォトリソグラフィー工
程により、所望の形状にレジストマスクを形成した後、ゲート電極と第2の絶縁膜とを任
意の形状にエッチングして半導体膜を露出させ、開口部507を形成する。
【0089】
次に、レーザ光610を照射して半導体膜に凸部を形成し、電子放出部508を形成す
る。(図6(C))。このときのレーザ光は、半導体膜に吸収される波長域、即ち波長10
0〜600nmであるパルス発振のレーザー光を適用する。レーザー発振器としては、気体
レーザー発振器、固体レーザー発振器、金属レーザ発振器が適用される。気体レーザ発振
器としては、CO、CO2、N2等を使用したレーザ発振器、またはKrF,XeCl、Xe等
のエキシマレーザ発振器を適用する。固体レーザー発振器としてはYAG、YVO4、Y
LF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをド
ープした結晶を使ったレーザー発振器を適用する。金属レーザ発振器としては、銅蒸気レ
ーザー発振器もしくはヘリウム−カドミウムレーザ発振器を適応することができる。なお
、固体レーザ発振器から発せられるレーザ光においては、基本波の第2高調波〜第4高調
波を適用するのが好ましい。また、レーザ光の照射する際の雰囲気は、酸素を1%以上含
むことが望ましい。レーザ光の照射条件を、繰り返しパルス周波数5〜300Hz、照射パ
ルスエネルギー密度100〜900mJ/cm2、好ましくは300〜700mJ/cm2で、照射パ
ルス回数30〜400として行うことにより、底面の直径が、50〜300nm、好まし
くは、80〜200μmであり、高さ(すなわち、底面と頂点との差)が、150〜40
0nmである凸部を5〜30/μm2形成することができる。
【0090】
この後、図6(D)に示すように、ウエットエッチングのような等方性エッチングを行
い、ゲート電極下方の第2の絶縁膜を除去して、第2の絶縁膜より庇状にはりだしている
ゲート電極を形成することが好ましい。
【0091】
なお、本実施の形態で作製した電子放出部508の表面に、金属元素薄膜を成膜しても
よい。このときの、金属元素薄膜には、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、
クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金属元素を含む薄膜を用いる
ことができる。
【0092】
また、図5において、カソード電極とゲート電極との交点509においては、2×2個
の電子放出部が記載されているがこれに限られるものはなく、多数の電子放出部が形成さ
れていても良い。また、ひとつの開口部において複数の電子放出部が形成されていてもよ
い。
【0093】
また、半導体膜502と第1の絶縁膜601との間にストライプ状で半導体膜に接して
いる金属元素膜をカソード電極として形成してもよい。カソード電極としては、実施の形
態1と同様のものを用いることができる。
【0094】
以上の工程により、第1の基板上に円錐形の電子放出部を有する電界放出素子を形成す
ることができる。
【0095】
図5に示すように、第2の基板505に公知の手法により蛍光体層510を形成し、そ
の上に膜厚0.05〜0.1μmのアノード電極511を形成する。アノード電極は、ア
ルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、または、ITO(酸化インジウム
酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23)―ZnO)、酸化亜鉛(Zn
O)等の透明導電膜を公知の手法により成膜する。本実施の形態では、アノード電極は、
ストライプ状、矩形型のマトリクス状、またはシート状でもよい。蛍光体層は、赤色蛍光
体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなり、これらの蛍光体層1組でひとつのピクセル
とする。なお、各蛍光体層の間に、コントラストを高めるためブラックマトリクス512
を形成することが好ましい。また、アノード電極となる導電膜に、アルミニウム、ニッケ
ル、銀等の金属元素からなる薄膜、またはこれらの金属元素を含む合金薄膜を用いた場合
、蛍光体の発光を第2の基板側へ反射させるため、表示画面の輝度を向上させることがで
きる。
【0096】
本実施の形態により形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封
止部材とで囲まれた部分を減圧し、電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
【0097】
本実施の形態における駆動方法は、パッシプ型の駆動方法である。カソード電極502
は、カソード電極駆動回路に接続されており、ゲート電極503はゲート電極駆動回路に
接続されており、アノード電極511はアノード電極駆動回路に接続されている。ゲート
電極駆動回路、カソード電極駆動回路及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上の外延
部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路用いることもできる。カソ
ード電極駆動回路からカソード電極を通じで相対的に負電圧(例えば、0kV)が印加され
、ゲート電極には、ゲート電極駆動回路から相対的に正電圧(例えば、50V)が印加され
る。これらの電圧印加によって生じた電界に応じ、凸部の先端から量子トンネル効果に基
づき電子が放出される。アノード電極には、アノード電極駆動回路により、ゲート電極に
印加される正電圧よりも高い電圧(例えば、5kV)が印加され、電子放出部から放出され
た電子を、アノード電極に形成された蛍光体層に誘導する。該電子が蛍光体層に衝突する
ことにより、蛍光体層が励起され発光し表示を得ることができる。なお、本実施の形態に
おいて、第1の基板上に、電界放出素子と同時に、カソード電極駆動回路及びゲート電極
駆動回路を形成することも可能である。
【0098】
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
【0099】
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子、及びそれ
を有する電界放出表示装置を形成することができる。
【0100】
(実施の形態5)
本実施の形態では、三極管型FEDの電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装
置について、図7、図8を用いて説明する。本実施の形態で述べる電界放出素子は、(1
)ソース領域及びドレイン領域を有し、かつ所望の形状にエッチングされた半導体膜、(
2)半導体膜のソース領域に接するストライプ状にエッチングされたソース配線、(3)
絶縁膜を介してソース配線と交差し、半導体膜のソース領域及びドレイン領域の間のキャ
リア濃度を制御するゲート電極、(4)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、半導体
膜のドレイン領域表面に形成された凸形状の電子放出部、を含む。なお、本実施の形態に
おいて、ゲート電極は、くし型である。また、本実施の形態において、カソード電極は少
なくともドレイン領域を含む。
【0101】
図7は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板701上には、スト
ライプ状のソース配線702と、該ソース配線に接して形成され、かつ所望の形状のエッ
チングされた半導体膜703と、絶縁膜(図示しない。)を介して、該ソース配線702
と直交しており、かつ、くし型であるゲート電極704とを有する。なお、半導体膜は、
ゲート電極に覆設されている。半導体膜703のソース配線と接していない領域を露出さ
せるための開口部705が、ゲート電極及び絶縁膜を介して形成されている。また、開口
部には、半導体膜のドレイン領域の表面に円錐形の電子放出部706が形成されている。
【0102】
実施の形態4に示すように、第2の基板707には蛍光体層708とアノード電極70
9とが形成されている。
【0103】
図8は、図7のハ−ハ‘の断面図である。図8を用いて、本実施の形態の電界放出素子
の作製方法を示す。
【0104】
図8(A)に示すように基板701上に第1の導電膜を形成したのち、レジストマスク
を用いてストライプ状のソース配線702を形成する。次に、第1の絶縁膜を形成した後
、絶縁膜をCMP等で研磨して平坦化しながらソース配線を露出しながら、該ソース配線
間を絶縁膜801で埋め込む。絶縁膜及801びソース配線702上に、公知の方法(C
VD法、PVD法等)より半導体膜を形成する。この後、半導体膜をエッチングして、所
望の形状の半導体膜703を形成する。基板としては、ガラス基板、石英基板、サファイ
ア基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板、表面に絶縁膜が形成された金属基板など
を用いることができる。基板の大きさは、任意であるが600mm×720mm、680
mm×880mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、115
0mm×1300mm、1500mm×1800mm、1800mm×2000mm、2
000mm×2100mm、2200mm×2600mm、または2600mm×310
0mmのような大面積基板を用いることができる。また、第1の基板上にソース配線を形
成する前に、ナトリウム(Na)などガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属をブロッ
キングするための絶縁膜を形成してもよい。
【0105】
次に、図8(B)に示すように、半導体膜703及び絶縁膜801上に第2の絶縁膜8
02を形成する。第2の絶縁膜としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒素を含む酸化珪素
、SOG(スピンオングラス、代表的にはシロキサンポリマー) 、アクリル、ポリイミド
、ポリイミドアミド、またはベンゾシクロブテンを単層又は積層して作製することができ
る。このときの第2の絶縁膜の膜厚は、0.5〜2μmであり、CVD法、PVD法、塗
布法、スクリーン印刷法等の公知の方法を用いて作製する。
【0106】
次に、第2の導電膜803を形成する。第2の導電膜としては、実施の形態4の導電膜
(図6(A)の導電膜603)と同様の金属元素の薄膜、もしくは、これらの金属元素を
含む合金を用いることができる。導電膜803にレジストマスクを形成してパターニング
を行い、導電膜803の不要な部分を除去し、ソース配線と、半導体膜703及び第2の
絶縁膜802を介して交差し、且つくし型の導電膜(ゲート電極)を形成する。
【0107】
次に、図8(C)に示すように、ソース領域及びドレイン領域となる領域を形成する。
ソース配線上の導電膜(ゲート電極)及び第2の絶縁膜と、電子放出部を形成する領域(
半導体膜において、ソース配線と接する領域から、所定の間隔をあけた領域)上の導電膜
(ゲート電極)及び第2の絶縁膜とをエッチングして、開口部705を形成すると共に及び
カソード電極上の半導体膜(ソース領域)804を露出させる。
【0108】
次に、レーザ光を照射して半導体膜に凸部を形成し、電子放出部706を形成する。こ
のときのレーザ光は、半導体膜に吸収される波長域、即ち波長100〜600nmであるパ
ルス発振のレーザー光を適用する。レーザー発振器としては、気体レーザー発振器、固体
レーザー発振器、金属レーザ発振器が適用される。気体レーザ発振器としては、CO、CO2
、N2等を使用したレーザ発振器、またはKrF,XeCl、Xe等のエキシマレーザ発
振器を適用する。固体レーザー発振器としてはYAG、YVO4、YLF、YAlO3など
の結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使った
レーザー発振器を適用する。金属レーザ発振器としては、銅蒸気レーザー発振器もしくは
ヘリウム−カドミウムレーザ発振器を適応することができる。なお、固体レーザ発振器か
ら発せられるレーザ光においては、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ま
しい。また、レーザ光の照射する際の雰囲気は、酸素を1%以上含むことが望ましい。レ
ーザ光の照射条件を、繰り返しパルス周波数5〜300Hz、照射パルスエネルギー密度1
00〜900mJ/cm2、好ましくは300〜700mJ/cm2で、照射パルス回数30〜400
として行うことにより、底面の直径が、50〜300nm、好ましくは、80〜200μ
mであり、高さ(すなわち、底面と頂点との差)が、150〜400nmである凸部を5
〜30/μm2形成することができる。
【0109】
こののち、n型を付与する不純物元素として15族に属する元素を添加してソース領域
710およびドレイン領域706を形成する。n型を付与する不純物元素として15族に
属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
【0110】
この後、図8(D)に示すように、ウエットエッチングのような等方性エッチングをお
こない、ゲート電極下方の第2の絶縁膜を除去して、第2の絶縁膜より庇状にはりだして
いるゲート電極805を形成することが好ましい。
【0111】
なお、本実施の形態で作製した電子放出部706の表面に、金属元素薄膜を成膜しても
よい。このときの、金属元素薄膜には、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、
クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金属元素を含む薄膜を用いる
ことができる。
【0112】
また、図7において、開口部705には、一つの電子放出部が記載されているが、これ
は模式的に表したものであって、多数の電界放出素子が形成されていても良い。
【0113】
以上の工程により、ソース領域及びドレイン領域を有する半導体膜、半導体膜のソース
領域に接するソース配線、ゲート電極、及び半導体膜のドレイン領域の表面に形成された
円錐形の電子放出部を有する電界放出素子を形成する。なお、電界放出素子のON、OF
Fをより正確に制御するために、各電界放出素子に薄膜トランジスタやダイオード等のス
イッチング素子を別途設けてもよい。
【0114】
上記の工程により形成した第1の基板と、実施の形態4と同様の工程により形成した第
2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧し電界放出表示
装置の表示用パネルを形成する。
【0115】
ソース配線702は、ソース配線駆動回路に接続されており、ゲート電極704はゲー
ト電極駆動回路に接続されており、アノード電極709はアノード電極駆動回路に接続さ
れている。ゲート電極駆動回路、ソース配線駆動回路、及びアノード電極駆動回路は、第
1の基板上の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路用いるこ
ともできる。ソース配線は、半導体膜のソース領域に接しており、ドレイン領域は電界放
出素子を形成している。ゲート電極駆動回路からゲート電極に正の電圧を印加すると、ソ
ース領域とドレイン領域との間のチャネル形成領域にキャリアが発生し、ドレイン領域の
電子放出部から電子が放出される。アノード電極には、アノード電極駆動回路により、ゲ
ート電極に印加される正電圧よりも高い電圧が印加され、電子放出部から放出された電子
を、アノード電極に形成された蛍光体層に誘導する。該電子が蛍光体層に衝突することに
より、蛍光体層が励起されて発光し表示を得ることができる。なお、本実施の形態におい
て、第1の基板上に、電界放出素子と同時に、ソース配線駆動回路及びゲート電極駆動回
路形成することも可能である。
【0116】
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
【0117】
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子、及びそれ
を有する電界放出表示装置を形成することができる。
【0118】
本実施の形態で形成される電界放出表示装置は、各画素においてスイッチング素子のド
レイン領域に電子放出部が形成されている。このため、各画素において、電子の放出を制
御することが可能であるため、高精細な表示装置を形成することができる。
【0119】
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態5とは異なった作製方法によって、三極管型FEDの電
界放出素子及びそれを有する電界放出表示装置について、図9及び図10を用いて説明す
る。本実施の形態で述べる電界放出素子は、(1)ソース領域及びドレイン領域を有し、
かつ所望の形状にエッチングされた半導体膜、(2)半導体膜のソース領域に接するスト
ライプ状にエッチングされたソース配線、(3)絶縁膜を介してソース配線に交差し、半
導体膜のソース領域及びドレイン領域の間のキャリア濃度を制御するゲート電極、(4)
ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、半導体膜のドレイン領域表面に形成された凸形
状の電子放出部、を含む。なお、本実施の形態において、ゲート電極は、ストライプ状で
ある。また、本実施の形態において、カソード電極は少なくともドレイン領域を含む。
【0120】
図9は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板901上には、スト
ライプ状のソース配線902と、該ソース配線に接して形成され、かつ所望の形状にエッ
チングされた半導体膜903と、該ソース配線902と直交する方向にストライプ状に形
成されたゲート電極904とを有する。なお、半導体膜903のソース配線と接していな
い領域を露出させるための開口部905が、ゲート電極及び絶縁膜を介して形成されてい
る。また、開口部には、半導体膜のドレイン領域の表面に円錐形の電子放出部906が形
成されている。なお、本実施の形態と、実施の形態5とに開示された電界放出素子とは、
第1基板に形成されたゲート電極の形状が異なる。
【0121】
実施の形態4に示すように、第2の基板907には、蛍光体層908とアノード電極9
09とが形成されている。
【0122】
図10は、図9のニ−ニ‘の断面図である。図10を用いて、本実施の形態の電界放出
素子の作製方法を示す。
【0123】
実施の形態5と同様に、第1の基板901上に、ソース配線902、第1の絶縁膜10
01、所望の形状の半導体膜903を形成する。なお、第1の基板上にソース配線を形成
する前に、ナトリウム(Na)などガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属をブロッキ
ングするための絶縁膜を形成してもよい。
【0124】
次に、半導体膜903にレジストマスク(図示しない。)を形成した後、n型を付与する
不純物元素として15族に属する元素を添加してソース領域1002およびドレイン領域
1003を形成する。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的には
リン(P)または砒素(As)を用いることができる。
【0125】
次に、図10(B)に示すように、実施の形態5と同様に、半導体膜903及び第1の
絶縁膜上に第2の絶縁膜1004及び導電膜1005を形成する。第2の絶縁膜1004
及び導電膜1005はそれぞれ、実施の形態4又は実施の形態5の材料を適宜採用するこ
とができる。
【0126】
次に、図10(C)に示すように、レジストマスク(図示しない。)を用いて、ストライ
プ状のゲート電極904となる導電膜を形成する。この後、ドレイン領域上に形成された
ゲート電極となる導電膜及び第2の絶縁膜1004をエッチングして、半導体膜の一部を
露出させ、開口部905を形成すると共に、ゲート電極904を形成する。
【0127】
次に、実施の形態5と同様に、半導体膜にレーザ光を照射して半導体膜に凸部を形成し
、電子放出部906を形成する。このときのレーザ光及びレーザ光の照射条件は、実施の
形態5に記載のものを適宜採用することができる。
【0128】
この後、図10(D)に示すように、ウエットエッチングのように等方性エッチングを
おこない、ゲート電極下方の第2の絶縁膜を除去して、第2の絶縁膜より庇状にはりだし
ているゲート電極1004を形成することが好ましい。
【0129】
なお、本実施の形態で作製したドレイン領域(電子放出部)906の表面に、金属元素
薄膜を成膜してもよい。このときの、金属元素薄膜には、タングステン、ニオブ、タンタ
ル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金属元素を
含む薄膜を用いることができる。
【0130】
また、図9において、開口部905には、一つの電子放出部が、記載されているがこれ
は模式的に表したものであり、多数の電子放出部が形成されていても良い。
【0131】
以上の工程により、第1の基板に電界放出素子を形成することができる。なお、電界放
出素子のON、OFFをより正確に制御するために、各電界放出素子に薄膜トランジスタ
やダイオード等のスイッチング素子を別途設けてもよい。
【0132】
上記の工程により形成した第1の基板と、実施の形態4と同様の工程により形成した第
2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧して電界放出表
示装置の表示用パネルを形成する。
【0133】
この後、実施の形態7と同様の工程により、電界放出表示装置を形成する。
【0134】
以上の工程により、ソース領域及びドレイン領域を有する半導体膜、半導体膜のソース
領域に接するソース配線、ゲート電極、及び半導体膜のドレイン領域の表面に形成された
円錐形の電子放出部を有する電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置を形成す
る。
【0135】
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子を形成する
ことができる。本実施の形態で形成される電界放出表示装置は、各画素においてスイッチ
ング素子のドレイン領域に電子放出部が形成されている。このため、各画素において、電
子の放出を制御することが可能であるため、高精細な表示装置を形成することができる。
【0136】
(実施の形態7)
次に、三極管型FEDの電界放出素子及びそれを有する電界放出表示装置について、図1
1及び図12を用いて説明する。ここで述べる電界放出素子は、(1)ソース領域及びド
レイン領域を有し、所望の形状にエッチングされた半導体領域、(2)半導体領域のソー
ス領域に接するソース配線、(3)絶縁膜を介してソース配線に交差し、半導体膜のソー
ス領域及びドレイン領域の間のキャリア濃度を制御するゲート電極及びゲート配線、(4
)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、かつ半導体領域のドレイン領域表面に形成さ
れる凸形状の電子放出部を含む。
【0137】
実施の形態4と同様に、第2の基板1805には、蛍光体層1806とアノード電極1
807とが形成されている。
【0138】
図12は、図11のホ−ホ‘の断面図である。図12を用いて、本実施の形態の電界放
出素子の作製方法を示す。
【0139】
図12(A)に示すように、実施の形態1と同様に第1の基板1800上に第1の絶縁
膜を1811形成する。次に、実施の形態1で述べたような公知の手法により結晶性半導
体膜を形成し、この一部をエッチングして所望の形状の半導体領域(図11の領域180
1)を形成する。
【0140】
次に第2の絶縁膜1812を公知の手法で形成する。第2の絶縁膜は、珪素と酸素を主
成分とする膜(酸化ケイ素膜、窒化酸化ケイ素膜、酸化窒化珪素膜等)で形成する。
【0141】
次に、第1の導電膜を形成する。第1の導電膜としては、実施の形態4の導電膜603
と同様の材料で形成することができる。次に、第1の導電膜にレジストマスクを形成して
パターニングを行い、不要な部分を除去し、ゲート電極1802を形成する。次に、ゲー
ト電極をマスクとして結晶性半導体膜の一部に、n型を付与する不純物を添加してソース
領域及びドレイン領域1801a、1801bを形成する。
【0142】
次に、図12(B)に示すように、第3の絶縁膜1821を形成する。第3の絶縁膜と
しては、実施の形態4で示される第2の絶縁膜602と同様の材料を用いて形成すること
ができる。
【0143】
次に、第3の絶縁膜1821及び第2の絶縁膜1811の一部をエッチングし、第2の
導電膜を成膜する。次に、第2の導電膜を所望の形状にエッチングしてソース配線803
を形成する。
【0144】
次に、図12(C)に示すように、第3の絶縁膜上に第4の絶縁膜1831を成膜した
後、第4の絶縁膜、第3の絶縁膜、及び第2の絶縁膜の一部をエッチングして、半導体領
域の一部を露出する。
【0145】
次に、実施の形態5と同様に、半導体膜にレーザ光を照射して半導体膜に凸部を形成し、
電子放出部1804を形成する。このときのレーザ光及びレーザ光の照射条件は、実施の
形態5に記載のものを適宜採用することができる。
【0146】
なお、図11においては、図12で示される第1の絶縁膜1811、第2の絶縁膜181
2、第3の絶縁膜1821、第4の絶縁膜1831は省略している。
【0147】
また、電界放出素子のON、OFFをより正確に制御するために、各電界放出素子に
薄膜トランジスタやダイオード等のスイッチング素子を別途設けてもよい。また、絶縁膜
、例えば第3の絶縁膜1821又は第4の絶縁膜1831上に、電子放出部から放出され
る電子量を制御するための制御電極を設けても良い。この構造により、電子放出量の安定
性及び制御性を高めることが可能である。さらには、本実施の形態では、電界放出素子を
トップゲート構造を用いて記載したが、これに限られず、ボトムゲート構造でも同様に電
界放出素子を形成することができる。
【0148】
上記の工程により形成した第1の基板と、実施の形態4と同様の工程により形成した第
2の基板505とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧して電界
放出表示装置の表示用パネルを形成する。
【0149】
この後、実施の形態5と同様の工程により、電界放出表示装置を形成する。
【0150】
以上の工程により、ソース領域及びドレイン領域を有する半導体膜、半導体膜のソース
領域に接するソース配線、ゲート電極、及び半導体膜のドレイン領域の表面に形成された
円錐形の電子放出部を有する電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置を形成す
る。
【0151】
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子を形成す
ることができる。本実施の形態で形成される電界放出表示装置は、各画素においてスイッ
チング素子のドレイン領域に電子放出部が形成されている。このため、各画素において、
電子の放出を制御することが可能であるため、高精細な表示装置を形成することができる

【0152】
(実施の形態8)
本実施の形態では、ゲート電極を設けずに、単にカソード電極上に電子源である電子放
出部を設けた構造を有する電界放出素子、すなわち二極管型FEDの電界放出素子、及び
その電界放出素子を有する表示装置を示す。具体的には、第1の基板及び第2の基板それ
ぞれにおいて、基板全面にカソード電極及び蛍光体を付したアノード電極が面状に形成さ
れており、かつカソード電極表面に電子放出部が設けられている電界放出素子、及びその
電界放出素子を有する表示装置の作製工程を示す。なお、電子放出部は、ウィスカー状で
ある。
【0153】
図15は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板2100上に半導
体膜で形成された面状のカソード電極2102と、第2の基板2103に形成された面状
のアノード電極2104とが形成されている。カソード電極の表面において、ウィスカー
状の電子放出部2105が形成されている。
【0154】
図16は、図15のへ−へ‘の断面図である。図16を用いて、本実施の形態の電界放
出素子の作製方法を示す。
【0155】
図16(A)に示すように、第1の基板2100上に絶縁膜1501を形成する。絶縁
膜により、ナトリウム(Na)などガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属が拡散する
のを防ぐことができる。絶縁膜上に公知の方法(CVD法、PVD法等)より非晶質半導
体膜1502を形成する。第1の基板としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板
、表面に絶縁膜が形成された半導体基板、表面に絶縁膜が形成された金属基板などを用い
ることができる。基板の大きさは、任意であるが600mm×720mm、680mm×
880mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm
×1300mm、1500mm×1800mm、1800mm×2000mm、2000
mm×2100mm、2200mm×2600mm、または2600mm×3100mm
のような大面積基板を用いることができる。
【0156】
次いで、この非晶質半導体膜1502を結晶化させる。結晶化方法は公知の方法(レー
ザ結晶化法、ラピッドサーマルアニール法(RTA)、ファーネスアニール炉を用いた熱
結晶化法、または結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法等)を用いることができ
る。本実施の形態では、結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法により非晶質半導
体膜1502を結晶化する。非晶質半導体膜に対して結晶化を助長する金属元素1503
を全面に添加し、加熱処理を行う。ここでは結晶化を助長する金属元素として、Au、Al、
Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeを用い、金属元素を1ppm〜100ppm含有する溶液、こ
こではニッケル元素を5ppm含有する溶液をスピンコーティング法により塗布する。こ
の後、500〜650℃で1〜12時間加熱する。なお、金属元素を含む溶液を塗布する
代わりに、金属元素薄膜を成膜しても良い。半導体膜の膜厚は0.03〜0.3μmの範
囲にとすることが望ましいが、かかる範囲に限定するものではない。加熱により、非晶質
半導体膜が結晶化され結晶性半導体膜2102が形成されると共に、結晶粒界(以下、三
重点と示す。なお、結晶粒界は、三重点だけでなく、四重点、又は多重点であってもよい
。)に、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeの金属元素もしくはこれらの金属元素で形成
される金属珪化物1507が析出する(図16(B))。なお、結晶粒界は、結晶化条件
、例えば結晶化温度、膜中の水素濃度等によって制御することが可能である。すなわち、
結晶粒界を制御することによって、電子放出部であるウィスカー密度を制御することがで
きる。また、第1の加熱処理の後に、結晶性半導体膜にレーザ光を照射してもよい。
【0157】
次に、結晶性半導体膜1506及び偏析した金属元素又は金属珪化物表面を水素化した
後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法によりウィスカー状
の電子放出部2105を形成する。なお、電子放出部の根元、又は先端には、金属元素又
は金属珪化物が凝集する。本実施の形態においては、0.1%のシランガス雰囲気で加熱
することで、金属元素または金属珪化物を触媒として金属元素または金属珪化物表面にお
いて気相中の半導体元素、例えばシリコンが凝集し結晶化して、ウィスカー状2105の
電子放出部が形成される。なお、電子放出部の根元とは、カソード電極と電子放出部とが
接している部分、即ち金属元素又は金属珪化物1507が析出する結晶粒界である。(図
16(D))。
【0158】
なお、導電性を高めるために結晶性半導体膜中には、n型を付与する不純物元素が添加
されていることがすることが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する
元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
【0159】
以上の工程により、ウィスカー状の電子放出部を形成することができる。また、カソー
ド電極及びその表面に形成されたウィスカー状の電子放出部を有する電界放出素子を形成
することができる。
【0160】
なお、結晶性半導体膜2102と絶縁膜1501との間に、金属元素膜によるカソード
電極を形成してもよい。カソード電極としては、タングステン、ニオブ、タンタル、モリ
ブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金属元素、又はそれ
らを含む合金、あるいはこれらの金属元素化合物(代表的には、窒化タンタル、窒化チタ
ン等の窒化物、タングステンシリサイド、ニッケルシリサイド、モリブデンシリサイド等
のシリサイド等)を用いることができる。
【0161】
次に、図15に示すように、第2の基板2103に公知の手法により蛍光体層2106
を形成し、その上に膜厚0.05〜0.1μmの導電膜を形成して、アノード電極210
4を形成する。該導電膜には、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、
または、ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2
3)―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電膜を公知の手法により成膜する。ま
たは、この導電膜を公知のフォトリソグラフィー工程により所望の形状に加工してもよい

【0162】
蛍光体層は、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなる。なお、複数の色の
蛍光体層を配列する場合、各蛍光体層の間に、コントラストを高めるためブラックマトリ
クスを形成することが好ましい。アノード電極となる導電膜に、アルミニウム、ニッケル
、銀等の金属元素からなる薄膜、またはこれらの金属元素を含む合金薄膜を用いた場合、
蛍光体の発光を第2の基板側へ反射させるため、表示画面の輝度を向上させることができ
る。
【0163】
本実施の形態により形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封
止部材とで囲まれた部分を減圧し電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
【0164】
第1の基板2100に形成されたカソード電極2104は、カソード電極駆動回路に接
続されており、第2の基板2103に形成されたアノード電極2104はアノード電極駆
動回路に接続されている。カソード電極駆動回路及びアノード電極駆動回路は、第1の基
板上の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路を用いることも
できる。カソード電極駆動回路からカソード電極を通じて相対的に負電圧が印加され、ア
ノード電極にはアノード電極駆動回路から相対的に正電圧が印加される。これらの電圧印
加によって生じた電界に応じ、電子放出部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放
出され、アノード側に誘導される。この電子が、アノード電極に形成された蛍光体層に衝
突することにより、蛍光体層が励起されて発光し表示を得ることができる。
【0165】
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
【0166】
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成されたウィスカー状の電子放出部
を有する電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置を形成することができる。
【0167】
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積基板上に電界放出素子を形成するこ
とができる。また、本実施の形態により、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界を制御
することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが可能と
なる。さらに、大型の液晶表示装置の面光源または電飾用装置となるエリアカラーの表示
装置を複雑な工程を経ずとも作製することができる。
【0168】
(実施の形態9)
本実施の形態では、実施の形態8と同様の二極管型FEDの電界放出素子について、別
の作製工程を示す。
【0169】
図17は、図16と同様に図15のへ−へ‘の断面図である。実施の形態8と同様に基
板1400上に絶縁膜1401、非晶質半導体膜1402を順次形成する。次に、この非
晶質半導体膜1402を結晶化させる。本実施の形態では、結晶化方法にレーザ結晶化法
を用いる。気体レーザー発振器、固体レーザー発振器、又は金属レーザ発振器から発振さ
れたレーザ光1403を非晶質半導体膜1402に照射して結晶性半導体膜を形成する。
このときのレーザ光は、連続発振又はパルス発振のレーザ光を用いることができる。
【0170】
次に、図17(B)に示すように、次に、結晶性半導体膜1404に金属元素を添加す
る。本実施の形態では、結晶性半導体膜1404上に金属元素で構成される薄膜1405
を形成する。この金属元素としては、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeを用いることが
可能である。本実施の形態では、金薄膜をスパッタ法により2〜5nm成膜する。この後
、400〜600℃で加熱すると、金属膜1405の金属元素または金属珪化物が結晶性
半導体膜の結晶粒界(三重点)の表面に偏析する(領域1406)。図17(C)。なお
、レーザ光を用いて形成した結晶性半導体膜の結晶粒界の密度は、図27に示すように、
レーザ照射条件によって異なる。図27は、50nmの非晶質シリコン膜にXeClレーザ
を照射したときの三重点の密度を表す。レーザ光のエネルギー密度によって三重点の密度
が異なることが分かる。これらを制御することによって、電子放出部のウィスカーの密度
を制御することが可能である。
【0171】
結晶性半導体膜及び偏析した金属元素または金属珪化物表面を水素化した後、半導体元
素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法によりウィスカー状の電子放出部
を形成する。本実施形態では、0.1%のシランガス雰囲気で400〜600℃で加熱す
ることで、偏析した金属元素または金属珪化物表面に気相中の半導体元素、例えばシリコ
ンが凝集し結晶化して、ウィスカー状の半導体膜1407が形成される。なお、電子放出部ウ
ィスカーの先端又は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFe金属元素又はこれらの
金属元素を有する金属珪化物1408が凝集している。(図17(D))。
【0172】
なお、結晶性半導体膜1404には、導電性を高めるためにn型を付与する不純物元素
を添加することが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型
的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
【0173】
本実施の形態においても、実施の形態8と同様に半導体膜と絶縁膜との間に、金属元素
膜によるカソード電極を形成してもよい。
【0174】
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成されたウィスカー状の電子放出部
からなる電界放出素子を形成することができる。本実施の形態により、半導体膜の結晶化
条件によって結晶粒界を制御することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の
密度を制御することが可能となる。また、大面積基板上に電界放出素子を形成することが
できる。
【0175】
(実施の形態10)
本実施の形態では、実施の形態8及び実施の形態9と同様にウィスカー状の電子放出部
を有する二極管型FEDの電界放出素子の作製工程を図18を用いて示す。
【0176】
図18は、図16及び図17と同様に図15のへ−へ‘の断面図である。 図18(A
)に示すように、実施の形態8と同様に第1の基板1300上に絶縁膜1301を形成し
たのち、非晶質半導体膜1302を形成する。次に、非晶質半導体膜1302に金属元素
を添加する。本実施の形態では、プラズマCVD法により非晶質半導体膜1302表面に2
〜5nmの金属薄膜1303を形成する。本実施の形態では、金属薄膜として金薄膜を形
成する。金属元素としては、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeを用いることが可能であ
る。
【0177】
次に、非晶質半導体膜にレーザ光1305を照射して、非晶質半導体膜を結晶化して結
晶性半導体膜1306を形成する。このとき、結晶性半導体膜中の結晶粒界(三重点)の
表面には金属元素または金属珪化物1307が偏析する。(図18(B))。このときの
レーザ光は、実施の形態9と同様のものを用いることができる。
【0178】
次に、結晶性半導体膜1306及び偏析した金属元素または金属珪化物1307の表面
を水素化した後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法により
ウィスカー状の電子放出部を形成する。本実施の形態においては、0.1%のシランガス
雰囲気で加熱することで、金属元素または金属珪化物が触媒となって、偏析した金属元素
または金属珪化物表面において気相中の半導体元素、例えばシリコンが凝集し、結晶化し
て、ウィスカー状電子放出部1308が形成される結晶性半導体膜が形成される。なお、
電子放出部ウィスカーの先端又は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeの金属元
素若しくはこれらの金属元素を有する金属珪化物1309が凝集している。 (図18(C
))。
【0179】
なお、結晶性半導体膜1308には、導電性を高めるためにn型を付与する不純物元素
が添加されることが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典
型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
【0180】
以上の工程により、ウィスカー状の電子放出部を形成することができる。
【0181】
本実施の形態においても、実施の形態8と同様に半導体膜と絶縁膜との間に、金属元素
膜によるカソード電極を形成してもよい。
また、本実施の形態で作製した基板を第1の基板として、実施の形態8と同様に表示パ
ネルを作製することができる。
【0182】
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成されたウィスカー状の電子放出部
からなる電界放出素子を形成する。本実施の形態により、半導体膜の結晶化条件によって
結晶粒界を制御することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御す
ることが可能となる。また、複雑な工程を経ずとも、大面積基板上に電界放出素子を形成
することができる。
【0183】
(実施の形態11)
本実施の形態では、実施の形態8〜実施の形態10と同様に二極管型FEDの電界放出
素子、及びその電界放出素子を有する表示装置を示す。具体的には、第1の基板上に形成
されたストライプ状のカソード電極と、第2の基板に形成されたストライプ状のアノード
電極とが交差している点において、電子放出部が形成されている電界放出素子及びそれを
有する電界表示装置について図19及び図20を用いて述べる。なお、本実施の形態では
、電子放出部の作製工程に、実施の形態8で述べた電子放出部の作製工程を適応しおり、
電子放出部はウィスカー状である。この工程に、実施の形態9又は実施の形態10の工程
を適応してもよい。
【0184】
図19は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板1200上に半導
体膜で形成されたストライプ状のカソード電極1202と、第2の基板1203に形成さ
れたストライプ状のアノード電極1207とが、ある間隔を介して交差している。この点
において、電子放出部1205が形成されている。なお、図19においては、カソード電
極とアノード電極との交点には、ウィスカー状の電子放出部が形成されているが、これは
模式的に表したものであって、より多くの電子放出部を形成してもよい。
【0185】
図20は、図19のト−ト’の断面図である。図20を用いて、本実施の形態のカソー
ド電極及び電子放出部の作製方法を示す。なお、図19と同じ部分は同じ符号を用いて示
す。
【0186】
図20(A)に示すように、実施の形態10と同様に、第1の基板1200上に絶縁膜
1201を形成し、公知の方法(CVD法、PVD法等)より非晶質半導体膜1601を
形成したのちCVD法により2〜5nmの金属薄膜1602を形成する。該金属薄膜には、A
u、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeで形成された薄膜を形成することができる。
【0187】
こののち、レーザ光を照射して結晶性半導体膜を形成する。このとき、結晶性半導体膜
中の結晶粒界(三重点)の表面には金属元素または金属珪化物1607が偏析する。この
ときのレーザ光は、実施の形態9と同様のものを用いることができる(図20(B))。
【0188】
次に、結晶性半導体膜をエッチングしてストライプ状の結晶性半導体膜1202を形成
する。なお、これらの工程に代えて、結晶性半導体膜をストライプ状にエッチングしてか
らレーザ光を照射して結晶粒界を形成しても良い。(図20(B))。
【0189】
次に、結晶性半導体膜1202及び偏析した金属元素または金属珪化物1607の表面
を水素化した後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法により
ウィスカー状の電子放出部を形成する。本実施の形態においては、0.1%のシランガス
雰囲気で400〜600℃で加熱することで、金属元素または金属珪化物と気相中の半導
体元素とが反応し結晶性半導体膜の粒界(三重点)の表面に、半導体元素がウィスカー状
に析出する。なお、電子放出部の先端又は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFe
金属元素若しくはこれらの金属元素を有する金属珪化物1608が凝集している。(図2
0(C))。
【0190】
このとき、導電性を高めるために半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加すること
が好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P
)または砒素(As)を用いることができる。
【0191】
次に、図19に示すように、第2の基板1203に公知の手法により蛍光体層1206
を形成し、その上に膜厚0.05〜0.1μmの導電膜を形成して、ストライプ状のアノ
ード電極1207を形成する。該導電膜には、実施の形態8と同様の導電膜を適応するこ
とができる
【0192】
蛍光体層は、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなり、これらの蛍光体層
1組でひとつのピクセルとなる。なお、各蛍光体層の間に、コントラストを高めるためブ
ラックマトリクスを形成することが好ましい。アノード電極は、各蛍光体層上に形成され
ていてもよく、また、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、及び緑色蛍光体層からなるピクセル
上に形成されていてもよい。
【0193】
本実施の形態で形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部
材とで囲まれた部分を減圧し電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
【0194】
本実施の形態における駆動方法は、パッシプ型の駆動方法である。図19において、第
1の基板1200に形成されたカソード電極1202は、カソード電極駆動回路に接続さ
れており、第2の基板1203に形成されたアノード電極1207はアノード電極駆動回
路に接続されている。カソード電極駆動回路及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上
の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路を用いることもでき
る。カソード電極駆動回路からカソード電極を通じて相対的に負電圧が印加され、アノー
ド電極にはアノード電極駆動回路から相対的に正電圧が印加される。これらの電圧印加に
よって生じた電界に応じ、電子放出部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放出さ
れ、アノード電極に誘導される。この電子が、アノード電極に形成された蛍光体層に衝突
することにより、蛍光体層が励起されて発光し表示を得ることができる。
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
【0195】
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成されたウィスカー状の電子放出部
からなる電界放出素子を形成する。本実施の形態により、半導体膜の結晶化条件によって
結晶粒界を制御することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御す
ることが可能となる。また、複雑な工程を経ずとも大面積基板上に電界放出素子を形成す
ることができる。
【0196】
(実施の形態12)
本実施の形態では、三極管型FEDの電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装
置について、図21及び図22を用いて説明する。なお、本実施の形態で述べる電界放出
素子は、(1)ストライプ状にエッチングされ、かつn型の導電性を有する半導体膜で形
成されるカソード電極、(2)絶縁膜を介してカソード電極と交差するゲート電極、(3
)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、カソード電極の表面に形成された凸部の電子
放出部、を含む。なお、本実施の形態では、電子放出部の作製工程に、実施の形態8を適
応しているが、実施の形態9又は実施の形態10の工程を適応してもよい。この場合、電
子放出部はウィスカー状である。
【0197】
図21は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板1501上には、
半導体膜で形成されたストライプ状のカソード電極1502と、該カソード電極と直交し
ているストライプ状のゲート電極1503とが形成されている。なお、カソード電極とゲ
ート電極とは、絶縁膜(図示しない。)を介して、形成されている。カソード電極と、ゲ
ート電極との交点には開口部1507が形成されており、該開口部においてカソード電極
の表面にウィスカー状の電子放出部1508が形成されている。第2の基板1505には
蛍光体層1510とアノード電極1511とが形成されている。
【0198】
図22は、図21のチ−チ‘の断面図である。図22を用いて、本実施の形態の電界放
出素子の作製方法を示す。
【0199】
図22(A)に示すように、実施形態8と同様に第1の基板1501上に第1の絶縁膜
1701を形成する。第1の絶縁膜により、ガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属が
拡散するのを防ぐことができる。第1の絶縁膜上に公知の方法(CVD法、PVD法等)
より非晶質半導体膜1703を形成する。このときの、半導体膜の膜厚は0.03〜0.
3μmの範囲にとすることが望ましいが、かかる範囲に限定するものではない。次に非晶
質半導体膜1703表面にAu、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFe含む溶液を塗布する。この
後、500〜650℃に加熱して結晶性半導体膜を形成する。
【0200】
この後、図22(B)に示すようにカソード電極を形成する部分に、公知のフォトリソ
グラフィー工程によりレジストマスクを形成した後、結晶性半導体膜の一部をエッチング
し、ストライプ状のカソード電極である結晶性半導体膜1502を形成する。
【0201】
次に、カソード電極である結晶性半導体膜1502上に第2の絶縁膜1705を形成す
る。第2の絶縁膜としては、実施の形態4と同様のものを用いることができる。
【0202】
次に、導電性を高めるために半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加する。n型を
付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As
)を用いることができる。なお、n型不純物を添加する工程は、第2の絶縁膜を形成する
前でもよい。
【0203】
次に、導電膜1706を形成する。導電膜としては、実施の形態4と同様の物を用いる
ことができる。導電膜にレジストマスクを形成してパターニングを行い、導電膜の不要な
部分を除去し、ストライプ状のゲート電極を形成する。
【0204】
次に、図22(C)に示すように、ストライプ状のカソード電極とストライプ状のゲー
ト電極とが第2の絶縁膜を介して交差する領域において、開口部1507を形成する。所
望の形状に、レジストマスクを形成した後、ストライプ状のゲート電極と第2の絶縁膜と
を任意の形状にエッチングして半導体膜を露出させ、開口部1507を形成する。この工
程において、第2の絶縁膜が残存しないように結晶性半導体膜をオーバーエッチングする
。このため、結晶性半導体膜表面に偏析した金属元素または金属珪化物(図示しない)は
除去される。
【0205】
次に、結晶性半導体膜表面に2〜5nmのAu、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeで形成さ
れる金属薄膜1707を形成する。本実施の形態では、金薄膜を形成する。この後、レー
ザ光を照射すると、結晶粒界(三重点)に金属元素または金属珪化物1710が析出する
(図22(D))。
【0206】
次に、結晶性半導体膜及び結晶粒界の金属元素または金属珪化物表面を水素化処理した
後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法によりウィスカー状
の電子放出部を形成する。本実施の形態においては、0.1%のシランガス雰囲気で40
0〜600℃で加熱することで、金属元素または金属珪化物と気相中の半導体元素とが反
応し、ウィスカー状の結晶性半導体膜1508が形成される。なお、電子放出部の先端又
は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFe金属元素若しくはこれらを有する金属珪
化物1712が凝集している。
【0207】
なお、図21において、カソード電極とゲート電極との交点1509においては、2×
2個の開口部が記載されているがこれに限られるものはなく、一つの開口部又は多数の開
口部が形成されていても良い。
【0208】
また、半導体膜1502と第1の絶縁膜1701との間にストライプ状で半導体膜に接
している金属元素膜をカソード電極として形成してもよい。カソード電極の材料としては
、実施の形態9と同様のものを用いることができる。
【0209】
以上の工程により、第1の基板上にウィスカー状の電子放出部を有する電界放出素子を
形成することができる。
【0210】
図12に示すように、第2の基板1505に公知の手法により蛍光体層1510を形成
し、その上に膜厚0.05〜0.1μmのアノード電極511を形成する。アノード電極
は、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、または、ITO(酸化イン
ジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23)―ZnO)、酸化亜鉛
(ZnO)等の透明導電膜を公知の手法により成膜する。本実施の形態では、アノード電
極は、ストライプ状、矩形型のマトリクス状、またはシート状でもよい。蛍光体層は、赤
色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなり、これらの蛍光体層1組でひとつのピ
クセルとする。なお、各蛍光体層の間に、コントラストを高めるためブラックマトリクス
1512を形成することが好ましい。また、アノード電極となる導電膜に、アルミニウム
、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、またはこれらの金属元素を含む合金薄膜を用
いた場合、蛍光体の発光を第2の基板側へ反射させるため、表示画面の輝度を向上させる
ことができる。
【0211】
本実施の形態で形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部
材とで囲まれた部分を減圧し、電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
【0212】
本実施の形態における駆動方法は、パッシプ型の駆動方法である。カソード電極150
2は、カソード電極駆動回路に接続されており、ゲート電極1503はゲート電極駆動回
路に接続されており、アノード電極1511はアノード電極駆動回路に接続されている。
ゲート電極駆動回路、カソード電極駆動回路、及びアノード電極駆動回路は、第1の基板
上の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路用いることもでき
る。カソード電極駆動回路からカソード電極を通じで相対的に負電圧(例えば、0kV)が
印加され、ゲート電極には、ゲート電極駆動回路から相対的に正電圧(例えば、50V)が
印加される。これらの電圧印加によって生じた電界に応じ、凸部の先端から量子トンネル
効果に基づき電子が放出される。アノード電極には、アノード電極駆動回路により、ゲー
ト電極に印加される正電圧よりも高い電圧(例えば、5kV)が印加され、電子放出部から
放出された電子を、アノード電極に形成された蛍光体層に誘導する。該電子が蛍光体層に
衝突することにより、蛍光体層が励起され発光し表示を得ることができる。なお、本実施
の形態において、第1の基板上に、電界放出素子と同時に、カソード電極駆動回路及びゲ
ート電極駆動回路形成することも可能である。
【0213】
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
【0214】
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積基板上に電界放出素子を形成するこ
とができる。また、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界を制御することができるため
、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが可能となる。
【0215】
(実施の形態13)
本実施の形態では、三極管型FEDの電界放出素子及びそれを有する電界放出表示装置
について、図23及び図24を用いて説明する。本実施の形態で述べる電界放出素子は、
(1)ソース領域及びドレイン領域を有し、所望の形状にエッチングされた半導体膜、(
2)半導体膜のソース領域に接するストライプ状にエッチングされたソース配線、(3)
絶縁膜を介してソース配線と交差し、半導体膜のソース領域及びドレイン領域の間のキャ
リア濃度を制御するゲート電極、(4)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、半導体
膜のドレイン領域表面に形成された凸形状、即ちウィスカー状の電子放出部を含む。また
、本実施の形態において、カソード電極は少なくともドレイン領域を含む。
【0216】
実施の形態4又は実施の形態12に示すように、第2の基板1907には、蛍光体層1
908とアノード電極1909とが形成されている。
【0217】
図24は、図23のリ−リ‘の断面図である。図24を用いて、本実施の形態の電界放
出素子の作製方法を示す。
【0218】
図24(A)に示すように第1の基板1901上に第1の導電膜を形成したのち、レジ
ストマスクを用いてストライプ状のソース配線1902を形成する。第1の基板としては
、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板、表面
に絶縁膜が形成された金属基板などを用いることができる。基板の大きさは、任意である
が600mm×720mm、680mm×880mm、1000mm×1200mm、1
100mm×1250mm、1150mm×1300mm、1500mm×1800mm
、1800mm×2000mm、2000mm×2100mm、2200mm×2600
mm、または2600mm×3100mmのような大面積基板を用いることができる。
【0219】
次に、第1の絶縁膜を形成した後、絶縁膜をCMP等で研磨して平坦化しながらソース
配線を露出しながら、該配線間を絶縁膜2001で埋め込む。絶縁膜2001及びソース
配線1902上に、公知の方法(CVD法、PVD法等)より非晶質半導体膜を形成する
。この後、非晶質半導体膜を公知の手法により結晶化したのちエッチングして、所望の形
状の結晶性半導体膜1903を形成する。なお、第1の基板上にソース配線を形成する前
に、ナトリウム(Na)などガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属をブロッキングす
るための絶縁膜を形成してもよい。
【0220】
次に、結晶性半導体膜1903にレジストマスク(図示しない。)を形成した後、n型を
付与する不純物元素として15族に属する元素を添加してソース領域2002およびドレ
イン領域2003を形成する。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典
型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
【0221】
次に、図24(B)に示すように、半導体膜及び第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜200
4を形成する。第2の絶縁膜としては、実施の形態12と同様のものを用いることができ
る。
【0222】
次に、第2の導電膜2005を形成する。第2の導電膜としては、実施の形態11の導
電膜(図22(B)の領域1706)と同様のものを用いることができる。導電膜にレジス
トマスクを形成してパターニングを行い、導電膜の不要な部分を除去し、ソース配線と、
半導体膜及び第2の絶縁膜2004を介して交差する第2の導電膜2005を形成する。
【0223】
次に、図24(C)に示すように、ドレイン領域上に形成された第2の導電膜及び第2
の絶縁膜をエッチングして、半導体膜の一部を露出させ、開口部1905を形成すると共
に、ゲート電極1904を形成する。
【0224】
次に、開口部1905の結晶性半導体膜表面及び第2の導電膜上に2〜5nmのAu、Al
、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeで形成される薄膜1907を形成した後、加熱する。この工
程により、半導体元素と金属元素とが溶融し、結晶粒界(三重点)に金属元素または金属
珪化物1910が析出する。(図24(D))。
【0225】
次に、図24(E)に示すように、結晶性半導体膜及び結晶粒界に析出した金属元素また
は金属珪化物の表面を水素化した後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラ
ズマCVD法によりウィスカー状の電子放出部を形成する。本実施の形態においては、0
.1%のシランガス雰囲気で400〜600℃で加熱することで、金属元素または金属珪
化物と気相中の半導体元素とが反応し、ウィスカー状の結晶性半導体膜1906が形成さ
れる。なお、電子放出部の先端又は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFe金属元
素若しくはこれらを有する金属珪化物1911が凝集している。
【0226】
以上の工程により、第1の基板に電界放出素子を形成することができる。なお、電界放
出素子のON、OFFをより正確に制御するために、各電界放出素子に薄膜トランジスタ
やダイオード等のスイッチング素子を別途設けてもよい。また、ゲート電極を、実施の形
態5のようにくし型としてもよい。
【0227】
上記の工程により形成した第1の基板と、実施の形態11と同様の工程により形成した
第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧して電界放出
表示装置の表示用パネルを形成する。
【0228】
この後、実施の形態5と同様の工程により、電界放出表示装置を形成する。
【0229】
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積基板上に電界放出素子を形成するこ
とができる。また、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界を制御することができるため
、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが可能となる。さらに、本実施
の形態で形成される電界放出表示装置は、各画素においてスイッチング素子のドレイン領
域に電子放出部が形成されている。このため、各画素において、電子の放出を制御するこ
とが可能であるため、高精細な表示装置を形成することができる。
【0230】
(実施の形態14)
本実施の形態では、三極管型FEDの電界放出素子及びそれを有する電界放出表示装置に
ついて、図25及び図26を用いて説明する。ここで述べる電界放出素子は、(1)ソー
ス領域及びドレイン領域を有し、所望の形状にエッチングされた半導体領域、(2)半導
体領域のソース領域に接するソース配線、(3)絶縁膜を介してソース配線と交差し、半
導体膜のソース領域及びドレイン領域の間のキャリア濃度を制御するゲート電極及びゲー
ト配線、(4)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、かつ半導体領域のドレイン領域
表面にウィスカー状の電子放出部、を含む。
【0231】
第2の基板2205には、実施の形態4又は実施の形態12に示すように、蛍光体層2
206とアノード電極2207とが形成されている。
【0232】
図26は、図25のヌ−ヌ‘の断面図である。図26を用いて、本実施の形態の電界放
出素子の作製方法を示す。
【0233】
図26(A)に示すように第1の基板2200上に第1の絶縁膜を2211形成する。
次に実施の形態1で述べたような公知の手法により結晶性半導体膜を形成し、この一部を
エッチングして所望の形状の半導体領域(図25の領域2201)を形成する。
【0234】
次に、第2の絶縁膜2212を公知の手法で形成する。第2の絶縁膜2212は、珪素
と酸素を主成分とする膜(酸化ケイ素膜、窒化酸化ケイ素膜、酸化窒化珪素膜等)で形成
する。
【0235】
次に、第1の導電膜を形成する。第1の導電膜としては、実施の形態4の第1の導電膜
603と同様の材料で形成することができる。次に、第1の導電膜にレジストマスクを形
成してパターニングを行い、不要な部分を除去し、ゲート電極2202を形成する。次に
、ゲート電極をマスクとして結晶性半導体膜の一部に、n型を付与する不純物を添加して
ソース領域及びドレイン領域2201a、2201bを形成する。
【0236】
次に、図26(B)に示すように、第3の絶縁膜2221を形成する。第3の絶縁膜と
しては、実施形態4に示す第2の絶縁膜602と同様の材料で形成することができる。
【0237】
次に、第3の絶縁膜2221及び第2の絶縁膜2211の一部をエッチングし、第2の
導電膜を成膜する。次に、この第2の導電膜を所望の形状にエッチングしてソース配線2
203を形成する。
【0238】
次に、図26(C)に示すように、第3の絶縁膜上に第4の絶縁膜2231を成膜した
後、第4の絶縁膜、第3の絶縁膜、及び第2の絶縁膜の一部をエッチングして、半導体領
域の一部を露出する。この後、公知の手法(CVD法、PVD法等)により膜厚2〜5n
mの金属薄膜2232を形成する。この金属元素としては、ニッケル(Ni)、鉄(Fe
)、コバルト(Co)、白金(Pt)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)等を用いる
ことが可能である。本実施形態では、金薄膜を成膜する。
【0239】
次に、図26(D)に示すように、100〜1100度、好ましくは400〜650度で
1〜5時間加熱して、結晶粒界(三重点)に金属元素または金属珪化物2208を析出す
る。
【0240】
次に、図26(E)に示すように、結晶性半導体膜及び結晶粒界に析出した金属元素また
は金属珪化物の表面を水素化した後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラ
ズマCVD法によりウィスカー状の電子放出部を形成する。本実施の形態においては、0
.1%のシランガス雰囲気で400〜600℃で加熱することで、金属元素または金属珪
化物と気相中の半導体元素とが反応し、ウィスカー状の結晶性半導体膜2204が形成さ
れる。なお、電子放出部の先端又は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeの金属
元素若しくはこれらを有する金属珪化物2209が凝集している。
【0241】
なお、図25においては、図26で示される第1の絶縁膜2211、第2の絶縁膜221
2、第3の絶縁膜2221、第4の絶縁膜2231は省略している。
【0242】
また、電界放出素子のON、OFFをより正確に制御するために、各電界放出素子に薄
膜トランジスタやダイオード等のスイッチング素子を別途設けてもよい。また、絶縁膜、
例えば第3又は第4の絶縁膜上に、電子放出部から放出される電子量を制御するための制
御電極を設けても良い。この構造により、電子放出量の安定性及び制御性を高めることが
可能である。
【0243】
本実施形態では、電界放出素子をトップゲート構造を用いて記載したが、これに限られず
、ボトムゲート構造でも同様に電界放出素子を形成することができる。
【0244】
上記の工程により形成した第1の基板と、第2の基板2205とを封止部材で接着し、
基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧して電界放出表示装置の表示用パネルを形成する

【0245】
この後、実施の形態4または実施の形態12に示すように、電界放出表示装置を形成す
る。
【0246】
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積基板上に電界放出素子を形成するこ
とができる。また、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界を制御することができるため
、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが可能となる。さらに、本実施
の形態で形成される電界放出表示装置は、各画素においてスイッチング素子のドレイン領
域に電子放出部が形成されている。このため、各画素において、電子の放出を制御するこ
とが可能であるため、高精細な表示装置を形成することができる。
【実施例1】
【0247】
本実施例では、実施の形態2に基づいて円錐形の電子放出部を有する電界放出素子を形
成する工程を図3を用いて述べる。
【0248】
まずはじめに、第1の基板200に絶縁膜201を形成する。ここでは、SiH4、N
3、及びN2Oを反応ガスとしてプラズマCVDにより成膜され窒素含有量が酸素含有量
よりも多い又は同程度の第1酸窒化シリコン膜(膜厚50nm)と、SiH4、及びN2Oを
反応ガスとしてプラズマCVDにより成膜され酸素含有量が窒素含有量よりも多い第2酸
窒化シリコン膜(膜厚100nm)とを積層して形成する。
【0249】
次に、半導体膜として減圧CVD法を用いて膜厚50nmのアモルファスシリコン膜を
形成する。次に、アモルファスシリコン膜の導電性を高めるために、n型を付与する不純
物元素を添加する。ここでは、n型を付与する不純物元素として1×1020/cm3のリン
(P)を用い、n型のアモルファスシリコン膜301を形成する。
【0250】
次に、カソード電極を形成する部分にレジストマスク302を形成した後、エッチング
して不要な部分を除去し、ストライプ状のアモルファスシリコン膜202を形成する。次
いで、窒素雰囲気で500℃1時間の加熱を行い、アモルファスシリコン膜の脱水素化を
行う。
【0251】
次に、熱処理により表面に形成された酸化膜を除去した後、レーザ光を照射し、アモル
ファスシリコン膜に凸部を形成する。本実施例では、レーザ光にパルス発振のXeClレ
ーザ光を用い、エネルギー密度を485mJ/cm2、周波数30Hz、照射パルス回数を60
回として結晶性シリコン膜にレーザ光を照射する。この結果、アモルファスシリコン膜全
面に、底面の直径が80〜200μm、高さ(円錐体の底面と頂点との高低差)が250〜
350nmの円錐体が10/μm2の密度で形成される。
【0252】
以上の工程により、円錐形の電子放出部を形成することができる。
【実施例2】
【0253】
本実施例では、実施の形態4に基づいて円錐形の電子放出部を有する電界放出素子を形
成する工程を図6を用いて述べる。
【0254】
まずはじめに、基板501上に絶縁膜601を形成する。絶縁膜は、実施例1と同様に
形成することができる。
【0255】
次に、減圧CVD法を用いて膜厚50nmのアモルファスシリコン膜を形成する。この
後、アモルファスシリコン膜を結晶化させ、結晶性シリコン膜を形成する。本実施例では
、アモルファスシリコン膜に、結晶化を助長する金属元素を全面に添加し、加熱処理を行
う。ここでは、結晶化を助長する金属元素としてニッケルを用い、ニッケルを5ppm含
有する溶液を塗布する。次いで、500℃1時間の加熱を行い、アモルファスシリコン膜
の脱水素化を行う。こののち、ランプ光源を用いるラピッドサーマルアニール法(以下、
RTAと示す。)、又は加熱された気体を用いるRTA(ガスRTA)を用い設定加熱温
度740℃で180秒のRTAを行い、結晶性シリコン膜を形成する。この後、結晶性シ
リコン膜に添加した金属元素を除去する。
【0256】
次に、結晶性シリコン膜の導電性を高めるために、n型を付与する不純物元素を添加す
る。ここでは、n型を付与する不純物元素として1×1020/cm3のリン(P)を用い、
n型の結晶性シリコン膜を形成する。
【0257】
次に、カソード電極を形成する部分にレジストマスク(図示しない。)を形成した後、エ
ッチングして不要な部分を除去し、ストライプ状の結晶性シリコン膜502を形成する。
【0258】
次に、減圧CVD法によりゲート絶縁膜となる第2の絶縁膜602を形成した後、ゲー
ト電極となる導電膜603を堆積する。本実施例では、第2の絶縁膜602として酸化シ
リコン膜を形成し、導電膜603として、タングステンからなる金属元素膜を形成する。
こののち、ドライエッチングによって、ストライプ状のゲート電極503を形成すると共
に開口部507を形成する。
【0259】
次に、レーザ光610を照射し、結晶性シリコン膜に凸部を形成する。本実施例では、
レーザ光にパルス発振のXeClレーザ光を用い、エネルギー密度を485mJ/cm2、周
波数30Hz、照射パルス回数を60回として結晶性シリコン膜にレーザ光を照射する。こ
の結果、結晶性シリコン膜全面に、底面の直径が80〜200μm、高さが250〜35
0nmの円錐体が10/μm2の密度で形成形成される。
【0260】
この後、第2の絶縁膜を等方的にエッチングし、ゲート電極の開口端を露出させる。
【0261】
以上の工程により、円錐形の電子放出部を形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を有する基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜に金属元素を添加し、300〜650℃の加熱又はレーザ光照射により前記半導体膜を結晶化すると共に、該結晶化された半導体膜の結晶粒界において前記金属元素を偏析させたのち、
半導体元素を含む気体雰囲気での400〜650℃の加熱処理により、前記金属元素が偏析した領域表面においてウィスカー状の半導体膜の電子放出部を形成することを特徴とする電界放出素子の作製方法。
【請求項2】
請求項1において、前記半導体膜をストライプ状に形成した後、400〜650℃の前記加熱処理を行うことを特徴とする電界放出素子の作製方法。
【請求項3】
絶縁性を有する基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜をストライプ状に形成した後、絶縁膜を成膜し、
前記絶縁膜上に第1の導電膜を成膜した後、前記半導体膜と交差するように前記第1の導電膜をエッチングし、
前記第1の導電膜及び前記絶縁膜の一部を除去して前記半導体膜を露出させた後、前記半導体膜に金属元素を添加し、300〜650℃の加熱又はレーザ光照射により前記半導体膜の結晶粒界において前記金属元素を偏析させたのち、
半導体元素を含む気体雰囲気での400〜650℃の加熱処理により、前記金属元素が偏析した領域表面においてウィスカー状の半導体膜の電子放出部を形成することを特徴とする電界放出素子の作製方法。
【請求項4】
絶縁性を有する基板上に、ストライプ状の第1の導電膜を形成し、
前記第1の導電膜の間に第1の絶縁膜を成膜した後、前記第1の導電膜及び前記第1の絶縁膜上に半導体膜を成膜し、
前記半導体膜を所望の形状に形成した後、第2の絶縁膜を成膜し、
前記第2の絶縁膜上に第2の導電膜を成膜したのち、前記第2の導電膜及び前記第2の絶縁膜の一部を除去して前記半導体膜を露出させた後、前記半導体膜に金属元素を添加し、300〜650℃の加熱又はレーザ光照射により前記半導体膜の結晶粒界において前記金属元素を偏析させたのち、
半導体元素を含む気体雰囲気での400〜650℃の加熱処理により、前記金属元素が偏析した領域表面においてウィスカー状の半導体膜の電子放出部を形成し、
前記第1の導電膜と前記半導体膜は接していることを特徴とする電界放出素子の作製方法。
【請求項5】
絶縁性を有する基板上に半導体膜を成膜し、
前記半導体膜を所望の形状に形成した後、絶縁膜を成膜し、
前記絶縁膜上に所望の形状のゲート電極を形成したのち、前記絶縁膜の一部を除去して前記半導体膜を露出させた後、前記半導体膜に金属元素を添加し、300〜650℃の加熱又はレーザ光照射により前記半導体膜の結晶粒界において前記金属元素を偏析させたのち、
半導体元素を含む気体雰囲気での400〜650℃の加熱処理により、前記金属元素が偏析した領域表面においてウィスカー状の半導体膜の電子放出部を形成することを特徴とする電界放出素子の作製方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、前記金属元素を添加する方法は、塗布法、PVD法、又はCVD法であることを特徴とする電界放出素子の作製方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、前記半導体元素を含む気体は、ポリシランを含むことを特徴とする電界放出素子の作製方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、前記半導体膜にn型を付与する不純物を添加することを特徴とする電界放出素子の作製方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、前記金属元素は、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeの金属元素であることを特徴とする電界放出素子の作製方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−108942(P2010−108942A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291532(P2009−291532)
【出願日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【分割の表示】特願2003−430839(P2003−430839)の分割
【原出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】