説明

非芳香族環系を有する低分子量のエチレン系不飽和化合物を含有する放射線硬化可能な混合物

A)ラジカル重合可能な化合物を重合させることによって得られたポリマーおよびB)ラジカル重合可能なエチレン系不飽和基(略して重合性基)および5000g/mol未満の質量平均分子量Mwを有する化合物を含有する混合物において、化合物Bの少なくとも10質量%が少なくとも1つの非芳香族環系を有する化合物B1であることを特徴とする、前記混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
A)ラジカル重合可能な化合物を重合させることによって得られるポリマー、および
B)ラジカル重合可能なエチレン系不飽和基(略して重合性基)および5000g/mol未満の質量平均分子量Mwを有する化合物を含有する混合物に関し、この混合物は、化合物Bの少なくとも10質量%が少なくとも1個の非芳香族環系を有する化合物B1であることによって特徴付けられる。
【0002】
殊に、本発明は、感圧接着剤としての前記混合物の使用に関する。
【0003】
感圧接着剤としては、特に溶剤不含のポリアクリレートまたは水性ポリアクリレート分散液が使用される。
【0004】
水性ポリマー分散液の場合には、水の除去のために乾燥が必要とされる。
【0005】
従って、溶剤不含の感圧接着剤が望ましい。
【0006】
放射線架橋可能なポリマーおよび接着剤、例えば溶融感圧接着剤としての該ポリマーの使用は、例えば欧州特許出願公開第246848号明細書または欧州特許出願公開第377199号明細書の記載から公知である。
【0007】
放射線架橋可能な感圧接着剤の場合、凝集力、即ち接着剤層の内部強度は、担体上での接着剤の被覆後に引続き光化学的に誘発される架橋によって達成される。
【0008】
接着力(支持体に対する付着力)および凝集力とは、相対する使用技術的な性質である。接着力の改善をもたらす手段は、一般には同時に凝集力の劣化を生じ、かつ凝集力の改善は接着力の劣化を生じる。
【0009】
従って、凝集力ならびに接着力を改善する手段が望まれているが、しかし、少なくとも双方の性質の一方は、別の性質の負荷のために改善されない。また、接着剤の高い熱負荷安定性は、重要であり、即ちよりいっそう高い温度でも接着剤は、機械的負荷に耐えるべきである。殊に、工業用用途の場合、なかんずく取付け用接着テープの場合に、高い熱負荷安定性は、しばしば接着剤の使用にとって重要である。
【0010】
感圧接着剤の厚い層厚は、特殊な使用にとって必要とされる。
【0011】
この場合、放射線架橋可能な感圧接着剤は、良好な接着力および凝集力が厚い層厚の場合にはもはや達成されないという欠点を有する。
【0012】
WO 2004/081133、欧州特許出願公開第1578823号明細書、欧州特許出願公開第628616号明細書および欧州特許出願公開第1469036号明細書の記載から、放射線架橋可能なポリアクリレートと多数のアクリル基を有するオリゴマーとの混合物、ならびにこの混合物を感圧接着剤として使用することは、公知である。
【0013】
本発明の課題は、凝集力を改善すると同時に良好または十分な接着力、ならびに殊に感圧接着剤の厚い層厚の場合でも良好な熱負荷安定性を改善することであった。
【0014】
それに応じて、冒頭に定義された混合物および感圧接着剤としての該混合物の使用が見い出された。
【0015】
本発明による混合物は、ポリマーA)および化合物B)を本質的な成分として含有する。
【0016】
ポリマーA)に関して:
ポリマーA)は、特にラジカル重合可能な化合物(モノマー)から構成されている。
【0017】
特に、前記ポリマーは、少なくとも40質量%、特に有利に少なくとも60質量%、殊に有利に少なくとも80質量%がいわゆる主要モノマーからなる。
【0018】
主要モノマーは、C1〜C20−アルキル(メタ)アクリレート、炭素原子20個までを含有するカルボン酸のビニルエステル、炭素原子20個までを含有するビニル芳香族化合物、エチレン系不飽和ニトリル、ビニルハロゲン化物、炭素原子1〜10個を含有するアルコールのビニルエーテル、炭素原子2〜8個および1個または2個の二重結合を有する脂肪族炭化水素またはこれらのモノマーの混合物から選択されている。
【0019】
例えば、C1〜C10−アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルおよび2−エチルヘキシルアクリレートを挙げることができる。
【0020】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの混合物も特に好適である。炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のビニルエステルは、例えばビニルラウレート、ビニルステアレート、ビニルプロピオネート、バルサチック酸ビニルエステル(Versaticsaeurevinylester)およびビニルアセテートである。
【0021】
ビニル芳香族化合物として、ビニルトルエン、α−およびp−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレンおよび有利にはスチレンが考慮に入れられる。ニトリルの例は、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルである。
【0022】
ビニルハロゲン化物は、塩素、フッ素または臭素で置換されたエチレン性不飽和化合物、好ましくは塩化ビニルおよび塩化ビニリデンである。
【0023】
ビニルエーテルとして、たとえばビニルメチルエーテルまたはビニルイソブチルエーテルを挙げることができる。1〜4個の炭素原子を含有するアルコールのビニルエーテルは有利である。
【0024】
炭素原子2〜8個および1個または2個のオレフィン系二重結合を有する炭化水素として、ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン、エチレンまたはプロピレンを挙げることができる。
【0025】
主要モノマーとして好ましいのは、C1〜C10−アルキルアクリレートおよびC1〜C10−アルキルメタクリレート、殊にC1〜C8−アルキルアクリレートおよびC1〜C8−アルキルメタクリレートであり、この場合アクリレートは、それぞれ特に好ましい。
【0026】
殊に好ましいのは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートならびにこれらのモノマーの混合物である。
【0027】
主要モノマーに加えて、前記ポリマーは、他のモノマー、例えばカルボン酸基、スルホン酸基またはホスホン酸基を有するモノマーを含有していてよい。好ましいのは、カルボン酸基である。例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸またはフマル酸を挙げることができる。
【0028】
他のモノマーは、例えば、ヒドロキシル基も含有するモノマー、殊にC1〜C10−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドおよびウレイド基を含有するモノマー、例えばウレイド(メタ)アクリレートである。
【0029】
他のモノマーとして、さらにまた、フェニルオキシエチルグリコールモノ−(メタ)アクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アミノ−(メタ)アクリレート、例えば2−アミノエチル−(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0030】
二重結合以外になお他の官能基、例えばイソシアネート基、アミノ基、ヒドロキシ基、アミド基またはグリシジル基を有するモノマーは、例えば支持体上での付着力を改善することができる。殊に、環式ラクタム、例えばN−ビニルピロリドンまたはN−ビニルカプロラクタムもこれに該当する。
【0031】
ポリマーは、有利に少なくとも40質量%、特に有利に少なくとも60質量%、殊に有利に少なくとも80質量%がC1〜C20−アルキル(メタ)アクリレート、殊に上記のアルキル(メタ)アクリレートから構成されている。
【0032】
好ましくは、エネルギーに富んだ光、例えばUV光または電子線での照射によって架橋可能なポリマーが重要である。
【0033】
このポリマーは、例えば水素プロトンがポリマー主鎖から光化学的に、殊に光開始剤を使用しながらでも分離されうるかまたは電子線によって分離されうる場合に相応して架橋可能であり、したがってさらに化学反応を生じうるラジカルが発生する。
【0034】
特に、この混合物は、光開始剤を含有する。
【0035】
光開始剤は、例えばいわゆるα−分解剤であることができ、この分解剤は、化学結合を分解する光開始剤であり、したがって2個のラジカルが生じ、これらのラジカルは、他の架橋反応または重合反応を開始させる。
【0036】
例えば、アシルホスフィンオキシド(BASF社のLucirin(登録商標))、ヒドロキシアルキルフェノン(例えば、Irgacure(登録商標)184)、ベンゾイン誘導体、ベンジル基誘導体、ジアルキルオキシアセトフェノンが挙げられる。
【0037】
殊に、水素原子が重合体鎖から分離される、いわゆるH−引抜剤(H-Abstraktor)が重要であり、例えばこの場合には、カルボニル基を有する光開始剤が重要である。このカルボニル基は、C−C−O−H基の形成下にC−H結合に移行する。
【0038】
この場合には、殊にアセトフェノン、ベンゾフェノンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
【0039】
双方の種類の光開始剤は、単独で使用されてもよいし、混合物で使用されてもよい。
【0040】
1つの特殊な実施態様において、光開始剤または光開始剤の少なくとも1つは、混合物が使用される場合には、ポリマーA)に結合している。
【0041】
特に有利には、ラジカル共重合によって重合体鎖中に組み込まれている光開始剤が重要である。特に、そのために光開始剤は、アクリル基または(メタ)アクリル基を含有する。
【0042】
適した共重合可能な光開始剤は、少なくとも1個、特に1個のエチレン系不飽和基を含有するアセトフェノン誘導体またはベンゾフェノン誘導体である。エチレン系不飽和基は、特にアクリル基またはメタクリル基である。
【0043】
エチレン系不飽和基は、アセトフェノン誘導体またはベンゾフェノン誘導体のフェニル環に直接結合していてよい。一般に、フェニル環とエチレン系不飽和基との間には、スペーサー基(スペーサーホルダーAbstandshalter)が存在する。スペーサー基は、例えば100個までの炭素原子を含有することができる。
【0044】
適したアセトフェノン誘導体またはベンゾフェノン誘導体は、例えば欧州特許出願公開第346734号明細書、欧州特許出願公開第377199号明細書(請求項1)、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4037079号明細書(請求項1)およびドイツ連邦共和国特許出願公開第3844444号明細書(請求項1)中に記載されており、これらの参照指示により本明細書中にも開示されている。好ましいアセトフェノン誘導体またはベンゾフェノン誘導体は、式
【化1】

〔式中、R11は、30個までの炭素原子を有する有機基を表わし、R21は、H原子またはメチル基を表わし、R3は、置換されていてもよいフェニル基を表わすかまたはC1〜C4−アルキル基を表わす〕で示されるものである。
【0045】
11は、特に有利にアルキレン基、殊にC2〜C8−アルキレン基を表わす。
【0046】
31は、特に有利にメチル基またはフェニル基を表わす。
【0047】
本発明による混合物は、A)+B)の質量の総和100g当たり、光開始剤または光開始剤として作用する、ポリマーに結合した分子群を特に0.0001〜0.5mol、特に有利に0.0002〜0.1mol、殊に有利に0.003〜0.01mol含有する。
【0048】
ポリマーA)は、テトラヒドロフラン(1%の溶液、21℃)中で測定された、特に10〜100、殊に30〜80、特に有利に40〜60のK値を有する。
【0049】
フィッケンチャーによるK値は、ポリマーの分子量および粘度に対する1つの基準である。
【0050】
上記のK値範囲と結合した分子量は、化合物B)の分子量よりも遙かに高い。ポリマーA)の平均分子量(数平均分子量ならびに質量平均分子量)は、一般に化合物B)の分子量の少なくとも2倍、殊に少なくとも10倍の高さである。
【0051】
ポリマーA)のガラス転移温度(Tg)は、特に−60〜+10℃、特に有利に−55〜0℃、殊に有利に−55〜−10℃である。
【0052】
ポリマーのガラス転移温度は、常法、例えば示差熱分析法または示差走査熱分析法(例えば、ASTM3418/82、いわゆる「中点温度(midpoint temperature)」を参照のこと)によって測定することができる。
【0053】
ポリマーA)は、複数のモノマー成分を通常の重合開始剤ならびに場合によっては調節剤を使用しながら共重合させることによって製造されることができ、この場合には、通常の温度で物質中、エマルジョン中、例えば水中または液状炭化水素中、または溶液中で重合される。特に、ポリマーは、モノマーを溶剤中(溶液重合)、殊に50〜150℃、特に60〜120℃の沸騰範囲の溶剤中で、一般にモノマーの全質量に対して0.01〜10質量%、殊に0.1〜4である通常の量の重合開始剤を使用しながら重合させることによって製造される。溶剤としては、殊にアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノール、n−ブタノールおよびイソブタノール、特にイソプロパノールおよび/またはイソブタノールならびに炭化水素、例えばトルエン、殊に60〜120℃の沸騰範囲のベンジンがこれに該当する。更に、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびエステル、酢酸エチルエステルならびに前記種類の溶剤の混合物を使用することができ、この場合には、使用される溶剤に対して10〜80質量%、特に25〜60質量%の量でイソプロパノールおよび/またはイソブタノールを含有する混合物が有利に使用される。
【0054】
重合開始剤としては、溶液重合の場合に、例えばアゾ化合物、ケトンペルオキシドおよびアルキルペルオキシドがこれに該当する。
【0055】
溶液中での重合後、溶剤は、場合によっては減圧下で分離されることができ、この場合には、例えば100〜150℃の範囲内の高められた温度で作業される。更に、重合は、溶剤不含の状態で、即ち溶融液として使用されることができる。また、多くの場合には、ポリマーを物質中での重合によって、即ち溶剤の共用なしに製造することは、有利であり、この場合には、例えば米国特許第4042768号明細書の記載によりバッチ法で作業してもよいし、連続的に使用してもよい。
【0056】
化合物B)に関して
化合物B)は、ラジカル重合可能なエチレン系不飽和基(略して重合性基)および5000g/mol未満の質量平均分子量Mwを有する化合物である。
【0057】
本質的な特徴は、化合物Bの少なくとも10質量%が少なくとも1つの非芳香族環系を有する化合物であることであり、以下、化合物B1と呼称される。
【0058】
非芳香族環系としては、脂環式環系またはヘテロ環式系、殊に炭素と共になお窒素を有する系がこれに該当する。
【0059】
脂環式環系としては、簡単な環系、例えばシクロヘキサン環、または二環式環系または多環式環系、例えば2個の炭素六員環、2個の炭素五員環または1個の炭素六員環および1個の炭素五員環がこれに該当し、この場合には、それぞれ環系の2個のC原子間にもう1つの炭素橋が形成されていてよい。
【0060】
この種の環系には、簡単な反応によってラジカル重合可能な基(殊にビニル基、またはアクリル基またはメタクリル基)が直接結合されていてもよいし、場合によってはスペーサーホルダー(スペーサー)により結合されていてもよい。
【0061】
脂環式環系および重合可能な基を有する適当な化合物B1は、Sartomer(登録商標)またはLaromer(登録商標)の商品名で入手可能である。
【0062】
ヘテロ環式環系としては、殊にイソシアヌレート環が挙げられる。
【0063】
イソシアヌレートは、モノイソシアネートまたはポリイソシアネート、殊にジイソシアネートを三量体化することによって得ることができる。また、別の製造法、例えばイソシアヌル酸から出発する製造法は、公知である。
【0064】
イソシアヌレート環は、全部で3個のイソシアネート基によって形成される。三量体化されたポリイソシアネートの場合、それぞれポリイソシアネートまたはジイソシアネートのイソシアネート基は、環の成分であり、別のイソシアネート基は、含まれておらず、他の反応に使用される。遊離イソシアネート基は、ラジカル重合可能な基を含有する化合物と簡単に反応されうる。例えば、ヒドロキシアルキルアクリレートとの反応は、極めて簡単である。三量体化されたモノイソシアネートの場合、イソシアヌレート環は、3個の存在するイソシアネート基によって形成される。ラジカル重合可能な基は、モノイソシアネートの適当な別の官能基との反応によって結合される。
【0065】
イソシアヌレートとして好ましいのは、通常のジイソシアネートのイソシアヌレートである。
【0066】
殊に、ジイソシアネートX(NCO)2を挙げることができ、この場合、Xは、炭素原子4〜15個を有する脂肪族炭化水素基、炭素原子6〜15個を有する脂環式炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基または炭素原子7〜15個を有する芳香脂肪族炭化水素基を表わす。この種のジイソシアネートの例は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナト−3,5,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、2,2−ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)−プロパン、トリメチルヘキサンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトベンゼン、2,4−ジイソシアナトトルエン、2,6−ジイソシアナトトルエン、4,4′−ジイソシアナト−ジフェニルメタン、2,4′−ジイソシアナト−ジフェニルメタン、p−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(HMDI)の異性体、例えばトランス/トランス−異性体、シス/シス−異性体およびシス/トランス−異性体ならびにこれらの化合物からなる混合物である。
【0067】
特に好ましい化合物B1は、適当な反応性化合物、殊にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応によって(メタ)アクリル基を含有する前記イソシアヌレートである。
【0068】
化合物B1は、非芳香族環系と共に芳香族環系または脂肪族分子群を含有していてもよい。
【0069】
特に、化合物B1は、その分子量に対して少なくとも5質量%が環系の成分である炭素原子または窒素原子からなる。環を形成する原子だけが考慮され、この原子の置換基は、考慮されず;イソシアヌレート環は、例えばそれぞれ3個の炭素および3個の窒素原子によって形成され(36+42=78g)、この値は、全ての分子量に関連して規定される。
【0070】
特に有利には、化合物B1は、その分子量に対して少なくとも7質量%、殊に少なくとも10質量%、殊に有利に少なくとも15質量%、および特殊な実施態様の場合に少なくとも20質量%が環系の成分である炭素原子または窒素原子からなる。好ましくは、化合物B1は、70質量%以下、特に有利に50質量%以下、または45質量%以下、殊に有利に35質量%以下が環系の成分である炭素原子または窒素原子からなる。
【0071】
イソシアヌレート環および重合可能な基を有する適当な化合物B1は、同様にSartomer(登録商標)またはLaromer(登録商標)の商品名で入手可能である。
【0072】
化合物Bは、化合物B1と共に他の化合物を含有することができる。
【0073】
好ましくは、化合物Bの少なくとも30質量%、特に有利に少なくとも50質量%、殊に有利に少なくとも80質量%、殊に100質量%は、化合物B1である。
【0074】
化合物B)としては、B1と共に別の化合物もこれに該当する。
【0075】
例えば、上記のモノマーを挙げることができ、該モノマーからポリマーA)は、構成されていてよい。殊に、アクリル基またはメタクリル基を有するアクリルモノマーを挙げることができる。
【0076】
殊に、複数のアクリル基を有する(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。
【0077】
(メタ)アクリレート化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル、殊に多官能性アルコール、特にヒドロキシル基と共に他の官能基を有しないかまたは必要とあればエーテル基を含有する多官能性アルコールのアクリル酸エステルが挙げられる。このようなアルコールの例は、例えば二官能価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、およびこれらの高度に凝縮された代表例、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、アルコキシル化されたフェノール系化合物、例えばエトキシル化されたかまたはプロポキシル化されたビスフェノール、シクロヘキサンジメタノール、三官能価および多官能価のアルコール、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリトリット、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリット、ソルビトール、マンニトールおよび相応するアルコキシル化された、殊にエトキシル化されたかまたはプロポキシル化されたアルコールである。
【0078】
アルコキシル化生成物は、公知方法で前記アルコールをアルキレンオキシド、殊にエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと反応させることによって得られる。有利に、アルコキシ化度は、ヒドロキシル基1個当たり0〜10であることが好ましく、即ち1molのヒドロキシル基は、特に10molまでのアルキレンオキシドでアルコキシ化されていてよい。
【0079】
更に、(メタ)アクリレート化合物としては、ポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられ、この場合には、ポリエステロールの(メタ)アクリル酸エステルが重要である。
【0080】
ポリエステロールとしては、例えばポリカルボン酸、特にジカルボン酸をポリオール、特にジオールでエステル化することによって製造されうるポリエステロールがこれに該当する。このようなヒドロキシ基含有ポリエステルのための出発物質は、当業者に公知である。有利には、ジカルボン酸として、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、o−フタル酸、その異性体および水素化生成物ならびにエステル化可能な誘導体、例えば無水物、または前記の酸のジアルキルエステルが使用されてよい。ポリオールとしては、上記のアルコール、特にエチレングリコール、プロピレングリコール−1,2およびプロピレングリコール−1,3、ブタンジオール−1,4、ヘキサンジオール−1,6、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールならびにエチレングリコールおよびプロピレングリコールのタイプのポリグリコールがこれに該当する。
【0081】
ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば欧州特許第279303号明細書に記載されているように、アクリル酸、ポリカルボン酸、ポリオールから多段階または単一段階で製造することができる。
【0082】
更に、化合物B)は、例えばエポキシドアクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレートであることができる。
【0083】
エポキシド(メタ)アクリレートは、例えばエポキシ化されたオレフィン、またはポリグリシジルエーテルまたはモノグリシジルエーテルもしくはジグリシジルエーテル、例えばビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルを(メタ)アクリル酸と反応させることによって得られたエポキシド(メタ)アクリレートである。
【0084】
この反応は、当業者に公知であり、例えばR. Holmann, U.V. and E.B. Curing Formulation for Printing Inks and Paints, London 1984中に記載されている。
【0085】
ウレタン(メタ)アクリレートは、殊にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイソシアネートまたはジイソシアネートとの反応生成物である(同様に、R. Holmann, U.V. and E.B. Curing Formulation for Printing Inks and Paints, London 1984参照)。
【0086】
次の実施態様は、専ら化合物B1またはB1と他の化合物Bとの混合物が重要であることとは無関係に全ての化合物Bに当てはまる。
【0087】
化合物B)は、特に21℃、1バールで液状であり;21℃、1バールで固体の化合物が重要である場合には、この化合物は、ポリマーA)中で良好に溶解する。
【0088】
化合物Bまたは化合物Bの混合物の粘度は、DIN EN ISO 3219により測定された、23℃、1バールで特に0.01〜50Pas、特に有利に0.04〜10Pasであり;殊に有利には、粘度は、0.04〜2Pas、殊に0.04〜1Pasである。
【0089】
化合物Bの質量平均分子量は、有利に5000g/mol未満、特に有利に3000g/mol未満である(標準としてのポリスチレンおよび溶離剤としてのテトラヒドロフランを用いるゲル浸透クロマトグラフィーによって測定された)。殊に有利なのは、2000g/mol未満である。
【0090】
平均して、化合物Bは、1分子当たり平均して1〜5個、特に1.5〜3個、特に有利に2〜3個、1つの特殊な実施態様において2〜2.5個の重合性基を有する。
【0091】
A)とB)との混合物に関して
A)とB)との混合物は、例えば感圧接着剤のための結合剤として適しており、この場合A)の質量分は、特に最大99質量%、特に有利に最大95質量%、特に少なくとも30質量%、殊に有利に少なくとも50質量%または少なくとも60質量%である。
【0092】
相応して、B)の質量分は、特に最大70質量%、特に有利に最大50質量%または最大40質量%、特に少なくとも1質量%、特に有利に少なくとも5質量%である。
【0093】
A)およびB)の適した質量範囲は、殊に次の通りである:
A)に関して:99〜30質量%、特に有利に95〜50質量%、殊に有利に95〜60質量%、殊に95〜70質量%、
B)に関して:相応して1〜70質量%、特に有利に5〜50質量%、殊に有利に5〜40質量%、殊に5〜30質量%。
【0094】
この場合、A)とB)との全体の質量の記載は、A)とB)との質量の総和に関連する。
【0095】
A)とB)との混合物は、常法により製造されることができる。
【0096】
特に、ポリマーA)は、例えば50〜130℃の温度に加熱され、化合物A)は、場合によっては他の添加剤と一緒に導入される。
【0097】
感圧接着剤としての使用に関して
この混合物は、感圧接着剤のための結合剤として適している。感圧接着剤は、ただA)とB)との混合物だけからなることができる。
【0098】
殊に、水またはそれ以外の溶剤、例えばA)の溶液重合からの溶剤を場合によっては微少量で含有しかつ溶融液から搬送される溶融感圧接着剤がこれに該当する。
【0099】
特に、感圧接着剤または溶融感圧接着剤は、A)およびB)の質量の総和の100質量部に対して水および/または溶剤を5質量部、殊に2質量部未満または1質量部含有する。特に有利には、感圧接着剤または溶融感圧接着剤は、本質的に水およびそれ以外の溶剤を含有しない。
【0100】
特に、感圧接着剤は、少なくとも1つの光開始剤(上記参照)を含有する。この場合、ポリマーに結合した光開始剤が重要でない場合には、光開始剤は、A)とB)との混合物に添加することができるかまたは既に成分A)またはB)にいつでも添加することができる。
【0101】
更に、感圧接着剤に添加されてよい添加剤は、例えば充填剤、染料、流展助剤および殊に粘着性付与剤(粘着性にする樹脂)である。
【0102】
粘着性付与剤は、例えば天然樹脂、例えばコロホニウム樹脂およびこれらの不均化反応もしくは異性化、重合、二量体化、水素化により生じる誘導体である。これらはその塩の形で(例えば一価もしくは多価の対イオン(カチオン)を有する)または有利にはそのエステル化された形で存在していてよい。エステル化のために使用されるアルコールは、一価であっても多価であってもよい。例は、メタノール、エタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,3−プロパンチオール、ペンタエリトリットである。
【0103】
更に、炭化水素樹脂、例えばクマロン−インデン樹脂、ポリテルペン樹脂、不飽和CH化合物を基礎とする炭化水素樹脂、例えばブタジエン、ペンテン、メチルブテン、イソプレン、ピペリレン、ジビニルメタン、ペンタジエン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンが使用される。
【0104】
粘着性付与剤として、低い分子量を有するポリアクリレートもますます使用されている。特に、このポリアクリレートは、30000未満の質量平均分子量Mwを有する。このポリアクリレートは、有利に少なくとも60質量%、殊に少なくとも80質量%がC1〜C8アルキル(メタ)アクリレートからなる。
【0105】
好ましい粘着性付与剤は、天然または化学的に変性されたコロホニウム樹脂である。コロホニウム樹脂は、主要部がアビエチン酸またはアビエチン酸誘導体からなる。
【0106】
粘着性付与剤の質量は、例えばA)+B)の質量の総和の100質量部に対して5〜100質量部、特に有利に10〜50質量部である。
【0107】
感圧接着剤は、特に溶融感圧接着剤として使用され、即ちこの溶融感圧接着剤は、溶融液から所望の担体上に塗布される。
【0108】
殊に、本発明による感圧接着剤または溶融感圧接着剤は、粘着性の製品、例えばラベル、接着テープまたは接着フィルム、例えば保護フィルムの製造に適している。
【0109】
粘着性の製品は、一般に担体と片面または両面、特に片面に施こされた接着剤層とからなる。
【0110】
担持材料は、例えば紙、ポリオレフィンまたはPVCからなるプラスチックフィルムであることができる。
【0111】
粘着性の製品は、殊に感圧接着剤を担体上に施こし、引続きUV光または電子線で架橋を行なうことによって製造される。
【0112】
本発明の特殊な利点は、大きな塗布量、即ち厚手の感圧接着剤層を有する粘着性の製品を製造することができることである。
【0113】
塗布量は、殊に担体1m2当たり10〜300g、特に10〜150g、通常しばしば20〜80gであることができる。
【0114】
被覆された担体は、エネルギーに富んだ光、特にUV光で照射され、望ましい架橋を達成することができる。照射エネルギーは、例えば照射された面積1cm2当たり10mJ〜1500mJであることができる。
【0115】
粘着性の製品としては、ラベルまたは取付け用接着テープが好ましい。
【0116】
更に、好ましいのは、保護フィルムである。保護フィルムは、輸送または貯蔵の際に物体を保護する。保護フィルムは、物体から残滓なしに手で再び取り去ることができる。
【0117】
粘着性の製品は、多種多様の支持体のために適している。支持体は、例えば金属、紙、厚紙、木材、プラスチック等からなるものであることができる。
【0118】
一般に、よりいっそう厚手の層厚の場合でも、極めて良好な接着力および特に高い凝集力が達成される。
【0119】
殊に、熱負荷安定性も改善され、即ち接着剤は、高い温度でも維持される。本発明による混合物または感圧接着剤は、特に例えば自動車の工業用製品の場合に使用される取付け用接着テープのためにも特に好適である。
【実施例】
【0120】
実施例1:UV架橋性ポリマー
加熱冷却循環路を備えたガラス反応器、攪拌機、熱電対、還流冷却器、窒素導入管および計量供給容器からなる重合装置内に、弱い窒素流中でメチルエチルケトン364g(MEK)を装入し、80℃に加熱する。モノマー100gにn−ブチルアクリレート94.8%、アクリル酸5%および式Iの光開始剤0.18%からなる混合物を添加する。80℃に再び到達した後、第三ブチルペルピバレート13.07gとMEK86.7gとからなる開始剤溶液4.9gを添加し、10分間重合させる。次に、モノマー混合物1906gを3時間で侵入させ、開始剤溶液94.75gを3時間15分で侵入させる。引続き、MEK41.6g中の第三ブチルペルピバレート6.4gの溶液を5分間で供給し、温度を85℃に上昇させ、45分間十分に重合させる。次に、2,6−ジ−第三ブチル−p−クレゾール0.6gを添加し、この溶液を冷却し、および充填する。固体含量:80.3% K値:49.2。
【0121】
実施例2:イソシアヌレートとの混合物
実施例1からのポリマー溶液990gに4−ヒドロキシ−テンポ(4-Hydroxy-Tempo)0.0031gを添加し、真空中で溶剤を除去し、その際に135℃に昇温させる。このポリマーを110℃に冷却し、80℃に予熱した、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体のトリアクリレート62.4g(3分子のヘキサメチレンジイソシアネートと3分子のヘキサエチルアクリレートとからなるイソシアヌレート、環状原子の割合9質量%)およびLucirin TPO−L26.7gを添加し、さらに1時間攪拌し、次に放置する。
【0122】
110℃での零粘度 78.4Pas。
【0123】
実施例3:シクロアリフェート(Cyclosliphat)との混合物
実施例1からのポリマー溶液878gに4−ヒドロキシ−テンポ(4-Hydroxy-Tempo)0.04g、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.6g、2,6−ジ−第三ブチル−p−クレゾール0.2gを添加し、真空中で溶剤を除去し、その際に135℃に昇温する。このポリマーを110℃に冷却し、80℃に予熱したSartomer SR 833 S 55.7gおよびLucirin TPO-L23.9gを添加し、さらに1時間攪拌し、次に放置する。
【0124】
Sartomer SR 833の式(環状原子の割合39質量%):
【化2】

【0125】
110℃での零粘度 90Pas。
【0126】
実施例4
加熱冷却循環路を備えたガラス反応器、攪拌機、熱電対、還流冷却器、窒素導入管および計量供給容器からなる重合装置内に、弱い窒素流中でメチルエチルケトン456g(MEK)を装入し、80℃に加熱する。モノマー120gにn−ブチルアクリレート94.73%、アクリル酸5%および式Iの光開始剤0.27%からなる混合物を添加する。80℃に再び到達した後、第三ブチルペルピバレート19.3gとMEK88.8gとからなる開始剤溶液5.4gを添加し、10分間重合させる。次に、モノマー混合物2291gを3時間で侵入させ、開始剤溶液102.6gを3時間15分で侵入させる。引続き、MEK52g中の第三ブチルペルピバレート6.4gの溶液を5分間で供給し、温度を85℃に上昇させ、45分間十分に重合させる。この溶液を冷却させる。
【0127】
固体含量:80.1% K値:48.0。
【0128】
実施例5:イソシアナウレート(Isocyanaurat)との混合物
実施例4からのポリマー溶液561gに4−ヒドロキシ−テンポ(4-Hydroxy-Tempo)0.018gを添加し、真空中で溶剤を除去し、その際に135℃に昇温させる。このポリマーを110℃に冷却し、80℃に予熱したSartomer SR 368 35gおよびLucirin TPO-L 15gを添加し、さらに1時間攪拌する。
Sartomer SR 368の式(環状原子の割合18質量%):
【化3】

【0129】
110℃での零粘度:46Pas。
【0130】
実施例6:イソシアナウレート(Isocyanaurat)との混合物
実施例4からのポリマー溶液728gに4−ヒドロキシ−テンポ(4-Hydroxy-Tempo)0.021gを添加し、真空中で溶剤を除去し、その際に135℃に昇温させる。このポリマーを110℃に冷却し、IPDI三量体(3分子のイソホロンジイソシアネートと3分子のヒドロキシエチルアクリレートから、環状原子の割合29質量%)からなるトリアクリレートの79%のアセトン性溶液57.6gを添加する。更に、Lucirin TPO-L 21gを添加する。その後に、なお110℃で15分間真空中でさらに脱ガスする。この混合物を放置する。
【0131】
110℃での零粘度:116Pas。
【0132】
比較例1
実施例1からのポリマー溶液536gに4−ヒドロキシ−テンポ(4-Hydroxy-Tempo)0.0018gを添加し、真空中で溶剤を除去し、その際に135℃に昇温させる。このポリマーを110℃に冷却し、80℃に予熱したヘキサメチレンジアクリレート35.14gおよびLucirin TPO-L 15gを添加し、なお1時間攪拌し、次に放置する。
【0133】
110℃での零粘度:43Pas。
【0134】
試験法
この混合物を他の添加剤なしに溶融感圧接着剤として使用した。この混合物を95℃に加熱し、ドクターブレード(Balkenrakel)を用いて直接にポリエチレンテレフタレート(PETP)フィルム上に被覆した(接着剤塗布量60g乾燥時/m2)。
【0135】
その後に、被覆されたフィルムをUV光で照射した。照射線量は、表中に記載されている(Hスペクトル;Hg中程度の圧力、120W/cm)。
【0136】
その後に、次の試験を実施した:
感圧接着剤により被覆した担体を、幅25mmの試験ストリップに切断した。剪断強さを測定するために、試験ストリップを、25mm2の接着面積で鋼(Afera鋼)からなる試験面上に接着し、重さ1kgのローラーで1回ロール掛けし、10分間貯蔵し(標準条件、相対空気湿度は1バール、23℃で50%)、かつ引続き1kgのおもりを懸下して、負荷をかけた(標準条件)。剪断強さのための基準は、時間で表される、おもりが落下するまでの時間であり、これはそのつど平均して5回の測定から算出した。
【0137】
剥離強さ(接着力)を測定する場合には、それぞれ2.5cmの幅の試験ストリップを鋼からなる試験面上に接着し、重さ1kgのローラーで1回ロール掛けした。次に、この試験ストリップの一端を引張−伸び−試験機の上側のチーク中に張る。この接着ストリップを300mm/分で試験面から180゜の角度で取り出し、即ちこの接着ストリップを折り曲げ、試験薄板と平行に取出し、そのために必要とされたエネルギー消費量を測定した。剥離強さのための基準は、N/2.5cmでの力であり、この力は、5回の測定の平均値としてもたらされた。
【0138】
剥離強さを接着してから24時間後に測定した。この時間の後、接着力は、完全に形成された。
【0139】
SAFT試験(Shear Adhesion Failure Temperature保持力欠損温度、熱負荷安定性)について、剪断試験のために準備したような試験体を鋼上に接着したが、しかし、この場合には、重さ2kgのローラーで4回ロール掛けし、標準気候中で16時間貯蔵した。次に、この試験体を空調された乾燥箱中で懸吊し、1kgの負荷を掛け、温度を0.5℃/分の段階で上昇させた。重りが落下した温度を熱負荷安定性のための基準と見なした。3回の測定からの平均値が記載されている。
【0140】
表:試験結果
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)ラジカル重合可能な化合物を重合させることによって得られたポリマーおよび
B)ラジカル重合可能なエチレン系不飽和基(略して重合性基)および5000g/mol未満の質量平均分子量Mwを有する化合物を含有する混合物において、化合物Bの少なくとも10質量%が少なくとも1個の非芳香族環系を有する化合物B1であることを特徴とする、上記混合物。
【請求項2】
ポリマーA)の少なくとも40質量%がC1〜C20−アルキル(メタ)アクリレートから構成されている、請求項1記載の混合物。
【請求項3】
ポリマーがエネルギーに富んだ光での照射によって架橋可能である、請求項1または2記載の混合物。
【請求項4】
ポリマーに光開始剤が結合されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項5】
ポリマーが10〜100のK値(テトラヒドロフラン、1質量%の溶液、21℃)を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項6】
ポリマーが溶液重合体である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項7】
化合物B1の非芳香族環系が脂環式環系である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項8】
化合物B1の非芳香族環系がイソシアヌレート環系である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項9】
化合物Bの少なくとも50質量%が化合物B1である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項10】
化合物B1は、その分子量に対して少なくとも10質量%が環系の成分である炭素原子または窒素原子からなる、請求項1から9までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項11】
化合物B)が平均して1分子当たり1〜5個の重合性基を含有する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項12】
化合物Bの重合性基がアクリル基またはメタクリル基である、請求項1から11までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項13】
化合物B)の質量分がA)+B)の質量の総和に対して5〜70質量%である、請求項1から12までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項14】
前記混合物がポリマーA)と化合物B)の質量の総和の100g当たり光開始剤または光開始剤基0.0001〜0.5molを含有する、請求項1から13までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項15】
前記混合物がA)とB)の質量の総和の100質量部に対して水または溶剤を5質量部未満含有する、請求項1から14までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項16】
感圧接着剤としての請求項1から15までのいずれか1項に記載の混合物の使用。
【請求項17】
感圧接着剤としての請求項1から15までのいずれか1項に記載の混合物を使用することによって得られた粘着性のラベル、フィルムまたはテープ。
【請求項18】
粘着性の製品の製造法において、請求項1から15までのいずれか1項に記載の混合物を担体上に塗布し、エネルギーに富んだ放射線で照射することを特徴とする、粘着性の製品の製造法。

【公表番号】特表2010−507711(P2010−507711A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533878(P2009−533878)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061623
【国際公開番号】WO2008/049932
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】