説明

鼓形キースロットを有するウェハーキャリアのドア及びラッチ機構

回転可能な作動部材を備えるラッチ機構を有するウェハーキャリア用ドアである。回動可能な作動部材は、キーを使用して回転可能な作動部材のキースロット内に挿入し、ウェハーキャリアの外部から作動される。キースロットは鼓形状に形成され、耐磨耗性材料から構成される結果、粒子汚染物質の生成を減らす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2002年1月15日提出の米国仮出願番号第60/349166号の米国特許法119条(e)に基づく利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般的には、集積回路の生産に使用する半導体ウェハーディスクを支持し、保管し、精密に定置するために設計されるウェハーキャリアに関する。より詳しくは、本発明は、ウェハー容器のエンクロージャにドアを固定するためのラッチ機構を作動させるキースロットに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体ウェハーを完成電子部品に加工するためには、典型的には、ウェハーを取り扱い加工しなければならない多くの加工段階が要求される。ウェハーは非常に高価であり、極めて壊れ易く、物理的電気的な衝撃により容易に損傷を受ける。さらに、加工を成功させるには、粒子その他の汚染物質が存在しない最大限の清浄度が要求される。そのため、ウェハーの加工や取り扱いや輸送の間に使用するための専用の容器やキャリアが開発されている。こうした容器はウェハーを物理的電気的な障害から保護し、汚染物質からウェハーを密封保護する。
【0004】
密封可能なウェハーキャリアのためのドア付エンクロージャやラッチ機構に関する様々な構成が当業界では周知である。周知のラッチ機構としては、回転可能な作動部材が頻繁に使用されている。こうした作動部材はカムを有することもあるが、ギアの場合もある。一般的には、このような機構の作動部材は、ほぼ矩形断面を有するキーを使用して、ロボットによってキャリアの外部から回転される。キーは、ドアの外表面の開口部を通って、回転可能な作動部材に形成されているキースロットの中に挿入される。従来より、キースロットは矩形断面が一般的である。
【0005】
キーの挿入を可能とするためには、キーとキースロットとの間に公差を設ける必要がある。キーが回転されてカム部材の回転が生じると、この公差によってキーはキースロット内を僅かに回転する。キーの角部は、キースロットの側面に支承され、キーの回転力がキースロット及び関連するカム部材に伝達する点となる。キーの比較的狭い領域がキースロットの側面に接触していると、回転力の全てがこの狭い領域を介して伝達されることになるため、キー及びキースロットの側面は接触点において非常に高い応力レベルを受ける。その結果、材料の磨耗が生じ、好ましくない粒子汚染物質が生成される。
【0006】
矩形キースロットを使用する際の磨耗問題を最小限に抑えるためには、キーとキースロットとの間の公差は比較的小さなものにしておく必要がある。しかし、公差を減らすとキー挿入が困難となりキーの食い込みが生じる可能性がある。その結果、キースロットとキーが破損する。このような破損は好ましくない粒子を生成し、加工の非効率化及び生産の中断を伴うことになる。
【特許文献1】米国特許第5957292号
【特許文献2】米国特許第4185481号
【特許文献3】米国特許第4440010号
【特許文献4】米国特許第5916281号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
支承表面を増やしながらもキーとキースロットとの間の公差を比較的大きくでき、矩形断面のキーと共に使用するための何らかのキースロットが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、キーがキースロットと接触する支承領域をより広いものとし、また、両部材間の公差を増やすことも可能とすることによって、上述の要求を満たす。本発明においては、キースロットは概ね鼓形状に形成される。鼓形状によって、キーの角部よりもむしろキーの平坦面がキースロットの側面に支承されることが可能となり、力の伝達がより大きな領域に許容されて、それに対応して材料にかかる応力が減少する。
【0009】
キースロットの内表面は、例えばポリエーテルイミド(PED)プラスチックのような硬質の耐磨耗性材料で形成して、材料の磨耗及び粒子の発生を減少することも可能である。キースロットの材料に電気的な伝導性をもたせて、接地への電気的経路を許容することも可能である。キースロット内のキーの回転はそれ程厳密に制限されないので、キー対キースロットの公差がより大きな、より広いキースロットを使用することが可能となり、その結果比較的容易にキーが挿入され、構成部材の損傷がより少なくなり、キーの食い込みもより少なくなる。
【0010】
したがって、本発明の目的及び利点は、ウェハーキャリアのラッチ機構においてキーとキースロットとの間の接触の結果起こる粒子性物質の発生を減少することにある。
【0011】
本発明のさらなる目的及び利点は、キーの食い込み及びその結果起こる生産の非効率化を減少させることにある。
【0012】
本発明のまたさらなる目的及び利点は、キーの挿入及び取外しの結果起こるキーとキースロットの損傷を減少させることにある。
【0013】
本発明の付加的な目的、利点、及び新規的な特徴は、一部は以下の説明に記載され、一部は以下の記載の考察に基づいて当業者にとって明確となるだろう。あるいは、本発明の実施によって分かる可能性もある。本発明の目的及び利益は、付随する特許請求の範囲に特に指摘されている手段や組合せによって実現達成可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
まず、図1を参照すると、ウェハー容器100が全体的に示されている。ウェハー容器100はエンクロージャ部102を有し、ポリカーボネートプラスチックで構成され、上部104、底部106、一対の対向側面108、110、及び背部112を備える。ドア114はエンクロージャ部102の開口前部116を封じることによってエンクロージャを完成させ、ドア用凹部118に嵌入する。ウェハー支持部120(図示せず)、122は半導体ウェハーをエンクロージャ内に支持するために設けられている。キネマティックカップリング124は、エンクロージャの底部106の外表面に取り付けられ、使用中に容器の自動化された取り扱いを容易にしたり、加工中にハウジング内のウェハーの設置を行うための参照データを提供するために設けられている。ロボット持上げフランジ126は、エンクロージャの上部104の外表面に取り付けられ、使用中の自動化された取り扱い及び容器100の輸送を容易にするために設けられている。
【0015】
図2を参照すると、本発明に係るウェハーキャリアドア114が示されている。ドア114は概ねドア筐体150及びラッチ機構160、200から構成される。機構カバー300、302は、ラッチ機構160、200を物理的な損傷及び汚染から防護するためと、ラッチ機構の構成部材をガイドするために設けられている。
【0016】
次に、図2及び図3を参照すると、ラッチ機構160、200の操作が理解できる。図3においては、ラッチ機構160の部分図が示されている。ラッチアーム162、164は個別にカム追従部166、168のそれぞれを有し、カム部172、174においてカム部材170と係合する。図2に示すように、ラッチアーム162、164はラッチ部176、178を、カム追従部166、168から反対側の端部に有している。キー220がキースロット222に挿入されて回転されると、カム追従部166、168はカム部172、174に沿って摺動する。カム部材170の形状によって、ラッチアーム162、164は半径方向に並進移動し、ラッチ開口部180、182を通ってラッチ部176、178を出し入れさせる。ラッチ部176、178はウェハーキャリア内の凹部(図示せず)に受け入れられて、ドアを定位置に固定することができる。
【0017】
図4及び図5においては、キー220が挿入される状態の矩形キースロット222の上面図が示されている。図4においては、キー220はキースロット222に挿入されてはいるが、回転力は与えられていない。公差スペース240は、分かり易くするために誇張して示されているが、キー220を取り囲んでおり、キー220の挿入を可能にするために設けられている。図5に示されているように、キー220が回転されると、公差スペース240によって、キー220はキースロット222内を僅かに回転可能となり、キー角部224、226がキースロット側面228、230に接触し支承される。キー角部224、226は比較的狭い領域を構成しており、キー220によって伝達される回転力は全てそれを介して伝えられる。したがって、キー角部224、226におけるキー、及び接触点におけるキースロット側面228、230の応力レベルは比較的高いものとなる。キー角部224、226における応力は、角部の僅かな変形を引き起こす程高いことが多く、キースロット側面228、230との摺動摩擦を生むことになる。その結果、キー角部224、226及びキースロット壁面228、230から材料が磨耗し、ウェハー加工操作に汚染をもたらす可能性のある、好ましくない粒子が生成される。
【0018】
本発明の最も好ましい実施形態が図6に示されている。図示されているように、キースロット222は鼓形状を有する。キースロット側面328、330は、キースロット端面360、362に概ね直交する中央部332、334を有する。キースロット側面328の外向傾斜部336、338及びキースロット側面330の傾斜部340、342は、中央部332、334と角度αをなす。したがって、中央部332は外向傾斜部336と338の間に配置され、中央部334は外向傾斜部340と342との間に配置される。そのため、キースロット222の狭まった部分は中央部332と334との間に形成される。当業者であれば、キー220、キースロット222、及び公差スペース240の相対的な寸法に基づいてαを選ぶことができると分かるだろう。そして、図示されているように、キースロット222内をキー220が角度αまで時計回り方向に回転する際に、キー220の平坦側面344、346が傾斜部336、342に支承される。傾斜部336、342と接触し、それゆえ力の支承領域がより広くなっているキー220の比較的広い領域により、接触領域においては一層低い応力レベルになる効果がある。キー角部224、226における摺動接触はなくなっている。その結果、キー220及びキースロット222への損傷はより小さなものとなり、粒子汚染物質の生成が全体的に減少する。当業者であれば、公差スペース240を比較的広くすることが可能であることも分かるだろう。というのは、キースロット222内のキー220の回転をそれ程厳密に制限する必要がないためである。この大きくなった公差によって、キー挿入中のキーの食い込み及び構成部材の損傷が減少する。
【0019】
粒子の生成はキースロット222を硬質の耐磨耗性材料で内張りすることによってさらに減少させることが可能である。現時点で好ましいのは、ロックウェル硬さが少なくともM105の材料を使用することである。この目的のための現時点で好ましい材料は、ポリエーテルイミド(PEI)である。他の好ましい材料は、PEEK又はPPSである。このようなプラスチック材料が使用される場合、炭素繊維その他の電気的に伝導性のある充填材を使用して、接地への電気的経路の一部として使用可能な電気的に伝導性のあるキースロットを形成することもできる。当業者であれば、金属材料も含めて、物理的に適したどんな耐磨耗性材料も、キースロットの内張り材として使用できることが分かるだろう。
【0020】
本発明に係るもう一つの実施形態は図7に示されている。この実施形態においては、キースロット側面428、430は内向凸形状を有している。図示されているように、凸形状によって、キー220の平坦側面344、346はキースロット側面428、430を支承することが可能となっている。
【0021】
本発明に係るさらにもう一つの実施形態は図8に示されている。キースロット側面528、530は内向背斜形状(inwardly directed anticlinal shape)を有するように作られている。対向する頂点550、552は、キー220の挿入中にこの点において生じ得る磨耗を最小限に抑えるために、角を落とすことも可能である。概ね鼓形状の外形を有してキーの平坦面とキースロット側面との接触が生じるような他の多くの代替形状のキースロット222も可能であり、本発明の範囲内にあることは、当業者であれば分かるだろう。
【0022】
本発明の付加的な目的、利点、及び新規的な特徴は、一部は以下の説明に記載され、一部は以下の記載の考察に基づいて当業者にとって明確となるだろう。あるいは、本発明の実施によって分かる可能性もある。本発明の目的及び利益は、付随する特許請求の範囲に特に指摘されている手段や組合せによって実現達成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】典型的な半導体ウェハー輸送容器の斜視図である。
【図2】ドアに配置されるラッチ機構を示すウェハー容器のドアの斜視図である。
【図3】キー及びキースロットを示すラッチ機構の部分斜視図である。
【図4】内部にキーが配置される矩形キースロットの上面図である。
【図5】使用時においてキーが回転された後の、内部にキーが配置される矩形キースロットの上面図である。
【図6】本発明に係る鼓形キースロットの現時点で最も好ましい実施形態の上面図である。
【図7】本発明に係る鼓形キースロットのもう一つの実施形態の上面図である。
【図8】本発明に係る鼓形キースロットのさらにもう一つの実施形態の上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
前記ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、前記ラッチアームに結合する回転可能な作動部材と、を有し、
前記回転可能な作動部材はほぼ鼓形状のキースロットを有することを特徴とする容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは、一対の対向側面と、一対の対向端面と、を有し、
前記対向する一対の側面のそれぞれは二つの外向傾斜部の間に配置された中央部を有し、
前記中央部は、前記対向端面とほぼ直交する方向を向いていることを特徴とする容器。
【請求項3】
請求項1に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向凸形状を有することを特徴とする容器。
【請求項4】
請求項1に記載の容器であって、ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向背斜形状(an inwardly directed anticlinal shape)を有することを特徴とする容器。
【請求項5】
請求項1に記載の容器であって、
前記キースロットは耐磨耗性材料から形成されることを特徴とする容器。
【請求項6】
請求項1に記載の容器であって、
前記キースロットは電気的に伝導性のある材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項7】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
前記ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、前記ラッチアームに結合する回転可能な作動部材と、を有し、
前記回転可能な作動部材はほぼ鼓形状のキースロットを有し、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは、一対の対向側面と、一対の対向端面と、を有し、
前記対向する一対の側面のそれぞれは二つの外向傾斜部の間に配置された中央部を有し、
前記中央部は前記対向端面とほぼ直交する方向を向いていることを特徴とする容器。
【請求項8】
請求項7に記載の容器であって、
前記キースロットは耐磨耗性材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項9】
請求項7に記載の容器であって、
前記キースロットは電気的に伝導性のある材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項10】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
前記ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、前記ラッチアームに結合する回転可能な作動部材と、を有し、
前記回転可能な作動部材はほぼ鼓形状のキースロットを有し、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向凸形状を有することを特徴とする容器。
【請求項11】
請求項10に記載の容器であって、
前記キースロットは耐磨耗性材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項12】
請求項10に記載の容器であって、
前記キースロットは電気的に伝導性のある材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項13】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
前記ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、前記ラッチアームに結合する回転可能な作動部材と、を有し、
前記回転可能な作動部材はほぼ鼓形状のキースロットを有し、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは、一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向背斜形状(an inwardly directed anticlinal shape)を有することを特徴とする容器。
【請求項14】
請求項13に記載の容器であって、
前記キースロットは耐磨耗性材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項15】
請求項13に記載の容器であって、
前記キースロットは電気的に伝導性のある材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項16】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー輸送容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
該ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、該ラッチアームに結合する回転可能なカム部材と、を有し、
該カム部材はキースロットを有し、
該キースロットは一対の対向端面を有し、
前記キースロットは狭められた部分を該二つの端面の中間にさらに有することを特徴とする容器。
【請求項17】
請求項16に記載の容器であって、
前記キースロットはほぼ鼓形状であることを特徴とする容器。
【請求項18】
請求項17に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは、一対の対向側面と、一対の対向端面と、を有し、
前記対向する一対の側面のそれぞれは二つの外向傾斜部の間に配置される中央部を有し、
前記中央部は前記対向端面とほぼ直交する方向を向いていることを特徴とする容器。
【請求項19】
請求項17に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向背斜形状(an inwardly directed anticlinal shape)を有することを特徴とする容器。
【請求項20】
請求項17に記載の容器であって、
前記キースロットは耐磨耗性材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項21】
請求項17に記載の容器であって、
前記キースロットは電気的に伝導性のある材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項22】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
前記ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、前記ラッチアームに結合する回転可能な作動部材と、を有し、
前記回転可能な作動部材は、キースロットと、前記キースロットに対するキーの挿入・回転・取り外しに起因する粒子の生成を減らすための手段と、を有することを特徴とする容器。
【請求項23】
請求項24に記載の容器であって、
前記キースロットに対するキーの挿入・回転・取り外しに起因する粒子の生成を減らすための手段は、ほぼ鼓形状の前記キースロットを有することと特徴とする容器。
【請求項24】
請求項23に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは、一対の対向側面と、一対の対向端面と、を有し、
前記対向する一対の側面のそれぞれは二つの外向傾斜部の間に配置される中央部を有し、
前記中央部は前記対向端面とほぼ直交する方向を向いていることを特徴とする容器。
【請求項25】
請求項23に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向凸形状を有することを特徴とする容器。
【請求項26】
請求項23に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向背斜形状(an inwardly directed anticlinal shape)を有することを特徴とする容器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
前記ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、前記ラッチアームに結合する回転可能な作動部材と、を有し、
前記回転可能な作動部材はほぼ鼓形状のキースロットを有し、
前記ほぼ鼓形状のキースロットはキーを受け入れるように適合し、その結果、前記回転可能な作動部材は前記キーが前記キースロットに受け入れられる際に前記キーに回転運動を伝えることによって回転可能であることを特徴とする容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは、一対の対向側面と、一対の対向端面と、を有し、
前記対向する一対の側面のそれぞれは二つの外向傾斜部の間に配置された中央部を有し、
前記中央部は前記対向端面とほぼ直交する方向を向いていることを特徴とする容器。
【請求項3】
請求項1に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向凸形状を有することを特徴とする容器。
【請求項4】
請求項1に記載の容器であって、
ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向背斜形状(an inwardly directed anticlinal shape)を有することを特徴とする容器。
【請求項5】
請求項1に記載の容器であって、
前記キースロットは耐磨耗性材料から形成されることを特徴とする容器。
【請求項6】
請求項1に記載の容器であって、
前記キースロットは電気的に伝導性のある材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項7】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
前記ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、前記ラッチアームに結合する回転可能な作動部材と、を有し、
前記回転可能な作動部材はほぼ鼓形状のキースロットを有し、
前記ほぼ鼓形状のキースロットはキーを受け入れるように適合し、その結果、前記回転可能な作動部材は前記キーが前記キースロットに受け入れられる際に前記キーに回転運動を伝えることによって回転可能であり、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは、一対の対向側面と、一対の対向端面と、を有し、
前記対向する一対の側面のそれぞれは二つの外向傾斜部の間に配置された中央部を有し、
前記中央部は前記対向端面とほぼ直交する方向を向いていることを特徴とする容器。
【請求項8】
請求項7に記載の容器であって、
前記キースロットは耐磨耗性材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項9】
請求項7に記載の容器であって、
前記キースロットは電気的に伝導性のある材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項10】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
前記ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、前記ラッチアームに結合する回転可能な作動部材と、を有し、
前記回転可能な作動部材はほぼ鼓形状のキースロットを有し、
前記ほぼ鼓形状のキースロットはキーを受け入れるように適合し、その結果、前記回転可能な作動部材は前記キーが前記キースロットに受け入れられる際に前記キーに回転運動を伝えることによって回転可能であり、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向凸形状を有することを特徴とする容器。
【請求項11】
請求項10に記載の容器であって、
前記キースロットは耐磨耗性材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項12】
請求項10に記載の容器であって、
前記キースロットは電気的に伝導性のある材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項13】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
前記ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、前記ラッチアームに結合する回転可能な作動部材と、を有し、
前記回転可能な作動部材はほぼ鼓形状のキースロットを有し、
前記ほぼ鼓形状のキースロットはキーを受け入れるように適合し、その結果、前記回転可能な作動部材は前記キーが前記キースロットに受け入れられる際に前記キーに回転運動を伝えることによって回転可能であり、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向背斜形状を有することを特徴とする容器。
【請求項14】
請求項13に記載の容器であって、
前記キースロットは耐磨耗性材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項15】
請求項13に記載の容器であって、
前記キースロットは電気的に伝導性のある材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項16】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー輸送容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
該ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、該ラッチアームに結合する回転可能なカム部材と、を有し、
該カム部材はキースロットを有し、
前記キースロットはキーを受け入れるように適合し、その結果、前記回転可能な作動部材は前記キーが前記キースロットに受け入れられる際に前記キーに回転運動を伝えることによって回転可能であり、
該キースロットは一対の対向端面を有し、
前記キースロットは狭められた部分を該二つの端面の中間にさらに有することを特徴とする容器。
【請求項17】
請求項16に記載の容器であって、
前記キースロットはほぼ鼓形状であることを特徴とする容器。
【請求項18】
請求項17に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは、一対の対向側面と、一対の対向端面と、を有し、
前記対向する一対の側面のそれぞれは二つの外向傾斜部の間に配置される中央部を有し、
前記中央部は前記対向端面とほぼ直交する方向を向いていることを特徴とする容器。
【請求項19】
請求項17に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向背斜形状を有することを特徴とする容器。
【請求項20】
請求項17に記載の容器であって、
前記キースロットは耐磨耗性材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項21】
請求項17に記載の容器であって、
前記キースロットは電気的に伝導性のある材料で形成されることを特徴とする容器。
【請求項22】
少なくとも上部と、底部と、一対の対向側面と、背部と、開口前部と、該開口前部を閉じるドアと、を備えるエンクロージャ部を有するウェハー容器であって、
前記ドアは、ドア筐体と、少なくとも一つのラッチ機構と、を有し、
前記ラッチ機構は、少なくとも一つのラッチアームと、前記ラッチアームに結合する回転可能な作動部材と、を有し、
前記回転可能な作動部材は、キースロットと、前記キースロットに対するキーの挿入・回転・取り外しに起因する粒子の生成を減らすための手段と、を有し、
前記キースロットはキーを受け入れるように適合し、その結果、前記回転可能な作動部材は前記キーが前記キースロットに受け入れられる際に前記キーに回転運動を伝えることによって回転可能であることを特徴とする容器。
【請求項23】
請求項24に記載の容器であって、
前記キースロットに対するキーの挿入・回転・取り外しに起因する粒子の生成を減らすための手段は、ほぼ鼓形状の前記キースロットを有することと特徴とする容器。
【請求項24】
請求項23に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは、一対の対向側面と、一対の対向端面と、を有し、
前記対向する一対の側面のそれぞれは二つの外向傾斜部の間に配置される中央部を有し、
前記中央部は前記対向端面とほぼ直交する方向を向いていることを特徴とする容器。
【請求項25】
請求項23に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向凸形状を有することを特徴とする容器。
【請求項26】
請求項23に記載の容器であって、
前記ほぼ鼓形状のキースロットは一対の対向側面を有し、
前記一対の対向側面のそれぞれは内向背斜形状を有することを特徴とする容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−503421(P2006−503421A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−559903(P2003−559903)
【出願日】平成15年1月14日(2003.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/000964
【国際公開番号】WO2003/059782
【国際公開日】平成15年7月24日(2003.7.24)
【出願人】(500481330)エンテグリス・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】