説明

高精度加工装置

【課題】切削抵抗もしくは研削抵抗などの加工負荷に起因する工具の撓みを解消し、高精度加工を行うことができる高精度加工装置を提供する。
【解決手段】円柱形状の加工面を有し加工面を回転軸24にて回転する工具4を備え、ワーク1に工具4の円柱形状の加工面を回転させながら当接させて加工を行う高精度加工装置において、ワーク1に対して工具4の回転軸24を水平方向に旋回する旋回駆動モータ5と、旋回駆動モータ5の非加工時の出力値および加工時の出力値を取得するトルクセンサ17、旋回駆動モータ5の非加工時の出力値と加工時の出力値とから工具4の回転軸24に対する撓み量を算出して、撓み量を解消するための旋回の旋回量を決定する演算部14と、工具4の回転軸24が旋回の旋回量と成るように旋回駆動モータ5を制御する制御部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、短時間で高精度な直角度、真直度、円筒度、平面度等の形状精度を得る高精度加工装置に関するものであり、特に、切削抵抗もしくは研削抵抗などの加工負荷に起因する工具の撓みを精度良く補正し加工精度を向上するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の高精度加工装置は、駆動モータからの発熱、テーブルの摺動面からの摩擦熱、加工点から発生する切削熱などにより熱変形が生じ、寸法精度が悪化するという問題点があった。また、工具が誤って主軸軸心に対して斜めにチャッキングされたり、工具のチャック部分と切れ歯部分の外径に偏心があったり、工具が偏心してチャッキングされたりした場合、工具が回転したときの切れ歯部分の外径の包絡線は、工具の外径と振れ量の和となり、加工される溝幅は工具の振れ量に相当する加工誤差が生じるという問題点があった。
【0003】
そこで従来の高精度加工装置では、回転中の工具の位置を加工機に設置された測定器により測定し、ワークを基準とした相対位置の変化を得ることで熱変位による誤差をも含んだ見かけ上の工具の外径を算出し、この見かけ上の工具の外径をNC制御部に入力することで、NC制御部内の工具座標をインラインで補正し、高精度な寸法精度を得ているものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、加工時間を短縮するため加工速度を上げると、加工負荷が増大し、その影響で工具に撓みが発生する。そのため高精度な形状精度が必要なワークに対しては、加工速度を下げて加工していたため、加工時間が長くなるという問題点があった。そこで従来の高精度加工装置は、スピンドル主軸のモータ電流、もしくはスピンドル主軸の動力から工具の撓み量を推定し、工具の撓み量に応じてスピンドル主軸をワークに対して傾けることで、短時間で高精度な形状精度を得ているものである(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4172450号公報
【特許文献2】特許第3753886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の前者の高精度加工装置の加工方法にあっては、ワークの寸法精度を改善するためのものであり、ワークの直角度や円筒度、平面度などの形状精度を改善できないといった問題点があった。また、後者の高精度加工装置にあっては、工具の撓み量をスピンドル主軸のモータ電流、もしくはスピンドル主軸の動力から推定する。このスピンドル主軸のモータ電流、もしくはスピンドル主軸の動力は、加工負荷のうち工具の接線方向に働く主分力に応じて変化する。工具の径方向に働き、工具の撓みの原因である背分力を直接測定しているため工具の撓み量の推定精度が悪く、加工負荷の変動に対応できないといった問題点があった。
【0007】
この発明は前記のような課題を解決するためになされたものであり、工具の撓みを精度良く測定し、加工精度を向上することができる高精度加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、
円柱形状の加工面を有し前記加工面を回転軸にて回転する工具を備え、ワークに前記工具の円柱形状の加工面を回転させながら当接させて加工を行う高精度加工装置において、
前記ワークに対して前記工具の回転軸を水平方向に旋回する旋回駆動モータと、
前記旋回駆動モータの非加工時の出力値および加工時の出力値を取得するセンサと、
前記旋回駆動モータの非加工時の出力値と前記加工時の出力値とから前記工具の回転軸に対する撓み量を算出して、前記撓み量を解消するための前記旋回の旋回量を決定する演算部と、
前記工具の回転軸が前記旋回の旋回量となるように前記旋回駆動モータを制御する制御部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の高精度加工装置は、
円柱形状の加工面を有し前記加工面を回転軸にて回転する工具を備え、ワークに前記工具の円柱形状の加工面を回転させながら当接させて加工を行う高精度加工装置において、
前記ワークに対して前記工具の回転軸を水平方向に旋回する旋回駆動モータと、
前記旋回駆動モータの非加工時の出力値および加工時の出力値を取得するセンサと、
前記旋回駆動モータの非加工時の出力値と前記加工時の出力値とから前記工具の回転軸に対する撓み量を算出して、前記撓み量を解消するための前記旋回の旋回量を決定する演算部と、
前記工具の回転軸が前記旋回の旋回量となるように前記旋回駆動モータを制御する制御部とを備えたので、
切削抵抗もしくは研削抵抗などの加工負荷に起因する工具の撓みを、背分力に対する反力を測定して解消しているので、高精度加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1の高精度加工装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した高精度加工装置の構成を示す上面図である。
【図3】図1に示した高精度加工装置の構成を示す側面図である。
【図4】図1に示した高精度加工装置の工具の先端の旋回量と変位センサの変位量との関係を説明するための模式図である。
【図5】図1に示した高精度加工装置の工具とワークとの加工負荷の関係を説明するための工具の回転軸方向から見た模式図である。
【図6】図1に示した高精度加工装置における加工負荷の関係を説明するための上方から見た模式図である。
【図7】高精度加工装置の背分力の影響を受けて撓んだ工具の状態を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1における高精度加工装置の工具の撓み量に応じて工具を旋回させた状態を示す図である。
【図9】図1に示した高精度加工装置の背分力と背分力に対する反力との関係を説明するための模式図である。
【図10】この発明の実施の形態2の高精度加工装置の構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1における高精度加工装置の構成を斜視図、図2は図1に示した高精度加工装置の構成を示す上面図、図3は図1に示した高精度加工装置の構成を示す側面図、図4は図1に示した高精度加工装置の工具の先端の旋回量と変位センサの変位量との関係を説明するための模式図、図5は図1に示した高精度加工装置の工具とワークとの加工負荷の関係を説明するための工具の回転軸方向から見た模式図、図6は図1に示した高精度加工装置における加工負荷の関係を説明するための上方から見た模式図、図7は高精度加工装置の背分力の影響を受けて撓んだ工具の状態を示す図、図8はこの発明の実施の形態1における高精度加工装置の工具の撓み量に応じて工具を旋回させた状態を示す図、図9は図1に示した高精度加工装置の背分力と背分力に対する反力との関係を説明するための模式図である。
【0012】
図において、高精度加工装置は短時間で高精度な直角度、真直度、円筒度、平面度等の形状の加工を行うものであり、ワーク1を加工する工具4と、ワーク1と工具4との相対距離を変更するために、ワーク1の厚み方向であるZ軸に相対的に移動可能なZ軸テーブル20と、Z軸に直行し工具4の送り方向であるX軸に相対的に移動可能なX軸テーブル21と、Z軸およびX軸にそれぞれ直行するY軸に相対的に移動可能なY軸テーブル22と、ワーク1に対して工具4の回転軸24を水平方向に旋回する旋回駆動モータ5と、
旋回駆動モータ5により駆動するボールネジ6と、旋回駆動モータ5の非加工時の出力値および加工時の出力値を旋回駆動モータ5の出力値として出力トルクを検出するセンサとしてのトルクセンサ17と、Y軸テーブル22に載置され、ワーク1を保持して中心軸23にて回転するワークスピンドル2と、ワーク1と対向する位置で工具4を保持して回転軸24にて回転する工具スピンドル3とを備える。
【0013】
さらに、工具スピンドル3を保持するスピンドルホルダ8と、スピンドルホルダ8が載置されている旋回ベース7と、旋回ベース7の下面に形成されている旋回ガイド9と、X軸テーブル21に載置され旋回ガイド9を上面に設置する下部ベース25と、下部ベース25と旋回ベース7との相対的な変位量を検出する変位センサ10と、旋回駆動モータ5を駆動制御するためのモータドライバ11と、トルクセンサ17の信号を変換する第1変換器15と、変位センサ10の信号を変換する第2変換器12と、旋回駆動モータ5の非加工時の出力トルクの値を格納するデータセンタ13と、データセンタ13に格納された出力トルクの値と加工時の出力トルクの値とから工具4の回転軸24に対する撓み量を算出して、撓み量を解消するための工具4の回転軸24の旋回の旋回量を決定する演算部14と、工具4の回転軸24が旋回の旋回量となるようにモータドライバ11を制御して旋回駆動モータ5を駆動する制御部16とを備える。
【0014】
工具4は、円柱形状の加工面を有し、加工面が回転軸24にて工具スピンドル3を介して回転する。そして、ワーク1に工具4の円柱形状の加工面を回転させながら当接させて加工が行われる。そして旋回駆動モータ5の駆動により、加工点Aと工具4の回転軸24とを含む平面内において、加工点Aを中心に旋回を行うために、旋回ガイド9は、加工点Aを通るY軸方向の軸を中心とする円弧形状にて形成されている。よって、旋回駆動モータ5を駆動することで、ボールネジ6を介して旋回ベース7、スピンドルホルダ8、工具スピンドル3、工具4が旋回ガイド9に沿って旋回する。そして、ワーク1に対して工具4を、X軸テーブル21、Y軸テーブル22およびZ軸テーブル20を用いて、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に相対的に駆動することで、ワーク1を任意の形状に加工できる。
【0015】
上記のように構成された実施の形態1の高精度加工装置の動作について説明する。まず、工具4の先端の旋回量h3について図4に基づいて説明する。工具4の先端の旋回量h3は、変位センサ10により測定した旋回ベース7の変位量、すなわち変位センサ10の変位量を、第2変換器12を介して取得して求めることができる。
すなわち、旋回中心点Bから工具4の先端までの距離h1と、旋回中心点Bから変位センサ10の位置までの距離h2の比が例えば1:5の場合、工具4の先端の旋回量h3は変位センサ10の変位量h4の1/5となり、検出することができる。尚、旋回ベース7の旋回量を検出する例を示したが、スピンドルホルダ8の旋回量から算出することもできる。
【0016】
次に、加工負荷Fについて図5、図6に基づいて説明する。工具4のワーク1に対する加工負荷Fは、主分力Fcと背分力Ftとに分解できる。主分力Fcは工具4の加工点Aにおける接線方向の力であり、工具スピンドル3を回転するために必要な動力の大きさを決める要素である。また、背分力Ftは工具4の加工点Aにおける径軸方向の力、すなわち工具4をワーク1に押し付けている力であり、工具4が撓む要素である。
【0017】
次に、工具4の回転軸24に対する撓み量Yと背分力Ftとの関係について図7を用いて説明する。尚、図7から明らかなように、撓み量Yとは、工具4の回転軸24に対する撓み量と同一である。工具4上の加工点Aに先に示した背分力Ftが加わっている場合、工具4の工具長をL、工具4の先端から加工点Aまでの距離をL1、LとL1との差をL2、工具4の縦弾性係数をE、断面2次モーメントをIとすると、工具4の撓み量Yは、片持ち梁における撓みの式から、以下に示す式(1)が成り立つ。
Y=(Ft×L2/(3×E×I))×(1+(3×L1)/(2×L2))
そして、L1、L2は加工条件により、Eは工具4の材質により、Iは工具4の断面形状により、それぞれ予め決まっている数値である。そのため、背分力Ftが分かれば、工具4の撓み量Yが推定できる。
【0018】
加工負荷Fが変動する要因として、ワーク1とワークスピンドル2との芯ズレに起因するワーク1の振れや、工具4と工具スピンドル3との芯ズレに起因する工具4の振れ、加工前のワーク1の形状精度や加工による工具4の状態の変化が挙げられる。このような要因で加工負荷Fが変動すれば、それに応じて上記に示した背分力Ftも変動し、工具4の撓み量も変動する。つまり、背分力Ftの影響で工具4が撓み、その結果、ワーク1の直角度が図7に示すように悪化する。また、ワーク1を加工する箇所ごとに背分力Ftが変動するため、工具4の撓み量が変動する。その結果、加工する箇所ごとにワーク1の直角度が変化するので、ワーク1の加工面に図7に示すようなうねりが生じる。
【0019】
このことを解消するために、本願実施の形態1においては、図8に示すように、工具4をワーク1に押し付ける方向に加工点Aを中心に工具スピンドル3を旋回させる。このときの工具スピンドル3の旋回量は、工具4の撓み量Yが解消するためのもので、工具4の先端が移動する量である。よって、工具4の撓み量Yを加工中に検出し、この撓み量Yに応じて工具スピンドル3の旋回量を調整する。
【0020】
しかし、加工中に工具4の撓み量Yを直接測定することは、加工負荷による振動や、切削水、研削水による影響、さらにワーク1が通常の測定時と比較して高速に回転していることなどから、困難である。そこで先に示した背分力Ftを測定して検出する。加工中の背分力Ftは、旋回ベース7やボールネジ6を介して旋回駆動モータ5に伝わる。すなわち加工中の旋回駆動モータ5は、工具スピンドル3をその場に保持するための駆動力と、背分力Ftに対する反力Ft’とを加えた大きさの駆動力を出力している。
【0021】
そこでまず、工具スピンドル3をその場に保持するための駆動力としての、非加工時の旋回駆動モータ5の出力トルクを、トルクセンサ17を用いて測定し、第1変換器15を介してデータセンタ13に蓄積する。次に、加工中の旋回駆動モータ5の出力トルクをトルクセンサ17で測定する。
次に、非加工時の出力トルクと加工時の出力トルクとの差を演算部14にて算出した結果が、背分力Ftに対する反力Ft’に相当する。この演算を加工中に繰り返すことで、加工している場所に応じて背分力Ftに対する反力Ft’を得ることができる。
【0022】
次に、背分力Ftと背分力Ftに対する反力Ft’との関係について、図9に基づいて説明する。旋回中心点Bから加工点Aまでの距離h5と、旋回駆動モータ5までの距離h6との比が例えば1:5の場合、背分力Ftに対する反力Ft’の1/5が背分力Ftに相当する。ここで推定した背分力Ftを上記式(1)に代入することで、工具4の撓み量Yを算出できる。そして、加工している箇所ごとに背分力Ftに対する反力Ft’を検出し、工具4の撓み量Yも加工している箇所ごとに算出できる。
【0023】
そして、先に示したように、旋回中心点Bから工具4の先端までの距離h1と変位センサ10までの距離h2の比を1:5とすると、変位センサ10の変位量が撓み量Yの5倍になるよう旋回駆動モータ5を駆動する。この旋回駆動モータ5の駆動量を加工箇所ごとに調整することで、直角度が良好で加工することができ、加工面のうねりが抑えられたワーク1を得ることができる。
尚、本実施の形態1においては、旋回ベース7の変位量を監視するセンサとして変位センサ10を用いる例を示したが、これに限られることはなく、旋回駆動モータ5にエンコーダを設置し、このエンコーダを用いるようにしても同様に行うことができる。
【0024】
上記実施の形態1によれば、工具の撓みの原因である背分力に対する反力を測定し、加工中に加工負荷が変動しても、この変動に応じて工具の旋回の旋回量を調整することが可能となり、高精度な形状精度が得られる。また、駆動モータの出力値を出力トルクにより測定しているので、測定精度が向上する。
【0025】
実施の形態2.
上記実施の形態1では旋回駆動モータ5の出力値として、出力トルクを用いる例を示しが、これに限られることはなく、図10に示すように、旋回駆動モータ5へのモータドライバ11からの出力電力を旋回駆動モータ5の出力値として測定するセンサとしての電力計18を設置し、この電力計18を用いて出力電力を検出して上記実施の形態1と同様に行うことが可能であり、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。さらにこの場合、電圧と電流との位相が一致していなくても有効電力を測定できるので、高い測定精度が得られる。また、電力計と旋回駆動モータとを近接して設置する必要がないことから旋回駆動モータ周辺の小型化が可能になる。
【0026】
実施の形態3.
上記実施の形態2では旋回駆動モータ5へのモータドライバ11からの出力電力を計測する例を示したが、これに限られることはなく、旋回駆動モータ5へのモータドライバ11からの出力電流を旋回駆動モータ5の出力値として、上記実施の形態2の電力計18と同一の箇所に電力計18に換えてセンサとしての電流計を設置して出力電流を計測して、上記各実施の形態と同様に行うことが可能であり、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。さらにこの場合、出力電流を測定するための電流計が安価であり、コストを低減することができる。また、電流計と旋回駆動モータとを近接して設置する必要がないことから旋回駆動モータ周辺の小型化が可能になる。また、電力計と比較して小型であることから制御部の周辺も小型化が可能になる。
【0027】
尚、上記各実施の形態では、ワークスピンドル2にてワーク1を回転して加工を行う例を示したが、これに限られることはなく、ワークが回転しないような加工においても上記各実施の形態と同様に行うことができ、同様の効果を奏することができる。
【0028】
また、上記各実施の形態においては、Z軸テーブル20、X軸テーブル21、Y軸テーブル22などを備える例を示したがこれに限られることはなく、他の移動手段であっても、上記実施の形態と同様に行うことが可能であり、同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 ワーク、2 ワークスピンドル、3 工具スピンドル、4 工具、
5 旋回駆動モータ、11 モータドライバ、14 演算部、16 制御部、
17 トルクセンサ、18 電力計、20 Z軸テーブル、21 X軸テーブル、
22 Y軸テーブル、24 回転軸、A 加工点、B 旋回中心点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱形状の加工面を有し前記加工面を回転軸にて回転する工具を備え、ワークに前記工具の円柱形状の加工面を回転させながら当接させて加工を行う高精度加工装置において、
前記ワークに対して前記工具の回転軸を水平方向に旋回する旋回駆動モータと、
前記旋回駆動モータの非加工時の出力値および加工時の出力値を取得するセンサと、
前記旋回駆動モータの非加工時の出力値と前記加工時の出力値とから前記工具の回転軸に対する撓み量を算出して、前記撓み量を解消するための前記旋回の旋回量を決定する演算部と、
前記工具の回転軸が前記旋回の旋回量と成るように前記旋回駆動モータを制御する制御部とを備えたことを特徴とする高精度加工装置。
【請求項2】
前記旋回駆動モータの出力値は、前記旋回駆動モータの出力トルクから得ることを特徴とする請求項1に記載の高精度加工装置。
【請求項3】
前記旋回駆動モータの出力値は、前記旋回駆動モータへのモータドライバからの出力電力から得ることを特徴とする請求項1に記載の高精度加工装置。
【請求項4】
前記旋回駆動モータの出力値は、前記旋回駆動モータへのモータドライバからの出力電流から得ることを特徴とする請求項1に記載の高精度加工装置。
【請求項5】
前記ワークを保持して回転するワークスピンドルと、
前記ワークと対向する位置で前記工具を保持して前記回転軸にて回転する工具スピンドルとを備え、
前記ワークと前記工具との相対距離を変更するために、前記ワークの厚み方向であるZ軸と、前記Z軸に直行し前記工具の送り方向であるX軸と、前記Z軸および前記X軸にそれぞれ直行するY軸とを有し、
前記旋回駆動モータは、加工点と前記工具の回転軸とを含む平面内において、前記加工点を中心に前記旋回を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の高精度加工装置。
【請求項6】
前記ワークを保持する保持部と、
前記ワークと対向する位置で前記工具を保持して前記回転軸にて回転する工具スピンドルとを備え、
前記ワークと前記工具との相対距離を変更するために、前記ワークの厚み方向であるZ軸と、前記Z軸に直行し前記工具の送り方向であるX軸と、前記Z軸および前記X軸にそれぞれ直行するY軸とを有し、
前記旋回駆動モータは、加工点と前記工具の回転軸とを含む平面内において、前記加工点を中心に前記旋回を行うこと特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の高精度加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−206188(P2012−206188A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72128(P2011−72128)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】