説明

骨関連の活性を調節する新規な方法

本発明は、Ror分子を調節することにより対象の体内の骨関連活性を調節することに関する。本発明はさらに、骨関連障害についてのスクリーニング、診断および療法開発のための組成物および方法にも関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
Rorポリペプチドあるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体をコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットであって、そのポリヌクレオチドが骨細胞の中で操作可能なプロモータの制御下にあるところの発現カセット。
【請求項2】
RorポリペプチドがRor1ポリペプチドである、請求項1記載の発現カセット。
【請求項3】
RorポリペプチドがRor2ポリペプチドである、請求項1記載の発現カセット。
【請求項4】
該プロモータがコーディング配列に対し異種である、請求項1記載の発現カセット。
【請求項5】
プロモータが骨特異的プロモータである、請求項1記載の発現カセット。
【請求項6】
骨特異的プロモータがラット3.6KbI型コラーゲンまたはラット1.7Kbオステオカルシンプロモータである、請求項5記載の発現カセット。
【請求項7】
該プロモータが誘発可能なプロモータである、請求項1〜6のいずれか1項記載の発現カセット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項記載の発現カセットを含むベクター。
【請求項9】
ベクターがウイルスベクターである、請求項8記載のベクター。
【請求項10】
該ウイルスベクターが、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連性ウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクターおよびヘルペスウイルスベクターからなる群から選択される、請求項9記載のベクター。
【請求項11】
該発現カセットがさらにポリアデニル化シグナルを含む、請求項1記載の発現カセット。
【請求項12】
Rorポリペプチドあるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体をコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットを含む宿主細胞であって、該ポリヌクレオチドが真核細胞内で操作可能なプロモータの制御下にあり、該プロモータが該ポリヌクレオチドに対し異種であるところの、宿主細胞。
【請求項13】
RorポリペプチドがRor1ポリペプチドである、請求項12記載の宿主細胞。
【請求項14】
RorポリペプチドがRor2ポリペプチドである、請求項12記載の宿主細胞。
【請求項15】
有効量のRor分子あるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体を含む骨関連活性を調節する組成物。
【請求項16】
Ror分子がRor1分子である、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
Ror分子がRor2分子である、請求項15記載の組成物。
【請求項18】
医薬上許容される担体をさらに含む、請求項15記載の組成物。
【請求項19】
骨関連活性が骨芽細胞分化、破骨細胞分化、骨芽細胞生存、破骨細胞生存、骨芽細胞活性、または破骨細胞活性である、請求項15記載の組成物。
【請求項20】
(a)作用物質をRor分子と組み合せ、(b)該作用物質のRor活性に対する効果を検出することを含む、作用物質についてのスクリーニング方法であって、Ror活性の減少および増加の検出が、作用物質が骨関連作用物質であることの指標であるところの、方法。
【請求項21】
Ror活性の減少または増加が、Ror誘発のWnt−3シグナル化の阻害の減少または増加によって検出される。請求項20記載の方法。
【請求項22】
Ror分子がRor1分子であり、Ror活性がRor1活性である、請求項20記載の方法。
【請求項23】
Ror分子がRor2分子であり、Ror活性がRor2活性である、請求項20記載の方法。
【請求項24】
Ror分子がRor2分子であり、Ror活性の減少および増加がRor2誘発のWnt−1シグナル化の活性化の減少または増加によって検出される、請求項20記載の方法。
【請求項25】
Ror分子がRorポリペプチドであり、Ror活性の減少および増加がRor自己リン酸化反応の減少または増加によって検出される、請求項20記載の方法。
【請求項26】
RorポリペプチドがRor1ポリペプチドであり、Ror活性がRor1活性である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
RorポリペプチドがRor2ポリペプチドであり、Ror活性がRor2活性である、請求項25記載の方法。
【請求項28】
(a)作用物質をレポータ遺伝子に操作可能な形で連結されたRorプロモータ配列を含む単離された細胞と組み合わせ;(b)該作用物質のレポータ活性に対する効果を検出することを含む、作用物質についてのスクリーニング方法であって、レポータ活性により測定されるRorプロモータ活性の減少または増加の検出が、作用物質が骨関連作用物質であることの指標であるところの、方法。
【請求項29】
RorプロモータがRor1プロモータである、請求項28記載の方法。
【請求項30】
Ror1プロモータがヒトRor1プロモータである、請求項29記載の方法。
【請求項31】
RorプロモータがRor2プロモータである、請求項28記載の方法。
【請求項32】
Ror2プロモータがマウス2プロモータである、請求項31記載の方法。
【請求項33】
Rorポリペプチドの結合パートナーとの結合を調節する作用物質についてのスクリーニング方法であって、(a)作用物質の存在下でRorポリペプチドをRor結合パートナーと接触させ;(b)対照の存在下または作用物質の不在下でRorポリペプチドをRor結合パートナーと接触させ;(c)工程(a)における該Rorポリペプチドの結合パートナーに対する結合を、工程(b)における該Rorポリペプチドの結合パートナーに対する結合と比較することによって、RorポリペプチドのRor結合パートナーに対する結合を調節する作用物質を選択すること、を含む方法。
【請求項34】
RorポリペプチドがRor2ポリペプチドであり、Ror結合パートナーがRor2結合パートナーである、請求項33記載の方法。
【請求項35】
Ror2結合パートナーが、ADP/ATP担体タンパク質、UDP−グルコースセラミドグルコシルトランスフェラーゼ様1、14−3−3タンパク質ベータ/アルファ、14−3−3タンパク質ガンマ、リボフォリン1、アルギニンN−メチルトランスフェラーゼ1、細胞アポトーンス感受性タンパク質、NOTCH2タンパク質、およびヒト骨格筋LIM−タンパク質3からなる群から選択される、請求項34記載の方法。
【請求項36】
標的Ror分子の発現または活性を調節する作用物質を対象に投与することを含む、対象の骨関連活性を調節する方法。
【請求項37】
該作用物質がRor分子あるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体のうちの1つまたはそれ以上のものを含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
該作用物質がRor分子結合パートナーあるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体のうちの1つまたはそれ以上のものを含む、請求項36記載の方法。
【請求項39】
標的Ror分子がRor1分子である、請求項36記載の方法。
【請求項40】
標的Ror分子がRor2分子である、請求項36記載の方法。
【請求項41】
標的Ror分子活性がチロシンキナーゼ活性である、請求項36記載の方法。
【請求項42】
骨関連活性が骨芽細胞分化、破骨細胞分化、骨芽細胞生存、破骨細胞生存、骨芽細胞活性または破骨細胞活性である、請求項36記載の方法。
【請求項43】
該作用物質が、抗体、小分子、ペプチド、オリゴペプチドおよびポリペプチドからなる群から選択される、請求項36記載の方法。
【請求項44】
該作用物質がRor遺伝子に特異的なアンチセンス核酸またはsiRNA分子を含み、そのアンチセンス核酸またはsiRNA分子が1つまたはそれ以上のRorポリペプチドあるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体をコードする核酸を認識して結合する、請求項36記載の方法。
【請求項45】
Ror遺伝子がRor1遺伝子であり、RorポリペプチドがRor1ポリペプチドである、請求項44記載の方法。
【請求項46】
Ror遺伝子がRor2遺伝子であり、RorポリペプチドがRor2ポリペプチドである、請求項44記載の方法。
【請求項47】
該作用物質が、Ror結合パートナーと結合することによって、標的Ror分子あるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体の発現および/または活性を調節する、請求項36記載の方法。
【請求項48】
該作用物質が、Ror結合パートナーと結合することによって、標的Ror分子あるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体の発現および/または活性を阻害する、請求項47記載の方法。
【請求項49】
該作用物質が、Ror結合パートナーと結合することによって、標的Ror分子あるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体の発現および/または活性を増強させる、請求項47記載の方法。
【請求項50】
標的Ror分子がRor2分子であり、Ror結合パートナーがRor2結合パートナーである、請求項47〜49のいずれか1項記載の方法。
【請求項51】
Ror2結合パートナーが、ADP/ATP担体タンパク質、UDP−グルコースセラミドグルコシルトランスフェラーゼ様1、14−3−3タンパク質ベータ/アルファ、14−3−3タンパク質ガンマ、リボフォリン1、アルギニンN−メチルトランスフェラーゼ1、細胞アポトーンス感受性タンパク質、NOTCH2タンパク質、およびヒト骨格筋LIM−タンパク質3からなる群から選択される、請求項50記載の方法。
【請求項52】
該作用物質がRor結合パートナーに対するRor分子あるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体の結合を調節する、請求項36記載の方法。
【請求項53】
該作用物質がRor結合パートナーに対するRor分子あるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体の結合を増強させる、請求項52記載の方法。
【請求項54】
該作用物質がRor結合パートナーに対するRor分子あるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体の結合を阻害する、請求項52記載の方法。
【請求項55】
Ror分子がRor2分子であり、Ror結合パートナーがRor2結合パートナーである、請求項52記載の方法。
【請求項56】
Ror2結合パートナーが、ADP/ATP担体タンパク質、UDP−グルコースセラミドグルコシルトランスフェラーゼ様1、14−3−3タンパク質ベータ/アルファ、14−3−3タンパク質ガンマ、リボフォリン1、アルギニンN−メチルトランスフェラーゼ1、細胞アポトーンス感受性タンパク質、NOTCH2タンパク質、およびヒト骨格筋LIM−タンパク質3からなる群から選択される、請求項55記載の方法。
【請求項57】
作用物質が培養中の単離された細胞に投与される、請求項36記載の方法。
【請求項58】
細胞が一次骨芽細胞、骨芽細胞起源の不死化細胞系列または非骨芽細胞起源の不死化細胞系列である、請求項57記載の方法。
【請求項59】
骨芽細胞起源の不死化細胞系列がHOB、U2OSおよびSaOS−2細胞からなる群から選択される、請求項58記載の方法。
【請求項60】
作用物質がヒト以外のトランスジェニック動物に投与される、請求項36記載の方法。
【請求項61】
トランスジェニック動物がマウスである、請求項60記載の方法。
【請求項62】
作用物質がヒト以外のノックアウト動物に投与される、請求項60記載の方法。
【請求項63】
該対象が脊椎動物または無脊椎動物生体である、請求項36記載の方法。
【請求項64】
対象が哺乳動物である、請求項36記載の方法。
【請求項65】
哺乳動物がヒトである、請求項64記載の方法。
【請求項66】
対象におけるWnt−1およびWnt−3活性を調節する方法であって、標的Ror2分子の発現または活性を調節する作用物質をWnt−1およびWnt−3活性を調節するのに有効な量にて投与することを含む、方法。
【請求項67】
骨関連活性を調節するための作用物質を同定する方法であって、(a)細胞内でRor分子を発現するかまたは内因性Ror発現を使用し;(b)細胞を作用物質と接触させ;および(c)Ror分子の発現または活性をモニター観察することを含み、作用物質の存在下でのRor分子の発現または活性の向上または低下が骨関連活性を調節するものとして作用物質を同定するところの、方法。
【請求項68】
Ror分子がRor1分子である、請求項67記載の方法。
【請求項69】
Ror分子がRor2分子である、請求項67記載の方法。
【請求項70】
Ror分子活性がチロシンキナーゼ活性である、請求項67記載の方法。
【請求項71】
骨関連活性が骨芽細胞分化、破骨細胞分化、骨芽細胞生存、破骨細胞生存、骨芽細胞活性または破骨細胞活性である、請求項67記載の方法。
【請求項72】
該作用物質が、抗体、小分子、ペプチド、オリゴペプチドおよびポリペプチドからなる群から選択される、請求項67記載の方法。
【請求項73】
該作用物質がRor遺伝子に特異的なアンチセンス核酸またはsiRNA分子を含み、アンチセンス核酸またはsiRNA分子が、1つまたはそれ以上のRorポリペプチドあるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体をコードする核酸を認識してそれと結合する、請求項67記載の方法。
【請求項74】
Ror遺伝子がRor1遺伝子であり、RorポリペプチドがRor1ポリペプチドである、請求項73記載の方法。
【請求項75】
Ror遺伝子がRor2遺伝子であり、RorポリペプチドがRor2ポリペプチドである、請求項73記載の方法。
【請求項76】
該作用物質が、Ror結合パートナーと結合することによって、Ror分子あるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体の発現および/または活性を調節する、請求項67記載の方法。
【請求項77】
Ror分子がRor2分子であり、Ror結合パートナーがRor2結合パートナーである、請求項76記載の方法。
【請求項78】
Ror2結合パートナーが、ADP/ATP担体タンパク質、UDP−グルコースセラミドグルコシルトランスフェラーゼ様1、14−3−3タンパク質ベータ/アルファ、14−3−3タンパク質ガンマ、リボフォリン1、アルギニンN−メチルトランスフェラーゼ1、細胞アポトーンス感受性タンパク質、NOTCH2タンパク質、およびヒト骨格筋LIM−タンパク質3からなる群から選択される、請求項77記載の方法。
【請求項79】
該作用物質がRor分子あるいはその相同体または誘導体またはフラグメントまたは変種または変異体のRor結合パートナーとの結合を調節する、請求項67記載の方法。
【請求項80】
Ror分子がRor2分子であり、Ror結合パートナーがRor2結合パートナーである、請求項79記載の方法。
【請求項81】
細胞が一次骨芽細胞、骨芽細胞起源の不死化細胞系列または非骨芽細胞起源の不死化細胞系列である、請求項67記載の方法。
【請求項82】
骨芽細胞起源の不死化細胞系列がHOB、U2OSおよびSaOS−2細胞からなる群から選択される、請求項81記載の方法。
【請求項83】
作用物質がさらにRor分子の発現または活性をモニター観察するため脊椎動物生体に投与され、作用物質の存在下でのRor分子の発現または活性の向上または低下が、作用物質を骨関連活性を調節するとして同定する、請求項67記載の方法。
【請求項84】
該脊椎動物生体が哺乳動物である、請求項83記載の方法。
【請求項85】
該脊椎動物生体がヒト以外のトランスジェニック動物である、請求項83記載の方法。
【請求項86】
Wntシグナル化経路を調節するための作用物質を同定する方法であって、Ror分子の発現または活性の調節能について1つまたはそれ以上の作用物質をスクリーニングすることを含み、Ror分子の発現または活性を調節することのできる作用物質が、Wntシグナル化経路を調節する作用物質であるところの、方法。
【請求項87】
Wntペプチドを発現する細胞に対し生物活性分子を連結する方法であって、細胞を生物活性分子に結合させるRor2ポリペプチドと接触させ、Wntポリペプチドと該Ror2ポリペプチドを互いに結合させ、それにより該生物活性分子を該細胞に連結させることを含む、方法。
【請求項88】
WntポリペプチドがWnt−1およびWnt−3からなる群から選択される、請求項87記載の方法。
【請求項89】
対象を骨関連障害についてスクリーニングする方法であって、対象におけるRor分子の発現を測定し、その対象における該Ror分子の、正常な対象におけるその発現と比較した、または骨関連障害について治療を受けた後の同じ対象でのその発現に比較した相対発現を決定する、方法。
【請求項90】
骨形成に関与する遺伝子を同定する方法であって、a)細胞内でRor分子を過剰発現させ、b)遺伝子発現プロフィールにおける変化をモニター観察し、およびc)Ror発現によりどの遺伝子が調節されるかを決定し、それにより骨形成に関与する遺伝子を同定することを含む、方法。
【請求項91】
Wntシグナル化経路を調節する遺伝子を同定する方法であって、a)細胞内でRor分子を過剰発現させ、b)遺伝子発現プロフィールにおける変化をモニター観察し、およびc)Ror発現によりどの遺伝子が調節されるかを決定し、それによりWntシグナル化経路を調節する遺伝子を同定することを含む、方法。
【請求項92】
マーカーとしてRor2を用いて増殖性ヒト前骨芽細胞を同定する方法であって、ヒト骨芽細胞内でのRor2遺伝子の発現を決定することを含み、ここでRor2発現の増加がその細胞を増殖性前骨芽細胞であると同定する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2006−524508(P2006−524508A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−510014(P2006−510014)
【出願日】平成16年4月14日(2004.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/011452
【国際公開番号】WO2004/094641
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】