説明

1−N−フェニルアミノ−1H−イミダゾール誘導体及びこれを含む医薬組成物

【課題】1−N−フェニルアミノ−1H−イミダゾール誘導体及びこれを含む医薬組成物の提供。
【解決手段】本発明は、R、R、R、R、Q及びZが明細書中に定義する通りであるような式(I)の化合物に関する。


また、本発明は、この化合物を含む医薬組成物にも関する。
本発明は概して、ホルモン依存性及び非依存性のガン、並びに、内分泌腺障害に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1−N−フェニルアミノ−1H−イミダゾール誘導体、及び、これを含む医薬組成物に関する。
【0002】
本発明は一般的に、ホルモン依存性及び非依存性のガン及び内分泌腺障害の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
アロマターゼは、アンドロステンジオン又はテストステロンといった男性ホルモンがそれぞれエストロン及びエストラジオールといったエストロゲンに変わるという特定の転換の原因となる生理学的な酵素である(非特許文献1)。従って、女性の性的な分化、排卵、着床、妊娠、乳房及び子宮内膜における細胞増殖等の、エストロゲン誘導性又はエストロゲン依存性の正常又は異常な生物学的工程、並びに、男性における精子形成若しくは前立腺細胞増殖の調節、又は、骨構成若しくは免疫T細胞及びサイトカインのバランス等の非生殖機能の調節を妨害するために、アロマターゼの阻害が選択される(非特許文献2〜4参照)。
【0004】
酵素ステロイドスルファターゼ(E.C.3.1.6.2.、STS)は、エストロン硫酸からエストロンへの、及び、DHEA硫酸からDHEAへの加水分解を触媒する(非特許文献5及び6)。
【0005】
ステロイドスルファターゼ経路は、乳ガンとの関連で、豊富な循環エストロン硫酸(ES)プールからのエストロゲンの組織内局所的形成に関して、近年関心が集中している(非特許文献7及び8)。
【0006】
この酵素の阻害により、ESからの遊離のエストロン(E)(酵素的還元によってエストラジオール(E)に転換可能)の生成が妨げられるであろう。エストロンスルファターゼ経路に加えて、現在、DHEA−Sが加水分解されたDHEAから得られるアンドロステンジオール(アジオール(adiol))という別の効果的なエストロゲンが、ホルモン依存性の乳房腫瘍の増殖及び発育を促進するもう一つの重要な一因である可能性があると考えられている。
【0007】
女性におけるエストロゲンの形成を、図1中に概略的に表す。現在、ホルモン依存性のガン患者において、エストロゲン合成を阻害するためにアロマターゼ阻害剤が使用される。しかし、臨床試験によって、アロマターゼ阻害剤はエストロゲン受容体陽性腫瘍患者に対する効力が相対的に低いことが示された(非特許文献9及び10)。このことは、ステロイドスルファターゼ経路が乳房腫瘍においてエストロゲン形成の別の重要な経路である可能性があることから説明される。
【0008】
EMATE(非特許文献11)、すなわちエストロン−3−スルファミン酸塩は歴史上標準的なステロイドスルファターゼ阻害剤であるが、その阻害機構からエストロゲン様であるという深刻な問題点を有する:酵素が不活性化される過程でスルファミン酸塩部が切断され、EがESからではなくEMATE自身から放出される(非特許文献12)。
【0009】
【化1】

【0010】
許容される薬剤の候補として、エストロゲン様特性を有さない誘導体を放出する他の非ステロイド系スルファミン酸塩化合物、6,6,7−COUMATE等の標準的な非エストロゲン様スルファターゼ阻害剤が、文献中に提示されている(非特許文献13)。
【0011】
【化2】

【0012】
ヒトの炭酸脱水酵素は、二酸化炭素(CO)と重炭酸塩イオン(HCO−)との転換を触媒し、生理学的及び病理学的過程に関与する。これらはホルモン依存性及び非依存性の発ガン性、転移侵襲過程、及び、古典的な化学/放射治療阻害剤に対する反応性が低い上記酵素を発現する低酸素症腫瘍を含む。特に、EMATEは、ヒト炭酸脱水酵素阻害剤として知られるスルホンアミドであるアセタゾールアミドのヒト炭酸脱水酵素阻害能と類似する能力を有することが分かっている(非特許文献14)。
【0013】
従って、下記活性を少なくとも一つ、好ましくは少なくとも二つ有する化合物の取得に特に関心が持たれる:アロマターゼ阻害、ステロイドスルファターゼ阻害、及び、炭酸脱水酵素阻害。
【0014】
最近、B.Potterら(非特許文献15)は、アロマターゼ阻害剤YM 511のスルファモイル誘導体はJEG−3細胞のスルファターゼ及びアロマターゼ活性を阻害することを報告した。
【0015】
【化3】

【0016】
エストロゲン依存性疾患の治療に有用であるとされる化合物が特許文献1中に記載されている。抗アロマターゼ特性を有するイミダゾール誘導体が特許文献2中に記載されている。
【特許文献1】米国特許US2003/0008862A号
【特許文献2】国際特許WO2004/054983号
【非特許文献1】Simpson ERら,Endocrine Reviews, 1994,15:342−355
【非特許文献2】Simpson ERら,Recent Progress in Hormone Research,1997,52:185−213
【非特許文献3】Endocrine Related Cancer(1999,volume 6,n°2)の全体
【非特許文献4】Breast Cancer Research Treatment(1998,volume 49,supplement n°1)の全体
【非特許文献5】Dibbelt L,Biol.Chem,Hoppe−Seyler,1991,372,173−185
【非特許文献6】Stein C,J.Biol.Chem.,1989,264,13865−13872
【非特許文献7】Pasqualini JR,J.Steroid Biochem.Mol.Biol.,1999,69,287−292
【非特許文献8】Purohit A,Mol.Cell.Endocrinol.,2001,171,129−135
【非特許文献9】Castiglione−Gertsch M,Eur.J.Cancer,1996,32A,393−395
【非特許文献10】Jonat W,Eur.J.Cancer,1996,32A,404−412
【非特許文献11】Ahmed S,Curr.Med.Chem.,2002,9,2,263−273
【非特許文献12】Ahmed S,J.Steroid Biochem.Mol.Biol.,2002,80,429−440
【非特許文献13】Purohit A,Cancer Res,2000,60,3394−3396
【非特許文献14】Winum Jら,J.Med.Chem.2003,46,2197−2204
【非特許文献15】B.Potterら,J.Med.Chem.,46,2003,3193−3196
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明において、1−N−フェニルアミノ基を含むイミダゾール誘導体が予想外にも高いアロマターゼ及び/又はステロイドスルファターゼ及び/又は炭酸脱水酵素の阻害能力を有していることが発見された。
【課題を解決するための手段】
【0018】
従って、本発明の目的の一つは、効果的なアロマターゼ及び/又はステロイドスルファターゼ及び/又は炭酸脱水酵素の阻害剤である1−N−フェニルアミノ−1H−イミダゾール誘導体の提供である。
【0019】
本発明の別の目的は、下記の1−N−フェニルアミノ−1H−イミダゾール誘導体を有効成分として含む医薬組成物の提供である。
【0020】
本発明の更に別の目的は、様々な疾患を治療又は予防するための、並びに、女性、男性、雌及び雄の野生動物又は家畜の生殖機能を管理するための薬の製造における、1−N−フェニルアミノ−1H−イミダゾール誘導体の使用の提供である。
【0021】
本発明の1−N−フェニルアミノ−1H−イミダゾール誘導体は下記の一般式(I):
【0022】
【化4】

【0023】
、並びに、その酸付加塩及び立体異性体で表わされ、式中、:
・R及びRは各々独立して水素、(C−C)アルキル基又は(C−C)シクロアルキル基である;又は、R及びRが一緒になって飽和若しくは不飽和の5−,6−若しくは7−員環の炭素環を形成する;
・Qは(CH−X−(CH−Aである;
・Aは直接的結合、O、S、SO、SO、NRである;
・Xは直接的結合、CF、O、S、SO、SO、C(O)、NR又はCRである;
・Zは次から選択される基である。
【0024】
【化5】

【0025】
・m及びnは各々独立して0、1、2、3又は4である;
・pは1、2、3又は4である;
・qは0、1又は2である;
・破線は、R及び/又はRがベンゾチオフェン環の任意の位置にあってよいことを意味する;
・R及びRは各々独立して水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、OPO(OR10、NR1011、SONR1011、OSONR1011、OSOOR10、SOOR10、SSONR1011、CFSOOR10、CFSONR1011、CF−テトラゾリル(tetrazolyl)又はNR12SONR1011、OSONR12SONR1011、CO10、CONR1011、OCHO、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、テトラゾリル、NR12CONR1011、NR10−CHO基である;
・Q−Zが下式である場合、
【0026】
【化6】

【0027】
nは0、1又は2であり、pは1であり、R及びRの一方はヒドロキシ、ニトロ、OPO(OR10、NR1011、OSONR1011、OSOOR10、SOOR10、SSONR1011、CFSOOR10、CFSONR1011、CF−テトラゾリル、NR12SONR1011 OSONR10SONR1112、CO10、CONR1011、OCHO、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、テトラゾリル、NR12CONR1011、NR10−CHO基であり、他方は水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、SONR1011、OSONR1011、OSOOR10、SOOR10、SSONR1011、CFSOOR10、CFSONR1011、CF−テトラゾリル、NR12SONR1011、OSONR12SONR1011、CO10、CONR1011、OCHO、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、テトラゾリル、NR12CONR1011、NR10−CHO基である;
・R及びRは各々独立して水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、OPO(OR10、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、SONR1011、 OSONR1011、OSOOR10、SOOR10、SSONR1011、CFSOOR10、CFSONR1011、CF−テトラゾリル、NR12SONR1011、OSONR12SONR1011、CO10、CHO、CONR1011、OCHO、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、テトラゾリル、NR12CONR1011、NR10−CHO基である;
・pが2、3又は4である場合、Rは同じであっても異なっていてもよい;
・R及びRは各々独立して水素、ハロゲン、(C−C)アルキル基又は(C−C)シクロアルキル基である;
・R、R10、R11及びR12は各々独立して水素、又は、ヒドロキシ、(C−C)アルキル又は(C−C)シクロアルキル基である;R10は塩であってもよい;R10及びR11はこれらに結合している窒素原子と一緒になって、O、S及びNから選択される一つ又は二つのヘテロ原子を含む5〜7員環の複素環を形成してもよい;
・Zが下式であり、
【0028】
【化7】

【0029】
かつ、pが1である場合、R及びRはフェニル環と一緒になって、ベンズオキサチアジンジオキシド(benzoxathiazine dioxide)、ジヒドロベンズオキサチアジンジオキシド(dihydrobenzoxathiazine dioxide)、ベンズオキサチアジノンジオキシド(benzoxathiazinone dioxide)、ベンズオキサチアゾールジオキシド(benzoxathiazole dioxide)、ベンズオキサジチアジアジンテトラオキシド(benzoxadithiadiazine tetraoxide)、ベンゾジチアジンテトラオキシド(benzodithiazine tetraoxide)又はベンゾジオキサジチンテトラオキシド(benzodioxadithiine tetraoxide)を形成してもよい;
・Zが下式であり、
【0030】
【化8】

【0031】
pが1かつQが(CHであり、また、R及びRが独立してヒドロキシ、ニトロ、OPO(OR10、NR1011、OSONR1011、OSOOR10、SOOR10、SSONR1011、CFSOOR10、CFSONR1011、CF−テトラゾリル、NR12SONR1011、OSONR12SONR1011、CO10、CONR1011、OCHO、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、テトラゾリル、NR12CONR1011又はNR10−CHO基である場合、R及びRはこれらが属するフェニル環と一緒になってベンゾフラン又はN−メチルベンゾトリアゾールを形成してもよい。
【0032】
これらが存在する場合、本発明は、本発明の化合物の付加塩又はその立体異性体に関する。
【0033】
明細書及び特許請求の範囲中において、用語「(C−C)アルキル基」は、炭素原子を1〜6個有する直鎖又は分岐の炭化水素鎖を意味するものとする。(C−C)アルキル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル又はヘキシル基である。好ましいアルキル基は炭素原子を1、2又は3つ有する。
【0034】
用語「ハロゲン」は、塩素、臭素、ヨウ素又はフッ素原子を意味するものとする。
【0035】
用語「(C−C)シクロアルキル基」は、炭素原子を3〜8個有する飽和単環式炭化水素を意味するものとする。(C−C)シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル基である。
【0036】
用語「(C−C)アルコキシ基」は、Rが上記(C−C)アルキル基であるOR基を意味するものとする。(C−C)アルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ又はイソペンチルオキシ基である。好ましいアルコキシ基は炭素原子を1、2又は3つ有する。
【0037】
用語「アシル基」は、下記の基を意味するものとする。
【0038】
【化9】

【0039】
式中、R’は水素又は(C−C)アルキル基(用語「アルキル基」は上記に定義する)である。アシル基は例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル又はバレリル基である。好ましいアシル基はアセチル基及びホルミル基である。
【0040】
10の定義において、「塩」は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム若しくはカルシウム塩等のアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、又は、アンモニアとの塩、又は、トリエチルアミン、エタノールアミン若しくはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン等の有機アミンとの塩を意味するものとする。本発明の範囲内において、上記はOR10部位を有する基に適用する。
【0041】
5〜7員環の複素環は不飽和又は飽和であってよく、例えばテトラゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジンを含む。
【0042】
式(I)の化合物は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸等の無機酸と、又は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸及びメタンスルホン酸等の有機カルボン酸と、酸付加塩を形成する。医薬品に許容される塩が特に好ましい。
【0043】
式(I)の化合物のうち、下記条件の少なくとも一つを満たす化合物が好ましい:
・R及びRが各々独立して、水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、SONR1011、OSONR1011、OSONR12SONR1011、OCHO、NR12SONR1011基である;
・R及びRが各々独立して、水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、OSONR1011、CO10、CHO、NR12SONR1011基である;
・R及びRが各々独立して水素又は(C−C)アルキル基である;
・R10、R11及びR12が 各々独立して水素又は(C−C)アルキル基である。
【0044】
式(I)の化合物は、式中、:
・R及びRの一方がヒドロキシ、ニトロ、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である;かつ、
・他方が水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、OSONR1011 NR12SONR1011基である:
ものが特に好ましい。
【0045】
これらの化合物は、式中、:
・R及びRの一方がヒドロキシ、シアノ、(C−C)アルコキシ又はOSONR1011基である;かつ、
・他方が水素、又は、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルコキシ、NR1011、SONR1011、OSONR1011、NR12SONR1011、OSONR10SONR1112基である:
ものが特に好ましい。
【0046】
式(I)の化合物は、式中、:
・R及びRの一方がシアノ基である;かつ、
・他方が水素、又は、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、SONR1011、OSONR1011、NR12SONR1011基である:
ものが好ましい。
【0047】
式中、:
・R及びRの一方が水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、OSONR1011基である;かつ、
・他方が水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011、CO10、CHO、NR12SONR1011基である:
である化合物が更に好ましい。
【0048】
上記以外には、式中、:
・Rが水素、ヒドロキシ、シアノ又はOSONR1011基である;
・Rが水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011、CO10、CHO基である:
である化合物が好ましい。
【0049】
式(I)の化合物は、式中、:
・Rが水素である;かつ、
・Rがヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011、CO10、CHO又はNR12SONR1011基である:
であるものが特に好ましい。
【0050】
式(I)の化合物は、Zが下式であるものが特に好ましい。
【0051】
【化10】

【0052】
式中、R及びRは上記に定義する。
【0053】
上記の定義した化合物において、R及びRは以下であることが好ましい。
・Rが水素、又は、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルコキシ、NR1011、SONR1011、OSONR1011、NR12SONR1011又はOSONR10SONR1112基である;
・Rが水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011、CO10、CHO、NR12SONR1011基である。
・p及びqが上記に定義するものである。
【0054】
式(I)の化合物のうち、Qが、直接的結合、C(O)、SO、CONH、C(O)(CH、(CH(O)又は(CH(nは0、1又は2である)から選択されるものが特に好ましい。
【0055】
式(II)の化合物が特に好ましい。
【0056】
【化11】

【0057】
式中:
・Qは、nが0、1又は2の(CHである;
・R及びRの一方がヒドロキシ、ニトロ、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基であり、他方が水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である;
・R及びRは各々独立して、水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である;
・R10及びR11は各々独立して水素、(C−C)アルキル又は(C−C)シクロアルキル基である;
・pは1、2、3又は4である;
・R及びRはこれらが属するフェニル環と一緒になって、ベンズオキサチアジンジオキシド又はジヒドロベンズオキサチアジンジオキシドを形成してよい;
・R及びRはこれらが属するフェニル環と一緒になって、ベンゾフラン又はN−メチルベンゾトリアゾールを形成してよい。
【0058】
これら式(II)の化合物のうち、下記条件の少なくとも一つを満たす化合物が好ましい:
・Qは、nが0、1又は2の(CHである;
・Rはヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルコキシ、NR1011、SONR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である;
・Rは水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011基である;
・pは1、2、3又は4である。
【0059】
式(II)の化合物は、式中、:
・nが0又は1である;
・R及びRが各々独立して水素又は(C−C)アルキル基である;
・R及びRが各々独立して、水素、ハロゲン、又は、(C−C)アルコキシ、アシル、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である:
ものが最も好ましい。
【0060】
式(II)の化合物は、式中、:
・nが0又は1である;
・R、R及びRが各々水素である;
・Rが水素、ハロゲン、(C−C)アルコキシ又はOSONR1011基である:
ものが特に好ましい。
【0061】
式(II)の化合物は、式中、:
・n及びpが1である;
・Rがヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルコキシ、NR1011、SONR1011、OSONR1011、NR12SONR1011又はOSONR10SONR1112基である;
・Rがヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011、CO10又はCHO基である。
・Rがシアノ、ヒドロキシ、OSONR1011又はNR12SONR1011基である;
・Rが水素、又は、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ又はOSONR1011基である:
ものが特に好ましい。
【0062】
これらの化合物のうち、下記条件の少なくとも一つを満たす化合物も好ましい:
・R及びRの一方がヒドロキシ、シアノ又はOSONR1011基、好ましくはシアノ又はOSONR1011基である;かつ、
・他方がヒドロキシ、ニトロ、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基、好ましくはヒドロキシ又はOSONR1011基である。
【0063】
これらの式(II)の化合物のうち、R10及びR11が水素であるものが最も好ましい。
【0064】
式(III)の化合物が特に好ましい。
【0065】
【化12】

【0066】
式中、:
・Qが(CH−X−(CH−A−である;
・Aが直接的結合、O、S、SO、SO、NRである;
・Xが直接的結合、CF、O、S、SO、SO、C(O)、NR又はCRである;
・m及びnが各々独立して0、1、2、3又は4である;
・R、R、R及びRは各々独立して水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ベンジルオキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、NR1011、OPO(OR10、OCHO、COOR10、SONR1011、OSONR1011、SOOR10、OSOOR10、SSONR1011、CONR1011、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、NR12SONR1011、テトラゾリル、NR10CONR11OH、NR10SONR11OH、NOH−CHO、NOHSONR1011又はOSONR10OH基である;
・pは0、1又は2である;
・R、R、R、R10、R11及びR12は各々独立して水素、(C−C)アルキル基又は(C−C)シクロアルキル基である;R10は塩であってもよい;R10及びR11はこれらに結合している窒素原子と一緒になって、O、S及びNから選択される一つ又は二つのヘテロ原子を含む5〜7員環の複素環を形成してもよい;
・破線は、Q及び/又はR及び/又はRがベンゾチオフェン環の任意の位置にあってよいことを意味する。
【0067】
式(III)の化合物のうち、下記条件の少なくとも一つを満たす化合物が好ましい:
・R3が水素、ハロゲン又はシアノ基である;
・RがOSONR1011又はNR12SONR1011基である;
・Rが水素、ハロゲン、ニトロ、COOR10又はシアノ基である;
・Rが水素、ハロゲン、シアノ、(C−C)アルコキシ、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である;
・R10、R11及びR12が 各々独立して水素又は(C−C)アルキル基である。
【0068】
Qが(CH−X−(CH−Aであり、式中、mが0、1又は2であり、Xが直接的結合、SO又はCOであり、nが0であり、Aが直接的結合である式(III)の化合物もまた好ましい。
【0069】
式(IV)の化合物が特に好ましい。
【0070】
【化13】

【0071】
式中、R、R、R、R、R、R及びpは式(I)の化合物について定義した通りである。
【0072】
式(IV)の化合物は、式中、:
・Rがシアノ又はOSONR1011基である;
・Rが水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、OSONR1011基である;
・Rがヒドロキシ、シアノ、OSONR1011、NR1011、NR12SONR1011、OCHO、テトラゾリル基である;
・Rが水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ又はCO10基である;かつ、
・Qが式(I)の化合物について上記に定義する通りである:
ものが特に好ましい。
【0073】
本発明の化合物は、酵素アロマターゼ及び/又はステロイドスルファターゼ及び/又は炭酸脱水酵素を阻害可能であるため、単独で又は他の有効成分と併用して、人間及び野生動物又は家畜の、任意のホルモン依存性又は非依存性ガンの治療又は予防に使用可能である。本発明の化合物は、アロマターゼ及び/又はステロイドスルファターゼを阻害可能であるため、人間及び野生動物又は家畜の、エストロゲンに調節される生殖機能の管理に好適である。
【0074】
上記状態の治療又は予防において、本発明の化合物を、単独で、又は、エストロゲン阻害剤、SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)、アロマターゼ阻害剤、炭酸脱水酵素阻害剤、アンドロゲン阻害剤、ステロイドスルファターゼ阻害剤、リアーゼ阻害剤、プロゲスチン又はLH−RHアゴニスト若しくはアンタゴニストと併用して使用可能である。本発明の化合物は、放射線療法剤;シクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド若しくはトロホスファミド(trophosphamide)といったナイトロジェンマスタード類似体等の化学療法剤;チオテパといったエチレンイミン;カルムスチン といったニトロソ尿素;テモゾロマイド(temozolomide)若しくはダカルバジンといった溶解式の薬剤;メトトレキサート若しくはラルチトレキセド(raltitrexed)といった葉酸代謝拮抗剤;チオグアニン、クラドリビン(cladribine)若しくはフルダラビンといったプリンアナログ;フルオロウラシル、テガフル(tegafur)若しくはゲムシタビンといったピリミジンアナログ;ビンブラスチン、ビンクリスチン若しくはビノレルビンといったビンカアルカロイド若しくはアナログ;エトポシド、タキサン剤、ドセタキセル若しくはパクリタクセルといったポドフィロトキシン(podophyllotoxin)誘導体;ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン若しくはミトキサントロンといったアントラサイクリン若しくはアナログ;ブレオマイシン若しくはマイトマイシンといった細胞傷害性抗生物質;シスプラチン、カルボプラチン若しくはオキサリプラチンといったプラチナ化合物;リツキシマブといったモノクローナル抗体;ペントスタチン、ミルテホシン(miltefosine)、エストラムスチン(estramustine)、トポテカン(topotecan)、イリノテカン若しくはビカルタミド(bicalutamide)といった抗腫瘍剤;又は、プロスタグランジン阻害剤(COX 2/COX 1阻害剤)との併用でも使用可能である。
【0075】
また、本発明の化合物は、単独で、又は、LH−RHアゴニスト若しくはアンタゴニスト、発情妊娠前(estroprogestative)避妊薬、プロゲスチン、プロゲスチン阻害剤又はプロスタグランジン阻害剤等の一種又は数種の他の治療薬と併用して、人間及び野生動物又は家畜の、雄又は雌の生殖能力、妊娠、堕胎又は出産等のエストロゲンに調節される生殖機能の制御又は管理にも使用可能である。
【0076】
乳房組織はエストロゲンに刺激される増殖及び/又は分化の影響を受けるため、アロマターゼ及び/又はステロイドスルファターゼ及び/又は炭酸脱水酵素の阻害剤を、女性の良性胸部疾患、男性の女性化乳房、並びに、男性及び女性における又は雄若しくは雌の家畜における、転移を伴う又は伴わない良性又は悪性の乳房腫瘍の治療又は予防に使用可能である。また、本発明の化合物は、良性又は悪性の子宮又は卵巣の疾患の治療又は予防にも使用可能である。いずれの場合においても、本発明の化合物を、単独で、又は、アンドロゲン阻害剤、エストロゲン阻害剤、プロゲスチン、若しくは、LH−RHアゴニスト若しくはアンタゴニスト等の一種若しくは数種の他の性内分泌腺治療薬と併用して使用可能である。
【0077】
酵素ステロイドスルファターゼがDHEA硫酸を活性型男性ホルモン(テストステロン及びジヒドロテストステロン)の前駆体であるDHEAに転換することから、本発明の化合物は、単独で、又は、アンドロゲン阻害剤、エストロゲン阻害剤、SERM、アロマターゼ阻害剤、プロゲスチン、リアーゼ阻害剤、若しくは、LH−RHアゴニスト若しくはアンタゴニスト等の一種又は数種の他の性内分泌腺治療薬と併用して、男性ホルモン性脱毛症(男性型の脱毛)(Hoffman Rら,J.Invest.Dermatol.,2001,117,1342−1348)、多毛症、座瘡(Billich Aら,1999,国際特許WO9952890号)等の男性ホルモン依存性疾患、前立腺又は精巣の良性又は悪性疾患(Reed MJ,Rev.Endocr.Relat.Cancer 1993,45,51−62)の治療又は予防にも使用可能である。
【0078】
また、ステロイドスルファターゼの阻害剤は、ラットにおいて学習及び空間記憶力を増強できることから、認知機能障害の治療に影響を与える可能性もある(Johnson DA,Brain Res,2000,865,286−290)。神経ステロイドであるDHEA硫酸は、アセチルコリン、グルタミン酸塩及びGABAに関与するものを含む多くの神経伝達系に影響を及ぼし、その結果、神経細胞の興奮を増大させる(Wolf OT,Brain Res.Rev,1999,30,264−288)。従って、本発明の化合物は、中枢神経系中のDHEAレベルを増加させることにより、特にアルツハイマー病を含む老人性痴呆症の治療にとって、認知機能の増強にも有用である。
【0079】
また、エストロゲンは、主要な免疫機能であるThとThとの間のバランス調節に関与しているため、狼瘡、多発性硬化症及び慢性関節リウマチ等の性依存性自己免疫疾患の治療又は予防において有用である可能性がある(Daynes RA,J.Exp.Med,1990,171,979−996)。更に、ステロイドスルファターゼの阻害は、接触アレルギー及びコラーゲン誘発性関節炎のげっ歯類モデルにおいて保護的な役割を果たすことが分かった(Suitters AJ,Immunology,1997,91,314−321)。
【0080】
2−MeOEMATEを使用した研究により、ステロイドスルファターゼ阻害剤は強力なエストラジオール非依存性の増殖阻害効果を有することが示された(MacCarthy−Moorogh L,Cancer Research,2000,60,5441−5450)。本発明の化合物によって、予想外にも、腫瘍ステロイドスルファターゼはあまり阻害されていないのに腫瘍が小さくなった。これを考慮すると、本発明の化合物により、乳房、子宮内膜、子宮、前立腺若しくは精巣又はこれらから生じる転移組織を含む任意の組織のガン細胞内において上記新規化学物質と微小管ネットワークとが大きく相互作用し、これによって細胞分裂が減少したのであろう。従って、本発明の化合物は、エストロゲン非依存性のガンの治療に有用である可能性がある。
【0081】
従って、本発明の化合物は、エストロゲン依存性疾患又は障害、すなわちエストロゲン誘導性又はエストロゲン刺激性の疾患又は障害の治療又は予防に特に有用である(Golob T,Bioorg.Med.Chem.,2002,10,3941−3953)。
【0082】
また、本発明の化合物は炭酸脱水酵素(CA)の阻害剤である。この特性を有するため、ホルモン非依存性ガンにおいて上記化合物が重要となる。CA IIについての免疫組織化学的研究により、悪性の脳腫瘍(Parkkila A−K.ら,Histochem. J.,1995,27:974−982)並びに胃及び膵臓のガン(Parkkila S ら,Histochem.J.,1995,27:133−138)においてこれが発現していることが示され、最近では、CA IX及びXIIもいくつかの腫瘍において発現していて、機能的に腫瘍形成に関与する可能性があることが実証された。最近、Ivanovら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1998,95:12596−12601)は、腫瘍に関連するCA IX及びXIIが、ガン細胞周囲の細胞外媒体の酸性化に関与していて、腫瘍の成長及び拡大を補助する微小環境を作る可能性があるという仮定を提示した。アセタゾルアミドが4つの腎臓ガン細胞系における侵入能力を著しく阻害し(Parkkila Sら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2000,97:2220−2224)、この効果はこれらの細胞中に発現するCA II、IX及びXIIに起因するということが示されている。白血病細胞は循環により骨髄から他の器官へと容易に転移可能であるが、白血病は、髄外性腫瘍形成能、すなわち転移能がそれぞれ異なる。他のガン細胞による侵入においてCA活性が必須である場合、同様に、活性CAは白血病細胞中でも機能する可能性があると予測できる。
【0083】
本明細書中において、用語「併用する」又は「併用」は、投与時間、及び、ある時間における任意の薬剤の投与量に関係なく、本発明の化合物と一種以上の他の薬剤とを併用投与する任意の方法を指す。上記併用投与は、例えば同時に、連続して、又は、時間をかけて実施可能である。
【0084】
上記の任意の疾患又は障害を治療/予防するために、本発明の化合物を、例えば経口で、局所的に、非経口的に、医薬品に許容される従来の非毒性の基剤、補助剤及び媒体を含む投与単位型の調製物として投与可能である。このような投薬形態は例示として示すものであり、当業者であれば、本発明の化合物を投与するための調製物をこれら以外の投与形態で開発できる可能性がある。本明細書中において、用語「非経口的」は、皮下注射、静脈注射、筋肉注射、胸骨内注射又は点滴を含む。本発明の化合物は、人間の治療以外にも、マウス、ラット、馬、畜牛羊(cattle sheep)、犬、猫等の温血動物の治療にも効果的である。
【0085】
上記有効成分を含む医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ剤、甘味入り錠剤、水性若しくは油性懸濁液、分散可能粉末若しくは顆粒、エマルション、ハード若しくはソフトカプセル、又は、シロップ若しくはエリキシル剤等の、経口使用に適した形態のものであってよい。経口用組成物は、従来既知の任意の医薬組成物製造法によって調製可能であり、このような組成物は、高品質で味の良好な医薬品とするために、甘味料、着香料、着色料及び防腐剤からなる群より選択される一種以上の物質を含んでいてもよい。錠剤は、錠剤の製造に適切な、医薬品に許容される非毒性の補形薬と有効成分とを混合して含む。上記補形薬は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム若しくはリン酸ナトリウム等の活性のない賦形剤;例えばコーンスターチ若しくはアルギン酸等の顆粒化剤及び崩壊剤;例えばデンプン、ゼラチン若しくはアラビアゴム等の結合剤;並びに、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸若しくはタルク等の滑剤であってよい。錠剤は、被覆されていなくてもよいし、公知の方法で被覆して胃腸管内での崩壊及び吸収を遅らせることにより効果を長時間持続させたものであってもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリン等の時間遅延用物質を使用してよい。
【0086】
また、米国特許第4,256,108号、第4,166,452号及び第4,265,874号中に記載されている方法で錠剤を被覆して、制御放出用の浸透性治療用錠剤を形成してもよい。
【0087】
また、経口用調製物は、(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン等の)活性のない固体の賦形剤と有効成分とを混合して含むハードゼラチンカプセルとして、又は、水若しくは(例えば落花生油、流動パラフィン又はオリーブ油等の)油状媒体と有効成分とを混合して含むソフトゼラチンカプセルとしてもよい。
【0088】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適切な補形薬と有効成分とを混合して含むものである。このような補形薬とは、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴム等の懸濁剤;例えば(レシチン等の)天然リン脂質、又は、(例えばステアリン酸ポリオキシエチレン等の)アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、又は、(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール等の)エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、又は、(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンエステル等の)エチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルとヘキシトールとの縮合物、又は、(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンエステル等の)エチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルとヘキシトール無水物との縮合物等の分散剤又は湿潤剤である。また、上記水性懸濁液は、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチル又はp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル等の一種以上の防腐剤、一種以上の着色料、一種以上の着香料、及び、スクロース、サッカリン又はアスパルテーム等の一種以上の甘味料を含んでいてもよい。
【0089】
油性懸濁液は、有効成分を、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油若しくはヤシ油等の植物油中に、又は、流動パラフィン等の鉱物油中に懸濁することによって調製してよい。上記油性懸濁液は、例えば密蝋、固形パラフィン又はアセチルアルコール等の増粘剤を含んでいてよい。上記甘味料及び着香料を添加することによって、味の良好な経口調製物を調製してもよい。このような組成物は、アスコルビン酸等の抗酸化剤を添加することによって保存してよい。
【0090】
水を添加して水性懸濁液を調製するのに適切な分散可能な粉末及び顆粒において、有効成分は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び一種以上の防腐剤と混合されている。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤の例としては、既に上述したものが挙げられる。また、上記以外の補形薬、例えば甘味料、着香料及び着色料等を使用してもよい。また、本発明の医薬組成物は、水中油型エマルションの形態であってもよい。油相は、例えばオリーブ油若しくは落花生油等の植物油、又は、例えば流動パラフィン等の鉱物油、又は、これらの混合物であってよい。適切な乳化剤は、例えば大豆レシチン等の天然リン脂質、及び、(例えばモノオレイン酸ソルビタン等の)脂肪酸とヘキシトール無水物とに由来するエステル又は部分エステル、及び、(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等の)上記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物であってよい。また、上記エマルションは、甘味料及び着香料を含んでいてよい。
【0091】
上記医薬組成物は、注射可能な無菌の水性懸濁液又は油性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、上記適切な分散剤又は湿潤剤及び上述の懸濁剤を使用して公知の技術によって調製してもよい。また、上記注射可能な無菌の調製物は、非経口経路において許容される非毒性の賦形剤又は溶媒中に溶解又は懸濁した、注射可能な無菌の溶液又は懸濁液(例えば1,3−ブタンジオール溶液等)であってもよい。許容される媒体及び溶媒のうちで使用できるのは、水、リンガー溶液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。また、無菌の不揮発性油が、溶媒又は懸濁媒体として従来から使用される。この目的のために、合成のモノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の弱刺激性の不揮発性油を使用してもよい。また、オレイン酸等の脂肪酸を注射可能薬剤の調製に使用することもできる。
【0092】
1日当たり約0.0001mg〜約20mg/kg体重の投与量、又は、患者1人について1日当たり約0.1mg〜約2000mgの投与量が、上記症状の治療において有用である。
【0093】
基剤物質と併用することにより単回投与用の形態を作成できる有効成分の量は、治療対象及び各投与法によって異なるであろう。投与単位型の調製物は、一般的に、本発明の化合物を約0.1mg〜約400mg、概して0.1mg、1mg、2mg、5mg、10mg、20mg、40mg、80mg、100mg、200mg又は400mg含むであろう。
【0094】
しかし、当然のことながら、任意の特定の患者に対する特定の投与量は、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排出速度、薬の組み合わせ、及び、治療中の特定の疾患の重症度を含む様々な要因によって異なるであろう。
【0095】
別の目的によれば、本発明は上記疾患、障害又は状態の治療又は予防に関する。上記方法は、治療を要する患者(人間又は動物)に治療上有効な量の本発明の化合物又はその医薬品に許容される酸付加塩を投与することを含む。
【0096】
式(I)の1−N−アリール−アミノ−1H−イミダゾール誘導体及びその酸付加塩は、次の概略的なスキームIa、Ib、IIa、IIb、III、IV及びVにより調製可能である;式中、()は(CH)m、()は(CHを表わす。
【0097】
【化14】

【0098】
スキームIaに従い、アニリン誘導体(1)とハロゲノ誘導体、アルキル誘導体、スルホニル誘導体又はスルフィニル誘導体(2)との標準条件における縮合により、N,N−二置換アニリン(3)を取得可能である(March J.,Advanced Organic Chemistry,Fourth edition,Wiley Interscience(ニューヨーク))。ハロゲノ誘導体、アルキル誘導体、スルホニル誘導体又はスルフィニル誘導体(2)の大部分は市販されている、又は、通常の化学的方法(実験の部分を参照)により合成される。
【0099】
標準条件で化合物(3)をそのニトロソ誘導体に転化させた後、還元して、式(4)の1,1−二置換ヒドラジンを得る。
【0100】
また、上記1,1−二置換ヒドラジン(4)は、U.Lerch及びJ.Konigが記載する条件(Synthesis,1983,2,157−8)又はJ.Chungらが記載する条件(Tetrahedron Letters,1992,33,4717−20)で、式(5)のヒドラジンと式(2)の化合物とを選択的にN−アルキル化することによっても調製できる。その後、(4)とジアルキルオキシアルキルイソチオシアネート誘導体又はエチレンジオキシアルキルイソシアネート誘導体とを縮合させることによってチオセミカルバジド(6)が得られ、これを酢酸又は硫酸等の酸で処理することによって1−アミノイミダゾール−2−チオン(7)に変換する。
【0101】
S.Grivas及びE.Ronneが記載する条件(Acta Chemica Scandinavia,1995,49,225−229)で酢酸中において(7)を脱硫することによって、最終的に1−N−フェニル−アミノ−1H−イミダゾール(8)が得られ、これをその医薬品に許容される酸付加塩の一種に任意に転化させる。
【0102】
また、N−イミダゾロアニリン(imidazoloaniline)(9)とハロゲノ誘導体、アルキル誘導体、スルホニル誘導体又はスルフィニル誘導体(2)との標準条件における縮合により、R又はRが電子吸引基であるような上記化合物(8)を取得可能である(March J.,Advanced Organic Chemistry, Fourth edition,Wiley Interscience(ニューヨーク))。
【0103】
がエステルである場合、通常の化学的方法による化合物(8)の鹸化によってカルボン酸誘導体を得る。
【0104】
がスルファミドである場合、上記は正確に置換されたアルキル誘導体又はハロゲノ誘導体(2)により直接取得可能である。
【0105】
がシアノ基である場合、アジ化ナトリウムを使用する反応によりテトラゾリル基を得る(Kiyoto K.,Synthesis,1998,910−14)。
【0106】
化合物(9)を、化合物(4)から化合物(8)を得るための本明細書記載の方法と類似する方法で得る。
【0107】
【化15】

【0108】
スキームIbに従い、三臭化ホウ素を使用する(McOmie.J.F.W,Tetrahedron,1968,24,2289−92)、又は、ピペリジンを使用する(Nishioka H.Synthesis,200,2,243−46)、又は、水素化による(Felix A.,J Org Chem,1978,43,4194−97)メトキシ又はベンジルオキシ誘導体(8)の脱保護により、ヒドロキシ化合物(10)を得る。塩化スズによる、又は、ルテニウム及びヒドラジンを使用するニトロ化合物(8)の還元により(国際特許WO02051821号)、アミノ化合物(12)を得る(Matassa V.,J Med Chem,1990,33,2621−29)。
【0109】
これらの化合物は、水素化ナトリウム及びスルファモイルクロリドで処理することによって(Nussbaumer.P,J Med Chem,2002,45,4310−20)、又は、ジメチルアセトアミド(DMAc)中においてスルファモイルクロリドと反応させることによって(Makoto O,Tetrahedron letters,2000,41,7047−51)、対応するスルファミン酸塩(11)又はアミノスルホニルアミン(13)に転換される。
【0110】
これらのヒドロキシ化合物は、酢酸ホルミル(formyl acetate)を使用する処理によりギ酸エステル誘導体に(Schreiner E.,Bioorg Med Chem Lett,2004,14,4999−5002)、又は、N,N’−カルボニルジイミダゾールを使用する処理により1H−イミダゾール−1−カルボン酸誘導体に(Fischer,W.,Synthesis,2002,1,29−30)転換可能である。
【0111】
アミノ基と水酸基とをオルト位に有する化合物(10)又は(12)は、K.K.Andersen(J Org Chem,1991,56,23,6508−6516)が提案する条件に従って、対応するベンズオキサチアゾールに転換可能である。XがCO又はCSである場合、ケトン、チオケトン、アミド、チオアミドの還元を、下記標準条件(March J.,Advanced Organic Chemistry,Fourth edition, Wiley Interscience(ニューヨーク))により実施する。上記還元段階は合成工程の任意の段階において有効である可能性がある。
【0112】
【化16】

【0113】
スキームIIaに従い、化合物(1)及び(14)からスキームIaで化合物(3)を得る方法と同様に、又は、N−イミダゾロアニリン(9)とハロゲノ誘導体、アルキル誘導体、スルホニル誘導体又はスルフィニル誘導体(14)との標準条件における縮合により、化合物(15)を取得可能である(March J.,Advanced Organic Chemistry,Fourth edition,Wiley Interscience(ニューヨーク))。ハロゲノ誘導体、アルキル誘導体、スルホニル誘導体又はスルフィニル誘導体(14)の大部分は市販されている、又は、通常の化学的方法(実験の部分を参照)により合成される。
【0114】
がエステルである場合、通常の化学的方法による化合物(15)の鹸化によってカルボン酸誘導体を得る。
【0115】
がスルファミドである場合、上記は正確に置換されたアルキル誘導体又はハロゲノ誘導体(14)により直接取得可能である。
【0116】
がシアノ基である場合、アジ化ナトリウムを使用する反応によりテトラゾリル基を得る(Kiyoto K.,Synthesis,1998,910−14)。
【0117】
三臭化ホウ素を使用する(McOmie.J.F.W,Tetrahedron,1968,24,2289−92)、又は、水素化による(Felix A.,J Org Chem,1978,43,4194−97)メトキシ又はベンジルオキシベンゾチオフェン(15)の脱保護により、ヒドロキシベンゾチオフェン(16)を得る。塩化スズによるニトロベンゾチオフェン化合物(15)の還元により、アミノベンゾチオフェン(18)を得る(Matassa V.,J Med Chem,1990,33,2621−29)。
【0118】
上記化合物(16)及び(18)は、化合物(11)又は(13)の合成における条件と同じ条件で、対応するスルファミン酸塩(17)又はアミノスルホニルアミン(19)に転換される。
【0119】
Grivas S.及びRonne E.が記載する条件(Acta Chemica Scandinavia,1995,49,225−229)でトリフルオロ酢酸中において過酸化水素により、又は、塩化メチレン中においてメタ−クロロ−過安息香酸によりベンゾチオフェンの硫黄を酸化することによって、酸化ベンゾチオフェンを得る(Ong H.H.,J Med Chem,1987,30,12,2295−2303)。
【0120】
XがCO又はCSである場合のアミド、チオアミド、ケトン、チオケトンの還元、又は、酸化硫黄基の還元を、Ellefson C.(J Med Chem,1981,24, 1107−10)、Hajos J.(Complex Hydrides,Elsevier,New York,1979)若しくはDrabowicz S.(Org Prep Proced Int,1977,9,63−83)及びBordwell J. (J Am Chem Soc,1951,73,2251−53)が記載する標準条件、又は、標準条件(March J.,Advanced Organic Chemistry,Fourth edition,Wiley Interscience(ニューヨーク))により実施する。上記酸化及び還元段階は合成工程の任意の段階において有効である可能性がある。
【0121】
【化17】

【0122】
スキームIIbに従い、化合物(1)及び(20)又は(9)及び(20)から化合物(3)を合成する方法と同様に、化合物(20)を合成する。
【0123】
3−ハロゲノベンゾチオフェン誘導体(21)を、金属水酸化物水溶液(Svoboda J.,Collect Czech Chem comm,2000,65,7,1082−92、又は、Sall D.,J Med Chem,2000,43,4,649−63)で処理することにより3−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体(22)を得る、又は、アセトン又はエタノール中でアンモニア水溶液で処理することにより(Bordwell F.,J.A.C.S.,1948,70,1955−58)3−アミノベンゾチオフェン誘導体(24)を得る。
【0124】
2−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体(22)又は2−アミノベンゾチオフェン誘導体(24)は、ピリジン塩酸塩を使用する2−メトキシベンゾチオフェン誘導体(21)の脱保護により(Cannizzo S.,J Heterocyclic Chem,1990,27,2175−79)、又は、塩化スズによる2−ニトロベンゾチオフェン化合物(21)の還元により(Matassa V,J Med Chem,1990,33, 2621−29)、それぞれ実施される。
【0125】
化合物(11)又は(13)の合成における条件と同じ条件で上記化合物(22)及び(24)をスルファモイル化することにより、(23)及び(25)を取得可能である。
【0126】
リチウムアミド又はアルキルを使用する2−H−ベンゾチオフェン誘導体(21)のプロトン脱付加により、C−2位をリチオ化する。塩化スルフリルの添加によりクロロスルホニル化合物を得、これをアセトン中においてアンモニア水溶液で処理(Graham S.,J Med Chem,1989,32,2548−54)して2−スルホンアミドベンゾチオフェン誘導体(21)を得る、又は、ドライアイス添加後に加水分解することによって2−カルボン酸ベンゾチオフェン誘導体(21)を得る(Matecka D.,J Med Chem,1997,40,705−16)。
【0127】
3−H−ベンゾチオフェン誘導体を塩化トリクロロアセチル/塩化アルミニウムで処理した後に水(Bonjouklian R.,Synth Comm,1985,15,8, 711−13)又はアンモニア水溶液(Turnbull K.,J Heterocycl Chem,2000,37,2,383−88)で加水分解することにより3−カルボン酸又はカルボキサミドベンゾチオフェン誘導体(21)を調製する。
【0128】
Chapman N.(J.Chem.Soc.,1970,18,2431−35)又は、Hageman W.(Ger.Offen.,3435173,11 April 1985)が記載する条件により、3−スルホンアミド誘導体(21)を調製する。
【0129】
ベンゾチオフェン上の硫黄の酸化、及び、カルボキサミド、チオアミド、ケトン、チオケトン、酸化硫黄基の還元を、合成の任意の段階において、本明細書に上述した条件と同様に実施可能である。
【0130】
【化18】

【0131】
スキームIIIによれば、N−イミダゾロアニリン(9)とイソシアネート誘導体(26)との標準条件における縮合により、化合物(27)を得る(March J.,Advanced Organic Chemistry, Fourth edition, Wiley Interscience(ニューヨーク))。イソシアネート誘導体(26)の大部分は市販されている、又は、通常の化学的方法により合成される。
【0132】
化合物(28)及び(30)は、スキームIb中の化合物(10)及び(12)の合成法と同様の方法で合成する。
【0133】
化合物(29)及び(31)は、スキームIb中の化合物(11)及び(13)の合成法と同様の方法で合成する。
【0134】
【化19】

【0135】
スキームIVにより、ジアリール化合物(33)を、誘導体(32)を使用する化合物(8)の合成法と同様の方法で合成可能である。誘導体(32)は市販されている、又は、通常の化学的方法(例えば、Buraway S,J Chem Soc,1955,2557;Tilley J W,J Med Chem,1989,32,8,1814)により合成される。
【0136】
【化20】

【0137】
スキームVにより、複素環式化合物(34)を使用する化合物(8)の合成法と同様の方法で化合物(35)を合成する(いずれの位置にも窒素原子が一つ又は二つ)。複素環式化合物(34)は市販されている、又は、通常の化学的方法により合成される(次の例を参照)。次の文献(Biorg Med Chem Lett,1996,6,21,2613;Myers A G,J Org Chem,1996,61,813;Tetrahedron,1993,49,19,4085)に従い、又は、カルボン酸から(国際特許WO0177078号)、ハロゲノピリジン誘導体(34)を取得可能である。アルキルピリミジンから(Budesinsky,Collect,Czech,Chem Commun,1968,33,7,2266;Kunieda T,J Am Chem Soc,1971,93,3487)通常のハロゲン化により(Isoda S,Chem pharm Bull,1980,28,5,1408;March J.,Advanced Organic Chemistry,Fourth edition, Wiley Interscience(ニューヨーク))、又は、カルバルデヒドから(Bredereck,Chem Ber,1967,100,11,3664;Adams J L,Bioorg Med Chem Lett,1998,8,22,3111)ハロゲノピリミジン誘導体(34)を取得可能であり、また、カルボン酸(Huffman K R,J Org Chem,27,1962,551;Daves J Org Chem,1961,26,2755)を酸塩化物(34)に変形可能である。アルキルピラジンから(Lutz W B,J Org Chem,1964,29,415)臭素処理により、又は、カルバルデヒド(米国特許US3558625号)からハロゲノピラジン誘導体(34)を取得可能であり、また、カルボン酸(Sato N,J Heterocycl Chem,19,1982,407−408;Felder P,Helv Chim Acta,1964,47,873)を酸塩化物(34)に変形可能である。Piras S(Farmaco,1993,48,9,1249)Yanai,(Heterocycles,1976,4,1331)に従い、又は、アルキルピリダジンのハロゲン化により(Becker,J Prakt Chem,1970,312, 591;ドイツ特許DE1950491号)ハロゲノピリダジン誘導体(34)を取得可能であり、また、カルボン酸(Boger D L,J Am Chem Soc 1987,109,9,2717)を酸塩化物(34)に変形可能である。
【0138】
全てのスキームIIa、IIb、III、IV、Vについて、スキームIaについて上述した方法でカルボン酸誘導体、スルファミド誘導体及びテトラゾール誘導体を合成し、また、本明細書に上述した条件と同様にR8及び(R9)pを実施する。
【0139】
、R、R及びRについて記載した基を通常の化学的方法で取得可能である(参照文献、スルファターゼ(Nussbaumer P,Medecinal Research,2004,24,4,529−76)、炭酸脱水酵素(Supuran C T,Carbonic anhydrase,2004,C R C press)、並びに、Park J Dの文献(J Heterocycl Chem,2000,37,2,383−88)、Schreiner E Pの文献(Bioorg Med Chem Lett,2004,14,4999−5002)及びTaylor S Dの文献(Bioorg Med Chem Lett,2004,14,151−155))。
【発明を実施するための最良の形態】
【0140】
以下の例示は、本発明の範囲を説明するものであるが、制限を加えるものではない。
【0141】
<N,N−二置換ヒドラジン(4)の調製>
【実施例1】
【0142】
−(4−シアノフェニルメチル)−N−(4−メトキシフェニル)ヒドラジン
トルエン(200ml)及びトリエチルアミン(46.40ml、329.80mmol)を入れたフラスコ中にクロロメチルベンゾニトリル(25g、164.90mmol)を撹拌しながら入れた。4−メトキシ−フェニルヒドラジン塩酸塩(28.80g、164.90mmol)を徐々に添加し、反応混合物を還流しながら3時間撹拌した。冷却後、この混合物をろ過してトルエン(50ml)及び水(200ml)で洗浄し、白色の固体(27.20g、65%)を得た(mp:115℃)。
H−NMR(DMSO d):3.65(s,3H),4.30(s,2H),4.57(s,2H),6.77(d,2H),6.94(d,2H),7.48(d,2H),7.76(d,2H).
【0143】
<イミダゾール(9)の調製>
【実施例2】
【0144】
4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
a)4−[N−(2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル−2−チオン)アミノ]ベンゾニトリル
4−シアノフェニルヒドラジン塩酸塩(6.00g、35.40mmol)をエタノール(60ml)中に懸濁した懸濁液に、2,2−ジメトキシエチルイソチオシアネート(6.25g、42.4mmol)を滴下し、この反応混合物を還流しながら2時間加熱した。冷却後に溶媒を真空下で蒸発させ、得た油を酢酸/水(9/1、32ml)で希釈して、この懸濁液を還流しながら1.5時間加熱し、室温で一晩置いた。得た残渣を水(300ml)中に流し入れ、褐色の沈殿を集めた。エタノールから粉砕した後、この褐色の固体から白色の固体を得た(4.60g、58%)。
H−NMR(DMSO d):6.54(d,2H),7.00(t,1H),7.23(t,1H),7.62(d,2H),9.83(s,1H),12.40(s,1H).
【0145】
b)4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
4−[N−(2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル−2−チオン)アミノ]ベンゾニトリル(4.00g、18.50mmol)を酢酸(20ml)中に懸濁して氷冷した懸濁液に、35%過酸化水素(4.90ml、55.5mmol)を滴下した。完全に反応したことをTLCで確認し、この反応混合物を水で希釈し、水酸化ナトリウムでpH11に調節して亜硫酸水素ナトリウムで処理し、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/ジオキサン:6/4)にかけることによって純粋な油を得、エタノールから結晶化させることによって白色の結晶を得た(4.40g、58%)(mp:162℃)。
H−NMR(DMSOd):6.50(d,2H),7.08(s,1H),7.30(s,1H),7.66(d,2H),7.83(s,1H).
【0146】
<ベンゾチオフェン誘導体(14)及び(20)の調製>
【実施例3】
【0147】
1−クロロ−3−(3−メトキシフェニル)スルファニルプロパン−2−オン
1,3−ジクロロ−2−プロパノン(12.70g、0.1mol)をメタノール/水(100ml、1:3)に溶解して撹拌している0℃の溶液に、3−メトキシベンゼンチオール(14.02g、0.1mol)及び水酸化ナトリウム(4.00g、0.10g)を水(100ml)に懸濁した懸濁液を添加する。この混合物を0℃で7時間、及び、室温で10時間撹拌する。沈殿をジクロロメタン(100ml)で抽出して水(80ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒の除去後、良好な生成物を得た(油、18.70g)。
H−NMR(CDCl):3.80(s,3H),3.83(s,2H),4.29(s,2H),6.78(dd,1H),6.98(d,1H),6.90(dd,1H),7.21(t,1H).
【実施例4】
【0148】
3−クロロメチル−6−メトキシベンゾチオフェン
上記チオ化合物(17.50g、75.85mmol)をCHCl(1700ml)に溶解した溶液を、BF.EtO(10.60ml、83.44mmol)をCHCl(100ml)に溶解した溶液に室温で窒素雰囲気下において滴下した。この混合物を一晩撹拌してNaHCO水溶液で加水分解後、両相が透明になるまでこの反応混合物を撹拌した。CHCl層を分離し、水層をCHClで抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、ろ過して真空下で濃縮し、油を得た(18.00g)。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/石油スピリット40〜60℃:5/5)にかけることによって、3−クロロメチル−4−メトキシベンゾチオフェン:3−クロロメチル−6−メトキシベンゾチオフェンの1:10混合物を油として得た(12.35g、58%)。
主要な異性体H−NMR(CDCl):3.89(s,3H),4.82(s,2H),7.08(dd,1H),7.30(s,1H),7.35(d,1H),7.78(d,1H).
【実施例5】
【0149】
3−ブロモ−6−ベンジルオキシベンゾチオフェン
N−ブロモスクシンイミド(15.70g、83.92mmol)及びp−トルエンスルホン酸(2.70g、15.68mmol)を、6−ベンジルオキシベンゾチオフェン(Zhengying C.,中国特許CN1370533A号、21.2g、88.33mmol)を1,2−ジクロロエタン(120ml)に溶解した溶液に添加した。この混合物を80℃で35分間維持して氷浴中で冷却し、スクシンイミドをろ過によって除去した。この溶液を飽和重炭酸ナトリウム溶液で抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、油を得た。ペンタンから結晶化させることによって、白色の固体を得た(21.60g、92%、mp:68℃)。
H−NMR(DMSOd):5.14(s,2H),7.08(dd,1H),7.25−7.55(m,6H),7.65(d,1H),7.76(d,1H).
【実施例6】
【0150】
3−ブロモ−6−ベンジルオキシベンゾチオフェン−1,1−ジオキシド
3−ブロモ−6−ベンジルオキシベンゾチオフェン(2.00g、6.27mmol)をジクロロメタン(50ml)及びトリフルオロ酢酸(1.5ml)に溶解した溶液に35%過酸化水素水(2.00ml、19.54mmol)を添加した。50℃で8時間経過した後、この混合物を飽和NaHCO水溶液で加水分解し、ジクロロメタンで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル:9/1)にかけることによって、透明な油を得た(1.10g、55%)。
H−NMR(DMSOd):5.20(s,2H),7.20−7.60(m,7H),7.72(d,1H),7.83(s,1H).
【実施例7】
【0151】
(6−ベンジルオキシベンゾチエン(benzothien)−2−イル)メタノール
6−ベンジルオキシベンゾチオフェン−2−カルバルデヒド(Nomura Y.記載(国際特許WO9635688A1号、6.50g、24.20mmol)をTHF(50ml)に溶解した溶液に、−30℃に冷却したLiAlH(0.85g、22.26mmol)の懸濁液を滴下した。室温に暖めた後、この混合物を一晩撹拌して−10℃に冷却し、氷冷水で加水分解してジクロロメタンで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル:7/3)にかけることによって、透明な油を得た(4.50g、69%)。
H−NMR(DMSOd):4.68(s,2H),5.13(s,2H),5.60(s,1H),7.00(dd,1H),7.14(s,1H),7.25−7.80(m,7H).
【実施例8】
【0152】
6−ベンジルオキシ−2−(クロロメチル)−ベンゾチオフェン
(6−ベンジルオキシ−ベンゾチエン−2−イル)メタノール(4.20g、15.50mmol)をジクロロメタン(40ml)に溶解した溶液に塩化スルホニル(20ml)を添加する。この混合物を還流しながら2時間維持し、室温で冷却して真空下で濃縮し、油4.20gを得た。
H−NMR(CDCl):4.75(s,2H),5.04(s,2H),6.95(dd,1H),7.10(s,1H),7.20−7.60(m,7H).
【0153】
<式(8、33、35)のイミダゾールの調製>
4−シアノフェニルヒドラジン塩酸塩を:
・N−(4−シアノフェニルメチル)−N−(4−メトキシフェニル)ヒドラジン:
で置き換える以外は実施例2に記載の方法と同様にして次の化合物を得た。
【実施例9】
【0154】
4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)−N−(4−メトキシフェニル)アミノ]メチルベンゾニトリル
H−NMR(DMSO d):3.70(s,3H),4.90(s,2H),6.60−7.00(m,5H),7.40(s,1H),7.55(d,2H),7.70(s,1H),7.78(d,2H).
【0155】
塩酸エタノール(hydrochloric ethanol)から結晶化させることによって、白色の結晶を得た(5.70g、66%)。
mp:207℃
H−NMR(DMSO d):3.70(s,3H),4.97(s,2H),6.93(d,2H),7.13(d,2H),7.45(d,2H),7.70(s,1H),7.84(d,2H),8.04(s,1H),8.18(s,1H),9.55(s,1H).
【実施例10】
【0156】
4−[N−(4−ヒドロキシフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]メチルベンゾニトリル
三臭化ホウ素(60ml、60.00mmol)をジクロロメタン20mlに溶解した溶液を、冷却した(0〜5℃)4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)−N−(4−メトキシフェニル)アミノ]メチルベンゾニトリル(4.60g、15.11mmol)溶液に添加する。室温で1時間維持した後、この混合物を飽和NaHCO水溶液で加水分解してろ過し、水(50ml)及びジクロロメタン(20ml)で洗浄して、褐色の固体を得た(4.00g)。アセトンから結晶化させることによって、褐色の固体を得た(3.00g、68%)(mp:150℃)。
H−NMR(DMSO d):4.84(s,2H),6.70(s,4H),6.90(s,1H),7.45−7.62(m,3H),7.62−7.90(m,3H),9.25(s,1H).
【実施例11】
【0157】
4−[N−(4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
4−ヒドロキシベンジルブロミド(15.6g、84.3mmol、Wissner A. ら(J.Med.Chem.1992,35,1650)に従って調製)を、4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル(10.00g、54.30mmol)及びKCO(8.20g、59.70mmol)を乾燥THF(150ml)に添加した混合物に室温で添加した。その後この混合物を室温で2時間撹拌し、水中に流し入れた後で酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た(固体として16.00g)。酢酸エチルから結晶化させることによって、所望の生成物を得た(6.50g、41%、mp:180℃)。
H−NMR(DMSO d):4.80(s,2H),6.65(d,2H),6.91(s,1H),7.04(d,1H),7.20(s,1H),7.56(s,1H),7.63(d,2H).
【0158】
4−ヒドロキシベンジルブロミドを:
・3−クロロ−4−ヒドロキシベンジルブロミド
・3−ブロモ−4−ヒドロキシベンジルブロミド
・4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルブロミド
・2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシベンジルクロリド(Angyal S.J.ら(J.Chem.Soc.1950,2141)に従って調製)
・3−ホルミル−4−ヒドロキシベンジルクロリド(Angyal S.J.ら(J.Chem.Soc.1950,2141)に従って調製)
・1−ベンジルオキシ−4−(2−ブロモエトキシ)ベンゼン(Brinkman J.ら(Bioorg.Med.Chem.Lett.,1996,6,21,2491−94)に従って調製)
・2−クロロ−5−クロロメチル−ピリジン
・4−(ブロモメチル)ベンゼンスルホンアミド(Colescott R.ら(J.Am.Chem.Soc.,1957,79,4232−35)に従って調製)
・4−(クロロメチル)−2−ニトロフェノール(バイエル社の特許DE132475号に従って調製)
・5−クロロメチル−2−メトキシ−安息香酸(Leonard F.ら(J.Med. Chem.,1965,8,812−15)に従って調製):
で置き換える以外は同様にして次の化合物をそれぞれ得た。
【実施例12】
【0159】
4−[N−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
mp:195℃
H−NMR(DMSOd):4.88(s,2H),6.67(d,2H),6.88(d,2H),6.98(s,1H),7.05(dd,1H),7.24(d,1H),7.33(s,1H),7.70(s,1H),7.72(d,2H),10.28(s,1H).
【実施例13】
【0160】
4−[N−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
mp:198℃
H−NMR(DMSOd):4.90(s,2H),6.65(d,2H),6.85(d,1H),6.99(s,1H),7.07(d,1H),7.30(s,1H),7.40(s,1H),7.65(s,1H),7.67(d,2H),10.40(s,1H).
【実施例14】
【0161】
4−[N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
mp:215℃
H−NMR(DMSOd):3.70(s,3H),4.89(s,2H),6.68(s,2H),6.70(d,2H),6.80(s,1H),6.99(s,1H),7.30(s,1H),7.63(s,1H),7.72(d,2H),9.20(s,1H).
【実施例15】
【0162】
4−[N−(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
mp:243℃
H−NMR(DMSOd):5.09(s,2H),6.72(d,2H),7.00(s,1H),7.32(s,1H),7.69(d,2H),7.77(s,1H),11.80(s,1H).
【実施例16】
【0163】
4−[N−(3−ホルミル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
mp:160℃
H−NMR(DMSOd):4.95(s,2H),6.70(d,2H),6.90(s,1H),6.96(d,1H),7.35(s,1H),7.44(dd,1H),7.58(d,1H),7.67(s,1H),7.71(d,2H),10.20(s,1H),10.75(s,1H).
【実施例17】
【0164】
4−{N−[2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]}ベンゾニトリル
H−NMR(DMSO d):3.95−4.10(m,2H),4.11−4.28(m,2H),5.01(s,2H),6.60(d,2H),6.82(d,2H),7.95(d,2H),7.03−7.50(m,7H),7.69(d,2H),7.88(s,1H).
【実施例18】
【0165】
4−{N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ}ベンゾニトリル
mp:156℃
H−NMR(DMSO d):5.10(s,2H),6.71(d,2H),7.00(s,1H),7.42(s,1H),7.49(d,1H),7.55−7.90(m,4H),8.34(d,1H).
【実施例19】
【0166】
4−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]メチル}ベンゼンスルホンアミド
mp:150℃
H−NMR(DMSO d):5.15(s,2H),6.62(d,2H),7.00(s,1H),7.36(s,2H),7.45(s,1H),7.55(d,2H),7.65−7.90(m,5H).
【実施例20】
【0167】
4−[N−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
mp:205℃
H−NMR(DMSO d):4.98(s,2H),6.72(d,2H),7.00(s,1H),7.06(d,1H),7.39(s,1H),7.48(d,1H),7.60−7.78(m,3H),7.82(s,1H).
【実施例21】
【0168】
5−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]メチル}−2−メトキシ安息香酸
mp:187℃
H−NMR(DMSO d):3.79(s,3H),5.00(s,2H),6.69(d,2H),6.98(s,1H),7.05(d,1H),7.31(s,1H),7.39(dd,1H),7.55(d,1H),7.62−7.85(m,3H).
【実施例22】
【0169】
4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)−N−(4−ニトロフェニル)アミノ]ベンゾニトリル
tert−ブトキシドカリウム塩(6.69g、59.73mM)をDMSO(100ml)に懸濁した懸濁液に4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル(10.00g、54.30mmol)を10〜15℃で撹拌しながら徐々に添加した。この混合物を室温で30分間撹拌し、4−ニトロフルオロベンゼン(7.60g、54.00mM)をDMSO(15ml)に添加したものを、30℃未満の温度を維持しながら滴下した。2時間後、この混合物を水(800ml)中に流し入れ、生じた沈殿をろ過して集め、エタノールから結晶化させることによって精製した(1.00g、48%、mp:188℃)。
H−NMR(DMSOd):7.00(d,2H),7.17(s,1H),7.26(d,2H),7.65(s,1H),7.90(d,2H),8.20(s,1H),7.22(d,2H).
【0170】
4−ニトロフルオロベンゼンを:
・6−クロロニコチノイル(nicotinoyl)クロリド
・4−フルオロフェニルアセチルクロリド
・4−ヒドロキシフェニルアセチルクロリド
・4−ヒドロキシフェニルプロパノイルクロリド(Elias H.ら(Macromol.Chem.Phys.,1981,182,681−86)に従って調製)
・4−フェニルメトキシベンゼンスルホニルクロリド(Toja E.ら(Eur.J.Med.Chem.1991,26,403−13)に従って調製):
で置き換える以外は同様にして次の化合物をそれぞれ得た。
【実施例23】
【0171】
6−クロロ−N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)ニコチンアミド
mp:132℃
H−NMR(DMSO d):6.98(s,1H),7.40−7.62(m,3H),7.70(s,1H),7.95(d,2H),8.00(d,1H),8.19(s,1H),8.57(d,1H).
【実施例24】
【0172】
N−(1H−イミダゾール−1−イル)−N−(4−シアノフェニル)−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド
mp:131℃
H−NMR(DMSO d):3.57(s,2H),7.00−7.35(m,5H),7.55(d,2H),7.70(s,1H),7.93(d,2H),8.19(s,1H).
【実施例25】
【0173】
N−(1H−イミダゾール−1−イル)−N−(4−シアノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド
H−NMR(DMSO d):3.32(s,2H),6.65(d,2H),6.87(d,2H),7.08(s,1H),7.50(d,2H),7.70(s,1H),7.90(d,2H),8.10(s,1H),9.30(s,1H).
【実施例26】
【0174】
N−(4−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)プロパンアミド
mp:172℃
H−NMR(DMSO d):2.25−2.60(m,2H),2.65−2.90(m,2H),6.63(d,2H),6.90(d,2H),7.08(s,1H),7.51(d,2H),7.61(s,1H),7.90(d,2H),8.10(s,1H),9.20(s,1H).
【実施例27】
【0175】
N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(フェニルメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
H−NMR(CDCl):5.14(s,2H),6.93(t,1H),7.00−7.15(m,3H),7.30−7.45(m,7H),7.50(s,1H),7.66(d,2H),7.68(d,2H).
【0176】
<式(15)、(21)のイミダゾールの調製>
【実施例28】
【0177】
5−ニトロ−[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)]ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド
5−ニトロ−ベンゾチオフェン−2−カルボニルクロリド(市販化合物、10.00g、41.00mmol)を、4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル(7.55g、41.00mmol)、TEA(20ml、143.00mmol)を乾燥THF(150ml)に添加したものの混合物に室温で添加した。その後、この混合物を室温で一晩撹拌し、沈殿をろ過してTHF、水で洗浄し、粗生成物を固体として得た(9.26g)。エタノールで結晶化させることによって、白色の結晶を得た(3.50g、mp:221℃)。
H−NMR(DMSO d):7.10(s,1H),7.54(s,1H),7.70(d,2H),7.82(s,1H),7.98(d,2H),8.15−8.40(m,3H),8.89(s,1H).
【0178】
5−ニトロベンゾチオフェン−2−カルボニルクロリドを:
6−メトキシベンゾチオフェン−3−アセチルクロリド(Sauter F.(Monatshefte Fuer Chemie,1968,99,2,610−15)記載):
で置き換える以外は同様にして次の化合物を得た。
【実施例29】
【0179】
N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−(6−メトキシベンゾチエン−3−イル)アセトアミド
mp:104℃
H−NMR(DMSO d):3.75−3.85(m,5H),7.02(dd,1H),7.13(s,1H),7.30(s,1H),7.50−7.75(m,4H),7.80(s,1H),7.90(d,2H),8.25(s,1H).
【実施例30】
【0180】
4−{N−[1H−イミダゾール−1−イル]−N−[(6−メトキシベンゾチエン−3−イル)メチル]アミノ}ベンゾニトリル
3−クロロメチル−6−メトキシベンゾチオフェン(12.35g、58.06mmol)を、4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル(9.72g、52.78mmol)、KCO(14.60g、105.56mmol)及びヨウ化カリウム(0.10g、0.60mmol)を乾燥DMF(70ml)に添加したものの混合物に室温で添加した。その後この混合物を室温で一晩撹拌し、水中に流し入れた後で酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を固体として得た(14.30g)。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/ジオキサン:6/4)にかけることによって、所望の生成物(10.50g、55%、粉末)を得た。エタノールで結晶化させることによって、白色の結晶を得た(7.30g、mp:164℃)。
H−NMR(DMSO d):3.80(s,3H),5.25(s,2H),6.74(d,2H),6.93(s,1H),7.02(dd,1H),7.28(s,1H),7.40(s,1H),7.53(s,1H),7.55(s,1H),7.68(d,1H),7.75(d,2H).
【実施例31】
【0181】
4−[N−(6−ベンジルオキシ−1,1−ジオキシドベンゾチエン−3−イル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
tert−ブトキシドカリウム塩(0.35g、31.00mmol)をTHF(20ml)に懸濁した懸濁液に4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル(0.50g、27.14mmol)を10〜15℃で撹拌しながら徐々に添加した。この混合物を室温で30分間撹拌し、3−ブロモ−6−ベンジルオキシベンゾチオフェン−1,1−ジオキシド(1.10g、31.33mM)をTHF(5ml)に、30℃未満の温度を維持しながら滴下した。一晩経過後、この混合物を水(200ml)中に流し入れて酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を油として得た(2.50g)。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/1,4−ジオキサン:7/3)にかけ、エタノール中で結晶化させることによって、薄褐色の結晶を得た(1.20g、95%、mp:146℃)。
H−NMR(DMSO d):5.22(s,2H),6.48(s,1H),6.49(d,1H),7.05−7.20(m,2H),7.25−7.50(m,8H),7.60(d,1H),7.73(s,1H),7.94(d,2H).
【0182】
3−ブロモ−6−ベンジルオキシベンゾチオフェン−1,1−ジオキシドを:
6−ベンジルオキシ−2−(クロロメチル)−ベンゾチオフェン:
で置き換える以外は同様にして次の化合物を得た。
【実施例32】
【0183】
4−[N−[(6−ベンジルオキシベンゾチエン−2−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
H−NMR(DMSO d):5.12(s,2H),5.30(s,2H),6.72(d,2H),7.00(s,1H),7.04(dd,1H),7.23(s,1H),7.27−7.90(m,11H).
【0184】
<式(10)、(16)のイミダゾールの調製>
【実施例33】
【0185】
4−{N−[(6−ヒドロキシベンゾチエン−3−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ}ベンゾニトリル
4−{N−[1H−イミダゾール−1−イル]−N−[(6−メトキシベンゾチエン−3−イル)メチル]アミノ}ベンゾニトリル(0.50g、1.39mmol)を塩化メチレン10mlに溶解した溶液を、三臭化ホウ素を塩化メチレン(1.50ml、1.52mmol)に溶解した1Mの溶液に室温で添加する。室温で2時間経過した後、この混合物を飽和NaHCO水溶液で加水分解し、ジクロロメタンで抽出して、NaSOで乾燥させてろ過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/ジオキサン:6/4)にかけて精製し、所望の生成物を得た(0.30g、62%、粉末)。エタノールで結晶化させることによって、白色の結晶を得た(0.10g、mp:169℃)。
H−NMR(DMSO d):5.24(s,2H),6.72(d,2H),6.87(dd,1H),6.94(s,1H),7.27(d,2H),7.29(s,1H),7.55(s,1H),7.56(d,1H),7.75(d,2H),9.67(s,1H).
【0186】
4−{N−[1H−イミダゾール−1−イル]−N−[(6−メトキシベンゾチエン−3−イル)メチル]アミノ}ベンゾニトリルを:
N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−(6−メトキシベンゾチエン−3−イル)アセトアミド:
で置き換える以外は同様にして次の化合物を得た。
【実施例34】
【0187】
N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−(6−ヒドロキシベンゾチエン−3−イル)アセトアミド
mp:179℃
H−NMR(DMSO d):3.72(s,2H),6.85(dd,1H),7.10(d,2H),7.25(d,1H),7.40−7.70(m,3H),7.80(s,1H),7.91(d,2H),8.24(s,1H),9.60(s,1H).
【実施例35】
【0188】
4−[N−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
Pd/C(炭素換算10重量%、0.2g)をエタノール(30ml)に懸濁した懸濁液を使用して、4−[N−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル(2g、5.97mmol)を水素化した。完全に反応したことをTLCで確認し、この混合物をcelatumでろ過してEtOHで洗浄した。溶媒を真空下で濃縮した。EtOH/石油エーテルから結晶化させることによって、オレンジ色の結晶を得た(1.1g、60.5%、mp:208℃)。
H−NMR(DMSO d):4.60(s,2H),4.79(s,2H),6.80(d,1H),6.40−6.80(m,4H),6.99(s,1H),7.25(s,1H),7.50−7.80(m,3H),9.07(s,1H).
【0189】
4−[N−(4−ヒドロキシ−3−ニトロベンジル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリルを:
・4−{N−[2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ}}ベンゾニトリル
・N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(フェニルメトキシ)ベンゼンスルホンアミド:
で置き換える以外は同様にして次の化合物をそれぞれ得た。
【実施例36】
【0190】
4−{N−[2−(4−ヒドロキシフェノキシ)エチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ}ベンゾニトリル
mp:188℃
H−NMR(DMSO d):4.99(t,2H),4.17(t,2H),6.40−6.85(m,6H),7.10(s,1H),7.40(s,1H),7.68(d,2H),7.86(s,1H),8.95(s,1H).
【実施例37】
【0191】
N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド
mp:248℃
H−NMR(DMSO d):6.95(d,2H),7.00(s,1H),7.24(s,1H),7.49(d,2H),7.52(d,2H),7.88(s,1H),7.92(d,2H),10.95(s,1H).
【実施例38】
【0192】
4−[N−[(6−ヒドロキシ−1,1−ジオキシドベンゾチエン−3−イル)]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
4−[N−[(6−ベンジルオキシ−1,1−ジオキシドベンゾチエン−3−イル)]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル(3.00g、6.78mmol)、10% Pd/C(0.50g)、THF(30ml)及びギ酸アンモニウム溶液(HO中に25%、30ml)の混合物を室温で6時間撹拌してろ過した。この混合物を水中に流し入れて酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た(固体として2.50g)。エタノールから結晶化させることによって、白色の結晶を得た(0.80g、26%、mp:260℃)。
H−NMR(DMSO d6):6.25(s,1H),6.29(d,1H),6.82(dd,1H),7.10(s,1H),7.15(s,1H),7.30(d,2H),7.70(s,1H),7.91(d,2H),8.25(s,1H).
【0193】
4−[N−[(6−ベンジルオキシ−1,1−ジオキシドベンゾチエン−3−イル)]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリルを:
4−[N−[(6−ベンジルオキシベンゾチエン−2−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル:
で置き換える以外は同様にして次の化合物を得た。
【実施例39】
【0194】
4−[N−[(6−ヒドロキシベンゾチエン−2−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
mp:230℃
H−NMR(DMSO d):5.28(s,2H),6.70(d,2H),6.82(dd,1H),7.00(s,1H),7.15−7.21(m,2H),7.31(s,1H),7.55(d,1H),7.69−7.80(m,3H),9.63(s,1H).
【0195】
<式(12)、(18)のイミダゾールの調製>
【実施例40】
【0196】
4−[N−(4−アミノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)−N−(4−ニトロフェニル)アミノ]ベンゾニトリル(3.00g、9.80mM)、及び、炭素換算5重量%のルテニウム(0.30g、0.15mM)をエタノール(35ml)に懸濁した懸濁液にヒドラジン(1.52ml、49.00mmol)を還流して撹拌しながら徐々に添加した。完全に反応したことをTLCで確認し、この混合物を冷却して触媒をろ過した。溶媒を真空下で濃縮した。残渣を水中に流し入れてジクロロメタンで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た(固体として2.50g)。酢酸エチルからエタノールで結晶化させることによって、所望の生成物を得た(1.30g、50%、mp:147℃)。
H−NMR(DMSOd):5.50(s,2H),6.30(d,2H),6.69(d,2H),7.09(s,1H),7.29(d,2H),7.63(s,1H),7.65(d,2H),8.14(s,1H).
【実施例41】
【0197】
5−アミノ−[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)]ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド
5−ニトロ−[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)]ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド(4.50g、11.6mM)をエタノール(100ml)に溶解して撹拌している溶液に、塩化スズ二水和物(13.10g、58.00mmol)を徐々に添加した。この混合物を還流しながら加熱した。完全に反応したことをTLCで確認し、この混合物を冷却して飽和重炭酸塩溶液で塩基性化した。この混合物を酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を固体として得た(3.90g)。メタノールから結晶化させることによって、所望の生成物を得た(2.60g、63%、mp:214℃)。
H−NMR (DMSOd6):6.70−6.98(m,3H),7.07(s,1H),7.40−7.25(m,4H),7.26−7.96(m,3H).
【0198】
スルファモイル化の基本手順
<スルファミン酸塩(11、17、23)及びアミノスルホニルアミン(13、19、25)の調製>
【実施例42】
【0199】
スルファミン酸4−[N−(4−シアノフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]フェニルエステル
4−[N−(4−ヒドロキシフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]メチルベンゾニトリル(1.00g、3.45mmol)を乾燥DMAc(36ml)に溶解した溶液にスルファモイルクロリド(2.39g、20.69mmol)を氷冷しながら添加した。その後、この混合物を室温で6時間撹拌した。TEA(3.40ml、24.73ml)添加後、この混合物を冷ブライン中に流し入れて酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た(固体として0.70g)。酢酸エチルから結晶化させることによって、所望の生成物を得た(0.40g、31%、mp:60℃)。
H−NMR(DMSO d):5.00(s,2H),6.70(d,2H),6.92(s,1H),7.19(d,2H),7.40(s,1H),7.55(d,2H),7.74(s,1H),7.77(d,2H),7.91(s,2H).
【0200】
4−[N−(4−ヒドロキシフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]メチルベンゾニトリルを:
・4−[N−(4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
・4−[N−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
・4−[N−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
・4−[N−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
・4−[N−(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
・4−[N−(3−ホルミル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
・4−[N−(4−アミノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
・N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド
・4−{N−[2−(4−ヒドロキシフェノキシ)エチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ}ベンゾニトリル
・N−(1H−イミダゾール−1−イル)−N−(4−シアノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド
・N−(4−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)プロパンアミド
・4−[N−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
・5−アミノ−[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド
・4−[N−[(6−ヒドロキシ−1,1−ジオキシドベンゾチエン−3−イル)]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
・N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−[(6−ヒドロキシベンゾチエン−2−イル)]アセトアミド
・4−{N−[(6−ヒドロキシベンゾチエン−3−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ}ベンゾニトリル
・4−{N−[(6−ヒドロキシベンゾチエン−2−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ}ベンゾニトリル:
で置き換える以外は同様にして次の化合物をそれぞれ得た。
【実施例43】
【0201】
スルファミン酸−4−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]メチル}フェニルエステル
mp:172℃
H−NMR(DMSOd):5.00(s,2H),6.65(d,2H),7.00(s,1H),7.22(d,2H),7.40(s,1H),7.42(d,2H),7.70(s,1H),7.75(d,2H),8.00(s,2H).
【実施例44】
【0202】
スルファミン酸2−クロロ−4−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]メチル}フェニルエステル
H−NMR(DMSOd):5.05(s,2H),6.63(d,2H),7.00(s,1H),7.35−7.45(m,3H),7.54(s,1H),7.70(d,2H),7.80(s,1H),8.29(s,2H).
【実施例45】
【0203】
スルファミン酸2−ブロモ−4−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]メチル}フェニルエステル塩酸塩
EtOH/HC中で結晶化を実施した(mp:145℃)。
H−NMR(DMSOd):5.15(s,2H),6.90(d,2H),7.48(s,2H),7.60−7.85(s,5H),8.08(s,1H),8.32(s,2H),9.51(s,1H).
【実施例46】
【0204】
スルファミン酸2−メトキシ−4−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]メチル}フェニルエステル
mp:211℃
H−NMR(DMSOd):3.77(s,3H),5.02(s,2H),6.75(d,2H),6.92(d,1H),7.05(s,2H),7.25(d,1H),7.45(s,1H),7.71(d,2H),7.80(s,1H),7.93(s,2H).
【実施例47】
【0205】
スルファミン酸2,3,5,6−テトラフルオロ−4−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]メチル}フェニルエステル
H−NMR(DMSOd):5.37(s,2H),5.83(s,2H),6.86(d,2H),7.08(s,1H),7.41(s,1H),7.79(s,1H),7.81(d,2H).
【実施例48】
【0206】
4−[N−[(2,2−ジオキシド−1,2,3−ベンズオキサチアジン−6−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
mp:180℃
H−NMR(DMSOd):5.17(s,2H),6.67(d,2H),7.02(s,1H),7.46(s,1H),7.50(d,2H),7.74(d,2H),7.82(dd,1H),7.87(s,1H),8.02(d,1H),9.19(s,1H).
【実施例49】
【0207】
N−{4−[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]フェニル}スルファミド
mp:121℃
H−NMR(DMSOd):6.38(d,2H),7.09(s,1H),7.20(s,1H),7.22(d,2H),7.51(d,2H),7.63(s,1H),7.69(d,2H),8.19(s,1H)
【実施例50】
【0208】
スルファミン酸4−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]スルホニル}フェニルエステル塩酸塩
EtOH/HC中で結晶化を実施した。
mp:200℃
H−NMR(DMSOd):7.57(d,2H),7.60(s,1H),7.70(d,2H),7.80−8.10(m,5H),8.40(s,2H),9.30(s,1H).
【実施例51】
【0209】
スルファミン酸4−{2−[N−(4−シアノフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]エトキシ}フェニルエステル
mp:174℃
H−NMR(DMSOd):4.08(t,2H),4.23(t,2H),6.60(d,2H),6.95(d,2H),7.10(s,1H),7.18(d,2H),7.42(s,1H),7.70(d,2H),7.88(s,3H).
【実施例52】
【0210】
スルファミン酸4−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)−カルバモイル]メチル}フェニルエステル
H−NMR(DMSOd):3.32(s,2H),7.12(s,1H),7.18−7.32(m,4H),7.50−7.60(d,2H),7.71(s,1H),7.85−8.05(m,4H),8.20(s,1H).
【実施例53】
【0211】
スルファミン酸4−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]−3−オキソプロピル}フェニルエステル
mp:100℃
H−NMR(DMSOd):2.45(t,2H),3.85(t,2H),7.10(s,1H),7.12−7.30(m,4H),7.55(d,2H),7.65(s,1H),7.90(m,4H),8.12(s,1H).
【実施例54】
【0212】
スルファミン酸3−(アミノスルホニル)アミノ−4−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]メチル}フェニルエステル
mp:197℃H−NMR(DMSOd):5.00(s,2H),6.71(d,2H),6.93(d,1H),7.02(s,2H),7.21(d,1H),7.48(s,1H),7.61(d,2H),7.74(s,1H),7.92(s,2H),8.10(s,2H).
【実施例55】
【0213】
5−(アミノスルホニル)アミノ−[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)]ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド
mp:169℃
H−NMR(DMSO d):6.87(d,1H),7.05−7.30(m,4H),7.56(s,1H),7.67(d,2H),7.80−8.10(m,4H),7.86(s,1H),9.65(s,1H).
【実施例56】
【0214】
スルファミン酸3−[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]−1,1−ジオキシドベンゾチエン−6−イルエステル
mp:172℃
H−NMR(DMSO d):6.24(s,1H),6.29(d,1H),6.85(dd,1H),7.15(s,1H),7.20(s,1H),7.30(d,2H),7.65(s,1H),7.95(d,2H),8.05(s,2H),8.25(s,1H).
【実施例57】
【0215】
スルファミン酸3−{2−[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]−2−オキソエチル}ベンゾチエン−6−イルエステル
H−NMR(DMSO d):3.84(s,2H),7.15(s,1H),7.28−7.37(dd,1H),7.51−7.65(m,3H),7.80−7.98(m,5H),8.01(s,2H),8.29(s,1H).
【実施例58】
【0216】
スルファミン酸3−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]メチル}ベンゾチエン−6−イルエステル
mp:193℃
H−NMR(DMSO d):5.30(s,2H),6.80(d,2H),6.97(s,1H),7.30−7.40(m,2H),7.56(s,1H),7.68(s,1H),7.75(d,2H),7.80−7.95(m,2H),8.05(s,2H).
【実施例59】
【0217】
スルファミン酸2−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]メチル}ベンゾチエン−6−イルエステル
mp:178℃
H−NMR(DMSO d):5.17(s,2H),6.65(d,2H),6.89(dd,1H),6.94(s,1H),7.20(d,2H),7.27(s,1H),7.45(s,1H),7.58(d,1H),7.72(d,2H),8.00(s,2H).
【0218】
4−[N−(4−ヒドロキシフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]メチルベンゾニトリルを
・4−[N−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニルメチル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル:
で置き換える以外は実施例13に記載の方法と同様の方法を実施した。次の化合物を副産物として得た。
【実施例60】
【0219】
2−ブロモ−4−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1イル)アミノ]メチル}フェニルアミドイミド二硫酸(amidimidodisulfate acid)
mp:220℃
H−NMR(DMSOd):5.00(s,2H),5.70(s,2H),6.65(d,2H),7.03(s,1H),7.42(dd,1H),7.50(s,1H),7.55(d,1H),7.65(d,1H),7.72(d,2H),7.81(s,1H).
【0220】
<他の化合物(8)の調製>
【実施例61】
【0221】
4−[N−[(2,2−ジオキシド−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンズオキサチアジン−6−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
4−[N−[(2,2−ジオキシド−1,2,3−ベンズオキサチアジン−6−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル(0.40g、1.05mmol)をメタノール(8ml)に懸濁した懸濁液にNaBH(0.08g、2.11mmol)を徐々に添加し、この反応混合物を室温で3時間撹拌した。NHCl飽和溶液(3ml)及び水(40ml)を添加した後、得た沈殿をろ過して水で洗浄し乾燥させて、白色の固体を得た。酢酸エチルからエタノールを使用して結晶化させることによって、所望の生成物を得た(0.40g、82%、mp:190℃)。
H−NMR(DMSOd):4.55(d,2H),5.04(s,2H),6.64(d,2H),7.02(s,1H),7.03(d,1H),7.27(d,1H),7.30(s,1H),7.41(s,1H),7.70(d,2H),7.85(s,1H),8.56(t,1H).
【実施例62】
【0222】
5−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]メチル}−2−メトキシ安息香酸(1.00g、2.85mmol)及びピペリジン(0.42ml、8.57mmol)をジメチルアセトアミド(DMA)(2ml)に添加した混合物を150℃で加熱した。出発原料が消失したとき(TLCにより観察)、真空下で溶媒を除去した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/ジクロロメタン:5/95)にかけ、エタノールから結晶化させることによって、白色の結晶を得た(53mg、6%、mp:260℃)。
H−NMR(DMSO d):4.85(s,2H),6.54(d,1H),6.66(d,2H),6.95(s,1H),7.05(dd,1H),7.24(s,1H),7.50−7.60(m,2H),7.68(d,2H).
【実施例63】
【0223】
4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)−N−(フェニル)アミノ]ベンゾニトリル
4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)−N−(4−ニトロフェニル)アミノ]ベンゾニトリル(3.91g、12.80mmol)を水素化用フラスコに入れ、無水酢酸(60ml)及び酢酸(60ml)に溶解した。C換算10%のパラジウム0.20gを添加し、ボトルをParr水素化装置に取り付けた。3時間H(25psi)で震盪しながら水素化を実施した。触媒はろ過して除去し、この溶液を浴中で30分間冷却した。亜硝酸ナトリウム(0.97g、14.00mmol)をこの混合物に添加し、容器に軽く蓋をする。フラスコを氷浴中で2時間維持し、一晩かけて室温にした。この混合物を氷水中に流し入れ、固体をろ過して水(50ml)で洗浄し、粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(トルエン/ジオキサン:6/4)にかけ、酢酸エチルからエタノールを使用して結晶化させることによって、所望の生成物を得た(0.40g、8%、mp:162℃)。
H−NMR(DMSO d):6.60(d,2H),7.00−7.50(m,9H),7.69(s,1H).
【0224】
<ベンズオキサチアゾール(benzoxathiazole)(8)の調製>
【実施例64】
【0225】
4−[N−(3−トシルアミノ−4−ヒドロキシベンジル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
塩化トシル(3.5g、18.59mmol)をCHCl(20ml)に添加したものを、(TX 1840)(5.4g、17.7mmol)及びピリジン(19.47mmol、1.6ml)をCHCl(50ml)に溶解した溶液に0℃で滴下した。その後この混合物を室温で4時間撹拌し、水中に流し入れてEtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させてろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た(オレンジ色の固体として8.1g)。
【0226】
シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン ジオキサン7/3)にかけることにより、黄色の固体を得た。
H−NMR(DMSO d):2.32(s,3H),4.85(s,2H),6.60(d,2H),6.62(s,1H),6.80(dd,1H),6.97(s,1H),7.10−7.30(m,5H),7.00(d,2H),7.03(s,1H),7.52(d,2H),9.45(s,2H).
【実施例65】
【0227】
4−[N−[(2,2−ジオキシド−3−トシル−1,2,3−ベンズオキサチアゾール−5−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
塩化スルフリル(0.60ml、7.40mmol)をジクロロメタン(50ml)に添加したものを、4−[N−(3−トシルアミノ−4−ヒドロキシベンジル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル(3.40g、7.40mmol)及びトリエチルアミン(2.10ml、14.81mmol)をジクロロメタン(6ml)に添加したものに、撹拌しながら30分間かけて−78℃で滴下した。更に15分後、この混合物を室温で4時間置いた。この反応混合物を水で希釈してジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/ジオキサン:5/5)にかけることによって、純粋な油を得た(1.60g、41%)。
H−NMR(DMSO d):2.39(s,3H),5.18(s,2H),6.80(d,2H),7.00−7.50(m,6H),7.60−7.85(m,5H),8.02(s,1H).
【実施例66】
【0228】
4−[N−[(2,2−ジオキシド−3H−1,2,3−ベンズオキサチアゾール−5−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル
フッ化カリウム(0.36g、6.14mmol)を水(5ml)に添加したものを、4−[N−[(2,2−ジオキシド−3−トシル−1,2,3−ベンズオキサチアゾール−5−イル)メチル]−N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル(1.60g、3.07mmol)をアセトニトリル(15ml)に添加したものに室温で添加した。この溶液を一晩撹拌して濃縮し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/ジオキサン:5/5)にかけることによって油を得、エタノールから結晶化させることによって所望の生成物を得た(0.17g、15%、mp:230℃)。
H−NMR(DMSO d):4.84(s,2H),6.38(dd,1H),6.42(d,1H),6.63(d,1H),6.69(d,2H),7.15(s,1H),7.43(s,1H),7.70(d,2H),8.02(s,1H).
【0229】
<フェニル尿素(27)の調製>
【実施例67】
【0230】
N−(4−シアノフェニル)−N−(1H−イミダゾール−1−イル)−N’−フェニル尿素
4−[N−(1H−イミダゾール−1−イル)アミノ]ベンゾニトリル(5g、27.17mmol)をTHF(50ml)に溶解した溶液にフェニルイソシアネート(3,6ml、32,6mmol)を添加した。この混合物を50℃で一晩撹拌し、蒸発させた後、アセトン/EtOH中で結晶化させることによって、白色の結晶を得た(2.5g、30.3%、178℃)。
H−NMR(DMSO d):6.59(s,1H),7.05−7.40(m,9H),7.52(d,2H),7.83(s,1H).
【0231】
「生物学的試験の結果」
<<ステロイドスルファターゼ、アロマターゼ及び炭酸脱水酵素IIのin vitroにおける阻害>>
エストロン硫酸(ES)は主要な循環血漿エストロゲンであり、酵素ステロイドスルファターゼによってエストロン(E)に変換された後、酵素的還元によってエストラジオール(E)に転換される可能性がある。
【0232】
アロマターゼ阻害剤によるE合成の阻害はホルモン依存性乳房腫瘍の進行を止めるよい方法であることが臨床的に証明されている。最近では、ステロイドスルファターゼ経路の阻害が代案として存在する。従って、アロマターゼ及びステロイドスルファターゼの両方を阻害可能な化合物の開発は、腫瘍の成長を阻害するための新しい好適なアプローチである。
【0233】
ヒトの炭酸脱水酵素は、二酸化炭素(CO)と重炭酸塩イオン(HCO−)との転換を触媒し、多数の生理学的及び病理学的過程に関与する。これらはホルモン依存性及び非依存性の発ガン性、転移過程、及び、古典的な化学/放射療法に対する反応性が低い低酸素症腫瘍を含む。従って、ヒト炭酸脱水酵素の阻害は、アロマターゼ及びスルファターゼ両阻害(DASI)化合物にとって追加的な有用活性であろう。特に、EMATEは、公知のヒト炭酸脱水酵素阻害剤スルホンアミドであるアセタゾールアミドのヒト炭酸脱水酵素阻害能と類似する能力を有することが分かっている。上記実験は、アロマターゼ及び/又はステロイドスルファターゼ活性に対する新しい化合物の阻害能力のin vitroにおける評価を目的とする。また、これらのうちいくつかについて、(ヒト炭酸脱水酵素の例としての)ヒト炭酸脱水酵素II活性の阻害を6,6,7COUMATE及びアセタゾールアミドと比較した。
【0234】
材料及び方法
a)アロマターゼ活性
ヒト胎盤性絨毛ガン由来のJEG−3細胞系はヒトアロマターゼを本質的に過剰発現し、in vitroにおいて推定されるアロマターゼ阻害剤を分析する適切なモデルである。アロマターゼ活性をトリチウム水法で決定した。簡単に述べると、細胞をまず96ウェルマイクロプレート中の何も補足していないウシ胎仔血清(dFCS)を添加した培地中に播種した。24時間後、細胞を洗浄し、アロマターゼ基質として1β−H−アンドロステンジオンを含む新しい培地を、濃度10−12M〜10−5Mの試験化合物と共に添加した。2時間インキュベート後、培地の一部を同型の96ウェルマイクロプレートに移し、デキストラン被覆炭溶液を各ウェルに添加した。氷上に10分間静置後、マイクロプレートを遠心分離した(1500g;4℃)。放射性基質及び新たに生合成されたエストロゲンを含むステロイドの全てを炭に吸着させた;1β−H−アンドロステンジオンを芳香族化する間に特に形成されたH水のみが上清に残った。上清中の放射活性を液体シンチレーションカウント法で測定した。同時に、エチレンジアミンテトラアセテート溶液中で細胞可溶化を実施した。Hoechst 33258蛍光色素を使用する標準的な蛍光測定法によりDNA含量を測定した。最後に、2時間でDNA1μg当たりに形成されたH水(fmole)でアロマターゼ活性を表し、また、アロマターゼ阻害を阻害剤を使用しないコントロールの活性に対する割合で表した。阻害剤濃度に対する阻害割合%の非線形の適合度分析(GraphPad Prism Software)によって、50%阻害濃度(IC50)を決定した:IC50が最も小さい阻害剤が最も効果的である(表1)。
【0235】
b)ステロイドスルファターゼ活性
JEG−3細胞系は、本質的にヒトエストロンスルファターゼを非常に多量に含んでいるため、新規ステロイドスルファターゼ阻害剤をin vitroにおいて評価する際の有用な生物系である。対数増殖期の細胞について96ウェルマイクロプレート上でアッセイを実施した。アッセイの24時間前に、何も補足していないウシ胎仔血清(dFCS)を添加した培地中に細胞を播種した。24時間後に培地を除去して細胞をPBSで洗浄し、dFCSを完全に除去した。その後、H−ESをdFCS非含有培地に添加し、続いて試験化合物を10−12M〜10−5M濃度添加した。処理して4時間後に、96深ウェルマイクロプレートに培地を移し、200×gで10分間遠心分離して細胞をペレット状にした後、トルエンで抽出した。培地の分画をトルエンで抽出し、結合している基質と結合していない物質とを分離した。トルエン相中の放射活性を液体シンチレーションカウント法で測定した。同時に、エチレンジアミンテトラアセテート溶液中で細胞を可溶化した後、Hoechst 33258蛍光色素を使用する標準的な蛍光測定法によりDNA含量を測定した。最後に、エストロンスルファターゼ活性を、4時間でDNA1mg当たりに形成された「(H−E)+(H−E)」(pmole)で表し、また、エストロンスルファターゼ阻害を阻害剤を使用しないコントロールの活性に対する割合で表した。阻害剤濃度に対する阻害割合%の非線形の適合度分析(GraphPad Prism Software)によって、50%阻害濃度(IC50)を決定した:IC50が最も小さい阻害剤が最も効果的である(表1)。
【0236】
c)アロマターゼ及びステロイドスルファターゼ両活性
DASI化合物の阻害能力をヒトのアロマターゼ及びステロイドスルファターゼ活性の両方について同時に調べるため、JEG−3細胞を使用して新たなin vitroモデルを設定した。従来記載のステロイドスルファターゼモデルの実験条件を少し変更して使用した:培地中の二種の基質−HES及び1β−H−アンドロステンジオンの存在、並びに、インキュベート2時間。結果を、2時間でDNA1mg当たりに形成された「(H−E)+(H−E)又はO」(pmole)で表した(表1)。
【0237】
d)アルカリフォスファターゼ活性
試験の48時間前にIshikawa cellを96ウェルマイクロプレートに平らに播種した。翌日、培地を5%炭で除去したフェノールレッド非含有dFCS培地で置き換えた。24時間後に培地を交換して化合物を培養細胞に添加し、更に4日間インキュベートした。各化合物について、試験濃度は10−12M〜10−5Mであり、培地最終濃度は0.1%未満であった。インキュベート時間終了時に、リン酸−ニトロフェニルからp−ニトロフェノールへの加水分解に関する方法、及び、405nmにおける生成物の分光測光によりアルカリフォスファターゼ活性(APase)を調べた。
【0238】
簡単に述べると、まずマイクロプレートを冷リン酸バッファーで二回洗浄した後、−80℃において少なくとも15分間静置した。室温で解凍後、5mMリン酸p−ニトロフェニルを含む氷冷溶液50μlを各ウェルに添加した。室温で15〜60分間インキュベートした後、p−ニトロフェノールの生成により生じた黄色の強度を405nmで各ウェルについて測定した。
【0239】
各試験濃度について、まず、吸光度が反映するAPase活性をコントロール(FI)に対する増加倍率で表し、E活性(10−8M)(100%とする)に対する割合として表した。S字状の投与量反応曲線をプロットし(GraphPad Prism Software)、50%有効濃度(EC50)を各化合物について計算した(表1)。
【0240】
e)ヒト炭酸脱水酵素II活性
このアッセイは文献(Armstrong J.ら.Purification and properties of human erythrocyte carbonic anhydrases,J Biol Chem,1966,241:5137−5149)中の記載に従って実施した。簡単に述べると、このアッセイでは、ヒト炭酸脱水酵素IIはp−ニトロフェニル酢酸のp−ニトロフェノールへの転換を触媒する。試験化合物が阻害作用を有するかどうかを、酵素反応中に生じたp−ニトロフェノールの比色定量により調べた。阻害剤を使用せずに得た光学濃度レベルを「総活性」と呼ぶこととする。阻害剤も酵素も使用せずに得たレベルを「ブランク」と呼ぶこととし、アッセイ中の基質に対するあらゆる干渉を調べる(表2)。
【0241】
表1:アロマターゼ、エストロンスルファターゼ及びエストロゲン様能力の阻害
【0242】
【表1】

【0243】
:スルファミン酸、3−シクロヘプチルメチルベンゾチオフェン−6−イル−1,1−ジオキシド−エステル
(国際特許WO2004/101545号中に記載)
nd:不検出
材料及び方法:アロマターゼ活性単独;スルファターゼ活性単独;アロマターゼ及びステロイドスルファターゼ両活性、エストロゲン様能力
【0244】
試験化合物のうち、実施例43、実施例45及び実施例46について、ヒトエストロンスルファターゼ活性が強く阻害された(IC50:約10nM)。また、この化合物はアロマターゼ活性の強力な阻害剤であることも示された(IC50<1nM)。このように両活性を有するが、これらはin vitroにおいてエストロゲン様ではなかった。
【0245】
表2:ヒト炭酸脱水酵素IIの阻害
【0246】
【表2】

【0247】
実施例45及び実施例51はヒト炭酸脱水酵素IIをin vitroにおいて阻害した。
【0248】
<in vivoにおける子宮阻害/抗ステロイドスルファターゼ活性>
ウィスター系雌ラットの卵巣を切除し、機能を停止させるために4週間静置した。処理する前に、周期がないことを膣スミアにより確認した。単独で、又は、潜在的スルファターゼ阻害剤を1mg/kg/日の割合で4日間経口投与するのと併用して、エストロン硫酸(ES)を50μg/kg/日の割合で皮下注射によってラットに投与した。子宮を摘出し、隣接する組織から分離して含水重量を計量した(表3)。
【0249】
エストロンスルファターゼ活性を、Purohitらの記載する方法を少し変えた方法で測定する。簡単に述べると、子宮を解凍して計量し、ホモジナイズした。上清を分取して、デキストランで被覆した炭で処理し、スルファターゼについてアッセイした。基質であるH−ES 5nM及び非標識ES 20μMと共に30分間インキュベートした後に、ES活性を調べる。エストロンスルファターゼ活性をpmol/時間/タンパク質(mg)として表し、ESに対する阻害の割合として報告した。子宮重量についての結果は、ESに誘発された刺激の阻害割合%で表す。
【0250】
表3:子宮重量に対する阻害
【0251】
【表3】

【0252】
スルファターゼ阻害及び子宮重量阻害(国際特許WO2004/101545号)の間には直接的な一次相関があるため、この子宮活性はESの顕著な阻害(>90%)に起因すると結論付けることが可能である。実施例45はエストロゲン様でなく、またステロイドスルファターゼを著しく阻害するため、これをエストロンスルファターゼ活性の潜在的な阻害剤として選択した。これらのin vivoにおける結果は、JEG−3において得たin vitroにおける結果と一致した。
【0253】
<in vivoアロマターゼ阻害モデルとしてのエストラジオールのピークの阻害>
この実験は、雌ラットに一回経口投与して24時間後の、試験化合物の17β−エストラジオールレベルに対する対投与量活性をアナストロゾールと比較して決定することを目的とする。アナストロゾールは効果的な非ステロイド系のアロマターゼ阻害剤であり、雌ラットに3μg/kgを一回経口投与して24時間後にエストラジオールレベルを著しく阻害する。体重180〜200gのIOPS Wistar系雌ラット100匹を4群に分け、ステンレスメッシュケージに入れた。Harlan Teklad社より入手の標準飼料2016ペレットをラットに自由に摂取させた。毎朝各ラットについて膣スミアを実施し、周期中の種々の状態を確立した。規則的な性周期を示さないラットを実験から除外した。午後4時に開始し、ラットに調製物を経口投与した。24時間後に血清サンプルを回収し、従来の記載と同様にエストラジオールレベルを調べた(表4)。
【0254】
表4:エストラジオールのピークの阻害
【0255】
【表4】

【0256】
実施例45はin vivoにおいてエストラジオールのピークを阻害した。
【0257】
<腫瘍の成長の阻害>
(ヌードマウスへのMCF−7異種移植)
ヒト乳腺ガン由来のMCF−7細胞を、卵巣を切除してエストロン硫酸を毎日皮下投与した胸腺欠損ヌードマウスに皮下注射した。異種移植片の体積を週一回測定する。腫瘍の体積が著しく増加したら、試験化合物を1mg/kg/日で8週間経口投与する。異種移植片を測定し、取り出して重量を量り、急速冷凍して、ラット子宮の場合に実施した方法でスルファターゼ活性を測定する。
【0258】
(ヌードラットへのER+ヒト乳房腫瘍組織異種移植)
ヒト乳腺ガン由来のMCF−7細胞(ATCC)を、卵巣を切除してエストラジオールを毎日皮下投与した胸腺欠損ヌードマウスに皮下注射した。異種移植片の体積を週一回測定した。8週間後、腫瘍の体積が1000mm3に達し、各動物についてエストロゲンに反応する組織のサンプル500mgを取得した。このとき、各腫瘍を薄片に切り、卵巣を切除した未投薬のヌードラット(Rnu/Rnu)に再移植した。その後、ステロイドスルファターゼ経路においてエストラジオール前駆体である硫酸エストロンで、ラットを処理した。腫瘍の体積がプラセボとは異なって著しく増加したら、ラットを無作為に選んで二群に分けた。第一群は実施例45で処理し、硫酸エストロンを毎日投与した。第二群には媒体を投与し、同量の硫酸エストロンを与えた。実施例45は、5mg/kg/日で5週間経口投与した。異種移植片を電気カリパスで毎週測定し、硫酸エストロン群と比較した(表5)。
【0259】
表5:ヒト乳房腫瘍の阻害
【0260】
【表5】

【0261】
ラットを実施例45で処理した場合には、腫瘍の体積は増加しなかった。一方、同時に、硫酸エストロン(E1S)単独で処理した群の方が腫瘍の体積が大きかった。5週間毎日処理した後、実験終了時に、実施例45では腫瘍の体積が40%減少し、抗ガン能力が明瞭かつ十分に確立された。
【0262】
(ヌードマウスへのJEG−3異種移植)
JEG−3細胞系はヒトアロマターゼ及びエストロンスルファターゼ酵素の両方を過剰発現している。この細胞系を、卵巣を切除して硫酸エストロンを毎日皮下投与し、試験化合物(投与量5mg/kg/日)を投与した又はしない胸腺欠損ヌードマウスに皮下注射した。この特定の場合において、かつ、これらが半液体状であるため(絨毛膜ガン由来)、腫瘍の測定は適切でない。しかしながら、主として腫瘍組織により合成されるエストラジオールの間接的な影響を、子宮重量について得る。一方、アロマターゼ及びスルファターゼはこの腫瘍において過剰発現しているため、酵素レベルを測定可能である。酵素活性は上記方法で調べる。
【0263】
(硫酸エストロン及びΔ4−アンドロステンジオンを与えたヌードラットへのJEG−3異種移植)
ラットにJEG−3細胞を注射する15日前に、血液サンプルを取得して、エストラジオール血漿のベースレベルを測定する。その後、JEG−3細胞を、卵巣を切除した胸腺欠損(Rnu/Rnu)ヌードラットに皮下注射する。ラットに硫酸エストロン及びΔ4−アンドロステンジオンを毎日皮下投与し、試験化合物は投与する(投与量1mg/kg/日)又はしない。21日経過後に血液採取を、ガン異種移植の1日後、及び、実験終了時に実施する。この実験において、硫酸エストロン及びΔ4−アンドロステンジオンはエストラジオール前駆体である。エストラジオールの効果は屠殺後の子宮重量に反映される。血漿ホルモンレベルは実験終了時に供給元の標準的な方法で調べる(DSL、アメリカ合衆国テキサス州ウェブスター)。
【図面の簡単な説明】
【0264】
【図1】女性におけるエストロゲンの形成。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

のイミダゾール誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体であって、式中、:
・R及びRは各々独立して水素、(C−C)アルキル基若しくは(C−C)シクロアルキル基である;又は、R及びRが一緒になって飽和若しくは不飽和の5−,6−若しくは7−員環の炭素環を形成する;
・Qは(CH−X−(CH−Aである;
・Aは直接的結合、O、S、SO、SO、NRである;
・Xは直接的結合、CF、O、S、SO、SO、C(O)、NR又はCRである;
・Zは次から選択される基である;
【化2】

・m及びnは各々独立して0、1、2、3又は4である;
・pは1、2、3又は4である;
・qは0、1又は2である;
・破線は、R及び/又はRがベンゾチオフェン環の任意の位置にあってよいことを意味する;
・R及びRは各々独立して水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、OPO(OR10、NR1011、SONR1011、OSONR1011、OSOOR10、SOOR10、SSONR1011、CFSOOR10、CFSONR1011、CF−テトラゾリル又はNR12SONR1011、OSONR12SONR1011、CO10、CONR1011、OCHO、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、テトラゾリル、NR12CONR1011、NR10−CHO基である;
・Q−Zが下式である場合、
【化3】

nは0、1又は2であり、pは1であり、R及びRの一方はヒドロキシ、ニトロ、OPO(OR10、NR1011、OSONR1011、OSOOR10、SOOR10、SSONR1011、CFSOOR10、CFSONR1011、CF−テトラゾリル、NR12SONR1011OSONR10SONR1112、CO10、CONR1011、OCHO、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、テトラゾリル、NR12CONR1011、NR10−CHO基であり、他方は水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、SONR1011、OSONR1011、OSOOR10、SOOR10、SSONR1011、CFSOOR10、CFSONR1011、CF−テトラゾリル、NR12SONR1011、OSONR12SONR1011、CO10、CONR1011、OCHO、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、テトラゾリル、NR12CONR1011、NR10−CHO基である;
・R及びRは各々独立して水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、OPO(OR10、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、SONR1011、 OSONR1011、OSOOR10、SOOR10、SSONR1011、CFSOOR10、CFSONR1011、CF−テトラゾリル、NR12SONR1011、OSONR12SONR1011、CO10、CHO、CONR1011、OCHO、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、テトラゾリル、NR12CONR1011、NR10−CHO基である;
・pが2、3又は4である場合、Rは同じであっても異なっていてもよい;
・R及びRは各々独立して水素、ハロゲン、(C−C)アルキル基又は(C−C)シクロアルキル基である;
・R、R10、R11及びR12は各々独立して水素、ヒドロキシ、(C−C)アルキル又は(C−C)シクロアルキル基である;R10は塩であってもよい;R10及びR11はこれらに結合している窒素原子と一緒になって、O、S及びNから選択される一つ又は二つのヘテロ原子を含む5〜7員環の複素環を形成してもよい;
・Zが下式であり、
【化4】

かつ、pが1である場合、R及びRはフェニル環と一緒になって、ベンズオキサチアジンジオキシド、ジヒドロベンズオキサチアジンジオキシド、ベンズオキサチアジノンジオキシド、ベンズオキサチアゾールジオキシド、ベンズオキサジチアジアジンテトラオキシド、ベンゾジチアジンテトラオキシド又はベンゾジオキサジチンテトラオキシドを形成してもよい;
・Zが下式であり、
【化5】

pが1かつQが(CHであり、また、R及びRが独立してヒドロキシ、ニトロ、OPO(OR10、NR1011、OSONR1011、OSOOR10、SOOR10、SSONR1011、CFSOOR10、CFSONR1011、CF−テトラゾリル、NR12SONR1011、OSONR12SONR1011、CO10、CONR1011、OCHO、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、テトラゾリル、NR12CONR1011又はNR10−CHO基である場合、R及びRはこれらが属するフェニル環と一緒になってベンゾフラン又はN−メチルベンゾトリアゾールを形成してもよい。
【請求項2】
式中、:
・R及びRの一方がヒドロキシ、ニトロ、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である;かつ、
・他方が水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、OSONR1011 NR12SONR1011基である:
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項3】
式中、:
・R及びRの一方がヒドロキシ、シアノ、(C−C)アルコキシ又はOSONR1011基である;かつ、
・他方が水素、又は、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルコキシ、NR1011、SONR1011、OSONR1011、NR12SONR1011、OSONR10SONR1112基である:
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項4】
式中、:
・R及びRの一方がシアノ基である;かつ、
・他方が水素、又は、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルコキシ、NR1011、SONR1011、OSONR1011、NR12SONR1011基である:
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項5】
式中、:
・R及びRが各々独立して、水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、OSONR1011、NR12SONR1011、CO10又はCHO基である:
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項6】
式中、:
・R及びRの一方が水素、又は、ヒドロキシ、シアノ若しくはOSONR1011基である;かつ、
・他方が水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011、CO10、CHO、NR12SONR1011基である:
ことを特徴とする請求項5に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項7】
式中、:
・Rが水素、ヒドロキシ、シアノ又はOSONR1011基である;
・Rが水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011、CO10、CHO基である:
ことを特徴とする請求項6に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項8】
式中、:
・Rが水素である;かつ、
・Rがヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011、CO10、CHO又はNR12SONR1011基である:
ことを特徴とする請求項7に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項9】
・Zが下式であり、
【化6】

式中、:
・Rが水素、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルコキシ、NR1011、SONR1011、OSONR1011、NR12SONR1011又はOSONR10SONR1112基である;
・Rが水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011、CO10、CHO、NR12SONR1011基である;
・p及びqが請求項1に定義する通りである:
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項10】
式中、:
Qが、直接的結合、C(O)、SO、CONH、C(O)(CH、(CH(O)又は(CH(nは0、1又は2である)から選択される
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項11】
式中、:
・Zが下式である;
【化7】

・Qは、nが0、1又は2の(CHである;
・R及びRの一方がヒドロキシ、ニトロ、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基であり、他方が水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である;
・R及びRは各々独立して、水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、カルボキサミド、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である;
・R10及びR11は各々独立して水素、(C−C)アルキル又は(C−C)シクロアルキル基である;
・pは1、2、3又は4である;
・R及びRはこれらが属するフェニル環と一緒になって、ベンズオキサチアジンジオキシド又はジヒドロベンズオキサチアジンジオキシドを形成してよい;
・R及びRはこれらが属するフェニル環と一緒になって、ベンゾフラン又はN−メチルベンゾトリアゾールを形成してよい:
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項12】
式中、:
・Zが下式である;
【化8】

・Qは、nが0、1又は2の(CHである;
・Rはヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、又は、(C−C)アルコキシ、NR1011、SONR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である;
・Rは水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011基である;
・pは請求項1に定義する通りである:
ことを特徴とする請求項11に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項13】
式中、:
・nが0又は1である;
・R及びRが各々独立して、水素、ハロゲン、(C−C)アルコキシ、アシル、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である:
ことを特徴とする請求項12に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項14】
式中、:
・nが0又は1である;
・R、R及びRが各々水素である;
・Rが水素、ハロゲン、(C−C)アルコキシ又はOSONR1011基である:
ことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項15】
式中、:
・n及びpが1である;
・Rがヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルコキシ、NR1011、SONR1011、OSONR1011、NR12SONR1011又はOSONR10SONR1112基である;
・Rがヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、NR1011、OSONR1011、CO10又はCHO基である。
・Rがシアノ、ヒドロキシ、OSONR1011又はNR12SONR1011基である;
・Rが水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ又はOSONR1011基である:
ことを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項16】
式中、R及びRの一方がヒドロキシ、シアノ又はOSONR1011基であり、かつ、他方がヒドロキシ、ニトロ、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である
ことを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項17】
式中、R及びRの一方がシアノ又はOSONR1011基であり、かつ、他方がヒドロキシ又はOSONR1011基である
ことを特徴とする請求項16に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項18】
式中、:
・Zが下式である;
【化9】

・Qが(CH−X−(CH−A−である;
・Aが直接的結合、O、S、SO、SO、NRである;
・Xが直接的結合、CF、O、S、SO、SO、C(O)、NR又はCRである;
・m及びnが各々独立して0、1、2、3又は4である;
・R、R、R及びRは各々独立して水素、又は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ベンジルオキシ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、NR1011、OPO(OR10、OCHO、COOR10、SONR1011、OSONR1011、SOOR10、OSOOR10、SSONR1011、CONR1011、OCONR1011、OCSNR1011、SCONR1011、SCSNR1011、NR12SONR1011、テトラゾリル、NR10CONR11OH、NR10SONR11OH、NOH−CHO、NOHSONR1011又はOSONR10OH基である;
・pは0、1又は2である;
・R、R、R、R10、R11及びR12は各々独立して水素、(C−C)アルキル基又は(C−C)シクロアルキル基である;R10は塩であってもよい;R10及びR11はこれらに結合している窒素原子と一緒になって、O、S及びNから選択される一つ又は二つのヘテロ原子を含む5〜7員環の複素環を形成してもよい;
・破線は、Q及び/又はR及び/又はRがベンゾチオフェン環の任意の位置にあってよいことを意味する:
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項19】
式中、RがOSONR1011又はNR12SONR1011基である
ことを特徴とする請求項18に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項20】
式中、Rが水素、ハロゲン、ニトロ、COOR10又はシアノ基である
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の誘導体。
【請求項21】
式中、Rが水素、ハロゲン、シアノ、(C−C)アルコキシ、NR1011、OSONR1011又はNR12SONR1011基である
ことを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項22】
式中、R10、R11及びR12が各々独立して水素又は(C−C)アルキル基である
ことを特徴とする請求項18〜21のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項23】
式中、Qが(CH−X−(CH−Aであり、式中、mが0、1又は2であり、Xが直接的結合、SO又はCOであり、nが0であり、Aが直接的結合である
ことを特徴とする請求項18〜22のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項24】
式中、Rが水素、ハロゲン又はシアノ基である
ことを特徴とする請求項18〜23のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項25】
式中、:
・Zが下記基である;
【化10】

この式中、R、R及びpは請求項1に定義する通りである:
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項26】
式中、:
・Rがシアノ又はOSONR1011基である;
・Rが水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、OSONR1011基である;
・Rがヒドロキシ、シアノ、OSONR1011、NR1011、NR12SONR1011、OCHO又はテトラゾリル基である;
・Rが水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ又はCO10基である;かつ、
・Qが請求項10に定義する通りである:
ことを特徴とする請求項25に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項27】
式中、R及びRは各々独立して水素又は(C−C)アルキル基である
ことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1項に記載の誘導体、並びに、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項28】
式中、R10及びR11は水素である
ことを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載の誘導体、又は、その酸付加塩及び立体異性体。
【請求項29】
有効治療物質として使用するための、請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物、又は、その医薬品に許容される塩。
【請求項30】
請求項1〜28のいずれか1項に記載の誘導体、又は、その医薬品に許容される酸付加塩、及び、医薬品に許容される基剤を含む医薬組成物。
【請求項31】
前記誘導体を0.1〜400mg含む
ことを特徴とする請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
ホルモン依存性又は非依存性腫瘍の治療又は予防薬の製造における、請求項1〜28のいずれか1項に記載の誘導体、又は、その医薬品に許容される酸付加塩の使用であって、
前記誘導体を性内分泌腺治療薬と任意に併用する
ことを特徴とする使用。
【請求項33】
生殖機能の制御又は管理薬の製造における、請求項1〜28のいずれか1項に記載の誘導体、又は、その医薬品に許容される酸付加塩の使用であって、
前記誘導体をLH−RHアゴニスト又はアンタゴニスト、発情妊娠前避妊薬、プロゲスチン、プロゲスチン阻害剤又はプロスタグランジンと任意に併用する
ことを特徴とする使用。
【請求項34】
良性又は悪性の乳房、子宮又は卵巣の疾患の治療又は予防薬の製造における、請求項1〜28のいずれか1項に記載の誘導体、又は、その医薬品に許容される酸付加塩の使用であって、
前記誘導体をアンドロゲン阻害剤、エストロゲン阻害剤、プロゲスチン、又は、LH−RHアゴニスト又はアンタゴニストと任意に併用する
ことを特徴とする使用。
【請求項35】
男性ホルモン依存性疾患、又は、前立腺又は精巣の良性又は悪性疾患の治療又は予防薬の製造における、請求項1〜28のいずれか1項に記載の誘導体、又は、その医薬品に許容される酸付加塩の使用であって、
前記誘導体をアンドロゲン阻害剤、プロゲスチン、リアーゼ阻害剤、又は、LH−RHアゴニスト又はアンタゴニストと任意に併用する
ことを特徴とする使用。
【請求項36】
認知機能障害、特に老人性痴呆、具体的にはアルツハイマー病の治療又は予防薬の製造における、請求項1〜28のいずれか1項に記載の誘導体、又は、その医薬品に許容される酸付加塩の使用。
【請求項37】
免疫障害の治療又は予防薬の製造における、請求項1〜28のいずれか1項に記載の誘導体、又は、その医薬品に許容される酸付加塩の使用。
【請求項38】
アロマターゼ及び/又はステロイドスルファターゼ及び/又は炭酸脱水酵素の阻害を要する病状の治療又は予防薬の製造における、請求項1〜28のいずれか1項に記載の誘導体、又は、その医薬品に許容される酸付加塩の使用。
【請求項39】
アロマターゼ及び/又はステロイドスルファターゼ及び/又は炭酸脱水酵素が関与する疾患の治療方法であって、
治療を要する患者に治療上有効な量の請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む
ことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2007−515420(P2007−515420A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544394(P2006−544394)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014847
【国際公開番号】WO2005/058842
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(501130143)ラボラトワール テラメックス (6)
【Fターム(参考)】