説明

鞍乗型車両及びパワーユニット

【課題】 鞍乗型車両のVベルト式無段変速機を、コンパクトでありながら耐久性が高く、車両の走行状況に応じた変速動作を応答性良く実現できるようにする。
【解決手段】 ATVのVベルト式無段変速機30において、プライマリシーブ32の可動シーブ32aは、固定シーブ32bに対して車両幅方向外側に配置されており、電動モータ38の駆動力によりプライマリシーブ32及びセカンダリシーブ34の溝幅を調整するシーブ駆動機構39は、プライマリシーブ32の可動シーブ32aに対して車両幅方向外側に配置される。ATVのフートボードは、Vベルト式無段変速機30の車両幅方向外側で、かつプライマリシーブ軸31及びセカンダリシーブ軸より下方に配置される。電動モータ38は、シーブ軸方向視において、その一部がプライマリシーブ軸31より上方で、かつ、車両前方に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの駆動力を駆動輪に伝達するVベルト式無段変速機が着座シートの下方に配置される鞍乗型車両、及び、エンジンのクランクケース側方にVベルト式無段変速機を組み付けたパワーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ATV(all-terrain vehicle=全地形型車両)と呼ばれる鞍乗型車両の需要が増えている。
この車両は、低圧幅広のバルーンタイヤ等が装着された車輪を車体フレームの前後の左右にそれぞれ装備した四輪車で、車体フレームの上部には、前輪側から後輪側に向かって順に、バー型の操向ハンドル、燃料タンク、鞍乗型の着座シートが配置され、エンジンの駆動力を駆動輪に伝達するVベルト式無段変速機が前記着座シートの下方に配置されたものが、各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記Vベルト式無段変速機は、エンジンの駆動力が入力されるプライマリシーブ軸上に配された可動シーブ及び固定シーブによってベルト巻回用のV溝を形成するプライマリシーブと、前記駆動輪への駆動力を取り出すセカンダリシーブ軸上に配された可動シーブ及び固定シーブによってベルト巻回用のV溝を形成するセカンダリシーブと、これらのプライマリシーブ及びセカンダリシーブのV溝に巻回されて両シーブ間で回転駆動力を伝達する無端状のVベルトと、前記プライマリシーブの可動シーブを軸方向に変位させて、それに伴うプライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅の変動によって変速比の調整を行うシーブ駆動機構とを備えた構成とされる。
【0004】
前記シーブ駆動機構は、以前は、エンジン回転数に相応して作用する遠心力を利用して可動シーブに軸方向の変位を付与する遠心式のものが一般的であった。
しかし、遠心式のシーブ駆動機構は、例えば、走行路が平坦路から登坂路に切り替わるような場合に、路面の変化等に応じて速やかに溝幅の調整動作(即ち、変速動作)をさせたくても、実際に路面からの負荷の増大によってエンジン回転数が落ちるまでは、作動しない。即ち、応答遅れが生じるという問題があった。
【0005】
そこで、このような応答遅れを解消するために、スクータ型自動二輪車に搭載されるVベルト式無段変速機では、電動モータと、この電動モータを制御する制御装置と、前記電動モータの駆動力を前記プライマリシーブの可動シーブに伝えることで前記プライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅を調整するシーブ駆動機構と、を備えた構成としたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
なお、スクータ型自動二輪車では、一般に、Vベルト式無段変速機が、エンジンのクランクケース側方にVベルト式無段変速機を組み付けて1ユニット化したパワーユニットとして組み込まれる。その場合に、パワーユニットは車体フレームに揺動自在に懸架して、後輪を揺動自在に支持するスイングアームとしても機能させられる。
【0007】
【特許文献1】特開2004−156657号公報
【特許文献2】特許第3043061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、最近のATVの需要増大に伴い、ATVに搭載されるVベルト式無段変速機でも、プライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅調整を電動化して、変速処理の応答性等を改善することが望まれている。
ところが、ATVは、スクータ型自動二輪車とは構造がかなり相異していて、スクータ型自動二輪車のVベルト式無段変速機に採用した電動モータの設置方法等を、そのままATVに流用できない。
【0009】
例えば、文献2のようにスクータ型自動二輪車においてスイングアームとしても利用されるパワーユニットのVベルト式無段変速機は、プライマリシーブとセカンダリシーブとの間に比較的に大きな離間距離があり、これらのプライマリシーブとセカンダリシーブとの間のスペースを溝幅調整用の電動モータの設置スペースに利用することができる。これに対して、ATVは、前輪と後輪の間にVベルト式無段変速機が配置されるため、ベルト室の大きさに制限があり、プライマリシーブとセカンダリシーブとを略隣り合うまで接近してコンパクトに配置することが不可欠となるため、文献2のようにプライマリシーブとセカンダリシーブとの間には電動モータを設置することは困難である。
【0010】
さらに、ATVでは、クランクケース及びVベルト式無段変速機の外側に乗員の足乗せ部を装備するため、ベルト室が車幅方向に大きくなる、または不用意に電動モータを車体外側に設けると、乗員の足乗せの邪魔になり、取り扱い性を低下させる虞がある。
【0011】
また、エンジンのシリンダブロック等の発熱部に近いところに電動モータを設置すると、熱の影響で電動モータの寿命が低下したり、或いは、昇温による電動モータの動作精度の低下によって、本来の変速性能が得られなくなる虞もある。
【0012】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、コンパクトでありながら耐久性が高く、車両の走行状況に応じた変速動作を応答性良く実現できる鞍乗型車両及びパワーユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の上記目的は、エンジンの駆動力を駆動輪に伝達するVベルト式無段変速機が着座シートの下方に配置される鞍乗型車両であって、
前記Vベルト式無段変速機は、
前記エンジンの駆動力が入力されるプライマリシーブ軸上に配された可動シーブ及び固定シーブによってベルト巻回用のV溝を形成するプライマリシーブと、
前記駆動輪への駆動力を取り出すセカンダリシーブ軸上に配された可動シーブ及び固定シーブによってベルト巻回用のV溝を形成するセカンダリシーブと、
これらのプライマリシーブ及びセカンダリシーブのV溝に巻回され、両シーブ間で回転駆動力を伝達するVベルトと、
電動モータと、
前記電動モータを制御する制御装置と、
前記電動モータの駆動力を前記プライマリシーブの可動シーブに伝えることで、前記プライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅を調整するシーブ駆動機構と、を備えており、
前記プライマリシーブの可動シーブは、前記プライマリシーブの固定シーブに対して車両幅方向外側に配置され、
前記シーブ駆動機構は、前記プライマリシーブの可動シーブに対して車両幅方向外側に配置され、
前記鞍乗型車両の足乗せ部は、前記Vベルト式無段変速機の車両幅方向外側で、かつ前記プライマリシーブ軸及びセカンダリシーブ軸より下方に配置され、
前記電動モータは、シーブ軸方向視において、少なくともその一部が前記プライマリシーブ軸より上方で、かつ、車両前方に配置されていることを特徴とする鞍乗型車両により達成される。
【0014】
なお、上記構成の鞍乗型車両において、前記エンジンの排気管が前記Vベルト式無段変速機の車両上方に配置され、前記電動モータが前記Vベルト式無段変速機の車両前方に配置された構成とすることが望ましい。
【0015】
また、上記構成の鞍乗型車両において、フロントフェンダが、前記Vベルト式無段変速機の車両前方に配置されている構成とすることが望ましい。
【0016】
また、上記構成の鞍乗型車両において、シーブ軸方向視において、前記プライマリシーブと前記電動モータが重なる構成とすることが望ましい。
【0017】
また、上記構成の鞍乗型車両において、前記電動モータの回転軸は、前記プライマリシーブ軸と軸方向が一致する構成とすることが望ましい。
【0018】
また、上記構成の鞍乗型車両において、シーブ軸方向視において、前記電動モータは前記シーブ駆動機構の減速機構より前記プライマリシーブ軸寄りに配置される構成とすることが望ましい。
【0019】
また、上記構成の鞍乗型車両において、シーブ軸方向視において、前記電動モータは前記シーブ駆動機構の減速機構より前記プライマリシーブ軸寄りに配置される構成とすることが望ましい。
【0020】
また、本発明の上記目的は、エンジンと、
該エンジンのクランクケース側方に配置されて前記エンジンの駆動力を駆動輪に伝達するVベルト式無段変速機と、を備えたパワーユニットであって、
前記エンジンは、前記クランクケースに取付けられたシリンダブロックを備え、
前記Vベルト式無段変速機は、
前記エンジンの駆動力が入力されるプライマリシーブ軸上に配された可動シーブ及び固定シーブによってベルト巻回用のV溝を形成するプライマリシーブと、
前記駆動輪への駆動力を取り出すセカンダリシーブ軸上に配された可動シーブ及び固定シーブによってベルト巻回用のV溝を形成すると共に、前記プライマリシーブに隣接配置されるセカンダリシーブと、
これらのプライマリシーブ及びセカンダリシーブのV溝に巻回され、両シーブ間で回転駆動力を伝達するVベルトと、
電動モータと、
前記電動モータを制御する制御装置と、
前記電動モータの駆動力を前記プライマリシーブの可動シーブに伝えることで、前記プライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅を調整するシーブ駆動機構と、を備えており、
前記プライマリシーブの可動シーブと前記シーブ駆動機構は、前記プライマリシーブの固定シーブに対して前記クランクケースとは逆側に配置され、
前記電動モータは、前記シリンダブロックのシリンダ軸線と直交するプライマリシーブ軸を含む仮想平面よりも前記シリンダブロック側に配置されることを特徴とするパワーユニットにより達成される。
【0021】
なお、上記構成のパワーユニットにおけるシーブ軸方向視において、前記プライマリシーブと前記電動モータが重なる構成とすることが望ましい。
【0022】
また、上記構成のパワーユニットにおいて、前記電動モータの回転軸は、前記プライマリシーブ軸と軸方向が一致する構成とすることが望ましい。
【0023】
また、上記構成のパワーユニットにおいて、シーブ軸方向視において、前記電動モータは前記シーブ駆動機構の減速機構より前記プライマリシーブ軸寄りに配置される構成とすることが望ましい。
【0024】
また、上記構成のパワーユニットにおいて、前記プライマリシーブ軸の周囲に前記シーブ駆動機構が配置され、その更に外側に前記電動モータが配置される構成とすることが望ましい。
【発明の効果】
【0025】
上記構成の鞍乗型車両によれば、Vベルト式無段変速機のプライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅調整に使う電動モータを、乗員の足乗せの邪魔にならず、しかもエンジンからの熱の影響を受けにくい車体外側に配置できる。
従って、プライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅調整に使う電動モータがエンジンからの熱の影響で寿命低下することもなく、コンパクトでありながら耐久性が高く、車両の走行状況に応じた変速動作を応答性良く実現することのできるVベルト式無段変速機を備えた鞍乗型車両を得ることができる。
【0026】
また、上記構成のパワーユニットによれば、Vベルト式無段変速機のプライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅調整に使う電動モータを、発熱の多いエンジンのシリンダブロックから離れてエンジンからの熱の影響を受けにくいクランクケースとは逆側に配置している。
従って、プライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅調整に使う電動モータがエンジンからの熱の影響で寿命低下することもなく、コンパクトでありながら耐久性が高く、車両の走行状況に応じた変速動作を応答性良く実現することのできるVベルト式無段変速機を備えたパワーユニットを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る鞍乗型車両及びパワーユニットの好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至図5は本発明の第1実施形態に係る鞍乗型車両及びパワーユニットを説明するもので、図1は本発明の第1実施形態に係るパワーユニットを搭載した鞍乗型車両の右側面図、図2は図1に示した鞍乗型車両の平面図、図3は図1に示した鞍乗型車両に搭載されたパワーユニットにおけるVベルト式無段変速機のカバーを取り外した状態の右側面図、図4は図3のA−A断面図、図5は図1に示したVベルト式無段変速機のカバーを示す右側面図である。なお、本明細書において、左右とは乗車状態での左右を意味する。
【0028】
図1及び図2に示したATV(全地形型車両)1は、車体フレーム2の上部の略中央部に、運転者(乗員)が座る鞍乗り型の着座シート3が配置され、この着座シート3の下方に、パワーユニット4が配置された鞍乗型車両である。また、前記パワーユニット4は、エンジン20のクランクケース21の側方に、該エンジン20の駆動力を駆動輪に伝達するVベルト式無段変速機30を組み付けて1ユニット化したものである(図3,4参照)。
【0029】
以下、ATV1の構成、パワーユニット4を構成しているエンジン20やVベルト式無段変速機30の構成を順に説明する。
ATV1において、車体フレーム2の上部で、着座シート3の前方には、シート3側から順に、燃料タンク6,バー型の操向ハンドル5が配置されている。
そして、車体フレーム2の前部には、前輪懸架装置7を介して低圧幅広のバルーンタイヤ8aが装着された左,右の前輪8,8が、また後部には後輪懸架装置(不図示)を介して低圧幅広のバルーンタイヤ10aが装着された左,右の後輪10,10が配設されている。
【0030】
また、上記車体フレーム2には、それぞれ前輪8の上方を覆う左,右フロントフェンダ11及び後輪10の上方を覆う左,右リヤフェンダ12が配設されており、各フェンダ11,12の上面にはキャリア13,14が左,右に渡るように配設されている。さらに、上記車体フレーム2のシート3の左,右下方には乗員の足を支持する足乗せ部としてのフートボード15が配設されており、フレーム2の前端にはバンパ16が配設されている。
【0031】
上記車体フレーム2は、図1及び図3に示すように、概ね横長矩形状に形成された左,右一対の鋼管製サイドフレーム17,17を車幅方向に延びる多数のクロスパイプ18で結合したダブルクレードル型のものである。
【0032】
上記パワーユニット4は、図1乃至図3に示すように、水冷式4サイクル単気筒のエンジン20と、該エンジン20のクランク軸方向右側部にボルト締め結合されたVベルト式無段変速機30とを備えている。
【0033】
このエンジン20は、図3に示すように、気筒軸線を前方に傾斜させるとともにクランク軸22(図4参照)を車幅方向に水平に向けて車体フレーム2に搭載されており、シリンダブロック23の上合面にシリンダヘッド24が接続されるとともに、上記シリンダブロック23の下合面に上記クランク軸22を収納したクランクケース21が接続されている。
【0034】
上記クランク軸22の軸方向左側端部には発電機(不図示)が装着されており、右側端部には遠心クラッチ機構25が装着されている。
この遠心クラッチ機構25は、クランク軸22にスプライン結合されて該クランク軸22と一体に回転するインナドラム26と、該インナドラム26の外周部を囲むように配設されたアウタドラム27と、これら一対のドラム26,27のボス部間に介設された一方向クラッチ28とを有している。
上記クランク軸22の回転が上昇すると、インナドラム26のウエイト26aが遠心力によってアウタドラム27に圧接し、もってアウタドラム27が回転する。
また上記一方向クラッチ28は、後輪側からの逆動力をクランク軸22に伝達することによりエンジンブレーキを作動させるように機能する。
【0035】
上記Vベルト式無段変速機30は、図4に示すように、クランク軸22から遠心クラッチ機構25を介してエンジン20の駆動力が入力されるプライマリシーブ軸31上に配された可動シーブ32a及び固定シーブ32bによってベルト巻回用のV溝32cを形成するプライマリシーブ32と、駆動輪への駆動力を取り出すセカンダリシーブ軸33(図2参照)上に配された可動シーブ34a及び固定シーブ34bによってベルト巻回用のV溝34cを形成するセカンダリシーブ34と、これらのプライマリシーブ32及びセカンダリシーブ34のV溝32c,34cに巻回され、両シーブ間で回転駆動力を伝達するVベルト35と、電動モータ38と、この電動モータ38を車両の走行状況(運転状況)等に応じて制御する不図示の制御装置と、電動モータ38の駆動力をプライマリシーブ32の可動シーブ32aに伝えることで、前記プライマリシーブ32及びセカンダリシーブ34の溝幅を調整するシーブ駆動機構39とを具備している。
【0036】
プライマリシーブ軸31は、クランク軸22に中心軸線を一致させて、クランク軸22の右端側に、遠心クラッチ機構25と支持部材71とによって回転自在に支持されている。クランク軸22に対向するプライマリシーブ軸31の左端には、クラッチカバー29の先端中央の開口を挿通してクランク軸22の右端部の周囲を囲うようなスカート部31aが一体形成されていて、このスカート部31aが遠心クラッチ機構25のアウタドラム27にリベット等によって固定されている。
【0037】
また、プライマリシーブ軸31の右端は、クランクケース21に固定される支持部材71の中心部に、軸受72を介して回転自在に支持されている。
支持部材71は、アルミダイキャスト製で、図3に示したように、軸受72を介してプライマリシーブ軸31の右端を支持する軸受保持部71aと、この軸受保持部71aから四方に延びる4本の脚部71bと、所定の半径位置で各脚部71b間を連結する環状連結部71cと、この環状連結部71cに形成されたモータ取付け部71dと、センサ取付け部71eとを有した構成であり、脚部71bの先端がクランクケース21にボルトにより固定される。
【0038】
以上のように支持されたプライマリシーブ軸31は、クランク軸22の回転数が所定以上になると、遠心クラッチ機構25によりクランク軸22に接続された状態となり、クランク軸22と一体に回転駆動される。
【0039】
なお、クラッチカバー29は、基端がクランクケース21に固定されており、先端中央の開口の付近には、プライマリシーブ軸31を回転自在に支持するための軸受41と、先端中央の開口とスカート部31aの外周との間をシールするシール部材42とを備えている。このクラッチカバー29は、遠心クラッチ機構25を収容している空間43の周囲を液密に囲い、遠心クラッチ機構25に使用される油がVベルト式無段変速機30のベルト室44に漏れることを防止している。
【0040】
プライマリシーブ軸31の右端には、図3及び図4に示すように、回転数測定用の被検出部である計測板73がナットにより固定されている。計測板73は、図3に示すように、円板73aの外周に一定間隔で測定用突起73bを形成したものである。そして、計測板73の外周に接近した位置には、測定用突起73bの通過によってプライマリシーブ軸31の回転を測定する回転数センサ74が支持部材71のセンサ取付け部71eを介して取付けられている。
【0041】
本実施形態の場合、図4に示すように、プライマリシーブ32の可動シーブ32aは、プライマリシーブ32の固定シーブ32bに対して車両幅方向外側に配置されている。
また、セカンダリシーブ34は、図4に示すように、その外周がプライマリシーブ32の外周に隣接配置されている。これは、Vベルト式無段変速機30の車両前後方向の寸法を縮めてコンパクト化を図るのに有効である。
【0042】
シーブ駆動機構39は、図4に示すように、プライマリシーブ軸31の外周にスプライン嵌合等によって相対回転不可に装着されたガイド筒46と、このガイド筒46の外周を軸方向にのみ移動自在に装備されると共に可動シーブ32aが固定されたスライダ48と、このスライダ48の外周に軸受を介して回転自在に連結されると共にスライダ48に対する軸方向の相対移動が規制されると共に往復歯車49が固定された回転スライド部材47と、回転スライド部材47に螺合するボールねじ部を備えて往復歯車49の回転方向及び回転量に応じて回転スライド部材47をプライマリシーブ軸31の軸線方向に移動させる送りガイド部50と、電動モータ38の回転を減速して往復歯車49に入力する減速歯車機構51とを備えた構成である。送りガイド部50は、回転スライド部材47の先端部を覆うアウター部材54にボルト固定されており、該アウター部材54は、支持部材71にボルト固定されている。
このシーブ駆動機構39は、電動モータ38から減速機構51を介して往復歯車49に入力される回転に応じて、可動シーブ32aを軸方向に移動調整する。
【0043】
なお、本第1実施形態におけるパワーユニット4では、シーブ軸方向視において、電動モータ38はシーブ駆動機構39の減速歯車機構51より前記プライマリシーブ軸31寄りに配置され、支持部材71のモータ取付け部71dに対して車両幅方向外側から固定されている。即ち、電動モータ38のモータ軸38aよりも遠い位置に配置された支軸53に回転自在に支持された減速歯車機構51を介して、電動モータ38の駆動力を往復歯車49に伝達することができる。
そこで、減速歯車機構51の支軸53を介して電動モータ38の往復歯車49への動力伝達経路をプライマリシーブ軸31側に反転することができ、該電動モータ38をプライマリシーブ軸31に寄せて配置することができる。
従って、重量が嵩む電動モータ38によるパワーユニット4の重量バランスの偏りを低減することができる。
【0044】
セカンダリシーブ34の可動シーブ34aは、通常、バネ部材の付勢力で溝幅が低減する方向に付勢されており、巻き掛けられるVベルト35から作用する張力とのバランスで、溝幅を調整する。
従って、シーブ駆動機構39の作動によってプライマリシーブ32の溝幅が調整されて、プライマリシーブ32上でのVベルト35の巻き径が変わると、それに伴うVベルト35の張力変化によって、セカンダリシーブ34の溝幅も変わり、所定の変速比に調整されることになる。
【0045】
Vベルト式無段変速機構30の構成部品の内、電動モータ38以外はクランクケース21の一側に接続される変速機ケース52内に収容されている。変速機ケース52は、樹脂製のものであり、上記クランクケース21のクランク軸方向右側合面に接続されたロアケース52aと該ロアケース52aに着脱可能に装着されたアッパーケース52bとからなり、クランクケース21の側方にベルト室44を区画形成している。
【0046】
図5に示すように、Vベルト式無段変速機30のカバーであるアッパーケース52bには、アッパーケース52bの突出で足乗せに有効な領域が狭くならないように、足との干渉を避ける凹み52cが形成されている。更に、アッパーケース52bには、モータ取付け穴52dが形成されており、シール部材60により密封された状態で電動モータ38のハウジングが挿通される(図4参照)。
【0047】
本実施形態の場合、シーブ駆動機構39は、図4に示したようにプライマリシーブ32の可動シーブ32aに対して車両幅方向外側に配置されている。
また、車両のフートボード15は、図2に示すように、Vベルト式無段変速機30の車両幅方向外側で、かつプライマリシーブ軸31及セカンダリシーブ軸33より下方に配置されている。
【0048】
本実施形態のATV1において、パワーユニット4のセカンダリシーブ軸33の出力は、図2に示すように、適宜歯車列を介して中間軸76,出力軸77に伝達され、この出力軸77に傘歯車機構78を介して車両前後方向に向けて配設された動力伝達軸79に伝達される。
そして、動力伝達軸79から、前,後自在継ぎ手62を介して前輪駆動軸63及び後輪駆動軸64に伝達され、この前輪駆動軸及び後輪駆動軸を介して左,右前輪8及び左,右後輪10に伝達される。
【0049】
以上に説明した本実施形態に係るATV1のパワーユニットでは、Vベルト式無段変速機30のプライマリシーブ32及びセカンダリシーブ34の溝幅を調整するシーブ駆動機構39を駆動する為の電動モータ38が、シーブ軸方向視において、少なくともその一部が前記プライマリシーブ軸31より上方で、かつ、車両前方に配置されている。更に、電動モータ38は、シーブ軸方向視において、プライマリシーブ32と重なるように配置されている。
【0050】
そこで、Vベルト式無段変速機30の車両幅方向外側で、かつプライマリシーブ軸31及びセカンダリシーブ軸33より下方に配置されたフートボード15と、該フートボード15の前端付近の上方に配置された電動モータ38との間には、乗員の足のつま先が容易に出入りできる隙間が空く。即ち、電動モータ38が乗員の足乗せの邪魔にならない。
【0051】
また、電動モータ38を発熱の多いエンジン20のシリンダブロック23から離して、エンジン20からの熱の影響を受けにくい車体外側に配置しているため、該電動モータ38がエンジン20からの熱の影響で寿命低下することもなく、コンパクトでありながら耐久性が高く、車両の走行状況に応じた変速動作を応答性良く実現することができる。
【0052】
従って、プライマリシーブ32及びセカンダリシーブ34の溝幅調整に使う電動モータ38がエンジン20からの熱の影響で寿命低下することもなく、コンパクトでありながら耐久性が高く、車両の走行状況(エンジン20の運転状況)に応じた変速動作を応答性良く実現することのできるVベルト式無段変速機30を備えたATV1を提供できる。
【0053】
また、本実施形態の場合、図1に示したように、電動モータ38がVベルト式無段変速機30の車両前方に配置されているので、エンジン20の排気管80をVベルト式無段変速機30の車両上方に沿って配置することができる。
このようなモータ配置にすることで、電動モータ38は乗員の足乗せの邪魔にならず、排気管80との干渉も防ぐことができる。
【0054】
また、本実施形態のATV1では、図1に示したように、フロントフェンダ11が、Vベルト式無段変速機30の車両前方に配置されている。
これにより、電動モータ38はベルト室44の前方で、ベルト室44とフロントフェンダ11との間に配置されるため、フロントフェンダ11の後方に位置するフートボード15への足乗せの邪魔にならない位置に電動モータ38を配置することができるとともに、フロントフェンダ11により前輪8による泥はね等の影響が少ない位置に電動モータ38を配置することができる。
また、シーブ軸方向視において、プライマリシーブ32と電動モータ38が重なるように電動モータ38を配置することで、車両前後方向に大型化することを抑制することができ、コンパクトなVベルト式無段変速機30を提供することができる。なお、上記実施形態においては、プライマリシーブ軸31と電動モータ38のモータ軸38aが平行になっているが、これに限らず、例えば、電動モータ38からの出力をベベルギヤで受けるような構造を用いることで、プライマリシーブ軸とモータ軸を垂直に配置しても良い。
【0055】
さらに、電動モータ38のモータ軸38aは、上記実施形態のように、プライマリシーブ軸31と軸方向が一致する構成とされることで、プライマリシーブ軸31の軸方向から見て、電動モータ38の占有幅を最小限に留めて、さらに足の邪魔になりにくくすることができる。その上、車両前後方向に大型化することを抑制することができ、コンパクトなVベルト式無段変速機30を提供することができる。
また、シーブ軸方向視において、電動モータ38をシーブ駆動機構39の減速機構51よりプライマリシーブ軸31寄りに配置することで、電動モータ38がプライマリシーブ軸31から離れてVベルト式無段変速機30が車両前後方向に大型化することが抑制できるとともに、重量物である電動モータ38を車両の中心寄りに配置することができる。
また、プライマリシーブ軸31の周囲にシーブ駆動機構39が配置され、その更に外側に電動モータ38が配置されることで、にシーブ駆動機構39と電動モータ38が車両幅方向で重ならず配置され、それによりベルト室が車両幅方向に大型化することが抑制でき、乗員が乗り易い(足のおき易い)車両を提供することができる(幅方向に大型化してしまうと車両自体が幅方向に大きくなり、足つき性が悪くなるという問題がある)。
【0056】
図6乃至図9は本発明の第2実施形態に係るパワーユニットの説明図であり、図6は第2実施形態のパワーユニットの右側面図、図7は図6のB−B断面図、図8(a)は図6に示したプライマリシーブ軸の軸端を支持する支持部材の外面を示す拡大図、図8(b)は同支持部材の内面を示す拡大図、図9は図6に示したVベルト式無段変速機30のカバーを示す右側面図である。なお、本第2実施形態に係るパワーユニット104において、上記第1実施形態のパワーユニット4と同様の構成部品については、同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0057】
本第2実施形態のパワーユニット104は、図6及び図7に示すように、エンジン20のクランクケース21の側方に、該エンジン20の駆動力を駆動輪に伝達するVベルト式無段変速機30を組み付けて1ユニット化したものである。
そして、本第2実施形態のパワーユニット104は、プライマリシーブ軸31の周囲にシーブ駆動機構39が配置され、その更に外側に電動モータ38が配置された点では、上記第1実施形態のパワーユニット4と共通しているが、シーブ駆動機構39に駆動力を伝える電動モータ38も、変速機ケース152内に収容して配置された点で異なる。
【0058】
本第2実施形態のパワーユニット104における支持部材171は、図6及び図8に示すように、軸受72を介してプライマリシーブ軸31の右端を支持する軸受保持部171aと、この軸受保持部171aから四方に延びる4本の脚部171bと、所定の半径位置で各脚部171b間を連結する環状連結部171cと、この環状連結部171cに形成された減速歯車機構取付け部171dと、センサ取付け部171eとを有した構成である。
【0059】
減速歯車機構取付け部171dには、支軸153を介して減速歯車機構151が回転自在に支持され、その車両幅方向内側から電動モータ38が固定される。そこで、電動モータ38は、支軸153に回転自在に支持された減速歯車機構151を介して、電動モータ38の駆動力を往復歯車49に伝達することができる。
そして、電動モータ38は、図7に示したように、ロアケース152aとアッパーケース152bとからなる変速機ケース152内に収容されている。
【0060】
従って、本第2実施形態のパワーユニット104によれば、上記第1実施形態のパワーユニット4における作用効果に加えて、電動モータ38を、走行中にはねた石等との衝突から守ることができる。
更に、図8に示すように、変速機ケース152を構成するアッパーケース152bは、足との干渉を避ける凹み152cを備えているが、上記第1実施形態における変速機ケース52を構成するアッパーケース52bのようなモータ取付け穴52dやシール部材60を設ける必要がなく、構造が簡単になると共に組付けが容易となる。
【0061】
図10乃至図13は本発明の第3実施形態に係るパワーユニットの説明図であり、図10は第3実施形態のパワーユニットの右側面図、図11は図10のC−C縦断面図、図12(a)は図10に示したプライマリシーブ軸の軸端を支持する支持部材の外面を示す拡大図、図12(b)は同支持部材の内面を示す拡大図、図13は図10に示したVベルト式無段変速機のカバーを示す右側面図である。なお、本第3実施形態に係るパワーユニット204において、上記第1実施形態のパワーユニット4と同様の構成部品については、同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0062】
本第3実施形態のパワーユニット204は、図10及び図11に示すように、エンジン20のクランクケース21の側方に、該エンジン20の駆動力を駆動輪に伝達するVベルト式無段変速機30を組み付けて1ユニット化したものである。
そして、本第3実施形態のパワーユニット204は、プライマリシーブ軸31の周囲にシーブ駆動機構39が配置され、その更に外側に電動モータ38が配置された点では、上記第1実施形態のパワーユニット4と共通しているが、シーブ駆動機構39に駆動力を伝える電動モータ38が、シーブ軸方向視において、プライマリシーブ軸31より更に上方に配置された点で異なる。
【0063】
本第2実施形態のパワーユニット204における支持部材271は、図10及び図12に示すように、軸受72を介してプライマリシーブ軸31の右端を支持する軸受保持部271aと、この軸受保持部271aから四方に延びる4本の脚部271bと、所定の半径位置で各脚部271b間を連結する環状連結部271cと、この環状連結部271cに形成されたモータ取付け部271dと、センサ取付け部271eとを有した構成である。
【0064】
そして、電動モータ38は、支持部材271の車両上方側に形成されたモータ取付け部271dに対して車両幅方向外側から固定されており、該電動モータ38以外のVベルト式無段変速機構30の構成部品は、クランクケース21の一側に接続される変速機ケース252内に収容されている。そこで、電動モータ38は、支軸253に回転自在に支持された減速歯車機構251を介して、電動モータ38の駆動力を往復歯車49に伝達することができる。
【0065】
変速機ケース252は、樹脂製のものであり、上記クランクケース21のクランク軸方向右側合面に接続されたロアケース252aと該ロアケース252aに着脱可能に装着されたアッパーケース252bとからなる。
図13に示すように、Vベルト式無段変速機30のカバーであるアッパーケース252bには、アッパーケース252bの突出で足乗せに有効な領域が狭くならないように、足との干渉を避ける凹み252cが形成されている。更に、アッパーケース252bには、モータ取付け穴252dが形成されており、シール部材60により密封された状態で電動モータ38のハウジングが挿通される(図11参照)。
【0066】
従って、本第3実施形態のパワーユニット204によれば、シーブ軸方向視において、電動モータ38が、プライマリシーブ軸31より車両上方に配置されており、フートボード15との間に大きな間隙を確保できるため、上記第1実施形態のパワーユニット4よりも更に足の邪魔になり難くなる。
【0067】
なお、本発明が適用される鞍乗型車両は、上記実施形態に示したATV(全地形型車両)に限らない。例えば、モータサイクル、モータバイク、スクータ、バギー車、ゴルフカート等、乗員が座る着座シートが鞍乗り型である各種の車両が本発明に係るに鞍乗型車両に該当する。
また、本発明に係る足乗せ部は、上記実施形態におけるフートボード15に限らず、棒状のステップでも良いことは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1実施形態に係るパワーユニットを搭載した鞍乗型車両の右側面図である。
【図2】図1に示した鞍乗型車両の平面図である。
【図3】図1に示した鞍乗型車両に搭載されたパワーユニットにおけるVベルト式無段変速機のカバーを取り外した状態の右側面図である。
【図4】図3A−A断面図である。
【図5】図1に示したVベルト式無段変速機のカバーを示す右側面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る鞍乗型車両に搭載されるパワーユニットの右側面図である。
【図7】図6のB−B断面図である。
【図8】(a)は図6に示したプライマリシーブ軸の軸端を支持する支持部材の外面を示す拡大図、(b)は同支持部材の内面を示す拡大図である。
【図9】図6に示したVベルト式無段変速機のカバーを示す右側面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る鞍乗型車両に搭載されるパワーユニットの右側面図である。
【図11】図10のC−Cの断面図である。
【図12】(a)は図10に示したプライマリシーブ軸の軸端を支持する支持部材の外面を示す拡大図、(b)は同支持部材の内面を示す拡大図である。
【図13】図10に示したVベルト式無段変速機のカバーを示す右側面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 ATV(鞍乗型車両)
2 車体フレーム
3 着座シート
4 パワーユニット
11 フロントフェンダ
15 フートボード(足乗せ部)
20 エンジン
22 クランク軸
25 遠心クラッチ機構
30 Vベルト式無段変速機
31 プライマリシーブ軸
32 プライマリシーブ
32a 可動シーブ
32b 固定シーブ
33 セカンダリシーブ軸
34 セカンダリシーブ
34a 可動シーブ
34b 固定シーブ
35 Vベルト
38 電動モータ
39 シーブ駆動機構
52 変速機ケース
52b アッパーケース(カバー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの駆動力を駆動輪に伝達するVベルト式無段変速機が着座シートの下方に配置される鞍乗型車両であって、
前記Vベルト式無段変速機は、
前記エンジンの駆動力が入力されるプライマリシーブ軸上に配された可動シーブ及び固定シーブによってベルト巻回用のV溝を形成するプライマリシーブと、
前記駆動輪への駆動力を取り出すセカンダリシーブ軸上に配された可動シーブ及び固定シーブによってベルト巻回用のV溝を形成するセカンダリシーブと、
これらのプライマリシーブ及びセカンダリシーブのV溝に巻回され、両シーブ間で回転駆動力を伝達するVベルトと、
電動モータと、
前記電動モータを制御する制御装置と、
前記電動モータの駆動力を前記プライマリシーブの可動シーブに伝えることで、前記プライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅を調整するシーブ駆動機構と、を備えており、
前記プライマリシーブの可動シーブは、前記プライマリシーブの固定シーブに対して車両幅方向外側に配置され、
前記シーブ駆動機構は、前記プライマリシーブの可動シーブに対して車両幅方向外側に配置され、
前記鞍乗型車両の足乗せ部は、前記Vベルト式無段変速機の車両幅方向外側で、かつ前記プライマリシーブ軸及びセカンダリシーブ軸より下方に配置され、
前記電動モータは、シーブ軸方向視において、少なくともその一部が前記プライマリシーブ軸より上方で、かつ、車両前方に配置されていることを特徴とする鞍乗型車両。
【請求項2】
前記エンジンの排気管が前記Vベルト式無段変速機の車両上方に配置され、前記電動モータが前記Vベルト式無段変速機の車両前方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
フロントフェンダが、前記Vベルト式無段変速機の車両前方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
シーブ軸方向視において、前記プライマリシーブと前記電動モータが重なることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記電動モータの回転軸は、前記プライマリシーブ軸と軸方向が一致することを特徴とする請求項4に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
シーブ軸方向視において、前記電動モータは前記シーブ駆動機構の減速機構より前記プライマリシーブ軸寄りに配置されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記プライマリシーブ軸の周囲に前記シーブ駆動機構が配置され、その更に外側に前記電動モータが配置されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
エンジンと、
該エンジンのクランクケース側方に配置されて前記エンジンの駆動力を駆動輪に伝達するVベルト式無段変速機と、を備えたパワーユニットであって、
前記エンジンは、前記クランクケースに取付けられたシリンダブロックを備え、
前記Vベルト式無段変速機は、
前記エンジンの駆動力が入力されるプライマリシーブ軸上に配された可動シーブ及び固定シーブによってベルト巻回用のV溝を形成するプライマリシーブと、
前記駆動輪への駆動力を取り出すセカンダリシーブ軸上に配された可動シーブ及び固定シーブによってベルト巻回用のV溝を形成すると共に、前記プライマリシーブに隣接配置されるセカンダリシーブと、
これらのプライマリシーブ及びセカンダリシーブのV溝に巻回され、両シーブ間で回転駆動力を伝達するVベルトと、
電動モータと、
前記電動モータを制御する制御装置と、
前記電動モータの駆動力を前記プライマリシーブの可動シーブに伝えることで、前記プライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅を調整するシーブ駆動機構と、を備えており、
前記プライマリシーブの可動シーブと前記シーブ駆動機構は、前記プライマリシーブの固定シーブに対して前記クランクケースとは逆側に配置され、
前記電動モータは、前記シリンダブロックのシリンダ軸線と直交するプライマリシーブ軸を含む仮想平面よりも前記シリンダブロック側に配置されることを特徴とするパワーユニット。
【請求項9】
シーブ軸方向視において、前記プライマリシーブと前記電動モータが重なることを特徴とする請求項8に記載のパワーユニット。
【請求項10】
前記電動モータの回転軸は、前記プライマリシーブ軸と軸方向が一致することを特徴とする請求項9に記載のパワーユニット。
【請求項11】
シーブ軸方向視において、前記電動モータは前記シーブ駆動機構の減速機構より前記プライマリシーブ軸寄りに配置されることを特徴とする請求項8に記載のパワーユニット。
【請求項12】
前記プライマリシーブ軸の周囲に前記シーブ駆動機構が配置され、その更に外側に前記電動モータが配置されることを特徴とする請求項8に記載のパワーユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−71253(P2007−71253A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256702(P2005−256702)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】