説明

飲料供給装置のシロップ検知回路

【課題】電磁バルブを境にして電磁ポンプ側が貯留部側よりも低圧となる事態を防ぐ。
【解決手段】吸引配管50fの電磁ポンプ50cと電磁バルブ50dとの間の部位に、大気に対して開閉する開閉バルブ50eを備える。そして、リトライ動作やバッグインボックス26の交換動作において、電磁バルブ50dを閉じて電磁ポンプ50cを停止した後、開閉バルブ50eを開けて電磁ポンプ50cと電磁バルブ50dとの間の吸引配管50fを大気に開放する。このため、電磁ポンプ50cのイナーシャに関わらず、電磁バルブ50dを境にして電磁ポンプ50c側の圧を貯留部50a(シロップ供給配管26a)側よりも高く維持することになる。この結果、電磁バルブ50dを境にして電磁ポンプ50c側が貯留部50a側よりも低圧となる事態を防ぐことが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シロップ原液を希釈水で希釈したシロップ飲料を提供する飲料供給装置(カップ式飲料自動販売機)に係り、シロップ原液の有無を検知する飲料供給装置のシロップ検知回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シロップ原液を収容したバッグインボックスからシロップ原液を取り出してシロップ飲料の調理を行う飲料供給装置がある。この種の飲料供給装置においては、バッグインボックス内部のシロップ原液の有無を検知するシロップ検知回路を備えたものがある。図5に示すようにバッグインボックス26には、カップCを載置するベンドステージに至るシロップ供給配管26aが接続してあり、このシロップ供給配管26aに設けたシロップポンプ26bの吸引によってバッグインボックス26内部のシロップ原液がカップCに供給される。シロップ検知回路50は、バッグインボックス26とシロップポンプ26bとの間のシロップ供給配管26aに介在して所定量(例えば飲料1杯分に用いる量)のシロップ原液を貯留する貯留部50aと、当該貯留部50aにあるシロップ原液を検知する一対の電極からなる検知センサ50bと、貯留部50aに接続した吸引配管50fを介して貯留部50aにバッグインボックス26のシロップ原液を吸引する電磁ポンプ50cと、吸引配管50fを開閉する電磁バルブ50dとで構成してある。なお、一般的な飲料供給装置では、複数のシロップ飲料を調理するため、図5に示すように複数のバッグインボックス26に接続した各シロップ供給配管26aにそれぞれシロップポンプ26bが設けてあり、各バックインボックス26に対応したシロップ検知回路50が設けてあって、電磁ポンプ50cのみが各電磁バルブ50dを並列接続して共通としてある。
【0003】
図5に示すシロップ検知回路50は、貯留部50aにシロップ原液が貯留されている場合に、検知センサ50bがシロップ原液に接触してシロップ原液がバッグインボックス26に有ることを検知する。一方、シロップ検知回路50は、貯留部50aにシロップ原液が貯留されていない場合に検知センサ50bがシロップ原液に接触していないことでシロップ原料がバッグインボックス26に無いと検知する。また、電磁バルブ50dおよび電磁ポンプ50cは、バッグインボックス26の交換時や、検知センサ50bがシロップ原液に接触しない場合のリトライ時などに動作する。すなわち、バッグインボックス26の交換時には、新しいバッグインボックス26をシロップ供給配管26aに接続したとき、接続したバッグインボックス26に対応する電磁バルブ50dを開けて電磁ポンプ50cを稼働し、バッグインボックス26からシロップ原液を吸引して貯留部50aに貯留させて、その後電磁バルブ50dを閉じて電磁ポンプ50cを停止する。また、リトライ時には、該当する貯留部50aに対応する電磁バルブ50dを開けて電磁ポンプ50cを稼働し、検知センサ50bがシロップ原液を検知するか否かを確認して、その後電磁バルブ50dを閉じて電磁ポンプ50cを停止する。
【0004】
ところで、シロップタンクから配管を介して供給されるシロップの有無を検出するため、当該配管の途中に一対の電極を配置したシロップ検出部を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、バッグインボックス内のシロップ原料の残量を検出するため、当該バッグインボックスの重量を検出する重量センサを備えたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−52256号公報
【特許文献2】特開2002−230637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図5に示す従来のシロップ検知回路50では、電磁バルブ50dを境にして貯留部50a(シロップ供給配管26a)側と電磁ポンプ50c側とで圧力差が生じて、電磁ポンプ50c側が貯留部50a側よりも低圧となる。その原因としては、上述のごとく電磁バルブ50dを閉じた後に電磁ポンプ50cを停止したとき、電磁ポンプ50cのイナーシャによって電磁バルブ50dと電磁ポンプ50cとの間の吸引配管50fに負圧が生じることによる。他に、上述のごとく複数のバッグインボックス26を備えた構成において、バッグインボックス26の交換時に、交換を行わないバッグインボックス26に対応する電磁バルブ50dが閉じているため、電磁ポンプ50cを稼働した際に、閉じている電磁バルブ50dと電磁ポンプ50cとの間の吸引配管50fに負圧が生じることによる。一方、電磁バルブ50dには、シロップポンプ26bの稼働時の振動、飲料供給装置をカップ式飲料自動販売機に適応した場合でのカップ供給機構(図示せず)の稼働時の振動、および飲料供給装置の筐体扉の開閉時の振動などによってチャタリングが生じる。
【0007】
このように、電磁バルブ50dを境にして電磁ポンプ50c側が貯留部50a側よりも低圧となった場合に電磁バルブ50dにチャタリングが生じると、電磁バルブ50dから電磁ポンプ50c側にシロップ原液が吸引されて電磁ポンプ50cに至り、電磁バルブ50dや電磁ポンプ50cに動作不良が生じるおそれがある。このため、バッグインボックス26の交換時や、リトライ時などに電磁バルブ50dおよび電磁ポンプ50cを動作させることができなくなる。すなわち、バッグインボックス26の交換を行うことができなくなる。また、バッグインボックス26内部にシロップ原液がまだ有るにもかかわらずシロップ原液が無いと誤検知してしまう。この結果、シロップ原液の供給を行うことができなくなるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、電磁バルブを境にして電磁ポンプ側が貯留部側よりも低圧となる事態を防ぐことができる飲料供給装置のシロップ検知回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る飲料供給装置のシロップ検知回路は、シロップ原液を収容したバッグインボックスからベンドステージに至る供給配管にシロップポンプを設けて前記バッグインボックスからシロップ原液を吸引して前記ベンドステージに供給する飲料供給装置に係り、前記供給配管の途中にてシロップ原液を一旦貯留する貯留部と、当該貯留部に貯留したシロップ原液を検知する検知センサと、前記供給配管から分岐する態様で前記貯留部に接続した吸引配管を介して前記貯留部に前記バッグインボックスのシロップ原液を吸引する電磁ポンプと、前記吸引配管を開閉する電磁バルブとを有した飲料供給装置のシロップ検知回路であって、前記吸引配管の前記電磁ポンプと電磁バルブとの間の部位に設けてあって大気に対して開閉する開閉バルブを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る飲料供給装置のシロップ検知回路は、上記請求項1において、前記電磁バルブを閉じて前記電磁ポンプの稼働を停止した後に前記開閉バルブを開けて所定時間の経過後に当該開閉バルブを閉じる制御部を有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る飲料供給装置のシロップ検知回路は、吸引配管の電磁ポンプと電磁バルブとの間の部位に、大気に対して開閉する開閉バルブを備えた。このため、電磁バルブを境にして電磁ポンプ側の圧を貯留部(供給配管)側よりも高く維持することになる。この結果、電磁バルブを境にして電磁ポンプ側が貯留部側よりも低圧となる事態を防ぐことができる。
【0012】
また、電磁バルブを閉じて電磁ポンプを停止した後、開閉バルブを開けて電磁ポンプと電磁バルブとの間の吸引配管を大気に開放する。このため、電磁ポンプのイナーシャに関わらず、電磁バルブを境にして電磁ポンプ側の圧を貯留部(供給配管)側よりも高く維持することになる。この結果、電磁バルブを境にして電磁ポンプ側が貯留部側よりも低圧となる事態を防ぐことができる。
【0013】
したがって、シロップポンプの稼働時の振動、各駆動機構の稼働時の振動、および飲料供給装置の筐体扉の開閉時の振動などによって電磁バルブにチャタリングが生じたとしても、電磁バルブを境にして電磁ポンプ側の圧を貯留部(供給配管)側よりも高く維持しているので、電磁バルブから電磁ポンプ側にシロップ原液が吸引されることがない。この結果、バッグインボックスの交換動作時や、リトライ動作時などに電磁バルブおよび電磁ポンプを動作させることができ、シロップ原液の供給を行うことができなくなる事態を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る飲料供給装置のシロップ検知回路の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明に係るシロップ検知回路を適用した飲料供給装置の実施の形態を示す概念図である。
【0016】
ここで例示する飲料供給装置1は、カップ供給機構(図示せず)によってベンドステージSに搬送した飲料容器であるカップCに対して、シロップ飲料を投入するためのシロップ飲料供給部2を備えている。
【0017】
シロップ飲料供給部2は、水リザーバ21、製氷機22および冷却水槽23を備えて構成してある。
【0018】
水リザーバ21は、上水道から供給された水(水道水)を貯留するものである。
【0019】
製氷機22は、水リザーバ21に製氷用水導入配管21aを介して接続してある。製氷機22は、製氷用水導入配管21aを通じて水リザーバ21から移送された水を用いて氷を製造し、当該氷を貯留する。図には明示しないが製氷機22は、製氷部としての円筒状のアジテータの内部にスクリュ形状のオーガが配設してあり、モータによって回転駆動したオーガでアジテータの筒内に生じた氷を切削しつつ上方に押し上げる。アジテータの上部には、固定刃が設けてあり、この固定刃によってオーガで押し上げられた氷を圧縮してチップ状の氷にする。また、アジテータの上方には、製造したチップ状の氷を貯留するストッカが設けてある。そして、製氷機22によって製造された氷は、ストッカから氷供給配管22aを通じてカップCの内部に必要量が投入されることになる。
【0020】
冷却水槽23は、主に冷却水(希釈水)を生成するためのものであって、冷却用水23aを貯留した水槽である。冷却水槽23には、水冷却コイル24と、カーボネータ25と、バッグインボックス26に接続されたシロップ供給配管26aの一部とがそれぞれ冷却用水23aに浸漬させた形態で配設してある。
【0021】
水冷却コイル24は、水ポンプ21bを有した飲料用水供給配管21cを介して水リザーバ21に接続してある。水冷却コイル24は、飲料用水供給配管21cを通じて水リザーバ21から移送された水を冷却して冷却水を生成するものである。水冷却コイル24で生成された冷却水は、冷却水バルブ24aを有した冷却水供給配管24bを通じてカップCの内部に必要量が投入されることになる。
【0022】
カーボネータ25は、炭酸ガスボンベ27に炭酸ガス導入配管27aを介して接続してあり、かつ、冷却水供給配管24bの途中に逆止弁25aを介して接続してある。カーボネータ25は、炭酸ガスボンベ27から移送された炭酸ガスと、冷却水供給配管24bを介して水冷却コイル24から移送された冷却水とを混合して炭酸水を生成するものである。カーボネータ25で生成された炭酸水は、炭酸水バルブ25bを有した炭酸水供給配管25cを通じてカップCの内部に必要量が投入されることになる。
【0023】
バッグインボックス26は、シロップ原液の製造設備において、可撓性を有する軟質な合成樹脂製のバッグの内部にシロップ原液を充填して密封したものである。バッグインボックス26は、シロップ原液を排出する排出口(図示せず)を、シロップ供給配管26aに接続してある。シロップ供給配管26aは、ベンドステージSに至り配置してあって、その途中にシロップポンプ26bが設けてある。このシロップポンプ26bは、逆止弁を備えたピストン式のものであって、シロップ供給配管26aを介してバッグインボックス26内部のシロップ原液を吸引しつつ、シリンダ内部に所定量(例えば飲料1杯分)のシロップ原液を保留して、シロップ原液の吸引時に保留したシロップ原液をカップCに供給する。また、シロップ供給配管26aの一部は、冷却水槽23に貯留した冷却用水23aに浸漬してある。そして、バッグインボックス26に収容されたシロップ原液は、シロップポンプ26bによる吸引によってシロップ供給配管26aを通じてカップCの内部に必要量が投入されることになる。このとき、シロップポンプ26bの稼働によってバッグインボックス26からシロップポンプ26bの間のシロップ供給配管26aに負圧が生じることになる。なお、本実施の形態における飲料供給装置では、複数のシロップ飲料を調理するために、バッグインボックス26を複数設けてあり、各バッグインボックス26に接続した各シロップ供給配管26aにそれぞれシロップポンプ26bが設けてある。
【0024】
なお、図には明示しないが、上述した飲料供給装置1には、上記各飲料を選択する飲料選択ボタンを有している。すなわち、飲料供給装置1においては、飲料選択ボタンが操作されることによってシロップ飲料供給部2から所望の飲料がベンドステージSに載置されたカップCに投入されることで各飲料を提供する。また、図には明示しないが、上述した飲料供給装置1は、硬貨を処理するコインメカニズムや紙幣を処理するビルバリデータなどの課金部を備えることによってカップ式飲料自動販売機として構成されるものである。
【0025】
以下、本発明のシロップ検知回路について説明する。まず、シロップ検知回路の構成について説明する。図2は本発明に係るシロップ検知回路の実施の形態を示す概念図である。
【0026】
図1に示すようにシロップ飲料供給部2のシロップ供給配管26aにおいて、バッグインボックス26とシロップポンプ26bとの間には、シロップ検知回路50が設けてある。
【0027】
図2に示すようにシロップ検知回路50は、上述したバッグインボックス26からベンドステージSに至るシロップ供給配管26aにおいて、バッグインボックス26とシロップポンプ26bとの間に設けてあって、貯留部50aと、検知センサ50bと、電磁ポンプ50cと、電磁バルブ50dと、開閉バルブ50eとを有している。
【0028】
貯留部50aは、シロップ供給配管26aに介在してあって、所定量(例えば飲料1杯分に用いる量)のシロップを貯留する容器を構成してある。
【0029】
検知センサ50bは、貯留部50aの内部に配置してあり、貯留部50aにシロップ原液が所定量貯留されているとき、当該シロップ原液に接触する一対の電極からなる。
【0030】
電磁ポンプ50cは、シロップ供給配管26aから分岐する態様で貯留部50aに接続した吸引配管50fに設けてあり、当該吸引配管50fを介して貯留部50aにバッグインボックス26のシロップ原液を吸引するものである。
【0031】
電磁バルブ50dは、吸引配管50fの貯留部50aと電磁ポンプ50cとの間の部位に設けてあり、吸引配管50fを開閉するためのものである。
【0032】
開閉バルブ50eは、吸引配管50fの電磁ポンプ50cと電磁バルブ50dとの間の部位に設けた開放配管50gに配設してあって、開放配管50gを介して電磁ポンプ50cと電磁バルブ50dとの間の吸引配管50fを大気に対して開閉するためのものである。
【0033】
なお、上述したように本実施の形態における飲料供給装置1では、複数のシロップ飲料を調理するために、バッグインボックス26を複数設けてある。そして、シロップ検知回路50は、図2に示すように各バッグインボックス26に対応して各シロップ供給配管26aに貯留部50aをそれぞれ設けてあり、各貯留部50aに接続した各吸引配管50fに電磁バルブ50dをそれぞれ設け、当該電磁バルブ50dを並列するように吸引配管50fを集合して単一の電磁ポンプ50cを共通としてある。また、開閉バルブ50eは、集合した吸引配管50fに開放配管50gを接続して配設してある。
【0034】
次に、シロップ検知回路の制御系について説明する。図3は図2に示すシロップ検知回路の制御系を示すブロック図である。
【0035】
飲料供給装置1では、飲料供給制御部(制御部)100を備えている。飲料供給制御部100は、飲料選択ボタン(図示せず)を操作して飲料選択信号が与えられた場合、予めメモリ101に格納したプログラムやデータに従って、飲料の供給を行うためのシロップ飲料供給部の制御を行うためのものである。この飲料供給制御部100には、シロップポンプ26b、検知センサ50b、電磁ポンプ50c、電磁バルブ50dおよび開閉バルブ50eが接続してある。
【0036】
なお、図には明示しないが、飲料供給装置1を適用したカップ式飲料自動販売機では、飲料選択ボタンや、課金部(コインメカニズム・ビルバリデータ)からの入力を処理する自販機制御部を備えている。自販機制御部は、課金部に入金があり、かつ、飲料選択ボタンが操作された場合に、上記飲料供給制御部100に飲料選択信号を与える。
【0037】
次に、シロップ検知回路の動作について説明する。図4は図2に示すシロップ検知回路の動作を示すタイミングチャートである。
【0038】
飲料選択ボタン(図示せず)を操作して飲料選択信号が与えられた場合、飲料供給制御部100は、図4に示すようにシロップポンプ26bを所定時間T1稼働(ON)して、所定量(例えば飲料1杯分)のシロップ原液をカップCに投入する。
【0039】
シロップポンプ26bを稼働したとき、図4の(イ)のごとく検知センサ50bの電極が貯留部50aに貯留したシロップ原液から離れて検知センサ50bがOFFになった場合、飲料供給制御部100は、リトライ動作を行うために電磁ポンプ50c、電磁バルブ50dおよび開閉バルブ50eを制御する。すなわち、リトライ動作時、飲料供給制御部100は、該当する貯留部50aに対応する電磁バルブ50dを開け(ON)、電磁ポンプ50cを稼働して(ON)、検知センサ50bがシロップ原液を検知するか否かを確認する。このリトライ動作において、電磁バルブ50dを開けて電磁ポンプ50cを稼働したとき、図4の(ロ)のごとく検知センサ50bの電極が貯留部50aに貯留したシロップ原液に接触して検知センサ50bがONになった場合、飲料供給制御部100は、電磁バルブ50dを閉じ(OFF)、電磁ポンプ50cを停止する(OFF)。次いで、飲料供給制御部100は、開閉バルブ50eを開けて(ON)、所定時間T2経過後に閉じる(OFF)。さらに、飲料供給制御部100は、「シロップ原液有り」と判断して該当するシロップ原液に係る飲料の供給を可能とし、当該飲料の飲料選択ボタン(図示せず)の操作を有効化する。
【0040】
一方、リトライ動作において、電磁バルブ50dを開け(ON)、電磁ポンプ50cを稼働したとき(ON)、所定時間(例えばバッグインボックス26のシロップ原液が貯留部50aに貯留される想定時間)経過しても、検知センサ50bの電極が貯留部50aに貯留したシロップ原液から離れたまま(OFFのまま)である場合、飲料供給制御部100は、電磁バルブ50dを閉じ(OFF)、電磁ポンプ50cを停止する(OFF)。次いで、飲料供給制御部100は、開閉バルブ50eを開けて(ON)、所定時間T2経過後に閉じる(OFF)。さらに、飲料供給制御部100は、「シロップ原液無し」と判断して飲料供給装置1の筐体に設けた表示部(図示せず)に該当するシロップ原液に係る飲料の売り切れを表示し、かつ、該当するシロップ原液に係る飲料の飲料選択ボタン(図示せず)の操作を無効化する。ここで、シロップ原液が無くなったバッグインボックス26の交換が行われることになる。
【0041】
バッグインボックス26の交換が行われると、飲料供給制御部100は、交換動作を行うために電磁ポンプ50c、電磁バルブ50dおよび開閉バルブ50eを制御する。すなわち、交換動作時には、交換したバッグインボックス26に接続してある貯留部50aに対応する電磁バルブ50dを開け(ON)、電磁ポンプ50cを稼働して(ON)、図4の(ロ)のごとく検知センサ50bの電極が貯留部50aに貯留したシロップ原液に接触して検知センサ50bがONになったとき、電磁バルブ50dを閉じ(OFF)、電磁ポンプ50cを停止する(OFF)。次いで、飲料供給制御部100は、開閉バルブ50eを開け(ON)、所定時間T2経過後に閉じる(OFF)。その後、飲料供給制御部100は、該当するシロップ原液に係る飲料の供給を可能とし、当該飲料の飲料選択ボタン(図示せず)の操作を有効化する。
【0042】
このように、本実施の形態におけるシロップ検知回路50では、吸引配管50fの電磁ポンプ50cと電磁バルブ50dとの間の部位に、大気に対して開閉する開閉バルブ50eを備えた。そして、リトライ動作や交換動作において、電磁バルブ50dを閉じて電磁ポンプ50cを停止した後、開閉バルブ50eを開けて電磁ポンプ50cと電磁バルブ50dとの間の吸引配管50fを大気に開放する。このため、電磁ポンプ50cのイナーシャに関わらず、電磁バルブ50dを境にして電磁ポンプ50c側の圧を貯留部50a(シロップ供給配管26a)側よりも高く維持することになる。すなわち、電磁バルブ50dを境にして電磁ポンプ50c側が貯留部50a側よりも低圧となる事態を防ぐことが可能になる。
【0043】
したがって、シロップポンプ26bの稼働時の振動、飲料供給装置をカップ式飲料自動販売機に適応した場合でのカップ供給機構(図示せず)の稼働時の振動、および飲料供給装置の筐体扉の開閉時の振動などによって電磁バルブ50dにチャタリングが生じたとしても、電磁バルブ50dを境にして電磁ポンプ50c側の圧を貯留部50a(シロップ供給配管26a)側よりも高く維持しているので、電磁バルブ50dから電磁ポンプ50c側にシロップ原液が吸引されることがない。この結果、バッグインボックス26の交換動作時や、リトライ動作時などに電磁バルブ50dおよび電磁ポンプ50cを動作させることができる。すなわち、バッグインボックス26の交換を適宜行うことができる。また、バッグインボックス26内部にシロップ原液がまだ有るにもかかわらずシロップ原液が無いと誤検知してしまうことがない。よって、シロップ原液の供給を行うことができなくなる事態を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るシロップ検知回路を適用した飲料供給装置の実施の形態を示す概念図である。
【図2】本発明に係るシロップ検知回路の実施の形態を示す概念図である。
【図3】図2に示すシロップ検知回路の制御系を示すブロック図である。
【図4】図2に示すシロップ検知回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】従来のシロップ検知回路を示す概念図である。
【符号の説明】
【0045】
1 飲料供給装置
2 シロップ飲料供給部
26 バッグインボックス
26a シロップ供給配管(供給配管)
26b シロップポンプ
50 シロップ検知回路
50a 貯留部
50b 検知センサ
50c 電磁ポンプ
50d 電磁バルブ
50e 開閉バルブ
50f 吸引配管
50g 開放配管
100 飲料供給制御部
101 メモリ
C カップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロップ原液を収容したバッグインボックスからベンドステージに至る供給配管にシロップポンプを設けて前記バッグインボックスからシロップ原液を吸引して前記ベンドステージに供給する飲料供給装置に係り、前記供給配管の途中にてシロップ原液を一旦貯留する貯留部と、当該貯留部に貯留したシロップ原液を検知する検知センサと、前記供給配管から分岐する態様で前記貯留部に接続した吸引配管を介して前記貯留部に前記バッグインボックスのシロップ原液を吸引する電磁ポンプと、前記吸引配管を開閉する電磁バルブとを有した飲料供給装置のシロップ検知回路であって、
前記吸引配管の前記電磁ポンプと電磁バルブとの間の部位に設けてあって大気に対して開閉する開閉バルブを備えたことを特徴とする飲料供給装置のシロップ検知回路。
【請求項2】
前記電磁バルブを閉じて前記電磁ポンプの稼働を停止した後に前記開閉バルブを開けて所定時間の経過後に当該開閉バルブを閉じる制御部を有したことを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置のシロップ検知回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−141141(P2007−141141A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337066(P2005−337066)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】