駆動装置及び画像形成装置
【課題】複数の感光ドラムを一つの駆動源で駆動する歯車伝達装置において、感光ドラムの回転むらを低減する。
【解決手段】モータ600からの回転を複数の感光ドラムギヤ36に伝達する複数の減速ギヤ61を有し、モータ600にははすば歯車からなるモータギヤ601を設け、前記減速ギヤ61には、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのはすば歯車が一体となった大ギヤ611、612と、当該大ギヤと同軸で一体となったはすば歯車からなる小ギヤ613を設け、第1の減速ギヤ61Kにおける一方の大ギヤ611Kが前記モータギヤ601と噛合い、他方の大ギヤ612Kは第2減速ギヤ61Yとの間のアイドルギヤ73と噛合うようにする。
【解決手段】モータ600からの回転を複数の感光ドラムギヤ36に伝達する複数の減速ギヤ61を有し、モータ600にははすば歯車からなるモータギヤ601を設け、前記減速ギヤ61には、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのはすば歯車が一体となった大ギヤ611、612と、当該大ギヤと同軸で一体となったはすば歯車からなる小ギヤ613を設け、第1の減速ギヤ61Kにおける一方の大ギヤ611Kが前記モータギヤ601と噛合い、他方の大ギヤ612Kは第2減速ギヤ61Yとの間のアイドルギヤ73と噛合うようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、特にタンデム型カラー電子写真式に使用している複数の感光ドラムを有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスのカラー指向に対応して、タンデム型カラー電子写真式画像記録装置が登場してきた。この種の画像形成装置において、感光ドラムに画像露光を行って画像を形成する場合には、駆動する歯車の噛合い振動により僅かな回転むらが感光ドラムに生じても画像にピッチむらを生じ、特にカラー画像を形成する場合は敏感に色調むらとなって現れるため、画質向上の観点からはこれが問題となっている。従来、この歯車の噛合い振動による感光ドラムの回転むらを低減する方法としては、歯車の精度を高めたり、平歯車をはすば歯車に変更を行う方法などが知られている。
【特許文献1】特開平10−161477公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来例では、歯車の噛合い振動の原因は、歯車が噛合うときに噛合い状態にある歯の枚数が変化し、その枚数差による歯車間の歯のばね剛性の変化に大きく起因している。そのため、上記のように歯車精度を高めるだけでは、歯車の噛合い状態にある歯の枚数の差は変わらないので、噛合い振動の低減には十分でないという問題がある。
【0004】
また、平歯車をはすば歯車に変更すると歯車の噛合い率が大きくなり、噛合い振動に対して効果を発揮するが、駆動反力がスラスト方向に発生してしまうため歯車自体を変形させたり歯車を保持する軸を傾けようとする力が働き、噛合い状態を悪化させてしまい、結果的に噛合い振動が大きくなってしまう。また、歯車を保持する軸を傾けようとする力が働くことで歯車の軸受け部に大きなラジアル荷重がかかってしまい磨耗を早めてしまうという問題がある。
【0005】
ここで、図10及び図11を用いて歯車を保持する軸を傾けようとする力について説明する。図10は従来の画像形成部に備えるOPCドラムを駆動するための駆動部を示した斜視図である。図11は従来の画像形成部に備えるOPCドラムを駆動するための駆動部を示す平面図である。600は図示せぬフレームに保持された4つのOPCドラム31を駆動するためのモータである。601はモータ600に備えたモータギヤであり、ねじれ方向が右方向のはすば歯車で構成される。61Kは図示せぬフレームとシャフトに回転自在に保持された減速ギヤである。当該減速ギヤ61Kは、前記モータギヤ601とねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の大ギヤ611Kと、前記大ギヤと同軸上に歯数やモジュール等の諸元の異なる小ギヤ613Kが一体で構成されている。減速ギヤ61Kに備えた小ギヤ613KはOPCドラム31Kに備えたギヤ36Kと噛合う。
【0006】
他の減速ギヤ61Y、61M、61Cは前記減速ギヤ61Kと同一のギヤであり、各OPCドラム31に備えた36Y、36M、36Cと噛合うように配置される。73、74、75は減速ギヤ61Kから減速ギヤ61Y、減速ギヤ61Yから減速ギヤ61M、減速ギヤ61Mから減速ギヤ61Cに駆動を伝達するためのアイドルギヤである。当該アイドルギヤ73、74、75は各減速ギヤ61の大ギヤ611と噛合うように配置され、ねじれ方向が右方向のはすば歯車で構成される。
【0007】
図11に示すようにOPCドラム31Cに注目したとき、OPCドラム31Cのギヤ36Cには負荷トルクが存在する。その負荷トルクを回転させるために上記モータ600から動力を受けて減速ギヤ61Cの軸周りにトルクが発生する。減速ギヤ61Cに発生するトルクは減速ギヤ61Cにはアイドルギヤ75との噛合い部に噛合いピッチ円上に接線力が働く事で伝達される。上述のようにギヤがハスバ歯車で構成されている場合、減速ギヤ61Cにはアイドルギヤ75との噛合い部に働く接線力の方向と噛合うギヤの歯面はある角度(ハスバ歯車のねじれ角)を生じて噛合っているため噛合うギヤ同士にスラスト方向の分力が発生することとなる。
【0008】
減速ギヤ61Cを見たとき、ギヤ61Cとアイドルギヤ75との噛合い部に例えば10Nのスラスト力が発生すると、図11に示すように減速ギヤ61Cには図から見て下方向のスラスト力が発生し、例えば回転中心A点を軸としたとき、その中心から噛合い部までの距離(r)に10Nを乗じた値のモーメント(10・r(N・m))が発生する。
【0009】
次に減速ギヤ61Mを見たとき、減速ギヤ61Mとアイドルギヤ75の噛合い部にも同様に10Nのスラスト力が発生する。当該減速ギヤ61Mとアイドルギヤ74との噛合い部には、OPCドラム36Cの負荷トルクに加えてOPCドラム36Mの負荷トルクが発生するため、おおよそ20Nのスラスト力が発生することとなる。
【0010】
このとき減速ギヤ61Mにはアイドルギヤ75から10N、アイドルギヤ74から20Nの異なる方向のスラスト力を受けることとなり、図11に示す減速ギヤ61M上に示す回転中心A点から見たときに、10Nと20Nの合力に相当するモーメント(30・r(N・m))を受けることとなる。
【0011】
同様に、減速ギヤ61Yで見た場合には、減速ギヤ61Y上に示す回転中心A点から見たときに、20Nと30Nの合力に相当する大きなモーメント(50・r(N・m))を受けることとなる。更に、減速ギヤ61Kで見た場合には、減速ギヤ61K上に示す回転中心A点から見たときに、30Nと40Nの合力に相当する大きなモーメント(70・r(N・m))を受けることとなり、ギヤの弾性変形やギヤの支持部の変形が発生してしまう。そのため、ギヤの噛合い状態を悪化させ、振動を発生させてしまったり送りムラの原因となってしまう。
【0012】
一方、はすば歯車のスラスト力を低減するために、ねじれ方向が逆のはすば歯車2枚を一体とした山歯歯車を使用することが考えられたが、山歯歯車の効果を出すには、ねじれ方向が逆の歯車同士の精度を高くする必要があり、また軸への歯車の取付け精度も高くする必要があり画像形成装置等の樹脂形成歯車を使用する分野では実使用は困難であった。
【0013】
また、特開平10−161477においてねじれ方向が互いに逆の2枚のはすば歯車間に減衰部材を挟んだ構造の歯車体が提案されているが、構成部品が増加するため組み立てが複雑になったり減衰材を必要とするためコストアップの要因となってしまうという問題がある。
【0014】
本発明は複数の感光ドラムを一つの駆動源で駆動する歯車伝達装置において、感光ドラムを駆動するギヤの噛合い状態を悪化させることなく駆動ギヤ列を構成し、感光ドラムの回転むらを低減し安定した駆動伝達を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、特許請求の範囲の請求項1に記載の手段は、駆動源からの回転を複数の被駆動歯車に伝達する複数の減速歯車機構を有する駆動装置において、前記駆動源には、当該駆動源の回転を第1の減速歯車機構に伝達するはすば歯車からなる駆動源歯車を設け、前記減速歯車機構には、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのはすば歯車が一体となった大歯車部と、当該大歯車部と同軸で一体となったはすば歯車からなる小歯車を設け、前記第1の減速歯車機構における前記大歯車部のうち、一方の大歯車が前記駆動源歯車と噛合い、他方の大歯車は第2の減速歯車機構との間のアイドル歯車と噛合うことにより、前記駆動源の回転を減速歯車機構に伝達するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば減速歯車機構の大歯車を、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのギヤが隣り合ったギヤ(所謂山歯歯車)で構成し、被駆動歯車と駆動歯車をねじれ角度が同じ歯車で噛合わせる事で、各減速歯車機構にスラスト力が働くことによって発生する減速歯車機構の軸を傾けようとするモーメントを必要最小限に抑えることができる。これにより各ギヤの噛合い状態を悪化させること無く、各ギヤの噛合い振動を低減し、安定した感光ドラムを駆動することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施の形態)
以下、本発明第1の実施の形態を図面に従って説明する。図1は画像形成装置10の一例を示す概略図である。同図において、用紙トレイ100は内部に用紙20が積層される。用紙載置板102は用紙トレイ100の内部に設けられた用紙20を積載するため、図示しない支持軸に回動可能となっている。また、前記用紙トレイ100には用紙20の積載位置を規制する図示しないガイド部材が設けられ、用紙の繰出し方向に対し直交する方向の用紙側面と用紙繰出し方向に対し用紙20の積載位置を一定に規制する。リフトアップレバー103は前記用紙載置板102を上下動させるために、図示しない支持軸に回転可能に設けられる。モータ104は前記リフトアップレバー103を駆動するための駆動モータであり、リフトアップレバー103の図示しない支持軸と接離可能に係合される。
【0018】
前記用紙トレイ100の繰出し側には、用紙20を1枚ずつ繰出す用紙繰出し部200が設けられる。上昇検知部201は用紙20がある高さまで上昇したことを検出する。前記用紙繰出し部200には、ある高さまで上昇した用紙20に圧接するよう設けられたピックアップローラ202と、ピックアップローラ202により繰出された用紙20を1枚ずつに分離するフィードローラ203とリタードローラ204のローラ対が設けられる。また、用紙繰出し部200には、用紙20の有無を検知する用紙有無検知部205、用紙残量を検知する用紙残量検知部206が設けられる。
【0019】
用紙搬送部300は、前記用紙繰出し部200より1枚にさばかれて繰出された用紙20を画像形成部400へ搬送する。用紙センサ301は繰出された用紙20を検出する。搬送ローラ対302及び304は繰出された用紙20を搬送する。更に用紙センサ303は搬送ローラ対304を駆動するタイミングを検出し、更に書込みセンサ305は搬送された用紙20を次の画像形成部400へ搬送するタイミングを検出する。
【0020】
画像形成部400は直列に並べられた4つのトナー像形成部430を有する。当該4つのトナー像形成部430は、図中右側からブラックトナー用(K)、イエロートナー用(Y)、マゼンタトナー用(M)、シアントナー用(C)のトナー像形成部430である。画像形成部400は当該トナー像形成部430と、トナー像形成部430により形成されたトナー像を用紙上面にクーロン力により転写する転写部460から成る。
【0021】
前記トナー像形成部430は、トナー像を担持するOPC(Organic Photo Conductor)ドラム31と、OPCドラム31の表面を帯電させる帯電ローラ432と、帯電したOPCドラム31の表面に静電潜像を形成するLEDアレイから成るレーザヘッド433と、静電潜像にトナー像を摩擦帯電により形成する現像ローラ434と、トナーを供給するトナー供給部436からなる。同図ではブラックトナー用のトナー像形成部430Kのみ詳細を図示し、他はOPCドラム31Y、31M、31Cのみ示す。
【0022】
転写部460は用紙20を搬送する無端ベルト461と、図示しない駆動部より回転され前記無端ベルト461を駆動するドライブローラ462と、前記ドライブローラ462に対を成し無端ベルト461を張架するテンションローラ463と、前記トナー像形成部430に対向しOPCドラム31に圧接するよう配置された転写ローラ464と、無端ベルト461上に付着したトナーを掻き取りクリーニングするクリーニングブレード465と、前記クリーニングブレード465により掻き落とされたトナーを堆積するトナーボックス466から成る。
【0023】
定着部500は、転写部460で用紙20上に転写されたトナー像を用紙20に熱と圧力により定着する。当該定着部500は内部に熱源となるハロゲンランプ503を備え、表面を弾性体で形成されたアッパローラ501とロワローラ502のローラ対からなる。504は定着部500で定着された用紙20を排出するための排出ローラ対である。更に、505は印刷された用紙20を堆積するためのスタッカ部である。
【0024】
図2は第1の実施の形態に係るOPCドラム31を駆動するための駆動部を示す斜視図である。駆動源としてのモータ600は、図示しないフレームに保持された4つのOPCドラム31K、31Y、31M、31Cを駆動する。駆動源歯車としてのモータギヤ601は、前記モータ600の回転軸に設けられ、ねじれ方向が左方向のはすばギヤである。減速ギヤ61Kは図示しないフレームとシャフトに回転自在に保持され、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つの隣り合った大ギヤ(両者で所謂山歯歯車を構成する)611K、612Kと、当該大ギヤ611K、612Kと同軸上に歯数やモジュール等の諸元の異なる小ギヤ613Kが一体で構成されている。
【0025】
本実施の形態では外側の大ギヤ611Kが右ねじれのはすば歯車で、内側の大ギヤ612Kが左ねじれのはすば歯車で構成する。当該外側の大ギヤ611Kは前記モータギヤ601と噛合う。減速ギヤ61Kに設けられた小ギヤ613Kは前記OPCドラム31Kに設けられたドラムギヤ36Kと噛合う。他の減速ギヤ61Y、61M、61Cは前記減速ギヤ61Kと同一形状のギヤであり、各小ギヤ613Y、613M、613Cは各OPCドラム31Y、31M、31Cに設けられたドラムギヤ36Y、36M、36Cと噛合うように配置される。
【0026】
アイドルギヤ73はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、前記減速ギヤ61Kから減速ギヤ61Yに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Kの内側の大ギヤ612Kと減速ギヤ61Yの内側の大ギヤ612Yに噛合うように配置される。アイドルギヤ74はねじれ方向が左方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Yから減速ギヤ61Mに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Yの外側の大ギヤ611Yと減速ギヤ61Mの外側の大ギヤ611Mに噛合うように配置される。アイドルギヤ75はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Mから減速ギヤ61Cに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Mの内側の大ギヤ612Mと減速ギヤ61Cの内側の大ギヤ612Cに噛合うように配置される。
【0027】
図3は前記OPCドラム31を駆動するための駆動部を示す平面図である。図4は同じくOPCドラム31を駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。モータギヤ601の回転中心軸と、減速ギヤ61Kの回転中心軸及びアイドルギヤ73の回転中心軸は同一直線上に配置される。同様に、アイドルギヤ73の回転中心軸と、減速ギヤ61Yの回転中心軸及びアイドルギヤ74の回転中心軸は同一直線上に配置される。更に同様に、アイドルギヤ74の回転中心軸と、減速ギヤ61Mの回転中心軸及びアイドルギヤ75の回転中心軸が同一直線上に配置される。従って、各ギヤの噛合い位置は各中心軸を結んだ直線上に略一致する。
【0028】
次に、図1を用いて画像形成装置10の動作を説明する。図1において、用紙トレイ100は画像形成装置10に脱着可能に装着され、内部に用紙20がオペレータにより積層される。用紙トレイ100が画像形成装置10に挿入されるとリフトアップレバー103とモータ104が係合し、図示しない制御部がモータ104を駆動する。リフトアップレバー103が回転することで、リフトアップレバー103の先端部が用紙載置板102の底部を持上げ、用紙載置板102に積載された用紙20が上昇する。用紙20がピックアップローラ202と圧接する高さまで上昇すると、上昇検知部201が用紙20を検知し、図示しない制御部がその検知した情報を基に前記モータ104を停止させる。
【0029】
図示しない画像処理部により画像データが処理され、印刷命令が図示しない制御部に送られる。図示しない駆動モータが前記ピックアップローラ202を駆動し回転する。ピックアップローラ202により繰出された用紙20はフィードローラ203とリタードローラ204のローラ対のニップ位置まで搬送され、1枚ずつに分離される。用紙繰出し部200より1枚にさばかれて繰出された用紙20は用紙搬送部300へ送られる。繰出された用紙20は用紙センサ301を通過し、搬送ローラ対302へ送られる。用紙センサ301の通過時間を基に図示しない制御部により図示しない駆動部が駆動され、搬送ローラ対302は用紙を送り出す。
【0030】
一般的に用紙センサ301を通過した時間から搬送ローラ対302を回転し始める時間を遅らせることで、用紙20は搬送ローラ対302の圧接部に押し込まれ、用紙の斜行を矯正している。搬送ローラ対302より送り出された用紙20は用紙センサ303を通過し、搬送ローラ対304へ送られる。搬送ローラ対304は用紙センサ303を通過した時点から図示しない駆動部により回転され、用紙20を止めること無く送り出す。搬送ローラ対304により送り出された用紙20は書込みセンサ305を通過して画像形成部400へと送られる。
【0031】
画像形成部400では、図示しない画像処理部より送られたデータを基に、画像データがレーザヘッド433からOPCドラム31表面に照射される。これにより帯電ローラ432によって帯電したOPCドラム31の表面に静電潜像を形成する。トナー供給部436から供給されたトナーは、現像ローラ434により、トナー像としてOPCドラム31上に形成される。当該OPCドラム31に担持されたトナー像は、静電吸着されて搬送される用紙20上に転写ローラ464との圧接部で転写される。用紙20を静電吸着して搬送する無端ベルト461は、図示しない駆動部よりドライブローラ462を回転することで走行する。
【0032】
トナー像形成部430KのOPCドラム31Kと無端ベルト461は同期して駆動され、無端ベルト461に静電吸着された用紙20にトナー像を転写する。以下順にOPCドラム31Y、31M、31C上のトナー像は用紙20上に順次重ね合わせて転写される。
【0033】
前記画像形成部400で当該トナー像を転写された用紙20は、定着部500のアッパローラ501とロワローラ502のローラ対で形成されるニップ部に向けて搬送される。アッパローラ501とロワローラ502により、用紙20はトナー像を用紙上に熱と圧力で融着されるとともに排出ローラ対504に向けて搬送され、排出ローラ対504により搬送された用紙20はスタッカ部505に堆積する。
【0034】
次に図2、図3、図4を用いて、OPCドラム31の駆動部の動作を説明する。図4においてモータギヤ601が図示矢印方向(時計方向)に回転することで減速ギヤ61Kが反時計方向に駆動される。減速ギヤ61Kに設けられた小ギヤ613Kがドラムギヤ36Kと噛合い、OPCドラム31Kが時計方向に回転することで画像形成が可能となる。
【0035】
また、モータギヤ601に駆動された減速ギヤ61Kがアイドルギヤ73を介して減速ギヤ61Yを駆動する。同様にして減速ギヤ61Yがアイドルギヤ74を介して減速ギヤ61Mを駆動し、同様にして減速ギヤ61Mがアイドルギヤ75を介して減速ギヤ61Cを駆動する。これにより一つの駆動源であるモータ600により各OPCドラム31が回転される。
【0036】
このとき上記各ギヤははすば歯車で構成されているため、駆動分力としてスラスト方向に力が働く。先ず、減速ギヤ61Kは、図3に示すように右ねじれの大ギヤ611Kと左ねじれのモータギヤ601が噛合い、左ねじれの大ギヤ612Kと右ねじれのアイドルギヤ73が噛合う。被駆動ギヤ部となる大ギヤ611Kと駆動ギヤ部となる大ギヤ612Kのはすば歯のねじれ角度が同じでねじれ方向は逆である。よって、モータギヤ601が図4で示す時計方向に駆動されるため、減速ギヤ61Kの大ギヤ611Kに働くスラスト力は、モータギヤ601との噛合い位置においては図4に示すように奥側に働き、大ギヤ612Kに働くスラスト力も、アイドルギヤ73との噛合い位置において同じく奥側に働く。
【0037】
そのため、大ギヤ611K、612Kに働くスラスト力によって発生する当該減速ギヤ61Kの軸を傾けようとするモーメントは、減速ギヤ61Kにかかる負荷トルクとアイドルギヤ73にかかる負荷トルクの差分を駆動するはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0038】
次の減速ギヤ61Y、61Mにおいても同様に、被駆動ギヤ部となる大ギヤ612Y、611Mと、駆動ギヤ部となる大ギヤ611Y、612Mのねじれ角度が同じでねじれ方向が逆であることで、スラスト力の発生する方向が被駆動ギヤ部と駆動ギヤ部が同じ方向に働き
【0039】
そのギヤにかかる駆動力の差分が駆動するはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0040】
図中左端にある減速ギヤ61Cにおいては、アイドルギヤ75から駆動される被駆動ギヤはあるが、減速ギヤ61Cが駆動する駆動ギヤは存在しない。そのため減速ギヤ61Cの軸を傾けようとするモーメントは、ドラムギヤ36Cの駆動負荷トルク分の駆動力のはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0041】
図3に示すようにOPCドラム31Cの負荷トルクを受けて減速ギヤ61Cの軸周りにトルクが発生し、減速ギヤ61Cを駆動するギヤとなっているアイドルギヤ75との噛合い部に力が発生する。噛合い部には噛合いピッチ円上に負荷トルクから噛合いピッチに接線力が働く。上述のようにギヤがハスバ歯車で構成された場合、そのねじれ角でギヤのスラスト方向の分力が発生することとなる。例えば、減速ギヤ61Cを見たとき、ギヤ61Cとアイドルギヤ75との噛合い部に例えば10Nのスラスト力が発生すると、図3に示すように減速ギヤ61Cには図から見て下方向のスラスト力が発生し、例えば減速ギヤ61C上に示す回転中心A点を軸としたとき、その中心から噛合い部までの距離(r)に10Nを乗じた値のモーメント(10・r(N・m))が発生する。
【0042】
次に,減速ギヤ61Mを見たとき、減速ギヤ61Mとアイドルギヤ75との噛合い部に10Nのスラスト力が図3を見て上方向に発生する。更に減速ギヤ61Mとアイドルギヤ74との噛合い部には,OPCドラム31Cの負荷トルクに加えて,OPCドラム31Mの負荷トルクが発生するために,おおよそ20Nのスラスト力が図3を見て上方向に発生することとなる。このとき減速ギヤ61Mにはアイドルギヤ75から10N、アイドルギヤ74から20Nの同じ方向のスラスト力を受けることとなり,図3に示す減速ギヤ61M上に示した回転中心A点を軸としたとき10Nと20Nの差分に相当するモーメント(10・r(N・m))を受けることとなる。
【0043】
同様に、ギヤ61Yで見た場合には,減速ギヤ61Y上に示した回転中心A点を軸としたとき20Nと30Nの差分に相当するモーメント(10・r(N・m))のみを受ける。更に、ギヤ61Kで見た場合には,減速ギヤ61K上に示した回転中心A点を軸としたとき30Nと40Nの差分に相当するモーメント(10・r(N・m))のみを受けることとなる。このことは前記図10で示した従来の説明に比較し、ギヤの弾性変形やギヤの支持部の変形が発生してしまうためのギヤの傾動を最小限にすることができる。
【0044】
即ち、各減速ギヤ61にスラスト力が働くことによって発生するモーメントは、駆動するドラムギヤ36の駆動負荷トルク分の駆動力のはすば歯のねじれ角度分の分力として発生することになり、減速ギヤ61の軸を傾けようとするモーメントを必要最小限に抑えることができる。よって、各ギヤの噛合い状態を悪化させること無くOPCドラム31を駆動することが可能となる。
【0045】
以上詳細に説明した本発明の第1実施の形態では、複数のOPCドラム31を駆動する減速ギヤ61の大ギヤ611、612を、ねじれ角度が同じでねじれ方向の逆の2つのギヤが隣り合ったギヤ(所謂山歯歯車)で構成し、被駆動ギヤ部と駆動ギヤ部をねじれ角度が同じでねじれ方向が逆のギヤで噛合わせる事で、各減速ギヤ61にスラスト力が働くことによって発生する減速ギヤ61の軸を傾けようとするモーメントを必要最小限に抑えることができ、各ギヤの噛合い振動を低減することが可能となる。結果として、例えば、カラー画像形成装置における各ギヤの噛合い振動に起因する画像むら等の無い、高画質の画像形成装置を実現することができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の構成を図面に従って説明する。第2の実施の形態は前記第1の実施の形態に対して、モータ600に設けられたモータギヤ601のねじれ方向及び該モータギヤ601が噛合う位置が異なる。即ち、モータギヤ601のねじれ方向は右ねじれであり、モータギヤ601はアイドルギヤ74と噛合うように配置される。第2の実施の形態に係る画像形成装置10の構成については前記第1の実施の形態と同様であるので、前記図1の説明を援用する。
【0047】
図5は第2の実施の形態に係る前記OPCドラム31を駆動するための駆動部を示す平面図である。モータ600は図示しないフレームに保持された4つのOPCドラム31K、31Y、31M、31Cを駆動する。モータギヤ601はモータ600に設けられ、ねじれ方向が右方向のはすばギヤである。減速ギヤ61Yは図示しないフレームとシャフトに回転自在に保持され、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つの隣り合った大ギヤ(両者で所謂山歯歯車を構成する)611Y、612Yと、当該大ギヤ611Y、612Yと同軸上に歯数やモジュール等の諸元の異なる小ギヤ613Yが一体で構成されている。
【0048】
本実施の形態では外側の大ギヤ611Yが右ねじれのはすば歯車で、内側の大ギヤ612Yが左ねじれのはすば歯車で構成する。減速ギヤ61Yに設けられた小ギヤ613Yは前記OPCドラム31Yに設けられたドラムギヤ36Yと噛合う。他の減速ギヤ61K、61M、61Cは前記減速ギヤ61Yと同一形状のギヤであり、各小ギヤ613K、613M、613Cは各OPCドラム31K、31M、31Cに設けられたドラムギヤ36K、36M、36Cと噛合うように配置される。
【0049】
中央のアイドルギヤ74はねじれ方向が左方向のはすば歯車であり、前記モータギヤ601と噛合う。当該アイドルギヤ74は前記減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Yの外側の大ギヤ611Yと、減速ギヤ61Mの外側の大ギヤ611Mに噛合うように配置される。
【0050】
右側のアイドルギヤ73はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Yから減速ギヤ61Kに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Yの内側の大ギヤ612Yと、減速ギヤ61Kの内側の大ギヤ612Kに噛合うように配置される。
【0051】
左側のアイドルギヤ75はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Mから減速ギヤ61Cに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Mの内側の大ギヤ612Mと、減速ギヤ61Cの内側の大ギヤ612Cに噛合うように配置される。
【0052】
図6はOPCドラム31を駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。アイドルギヤ74の回転中心軸と、減速ギヤ61Yの回転中心軸及びアイドルギヤ73の回転中心軸は同一直線上に配置される。同様に、アイドルギヤ74の回転中心軸と、減速ギヤ61Mの回転中心軸及びアイドルギヤ75の回転中心軸が同一直線上に配置される。従って、各ギヤの噛合い位置は各中心軸を結んだ直線上に略一致する。
【0053】
次に第2の実施の形態の動作について説明する。図6においてモータギヤ601が図示矢印方向(反時計方向)に回転することで、アイドルギヤ74が時計方向に駆動され、アイドルギヤ74と噛合う減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動される。減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動されると、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mに設けられた小ギヤ613Y及び小ギヤ613Mがドラムギヤ36Y及びドラムギヤ36Mと噛合い、OPCドラム31Y及びOPCドラム31Mが時計方向に回転することで画像形成が可能となる。
【0054】
減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動されると、アイドルギヤ73及びアイドルギヤ75を介して減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cに駆動が伝達される。これにより一つの駆動源であるモータ600により各OPCドラム31が回転される。このとき上記各ギヤははすば歯車で構成されているため駆動分力としてスラスト方向に力が働く。
【0055】
図5に示すように、前記中央のアイドルギヤ74と減速ギヤ61Yは、左ねじれのアイドルギヤ74が右ねじれの大ギヤ611Yと噛合う。また、当該アイドルギヤ74と減速ギヤ61Mは、当該左ねじれのアイドルギヤ74が右ねじれの大ギヤ611Mと噛合う。
【0056】
アイドルギヤ74が図6に示すように時計方向に駆動されるため、減速ギヤ61Yの大ギヤ611Yに働くスラスト力は、アイドルギヤ74との噛合い位置においては図6から見て奥側に働き、アイドルギヤ73との噛合い位置においても奥側に働く。同様に、減速ギヤ61Mの大ギヤ611Mに働くスラスト力は、アイドルギヤ74との噛合い位置においては図6から見て奥側に働き、アイドルギヤ75との噛合い位置においても奥側に働く。
【0057】
そのため大ギヤ611Y、612Y、611M、612Mに働くスラスト力によって発生する減速ギヤ61Y及び61Mの軸を傾けようとするモーメントは、減速ギヤ61Y及び61Mにかかる負荷トルクとアイドルギヤ73及びアイドルギヤ75にかかる負荷トルクの差分を駆動するはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0058】
図中両端の減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cにおいては、アイドルギヤ73及びアイドルギヤ75から駆動される被駆動ギヤはあるが、減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cが駆動するギヤは存在しない。そのため減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cの軸を傾けようとするモーメントは,ドラムギヤ36K及びドラムギヤ36Cの駆動負荷トルク分の駆動力のはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0059】
図5に示すように、左端のOPCドラム36Cの負荷トルクを受けて減速ギヤ61Cの軸周りにトルクが発生し、減速ギヤ61Cを駆動するギヤになっているアイドルギヤ74との噛合い部に力が発生する。当該噛合い部には噛合いピッチ円上に負荷トルクから噛合いピッチに接線力が働く。上述のようにギヤがはすば歯車で構成された場合、そのねじれ角でギヤのスラスト方向の分力が発生することとなる。例えば、減速ギヤ61Cを見たとき、減速ギヤ61Cとアイドルギヤ74との噛合い部に例えば10Nのスラスト力が発生すると、図5に示すように減速ギヤ61Cには図から見て下方向のスラスト力が発生し、減速ギヤ61C上に示す回転中心A点を軸としたとき、その中心から噛合い部までの距離(r)に10Nを乗じた値のモーメント(10・r(N・m))が発生する。
【0060】
次に減速ギヤ61Mを見たとき、当該減速ギヤ61Mと前記アイドルギヤ75との噛合い部に10Nのスラスト力が図を見て上方向に発生する。減速ギヤ61Mとアイドルギヤ74との噛合い部には、OPCドラム31Cの負荷トルクに加えてOPCドラム31Mの負荷トルクが発生するために、おおよそ20Nのスラスト力が図を見て上方向に発生することとなる。このとき減速ギヤ61Mにはアイドルギヤ75から10N、アイドルギヤ74から20Nの同じ方向のスラスト力を受けることとなり、図5に示す減速ギヤ61M上に示した回転中心A点を軸としたとき10Nと20Nの差分に相当するモーメント(10・r(N・m))を受けることとなる。減速ギヤ61Y、61Kについても、同様に回転中心A点を軸としたときモーメント(10・r(N・m))を受けることとなる。
【0061】
上記のようにアイドルギヤ74によって、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mを駆動し、当該減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mの下流側の負荷を分散することで、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mにかかる負荷トルクが減少し、減速ギヤ61の大ギヤ611、612の歯にかかかる力が低減できる。更に、前記第1の実施の形態と同様にはすば歯車によるスラスト力が低減できる。このため、減速ギヤ61の弾性変形によるギヤの噛合い状態の悪化を抑えることができる。
【0062】
以上詳細に説明した本発明の第2の実施の形態ではアイドルギヤ74で減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mを駆動し、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mの下流側の負荷を分散することで、減速ギヤ61の大ギヤ611、612の歯にかかる力やはすば歯車によるスラスト力が低減できる。このため、強度を確保するために必要以上に歯幅を増加させたり減速ギヤ61の大ギヤ611、612部に補強リブを配置する必要がなくなる。よって安価で且つ振動の少ない駆動装置を提供することが可能になる。結果として、小型且つ低コストな画像むら等の無い、高画質の画像形成装置を実現することができる。
【0063】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態の構成を図面に従って説明する。第3の実施の形態は前記第2の実施の形態に比較し、OPCドラム31を駆動するためのモータ600に設けられたモータギヤ601のねじれ方向及び当該モータギヤ601と噛合うアイドルギヤ74が異なる。即ち、モータギヤ601のねじれ方向は左ねじれで構成される。前記アイドルギヤ74はねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのアイドルギヤ74−1、74−2が一体で構成される。第3の実施の形態に係る画像形成装置10の構成については前記第1の実施の形態と同様であるので、前記図1の説明を援用する。
【0064】
図7は第3の実施の形態に係るOPCドラム31を駆動するための駆動部を示す斜視図であり、図8は同じくOPCドラム31を駆動するための駆動部を示す平面図である。モータ600は図示しないフレームに保持された4つのOPCドラム31K、31Y、31M、31Cを駆動する。モータギヤ601はモータ600に設けられ、ねじれ方向が左方向のはすばギヤである。減速ギヤ61Yは図示しないフレームとシャフトに回転自在に保持され、ねじれ角度が同じでねじれ方向の逆の2つの隣り合った大ギヤ(両者で所謂山歯歯車を構成する)611Y、612Yと、同軸上に歯数やモジュール等の諸元の異なる小ギヤ613Yが一体で構成されている。
【0065】
本実施の形態では外側の大ギヤ611Yが右ねじれのはすば歯車で、内側の大ギヤ612Yが左ねじれのはすば歯車で構成する。減速ギヤ61Yに設けられた小ギヤ613Yは前記OPCドラム31Yに設けられたドラムギヤ36Yと噛合う。他の減速ギヤ61K、61M、61Cは前記減速ギヤ61Yと同一形状のギヤであり、各小ギヤ613K、613M、613Cは各OPCドラム31K、31M、31Cに設けられたドラムギヤ36K、36M、36Cと噛合うように配置される。
【0066】
前記アイドルギヤ74はねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのはすば歯車であるアイドルギヤ74−1とアイドルギヤ74−2が一体で構成される。右ねじれのギヤ74−1と前記モータギヤ601が噛合う。更に、当該アイドルギヤ74は前記減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mに駆動を伝達するため、左ねじれのギヤ74−2と減速ギヤ61Yの右ねじれの大ギヤ611Yが噛合い、同じく左ねじれのギヤ74−2と減速ギヤ61Mの右ねじれの大ギヤ611Mが噛合うように配置される。
【0067】
アイドルギヤ73はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Yから減速ギヤ61Kに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Yの内側の大ギヤ612Yと減速ギヤ61Kの内側の大ギヤ612Kに噛合うように配置される。
【0068】
アイドルギヤ75はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Mから減速ギヤ61Cに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Mの内側の大ギヤ612Mと減速ギヤ61Cの内側の大ギヤ612Cに噛合うように配置される。
【0069】
図9はOPCドラム31を駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。アイドルギヤ74の回転中心軸と、減速ギヤ61Yの回転中心軸及びアイドルギヤ73の回転中心軸は同一直線上に配置される。同様に、アイドルギヤ74の回転中心軸と、減速ギヤ61Mの回転中心軸及びアイドルギヤ75の回転中心軸が同一直線上に配置される。従って、各ギヤの噛合い位置は各中心軸を結んだ直線上に略一致する。
【0070】
次に、第3の実施の形態の動作について説明する。図9においてモータギヤ601が図示矢印方向(反時計方向)に回転することで、当該モータギヤ601と噛合う右ねじれのアイドルギヤ74−1が時計方向に駆動される。右ねじれのアイドルギヤ74−1が駆動されると、左ねじれのアイドルギヤ74−2と噛合う減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動される。減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動されると、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mに設けられた小ギヤ613Y及び小ギヤ613Mがドラムギヤ36Y及びドラムギヤ36Mと噛合い、OPCドラム31Y及びOPCドラム31Mが時計方向に回転することで画像形成が可能となる。
【0071】
減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動されると、アイドルギヤ73及びアイドルギヤ75を介して減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cに駆動が伝達される。これにより一つの駆動源であるモータ600により各OPCドラム31が回転される。このとき上記各ギヤははすば歯車で構成されているため駆動分力としてスラスト方向に力が働く。
【0072】
中央のアイドルギヤ74の右ねじれのアイドルギヤ74−1とモータギヤ601の噛合い位置においては、図9で見たときアイドルギヤ74に働くスラスト力は手前方向に働く。アイドルギヤ74−2と減速ギヤ61Y及びアイドルギヤ74−2と減速ギヤ61Mの噛合い位置においても図9から見て手前方向に働く。そのためアイドルギヤ74に働くスラスト力によって発生するアイドルギヤ74軸を傾けようとするモーメントは、前記第2の実施の形態の構成に比較して低減される。
【0073】
また、アイドルギヤ74をモータギヤ601と噛合うアイドルギヤ74−1部分と、減速ギヤ61Y、61Mと噛合うアイドルギヤ74−2部分を分けることで、アイドルギヤ74の歯の噛合い回数を減少させることができ、アイドルギヤ74の長寿命化が可能になる。
【0074】
前記第2の実施の形態と同様に、図9に示すように、アイドルギヤ74が時計方向に駆動されることにより、減速ギヤ61Yの大ギヤ611Yに働くスラスト力は、アイドルギヤ74−2との噛合い位置においては図9から見て奥側に働き、アイドルギヤ73との噛合い位置においても奥側に働く。同様に、減速ギヤ61Mの大ギヤ611Mに働くスラスト力は、アイドルギヤ74−2との噛合い位置においては図9から見て奥側に働き、アイドルギヤ75との噛合い位置においても奥側に働く。
【0075】
そのため大ギヤ611Y、612Y、611M、612Mに働くスラスト力によって発生する減速ギヤ61Y及び61Mの軸を傾けようとするモーメントは、減速ギヤ61Y及び61Mにかかる負荷トルクとアイドルギヤ73及びアイドルギヤ75にかかる負荷トルクの差分を駆動するはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0076】
図中両端の減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cにおいては、アイドルギヤ73及びアイドルギヤ75から駆動される被駆動ギヤはあるが、減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cが駆動するギヤは存在しない。そのため減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cの軸を傾けようとするモーメントは,ドラムギヤ36K及びドラムギヤ36Cの駆動負荷トルク分の駆動力のはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0077】
なお、図8に示すように、減速ギヤ61K、61Y、61M、61C上のスラスト力による回転中心A点を軸とするモーメントについては、前記第2の実施の形態の図5に示す説明と同様であるので、前記第2の実施の形態の説明を援用する。
【0078】
上記のようにアイドルギヤ74−2で減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mを駆動し、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mの下流側の負荷を分散することで、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mにかかる負荷トルクが減少し、減速ギヤ61の大ギヤ611、612の歯にかかかる力が低減できる。更に、第1の実施の形態と同様にはすば歯車によるスラスト力が低減できる。このため、減速ギヤ61の弾性変形によるギヤの噛合い状態の悪化を抑えることができる。
【0079】
以上詳細に説明したように第3の実施の形態では、アイドルギヤ74はねじれ方向が逆の2つのギヤが一体で構成され、モータギヤ601と噛合うギヤ部と、減速ギヤ61と噛合うギヤ部を分けることで駆動トルクの集中するアイドルギヤ74の歯の噛合い回数を減少させることができ、長寿命で且つ振動の少ない駆動装置を提供することが可能になる。結果として、長寿命な画像むら等の無い、高画質の画像形成装置を実現することができる。
【0080】
本発明は歯車を用いた駆動装置に関するものであり、特に高精度を要する複写機やプリンタ等の画像形成装置における、感光体ドラムに使用するのに適した駆動装置に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図2】第1の実施の形態のOPCドラムを駆動するための駆動部を示す斜視図である。
【図3】同じくOPCドラムを駆動するための駆動部を示す平面図である。
【図4】同じくOPCドラムを駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。
【図5】第2の実施の形態のOPCドラムを駆動するための駆動部を示す平面図である。
【図6】同じくOPCドラムを駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。
【図7】第3の実施の形態のOPCドラムを駆動するための駆動部を示す斜視図である。
【図8】同じくOPCドラムを駆動するための駆動部を示す平面図である。
【図9】同じくOPCドラムを駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。
【図10】従来のOPCドラムを駆動するための駆動部を示す斜視図である。
【図11】従来のOPCドラムを駆動するための駆動部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0082】
31 OPCドラム
36 ドラムギヤ
61 減速ギヤ
73、74、75 アイドルギヤ
600 モータ
601 モータギヤ
611、612 大ギヤ
613 小ギヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、特にタンデム型カラー電子写真式に使用している複数の感光ドラムを有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスのカラー指向に対応して、タンデム型カラー電子写真式画像記録装置が登場してきた。この種の画像形成装置において、感光ドラムに画像露光を行って画像を形成する場合には、駆動する歯車の噛合い振動により僅かな回転むらが感光ドラムに生じても画像にピッチむらを生じ、特にカラー画像を形成する場合は敏感に色調むらとなって現れるため、画質向上の観点からはこれが問題となっている。従来、この歯車の噛合い振動による感光ドラムの回転むらを低減する方法としては、歯車の精度を高めたり、平歯車をはすば歯車に変更を行う方法などが知られている。
【特許文献1】特開平10−161477公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来例では、歯車の噛合い振動の原因は、歯車が噛合うときに噛合い状態にある歯の枚数が変化し、その枚数差による歯車間の歯のばね剛性の変化に大きく起因している。そのため、上記のように歯車精度を高めるだけでは、歯車の噛合い状態にある歯の枚数の差は変わらないので、噛合い振動の低減には十分でないという問題がある。
【0004】
また、平歯車をはすば歯車に変更すると歯車の噛合い率が大きくなり、噛合い振動に対して効果を発揮するが、駆動反力がスラスト方向に発生してしまうため歯車自体を変形させたり歯車を保持する軸を傾けようとする力が働き、噛合い状態を悪化させてしまい、結果的に噛合い振動が大きくなってしまう。また、歯車を保持する軸を傾けようとする力が働くことで歯車の軸受け部に大きなラジアル荷重がかかってしまい磨耗を早めてしまうという問題がある。
【0005】
ここで、図10及び図11を用いて歯車を保持する軸を傾けようとする力について説明する。図10は従来の画像形成部に備えるOPCドラムを駆動するための駆動部を示した斜視図である。図11は従来の画像形成部に備えるOPCドラムを駆動するための駆動部を示す平面図である。600は図示せぬフレームに保持された4つのOPCドラム31を駆動するためのモータである。601はモータ600に備えたモータギヤであり、ねじれ方向が右方向のはすば歯車で構成される。61Kは図示せぬフレームとシャフトに回転自在に保持された減速ギヤである。当該減速ギヤ61Kは、前記モータギヤ601とねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の大ギヤ611Kと、前記大ギヤと同軸上に歯数やモジュール等の諸元の異なる小ギヤ613Kが一体で構成されている。減速ギヤ61Kに備えた小ギヤ613KはOPCドラム31Kに備えたギヤ36Kと噛合う。
【0006】
他の減速ギヤ61Y、61M、61Cは前記減速ギヤ61Kと同一のギヤであり、各OPCドラム31に備えた36Y、36M、36Cと噛合うように配置される。73、74、75は減速ギヤ61Kから減速ギヤ61Y、減速ギヤ61Yから減速ギヤ61M、減速ギヤ61Mから減速ギヤ61Cに駆動を伝達するためのアイドルギヤである。当該アイドルギヤ73、74、75は各減速ギヤ61の大ギヤ611と噛合うように配置され、ねじれ方向が右方向のはすば歯車で構成される。
【0007】
図11に示すようにOPCドラム31Cに注目したとき、OPCドラム31Cのギヤ36Cには負荷トルクが存在する。その負荷トルクを回転させるために上記モータ600から動力を受けて減速ギヤ61Cの軸周りにトルクが発生する。減速ギヤ61Cに発生するトルクは減速ギヤ61Cにはアイドルギヤ75との噛合い部に噛合いピッチ円上に接線力が働く事で伝達される。上述のようにギヤがハスバ歯車で構成されている場合、減速ギヤ61Cにはアイドルギヤ75との噛合い部に働く接線力の方向と噛合うギヤの歯面はある角度(ハスバ歯車のねじれ角)を生じて噛合っているため噛合うギヤ同士にスラスト方向の分力が発生することとなる。
【0008】
減速ギヤ61Cを見たとき、ギヤ61Cとアイドルギヤ75との噛合い部に例えば10Nのスラスト力が発生すると、図11に示すように減速ギヤ61Cには図から見て下方向のスラスト力が発生し、例えば回転中心A点を軸としたとき、その中心から噛合い部までの距離(r)に10Nを乗じた値のモーメント(10・r(N・m))が発生する。
【0009】
次に減速ギヤ61Mを見たとき、減速ギヤ61Mとアイドルギヤ75の噛合い部にも同様に10Nのスラスト力が発生する。当該減速ギヤ61Mとアイドルギヤ74との噛合い部には、OPCドラム36Cの負荷トルクに加えてOPCドラム36Mの負荷トルクが発生するため、おおよそ20Nのスラスト力が発生することとなる。
【0010】
このとき減速ギヤ61Mにはアイドルギヤ75から10N、アイドルギヤ74から20Nの異なる方向のスラスト力を受けることとなり、図11に示す減速ギヤ61M上に示す回転中心A点から見たときに、10Nと20Nの合力に相当するモーメント(30・r(N・m))を受けることとなる。
【0011】
同様に、減速ギヤ61Yで見た場合には、減速ギヤ61Y上に示す回転中心A点から見たときに、20Nと30Nの合力に相当する大きなモーメント(50・r(N・m))を受けることとなる。更に、減速ギヤ61Kで見た場合には、減速ギヤ61K上に示す回転中心A点から見たときに、30Nと40Nの合力に相当する大きなモーメント(70・r(N・m))を受けることとなり、ギヤの弾性変形やギヤの支持部の変形が発生してしまう。そのため、ギヤの噛合い状態を悪化させ、振動を発生させてしまったり送りムラの原因となってしまう。
【0012】
一方、はすば歯車のスラスト力を低減するために、ねじれ方向が逆のはすば歯車2枚を一体とした山歯歯車を使用することが考えられたが、山歯歯車の効果を出すには、ねじれ方向が逆の歯車同士の精度を高くする必要があり、また軸への歯車の取付け精度も高くする必要があり画像形成装置等の樹脂形成歯車を使用する分野では実使用は困難であった。
【0013】
また、特開平10−161477においてねじれ方向が互いに逆の2枚のはすば歯車間に減衰部材を挟んだ構造の歯車体が提案されているが、構成部品が増加するため組み立てが複雑になったり減衰材を必要とするためコストアップの要因となってしまうという問題がある。
【0014】
本発明は複数の感光ドラムを一つの駆動源で駆動する歯車伝達装置において、感光ドラムを駆動するギヤの噛合い状態を悪化させることなく駆動ギヤ列を構成し、感光ドラムの回転むらを低減し安定した駆動伝達を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、特許請求の範囲の請求項1に記載の手段は、駆動源からの回転を複数の被駆動歯車に伝達する複数の減速歯車機構を有する駆動装置において、前記駆動源には、当該駆動源の回転を第1の減速歯車機構に伝達するはすば歯車からなる駆動源歯車を設け、前記減速歯車機構には、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのはすば歯車が一体となった大歯車部と、当該大歯車部と同軸で一体となったはすば歯車からなる小歯車を設け、前記第1の減速歯車機構における前記大歯車部のうち、一方の大歯車が前記駆動源歯車と噛合い、他方の大歯車は第2の減速歯車機構との間のアイドル歯車と噛合うことにより、前記駆動源の回転を減速歯車機構に伝達するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば減速歯車機構の大歯車を、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのギヤが隣り合ったギヤ(所謂山歯歯車)で構成し、被駆動歯車と駆動歯車をねじれ角度が同じ歯車で噛合わせる事で、各減速歯車機構にスラスト力が働くことによって発生する減速歯車機構の軸を傾けようとするモーメントを必要最小限に抑えることができる。これにより各ギヤの噛合い状態を悪化させること無く、各ギヤの噛合い振動を低減し、安定した感光ドラムを駆動することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施の形態)
以下、本発明第1の実施の形態を図面に従って説明する。図1は画像形成装置10の一例を示す概略図である。同図において、用紙トレイ100は内部に用紙20が積層される。用紙載置板102は用紙トレイ100の内部に設けられた用紙20を積載するため、図示しない支持軸に回動可能となっている。また、前記用紙トレイ100には用紙20の積載位置を規制する図示しないガイド部材が設けられ、用紙の繰出し方向に対し直交する方向の用紙側面と用紙繰出し方向に対し用紙20の積載位置を一定に規制する。リフトアップレバー103は前記用紙載置板102を上下動させるために、図示しない支持軸に回転可能に設けられる。モータ104は前記リフトアップレバー103を駆動するための駆動モータであり、リフトアップレバー103の図示しない支持軸と接離可能に係合される。
【0018】
前記用紙トレイ100の繰出し側には、用紙20を1枚ずつ繰出す用紙繰出し部200が設けられる。上昇検知部201は用紙20がある高さまで上昇したことを検出する。前記用紙繰出し部200には、ある高さまで上昇した用紙20に圧接するよう設けられたピックアップローラ202と、ピックアップローラ202により繰出された用紙20を1枚ずつに分離するフィードローラ203とリタードローラ204のローラ対が設けられる。また、用紙繰出し部200には、用紙20の有無を検知する用紙有無検知部205、用紙残量を検知する用紙残量検知部206が設けられる。
【0019】
用紙搬送部300は、前記用紙繰出し部200より1枚にさばかれて繰出された用紙20を画像形成部400へ搬送する。用紙センサ301は繰出された用紙20を検出する。搬送ローラ対302及び304は繰出された用紙20を搬送する。更に用紙センサ303は搬送ローラ対304を駆動するタイミングを検出し、更に書込みセンサ305は搬送された用紙20を次の画像形成部400へ搬送するタイミングを検出する。
【0020】
画像形成部400は直列に並べられた4つのトナー像形成部430を有する。当該4つのトナー像形成部430は、図中右側からブラックトナー用(K)、イエロートナー用(Y)、マゼンタトナー用(M)、シアントナー用(C)のトナー像形成部430である。画像形成部400は当該トナー像形成部430と、トナー像形成部430により形成されたトナー像を用紙上面にクーロン力により転写する転写部460から成る。
【0021】
前記トナー像形成部430は、トナー像を担持するOPC(Organic Photo Conductor)ドラム31と、OPCドラム31の表面を帯電させる帯電ローラ432と、帯電したOPCドラム31の表面に静電潜像を形成するLEDアレイから成るレーザヘッド433と、静電潜像にトナー像を摩擦帯電により形成する現像ローラ434と、トナーを供給するトナー供給部436からなる。同図ではブラックトナー用のトナー像形成部430Kのみ詳細を図示し、他はOPCドラム31Y、31M、31Cのみ示す。
【0022】
転写部460は用紙20を搬送する無端ベルト461と、図示しない駆動部より回転され前記無端ベルト461を駆動するドライブローラ462と、前記ドライブローラ462に対を成し無端ベルト461を張架するテンションローラ463と、前記トナー像形成部430に対向しOPCドラム31に圧接するよう配置された転写ローラ464と、無端ベルト461上に付着したトナーを掻き取りクリーニングするクリーニングブレード465と、前記クリーニングブレード465により掻き落とされたトナーを堆積するトナーボックス466から成る。
【0023】
定着部500は、転写部460で用紙20上に転写されたトナー像を用紙20に熱と圧力により定着する。当該定着部500は内部に熱源となるハロゲンランプ503を備え、表面を弾性体で形成されたアッパローラ501とロワローラ502のローラ対からなる。504は定着部500で定着された用紙20を排出するための排出ローラ対である。更に、505は印刷された用紙20を堆積するためのスタッカ部である。
【0024】
図2は第1の実施の形態に係るOPCドラム31を駆動するための駆動部を示す斜視図である。駆動源としてのモータ600は、図示しないフレームに保持された4つのOPCドラム31K、31Y、31M、31Cを駆動する。駆動源歯車としてのモータギヤ601は、前記モータ600の回転軸に設けられ、ねじれ方向が左方向のはすばギヤである。減速ギヤ61Kは図示しないフレームとシャフトに回転自在に保持され、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つの隣り合った大ギヤ(両者で所謂山歯歯車を構成する)611K、612Kと、当該大ギヤ611K、612Kと同軸上に歯数やモジュール等の諸元の異なる小ギヤ613Kが一体で構成されている。
【0025】
本実施の形態では外側の大ギヤ611Kが右ねじれのはすば歯車で、内側の大ギヤ612Kが左ねじれのはすば歯車で構成する。当該外側の大ギヤ611Kは前記モータギヤ601と噛合う。減速ギヤ61Kに設けられた小ギヤ613Kは前記OPCドラム31Kに設けられたドラムギヤ36Kと噛合う。他の減速ギヤ61Y、61M、61Cは前記減速ギヤ61Kと同一形状のギヤであり、各小ギヤ613Y、613M、613Cは各OPCドラム31Y、31M、31Cに設けられたドラムギヤ36Y、36M、36Cと噛合うように配置される。
【0026】
アイドルギヤ73はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、前記減速ギヤ61Kから減速ギヤ61Yに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Kの内側の大ギヤ612Kと減速ギヤ61Yの内側の大ギヤ612Yに噛合うように配置される。アイドルギヤ74はねじれ方向が左方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Yから減速ギヤ61Mに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Yの外側の大ギヤ611Yと減速ギヤ61Mの外側の大ギヤ611Mに噛合うように配置される。アイドルギヤ75はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Mから減速ギヤ61Cに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Mの内側の大ギヤ612Mと減速ギヤ61Cの内側の大ギヤ612Cに噛合うように配置される。
【0027】
図3は前記OPCドラム31を駆動するための駆動部を示す平面図である。図4は同じくOPCドラム31を駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。モータギヤ601の回転中心軸と、減速ギヤ61Kの回転中心軸及びアイドルギヤ73の回転中心軸は同一直線上に配置される。同様に、アイドルギヤ73の回転中心軸と、減速ギヤ61Yの回転中心軸及びアイドルギヤ74の回転中心軸は同一直線上に配置される。更に同様に、アイドルギヤ74の回転中心軸と、減速ギヤ61Mの回転中心軸及びアイドルギヤ75の回転中心軸が同一直線上に配置される。従って、各ギヤの噛合い位置は各中心軸を結んだ直線上に略一致する。
【0028】
次に、図1を用いて画像形成装置10の動作を説明する。図1において、用紙トレイ100は画像形成装置10に脱着可能に装着され、内部に用紙20がオペレータにより積層される。用紙トレイ100が画像形成装置10に挿入されるとリフトアップレバー103とモータ104が係合し、図示しない制御部がモータ104を駆動する。リフトアップレバー103が回転することで、リフトアップレバー103の先端部が用紙載置板102の底部を持上げ、用紙載置板102に積載された用紙20が上昇する。用紙20がピックアップローラ202と圧接する高さまで上昇すると、上昇検知部201が用紙20を検知し、図示しない制御部がその検知した情報を基に前記モータ104を停止させる。
【0029】
図示しない画像処理部により画像データが処理され、印刷命令が図示しない制御部に送られる。図示しない駆動モータが前記ピックアップローラ202を駆動し回転する。ピックアップローラ202により繰出された用紙20はフィードローラ203とリタードローラ204のローラ対のニップ位置まで搬送され、1枚ずつに分離される。用紙繰出し部200より1枚にさばかれて繰出された用紙20は用紙搬送部300へ送られる。繰出された用紙20は用紙センサ301を通過し、搬送ローラ対302へ送られる。用紙センサ301の通過時間を基に図示しない制御部により図示しない駆動部が駆動され、搬送ローラ対302は用紙を送り出す。
【0030】
一般的に用紙センサ301を通過した時間から搬送ローラ対302を回転し始める時間を遅らせることで、用紙20は搬送ローラ対302の圧接部に押し込まれ、用紙の斜行を矯正している。搬送ローラ対302より送り出された用紙20は用紙センサ303を通過し、搬送ローラ対304へ送られる。搬送ローラ対304は用紙センサ303を通過した時点から図示しない駆動部により回転され、用紙20を止めること無く送り出す。搬送ローラ対304により送り出された用紙20は書込みセンサ305を通過して画像形成部400へと送られる。
【0031】
画像形成部400では、図示しない画像処理部より送られたデータを基に、画像データがレーザヘッド433からOPCドラム31表面に照射される。これにより帯電ローラ432によって帯電したOPCドラム31の表面に静電潜像を形成する。トナー供給部436から供給されたトナーは、現像ローラ434により、トナー像としてOPCドラム31上に形成される。当該OPCドラム31に担持されたトナー像は、静電吸着されて搬送される用紙20上に転写ローラ464との圧接部で転写される。用紙20を静電吸着して搬送する無端ベルト461は、図示しない駆動部よりドライブローラ462を回転することで走行する。
【0032】
トナー像形成部430KのOPCドラム31Kと無端ベルト461は同期して駆動され、無端ベルト461に静電吸着された用紙20にトナー像を転写する。以下順にOPCドラム31Y、31M、31C上のトナー像は用紙20上に順次重ね合わせて転写される。
【0033】
前記画像形成部400で当該トナー像を転写された用紙20は、定着部500のアッパローラ501とロワローラ502のローラ対で形成されるニップ部に向けて搬送される。アッパローラ501とロワローラ502により、用紙20はトナー像を用紙上に熱と圧力で融着されるとともに排出ローラ対504に向けて搬送され、排出ローラ対504により搬送された用紙20はスタッカ部505に堆積する。
【0034】
次に図2、図3、図4を用いて、OPCドラム31の駆動部の動作を説明する。図4においてモータギヤ601が図示矢印方向(時計方向)に回転することで減速ギヤ61Kが反時計方向に駆動される。減速ギヤ61Kに設けられた小ギヤ613Kがドラムギヤ36Kと噛合い、OPCドラム31Kが時計方向に回転することで画像形成が可能となる。
【0035】
また、モータギヤ601に駆動された減速ギヤ61Kがアイドルギヤ73を介して減速ギヤ61Yを駆動する。同様にして減速ギヤ61Yがアイドルギヤ74を介して減速ギヤ61Mを駆動し、同様にして減速ギヤ61Mがアイドルギヤ75を介して減速ギヤ61Cを駆動する。これにより一つの駆動源であるモータ600により各OPCドラム31が回転される。
【0036】
このとき上記各ギヤははすば歯車で構成されているため、駆動分力としてスラスト方向に力が働く。先ず、減速ギヤ61Kは、図3に示すように右ねじれの大ギヤ611Kと左ねじれのモータギヤ601が噛合い、左ねじれの大ギヤ612Kと右ねじれのアイドルギヤ73が噛合う。被駆動ギヤ部となる大ギヤ611Kと駆動ギヤ部となる大ギヤ612Kのはすば歯のねじれ角度が同じでねじれ方向は逆である。よって、モータギヤ601が図4で示す時計方向に駆動されるため、減速ギヤ61Kの大ギヤ611Kに働くスラスト力は、モータギヤ601との噛合い位置においては図4に示すように奥側に働き、大ギヤ612Kに働くスラスト力も、アイドルギヤ73との噛合い位置において同じく奥側に働く。
【0037】
そのため、大ギヤ611K、612Kに働くスラスト力によって発生する当該減速ギヤ61Kの軸を傾けようとするモーメントは、減速ギヤ61Kにかかる負荷トルクとアイドルギヤ73にかかる負荷トルクの差分を駆動するはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0038】
次の減速ギヤ61Y、61Mにおいても同様に、被駆動ギヤ部となる大ギヤ612Y、611Mと、駆動ギヤ部となる大ギヤ611Y、612Mのねじれ角度が同じでねじれ方向が逆であることで、スラスト力の発生する方向が被駆動ギヤ部と駆動ギヤ部が同じ方向に働き
【0039】
そのギヤにかかる駆動力の差分が駆動するはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0040】
図中左端にある減速ギヤ61Cにおいては、アイドルギヤ75から駆動される被駆動ギヤはあるが、減速ギヤ61Cが駆動する駆動ギヤは存在しない。そのため減速ギヤ61Cの軸を傾けようとするモーメントは、ドラムギヤ36Cの駆動負荷トルク分の駆動力のはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0041】
図3に示すようにOPCドラム31Cの負荷トルクを受けて減速ギヤ61Cの軸周りにトルクが発生し、減速ギヤ61Cを駆動するギヤとなっているアイドルギヤ75との噛合い部に力が発生する。噛合い部には噛合いピッチ円上に負荷トルクから噛合いピッチに接線力が働く。上述のようにギヤがハスバ歯車で構成された場合、そのねじれ角でギヤのスラスト方向の分力が発生することとなる。例えば、減速ギヤ61Cを見たとき、ギヤ61Cとアイドルギヤ75との噛合い部に例えば10Nのスラスト力が発生すると、図3に示すように減速ギヤ61Cには図から見て下方向のスラスト力が発生し、例えば減速ギヤ61C上に示す回転中心A点を軸としたとき、その中心から噛合い部までの距離(r)に10Nを乗じた値のモーメント(10・r(N・m))が発生する。
【0042】
次に,減速ギヤ61Mを見たとき、減速ギヤ61Mとアイドルギヤ75との噛合い部に10Nのスラスト力が図3を見て上方向に発生する。更に減速ギヤ61Mとアイドルギヤ74との噛合い部には,OPCドラム31Cの負荷トルクに加えて,OPCドラム31Mの負荷トルクが発生するために,おおよそ20Nのスラスト力が図3を見て上方向に発生することとなる。このとき減速ギヤ61Mにはアイドルギヤ75から10N、アイドルギヤ74から20Nの同じ方向のスラスト力を受けることとなり,図3に示す減速ギヤ61M上に示した回転中心A点を軸としたとき10Nと20Nの差分に相当するモーメント(10・r(N・m))を受けることとなる。
【0043】
同様に、ギヤ61Yで見た場合には,減速ギヤ61Y上に示した回転中心A点を軸としたとき20Nと30Nの差分に相当するモーメント(10・r(N・m))のみを受ける。更に、ギヤ61Kで見た場合には,減速ギヤ61K上に示した回転中心A点を軸としたとき30Nと40Nの差分に相当するモーメント(10・r(N・m))のみを受けることとなる。このことは前記図10で示した従来の説明に比較し、ギヤの弾性変形やギヤの支持部の変形が発生してしまうためのギヤの傾動を最小限にすることができる。
【0044】
即ち、各減速ギヤ61にスラスト力が働くことによって発生するモーメントは、駆動するドラムギヤ36の駆動負荷トルク分の駆動力のはすば歯のねじれ角度分の分力として発生することになり、減速ギヤ61の軸を傾けようとするモーメントを必要最小限に抑えることができる。よって、各ギヤの噛合い状態を悪化させること無くOPCドラム31を駆動することが可能となる。
【0045】
以上詳細に説明した本発明の第1実施の形態では、複数のOPCドラム31を駆動する減速ギヤ61の大ギヤ611、612を、ねじれ角度が同じでねじれ方向の逆の2つのギヤが隣り合ったギヤ(所謂山歯歯車)で構成し、被駆動ギヤ部と駆動ギヤ部をねじれ角度が同じでねじれ方向が逆のギヤで噛合わせる事で、各減速ギヤ61にスラスト力が働くことによって発生する減速ギヤ61の軸を傾けようとするモーメントを必要最小限に抑えることができ、各ギヤの噛合い振動を低減することが可能となる。結果として、例えば、カラー画像形成装置における各ギヤの噛合い振動に起因する画像むら等の無い、高画質の画像形成装置を実現することができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の構成を図面に従って説明する。第2の実施の形態は前記第1の実施の形態に対して、モータ600に設けられたモータギヤ601のねじれ方向及び該モータギヤ601が噛合う位置が異なる。即ち、モータギヤ601のねじれ方向は右ねじれであり、モータギヤ601はアイドルギヤ74と噛合うように配置される。第2の実施の形態に係る画像形成装置10の構成については前記第1の実施の形態と同様であるので、前記図1の説明を援用する。
【0047】
図5は第2の実施の形態に係る前記OPCドラム31を駆動するための駆動部を示す平面図である。モータ600は図示しないフレームに保持された4つのOPCドラム31K、31Y、31M、31Cを駆動する。モータギヤ601はモータ600に設けられ、ねじれ方向が右方向のはすばギヤである。減速ギヤ61Yは図示しないフレームとシャフトに回転自在に保持され、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つの隣り合った大ギヤ(両者で所謂山歯歯車を構成する)611Y、612Yと、当該大ギヤ611Y、612Yと同軸上に歯数やモジュール等の諸元の異なる小ギヤ613Yが一体で構成されている。
【0048】
本実施の形態では外側の大ギヤ611Yが右ねじれのはすば歯車で、内側の大ギヤ612Yが左ねじれのはすば歯車で構成する。減速ギヤ61Yに設けられた小ギヤ613Yは前記OPCドラム31Yに設けられたドラムギヤ36Yと噛合う。他の減速ギヤ61K、61M、61Cは前記減速ギヤ61Yと同一形状のギヤであり、各小ギヤ613K、613M、613Cは各OPCドラム31K、31M、31Cに設けられたドラムギヤ36K、36M、36Cと噛合うように配置される。
【0049】
中央のアイドルギヤ74はねじれ方向が左方向のはすば歯車であり、前記モータギヤ601と噛合う。当該アイドルギヤ74は前記減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Yの外側の大ギヤ611Yと、減速ギヤ61Mの外側の大ギヤ611Mに噛合うように配置される。
【0050】
右側のアイドルギヤ73はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Yから減速ギヤ61Kに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Yの内側の大ギヤ612Yと、減速ギヤ61Kの内側の大ギヤ612Kに噛合うように配置される。
【0051】
左側のアイドルギヤ75はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Mから減速ギヤ61Cに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Mの内側の大ギヤ612Mと、減速ギヤ61Cの内側の大ギヤ612Cに噛合うように配置される。
【0052】
図6はOPCドラム31を駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。アイドルギヤ74の回転中心軸と、減速ギヤ61Yの回転中心軸及びアイドルギヤ73の回転中心軸は同一直線上に配置される。同様に、アイドルギヤ74の回転中心軸と、減速ギヤ61Mの回転中心軸及びアイドルギヤ75の回転中心軸が同一直線上に配置される。従って、各ギヤの噛合い位置は各中心軸を結んだ直線上に略一致する。
【0053】
次に第2の実施の形態の動作について説明する。図6においてモータギヤ601が図示矢印方向(反時計方向)に回転することで、アイドルギヤ74が時計方向に駆動され、アイドルギヤ74と噛合う減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動される。減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動されると、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mに設けられた小ギヤ613Y及び小ギヤ613Mがドラムギヤ36Y及びドラムギヤ36Mと噛合い、OPCドラム31Y及びOPCドラム31Mが時計方向に回転することで画像形成が可能となる。
【0054】
減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動されると、アイドルギヤ73及びアイドルギヤ75を介して減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cに駆動が伝達される。これにより一つの駆動源であるモータ600により各OPCドラム31が回転される。このとき上記各ギヤははすば歯車で構成されているため駆動分力としてスラスト方向に力が働く。
【0055】
図5に示すように、前記中央のアイドルギヤ74と減速ギヤ61Yは、左ねじれのアイドルギヤ74が右ねじれの大ギヤ611Yと噛合う。また、当該アイドルギヤ74と減速ギヤ61Mは、当該左ねじれのアイドルギヤ74が右ねじれの大ギヤ611Mと噛合う。
【0056】
アイドルギヤ74が図6に示すように時計方向に駆動されるため、減速ギヤ61Yの大ギヤ611Yに働くスラスト力は、アイドルギヤ74との噛合い位置においては図6から見て奥側に働き、アイドルギヤ73との噛合い位置においても奥側に働く。同様に、減速ギヤ61Mの大ギヤ611Mに働くスラスト力は、アイドルギヤ74との噛合い位置においては図6から見て奥側に働き、アイドルギヤ75との噛合い位置においても奥側に働く。
【0057】
そのため大ギヤ611Y、612Y、611M、612Mに働くスラスト力によって発生する減速ギヤ61Y及び61Mの軸を傾けようとするモーメントは、減速ギヤ61Y及び61Mにかかる負荷トルクとアイドルギヤ73及びアイドルギヤ75にかかる負荷トルクの差分を駆動するはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0058】
図中両端の減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cにおいては、アイドルギヤ73及びアイドルギヤ75から駆動される被駆動ギヤはあるが、減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cが駆動するギヤは存在しない。そのため減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cの軸を傾けようとするモーメントは,ドラムギヤ36K及びドラムギヤ36Cの駆動負荷トルク分の駆動力のはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0059】
図5に示すように、左端のOPCドラム36Cの負荷トルクを受けて減速ギヤ61Cの軸周りにトルクが発生し、減速ギヤ61Cを駆動するギヤになっているアイドルギヤ74との噛合い部に力が発生する。当該噛合い部には噛合いピッチ円上に負荷トルクから噛合いピッチに接線力が働く。上述のようにギヤがはすば歯車で構成された場合、そのねじれ角でギヤのスラスト方向の分力が発生することとなる。例えば、減速ギヤ61Cを見たとき、減速ギヤ61Cとアイドルギヤ74との噛合い部に例えば10Nのスラスト力が発生すると、図5に示すように減速ギヤ61Cには図から見て下方向のスラスト力が発生し、減速ギヤ61C上に示す回転中心A点を軸としたとき、その中心から噛合い部までの距離(r)に10Nを乗じた値のモーメント(10・r(N・m))が発生する。
【0060】
次に減速ギヤ61Mを見たとき、当該減速ギヤ61Mと前記アイドルギヤ75との噛合い部に10Nのスラスト力が図を見て上方向に発生する。減速ギヤ61Mとアイドルギヤ74との噛合い部には、OPCドラム31Cの負荷トルクに加えてOPCドラム31Mの負荷トルクが発生するために、おおよそ20Nのスラスト力が図を見て上方向に発生することとなる。このとき減速ギヤ61Mにはアイドルギヤ75から10N、アイドルギヤ74から20Nの同じ方向のスラスト力を受けることとなり、図5に示す減速ギヤ61M上に示した回転中心A点を軸としたとき10Nと20Nの差分に相当するモーメント(10・r(N・m))を受けることとなる。減速ギヤ61Y、61Kについても、同様に回転中心A点を軸としたときモーメント(10・r(N・m))を受けることとなる。
【0061】
上記のようにアイドルギヤ74によって、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mを駆動し、当該減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mの下流側の負荷を分散することで、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mにかかる負荷トルクが減少し、減速ギヤ61の大ギヤ611、612の歯にかかかる力が低減できる。更に、前記第1の実施の形態と同様にはすば歯車によるスラスト力が低減できる。このため、減速ギヤ61の弾性変形によるギヤの噛合い状態の悪化を抑えることができる。
【0062】
以上詳細に説明した本発明の第2の実施の形態ではアイドルギヤ74で減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mを駆動し、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mの下流側の負荷を分散することで、減速ギヤ61の大ギヤ611、612の歯にかかる力やはすば歯車によるスラスト力が低減できる。このため、強度を確保するために必要以上に歯幅を増加させたり減速ギヤ61の大ギヤ611、612部に補強リブを配置する必要がなくなる。よって安価で且つ振動の少ない駆動装置を提供することが可能になる。結果として、小型且つ低コストな画像むら等の無い、高画質の画像形成装置を実現することができる。
【0063】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態の構成を図面に従って説明する。第3の実施の形態は前記第2の実施の形態に比較し、OPCドラム31を駆動するためのモータ600に設けられたモータギヤ601のねじれ方向及び当該モータギヤ601と噛合うアイドルギヤ74が異なる。即ち、モータギヤ601のねじれ方向は左ねじれで構成される。前記アイドルギヤ74はねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのアイドルギヤ74−1、74−2が一体で構成される。第3の実施の形態に係る画像形成装置10の構成については前記第1の実施の形態と同様であるので、前記図1の説明を援用する。
【0064】
図7は第3の実施の形態に係るOPCドラム31を駆動するための駆動部を示す斜視図であり、図8は同じくOPCドラム31を駆動するための駆動部を示す平面図である。モータ600は図示しないフレームに保持された4つのOPCドラム31K、31Y、31M、31Cを駆動する。モータギヤ601はモータ600に設けられ、ねじれ方向が左方向のはすばギヤである。減速ギヤ61Yは図示しないフレームとシャフトに回転自在に保持され、ねじれ角度が同じでねじれ方向の逆の2つの隣り合った大ギヤ(両者で所謂山歯歯車を構成する)611Y、612Yと、同軸上に歯数やモジュール等の諸元の異なる小ギヤ613Yが一体で構成されている。
【0065】
本実施の形態では外側の大ギヤ611Yが右ねじれのはすば歯車で、内側の大ギヤ612Yが左ねじれのはすば歯車で構成する。減速ギヤ61Yに設けられた小ギヤ613Yは前記OPCドラム31Yに設けられたドラムギヤ36Yと噛合う。他の減速ギヤ61K、61M、61Cは前記減速ギヤ61Yと同一形状のギヤであり、各小ギヤ613K、613M、613Cは各OPCドラム31K、31M、31Cに設けられたドラムギヤ36K、36M、36Cと噛合うように配置される。
【0066】
前記アイドルギヤ74はねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのはすば歯車であるアイドルギヤ74−1とアイドルギヤ74−2が一体で構成される。右ねじれのギヤ74−1と前記モータギヤ601が噛合う。更に、当該アイドルギヤ74は前記減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mに駆動を伝達するため、左ねじれのギヤ74−2と減速ギヤ61Yの右ねじれの大ギヤ611Yが噛合い、同じく左ねじれのギヤ74−2と減速ギヤ61Mの右ねじれの大ギヤ611Mが噛合うように配置される。
【0067】
アイドルギヤ73はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Yから減速ギヤ61Kに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Yの内側の大ギヤ612Yと減速ギヤ61Kの内側の大ギヤ612Kに噛合うように配置される。
【0068】
アイドルギヤ75はねじれ方向が右方向のはすば歯車であり、減速ギヤ61Mから減速ギヤ61Cに駆動を伝達するため、減速ギヤ61Mの内側の大ギヤ612Mと減速ギヤ61Cの内側の大ギヤ612Cに噛合うように配置される。
【0069】
図9はOPCドラム31を駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。アイドルギヤ74の回転中心軸と、減速ギヤ61Yの回転中心軸及びアイドルギヤ73の回転中心軸は同一直線上に配置される。同様に、アイドルギヤ74の回転中心軸と、減速ギヤ61Mの回転中心軸及びアイドルギヤ75の回転中心軸が同一直線上に配置される。従って、各ギヤの噛合い位置は各中心軸を結んだ直線上に略一致する。
【0070】
次に、第3の実施の形態の動作について説明する。図9においてモータギヤ601が図示矢印方向(反時計方向)に回転することで、当該モータギヤ601と噛合う右ねじれのアイドルギヤ74−1が時計方向に駆動される。右ねじれのアイドルギヤ74−1が駆動されると、左ねじれのアイドルギヤ74−2と噛合う減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動される。減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動されると、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mに設けられた小ギヤ613Y及び小ギヤ613Mがドラムギヤ36Y及びドラムギヤ36Mと噛合い、OPCドラム31Y及びOPCドラム31Mが時計方向に回転することで画像形成が可能となる。
【0071】
減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mが駆動されると、アイドルギヤ73及びアイドルギヤ75を介して減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cに駆動が伝達される。これにより一つの駆動源であるモータ600により各OPCドラム31が回転される。このとき上記各ギヤははすば歯車で構成されているため駆動分力としてスラスト方向に力が働く。
【0072】
中央のアイドルギヤ74の右ねじれのアイドルギヤ74−1とモータギヤ601の噛合い位置においては、図9で見たときアイドルギヤ74に働くスラスト力は手前方向に働く。アイドルギヤ74−2と減速ギヤ61Y及びアイドルギヤ74−2と減速ギヤ61Mの噛合い位置においても図9から見て手前方向に働く。そのためアイドルギヤ74に働くスラスト力によって発生するアイドルギヤ74軸を傾けようとするモーメントは、前記第2の実施の形態の構成に比較して低減される。
【0073】
また、アイドルギヤ74をモータギヤ601と噛合うアイドルギヤ74−1部分と、減速ギヤ61Y、61Mと噛合うアイドルギヤ74−2部分を分けることで、アイドルギヤ74の歯の噛合い回数を減少させることができ、アイドルギヤ74の長寿命化が可能になる。
【0074】
前記第2の実施の形態と同様に、図9に示すように、アイドルギヤ74が時計方向に駆動されることにより、減速ギヤ61Yの大ギヤ611Yに働くスラスト力は、アイドルギヤ74−2との噛合い位置においては図9から見て奥側に働き、アイドルギヤ73との噛合い位置においても奥側に働く。同様に、減速ギヤ61Mの大ギヤ611Mに働くスラスト力は、アイドルギヤ74−2との噛合い位置においては図9から見て奥側に働き、アイドルギヤ75との噛合い位置においても奥側に働く。
【0075】
そのため大ギヤ611Y、612Y、611M、612Mに働くスラスト力によって発生する減速ギヤ61Y及び61Mの軸を傾けようとするモーメントは、減速ギヤ61Y及び61Mにかかる負荷トルクとアイドルギヤ73及びアイドルギヤ75にかかる負荷トルクの差分を駆動するはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0076】
図中両端の減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cにおいては、アイドルギヤ73及びアイドルギヤ75から駆動される被駆動ギヤはあるが、減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cが駆動するギヤは存在しない。そのため減速ギヤ61K及び減速ギヤ61Cの軸を傾けようとするモーメントは,ドラムギヤ36K及びドラムギヤ36Cの駆動負荷トルク分の駆動力のはすば歯のねじれ角度分の分力として発生する。
【0077】
なお、図8に示すように、減速ギヤ61K、61Y、61M、61C上のスラスト力による回転中心A点を軸とするモーメントについては、前記第2の実施の形態の図5に示す説明と同様であるので、前記第2の実施の形態の説明を援用する。
【0078】
上記のようにアイドルギヤ74−2で減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mを駆動し、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mの下流側の負荷を分散することで、減速ギヤ61Y及び減速ギヤ61Mにかかる負荷トルクが減少し、減速ギヤ61の大ギヤ611、612の歯にかかかる力が低減できる。更に、第1の実施の形態と同様にはすば歯車によるスラスト力が低減できる。このため、減速ギヤ61の弾性変形によるギヤの噛合い状態の悪化を抑えることができる。
【0079】
以上詳細に説明したように第3の実施の形態では、アイドルギヤ74はねじれ方向が逆の2つのギヤが一体で構成され、モータギヤ601と噛合うギヤ部と、減速ギヤ61と噛合うギヤ部を分けることで駆動トルクの集中するアイドルギヤ74の歯の噛合い回数を減少させることができ、長寿命で且つ振動の少ない駆動装置を提供することが可能になる。結果として、長寿命な画像むら等の無い、高画質の画像形成装置を実現することができる。
【0080】
本発明は歯車を用いた駆動装置に関するものであり、特に高精度を要する複写機やプリンタ等の画像形成装置における、感光体ドラムに使用するのに適した駆動装置に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図2】第1の実施の形態のOPCドラムを駆動するための駆動部を示す斜視図である。
【図3】同じくOPCドラムを駆動するための駆動部を示す平面図である。
【図4】同じくOPCドラムを駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。
【図5】第2の実施の形態のOPCドラムを駆動するための駆動部を示す平面図である。
【図6】同じくOPCドラムを駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。
【図7】第3の実施の形態のOPCドラムを駆動するための駆動部を示す斜視図である。
【図8】同じくOPCドラムを駆動するための駆動部を示す平面図である。
【図9】同じくOPCドラムを駆動するための駆動部を回転軸方向から見た側面図である。
【図10】従来のOPCドラムを駆動するための駆動部を示す斜視図である。
【図11】従来のOPCドラムを駆動するための駆動部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0082】
31 OPCドラム
36 ドラムギヤ
61 減速ギヤ
73、74、75 アイドルギヤ
600 モータ
601 モータギヤ
611、612 大ギヤ
613 小ギヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源からの回転を複数の被駆動歯車に伝達する複数の減速歯車機構を有する駆動装置において、
前記減速歯車機構には、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのはすば歯車が一体となった大歯車部と、当該大歯車部と同軸で一体となったはすば歯車からなる小歯車を設け、
前記駆動源には、当該駆動源の回転を前記複数の減速歯車機構のうちの第1の減速歯車機構に伝達するはすば歯車からなる駆動源歯車を設け、
前記第1の減速歯車機構における前記大歯車部のうち、一方の大歯車が前記駆動源歯車と噛合い、他方の大歯車は第2の減速歯車機構との間のアイドル歯車と噛合うことにより、前記駆動源の回転を前記複数の減速歯車機構に伝達する機構とすることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記駆動源歯車の回転中心軸と、前記第1の減速歯車機構の回転中心軸と、前記アイドル歯車の回転中心軸は一直線上にあることを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記一方の大歯車が前記駆動源歯車との噛合いによって発生するスラスト力の方向と、前記他方の大歯車が前記アイドル歯車との噛合いによって発生するスラスト力の方向とを同一としたことを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか一に記載の駆動装置において、
前記複数の減速歯車機構が前記アイドル歯車を介して直列に連結し、
前記第2の減速歯車機構における前記大歯車部のうち、一方の大歯車が前記アイドル歯車と噛合い、他方の大歯車は、第3の減速歯車機構との間のアイドル歯車と噛合うことを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項1乃至3いずれか一に記載の駆動装置において、
前記第1の減速歯車機構を、前記駆動源の両側に第1のアイドル歯車を介して複数設け、
前記第1の減速歯車機構における前記大歯車部のうち、一方の大歯車が前記第1のアイドル歯車と噛合うことにより、前記駆動源の回転を前記複数の第1の減速歯車機構に伝達することを特徴とする駆動装置。
【請求項6】
請求項5に記載の駆動装置において、
前記第1のアイドル歯車は、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのはすば歯車が一体となったアイドル歯車からなり、
一方のアイドル歯車は前記駆動源歯車と噛合い、他方のアイドル歯車は、前記第1の減速歯車機構における前記大歯車部のうちの一方の大歯車と噛合うことを特徴とする駆動装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれか一に記載の駆動装置において、
更に、前記小歯車は前記被駆動歯車と噛合うことにより、前記複数の減速歯車機構の回転を前記複数の被駆動歯車に伝達する機構とすることを特徴とする駆動装置。
【請求項8】
請求項7に記載の駆動装置において、
前記複数の被駆動歯車は感光ドラムを駆動する歯車であることを特徴とする駆動装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれか一に記載の駆動装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
駆動源からの回転を複数の被駆動歯車に伝達する複数の減速歯車機構を有する駆動装置において、
前記減速歯車機構には、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのはすば歯車が一体となった大歯車部と、当該大歯車部と同軸で一体となったはすば歯車からなる小歯車を設け、
前記駆動源には、当該駆動源の回転を前記複数の減速歯車機構のうちの第1の減速歯車機構に伝達するはすば歯車からなる駆動源歯車を設け、
前記第1の減速歯車機構における前記大歯車部のうち、一方の大歯車が前記駆動源歯車と噛合い、他方の大歯車は第2の減速歯車機構との間のアイドル歯車と噛合うことにより、前記駆動源の回転を前記複数の減速歯車機構に伝達する機構とすることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記駆動源歯車の回転中心軸と、前記第1の減速歯車機構の回転中心軸と、前記アイドル歯車の回転中心軸は一直線上にあることを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記一方の大歯車が前記駆動源歯車との噛合いによって発生するスラスト力の方向と、前記他方の大歯車が前記アイドル歯車との噛合いによって発生するスラスト力の方向とを同一としたことを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか一に記載の駆動装置において、
前記複数の減速歯車機構が前記アイドル歯車を介して直列に連結し、
前記第2の減速歯車機構における前記大歯車部のうち、一方の大歯車が前記アイドル歯車と噛合い、他方の大歯車は、第3の減速歯車機構との間のアイドル歯車と噛合うことを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項1乃至3いずれか一に記載の駆動装置において、
前記第1の減速歯車機構を、前記駆動源の両側に第1のアイドル歯車を介して複数設け、
前記第1の減速歯車機構における前記大歯車部のうち、一方の大歯車が前記第1のアイドル歯車と噛合うことにより、前記駆動源の回転を前記複数の第1の減速歯車機構に伝達することを特徴とする駆動装置。
【請求項6】
請求項5に記載の駆動装置において、
前記第1のアイドル歯車は、ねじれ角度が同じでねじれ方向が逆の2つのはすば歯車が一体となったアイドル歯車からなり、
一方のアイドル歯車は前記駆動源歯車と噛合い、他方のアイドル歯車は、前記第1の減速歯車機構における前記大歯車部のうちの一方の大歯車と噛合うことを特徴とする駆動装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれか一に記載の駆動装置において、
更に、前記小歯車は前記被駆動歯車と噛合うことにより、前記複数の減速歯車機構の回転を前記複数の被駆動歯車に伝達する機構とすることを特徴とする駆動装置。
【請求項8】
請求項7に記載の駆動装置において、
前記複数の被駆動歯車は感光ドラムを駆動する歯車であることを特徴とする駆動装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれか一に記載の駆動装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−288366(P2009−288366A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138944(P2008−138944)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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