説明

静電容量式近接センサ

【課題】 検出感度の向上と共に、検出部が主回路部と正しく接続されているかどうかの自己診断機能を有する静電容量式近接センサを提供する。
【解決手段】 物体の接近を検出する通常モードとセンサ部10と主回路部20との接続状態を診断する自己診断モードとを備え、シールドケーブル30の他端側の被覆線32への第1の発振信号と同位相及び同電位の第2の発振信号の供給を、通常モードではオン状態、自己診断モードではオフ状態とする出力オンオフ制御部23を備えた。制御回路24は、自己診断モードでは、通常モード時の検知信号と自己診断モード時の検知信号とを比較して両者の変化からセンサ部10又はセンサ部10と主回路部20との接続状態の異常を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の近接を静電容量の変化で検出する静電容量式近接センサに関し、特に自己診断機能を有する静電容量式近接センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被検出物体の近接による検知電極と接地電極との間の静電容量変化を発振回路の発振周波数の変化に変換し、この発振回路の発振周波数を測定し、直線化すると共に、比較回路で所定の閾値と比較して物体の近接の有無を判別するようにした静電容量式近接センサが知られている。この種の静電容量式センサの中には、検知電極及び接地電極からなるセンサ部と、発振回路、比較回路等の主回路部とが物理的に分離された形態のものがある。センサ部と主回路部とが分離されると、センサ部と主回路部とを接続するケーブルが長くなり、両者の間を接続するケーブル間で容量が発生し、これが誤差となるために、正確な検出ができなくなる。そこで、検知電極と接地電極との間に両者と絶縁された状態で同相シールド電極を介在させると共に、検知電極及び同相シールド電極を、シールドケーブルの芯線及び被覆線にそれぞれ接続し、主回路側では、入力バッファの入力と出力とにシールドケーブルの芯線及び被覆線をそれぞれ接続することにより、検知電極と同相シールド電極とを常に同位相、同電位状態に保持するようにした静電容量式近接センサも提案されている(特許文献1)。この近接センサによれば、シールドケーブルの芯線と被覆線との間は、常に同位相、同電位となるため、両者間での充放電は発生せず、シールドケーブルでの静電容量の影響を受けなくなる。
【特許文献1】特開平7−29467号公報(段落0006〜0008、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の静電容量式近接センサでは、検出感度が向上するという効果があるものの、センサ部が主回路部と正しく接続されていない場合には、それを検出する機能がない。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、検出感度の向上と共に、検出部が主回路部と正しく接続されているかどうかの自己診断機能を有する静電容量式近接センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1の静電容量式近接センサは、検知電極となる第1の電極、検知電極とは異なる第2の電極及び両電極の間に両電極とは絶縁状態で配置されたガード電極を有するセンサ部と、前記第1の電極によって形成される静電容量に基づく検知信号を出力して前記検知電極に物体が接近したことを検出し出力する主回路部と、前記センサ部と前記主回路部とを接続する第1及び第2の配線を有する配線手段とを備え、前記第1の電極及びガード電極が、前記配線手段の一端側の前記第1の配線及び前記第2の配線にそれぞれ接続され、前記主回路部が、前記配線手段の他端側の第1の配線に前記第1の電極によって形成される静電容量に基づく第1の発振信号を与え、前記配線手段の他端側の前記第2の配線に前記第1の発振信号と同位相及び同電圧の第2の発振信号を与えるようにした静電容量式近接センサにおいて、前記主回路部は、前記物体の接近を検出する通常モードと前記センサ部又は前記センサ部と主回路部との接続状態を診断する自己診断モードとを備え、前記配線手段の他端側の被覆線への前記第2の発振信号の供給を、前記通常モードではオン状態、前記自己診断モードではオフ状態とする出力オンオフ制御手段と、前記自己診断モードでは、前記通常モード時の前記検知信号と前記自己診断モード時の前記検知信号とを比較して両者の変化から前記センサ部又は前記センサ部と前記主回路部との接続状態の異常を判定する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る第2の静電容量式近接センサは、検知電極となる第1の電極、検知電極とは異なる第2の電極及び両電極の間に両電極とは絶縁状態で配置されたガード電極を有するセンサ部と、前記第1の電極によって形成される静電容量に基づく検知信号を出力して前記検知電極に物体が接近したことを検出し出力する主回路部と、前記センサ部と前記主回路部とを接続する第1及び第2の配線を有する配線手段とを備え、前記第1の電極及びガード電極が、前記配線手段の一端側の前記第1の配線及び第2の配線にそれぞれ接続され、前記主回路部が、前記配線手段の他端側の第1の配線に前記第1の電極によって形成される静電容量に基づく第1の発振信号を与え、前記配線手段の他端側の前記第2の配線に前記第1の発振信号と同位相及び同電圧の第2の発振信号を与えるようにした静電容量式近接センサにおいて、前記主回路部は、前記物体の接近を検出する通常モードと前記センサ部又は前記センサ部と主回路部との接続状態を診断する自己診断モードとを備え、前記自己診断モードにおいて、前記シールドケーブルの他端側の第2の配線への前記第2の発振信号の供給に代えて予め設定された所定の電圧パターンを印加する電圧印加手段と、前記診断モードにおいて、前記所定の電圧パターンが印加されたときの前記検知信号の変化から前記センサ部又は前記センサ部と前記主回路部との接続状態の異常を判定する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
すなわち、ガード電極は、配線手段の第2の配線に接続され、通常モードでは、第2の配線を介して第1の電極に与える第1の発振信号と同位相及び同電位の第2の発振信号が与えられるので、配線手段の第1の配線と第2の配線の間の電位は常に一定となり、配線手段での静電容量が検知信号に与える影響が無く、感度向上が図れる。
【0008】
一方、自己診断モードでは、本発明の第1の静電容量式近接センサによれば、出力オンオフ制御手段が第2の配線への第2の発振信号の供給をオフ状態とするので、ガード電極がフローティング状態となって第1の電極により形成される容量が通常モードから変化する。このため、この自己診断モードでは、もし、センサ部と主回路部との接続状態が正常であれば、主回路部の入力端の静電容量が変化するので、検知信号が通常モードの検知信号のレベルから変化する。従って、制御手段は、この変化を検出してセンサ部及びセンサ部と主回路部との接続状態が正常であると判定する。一方、センサ部と主回路部とが接続不良の場合、通常モードでも自己診断モードでも充放電が発生せず、この結果、検知信号は殆ど変化しないので、制御手段は、検知信号が変化しないことをもってセンサ部と主回路部とが接続不良であるか、又はセンサ部が異常であると判定することができる。
【0009】
また、本発明の第2の静電容量式近接センサによれば、自己診断モードにおいて、配線手段の第2の配線への第2の発振信号の供給に代えて、予め設定された所定の電圧パターンを印加するようにしているので、センサ部と主回路部とが正常に接続されている場合には、主回路部は、自己診断モードでは、既知の電圧パターンに基づく信号を受信する。一方、センサ部と主回路部とが接続不良の場合には、主回路部は正常状態とは異なる信号を受信する。制御手段は、これを監視してセンサ部と主回路部とが接続不良であるか、又はセンサ部が異常であると判定することができる。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明によれば、第1の電極の感度向上のために設けられたガード電極を利用することによって、センサ部又はセンサ部と主回路部との接続状態が正常か異常を判断する自己診断を、専用の電極を用いずに行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る静電容量式近接センサの概略構成を示す図である。
【0013】
この近接センサは、センサ部10と、主回路部20と、これらを接続する配線手段としてのシールドケーブル30とを備えて構成されている。
【0014】
センサ部10は、フレキシブルプリント回路(FPC)、リジットプリント回路(RPC)等により構成されたもので、図2に図1のA−A′断面図を示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、又はエポキシ樹脂などの絶縁体からなる絶縁基板11と、この絶縁基板11上にパターン形成された銅、銅合金又はアルミニウムなどからなる第1の電極である検知電極12、第2の電極である接地電極13及びガード電極14とを備えて構成されている。接地電極13は、正方形又は長方形で、検知電極12は、この接地電極13の両辺及び他の一辺を取り囲むコの字形に形成されている。また、ガード電極14は、検知電極12と接地電極13との間に両者に対して絶縁状態でコの字状に配置されている。
【0015】
主回路部20は、検知電極12及び接地電極13の間の静電容量に応じた検知信号Voutを出力する検知回路21と、この検知回路21の入力端に入力される入力信号Vin(第1の発振信号)を入力し、第2の発振信号を出力する利得1のバッファ22と、このバッファ22のオンオフを制御する出力オンオフ制御部23と、検知回路21及び出力オンオフ制御回路23を制御する制御回路24とを備えて構成されている。
【0016】
シールドケーブル30は、第1の配線である芯線31とこれを絶縁体を介して取り囲む第2の配線である被覆線32とを有する。芯線31の一端は検知電極12に接続され、他端は検知電極21の入力端に接続されている。また、被覆線32の一端はガード電極14に接続され、他端はボルテージフォロワ等のバッファ22の出力端に接続されている。
【0017】
次に、主回路部20の詳細を説明する。
【0018】
検知回路21は、検知電極12及び接地電極13の間の静電容量に応じて周波数又はデューティー比が変化するもの等を使用することができる。図3は、静電容量Cに応じてデューティー比が変化する検知回路21の一例を示す回路図である。検知回路21は、一定周期のトリガ信号TGを出力するトリガ信号発生回路211と、入力端に接続された静電容量の大きさによってデューティー比が変化するパルス信号Poを出力するタイマー回路212と、このタイマー回路212の出力Poの直流成分を通過させて検知信号Voutとして出力するローパスフィルタ(以下、「LPF」と呼ぶ)213とを備えて構成されている。
【0019】
タイマー回路212は、例えば2つの比較器2121,2122と、これら比較器2121,2122の出力がそれぞれリセット端子R及びセット端子Sに入力されるRSフリップフロップ回路(以下、「RS−FF」と呼ぶ)2123と、このRS−FF2123の出力DISをLPF213に出力するバッファ2124と、RS−FF2123の出力DISでオンオフ制御されるトランジスタ2125とを備えて構成されている。
【0020】
比較器2122は、トリガ信号発生回路211から出力される図4に示すようなトリガ信号TGを、抵抗R1,R2,R3によって分割された所定のしきい値Vth2と比較して、トリガ信号TGに同期したセットパルスを出力する。このセットパルスは、RS−FF2123のQ出力をセットする。このQ出力は、ディスチャージ信号DISとしてトランジスタ2125をオフ状態にし、検知電極12及び接地の間を、両電極12,13間の静電容量C及び入力端と電源ラインとの間に接続された抵抗R4による時定数で決まる速度で充電する。これにより、図4に示すように、入力信号Vinの電位が静電容量によって決まる速度で上昇する。入力信号Vinが、抵抗R1,R2,R3で決まるしきい値Vth1を超えたら、比較器2121の出力が反転してRS−FF2123の出力を反転させる。この結果、トランジスタ2125がオン状態となって、検知電極12に蓄積された電荷がトランジスタ2125を介して放電される。従って、このタイマー回路212は、図4に示すように、検知電極12及び接地電極13間の静電容量に基づくデューティー比で発振するパルス信号Poを出力する。LPF213は、この出力を平滑化することにより、図4に示すような、直流の検知信号Voutを出力する。なお、図4中、実線で示す波形と点線で示す波形は、前者が後者よりも静電容量が小さいことを示しており、例えば後者が物体近接状態を示している。
【0021】
制御回路24は、通常モードと自己診断モードの2つのモードを備え、通常モード時には、出力オンオフ制御部23を介してバッファ22をオン状態にし、検知回路21からの検知信号Voutを監視し、自己診断モードでは、出力オンオフ制御部23を介してバッファ22をオフ状態にし、その前後の検知回路21からの検知信号Voutの変化を監視してセンサ部10及びセンサ部10と主回路部20との接続状態が正常か否かを判定する。
【0022】
次に、このように構成された静電容量型近接センサの動作について説明する。
【0023】
図5は、制御回路24の概略動作を示すフローチャートである。
【0024】
まず、操作者又は上位装置は、静電容量型近接センサの動作モードが通常モードであるか、自己診断モードであるかを設定する。
【0025】
通常モードに設定された場合には、制御回路24は、出力オンオフ制御部23を介してバッファ22をオン状態とし(S2)、検知回路21からの検知信号Voutのレベルを監視する(S3)。バッファ22がオン状態となると、シールドケーブル30の被覆線32に、芯線31に現れる入力信号Vinと同位相及び同電圧の第2の発振信号が与えられるので、芯線31と被覆線32との間の静電容量は、検知回路21の入力信号Vinに関して影響を与えなくなる。このため、検知回路21で検出される静電容量は、検知電極12と接地電極13の間及び検出物体と検知電極12との間の静電容量のみにより決定され、感度の良い検出が可能になる。制御回路24は、検知信号Voutが所定のしきい値THを超えたら、検知電極12へ物体が近接しているとして近接信号をON状態とし(S4)、それ以外の場合には、近接信号をOFF状態とする(S5)。なお、この例では、近接信号がオン/オフの2値となっているが、検出物体がある程度特定されている場合には、検知信号Voutのレベルを物体との距離に換算して出力することもできる。
【0026】
一方、センサが自己診断モードに設定された場合には、制御回路24は、出力オンオフ制御回路23を介してバッファ22をオフ状態とする(S6)。バッファ22がオフ状態となると、シールドケーブル30の被覆線32は、フローティング状態となり、検知電極12と接地電極13との結合が密になる。従って、センサ部10と主回路部20との接続状態が正常であれば、検知回路21の入力側の静電容量が変化して、検知信号Voutのレベルが変化する。これに対し、センサ部10と主回路部20が接続不良であると、検知回路21の入力端は、開放状態であるから、バッファ22のオンオフの前後で検知信号Voutは変化しない。制御回路24は、この変化を監視し(S7)、変化があれば異常信号をオフ状態のままとし(S8)、変化がなければ異常信号をオン状態とする(S9)。
【0027】
このように、本実施形態の静電容量型近接センサによれば、検知電極12の感度向上のために設けられたガード電極14を利用することによって、自己診断モードでは、センサ部10又はセンサ部10と主回路部20との接続状態が正常か異常かを判断することを、専用の電極を用いずに行うことが可能になる。
【0028】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る静電容量型近接センサの概略構成を示す図である。なお、図6において、図1と同一部分には同一符号を付し、重複する部分の説明は割愛する。
【0029】
この実施形態のセンサが第1の実施形態のセンサと異なるのは、主回路部20′の構成である。この実施形態では、主回路部20′に、予め既知の自己診断用の電圧パターンを発生させる電圧印加回路26が設けられ、検知回路21の入力端に入力される入力信号Vinを同位相及び同電圧のまま出力するバッファ22の出力と、電圧印加回路26から出力される電圧パターンのいずれかが、スイッチ27を介して被覆線32に出力されている。制御回路28は、スイッチ27の入力端を、通常モードではバッファ22の出力端側に接続し、自己診断モードでは電圧印加回路26の出力端側に接続する。
【0030】
次に、このように構成された第2の実施形態に係る静電容量型近接センサの動作を説明する。
【0031】
図7は、制御回路28の概略動作を示すフローチャートである。
【0032】
まず、操作者又は上位装置は、静電容量型近接センサの動作モードが通常モードであるか、自己診断モードであるかを設定する。
【0033】
通常モードに設定された場合には、制御回路28は、スイッチ27をバッファ22の出力端側に接続する(S11)。以後、検知回路21による検知信号Voutの監視以降の処理は、先の実施形態と同様である。
【0034】
一方、センサが自己診断モードに設定された場合には、制御回路28は、検知回路21をオフ状態にして(S12)、スイッチ27を電圧印加回路26の出力端側に接続する(S13)。この状態で、制御回路28は入力信号Vinを監視する。センサ部10と主回路部20′との接続状態が正常であれば、検知電極12及びガード電極14との間及びシールドケーブル30の芯線31と被覆線32の間の静電容量を介して、検知回路21の入力端に電圧印加回路26からの電圧パターンが現れる。これに対し、これに対し、センサ部10と主回路部20′が接続不良であると、検知回路21の入力端には上記電圧パターンは現れない。制御回路28は、検知回路21の入力端の電圧を監視し(S14)、電圧パターンを検出した場合には異常信号をオフ状態のままとし(S15)、電圧パターンを検出しなかった場合は異常信号をオン状態とする(S16)。
【0035】
この実施形態の静電容量型近接センサにおいても、先の実施形態と同様、ガード電極14を利用してセンサ部10の自己診断が可能になる。
【0036】
なお、上記実施形態では、第2の電極が接地電極13であったが、第2の電極は、検知電極以外の他の電極であれば、メンブレンスイッチの電極等を第2の電極としても良い。また、上記実施形態では、配線手段としてシールドケーブルを使用したが、FPC、FFC、平行電線等の他の配線手段にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る静電容量式近接センサの概略構成を示す回路図である。
【図2】同近接センサのセンサ部の図1におけるA−A′断面図である。
【図3】同近接センサの検知回路の一構成例を示す回路図である。
【図4】同近接センサの通常モード時の動作波形図である。
【図5】同近接センサの制御回路のフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る静電容量式近接センサの概略構成を示す回路図である。
【図7】同近接センサの制御回路のフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
10…センサ部、11…絶縁基板、12…検知電極、13…接地電極、14…ガード電極、20,20′…主回路部、21…検知回路、22…バッファ、23…出力オンオフ制御部、24,28…制御回路、26…電圧印加回路、27…スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知電極となる第1の電極、検知電極とは異なる第2の電極及び両電極の間に両電極とは絶縁状態で配置されたガード電極を有するセンサ部と、
前記第1の電極によって形成される静電容量に基づく検知信号を出力して前記検知電極に物体が接近したことを検出し出力する主回路部と、
前記センサ部と前記主回路部とを接続する第1及び第2の配線を有する配線手段と
を備え、
前記第1の電極及びガード電極が、前記配線手段の一端側の前記第1の配線及び前記第2の配線にそれぞれ接続され、
前記主回路部が、前記配線手段の他端側の第1の配線に前記第1の電極によって形成される静電容量に基づく第1の発振信号を与え、前記配線手段の他端側の前記第2の配線に前記第1の発振信号と同位相及び同電圧の第2の発振信号を与える
ようにした静電容量式近接センサにおいて、
前記主回路部は、前記物体の接近を検出する通常モードと前記センサ部又は前記センサ部と主回路部との接続状態を診断する自己診断モードとを備え、
前記配線手段の他端側の被覆線への前記第2の発振信号の供給を、前記通常モードではオン状態、前記自己診断モードではオフ状態とする出力オンオフ制御手段と、
前記自己診断モードでは、前記通常モード時の前記検知信号と前記自己診断モード時の前記検知信号とを比較して両者の変化から前記センサ部又は前記センサ部と前記主回路部との接続状態の異常を判定する制御手段と
を備えたことを特徴とする静電容量式近接センサ。
【請求項2】
検知電極となる第1の電極、検知電極とは異なる第2の電極及び両電極の間に両電極とは絶縁状態で配置されたガード電極を有するセンサ部と、
前記第1の電極によって形成される静電容量に基づく検知信号を出力して前記検知電極に物体が接近したことを検出し出力する主回路部と、
前記センサ部と前記主回路部とを接続する第1及び第2の配線を有する配線手段と
を備え、
前記第1の電極及びガード電極が、前記配線手段の一端側の前記第1の配線及び第2の配線にそれぞれ接続され、
前記主回路部が、前記配線手段の他端側の第1の配線に前記第1の電極によって形成される静電容量に基づく第1の発振信号を与え、前記配線手段の他端側の前記第2の配線に前記第1の発振信号と同位相及び同電圧の第2の発振信号を与える
ようにした静電容量式近接センサにおいて、
前記主回路部は、前記物体の接近を検出する通常モードと前記センサ部又は前記センサ部と主回路部との接続状態を診断する自己診断モードとを備え、
前記自己診断モードにおいて、前記シールドケーブルの他端側の第2の配線への前記第2の発振信号の供給に代えて予め設定された所定の電圧パターンを印加する電圧印加手段と、
前記診断モードにおいて、前記所定の電圧パターンが印加されたときの前記検知信号の変化から前記センサ部又は前記センサ部と前記主回路部との接続状態の異常を判定する制御手段と
を備えたことを特徴とする静電容量式近接センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−32085(P2006−32085A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208341(P2004−208341)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】