説明

顔料分散剤及びそれを含有する水性インク又は塗料

【課題】初期分散性、長期保存安定性、耐擦過性に優れ、特にインクジェット記録用顔料インクとしたときの吐出安定性を改善し、印字特性、定着性に優れた水性インク又は塗料を得るための顔料分散剤、及びこれを用いて製造された水性インク又は塗料を提供すること。
【解決手段】平均重合度が2〜20のポリグリセリンとアルキレンオキサイド(1〜150モル)と炭素数が4〜24の直鎖状若しくは分岐状の飽和若しくは不飽和の脂肪酸又は芳香族カルボン酸からなるエステル化率20〜80%のポリグリセリンポリオキシアルキレン脂肪酸、若しくは芳香族カルボン酸エステルの硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、ホウ酸エステル塩のアニオン性の顔料分散剤を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料を用いたインク又は塗料に関するものであり、詳しくは特定のポリグリセリン誘導体からなる顔料分散剤を用いることにより、初期分散性、長期保存安定性に優れた水性インク又は水性塗料に関するもので、特にインクジェット記録用顔料インクとしたときに吐出特性、印字特性、及び印字部の耐擦過性、耐水性に優れたインクを提供することができる。
【背景技術】
【0002】
一般に水を主成分とする液媒体中に顔料を分散してなる水性顔料分散液は、顔料、水、有機溶剤、樹脂、アルカリ剤などを配合して分散機を用いて分散処理を行うのが一般的である。特にインクジェット記録用顔料インクを製造するための水性顔料分散液は、水溶性高分子化合物、界面活性剤などの分散剤を用いて顔料を水に分散して調製される。調製された水性顔料分散液は、保存安定性、吐出安定性などを確保するため、高度な凝集安定性や沈降安定性が要求される。顔料インクの凝集安定性や沈降安定性は、ほぼ使用する分散剤の性能により決定される。これまでにノニオン、アニオン型界面活性剤、親水性ブロックと疎水性ブロックを有するブロック共重合体、樹脂粒子を含有する樹脂エマルションなどの様々な分散剤が試みられてきた(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、従来の分散剤では、インクジェット記録用顔料インクとして適正な粘度にすると再分散性に乏しく、凝集安定性や沈降安定性を十分に確保することが困難となり、インクジェットノズルの目詰まりが生じ、吐出安定性が悪いものであった。また、分散剤濃度を増して顔料インクの凝集安定性や沈降安定性を確保するとインク粘度が上昇する、サーマルヘッドの場合焦げ付きが発生するなどの問題が起こり、インクの安定性とインクとしての性能を両立させることが困難であった。更に、耐擦過性を改良するため、顔料インク中に水溶性高分子化合物を添加することが提案されている(例えば特許文献4〜5参照)。しかしながら、耐擦過性は改良されても、高分子化合物添加で顔料インクの粘度が高くなる傾向があり、インクジェットノズルの目詰まりを起こしやすいと云う問題があった。
【0003】
【特許文献1】特開平1−204979号公報
【特許文献2】特開平9−217032号公報
【特許文献3】特開平10−279870号公報
【特許文献4】特開平4−59880号公報
【特許文献5】特開平5−263029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、初期分散性、長期保存安定性、定着性に優れた水性インク又は水性塗料を得ることであり、特にインクジェット記録用顔料インクの吐出安定性を改善しノズルの目詰まりを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、平均重合度が2〜20のポリグリセリンとアルキレンオキサイド(1〜150モル)と炭素数が4〜24の直鎖状若しくは分岐状の飽和若しくは不飽和の脂肪酸又は芳香族カルボン酸からなるエステル化率20〜80%のポリグリセリンポリオキシアルキレン脂肪酸、若しくは芳香族カルボン酸エステルの硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、ホウ酸エステル塩であるアニオン性の顔料分散剤を用い、顔料に対して0.01〜70重量%配合することで、上記課題が解決し、特にインクジェット記録用顔料インクの初期分散性、長期保存安定性、吐出安定性、定着性が飛躍的に向上することを見出し本発明に到達した。
【発明の効果】
【0006】
本発明の顔料分散剤を添加することにより、初期分散性、長期保存安定性、定着性に優れた水性顔料インク、塗料が得られる。また、本発明によれば、特に初期分散性、長期保存安定性、吐出特性、印字特性、定着性に優れたインクジェット記録用顔料インクが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明の顔料分散剤は、平均重合度が2〜20のポリグリセリンとアルキレンオキサイド(1〜150モル)と炭素数が4〜24の直鎖状若しくは分岐状の飽和若しくは不飽和の脂肪酸又は芳香族カルボン酸からなるエステル化率20〜80%のポリグリセリンポリオキシアルキレン脂肪酸、若しくは芳香族カルボン酸エステルの硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、ホウ酸エステル塩であるアニオン性の顔料分散剤であり、中でも硫酸エステル塩がより好ましい。
【0009】
本発明の顔料分散剤に使用するポリグリセリンは、水酸基当量から得られる平均重合度が2〜20のものであるが、この範囲のものであれば特に限定しない。
【0010】
本発明の顔料分散剤に使用するアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられるが、エチレンオキサイド若しくはプロピオンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドは単独でも併用しても良い。アルキレンオキサイドの付加単位数はポリグリセリン1モルに対して1〜150モルのものが良好であり、中でも10〜120モルがより好ましい。ポリグリセリン1モルに対して、アルキレンオキサイドの付加単位数が1〜150モルの範囲を外れると、顔料の分散性が悪くなる。
【0011】
本発明の顔料分散剤に使用する脂肪酸は、炭素数が4〜24の直鎖状若しくは分岐状の飽和若しくは不飽和のいずれの脂肪酸でもよく、単独または混合で使用できる。具体的には、カプリル酸、オクチル酸、イソノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などが挙げられる。
【0012】
本発明の顔料分散剤に使用する芳香族カルボン酸としては安息香酸が挙げられ、縮合多環式芳香族カルボン酸としては、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸などが挙げられ、又アルキル、アルコキシ、ハロゲンなどの置換基を有する芳香族カルボン酸も含まれる。
【0013】
本発明の顔料分散剤に使用する炭素数が4〜24の直鎖状若しくは分岐状の飽和若しくは不飽和の脂肪酸又は芳香族カルボン酸から構成されるポリグリセリンポリオキシアルキレン脂肪酸、若しくは芳香族カルボン酸エステルのエステル化率は20〜80%のものが良好であり、中でも30%〜60%のものがより好ましい。エステル化率が20〜80%の範囲を外れると、顔料の分散性が悪くなるため、この範囲が好ましい。
【0014】
本発明の顔料分散剤におけるアニオン基の導入としては、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、ホウ酸エステル塩が挙げられ、中でも硫酸エステル塩がより好ましい。
【0015】
本発明の顔料分散剤におけるアニオン基の導入に用いられる硫酸化剤としては、クロロ硫酸、硫酸、アミド硫酸等が挙げられる。
【0016】
本発明の顔料分散剤における硫酸化反応は、特に限定されないが、例えば、原料であるポリグリセリンポリオキシアルキレン脂肪酸エステルを適当な溶媒に溶解又は分散させ、緩やかな条件下に前述の硫酸化剤を加えることにより収率よく反応を行うことができる。また、硫酸化反応の溶媒としては、原料が可溶であるクロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、DMF、ピリジン等の含窒素系溶媒やDMSO等が挙げられる。尚、反応溶媒の使用量は原料の濃度が5重量%以上、好ましくは10重量%以上にするのがよい。
【0017】
硫酸化反応温度は硫酸化剤の反応性により適宜選定される。例えば反応性の高いクロロ硫酸、硫酸ガス等の場合には−30〜50℃が好ましく、さらに好ましくは−10〜20℃がよい。反応時間は硫酸化剤混合後10分間以上10時間までで充分である。反応終了後、反応混合
物を氷水中に注ぎ、水酸化ナトリウム等の中和剤により、低温下(10℃以下)で中和後、溶媒等を留去し、硫酸化粗生成物を得る。
【0018】
硫酸化物中には反応に由来する無機塩が存在する。これらの無機塩類はメタノール、エタノール等の有機溶媒による抽出法や再結晶法、イオン交換樹脂、電気透析による脱塩法等により除去することが出来、高純度な硫酸塩も製造することが出来る。但し、場合によっては上記の無機塩を除かずにそのまま用いてもよい。又、用途に応じて硫酸化物の塩交換により、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、炭素数2〜3のモノ、ジ若しくはトリアルカノールアンモニウム、炭素数1〜5のアルキル置換アンモニウム、又は塩基性アミノ基にして使用することが出来る。
【0019】
本発明の顔料分散剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(30)ジグリセリルエーテルのステアリン酸エステルの硫酸塩、ポリオキシエチレン(30)ジグリセリルエーテルのラウリン酸エステルの硫酸塩、ポリオキシエチレン(20)ジグリセリルエーテルのミリスチン酸エステルのホウ酸塩、ポリオキシエチレン(40)テトラグリセリルエーテルのステアリン酸エステルの硫酸塩、ジグリセリンステアリン酸エステルのポリオキシエチレン(30)付加物の硫酸塩、ジグリセリンステアリン酸エステルのポリオキシエチレン(40)付加物のリン酸塩、ポリオキシエチレン(120)テトラグリセリルエーテルのオレイン酸エステルの硫酸塩、ポリオキシプロピレン(24)ジグリセリルエーテルのラウリン酸エステルの硫酸塩、ポリオキシエチレン(40)テトラグリセリルエーテルの安息香酸エステルのリン酸塩などが挙げられる。
【0020】
本発明の顔料分散剤を含有したインク又は塗料は、前記分散剤を液媒体に事前に添加した後、顔料を添加する、あるいは液媒体と顔料を混合した後、前記分散剤を添加して、ボールミル、サンドミル、及びサンドグラインダーのようなメディアを用いた分散機を当業者が適切に使用する方法により顔料を分散させることにより調製される。
【0021】
前記分散剤の添加量としては、顔料の重量に対し、通常0.01〜70重量%であり、10〜70重量%が好ましく、30〜60重量%がさらに好ましい。添加量が0.01重量%以下では、分散安定化効果が小さく、70重量%を越える場合は逆に凝集が生じたり、粘度の増加が起こるためこの範囲が好ましい。
【0022】
本発明で使用する顔料の種類は特に限定されないが、代表的なものを例示すると、カーボンブラック、チタン白、炭酸カルシウムなどの無機系顔料、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料またはアゾ系顔料などの有機系顔料が挙げられる。
【0023】
本発明の顔料分散剤を含有する水性インク又は塗料には、必要に応じて水溶性有機溶剤、水溶性樹脂、有機アミン、界面活性剤、pH調整剤、キレート化剤、防腐剤、粘度調整剤、消泡剤などを添加することができる。
【0024】
水性インク又は塗料に用いられる液媒体としては水又は水と水溶性有機溶剤の混合溶媒が好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、インプロピルアルコールなどのアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−へキサントリオール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどの多価アルコール類;N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。
【0025】
水性インク又は塗料に必要に応じて添加する水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
【0026】
水性インク又は塗料に必要に応じて添加する有機アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、2−アミノ−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−エチル−2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノエチルエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、モルフォリン、アンモニアなどが挙げられる。
【0027】
本発明の顔料分散剤を含有するインクジェット記録用インクの場合には、インクジェット記録方式を用いたプリンターであれば、如何なるプリンターにおいても用いることができる。例えば、プリンターヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーターなどによる熱エネルギーを用いて記録する熱ジェット記録方式プリンター、及びプリンターヘッドに配設された圧電素子を用いて記録を行う圧電素子記録方式プリンターのいずれにも使用することができる。
【0028】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例】
【0029】
(実施例1〜2、比較例1〜2)
マゼンタ顔料(C.I. ピグメントレッド 122)20重量部、後に示す分散剤8重量部、イオン交換水73重量部を粒径1.0mmのジルコニアビーズを用いてサンドミルで5時間分散して分散液を得た。次いで、この分散液25重量部を撹拌しながら、ジエチレングリコール8重量部、グリセリン5重量部およびイオン交換水62重量部を30分間かけて滴下後、トリエタノールアミンを加えて、pHを8. 0になるように調製して、インクジェト記録用インクを得た。
【0030】
上記実施例1〜2及び比較例1〜2についてはインクジェット記録用インクの保存安定性、再分散性、インクジェットノズルの目詰まり、及び印刷物の耐擦過性、耐水性を下記評価方法に従い測定した。
その結果を表1に示した。
(1)保存安定性の評価
保存安定性は、得られたインクを蓋付きの容器に入れ、初期の粒子径及び粘度と50℃、1ヶ月間放置後の粒子径及び粘度を測定し評価を行った。粒子径は、MICROTRAC UPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。
(2)再分散性の評価
再分散性は、遠心機で2500G、3時間遠心処理し、強制的に沈降させたインクで評価した。
○:顔料が容易に再分散する
×:顔料の再分散が困難
(3)ノズルの目詰まりの評価
ノズルの目詰まりは、インクジェットプリンターで一定量の文字を印字後、キャッピングをしない状態で50℃、7日間放置した後、ノズル目詰まりの回復のためのクリーニング操作を行い、何回の操作回数で正常な印字が可能かを判定した。
○:1〜3回のクリーニング操作で正常な印字ができた場合
△:4〜6回のクリーニング操作で正常な印字ができた場合
×:7回以上のクリーニング操作で正常な印字ができた場合
(4)耐擦過性の評価
インクジェットプリンターでMC光沢紙に一定量の文字を印字後、30分間自然乾燥させ印刷部を指で強く擦り、以下の判断基準に従って評価した。
○:汚れは全く生じない。
△:わずかに汚れる。
×:汚れる。
(5)耐水性の評価
(4)と同様に得られる印刷物の印字部の上に水滴を滴下して、印刷物の状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:水滴を滴下した印字部分に全く変化がなかった。
△:水滴を滴下した印字部分の周囲にマーク(ウォーターマーク)ができた。
×:水滴を滴下した印字部分の周囲が滲んだ。
【0031】
本実施例及び比較例評価に使用した分散剤を次に示す。
「分散剤1」ポリオキシエチレン(30)ジグリセリルエーテルのステアリン酸エステルの硫酸塩
「分散剤2」ポリオキシエチレン(30)ジグリセリルエーテルのラウリン酸エステルの硫酸塩
「分散剤3」ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩
「分散剤4」ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
【0032】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の顔料分散剤を含有した顔料分散液は、初期分散性、長期保存安定性、吐出安定性が飛躍的に向上するため、通常のボールペン等の水性インクや水性塗料、特にインクジェット記録用顔料インクとして好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均重合度が2〜20のポリグリセリンとアルキレンオキサイド(1〜150モル)と炭素数が4〜24の直鎖状若しくは分岐状の飽和若しくは不飽和の脂肪酸又は芳香族カルボン酸からなるエステル化率20〜80%のポリグリセリンポリオキシアルキレン脂肪酸、若しくは芳香族カルボン酸エステルの硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、ホウ酸エステル塩であるアニオン性の顔料分散剤。
【請求項2】
請求項1記載の顔料分散剤を用いた水性インク又は塗料。

【公開番号】特開2006−8881(P2006−8881A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189496(P2004−189496)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(390028897)阪本薬品工業株式会社 (140)
【Fターム(参考)】