説明

音楽演出ゲーム装置

【課題】音楽にあわせて指定されたタイミングで操作を行うことで遊技する音楽演出ゲーム装置に関し、特に、音楽演出ゲームにおける新たな興趣を楽しむことができる音楽演出ゲーム装置を提供する。
【解決手段】リズムゲーム実行処理(S7)が開始されると、第1液晶ディスプレイ3には、タイミングマーカデータに基づいて、操作タイミング報知部40上を移動するタイミングマーカ45が表示される。タイミングマーカ45は、タイミングマーカデータに含まれる移動方向データに定められた「正方向」、「逆方向」の一方に基づいて、判定基準データにより規定されるタイミングライン43に向かって移動する。当該タイミングマーカ45に係る操作タイミングの到来と共に、タイミングマーカ45はタイミングライン43に到達し、操作すべき入力ボタン70とその操作タイミングを、プレイヤに報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽にあわせて指定されたタイミングで操作を行うことで遊技する音楽演出ゲーム装置に関し、特に、音楽演出ゲームにおける新たな興趣を提供可能な音楽演出ゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ゲームセンターや家庭用ゲーム機等で行われるゲームとして、音楽演出ゲームが人気を得ている。これらの音楽演出ゲームでは、遊技者が楽曲を選択し、その楽曲の再生の進行と共に、ディスプレイ等の表示手段に表示されるシンボルマーク等で指定されたタイミングで、入力手段で入力することによりゲームが進行するように構成されている。
【0003】
このような音楽演出ゲームとして、特許文献1乃至3に記載されたものがある。例えば、特許文献1に記載された音楽演出ゲーム装置においては、プレイヤは、画面上に表示されるアイコン等の表示に基づいて、鍵盤及びターンテーブルを模した入力手段を操作し、その操作のタイミングを演奏されている音楽に合わせることで、DJ(ディスクジョッキー)のように音楽の演出を楽しむことができる。
同様に、特許文献2に記載されたゲームシステムや特許文献3に記載された音楽アミューズメントシステムにおいても、画面上に表示されるアイコン等(例えば、特許文献2におけるタイミングマークや、特許文献3におけるリンゴ)に基づいて、操作タイミングを知覚し、当該操作タイミングに基づいて、指定された操作を行うことで、音楽の演出を楽しむゲームが行われている。
【特許文献1】特許2922509号公報
【特許文献2】特許3031676号公報
【特許文献3】特許3672178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1乃至特許文献3に記載されている音楽演出ゲームにおいては、いずれも、縦方向若しくは横方向といった直線的な一方向にタイミングマークが移動し、演出操作位置と当該タイミングマークを重ねて表示することで、操作タイミングを報知している。そして、上記特許文献1乃至3において、操作タイミングを報知する演出操作位置は、タイミングマークと重ねて表示することで報知するので、当該タイミングマークの移動方向末端の一箇所のみに形成されている。
即ち、上記特許文献1乃至3に記載された音楽演出ゲームでは、複数の操作部材にそれぞれ対応している各タイミングマークは、縦方向若しくは横方向といった直線的な一方向で、或る一箇所に形成された演出操作位置へ移動する態様である。このような態様は、現在、音楽演出ゲームでは一般的な態様であるので、当該音楽演出ゲームのプレイヤに対する訴求力が低下してしまっている。
【0005】
この点、特許文献1乃至3においては、タイミングマークの表示をランダムにするランダムモード等の各種ゲームモードを追加するなど、様々な工夫を凝らすことで、プレイヤの飽きを防止し、当該音楽演出ゲームの魅力向上を図っているが、上述した構成を変更するものではなく、いずれの工夫も上述の構成を基本としてなされたものである。従って、上述した工夫により、プレイヤが飽きずに遊技可能な期間を延長することはできるものの、音楽演出ゲーム自体の訴求力を向上させるまでには至っていない。
つまり、特許文献1乃至3に記載されている音楽演出ゲームにおいては、現在一般的となっている構成が用いられているため、プレイヤに飽きが生じることになり、結果として、音楽演出ゲーム自体の魅力が低下し、一度飽きてしまったプレイヤが再度音楽演出ゲームを行おうとする意欲を惹起するほどの魅力に乏しくなってしまっている。
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑み、音楽にあわせて指定されたタイミングで操作を行うことで遊技する音楽演出ゲーム装置に関し、特に、音楽演出ゲームにおける新たな興趣を提供可能な音楽演出ゲーム装置に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、プレイヤが操作を行う複数の操作部材(例えば、入力ボタン70)と、楽曲データと、前記楽曲データの示す楽曲に対する前記各操作部材の操作時期を示す操作基準データを記憶する記憶手段(例えば、HDD55)と、前記楽曲データに基づき当該楽曲を演奏する演奏手段(例えば、スピーカ8、音制御回路61)と、前記楽曲の演奏の進行に伴い、前記操作基準データに基づき、各操作部材の操作時期を報知するタイミングマーカ(例えば、タイミングマーカ45)が表示される表示手段(例えば、第1液晶ディスプレイ3)と、前記タイミングマーカが示す操作時期と、プレイヤによる操作部材の操作に基づいて、操作の良否を判定する入力判定手段(例えば、CPU51)と、前記演奏手段による楽曲の演奏に伴い、所定の操作時期に操作部材を操作することで進行する音楽演出ゲームに係る制御を行う制御手段(例えば、CPU51、表示制御回路60、発光制御回路62)と、を有する音楽演出ゲーム装置(例えば、リズムゲーム装置1)であって、前記記憶手段(例えば、HDD55)は、各タイミングマーカの移動方向を規定する移動方向データを格納し、前記表示手段(例えば、第1液晶ディスプレイ3)は、前記複数の操作部材にそれぞれ対応し、異なる複数の移動方向に移動表示可能なタイミングマーカ(例えば、タイミングマーカ45)と、前記タイミングマーカが移動表示されるマーカ移動表示領域(例えば、マーカ移動レーン42)と、移動表示されたタイミングマーカが到達することで当該タイミングマーカに対応する操作部材の操作時期を報知するタイミング報知領域(例えば、タイミングライン43)を複数表示し、前記制御手段(例えば、CPU51、表示制御回路60、発光制御回路62)は、前記タイミングマーカを、前記移動方向データに規定される移動方向でタイミング報知領域に向かって移動表示させ、前記判定基準データの示す操作時期の到来と共に、所定のタイミング報知領域に到達させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の音楽演出ゲーム装置(例えば、リズムゲーム装置1)であって、前記操作部材(例えば、入力ボタン70)は、発光手段(例えば、フルカラーLED155)を夫々有し、前記制御手段(例えば、CPU51、表示制御回路60、発光制御回路62)は、前記タイミングマーカをタイミング報知領域に到達させた時点で、前記表示手段(例えば、第1液晶ディスプレイ3)において、前記操作時期の到来を示す報知演出(例えば、S68)を行うと共に、当該報知演出に連動して、前記操作部材の発光手段による発光報知演出(例えば、S53)を行うことを特徴とする。
【0009】
そして、請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の音楽演出ゲーム装置(例えば、リズムゲーム装置1)であって、前記入力判定手段による判定結果に基づいて、操作時期の到来に伴いタイミングマーカが到達する所定のタイミング報知領域を、前記複数のタイミング報知領域の内、異なるタイミング報知領域に変更する報知領域変更手段(例えば、CPU51、S40)を有することを特徴とする。
【0010】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3に記載の音楽演出ゲーム装置(例えば、リズムゲーム装置1)であって、前記入力判定手段による判定結果に基づき、前記マーカ移動領域におけるタイミングマーカの表示期間を変更する表示期間変更手段(例えば、CPU51、S38)を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る音楽演出ゲーム装置では、前記記憶手段に記憶された楽曲データに基づいて楽曲の演奏を行うと共に、表示手段に表示されるタイミングマーカが示す操作時期と操作部材に応じて、指定された操作部材の操作を行うことで、入力判定手段により当該操作の良否が判定され、音楽演出ゲームが進行する。
この時、表示手段には、前記複数の操作部材にそれぞれ対応し、異なる複数の移動方向に移動表示可能なタイミングマーカと、前記タイミングマーカが移動表示されるマーカ移動表示領域と、移動表示されたタイミングマーカが到達することで当該タイミングマーカに対応する操作部材の操作時期を報知するタイミング報知領域が複数表示される。
そして、制御手段は、記憶手段に格納された移動方向データに規定される移動方向で、前記タイミングマーカを所定のタイミング報知領域に向かって移動表示させ、前記判定基準データの示す操作時期の到来と共に、所定のタイミング報知領域に到達させることで、プレイヤに操作時期の到来と、操作すべき操作部材を報知する。
これにより、タイミングマーカは、移動方向データに基づく移動方向で移動表示されることとなり、異なる複数の移動方向で移動するタイミングマーカが混在することになる。従って、表示手段に表示されるタイミングマーカの移動表示がバリエーションに溢れた態様となるので、一箇所から一箇所へ向かって一方向に移動表示することで操作時期を報知する従来の態様とは大きく異なる新たな興趣を味わうことができる。
【0012】
請求項2に係る音楽演出ゲーム装置では、操作時期の到来とともに、タイミングマーカをタイミング報知領域に到達させるように、表示手段に表示する。この時、表示手段においては、前記操作時期の到来をプレイヤに報知すべく、報知演出が行われる。更に、この表示手段における報知演出と同時に、操作部材に配設された発光手段を用いて、操作部材の操作時期が到来したことを示す発光報知演出が行われる。
これにより、表示手段と操作部材の2箇所で、操作時期の到来がプレイヤに報知されるので、正しい操作時期を確実にプレイヤに把握させることができる。即ち、操作後に報知演出又は発光報知演出を視認した場合、当該操作は操作時期より早く操作したこととなり、逆に、報知演出又は発光報知演出を視認した後、操作を行った場合は、操作時期に遅れていることがわかる。従って、プレイヤは自らの操作に関して修正すべき点を明確に把握することができるので、これらの報知演出又は発光報知演出により技量の向上を図ることができる。
また、操作部材にそれぞれ配設されている発光手段で発光報知演出を行うので、一般的に手元を見てしまうことが多い初心者プレイヤに対しても、正しい操作時期を報知することができる。この結果、当該音楽演出ゲーム装置における初心者プレイヤの技量向上を図ることができ、もって、当該音楽演出ゲーム装置に係る興趣を幅広いプレイヤ層に提供することが可能となる。
【0013】
請求項3に係る音楽演出ゲーム装置では、前記入力判定手段による判定結果に基づいて、報知領域変更手段により、操作時期の到来に伴いタイミングマーカが到達する所定のタイミング報知領域を前記複数のタイミング報知領域の内、異なるタイミング報知領域に変更することができる。従って、入力判定手段による判定結果に応じて、多様な態様でリズムゲームを実行することが可能となる。例えば、入力判定手段による判定結果が良好なプレイヤに対しては、新たな態様での音楽演出ゲームを常に提供することが可能となる。
【0014】
請求項4に係る音楽演出ゲーム装置では、前記入力判定手段による判定結果に基づき、表示期間変更手段により、前記マーカ移動領域におけるタイミングマーカの表示期間を変更することができる。これにより、プレイヤの技量に応じた表示期間でタイミングマーカが表示されることになるので、幅広いプレイヤが音楽演出ゲームに係る興趣を味わうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る音楽演出ゲーム装置について、ゲームセンター等に設置される筐体型のリズムゲーム装置に具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
ここで、本実施形態に係るリズムゲーム装置では、スピーカから楽曲を再生するとともに、流れる楽曲のリズムに合わせた入力を指示するタイミングマーカがディスプレイ上に表示される。そして、ディスプレイに表示されたタイミングマーカに基づいて、プレイヤが操作部の入力操作を行うリズムゲームが実行される。
尚、本実施形態に係るリズムゲーム装置で実施されるリズムゲームは、再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点でプレイヤのミス回数が所定回数未満であるときに次の曲番の楽曲に該当するステージへと進み、継続してリズムゲームを行うことができるように構成されている。
【0016】
先ず、本実施形態に係るリズムゲーム装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るリズムゲーム装置の斜視図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係るリズムゲーム装置1は、リズムゲーム装置1の外形を構成する筐体2と、メインのゲーム画面(図4、図5(B)、図7(B)、図8、図22及び図23(A)参照)が表示される第1液晶ディスプレイ3と、第1液晶ディスプレイ3の上方に位置し、プロモーションビデオ等の演出に係る画像(図5(A)、図7(A)参照)が表示される第2液晶ディスプレイ4と、第1液晶ディスプレイ3の下方に設けられコインやカードの投入口が形成されたセンターパネル5と、プレイヤがリズムゲームに係る操作を行う操作部6と、筐体2の正面側の両端に設けられた一対の照明装置7と、第2液晶ディスプレイ4の左右側部に配置された一対のスピーカ8と、第2液晶ディスプレイ4の上方に配置された4個のスポットライト11などから基本的に構成されている。以下に各構成要素について説明する。
【0018】
第1液晶ディスプレイ3は、筐体2の正面側略中央部に所定角度傾斜して配置された液晶ディスプレイであり、所定角度で後方に傾斜して配設されている。
そして、第1液晶ディスプレイ3では、リズムゲーム実行時においてスピーカ8を介して再生される楽曲の歌詞やタイミングマーカ45、プレイヤの入力結果、それに伴う得点等の当該リズムゲーム装置1におけるゲームの進行に係る遊技情報(ゲームの進行にあたりプレイヤが必要とする情報)等の表示が行われる(図4、図5(B)、図7(B)、図8、図22及び図23(A)参照)。
【0019】
一方、第1液晶ディスプレイ3の上方に別途配置された第2液晶ディスプレイ4は、第1液晶ディスプレイ3と同様の液晶ディスプレイであるが、第2液晶ディスプレイ4ではリズムゲーム実行時においてゲームの演出に関する演出画像を表示する。
ここで、第2液晶ディスプレイ4で表示される演出画像は、上述した前記第1液晶ディスプレイ3に主に表示される表示内容と異なり、プレイヤによるリズムゲームの進行には直接必要とされないもので、リズムゲームを盛り上げるための補助的な役割を有する。
本実施形態に係るリズムゲーム装置1では、楽曲としてあるアーティストの楽曲が再生され、プレイヤは操作部6によって、タイミングマーカ45に基づく入力を行うことでリズムゲームが進行する。この時、第2液晶ディスプレイ4には、その楽曲に係るプロモーションビデオ(以下、PVと略す)が表示される(図5(B)、図7(B)参照)。従って、楽曲の演奏とともに、アーティストの歌唱する姿が表示された臨場感のある状況下におけるリズムゲームが可能となり、プレイヤを飽きさせることがない。
尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される具体的な表示内容については後に詳細に説明する。
【0020】
また、センターパネル5には、コイン投入口9及びカード挿入口10が設けられている。コイン投入口9は、100円硬貨等のコインが投入される投入口である。コイン投入口9には、コインセンサ63が配置されており、コイン投入口9にコインが投入されると、コインセンサ63を介してコイン検出信号がCPU51に出力される(図9参照)。
【0021】
カード挿入口10は、リズムゲーム装置1におけるゲーム結果が記録されるICタグが内蔵されたICカード(図示せず)が挿入される挿入口である。又、カード挿入口10の内部には、後述するカードセンサ64と、カードリーダ・ライタ65とが配設されている(図9参照)。
ここで、本実施形態に係るリズムゲーム装置1で使用されるICカードは、所有するプレイヤの前回までのゲームにおけるゲーム結果(獲得した得点(スコア)や入力結果の総合成績等)を内蔵されたICタグに記憶している。
そして、カードセンサ64は、ICカードがカード挿入口10に挿入されている場合に、その旨を検出する。また、カードリーダ・ライタ65は、ICカードに内蔵されたICタグより記憶されているゲーム結果の読出しと、プレイヤが実行したゲーム結果のICタグに対する書込みを行うことができる。
【0022】
また、筐体2の正面側両端には、一対の照明装置7が配設されている。各照明装置7は、円筒状の透明部材と、フルカラーで点灯可能な24個のフルカラーLEDと、光遮断部材とから構成されている。
円筒状の透明部材は、レンチキュラーレンズを円筒状に形成したものであり、その円筒の長手方向を上下にして筐体2に固定され、光遮断部材には、その長手方向に等間隔をもって、24個のフルカラーLEDが固着されている。そして、透明部材の内部には、フルカラーLEDが固着された光遮断部材が挿設される。従って、一のフルカラーLEDが発光すると、透明部材のレンチキュラーレンズの効果により、外部からは、左右方向に寝かされた状態の一のリング状の発光態様(以下、「発光リング」という)を表現することができ、リズムゲーム装置1で再生される楽曲に応じて多様な照明演出が可能となる。
【0023】
そして、第2液晶ディスプレイ4の左右両側には、スピーカ8が配設されている。スピーカ8は、リズムゲーム装置1において再生される楽曲や効果音等を出力する出力装置である。具体的には、リズムゲーム実行時において、HDD55(図9参照)に記憶された楽曲の音声データ、演奏データに基づいて、指定されたテンポで音楽及び音声を出力する。
【0024】
そして、操作部6は、筐体2の正面に手前側に突出して配設されており、当該操作部6には、リズムゲーム実行時にリズムゲームに係る入力操作に用いる入力ボタン70と、当該リズムゲームに係る各種設定(例えば、難易度や使用楽曲)を行う際に用いる決定ボタン71が配設されている。
入力ボタン70は、楽曲のリズムに合わせてプレイヤが入力操作を行うボタンであり、図3に示すように、操作部6の中央部分に六角形状をなすように配設されている。本実施形態においては、六角形の正面視左上段の角に位置する入力ボタン70を「第1入力ボタン70A」、右上段の角に位置する入力ボタン70を「第2入力ボタン70B」と呼ぶ。そして、同様に、左中段の角に位置する入力ボタン70を「第3入力ボタン70C」、右中段の角に位置する入力ボタン70を「第4入力ボタン70D」、左下段の角に位置する入力ボタン70を「第5入力ボタン70E」、右下段の角に位置する入力ボタン70を「第6入力ボタン70F」と呼ぶ。
【0025】
ここで、操作部6に配設される入力ボタン70の内部構造について、図2に基づいて説明する。尚、入力ボタン70は、第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70Fのいずれも同様の内部構造を有している。従って、一の入力ボタン70の内部構造を例にして説明することとし、第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70F夫々の内部構造についての説明は省略する。
【0026】
図2に示すように、入力ボタン70は、ベース板150と、スイッチ回路板151、発光回路板152、ボタンカバー部材153、付勢機構154、フルカラーLED155等から基本的に構成されている。
この点、ベース板150の上に敷設されているスイッチ回路板151には、ボタンカバー部材153の中央付近の真下に配置される一対の電極156が設けられている。そして、スイッチ回路板151の上には、発光回路板152が敷設されており、当該発光回路板152には、上記一対の電極156を露出させるための開口部157が設けられている。また、開口部157の周囲には、フルカラーで点灯可能なフルカラーLED155が設けられている。
【0027】
発光回路板152とボタンカバー部材153の間には、付勢機構154が設けられており、その付勢機構154によって、スイッチ回路板151の反対側にボタンカバー部材153を付勢させている。更に、ボタンカバー部材153の中央付近には、スイッチ回路板151側へ電極158が突設されている。
従って、ボタンカバー部材153を押下操作すれば、ボタンカバー部材153に突設された電極158をスイッチ回路板151に設けられた一対の電極156に接触させることができる。これにより、ボタンカバー部材153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として伝えることができる。即ち、これら電極156、電極158によって、ボタンスイッチ159が構成されている。
【0028】
ボタンカバー部材153は、透光性を有する材質(例えば、透明アクリル、透明プラスチック等)でプレイヤが操作する部分が半球状に形成されている。そして、発光回路板152の上面(ボタンカバー部材153側の表面)は、黒色に印刷されている。
従って、フルカラーLED155が消灯している場合、透光性のボタンカバー部材153は、発光回路板152の表面の色である黒色に映る。一方、フルカラーLED155が点灯している場合、透光性のボタンカバー部材153は、フルカラーLED155の点灯色に映る。この点、本実施形態においては、フルカラーLED155を「赤」、「黄」、「青」、「緑」、「橙」、「紫」の6色で点灯させるので、ボタンカバー部材153は、上記6色を呈色する。
【0029】
そして、操作部6では、各入力ボタン70内部のボタンスイッチ159が不図示の発信回路に接続されている。発信回路は、インターフェースユニット52(以下、I/Oと称す)を介して、リズムゲーム装置1のCPU51に接続されている。従って、押下操作された入力ボタン70のボタンスイッチ159から、この発信回路を介して、電気信号をCPU51に送信することができ、押下操作された入力ボタン70(第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70Fのいずれか)を特定することができる。尚、発信回路は、上記スイッチ回路板151に搭載されている。
【0030】
また、操作部6においては、入力ボタン70内部のフルカラーLED155が発光制御回路62に接続されている。更に、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されている(図9参照)。従って、この発光制御回路62により、当該入力ボタン70内部のフルカラーLED155の発光制御が行われ、CPU51で特定された発光色による点灯や、その他発光態様を制御することができる。尚、フルカラーLED155の発光色制御については、後に詳細に説明する。
尚、本実施形態に係るリズムゲーム装置1においては、リズムゲーム実行中には、第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70Fは、それぞれ「赤」、「黄」、「青」、「緑」、「橙」、「紫」の6色のいずれかの発光色で重複することなく発光する。
例えば、図3に示すように、リズムゲーム開始当初の初期設定(後述するボタンパターン(1))の場合は、第1入力ボタン70Aは「赤」、第2入力ボタン70Bは「橙」、第3入力ボタン70Cは「黄」、第4入力ボタン70Dは「青」、第5入力ボタン70Eは「緑」、第6入力ボタン70Fは「紫」で、それぞれ発光する。従って、第1入力ボタン70Aと、第3入力ボタン70Cが同一色で発光するというような状態は存在しないこととなる。
【0031】
次に、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される各表示内容について図4乃至図8を用いて詳細に説明する。尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4により表示される表示内容は、ゲーム開始前、ゲーム実行中、ゲーム終了後の3パターンから基本的に構成される。
【0032】
先ず、ゲーム開始前における表示内容について図4を用いて説明する。図4(A)、図4(B)は、ゲーム開始前において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図である。
ここで、本実施形態に係るリズムゲーム装置1では、後述する難易度選択処理(S5)を実行し、複数の難易度設定から所望の難易度設定を選択することにより、プレイヤが自らの技量に合わせた難易度でリズムゲームを行うことができる。即ち、コイン投入口9に所定金額分のコインを投入した後であって、ゲーム開始前の第1液晶ディスプレイ3においては、先ず、図4(A)に示すように、実行するリズムゲームの難易度を選択する難易度選択画面12が表示される。
【0033】
難易度選択画面12は、難易度設定「LEVEL1」、「LEVEL2」、「LEVEL3」の当該リズムゲームにおける難易度を表示した難易度表示部13と、難易度表示部13のいずれかを選択可能な難易度選択カーソル14とから構成されている。
ここで、本実施形態におけるリズムゲームでは、難易度設定「LEVEL1」、「LEVEL2」、「LEVEL3」の順により難しいリズムゲームが実行される。以下、各難易度設定におけるリズムゲームの内容について簡単に説明する。
難易度設定「LEVEL1」では、所定の表示期間の間、第1液晶ディスプレイ3上にタイミングマーカ45が表示され、当該タイミングマーカ45の示す入力ボタン70と、操作タイミングに基づいて、入力ボタン70の入力操作を行うことでゲームを進行させるリズムゲームが行われる。
そして、難易度設定「LEVEL2」においては、基本的に「LEVEL1」と同様のリズムゲームが行われるが、1ステージ中のプレイヤの成績に基づいて、タイミングマーカ45が、前述の「LEVEL1」の状態よりも遅いタイミングで表示され、移動速度が速い状態が発生する。この結果、タイミングマーカ45を視認する時間が短くなるので、上記「LEVEL1」よりも難易度の高いリズムゲームを行うことができる。
更に、難易度設定「LEVEL3」では、1ステージ中のプレイヤの成績に基づいて、タイミングマーカ45の表示期間が前記「LEVEL2」と同様に短くなり、且つ、タイミングマーカ45が示す入力すべき入力ボタン70の位置が変更される場合が発生する。この点、「LEVEL3」が設定されている場合には、プレイヤに、迅速な操作と、操作すべき入力ボタン70の変更に対する順応性が要求されるので、より難易度の高いリズムゲームを行うことができる。
【0034】
難易度表示部13は、今回行うリズムゲームの難易度を示すものである。図4(A)に示すように、難易度選択画面12には、難易度設定「LEVEL1」を示す難易度表示部13と、難易度設定「LEVEL2」を示す難易度表示部13と、難易度設定「LEVEL3」を示す難易度表示部13が表示される。
また、難易度選択カーソル14は、操作部6の入力ボタン70(図3参照)の操作によって各難易度表示部13上を上下に移動可能となっている。この点、操作部6の正面視上段に位置する第1入力ボタン70A又は第2入力ボタン70Bを操作すると、難易度選択カーソル14は上方向へ移動し、下段に位置する第5入力ボタン70E又は第6入力ボタン70Fを操作した場合には、難易度選択カーソル14は下方向に移動する。
そして、難易度選択カーソル14を希望する難易度表示部13上に位置させた状態で決定ボタン71(図3参照)を操作すると、今回のリズムゲームの難易度設定を示す難易度設定データがRAM54に格納される。
【0035】
次に、難易度選択画面12で難易度設定を選択すると、後述する楽曲選択処理(S6)に移行し、曲選択画面15が第1液晶ディスプレイ3に表示される。ここで、曲選択画面15について、図4(B)を参照しつつ詳細に説明する。
曲選択画面15は、遊技可能な楽曲の曲名を表示した遊技可能曲名表示部16と、遊技可能曲名表示部16のいずれかを選択可能な曲選択カーソル17と、曲選択カーソル17によって選択されている楽曲の曲名が表示される選択曲名表示部18と、選択カーソルによって選択されている楽曲のアーティスト名が表示される選択アーティスト名表示部19から構成されている。
【0036】
遊技可能曲名表示部16は、現在のリズムゲーム装置1において遊技可能な楽曲の曲名をそれぞれ示したものである。ここで、遊技可能曲名表示部16によって表示される遊技可能な楽曲とは、後述のHDD55に楽曲データが記憶されている楽曲であり(図9、図10参照)、更に記憶された楽曲データはサーバ80(図13参照)によって管理され、順次更新されている。従って、プレイヤはサーバ80によって更新された最新の楽曲を含む複数の楽曲の中から選択して遊技することが可能となっている。
【0037】
曲選択カーソル17は、入力ボタン70(図3参照)の操作によって遊技可能曲名表示部16上を上下左右に移動可能となっており、選択曲名表示部18と選択アーティスト名表示部19には、曲選択カーソル17が現在位置する遊技可能曲名表示部16の楽曲の曲名とアーティスト名が表示される。この点、曲選択カーソル17の上下移動は、上述した難易度選択画面12と同様の操作で行われる。そして、曲選択カーソル17の左右方向への移動は、左移動の場合は第3入力ボタン70C、右移動の場合は第4入力ボタン70Dをそれぞれ操作することで行われる。そして、入力ボタン70を操作し、曲選択カーソル17を希望する楽曲の曲名が表示された遊技可能曲名表示部16上に位置させた状態で決定ボタン71(図3参照)を押下すると、遊技を行う楽曲が決定される。
【0038】
次に、リズムゲーム実行中における表示内容について、図5乃至図7を参照しつつ詳細に説明する。図5(A)及び図7(A)は、リズムゲーム実行中において第2液晶ディスプレイ4に表示される表示内容を示した模式図であり、図5(B)及び図7(B)は、リズムゲーム実行中において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図である。
【0039】
先ず、リズムゲーム実行中における表示内容について、図5及び図7を用いて説明する。図5(A)及び図5(B)は、曲選択画面15において、男性アーティストが歌唱する楽曲(a)を選択してリズムゲームを開始した場合の第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4の夫々の表示内容を示す説明図である。一方、図7(A)及び図7(B)は、前記曲選択画面15で、女性アーティストが歌唱する楽曲(b)を選択してリズムゲームを開始した場合の第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4の夫々の表示内容を示す説明図である。
【0040】
図5(A)に示すように、楽曲(a)を選択してゲームを開始した場合、第2液晶ディスプレイ4には、スピーカ8を介して演奏される楽曲(a)を歌唱する男性アーティストのPV映像20が表示される。一方、図7(A)に示すように、楽曲(b)を選択してゲームを開始した場合は、第2液晶ディスプレイ4は、スピーカ8を介して演奏される楽曲(b)を歌唱する女性アーティストのPV映像20が表示される。
そして、第1液晶ディスプレイ3には、図5(B)及び図7(B)に示すように、第2液晶ディスプレイ4によるPV映像20の表示と並行して、リズムゲームの進行に係るメインゲーム画面21が表示される。
【0041】
メインゲーム画面21には、その中央部に、プレイヤに対して、操作すべき入力ボタン70とその操作を行うべきタイミングを報知する操作タイミング報知部40が形成されている。この操作タイミング報知部40においては、各入力ボタン70それぞれに対応するタイミングマーカ45の移動表示を行うことで操作タイミングをプレイヤに報知する。
尚、この操作タイミング報知部40については、後に図6を参照しつつ詳細に説明する。
【0042】
一方、メインゲーム画面21の中央部に形成された操作タイミング報知部40の周囲には、プレイヤに遊技情報を提供する表示部が各種形成されている。
即ち、メインゲーム画面21には、前記操作タイミング報知部40の他に、現在演奏するフレーズの歌詞を漢字表記やかな表記等により表示する歌詞表示部22と、前記歌詞表示部22に表示された歌詞に対して関連付けられ、当該歌詞部分の演奏に合わせて操作すべき入力ボタン70を識別可能に表示するマーカ識別表示部23と、現在、歌詞表示部22に表示された歌詞のフレーズが何番目の曲番(第何ステージ)で、更に当該曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示する楽曲状況表示部25と、プレイヤの操作の正誤判定結果を表示する入力結果表示部26と、現在までにプレイヤが獲得した得点(スコア)を表示する得点表示部27と、現在演奏しているアーティストの氏名及び曲名が表示される曲情報表示部28等が形成されている。
【0043】
歌詞表示部22は、現在演奏されている楽曲の1フレーズ分の歌詞が表示される表示部である。従って、プレイヤは、歌詞表示部22に表示される歌詞を視認することができるので、演奏中の楽曲を歌唱するアーティストがどのような内容を歌唱しているのかを把握することができる。
そして、マーカ識別表示部23は、各入力ボタン70夫々の操作タイミングを示すタイミングマーカ45に対応する識別マーカ23Aが表示される表示部である。即ち、マーカ識別表示部23においては、歌詞表示部22に表示される1フレーズの内、或る1文字の直下に、当該1文字が操作タイミングとなるタイミングマーカ45に対応する識別マーカ23Aがそれぞれ表示される。つまり、1フレーズ分の歌詞が歌唱される間において、操作すべき入力ボタン70を示す1フレーズ分の識別マーカ23Aがマーカ識別表示部23に表示される。これにより、プレイヤはマーカ識別表示部23を視認することで、歌詞表示部22に表示された1フレーズにおける各入力ボタン70の操作順を把握することができる。更に、識別マーカ23A直上の文字の発音タイミングが、当該識別マーカ23Aが示すタイミングマーカ45、つまり、タイミングマーカ45に対応付けられた入力ボタン70の操作タイミングであることを凡そ把握することができる。
【0044】
また、楽曲状況表示部25は、現在、歌詞表示部22に表示される歌詞のフレーズが何番の曲番であり、且つ曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示するものである。ここで、本実施形態に係るリズムゲームは、再生される楽曲の曲番(例えば、1曲は1〜3番で構成される)の数に合わせて複数のステージ(例えば、第1〜第3ステージで構成される)から構成されている。例えば、図5(B)では、第1ステージの15番目のフレーズを現在表示していることを示している。また、図7(B)では、第2ステージの5番目のフレーズを現在表示していることを示している。
そして、プレイヤによって1フレーズの入力が終了する毎にそのフレーズ数を示すフレーズ値25Aが1ずつ加算され、1ステージの入力が終了する毎にそのステージ数(曲番)を示すステージ値25Bが1ずつ加算される。それによって、現在のステージ数(曲番)と現在までに入力が終了したフレーズの数をプレイヤに対して報知することが可能となる。
【0045】
入力結果表示部26は、プレイヤの入力操作の正誤判定結果を表示する表示部であり、後述する入力判定処理(S28)の判定結果に基づいて、「PERFECT」、「GOOD」、「MISS」の何れかが表示される。
得点表示部27は、現在までにプレイヤの獲得した得点(スコア)を表示する表示部である。ここで、得点(スコア)は、上記「PERFECT」、「GOOD」、「MISS」の判定結果に応じて加算される。
また、曲情報表示部28には、ゲーム開始時においてプレイヤが選択し、現在演奏されている楽曲の曲名とアーティストの氏名がそれぞれ表示される。
【0046】
ここで、メインゲーム画面21中央部に形成され、入力ボタン70の操作タイミングをプレイヤに報知する操作タイミング報知部40について、図5乃至図7を参照しつつ、詳細に説明する。図6は、図5(B)における操作タイミング報知部40の拡大説明図である。
【0047】
図5乃至図7に示すように、操作タイミング報知部40では、楽曲の演奏の進行と共にタイミングマーカ45が移動表示し、操作タイミングの到来と共に、所定の位置へタイミングマーカ45を移動表示させることで、操作すべき入力ボタン70と、その操作タイミングをプレイヤに報知する。
ここで、タイミングマーカ45は、入力ボタン70の発光色である「赤」、「黄」、「青」、「緑」、「橙」、「紫」の6色の内、何れか一色で表示される円形のマークであり、その円内部には、当該タイミングマーカ45の操作タイミングにおいて発音される歌詞が表示される文字表示部46が形成されている(図6参照)。従って、プレイヤは、各タイミングマーカ45の表示色から操作すべき入力ボタン70を把握することができ、文字表示部46に表示される一文字から当該入力ボタン70の操作タイミングを凡そ把握することができる。
尚、本実施形態においては、「赤」で表示されているタイミングマーカ45を第1タイミングマーカ45Rとし、当該第1タイミングマーカ45Rは、「赤」で発光している入力ボタン70の操作タイミングを示す。同様に、「緑」で表示される第2タイミングマーカ45Gは、「緑」で発光している入力ボタン70の操作タイミングを示し、「青」で表示される第3タイミングマーカ45Bは「青」で発光している入力ボタン70の操作タイミングを示す。そして、「黄」で表示される第4タイミングマーカ45Yは「黄」で発光している入力ボタン70、「橙」で表示される第5タイミングマーカ45Oは「橙」で発光している入力ボタン70、「紫」で表示される第6タイミングマーカ45Pは「紫」で発光している入力ボタン70の操作タイミングを示している(ここで、「タイミングマーカ45」は、上記第1タイミングマーカ45R〜第6タイミングマーカ45Pの総称とする)。
【0048】
そして、操作タイミング報知部40には、タイミングマーカ45の移動径路を示す楕円形状のマーカ移動レーン42が列設されている。このマーカ移動レーン42は、楕円の円周に沿って3本のレーンが形成されており、楕円の中心側から外側に向かって、夫々、第1マーカ移動レーン42A、第2マーカ移動レーン42B、第3マーカ移動レーン42Cの順に並んでいる。リズムゲームを実行中においては、前述のタイミングマーカ45は、第1マーカ移動レーン42A〜第3マーカ移動レーン42Cの何れかのレーンに表示され、当該マーカ移動レーン42上を楕円の円周に沿って移動表示される。
【0049】
また、第3マーカ移動レーン42Cの外側には、操作部6に配設されている入力ボタン70の配置に対応して、ボタンシンボル44が表示されている。即ち、操作タイミング報知部40には、操作部6における入力ボタン70の六角形状の配置と同様に、これら6つのボタンシンボル44により、六角形をなすように配置されている。
本実施形態においては、これら6箇所のボタンシンボル44をそれぞれ、上段左側を第1ボタンシンボル44A、上段右側を第2ボタンシンボル44B、中段左側を第3ボタンシンボル44C、中段右側を第4ボタンシンボル44D、下段左側を第5ボタンシンボル44E、下段右側を第6ボタンシンボル44Fと呼ぶ。
そして、各ボタンシンボル44は、入力ボタン70に夫々対応しており、入力ボタン70の発光色に連動して、その表示色が決定される。即ち、第1ボタンシンボル44Aは第1入力ボタン70A、第2ボタンシンボル44Bは第2入力ボタン70Bに関連付けられている。同様に、第3ボタンシンボル44Cと第3入力ボタン70C、第4ボタンシンボル44Dと第4入力ボタン70D、第5ボタンシンボル44Eと第5入力ボタン70E、第6ボタンシンボル44Fと第6入力ボタン70Fが夫々関連付けられている。
【0050】
各ボタンシンボル44からは、マーカ移動レーン42の楕円の中心に向かって、各マーカ移動レーン42を横断するタイミングライン43が延びている。図6に示すように、第1タイミングライン43A〜第6タイミングライン43Fは、夫々、第1ボタンシンボル44A〜第6ボタンシンボル44Fに関連付けられている。例えば、第3ボタンシンボル44Cからマーカ移動レーン42の楕円の中心に向かって延び、各マーカ移動レーン42を横断する第3タイミングライン43Cは、第3ボタンシンボル44Cに関連付けられている。そして、マーカ移動レーン42上のタイミングマーカ45が、その表示色と同一色で表示されるボタンシンボル44から延びるタイミングライン43上に移動表示されることで、同一色で発光している入力ボタン70の操作タイミングを報知する。
【0051】
次に、図6を参照しつつ、リズムゲーム実行時における操作タイミング報知部40の表示態様について、具体的に説明する。この点、図6においては、図5(B)に示すメインゲーム画面21の操作タイミング報知部40を拡大しているので、操作タイミング報知部40には、歌詞「もう迷わない」の1フレーズに係るタイミングマーカ45が夫々移動表示される。
例えば、「もう迷わない」の「も」に関連付けられているタイミングマーカ45は、文字表示部46に「も」が表示され、「緑」で表示された第2タイミングマーカ45Gである。従って、当該第2タイミングマーカ45Gは、後述するタイミングマーカデータに規定されている表示開始位置に表示されると、タイミングマーカデータに含まれる移動方向データにより時計回り(以下、正方向という)に第3マーカ移動レーン42C上を所定の移動速度で移動表示される。そして、男性アーティストが「も」を歌唱するタイミングで、当該第2タイミングマーカ45Gは、「緑」で表示される第5ボタンシンボル44Eから延びる第5タイミングライン43E上に表示される。これにより、プレイヤは、「も」が歌唱されるタイミングにおいては、「緑」で発光している第5入力ボタン70Eの操作をすれば良いことがわかる。
【0052】
また、図6に示すように、タイミングマーカ45は全て正方向に移動するものだけではなく、反時計回り(以下、逆方向という)に移動表示されるものも存在する。
例えば、文字表示部46に「う」が表示され、「赤」で表示される第1タイミングマーカ45Rは、タイミングマーカデータに含まれる移動方向データにおいて、「逆方向」が規定されているので、第2マーカ移動レーン42B上を逆方向に移動表示される。そして、「う」が歌唱されるタイミングで、「赤」で表示されている第1ボタンシンボル44Aから延びる第1タイミングライン43A上に表示される。
【0053】
尚、「も」に係る第2タイミングマーカ45Gが第5ボタンシンボル44Eから延びるタイミングライン43上に表示された時、即ち、「緑」に発光している第5入力ボタン70Eの操作タイミングが到来した時点で、第5ボタンシンボル44Eは点滅表示される。同様に、「う」に係る第1タイミングマーカ45Rが第1ボタンシンボル44Aから延びるタイミングライン43上に表示され、「赤」で発光している第1入力ボタン70Aの操作タイミングが到来すると、第1ボタンシンボル44Aが点滅表示される。
このように、操作タイミング報知部40において、タイミングマーカ45の移動表示を行い、各入力ボタン70に関連付けられているボタンシンボル44から延びるタイミングライン43上にタイミングマーカ45の表示を行うことで、プレイヤに操作すべき入力ボタン70と、当該入力ボタン70の操作タイミングを報知することができる。又、タイミングマーカ45のタイミングライン43上への表示と共に、対応するボタンシンボル44が点滅表示されるので、ボタンシンボル44からも操作すべき入力ボタン70と、その操作タイミングをプレイヤにはっきりと報知することができる。
【0054】
次に、ゲーム終了後における表示内容について、図8を参照しつつ詳細に説明する。図8は、ゲーム終了後において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図である。
図8に示すように、リズムゲームを終了すると、第1液晶ディスプレイ3に今回実行したリズムゲームのゲーム結果を示すゲーム結果画面30が表示される。
ゲーム結果画面30は、今回のゲームにおける入力結果(「PERFECT」、「GOOD」、「MISS」)ごとの総回数を示す成績表示部31と、獲得した得点(スコア)を表示した獲得得点表示部32と、遊技したプレイヤの名前の入力を促す名前入力表示部33とから構成されている。
そして、ゲーム結果画面30を参照することにより、プレイヤは、今回のゲームにおける入力結果毎の回数、獲得した得点(スコア)をそれぞれ認知することが可能となる。また、名前入力表示部33に操作部6を用いて任意の名前を入力することにより、獲得した得点をランキングに登録することができる。
【0055】
尚、本実施形態に係るリズムゲーム装置1は、図13に示すように、サーバ80に対してインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている。そして、サーバ80から送信されたデータに基づいて、リズムゲーム装置1のHDD55(図9参照)に記憶された楽曲データを更新することが可能となっている。
従って、楽曲データを更新することによってリズムゲーム装置1で遊技可能な楽曲の種類を変更することが可能となっており、また、各遊技店に設置されたリズムゲーム装置を一括に管理することにより、そのデータ更新作業も容易となっている。
【0056】
次に、リズムゲーム装置1の制御系に係る構成について、図9に基づき説明する。図9は、本実施形態に係るリズムゲーム装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
図9に示すように、リズムゲーム装置1の制御系は、リズムゲーム装置1における遊技処理動作等の各種制御を司るCPU51と、CPU51に接続されたROM53及びRAM54と、当該CPU51に電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ)とで構成されている。
【0057】
CPU51は、各種コマンドに従って演算処理を行う中央演算処理装置である。I/O52は、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4、操作部6、照明装置7、スピーカ8、スポットライト11等とCPU51とを直接的、間接的に電気的接続する接続部である。
ROM53は、後述のフローチャートを動作させるための演算プログラムや、各種データテーブル(例えば、後述する移動速度テーブル等)が格納されている不揮発性の読出し専用メモリである。RAM54は、CPU51で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリであり、当該リズムゲームにおけるプレイヤの入力結果毎の総回数、獲得した得点(スコア)、難易度設定等についても記憶される。
また、RAM54には、後述するHDD55に記憶された複数の楽曲データの内、今回のゲームにおいて使用されるデータ(例えば、楽曲の歌詞データ、識別マーカデータ)は、1フレーズ単位で分割され、一時的に記憶される。
【0058】
HDD55は、リズムゲーム装置1におけるゲームの実行時に使用される楽曲データが格納されている記憶装置である。ここで、楽曲データは、映像データ、演奏データ、音声データ、歌詞データ、識別マーカデータ、判定基準データ、タイミングマーカデータ、ボタンパターンデータ、照明装置発光パターンデータ、期限データから構成されており、HDD55内に形成された楽曲データ記憶領域56の各記憶領域に対してそれぞれ記憶されている(図10参照)。
また、楽曲データは、楽曲データ記憶領域56に対して複数個(本実施形態では最大で8個)のデータが記憶され、前記したようにサーバ80から送信されるデータに基づいて記憶された各楽曲データが随時更新される。そして、楽曲データ記憶領域56に記憶されている楽曲データの種類に基づいて曲選択画面15(図4(B)参照)で表示される曲名の種類が変化し、曲選択画面15で選択された楽曲に対応する楽曲データに基づいてリズムゲームが行われる(図5、図7参照)。
【0059】
ここで、HDD55に形成された楽曲データ記憶領域56について、図10を参照し、より詳細に説明する。図10は、楽曲データ記憶領域を模式的に示す説明図である。
図10に示すように、本実施形態に係るリズムゲーム装置1の楽曲データ記憶領域56は、記憶可能な楽曲データ数(本実施形態では8曲)に対応する複数の記憶領域(本実施形態では第1記憶領域〜第8記憶領域)により構成され、記憶領域毎に映像データ記憶領域56A、演奏データ記憶領域56B、音声データ記憶領域56C、歌詞データ記憶領域56D、識別マーカデータ記憶領域56E、判定基準データ記憶領域56F、タイミングマーカデータ記憶領域56G、ボタンパターンデータ記憶領域56H、照明装置発光パターンデータ記憶領域56I、期限データ記憶領域56Jが設けられている。
【0060】
ここで、楽曲データ記憶領域56を構成する各データ記憶領域について説明する。映像データ記憶領域56Aは、当該楽曲データの内、PV映像20(図5(A)、図7(A)参照)に関する映像データが記憶される記憶領域である。従って、リズムゲーム実行時においては、映像データ記憶領域56Aから、PV映像20に関する映像データが読み出され、第2液晶ディスプレイ4に表示される。
また、演奏データ記憶領域56Bは、当該楽曲データの内、スピーカ8から出力される楽器等による伴奏に関する演奏データが記憶される記憶領域である。
そして、音声データ記憶領域56Cは、当該楽曲データの内、スピーカ8から出力されるアーティストが歌唱する歌声に関する音声データが記憶される記憶領域である。
歌詞データ記憶領域56Dは、当該楽曲データの内、楽曲の歌詞の文書データである歌詞データが記憶される記憶領域である。上述したように、リズムゲーム実行時には、当該楽曲の歌詞データは1フレーズ毎に分割され、RAM54に格納される。そして、楽曲の進行と共に、1フレーズ単位で順次、RAM54より読み出され、歌詞表示部22に表示される(図5(B)、図7(B)、図22、図23(A)参照)。
【0061】
識別マーカデータ記憶領域56Eは、マーカ識別表示部23に識別マーカ23Aを表示する際に参照される識別マーカデータが記憶される記憶領域である。
識別マーカデータにおいては、タイミング基準データで規定されるタイミングで発音される歌詞の一文字と、当該タイミングにおいて操作すべき入力ボタン70を示すタイミングマーカ45が関連づけられている。従って、歌詞の一文字に対応して、関連付けられているタイミングマーカ45を示す識別マーカ23Aが当該一文字の直下に表示される。
そして、リズムゲーム実行時には、前記歌詞データと同様に、識別マーカデータも1フレーズ毎に分割され、RAM54に格納される。そして、楽曲の進行と共に、1フレーズ単位で順次、RAM54より読み出され、マーカ識別表示部23に表示される(図5(B)、図7(B)、図22、図23(A)参照)。
【0062】
そして、判定基準データ記憶領域56Fは、当該楽曲データの内、リズムゲーム実行時に、プレイヤが入力した入力ボタン70の正誤判定及び操作タイミングの正誤判定の基準として読み出される判定基準データが記憶された記憶領域である。
この判定基準データは、入力ボタン70の操作すべきタイミングが規定され、操作タイミングを正誤判定する際に参照されるタイミング基準データと、各操作タイミングにおいて表示されるタイミングマーカ45(第1タイミングマーカ45R〜第6タイミングマーカ45Pのいずれか)が規定され、操作すべき入力ボタン70を示す入力基準データで構成されている(図11参照)。
【0063】
ここで、判定基準データについて、図7(B)に示す場合における判定基準データを例として、図11を参照しつつ詳細に説明する。
タイミング基準データは、当該楽曲の演奏開始からの経過時間により規定されており、当該楽曲を歌唱するアーティストの歌詞を構成する一文字の発音タイミングに合わせて規定されている。そして、タイミング基準データで規定された操作タイミングに対応して、操作すべき入力ボタン70を示す入力基準データが規定されている。
例えば、図11に示すように、タイミング基準データにより操作タイミングが規定されている「あ」、「り」、「と」には、夫々に対応するタイミングマーカ45が入力基準データとして関連付けられており、「あ」の操作タイミングには第2タイミングマーカ45G、「り」の操作タイミングには第5タイミングマーカ45O、「と」の操作タイミングには第3タイミングマーカ45Bが関連付けられている。
このように、タイミング基準データにおいて、操作タイミングが規定されている文字に対しては、夫々、操作すべき入力ボタン70を示すタイミングマーカ45が関連付けられている。従って、入力基準データに基づいて、操作した入力ボタン70の正誤を判定することが可能となり、タイミング基準データに基づいて、入力ボタン70の操作タイミングを判定することが可能となる。
【0064】
そして、タイミングマーカデータ記憶領域56Gは、操作タイミング報知部40に移動表示されるタイミングマーカ45の表示態様が規定されたタイミングマーカデータが記憶される記憶領域である。このタイミングマーカデータは、操作タイミング報知部40上に移動表示されるタイミングマーカ45の移動方向を示す移動方向データと、操作タイミング報知部40上におけるタイミングマーカ45の表示が開始される位置を示す表示開始位置データと、タイミングマーカ45の表示を開始するタイミングを示す表示開始タイミングデータとで構成されている。
移動方向データは、前述した入力基準データで規定されているタイミングマーカ45の移動方向(正方向、逆方向)を規定したデータであり、図11に示すように、各操作タイミングを示すタイミングマーカ45夫々に対して、「正方向」、「逆方向」の何れかが規定されている。従って、リズムゲーム実行時には、タイミングマーカ45は、この移動方向データに基づいて、マーカ移動レーン42上を、正方向又は逆方向に移動表示される。
【0065】
そして、表示開始位置データは、「表示されるマーカ移動レーン42」と、「当該タイミングマーカ45が表示開始されるタイミングライン43」とにより、タイミングマーカ45の表示開始位置を規定している。
図11に示す「あ」に係る表示開始位置データを例として説明すると、当該「あ」に係る表示開始位置データには、「第3マーカ移動レーン、第2タイミングライン」と規定されている。従って、前述の「あ」に係る「緑」で表示される第2タイミングマーカ45Gは、表示開始タイミングが到来すると、上記表示開始位置データに基づいて、第3マーカ移動レーン42C上であって、第2タイミングライン43Bの上に表示される。そして、この表示開始位置から、移動方向データに基づいて、「正方向」に向かって移動表示が行われることになる。
この点、図11に示す「り」に係る「橙」で表示される第5タイミングマーカ45Oの場合は、表示開始タイミングが到来すると、表示開始位置データに基づいて、「第2マーカ移動レーン42B」上であって、「第3タイミングライン43C」上に表示されることになる。
【0066】
そして、表示開始タイミングデータは、タイミングマーカ45が操作タイミング報知部40上に表示されるタイミングを規定したデータであり、本実施形態においては、第1表示開始タイミングデータと、第2表示開始タイミングデータの2種類から構成されている。そして、表示開始タイミングデータは、前述のタイミング基準データと同様に楽曲の演奏開始からの経過時間により規定されており、図11に示すように、第2表示開始タイミングデータは、第1表示開始タイミングデータが示す時間よりも、楽曲の演奏が進行した時間によって規定されている。
尚、タイミングマーカ45は、タイミング基準データに規定されている操作タイミングの到来と共に、規定されているタイミングライン43に到達し、操作タイミング報知部40上から消去される。
【0067】
従って、或るタイミングマーカは、表示開始タイミングデータに規定された時間から、タイミング基準データに規定されている操作タイミングまでの期間、操作タイミング報知部40上に表示されることとなる。即ち、第1表示開始タイミングデータに比べ、楽曲の演奏が進行した時点が表示開始タイミングとして規定されている第2表示開始タイミングデータを用いた場合、表示開始から操作タイミングまでの時間が短くなるので、当該タイミングマーカ45が操作タイミング報知部40上に表示されている期間が短くなる。
この結果、表示開始タイミングデータとして、第1表示開始タイミングデータ、第2表示開始タイミングデータを使い分けることにより、タイミングマーカ45が操作タイミング報知部40に表示されている表示期間を変更することが可能となる。
【0068】
ボタンパターンデータ記憶領域56Hは、リズムゲームを実行した場合に参照されるボタンパターンデータが記憶される記憶領域である。
このボタンパターンデータは、各入力ボタン70(第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70F)の発光色及び各ボタンシンボル44(第1ボタンシンボル44A〜第6ボタンシンボル44F)の表示色の配色パターンを規定したデータである。
【0069】
このボタンパターンデータについて、図12を参照しつつ詳細に説明する。図12は、女性アーティストが歌唱する楽曲(b)に係るボタンパターンデータの説明図である。この点、各楽曲データには、ボタンパターンデータとして、複数の配色パターンを示すボタンパターンが規定されており、リズムゲームを難易度設定「LEVEL3」で実行し、所定の条件を満たした場合、設定されているボタンパターンを変更し、異なる態様によるリズムゲームの実行を可能としている。
図12に示すように、当該楽曲(b)に係るボタンパターンデータは、第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70Fのそれぞれに対して発光色が規定されたボタンパターンが「ボタンパターン(1)」、「ボタンパターン(2)」、「ボタンパターン(3)」・・・のように複数種類含まれている。これら各ボタンパターンはそれぞれ異なる配色パターンを規定しているので、ボタンパターンの設定を変更することで、入力ボタン70の発光色や、各ボタンシンボル44の表示色を異なる配色パターンで表示することができる。
また、ボタンパターンデータは、リズムゲーム実行時において、入力基準データで規定された入力ボタン70の入力操作がされたか否かを判定する際や、タイミングマーカ45の移動速度を決定する際に、当該ボタンパターンデータにおいて、どのボタンパターンが用いられているかが参照される。
【0070】
尚、各楽曲のボタンパターンデータには、各楽曲に共通する配色のボタンパターンが存在し(例えば、図12におけるボタンパターン(1))、当該共通する配色のボタンパターンを初期設定としてリズムゲームに使用する。これにより、プレイヤが初心者の場合に、異なる楽曲でリズムゲームを実行したとしても、少なくとも、ゲーム開始直後にボタンパターンが異なることはなく、初心者が操作に戸惑うことを防止することができる。
【0071】
そして、照明装置発光パターンデータ記憶領域56Iは、当該楽曲データの内、照明装置7を発光させる為の照明装置発光パターンデータが記憶された記憶領域である。
本実施形態に係るリズムゲーム装置1では、一対の照明装置7は、記憶された照明装置発光パターンデータに基づいて、ゲーム実行中に発光制御回路62によりそれぞれの発光態様(発光色、点灯・消灯)で発光制御される。
【0072】
また、期限データ記憶領域56Jは、当該楽曲データの内、楽曲データの使用期限に関する期限データが記憶された記憶領域であり、期限データは、楽曲データの使用可能となった日(使用開始日)と、楽曲データが使用不能となる日(使用終了日)の2つの日付データで構成されている。この期限データは、タイマー58(図9参照)とともに各楽曲データの使用期限の管理に用いられ、使用期限の過ぎた楽曲データを用いたリズムゲームは遊技できないようにCPU51によって制御される。
【0073】
ここで、図9に戻り、リズムゲーム装置1の制御系について続けて説明する。
ゲーム通信手段57は、通信形式に適合する形式の信号に変換すると共に、リズムゲーム装置1とサーバ80との間で当該信号の送受信を行う装置である。そして、ゲーム通信手段57は、サーバ80のサーバ通信手段81とインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている(図13参照)。
【0074】
更に、CPU51には、タイマー58が接続されている。タイマー58の情報はCPU51に送信され、CPU51は、タイマー58の情報とHDD55の期限データ記憶領域56Jに記憶された期限データとから、記憶された楽曲データの使用期限の管理を行う。
【0075】
また、表示制御回路60は、I/O52を介して、CPU51と接続されており、CPU51の演算処理結果に応じて、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4の表示内容を制御する部分である。ここで、表示制御回路60は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。
そして、プログラムROMには、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。尚、後述するゲーム画面表示制御処理プログラム(図19、図20参照)も、このプログラムROM内に格納されている。また、画像ROMには、例えば、第1液晶ディスプレイ3で表示される曲選択画面15やメインゲーム画面21(図4乃至図8参照)等の画像を形成するためのドットデータが格納されている。
そして、画像制御CPUは、CPU51で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に表示する画像の決定を行う。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に出力する。
【0076】
それによって、例えば、スタンバイ状態においては任意の楽曲のPV、宣伝広告、ランキング一覧等からなるデモ画面を表示し、また、コイン投入口9にコインが投入された後には第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15を表示させる。
そして、リズムゲームを実行する際には、第1液晶ディスプレイ3に、楽曲データを構成する歌詞データ及び識別マーカデータを1フレーズ毎に表示する一方、操作タイミング報知部40上にタイミングマーカ45を移動表示させる。そして、第2液晶ディスプレイ4には、楽曲データを構成する映像データであるPVを表示させる。
この点、リズムゲーム実行時における第1液晶ディスプレイ3に係る画像制御については、後に詳細に説明する。
【0077】
音制御回路61は、I/O52を介してCPU51に接続されるとともに、スピーカ8と接続されている。そして、ゲームが実行され、HDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成する演奏データ及び音声データは、音制御回路61により音信号に変換され、スピーカ8より出力される。
【0078】
そして、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されるとともに、照明装置7や各入力ボタン70内部に配設されているフルカラーLED155(図9参照)と接続されている。従って、発光制御回路62は、CPU51において楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成する照明装置発光パターンデータに基づいて、照明装置7の発光態様を制御する。
また、リズムゲーム実行時において、発光制御回路62は、ボタンパターンデータに基づいて、各入力ボタン70のフルカラーLED155の発光色を制御し、更に、判定基準データに規定された操作タイミングの到来に基づいて、各入力ボタン70のフルカラーLED155の点滅点灯などの点灯態様に係る制御を行う。
【0079】
そして、CPU51には、I/O52を介して、操作部6が接続されている。操作部6に配設された各入力ボタン70内部に設けられたボタンスイッチ159は、ボタンカバー部材153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として送信する。CPU51は、各入力ボタン70の押下により各ボタンスイッチ159から出力されるスイッチ信号を検知し、各入力ボタン70に対応する各種の動作に係る制御を行う。
この点、決定ボタン71においても、同様に決定ボタン71の押下操作に基づいて、スイッチ信号が出力され、当該スイッチ信号に基づいて、CPU51は対応する動作に係る制御を行う。
【0080】
コインセンサ63は、リズムゲーム装置1におけるリズムゲーム実行の対価として用いられるコイン(例えば100円硬貨)を検出するセンサである。コインセンサ63は、コイン投入口9の内部に配設され、I/O52を介してCPU51に接続されている。従って、コインセンサ63は、コイン投入口9からのコインの投入に基づいて、コイン投入信号をCPU51に対して発信する。
【0081】
また、カードセンサ64は、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを検知するセンサであり、カードリーダ・ライタ65は、当該ICカードに配設されたICタグに対するデータの読出・書込を行う装置である。カードセンサ64、カードリーダ・ライタ65は、共にカード挿入口10の内部に配設され、I/O52を介して、CPU51に接続されている。
【0082】
また、スポットライト制御回路66は、I/O52を介して、CPU51に接続されるとともに、スポットライト11と接続されている。そして、スポットライト制御回路66は、CPU51の命令に基づいて、スポットライト11の発光態様を制御する。
【0083】
更に、CPU51には、1/10秒単位で計時可能な制御タイマー59が接続されている。この制御タイマー59は、後述する各種制御プログラムを実行する際に使用される計時装置である。本実施形態においては、特に、リズムゲームの実行開始と共に計時を開始し、リズムゲームにおける操作タイミングの正誤判定やタイミングマーカ45の表示の際に参照される。
【0084】
次に、本実施形態に係るリズムゲーム装置1のメイン制御プログラムについて、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図14は、本実施形態に係るリズムゲーム装置1のメイン制御プログラムのフローチャートである。
尚、以下に図14乃至図17にフローチャートで示される各プログラムはリズムゲーム装置1が備えているROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0085】
図14に示すように、先ず、S1において、CPU51は、カードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを判定する。
そして、ICカードが挿入されていると判定した場合(S1:YES)には、S2において、プレイヤからのデータ内容の確認要求を受けたか否かが判定される。一方、ICカードが挿入されていないと判定した場合(S1:NO)には、S4へと移行する。
【0086】
ここで、本実施形態に係るリズムゲーム装置1では、コインの投入前であって、ICカードがカード挿入口10に挿入された状態において、所定の操作(例えば、第4入力ボタン70Dと決定ボタン71の同時入力)を行うと、第1液晶ディスプレイ3に、ICカードに記録されたゲーム結果の一覧が表示される。これにより、プレイヤは、自己のゲーム結果の履歴を確認することが可能となる。
従って、S2の判定においては、操作部6からの操作信号に基づいて、所定の操作がされたか否かが判定される。所定の操作がなされたと判定された場合(S2:YES)には、カードリーダ・ライタ65によってICカードに内蔵されたICタグのデータを読み出し、第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果の一覧を表示させる(S3)。
【0087】
また、S4では、スタート受付処理が行われる。具体的にスタート受付処理では、コイン投入口9に対してコイン(100円硬貨等)が所定金額分(本実施形態では200円分)投入されたか否かを判定する。所定金額分のコインが投入されるまでの間は、デモプレイのゲーム画面、任意の楽曲のPV、宣伝広告、得点ランキングの一覧等のデモ画面をディスプレイに表示するスタンバイ状態で待機する。
そして、所定金額分のコインが投入され、スタート受付処理(S4)終了すると、難易度選択処理(S5)に移行する。
【0088】
難易度選択処理(S5)では、今回実行するリズムゲームの難易度を選択設定する処理が行われる。即ち、第1液晶ディスプレイ3に、難易度選択画面12を表示し、上述した難易度設定「LEVEL1」〜「LEVEL3」の難易度設定から、プレイヤが任意の設定を選択する処理が行われる。これにより、プレイヤは、3段階の難易度から任意の難易度を選択することができる。即ち、ゲームの選択の幅が広がり、多様なリズムゲームを遊技することができるので、プレイヤがゲームに飽きることがなくなる。
尚、難易度選択処理については、既に公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0089】
続いて、S6においては、今回のリズムゲームに使用する楽曲を選択する楽曲選択処理が行われる。楽曲選択処理では、後述のようにHDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データの種類に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図4(B)参照)を表示させ、今回のゲームで使用する楽曲を設定する。楽曲選択処理(S6)についても既に公知の処理であるので、詳細な説明は省略する。
【0090】
そして、楽曲選択処理(S6)により、今回のリズムゲームで使用される楽曲が決定されると、CPU51は、リズムゲーム実行処理(S7)を行う。リズムゲーム実行処理(S7)においては、楽曲選択処理(S6)で選択された楽曲を演奏すると共に、難易度選択処理(S5)で選択された難易度設定で、各入力ボタン70の入力結果に基づいて得点等が加算されるリズムゲームが行われる。そして、当該リズムゲームは、所定の終了条件を満たすまで継続して実行され、所定の終了条件を満たすと、リズムゲーム実行処理(S7)を終了し、S8に移行する。
尚、リズムゲーム実行処理(S7)については、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0091】
S8においては、リズムゲーム実行処理(S7)で実行されたゲーム結果に基づいて、第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果画面30(図8参照)を表示するゲーム結果表示処理が行われる。ゲーム結果表示処理(S8)を終了した後、S9に移行する。
【0092】
S9においては、CPU51は、カードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを判定する。そして、ICカードが挿入されていると判定した場合(S9:YES)には、RAM54に記憶されている今回のリズムゲームにおける成績(入力結果毎の総回数、獲得した得点(スコア))が、カードリーダ・ライタ65によって、それぞれICカードに内蔵されたICタグに書き込まれる(S10)。ICタグに成績に係るデータを書き込んだ後、メイン制御プログラムを終了する。
一方、ICカードが挿入されていないと判定した場合(S9:NO)には、そのまま当該メイン制御プログラムを終了する。
尚、S10で書き込まれたデータは、次回のゲーム時のデータ内容表示処理(S3)によって参照することが可能となる。
【0093】
次に、メイン制御プログラムを構成する各処理について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、メイン制御プログラムにおけるリズムゲーム実行処理(S7)で実行されるリズムゲーム実行処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図15、図16は、本実施形態に係るリズムゲーム実行処理プログラムのフローチャートである。
【0094】
難易度選択処理(S5)、楽曲選択処理(S6)により、リズムゲームに対する難易度と使用する楽曲が決定されると、リズムゲーム実行処理(S7)に移行し、選択された楽曲を用い、選択された難易度設定に基づくリズムゲームが実行される。
リズムゲーム実行処理(S7)に移行すると、先ず、S21において、CPU51は、当該リズムゲームの初期設定を実行すると共に、HDD55の楽曲データ記憶領域56の各記憶領域(図10参照)より、楽曲選択処理(S6)の選択結果に対応する楽曲データを読み出す。ここで、初期設定には、ボタンパターンの初期設定である「ボタンパターン(1)」の設定やタイミングマーカ45の表示開始タイミングを「第1表示開始タイミングデータ」に設定することが含まれる。
この時、歌詞データ記憶領域56Dに格納された歌詞データ及び識別マーカデータ記憶領域56Eに格納された識別マーカデータは、フレーズごとに分割してRAM54に一時的に記憶される。そして、RAM54に格納されている難易度設定(「LEVEL1」、「LEVEL2」、「LEVEL3」の何れか)を読み出し、今回のリズムゲームにおける難易度を設定する。
尚、本実施形態に係るリズムゲーム装置1では、いずれの難易度設定の場合であっても、楽曲の第1ステージは「LEVEL1」の状態で開始されるものとする。即ち、いずれの楽曲であっても、第1ステージにおいては、上記初期設定により、3本のマーカ移動レーン42を用いることとし、第1表示開始タイミングデータに係る表示開始タイミングでタイミングマーカ45の表示が開始される。又、ボタンパターンも各楽曲に共通するボタンパターン(例えば、図12のボタンパターン(1))で開始される。
【0095】
次に、S22において、CPU51は、第1液晶ディスプレイ3にメインゲーム画面21(図5(B)、図7(B)参照)を表示させるべく、表示制御回路60に表示指令を送信する。尚、この時点においては、歌詞表示部22及びマーカ識別表示部23に、歌詞及び識別マーカ23Aは表示されておらず、得点表示部27の得点やスコアの表示も「0」となっている。更に、メインゲーム画面21に操作タイミング報知部40の表示は行われるものの、タイミングマーカ45は未だ表示されていない状態である。
【0096】
続いて、S23では、CPU51は、映像データ記憶領域56Aに記憶された映像データを読み出し、第2液晶ディスプレイ4におけるPV映像20の表示を開始する(図5(A)、図7(A)参照)。また、演奏データ記憶領域56Bに記憶された演奏データ、音声データ記憶領域56Cに記憶された音声データに基づき、スピーカ8を介して、伴奏の音楽の出力、音声の出力をそれぞれ行う。それにより、楽曲が演奏され、且つそれに合わせてPV映像20が再生されることとなる。
この時、演奏の開始と共に、制御タイマー59の計時が開始され、判定基準データ及びタイミングマーカデータに基づいて、操作タイミング報知部40上に、タイミングマーカ45の表示が開始される。このリズムゲーム実行中のメインゲーム画面21に係る表示制御については、図面を参照しつつ後に詳細に説明する。
【0097】
次に、S24において、CPU51は、RAM54に格納されている歌詞データ、識別マーカデータの夫々1フレーズ分を取得する。そして、楽曲の演奏するテンポに合わせて、歌詞表示部22には対応する1フレーズ分の歌詞データを表示し、対応する1フレーズ分の識別マーカ23Aをマーカ識別表示部23に表示するべく、表示制御回路60に表示指令を送信する。
【0098】
その後、CPU51は、取得した1フレーズ分の識別マーカデータを構成する識別マーカ23Aの数、即ち、歌詞データの1フレーズが歌唱される期間内に存在するタイミングマーカ45の数yを算出し(S25)、RAM54に格納された任意の変数xに0を代入する(S26)。
ここで、任意の変数xは、1フレーズ分の楽曲が再生される期間内において、タイミングマーカ45に対する操作部6での入力判定に用いられる変数であり、一のタイミングマーカ45に対する入力判定が終了する毎に1ずつ加算される(S32)。従って、以下のS27〜S33において繰り返し行われる各入力判定処理においては、x=t(0≦t≦y−1)のとき、1フレーズの先頭からt+1番目に位置するタイミングマーカ45の入力判定が行われることとなる。
【0099】
そして、S27では、CPU51は、入力ボタン70からの操作信号に基づいて、入力ボタン70の入力操作がなされたか否かを判定する。入力ボタン70の入力があったと判定された場合(S27:YES)には、制御タイマー59により、当該入力ボタン70の操作タイミングを示す入力時期データをRAM54に格納する。その後、押下された入力ボタン70の種類(第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70Fの何れか)と、入力時期データを判定対象とし、判定基準データ記憶領域56Fに記憶された判定基準データと現在のボタンパターンに基づいて、入力ボタン70の入力に対する入力判定処理を行う(S28)。
【0100】
ここで、上記入力判定処理(S28)で実行される入力判定処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図17は、入力判定処理プログラムのフローチャートである。
リズムゲーム実行処理(S7)において、入力判定処理(S28)に移行すると、CPU51は、先ず、入力された入力ボタン70の発光色を判定する入力ボタン判定処理(S41)を実行する。
入力ボタン判定処理(S41)においては、CPU51は、先ず、プレイヤが操作した入力ボタン70のボタンスイッチ159から送信されるスイッチ信号に基づいて、第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70Fの内、何れの入力ボタン70が操作されたかを特定する。
そして、入力された入力ボタン70を特定すると、CPU51は、ボタンパターンデータ(図12参照)に基づいて、現在使用されているボタンパターン(例えば、「ボタンパターン(1)」)を取得し、当該ボタンパターンから入力された入力ボタン70が、「赤」、「黄」、「青」、「緑」、「橙」、「紫」の6色の内、いずれの色で発光しているのかを特定する。
【0101】
入力ボタン判定処理(S41)により、操作された入力ボタン70の発光色を特定した後、CPU51は、S42において、入力された入力ボタン70の発光色が判定基準データを構成する入力基準データに規定されているタイミングマーカ45の表示色と一致するか否かを判断する。これにより、正しい入力ボタンが入力されたか否かについての判断を行うことができる。即ち、CPU51は、操作された入力ボタン70の発光色と、判定基準データに規定されているタイミングマーカ45の表示色が同一色の場合には正しい入力ボタン70が操作されたと判断し、異なる色である場合には、誤った入力ボタン70が入力操作されたと判断する。
正しい入力ボタン70が入力された場合には(S42:YES)、S43に移行する。一方、誤った入力ボタン70が入力された場合には(S42:NO)、S44に移行し、RAM54に格納されているミス回数を読み出し、「1」を加算した後、再度格納する。ミス回数に1を加算した後(S44)、入力判定処理(S28)を終了し、リズムゲーム実行処理(S7)に復帰する。
【0102】
そして、S43では、CPU51は、タイミング基準データに基づいて、入力ボタン70の操作タイミングが正しいか否かの判断を行う。具体的には、CPU51は、RAM54に格納されている入力時期データと、タイミング基準データに規定される操作タイミングを読み出し、入力時期データと操作タイミングが一致しているか否かに基づいて、判断を行う。
入力ボタン70の入力操作が正しいタイミングで行われている場合には(S43:YES)、「入力結果:PERFECT」を入力判定結果として、RAM54に格納するとともに、当該入力結果の総回数に「1」を加算する(S46)。入力結果をRAM54に格納した後、入力判定処理(S28)を終了し、リズムゲーム実行処理(S7)に復帰する。一方、入力時期データと操作タイミングが一致せず、入力ボタン70の入力操作が正しいタイミングで実行されていないと判定された場合には(S43:NO)、「入力結果:GOOD」を入力判定結果としてRAM54に格納するとともに、当該入力結果の総回数に「1」を加算する(S45)。入力結果をRAM54に格納した後、入力判定処理(S28)を終了し、リズムゲーム実行処理(S7)に復帰する。
このように、入力ボタン70の入力に対する入力判定処理(S28)を行った後、S31へと移行する。
【0103】
ここで、再び図15に戻り、リズムゲーム実行処理プログラムについて説明する。S27において、入力ボタン70の入力がなかったと判定された場合(S27:NO)には、所定時間経過したか否かを制御タイマー59の情報に基づいて判定する(S29)。
ここで、所定時間とは、判定基準データ記憶領域56Fに記憶されている判定基準データを構成するタイミング基準データに基づいて決定される時間であり、その直前の操作タイミングから当該操作タイミングまでの時間となる。例えば、図11の場合において、歌詞の1フレーズである「ありがとう」の「り」に係る所定時間は、その直前の操作タイミングである「あ」に係る操作タイミング(185.5(s))から、当該「り」に係る操作タイミング(186.5(s))までの時間となる。
そして、所定時間経過していない(当該歌詞のタイミング基準データで規定される操作タイミングに至っていない)と判定した場合(S29:NO)には、S27の判定処理へと戻る。一方、所定時間経過していると判定した場合(S29:YES)には、当該歌詞に係る操作タイミングを経過し、その間、プレイヤによる入力ボタン70の入力が行われなかったこととなるので、操作タイミングを逸したものとして、RAM54に格納された今回のゲームにおけるミス回数に1を加算する(S30)。
【0104】
そして、S31では、入力判定処理(S28)の判定結果に基づいて、スコア算出処理が行われる。スコア算出処理(S31)では、RAM54に格納されている今回のゲームにおけるプレイヤの得点(スコア)が加算される。
【0105】
また、S32では、RAM54に格納された変数xを読み出して「+1」を加算し、再度格納する。続いて、S33では変数xの値がy−1に到達したか否か、即ち1フレーズの歌詞が再生される期間内のタイミングマーカ45全てに対する入力判定が終了したか否かが判定される。
変数xの値がy−1に到達していないと判定された場合(S33:NO)には、再度S27へと戻り、1フレーズを構成するタイミングマーカ45の内、次の順序に位置するタイミングマーカ45の入力判定が行われる。一方、変数xの値がy−1に到達したと判定された場合(S33:YES)には、1フレーズの歌詞が再生される期間内に存在するタイミングマーカ45全ての入力が完了したこととなるので、S34に移行する。
【0106】
そして、図16に示すように、S34においては、CPU51は、楽曲を構成する複数の曲番(通常、1曲は1〜3番で構成される)の内、いずれかの曲番にあたるステージに係るタイミングマーカ45に対する入力判定が終了したか否かを判定する。そして、1ステージ分の全てのタイミングマーカ45の入力判定が終了していないと判定された場合(S34:NO)には、S24へと戻り、次のフレーズの歌詞データ及び識別マーカデータをRAM54から取得し、当該フレーズに関する表示指令を表示制御回路60に送信する。これにより、次のフレーズの歌詞に対応する文字列が歌詞表示部22に表示され、次のフレーズに対応する識別マーカ23Aがマーカ識別表示部23に表示される。
一方、1ステージ分の全てのフレーズの入力判定が終了したと判定された場合(S34:YES)には、続けて全ステージ(楽曲の全曲)のタイミングマーカ45の入力判定が終了したか否かが判定される(S35)。
【0107】
そして、全ステージが終了したと判定された場合(S35:YES)には、リズムゲーム実行処理(S7)を終了し、メイン制御プログラムに戻る。一方、全ステージが終了していないと判定された場合(S35:NO)には、入力判定処理(S28)やS30で加算された現在までのプレイヤのミス回数が所定回数未満であるか否かが判定される(S36)。RAM54に格納されているプレイヤのミス回数が所定回数未満であると判定された場合(S36:YES)には、S37へと移行する。一方、プレイヤのミス回数が所定回数以上であると判定された場合(S36:NO)には、当該リズムゲーム実行処理(S7)を終了し、メイン制御プログラムに戻る。
このように、本実施形態に係るリズムゲーム装置1では、再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で次の曲番に係るステージを継続して行うためには遊技開始時からのミス回数が所定回数未満であることが条件となる(例えば、1番に該当する部分を遊技した後に2番を継続して行うためにはミス回数20回未満、2番に該当する部分を遊技した後に3番を継続して行うためには35回未満が条件となる)。
【0108】
そして、S37では、CPU51は、RAM54より難易度設定データを読み出し、難易度設定「LEVEL1」であるか否かについての判断を行う。難易度設定「LEVEL1」の場合には(S37:YES)、そのままS24へと戻り、次の曲番の最初の1フレーズに該当する歌詞データ及び識別マーカデータをRAM54から取得する。そして、取得した歌詞に対応する文字列を歌詞表示部22に表示し、歌詞に対応する識別マーカ23Aをマーカ識別表示部23に表示すべく、表示指令を表示制御回路60に送信する。その後、上述した処理と同様に次の曲番に対する入力判定処理を行う。一方、難易度設定「LEVEL2」又は「LEVEL3」の場合には(S37:NO)、S38に移行し、表示期間変更処理をおこなう。
【0109】
表示期間変更処理(S38)では、リズムゲームを実行する際に、表示開始タイミングデータの設定変更を行うことで、操作タイミング報知部40で表示されるタイミングマーカ45の表示期間を変更する処理である。即ち、1ステージにおける入力判定結果が好成績の場合(例えば、1ステージ中における「Perfect」の割合が50%以上)には、難易度設定「LEVEL1」の状態(即ち、第1表示開始タイミングデータに基づく表示開始タイミングでのリズムゲーム)から、表示期間の短い第2表示開始タイミングデータを用いる設定に変更する。
これにより、1つのタイミングマーカ45が表示される期間がより短くなるので、プレイヤは、タイミングマーカ45の表示に即座に反応し、入力ボタン70の入力を行うことが要求される。
【0110】
そして、S39においては、CPU51は、現在実行されているリズムゲームが難易度設定「LEVEL3」であるか否かについての判断を行う。この時、CPU51は、RAM54に格納されている難易度設定データを読み出し、難易度設定が「LEVEL3」であるか否かを判断する。難易度設定「LEVEL3」でない場合には(S39:NO)、そのままS24へと戻る。一方、難易度設定「LEVEL3」である場合には(S39:YES)、S40に移行し、ボタン位置変更処理をおこなう。
【0111】
ボタン位置変更処理(S40)では、各入力ボタン70(第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70F)の発光色及びボタンシンボル44の表示色の配色パターンを変更する処理が行われる。上述したように、ボタンパターンデータ記憶領域56Hには、複数パターンのボタンパターンが規定されているので(図12参照)、これら複数パターンの内からランダムにボタンパターンを選択する。これにより、各入力ボタン70の発光色及びボタンシンボル44の表示色の配色パターンが変更される(図23(A)、図23(B)参照)。
【0112】
ボタン位置変更処理(S40)によるボタンパターンの変更後は、そのままS24へと戻り、次の曲番の最初のフレーズに該当する歌詞データ及び識別マーカデータをRAM54から取得し、歌詞に対応する文字列を歌詞表示部22に表示すると共に、歌詞に対応する識別マーカ23Aをマーカ識別表示部23に表示する。そして、同様に入力判定処理を行う。
【0113】
次に、リズムゲーム実行処理(S7)の実行開始と共に開始され、第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70Fに夫々配設されているフルカラーLED155の発光制御を行うLED発光制御プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図18は、LED発光制御プログラムのフローチャートである。
CPU51において、リズムゲーム実行処理(S7)が開始されると、発光制御回路62は、LED発光制御プログラムを実行する。
【0114】
先ず、リズムゲーム実行処理(S7)が開始されると、CPU51は、ボタンパターンデータ記憶領域56Hから初期設定である「ボタンパターン(1)」を読み出し、当該「ボタンパターン(1)」を発光制御回路62に送信する。
従って、S51においては、発光制御回路62は、当該「ボタンパターン(1)」に基づく配色で各入力ボタン70のフルカラーLED155を発光させる。即ち、この時には、第1入力ボタン70Aは「赤」、第2入力ボタン70Bは「橙」、第3入力ボタン70Cは「黄」、第4入力ボタン70Dは「青」、第5入力ボタン70Eは「緑」、第6入力ボタン70Fは「紫」に夫々フルカラーLED155を発光させる(図3参照)。
【0115】
続いて、S52においては、リズムゲーム実行処理(S7)中のS29の処理に対応して所定時間経過したか否かの判断が行われる。即ち、タイミング基準データに規定されている操作タイミングを経過したか否かについての判断が行われる。
ここで、CPU51は、リズムゲーム実行処理(S7)のS29において、所定時間を経過したと判断した場合には(S29:YES)、リズムゲーム実行処理プログラムを続行すると共に、発光制御回路62に対して、「所定時間を経過した旨」を示す信号を送信する。これにより、上記S52において、発光制御回路62は、当該信号を受信したか否かに基づいて、所定時間を経過したか否かを判断する。
所定時間を経過し、操作タイミングとなっている場合には(S52:YES)、発光制御回路62は、入力基準データに対応する入力ボタン70、即ち、プレイヤが操作すべき入力ボタン70に配設されているフルカラーLED155を点滅発光する(S53)。そして、当該入力ボタン70のフルカラーLED155を点滅発光させた後、S54に移行する。一方、所定時間を経過しておらず、操作タイミングに至っていない場合には(S52:NO)、S52に戻り、操作タイミングが到来するまで、各入力ボタン70に配設されているフルカラーLED155を現在のボタンパターンに基づく発光色で継続して発光させる。
このS52の処理を行うことで、リズムゲーム実行中に操作タイミングが到来すると、当該操作タイミングにおいて操作すべき入力ボタン70のフルカラーLED155が点滅点灯される。この結果、プレイヤは、操作すべき入力ボタン70と、その操作タイミングを操作部6で視覚的に把握することができる。そして、手元を見ることが多い初心者のプレイヤに、正しい入力ボタンとその操作タイミングを報知することができるので、初心者であるプレイヤの技量を向上させることができる。
【0116】
そして、S54では、発光制御回路62は、ボタンパターンが変更されたか否かについての判断をおこなう。ここで、CPU51は、ボタン位置変更処理(S40)を実行し、ボタンパターンを変更した場合には、発光制御回路62に対して、変更後のボタンパターンを示すボタンパターン変更信号を送信する。従って、発光制御回路62は、このボタンパターン変更信号を受信したか否かに基づいて、S54における判断を行う。
ボタンパターンが変更された場合には(S54:YES)、ボタンパターン変更信号が示す変更後のボタンパターンに基づいて、各入力ボタン70に配設されているフルカラーLED155の発光色を変更する(S55)。これにより、図23(B)に示すように、各入力ボタン70の発光色が変更される。
リズムゲーム実行処理(S7)におけるボタン位置変更処理(S40)の結果に基づいて、フルカラーLED155の発光色を変更した後、S56に移行する。
一方、ボタンパターンが変更されていない場合には(S54:NO)、そのままS56に移行する。
【0117】
そして、S56においては、リズムゲームの1ゲーム(即ち、1曲分の楽曲)が終了したか否かについての判断が行われる。即ち、発光制御回路62は、CPU51においてリズムゲーム実行処理(S7)を終了し、ゲーム結果表示処理(S8)に移行したか否かに基づいて、S56に係る判断を行う。リズムゲーム実行処理(S7)を終了した場合には(S56:YES)、LED発光制御プログラムの実行を終了する。一方、リズムゲーム実行処理(S7)が継続して実行されている場合には(S56:NO)、再びS52に戻る。
【0118】
このように、リズムゲーム実行処理(S7)を実行している間、発光制御回路62においてLED発光制御プログラムを実行することにより、操作タイミングが到来した場合、当該操作タイミングにおいて操作すべき入力ボタン70のフルカラーLED155が点滅点灯するので、プレイヤに操作すべき入力ボタン70と、その操作タイミングを入力ボタン70からも報知することができる。更に、ボタン位置変更処理(S40)でボタンパターンが変更されると、変更後のボタンパターンに基づいてフルカラーLED155の発光色が変更されるので、ボタンパターンが変更されたことを各入力ボタン70の発光色からも認識することができる。
【0119】
続いて、上記リズムゲーム実行処理(S7)の実行開始と共に開始され、第1液晶ディスプレイ3におけるメインゲーム画面21の表示態様を制御するゲーム画面表示制御処理プログラムについて、図19を参照しつつ詳細に説明する。図19は、ゲーム画面表示制御プログラムのフローチャートである。
CPU51において、リズムゲーム実行処理(S7)が開始されると、それに伴い表示制御回路60は、ゲーム画面表示制御プログラムを実行する。
そして、リズムゲーム実行処理中のS22により、CPU51からタイミングマーカ45を除くメインゲーム画面21の表示指令が送信されると、表示制御回路60は、当該表示指令に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に、上述したように、タイミングマーカ45を除くメインゲーム画面21の表示を行う(S61)。尚、この時点においては、各ボタンシンボル44は、初期設定である「ボタンパターン(1)」に係る配色で表示されている。
そして、S62においては、リズムゲーム実行処理中のS24の処理に対応し、上記S24で取得した1フレーズ分の歌詞データ及び識別マーカデータを、夫々、歌詞表示部22、マーカ識別表示部23に表示する。
【0120】
続いて、S63では、楽曲の1ステージに含まれるタイミングマーカ45の移動速度を決定するマーカ移動速度決定処理が行われる。
上述したように、タイミングマーカ45は、操作タイミング報知部40上における表示開始位置データに規定される表示開始位置から、所定の移動方向で対応するタイミングライン43に向かって移動表示され、操作タイミングの到来と共に、当該タイミングライン43に到達する。
【0121】
ここで、タイミングマーカ45は、第1マーカ移動レーン42A〜第3マーカ移動レーン42Cの何れかを楕円に沿って移動するので、いずれのマーカ移動レーン42を移動するかにより、移動距離が異なる。
また、操作タイミング報知部40には、入力ボタン70に対応して6本のタイミングライン43が存在し、ボタン位置変更処理(S40)が行われる結果、所定の操作タイミングで到達させるタイミングライン43が変更される。従って、或る所定の表示開始位置から一定の表示期間内に、タイミングマーカ45は、6本のタイミングライン43の内、何れか1本のタイミングライン43に到達する必要があり、1/6周から6/6周までの6パターンの移動態様が存在することになる。
本実施形態においては、各マーカ移動レーン42に対して、6パターンのタイミングマーカ45の移動速度を設定した移動速度テーブルを形成し、これを参照することにより、どのような場合でも、所定の操作タイミングの到来と共に対応するタイミングライン43上に、タイミングマーカ45の表示を可能としている。
【0122】
ここで、この移動速度テーブルについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図20は、移動速度テーブルについての説明図である。
図20に示すように、1つの移動速度テーブルには、第1マーカ移動レーン42A〜第3マーカ移動レーン42Cの夫々に対して6パターンの移動速度、即ち、18種類の移動速度が規定されている。そして、各移動速度は、所定の表示期間(表示開始タイミングから操作タイミングまで)の間に、移動するマーカ移動レーン42と、到達すべきタイミングライン43とにより定まる移動距離を移動可能な速度として規定されている。
尚、タイミングマーカ45の表示開始位置と、到達すべきタイミングライン43との間の距離を、「エリア」という概念を用いて表現する。この「エリア」という概念について説明すると、1つの「エリア」は、楕円形状をなす各マーカ移動レーン42を6等分するタイミングライン43に基づいて規定され、隣り合う2つのタイミングライン43間に存在する或る1つのマーカ移動レーン42を示す。即ち、或るマーカ移動レーン42は、6つの「エリア」で構成されることになる。そして、タイミングマーカ45が「3エリア」を移動する場合、タイミングマーカ45が或るマーカ移動レーン42上を半周移動することを示し、「6エリア」移動する場合には、タイミングマーカ45が或るマーカ移動レーン42上を1周移動することになる。
【0123】
従って、マーカ移動速度決定処理(S63)では、タイミングマーカ45が表示されるマーカ移動レーンと、所定の表示期間内に移動表示される「エリア」の数に基づいて、移動速度テーブルを参照することで、タイミングマーカ45の移動速度を決定する。これにより、ボタン位置変更処理(S40)で到達すべきタイミングライン43が変更された場合であっても、所定の表示期間を確保することができる。
又、本実施形態においては、移動速度テーブルとして、「移動速度テーブル(A)」と、「移動速度テーブル(B)」の2種類の移動速度テーブルが存在する。この点、「移動速度テーブル(A)」は、「第1表示開始タイミング」が設定されている場合に用いられる移動速度テーブルであり、「移動速度テーブル(B)」は、「第2表示開始タイミング」が設定されている場合に用いられる移動速度テーブルである。従って、「移動速度テーブル(A)」と、「移動速度テーブル(B)」は、タイミングマーカ45の表示期間が異なる条件下で用いられるので、各移動速度テーブルに規定されている「移動速度」は夫々相違する。
【0124】
これらの移動速度テーブルについて、図21に基づいて具体的に説明する。図21は、女性アーティストが歌唱する楽曲(b)における「ありがとう」の1フレーズにおける或るタイミングマーカ45の移動態様を示す説明図である。図21(A)は、「ボタンパターン(1)」における移動態様を示し、図21(B)は、「ボタンパターン(2)」における移動態様を示す。
【0125】
図11に示すように、この「ありがとう」の内、「あ」の文字には、第2タイミングマーカ45Gが関連付けられており、この第2タイミングマーカ45Gは、表示開始タイミングデータに規定された時期が到来すると、第3マーカ移動レーン42Cの第2タイミングライン43B上に表示される。
そして、表示された第2タイミングマーカ45Gは、第3マーカ移動レーン42C上を正方向に移動表示され、所定の操作タイミングの到来と共に、「緑」で表示されたボタンシンボル44から延びるタイミングライン43に到達する。
この時、図21(A)に示すように、「ボタンパターン(1)」でリズムゲームが実行されている場合には、所定の表示開始位置(第2タイミングライン43B)から、到達すべき第5タイミングライン43Eとの間に、「3エリア」が存在する。
一方、ボタン位置変更処理(S40)により「ボタンパターン(2)」に変更された場合(図21(B)参照)、当該第2タイミングマーカ45Gが操作タイミングの到来と共に、到達すべきタイミングライン43は、第5タイミングライン43Eから第1タイミングライン43Aに変更される。そうすると、「正方向」に移動する当該第2タイミングマーカ45Gの表示開始位置である「第2タイミングライン43B」と、所定の操作タイミングに到達すべき第1タイミングライン43Aとの間には、「5エリア」存在することになる。
【0126】
また、「ありがとう」の「と」に係る第3タイミングマーカ45Bの場合、当該第3タイミングマーカ45Bは、第1マーカ移動レーン42Aの第1タイミングライン43Aに所定の表示開始タイミングで表示され、「青」で表示されたボタンシンボル44から延びるタイミングライン43に向かって、「逆方向」に移動表示される。従って、「ボタンパターン(1)」の場合には、所定の操作タイミングが到来すると、第4タイミングライン43Dに表示され、「ボタンパターン(2)」の場合は、第5タイミングライン43Eに表示されることになる。即ち、表示開始タイミングから操作タイミングまでの期間で規定される所定の表示期間内に、「ボタンパターン(1)」の場合には「4エリア」、「ボタンパターン(2)」の場合は「2エリア」移動することになる。
【0127】
このように、ボタン位置変更処理(S40)が行われることにより、所定の表示期間内に移動すべきエリアの数が変更されることになる。この点、操作タイミングの到来と共に表示されるタイミングライン43として、第1タイミングライン43A〜第6タイミングライン43Fの何れが設定されても、上述した移動速度テーブルに基づいて、最適なタイミングマーカ45の移動速度を設定することにより、タイミングマーカ45を、操作タイミングの到来と共に対応するタイミングライン43に到達するように表示することが可能となる。
【0128】
つまり、マーカ移動速度決定処理(S63)においては、タイミングマーカデータ、判定基準データ及びボタンパターンデータに基づいて、移動速度テーブルを参照することで、当該タイミングマーカ45の移動態様に最適な移動速度を特定し、移動速度を設定する処理が行われる。
具体的に、上記「あ」に係る第2タイミングマーカ45Gを例として説明すると、図11に示すように、当該第2タイミングマーカ45Gの表示開始位置データには、「第3マーカ移動レーン42C」が規定されている。そして、現在設定されている「ボタンパターン」を参照し、入力基準データに基づき、「橙」で表示されているボタンシンボル44を特定する。ボタンシンボル44を特定することにより、操作タイミングが到来したときにタイミングマーカ45が表示されるべきタイミングライン43を特定することができる。
例えば、「ボタンパターン(1)」の場合、第2タイミングマーカ45Gの表示色である「緑」に対応するボタンシンボル44は、「ボタンパターン(1)」を参照することで、第5ボタンシンボル44Eと特定することができる。これにより、当該第2タイミングマーカ45Gが、操作タイミングの到来した時に到達すべきタイミングライン43は第5タイミングライン43Eと特定される。
従って、当該第2タイミングマーカ45Gは、表示開始位置データに規定されている「第2タイミングライン43B」から、移動方向データが示す「正方向」に、「第5タイミングライン43E」まで移動表示されることとなるので、「第2タイミングライン43B」から「第5タイミングライン43E」に通過するエリアの数は、「3エリア」となる。
このようにして、タイミングマーカ45が移動するマーカ移動レーン42と、移動に伴い通過するエリアの数を特定し、移動速度テーブルを参照することにより、「第3マーカ移動レーン42C」上に表示されたタイミングマーカ45を、所定の表示期間内に「3エリア」移動表示させるために最適な移動速度を設定することができる。この時、表示開始タイミングとして、第1表示開始タイミングが用いられている場合には、「移動速度テーブル(A)」を参照することで「移動速度(15)」が設定され、第2表示開始タイミングが用いられている場合には、「移動速度テーブル(B)」を参照し、「移動速度(O)」が設定される。
【0129】
一方、「ボタンパターン(2)」の場合には、第2タイミングマーカ45Gに対応する「緑」の表示色に係るボタンシンボル44は、第1ボタンシンボル44Aに変更されるので、対応するタイミングライン43は、第1タイミングライン43Aに変更される。そうすると、表示開始位置である「第2タイミングライン43B」から「正方向」で「第1タイミングライン43A」へ移動させると、「5エリア」を通過することになる。従って、この「ボタンパターン(2)」の場合には、「第3マーカ移動レーン42C」上に表示されたタイミングマーカ45を、所定の表示期間内に「5エリア」移動表示させるために最適な移動速度を設定することができる。つまり、表示開始タイミングとして、第1表示開始タイミングが用いられている場合には、「移動速度テーブル(A)」を参照することで「移動速度(17)」が設定され、第2表示開始タイミングが用いられている場合には、「移動速度テーブル(B)」を参照し、「移動速度(Q)」が設定される。
【0130】
尚、「と」に係る第3タイミングマーカ45Bでは、「ボタンパターン(1)」に基づく配色パターンの場合、上述したようにして「第1マーカ移動レーン42A」、「4エリア」が特定される。この場合、「第1表示タイミング」であれば、「移動速度テーブル(A)」を参照して「移動速度(4)」が設定され、「第2表示タイミング」であれば「移動速度テーブル(B)」に基づいて「移動速度(D)」が設定される。
そして、「ボタンパターン(2)」に変更された場合には、上述したようにして「第1マーカ移動レーン42A」、「2エリア」が特定され、「第1表示タイミング」であれば、「移動速度(2)」が設定され、「第2表示タイミング」であれば「移動速度(B)」が設定される。
上述の2例に限らず、全てのタイミングマーカ45について、マーカ移動速度決定処理(S63)を行うことにより、ボタン位置変更処理(S40)により、どのようにボタンパターンが変更された場合にも対応することができる。
そして、上述した処理を楽曲の1ステージを構成する全てのタイミングマーカ45に対して行った後、設定された移動速度を夫々のタイミングマーカ45に関連付けて、RAM54に格納する。1ステージ分のタイミングマーカ45全てに対する移動速度を設定した後、S64に移行する。
【0131】
S64においては、表示制御回路60は、制御タイマー59の値と、設定されている表示開始タイミングデータに基づいて、表示開始タイミングが到来したか否かについての判断を行う。表示開始タイミングが到来している場合には(S64:YES)、当該タイミングマーカ45に対する表示開始位置データに基づく表示開始位置に、当該タイミングマーカ45を表示する(S65)。表示開始位置に、表示開始タイミングが到来したタイミングマーカ45を表示した後、S66に移行する。一方、表示開始タイミングが到来していない場合には(S64:NO)、そのままS66に移行する。
【0132】
S66では、表示制御回路60は、現在、操作タイミング報知部40上に表示されているタイミングマーカ45の全てを、夫々に設定された移動速度に基づく移動表示を行う。従って、このS66においては、既に操作タイミング報知部40上に表示されているタイミングマーカ45の移動表示を行うと共に、S65において、表示開始されたタイミングマーカ45についても、設定された移動速度に基づいて移動表示を行う。
【0133】
次に、S67においては、タイミング基準データに規定された操作タイミングが到来したか否かについての判断が行われる。即ち、操作タイミング報知部40上に表示されているタイミングマーカ45の中で、タイミング基準データに規定された操作タイミングが到来したものがあるか否かについての判断が行われる。
この時、表示制御回路60は、リズムゲーム実行処理(S7)のS29において、CPU51から「所定時間を経過した旨」を示す信号が送信されたか否かに基づいて、上記判断を行う。操作タイミングが到来している場合には(S67:YES)、タイミング報知表示処理(S68)に移行する。一方、操作タイミングが到来していない場合には(S67:NO)、そのままS64に戻り、処理を繰り返す。
【0134】
操作タイミングが到来した場合(S67:YES)に移行するタイミング報知表示処理(S68)では、表示制御回路60は、操作タイミングが到来し、規定されたタイミングライン43に到達したタイミングマーカ45を操作タイミング報知部40上から消去すると共に、当該タイミングマーカ45に関連付けられているボタンシンボル44の点滅表示を行う。これにより、プレイヤに対して、当該タイミングマーカ45に対して、操作すべき入力ボタン70と、当該入力ボタン70の正しい操作タイミングを報知することができる。即ち、入力ボタン70の発光態様のみではなく、メインゲーム画面21からも、正しい入力ボタン70とその操作タイミングを報知することができる。タイミング報知表示処理(S68)を終了すると、S69に移行する。
【0135】
S69においては、表示制御回路60は、リズムゲーム実行処理(S7)中のS33の処理に連動して、当該楽曲の1フレーズが終了したか否かについての判断を行う。1フレーズ分の楽曲の演奏が終了している場合(S69:YES)、RAM54に格納されている次の1フレーズ分の歌詞データ、識別マーカデータに基づいて、歌詞表示部22、マーカ識別表示部23に、次のフレーズに係る歌詞及び識別マーカ23Aを表示する(S70)。
一方、1フレーズ分の楽曲の演奏が終了していない場合には(S69:NO)、そのままS64に戻り、処理を繰り返す。
【0136】
次の1フレーズに係る歌詞、識別マーカ23Aを歌詞表示部22、マーカ識別表示部23に表示した後、表示制御回路60は、S71において、1ステージ分の楽曲の演奏が終了した否かについて、リズムゲーム実行処理中のS34の処理に連動して判断する。
1ステージ分の楽曲の演奏が終了している場合には(S71:YES)、S72に移行する。一方、1ステージ分の楽曲が未だ演奏中の場合(S71:NO)、S64に戻り、上述の処理を繰り返す。
【0137】
S72では、リズムゲーム実行処理(S7)中のS35、S36の判断結果に連動して、リズムゲームの終了であるか否かについての判断を行う。即ち、楽曲の全曲が終了した場合(S35:YES)若しくはステージ終了時におけるミス回数が所定回数以上である場合(S36:NO)の何れかに該当したか否かに基づいて、当該判断が行われる。
リズムゲームを終了する場合には(S72:YES)、ゲーム画面表示制御処理を終了する。尚、この後はゲーム結果表示処理(S8)が行われるので、表示制御回路60は、ゲーム結果画面30(図8参照)を表示すべく表示制御を行うが、この表示制御についての詳細な説明は省略する。
リズムゲームが継続される場合には(S72:NO)、表示制御回路60は、リズムゲーム実行処理中のS40の処理に連動して、ボタンパターンが変更されたか否かについての判断を行う。ボタンパターンが変更されなかった場合には(S73:NO)、そのまま、S63に戻り、次の1ステージ分のタイミングマーカ45についての移動速度を決定するマーカ移動速度決定処理を行い、上述した処理を繰り返す。
ボタンパターンが変更された場合には(S73:YES)、表示制御回路60は、変更されたボタンパターンに基づいて、各ボタンシンボル44の表示色を変更する。例えば、ボタンパターンが変更された場合には、図7(B)に示す表示態様から、図23(A)に示す表示態様に変更される。この処理を行うことにより、プレイヤにボタンパターンが変更されたことをメインゲーム画面21上で報知することができ、変更後においても、変更前と同様にリズムゲームを実行することが可能となる。
そして、メインゲーム画面21における各ボタンシンボル44の表示色を変更した後(S74)、表示制御回路60は、マーカ移動速度決定処理(S63)に再び戻る。この時、マーカ移動速度決定処理(S63)においては、変更後のボタンパターンに基づいて、1ステージ分のタイミングマーカ45に係る移動速度が決定される。上述したように、ボタンパターンが変更された場合であっても、その前後で表示期間が変動することはなく、入力すべき入力ボタン70の位置のみが異なるリズムゲームをプレイヤに提供することが可能となる。
【0138】
上述したように、リズムゲーム実行処理(S7)と共に、LED発光制御処理、ゲーム画面表示制御処理を行うことにより、メインゲーム画面21の表示態様や各入力ボタン70の発光態様が制御される。
ここで、特に、表示期間変更処理(S38)と、ボタン位置変更処理(S40)が実行された場合について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0139】
先ず、表示期間変更処理(S38)が行われた場合と、初期状態の場合のメインゲーム画面21について図面を参照しつつ比較する。
ここで、上述した図7は、女性アーティストが歌唱する楽曲(b)を、第1表示開始タイミングデータを用いて、リズムゲームを行っている場合の第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4の表示態様を示した図である。一方、図22は、第2表示開始タイミングデータが用いられている点を除き、図7と同様の状態でリズムゲームを行った場合のメインゲーム画面21である。尚、これら、図7及び図22においては、楽曲の進行度合も全く同じである。
【0140】
図7(B)と図22を比較するとわかるように、楽曲の進行度合も全く同じであるにもかかわらず、操作タイミング報知部40の表示態様が異なることがわかる。ゲーム画面表示制御処理において、タイミングマーカ45の表示開始は、設定されている表示開始タイミングデータに基づいて行われるので、表示開始タイミングが早い第1表示開始タイミングデータを用いている図7(B)の場合には、操作タイミング報知部40内に多くのタイミングマーカ45が表示される。一方、より遅い表示開始タイミングが規定されている第2表示開始タイミングを用いる場合(図22参照)、操作タイミング報知部40に表示されるタイミングマーカ45の数が少なくなっている。具体的には、ありがとう」の歌詞のうち、図7(B)の場合では、「と」に係る第5タイミングマーカ45Oが表示されているが、第2表示開始タイミングデータを用いている図22の場合には「と」に係る第5タイミングマーカ45Oは未だ表示されていない。
このように、第2表示期間データが用いられた場合には、より短い期間でタイミングマーカ45が示す操作すべき入力ボタン70と、その操作タイミングを把握し、適切な操作タイミングで操作しなければならないので、より高度なリズムゲームを提供することができる。この結果、リズムゲーム装置1でのリズムゲームに慣れたプレイヤであっても、新鮮味を持って遊技することができる。
【0141】
続いて、ボタン位置変更処理(S40)の前後におけるメインゲーム画面21の表示態様と、各入力ボタン70の発光態様について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
ここでは、楽曲(b)を用いてリズムゲームを実行した際に、ボタン位置変更処理(S40)により、初期設定である「ボタンパターン(1)」から「ボタンパターン(2)」に変更された場合を例として、上記ボタン位置変更処理(S40)について具体的に説明する。
初期設定である「ボタンパターン(1)」(図12参照)でリズムゲームを実行している場合には、LED発光制御処理のS51により、第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70Fは、夫々「赤」、「黄」、「青」、「緑」、「橙」、「紫」の6色の内何れか1色の発光色で発光している(図3参照)。具体的には、第1入力ボタン70Aは「赤」、第2入力ボタン70Bは「橙」、第3入力ボタン70Cは「黄」、第4入力ボタン70Dは「青」、第5入力ボタン70Eは「緑」、第6入力ボタン70Fは「紫」で、それぞれ発光する。
この時、ゲーム画面表示制御処理により、操作タイミング報知部40を構成するボタンシンボル44は、対応する入力ボタン70の発光色に連動し、当該発光色と同一の表示色で表示される。従って、この場合、第1ボタンシンボル44A〜第6ボタンシンボル44Fは、順に「赤」、「橙」、「黄」、「青」、「緑」、「紫」で、夫々表示される。
【0142】
このような状況下でリズムゲームが実行され、ボタン位置変更処理(S40)により「ボタンパターン(2)」(図12参照)に変更されると、LED発光制御処理のS55により、各入力ボタン70の発光色が「ボタンパターン(2)」に基づいて変更される。即ち、第1入力ボタン70Aは「赤」から「緑」、第2入力ボタン70Bは「橙」から「紫」、第3入力ボタン70Cは「黄」から「橙」、第4入力ボタン70Dは「青」から「黄」、第5入力ボタン70Eは「緑」から「青」、第6入力ボタン70Fは「紫」から「赤」にそれぞれ発光色が変更される(図23(B)参照)。
これに連動して、ゲーム画面表示制御処理のS74により、各ボタンシンボル44の表示色も変更され、第1ボタンシンボル44A〜第6ボタンシンボル44Fは、順に「緑」、「紫」、「橙」、「黄」、「青」、「赤」で、夫々表示される。
【0143】
このように、各入力ボタンの発光色が変更されることにより、タイミングマーカ45に対して操作すべき入力ボタン70の位置が変更されることになる。例えば、上述した例の場合、ボタン位置変更処理(S40)以前では、「青」で表示される第3タイミングマーカ45Bに対して操作すべき入力ボタン70は第4入力ボタン70Dであったが、ボタン位置変更処理(S40)でボタンパターンが変更されると、「青」で表示される第3タイミングマーカ45Bが示す入力ボタン70は第5入力ボタン70Eとなる。
これに伴い、所定の表示開始位置から移動表示が行われる第3タイミングマーカ45Bが、操作タイミングの到来に基づいて到達するタイミングライン43は、第4タイミングライン43Dから、第5タイミングライン43Eに変更されることになる。
このように、タイミングマーカ45と、入力すべき入力ボタン70の位置が変更されるので、ステージ毎に新たな態様でリズムゲームを行うことができる。即ち、ある程度、当該リズムゲームに慣れたプレイヤであっても、ボタンパターンの変更に即座に対応する順応性が要求されるので、より高度であり、新鮮味の溢れたリズムゲームを提供することができる。
【0144】
尚、このように、ボタンパターンが変更され、操作タイミングの到来に伴ってタイミングマーカ45が到達するタイミングライン43が変更された場合においても、操作タイミングは常に同一の操作タイミングとなる。
【0145】
以上、説明したように、本実施形態に係るリズムゲーム装置1では、リズムゲーム実行時には、メインゲーム画面21に操作タイミング報知部40が表示される。当該操作タイミング報知部40におけるタイミングマーカ45(第1タイミングマーカ45R〜第6タイミングマーカ45P)の移動表示に基づいて、各タイミングマーカ45に対応する入力ボタン70(第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70F)の操作タイミングに合わせた操作を行うことでリズムゲームが進行される。
この時、操作タイミング報知部40に表示されるタイミングマーカ45は、タイミングマーカデータに規定された表示開始位置に、所定の表示開始タイミングで表示され、移動方向データに基づく移動方向(正方向、逆方向)で移動表示され、当該タイミングマーカ45に対応するタイミングライン43に向かう。そして、タイミング基準データに規定されている操作タイミングの到来と共に、対応するタイミングライン43に到達するように、表示される。
これにより、操作タイミング報知部40上には、異なる移動方向で移動表示されるタイミングマーカが混在することになり、バリエーションに溢れた表示態様となる。即ち、タイミングマーカ45と、タイミングライン43により、入力すべき入力ボタン70と、当該入力ボタン70の操作タイミングの報知態様が、一箇所から一箇所へ向かって一方向に移動表示することで操作時期を報知する従来の態様とは大きく異なることとなるので、新たな興趣を味わうことができるリズムゲームを提供することが可能となる。
【0146】
また、リズムゲーム実行時には、操作タイミングの到来とともに、タイミングマーカ45を対応するタイミングライン43に到達させるように表示するが、この時、当該タイミングライン43の一端に位置するボタンシンボル44を点滅表示することにより、操作すべき入力ボタンと、操作タイミングの到来をプレイヤに報知する。更に、これと同時に、当該ボタンシンボル44に対応する入力ボタン70(当該タイミングマーカ45に基づいて操作すべき入力ボタン70)では、内部に配設されているフルカラーLED155を点滅点灯させ、操作すべき入力ボタンと、操作タイミングの到来をプレイヤに報知する。
これにより、第1液晶ディスプレイ3と操作部6の2箇所で、操作すべき入力ボタン70と、その操作タイミングがプレイヤに報知されるので、正しい操作を確実にプレイヤに把握させることができる。
【0147】
更に、1ステージにおける成績に応じて、ボタンパターンが変更されるので、或るタイミングマーカ45に対して操作を行うべき入力ボタン70を変更することができる。この時、同時に、操作タイミングの到来と共に到達すべきタイミングライン43も変更される。
従って、タイミングマーカ45の移動態様を多様に変更することができるので、上述の移動方向に加え、更に多様な態様でリズムゲームを実行することが可能となる。
【0148】
又、1ステージ毎の成績に応じて、「第1表示開始タイミングデータ」と、「第2表示開始タイミングデータ」の間で相互に切り替え、表示開始タイミングを変更することにより、タイミングマーカ45が操作タイミング報知部40上に表示される表示期間を変更することができる。これにより、タイミングマーカ45を視認できる期間が変更されることになるので、当該タイミングマーカ45から取得可能な「操作すべき入力ボタン70」と、「操作タイミング」に係る情報の把握に対する難易度を調整することができる。
例えば、表示期間を長期間とすれば、初心者でも、当該リズムゲームに係る興趣を味わうことが可能となるし、表示期間を短期間としても、上級者でも興趣を味わうことができる。即ち、幅広いプレイヤが当該リズムゲームに係る興趣を味わうことが可能となる。
【0149】
また、歌詞の発音時期に対応して、入力ボタン70の操作タイミングが規定され、当該操作タイミングに応じて、タイミングマーカ45の表示が行われる。これにより、歌詞の発音という非常にわかりやすい操作タイミングで入力ボタン70の操作を行うことができる。即ち、操作タイミングの把握がしやすいので、初心者でも充分にリズムゲームを楽しむことができる。
この点、歌詞表示部22、マーカ識別表示部23において、1フレーズ分の歌詞とそれに対応する識別マーカ23Aの表示も行われ、更に、タイミングマーカ45の文字表示部46で当該タイミングマーカ45に関連付けられている歌詞の文字が表示される。即ち、どのタイミングマーカ45がどの歌詞に関連付けられているのかといった情報や、演奏中の1フレーズにおけるタイミングマーカと歌詞との対応関係が表示されるので、これらの情報から入力ボタン70の操作タイミングや操作手順を把握することができる。従って、初心者でも充分にリズムゲームを楽しむことができる。
【0150】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態では、1ステージ毎の入力結果に基づいて、表示期間変更処理(S38)やボタン位置変更処理(S40)の実行を決定していたが、このタイミングに限定するものではなく、入力結果に応じて適宜、上記処理を実行する構成とすることも可能である。また、表示期間変更処理(S38)やボタン位置変更処理(S40)の実行の条件として、1ステージ中の入力結果を用いていたが、これに限定するものではない。例えば、ゲーム中に付与されるアイテムの有無を条件としても良いし、ICカードに記録されている履歴(例えば、リズムゲームを遊んだ回数)等を用いる構成としてもよい。
又、本実施形態においては、入力ボタン70を第1入力ボタン70A〜第6入力ボタン70Fの6つとして説明していたが、これに限定するものではなく、複数個であれば数の大小は問わない。例えば、8つの入力ボタンを設ける構成としても良いし、3つの入力ボタンを備える構成としてもよい。
この場合には、ボタンシンボル44、タイミングライン43の数及びタイミングマーカ45の種類等は、それに対応する数に適宜変更されることはいうまでもない。
【0151】
更に、本実施形態においては、歌詞表示部22とマーカ識別表示部23を個別に設け、歌詞の文字の位置と対応する識別マーカ23Aの位置を左右方向に一致させることで、これらの関連性をプレイヤに報知したが、歌詞表示部に表示する文字の態様により、これらの関連性を報知する構成としてもよい。例えば、歌詞表示部22に表示される文字色を夫々、対応する入力ボタン70の発光色(「赤」、「黄」、「青」、「緑」、「橙」、「紫」の6色)に合わせることで、上記関連性を報知する態様としてもよい。
【0152】
そして、本実施形態においては、タイミングマーカ45を円形とし、その円形内部の表示職で操作すべき入力ボタン70を示し、その内部の文字表示部46に表示される文字により、対応付けられている歌詞の一文字を報知したが、タイミングマーカ45自体を文字で表現することで関連付けられている歌詞の一文字を報知し、文字色により入力すべき入力ボタン70を報知する構成としても良い。
【0153】
また、難易度設定「LEVEL2」、「LEVEL3」においては、1ステージにおける入力結果に基づいて、難易度変更を行っているが、操作に対する評価であればその期間は問わない。例えば、1フレーズに対する評価に応じて変更しても良いし、複数楽曲を遊技可能な場合(例えば、1楽曲終えると次の楽曲でもリズムゲームの実行が可能な場合)には、当該1楽曲における評価に基づいて、難易度変更を行う構成としても良い。更に、アイテムの有無などのプレイヤにおける種々の条件に基づいて、難易度変更を行う構成としてもよい。
更に、本実施形態においては、各入力ボタン70を上記「赤」、「黄」、「青」、「緑」、「橙」、「紫」の6色で発光させるのみであったが、当該入力ボタン70に対応付けられるタイミングマーカ45に基づいて、関連付けられている歌詞の一文字を特定し、これを入力ボタン70において報知するように構成してもよい。
例えば、ボタンカバー部材153内部に小型の液晶ディスプレイを設け、これに該当する文字を表示することで、プレイヤに当該文字の発音タイミングがその入力ボタン70の操作タイミングであることを報知することができる。この場合には、入力ボタン70内部にフルカラーLED155を配設せずに、当該小型液晶ディスプレイで文字を表示すると共に、当該文字の背景色により、上記6色を表示するように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本実施形態に係るリズムゲーム装置の斜視図である。
【図2】入力ボタンの内部構造を示す側断面図である。
【図3】本実施形態に係るリズムゲーム装置に配設される操作部の説明図である。
【図4】リズムゲーム開始前において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。(A)は難易度選択画面を表示した第1液晶ディスプレイを示した模式図、(B)は楽曲選択画面を表示した第1液晶ディスプレイを示した模式図である。
【図5】(A)は楽曲(a)に基づくリズムゲーム実行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はリズムゲーム実行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図6】リズムゲーム実行中に第1液晶ディスプレイに表示される操作タイミング報知部の説明図である。
【図7】(A)は楽曲(b)に基づくリズムゲーム実行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はリズムゲーム実行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図8】リズムゲーム終了後において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図9】本実施形態に係るリズムゲーム装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図10】本実施形態に係るリズムゲーム装置のHDDの楽曲データ記憶領域を示す模式図である。
【図11】本実施形態に係るリズムゲーム装置の歌詞データ、判定基準データ及びタイミングマーカデータに関する説明図である。
【図12】ボタンパターンデータ記憶領域に記憶されるボタンパターンデータに関する説明図である。
【図13】本実施形態に係るリズムゲーム装置とサーバとからなるシステムを示したシステムブロック図である。
【図14】本実施形態に係るリズムゲーム装置のメイン制御プログラムのフローチャートである。
【図15】本実施形態に係るリズムゲーム装置のリズムゲーム実行処理プログラムのフローチャート(1)である。
【図16】本実施形態に係るリズムゲーム装置のリズムゲーム実行処理プログラムのフローチャート(2)である。
【図17】本実施形態に係るリズムゲーム装置の入力判定処理プログラムのフローチャートである。
【図18】本実施形態に係るリズムゲーム装置のLED発光制御処理プログラムのフローチャートである。
【図19】本実施形態に係るリズムゲーム装置のゲーム画面表示制御処理プログラムのフローチャートである。
【図20】タイミングマーカの移動速度が規定された移動速度テーブルを示す説明図である。(A)は第1表示開始タイミングデータ使用時、(B)は第2表示開始タイミングデータ使用時に用いられる移動速度テーブルを示す。
【図21】操作タイミング報知部におけるタイミングマーカの移動に関する説明図である。(A)は「ボタンパターン(1)」の場合、(B)は「ボタンパターン(2)」の場合を示す。
【図22】本実施形態に係るリズムゲーム装置において、表示期間変更処理が行われた場合のメインゲーム画面の表示態様を示す説明図である。
【図23】リズムゲームを難易度設定「LEVEL3」で実行し、ボタン位置変更処理が行われた場合に関する説明図である。(A)はメインゲーム画面の表示態様を示し、(B)は操作部の状況を示す。
【符号の説明】
【0155】
1 リズムゲーム装置
3 第1液晶ディスプレイ
8 スピーカ
42 マーカ移動ライン
43 タイミングサークル
45 タイミングマーカ
51 CPU
55 HDD
60 表示制御回路
61 音制御回路
70 入力ボタン
155 フルカラーLED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが操作を行う複数の操作部材と、
楽曲データと、前記楽曲データの示す楽曲に対する前記各操作部材の操作時期を示す操作基準データを記憶する記憶手段と、
前記楽曲データに基づき当該楽曲を演奏する演奏手段と、
前記楽曲の演奏の進行に伴い、前記操作基準データに基づき、各操作部材の操作時期を報知するタイミングマーカが表示される表示手段と、
前記タイミングマーカが示す操作時期と、プレイヤによる操作部材の操作に基づいて、操作の良否を判定する入力判定手段と、
前記演奏手段による楽曲の演奏に伴い、所定の操作時期に操作部材を操作することで進行する音楽演出ゲームに係る制御を行う制御手段と、を有する音楽演出ゲーム装置であって、
前記記憶手段は、各タイミングマーカの移動方向を規定する移動方向データを格納し、
前記表示手段は、
前記複数の操作部材にそれぞれ対応し、異なる複数の移動方向に移動表示可能なタイミングマーカと、
前記タイミングマーカが移動表示されるマーカ移動表示領域と、
移動表示されたタイミングマーカが到達することで当該タイミングマーカに対応する操作部材の操作時期を報知するタイミング報知領域を複数表示し、
前記制御手段は、
前記タイミングマーカを、前記移動方向データに規定される移動方向でタイミング報知領域に向かって移動表示させ、前記判定基準データの示す操作時期の到来と共に、所定のタイミング報知領域に到達させることを特徴とする音楽演出ゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音楽演出ゲーム装置であって、
前記操作部材は、発光手段を夫々有し、
前記制御手段は、
前記タイミングマーカをタイミング報知領域に到達させた時点で、
前記表示手段において、前記操作時期の到来を示す報知演出を行うと共に、
当該報知演出に連動して、前記操作部材の発光手段による発光報知演出を行うことを特徴とする音楽演出ゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の音楽演出ゲーム装置であって、
前記入力判定手段による判定結果に基づいて、
操作時期の到来に伴いタイミングマーカが到達する所定のタイミング報知領域を、前記複数のタイミング報知領域の内、異なるタイミング報知領域に変更する報知領域変更手段を有することを特徴とする音楽演出ゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の音楽演出ゲーム装置であって、
前記入力判定手段による判定結果に基づき、前記マーカ移動領域におけるタイミングマーカの表示期間を変更する表示期間変更手段を有することを特徴とする音楽演出ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−111434(P2007−111434A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308626(P2005−308626)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】