説明

高められた溶解速度を有する薬物混合物

医薬組成物は1以上の別個の、経口でデリバリーされうる投与形態を含み、それぞれはCOX−2仲介障害の治療又は予防のために毎日一回投与されるとき有効な量の劣った溶解性のコキシブ成分、毎日一回投与されるとき心臓保護に有効な量のアスピリン成分、及び少なくとも1の医薬として許容される賦形剤を含み;上記投与形態は上記コキシブ及びアスピリン成分の親密な混合に対する実質的な障害を有しない。同時にCOX−2仲介障害を治療する又は予防する及び心臓保護を提供する方法はその必要のある患者に上記医薬組成物を経口投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬及びアセチルサリチル酸を含む医薬組成物に、及び上記組成物の治療的及び/又は予防的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
シクロオキシゲナーゼ(COX)酵素の阻害は少なくとも非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)がプロスタグランヂン合成の阻害を通して、それらの特有の抗炎症性、解熱性及び鎮痛性効果を発揮する主要な機構であると考えられている。ケトロラック、ヂクロフェナック、ナプロキセン及びそれらの塩の如き慣用のNSAIDsは治療的な用量でシクロオキシゲナーゼの構成的に発現されるCOX−1及び炎症性関連又は誘導性COX−2イソ形の両方を阻害する。正常細胞の機能に必要なプロスタグランヂンを産生するCOX−1の阻害は慣用のNSAIDsの使用に関連しているいくつかの悪い副作用の原因であるようにみえる。対照的に、COX−1の実質的な阻害を伴わないCOX−2の選択的阻害は、上記悪い副作用を最小限にする又は消去する一方で、抗炎症性の、解熱性の、鎮痛性の及び他の有用な治療的効果を引き起こす。はじめに1999年に商業的に入手可能となったセレコキシブ及びロフェコキシブの如き選択的COX−2阻害薬はそれゆえ本分野において大きな進歩を示した。これらの薬物はさまざまな経口でデリバリーされうる投与形態に調合される。
【0003】
アセチルサリチル酸(アスピリン)及びそのプロドラッグ並びにそれらの塩は特に上側胃腸(GI)腔の壁の出血及び/又は穿孔を含む、所望されない胃の副作用に関連しているNSAIDsである。アスピリンと選択的COX−2阻害薬の共投与は、少なくとも一部には既知のGI腔刺激薬、すなわち、アスピリンの添加により選択的COX−2阻害薬により提供される減少した上側GI腔合併症を危険にさらさないようにするために、及びアスピリンの主要な利点は選択的COX−2阻害薬により少なくとも効果的に提供されうる抗炎症性、解熱性及び鎮痛性活性であることが認められているために、一般的に推奨されていない。
【0004】
しかしながら、その抗炎症性、解熱性及び鎮痛性効果に加えて、アスピリンはある心臓保護効果を提供することが報告されている。アスピリンの有用な心臓保護効果を維持しながら上側GI腔合併症を避けようとする試みは、典型的に抗炎症性、解熱性又は鎮痛性効果を与える325mgを非常に下回る投与量での、及び/又はアスピリンの上側GI腔の壁との接触を調節する方法で調合されたアスピリンの投与に関連している。例えば、典型的に腸溶性のコーティングされた錠剤に調合された、抗炎症性、解熱性又は鎮痛性用量の約1/4の投与量、すなわち、約81mgのアスピリンは、上側GI腔副作用の最小限の危険性で心臓保護的使用のために通常推奨される。
【0005】
Nichtbergerの米国特許第6,136,804号は、選択的COX−2阻害剤と共に抗血小板剤を投与することにより急性冠状動脈虚血性症候群、血栓症、血栓塞栓症、血栓閉塞及び再閉塞、再狭窄、一過性虚血性発作、及び最初の又は二次的な血栓卒中を治療する、予防する又はその発展の危険性を減少させる方法を開示する。アスピリンはその中で好適な抗血小板剤として同定され、及び約75〜約325mg/日のアスピリンの投与量が提案される。
【0006】
Greenberg et al.(2000), J. Clin. Pharmacol. 40(12), 1509−1515は、低用量のアスピリンと共に投与される選択的COX−2阻害剤ロフェコキシブは健康な者において上記アスピリンの抗血小板効果を変化させないことを報告した。しかしながら、Boers(2001), “NSAIDs and selective COX−2 inhibitors: competition between gastroprotection and cardioprotection,” Lancet 357, 1222−1223は、慣用のNSAIDに優るセレコキシブの如き選択的COX−2阻害剤の胃の保護効果は、実質的に低用量のアスピリンを取る患者において打ち消されたことを示唆した。
【0007】
Oullet et al. (2001),“A high level of cyclooxygenase−2 inhibitor selectivity is associated with a reduced interference of platelet cyclooxygenase−1 inactivation by aspirin,” Proc. Nat. Acad. Sci. 98(25), 14583−14588は、選択的COX−2阻害剤セレコキシブ、ヴァルデコキシブ及びロフェコキシブはアスピリンの抗血小板活性に対するいくつかの拮抗作用を有するということを発見したが、上記作用が臨床的に関連するかどうかは明らかでなかった。
【0008】
Dalen(2002),“Selective COX−2 inhibitors, NSAIDs, aspirin, and myocardial infarction,” Arch. Intern. Med. 162, 1091−1092は、選択的COX−2阻害剤の多くの使用者は冠状動脈心疾患の危険性にある年齢群であることを結論付け、及び低用量のアスピリン(80mg/日)の付随した使用を推奨した。
【0009】
選択的COX−2阻害薬若しくはそのプロドラッグ又はそれらの塩(“コキシブ成分”)及びアセチルサリチル酸若しくはそのプロドラッグ又はそれらの塩(“アスピリン成分”)の両方を単一の投与形態で提供することは有益であろう。上記コキシブ成分は上側GI腔合併症の最小限の危険性で、炎症の如きCOX−2仲介障害の有効な治療及び/又は予防を提供しうる;一方で、上記アスピリン成分は、例えば、抗血小板活性により仲介される心臓保護効果を提供しうる。理想的には、上記アスピリン成分は上側GI腔損傷を刺激するには不十分な量で存在しうる。
【0010】
上記コキシブ成分及び上記アスピリン成分の相加的な利点を提供する調剤は、例えば、利便性、患者の遵守等の点で、別々の投与形態での2の薬物の投与に優って利点を有しうる。相乗的な相互作用をもたらす上記2の成分を調合する方法、例えば、1又は両方の成分のデリバリー又は効率を高めるものが発見されれば、さらなる利点が実現されうる。そのような調合アプローチは選択的COX−2阻害剤及びアスピリンについて今までのところ全く提案されていない。
【発明の開示】
【0011】
発明の要約
水中で劣った溶解性を有する選択的COX−2阻害薬若しくはそのプロドラッグ又はそれらの塩(コキシブ成分)が、コキシブ成分及びアスピリン成分が水性環境への投与形態の暴露の前に又はそれに際して親密に混合されることを許容する投与形態で、アセチルサリチル酸若しくはそのプロドラッグ又はそれらの塩(アスピリン成分)と共に調合されたとき、上記コキシブ成分は高められた溶解速度を示すことが、今般驚くべきことにわかった。理論に拘泥することなく、上記高められた溶解速度は上記コキシブ成分及び上記アスピリン成分の共融点混合物の形成から生ずると考えられる。このことは、例えば、上記2の成分が別々に投与される場合又は上記2の成分が上記アスピリン成分単独の腸溶性コーティングによるように親密な混合を妨げる方法で共調合される場合は起こりえない。
したがって、それぞれ、COX−2仲介障害の治療又は予防のために毎日一回投与されるとき有効な量の劣った溶解性のコキシブ成分、毎日一回投与されるとき心臓保護に有効な量のアスピリン成分、及び少なくとも1の医薬として許容される賦形剤を含む、1以上の別々の経口でデリバリーされうる投与形態を含む医薬組成物がここで提供される;上記投与形態は上記コキシブ及びアスピリン成分の親密な混合に対して実質的な障害を有しない。
【0012】
1の態様において、上記コキシブ及びアスピリン成分は、例えば、徹底的に混合された微細な粉末配合として、投与形態内に親密な共混合物で存在する。場合により、本明細書中で「第一の配合」といわれる上記配合は、「第二の配合」を形成する、1以上の賦形剤との共混合物でそれ自体存在する。上記調剤において、上記第二の配合は上記コキシブ成分の粒子が、妨害する賦形剤物質により互いに空間的に離れているよりもむしろ、主に上記アスピリン成分の粒子と接触したままである微小構造を有することが好ましい。上記調剤が調製されうる例示的なプロセスは、所望の重量比率で上記コキシブ成分及び上記アスピリン成分を粉砕しAPI(活性医薬成分)配合を形成する第一段階、上記API配合を1以上の医薬として許容される賦形剤と混合する第二段階、及び生ずる混合物を、例えば、成形して又は圧縮して錠剤を形成することにより又はカプセル化してカプセルを形成することにより、別々の経口でデリバリーされうる投与形態に作り上げる第三段階を、示される配列で含む。
【0013】
他の態様において、上記コキシブ及びアスピリン成分は上記投与形態内で非親密な混合物で存在するが、上記混合物の水性媒体(例えば、胃腸液又は溶解試験媒体)への暴露に際して、上記アスピリン成分が水性媒体中に溶解し始め、及び溶液中で運ばれて上記コキシブ成分と接触し、本発明にしたがう上記コキシブ及びアスピリン成分の親密な混合をもたらす方法でその中で配置される。上記調剤が調合されうる例示的なプロセスは、上記混合物の水性媒体への暴露に際してこれらの成分の混合を阻害する上記アスピリン成分及び上記コキシブ成分の間の障害の形成をもたらしうる賦形剤の組み合わせ及び混合順序が使用されないことを除いては、どんな順序でも上記コキシブ成分、上記アスピリン成分及び1以上の医薬として許容される賦形剤を混合すること、及び生ずる混合物を、例えば、上記に概略されるような別々の経口でデリバリーされうる投与形態に作り上げることを含む。
【0014】
上記態様のいずれかにしたがって、溶解遅延層(例えば、腸溶性コーティィング)は場合により上記投与形態の1以上の領域(例えば、投与形態全体又は投与形態内の個々のペレット若しくは顆粒)を囲んで存在することができ、コキシブ及びアスピリン成分の両方が上記領域内で所望の重量比率で存在することを提供する。
【0015】
また、同時にCOX−2仲介障害を治療する又は予防する及び心臓保護を提供する方法、その必要のある患者に上記に示されるように医薬組成物を経口投与すること、好ましくは1の投与形態が毎日一回投与されることを含む方法も本発明により提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明の詳細な説明
本発明に係る医薬組成物は1以上の別個の、経口でデリバリーされうる投与形態を含む。上記用語「経口でデリバリーされうる」は、本明細書中で、場合により吸収されうる液体、例えば、水中への溶解に続いて、経口の、舌下の及び頬の投与を含む、口による投与に好適であることを意味する。液体が上記投与形態の飲み込みを助けるために与えられうるが、好ましくは、投与形態は全体で又は壊されてではあるが液体中への事前の溶解又は分散なしに経口投与に好適である。非限定的に、(キャプレットの如きその変形を含む)錠剤、固体充填した又は液体充填した硬い又は軟らかいカプセル、舐剤、別々の粉末(典型的に単一の用量のサシェ中に包装された)等を含む、いかなる好適な別々の投与形態も使用されうる。
【0017】
現在好ましい投与形態は錠剤及び硬いカプセルである。本明細書中で有用な錠剤は典型的に圧縮された形態で、例えば、圧縮された粒状化混合物の形態で、本発明に係る組成物を含む。錠剤はコーティングされうる又はコーティングされない。本明細書中で有用なカプセルは典型的に多少遊離流動する顆粒の形態で本発明に係る組成物を含み、及び1以上の好適な材料、例えば、ゼラチン及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む壁を有する。
【0018】
それぞれの投与形態は劣った溶解性のコキシブ成分を含む。上記用語「劣った溶解性の」は、本明細書中で、20〜25℃の水中で約10mg/ml以下の、好ましくは約1mg/ml以下の、より好ましくは約0.1mg/ml(100ppm)以下の溶解性を有することを意味する。上記用語「コキシブ」は、本明細書中で、全ての選択的COX−2阻害薬、特に、約10超の、好ましくは約50超の、より好ましくは約100超のCOX−1/COX−2選択率を有するものを含む。本目的のために、選択率は、in vitro又はin vivoで計測されたCOX−2についてのIC50に対するCOX−1についてのIC50の割合として定義され、IC50はCOX−1又はCOX−2の活性の50%阻害を作出する化合物の濃度である。上記用語「コキシブ」は、本明細書中で、また、上記選択的COX−2阻害薬のプロドラッグ、並びに上記薬物及びプロドラッグの塩をも含む。
【0019】
本明細書中で有用な好ましいコキシブは式(I)の化合物:
【化1】

若しくはそのプロドラッグ又はそれらの医薬として許容される塩であり、ここで:
Aは部分的に不飽和の又は不飽和のヘテロ環状及び部分的に不飽和の又は不飽和の炭素環状環、好ましくは、ピラゾリル、フラノニル、イソキサゾリル、ピリヂニル、シクロペンテノニル及びピリダジノニル基から選ばれるヘテロシクリル基から選ばれる置換基である;
XはO、S又はCH2である;
nは0又は1である;
【0020】
1はヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びアリールから選ばれる少なくとも1の置換基であり、及び場合によりアルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシ及びアルキルチオから選ばれる1以上のラヂカルで置換可能な位置で置換される;
【0021】
2はメチル、アミノ又はアミノカルボニルアルキルである;
3はヒドリド、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、シアノ、カルボキシル、シアノアルキル、ヘテロシクリルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルケニル、アラルキル、ヘテロシクリルアルキル、アシル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルケニル、アルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールオキシアルキル、アラルキルチオアルキル、アラルコキシアルキル、アルコキシアラルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N−アリールアミノアルキル、N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アリールアミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルフォニル、アミノスルフォニル、アルキルアミノスルフォニル、N−アリールアミノスルフォニル、アリールスルフォニル及びN−アルキル−N−アリールアミノスルフォニルから選ばれる1以上のラヂカルであり、R3は場合によりアルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシ及びアルキルチオから選ばれる1以上のラヂカルで置換可能な位置で置換される;及び
4はヒドリド及びハロから選ばれる。
【0022】
1の好ましい態様において、上記コキシブは式(II):
【化2】

若しくはそのプロドラッグ又はそれらの医薬として許容される塩を有する化合物であり、ここで、R5はメチル又はアミノ基であり、R6は水素又はC1-4アルキル又はアルコキシ基であり、X1はN又はCR7であり、ここで、R7は水素又はハロゲンであり、及びY及びZは独立に場合によりオキソ、ハロ、メチル若しくはハロメチル基又はその異性体又は互変異性体で1以上の位置で置換される5〜6員環の近隣の原子を定義する炭素又は窒素原子である。好ましい上記5〜6員環は1以下の位置で置換されるシクロペンテノン、フラノン、メチルピラゾール、イソキサゾール、及びピリヂン環である。
【0023】
他の好ましい態様において、上記コキシブは式(III):
【化3】

若しくはそのプロドラッグ又はそれらの医薬として許容される塩を有する化合物であり、ここで、X”はO、S又はN−低アルキルであり;R8は低ハロアルキルであり;R9は水素又はハロゲンであり;R10は水素、ハロゲン、低アルキル、低アルコキシ若しくはハロアルコキシ、低アラルキルカルボニル、低ヂアルキルアミノスルフォニル、低アルキルアミノスルフォニル、低アラルキルアミノスルフォニル、低ヘテロアラルキルアミノスルフォニル又は5又は6員の窒素を含むヘテロシクロスルフォニルであり;及びR11及びR12は独立に水素、ハロゲン、低アルキル、低アルコキシ又はアリールである。
式(III)の特に有用な化合物は(S)−6,8−ヂクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸である。
【0024】
他の好ましい態様において、上記コキシブは5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸又はその誘導体である。このクラスの特に有用な化合物は5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸及びその医薬として許容される塩である。
【0025】
コキシブ又はそれらのプロドラッグの塩は1以上の医薬として許容される対イオンを含む。上記塩は例示的にアルカリ金属及びアルカリ土壌金属陽イオン、例えば、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛の如き無機陽イオン又はトロメタミン、ヂエチルアミン、N,N’−ヂベンジルエチレンヂアミン、クロロプロカイン、コリン、ヂエタノールアミン、エチレンヂアミン、メグルミン、プロカイン等の如きアミンから調製される有機陽イオンを有する塩基添加塩を含む。
【0026】
例示的に、セレコキシブ、デラコキシブ、ヴァルデコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、2−(3,5−ヂフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルフォニル)フェニル]−2−シクロペンテン−1−オン、(S)−6,8−ヂクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸、2−(3,4−ヂフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブトキシ)−5−[4−(メチルスルフォニル)フェニル]−3−(2H)−ピリダジノン、5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸及びそれらの塩、より特にセレコキシブ、ヴァルデコキシブ、ロフェコキシブ及びエトリコキシブは本発明に係る組成物において有用である。
【0027】
現在特に好ましいコキシブはセレコキシブである。本発明はコキシブ成分として特にセレコキシブについて本明細書中で例示されるが、他のコキシブは所望の場合置き換えられうるということが理解されるであろう。
【0028】
上記コキシブ成分はCOX−2仲介障害の治療又は予防のために毎日一回投与されるとき有効な量で本発明に係る組成物のそれぞれの投与形態に存在する。好適な投与量は、例えば、Physician’s Desk Reference(PDR)及び他の源中に示されるように、問題のコキシブについての標準の前記情報についての引用により決定されうる。セレコキシブの場合、好適な投与量は通常約50mg〜約400mgの範囲で見られるであろうが、より多い又は少ない量は特定の事情において有用でありうる。特に好ましいセレコキシブ投与量は約75mg〜約300mg、例えば、約100mg〜約200mgである。上記コキシブがセレコキシブ以外である場合、好適な投与量は上記に与えられるセレコキシブ投与量に治療的に相当する量である。
【0029】
それぞれの投与形態はさらにアスピリン成分、すなわち、アセチルサリチル酸若しくはそのプロドラッグ又はそれらの塩を含む。コキシブ塩についての上記に列挙される陽イオンを有するアセチルサリチル酸の塩、最も好ましくはカルシウム塩を含むアルカリ及びアルカリ土壌金属塩は例示的に有用である。特に好ましいのは酸形のアスピリンである。
上記アスピリン成分は毎日一回投与されるとき心臓保護に有効な量で本発明に係る組成物のそれぞれの投与形態中に存在する。鎮痛剤又は解熱剤として使用されるアスピリンの通常の完全な成人用量を超えないことが好ましい。本発明に係る組成物中のアスピリンの好適な投与量は通常約20mg〜約325mg、好ましくは約40mg〜約160mgの範囲で見られるであろう。特に好適なものは約80mgの通常の心臓保護投与量であるが、いくつかの事情においては、より低い投与量、例えば、75mg未満が有用でありうる。
【0030】
それぞれの投与形態はさらに1以上の医薬として許容される賦形剤を含む。上記用語「賦形剤」は、本明細書中で、それ自体は治療用剤ではないが、患者への治療用剤のデリバリーのための担体又は媒体として使用される又はその取り扱い又は貯蔵特性を改善するために若しくは上記組成物の投与単位を形成して経口投与に好適なカプセル若しくは錠剤の如き別々の物にすることを許す又は促進するために医薬組成物に添加される物質を意味する。賦形剤は、例示のために及び非限定的に、希釈剤、崩壊剤、結合剤、粘着剤、湿潤剤、潤滑剤、滑走剤、結晶化阻害剤、界面調節剤、好まれない味若しくは匂いを隠す又は中和するために添加される物質、香味料、色素、香料、及び上記組成物の外見を改善するために添加される物質を含む。上記賦形剤は固体、半固体、液体又はそれらの混合物でありうる。
【0031】
本発明に係る組成物は場合により1以上の医薬として許容される希釈剤を賦形剤として含む。好適な希釈剤は例示的に、無水物ラクトース及びラクトース一水和物を含むラクトース;直接圧縮可能なデンプン及び加水分解デンプン(例えば、Celutab(商標)及びEmdex(商標))を含むデンプン;マンニトール;ソルビトール;キシリトール;デキストロース(例えば、Cerelose(商標)2000)及びデキストロース一水和物;二塩基リン酸カルシウム二水和物;スクロースに基づいた希釈剤;粉糖;一塩基硫酸カルシウム一水和物;硫酸カルシウム二水和物;粒状乳酸カルシウム三水和物;デキストレート;イノシトール;加水分解穀物固体;アミロース;微晶質セルロース、α−及び非晶質セルロース(例えば、Rexcel(商標))の食品グレードの源及び粉末セルロースを含むセルロース;炭酸カルシウム;グリシン;ベントナイト;ポヴィドン等を、個々に又は組み合わせで含む。上記希釈剤は、存在する場合、上記組成物の総量の約5%〜約99%、好ましくは約10%〜約85%、及びより好ましくは約20%〜約80%の総量で構成する。選択される希釈剤(単数)又は希釈剤(複数)は好ましくは好適な流動特性、及び錠剤が所望される場合、圧縮性を示す。
【0032】
ラクトース及び微晶質セルロースは、個々に又は組み合わせで、好ましい希釈剤である。追加の粒状微晶質セルロース(すなわち、乾燥段階後に湿った粒状化組成物に添加される微晶質セルロース)の使用は錠剤の硬さ及び/又は崩壊時間を改善するために使用されうる。ラクトース、特にラクトース一水和物は、特に好ましい。ラクトースは典型的に、比較的低い希釈剤コストで好適な薬物放出速度、安定性、圧縮前流動性、及び/又は乾燥特性を有する組成物を提供する。それは、(湿性粒状化が使用される場合)粒状化の間に密度を高めることを助ける及びそれゆえ配合流動特性を改善する、高濃度基質を提供する。
【0033】
本発明に係る組成物は場合により、特に錠剤調合のために、賦形剤として1以上の医薬として許容される崩壊剤を含む。好適な崩壊剤は、個々に又は組み合わせで、グリコール酸ナトリウムデンプン(例えば、Pen WestのExplotab(商標))及び前ゼラチン化トウモロコシデンプン(例えば、National(商標)1551、National(商標)1550、及びColorcon(商標)1500)を含むデンプン、泥(例えば、Veegum(商標)HV)、精製セルロース、微晶質セルロース、メチルセルロース、カルメルロース及びカルメルロースナトリウム、クロスカルメルロースナトリウム(例えば、FMCのAc−Di−Sol(商標))の如きセルロース、アルギン酸、クロスポヴィドン、及びアガー、グアール、イナゴマメ、カライヤ、ペクチン及びトラガカントゴムの如きゴムを含む。
【0034】
崩壊剤は上記組成物の調製の間いかなる好適な段階でも、特に粒状化の前に又は圧縮前の潤滑化段階の間に添加されうる。上記崩壊剤は、存在する場合は、上記組成物の総重量の約0.2%〜約30%、好ましくは約0.2%〜約10%、及びより好ましくは約0.2%〜約5%の総量で構成する。
【0035】
クロスカルメルロースナトリウムは好ましい崩壊剤であり、及び存在する場合、好ましくは上記組成物の総重量の約0.2%〜約10%、より好ましくは約0.2%〜約7%、及びさらにより好ましくは約0.2%〜約5%を構成する。クロスカルメルロースナトリウムは粒状化組成物に対して優れた内部粒状崩壊特性を与える。
【0036】
本発明に係る組成物は場合により、特に錠剤調合のために、賦形剤として1以上の医薬として許容される結合剤又は粘着剤を含む。上記結合剤及び粘着剤は好ましくは錠剤化される上記粉末に十分な粘着を与え、サイジング、潤滑化、圧縮及び包装の如き通常のプロセッシング操作を可能にするが、それでも上記錠剤が崩壊すること及び上記治療用剤が摂取に際して吸収されることを可能にする。好適な結合剤及び粘着剤は、個々に又は組み合わせで、アカシア;トラガカント;スクロース;ゼラチン;グルコース;非限定的に、前ゼラチン化デンプン(例えば、National(商標)1511及びNational(商標)1500)の如きデンプン;非限定的に、メチルセルロース及びカルメルロースナトリウム(例えば、Tylose(商標))の如きセルロース;アルギン酸及びアルギン酸塩;マグネシウムアルミニウム珪酸塩;ポリエチレングリコール(PEG);グアールゴム;ポリサッカライド酸;ベントナイト;ポヴィドン、例えば、ボヴィドンK−15、K−30及びK−29/32;ポリメタクリレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(商標));及びエチルセルロース(例えば、Ethocel(商標))を含む。上記結合剤及び/又は粘着剤は、存在する場合、上記組成物の総重量の約0.5%〜約25%、好ましくは約0.75%〜約15%、及びより好ましくは約1%〜約10%の総量で構成する。
【0037】
本発明に係る組成物は場合により賦形剤として1以上の医薬として許容される湿潤剤を含む。上記湿潤剤は劣った溶解性のコキシブの湿潤化を助けることができ、それは上記コキシブ成分のバイオアベイラビリティーを改善すると考えられる条件である。
【0038】
好適な湿潤剤は第四アンモニウム化合物、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム及び塩化セチルピリヂニウム、ヂオクチルナトリウムスルフォスクシネート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えば、ノノキシノール9、ノノキシノール10、及びオクトキシノール9、ポロキサマー(ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンブロック共重合体)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド及び油、例えば、ポリオキシエチレン(8)カプリル酸/カプリン一及び二グリセリド(例えば、GattefosseのLabrasol(商標))、ポリオキシエチレン(35)キャスター油及びポリオキシエチレン(40)水素化キャスター油;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、ポリオキシエチレン(20)セトステアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレン(40)ステアリン酸塩、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えば、ポリソルベート20及びポリソルベート80(例えば、ICIのTween(商標)80)、プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えば、ラウリル酸プロピレングリコール(例えば、GattefosseのLauroglycol(商標))、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸及びそれらの塩、例えば、オレイン酸、オレイン酸ナトリウム及びトリエタノールアミンオレイン酸、グリセリール脂肪酸エステル、例えば、一ステアリン酸グリセリール、ソルビタンエステル、例えば、一ラウリル酸ソルビタン、一オレイン酸ソルビタン、一パルミチン酸ソルビタン及び一ステアリン酸ソルビタン、タイロキサポール、及びそれらの混合物を含む。上記湿潤剤は、存在する場合、上記組成物の総重量の約0.25%〜約15%、好ましくは約0.4%〜約10%、及びより好ましくは約0.5%〜約5%の総量で構成する。
【0039】
陰イオン性界面活性剤である湿潤剤は好ましい。ラウリル硫酸ナトリウムは特に好ましい湿潤剤である。ラウリル硫酸ナトリウムは、存在する場合、上記組成物の総重量の約0.25%〜約7%、より好ましくは約0.4%〜約4%、及びさらにより好ましくは約0.5%〜約2%を構成する。
【0040】
本発明に係る組成物は場合により賦形剤として1以上の医薬として許容される(抗粘着剤及び/又は滑走剤を含む)潤滑剤を含む。好適な潤滑剤は、個々に又は組み合わせで、グリセリールベハペート(例えば、Compritol(商標)888);ステアリン酸及びステアリン酸マグネシウム、カルシウム及びナトリウムを含むその塩;水素化植物油(例えば、Sterotex(商標));コロイドシリカ;タルク;蝋;ホウ酸;ナトリウムベンゾエート;酢酸ナトリウム;フマル酸ナトリウム;塩化ナトリウム;D,L−ロイシン;PEG(例えば、Carbowax(商標)4000及びCarbowax(商標)6000);オレイン酸ナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;及びラウリル硫酸マグネシウムを含む。上記潤滑剤は、存在する場合、上記組成物の総重量の約0.1%〜約10%、好ましくは約0.2%〜約8%、及びより好ましくは約0.25%〜約5%の総量で構成する。
【0041】
ステアリン酸マグネシウムは、例えば、錠剤調剤の圧縮の間の錠剤化装置及び粒状化混合物の間の摩擦を減少させるために使用される好ましい潤滑剤である。
好適な抗粘着剤はタルク、トウモロコシデンプン、DL−ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウム及び金属ステアリン酸を含む。タルクは、例えば、調剤の装置表面への付着を減少させるために及びまた上記配合中の静電気を減少させるために使用される好ましい抗粘着剤又は滑走剤である。タルクは、存在する場合、上記組成物の総重量の約0.1%〜約10%、より好ましくは約0.25%〜約5%、及びさらにより好ましくは約0.5%〜約2%を構成する。
【0042】
滑走剤は固体調剤の粉末流動を促進するために使用されうる。好適な滑走剤は二酸化コロイドシリコン、デンプン、タルク、三塩基リン酸カルシウム、粉末化セルロース及び三珪酸マグネシウムを含む。二酸化コロイドシリコンは特に好ましい。
着色剤、香味剤及び甘味剤の如き他の賦形剤は医薬分野において知られ、及び本発明に係る組成物において使用されうる。本発明に係る組成物はさらにpH調節又は安定化剤、例えば、緩衝剤を含みうる。
【0043】
場合により、1以上の発泡剤は崩壊剤として及び/又は本発明に係る組成物の感覚器を刺激する特性を高めるために使用されうる。投与形態の崩壊を促進するために存在する場合、1以上の発泡剤は好ましくは上記組成物の約30重量%〜約75重量%、及び好ましくは約45重量%〜約70重量%、例えば約60重量%の総量で存在する。
【0044】
本発明の重要な局面は、本明細書中で示される投与形態は上記コキシブ及びアスピリン成分の親密な混合に対する実質的な障害を有してはならないということである。上記混合は調合の間に起こることができ、その場合、投与される投与形態は既に互いに親密な接触にあるコキシブ及びアスピリン成分を有する。あるいは、上記混合は上記組成物の水性媒体への暴露に際して、例えば、胃腸液中の又は溶解試験媒体中のアスピリン成分の溶解の開始により起こりうる。
【0045】
胃腸液への暴露は投与に際して即座に起こりうる又はそれは、例えば、投与形態全体の周りの又は、それぞれの腸溶性コーティングされたペレット若しくは顆粒が上記コキシブ及びアスピリン成分を含む上記投与形態内の個々のペレット若しくは顆粒の周りの腸溶性コーティングの供給により遅延されうる。特に胃又は十二指腸潰瘍の危険性の高い患者において、胃及び十二指腸内でアスピリン成分の放出を最小限にするために上記コーティングを提供することは好ましいということが見られうる。しかしながら、上記アスピリン成分のみが腸溶性コーティングされた場合、アスピリン成分との親密な混合をとおして上記コキシブ成分の溶解が高められることにおける本発明の利点は失われるであろうということが認識されるであろう。
【0046】
理論に拘泥することなく、高められた溶解速度は上記コキシブ成分及び上記アスピリン成分の共融点混合物の形成から生ずると考えられる。本発明の1の態様は1以上の別々の経口でデリバリーされうる投与形態を含む医薬組成物であり、それぞれはCOX−2仲介障害の治療又は予防のために毎日一回投与されるとき有効な量の劣った溶解性のコキシブ成分、毎日一回投与されるとき心臓保護に有効な量のアスピリン成分、及び少なくとも1の医薬として許容される賦形剤を含み;ここで、上記コキシブ及びアスピリン成分は上記組成物の水性媒体への暴露の前に又はそれに際して共融点混合物を形成する。
【0047】
上記用語「共融点混合物」は、上記混合物が、いずれかの成分単独の融点から予想されるであろうよりも低い融点を有するような重量比率での、2の成分の親密な混合物という広い意味で、本明細書中で使用される。本明細書中で有用なセレコキシブ−アスピリン共融点混合物の場合、上記混合物の融点は実質的に純粋なアスピリンのそれ(142℃前後)と等しい又はそれより低く、及び純粋なセレコキシブのそれ(162℃前後)よりかなり低い。
【0048】
上記コキシブ成分がセレコキシブである場合、コキシブ対アスピリンの好適な重量比率は約10:1〜約1:4、好ましくは約8:1〜約1:2、より好ましくは約5:1〜約1:1である。例示的な重量比率は約2.5:1又は約1.25:1である。セレコキシブ以外のコキシブが使用される場合、好適な重量比率は上記比率に治療的に相当する比率である。
【0049】
上記コキシブ及びアスピリン成分の親密な混合に対する実質的な障害を有さない調剤のいくつかの例は図1、A〜F中に図で例示される。
Aにおいて、薬物粒子のクラスターは「障害のない賦形剤マトリックス」、すなわち、水性媒体による浸透に対する障害を示さない賦形剤マトリックス中に分散される。それぞれのクラスター内で、コキシブ及びアスピリン粒子は互いに親密な接触にある。
【0050】
Bにおいて、互いに親密に接触するコキシブ及びアスピリン粒子のクラスターが存在するが、それぞれのクラスターは溶解遅延層、例えば、腸溶性コーティング内に封入される。コキシブ及びアスピリン成分の放出は遅延されるであろうが、水性媒体が上記クラスター内に浸透するとき、上記コキシブ成分の溶解速度に対する2の薬物成分の親密な混合の利点は実現されるであろう。
【0051】
C及びDはBの変形であり、投与形態全体を封入する溶解遅延外部コーティング、及び上記クラスターが埋め込まれた溶解遅延マトリックスをそれぞれ有する。A及びBにおけるのと同じように、上記コキシブ及びアスピリン成分は親密に混合され、及び上記コキシブ成分の高められた溶解が水性媒体による溶解遅延コーティング又はマトリックスの浸透に際して起こるであろう。
Eにおいて、上記コキシブ及びアスピリン成分は投与前に投与形態内で親密に混合されていないが、その代わりに非障害賦形剤マトリックスをとおして独立に分散される。上記投与形態の水性媒体への暴露に際して、上記アスピリン成分は直ちに溶解しはじめるであろう、及び溶液中で運ばれて上記コキシブ成分と親密に接触し、それにより上記コキシブ成分の高められた溶解を引き起こす。
【0052】
Fは、水性媒体による上記投与形態の浸透を遅らせる溶解遅延外部コーティングを有するEの変形である;しかしながら、上記水性媒体が上記投与形態の内部に入るとすぐに、上記アスピリン成分は溶解しはじめ、及びEにおけるのと同じように上記コキシブ成分と親密に接触するであろう。
【0053】
図1のG及びHは本発明にしたがわない比較の投与形態を示す。Gにおいて、上記アスピリン成分のみが溶解遅延層、例えば、腸溶性コーティング内に封入される。このことは上記コキシブ成分の高められた溶解に必要とされる上記コキシブ及びアスピリン成分の親密な混合を可能にしないであろう。Hは、別々のコキシブ及びアスピリン粒子が溶解遅延マトリックス内に分散されたGの変形であり、これもまた親密な混合を妨げる。
【0054】
医薬分野における当業者は、図1の提示及び本明細書中上記の本発明の記載について、本組成物を作出する方法を容易に開発するであろう。特に、図1のE及びFに示される調剤は、2の治療的に活性な剤及び1以上の賦形剤の混合、続いて錠剤化又はカプセル化段階、及びFに示されるように錠剤の場合には、コーティング段階を含む薬学の標準プロセスにより作出されうる。
【0055】
上記コキシブ及びアスピリン成分が投与前に上記投与形態内で親密に混合される調剤(例えば、図1のA〜Dに示されるように)は所定の配列で以下の段階を含むプロセスにより調製されうる。
【0056】
1.上記コキシブ成分及び上記アスピリン成分を所望の重量比率で粉砕し、API配合を形成する。上記用語「粉砕される」は、本明細書中で、2の成分が共にひかれ又は製粉され、均一な粉末を形成するいかなる手順をも含む。研究室スケールでは、乳鉢及び乳棒が粉砕のために使用されうる;より大きなスケールでは、いかなる好適なひく又は製粉する装置も使用されうる。生ずる粉末が微細であればあるほど、2の成分はAPI配合中でより親密に混合されるであろう。上記API配合は場合により、さらにコキシブ及びアスピリン粒子の間の接触を高めるために、本明細書中で「強打」といわれる手順である、圧縮段階にかけられる。
【0057】
2.上記API配合をその後、好適な順序で所望の賦形剤(単数又は複数)と混合する。上記成分のはじめの配合に続いて、粒状化段階が錠剤化又はカプセル化に好適な混合物を提供するために好ましく使用される。本分野において知られる乾燥又は湿性粒状化技術が使用されうるが、錠剤化又はカプセル化前の生ずる粒状物の乾燥段階を伴う湿性粒状化段階が一般的に好ましい。1以上の希釈剤、1以上の崩壊剤及び1以上の結合剤が、好ましくは粒状化前に添加されることができ、湿潤剤は場合により、例えば、粒状化段階において添加されることができ、及び1以上の崩壊剤は粒状化後であって錠剤化又はカプセル化前に添加されうる。粒状化前に添加された崩壊剤は内部粒状崩壊剤になり、及び顆粒の崩壊において助けとなる。粒状化後に添加された崩壊剤は外部粒状崩壊剤になり、及び水性媒体への暴露に際して顆粒のはじめの分離において助けとなる。潤滑剤は好ましくは錠剤化前に添加される。配合及び粒状化は低い又は高いシアーの下で独立に行われうる。薬物内容量において均一であり、容易に崩壊し、重量バリエーションがカプセル充填又は錠剤化の間に確実に制御されうるように十分な容易さで流動する、及びバッチが選択された装置においてプロセスされうる及び個々が特定のカプセル又は錠剤金型中に合うように塊内で十分に密集した顆粒を形成するプロセスは好ましく選択される。
【0058】
3.段階2から生ずる混合物又は乾燥粒状物は、例えば、錠剤を形成するために成形する又は圧縮することにより又はカプセルを形成するためにカプセル化することにより、別々の経口でデリバリーされうる投与形態に作り上げられる。場合により、この段階で調製される錠剤はコーティング、例えば、腸溶性コーティングのさらなる段階にかけられうる。
【0059】
本発明はまた同時にCOX−2仲介障害を治療する又は予防する及びその必要のある患者に心臓保護を提供する方法をも提供する。上記方法は上記患者に上記に示されるような医薬組成物を経口投与することを含む。上記患者は非ヒト、例えば、家畜動物でありうるが、より典型的にはヒトである。
【0060】
本発明に係る組成物は、非限定的に、炎症、痛み及び/又は熱により特徴付けられる障害を含む、COX−2により仲介される障害の非常に広い範囲の治療及び予防において有用である。上記組成物は関節炎の治療におけるように、抗炎症剤として特に有用である。企図された組成物は、非限定的に、慢性関節リウマチ、脊椎関節症、痛風関節炎、変形性関節症、全身性エリテマトーデス及び若年性関節炎を含む、さまざまな関節炎障害を治療するために有用である。
【0061】
上記組成物は、喘息、気管支炎、月経痙攣、早産、腱炎、滑液包炎、アレルギー性神経炎、サイトメガロウイルス感染、HIV誘導アポトーシスを含むアポトーシス、腰痛、肝炎を含む肝臓疾患、乾癬、湿疹、ざ瘡、やけど、皮膚炎及び日焼けを含む紫外線照射損傷の如き皮膚に関連する状態、及び白内障手術又は屈折手術の如き眼の手術後のものを含む術後炎症の治療において有用である。
【0062】
上記組成物は炎症性腸疾患、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群及び潰瘍性大腸炎の如き胃腸の状態を治療するために有用である。
上記組成物は片頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホヂキン病、強皮症、リウマチ熱、I型糖尿病、重症筋無力症を含む神経筋接合部疾患、多発性硬化症を含む白質疾患、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、多発性筋炎、歯肉炎、腎炎、過敏症、脳浮腫を含む外傷後に起こる腫脹、心筋虚血等の如き疾患において炎症を治療するのに有用である。
【0063】
上記組成物は、非限定的に、眼内炎、上強膜炎、網膜炎、虹彩炎、毛様体炎、脈絡膜炎、角膜炎、結膜炎及び眼瞼炎の如き炎症性障害、眼の1超の部分の炎症性障害、例えば、脈絡網膜炎、虹彩毛様体炎、(ブドウ膜炎としても知られる)虹彩毛様体脈絡膜炎、角結膜炎、眼瞼結膜炎等;糖尿病性網膜症、眼の光恐怖症を含む他のCOX−2仲介網膜症;手術後、例えば、白内障又は角膜移植手術後の外傷を含む眼の組織の急性外傷;手術後の眼の炎症;手術中の縮瞳;角膜移植拒絶;傷害又は感染後のものを含む眼の、例えば、網膜の新生血管形成;黄斑変性;類のう胞黄斑水腫;水晶体後線維増殖症;血管新生緑内障;及び眼の痛みを含む眼の障害の治療において有用である。
【0064】
上記組成物はウイルス感染及びのう胞性線維症に関連するものの如き肺の炎症の治療において、及び骨粗しょう症に関連するものの如き骨吸収において有用である。
上記組成物はアルツハイマー病を含む皮質性の痴呆、神経退化、及び卒中、虚血及び外傷から生ずる中枢神経系損傷の如きいくつかの中枢神経系障害の治療のために有用である。本文脈における上記用語「治療」はアルツハイマー病、血管性痴呆、多発脳梗塞性痴呆、初老期痴呆、アルコール性痴呆及び老年痴呆を含む、痴呆の部分的な又は全体の阻害を含む。
【0065】
上記組成物はアレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、内毒素発作症候群及び肝臓疾患の治療において有用である。
上記組成物は、非限定的に、手術後の痛み、歯の痛み、筋肉の痛み、及び癌から生ずる痛みを含む、痛みの治療において有用である。例えば、上記組成物はリウマチ熱、インフルエンザ及び通常の風邪を含む他のウイルス感染、下側背部及び首の痛み、月経困難症、頭痛、歯痛、捻挫及び挫傷、筋炎、神経痛、滑膜炎、慢性関節リウマチを含む関節炎、変形性関節症(degenerative joint diseases)(変形性関節症(osteoarthritis))、痛風及び強直性脊椎炎、滑液包炎、やけど、及び手術及び歯の処置後の外傷を含むさまざまな状態における痛み、熱及び炎症の軽減のために有用である。
【0066】
上記組成物は血管疾患、冠状動脈疾患、動脈瘤、血管拒絶、動脈硬化症、心臓移植アテローム性動脈硬化症を含むアテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、塞栓症、卒中、静脈性血栓症を含む血栓症、不規則な狭心症を含むアンギナ、冠状動脈プラーク炎症、クラミヂア誘導性炎症を含む菌誘導性炎症、ウイルス誘導性炎症、及び冠状動脈バイパス手術を含む血管移植の如き手術処置、血管形成、ステント設置、動脈血管内膜切除を含む血管再生処置又は動脈、静脈及び毛細血管に関する他の侵襲性の処置に関連する炎症を含む、炎症関連心臓血管障害の治療及び予防のために有用である。
【0067】
上記組成物は、例えば、腫瘍の新脈管形成を阻害するために、患者における新脈管形成関連障害の治療において有用である。上記組成物は転移を含む新形成;角膜移植拒絶、眼の新生血管形成、手術又は感染後の新生血管形成を含む網膜新生血管形成、糖尿病性網膜症、黄斑変性、水晶体後線維増殖症及び新生血管緑内障の如き眼科状態;胃潰瘍の如き潰瘍性疾患;乳児血管腫を含む血管腫、鼻咽頭の血管線維腫及び骨の無血管壊死の如き病理学的であるが、非悪性の状態;及び子宮内膜症の如き女性の生殖系の障害の治療において有用である。
【0068】
上記組成物は結腸直腸癌、脳の癌、骨の癌、基底細胞癌腫の如き上皮細胞由来の新形成(上皮癌腫)、腺癌、唇の癌、口の癌、食道癌、小腸癌、胃癌、結腸癌の如き胃腸癌、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、頸部の癌、肺癌、乳癌、扁平上皮細胞及び基底細胞癌の如き皮膚癌、前立腺癌、腎細胞癌腫、及び体全体をとおして上皮細胞に影響する他の既知の癌の如き、癌を含む良性及び悪性腫瘍及び新形成の予防及び治療において有用である。本発明に係る組成物が特に有用であると企図される新形成は胃腸癌、バレット食道、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、頸部の癌、肺癌、乳癌及び皮膚癌である。上記組成物は放射線治療で起こる線維症を治療するためにも使用されうる。上記組成物は家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)を有する者を含む、腺腫性ポリープを有する患者を治療するために使用されうる。さらに、上記組成物はFAPの危険性のある患者においてポリープの形成を妨げるために使用されうる。
【0069】
上記組成物は収縮性プロスタノイドの合成を阻害することによりプロスタノイド誘導性平滑筋収縮を阻害し、及びそれゆえ、月経困難症、早産、喘息及び好酸球関連障害の治療において使用されうる。それらはまた特に閉経後の女性において骨損失の減少(すなわち、骨粗しょう症の治療)のために、及び緑内障の治療のために使用されうる。
【0070】
本発明に係る組成物についての好ましい使用は、慢性関節リウマチ及び変形性関節症の治療のため、一般的に痛み(特に、口腔手術後の痛み、一般手術後の痛み、整形外科手術後の痛み、及び変形性関節症の急性の発赤)の処理のため、頭痛及び片頭痛の予防及び治療のため、アルツハイマー病の治療のため、及び結腸癌化学予防法のためである。
【0071】
上記に示された使用の全てにおいて、本発明に係る組成物はCOX−2阻害性利点と同時に、アスピリン成分のための心臓保護利点を追加的にデリバリーする。上記アスピリンの心臓保護効果は抗血小板凝集活性に関連すると考えられている。
【0072】
本発明に係る組成物のための好ましい投与量計画は一日一回又は一日二回投与に対応するが、さまざまな因子にしたがって改変されうる。これらは、患者の型、年齢、体重、性別、食事及び健康状態、COX−2仲介障害の性質及び重篤さ、心臓疾患の危険因子の存在及び重篤さ、アスピリン成分の胃の効果への患者の素因、及び他の因子を含む。典型的に、単一の投与形態は一日一回又は二回、最も好ましくは一日一回投与される。
【0073】
コキシブ成分についての好適な毎日の投与量は、セレコキシブの場合、典型的に約50mg〜約400mg、又は他のコキシブの場合、治療的に相当する量である。より多い又は少ない量は特定の状況において有用でありうる。セレコキシブについて特に好ましい毎日の投与量は約75mg〜約300mg、例えば、約100mg〜約200mgである。
【0074】
アスピリン成分についての好適な毎日の投与量は典型的に約20mg〜約325mg、好ましくは約40mg〜約160mgである。いくつかの状況においては、より低い投与量、例えば、75mg未満が有用でありうるが、特に好ましいものは約80mgの通常の心臓保護投与量である。
【実施例】
【0075】
実施例
以下の実施例は本発明の局面を例示するが、限定として解釈されるべきではない。実施例において、「アスピリン」はアセチルサリチル酸を意味する。
【0076】
実施例1
ディファレンシャルスキャニングカロリメトリー(DSC)研究を、さまざまなセレコキシブ/アスピリン混合物の融点をセレコキシブ単独及びアスピリン単独と比較するために行った。DSCスキャン速度は、スキャンが約170℃で停止されたアスピリン単独を除いては、100℃〜200℃の10ディグリー/分であった。標準の波形鍋を使用した。
上記研究において使用される組成物は表1において示されるとおりであった。
【0077】
【表1】

【0078】
DSC研究の結果は図2中に示される。97.6%セレコキシブ組成物を除いて、全ての試験されたセレコキシブ/アスピリン混合物はセレコキシブ単独のそれより低い及びアスピリン単独のそれと同じ又はそれより低い融点を示し、予想外に、共融点混合物がこれらの2の化合物の間で形成されたことを示した。
【0079】
実施例2
回転ディスク溶解研究を、アスピリン単独及びセレコキシブ単独のペレットと、1:1重量比率でのペレット化されたセレコキシブ/アスピリン乾燥混合物の固有の溶解を比較するために行った。ペレットを445N下で1分間、4.5mmパンチ及び金型で材料を圧縮してペレット化することにより調製した。上記混合物はペレット化する前に乳鉢及び乳棒を用いてセレコキシブ及びアスピリンを共に粉砕することにより調製された。
【0080】
水中におけるセレコキシブの溶解は検出できないほど遅いことがわかり、それゆえ、25℃のイソプロピルアルコールを溶解媒体として使用した。254nmでの媒体の吸収を溶解の計測として使用した。図3中に示されるように、直線データが全ての3の組成物について得られた。上記混合物の溶解速度は上記2の成分の理想的な混合物について予想されたものよりかなり高いことがわかった。
【0081】
実施例3
3のAPI組成物をUSP 24,Apparatus I(United States Pharmacopeia 24th ed. (2000),1941−1943)にしたがって溶解研究のために調製した。
組成物Aを、優れた粒子内接触を確実にするために強打されたセレコキシブAPIを用いて調製した。上記強打されたセレコキシブAPIを乳鉢及び乳棒を用いて粉砕し、均一な粉末を提供した。100mgのこの粉末を10の自然な透明のCapsugel(商標)の硬いカプセル、サイズ1のそれぞれに充填した。
【0082】
組成物Bを、100:81の重量比率のセレコキシブ及びアスピリンの親密な乾燥混合物をはじめに強打して優れた粒子内接触を確実すること、及び生ずる強打された混合されたAPIを乳鉢及び乳棒を用いて粉砕して均一な粉末を提供することにより調製した。181mgのこの粉末を10の自然な透明のCapsugel(商標)の硬いカプセル、サイズ1のそれぞれに充填した。
【0083】
組成物Cを、組成物Aにおけるのと同じ強打されたセレコキシブAPIを用いて調製した。上記強打されたセレコキシブAPIを乳鉢及び乳棒を用いて粉砕して均一な粉末を提供した。アスピリンを乳鉢及び乳棒を用いて、強打されたセレコキシブと同じ粒子サイズになるまで、別々に粉砕し、及び生ずる粉末を100:81のセレコキシブ/アスピリン重量比率でセレコキシブ粉末と混合した。181mgの生ずる混合物を10の自然な透明のCapsugel(商標)の硬いカプセル、サイズ1のそれぞれに充填した。
【0084】
Alliance 2695Dオートサンプラーに接続された、USP Apparatus 1にしたがって回転バスケットを取り付けられたVankel 7010溶解浴槽を溶解研究のために使用した。回転スピードは60分間100rpmであり、その後さらなる60分間250rpmまで増大させた。溶解媒体はpH6.8で1%ポリソルベート80(Tween(商標)20)を伴う0.05Mリン酸緩衝液であった。上記媒体を10、20、30、40、50及び60分で及び再び120分でサンプリングした(サンプル当たり10ml)。サンプルを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した。
【0085】
結果は図4中に示される。セレコキシブ/アスピリン混合物はセレコキシブ単独と比較して非常に高められた溶解速度を示した。この利点を得るためにセレコキシブ及びアスピリンを共に強打する(組成物B)必要性があるようには見えなかった;実際に、強打されたセレコキシブへのアスピリンの単純な添加(組成物C)はこの研究において最も高い溶解速度を与えた。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】図1は、本発明に係る投与形態A〜F及び本発明にしたがわない比較の投与形態G及びHの概略図を示す。
【図2】図2は、実施例1中に示されるように、セレコキシブ単独及びアスピリン単独と比較した、さまざまなセレコキシブ/アスピリン混合物のディファレンシャルスキャニングカロリメトリー(DSC)研究の結果を示す。
【図3】図3は、実施例2中に示されるように、セレコキシブ/アスピリン混合物をセレコキシブ単独及びアスピリン単独と比較した固有の溶解研究の結果を示す(“au”は吸収単位を意味する)。
【図4】図4は、実施例3中に示されるように、カプセル化されたAPI組成物を比較する溶解分析の結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の別個の、経口でデリバリーされうる投与形態を含む医薬組成物であって、それぞれの投与形態はCOX−2仲介障害の治療又は予防のために毎日一回投与されるとき有効な量の劣った溶解性のコキシブ成分、毎日一回投与されるとき心臓保護に有効な量のアスピリン成分、及び少なくとも1の医薬として許容される賦形剤を含み;ここで、上記投与形態は上記コキシブ及びアスピリン成分の親密な混合に対して実質的な障害を有しない、前記医薬組成物。
【請求項2】
前記コキシブ成分は構造式:
【化1】

{式中、
Aは部分的に不飽和の又は不飽和のヘテロ環状及び部分的に不飽和の又は不飽和の炭素環状環から選ばれる置換基である;
XはO、S又はCH2である;
nは0又は1である;
1はヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリール基から選ばれる少なくとも1の置換基であり、及び場合によりアルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシ及びアルキルチオ基から選ばれる1以上のラヂカルで置換可能な位置で置換される;
2はメチル、アミノ又はアミノカルボニルアルキルである;
3はヒドリド、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、シアノ、カルボキシル、シアノアルキル、ヘテロシクリルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルケニル、アラルキル、ヘテロシクリルアルキル、アシル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルケニル、アルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールオキシアルキル、アラルキルチオアルキル、アラルコキシアルキル、アルコキシアラルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N−アリールアミノアルキル、N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アリールアミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルフォニル、アミノスルフォニル、アルキルアミノスルフォニル、N−アリールアミノスルフォニル、アリールスルフォニル及びN−アルキル−N−アリールアミノスルフォニル基から選ばれる1以上のラヂカルであり、R2は場合によりアルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシ及びアルキルチオ基から選ばれる1以上のラヂカルで置換可能な位置で置換される;及び
4はヒドリド及びハロラヂカルから選ばれる。}
を有する化合物あるいはそのプロドラッグ又はそれらの塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記コキシブ成分は構造式:
【化2】

{式中、R5はメチル、アミノ又はイミド基であり、R6は水素又はC1-4アルキル若しくはアルコキシ基であり、XはN又はCR5であり、ここで、R5は水素又はハロゲンであり、及びY及びZは独立に、オキソ、ハロ、メチル又はハロメチル基で1以上の位置で置換されない又は置換される5〜6員環の近隣の原子を定義する炭素又は窒素原子である。}
を有する化合物あるいはそのプロドラッグ又はそれらの塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記コキシブ成分は構造式:
【化3】

{式中、X”はO、S又はN−低アルキルである;R8は低ハロアルキルである;R9は水素又はハロゲンである;R10は水素、ハロゲン、低アルキル、低アルコキシ若しくはハロアルコキシ、低アラルキルカルボニル、低ヂアルキルアミノスルフォニル、低アルキルアミノスルフォニル、低アラルキルアミノスルフォニル、低ヘテロアラルキルアミノスルフォニル又は5若しくは6員の窒素を含むヘテロシクロスルフォニルである;及びR11及びR12は独立に水素、ハロゲン、低アルキル、低アルコキシ又はアリールである。}
を有する化合物あるいはそのプロドラッグ又はそれらの塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記コキシブ成分は、セレコキシブ、デラコキシブ、ヴァルデコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、2−(3,5−ヂフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルフォニル)フェニル]−2−シクロペンテン−1−オン、(S)−6,S−ヂクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸、2−(3,4−ヂフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブトキシ)−5−[4−(メチルスルフォニル)−フェニル]−3−(2H)−ピリダジノン、5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル−酢酸及びそれらの塩から成る群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記コキシブ成分は、セレコキシブ、ヴァルデコキシブ、ロフェコキシブ及びエトリコキシブから成る群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記コキシブ成分は、セレコキシブである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記アスピリン成分はアセチルサリチル酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記コキシブ成分及び前記アスピリン成分は上記投与形態内で互いに親密な接触にある、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記コキシブ成分及び前記アスピリン成分は、上記組成物の水性媒体への暴露に際して親密に混合されるようになる、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記コキシブ成分は約50mg〜約400mgのセレコキシブに治療的に相当する量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記コキシブ成分は約75mg〜約300mgのセレコキシブに治療的に相当する量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記コキシブ成分は約100mg〜約200mgのセレコキシブに治療的に相当する量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記アスピリン成分は約20mg〜約325mgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記アスピリン成分は約40mg〜約160mgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記アスピリン成分は約80mgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記アスピリン成分は75mg未満の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記投与形態は錠剤、カプセル、舐剤及び別々の粉末から成る群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記投与形態は錠剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記投与形態はコーティングされた錠剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記投与形態は腸溶性コーティングされた錠剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記投与形態はカプセルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
1以上の別個の、経口でデリバリーされうる投与形態を含む医薬組成物であって、それぞれの投与形態はCOX−2仲介障害の治療又は予防のために毎日一回投与されるとき有効な量の劣った溶解性のコキシブ成分、毎日一回投与されるとき心臓保護に有効な量のアスピリン成分、及び少なくとも1の医薬として許容さえる賦形剤を含み;ここで、上記コキシブ及びアスピリン成分は上記組成物の水性媒体への暴露の前に又はそれに際して共融点混合物を形成する、前記医薬組成物。
【請求項24】
前記コキシブ成分はセレコキシブである、及び、前記コキシブ成分及び前記アスピリン成分は約10:1〜約1:4の重量比率で存在する、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記コキシブ成分及び前記アスピリン成分は約8:1〜約1:2の重量比率で存在する、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記コキシブ成分及び前記アスピリン成分は約5:1〜約1:1の重量比率で存在する、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
医薬組成物の製造方法であって、
(a)所望の重量比率のコキシブ成分及びアスピリン成分を粉砕して第一の配合を形成する段階;
(b)第一の配合を1以上の賦形剤と混合して第二の配合を形成する段階;及び
(c)第二の配合を別々の経口でデリバリーされうる投与形態に作り上げる段階
を含む前記方法。
【請求項28】
前記第一の配合は前記賦形剤との混合の前にコキシブ及びアスピリン粒子の間の接触をさらに高めるために圧縮段階にかけられる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第二の配合は、投与形態に作り上げられる前に、粒状化されて錠剤化又はカプセル化に好適な混合物を提供する、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記第二の配合は湿性粒状化され、及び生ずる粒状物は錠剤化又はカプセル化の前に乾燥させられる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
第二の配合を投与形態に作り上げる前記段階は錠剤化段階を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
第二の配合を投与形態に作り上げる前記段階はカプセル化段階を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
請求項27に記載の方法により製造された生成物。
【請求項34】
同時にCOX−2仲介障害を治療する又は予防する及び心臓保護を提供する方法であって、その必要のある患者に請求項1に記載の組成物を経口投与することを含む方法。
【請求項35】
前記組成物の1の投与形態は毎日一回投与される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
同時にCOX−2仲介障害を治療する又は予防する及び心臓保護を提供するための医薬の製造における、請求項1に記載の組成物の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の別個の、経口でデリバリーされうる投与形態を含む医薬組成物であって、それぞれの投与形態はCOX−2仲介障害の治療又は予防のために毎日一回投与されるとき有効な量の劣った溶解性のコキシブ成分、毎日一回投与されるとき心臓保護に有効な量のアスピリン成分、及び少なくとも1の医薬として許容される賦形剤を含み;ここで、上記コキシブ成分及び上記アスピリン成分は:
(i)それぞれの投与形態内で互いに親密に混合される又は
(ii)上記組成物の水性媒体への暴露に際して親密に混合される、
前記医薬組成物。
【請求項2】
上記コキシブ成分単独及び上記アスピリン成分は、前記比率の組成物の混合物が上記コキシブ成分単独又は上記アスピリン成分単独の融点に比較して減少された融点を有するような重量比率で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記コキシブ成分は構造式:
【化1】

{式中:
Aは部分的に不飽和の又は不飽和のヘテロ環状及び部分的に不飽和の又は不飽和の炭素環状環から選ばれる置換基である;
XはO、S又はCH2である;
nは0又は1である;
1はヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びアリール基から選ばれる少なくとも1の置換基であり、及び場合によりアルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシ及びアルキルチオ基から選ばれる1以上のラヂカルで置換可能な位置で置換される;
2はメチル、アミノ又はアミノカルボニルアルキルである;
3はヒドリド、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、シアノ、カルボキシル、シアノアルキル、ヘテロシクリルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルケニル、アラルキル、ヘテロシクリルアルキル、アシル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルケニル、アルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールオキシアルキル、アラルキルチオアルキル、アラルコキシアルキル、アルコキシアラルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N−アリールアミノアルキル、N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アリールアミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルフォニル、アミノスルフォニル、アルキルアミノスルフォニル、N−アリールアミノスルフォニル、アリールスルフォニル及びN−アルキル−N−アリールアミノスルフォニル基から選ばれる1以上のラヂカルであり、R2は場合によりアルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシ及びアルキルチオ基から選ばれる1以上のラヂカルで置換可能な位置で置換される;及び
4はヒドリド及びハロラヂカルから選ばれる。}
を有する化合物あるいはそのプロドラッグ又はそれらの塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記コキシブ成分は構造式:
【化2】

{式中、R5はメチル、アミノ又はイミド基であり、R6は水素又はC1-4アルキル若しくはアルコキシ基であり、XはN又はCR5であり、ここで、R5は水素又はハロゲンであり、及びY及びZは独立にオキソ、ハロ、メチル又はハロメチル基で1以上の位置で置換されない又は置換される5〜6員環の近隣の原子を定義する炭素又は窒素原子である。}
を有する化合物あるいはそのプロドラッグ又はそれらの塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記コキシブ成分はセレコキシブ、デラコキシブ、ヴァルデコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、2−(3,5−ヂフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルフォニル)フェニル]−2−シクロペンテン−1−オン、(S)−6,8−ヂクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸、2−(3,4−ヂフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブトキシ)−5−[4−(メチルスルフォニル)−フェニル]−3−(2H)−ピリダジノン、5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル−酢酸及びそれらの塩から成る群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記コキシブ成分は約75mg〜約300mgのセレコキシブに治療的に相当する量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記アスピリン成分は約40mg〜約160mgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記投与形態は錠剤、カプセル、舐剤及び別々の粉末から成る群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記投与形態は腸溶性コーティングされた錠剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
1以上の別個の、経口でデリバリーされうる投与形態を含む医薬組成物であって、それぞれの投与形態はCOX−2仲介障害の治療又は予防のために毎日一回投与されるとき有効な量の劣った溶解性のコキシブ成分、毎日一回投与されるとき心臓保護に有効な量のアスピリン成分、及び少なくとも1の医薬として許容される賦形剤を含み、ここで、上記コキシブ及びアスピリン成分は、上記混合物がコキシブ成分又はアスピリン成分単独の融点より低い融点を有するような重量比率で混合物中に存在する、前記医薬組成物。
【請求項11】
前記コキシブ成分及び前記アスピリン成分は約5:1〜約1:1の重量比率で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
医薬組成物の製造方法であって、
(a)所望の重量比率のコキシブ成分及びアスピリン成分を粉砕して第一の配合を形成する段階;
(b)第一の配合を1以上の賦形剤と共に混合して第二の配合を形成する段階;及び
(c)第二の配合を別々の経口でデリバリーされうる投与形態に作り上げる段階
を含む前記方法。
【請求項13】
同時にCOX−2仲介障害を治療する又は予防する及び心臓保護を提供する方法であって、請求項1に記載の組成物をその必要のある患者に経口投与することを含む方法。
【請求項14】
同時にCOX−2仲介障害を治療する又は予防する及び心臓保護を提供するための医薬の製造における、請求項1に記載の組成物の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2006−502083(P2006−502083A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−557554(P2003−557554)
【出願日】平成15年1月7日(2003.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/000367
【国際公開番号】WO2003/057196
【国際公開日】平成15年7月17日(2003.7.17)
【出願人】(303050964)ファルマシア コーポレイション (18)
【Fターム(参考)】