説明

電磁クラッチ及び電磁ブレーキ

【課題】電磁コイルを形成する導線と通電用リード線とが金属端子を介して接続されることで、当該工程を機械により施行可能な低コストの電磁クラッチ及び電磁ブレーキの提供。
【解決手段】電磁クラッチ及び電磁ブレーキが備える界磁ヨークの溝には、ボビンが挿入されている。ボビンの巻取部には電磁コイルが巻回されている。電磁コイルは、巻取部の半径方向に延出された隔壁によって巻取部に位置決めされている。電磁コイルの巻き始め部及び巻き終わり部は、一方の隔壁における巻取部とは反対側の面に延出され、隔壁に設けられた2つの金属端子の一方とそれぞれ電気的に接続されている。2つの金属端子からは、通電用リード線がそれぞれ延出されている。2本の通電用リード線は、界磁ヨークの溝の奥部に開口された貫通孔から外部に引き出されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁コイルを形成する導線と通電用リード線とが金属端子を介して接続される電磁クラッチ及び電磁ブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
回転運動を伝達する機械において、駆動側から被駆動側へトルクを伝達したり切断したりするために、クラッチが使用されている。また、クラッチと類似の構造において、被駆動側が固定されることにより、その被駆動側と接続された駆動側の回転運動が制止される。このようなものはブレーキとして使用される。つまり、クラッチとブレーキとは用途が異なるものの構造が類似しており、一般にクラッチ・ブレーキと呼ばれることがある。
【0003】
クラッチ及びブレーキは、主に自動車や鉄道等に広く使用されている。従来より、油圧や空圧により駆動側と被駆動側とが接離するように動作させるクラッチ及びブレーキが知られている。また電磁誘導を利用して駆動側と被駆動側とが接離するように動作させるものも知られている。電磁誘導を利用したクラッチ及びブレーキは、電磁クラッチ及び電磁ブレーキと称される。
【0004】
電磁クラッチは、電磁コイルが収容された界磁ヨーク、駆動側の軸と連動して回転するロータヨーク、及び被駆動側の軸と連動して回転するアマーチュア等から構成されている。
【0005】
電磁コイルに通電されると、ロータヨーク及びアーマチュア間に生じた磁束により、アーマチュアがロータヨークに吸引されて、クラッチが連結する。通電が切断されると、磁束が消滅して、アーマチュアが板バネ等によりロータから切り離されて、クラッチが切断される。電磁ブレーキの動作原理も、電磁クラッチとほぼ同様である。即ち、軸の回転と連動したアマーチュアが電磁コイルの磁束により界磁ヨークに吸引される。これにより、アマーチュアと界磁ヨークとの間に摩擦が生じて、アマーチュアの回転が制止される。
【0006】
電磁クラッチ及び電磁ブレーキは、応答性、信頼性、操作性、及び経済性の点で、油圧や空圧によるクラッチ及びブレーキより優れている。電磁クラッチ及び電磁ブレーキは、主として、機械の起動や停止、正逆転の切り換え、インチング、及び張力制御等において使用されている。
【0007】
電磁クラッチとして、高速回転時におけるトルク損失を低下させ、クラッチの応答性の低下を抑制するために、回転速度に応じてクラッチ板の離間距離を変化させることにより、オイルの粘性抵抗を低減するものが知られている。(特許文献1を参照。)
【0008】
電磁ブレーキとして、可動鉄心、コイル、及びバネからなるブレーキ電磁石、ブレーキ電磁石よりも時間応答性の速い動作アシスト手段としての圧電素子を備え、圧電素子が、制動指令に基づき、固定鉄心と可動鉄心との間に僅かな隙間が空くように可動鉄心を持ち上げることにより、早期に制動動作を開始することができるものが知られている。(特許文献2を参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−147159号公報
【特許文献2】特開2008−286333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
電磁クラッチ及び電磁ブレーキにおいて、電磁コイルの巻き始め部及び巻き終わり部は、通電用リード線に接続される。通電用リード線は外部の制御回路に接続されており、制御回路から入力される電流に基づき、電磁コイルにより生ずる磁界が制御される。
【0011】
従来は、電磁コイルと通電用リード線との接続は、例えば以下のような手順により行われていた。巻き終わった電磁コイルの外周に絶縁テープなどを巻く。電磁コイルとリード線をハンダ付け等で電気的に接続する。電磁コイルとリード線との接続部を絶縁チューブ等で被い絶縁する。接続部を絶縁テープの外周に仮固定し、さらにその外周を粘着性絶縁テープで被う。通電用リード線と一体となった電磁コイルを界磁ヨークに装着する。
【0012】
前述された手順において、電磁コイルに用いられる銅線の巻き始め部及び巻き終わり部と、いわゆる撚り線である通電用リード線との接続を機械により行うことは困難なので、手作業により行われている。
【0013】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電磁コイルの巻き始め部及び巻き終わり部と通電用リード線との接続を機械により行うことが可能な電磁クラッチ及び電磁ブレーキを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1) 本発明に係る電磁クラッチは、環状の溝を有し、当該溝の奥部に貫通孔を有した界磁ヨークと、円筒状の巻取部の両端に半径方向に延出された一対の隔壁を有し、当該一対の隔壁のうちの一方における巻取部と反対側の面に、少なくとも2つの金属端子を有し、当該金属端子が上記界磁ヨークの上記貫通孔に位置する状態に上記溝に挿入されたボビンと、上記巻取部に巻回された電磁コイルと、上記巻取部の中心を通る軸線の軸周りにおいて上記界磁ヨークの溝が開口する側に設けられており、上記軸線を中心に回転するロータヨークと、上記軸線の軸周りにおいて上記ロータヨークに対して上記界磁ヨークと反対側に設けられており、上記電磁コイルが生じる磁界に基づいて上記ロータヨークに対して接離し、接合状態において上記ロータヨークと共に回転するアマーチュアと、を備え、上記電磁コイルの巻き始め部及び巻き終わり部は、各々が上記巻取部から上記隔壁を跨いで上記金属端子側に延出されて、相互に異なる上記各金属端子に対してそれぞれが電気的に接続されており、上記各金属端子から、上記巻き始め部及び巻き終わり部とそれぞれが電気的に接続された一対の通電用リード線が上記貫通孔を通じて外部に延出されたものである。
【0015】
導線と通電用リード線とが金属端子を介して電気的に接続されることで、従来は手作業により行われていた導線と通電用リード線との接続を機械により施行可能となり、電磁クラッチの低コスト化が可能となる。
【0016】
また、金属端子は、一方の隔壁における巻取部とは反対側の面に設けられており、導線の巻き始め部及び巻き終わり部は、それぞれ巻取部から隔壁を跨いで金属端子に接続されている。即ち、導線と通電用リード線との接続が、隔壁を跨いだ巻取部の外部で行われている。これにより、電磁コイルの外周で接続を行う従来の方法と比較し、巻取部の外周の空間により多くの巻き数が確保される。従って、必要な巻き数が確保されるために要する巻取部の外径は小さくなり、電磁クラッチの小型化が可能となる。
【0017】
(2) 本発明に係る電磁クラッチにおいて、上記各金属端子は、上記一対の隔壁のうちの一方における巻取部と反対側の面に形成された突起部から相反する向きへそれぞれ延出された棒状の部材であり、上記巻き始め部又は上記巻き終わり部と、上記通電用リード線とは、上記突起部に対して相反する向き側に配置されて、上記金属端子に接続されたものであってもよい。
【0018】
ここで、本発明における棒状の部材とは、必ずしも直線状である必要はなく、棒状の部材の少なくとも一部が湾曲されたものを含む。
【0019】
導線及び通電用リード線は金属端子の異なる位置にそれぞれ接続されるため、先に接続された導線又は通電用リード線が後から接続されるもう一方を阻害することなく、接続が容易に行われる。また、金属端子は棒状の部材であることから、導線及び通電用リード線の接続はより容易に行われる。特に、導線及び通電用リード線を金属端子に巻き付けたりハンダ付け又は溶接することが機械により容易に施行可能となる。
【0020】
(3) 本発明に係る電磁クラッチにおいて、上記各金属端子は、上記一対の隔壁のうちの一方に支持されて、端部がそれぞれ上記隔壁における巻取部と反対側の面の異なる位置より突出された棒状の部材であり、上記巻き始め部又は上記巻き終わり部と、上記通電用リード線とは、上記金属端子における相互に異なる端部に接続されたものであってもよい。
【0021】
金属端子への巻き始め部及び巻き終わり部の巻回の際、巻回に使用される自動巻線装置のノズルは、金属端子周りに回転されることとなる。金属端子が隔壁から垂直に突出されているため、金属端子周りにおいてノズルが回転される空間を確保することが容易である。
【0022】
(4) 本発明に係る電磁ブレーキは、環状の溝を有し、当該溝の奥部に貫通孔を有した界磁ヨークと、円筒状の巻取部の両端に半径方向に延出された一対の隔壁を有し、当該一対の隔壁のうちの一方における巻取部と反対側の面に、少なくとも2つの金属端子を有し、当該金属端子が上記界磁ヨークの上記貫通孔に位置する状態に上記溝に挿入されたボビンと、上記巻取部に巻回された電磁コイルと、上記巻取部の中心を通る軸線の軸周りにおいて上記界磁ヨークの溝が開口する側に設けられており、上記軸線を中心に回転し、上記電磁コイルが生じる磁界に基づいて上記界磁ヨークに対して接離することで、接合時における上記回転が抑止されるアマーチュアと、を備え、上記電磁コイルの巻き始め部及び巻き終わり部は、各々が上記巻取部から上記隔壁を跨いで上記金属端子側に延出されて、相互に異なる上記各金属端子に対してそれぞれが電気的に接続されており、上記各金属端子から、上記巻き始め部及び巻き終わり部とそれぞれが電気的に接続された一対の通電用リード線が上記貫通孔を通じて外部に延出されたものである。
【0023】
このような構成の電磁ブレーキには、上述された電磁クラッチ同様の効果が期待される。即ち、導線と通電用リード線との接続を機械により施行可能となり、電磁クラッチの低コスト化が可能となる。また、巻取部の外周の空間により多くの巻き数が確保され、電磁ブレーキの小型化が可能となる。
【0024】
(5) 本発明に係る電磁ブレーキにおいて、上記各金属端子は、上記一対の隔壁のうちの一方における巻取部と反対側の面に形成された突起部から相反する向きへそれぞれ延出された棒状の部材であり、上記巻き始め部又は上記巻き終わり部と、上記通電用リード線とは、上記突起部に対して相反する向き側に配置されて、上記金属端子に接続されたものであってもよい。
【0025】
これにより、上述された電磁クラッチ同様、導線及び通電用リード線の接続はより容易に行われ、特に導線及び通電用リード線を金属端子に巻き付けたりハンダ付け又は溶接することが機械により容易に施行可能となる。
【0026】
(6) 本発明に係る電磁ブレーキにおいて、上記各金属端子は、上記一対の隔壁のうちの一方に支持されて、端部がそれぞれ上記隔壁における巻取部と反対側の面の異なる位置より突出された棒状の部材であり、上記巻き始め部又は上記巻き終わり部と、上記通電用リード線とは、上記金属端子における相互に異なる端部に接続されたものであってもよい。
【0027】
これにより、金属端子周りにおいてノズルが回転される空間を確保することが容易となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る電磁クラッチ及び電磁ブレーキによると、電磁コイルを形成する導線と通電用リード線とが金属端子を介して接続されることで、当該工程を機械により施行可能となり、電磁クラッチ及び電磁ブレーキの低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る電磁クラッチ100の周方向と交差する平面における断面図である。
【図2】図2は、図1における界磁ヨーク110とボビン120を分離して示した断面図である。
【図3】図3は、図1におけるボビン120周辺を拡大した断面図である。
【図4】図4は、ボビン120の一部を駆動軸170側から観察した平面図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に係る電磁ブレーキ300の周方向と交差する平面における断面図である。
【図6】図6は、図3におけるボビン120を本発明の変形例に係るボビン520に置き換えた断面図である。
【図7】図7は、図4におけるボビン120を本発明の変形例に係るボビン520に置き換えた平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、適宜図面が参照されて、本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態が適宜変更できることは言うまでもない。例えば、各部材の寸法、コイルの巻き数、及びコイルに印加される電圧等は、本発明が適用される状況に応じて当業者が適宜選択するものである。
【0031】
[電磁クラッチ]
以下、本発明に係る電磁クラッチの実施形態が説明される。
【0032】
[電磁クラッチ100の概略構成]
電磁クラッチ100は、電磁コイル130が収容された界磁ヨーク110、駆動側からのトルクを受けるロータヨーク140、被駆動側にトルクを伝達するアマーチュア150、及びこれらを収容するハウジング160等から構成される。
【0033】
界磁ヨーク110は、周方向に沿った環状の溝112を有する環状の部材である。溝112には電磁コイル130が巻回されたボビン120が挿入されている。ボビン120の中心を通る軸線200の軸周りにおいて、界磁ヨーク110の溝112が開口する側には、ロータヨーク140が設けられている。ロータヨーク140に対して界磁ヨーク110と反対側には、アマーチュア150が設けられている。ロータヨーク140及びアマーチュア150は、それぞれ軸穴142、152を中央に有した環状の部材である。ロータヨーク140及びアマーチュア150は、軸穴142、152の中心が軸線200と一致するように配置され、それぞれ軸線200を中心に回転可能となっている。アマーチュア150は、軸線200方向に規定の範囲を移動自在に設けられており、ロータヨーク140に対して接離可能となっている。アマーチュア150は、板バネによってロータヨーク140と反対の方向に付勢されて、電磁クラッチ100の未使用時にはロータヨーク140と離間されている。界磁ヨーク110、ロータヨーク140、及びアマーチュア150は、それぞれ電磁綱板や鉄等の磁性体材料により製造されている。
【0034】
使用時において、電磁クラッチ100には、駆動側のトルクを電磁クラッチ100に伝達する駆動軸170、及びそのトルクを被駆動側に伝達する被駆動軸180が接続される。駆動軸170は、界磁ヨーク110に開口された中央孔114を通してしてロータヨーク140の軸穴142にトルクを伝達可能に挿入される。一方、被駆動軸180は、ロータヨーク140とは反対側からアマーチュア150の軸穴152にトルクを伝達可能に挿入される。即ち、駆動軸170及び被駆動軸180は、電磁クラッチ100を介して軸線200上に継合された状態となる。
【0035】
主要な部材のより詳細な説明が以下に示される。
【0036】
[界磁ヨーク110]
環状の界磁ヨーク110の中央には円柱状の窪みである凹部111が形成されており、凹部111の中央には界磁ヨーク110を軸線200方向に貫通する中央孔114が開口されている。後述されるロータヨーク140の凸部141が凹部111に挿入されて、ロータヨーク140は界磁ヨーク110に対して回転可能となっている。中央孔114は、駆動軸170が界磁ヨーク110を軸線200方向に貫通して、ロータヨーク140の軸穴142に接続されるためのものである。界磁ヨーク110には、周方向に沿った環状の溝112が凹部111と同じ側に開口され、溝112の奥部には界磁ヨーク110を軸線200方向に貫通する貫通孔113が開口されている。溝112の開口側から、電磁コイル130が巻回されたボビン120が挿入されて、ボビン120は溝112に収容されている。
【0037】
[ボビン120]
ボビン120は、主に樹脂等で製造されている。ボビン120には、円筒状の巻取部121の両端にそれぞれ半径方向に延出された隔壁122が形成されている。電磁コイル130は、巻取部121に巻回され、2つの隔壁122によって巻取部121に位置決めされている。一方の隔壁122における巻取部121と反対側の面(以下、外側の面とする)の外周付近には、2つの金属端子124を有した突起部123が形成されている。金属端子124は、銅等で形成された棒状の部材である。突起部123の穴に挿入された金属端子124は、中央周辺が突起部123に支持されて両端が露出された状態となっている。2つの金属端子124は、長手方向が隔壁122と平行になるように、互いに平行に配置されている。
【0038】
突起部123が形成された隔壁122の外周には2つのスリット125が設けられている。電磁コイル130の巻き始め部131及び巻き終わり部132は、それぞれ異なるスリット125を通して隔壁122の外側の面に延出され、互いに異なる金属端子122の露出された一端にそれぞれ電気的に接続されている。金属端子124における電磁コイル130が接続されていない端部からは、それぞれ通電用リード線126が延出されている。即ち2本の通電用リード線126は、金属端子124を介して電磁コイル130の巻き始め部131又は巻き終わり部132のいずれかとそれぞれ電気的に接続されている。この接続の手順は、金属端子124に巻き始め部131、巻き終わり部132、及び通電用リード線126をそれぞれ巻回し、ハンダ付け又は溶接することによって施行される。巻き始め部131及び巻き終わり部132の金属端子124への巻回は、公知の自動巻線装置を用いて行うことができる。
【0039】
図1に示されるように、電磁コイル130が巻回されたボビン120は、突起部123が貫通孔113に位置するように溝112の開口より挿入されている。溝112における貫通孔113周辺は、突起部123が収容できる程度に内部空間が拡張されている。通電用リード線126における金属端子122と接続されていない端部は、それぞれ貫通孔113を通じて界磁ヨーク110の外部に引き出されている。電磁コイル130が通電により磁界を生じた際、上述された内部空間は、界磁ヨーク110内部の磁束分布の不均一を誘発する。しかし、コイルが生じる磁束密度は外周側に向かって小さくなるため、突起部123が磁束密度の小さい外周付近に設けられることで、磁束の損失は低減される。
【0040】
溝112に挿入されたボビン120は、当業者が選択した適当な方法によって界磁ヨーク110に固定される。例えば、界磁ヨーク110とボビン120との隙間を満たすために、溝112には事前にエポキシ樹脂が滴下されていてもよい。エポキシ樹脂はボビン120が挿入された後に硬化されて、ボビン120は界磁ヨーク110に固定される。
【0041】
[ロータヨーク140]
環状のロータヨーク140の中央には円柱状の凸部141が形成されており、凸部141の中央には軸穴142が開口されている。凸部141の直径は界磁ヨーク110の凹部111の内径よりも僅かに小さいため、凸部141は凹部111に対して挿入可能である。ロータヨーク140は、凸部141が凹部111に挿入された状態で回転可能に保持されている。軸線200方向において、ロータヨーク140と界磁ヨーク110との間に一定の隙間が介在されているため、ロータヨーク140は界磁ヨーク110に対して滑らかに回転することができる。
【0042】
ロータヨーク140における凸部141と反対側の面には、環状の摩擦材143が周方向に沿って露出されている。摩擦材143はロータヨーク140の面から軸線200方向に僅かに張り出している。電磁クラッチ100の接合状態において、摩擦材143は後述されるアマーチュア150のクラッチ板153と当接された状態となる。それにより、ロータヨーク140のトルクがアマーチュア150に伝達されて、アマーチュア150はロータヨーク140と共に回転する。摩擦材143の表面には、摩擦係数を大きくするための粗面状の加工が施されている。摩擦材143の材料には、耐熱・耐摩耗性の材料として、例えば樹脂、カーボン、金属、セラミック、又はこれらの複合材料が使用可能である。使用される材料は、摩擦材143に必要とされる強度や摩擦係数等に基づき当業者が適宜選択することができる。
【0043】
[アマーチュア150]
アマーチュア150は、ロータヨーク140と同様に中央に円柱状の凸部151が形成された環状の部材である。凸部151の中央には軸穴152が開口されている。アマーチュア150は、凸部151がロータヨーク140とは反対側に突出するようにロータヨーク140に隣接して設けられている。凸部151の外周は、ハウジング160によって、僅かな隙間を介して保持され、凸部151はハウジング160に対して回転可能となっている。また、凸部151は、軸線200方向に一定範囲を移動自在に保持されている。アマーチュア150の回転及び軸線200方向の移動をスムーズにするために、凸部151の外周とハウジング160との境界には、グリースが充填されたり、ボールベアリングが使用されてもよい。
【0044】
アマーチュア150の軸線200方向の移動に基づき、クラッチ板153は摩擦材143と接離可能となっている。ハウジング160には、アマーチュア150をロータヨーク140と反対方向に付勢する板バネが設けられている。そのため、不使用時には、アマーチュア150はロータヨーク140に対して一定間隔を介して離間されている。
【0045】
アマーチュア150におけるロータヨーク140側の面には、円板状のクラッチ板153が設けられている。クラッチ板153は、電磁クラッチ100の接合状態において、摩擦材143と当接してロータヨーク140からのトルクを受けるものである。クラッチ板153は、ボルトやビス等によってアマーチュア150に取り付けられている。
【0046】
[ハウジング160]
金属製のハウジング160は、上述された各構成要素を内部に保持するものである。ハウジング160は、各構成要素を外部の衝撃から保護すると同時に、回転を円滑にするためのグリースの揮発を抑制する役割を果たす。ハウジング160は、界磁ヨーク110に対してボルト等で締結されている。アマーチュア150は、凸部151がハウジング160の穴を通じて外部より視認される状態に保持されている。前述された通り、ハウジング160には、アマーチュア150をロータヨーク140と反対方向に付勢する板バネが設けられている。
【0047】
[電磁クラッチ100の接続]
電磁クラッチ100は、機械における駆動側のトルクを被駆動側に伝達する部分に使用される。その一例としては、例えば自動車の動力系とカーエアコンのコンプレッサーとの接続部分が挙げられる。駆動側のトルクを伝達する駆動軸170は、界磁ヨーク110の中央孔114を通してロータヨーク140の軸穴142と接続される。トルクを被駆動側に伝達する被駆動軸180は、軸線200方向における駆動軸170とは反対側からアマーチュア150の軸穴142に接続される。これにより、駆動軸170と被駆動軸180とは、電磁クラッチ100を介して軸線200上に継合された状態となる。駆動軸170及び被駆動軸180は、空転防止のためにロータヨーク140又はアマーチュア150に対してボルト等で締結される。ハウジング160は、例えば駆動系を構成する筐体の一部に固定される。界磁ヨーク110の貫通孔113から延出された2本の通電用リード線126は、それぞれ駆動系のトルク伝達を制御する制御回路と電気的に接続される。これにより、電磁コイル130が生ずる磁界が制御回路によって制御可能となる。
【0048】
[電磁クラッチ100の動作原理]
駆動側からトルクが伝達されると、駆動軸170及びロータヨーク140は回転する。電磁コイル130に電流が流れていない状態では、アマーチュア150はロータヨーク140と離間されているため、回転はアマーチュア150に伝達されず、駆動側からのトルクは被駆動側には伝達されない。一方、制御回路が通電用リード線126を介してコイル130に規定値以上の電流を流入させると、コイル130の周囲に発生した磁界によって、アマーチュア150は板バネの弾性力を上回る力でロータヨーク140側に引き寄せられる。それにより、アマーチュア150のクラッチ板153とロータヨーク140の摩擦材143とが当接した状態となる。この状態では、クラッチ板153と摩擦材143との間の摩擦力によって、アマーチュア150はロータヨーク140と共に回転する。アマーチュア150の回転によるトルクは、被駆動軸180を介して被駆動側に伝達される。
【0049】
[電磁クラッチ100の作用効果]
本実施例に係る電磁クラッチ100によると、通電用リード線126と電磁コイル130の巻き始め部131及び巻き終わり部132とは、金属端子124を介してとそれぞれ電気的に接続されているため、電磁コイル130と通電用リード線126との接続を自動巻線装置を利用して行うことが施行可能となり、電磁クラッチの低コスト化が可能となる。
【0050】
また、電磁コイル130及び通電用リード線126は金属端子124の異なる位置にそれぞれ接続されるため、先に接続された電磁コイル130又は通電用リード線126が後から接続されるもう一方を阻害することなく、接続がさらに容易に行われる。また、金属端子124は棒状の部材であることから、電磁コイル130及び通電用リード線124を金属端子124に巻き付けたりハンダ付け又は溶接することが機械により容易に施行可能となる。
【0051】
また、電磁コイル130と通電用リード線126との接続が、隔壁を跨いだ巻取部の外部で行われているため、電磁コイル130の外周で接続を行う従来の方法と比較し、巻取部121の外周の空間により多くの巻き数が確保される。従って、必要な巻き数が確保されるために要する巻取部の外径は小さくなり、電磁クラッチの小型化が可能となる。
【0052】
また、突起部123がボビン120の外周付近に設けられているため、界磁ヨーク110内部での磁束の損失は低減される。
【0053】
[電磁ブレーキ]
以下、本発明に係る電磁ブレーキの実施形態が説明される。
【0054】
[電磁ブレーキ300の概略構成]
電磁ブレーキ300は、界磁ヨーク310、界磁ヨーク310に挿入されたボビン120、駆動側よりトルクを受けるアマーチュア150、及びこれらを収容するハウジング360等から構成される。ここで、ボビン120、及びアマーチュア150には、前述の電磁クラッチ100と同様のものが使用される。
【0055】
界磁ヨーク310は、周方向に沿った環状の溝312を有する環状の部材である。溝312には電磁コイル130が巻回されたボビン120が挿入されている。ボビン120の中心を通る軸線400の軸周りにおいて、界磁ヨーク310の溝312が開口する側には、アマーチュア150が設けられている。アマーチュア150は、軸穴152の中心が軸線400と一致するように配置され、軸線400を中心に回転可能となっている。アマーチュア150は、軸線400方向に規定の範囲を移動自在に設けられており、それにより界磁ヨーク310と接離可能になっている。アマーチュア150は、板バネによって界磁ヨーク310と反対方向に付勢されているため、不使用時には界磁ヨーク310と一定の間隔を介して離間されている。
【0056】
[界磁ヨーク310]
界磁ヨーク310は、前述の界磁ヨーク110と類似するものであるが、凹部111や中央孔114周辺の形状、及び摩擦材143を有する点が相違する。界磁ヨーク110において凹部111及び中央孔114が存在していた領域は空洞になっており、軸線400方向に貫通している。また、溝312の開口から露出するように、摩擦材143が周方向に沿って設けられている。摩擦材143は溝312の開口から軸線400方向に僅かに張り出している。
【0057】
[ハウジング360]
金属製のハウジング360は、前述のハウジング160と類似するものであるが、ロータヨーク140を内部に保持しないため、形状や大きさが相違する。
【0058】
[電磁ブレーキ300の接続]
電磁ブレーキ300は、機械における回転運動を制動、減速、又は停止させる部分に使用される。回転運動を伝達する回転軸320は、アマーチュア150の軸穴152に接続される。回転軸320は、空転防止のためにアマーチュア150に対してボルト等で締結される。ハウジング360は、例えば駆動系を構成する筐体の一部に固定される。界磁ヨーク310の貫通孔113から延出された2本の通電用リード線126は、それぞれブレーキの作動を制御する制御回路と電気的に接続される。これにより、電磁コイル130が生ずる磁界が制御回路によって制御可能となる。
【0059】
[電磁ブレーキ300の動作原理]
回転軸320は、例えばモーターやエンジンからのトルクによって回転する。電磁コイル130に電流が流れていない状態では、アマーチュア150は、界磁ヨーク310に対して離間されているため、回転軸320と共に回転する。一方、制御回路が通電用リード線126を介してコイル130に規定値以上の電流を流入させると、コイル130の周囲に発生した磁界によって、アマーチュア150は板バネの弾性力を上回る力で界磁ヨーク310側に引き寄せられる。それにより、アマーチュア150のクラッチ板153と界磁ヨーク310の摩擦材143とが当接した状態となる。これにより、クラッチ板153と摩擦材143との間の摩擦力によって、アマーチュア150及び回転軸320の回転は制動、減速、又は停止される。
【0060】
[電磁ブレーキ300の作用効果]
本実施例に係る電磁ブレーキ300によると、前述された電磁クラッチ100と同様の効果が期待される。即ち、通電用リード線126と電磁コイル130の巻き始め部131及び巻き終わり部132とは、金属端子124を介してとそれぞれ電気的に接続されているため、電磁コイル130と通電用リード線126との接続を自動巻線装置を利用して行うことが可能となり、電磁ブレーキの低コスト化が可能となる。
【0061】
また、電磁コイル130及び通電用リード線126は金属端子124の異なる位置にそれぞれ接続されるため、接続がさらに容易に行われる。また、金属端子124は棒状の部材であることから、電磁コイル130及び通電用リード線124を金属端子124に巻き付けたりハンダ付け又は溶接することが機械により容易に施行可能となる。
【0062】
また、電磁コイル130と通電用リード線126との接続が、隔壁を跨いだ巻取部の外部で行われているため、必要な巻き数が確保されるために要する巻取部の外径は小さくなり、電磁ブレーキの小型化が可能となる。
【0063】
また、突起部123がボビン120の外周付近に設けられているため、界磁ヨーク110内部での磁束の損失は低減される。
【0064】
[変形例]
続けて、上述された実施形態に係る電磁クラッチ100及び電磁ブレーキ300の変形例が解説される。本変形例には、ボビン120に代わって、ボビン520が使用される。その他の構成要素には、前述の電磁クラッチ100及び電磁ブレーキ300と同様のものが使用される。
【0065】
[ボビン520]
ボビン120と同様に、ボビン520には、円筒状の巻取部521の両端にそれぞれ半径方向に延出された隔壁522が形成されている。一方、ボビン520は、突起部123を有さず、2つの金属端子524が隔壁522に支持されている点がボビン120と相違する。
【0066】
2つの金属端子524は、例えば棒状の金属部材がU字状やコの字状に湾曲されたものである。金属端子524は、それぞれ中央周辺が隔壁522に埋没されており、両端がそれぞれ、隔壁522における外側の面から界磁ヨーク310の軸方向へ、つまり隔壁522から垂直にそれぞれ突出されている。この際、2つの金属端子524は、隔壁522においてスリット525の両側に配置され、金属端子524の両端はそれぞれ隔壁522の内周側と外周側に位置している。ボビン520は、型に満たされた液状樹脂に2つの金属端子524を埋没させた後、樹脂を硬化させることで製造される。
【0067】
巻取部521に巻回された電磁コイル130の巻き始め部131及び巻き終わり部132は、それぞれ、スリット525を通して隔壁522における外側の面に延出される。巻き始め部131は一方の金属端子524における内周側の端部と電気的に接続され、巻き終わり部132は他方の金属端子524における外周側の端部と電気的に接続される。各金属端子524における巻き始め部131又は巻き終わり部132が接続されていない端部からは、金属端子524とそれぞれ電気的に接続された通電用リード線126が延出されている。この接続の手順は、金属端子524の端部に巻き始め部131、巻き終わり部132、及び通電用リード線126を巻回し、それぞれをハンダ付け又は溶接することによって施行される。金属端子524への巻き始め部131及び巻き終わり部132の巻回は、公知の自動巻線装置を利用して行うことができる。
【0068】
このようなボビン520は、電磁クラッチ100及び電磁ブレーキ300において、ボビン120に代わって使用される。金属端子524への巻き始め部131及び巻き終わり部132の巻回の際、自動巻線装置のノズルは、金属端子524周りに回転されることとなる。金属端子524が隔壁522から垂直に突出されているため、前述された実施形態より、金属端子524周りにおいてノズルが回転される空間を確保することが容易である。
【0069】
以下に更なる変形例が解説される。前述の実施形態に係る電磁クラッチ100及び電磁ブレーキ300は、電圧の印加されているときにクラッチの接合又はブレーキの作動が行われるものであるが、それとは逆に、電圧が印可されていないときにクラッチの接合又はブレーキの作動が行われてもよい。例えば、アマーチュア150は、板バネによってロータヨーク140又は界磁ヨーク310方向に付勢されており、それらと当接している。電磁クラッチ100及び電磁ブレーキ300には永久磁石が設けられており、電磁コイル130が生じる磁界によって永久磁石との間に斥力が生じ、アマーチュア150は、ロータヨーク140又は界磁ヨーク310と離間する。
【0070】
前述の実施形態に係る電磁クラッチ100及び電磁ブレーキ300に使用される金属端子524は棒状(直線状)のものであるが、当業者は本発明の技術的思想の範囲内で自由に金属端子124の形状を変更することができる。例えば、金属端子124は、U字状、L字状、又はY字状であってもよい。金属端子524についても同様である。
【符号の説明】
【0071】
100・・・電磁クラッチ
110・・・界磁ヨーク
112・・・溝
113・・・貫通孔
120・・・ボビン
121・・・巻取部
122・・・隔壁
123・・・突起部
124・・・金属端子
126・・・通電用リード線
130・・・電磁コイル
131・・・巻き始め部
132・・・巻き終わり部
140・・・ロータヨーク
150・・・アマーチュア
300・・・電磁ブレーキ
310・・・界磁ヨーク
312・・・溝
313・・・貫通孔
520・・・ボビン
521・・・巻取部
522・・・隔壁
524・・・金属端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の溝を有し、当該溝の奥部に貫通孔を有した界磁ヨークと、
円筒状の巻取部の両端に半径方向に延出された一対の隔壁を有し、当該一対の隔壁のうちの一方における巻取部と反対側の面に、少なくとも2つの金属端子を有し、当該金属端子が上記界磁ヨークの上記貫通孔に位置する状態に上記溝に挿入されたボビンと、
上記巻取部に巻回された電磁コイルと、
上記巻取部の中心を通る軸線の軸周りにおいて上記界磁ヨークの溝が開口する側に設けられており、上記軸線を中心に回転するロータヨークと、
上記軸線の軸周りにおいて上記ロータヨークに対して上記界磁ヨークと反対側に設けられており、上記電磁コイルが生じる磁界に基づいて上記ロータヨークに対して接離し、接合状態において上記ロータヨークと共に回転するアマーチュアと、を備え、
上記電磁コイルの巻き始め部及び巻き終わり部は、各々が上記巻取部から上記隔壁を跨いで上記金属端子側に延出されて、相互に異なる上記各金属端子に対してそれぞれが電気的に接続されており、
上記各金属端子から、上記巻き始め部及び巻き終わり部とそれぞれが電気的に接続された一対の通電用リード線が上記貫通孔を通じて外部に延出されたものである電磁クラッチ。
【請求項2】
上記各金属端子は、上記一対の隔壁のうちの一方における巻取部と反対側の面に形成された突起部から相反する向きへそれぞれ延出された棒状の部材であり、
上記巻き始め部又は上記巻き終わり部と、上記通電用リード線とは、上記突起部に対して相反する向き側に配置されて、上記金属端子に接続されたものである請求項1に記載の電磁クラッチ。
【請求項3】
上記各金属端子は、上記一対の隔壁のうちの一方に支持されて、端部がそれぞれ上記隔壁における巻取部と反対側の面の異なる位置より突出された棒状の部材であり、
上記巻き始め部又は上記巻き終わり部と、上記通電用リード線とは、上記金属端子における相互に異なる端部に接続されたものである請求項1に記載の電磁クラッチ。
【請求項4】
環状の溝を有し、当該溝の奥部に貫通孔を有した界磁ヨークと、
円筒状の巻取部の両端に半径方向に延出された一対の隔壁を有し、当該一対の隔壁のうちの一方における巻取部と反対側の面に、少なくとも2つの金属端子を有し、当該金属端子が上記界磁ヨークの上記貫通孔に位置する状態に上記溝に挿入されたボビンと、
上記巻取部に巻回された電磁コイルと、
上記巻取部の中心を通る軸線の軸周りにおいて上記界磁ヨークの溝が開口する側に設けられており、上記軸線を中心に回転し、上記電磁コイルが生じる磁界に基づいて上記界磁ヨークに対して接離することで、接合時における上記回転が抑止されるアマーチュアと、を備え、
上記電磁コイルの巻き始め部及び巻き終わり部は、各々が上記巻取部から上記隔壁を跨いで上記金属端子側に延出されて、相互に異なる上記各金属端子に対してそれぞれが電気的に接続されており、
上記各金属端子から、上記巻き始め部及び巻き終わり部とそれぞれが電気的に接続された一対の通電用リード線が上記貫通孔を通じて外部に延出されたものである電磁ブレーキ。
【請求項5】
上記各金属端子は、上記一対の隔壁のうちの一方における巻取部と反対側の面に形成された突起部から相反する向きへそれぞれ延出された棒状の部材であり、
上記巻き始め部又は上記巻き終わり部と、上記通電用リード線とは、上記突起部に対して相反する向き側に配置されて、上記金属端子に接続されたものである請求項4に記載の電磁ブレーキ。
【請求項6】
上記各金属端子は、上記一対の隔壁のうちの一方に支持されて、端部がそれぞれ上記隔壁における巻取部と反対側の面の異なる位置より突出された棒状の部材であり、
上記巻き始め部又は上記巻き終わり部と、上記通電用リード線とは、上記金属端子における相互に異なる端部に接続されたものである請求項4に記載の電磁ブレーキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−67782(P2012−67782A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210536(P2010−210536)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(591201952)株式会社一宮電機 (20)
【Fターム(参考)】