説明

飲料用茶葉の製造方法

【課題】飲料用茶葉としての品質を維持しつつ、チャフロサイドAの含有量が増加した飲料用茶葉を製造する方法を提供する。
【解決手段】水分含有率が1〜10質量%の範囲にある乾燥茶葉を、内壁表面の温度が150〜250℃の範囲の温度を維持するように加熱された加熱容器に投入し、該容器内に150〜250℃の範囲の温度に加熱された水蒸気含有気体を吹き込みながら、上記茶葉を3〜15分間加熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャフロサイドAの含有量が増加した飲料用茶葉を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
緑茶、焙じ茶、紅茶、ウーロン茶などの飲料用茶葉には、下記の式(I)で示されるチャフロサイドA(Chafuroside A)が含まれていることが知られている。
【0003】
【化1】

【0004】
特許文献1には、上記チャフロサイドAが坑アレルギー作用を有することが記載されている。
【0005】
特許文献2には、上記チャフロサイドA[この特許文献では、OTAC(Oolong tea active compound)と呼んでいる]が発癌抑制作用を有することが記載されている。また、この特許文献には、茶葉を180℃以上の高温で処理することによって、茶葉のチャフロサイドA含有量が増加する旨の記載がある。
【0006】
特許文献3には、茶葉のチャフロサイドの含有量を増加させる方法として、水分含有率が0〜5質量%の乾燥茶葉を、115〜125℃で100〜350分間、あるいは125〜150℃で10〜240分間加熱処理する方法が記載されている。この特許文献によれば、上記の方法を利用することによって、乾燥茶葉中のチャフロサイドの含有量は10〜1000倍に増加するとされている。また、この特許文献には、茶葉を180℃以上の高温で熱処理すると、茶葉中のチャフロサイドがかなり熱分解する旨の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−35474号公報
【特許文献2】特開2006−342103号公報
【特許文献3】国際公開第2009/057756号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
茶葉のチャフロサイドA含有量を増加させる方法として、前記特許文献2と3に記載されているように、茶葉を加熱処理する方法は有用である。しかしながら、加熱処理によって飲料用茶葉としての品質(例えば、外観、水色、香気、滋味)が低下するという問題がある。
従って、本発明の目的は、飲料用茶葉としての品質を維持しつつ、チャフロサイドAの含有量が増加した飲料用茶葉を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、水分含有率が1〜10質量%の範囲にある乾燥茶葉を、内壁表面の温度が150〜250℃の範囲の温度を維持するように加熱された加熱容器に投入して、該容器内に150〜250℃の範囲の温度に加熱された水蒸気含有気体を吹き込みながら加熱すると、加熱時間が3〜15分間と比較的短時間で乾燥茶葉のチャフロサイドAの含有量を増加させることができ、また加熱による飲料用茶葉としての品質の低下を抑えることもできることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
従って、本発明は、水分含有率が1〜10質量%の範囲にある乾燥茶葉を、内壁表面の温度が150〜250℃の範囲の温度を維持するように加熱された加熱容器に投入し、該容器内に150〜250℃の範囲の温度に加熱された水蒸気含有気体を吹き込みながら、上記茶葉を3〜15分間加熱することを特徴とするチャフロサイドAの含有量が増加した飲料用茶葉の製造方法にある。
【0011】
本発明の好ましい態様は、次の通りである。
(1)水蒸気含有気体が、過熱水蒸気もしくは水蒸気を50g/m3以上含む水蒸気含有空気である。
(2)加熱容器が横置きされた円筒状容器であって、茶葉の加熱を該容器を回転させながら行う。
(3)さらに、上記(2)の円筒状容器の内壁表面に螺旋状の仕切が設けられている。
(4)上記(2)の円筒状容器の加熱が誘導加熱により行われる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の製造方法を利用することによって、飲料用茶葉としての品質を維持しつつ、チャフロサイドAの含有量が大きく増加した飲料用茶葉を工業的に有利に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の飲料用茶葉の製造方法に有利に用いることができる加熱容器の一例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の飲料用茶葉の製造方法を、緑茶用茶葉を例に取り説明する。
【0015】
本発明において用いる乾燥茶葉は、水分含有率が1〜10質量%の範囲にある。なお、本発明において、乾燥茶葉の水分含有率は、茶葉を105℃の温度で5時間加熱したときの加熱前の質量と加熱後の質量とから下記式を用いて算出した値である。
水分含有率(質量%)=100×(加熱前質量−加熱後質量)/加熱前質量
【0016】
乾燥茶葉には、荒茶及び緑茶製品(仕上茶)を用いることができる。荒茶とは、一般に摘み取った生茶葉を蒸熱工程(生茶葉を水蒸気で蒸して、生茶葉中の酵素を失活させる工程)、粗揉工程(蒸熱工程後の茶葉に熱風を吹き付けながら、茶葉に圧迫と摩擦を加えて茶葉を柔らかくする工程)、揉捻工程(茶葉を転がしながら加圧して、茶葉全体の水分を均一にする工程)、中揉工程(茶葉に熱風を吹き付けながら、茶葉に圧迫を加えて茶葉を撚れた形状にする工程)、精揉工程(茶葉を加熱しながら、茶葉に圧迫を加えて茶葉の形状を整えて、締まりをつける工程)、乾燥工程(茶葉を乾燥する工程)の各工程を経て製造されたものをいう。緑茶製品とは、荒茶に火入れ工程(荒茶を加熱処理して、香味を向上させる工程)や選別工程(荒茶から茎や細かい茶葉を取り除く工程)などの工程を行って、飲料用茶葉としての品質を高めたものをいう。荒茶及び緑茶製品は、そのまま乾燥茶葉として使用してもよいし、破砕機で粉砕して、3〜10mmの大きさに調整した細切物として使用してもよい。
【0017】
乾燥茶葉は通常、下記の式(II)で表されるチャフロサイドA前駆体(Isovitexin2’’−sulfate)を、茶葉1g当たり10〜1000μgの範囲にて含有する。
【0018】
【化2】

【0019】
本発明では、上記の乾燥茶葉を内壁表面の温度が150〜250℃の範囲の温度を維持するように加熱された加熱容器に投入し、該容器内に150〜250℃の範囲の温度に加熱された水蒸気含有気体を吹き込みながら加熱処理して、チャフロサイドA前駆体(上記式(II))をチャフロサイドA(前記式(I))に変化させることによって、乾燥茶葉のチャフロサイドAの含有量を増加させる。加熱処理の時間は、3〜15分の範囲である。
【0020】
加熱容器の内壁表面と水蒸気含有気体の温度は、それぞれ160〜220℃の範囲にあることが好ましく、170〜210℃の範囲にあることが特に好ましい。加熱容器の内壁表面と水蒸気含有気体の温度とは同一である必要はないが、その差は20℃以内にあることが好ましい。
【0021】
水蒸気含有気体は、過熱水蒸気あるいは水蒸気含有空気であることが好ましい。水蒸気含有空気は、水蒸気量が50g/m3以上であることが好ましく、80g/m3以上であることがより好ましい。加熱容器への水蒸気含有気体の吹き込み量は、加熱容器の容量や温度などの条件によっても異なるが、水蒸気量として10〜100kg/時間の範囲にあることが好ましい。
【0022】
乾燥茶葉の加熱処理には、図1に示す加熱容器を用いることができる。図1は、加熱容器の断面図である。
【0023】
図1において、加熱容器は横置きされた円筒状容器1からなる。円筒状容器1は誘電加熱(IH)式の加熱容器であり、外壁表面に誘電コイル(図示せず)が等間隔で巻かれていて、内壁表面の温度を均一に調整できるようにされている。円筒状容器1の内壁表面は、螺旋状に設けられた突起2により仕切られている。円筒状容器1は周方向に回転可能となっている。
【0024】
円筒状容器1の右側の端部は、茶葉導入口3を備えた右側支持板4により支持されている。茶葉導入口3は、乾燥茶葉を定量的に円筒状容器1に供給するための乾燥茶葉投入シュート5に接続している。
【0025】
円筒状容器1の左側の端部は、茶葉導出口6を備えた左側支持板7により支持されている。茶葉導出口6は、茶葉取出口8を備えた茶葉取出管9に接続している。左側支持板7は、円筒状容器1の内部に水蒸気含有気体を吹き込むための水蒸気含有気体噴射口10を側面に備えた水蒸気含有気体導入管11が付設されている。
【0026】
図1の加熱容器において、乾燥茶葉は投入シュート5に投入され、右側支持板4の茶葉導入口3を通って円筒状容器1に送られる。円筒状容器1に送られた乾燥茶葉は、円筒状容器1の回転によって、円筒状容器1の内部を転動して、螺旋状に設けられた突起2に沿って左側支持板7に向かって移動しながら、円筒状容器1の内壁表面と、水蒸気含有気体導入管11から吹き込まれた水蒸気含有気体とに接触して加熱処理される。この加熱処理によって、チャフロサイドAの含有量が増加した乾燥茶葉は、左側支持板7の茶葉導出口6を通って、茶葉取出管9に送られ、茶葉取出口8から外部に取り出される。円筒状容器1の内部に吹き込まれた水蒸気含有気体は、茶葉取出管9を通って外部に排気される。
【0027】
以上、本発明の飲料用茶葉の製造方法を緑茶用茶葉を例に取り説明したが、本発明は飲料用として用いられる紅茶用茶葉やウーロン茶用茶葉の製造にも利用することができる。
【実施例】
【0028】
つぎに本発明を下記の実施例と比較例に基づいてさらに説明する。
【0029】
実施例及び比較例において、茶葉中のチャフロサイドA及びチャフロサイドA前駆体の含有量は次のようにして測定した。
(1)茶葉をコーヒーミルで粉末化して茶葉粉末を得る。
(2)茶葉粉末100mgと、50質量%のメタノール水溶液4mLとをガラス製容器に入れ、ガラス製容器に還流器を取り付けた後、80℃の温度で30分間の抽出操作を行って、チャフロサイドAと前駆体とを含有する抽出液を得る。
(3)抽出液を遠心分離機(CHIBITAN−II、ミリポア社製)を用いて、遠心加速度5200Gで3分間遠心処理した後、抽出液の上清5μLをサンプリングして、HPLC−MS/MS装置を用いて、チャフロサイドAとその前駆体の定量分析を行う。
【0030】
HPLC装置は、Agilent 1100(アジレント・テクノロジー社製)を用い、定量用カラムはCadenza CD C18(内径:3mm、カラム長さ:150mm、インタクト社製)を用いる。展開溶媒には、チャフロサイドAは40質量%のメタノール水溶液、前駆体は18質量%のアセトニトリル水溶液を用いる。カラム内の流速は0.3mL/分とする(チャフロサイドAの保持時間:11.05分、前駆体の保持時間:10.4分)。
【0031】
MS装置はAPI2000またはAPI3000(アプライドバイオシステムズ社製)を用いる。MS/MSの測定は、エレクトロスプレーイオン化法により行う。
【0032】
チャフロサイドAのMS/MSによる測定は、下記条件で行う。
前駆体/生成物(m/z、イオンと極性) 413.0(M−H)-/293.2
衝突エネルギー(eV) 36
キャピラリー電圧(kV) 4
温度(℃) 500
【0033】
前駆体のMS/MSによる測定は、下記条件で行う。
前駆体/生成物(m/z、イオンと極性) 511.0(M−H)-/96.9
衝突エネルギー(eV) 9
キャピラリー電圧(kV) 4
温度(℃) 500
【0034】
[実施例1]
市販のやぶきた緑茶を用意した。このやぶきた緑茶は、チャフロサイドAの含有量が35ng/g、チャフロサイドA前駆体の含有量が38μg/gであった。
【0035】
上記やぶきた緑茶500gを、100℃の温度で1時間乾燥した。得られた乾燥茶葉の水分含水率は3質量%であった。
【0036】
上記の乾燥茶葉500g(水分含水率:3質量%)を図1に示すIH式加熱容器(円筒状容器の容積:0.64m3)に投入し、円筒状容器の内壁表面温度(胴温)を180℃に維持し、円筒状容器に温度195℃の水蒸気含有空気(水蒸気濃度:92g/m3)を540m3/時間(水蒸気量として50kg/時間)の流量で吹き込みながら、円筒状容器を回転させて乾燥茶葉を6分30秒間加熱処理した。加熱処理後の乾燥茶葉は、チャフロサイドAの含有量が8μg/g、チャフロサイドA前駆体の含有量が16μg/gであった。すなわち、加熱処理により、チャフロサイドAの含有量は228倍に増加していた。
【0037】
[実施例2]
水蒸気含有気体の代わりに温度195℃の過熱水蒸気を50kg/時間の流量にて、円筒状容器に吹き込んだこと、加熱時間を13分としたこと以外は、実施例1と同様にして乾燥茶葉を加熱処理した。加熱処理後の乾燥茶葉は、チャフロサイドAの含有量が8μg/g、チャフロサイドA前駆体の含有量が15μg/gであった。すなわち、加熱処理により、チャフロサイドAの含有量は228倍に増加していた。
【0038】
[比較例1]
円筒状容器に水蒸気含有空気を吹き込まなかったこと、加熱時間を13分としたこと以外は、実施例1と同様にして乾燥茶葉を加熱処理した。加熱処理後の乾燥茶葉は、チャフロサイドAの含有量が2μg/g、チャフロサイドA前駆体の含有量が26μg/gであった。すなわち、加熱処理により、チャフロサイドAの含有量は57倍に増加していた。
【0039】
[比較例2]
加熱時間を26分としたこと以外は、実施例1と同様にして乾燥茶葉を加熱処理した。加熱処理後の乾燥茶葉は、チャフロサイドAの含有量が4μg/g、チャフロサイドA前駆体の含有量が10μg/gであった。すなわち、加熱処理により、チャフロサイドAの含有量は114倍に増加していた。
【0040】
[官能評価]
実施例1と2及び比較例1と2において加熱処理した後の乾燥茶葉の外観(色沢)と、その乾燥茶葉から抽出した茶飲料の水色、香気、滋味について官能評価を行った。茶飲料は、茶葉3gを熱湯150mLで1分間抽出して得た。評価は3人のパネリストが行った。良い(3)、普通(2)、やや劣る(1)、劣る(0)の4段階で評価した。この官能評価の結果を、乾燥茶葉の加熱条件(水蒸気含有気体の吹き込みの有無、加熱時間)及び加熱処理によるチャフロサイドAの増加倍率と共に下記の表1に示す。
【0041】
表1
────────────────────────────────────────
水蒸気含有気体 加熱時間 チャフロサイドA 外観 水色 香気 滋味
の吹き込み の増加倍率
────────────────────────────────────────
実施例1 有り 6分30秒 228倍 1 1 2 2
実施例2 有り 13分 228倍 3 2 3 2
────────────────────────────────────────
比較例1 なし 13分 57倍 2 1 1 1
比較例2 有り 26分 114倍 0 0 0 0
────────────────────────────────────────
【0042】
上記表1の結果から明らかなように、水蒸気含有気体を吹き込みながら加熱処理を行った乾燥茶葉(実施例1、2)は、水蒸気含有気体を吹き込まないで加熱処理した乾燥茶葉(比較例1)と比較して、チャフロサイドAの含有量が大きく増加し、また飲料用茶葉としての品質も良い。また水蒸気含有気体を吹き込みながら加熱処理を行った場合であっても、加熱処理時間が26分と長くなりすぎると、チャフロサイドAが分解して、その含有量が低下し、また飲料用茶葉としての品質も悪くなる(比較例2)。
【0043】
[実施例3]
市販のからべに緑茶を用意した。このからべに緑茶は、チャフロサイドAの含有量が20ng/g、チャフロサイドA前駆体の含有量が84μg/gであった。
【0044】
上記からべに緑茶500gを、100℃の温度で1時間乾燥した。得られた乾燥茶葉の水分含水率は3質量%であった。
【0045】
上記の乾燥茶葉500g(水分含水率:3質量%)を図1に示すIH式加熱容器(円筒状容器容積:0.64m3)に投入し、円筒状容器の内壁表面温度(胴温)を180℃に維持し、円筒状容器に温度195℃の水蒸気含有空気(水蒸気濃度:92g/m3)を540m3/時間(水蒸気量として50kg/時間)の流量で吹き込みながら、円筒状容器を回転させて乾燥茶葉を3分15秒間加熱処理した。加熱処理後の乾燥茶葉は、チャフロサイドAの含有量が6μg/g、チャフロサイドA前駆体の含有量が66μg/gであった。すなわち、加熱処理により、チャフロサイドAの含有量は300倍に増加していた。
【0046】
[実施例4]
加熱時間を6分30秒としたこと以外は、実施例3と同様にして乾燥茶葉を加熱処理した。加熱処理後の乾燥茶葉は、チャフロサイドAの含有量が20μg/g、チャフロサイドA前駆体の含有量が58μg/gであった。すなわち、加熱処理により、チャフロサイドAの含有量は1000倍に増加していた。
【0047】
[実施例5]
水蒸気含有気体の代わりに温度195℃の過熱水蒸気を50kg/時間の流量にて、円筒状容器に吹き込んだこと、加熱時間を6分30秒としたこと以外は、実施例3と同様にして乾燥茶葉を加熱処理した。加熱処理後の乾燥茶葉は、チャフロサイドAの含有量が18μg/g、チャフロサイドA前駆体の含有量が58μg/gであった。すなわち、加熱処理により、チャフロサイドAの含有量は900倍となった。
【0048】
[官能評価]
実施例3〜5において加熱処理した後の乾燥茶葉の外観(色沢)と、その乾燥茶葉から抽出した茶飲料の水色、香気、滋味について官能評価を前記と同様にして行った。この官能評価の結果を、乾燥茶葉の加熱条件(水蒸気含有気体の吹き込みの有無、加熱時間)及び加熱処理によるチャフロサイドAの増加倍率と共に下記の表2に示す。
【0049】
表2
────────────────────────────────────────
水蒸気含有気体 加熱時間 チャフロサイドA 外観 水色 香気 滋味
の吹き込み の増加倍率
────────────────────────────────────────
実施例3 有り 3分15秒 300 2 2 3 1
実施例4 有り 6分30秒 1000 1 1 2 2
実施例5 有り 6分30秒 900 3 2 3 2
────────────────────────────────────────
【0050】
上記表2の結果から明らかなように、からべに緑茶においても水蒸気含有気体を吹き込みながら加熱処理を行った乾燥茶葉はチャフロサイドAの含有量が大きく増加し、また飲料用茶葉としての品質も良い。
【符号の説明】
【0051】
1 円筒状容器
2 突起
3 茶葉導入口
4 右側支持板
5 乾燥茶葉投入シュート
6 茶葉導出口
7 左側支持板
8 茶葉取出口
9 茶葉取出管
10 水蒸気含有気体噴射口
11 水蒸気含有気体導入管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分含有率が1〜10質量%の範囲にある乾燥茶葉を、内壁表面の温度が150〜250℃の範囲の温度を維持するように加熱された加熱容器に投入し、該容器内に150〜250℃の範囲の温度に加熱された水蒸気含有気体を吹き込みながら、上記茶葉を3〜15分間加熱することを特徴とするチャフロサイドAの含有量が増加した飲料用茶葉の製造方法。
【請求項2】
水蒸気含有気体が、過熱水蒸気もしくは水蒸気を50g/m3以上含む水蒸気含有空気である請求項1に記載の飲料用茶葉の製造方法。
【請求項3】
加熱容器が横置きされた円筒状容器であって、茶葉の加熱を該容器を回転させながら行う請求項1に記載の飲料用茶葉の製造方法。
【請求項4】
さらに、円筒状容器の内壁表面に螺旋状の仕切が設けられている請求項3に記載の飲料用茶葉の製造方法。
【請求項5】
円筒状容器の加熱が誘導加熱により行われる請求項3に記載の飲料用茶葉の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−97042(P2012−97042A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246417(P2010−246417)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(507219686)静岡県公立大学法人 (63)
【Fターム(参考)】