説明

高圧放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具とプロジェクタ用の光源点灯装置

【課題】イグニッションモードでも高圧放電灯の電極を温めつつ、高圧放電灯に適した予熱モードに移行させ、その後、通常点灯モードに移行してアーク放電を持続させ安定点灯させる。
【解決手段】極性反転回路3から共振回路4を介して高圧放電灯Laに高周波電圧を印加するイグニッションモードと、イグニッションモードの後に高圧放電灯の電極を予熱する予熱モードと、予熱モードの後に高圧放電灯にアーク放電を継続して起こるように低周波の矩形波電圧を印加させる通常点灯モードを具備した高圧放電灯点灯装置において、イグニッションモード区間に予熱モード区間の周波数以下の低い周波数を1回又は複数回挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高圧水銀ランプやメタルハライドランプなど高輝度高圧放電灯を点灯させる高圧放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具とプロジェクタ用の光源点灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は高圧放電灯点灯装置の基本構成を示す回路図である。直流電源1から供給される電圧をダウンコンバータ2により降圧し、その出力を極性反転回路3により矩形波交流電圧に変換する。始動時には極性反転回路3の出力に接続されたコンデンサC2とインダクタL2で構成された共振回路4により高電圧を発生させる。電圧検出回路5は高圧放電灯Laに印加される電圧を検出する。
【0003】
このような高圧放電灯点灯装置は、高圧放電灯の点灯を開始する場合には、極性反転回路3の対角位置に配置されたスイッチング素子Q2とQ5、Q3とQ4のペアを高周波で交互にオン・オフすることによって、共振回路4の両端間に数10kHz〜数100kHzの高周波電圧を発生させる。この高周波電圧を共振回路4の共振作用により昇圧させ、コンデンサC2が所望の電圧に到達するまで、スイッチング素子Q2〜Q5の駆動周波数をスイープさせ、所望の高圧の共振電圧になると、駆動周波数を固定にし、高電圧を維持し発生させる。そして、この高圧の共振電圧によって高圧放電灯Laをブレイクダウンさせる。
【0004】
上述のように、始動時に共振回路4により高周波電圧を印加する共振始動型の高圧放電灯点灯装置においては、高圧放電灯をブレイクダウンさせる高い共振電圧を得るために、共振回路4のインダクタL2とコンデンサC2の共振周波数(もしくは共振周波数の奇数分の1の周波数)で極性反転回路3をスイッチングさせ、ある一定時間、その共振により高圧放電灯の始動電圧を発生させている。これを始動(イグニッション)モードと呼んでいる。
【0005】
その後、高圧放電灯の電極を素早く予熱するために、イグニッションモードで動作する駆動周波数より比較的低めの駆動周波数に極性反転回路3の周波数を下げることにより、高圧放電灯に流す電流を増加させ、高圧放電灯の電極を予熱する。これを予熱モードと呼んでいる。
【0006】
この予熱モードの後、低周波の矩形波電圧を高圧放電灯に印加してアーク放電を継続し、高圧放電灯の点灯を維持させている。これを通常点灯モードあるいは定常モードと呼んでいる。以下、従来の制御例について説明する。
【0007】
(従来例1)
図19はイグニッションモード区間でブレイクダウンしなかった場合の高圧放電灯に印加される電圧及び、極性反転回路の駆動周波数の時間的変化を示したものである。図20はイグニッションモード区間でブレイクダウンした場合の高圧放電灯に印加される電圧、高圧放電灯に流れる電流及び、極性反転回路の駆動周波数の時間的変化を示したものである。イグニッションモード区間では、高圧放電灯Laに印加される電圧を、定常点灯時の点灯周波数よりも十分に高い周波数とし、極性反転回路3のスイッチング素子Q2とQ5、Q3とQ4のペアを交互に高周波でスイッチング動作させる。
【0008】
しかしながら、イグニッションモード区間のような比較的高い周波数で極性反転回路3を駆動させると、負荷回路のインピーダンスが高くなり、高圧放電灯を予熱するだけの電流を流すことが難しい。そのため、高圧放電灯をブレイクダウンさせるイグニッションモードの区間は、高圧放電灯の個体ばらつき、再始動時の消灯後の経過時間による高圧放電灯の温度や気圧により、ブレイクダウンするまでの時間にばらつきが生じるため、通常、イグニッションモード区間の後に、高圧放電灯の電極を予熱するために、極性反転回路の駆動周波数をイグニッションモード区間の周波数よりも低く設定して、負荷回路のインピーダンスを下げ、高圧放電灯に流れる電流を増やし、高周波電流が正負対称に流れるようになる動作を予め想定した固定の時間は継続して、高周波電流を流すための予熱モード区間を設けている。
【0009】
そして、高圧放電灯の電極が予熱できた後、通常点灯モード区間である定常モードに移行し、高圧放電灯の両端に数10Hz〜数100Hzの低周波電圧が発生するように、スイッチング素子Q2とQ5、Q3とQ4のペアを低周波で交互にオン・オフさせて点灯を維持する。
【0010】
上述のように、始動時に高圧放電灯をブレイクダウンさせるイグニッションモードと高圧放電灯の電極を予熱する予熱モードを予め固定時間で設定しているような制御において、高圧放電灯の電極を適切に予熱する予熱モードへの移行は、イグニッションモードを終えてからのため、制御を切替えるタイムラグが発生してしまい、始動性の悪化が懸念されていた。
【0011】
(従来例2)
図21、図22に示す従来例2の制御では、高圧放電灯の製品ばらつきや寿命末期に始動電圧が上昇した場合においても良好な始動動作を確保するために、極性反転回路3の対角位置に配置されたスイッチング素子Q2、Q5及びスイッチング素子Q3、Q4のペアを交互にオン・オフし、駆動周波数を共振回路4の共振点を通るように、所定の周波数範囲で掃引(スイープ)しながら始動制御を行っている。また、上記周波数で駆動した場合と略同一の電圧振幅を得ながら共振回路4を構成する部品を小型化する観点から、共振周波数の奇数分の一(1/(2n+1)、nは自然数)の周波数を極性反転回路4の始動制御時の駆動周波数としている場合もある。奇数倍の周波数による共振電圧の振幅は、倍率が高くなるほど漸減するが、特に3倍に設定すると、高圧放電灯に直列に接続されたインダクタL2と並列に接続されたコンデンサC2とで決まる共振周波数で駆動した場合と略同等の電圧振幅を得ることができ、共振回路4の小型化も可能となる。
【0012】
従来例2は従来例1の制御に比べると、イグニッションモードにおいて、共振点を通るスイープを行うため、イグニッションモードでの点灯回路へのストレスは大きい。しかしながら、1/3倍、1/5倍といった共振回路の共振周波数の奇数分の一の駆動周波数を使用することにより、略同等の電圧振幅を得ながら、ストレスを軽減できる。
【0013】
イグニッションモードで高圧放電灯が点灯した場合、従来例1の制御に比べ、共振点(あるいは、共振点の奇数分の1)より低い周波数まで駆動制御されているため、高圧放電灯に流れる電流を大きくすることが出来る効果がある。しかし、従来例2の制御であっても始動直後の高圧放電灯の電極を温めるには十分ではなく、更なる始動性の向上が必要であった。
【0014】
特許文献1(特表2005−507553号公報)には、図1の基本構成に示すように、ダウンコンバータ2の出力に極性反転回路3を接続し、極性反転回路3の出力にインダクタL2とコンデンサC2を直列接続してなる共振回路4を接続し、共振用のコンデンサC2と並列に高圧放電灯Laを接続した高圧放電灯点灯装置が開示されている。また、始動時に極性反転回路3の駆動周波数を共振回路4の共振周波数の奇数分の一に近い周波数に設定することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特表2005−507553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述のように、共振始動型の高圧放電灯点灯装置において、高圧放電灯をブレイクダウンさせるイグニッションモードの区間は、高圧放電灯の個体ばらつき、再始動時の消灯後の経過時間による高圧放電灯の温度や気圧により、ブレイクダウンするまでの時間にばらつきが生じるため、通常、数秒程度の固定時間に設定している。そのため、その区間は高圧放電灯がブレイクダウンした後も比較的駆動周波数が高いため、高圧放電灯に流せる電流が少なくなり、予熱モードに移行するまでの時間は、高圧放電灯を有効に予熱できない場合があり、最悪の場合、高圧放電灯が立消えを起こし、消灯とイグニッションを繰返し、高圧放電灯に多大なストレスを与える場合があった。
【0017】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、イグニッションモード区間において、消灯とイグニッションを繰り返す現象を避け、且つ高電圧を発生させるイグニッションモード区間の時間を大幅に増やすことなく、高圧放電灯の電極を最適に予熱出来る予熱モードへ移行させることが可能な高圧放電灯点灯装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項1の高圧放電灯点灯装置は、上記の課題を解決するために、図1に示すように、直流電源1と、前記直流電源1の電圧を降圧するダウンコンバータ2と、前記ダウンコンバータ2の直流出力を極性反転して高圧放電灯Laへ印加する極性反転回路3と、前記極性反転回路3の出力に接続されて高圧放電灯Laに始動電圧を供給するインダクタL2とコンデンサC2の直列共振回路4と、極性反転回路3の駆動周波数を制御する制御回路6と備え、前記制御回路6は、前記極性反転回路3により高周波電圧を前記高圧放電灯Laに印加するイグニッションモードと、イグニッションモードの後に高圧放電灯Laの電極を予熱する予熱モードと、予熱モードの後に高圧放電灯Laにアーク放電を継続して起こるように低周波の矩形波電圧を印加させる通常点灯モードを具備した高圧放電灯点灯装置において、図2〜図5に示すように、イグニッションモード区間に予熱モード区間の周波数以下の低い周波数を1回又は複数回挿入することを特徴とするものである。
【0019】
請求項2の高圧放電灯点灯装置は、同じ課題を解決するために、図7に示すように、直流電源1と、前記直流電源1の出力を極性反転させる極性反転回路3と、極性反転回路3の出力と高圧放電灯Laの間に接続された降圧チョッパ用のフィルタ回路(L1、C1)と、前記極性反転回路3に接続されて高圧放電灯Laに始動電圧を供給するインダクタL2とコンデンサC2の直列共振回路4と、極性反転回路3の駆動周波数を制御する制御回路6と備え、前記制御回路6は、前記極性反転回路3により高周波電圧を前記高圧放電灯Laに印加するイグニッションモードと、イグニッションモードの後に高圧放電灯Laの電極を予熱する予熱モードと、予熱モードの後に高圧放電灯Laにアーク放電を継続して起こるように低周波の矩形波電圧を印加させる通常点灯モードを具備した高圧放電灯点灯装置において、図2〜図5に示すように、イグニッションモード区間に予熱モード区間の周波数以下の低い周波数を1回又は複数回挿入することを特徴とするものである。
【0020】
請求項3の高圧放電灯点灯装置は、同じ課題を解決するために、図9に示すように、直流電源1と、前記直流電源1を極性反転させる極性反転回路3と、前記直流電源1に並列接続された2つのキャパシタC4、C5の直列回路と、前記極性反転回路3の一方の出力端と前記2つのキャパシタC4、C5の接続点間に接続された降圧チョッパ用のインダクタL1と、前記2つのキャパシタC4、C5の接続点と前記極性反転回路3の他方の出力端に接続された負荷回路と、前記極性反転回路3の出力に接続されて高圧放電灯Laに始動電圧を供給するインダクタL2とコンデンサC2の直列共振回路4と、極性反転回路3の駆動周波数を制御する制御回路6と備え、前記制御回路6は、前記極性反転回路3により高周波電圧を前記高圧放電灯Laに印加するイグニッションモードと、イグニッションモードの後に高圧放電灯Laの電極を予熱する予熱モードと、予熱モードの後に高圧放電灯Laにアーク放電を継続して起こるように低周波の矩形波電圧を印加させる通常点灯モードを具備した高圧放電灯点灯装置において、図2〜図5に示すように、イグニッションモード区間に予熱モード区間の周波数以下の低い周波数を1回又は複数回挿入することを特徴とするものである。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1〜3の発明において、イグニッションモードでは極性反転回路3の駆動周波数を、共振回路4のインダクタL2とコンデンサC2の共振周波数の奇数分の一の周波数に近づくように周波数掃引することを特徴とする。
【0022】
請求項5の発明は、請求項1〜4の発明において、図10〜図12に示すように、共振回路4のインダクタL2をトランスの一次巻線n1と二次巻線n2が加極性となるオートトランス構造とし、一次巻線n1を共振回路4のコンデンサC2と直列に接続すると共に、二次巻線n2を高圧放電灯Laと直列に接続したことを特徴とする。
【0023】
請求項6の発明は、請求項1〜5の発明において、イグニッションモード時に高圧放電灯Laの点灯を検出する手段を備え、図15に示すように、点灯検出後直ちに、又は図16に示すように、点灯検出後所定時間の経過後に予熱モードへ移行させることを特徴とする。
【0024】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の高圧放電灯点灯装置を備える照明器具である(図18)。
【0025】
請求項8の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の高圧放電灯点灯装置を備えるプロジェクタ用の光源点灯装置である(図17)。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、高圧放電灯を点灯させるイグニッションモードにおいて、比較的短い間隔で予熱モード以下の低い周波数を挟み込むように挿入したので、イグニッションモード区間でも高圧放電灯の電極を温めつつ、高圧放電灯を適切に予熱出来る予熱モードに移行させ、その後、通常点灯モードに移行してアーク放電を持続させ安定点灯させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態1の回路図である。
【図2】本発明の実施形態1の動作説明図である。
【図3】本発明の実施形態1の動作説明図である。
【図4】本発明の実施形態1の動作説明図である。
【図5】本発明の実施形態1の動作説明図である。
【図6】本発明の実施形態1の一変形例の回路図である。
【図7】本発明の実施形態2の回路図である。
【図8】本発明の実施形態2の動作説明図である。
【図9】本発明の実施形態2の一変形例の回路図である。
【図10】本発明の実施形態3の回路図である。
【図11】本発明の実施形態3の一変形例の回路図である。
【図12】本発明の実施形態4の回路図である。
【図13】本発明に用いる直流電源の一例を示す回路図である。
【図14】本発明の実施形態5の動作説明図である。
【図15】本発明の実施形態5の動作説明図である。
【図16】本発明の実施形態5の動作説明図である。
【図17】本発明の高圧放電灯点灯装置を用いたプロジェクタの概略構成図である。
【図18】本発明の高圧放電灯点灯装置を用いた照明器具の斜視図である。
【図19】従来例1の動作説明図である。
【図20】従来例1の動作説明図である。
【図21】従来例2の動作説明図である。
【図22】従来例2の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1の制御を適用される高圧放電灯点灯装置の基本構成を示す回路図である。直流電源1にダウンコンバータ2が接続され、ダウンコンバータ2の出力に、極性反転回路3が接続されている。極性反転回路3のスイッチング素子Q2,Q3の接続点と、スイッチング素子Q4,Q5の接続点の間には、インダクタL2とコンデンサC2の直列回路が接続されている。インダクタL2とコンデンサC2の直列回路は共振回路4を構成している。コンデンサC2の両端には高圧放電灯Laが並列的に接続されている。インダクタL2とコンデンサC2の接続点には、電圧検出回路5が接続されている。スイッチング素子Q2〜Q5は制御回路6によりオン・オフを制御される。
【0029】
ダウンコンバータ2は、スイッチング素子Q1とインダクタL1とダイオードD1を備えている。制御回路7によりスイッチング素子Q1が高周波で断続的にオン・オフ駆動されることにより、直流電源1の電圧を降圧した電圧がコンデンサC1に充電される。ダウンコンバータ2のスイッチング素子Q1に流れる電流は、電流検出抵抗Rsにより検出されている。また、コンデンサC1の直流電圧は抵抗分圧回路により検出されている。これらの検出値は制御回路7に入力されてスイッチング素子Q1のオン時間幅の制御に用いられる。なお、ゼロクロススイッチング動作を行うためにダイオードD1の回生電流を抵抗分圧回路により検出しても良い。
【0030】
極性反転回路3はダウンコンバータ2の出力電圧の極性を周期的に反転させて高圧放電灯Laに印加するための回路であり、図1ではフルブリッジ回路で構成されている。フルブリッジ回路の出力は共振回路4を介して高圧放電灯Laに供給されている。
【0031】
図2はイグニッションモードでブレイクダウンしない場合の高圧放電灯Laに印加される電圧、極性反転回路3の駆動周波数を示したものである。図3はイグニッションモードでブレイクダウンした場合の高圧放電灯Laに印加される電圧、高圧放電灯Laに流れる電流、極性反転回路3の駆動周波数を示したものである。
【0032】
図2、図3では一例として、イグニッションモード区間を約1秒、予熱モード区間を約3秒とし、その後、通常の点灯動作である定常モードへ移行する動作を示している。
【0033】
イグニッションモード区間において、共振回路4で高電圧を発生させるために、極性反転回路3の対角位置に配置されたスイッチング素子Q2、Q5及びスイッチング素子Q3、Q4のペアを高周波で交互にオン・オフし、その駆動周波数が共振回路4の共振点を通るように、約120kHzから約100kHzの周波数範囲で掃引(スイープ)しながら制御し、その高電圧を発生させる時間を約100ms継続し、その直後に予熱モード区間の駆動周波数(約52kHz)よりも低い周波数(約45kHz)で約20ms動作させ、この動作をイグニッションモード区間において繰り返すように制御している。上述の設定時間は一例であり、高圧放電灯の種類(電力、大きさ)により適宜設定する。
【0034】
イグニッションモードの終了後、高圧放電灯Laの電極を予熱する最適な電流を流せるように極性反転回路3の駆動周波数と駆動時間を設定する。例えば、予熱モードの駆動周波数は約52kHzとし、駆動時間は約3秒とする。
【0035】
本例では、イグニッション区間に挿入する周波数を約45kHzとしているが、予熱モード時と同じ約52kHzとしても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0036】
イグニッションモードの高電圧を発生させる区間において、周波数掃引する約100msの後に短時間(約20ms程度)ではあるが、予熱モード時(約52kHz)以下の駆動周波数(約45kHz)で動作させることにより、短時間であっても比較的大きな電流を流し、且つ、短時間であるため高圧放電灯に大きなストレスを与えることなく、高圧放電灯がブレイクダウンした直後に押し込みの電流を流すことができ、イグニッションモード時の高圧放電灯の不安定なグロー状態を乗り切ることが可能になる。
【0037】
また、さらなる回路のストレス低減のために、図1に示す高圧放電灯点灯装置の共振回路4に発生する電圧を電圧検出回路5により検出し、スイッチング素子Q2〜Q5の駆動周波数を共振回路4の共振点よりも低くならないように制御し、所望の始動電圧を確保しつつ、スイッチング素子Q2〜Q5等の電気的ストレス及び熱的ストレスを低減させることが可能である。その場合の動作を図4、図5に示す。
【0038】
図4はイグニッションモードでブレイクダウンしない場合の高圧放電灯Laに印加される電圧、極性反転回路3の駆動周波数を示したものである。図5はイグニッションモードでブレイクダウンした場合の高圧放電灯Laに印加される電圧、高圧放電灯Laに流れる電流、極性反転回路3の駆動周波数を示したものである。
【0039】
(実施形態1’)
図6は本発明の実施形態1の一変形例を示す回路図である。本例では、極性反転回路3を構成する4つのスイッチング素子Q2〜Q5のうち、スイッチング素子Q4、Q5をコンデンサC4、C5に置き換えたものである。スイッチング素子Q2、Q3の制御は実施形態1と同じで良く、同様の効果が得られる。図1に示したフルブリッジ回路に比べると、共振回路4に印加される電圧は半分となるが、図6に示したハーフブリッジ回路では、スイッチング素子Q4、Q5を省略できるので、安価に構成できる。
【0040】
(実施形態2)
図7は本発明の実施形態2の回路図である。本実施形態は、図1のダウンコンバータ2の機能を極性反転型降圧チョッパ回路3で兼用したものである。極性反転型降圧チョッパ回路3は、直流電源1を降圧された電圧振幅の矩形波交流電圧に変換して、高圧放電灯Laに印加する機能を有している。
【0041】
極性反転型降圧チョッパ回路3は4つのスイッチング素子Q2〜Q5で構成されるフルブリッジ回路の出力端間に、降圧チョッパ用インダクタL1と平滑用コンデンサC1の直列回路を接続して構成されている。降圧チョッパ用インダクタL1と平滑用コンデンサC1の直列回路はローパスフィルタ回路を構成している。平滑コンデンサC1の両端にインダクタL2と高圧放電灯Laの直列回路を接続し、インダクタL2とコンデンサC2の直列回路がフルブリッジ回路の1つのスイッチング素子Q3の両端に接続されている。インダクタL2とコンデンサC2の直列回路は、極性反転型降圧チョッパ回路3のスイッチング素子Q2〜Q5のスイッチング動作により、高圧放電灯Laに印加される始動・再始動のための共振電圧を発生する共振回路4を構成している。
【0042】
本実施形態の動作を図8に示す。極性反転型降圧チョッパ回路3は、高圧放電灯Laの非点灯時には、高圧放電灯Laを始動するための高い共振電圧を発生させるべく、スイッチング素子Q2とQ5のペアとスイッチング素子Q3とQ4のペアを所定の高い駆動周波数(数百kHz程度)で交互にオン・オフする動作を繰り返す。好ましくは、極性反転型降圧チョッパ回路3を時間的に変動する駆動周波数で動作させて、周波数変動の途中のある時点で、駆動周波数が共振回路4のインダクタL2とコンデンサC2の共振周波数に近づくように制御する。または、共振回路4のインダクタL2とコンデンサC2の共振周波数の奇数分の一(1/(2n+1)、nは自然数)の周波数に近づくように駆動周波数を制御する。その高電圧を発生させる時間を約100msに設定し、その直後に予熱モード区間の駆動周波数以下の周波数で約20ms動作させ、この動作をイグニッションモード区間において繰り返すように制御している。上述の設定時間は一例であり、高圧放電灯の種類(電力、大きさ)により適宜設定する。
【0043】
イグニッションモードの終了後、予熱モードでは、高圧放電灯Laの電極を予熱する最適な電流を流せるように極性反転回路3の駆動周波数(例えば約52kHz)と駆動時間(例えば約3秒)を設定する。
【0044】
その後、定常モードでは、極性反転型降圧チョッパ回路3のスイッチング素子Q2とQ3が低い駆動周波数(数百Hz程度)で、交互にスイッチングする。その際、スイッチング素子Q4とQ5は、スイッチング素子Q2がONの時は、スイッチング素子Q5が高い周波数(数十k〜数百Hz程度)でスイッチングし、スイッチング素子Q3がONの時は、スイッチング素子Q4が高い周波数(数十k〜数百Hz程度)でスイッチングする動作を繰り返す。この動作により高圧放電灯Laには、周波数が数百Hz程度の矩形波交流電力が供給される。
【0045】
例えば、イグニッションモード時において、図2〜図5に示すように、極性反転型降圧チョッパ回路3を約120kHzから約100kHzの高周波で周波数掃引(スイープ)しながら動作させて、その動作を約100ms継続し、その直後に極性反転回路3の駆動周波数(約45kHz)を約20ms程度挿入し、その繰り返しをイグニッションモード区間の約1秒間継続し、その後、予熱モードの周波数(約52kHz)で約3秒動作させる。ここでは、イグニッション区間に挿入する周波数を約45kHzとしているが、予熱モードと同様の約52kHzとしても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0046】
本実施形態においても、イグニッションモードの高電圧を発生させる区間において、高電圧を発生させる約100msの後に短時間(約20ms程度)ではあるが、予熱モード時以下の駆動周波数(約45kHz)で動作させることにより、短時間であっても比較的大きな電流を流すことができ、且つ、短時間であるため高圧放電灯に大きなストレスを与えることなく、高圧放電灯がブレイクダウンした直後に押し込みの電流を流すことができ、イグニッションモード時の高圧放電灯の不安定なグロー状態を乗り切ることが可能になる。
【0047】
(実施形態2’)
図9は本発明の実施形態2の一変形例を示す回路図である。本例では、図7の平滑用コンデンサC1の代わりに、スイッチング素子Q4と降圧チョッパ用インダクタL1と並列になるように平滑用コンデンサC4を接続し、また、スイッチング素子Q5と降圧チョッパ用インダクタL1と並列になるように平滑用コンデンサC5を接続したものである。また、図7のスイッチング素子Q3と並列に接続されていたインダクタL2とコンデンサC2の直列回路よりなる共振回路4を、スイッチング素子Q2,Q3の接続点とコンデンサC4,C5の接続点の間に接続している。このような構成であっても実施形態2と同様の制御により、極性反転型降圧チョッパ回路3を駆動することにより、同様の効果が得られる。
【0048】
(実施形態3)
図10は本発明の実施形態3の回路図である。図7に示した実施形態2と異なる点は、共振回路4を構成するインダクタL2を1次巻線n1と2次巻線n2を有するオートトランスの構成とした点である。インダクタL2の1次巻線n1と共振用コンデンサC2がフルブリッジ回路の1つのスイッチング素子Q3の両端に並列接続されている。2次巻線n2は共振用コンデンサC2と高圧放電灯Laの間に挿入されている。1次巻線n1と2次巻線n2は加極性となるように巻かれており、1次巻線n1の共振電圧を昇圧した高電圧が高圧放電灯Laに印加される。
【0049】
高圧放電灯の非点灯時において、高圧放電灯に矩形波交流出力を供給する極性反転型降圧チョッパ回路3を時間的に変動する駆動周波数で動作させて、周波数変動の途中のある時点で駆動周波数が共振回路4のインダクタL2の1次巻線n1とコンデンサC2の共振周波数、または、共振周波数の奇数分の一(1/(2n+1)、nは自然数)の周波数に近づくように制御する。その他の構成及び動作は図7に示した回路と同じである。
【0050】
(実施形態3’)
図11は本発明の実施形態3の一変形例を示す回路図である。図9に示した構成において、共振回路4を構成するインダクタL2を1次巻線n1と2次巻線n2を有するオートトランスの構成とした点が異なる。インダクタL2の1次巻線n1と共振用コンデンサC2の直列回路がスイッチング素子Q2,Q3の接続点とコンデンサC4,C5の接続点の間に接続されている。2次巻線n2は共振用コンデンサC2と高圧放電灯Laの間に挿入されている。1次巻線n1と2次巻線n2は加極性となるように巻かれており、1次巻線n1の共振電圧を昇圧した高電圧が高圧放電灯Laに印加される。その他の構成及び動作は図9に示した回路と同じである。
【0051】
(実施形態4)
図12は本発明の実施形態4の回路図である。図1の実施形態と異なる点は、共振回路4を構成するインダクタを2個使用し、オートトランスの構造とした点である。第1のインダクタL1の1次巻線n1をスイッチング素子Q2,Q3の接続点に接続し、第2のインダクタL2’の1次巻線n1’をスイッチング素子Q4,Q5の接続点に接続している。インダクタL2の1次巻線n1と共振用コンデンサC2とインダクタL2’の1次巻線n1’の直列回路がスイッチング素子Q2,Q3の接続点とスイッチング素子Q4,Q5の接続点の間に接続されている。また、各インダクタL2,L2’の2次巻線n2,n2’を高圧放電灯Laと直列に接続し、高圧放電灯Laと2次巻線n2,n2’と共振用のコンデンサC2とで閉回路を構成している。その他の構成及び動作は図1に示した回路と同じである。
【0052】
図13は上述の各実施形態において使用する直流電源1の一例を示す回路図である。商用交流電源Vsを全波整流するダイオードブリッジDBと、ダイオードブリッジDBからの整流電圧を入力し、直流電圧を生成する昇圧チョッパ回路を具備している。スイッチング素子Q6とインダクタL3、ダイオードD3は昇圧チョッパ回路を構成している。ラインフィルタLFとコンデンサC6,C7は雑音防止用フィルタ回路を構成している。コンデンサC8は高周波バイパス用であり、ダイオードブリッジDBの出力には脈流電圧が出力されている。制御回路8はスイッチング素子Q6を高周波でオン・オフすることで入力力率を改善しながら、昇圧された平滑な直流電圧をコンデンサC3に充電するように昇圧チョッパ回路を制御する。なお、直流電源1は図13に例示した構成に限定されるものではなく、直流電圧を出力できる電源であれば何でも良い。
【0053】
以上の実施形態では、複数の回路例を用いて説明したが、本発明は、高圧放電灯を点灯させるために、始動時に共振回路により高周波電圧を印加し、高圧放電灯を点灯させるような高圧放電灯点灯装置において、イグニッション区間に、極性反転回路の駆動周波数を所定の周波数範囲でスイープし、各スイープ間に予熱モード区間の駆動周波数以下の周波数を挿入することにより、始動性を改善するものであれば良く、点灯回路の形態については特に限定されない。
【0054】
(実施形態5)
本発明の実施形態5の制御動作について、図14〜図16を用いて説明する。図14はイグニッションモードでブレイクダウンしない場合の高圧放電灯に印加される電圧及び極性反転回路の駆動周波数を示したものである。図15、図16はイグニッションモードでブレイクダウンした場合の高圧放電灯に印加される電圧、高圧放電灯に流れる電流及び、極性反転回路の駆動周波数を示したものである。本実施形態では、実施形態1で述べたイグニッションモード区間(約1秒)は確保しているが、高圧放電灯の点灯状態を監視し、高圧放電灯が点灯したことを電圧検出回路5によって検出すると、イグニッションモード区間から予熱モード区間へ移行させている。
【0055】
図15の制御例では、イグニッションモード区間の約100ms程度で高圧放電灯が点灯したことを検出したため、直ぐに予熱モードに移行させることにより、高圧放電灯への押し込み電流を増加させている。
【0056】
また、図16の制御例では、イグニッションモード区間の約100ms程度で高圧放電灯が点灯したことは同じであるが、直ぐに予熱モードへは移行させず、イグニッションモード区間をある程度(本例では約600ms)継続させ、予熱モードへ移行させている。
【0057】
高圧放電灯が点灯したことは、電圧検出回路5による検出のほか、高圧放電灯に流れる電流の増加、高圧放電灯の光出力の検出などでも判定可能である。なお、本実施形態の制御は実施形態1〜4のいずれの回路構成においても適用できることは言うまでもない。
【0058】
(実施形態6)
図17は本発明の実施形態6の概略構成図である。この装置は、リフレクタ21を備えた高圧放電灯Laと、実施形態1〜5のいずれかの高圧放電灯点灯装置20と、画像を表示する画像表示素子22と、画像表示素子22からの光を集光してスクリーンに投射する光学系23と、これらの構成要素を収納するケース(図示せず)を備えた画像表示装置である。画像表示素子22は透過型であっても良いし、反射型であっても良い。
【0059】
(実施形態7)
図18は本発明の高圧放電灯点灯装置を用いた照明器具の構成例を示す。(a)、(b)はそれぞれスポットライトに高圧放電灯を用いたトラックライト対応器具、(c)はダウンライトに高圧放電灯を用いた例であり、図中、15は点灯装置の回路を格納した電子バラスト、16は高圧放電灯を装着した灯体、17は配線である。これらの照明器具を複数組み合わせて照明システムを構築しても良い。これらの点灯装置として前述の実施形態1〜5の高圧放電灯点灯装置を用いることで立ち消えなく、確実に高圧放電灯を安定点灯することが可能な照明器具を提供することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 直流電源
2 ダウンコンバータ
3 極性反転回路
4 共振回路
5 電圧検出回路
6 制御回路
La 高圧放電灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と、前記直流電源の電圧を降圧するダウンコンバータと、前記ダウンコンバータの直流出力を極性反転して高圧放電灯へ印加する極性反転回路と、前記極性反転回路の出力に接続されて高圧放電灯に始動電圧を供給するインダクタとコンデンサの直列共振回路と、極性反転回路の駆動周波数を制御する制御回路と備え、
前記制御回路は、前記極性反転回路により高周波電圧を前記高圧放電灯に印加するイグニッションモードと、イグニッションモードの後に高圧放電灯の電極を予熱する予熱モードと、予熱モードの後に高圧放電灯にアーク放電を継続して起こるように低周波の矩形波電圧を印加させる通常点灯モードを具備した高圧放電灯点灯装置において、イグニッションモード区間に予熱モード区間の周波数以下の低い周波数を1回又は複数回挿入することを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
【請求項2】
直流電源と、前記直流電源の出力を極性反転させる極性反転回路と、極性反転回路の出力と高圧放電灯の間に接続された降圧チョッパ用のフィルタ回路と、前記極性反転回路に接続されて高圧放電灯に始動電圧を供給するインダクタとコンデンサの直列共振回路と、極性反転回路の駆動周波数を制御する制御回路と備え、
前記制御回路は、前記極性反転回路により高周波電圧を前記高圧放電灯に印加するイグニッションモードと、イグニッションモードの後に高圧放電灯の電極を予熱する予熱モードと、予熱モードの後に高圧放電灯にアーク放電を継続して起こるように低周波の矩形波電圧を印加させる通常点灯モードを具備した高圧放電灯点灯装置において、イグニッションモード区間に予熱モード区間の周波数以下の低い周波数を1回又は複数回挿入することを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
【請求項3】
直流電源と、前記直流電源を極性反転させる極性反転回路と、前記直流電源に並列接続された2つのキャパシタの直列回路と、前記極性反転回路の一方の出力端と前記2つのキャパシタの接続点間に接続された降圧チョッパ用のインダクタと、前記2つのキャパシタの接続点と前記極性反転回路の他方の出力端に接続された負荷回路と、前記極性反転回路の出力に接続されて高圧放電灯に始動電圧を供給するインダクタとコンデンサの直列共振回路と、極性反転回路の駆動周波数を制御する制御回路と備え、
前記制御回路は、前記極性反転回路により高周波電圧を前記高圧放電灯に印加するイグニッションモードと、イグニッションモードの後に高圧放電灯の電極を予熱する予熱モードと、予熱モードの後に高圧放電灯にアーク放電を継続して起こるように低周波の矩形波電圧を印加させる通常点灯モードを具備した高圧放電灯点灯装置において、イグニッションモード区間に予熱モード区間の周波数以下の低い周波数を1回又は複数回挿入することを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、イグニッションモードでは極性反転回路の駆動周波数を、共振回路のインダクタとコンデンサの共振周波数の奇数分の一の周波数に近づくように周波数掃引することを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、共振回路のインダクタをトランスの一次巻線と二次巻線が加極性となるオートトランス構造とし、一次巻線を共振回路のコンデンサと直列に接続すると共に、二次巻線を高圧放電灯と直列に接続したことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、イグニッションモード時に高圧放電灯の点灯を検出する手段を備え、点灯検出後直ちに又は所定時間の経過後に予熱モードへ移行させることを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の高圧放電灯点灯装置を備える照明器具。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の高圧放電灯点灯装置を備えるプロジェクタ用の光源点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−170966(P2010−170966A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14749(P2009−14749)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】