説明

顕微鏡装置

【課題】試料の振動を防止することができる走査型プローブ顕微鏡を備える顕微鏡装置を提供することである。
【解決手段】原子間力顕微鏡は、AFMスキャナおよび試料載置台を備える。試料載置台は、移動プレート、Z方向移動機構およびXY方向移動機構30cを含む。XY方向移動機構30cは、2つのモータMa,Mb、Y方向移動機構380およびX方向移動機構390を有する。Y方向移動機構380およびX方向移動機構390には、あり溝ガイド方式が用いられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査型プローブ顕微鏡を備えた顕微鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来の光学顕微鏡または電子顕微鏡等とは全く異なる原理を利用した走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope:SPM)が開発され、注目を浴びている。
【0003】
走査型プローブ顕微鏡は、プローブと呼ばれる鋭く尖った探針を自由端に有するカンチレバーを備えている。上記の走査型プローブ顕微鏡の一例である原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)においては、探針を試料に近づけると、探針の先端を構成している原子と試料を構成している原子との間に原子間力が生じる。この原子間力によりカンチレバーの自由端が変位する。
【0004】
このカンチレバーの自由端の変位量変位を電気的に測定しながら、探針を試料に沿って走査させることにより、試料の表面形状を示す三次元的な情報を得ることができる。例えば、カンチレバーの自由端の変位を一定に保つように探針と試料との距離を制御しながら探針を走査させると、探針の先端は試料表面の凹凸に沿って移動するので、探針の先端の位置情報から試料の表面形状を示す三次元的な情報を得ることができる。
【0005】
なお、走査型プローブ顕微鏡のその他の例としては、探針の原子と試料表面の原子との間に生じる原子間力を用いる代わりに、探針と試料との間に流れるトンネル電流を利用することにより試料表面の三次元的な情報を得ることも可能な走査型トンネル顕微鏡もある。
【0006】
また、光学顕微鏡と走査型プローブ顕微鏡とが一体化された顕微鏡装置が開発されている。
【0007】
ここで、従来のプローブ走査装置の概略を図面を参照しながら説明する。なお、下記に示す顕微鏡装置は、光学顕微鏡と走査型プローブ顕微鏡の一例である原子間力顕微鏡とが一体的に構成されたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
図26は、従来の顕微鏡装置を示す模式図である。
【0009】
図26に示すように、支持台901には、図示しないリニアガイドを介して光学系支持台902が上下方向に移動可能に設けられている。
【0010】
光学系支持台902には、対物レンズ907、変位計測光学系906および観察光学系904が取り付けられている。
【0011】
光学系支持台902上に設けられた光学系支持台粗動マイクロメーター903を調整することにより、対物レンズ907、変位計測光学系906および観察光学系904を一体的に上下に移動させることができる。
【0012】
また、光学系支持台902には、図示しないリニアガイドを介してスキャナ支持台915が上下方向に移動可能に設けられている。
【0013】
スキャナ支持台915には、探針微動用円筒型圧電素子908が固定されている。探針微動用円筒型圧電素子908の下端に探針支持リング909が設けられている。
【0014】
この探針支持リング909にカンチレバー918が取り付けられており、カンチレバー918の自由端に探針910が設けられている。なお、探針910は、探針支持リング909の中央の開口部分から突出するように設けられている。
【0015】
スキャナ支持台915上に設けられたスキャナ支持台粗動マイクロメーター914を調整することにより、スキャナ支持台915を光学系支持台902に対して上下方向に移動させることができる。
【0016】
一方、支持台901上には、試料台912が固定されている。試料台912上に試料911が載置される。
【0017】
上記のような構成により、光学顕微鏡による試料の観察と走査型プローブ顕微鏡による試料の観察とを一台の顕微鏡装置により行うことができる。
【0018】
一般に、顕微鏡装置においては試料の観察時に試料を移動させる必要があるため、試料台912はXYステージ上に設けられる。XYステージとしては、通常、クロスローラ方式のステージを組み合わせたものが用いられる。図27は、一般的なクロスローラ方式のXYステージの斜視図であり、図28は、図27のXYステージの正面図である。
【0019】
図27に示すように、クロスローラ方式のXYステージにおいては、上板951および下板952が、クロスローラガイドCRGを介して連結されている。クロスローラガイドCRGは、互いに対向するV字溝v1,v2を有するガイドロッド953,954、および複数のローラ955を回転可能に支持するローラ支持板956から構成される。
【特許文献1】特開平5−157554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、図27に示されるようなクロスローラガイドCRGを用いた場合、ガイドロッド953,954とローラ955との接触面積は非常に小さくなる。そのため、図28に矢印で示すように、各ローラ955の外周面に圧力集中が生じ、弾性変形が起こる。
【0021】
したがって、図26に示すような顕微鏡装置に図27に示すクロスローラ方式のXYステージを用いると、外乱等の影響により支持台901に振動が発生した場合、その振動圧が上記の応力集中部に集中し、弾性変形が生じる。その弾性変形により、試料台912とともに試料が振動し、正確な観察を行うことができない。
【0022】
本発明の目的は、試料の振動を防止することができる走査型プローブ顕微鏡を備える顕微鏡装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
(1)本発明に係る顕微鏡装置は、設置部材と、設置部材上に設置される走査型プローブ顕微鏡とを備え、走査型プローブ顕微鏡は、試料が載置される載置台と、載置台を水平方向に移動させる第1の移動機構と、第1の移動機構上に設けられ、載置台を垂直方向に移動させる第2の移動機構とを有し、第1の移動機構は、第1の移動部材および第1の移動部材上に設けられる第2の移動部材を有し、第1および第2の移動部材のうちいずれか一方の移動部材は溝部を有し、第1および第2の移動部材のうち他方の移動部材は、一方の移動部材に対して相対的に水平方向に摺動可能に前記溝部に嵌合される突出部を有し、第1の移動部材の上面と第2の移動部材の下面とが接触しかつ溝部の側面が突出部の側面に接触しているものである。
【0024】
本発明に係る顕微鏡装置においては、設置部材上に走査型プローブ顕微鏡が設置される。走査型プローブ顕微鏡は、試料が載置される載置台、載置台を水平方向に移動させる第1の移動機構および第1の移動機構上に設けられ載置台を垂直方向に移動させる第2の移動機構を有する。
【0025】
第1の移動機構は、第1の移動部材および第1の移動部材上に設けられる第2の移動部材を有する。第1および第2の移動部材のうち一方の移動部材には溝部が形成されている。第1および第2の移動部材のうち他方の移動部材には、突出部が形成されている。他方の移動部材が一方の移動部材に対して相対的に水平方向に摺動するように、突出部が溝部に嵌合される。第1の移動部材の上面と第2の移動部材の下面とが接触するとともに、溝部の側面と突出部の側面とが接触している。
【0026】
この場合、第1の移動部材の上面と第2の移動部材の下面とが接触するとともに、溝部の側面と突出部の側面とが接触しているので、第1の移動部材と第2の移動部材との接触面は十分な面積を有する。そのため、第1および第2の移動部材の少なくとも一方に振動が発生しても、その振動圧は接触面において効率よく分散される。したがって、第1の移動部材と第2の移動部材との接触面において弾性変形が生じることを防止することができる。それにより、第1の移動部材および第2の移動部材に、弾性変形による振動が発生することを防止することができる。その結果、第1の移動機構上に設けられる第2の移動機構および載置台に弾性変形による振動が発生することを防止することができる。
【0027】
また、載置台を垂直方向に移動させる第2の移動機構は、第1の移動機構上に設けられている。この場合、第2の移動機構に大きな荷重がかかることがない。それにより、第2の移動機構が受ける振動の影響を低減することができる。
【0028】
これらの結果、載置台に載置される試料の振動を防止することができる。それにより、試料の正確な観察を行うことができる。
【0029】
(2)溝部はあり溝であってもよい。この場合、溝部の側面と突出部の側面とを確実に接触させることができる。そのため、第1および第2の移動部材の少なくとも一方に振動が発生しても、その振動圧を接触面においてさらに効率よく分散することができる。それにより、第1の移動機構、第2の移動機構および載置台に弾性変形による振動が発生することを確実に防止することができる。その結果、試料の振動を確実に防止することができる。
【0030】
(3)設置部材は、第1の設置部材および第2の設置部材を有し、査型プローブ顕微鏡は第2の設置部材上に設置され、第2の設置部材は第1の設置部材上に弾性部材を介して支持されてもよい。
【0031】
この場合、第1の設置部材に生じる振動は、弾性部材において減衰される。それにより、第1の設置部材の振動が、第2の設置部材および走査型プローブ顕微鏡に伝達されることを防止することができる。その結果、試料の振動を確実に防止することができる。
【0032】
(4)顕微鏡装置は、第1の設置部材に設けられ、走査型プローブ顕微鏡および第2の設置部材に接触しないように走査型プローブ顕微鏡および第2の設置部材を覆うカバー部材をさらに備えてもよい。
【0033】
この場合、騒音および風等の外乱によって第2の設置部材および走査型プローブ顕微鏡に振動が生じることを防止することができる。また、カバー部材は、第2の設置部材および走査型プローブ顕微鏡に接触していない。そのため、騒音および風等の外乱によってカバー部材に振動が生じても、その振動が第2の設置部材および走査型プローブ顕微鏡に伝達されることを防止することができる。これらの結果、走査型プローブ顕微鏡に振動が生じることを確実に防止することができる。それにより、試料に振動が生じることをより正確に防止することができる。
【0034】
(5)顕微鏡装置は、第2の設置部材上に設置される光学顕微鏡をさらに備えてもよい。この場合、使用者は走査型プローブ顕微鏡により試料の表面形状を高倍率でミクロ的に観察することができるとともに、光学顕微鏡により試料の表面形状を低倍率でマクロ的に観察することができる。
【0035】
(6)光学顕微鏡は、光学顕微鏡を移動させるための第3の移動機構を有し、カバー部材は、第3の移動機構を操作するための操作部を有し、操作部は、第3の移動機構と連結および切断可能であってもよい。
【0036】
この場合、光学顕微鏡を移動させる際にのみ、操作部と第3の移動機構とを連結させて、光学顕微鏡を移動させることができる。また、試料の測定および観察時には、操作部と第3の移動機構とを切断することができる。それにより、試料の観察時にカバー部材に生じた振動が走査型プローブ顕微鏡および光学顕微鏡に伝達されることを防止することができる。その結果、試料の振動を確実に防止することができる。
【0037】
また、光学顕微鏡を移動させる際に、カバー部材を第1の設置部材から取り外す必要がないので、試料の迅速な観察が可能になる。
【0038】
なお、光学顕微鏡の位置調整は、走査型プローブ顕微鏡のカンチレバーの移動可能な領域の中心と、光学顕微鏡による観察視野の中心とを一致させるために行われる。
【0039】
(7)操作部は、嵌合部を有し、第3の移動機構は、嵌合部に嵌合される被嵌合部を有し、嵌合部は第1の磁石を有し、被嵌合部は第2の磁石を有し、嵌合部が被嵌合部に誘導されるように第1および第2の磁石が設けられてもよい。
【0040】
この場合、操作部を第3の移動機構に連結する際に、嵌合部が被嵌合部に誘導されるので、操作部と第3の移動機構との連結を迅速かつ確実に行うことができる。
【0041】
(8)第1の設置部材は、第2の設置部材の揺動を制限する制限部材を備えてもよい。この場合、制限部材により第2の設置部材の揺動が制限されるので、顕微鏡装置を持ち運ぶ際に、第2の設置部材が大きく振動することを防止することができる。それにより、走査型プローブ顕微鏡および光学顕微鏡の故障を確実に防止できるとともに、顕微鏡装置を容易に持ち運ぶことができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、第1の移動機構の第1および第2の移動部材の少なくとも一方に振動が発生しても、その振動圧は接触面において効率よく分散される。したがって、第1の移動部材と第2の移動部材との接触面において弾性変形が生じることを防止することができる。それにより、第1の移動部材および第2の移動部材に、弾性変形による振動が発生することを防止することができる。その結果、第1の移動機構、第2の移動機構および載置台に弾性変形による振動が発生することを防止することができる。
【0043】
また、載置台を垂直方向に移動させる第2の移動機構は、第1の移動機構上に設けられている。この場合、第2の移動機構に大きな荷重がかかることがない。それにより、第2の移動機構が受ける振動の影響を低減することができる。
【0044】
これらの結果、載置台に載置される試料の振動を防止することができる。それにより、試料の正確な観察を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の一実施の形態に係る顕微鏡装置について図面を参照しながら説明する。
【0046】
(1) 顕微鏡装置の構成
図1は、本実施の形態に係る顕微鏡装置の外観を示す図である。図1に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡装置1は、装置部700および外装部800により構成される。外装部800は、例えばプラスチックにより形成される。顕微鏡装置1は、ケーブルcaにより、パーソナルコンピュータ900に接続されている。
【0047】
なお、図1では、顕微鏡装置1が斜視図で示され、パーソナルコンピュータ900は正面図で示されている。ここで、顕微鏡装置1の斜視図において、水平面内で直交する2方向をX方向およびY方向とし、X方向およびY方向に垂直な方向をZ方向とする。特に、矢印の向く方向を+で表し、矢印と逆の方向を−で表す。また、後述する図2、図3、図5〜図7、図9〜図16、図18、図19および図21〜図25においても同様にX方向、Y方向およびZ方向を定義する。
【0048】
図2は、装置部700を示す斜視図であり、図3は、図1の顕微鏡装置1の組立て斜視図である。
【0049】
図2および図3に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡装置1は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)10および光学顕微鏡20を一体的に備える。原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20は、顕微鏡連結部材40に取り付けられ、ベース筐体部50により保持される。
【0050】
図3に示すように、ベース筐体部50は、XY平面に平行となるように配置される底板51を有する。底板51の四隅には、Z方向に延びる支持脚53a,53b,53c,53dが取り付けられている。また、底板51の四辺には、4つの支持脚53a,53b,53c,53dおよび底板51を取り囲むように補強板52a,52b,52c,52dが取り付けられている。
【0051】
顕微鏡装置1の背面側の補強板52cには、顕微鏡装置1と外部装置とを接続するためのインターフェイスボード80が取り付けられる。本実施の形態においては、インターフェイスボード80には、原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20から図示しないケーブルが接続されるとともに、パーソナルコンピュータ900からケーブルca(図1)が接続される。これにより、原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20とパーソナルコンピュータ900との間での通信が可能となる。
【0052】
装置部700の組立て時において、4つの支持脚53a,53b,53c,53dの上端部には、それぞれ弾性部材54a,54b,54c,54dが取り付けられる。弾性部材54a,54b,54c,54dの詳細は後述する。
【0053】
顕微鏡連結部材40は、AFM固定部材41と光学顕微鏡固定部材42とが一体的に形成された構造を有する。AFM固定部材41は、略箱形状を有し、内部に試料載置台収容空間41sを有する。光学顕微鏡固定部材42は角筒形状を有し、内部に光学顕微鏡収容空間42sを有する。
【0054】
顕微鏡連結部材40においては、AFM固定部材41に原子間力顕微鏡10が取り付けられ、光学顕微鏡固定部材42に光学顕微鏡20が取り付けられる。これにより、原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20が一体的に連結される。
【0055】
顕微鏡連結部材40への原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20の取り付けの詳細は後述する。
【0056】
原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20が連結された状態で、XY平面内における顕微鏡連結部材40の上端部側の四隅が被支持部43a,43b,43c,43dとして各弾性部材54a,54b,54c,54dの上端部に取り付けられる。
【0057】
これにより、図2に示すように、顕微鏡連結部材40により互いに連結された原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20が、ベース筐体部50により弾性的に保持される。
【0058】
原子間力顕微鏡10は、AFMスキャナ11および試料載置台30を備える。AFMスキャナ11は、顕微鏡連結部材40のAFM固定部材41上に取り付けられる。
【0059】
具体的には、図3に示すように、AFM固定部材41の上端部にAFMスキャナ支持部44が形成されている。AFMスキャナ支持部44は、平面視でL字状をなし、水平な上面を有する。この上面上にAFMスキャナ11が取り付けられる。
【0060】
AFMスキャナ11の下部には、図2に示すように、ミラーホルダ26および図示しないカンチレバー保持部が設けられている。ミラーホルダ26は光学顕微鏡20のミラー25を保持し、カンチレバー保持部は後述する探針が設けられたカンチレバーを保持する。
【0061】
原子間力顕微鏡10による試料Mの観察時には、カンチレバーのZ方向の変位、すなわち後述する圧電素子110(図5)に連結されたカンチレバー保持部のZ方向の変位がケーブルca(図1)を通じてパーソナルコンピュータ900に送られる。それにより、パーソナルコンピュータ900は後述する表示装置にカンチレバーの変位に基づく画像を表示する。
【0062】
AFMスキャナ11のカンチレバーに設けられている探針を試料Mの表面に沿って走査させる構成の詳細は後述する。
【0063】
図3に示すように、試料載置台30は顕微鏡連結部材40の試料載置台収容空間41sに収容される。試料載置台30は、移動プレート30a、Z方向移動機構30bおよびXY方向移動機構30cを含む。
【0064】
図3によれば、XY方向移動機構30c上にZ方向移動機構30bが設けられ、Z方向移動機構30b上に移動プレート30aが設けられている。
【0065】
XY方向移動機構30cは2つのモータMa,Mbを有する。また、Z方向移動機構30bは図示しない1つのモータを有する。これらの3つのモータは、後述の図4の動作制御部81に接続されている。動作制御部81には、後述の図4のX方向電動スイッチSW1、Y方向電動スイッチSW2およびZ方向電動スイッチSW3が接続されている。これらのスイッチSW1〜SW3は、図3に示すように、外装部800の正面側に設けられる。XY方向移動機構30cの詳細は後述する。
【0066】
上記のX方向電動スイッチSW1、Y方向電動スイッチSW2およびZ方向電動スイッチSW3に代えて、移動プレート下降スイッチ、最下点スイッチおよび照明スイッチを設けてもよい。
【0067】
この場合、移動プレート下降スイッチは、試料Mが載置された移動プレート30aを下降させるために用いられる。最下点スイッチは、試料Mが載置された移動プレート30aを移動プレート30aがZ方向で移動可能な最下点に移動させるために用いられる。照明スイッチは、顕微鏡装置1に設けられる照明(図示せず)をオンまたはオフするために用いられる。
【0068】
使用者は、Z方向電動スイッチSW3を操作することによりZ方向移動機構30bを動作させる。これにより、試料Mが載置された移動プレート30aをZ方向(鉛直方向)に移動させることができる。
【0069】
また、使用者は、X方向電動スイッチSW1およびY方向電動スイッチSW2を操作することによりXY方向移動機構30cを動作させる。これにより、試料Mが載置された移動プレート30aをX方向およびY方向(水平方向)に移動させることができる。
【0070】
光学顕微鏡20は、レンズ格納部21、光軸変換部22、電動ズーム鏡筒23、CCD(電荷結合素子)カメラボックス24、ミラー25(図2)、ミラーホルダ26(図2)および遊動台座27を備える。光軸変換部22は光軸変換ミラー22aを内蔵する。遊動台座27の詳細は後述する。
【0071】
電動ズーム鏡筒23は、後述の図4のズーム調整装置231およびフォーカス調整装置232を内蔵する。また、CCDカメラボックス24は後述の図4のCCDカメラ241を内蔵する。
【0072】
光学顕微鏡20のレンズ格納部21は、光軸変換部22に取り付けられ、光軸変換部22は、電動ズーム鏡筒23の上端部に取り付けられている。電動ズーム鏡筒23の下端部にCCDカメラボックス24が設けられている。光軸変換部22の内部では、光軸変換ミラー22aが電動ズーム鏡筒23の軸心の延長線上に配置されている。
【0073】
光学顕微鏡20の電動ズーム鏡筒23は、遊動台座27により支持される。
【0074】
遊動台座27は、Z方向に平行な軸に対してやや傾斜するように顕微鏡連結部材40の光学顕微鏡固定部材42上に取り付けられる。これにより、遊動台座27に支持された電動ズーム鏡筒23が光学顕微鏡収容空間42s内に収容される。
【0075】
なお、遊動台座27の光学顕微鏡固定部材42上への取り付けは、接続部材42c(図2)および後述する接続部材42d(図15参照)を光学顕微鏡固定部材42の上面にネジ止めし、固定された接続部材42c,42d遊動台座27を取り付けることにより行う。
【0076】
外装部800(図1)は、図3に示すようにフロントケース800Aおよびリアケース800Bから構成される。フロントケース800Aは、補強板52a,52b,52dにネジ止めすることにより装置部700の正面側に取り付けられる。リアケース800Bは、補強板52b,52c,52dにネジ止めすることにより装置部700の背面側に取り付けられる。それにより、図1に示すように、原子間力顕微鏡10、光学顕微鏡20、顕微鏡連結部材40およびベース筐体部50の正面、背面、両側面および上面が外装部800によって覆われる。なお、フロントケース800Aおよびリアケース800Bは互いに密接している。
【0077】
フロントケース800Aには、略長方形の窓部801が形成されている。窓部801には、略長方形の嵌合部材802が着脱可能に取り付けられている。嵌合部材802が窓部801に取り付けられている状態においては、窓部801の内周面と嵌合部材802の外周面とが互いに密接している。
【0078】
試料Mを観察する場合には、使用者は、嵌合部材802を窓部801から取り外し、窓部801を通して試料Mを試料載置台30に載置する。その後、嵌合部材802を窓部801に取り付ける。
【0079】
リアケース800Bには、窓部803が形成されている。この窓部803により、インターフェイスボード80の背面側の所定の領域が外部に露出する。この露出する領域に、顕微鏡装置1と外部装置とを電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。本例では、ケーブルca(図1参照)がコネクタに接続されている。
【0080】
フロントケース800Aの正面側にはY方向操作ノブ60aおよび上下方向操作ノブ60bを有する光学顕微鏡移動操作部60が設けられる。
【0081】
光学顕微鏡20の遊動台座27は、2つの移動機構を有する。一方の移動機構は、電動ズーム鏡筒23およびそれに取り付けられた各構成部をY方向に移動させ、他方の移動機構は、電動ズーム鏡筒23およびそれに取り付けられた各構成部を電動ズーム鏡筒23の軸心に沿う方向に移動させる。
【0082】
これら2つの移動機構は、ともに光学顕微鏡固定部材42上に設けられる連結機構70に接続される。この連結機構70は、光学顕微鏡移動操作部60に対して着脱可能に設けられている。
【0083】
光学顕微鏡20を移動させる場合、使用者は、光学顕微鏡移動操作部60と連結機構70とを連結させる。そして、Y方向操作ノブ60aを操作することにより光学顕微鏡20をY方向に移動させることができる。また、上下方向操作ノブ60bを操作することにより光学顕微鏡20を電動ズーム鏡筒23の軸心に沿う方向に移動させることができる。詳細は後述する。
【0084】
ここで、試料Mが試料載置台30上に載置された状態で、ミラー25は試料Mの上方に位置する。この場合、図示しない光源から発せられる照明光が試料Mに照射され、その試料Mからの反射光がミラー25に照射される。
【0085】
試料Mからの反射光は、ミラー25により反射され、レンズ格納部21内のレンズを通して光軸変換部22内の光軸変換ミラー22aにより反射される。光軸変換ミラー22aによる反射光は、電動ズーム鏡筒23を通してCCDカメラボックス24に取り込まれる。それにより、CCDカメラボックス24内のCCDカメラに試料Mの画像が形成される。
【0086】
光学顕微鏡20による試料Mの観察時には、CCDカメラに形成された試料Mの画像がケーブルcaを通じてパーソナルコンピュータ900に送られる。それにより、パーソナルコンピュータ900は後述する表示装置に試料Mの画像を表示する。
【0087】
(2) 顕微鏡装置の制御系
顕微鏡装置1の制御系について説明する。図4は、顕微鏡装置1の制御系を説明するためのブロック図である。図4に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡装置1は、原子間力顕微鏡10、光学顕微鏡20、インターフェイスボード80、動作制御部81、記憶部82、X方向電動スイッチSW1、Y方向電動スイッチSW2およびZ方向電動スイッチSW3を備える。
【0088】
また、原子間力顕微鏡10はAFMスキャナ11および試料載置台30を含み、光学顕微鏡20はズーム調整装置231、フォーカス調整装置232およびCCDカメラ241を含む。
【0089】
顕微鏡装置1において、上記の各構成部は互いに電気的に接続されている。インターフェイスボード80はケーブルcaを介してパーソナルコンピュータ900に接続されている。
【0090】
動作制御部81は、例えばCPU(中央演算処理装置)またはマイクロコンピュータ等を含み、顕微鏡装置1内の他の構成部の動作を制御する。
【0091】
記憶部82は、例えばメモリからなり、各構成部の動作に関するプログラムを記憶する。
【0092】
試料載置台30は、X方向移動モータ、Y方向移動モータおよびZ方向移動モータを有する。これらのモータは、それぞれ、図3のモータMa、モータMbおよびZ方向移動機構30bのモータに相当する。
【0093】
使用者によりX方向電動スイッチSW1が操作されると、動作制御部81はX方向移動モータを動作させる。使用者によりY方向電動スイッチSW2およびZ方向電動スイッチSW3が操作された場合も同様に、動作制御部81はY方向移動モータおよびZ方向移動モータを動作させる。
【0094】
その結果、上述のように、図2の試料Mが載置された移動プレート30aをX方向、Y方向およびZ方向に移動させることが可能となる。
【0095】
図4において、光学顕微鏡20に含まれるズーム調整装置231は光学顕微鏡20の倍率を調整する。また、フォーカス調整装置232は光学顕微鏡20の焦点位置を調整する。
【0096】
使用者が後述するパーソナルコンピュータ900の入力装置95により光学顕微鏡20の倍率を入力すると、パーソナルコンピュータ900から動作制御部81に光学顕微鏡20の倍率を示す信号が与えられる。これにより、動作制御部81は、与えられた信号に基づいてズーム調整装置231を動作させる。その結果、光学顕微鏡20の倍率が調整される。
【0097】
また、使用者が後述するパーソナルコンピュータ900の入力装置95により光学顕微鏡20の焦点位置を入力すると、パーソナルコンピュータ900から動作制御部81に光学顕微鏡20の焦点位置を示す信号が与えられる。これにより、動作制御部81は、与えられた信号に基づいてフォーカス調整装置232を動作させる。その結果、光学顕微鏡20の焦点位置が調整される。
【0098】
光学顕微鏡20のCCDカメラ241は、試料Mの画像をパーソナルコンピュータ900に出力する。これにより、後述するパーソナルコンピュータ900の表示装置91に光学顕微鏡20により観察される試料Mの画像が表示される。
【0099】
パーソナルコンピュータ900は、インターフェイスボード90、表示装置91、ROM(リードオンリメモリ)92、RAM(ランダムアクセスメモリ)93、CPU94、入力装置95、記録媒体駆動装置96および外部記憶装置97を備える。
【0100】
インターフェイスボード90は、ケーブルcaを介して顕微鏡装置1のインターフェイスボード80に接続されている。
【0101】
表示装置91は、液晶表示パネルまたはCRT(陰極線管)等からなり、原子間力顕微鏡10により観察される試料Mの画像および光学顕微鏡20により観察された試料Mの画像を表示する。
【0102】
ROM92にはシステムプログラムが記憶される。記録媒体駆動装置96は、CD(コンパクトディスク)ドライブ、DVD(デジタルバーサタイルディスク)ドライブ等からなり、CD、DVDドライブ等の記録媒体98に対してデータの読み書きを行う。
【0103】
入力装置95は、キーボードおよびマウス等からなり、使用者が種々の指令およびデータの入力をするために用いられる。本実施の形態では、例えば光学顕微鏡20の倍率がキーボードにより入力され、原子間力顕微鏡10による試料Mの観察位置がマウスにより指定される。詳細は後述する。
【0104】
外部記憶装置97は、ハードディスク装置等からなり、記録媒体駆動装置96を介して記録媒体98から読み込まれたプログラムを記憶する。
【0105】
CPU94は、外部記憶装置97に記憶されたプログラムをRAM93上で実行し、パーソナルコンピュータ900の各構成部を制御するとともに、顕微鏡装置1に種々の信号を出力する。
【0106】
なお、記録媒体98の代わりにROM等の半導体メモリ、ハードディスク装置等の他の記録媒体を用いてもよい。また、プログラムをインターネットを通して外部記憶装置97にダウンロードしてもよい。
【0107】
(3) コンタクトモードを用いる原子間力顕微鏡の制御系の詳細
顕微鏡装置1の原子間力顕微鏡10の制御系の詳細を説明する。ここで、コンタクトモードとは、原子間力顕微鏡10において、後述の探針を試料Mに接触する位置まで近付けて試料表面に沿って走査させる測定モードである。
【0108】
図5は、図2の原子間力顕微鏡10のコンタクトモードを用いる場合の制御系を示すブロック図である。
【0109】
原子間力顕微鏡10は、板バネ状のカンチレバー100、探針101および圧電素子110を含む。
【0110】
カンチレバー100の先端に探針101が設けられている。この探針101を試料Mに近付けると、探針101と試料Mとの間に原子間力が生じ、カンチレバー100が上下方向にたわむ。
【0111】
AFMスキャナ11内に設けられた圧電素子110により試料M表面に沿った探針101の走査が行われる。圧電素子110は、試料M表面に沿って探針101を走査させるために、カンチレバー100をX方向およびY方向に移動させる。
【0112】
なお、探針101を固定した状態で試料載置台30の移動プレート30a(図2参照)をX方向およびY方向に移動させることにより、試料M表面に沿った探針101の走査を行ってもよい。また、圧電素子110の代わりにボイスコイルモータを用いてもよい。
【0113】
圧電素子110は、カンチレバー100のたわみ量を一定に保つように、すなわち、探針101と試料Mとの間に生じる原子間力を一定に保つようにカンチレバー100をZ軸方向に動作させる。探針101と試料Mとの間の原子間力を一定に保つために圧電素子110に印加した電圧値の変化に基づいて、Z方向におけるカンチレバー100の位置情報が取得される。この位置情報から試料Mの表面形状に関する形状情報が取得される。その結果、試料Mの3次元的な形状情報を画像化することが可能となる。
【0114】
なお、圧電素子110は、動作制御部81により制御される。動作制御部81は、CPU131、変位検出部132、Z方向サーボ回路133およびX−Y方向サーボ回路134を含む。
【0115】
Z方向サーボ回路133は、カンチレバー100の探針101がZ方向に動作するように圧電素子110を制御する。また、X−Y方向サーボ回路134は、カンチレバー100の探針101がX方向およびY方向に移動するように圧電素子110を制御する。変位検出部132については後述する。
【0116】
ここで、試料M表面の凹凸により生じるカンチレバー100のたわみ量を一定に保つための原子間力顕微鏡10における動作について説明する。
【0117】
カンチレバー100には、例えば歪ゲージ等を含む変位センサが内蔵される。これにより、カンチレバー100の微小な変位に応じた信号が出力される。
【0118】
変位センサの出力信号は、動作制御部81の変位検出部132に与えられる。それにより変位検出部132は、カンチレバー100のたわみ量を検出する。
【0119】
動作制御部81のCPU131は、変位検出部132により検出されたカンチレバー100の変位に基づいて、この変位を一定に保つように圧電素子110を制御する。
【0120】
動作制御部81のCPU131は、変位検出部132により検出されたカンチレバー100のたわみ量に基づいて、このたわみ量を一定に保つように圧電素子110を制御する。
【0121】
動作制御部81は、インターフェイスボード80(図3および図4参照)を介してパーソナルコンピュータ900に接続されている。これにより、上述のように、カンチレバー100のZ方向の変位(カンチレバー保持部のZ方向の変位)がケーブルcaを通じてパーソナルコンピュータ900に送られる。それにより、パーソナルコンピュータ900の図4の表示装置91に、試料Mの3次元的な形状情報に基づく画像が映し出される。
【0122】
なお、本実施の形態においては、原子間力顕微鏡10の観察モードとして、コンタクトモードを用いているが、これに限定されるものではなく、探針101を試料Mに接触させることなく探針101を共振させ、試料M表面の近傍を走査させるノンコンタクトモード(ダンピングモード)を用いてもよい。
【0123】
上記では、カンチレバー100のたわみ量を検出するために、カンチレバー100に変位センサを内蔵する自己検知方式が用いられているが、レーザ光をカンチレバー100に照射し、カンチレバー100からの反射光を光検出器により検出してカンチレバー100のたわみ量を検出する光てこ方式を用いてもよい。
【0124】
(4) XY方向移動機構
次に、図3のXY方向移動機構30cについて図面を用いて詳細に説明する。図6は(a)は、XY方向移動機構30cの斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に点線丸で示す部分の拡大斜視図である。図6に示すように、XY方向移動機構30cは、2つのモータMa,Mb、Y方向移動機構380およびX方向移動機構390を有する。
【0125】
Y方向移動機構380は、上板381および下板382を有する。略四角形の上板381の下面側には、Y方向に延びるように断面逆台形のあり溝381aが形成されている。それにより、図6に示すように、上板381の下面側の内側には、Y方向に延びる2つの斜面381bが対向するように形成される。
【0126】
略四角形の下板382の上面側には、Y方向に延びるように断面逆台形の突出部382aが形成されている。それにより、突出部382aの両側面には、斜面382aが形成される。このような形状により、突出部382bがあり溝381bに嵌合されるように、上板381と下板382とが連結される。つまり、あり溝ガイド方式が用いられている。
【0127】
このような構成において、モータMbが回転することにより、上板381が下板382に対してY方向に摺動する。それにより、図3に示すZ方向移動機構30bおよび移動プレート30aがY方向に移動し、試料MがY方向に移動する。
【0128】
ここで、上板381と下板382とは、上板381の下面と下板382の上面とで接触するとともに、斜面381bと斜面382bとで接触している。この場合、上板381と下板382との接触面は十分な面積を有するので、下板382に振動が発生しても、その振動圧は接触面において効率よく分散される。したがって、上板381と下板382との接触面において弾性変形が生じることを防止することができる。それにより、上板381に弾性変形による振動が発生することを防止することができるので、図2に示す移動プレート30aおよびそれに載置される試料Mに弾性変形による振動が発生することを防止することができる。なお、下板382の上面側に断面台形のあり溝を形成し、上板381の下面側に断面台形の突出部を形成してもよい。
【0129】
X方向移動機構390は、Y方向移動機構380と同様の構成を有し、モータMaが回転することにより、Y方向移動機構380、Z方向移動機構30b(図3)および移動プレート30aがX方向に移動する。それにより、試料MがX方向に移動する。
【0130】
なお、図3に示すように、本実施の形態においては、XY方向移動機構30c上にZ方向移動機構30bが配置されている。ここで、原子間力顕微鏡10等の走査型プローブ顕微鏡においては、カンチレバーによる走査を行うため、Z方向の精度が特に重要になる。そこで、本実施の形態においては、XY方向移動機構30c上にZ方向移動機構30bを配置することにより、Z方向の精度を向上させている。また、この場合、XY方向移動機構30cにZ方向移動機構30bの荷重がかかるが、図6で説明したように、XY方向移動機構30cにおいては、上板381の下面と下板382の上面とが接触している。それにより、XY方向移動機構30cにかかる荷重を接触面において分散させることができる。その結果、図2に示す移動プレート30aおよびそれに載置される試料Mに弾性変形による振動が発生することを確実に防止することができる。
【0131】
(5) 光学顕微鏡の移動方法
次に、光学顕微鏡20(図2および図3参照)の移動方法について図を参照しながら説明する。なお、光学顕微鏡20の位置調整は、上述の圧電素子110により探針101が移動可能な領域の中心と、光学顕微鏡20による観察視野の中心とを一致させるために行われる。
【0132】
上述したように、本実施の形態に係る顕微鏡装置1においては、光学顕微鏡20の遊動台座27を操作する場合、使用者は、光学顕微鏡移動操作部60と連結機構70とを連結させる。そこで、まず光学顕微鏡移動操作部60の機構について説明する。
【0133】
(5−1) 光学顕微鏡移動操作部
図7は、光学顕微鏡移動操作部60の正面側の拡大斜視図であり、図8および図9は、光学顕微鏡移動操作部60と連結機構70との関係を示す図である。また、図10および図11は、光学顕微鏡移動操作部60の背面側の拡大斜視図であり、図12および図13は、光学顕微鏡移動操作部60の構成部品の一部を示した図である。また、図14は、連結機構70の上面図である。
【0134】
図7に示すように、光学顕微鏡移動操作部60は、フロントケース800Aの正面側において、Y方向操作ノブ60a、上下方向操作ノブ60bおよび押下部60cを有する。Y方向操作ノブ60aおよび上下方向操作ノブ60bは、周方向に回転可能に設けられている。押下部60cは、フロントケース800Aに対してY方向に移動可能に設けられている。
【0135】
図8および図9に示すように、Y方向操作ノブ60aの一端部には、固定筒61aが取り付けられている。また、Y方向操作ノブ60aには、連結軸62aが設けられている。連結軸62aは、固定筒61a内を挿通し、Y方向操作ノブ60aに対して周方向に固定されるとともにX方向に移動可能に設けられている。固定筒61aは、フロントケース800Aに固定される。Y方向操作ノブ60aは固定筒61aに対して回転可能に設けられている。
【0136】
このような構成により、フロントケース800Aの正面側でY方向操作ノブ60aを回転させることにより、フロントケース800Aの背面側で連結軸62aを回転させることができる。同様の構成で、上下方向操作ノブ60b内に連結軸62bが設けられるとともに、上下方向操作ノブ60bの一端部に固定筒61bが設けられる。また、固定筒61aと同様に、固定筒61bがフロントケース800Aに固定される。
【0137】
連結軸62aの所定の位置には、嵌合リング63aが固定され、連結軸62bの所定の位置には、嵌合リング63bが固定される。これらの嵌合リング63a,63bはそれぞれ嵌合溝を有しており、後述するように、この嵌合溝に移動板69が嵌合される(図9、図10および図11参照)。
【0138】
また、連結軸62aおよび連結軸62bの先端部には、係止棒64a,64bがそれぞれ設けられている(図8、図10および図11参照)。これらの係止棒64a,64bは、後述するように、連結機構70の回転部材71,72に連結軸62a,62bをそれぞれ係止するために設けられている。
【0139】
図10および図11に示すように、フロントケース800Aの背面側で、固定部材61a,61bには、長方形状の固定板65(図12(a)参照)が取り付けられる。固定板65の両端部近傍の上部には、2本の規制棒65aおよび2本の規制棒65bがそれぞれ設けられる。固定板65の規制棒65aの下方および規制棒65bの下方には貫通孔65c,65dがそれぞれ形成されている。連結軸62aおよび連結軸62bが貫通孔65cおよび貫通孔65dをそれぞれ挿通する。
【0140】
押下部60cの背面側には長方形状の連結板67(図12(b)参照)が取り付けられる。連結板67の両端部近傍には、バネ止め部67a,67bがそれぞれ形成されている。また、バネ止め部67a,67bには貫通孔67c,67dがそれぞれ形成されている。連結板67の中央部には、連結用凸部67e,67fが形成されている。なお、押下部60cと連結板67とは、別個の部品として形成されてもよく、一体形成されてもよい。
【0141】
フロントケース800Aの背面側で押下部60cの両側方には、棒状の支持部材66a,66bが固定されている。支持部材66a,66bは、貫通孔67c,67dにそれぞれ挿通されている。これにより、連結板67はフロントケース800Aの背面側において、X方向およびZ方向に固定されるとともに、Y方向に移動可能に指示される。
【0142】
図10および図11に示すように、フロントケース800Aの背面側で、連結板67の側方および下方を覆うように固定部材68(図13(d)参照)が取り付けられる。固定部材68は、長方形状のベース部68aを有する。ベース部68aの正面側の両端部には、かぎ状部68b,68cが形成される。また、ベース部68aの背面側の両端部より内側の位置には、かぎ状部68d,68eが形成され、ベース部68aの背面側の中央部には、背面側に突出するように載置部68fが形成されている。
【0143】
図10および図11に示すように、固定部材68は、かぎ状部68b,68cをフロントケース800Aにねじ止めすることにより固定される。かぎ状部68d,68eには、支持部材66a,66bの一端部がそれぞれねじ止めされる。かぎ状部68c,68dと連結板67のバネ止め部67a,67bとの間の支持部材66a,66bにそれぞれバネ部材SPが取り付けられる。
【0144】
固定部材68の載置部68fには、摺動補助体68g(図13(e))が固定される。摺動補助体68gには、補助溝68hが形成されている。また、補助溝68hの背面側の中央部には、係止部68iが形成されている。係止部68iの役割については後述する。
【0145】
図10および図11に示すように、連結板67の背面側には、移動板69(図13(f)参照)が取り付けられる。移動板69は、略長方形状のベース部69q、ならびにベース部69qから−Z方向に突出する連結部69r,69sを有する。図10および図11に示すように、連結部69r,69sには連結板67(図12(b))の連結用凸部67e,67fがねじ止めされる。ベース部69q(図13(f))の上部の近傍には、2つの貫通孔69aおよび2つの貫通孔69bがそれぞれ形成されている。また、貫通孔69a,69bの下方には、楕円形の貫通孔69c,69dがそれぞれ形成されている。移動板69の貫通孔69a,69bは、図10および図11に示すように、規制棒65a,65bが挿脱可能に設けられている。
【0146】
貫通孔69c,69dには、連結軸62a,62bに設けられている嵌合リング63a,63bがはめ込まれる。これにより、連結軸62a,62bは、移動板69に対して、X方向およびY方向において固定される。
【0147】
連結部69rの側部には、摺動ピン69tがYZ平面において回動可能に取り付けられている。摺動ピン69tの端部の突起が補助溝68hに嵌合されている。これにより、摺動ピン69tの端部を補助溝68hに添って摺動させることができる。
【0148】
なお、図10は図7の押下部60cが押下されていない状態を示し、図11は図7の押下部60cが一度押下された後の状態の図を示す。本実施の形態においては、図10の状態から使用者が押下部60cを押下すると、押下部60cの背面側に設けられた連結板67が押下部60cとともに背面側に移動する。また、連結板67に取り付けられた移動板69も同様に移動し、Y方向操作ノブ60aおよび上下方向操作ノブ60bに設けられた連結軸62a,62bが背面側に引き出される。
【0149】
ここで、移動板69が前後に移動するとき、移動板69に取り付けられた摺動ピン69tの端部の突起は、摺動補助体68gの補助溝68h内を摺動する。図10の状態から、使用者が押下部60cを一度押下すると、摺動ピン69tの端部は、点線A1で示す位置まで移動する。このとき、バネ部材SPは徐々に圧縮され、バネ部材SPには連結板67を正面側に押し返そうとする反力が発生する。摺動ピン69tの端部がA1まで移動すると、押下部60cをそれ以上背面側へ押し込むことができなくなるので、使用者は押下部60cから手を放す。それにより、バネ部材SPが与える反力により、連結板67および移動板69とともに補助ピン69tは正面側に押し返される。このとき、摺動ピン69tの端部の突起は補助溝68hにより補助溝68h内に設けられた係止部68iに誘導され、そこで係止される。これにより、連結板67および移動板69の位置が保持されるので、連結軸62a,62bが背面側に引き出された状態を維持することができる。
【0150】
次に、使用者が押下部60cをもう一度押下すると、摺動ピン69tの端部の突起は補助溝68hにより点線A2で示す位置に誘導される。摺動ピン69tの端部がA2まで移動すると、押下部60cをそれ以上背面側へ押し込むことができなくなるので、使用者は押下部60cから手を放す。このとき、バネ部材SPには連結板67を正面側に押し返そうとする力が働いているので、その力により摺動ピン69t、連結板67および移動板69は図10に示す位置に戻る。
【0151】
このように、使用者が押下部60cを一度押下することにより、連結軸62a,62bを背面側に導き出すことができ、さらにもう一度押下部60cを押下することにより、連結軸62a,62bを元の状態に戻すことができる。それにより、後述する連結機構70の回転部材71,72への連結軸62a,62bの挿脱が可能になる。
【0152】
(5−2) 連結機構
次に、連結機構70について図8、図9および図14を参照しながら説明する。連結機構70の正面側には、Y方向操作ノブ60aおよび上下方向操作ノブ60bに対向する位置に回転部材71,72が設けられる。回転部材71には、連結軸62aが挿脱可能な嵌合穴73が形成されている(図8参照)。嵌合穴73は、中央部に連結軸62aよりやや大きめの直径を有する断面円形の穴部73aを有し、その穴部73aの両側に係止棒64aが挿脱可能な断面略長方形の穴部73bを有する。
【0153】
なお、図9に示すように、回転部材71の穴部73aの上方および下方には、磁石M1,M2が埋設されている。また、連結軸62aの先端部にも磁石M3が埋設されている。これにより、連結軸62aの係止棒64aを穴部73b,73cに容易に導くことができる。それにより、回転部材71への連結軸62aの挿脱を容易かつ確実に行うことができる。なお、回転部材72にも同様に、連結軸62bが挿脱可能な嵌合穴74が形成されている。嵌合穴74は、穴部73a,73bと同様の穴部74a,74bを有する。
【0154】
また、上述したように、光学顕微鏡移動操作部60の固定板65には規制棒65a,65b(図10および図11参照)が設けられている。これらの規制棒65a,65bは、連結軸62a,62bが回転部材71,72に挿入されている状態(図11の状態)では連結軸62a,62bの回転を妨げないが、連結軸62a,62bが回転部材71,72に挿入されていない状態(図10の状態)では、連結軸62a,62bの回転を防止することができる。したがって、回転部材71,72から連結軸62a,62bが抜き出されたときの係止棒64a,64bの周方向の位置を容易に保持することができる。それにより、連結軸62aの係止棒64a,64bを穴部73b,74bにさらに容易に導くことができる。
【0155】
回転部材71の背面側には、シャフトSF1(図9および図14参照)が一体的に形成されている。回転部材71は、シャフトSF1が支持板75aの一端部および基板76を貫通するように基板76に取り付けられる。なお、回転部材71は、支持板75aおよび基板76に対して回転可能に取り付けられており、支持板75aは基板76に固定されている。シャフトSF1の一端部には、ギアG1が固定されている。したがって、回転部材71を回転させることにより、ギアG1を回転させることができる。
【0156】
支持板75aの他端部の近傍には、シャフトSF2の一端部が回転可能に支持されている。シャフトSF2の他端部は、支持板75bの一端部の近傍に回転可能に支持されている。支持板75aと支持板75bの間において、シャフトSF2には、3つのギアG2,G3,G4が固定されている。ギアG2とギアG1とは噛み合っており、ギアG1が回転することにより、その回転がギアG2を介してシャフトSF2に伝達される。それにより、シャフトSF2が回転し、ギアG3およびギアG4が回転する。
【0157】
支持板75bの他端部の近傍には、シャフトSF3が回転可能に支持されている。シャフトSF3には、ギアG5が固定されている。ギアG5とギアG4とは噛み合っており、ギアG4が回転することにより、その回転がギアG5を介してシャフトSF3に伝達される。このシャフトSF3の回転により、後述するように光学顕微鏡20がY方向に移動する。したがって、光学顕微鏡移動操作部60の連結軸62a(図8参照)を連結機構70の回転部材71に挿入した状態でY方向操作ノブ60aを回転させることにより、光学顕微鏡20をY方向に移動させることができる。
【0158】
回転部材72の背面側にはシャフトSF4(図14参照)が一体的に形成されている。回転部材72は、シャフトSF4が支持板75cの一端部近傍および基板76を貫通するように基板76に取り付けられる。なお、回転部材72は、支持板75cおよび基板76に対して回転可能に取り付けられており、支持板75cは基板76に固定されている。シャフトSF4の一端部には、ギアG6が固定されている。したがって、回転部材72を回転させることにより、ギアG6を回転させることができる。
【0159】
支持板75cの他端部の近傍には、シャフトSF5の一端部が回転可能に支持されるとともに、支持板75dの一端部の近傍が固定されている。シャフトSF5には、3つのギアG7,G8,G9が固定されている。ギアG7とギアG6とは噛み合っており、ギアG6が回転することにより、その回転がギアG7を介してシャフトSF5に伝達される。それにより、シャフトSF5が回転し、ギアG8およびギアG9が回転する。
【0160】
支持板75dの他端部の近傍には、シャフトSF6が回転可能かつY方向に移動可能に支持されている。シャフトSF3には、ギアG10が固定されている。ギアG10は、ギアG7,G8,G9のうち少なくとも一つと噛み合っており、ギアG7,G8,G9が回転することにより、その回転がギアG10を介してシャフトSF6に伝達される。このシャフトSF10の回転により、後述するように光学顕微鏡20が上下方向に移動する。したがって、光学顕微鏡移動操作部60の連結軸62b(図8参照)を連結機構70の回転部材72に挿入した状態で上下方向操作ノブ60bを回転させることにより、光学顕微鏡20を上下方向に移動させることができる。
【0161】
(5−3) 誘導台座の構成
次に、光学顕微鏡20の遊動台座27(図3参照)について図14〜図19を参照しながら説明する。
【0162】
図15は図2の光学顕微鏡20を略−X方向から見た斜視図であり、図16は光学顕微鏡20の側面図であり、図17は光学顕微鏡20の正面図であり、図18および図19は、遊動台座27の詳細を説明するための図である。
【0163】
図15〜図17に示すように、光学顕微鏡20の遊動台座27は、Y方向移動部材27aおよび上下移動補助部材27b,27cから構成される。Y方向移動部材27aおよび上下移動補助部材27b,27cの中央部には、電動ズーム鏡筒23が挿通される貫通孔(図18参照)が形成されている。遊動台座27上への光学顕微鏡20の装着は、電動ズーム鏡筒23を遊動台座27に形成された上記の貫通孔に挿通しつつ、光軸変換部22を固定部材221により上下移動補助部材27c上に固定することにより行なわれる。
【0164】
Y方向移動部材27aは、遊動台座支持台46によって摺動可能に支持されている。誘導台座27には、電動ズーム鏡筒23の直径よりも大きい直径を有する断面円形の貫通穴46a(図15参照)が形成されている。この貫通穴46aに電動ズーム鏡筒23が挿通される。遊動台座支持台46はL字状の傾斜固定部材45aおよび板状の傾斜固定部材45bにより支持されている。
【0165】
傾斜固定部材45aと傾斜固定部材45bとの間には2本の誘導軸45c,45dが設けられている。誘導軸45c,45dはY方向移動部材27aに挿通されている。この誘導軸45c,45dにより、Y方向移動部材27aの移動方向がY方向に制限されている。
【0166】
傾斜固定部材45aおよび傾斜固定部材45bは、Z方向に平行な軸に対してやや傾斜するように接続部材42cおよび接続部材42dに固定される。接続部材42cおよび接続部材42dは、上述したように図2の光学顕微鏡固定部材42の上面に固定される。これにより、光学顕微鏡20を光学顕微鏡固定部材42上へ傾斜した状態で設置することができる。
【0167】
以下、図面を参照しながら遊動台座27の構成についてさらに詳細に説明する。図18(a)に示すように、Y方向移動部材27aのY方向の一端側の側面には、ねじ穴N1が形成されている。このねじ穴N1には、シャフトSF3(図15参照)の一端部が螺合される。また、Y方向移動部材27aのY方向の他端側の上面には、Z方向に延びるように2本の補助軸271,272が形成されている。また、Y方向移動部材27aのX方向の両側部の上面には、Z方向に延びるようには補助軸273,274がそれぞれ形成されている。また、Y方向移動部材27aの他端側の上面には、シャフト支持部材275が固定されている。シャフト固定部材275は、シャフトSF6を回転可能かつY方向に移動可能に支持する。
【0168】
図18(b)に示すように、上下移動補助部材27bは、Y方向移動部材27a上に載置される。上下移動補助部材27bのY方向の一方側には、断面略三角形状で上面に傾斜面B2を有するくさび部B1が形成されている。くさび部B1には、2つの断面楕円形の貫通孔281,282が形成されている。貫通孔281,282には、Y方向移動部材27aの補助軸273,274がそれぞれ挿通される。なお、貫通孔281,282の楕円の短径は補助軸273,274の直径とほぼ等しい。これにより、上下移動補助部材27bはY方向には移動できるが、X方向への移動は防止される。上下移動補助部材27bのY方向の他端側の側面には、ねじ穴N2が形成されている。このねじ穴N2には、シャフトSF6の一端部が螺合される。
【0169】
図19(c)に示すように、上下移動補助部材27cは、上下移動補助部材27b上に載置される。上下移動補助部材27cのY方向の一方側の上面には、断面円形の貫通孔291,292が形成されている。貫通孔291,292には補助軸271,272が挿通される。上下移動補助部材27bのY方向の他方側には、断面略三角形状で下面に傾斜面C2を有するくさび部C1が形成されている。くさび部C1には、2つの断面円形の貫通孔293,294が形成されている。貫通孔293,294には補助軸273,274がそれぞれ挿通される。なお、貫通孔291〜294の直径は、補助軸271〜274の直径とほぼ等しい。それにより、上下移動補助部材27cは、Z方向には移動できるが、X方向およびY方向への移動は防止される。
【0170】
また、上下移動補助部材27bと上下移動補助部材27cとは、傾斜面B2と傾斜面C2とで接している。この場合、上下移動補助部材27bが−Y方向に移動することにより、上下移動補助部材27cは上方に移動する。また、上下移動補助部材27bが+Y方向に移動することにより、上下移動補助部材27cは下方に移動する。
【0171】
最後に、図19(d)に示すように、上下移動補助部材27cの上下移動を補助するためのリニアガイド295,296が取り付けられる。
【0172】
このような構成において、使用者が光学顕微鏡20をY方向に移動させる場合には、Y方向操作ノブ60a(図7参照)を回転させることによりシャフトSF3(図15参照)を回転させる。この場合、シャフトSF3は、Y方向移動部材27aの側面に螺合されているので、Y方向移動部材27aはシャフトSF3の回転に応じて、+Y方向または−Y方向に移動する。ここで、上下移動補助部材27b,27cはY方向移動部材27a上に載置されているので、Y方向移動部材27aの移動とともに、+Y方向または−Y方向に移動する。それにより、光学顕微鏡20が+Y方向または−Y方向に移動する。なお、光学顕微鏡20がY方向に移動する際には、シャフトSF6は上下移動補助部材27bとともにY方向に移動できるようになっている。
【0173】
また、使用者が光学顕微鏡20を上下に移動させようとする場合には、上下方向操作ノブ60bを(図7参照)を回転させることにより、シャフトSF6(図15参照)を回転させる。この場合、シャフトSF6は、上下移動補助部材27bの側面に螺合されているので、上下移動補助部材27bはシャフトSF6の回転に応じて、+Y方向または−Y方向に移動する。この上下移動補助部材27bの移動に伴い、上述したように、上下移動補助部材27cが上下に移動する。それにより、光学顕微鏡20が電動ズーム鏡筒23の軸心に沿う方向で上下に移動する。
【0174】
(5−4) 弾性部材
次に、図3の弾性部材54aについて説明する。なお、弾性部材54b,54c,54dの構成は以下に説明する弾性部材54aと同様である。
【0175】
図20(a)は弾性部材54aの斜視図であり、図20(b)は弾性部材54aの断面図である。
【0176】
図20に示すように、弾性部材54aは、連結部401,402および弾性体403を有する。連結部401は、支持脚53a(図3参照)上に取り付けられる。連結部402は、被支持部43a(図3参照)に取り付けられる。
【0177】
弾性体403は、コイル状のバネCSPをゲル材料GLで覆うように形成されている。ゲル材料GLとしては、例えば衝撃吸収材料および防振用材料の2液混合で成型されるポリウレタンゲルを用いることができる。なお、ゲル材料GLは低硬度のものが好ましい。
【0178】
(6) 効果
以上のように、本実施の形態に係る顕微鏡装置1においては、図6に示すように、Y方向移動機構380はあり溝ガイド方式を用いている。この場合、Y方向移動機構380の上板381と下板382との接触面は十分な面積を有するので、下板382に振動が発生しても、その振動圧は接触面において効率よく分散される。したがって、上板381と下板382との接触面において発生する弾性変形を防止することができる。それにより、上板381に弾性変形による振動が発生することを防止することができるので、図2に示す移動プレート30aおよびそれに載置される試料Mに弾性変形による振動が発生することを防止することができる。同様に、X方向移動機構390にもあり溝ガイド方式が用いられているので、試料Mに弾性変形による振動が発生することを確実に防止することができる。
【0179】
また、Z方向移動機構30bはXY方向移動機構30c上に設置されている。この場合、Z方向移動機構30bに大きな荷重がかかることがない。それにより、Z方向移動機構30bが振動の影響を受けることを防止することができる。
【0180】
これらの結果、試料Mの振動をより確実に防止することができる。
【0181】
また、図3に示すように原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20が設置された顕微鏡連結部材40は、弾性部材54a,54b,54c,54dによって支持されている。この場合、ベース筐体部50に発生した振動は、弾性部材54a,54b,54c,54dにおいて減衰されるので、試料の測定および観察時に、顕微鏡装置1および光学顕微鏡20に振動が発生することを防止することができる。それにより、試料の正確な測定および観察が可能となる。
【0182】
また、顕微鏡連結部材40は弾性部材54a,54b,54c,54dのみによって支持されている。つまり、原子間力顕微鏡10、光学顕微鏡20および顕微鏡連結部材40は、ベース筐体部50と接触していない。この場合、ベース筐体部50の振動が原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20に伝達することを確実に防止することができる。
【0183】
また、原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20とパーソナルコンピュータ900とは、ベース筐体部50に設けられたインターフェイスボード80を介して電気的に接続されている。この場合、パーソナルコンピュータ900およびそれに接続されるケーブルcaに振動が発生したとしても、インターフェイスボード80で振動が減衰される。また、インターフェイスボード80はベース筐体部50に取り付けられているので、インターフェイスボード80の振動は、弾性部材54a,54b,54c,54dによって減衰される。つまり、本実施の形態においては、インターフェイスボード80に接続される外部装置からの振動が、原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20に伝達されることを十分に防止することができる。
【0184】
また、ベース筐体部50には、ベース筐体部50の底面を除く領域を覆うように外装部800(フロントケース800Aおよびリアケース800B)が取り付けられている。この場合、外装部800は、原子間力顕微鏡10、光学顕微鏡20および顕微鏡連結部材40と接触していないので、騒音および風等の外乱による振動が外装部800に発生したとしても、その振動は弾性部材54a,54b,54c,54dにおいて減衰される。
【0185】
これらの結果、原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20に振動が発生することを確実に防止することができるので、試料の測定および観察を確実かつ正確に行うことができる。
【0186】
また、本実施の形態においては、光学顕微鏡20を操作するための光学顕微鏡移動操作部60がフロントケース800Aに設けられている。したがって、光学顕微鏡20を移動させる際にフロントケース800Aおよびリアケース800Bを取り外す必要がないので、試料の測定および観察を迅速に行うことができる。
【0187】
また、光学顕微鏡移動操作部60と連結機構70とは、挿脱可能に設けられている。この場合、光学顕微鏡20を移動させるときのみ光学顕微鏡移動操作部60と連結機構70とを接続することができるので、試料の測定および観察時にフロントケース800Aに発生した振動が原子間力顕微鏡10、光学顕微鏡20および顕微鏡連結部材40に伝達されることを確実に防止することができる。
【0188】
また、弾性部材54a,54b,54c,54dは、バネCSPおよびゲル材料GLが一体的に形成された弾性体93を有している。この場合、弾性部材54a,54b,54c,54dにおいてより確実に振動を減衰することができる。
【0189】
なお、上記実施の形態においては、試料載置台30の移動をX方向電動スイッチSW1、Y方向電動スイッチSW2およびZ方向電動スイッチSW3によって行っているが、図7〜図19で説明した遊動台座27、光学顕微鏡移動操作部60および連結機構70と同様の構成で行ってもよい。この場合、原子間力顕微鏡10、光学顕微鏡20および顕微鏡連結部材40に振動が発生することをより確実に防止することができる。また、光学顕微鏡20の可変絞り(図示せず)を同様の構成で操作してもよい。
【0190】
(7) 他の実施の形態
図21は本発明の他の実施の形態に係る顕微鏡装置1の顕微鏡連結部材40およびベース筐体部50を示した図である。図21の顕微鏡連結部材40の底面の任意の位置には、おもりWが取り付けられている。このおもりWの取り付け位置および重量は、顕微鏡装置1の各構成要素の重量、設置位置等を考慮して、各構成要素に発生する振動を確実に減衰できるように設定されている。このように、各構成要素に応じて、顕微鏡連結部材40におもりWを取り付けることにより、原子間力顕微鏡10、光学顕微鏡20および顕微鏡連結部材40に発生する振動を確実に減衰させることができる。特に、弾性部材54a,54b,54c,54dの固有振動数を考慮することにより、顕微鏡装置1の各構成要素の所望の周波数の振動を除去することが可能になる。なお、おもりWはベース筐体部50と接触していない。
【0191】
また、おもりWには、断面円形でX方向に貫通する貫通孔301が形成されている。この貫通孔301には、貫通孔301の直径より短い直径の制限軸302が挿通される。また、顕微鏡連結部材40が弾性部材54a,54b,54c,54dに取り付けられる際に、制限軸302の一端部は、補強板52bに形成された取り付け穴303に固定され、制限軸302の他端部は、取り付け穴303と対向する位置で補強板52dに形成された取り付け穴(図示せず)に固定される。このとき、貫通孔301内で制限軸302はおもりWには接触していない。
【0192】
このような構成により、本実施の形態においては、制限軸302により、顕微鏡連結部材40の移動が制限される。したがって、顕微鏡装置1を持ち運ぶ際に、顕微鏡連結部材40が大きく振動することを防止することができる。それにより、原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20の故障を確実に防止できるとともに、顕微鏡装置1を容易に持ち運ぶことができる。
【0193】
なお、おもりWが設けられない場合には、貫通孔301は顕微鏡連結部材40に形成してもよい。また、顕微鏡連結部材40に凹部を形成し、その凹部に対応する凸部をベース筐体部50に形成することにより顕微鏡連結部材40の移動を制限してもよい。なお、ベース筐体部50の凸部は、顕微鏡連結部材40の凹部に接触しないように形成する。
【0194】
また、おもりWの個数および形状は、図21で示した形状に限定されず、各構成要素の所望の周波数の振動を除去できるように、個数および形状を適宜決定することが好ましい。
【0195】
図22に、おもりWの取り付け位置の他の例を示す。例えば、光学顕微鏡20(図3)の重量が原子間力顕微鏡10(図3)よりも小さい場合には、図22に示すように、顕微鏡連結部材40の光学顕微鏡固定部材42の下面におもりWを取り付けてもよい。この場合、弾性部材54a,54b,54c,54d(図21)にかかる荷重を均一にすることができるので、顕微鏡装置1(図1)の振動を確実に除去することができる。
【0196】
また、図22においては、おもりWおよび顕微鏡連結部材40をX方向に貫通する貫通孔311が形成されている。また、おもりWをY方向に貫通する貫通孔312が形成されている。これら貫通孔311,312にそれぞれ制限軸(図示せず)を挿通し、各制限軸の両端部を図21と同様に補強板52a,52b,52c,52dに固定する。
【0197】
この場合、制限軸により、顕微鏡連結部材40のX方向、Y方向およびZ方向の移動が確実に制限される。したがって、顕微鏡装置1(図1)を持ち運ぶ際に、顕微鏡連結部材40が大きく振動することを確実に防止することができる。それにより、原子間力顕微鏡10(図3)および光学顕微鏡20(図3)の故障をより確実に防止できるとともに、顕微鏡装置1をさらに容易に持ち運ぶことができる。
【0198】
また、上記実施の形態においては、図8、図10および図11に示したように、回転部材71,72の嵌合穴73,74に連結軸62a,62bの先端部をそれぞれ嵌合することにより、連結軸62a,62bと回転部材71,72とをそれぞれ連結しているが、連結軸62a,62bおよび回転部材71,72の形状は上記の例に限定されない。
【0199】
図23〜図25は、連結軸62a,62bおよび回転部材71,72の他の例を示す図である。図23〜図25に示すように、本例においては、連結軸62a,62bの先端部には、略長方形状の回転板601a,601bがそれぞれ設けられている。回転板601a,601bの両端部には、略扇型の係合部602a,602bがそれぞれ設けられている。また、回転部材71,72にも、連結軸62a,62bと同様に、回転板701a,701bおよび係合部702a,702bが設けられている。なお、シャフトSF1,SF4(図14)は、回転板701a,701bの背面側にそれぞれ一体的に形成されている。
【0200】
このような構成において、使用者が、押下部60c(図3)を押下することにより、回転板601a,601bと回転板701a,701bとがそれぞれ近接する。その状態で、使用者がY方向操作ノブ60aおよび上下方向操作ノブ60bを回動させることにより、回転板601a,601bがそれぞれ回動する。それにより、係合部602a,602bと係合部702a,702bとが係合し、回転板601a,601bの回動に連動して回転板701a,701bがそれぞれ回動する。その結果、シャフトSF1,SF4(図14)が回動し、光学顕微鏡20を移動させることができる。
【0201】
なお、回転板601a,601bにおいて、連結軸62a,62bを中心として互いに対称な位置には、それぞれ2つの磁石M4が埋設されている。また、図23に示すように、回転板701a,701bにおいて、シャフトSF1,SF4(図14)を中心として互いに対称な位置には、それぞれ2つの磁石M5が埋設されている。また、磁石M4と磁石M5とは、同じ極が向かい合うように設けられている。例えば、N極が背面側になるように磁石M4が設けられた場合には、磁石M5はN極が正面側になるように設けられる。
【0202】
この場合、回転板601a,601bと回転板701a,701bとがそれぞれ近接した際には、磁石M4および磁石M5により、回転板601a,601bと回転板701a,701bとが互いに直交する位置にそれぞれ誘導される。それにより、使用者が、図3の押下部60cを押下して連結軸62a,62bと回転部材71,72とを連結しようとするときに、係合部602a,602bと係合部702a,702bとが接触することを防止することができる。その結果、光学顕微鏡移動操作部60と連結機構70との連結を容易かつ確実に行うことができる。
【0203】
(8) 請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
上記実施の形態においては、ベース筐体部50および顕微鏡連結部材40が設置部材に相当し、原子間力顕微鏡10が走査型プローブ顕微鏡に相当し、移動プレート30aが載置台に相当し、XY方向移動機構30cが第1の移動機構に相当し、Z方向移動機構30bが第2の移動機構に相当し、下板381が第1の移動部材に相当し、上板380が第2の移動部材に相当し、あり溝381aが溝部に相当し、突出部382aが突出部に相当し、ベース筐体部50が第1の設置部材に相当し、顕微鏡連結部材40が第2の設置部材に相当し、外装部800がカバー部材に相当し、遊動台座27および連結機構70が第3の移動機構に相当し、光学顕微鏡移動操作部60が操作部に相当し、連結軸62aおよび連結軸62bが嵌合部に相当し、回転部材71および回転部材72が被嵌合部に相当し、磁石M3および磁石M4が第1の磁石に相当し、磁石M1、磁石M2および磁石M5が第2の磁石に相当し、制限軸302が制限部材に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本発明は、各種材料の表面形状の測定等に有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0205】
【図1】本実施の形態に係る顕微鏡装置の外観を示す図である。
【図2】装置部を示す斜視図である。
【図3】図1の顕微鏡装置の組立て斜視図である。
【図4】顕微鏡装置の制御系を説明するためのブロック図である。
【図5】図2の原子間力顕微鏡のコンタクトモードを用いる場合の制御系を示すブロック図である。
【図6】XY方向移動機構を示す図である。
【図7】光学顕微鏡移動操作部の正面側の拡大斜視図である。
【図8】光学顕微鏡移動操作部と連結機構との関係を示す図である。
【図9】光学顕微鏡移動操作部と連結機構との関係を示す図である。
【図10】光学顕微鏡移動操作部の背面側の拡大斜視図である。
【図11】光学顕微鏡移動操作部の背面側の拡大斜視図である。
【図12】光学顕微鏡移動操作部の構成部品の一部を示した図である。
【図13】光学顕微鏡移動操作部の構成部品の一部を示した図である。
【図14】連結機構の上面図である。
【図15】図2の光学顕微鏡を略−X方向から見た斜視図である。
【図16】光学顕微鏡の側面図である。
【図17】光学顕微鏡の正面図である。
【図18】遊動台座の詳細を説明するための図である。
【図19】遊動台座の詳細を説明するための図である。
【図20】(a)は弾性部材の斜視図であり、(b)は弾性部材の断面図である。
【図21】本発明の他の実施の形態に係る顕微鏡装置の顕微鏡連結部材およびベース筐体部を示した図である。
【図22】おもりの取り付け位置の他の例を示す図である。
【図23】連結軸および回転部材の他の例を示す図である。
【図24】連結軸および回転部材の他の例を示す図である。
【図25】連結軸および回転部材の他の例を示す図である。
【図26】従来の顕微鏡装置を示す模式図である。
【図27】一般的なクロスローラ方式のXYステージの斜視図である。
【図28】図27のXYステージの正面図である。
【符号の説明】
【0206】
1 顕微鏡装置
10 原子間力顕微鏡
11 AFMスキャナ
20 光学顕微鏡
23 電動ズーム鏡筒
27 遊動台座
27a Y方向移動部材
27b,27c 上下移動補助部材
30 試料載置台
30a 移動プレート
30b Z方向移動機構
30c XY方向移動機構30c
40 顕微鏡連結部材
50 ベース筐体部
52a,52b,52c,52d 補強板
53a,53b,53c,53d 支持脚
54a,54b,54c,54d 弾性部材
60 光学顕微鏡移動操作部
60a Y方向操作ノブ
60b 上下方向操作ノブ
60c 押下部
62a,62b 連結軸
70 連結機構
71,72 回転部材
73,74 嵌合穴
75a,75b,75c,75d 支持板
80,90 インターフェイスボード
100 カンチレバー
101 探針
380 Y方向移動機構
381 上板
382 下板
381a あり溝
382a 突出部
403 弾性体
700 装置部
800 外装部
801 窓部
802 嵌合部材
800A フロントケース
800B リアケース
900 パーソナルコンピュータ
ca ケーブル
CSP バネ
GL ゲル材料
M 試料
M1,M2,M3,M4,M5 磁石
N1,N2 ねじ穴
SF1,SF2,SF3,SF4,SF5,SF6 シャフト
SP バネ部材
W おもり

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置部材と、
前記設置部材上に設置される走査型プローブ顕微鏡とを備え、
前記走査型プローブ顕微鏡は、試料が載置される載置台と、
前記載置台を水平方向に移動させる第1の移動機構と、
前記第1の移動機構上に設けられ、前記載置台を垂直方向に移動させる第2の移動機構とを有し、
前記第1の移動機構は、第1の移動部材および前記第1の移動部材上に設けられる第2の移動部材を有し、
前記第1および第2の移動部材のうちいずれか一方の移動部材は溝部を有し、
前記第1および第2の移動部材のうち他方の移動部材は、前記一方の移動部材に対して相対的に水平方向に摺動可能に前記溝部に嵌合される突出部を有し、
前記第1の移動部材の上面と前記第2の移動部材の下面とが接触しかつ前記溝部の側面が前記突出部の側面に接触していることを特徴とする顕微鏡装置。
【請求項2】
前記溝部はあり溝であることを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
【請求項3】
前記設置部材は、第1の設置部材および第2の設置部材を有し、
前記走査型プローブ顕微鏡は前記第2の設置部材上に設置され、
前記第2の設置部材は前記第1の設置部材上に弾性部材を介して支持されることを特徴とする請求項1または2記載の顕微鏡装置。
【請求項4】
前記第1の設置部材に設けられ、前記走査型プローブ顕微鏡および前記第2の設置部材に接触しないように前記走査型プローブ顕微鏡および前記第2の設置部材を覆うカバー部材をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の顕微鏡装置。
【請求項5】
前記第2の設置部材上に設置される光学顕微鏡をさらに備えることを特徴とする請求項4記載の顕微鏡装置。
【請求項6】
前記光学顕微鏡は、当該光学顕微鏡を移動させるための第3の移動機構を有し、
前記カバー部材は、前記第3の移動機構を操作するための操作部を有し、
前記操作部は、前記第3の移動機構と連結および切断可能であることを特徴とする請求項5記載の顕微鏡装置。
【請求項7】
前記操作部は、嵌合部を有し、
前記第3の移動機構は、前記嵌合部に嵌合される被嵌合部を有し、
前記嵌合部は第1の磁石を有し、
前記被嵌合部は第2の磁石を有し、
前記嵌合部が前記被嵌合部に誘導されるように前記第1および第2の磁石が設けられることを特徴とする請求項6記載の顕微鏡装置。
【請求項8】
前記第1の設置部材は、前記第2の設置部材の揺動を制限する制限部材を備えることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の顕微鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2007−170967(P2007−170967A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368556(P2005−368556)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】