説明

類似度算出装置、推薦POI決定装置、POI推薦システム、類似度算出方法およびプログラム

【課題】空間の機能を予め定義することなく、かつ、ユーザの行動傾向を反映させることができるPOIの推薦に係る技術を提供する。
【解決手段】サーバ10は、POI情報を含む複数のユーザの行動履歴情報を記憶する行動履歴情報記憶部100と、行動履歴情報記憶部100に記憶された行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度であるユーザ類似度およびPOI同士の類似度であるPOI類似度を算出する類似度算出部140と、類似度算出部140によって算出されたPOI類似度をPOI類似度情報として記憶する類似度情報記憶部130とを備え、類似度算出部140は、生成したユーザ類似度に基づいてPOI類似度を算出し、生成したPOI類似度に基づいてユーザ類似度を算出し、またこれを繰り返し計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、類似度算出装置、推薦POI決定装置、POI推薦システム、類似度算出方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、あるエリア内のユーザが地図情報提供サーバに地図情報を要求した際に、当該エリア内に位置情報を登録している他ユーザが検索した関心位置(POI:Point of Interest)に関する情報を参照する技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、空間の機能をユーザタイプと関連付けて記述してデータベース化し、ユーザの曖昧な要求に合った空間を検索して提示する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−328469号公報
【特許文献2】特開2005−202788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る技術の場合、参照されるPOIにユーザの行動傾向が反映されないという問題がある。特許文献2に係る技術の場合、検索結果にユーザタイプが反映されるが、空間の機能を予め定義する必要があるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、空間の機能を予め定義することなく、かつ、ユーザの行動傾向を反映させることができるPOIの推薦に係る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様である類似度算出装置は、POI情報を含む複数のユーザの行動履歴情報を記憶する行動履歴情報記憶部と、行動履歴情報記憶部に記憶された行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度であるユーザ類似度およびPOI同士の類似度であるPOI類似度を算出する類似度算出部と、類似度算出部によって算出されたPOI類似度をPOI類似度情報として記憶する類似度情報記憶部とを備え、類似度算出部は、生成したユーザ類似度に基づいてPOI類似度を算出し、生成したPOI類似度に基づいてユーザ類似度を算出し、またこれを繰り返し計算することを特徴とする。
【0007】
上記類似度算出装置において、類似度算出部は、所定のカテゴリ別に複数のユーザ類似度およびPOI類似度を算出してもよい。
【0008】
上記問題を解決するために、本発明の他の態様である推薦POI決定装置は、ユーザに推薦するPOIである推薦POIを決定する推薦POI決定装置であって、POI情報を含む複数のユーザの行動履歴情報を記憶する行動履歴情報記憶部と、行動履歴情報記憶部に記憶された行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度であるユーザ類似度およびPOI同士の類似度であるPOI類似度を算出する類似度算出部と、類似度算出部によって算出されたPOI類似度をPOI類似度情報として記憶する類似度情報記憶部と、一のユーザから送信される情報であって推薦POIの決定の基礎となる基礎情報を取得した場合に、行動履歴情報記憶部および類似度情報記憶部を参照し、当該基礎情報によって特定されるPOIである特定POIおよび当該ユーザの行動履歴情報内のPOIである履歴POIと、推薦POIの候補である候補POIとの間の類似度を算出し、算出した類似度の高さが上位N(Nは1以上)番目迄の候補POIを当該ユーザに推薦する推薦POIとして決定する推薦POI決定部とを備え、類似度算出部は、生成したユーザ類似度に基づいてPOI類似度を算出し、生成したPOI類似度に基づいてユーザ類似度を算出し、またこれを繰り返し計算することを特徴とする。
【0009】
上記推薦POI決定装置において、類似度算出部は、所定のカテゴリ別に複数のユーザ類似度およびPOI類似度を算出し、類似度情報記憶部は、複数のPOI類似度情報を記憶し、推薦POI決定部は、一のユーザに係る基礎情報を取得した場合に、類似度情報記憶部に記憶されている複数のPOI類似度情報のうち当該基礎情報に応じたカテゴリのPOI類似度情報を参照し、当該ユーザに推薦する推薦POIを決定してもよい。
【0010】
上記推薦POI決定装置において、推薦POI決定部は、一のユーザのユーザ端末から基礎情報を取得した場合に、当該基礎情報によって特定される特定エリア内のPOIであって当該ユーザの履歴POI以外のPOIを候補POIとして選出し、推薦POIを決定してもよい。
【0011】
上記問題を解決するために、本発明の他の態様であるPOI推薦システムは、ユーザ端末とサーバとから構成されるPOI推薦システムであって、サーバは、POI情報を含む複数のユーザの行動履歴情報を記憶する行動履歴情報記憶部と、行動履歴情報記憶部に記憶された行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度であるユーザ類似度およびPOI同士の類似度であるPOI類似度を算出する類似度算出部と、類似度算出部によって算出されたPOI類似度をPOI類似度情報として記憶する類似度情報記憶部とを備え、ユーザ端末は、推薦するPOIである推薦POIの決定の基礎となる基礎情報を収集する基礎情報収集部と、基礎情報収集部によって収集された基礎情報を取得した場合に、サーバの行動履歴情報記憶部および類似度情報記憶部を参照し、当該基礎情報によって特定されるPOIである特定POIおよび当該ユーザの行動履歴情報内のPOIである履歴POIと、推薦POIの候補である候補POIとの間の類似度を算出し、算出した類似度の高さが上位N(Nは1以上)番目迄の候補POIを推薦POIとして決定する推薦POI決定部とを備え、サーバの類似度算出部は、生成したユーザ類似度に基づいてPOI類似度を算出し、生成したPOI類似度に基づいてユーザ類似度を算出することを特徴とする。
【0012】
上記問題を解決するために、本発明の他の態様である類似度算出方法は、POI情報を含む複数のユーザの行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度であるユーザ類似度を算出するユーザ類似度算出手段と、行動履歴情報に基づいて、POI同士の類似度であるPOI類似度を算出するPOI類似度算出手段とを有し、POI類似度算出手段は、ユーザ類似度算出手段によって算出されたユーザ類似度に基づいてPOI類似度を算出し、ユーザ類似度算出手段は、POI類似度算出手段によって算出されたPOI類似度に基づいてユーザ類似度を算出することを特徴とする。
【0013】
上記問題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、POI同士の類似度であるPOI類似度を算出する類似度算出装置のコンピュータに、POI情報を含む複数のユーザの行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度であるユーザ類似度を算出するユーザ類似度算出ステップと、行動履歴情報に基づいて、POI類似度を算出するPOI類似度算出手段とを実行させるプログラムであって、POI類似度算出ステップは、ユーザ類似度算出ステップによって算出されたユーザ類似度に基づいてPOI類似度を算出し、ユーザ類似度算出ステップは、POI類似度算出ステップによって算出されたPOI類似度に基づいてユーザ類似度を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、空間の機能を予め定義しなくても、ユーザの行動履歴をもとに、ユーザの行動傾向を反映したPOIを推薦することができるようになる。特に、本発明によれば、あるエリア内にあるユーザの行動履歴が少ないか何もない場合であっても、行動傾向が類似する他ユーザの行動履歴をもとに、当該ユーザに当該エリア内のPOIおよびPOIに関するコンテンツを推薦することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態によるPOI推薦システム1の機能ブロック図である。
【図2】行動履歴情報記憶部100に記憶される情報の一例である。
【図3】類似度算出部140の動作を説明するための説明図である。
【図4】類似度算出部140の動作を説明するための説明図である。
【図5】類似度算出部140の動作を説明するための説明図である。
【図6】類似度算出部140の動作を説明するための説明図である。
【図7】類似度算出部140の動作を説明するための説明図である。
【図8】類似度情報記憶部130に記憶される情報の一例である。
【図9】推薦POI決定部150が取得する基礎情報の一例である。
【図10】推薦POI決定部150の動作を説明するための説明図である。
【図11】POI推薦システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】POI推薦システム1の他の機能ブロック図である。
【図13】カテゴリ条件記憶部110に記憶される情報の一例、および、類似度情報記憶部130に記憶される情報の一例である。
【図14】カテゴリ条件記憶部110に記憶される情報の一例、および、類似度情報記憶部130に記憶される情報の一例である。
【図15】本発明の第2の実施形態によるPOI推薦システム2の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。本発明の第1の実施形態によるPOI推薦システム1は、図1に示すように、サーバ10(推薦POI決定装置に相当する)および移動端末20(ユーザ端末に相当する)から構成される。移動端末20(後述する移動端末21も同様)は、一例は、携帯電話などの移動局端末であるが、他の機器(例えば、携帯して使用可能なパーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステム本体、カメラ、携帯して使用可能な音楽プレーヤ、携帯して使用可能なゲーム機)などであってもよい。また、説明の便宜上、移動端末20は、図面において1つ記載したが、複数存在する。なお、サーバ10(後述するサーバ11も同様)は、例えば、移動体通信網内、または、インターネット上に設置される。
【0017】
サーバ10は、行動履歴情報記憶部100、類似度情報記憶部130、類似度算出部140および推薦POI決定部150を備え、ユーザに推薦するPOI(以下、「推薦POI」という)を決定する。移動端末20は、情報収集部200(基礎情報収集部に相当する)および表示部210を備え、サーバ10から推薦POIを取得する。
【0018】
サーバ10の行動履歴情報記憶部100は、通信部(非図示)を介して移動端末20(情報収集部200)から取得した複数のユーザの行動履歴情報を記憶する。行動履歴情報記憶部100に記憶される行動履歴情報は滞在(訪問)したPOIを示すPOI情報を保持する。具体的には、例えば、行動履歴情報は、図2(a)に示すように、ユーザ情報とPOI情報と時間情報とから構成される。図2(a)に示す行動履歴情報は、ユーザAが11−12時台(POIの着日時は2009年6月1日11時40分、POIの発日時は2009年6月1日12時55分)に、POI(エリアに存在)に滞在した旨など保持している。
【0019】
なお、行動履歴情報内のPOI情報は、図2(b)に示すように、POI間のリンクを保持していてもよい。例えば、図2(b)に示す行動履歴情報は、ユーザAが11−14時台(POIの着日時は2009年6月1日11時40分、POIの発日時は2009年6月1日12時55分、POIの着日時は2009年6月1日13時31分、POIの発日時は2009年6月1日14時10分)に、POI(エリアに存在)およびPOI(エリアに存在)に滞在した旨などを保持している。
【0020】
サーバ10の類似度算出部140は、類似度を算出すべき命令(以下、「類似度算出命令」という)を取得する。例えば、類似度算出部140は、処理時刻管理部(非図示)から類似度算出命令を取得する。また、例えば、類似度算出部140は、通信部(非図示)を介してサーバ10を管理する管理者端末(非図示)から類似度算出命令を取得する。なお、処理時刻管理部(非図示)は、例えば、所定の時刻(例えば、後述する推薦POI決定要求の数が比較的少ないとされる時刻)に、類似度算出命令を類似度算出部140に通知する。
【0021】
類似度算出部140は、類似度算出命令を取得した場合、行動履歴情報記憶部100に記憶された行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度(以下、「ユーザ類似度」という)およびPOI同士の類似度(以下、「POI類似度」という)を算出する。ユーザ類似度およびPOI類似度を算出した類似度算出部140は、POI類似度を示す情報(以下、「POI類似度情報」という)を類似度情報記憶部130に記憶する。また、ユーザ類似度およびPOI類似度を算出した類似度算出部140は、POI類似度情報に加えて、ユーザ類似度を示す情報(以下、「ユーザ類似度情報」という)を類似度情報記憶部130に記憶してもよい。なお、類似度は0から1の値であって、同一POI同士および同一ユーザ同士の類似度は1である。
【0022】
以下、図3から図7を参照し、類似度算出部140によるユーザ類似度およびPOI類似度の算出方法について説明する。類似度算出部140は、自身が生成したユーザ類似度に基づいてPOI類似度を算出し、自身が生成したPOI類似度に基づいてユーザ類似度を算出し、またこれを繰り返し計算する。類似度算出部140による、ユーザ類似度およびPOI類似度の算出ポリシは以下の通りである。
(1)高い類似度のPOIを共参照しているユーザ同士の類似度は高い。
但し、同一のユーザは類似度が最大(値「1」)である。
(2)高い類似度のユーザから共参照されているPOI同士の類似度は高い。
但し、同一のPOIは類似度が最大(値「1」)である。
(3)上記(1)(2)を繰り返して(類似度を伝搬させて)、ユーザ類似度およびPOI類似度を算出する。
即ち、類似度算出部140は、ユーザの行動履歴に含まれる、各ユーザによる各POIへの参照(各ユーザによる各POIへの滞在)をリンクと見立ててリンク解析を実施し、ユーザ類似度およびPOI類似度を算出する。
【0023】
図3(a)は、行動履歴情報記憶部100に記憶されている複数のユーザの行動履歴に基づいて、各ユーザによる各POIへの参照をリンクと見立てた模式図である。図3(a)において、L1はユーザ「U」によるPOI「A」へのリンク、L2はユーザ「U」によるPOI「B」へのリンク、L3はユーザ「V」によるPOI「B」へのリンク、L4はユーザ「V」によるPOI「C」へのリンクである。なお、ユーザ「U」「V」はPOI「B」を共参照している(POI「B」は、ユーザ「U」「V」によって共参照されている)。
【0024】
類似度算出部140は、図3(a)の場合、SimRank(下記、参考文献参照)を用いて、下記式(1)に従ってユーザ「U」とユーザ「V」との類似度sim(U,V)を算出し、下記式(2)に従ってPOI「A」とPOI「B」との類似度sim(A,B)を算出する。
(参考文献)
「SimRank:a measure of structural-context similarity」G.Jeh、J.Widom、Proceedings of the eighth ACM SIGKDD international conference on Knowledge discovery and data mining、ACM Press,pp.538-543(2002)
【0025】
【数1】

【0026】
具体的には、類似度算出部140は、上記式(1)に従って、図3(b)、下記式(3)の如く、ユーザ類似度を算出(1回目の類似度の算出)する。但し、Cは0.8であるものとする。
【0027】
【数2】

【0028】
続いて、類似度算出部140は、上記式(2)に従って、図3(c)、下記式(4)の如く、POI類似度を算出(2回目の類似度の算出)する。但し、Cは0.8であるものとする。
【0029】
【数3】

【0030】
つまり、類似度算出部140は、算出済みのユーザ類似度を用いてPOI類似度を算出する(2回目の類似度の算出)。更に、類似度算出部140は、算出済みのPOI類似度を用いてユーザ類似度を算出し(3回目の類似度の算出)、以下、収束(減衰)する迄、繰り返し実行する(類似度を伝搬させて実行する)。例えば、図4(a)の場合、類似度算出部140は、図4(b)に示すように、ユーザ類似度およびPOI類似度を算出する。図4(b)によれば、sim(U,V)の値「0.20」は、sim(D,E)の算出過程に反映(伝搬)している。
【0031】
また、類似度算出部140は、同一ユーザが同一POIに複数回滞在した場合には、複数のリンクがあるものとして類似度を算出する。換言すれば、類似度算出部140は、各リンクに滞在回数分の重み(逓倍)を付けて類似度を算出する。具体的には、例えば、ユーザ「U」が、POI「D」に4回、POI「E」に3回、滞在した例である図5(a)の場合、類似度算出部140は、図5(b)に示すように、ユーザ類似度およびPOI類似度を算出する。
【0032】
また、類似度算出部140は、行動履歴情報記憶部100が、図2(b)の様に、POI間のリンクを保持する場合、POI間のリンクを考慮して、POI間の関連性をより強く反映した類似度を算出してもよい。例えば、類似度算出部140は、図6の場合、下記式(5)に従ってユーザ「U」とユーザ「V」との類似度sim(U,V)を算出し(他のユーザ間も同様)、下記式(6)に従ってPOI「A」とPOI「B」との類似度sim(A,B)を算出する(他のPOI間も同様)。なお、図6において、L7はPOI「A」「B」間のリンク、L8はPOI「B」「E」間のリンク、L9はPOI「C」「D」間のリンク、L10はPOI「D」「E」間のリンクである。
【0033】
【数4】

【0034】
例えば、類似度算出部140は、図7(a)の場合、図7(b)に示すように、ユーザ類似度およびPOI類似度を算出する。
【0035】
サーバ10の類似度情報記憶部130は、類似度算出部140によって算出されたPOI類似度を示すPOI類似度情報を記憶する。図8(a)は、POI類似度情報の一例である。図8(a)に示すPOI類似度情報によれば、POIとPOIとの類似度は0.2である。また、類似度情報記憶部130は、上述の如くPOI類似度情報に加えて、類似度算出部140によって算出されたユーザ類似度を示すユーザ類似度情報を記憶してもよい。図8(b)は、ユーザ類似度情報の一例である。図8(b)に示すユーザ類似度情報によれば、ユーザとユーザとの類似度は0.5である。
【0036】
サーバ10の推薦POI決定部150は、通信部(非図示)を介して移動端末20から、推薦POIを決定すべき要求(以下、「推薦POI決定要求」という)を取得する。推薦POI決定要求は、推薦POIの決定の基礎となる情報(以下、「基礎情報」という)を含む。基礎情報は、図9(a)に示すように、ユーザ情報とPOI情報とから構成される。なお、基礎情報内のPOI情報によって特定されるPOI(以下、「特定POI」という)は、例えば、ユーザが現在滞在中のPOI若しくはユーザが指定したPOIである。即ち、図9(a)に示す基礎情報は、現在、ユーザAがPOIに滞在している旨、若しくは、ユーザAがPOIを指定した旨を示す基礎情報である。
【0037】
なお、基礎情報は、図9(b)に示すように、時間情報とユーザ情報とPOI情報とから構成されるものであってもよい。基礎情報内の時間情報は、特定POIが現在滞在中のPOIであるときは現在時刻、特定POIがユーザ指定のPOIであるときはユーザ指定の時刻である。即ち、図9(b)に示す基礎情報は、現在(2009年7月1日13時00分)、ユーザAがPOIに滞在している旨、若しくは、ユーザAがPOIおよび2009年7月1日13時00分を指定した旨を示す基礎情報である。
【0038】
推薦POI決定部150は、一のユーザ(移動端末20)から基礎情報を取得した場合、行動履歴情報記憶部100および類似度情報記憶部130を参照し、当該基礎情報(当該基礎情報内のPOI情報)によって特定される特定POIおよび当該ユーザの行動履歴情報内のPOI(以下、「履歴POI」という)と、推薦POIの候補となるPOI(以下、「候補POI」という)との間の類似度を算出し、算出した類似度の高さが上位N(Nは1以上)番目迄の候補POIを当該ユーザに推薦する推薦POIとして決定する。例えば、推薦POI決定部150は、類似度が最高の候補POIのみを当該ユーザに推薦する推薦POIとして決定してもよい。また、例えば、推薦POI決定部150は、類似度が高い上位複数個(2以上)の候補POIを当該ユーザに推薦する推薦POIとして決定してもよい。なお、推薦POIとして決定する候補POIの個数(N)は、移動端末20毎に、または、全移動端末20共通に、サーバ10内に記憶されている。移動端末20毎に上記個数(N)を記憶する場合、各移動端末20からの要求に応じて、当該移動端末20に係る上記個数(N)を更新するようにしてもよい。
【0039】
推薦POIを決定した推薦POI決定部150は、通信部(非図示)を介して、推薦POIを含む応答情報を当該ユーザ(移動端末20)に送信する。なお、推薦POI決定部150は、当該基礎情報によって特定される特定エリア内のPOI、即ち、特定POIの存在するエリア内のPOI(特定POIを除く)であって、当該ユーザの履歴POI以外のPOIを候補POIとして選出する。換言すれば、推薦POI決定部150は、ユーザが現在滞在しているPOI(若しくはユーザが指定したPOI)と同一エリア内の他のPOIのうち過去に訪れていないPOIを候補POIとして選出する。
【0040】
例えば、図10(a)に示すようなユーザWについての行動履歴情報が行動履歴情報記憶部100内に記憶されている場合、推薦POI決定部150は、図10(b)に示すように、候補POI「b」に係る各類似度を算出する。具体的には、推薦POI決定部150は、候補POI「b」と特定POI「a」の類似度「0.5」、候補POI「b」と履歴POI「c」の類似度「1.0」、候補POI「b」と履歴POI「d」の類似度「0.3」を算出し、更に、当該3つの類似度の平均値「0.6」を算出する。同様に、推薦POI決定部150は、図10(c)に示すように、候補POI「c」に係る各類似度を算出する。そして、推薦POI決定部150は、候補POI「b」の平均の類似度「0.6」と、候補POI「c」の平均の類似度「0.3」とを比較し、類似度が大きい方の候補POI「b」を推薦POIとして決定する。
【0041】
なお、図10(b)の例において、推薦POI決定部150は、特定POIの存在するエリアE内から履歴POI「c」「d」を選出したが、特定POIの存在しないエリアE内からも履歴POI「g」「h」を選出してもよい。即ち、推薦POI決定部150は、図10(d)に示すように、候補POI「b」と特定POI「a」の類似度「0.5」、候補POI「b」と履歴POI「c」の類似度「1.0」、候補POI「b」と履歴POI「d」の類似度「0.3」、候補POI「b」と履歴POI「g」の類似度「0.1」、候補POI「b」と履歴POI「h」の類似度「0.1」を算出し、更に、当該5つの類似度の平均値「0.4」を算出してもよい。同様に、推薦POI決定部150は、図10(e)に示すように、候補POI「c」に係る各類似度を算出してもよい。なお、当該場合も、推薦POI決定部150は、候補POI「b」の平均の類似度「0.4」と、候補POI「c」の平均の類似度「0.2」とを比較し、類似度が大きい方の候補POI「b」を推薦POIとして決定する。
【0042】
図10(a)〜図10(e)に示す例によれば、推薦POI決定部150は、ユーザWが現在滞在しているPOI「a」と同一のエリアE内の他のPOI{POI「b」、POI「c」、POI「d」、POI「e」}のなかの過去に訪れていないPOI{POI「b」、POI「e」}のうち、類似度が最大であるPOI「b」を推薦POIとして決定する。即ち、POI「a」に滞在中のユーザWに対して、POI「a」の次に行くべきPOIとしてPOI「b」を推薦する。また、図10(f)に示すように、位置A(例えば自宅)に滞在中のユーザWが指定したPOIが特定POIである場合、位置Aに滞在中のユーザWに対して、POI「a」の次に行くべきPOIとしてPOI「b」を推薦する(例えば、旅行、散策などの計画に活用できる)。
【0043】
移動端末20の情報収集部200は、基礎情報を収集(取得)する。具体的には、情報収集部200は、計時部(非図示)から時間情報(現在時刻)を収集し、記憶部(非図示)からユーザ情報を収集し、無線LANを介して現在滞在中のPOI情報を収集する。また、情報収集部200は、操作受付部(非図示)を介して、ユーザが指定したPOIのPOI情報およびユーザが指定した時刻の時間情報を収集してもよい。基礎情報を収集した情報収集部200は、通信部(非図示)を介して、当該基礎情報を含む推薦POI決定要求をサーバ10に送信し、サーバ10から推薦POIを含む応答情報を受信(取得)する。なお、推薦POIを含む応答情報を受信した情報収集部200は、表示部210に推薦POIを供給する。
【0044】
なお、情報収集部200は、基礎情報に加えて、行動履歴情報を収集する。具体的には、情報収集部200は、計時部(非図示)から時間情報(現在時刻)を収集し、記憶部(非図示)からユーザ情報を収集し、GPS(Global Positioning System)または無線LANを介して現在滞在中のPOI情報を収集する。行動履歴情報を収集した情報収集部200は、通信部(非図示)を介して、当該行動履歴情報をサーバ10(行動履歴情報更新部100)に送信する。
【0045】
なお、サーバ10(推薦POI決定部150)は、推薦POIを含む応答情報に加え、推薦POIに関するコンテンツを移動端末20に送信し、移動端末20(情報収集部200)は、推薦POIを含む応答情報に加え、推薦POIに関するコンテンツを受信するようにしてもよい。これに代えて、サーバ10および移動端末20は、推薦POIおよび推薦POIに関するコンテンツを含む応答情報を送受信するようにしてもよい。なお、上記場合、サーバ10は、各POIに関するコンテンツを保持(記憶)していてもよいし、各POIに関するコンテンツを外部から取得してもよい。
【0046】
続いて、図11を用いて、POI推薦システム1における推薦POIの決定動作を説明する。図11の左側のフローチャートは移動端末20の動作、右側のフローチャートはサーバ10の動作である。なお、左右の両フローチャートは、電源オンの状態において常に開始される。なお、図11では省略するが、移動端末20は行動履歴情報をサーバ10に適宜送信しているため、行動履歴情報記憶部100の行動履歴情報は、適宜更新されている。例えば、移動端末20は、充電中などの休止時に、行動履歴情報をまとめてサーバ10に送信する。これにより、使用時における移動端末20の電力消費を節約し、また、サーバ10の負荷を削減することができる。
【0047】
左側のフローチャートにおいて、移動端末20の情報収集部200は、基礎情報を収集したか否かを判断する(ステップS200)。情報収集部200は、基礎情報を収集したと判断した場合(ステップS200:Yes)、通信部(非図示)を介して、基礎情報を含む推薦POI決定要求をサーバ10に送信する(ステップS210)。一方、情報収集部200は、基礎情報を収集していないと判断した場合(ステップS200:No)、ステップS210を飛ばして、ステップS220に進む。
【0048】
ステップS210またはステップS200(No)に続いて、情報収集部200は、サーバ10から推薦POIを含む応答情報を受信したか否かを判断する(ステップS220)。情報収集部200は、サーバ10から推薦POIを含む応答情報を受信したと判断した場合(ステップS220:Yes)、表示部210に推薦POIを供給し、表示部210は推薦POIを表示する(ステップS230)。そして、左側のフローチャートは終了する。一方、情報収集部200は、サーバ10から推薦POIを含む応答情報を受信していないと判断した場合(ステップS220:No)、ステップS230を飛ばして、左側のフローチャートは終了する。
【0049】
右側のフローチャートにおいて、サーバ10の推薦POI決定部150は、移動端末20から推薦POI決定要求を取得したか否かを判断する(ステップS100)。推薦POI決定部150は、移動端末20から推薦POI決定要求を取得したと判断した場合(ステップS100:Yes)、推薦POIを決定し(ステップS110)、推薦POIを含む応答情報を当該移動端末20に送信する(ステップS120)。一方、推薦POI決定部150は、移動端末20から推薦POI決定要求を取得していないと判断した場合(ステップS100:No)、ステップS110およびステップS120を飛ばして、ステップS130に進む。
【0050】
ステップS120またはステップS100(No)に続いて、サーバ10の類似度算出部140は、類似度算出命令を取得したか否かを判断する(ステップS130)。類似度算出部140は、類似度算出命令を取得したと判断した場合(ステップS130:Yes)、ユーザ類似度およびPOI類似度を算出する(ステップS140)。そして、右側のフローチャートは終了する。一方、類似度算出部140は、類似度算出命令を取得していないと判断した場合(ステップS130:No)、ステップS140を飛ばして、右側のフローチャートは終了する。
【0051】
以上、POI推薦システム1によれば、空間の機能を予め定義しなくても、ユーザの行動履歴をもとに、ユーザの行動傾向を反映したPOIを推薦することができるようになる。また、あるエリア内にあるユーザの行動履歴が少ないか何もない場合であっても、行動傾向が類似する他ユーザの行動履歴をもとに、当該ユーザに当該エリア内のPOIおよびPOIに関するコンテンツを推薦することができるようになる。
【0052】
なお、サーバ10は、図12(a)に示すように、行動履歴情報記憶部100、類似度情報記憶部130、類似度算出部140および推薦POI決定部150に加え、カテゴリ条件記憶部110を備えてもよい。
【0053】
カテゴリ条件記憶部110は、カテゴリ別(行動属性別)に類似度(ユーザ類似度およびPOI類似度)を算出する際に類似度算出部140が参照するカテゴリ条件を記憶する。例えば、カテゴリ条件記憶部110は、図13(a)に示すように、行動属性に関する条件として、時間帯「5−17」、時間帯「17−29」を記憶する。
【0054】
また、カテゴリ条件記憶部110は、カテゴリ別(ユーザ属性別)に類似度(ユーザ類似度およびPOI類似度)を算出する際に類似度算出部140が参照するカテゴリ条件を記憶してもよい。例えば、カテゴリ条件記憶部110は、図14(a)に示すように、行動属性の条件として、時間帯「5−17」、時間帯「17−29」を記憶し、ユーザ属性に関する条件として、性別年齢層「F1(層)」、…、性別年齢層「F3(層)」を記憶する。
【0055】
なお、カテゴリ条件記憶部110がユーザ属性に関するカテゴリ条件を記憶する場合、サーバ10は、図12(b)に示すように、ユーザを識別する情報に対応付けてユーザ属性情報(例えば、性別年齢層)を記憶するユーザ属性情報記憶部120を備えてもよい。これにより、類似度算出部140は、行動履歴情報記憶部100に記憶されている各リンクのユーザ属性を特定することができる。
【0056】
類似度算出部140は、サーバ10がカテゴリ条件記憶部110を備える場合、所定のカテゴリ別(カテゴリ条件記憶部110内のカテゴリ条件によって規定されるカテゴリ別)に、ユーザ類似度およびPOI類似度を算出する。
【0057】
例えば、類似度算出部140は、カテゴリ条件記憶部110に図13(a)に示すカテゴリ条件が記憶されている場合、カテゴリ条件記憶部110を参照し、リンク解析の対象として全リンクから時間帯「5−17」に滞在したリンクを抽出し、図13(c)に示す時間帯「5−17」に係るユーザ類似度と、図13(b)に示す時間帯「5−17」に係るPOI類似度を算出する(時間帯「17−29」についても同様である)。
【0058】
また、例えば、類似度算出部140は、カテゴリ条件記憶部110に図14(a)に示すカテゴリ条件が記憶されている場合、ユーザ属性情報記憶部120およびカテゴリ条件記憶部110を参照し、リンク解析の対象として全リンクから時間帯「5−17」に滞在したF1(層)のリンクを抽出し、図14(c)に示すF1層/時間帯「5−17」に係るユーザ類似度と、図14(b)に示すF1層/時間帯「5−17」に係るPOI類似度を算出する(F1層/時間帯「17−28」、F2層/時間帯「5−17」、…、M3層/時間帯「17−28」についても同様である)。
【0059】
なお、類似度算出部140は、全リンクに対して各カテゴリ条件への適当な帰属度合い(0以上1以下の値)を算出してもよい。あるリンクを、ある帰属度合いで、あるカテゴリ条件のリンク解析の対象とする場合、該カテゴリ条件に係るリンク解析において、該リンクは該帰属度合いの重みをもつものとする。例えば、類似度算出部140は、図2(b)に示す、時間情報「14−18」を有するリンク「POI→POI」を、3/4の帰属度合いで時間帯「5−17」に係るリンク解析の対象とし、1/4の帰属度合いで時間帯「17−29」に係るリンク解析の対象とする場合、該リンクは、時間帯「5−17」に係るリンク解析において3/4の重みをもち、時間帯「17−29」に係るリンク解析において1/4の重みをもつ。
【0060】
なお、サーバ10ではなく他の1または2の装置(非図示)がカテゴリ条件記憶部110およびユーザ属性情報記憶部120を備える場合、類似度算出部140は、当該他の1または2の装置を参照し、カテゴリ別(行動属性別/ユーザ属性別)に類似度(ユーザ類似度およびPOI類似度)を算出してもよい。
【0061】
推薦POI決定部150は、類似度算出部140がカテゴリ別にユーザ類似度およびPOI類似度を算出する場合、一のユーザに係る基礎情報を取得したときは、類似度情報記憶部130に記憶されている複数のPOI類似度情報のうち、当該基礎情報に応じたカテゴリのPOI類似度情報を参照し、当該ユーザに推薦する推薦POIを決定する。
【0062】
例えば、推薦POI決定部150は、図9(b)に示す基礎情報(時間情報「13−13」、ユーザA、POI)を取得した場合、図13(c)に示す2つのPOI類似度情報(時間帯「5−17」に係るPOI類似度情報、時間帯「17−29」に係るPOI類似度情報)のうち、当該基礎情報(時間情報「13−13」)を含む時間帯「5−17」に係るPOI類似度情報を参照し、ユーザAに推薦する推薦POIを決定する。なお、各カテゴリ条件に基づく特定POIおよび履歴POIと候補POIとの間の類似度を、当該基礎情報の各カテゴリ条件への帰属度合いに応じて重み付けして平均し、重み付け平均した類似度の高さが上位N(Nは1以上)番目迄の候補POIを当該ユーザに推薦する推薦POIとして決定することとしてもよい。
【0063】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。本発明の第2の実施形態によるPOI推薦システム2は、図15に示すように、サーバ11(類似度算出装置に相当する)および移動端末21(ユーザ端末に相当する)から構成される。サーバ11は、行動履歴情報記憶部101、類似度情報記憶部131および類似度算出部141を備え、ユーザ類似度およびPOI類似度の算出を算出する。移動端末21は、情報収集部201(基礎情報収集部に相当する)、推薦POI決定部251および表示部211を備え、推薦POIを決定する。なお、サーバ11の行動履歴情報記憶部101、類似度情報記憶部131および類似度算出部141は、第1の実施形態によるサーバ10の行動履歴情報記憶部100、類似度情報記憶部130および類似度算出部140と同様であるため、説明の一部または全部を省略する。
【0064】
移動端末21の情報収集部201は、基礎情報を収集(取得)する。具体的には、情報収集部201は、計時部(非図示)から時間情報(現在時刻)を収集し、記憶部(非図示)からユーザ情報を収集し、GPSまたは無線LANを介して現在滞在中のPOI情報を収集する。また、情報収集部201は、操作受付部(非図示)を介して、ユーザが指定したPOIのPOI情報およびユーザが指定した時刻の時間情報を収集してもよい。基礎情報を収集した情報収集部201は、当該基礎情報を推薦POI決定部251に供給する。また、推薦POI決定部251から推薦POIを取得した情報収集部201は、表示部211に推薦POIを供給する。
【0065】
なお、推薦POI決定部251から推薦POIを取得した情報収集部201は、推薦POIに加えて、推薦POIに関するコンテンツを表示部211に供給するようにしてもよい。なお、上記場合、情報収集部201は、例えば、推薦POIに関するコンテンツを外部(例えば、サーバ11)から取得する。
【0066】
移動端末21の推薦POI決定部251は、情報収集部201から基礎情報を取得する。推薦POI決定部251は、基礎情報を取得した場合、サーバ11の行動履歴情報記憶部101および類似度情報記憶部131を参照し、当該基礎情報(当該基礎情報内のPOI情報)によって特定される特定POIおよび当該ユーザの行動履歴情報内の履歴POIと、候補POIとの間の類似度を算出し、算出した類似度の高さが上位N(Nは1以上)番目迄の候補POIを当該ユーザに推薦する推薦POIとして決定する。推薦POIを決定した推薦POI決定部251は、推薦POIを情報収集部201に供給する。
【0067】
以上、POI推薦システム2によれば、POI推薦システム1と同様に、空間の機能を予め定義しなくても、ユーザの行動履歴をもとに、ユーザの行動傾向を反映したPOIを推薦することができるようになる。また、あるエリア内にあるユーザの行動履歴が少ないか何もない場合であっても、行動傾向が類似する他ユーザの行動履歴をもとに、当該ユーザに当該エリア内のPOIおよびPOIに関するコンテンツを推薦することができるようになる。
【0068】
なお、本発明の一実施形態によるサーバ10、11、移動端末21の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本発明の一実施形態によるサーバ10、11、移動端末21の各処理に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0069】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0070】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1、2 POI推薦システム,10、11 サーバ(推薦POI決定装置、類似度算出装置),20、21 移動端末(ユーザ端末),100、101 行動履歴情報記憶部 110 カテゴリ条件記憶部,120 ユーザ属性情報記憶部,130、131 類似度情報記憶部,140、141 類似度算出部,150、251 推薦POI決定部,200、201 情報収集部,210、211 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
POI情報を含む複数のユーザの行動履歴情報を記憶する行動履歴情報記憶部と、
前記行動履歴情報記憶部に記憶された前記行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度であるユーザ類似度およびPOI同士の類似度であるPOI類似度を算出する類似度算出部と、
前記類似度算出部によって算出された前記POI類似度をPOI類似度情報として記憶する類似度情報記憶部と
を備え、
前記類似度算出部は、
生成した前記ユーザ類似度に基づいて前記POI類似度を算出し、生成した前記POI類似度に基づいて前記ユーザ類似度を算出する
ことを特徴とする類似度算出装置。
【請求項2】
前記類似度算出部は、
所定のカテゴリ別に複数の前記ユーザ類似度および前記POI類似度を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の類似度算出装置。
【請求項3】
ユーザに推薦するPOIである推薦POIを決定する推薦POI決定装置であって、
POI情報を含む複数のユーザの行動履歴情報を記憶する行動履歴情報記憶部と、
前記行動履歴情報記憶部に記憶された前記行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度であるユーザ類似度およびPOI同士の類似度であるPOI類似度を算出する類似度算出部と、
前記類似度算出部によって算出された前記POI類似度をPOI類似度情報として記憶する類似度情報記憶部と、
一のユーザから送信される情報であって前記推薦POIの決定の基礎となる基礎情報を取得した場合に、行動履歴情報記憶部および類似度情報記憶部を参照し、当該基礎情報によって特定されるPOIである特定POIおよび当該ユーザの前記行動履歴情報内のPOIである履歴POIと、前記推薦POIの候補である候補POIとの間の類似度を算出し、算出した類似度の高さが上位N(Nは1以上)番目迄の前記候補POIを当該ユーザに推薦する前記推薦POIとして決定する推薦POI決定部と
を備え、
前記類似度算出部は、
生成した前記ユーザ類似度に基づいて前記POI類似度を算出し、生成した前記POI類似度に基づいて前記ユーザ類似度を算出する
ことを特徴とする推薦POI決定装置。
【請求項4】
前記類似度算出部は、
所定のカテゴリ別に複数の前記ユーザ類似度および前記POI類似度を算出し、
前記類似度情報記憶部は、
前記複数のPOI類似度情報を記憶し、
前記推薦POI決定部は、
一のユーザに係る前記基礎情報を取得した場合に、前記類似度情報記憶部に記憶されている前記複数のPOI類似度情報のうち当該基礎情報に応じたカテゴリの前記POI類似度情報を参照し、当該ユーザに推薦する前記推薦POIを決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の推薦POI決定装置。
【請求項5】
前記推薦POI決定部は、
一のユーザのユーザ端末から前記基礎情報を取得した場合に、当該基礎情報によって特定される特定エリア内のPOIであって当該ユーザの前記履歴POI以外のPOIを前記候補POIとして選出し、前記推薦POIを決定する
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の推薦POI決定装置。
【請求項6】
ユーザ端末とサーバとから構成されるPOI推薦システムであって、
前記サーバは、
POI情報を含む複数のユーザの行動履歴情報を記憶する行動履歴情報記憶部と、
前記行動履歴情報記憶部に記憶された前記行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度であるユーザ類似度およびPOI同士の類似度であるPOI類似度を算出する類似度算出部と、
前記類似度算出部によって算出された前記POI類似度をPOI類似度情報として記憶する類似度情報記憶部と
を備え、
前記ユーザ端末は、
推薦するPOIである推薦POIの決定の基礎となる基礎情報を収集する基礎情報収集部と、
前記基礎情報収集部によって収集された前記基礎情報を取得した場合に、前記サーバの行動履歴情報記憶部および類似度情報記憶部を参照し、当該基礎情報によって特定されるPOIである特定POIおよび当該ユーザの前記行動履歴情報内のPOIである履歴POIと、前記推薦POIの候補である候補POIとの間の類似度を算出し、算出した類似度の高さが上位N(Nは1以上)番目迄の前記候補POIを前記推薦POIとして決定する推薦POI決定部と
を備え、
前記サーバの前記類似度算出部は、
生成した前記ユーザ類似度に基づいて前記POI類似度を算出し、生成した前記POI類似度に基づいて前記ユーザ類似度を算出する
ことを特徴とするPOI推薦システム。
【請求項7】
POI情報を含む複数のユーザの行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度であるユーザ類似度を算出するユーザ類似度算出手段と、
前記行動履歴情報に基づいて、POI同士の類似度であるPOI類似度を算出するPOI類似度算出手段と
を有し、
前記POI類似度算出手段は、
前記ユーザ類似度算出手段によって算出された前記ユーザ類似度に基づいて前記POI類似度を算出し、
前記ユーザ類似度算出手段は、
前記POI類似度算出手段によって算出された前記POI類似度に基づいて前記ユーザ類似度を算出する
ことを特徴とする類似度算出方法。
【請求項8】
POI同士の類似度であるPOI類似度を算出する類似度算出装置のコンピュータに、
POI情報を含む複数のユーザの行動履歴情報に基づいて、ユーザ同士の類似度であるユーザ類似度を算出するユーザ類似度算出ステップと、
前記行動履歴情報に基づいて、前記POI類似度を算出するPOI類似度算出手段と
を実行させるプログラムであって、
前記POI類似度算出ステップは、
前記ユーザ類似度算出ステップによって算出された前記ユーザ類似度に基づいて前記POI類似度を算出し、
前記ユーザ類似度算出ステップは、
前記POI類似度算出ステップによって算出された前記POI類似度に基づいて前記ユーザ類似度を算出する
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−3151(P2011−3151A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147906(P2009−147906)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】