説明

駆動チップ、表示装置及びその製造方法

【課題】製造費用を節減することができる表示装置及びそれの製造方法を提供する。
【解決手段】表示装置は表示パネル、駆動チップ及び非導電性の接着フィルムを含む。表示パネルは導電性のパッドが形成されたパッド部を含む。駆動チップは内部に駆動回路を具備する本体部、及び本体部から突出されパッドと面接触されるバンプを含む。非導電性の接着フィルムは駆動チップをパッド部に固定させる。非導電性の接着フィルムは熱によって硬化される熱硬化性樹脂からなり、1.0GPa〜6.0GPaの弾性率を有する。従って、導電ボールを含まない非導電性の接着フィルムを通じて駆動チップと表示パネルとを結合することで、製造費用を節減し、品質不良を除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駆動チップ、前記駆動チップを有する表示装置及び表示装置の製造方法に関し、さらに詳細には、駆動チップ、前記駆動チップが非導電性の接着フィルムを介して表示パネルに実装される表示装置及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶表示装置は、液晶を用いて画像を表示する平板表示装置の一つとして、他の表示装置に比べて薄くて軽く、低駆動電圧及び低消費電力であるという長所を持ち、産業全般にかけて幅広く使用されている。
【0003】
液晶表示装置は、画像を表示するための液晶表示パネル及び前記液晶表示パネルを駆動するための駆動チップを含む。駆動チップは、外部から印加された画像信号を液晶表示パネルが駆動するのに適合した駆動信号に変換して、適切なタイミングで液晶表示パネルに印加する。このような駆動チップは原価節減及び実装性を考慮して、チップオングラス(chip on glass:COG)実装方式によって液晶表示パネルに実装される。前記COG方式によると、駆動チップと液晶表示パネルとの間に異方性導電フィルム(anisotropic conductive film:ACF)を配置した後,高温で熱圧着することで、駆動チップと液晶表示パネルとを電気的に連結する。
【0004】
異方性導電フィルムは、接着樹脂と接着樹脂内に不規則に分布される導電ボール(conductive ball)からなる。接着樹脂は、熱または紫外線によって硬化される熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂からなり、駆動チップを液晶表示パネルに結合させる役割を果たす。導電ボールは、ニケッル(Ni)または金(Au)などの金属がコーティングされているポリマビーズ(polymer bead)からなり、駆動チップと液晶表示パネルとを電気的に連結させる役割を果たす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、導電ボールを含む異方性導電フィルムを使用することによって、液晶表示装置の製造費用が増える。加えて、異方性導電フィルムを液晶表示パネルに付着するための仮圧着工程と、異方性導電フィルムと駆動チップとの結合のための本圧着工程とが必要になるので、液晶表示装置の製造工程が増えるという問題点がある。また、導電ボールの不規則な分布に起因して、液晶表示装置に駆動チップと液晶表示パネルとの間の断線または短絡などの品質不良が発生するという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は表示装置の駆動チップを提供することにある。
【0007】
また、本発明の目的は表示装置の製造費用を節減し、導電ボールによる品質不良を除去することができる表示装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は上述の表示装置を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示装置の特徴は、表示パネル、駆動チップ及び非導電性の接着フィルムを含む。前記表示パネルは導電性のパッドが形成されたパッド部を含む。前記駆動チップは内部に駆動回路を具備する本体部、及び前記本体部から突出して前記パッドと面接触されるバンプを含む。前記非導電性の接着フィルムは前記駆動チップを前記パッド部に固定させる。
【0010】
前記非導電性の接着フィルムは熱によって硬化される熱硬化性樹脂からなり、1.0GPa〜6.0GPaの弾性率を有する。
【0011】
本発明の表示装置の製造方法の特徴は、導電性のパッドが形成された表示パネルのパッド部に非導電性の接着フィルムを仮圧着する。次いで、前記非導電性の接着フィルム上に駆動チップを仮圧着する。次いで、前記駆動チップのバンプが前記パッドと面接触されるように前記駆動チップを本圧着する。前記非導電性の接着フィルムの仮圧着は、0.1Pa〜10MPaの圧力で進行される。前記駆動チップの仮圧着は、0.1MPa〜10MPaの圧力で進行される。前記駆動チップの本圧着は、30MPa〜150MPaの圧力で進行される。前記駆動チップの本圧着は、2秒〜15秒の時間の間で進行される。
【0012】
前記駆動チップは本体部及びバンプを含む。前記本体部は、第1領域に形成された駆動回路を含む。前記バンプは、それぞれが前記駆動回路と電気的に連結され前記駆動チップの第1領域に形成される。前記本体部から突出された複数のバンプそれぞれは前記駆動回路と電気的に連結された金属層を含み、前記バンプそれぞれは前記第1領域に形成され、前記金属層と駆動回路の第2領域で接触される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の表示装置及びその製造方法によれば、導電ボールを含まない非導電性の接着フィルムを通じて駆動チップと表示パネルとを結合することで、導電ボールによる品質不良の問題を除去し、製造費用を節減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の望ましい一実施形態をより詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態による表示装置を示す斜視図である。
【0016】
図1に示すように、本発明の一実施形態による表示装置100は、画像を表示する表示パネル200、表示パネル200を駆動する駆動チップ300、及び駆動チップ300を表示パネル200に固定させる非導電性の接着フィルム400を含む。
【0017】
表示パネル200は、駆動チップ300を介して印加される駆動信号に反応して画像を表示する。表示パネル200は、表示パネル200と駆動チップ300との連結させるための導電性のパッドが形成されたパッド部212を有する。
【0018】
表示パネル200は、パッド部212が形成された第1基板210、第1基板220と対向して結合される第2基板220、及び第1基板210と第2基板220との間に配置された液晶層(図示せず)を含む液晶表示パネルで構成される。
【0019】
第1基板210は、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と称する)がマトリックス形状に形成されたTFT基板である。第1基板210は、たとえば、ガラス材質からなる。前記TFT基板は、図には示していないが、第1の方向に沿って互いに平行に形成された複数のゲートライン、および前記第1の方向と実質的に垂直な第2の方向に沿って互いに平行に形成された複数のデータラインを含む。前記ゲートラインとデータラインとは電気的に絶縁され、互いに交差する。前記TFTのソース端子及びゲート端子にはそれぞれデータライン及びゲートラインが連結され、ドレイン端子は透明な導電性材質からなる画素電極が連結される。
【0020】
第2基板220は、色を具現するためのRGB画素が薄膜形態に形成されたカラーフィルタ基板である。第2基板220は、たとえば、ガラス材質からなる。第2基板220には透明な導電性材質からなる共通電極が具備される。
【0021】
このような構成を有する表示パネル200は、前記TFTのゲート端子に電源が印加されTFTがタンオーンされると、画素電極と共通電極との間には電界が形成される。このような電界によって、第1基板210と第2基板220との間に配置された液晶層の液晶の配列が変化し、液晶の配列変化によって通過する光の透過度が変わり所望する階調の画像を表示する。
【0022】
駆動チップ300は、表示パネル200のパッド部212に非導電性の接着フィルム400を通じて結合される。駆動チップ300は、外部から印加される画像信号を表示パネル400が駆動するのに適合した駆動信号に変換して、適切なタイミングで表示パネル400に印加する。特に、第1基板210は、第2基板220の表示領域に対応する表示領域と、非表示領域とを有する。第1基板210の非表示領域は、第2基板220の周辺の外まで広がる。本実施形態において、第1基板210は第1側部、前記第1側部と反対の第2側部、第3側部、及び前記第3側部と反対の第4側部を有する長方形基板である。しかし、第1基板210の形状はそれに限定されない。パッド部212は、1基板210の第1側部に隣接し、第1側部と実質的に平行に延びている。付着されたとき、駆動チップ300及び非導電性の接着フィルム400は第1基板210の第1側部に隣接し、第1側部と実質的に平行に、パッド部212と同様に延びる。図1には、本実施形態による表示パネルが一つのパッド部212と、一つの駆動チップ300と、一つの非導電性の接着フィルム400とのみが示されているが、表示装置100は複数のパッド部212と、前記複数のパッド部212に対応する複数の駆動チップ300、及び複数の非導電性の接着フィルム400を含むことができる。
【0023】
非導電性の接着フィルム400は、熱によって硬化される熱硬化性樹脂からなる。非導電性の接着フィルム400は、約1.0GPa〜約6.0Gpaの弾性率を有することが望ましい。弾性率はパスカル(Pa)単位であらわされ、前記の弾性率は前記非導電性の接着フィルムに典型的である。さらに高い弾性率は、固い物質であることを表す。
【0024】
表示装置100は、非導電性の接着フィルム400を表示パネル200のパッド部212に仮圧着する工程と、駆動チップ300を非導電性接着フィルム400上に仮圧着する工程と、駆動チップ300を本圧着する工程によって製造される。仮に一つ以上の駆動チップ300が表示装置300に適用される場合、上述した工程は各駆動チップ300に同時に適用されることができ、または上述した工程は各駆動チップ300に個別的に適用されることもできる。
【0025】
図2は、図1に示された駆動チップ300を具体的に示した斜視図であり、図3は、図2のI−I‘線に沿って切断した駆動チップの断面図である。図2及び図3に示すように、駆動チップ300は本体部310及び本体部310から突出されたバンプ320を含む。示された実施形態において、本体部310は第1表面、前記第1表面の反対である第2表面を含み、バンプ320は本体部310の前記第1表面から突出される。
【0026】
本体部310の内部には外部から入力される画像信号を駆動に必要な駆動信号に変換するための駆動回路312が具備される。例えば、前記の駆動に必要な画像信号はシグナルコントローラから駆動チップ300に提供される。駆動回路312は半導体工程によって形成される。本体部310の外部は駆動回路312を保護するために絶縁物質からなる。
【0027】
駆動チップ300は、駆動回路312が形成された位置に対応される第1領域(以下、「回路領域」と称する)(CA)、及び回路領域(CA)を取り囲む第2領域(以下、「周辺領域」と称する)(PA)で区分される。バンプ320は駆動チップ300のサイズを減少させるために回路領域(CA)に対応する位置に形成される。
【0028】
バンプ320は、本体部310から一定高さに突出し、本体部310の長手方向に沿って2列以上に配列される。バンプ320は、外部から入力される画像信号の印加を受けるための入力バンプと、駆動信号を出力するための出力バンプを含む。例えば、前記入力バンプはシグナルコントローラのような外部装置から画像信号を受信することができ、前記出力バンプは表示パネル200の第1基板210に駆動信号を印加することができる。駆動チップ312は、入力バンプを通じて外部装置から画像信号を受信し、受信した画像信号に基づいて生成した駆動信号を前記出力バンプを通じて表示パネル200の第1基板210に印加するようにバンプ320と電気的に連結される。
【0029】
それぞれのバンプ320は、本体部310から一定高さに突出された絶縁層322及び絶縁層322を取り囲む金属層324からなる。それぞれのバンプ320は、図示されたように、方形の断面を有する。しかし、バンプ320の断面形状は、方形の断面形状に限らず、他の形状を有することもできる。それぞれのバンプ320の断面は、パッド部212との接触面積を増加させるために平らな外側面を有する。以下に、より詳細に説明する。
【0030】
絶縁層322は、駆動チップ300と表示パネル200との安定的な結合のために、ある程度の弾性を有する物質からなる。例えば、絶縁層322はポリイミド(PI:polyimide)からなる。絶縁層322はバンプ320の形状を画定することができる。例えば、絶縁層322は、平らな面を有する突出形状を有することができる。前記突出形状はパッド部212のパッド形状に対応する断面を有することができる。バンプ320の大きさ及び形状はパッド部212のパッドと一致させる必要はない。しかし、バンプ320とパッド部212のパッドの形状は、相互間の電気的連結を極大化するように選択される。
【0031】
金属層324は、駆動チップ300と表示パネル200との電気的な連結のために、導電性の優れた金属からなる。例えば、金属層324は、金(Au)からなる。従って、絶縁層322及び金属層324からなるバンプ320は、表示パネル200との連結の際、異方性導電フィルムに入っている導電ボールと同じ役割を担う。
【0032】
駆動チップ300は、本体部310の内部で駆動回路312と連結され周辺領域(PA)まで延びたパッド層330、及びパッド層330と金属層324とを電気的に連結する金属配線340をさらに含む。
【0033】
パッド層330は、駆動回路312とバンプ320とを電気的に連結するために導電性物質からなる。例えば、パッド層330はアルミニウム(Al)からなる。
【0034】
金属配線340の一端は、周辺領域(PA)でパッド層330と電気的に連結され、金属配線340の他端は、バンプ320の金属層324と電気的に連結される。金属配線340は、例えば、金(Au)からなる。一方、金属配線340と金属層324は同一の金属からなり、同時に形成される。
【0035】
駆動チップ300は、パッド層330を保護するための保護層350をさらに含む。保護層350はパッド層330の上部面の大部分をカバーすることができる。保護層350は、パッド層330と金属配線340との間に配置される。バンプ320の絶縁層322は保護層350上に形成される。本体部310は、保護層350を絶縁層322および金属配線340が形成されていない保護層350上部を取り囲むことができる。金属配線340は、保護層350の開口された領域を通じてパッド層330と電気的に連結される。従って、パッド層330は、金属配線340を通じてバンプ320の金属層324と連結される。
【0036】
図4は、図3に示された駆動チップの他の実施形態を示す断面図である。図4で示す実施形態は、連結層を除いた残りの構成は、図3で示した実施形態と同一であるので、同一の構成要素については同一の図面番号を使用し、その重複される詳細な説明は省略する。
【0037】
図4に示すように、駆動チップ300は、パッド層330と金属配線340との間に形成される連結層360をさらに含む。連結層360はアルミニウム(Al)からなるパッド層330と金(Au)からなる金属配線と間の安定的な連結のために使用され、たとえば、チタンタングステン(TiW)からなる。図4に示すように、連結層360は、保護層350に形成された開口部分のパッド層330上に配置される。連結層360は、保護層350の開口側部と開口付近の保護層350の上部面とを覆う。あるいは、連結層360は、開口内部のパッド層330のみ、またはパッド層330及び保護層350の開口の側部のみに配置されることもできる。
【0038】
図5は、図1に示された表示パネルと駆動チップとの結合状態を示す断面図である。
【0039】
図5に示すように、駆動チップ300は、非導電性の接着フィルム400を通じて表示パネル200の第1基板210に結合される。この際、非導電性の接着フィルム400は外部から加えられる熱によって硬化される熱硬化性樹脂からなる。従って、駆動チップ300は非導電性の接着フィルム400の熱圧着工程を通じて第1基板210に結合される。
【0040】
表示パネル200の第1基板210は、駆動チップ300のバンプ320との電気的な連結のためのパッド214を含む。図5に示してはいないが、パッド214は、第1基板210に形成されたデータラインまたはゲートラインと連結されている。パッド214は、平らな外部面を含むことができる。駆動チップ300が第1基板210と結合されるとき、パッド214の外部面は、バンプ320の外部面と面接触するようにデザインされる。
【0041】
駆動チップ300の熱圧着によって、駆動チップ300のバンプ320それぞれは、第1基板210のパッド214とそれぞれ面接触する。パッド214とバンプ320との間に面接触されると、外部からの画像信号は駆動チップ300の入力バンプから駆動回路312に伝達され、駆動回路312は画像信号に基づいて駆動信号を生成し、駆動信号は出力バンプを通じて第1基板210のゲート及び/またはデータラインに印加される。加熱及び圧着工程の後、非導電性の接着フィルム400は、硬化され駆動チップ300を固定すると同時に、バンプ320の間またはパッド214の間を絶縁させる。
【0042】
本発明の実施形態において、表示パネル200は液晶表示パネルを一例に説明したが、表示パネル200は、液晶表示パネル以外にも、プラズマ表示パネル(PDP)、有機EL(OLED)などの多様な表示パネルからなることができる。
【0043】
図6は、本発明の一実施形態による表示装置の製造過程を示した流れ図である。
【0044】
図1、図5、及び図6を参照すると、まず、導電性のパッド214が形成された表示パネル200のパッド部212に非導電性の接着フィルム400を仮圧着する(S10)。非導電性の接着フィルム400の仮圧着工程は約0.1MPa〜約10MPaの圧力で進行される。このとき、非導電性の接着フィルム400は約1.0GPa〜約6.0GPaの弾性率を有する。
【0045】
次いで、仮圧着された非導電性の接着フィルム400上に駆動チップ300を仮圧着する(S20)。駆動チップ300の仮圧着工程は非導電性の接着フィルム400の仮圧着工程と同様に、約0.1MPa〜約10Mpaの圧力で進行される。
【0046】
非導電性の接着フィルム400または駆動チップ300の仮圧着工程が、0.1MPa以下の圧力で進行すると、非導電性の接着フィルム400と表示パネル200との間の接着結合力が低下するという問題が発生する。非導電性の接着フィルム400または駆動チップ300の仮圧着工程が、10MPa以上の圧力で進行すると、過重な圧力に起因して非導電性の接着フィルム400の基本物性が変化し、または非導電性の接着フィルム400が変形するという問題が発生し得る。従って、非導電性の接着フィルム400及び駆動チップ300の仮圧着工程は約0.1MPa〜約10MPaの圧力で進行されることが望ましい。
【0047】
次いで、駆動チップ300の仮圧着工程の後、駆動チップ300のバンプ320がパッド214と面接触されるように駆動チップ300を本圧着する(S30)。駆動チップ300の本圧着工程は約30MPa〜約150MPaの圧力で進行される。また、駆動チップ300の本圧着工程は約2秒〜約15秒の時間の間で進行される。
【0048】
駆動チップ300の本圧着工程が、30MPa以下の圧力で進行すると、駆動チップ300のバンプ320が表示パネル200のパッド部212に接触される速度及び圧力が低くなる。それにより、非導電性の接着フィルム400の樹脂がパッド214の外郭に流れる前に硬化が進行され、バンプ320とパッド214との間に残存する非導電性接着フィルム400の樹脂に起因して接続に問題が発生する。一方、150MPa以上の圧力で駆動チップ300の本圧着工程を進行すると、圧力の過重によってバンプ320の金属層324に変形が発生される。従って、駆動チップ300の本圧着工程は約30MPa〜約150MPaの圧力で進行されることが望ましい。
【0049】
駆動チップ300の本圧着工程は、駆動チップ300を一定温度で加圧する加圧機によって進行される。このとき、加圧機の温度、即ち、駆動チップ300の上部に加えられる温度は、約150℃〜250℃で設定される。
【0050】
駆動チップ300の本圧着工程で、駆動チップ300の上部に加えられる温度が150℃以下であると、非導電性の接着フィルム400を構成する高分子自体の物性上、硬化率の低下によって接着力が低下するという問題が発生する。一方、駆動チップ300の本圧着工程で、駆動チップ300の上部に加えられる温度が250℃以上であると、非導電性の接着フィルム400の樹脂が、急速に硬化しすぎる問題が発生する。従って、駆動チップ300の本圧着工程で、駆動チップ300の上部に加えられる温度は約150℃〜250℃であることが望ましい。
【0051】
また、駆動チップ300の本圧着工程で、表示パネル200を支持する支持台の温度、即ち、表示パネル200に伝達される温度は、約40℃〜約90℃で設定される。
【0052】
表示パネル200に伝達される温度が90℃以上であると、表示パネル200のガラス基板の変形がひどく発生し、表示パネル200に含まれた液晶高分子の物性が変形する現象が発生する。従って、表示パネル200に伝達される温度は約40℃〜約90℃であることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
このような表示装置及びその製造方法によると、駆動チップに絶縁層及び金属層からなるバンプを形成し、導電ボールを含まない非導電性の接着フィルムを介して駆動チップと表示パネルとを結合することで、製造費用を節減し、導電ボールによる段落または断線などの品質不良を除去することができる。
【0054】
また、駆動チップのバンプを駆動回路が形成された回路領域に形成することで、駆動チップの大きさを減少させる。
【0055】
以上、本発明の実施形態によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離脱することなく、本発明を修正または変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態による表示装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示された駆動チップを具体的に示す斜視図である。
【図3】図2のI−I‘線に沿って切断した駆動チップの断面図である。
【図4】図3に示された駆動チップの他の実施形態を示す断面図である。
【図5】図1に示された表示パネルと駆動チップとの結合状態を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態による表示装置の製造過程を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0057】
100 表示装置、
200 表示パネル、
210 第1基板、
214 パッド、
220 第2基板、
300 駆動チップ、
310 本体部、
320 バンプ、
322 絶縁層、
324 金属層、
330 パッド層、
340 金属配線、
400 非導電性の接着フィルム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性のパッドが形成されたパッド部を含む表示パネルと、
内部に駆動回路を具備する本体部および前記本体部から突出して前記パッドと面接触するバンプを含む駆動チップと、
前記駆動チップを前記パッド部に固定させる非導電性の接着フィルムと、
を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記非導電性の接着フィルムは、熱によって硬化する熱硬化性樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記非導電性の接着フィルムは、1.0GPa〜6.0GPaの弾性率を有することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記駆動チップは、
前記駆動回路に対応する第1領域と、
前記第1領域を取り囲む第2領域と、を含み、
前記バンプは、
前記第1領域に対応して形成されることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記バンプは、
前記本体部から突出された絶縁層と、
前記絶縁層を取り囲む金属層と、
を含むことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
前記絶縁層は、ポリイミドからなることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記金属層は、金からなることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
【請求項8】
前記駆動チップは、駆動回路に対応する第1領域、及び前記第1領域を取り囲む第2領域を含み、
前記駆動チップは、前記本体部の内部で前記駆動回路と連結され、前記第2領域まで延びたパッド層と、
前記パッド層と前記金属層とを電気的に連結する金属配線と、
をさらに含むことを特徴とする請求項5記載の表示装置。
【請求項9】
前記金属層は、前記第2領域の前記パッド層と電気的に連結されることを特徴とする請求項8記載の表示装置。
【請求項10】
前記駆動チップは、前記パッド層と前記金属配線との間に形成された連結層をさらに含むことを特徴とする請求項8記載の表示装置。
【請求項11】
前記駆動チップは、前記パッド層を保護する保護層をさらに含み、前記保護層は開口された領域を含み、前記金属層は前記開口された領域を介して前記パッド層と電気的に連結されることを特徴とする請求項8記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルは、
前記駆動チップが結合される第1基板と、
前記第1基板と向き合う第2基板と、
前記第1基板と第2基板との間に配置された液晶層と、
を含むことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項13】
前記バンプは平らな面を含み、導電性の前記パッドの表面は平らな面を含み、前記バンプと導電性の前記パッドそれぞれは面接触によって連結されることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項14】
前記本体部は絶縁物質を含み、前記本体部は前記表示パネルと向き合う面を含み、前記バンプは前記表示パネルと向き合う面から突出され、前記表示パネルと向き合う面と前記本体部との間の空間は非導電性接着フィルムで満たされることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項15】
導電性のパッドが形成された表示パネルのパッド部に非導電性の接着フィルムを仮圧着する段階と、
前記非導電性の接着フィルム上に駆動チップを仮圧着する段階と、
前記駆動チップのバンプが前記パッドと面接触されるように前記駆動チップを本圧着する段階と、
を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記非導電性の接着フィルムの仮圧着する段階は、0.1MPa〜10MPaの圧力で進行されることを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記駆動チップの仮圧着する段階は、0.1MPa〜10MPaの圧力で進行されることを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記駆動チップの本圧着する段階は、30MPa〜150MPaの圧力で進行されることを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記駆動チップの本圧着する段階は、2秒〜15秒の時間の間で進行されることを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記駆動チップの本圧着段階において、前記駆動チップを加圧する加圧器の温度は、150℃〜250℃であることを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
【請求項21】
前記駆動チップの本圧着段階において、前記表示パネルを支持する支持台の温度は、40℃〜90℃であることを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
【請求項22】
前記非導電性の接着フィルムは、熱によって硬化される熱硬化性樹脂からなり、1.0GPa〜6.0GPaの弾性率を有することを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
【請求項23】
前記駆動チップは内部に駆動回路を具備する本体部をさらに含み、
前記バンプは前記本体部から突出された絶縁層、及び前記絶縁層を取り囲み前記駆動回路と電気的に連結された金属層を含むことを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記駆動チップは前記駆動回路に対応される第1領域、及び前記第1領域を取り囲む第2領域を含み、
前記バンプは前記第1領域に対応して形成されることを特徴とする請求項23記載の表示装置の製造方法。
【請求項25】
前記駆動チップの本圧着する段階は、それぞれの前記バンプの平らな面と、前記パッドのそれぞれの平らな面とを接触させる段階を含むことを特徴とする請求項15記載の表示装置の製造方法。
【請求項26】
第1領域に形成された駆動回路を含む本体部と、
前記駆動回路と電気的に連結され前記駆動チップの第1領域に形成された複数のバンプを含み、前記本体部から突出した前記複数のバンプそれぞれは前記駆動回路と電気的に連結された金属層を含み、前記複数のバンプそれぞれは前記第1領域に形成され、前記金属層と駆動回路の第2領域で接触されることを特徴とする表示装置用駆動回路。
【請求項27】
前記駆動回路と前記第1領域で電気的に連結されたパッド層をさらに含み、前記パッド層は前記第2領域に延びることを特徴とする請求項26記載の駆動回路。
【請求項28】
前記第2領域に延長され、前記第1領域内で前記バンプの金属層と電気的に連結された金属配線をさらに含み、前記金属配線は前記金属層を前記パッド層と前記第2領域内で連結することを特徴とする請求項27記載の駆動回路。
【請求項29】
前記パッド層をカバーする保護層をさらに含み、前記保護層は前記第2領域内で開口された領域を含み、前記金属配線は前記保護層の開口された領域を介して前記パッド層と連結されることを特徴とする請求項28記載の駆動回路。
【請求項30】
前記パッド層と前記金属配線との間に配置された連結層をさらに含み、前記連結層は前記保護層の開口内に配置されることを特徴とする請求項29記載の駆動回路。
【請求項31】
前記本体部は絶縁物質を含み、前記本体部は前記本体部の一面から突出した前記複数のバンプを含むことを特徴とする請求項26記載の駆動回路。
【請求項32】
前記複数のバンプそれぞれは、前記本体部の一面と平行な面を含むことを特徴とする請求項31記載の駆動回路。
【請求項33】
前記複数のバンプそれぞれは絶縁層を含み、前記絶縁層は弾性を有する物質を含むことを特徴とする請求項26記載の駆動回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−243724(P2006−243724A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47181(P2006−47181)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】