説明

駆動装置

【課題】昇圧コンバータのリアクトルに流れる電流を検出する2つの電流センサの少なくとも一方に異常が生じているのをより適正に判定する。
【解決手段】昇圧コンバータ30のリアクトルLに流れる電流を検出する2つの電流センサ47a,47bにより検出された電流の差の絶対値に所定のローパスフィルタを適用して偏差ΔILを演算し、演算した偏差ΔILが閾値Iref以上のときに2つの電流センサ47a,47bの少なくとも一方に異常が生じていると判定する。そして、この閾値Irefは、モータMG1,MG2から出力すべき目標パワーP*の絶対値やモータMG1,MG2から出力されている出力パワーPの絶対値,モータMG1,MG2からのトルクTm1,Tm2の各絶対値,バッテリ26の充放電電流IBの絶対値,高電圧系の電圧VHが大きいほど大きくなる傾向に従って設定される値である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関し、詳しくは、電動機と、インバータと、二次電池と、昇圧コンバータと、昇圧コンバータのリアクトルに流れる電流を検出する2つの電流センサと、2つの電流センサにより検出された電流の差が閾値以上のときに2つの電流センサの少なくとも一方に異常が生じていると判定する異常判定手段と、を備える駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の駆動装置としては、三相交流により駆動される電動機と、電動機を駆動するインバータと、電動機の2相に2つずつ設けられ相電流を検出する電流センサとを備え、電流センサの異常を検出するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この駆動装置では、電動機の2相について2つの電流センサの検出値を比較することによりいずれの電流センサに異常が生じているかを特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−112295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の駆動装置では、2つの電流センサの検出値の差が一定の閾値以上のときに2つの電流センサの少なくとも一方に異常が生じていると判定することが考えられるが、この判定によっては電流センサの異常を適正に判定することができない場合がある。例えば、一方の電流センサに応答性が悪化する異常が発生した際に、モータの出力トルクが小さいなどによりモータの各相に流れる電流の変動量が小さいときには、一方の電流センサに異常が発生したにも拘わらず、2つの電流センサの検出値の差が閾値未満の状態を継続することがある。また、こうした場合は、バッテリからの電力を昇圧してインバータに供給する昇圧コンバータを更に備え、昇圧コンバータが有するリアクトルに流れる電流を検出する電流センサを2つ設けた(二重化した)駆動装置においても留意する必要がある。
【0005】
本発明の駆動装置は、昇圧コンバータのリアクトルに流れる電流を検出する2つの電流センサの少なくとも一方に異常が生じているのをより適正に判定することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駆動装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の駆動装置は、
電動機と、前記電動機を駆動するインバータと、二次電池と、複数のスイッチング素子とリアクトルとを有し前記二次電池が接続された低電圧系からの電力を昇圧して前記インバータが接続された高電圧系に供給する昇圧コンバータと、前記リアクトルに流れる電流を検出する2つの電流センサと、前記2つの電流センサにより検出された電流の差が閾値以上のときに前記2つの電流センサの少なくとも一方に異常が生じていると判定する異常判定手段と、を備える駆動装置において、
前記閾値は、前記電動機から出力すべき目標パワーの絶対値が大きいほど大きくなる傾向と前記電動機から出力されているパワーの絶対値が大きいほど大きくなる傾向と前記電動機から出力されているトルクの絶対値が大きいほど大きくなる傾向と前記二次電池を充放電する電流の絶対値が大きいほど大きくなる傾向と前記高電圧系の電圧が大きいほど大きくなる傾向とのうちの少なくともいずれかの傾向に従って設定される値である、
ことを特徴とする。
【0008】
この本発明の駆動装置では、昇圧コンバータのリアクトルに流れる電流を検出する2つの電流センサにより検出された電流の差が閾値以上のときに2つの電流センサの少なくとも一方に異常が生じていると判定する。そして、この閾値は、電動機から出力すべき目標パワーの絶対値が大きいほど大きくなる傾向と電動機から出力されているパワーの絶対値が大きいほど大きくなる傾向と電動機から出力されているトルクの絶対値が大きいほど大きくなる傾向と二次電池を充放電する電流の絶対値が大きいほど大きくなる傾向と高電圧系の電圧が大きいほど大きくなる傾向とのうちの少なくともいずれかの傾向に従って設定される。二次電池と電動機との間を流れる電流が大きくなりやすい状態のときには、2つの電流センサに異常が生じていないときでも、2つの電流センサにより検出された電流の差は大きくなりやすいと考えられる。また、二次電池と電動機との間を流れる電流が小さくなりやすい状態のときには、2つの電流センサに異常が生じているときでも、2つの電流センサにより検出された電流の差は小さくなりやすいと考えられる。したがって、二次電池と電動機との間を流れる電流が大きくなりやすいほど、即ち、電動機から出力すべき目標パワーの絶対値や電動機から出力されているパワーの絶対値,電動機から出力されているトルクの絶対値,二次電池を充放電する電流の絶対値,高電圧系の電圧が大きいほど、閾値を大きな値に設定するから、2つの電流センサに異常が生じていないときに異常が生じていると誤って判定したり、2つの電流センサの少なくとも一方に異常が生じているときに異常が生じていないと誤って判定したりするのを抑制することができる。この結果、昇圧コンバータのリアクトルに流れる電流を検出する2つの電流センサの少なくとも一方に異常が生じているのをより適正に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例としての駆動装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】閾値設定用マップの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明の一実施例としての駆動装置20の構成の概略を示す構成図である。実施例の駆動装置20は、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載され、図示するように、外表面に永久磁石が貼り付けられたロータと三相コイルが巻回されたステータとを有する周知の同期発電電動機として構成された二つのモータMG1,MG2と、モータMG1,MG2をそれぞれ駆動し電力ライン28を共用するインバータ21,22と、例えばリチウムイオン電池などの二次電池として構成されたバッテリ26と、バッテリ26が接続された電力ライン27とインバータ21,22が接続された電力ライン28とに接続されバッテリ26側の電力を昇圧してインバータ21,22側に供給したりインバータ21,22側の電力を降圧してバッテリ26側に供給したりする昇圧コンバータ30と、昇圧コンバータ30からみてインバータ21,22に並列に接続され昇圧後の電圧を平滑する平滑コンデンサ32と、昇圧コンバータ30からみてバッテリ26に並列に接続され昇圧前の電圧を平滑する平滑コンデンサ34と、装置全体をコントロールする電子制御ユニット50と、を備える。以下、昇圧コンバータ30よりもインバータ21,22側を高電圧系といい、昇圧コンバータ30よりもバッテリ26側を低電圧系という。
【0012】
インバータ21,22は、6つのスイッチング素子としてのトランジスタT11〜T16,T21〜26と、トランジスタT11〜T16,T21〜T26に逆方向に並列接続された6つのダイオードD11〜D16,D21〜D26とにより構成されている。トランジスタT11〜T16,T21〜T26は、それぞれインバータ21,22が電力ライン28として共用する正極母線と負極母線とに対してソース側とシンク側になるよう2個ずつペアで配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータMG1,MG2の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。
【0013】
昇圧コンバータ30は、2つのスイッチング素子としてのトランジスタT31,T32と、トランジスタT31,T32に逆方向に並列接続された2つのダイオードD31,D32と、リアクトルLとにより構成されている。2つのトランジスタT31,T32は、それぞれインバータ21,22に接続された電力ライン28の正極母線,負極母線に接続されている。リアクトルLは、トランジスタT31,T32同士の接続点とバッテリ26に接続された電力ライン27の正極母線とに接続されている。
【0014】
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU52の他に処理プログラムを記憶するROM54と、データを一時的に記憶するRAM56と、図示しない入出力ポートとを備える。電子制御ユニット50には、モータMG1,MG2のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサ41,42からの回転位置θm1,θm2やモータMG1,MG2の三相コイルのV相,W相に流れる相電流を検出する電流センサ43V,43W,44V,44Wからの相電流Iv1,Iw1,Iv2,Iw2,平滑コンデンサ32の端子間に取り付けられた電圧センサ45からの電圧(高電圧系の電圧)VH,平滑コンデンサ34の端子間に取り付けられた電圧センサ46からの電圧(低電圧系の電圧)VL,昇圧コンバータ30のリアクトルLにおけるトランジスタT31,T32同士の接続点とは反対側で電力ライン27の正極母線に取り付けられた電流センサ47aからのリアクトル電流IL1,電流センサ47aと直列になるよう電力ライン27の正極母線に取り付けられた電流センサ47bからのリアクトル電流IL2,バッテリ26の端子間に設置された電圧センサ48からの端子間電圧VB,バッテリ26の出力端子に取り付けられた電流センサ49からの充放電電流IBなどが入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット50からは、インバータ21,22のスイッチング素子へのスイッチング信号や昇圧コンバータ30のスイッチング素子へのスイッチング信号などが出力ポートを介して出力されている。また、電子制御ユニット50は、回転位置検出センサ41,42からの回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転子の電気角θe1,θe2やモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。なお、実施例における電流値は、バッテリ26からモータMG1,MG2に電力を供給する方向を正としている。
【0015】
実施例の駆動装置20では、電子制御ユニット50により、モータMG1,MG2から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてインバータ21,22が制御されると共にモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*や回転数Nm1,Nm2に基づいて昇圧コンバータ30が制御される。
【0016】
また、実施例の駆動装置20では、以下に説明する異常判定処理によって、昇圧コンバータ30のリアクトルLに流れるリアクトル電流IL1,IL2を検出する電流センサ47a,47bの異常を判定する。異常判定処理では、電子制御ユニット50のCPU52は、まず、電流センサ47a,47bからのリアクトル電流IL1,IL2を入力し、入力したリアクトル電流IL1,IL2の差の絶対値に対して所定のローパスフィルタを適用して偏差ΔILを演算する処理を実行する。ここで、所定のローパスフィルタは、昇圧コンバータ30のトランジスタT31,T32のスイッチングに伴う高周波成分を除去するためのものであり、昇圧コンバータ30のスイッチング周波数などに基づいて予め実験などにより定めたものを用いることができる。続いて、演算した偏差ΔILと閾値Irefとを比較し、偏差ΔILが閾値Iref未満のときには、電流センナ47a,47bのいずれにも異常は生じていない正常であると判定し、偏差ΔILが閾値Iref以上のときには、電流センサ47a,47bの少なくとも一方に異常が生じていると判定し、異常判定処理を終了する。
【0017】
ここで、閾値Irefの設定について説明する。閾値Irefは、互いに直列に接続されて二重化された2つの電流センサ47a,47bの少なくとも一方に異常が生じているか否かを判定するためのものであり、実施例では、モータMG1から出力すべき目標パワーP1*とモータMG2から出力すべき目標パワーP2*との和の目標パワーP*の絶対値に基づいて設定されるものとした。目標パワーP1*はモータMG1のトルク指令Tm1*と回転数Nm1との積として計算することができ、目標パワーP2*はモータMG2のトルク指令Tm2*と回転数Nm2との積として計算することができる。図2に閾値設定用マップの一例を示す。図示するように、閾値Irefは、目標パワーP*(=P1*+P2*)の絶対値が大きいほど大きくなるように設定されている。これは、バッテリ26とモータMG1,MG2との間を流れる電流が大きいときには、2つの電流センサ47a,47bに異常が生じていないときでもこれらにより検出されたリアクトル電流IL1,IL2の差が大きくなりやすいと考えられるためである。言い換えれば、バッテリ26とモータMG1,MG2との間を流れる電流が小さいときには、2つの電流センサ47a,47bのいずれか一方に異常が生じているときでもこれらにより検出されたリアクトル電流IL1,IL2の差が小さくなりやすいと考えられるためである。実施例では、バッテリ26とモータMG1,MG2との間を流れる電流が大きくなりやすいときとして目標パワーP*の絶対値が大きいときを用いることにより、目標パワーP*の絶対値が大きいほど大きくなるように閾値Irefを設定するものとした。なお、閾値Irefは、モータMG1から出力されていると推定されるトルクTm1の絶対値が大きいほど大きくなるように設定したり、モータMG2から出力されていると推定されるトルクTm2の絶対値が大きいほど大きくなるように設定したり、モータMG1から出力されているパワーP1(トルクTm1と回転数Nm1との積)とモータMG2から出力されているパワーP2(トルクTm2と回転数Nm2との積)との和の出力パワーPの絶対値が大きいほど大きくなるように設定したり、電圧センサ45からの高電圧系の電圧VHが大きいほど大きくなるように設定したり、電流センサ49からのバッテリ26の充放電電流IBの絶対値が大きいほど大きくなるように設定したりしてもよく、目標パワーP*に基づく設定に加えて又は代えて、これらの一部または全部を用いて設定するものとしてもよい。これは、バッテリ26とモータMG1,MG2との間を流れる電流が大きくなりやすいときとして、モータMG1から出力されていると推定されるトルクTm1の絶対値やモータMG2から出力されていると推定されるトルクTm2の絶対値,モータMG1からのパワーP1とモータMG2からのパワーP2との和の出力パワーPの絶対値,高電圧系の電圧VH,バッテリ26の充放電電流IBの絶対値がそれぞれ大きいときを用いることができるためである。こうして閾値Irefを設定するから、2つの電流センサ47a,47bに異常が生じていないときに異常が生じていると誤って判定したり、2つの電流センサ47a,47bの少なくとも一方に異常が生じているときに異常が生じていないと誤って判定したりするのを抑制することができる。なお、モータMG1,MG2から出力されていると推定されるトルクTm1,Tm2は、モータMG1,MG2の電流センサ43V,43W,44V,44Wからの相電流Iv1,Iw1,Iv2,Iw2に基づいて推定したものを用いたり、所定時間前に設定されたモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を用いたりすることができる。
【0018】
以上説明した実施例の駆動装置20によれば、昇圧コンバータ30のリアクトルLに流れる電流を検出する2つの電流センサ47a,47bにより検出された電流の差の絶対値に所定のローパスフィルタを適用して偏差ΔILを演算し、演算した偏差ΔILが閾値Iref以上のときに2つの電流センサ47a,47bの少なくとも一方に異常が生じていると判定する。そして、この閾値Irefは、モータMG1から出力すべき目標パワーP1*とモータMG2から出力すべき目標パワーP2*との和の目標パワーP*の絶対値が大きいほど大きくなる傾向と、モータMG1から出力されているパワーP1とモータMG2から出力されているパワーP2との和の出力パワーPの絶対値が大きいほど大きくなる傾向と、モータMG1から出力されているトルクTm1の絶対値が大きいほど大きくなる傾向と、モータMG2から出力されているトルクTm2の絶対値が大きいほど大きくなる傾向と、バッテリ26の充放電電流IBの絶対値が大きいほど大きくなる傾向と、高電圧系の電圧VHが大きいほど大きくなる傾向と、のうちの少なくともいずれかの傾向に従って設定される値である。これにより、昇圧コンバータ30のリアクトルLに流れる電流を検出する2つの電流センサ47a,47bの異常の誤検出が抑制され、電流センサ47a,47bの少なくとも一方に異常が生じているのをより適正に判定することができる。
【0019】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータMG1やモータMG2が「電動機」に相当し、インバータ21やインバータ22が「インバータ」に相当し、バッテリ26が「二次電池」に相当し、昇圧コンバータ30が「昇圧コンバータ」に相当し、電流センサ47a,47bが「2つの電流センサ」に相当し、電流センサ47a,47bからのリアクトル電流IL1,IL2の差の絶対値に所定のローパスフィルタを適用して得られる偏差ΔILがバッテリ26とモータMG1,MG2との間を流れる電流が大きくなりやすいほど大きくなるように設定される閾値Iref以上のときに電流センサ47a,47bの異常と判定する異常判定処理を実行する電子制御ユニット50が「異常判定手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0020】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、駆動装置の製造産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0022】
20 駆動装置、21,22 インバータ、26 バッテリ、27,28 電力ライン、30 昇圧コンバータ、32,34 平滑コンデンサ、41,42 回転位置検出センサ、43V,43W,44V,44W,47a,47b,49 電流センサ、45,46,48 電圧センサ、50 電子制御ユニット、52 CPU,54 ROM、56 RAM、D11〜D16,D21〜D26,D31,D32 ダイオード、L リアクトル、T11〜T16,T21〜T26,T31,T32 トランジスタ、MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機と、前記電動機を駆動するインバータと、二次電池と、複数のスイッチング素子とリアクトルとを有し前記二次電池が接続された低電圧系からの電力を昇圧して前記インバータが接続された高電圧系に供給する昇圧コンバータと、前記リアクトルに流れる電流を検出する2つの電流センサと、前記2つの電流センサにより検出された電流の差が閾値以上のときに前記2つの電流センサの少なくとも一方に異常が生じていると判定する異常判定手段と、を備える駆動装置において、
前記閾値は、前記電動機から出力すべき目標パワーの絶対値が大きいほど大きくなる傾向と前記電動機から出力されているパワーの絶対値が大きいほど大きくなる傾向と前記電動機から出力されているトルクの絶対値が大きいほど大きくなる傾向と前記二次電池を充放電する電流の絶対値が大きいほど大きくなる傾向と前記高電圧系の電圧が大きいほど大きくなる傾向とのうちの少なくともいずれかの傾向に従って設定される値である、
ことを特徴とする駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−105511(P2012−105511A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254278(P2010−254278)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】