説明

2次電池および電池モジュール

【課題】2次電池を効率的に冷却することができる電池モジュールを提供する。
【解決手段】2次電池100は、効率的な冷却のために、イオンの移動によって充電と放電とを繰り返す電極群と、上記電極群が内蔵される空間を有するケース150と、上記ケースを取り囲み、外面に複数個のリブ123,124が形成された支持部材120とを有する。また、電池モジュールは、複数個の2次電池100と、上記2次電池が嵌合されるフレームと、を有し、上記2次電池はケースの外面に密着した支持部材を有し、上記支持部材は、上記2次電池を取り囲むボディー121と、上記ボディーから外側に突出したリブ123,124とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次電池および電池モジュールに関し、より詳しくは、2次電池のケースを取り囲んで冷却媒体の流通路を形成する支持部材を有する電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
2次電池(rechargeable battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なって、充電および放電が可能な電池である。一つのセルからなる低容量の2次電池の場合、携帯電話機やノートパソコンおよびカムコーダーのような携帯の可能な小型電子機器に主に使用される。複数個のセルがパック状に連結された大容量の2次電池は、ハイブリッド電気自動車などのモータ駆動用電源として広く使用されている。
【0003】
このような2次電池は、様々な形状に製造されており、代表的な形状として円筒形、角状が挙げられる。
【0004】
そして、2次電池は、大電力を必要とする上記ハイブリッド電気自動車などのモータ駆動に使用できるように直列に連結することにより、大容量の電池モジュールを構成する。
【0005】
電池モジュールは、通常、直列に連結される複数個の2次電池(以下、明細書の全般にわたって、説明の便宜上、‘2次電池’と称する)からなる。
【0006】
それぞれの2次電池は、正極と負極がセパレータを介在して位置する電極群と、上記電極群が内蔵される空間を備えたケースと、上記ケースに結合してこれを密閉し、前記電極群と電気的に接続する電極端子が具備されたギャップ組立体と、を有する。
【0007】
そして、それぞれの2次電池は、通常、フレーム内に一定の間隔を有して配列され、各2次電池の端子を連結して電池モジュールを構成するようになる。
【0008】
ここで、電池モジュールは、安定性のために、複数個の2次電池を一つのモジュ−ルに締結する構造を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、電池モジュールは、数個から多くは数十個の2次電池を連結して一つの電池モジュールを構成するため、各2次電池から発生する熱を容易に放出しなければならない。電池モジュールの熱放出特性は、2次電池はもちろんのこと、電池モジュールを採用した機器自体の性能を左右するほど大変重要である。
【0010】
熱放出が正常に行われない場合、各2次電池の間に温度の偏差が生じ、電池モジュールがモータ駆動に必要な電力を所望の通り出力できなくなる。また、2次電池から発生する熱によって電池内部の温度が上昇すれば、内部に異常反応が生じ、2次電池の充放電性能などが低下する。
【0011】
特に、上記電池モジュールが装置に大容量の2次電池として適用される場合、2次電池が大電流で充放電されるので、使用状態によって2次電池の内部温度が相当な水準まで上がるようになり、このため2次電池から発生する熱を円滑に放出させることが要求されている。
【0012】
そこで、本発明は上記問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、2次電池を効率的に冷却することができる、新規かつ改良された電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の実施形態による2次電池は、イオンの移動により充電と放電とを繰り返す電極群と、上記電極群が内蔵される空間を有するケースと、上記ケースを取り囲み、外面に複数個のリブ(rib)が形成された支持部材と、を有する。
【0014】
上記ケースと上記支持部材との間には熱伝導性接着層を形成することができる。上記支持部材は、上記ケースに密着するボディーと、上記ボディーの長さ方向に延設される(延在して形成される)リブと、有することができる。なお、ボディーの長さ方向とは、例えば、ボディーが管状である場合、ボディーの中心軸の方向である。
【0015】
上記ボディーは管状であってもよい。上記リブの高さは長さ方向に沿って変化することができる。
【0016】
上記は、支持リブ(支持用リブ)と、上記支持リブより高く形成された固定リブ(固定用リブ)とを含むことができる。上記ボディーは、長さ方向に沿って一部が開放された構造を有し(隙間が形成され)てもよい。また、上記支持部材の表面には陽極酸化皮膜が形成できる。
【0017】
複数個の2次電池と、上記2次電池が嵌合されるフレームと、を有し、上記2次電池は、ケースと、上記ケースの外面に密着した支持部材と、を有し、上記支持部材は、上記2次電池を取り囲むボディーと、上記ボディーから外側に突出したリブと、を有することができる。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数個の2次電池と、上記複数個の2次電池が嵌合されるフレームとを有し、上記複数個の2次電池は、ケースと、上記ケースを取り囲み、外面に複数個のリブが形成された支持部材と、を有し、上記支持部材は、上記ケースに密着するボディーと、前記ボディーの長さ方向に延設されたリブと、を有することを特徴とする電池モジュールが提供される。
【0019】
上記ボディーは管状であってもよい。上記ケースと上記ボディーとの間には熱伝導性接着層が形成できる。
【0020】
上記リブは、支持リブと、上記支持リブより高く形成された固定リブと、を含むことができる。上記固定リブの一側には固定部材(固定突起)が形成できる。
【0021】
上記フレームには固定溝が形成され、上記固定部材が上記固定溝に嵌合できる。
【0022】
上記ボディーは、長さ方向に沿って一部が開放された構造を有し(隙間が形成され)てもよい。上記支持部材の表面には陽極酸化皮膜が形成できる。また、上記リブの高さは冷却媒体の流入側と流出側とにおいて互いに異なってもよい。また、上記リブの高さは冷却媒体の流入側から流出側に向かうほど高くなることがある。上記フレームには2次電池が嵌合されるホールが形成され、上記ホールの断面積は冷却媒体の流入側から流出側に向かいながら変化することがある。また、上記ホールの断面積は冷却媒体の流入側から流出側に向かうほど小さくなってもよい。上記ホール内で上記リブの間の空間は互いに連通できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、支持部材を用いて冷却媒体が流動する空間を形成することにより、2次電池を安定的に冷却することができる。
【0024】
また、支持部材と2次電池のケースとを熱伝導性接着剤で付着して、ケースから支持部材に熱を速かに伝達することにより、2次電池を効率的に冷却することができる。
【0025】
さらに、支持部材の表面に陽極酸化皮膜を形成することにより、2次電池の電気的短絡を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態による2次電池を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による2次電池を示す横断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による電池モジュールを示す部分斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態による支持部材を示す断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態による支持部材を示す断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態による支持部材がフレームに設けられた状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態による支持部材を示す斜視図である。
【図8】図7に示した支持部材がフレーム内に設けられた状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第6実施形態による支持部材がフレーム内に設けられた状態を示す縦断面図である。
【図10A】従来の電池モジュールの放熱特性を示すグラフである。
【図10B】従来の電池モジュールの放熱特性を示すグラフである。
【図10C】従来の電池モジュールの放熱特性を示すグラフである。
【図11A】本発明の第1実施形態による電池モジュールの放熱特性を示すグラフである。
【図11B】本発明の第1実施形態による電池モジュールの放熱特性を示すグラフである。
【図11C】本発明の第1実施形態による電池モジュールの放熱特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態について当業者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相異な形態で実現でき、ここに説明する実施形態に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲、明細書および下記図面などに記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0028】
図1は本発明の第1実施形態による2次電池を示す斜視図であり、図2は本発明の第1実施形態による2次電池を示す横断面図面である。
【0029】
図1および図2を参照して説明すれば、本実施形態による2次電池100は、充電と放電のための電極群154と、電極群154が内蔵されるケース150と、ケース150を取り囲む支持部材120とを有する。
【0030】
電極群154は、内部に円筒形コア156を設けた状態で、正極と負極との間にセパレータを介在し巻き取って形成される。
【0031】
ケース150は、電極群154を内蔵する空間を有する円筒形であり、アルミニウムなどからなることができる。本実施形態においては、ケース150が円筒形であると例示しているが、本発明がこれに限定されるわけではなく、ケース150は円筒形または角状、およびそれ以外の形状であってもよい。
【0032】
一方、ケース150の外側には支持部材120が設けられ、支持部材120は、ケース150に密着してケース150を取り囲むボディー121と、ボディー121の外面から突出して2次電池100の長さ方向に延在して形成されたリブ123、124とを有する。
【0033】
本実施形態において、ボディー121はケース150を挿入する管状であるが、本発明がこれに限定されるわけではなく、ケース150に密着する多様な構造が可能である。
【0034】
ボディー121とケース150との間には熱伝導性接着剤層152が形成され、熱伝導性接着剤層152は、ケース150の内側から発生した熱をボディー121に速かに伝達することにより、放熱効率を高める役割を果たす。
【0035】
ボディー121に伝えられた熱は、ボディー121とリブ123、124を通じて外部に放出され、ボディー121とリブ123、124が冷却媒体と接触する面積が増加して熱を容易に放出することができる。
【0036】
また、リブ123、124は、支持リブ123と、支持リブ123よりさらに大きい高さを有する固定リブ124とを有し、固定リブ124は、図3に示すように、フレーム130に嵌合され、2次電池100が動くことを防止する役割を果たす。
【0037】
一方、支持部材120はアルミニウムからなり、支持部材120の表面には陽極酸化皮膜が形成される。陽極酸化皮膜は、アルミニウムの表面を酸化させた後、封孔処理して形成される。このように、支持部材120の表面に陽極酸化皮膜を形成することにより、支持部材120に電気的な絶縁性が生じて、2次電池の短絡を防止できるだけでなく、安定的に熱を放出することもできる。陽極酸化皮膜を形成する物質としては、一般的に知られたものが用いられる。
【0038】
図3は、本発明の第1実施形態による電池モジュールを示す部分斜視図である。図3に示すように、電池モジュール200は、複数個の2次電池100、100’と、2次電池100、100’が嵌合されるフレーム130とを有する。
【0039】
フレーム130には、2次電池100、100’が嵌合される複数個のホール131が形成され、このホール131は両端が開放された構造となっている。ホール131に2次電池100が嵌合されれば、ホール131の内面に支持リブ123が密着する。
【0040】
一方、固定リブ124はフレーム130に嵌合されて設けられ、固定リブ124はホール131に形成された固定溝132に嵌合されて2次電池100の回動を防止する。
【0041】
このように、2次電池100がフレーム130内に固定されれば、ホール131と支持部材120との間に冷却媒体が供給され、2次電池100、100’を安定的に冷却することができる。この時、冷却媒体は空気からなってもよく、それ以外の水など多様な物質からなることができる。
【0042】
隣接する2次電池100、100’の正極端子と負極端子とが互いに交差するように配置された状態で、バスバー(bus bar)135を利用して2次電池100、100’を電気的に接続する。本実施形態による2次電池100は、ケース150が負極端子となり、上部のキャッププレートが正極端子となるが、一つの2次電池100はキャッププレートが上部となるように設けられ、これと隣接する2次電池100’はケースの底が上部となるように設けられる。
【0043】
この状態で、バスバー135を設け、バスバー135をボルト137などを用いて2次電池100、100’に固定することにより、2次電池100、100’が電気的に接続する。
【0044】
このように、本実施形態によれば、支持部材120によって2次電池100、100’がフレーム130内に安定的に位置できるだけでなく、リブ123、124とボディー121によって表面積が増加するので、放熱効率が向上する。
【0045】
また、支持部材120のリブ123、124が外部の衝撃に対する緩衝役割を果たすので、外部の衝撃によって2次電池100が損傷することを防止できる。
【0046】
図4は本発明の第2実施形態による支持部材を示す断面図である。図4を参照して説明すれば、支持部材400は、ケースに密着するボディー410と、ボディー410から突出形成されたリブ420、430とを有する。ボディー410は、一方に隙間450が形成され、ほぼ“C”字状となっている。また、リブ420、430は、支持リブ420と、支持リブ420よりさらに大きい高さで突出した固定リブ430とを有する。
【0047】
このように、ボディー410に隙間450が形成されれば、支持部材400がケースに設けられる過程でボディー410が変形し、ケースに密着できる。したがって、支持部材400は多様な大きさのケースに適用可能となる。
【0048】
図5は、本発明の第3実施形態による支持部材を示す断面図である。図5を参照して説明すれば、本実施形態による支持部材500は、ボディー510と、ボディー510から突出形成されたリブ520とを有する。本実施形態によるボディー510は、2次電池のケースを取り囲む管状からなり、リブ520は横断面の形状が弧(arc)状からなる。これにより、設定された空間でリブ520の突出した長さを最大限に形成し、冷却媒体とリブ520との接触面積を拡大することによって冷却効率が向上する。
【0049】
図6は、本発明の第4実施形態による支持部材がフレームに設けられた状態を示す断面図である。
【0050】
図6に示すように、支持部材620は、第1支持部625と第2支持部626とで構成され、第1支持部625と第2支持部626とは分離配置され、対称形状をなす。
【0051】
支持部材620は、フレーム610に形成されたホール615に嵌合されて設けられ、第1支持部625および第2支持部626は、横断面がほぼ半円状の曲面であり、外面に突出したリブ621、623が形成される。リブ621、623は、フレーム610に形成されたホール615に密着したリブ621と、支持リブ621よりさらに長く形成され、ホール615に形成された固定溝615aに嵌合された固定リブ623とを有する。
【0052】
固定リブ623の端部には、固定リブ623の側方向に突出した固定突起623aをさらに有し、固定突起623aはホール615に形成された固定溝615aに嵌合される。固定突起623aは、支持部625、626が正確な位置に設けられるようにし、ケース630に対して動くことを防止する。
【0053】
本実施形態のように、支持部材620が分離形成された第1支持部625と第2支持部626とで構成されれば、多様な大きさを有する2次電池のケース630に支持部材620を容易に設置することができる。また、ケース630の大きさが異なっても曲面になっている第1支持部625および第2支持部626が弾性変形してケース630に密着することにより、ケース630から支持部材620に熱を速かに伝達できる。
【0054】
一方、図7は本発明の第5実施形態による支持部材を示す斜視図であり、図8は図7に示された支持部材がフレーム内に設けられた状態を示す断面図である。
【0055】
図7および図8を参照して説明すれば、本実施形態による支持部材710は、2次電池のケースに密着するボディー712と、ボディー712から外側に突出したリブ715とを有する。
【0056】
本実施形態によるリブ715は、冷却媒体の流動方向に進行するほど突出した高さが高くなる。つまり、リブ715は、冷却媒体の入口側に形成された第1端部715aが、冷却媒体の出口側に形成された第2端部715bよりさらに小さく形成される。
【0057】
このように形成された支持部材710は、均一な横断面を有するフレーム720のホール725に嵌合されて設けられる。入口側の第1端部715aが小さく形成されれば、冷却媒体が流入するとき、ホール725内でリブ715の間の空間が互いに連通する。そのため、一部分のリブ715の間に多量の空気が流入することを防止し、2次電池を均一に冷却することができる。
【0058】
一方、図9は、本発明の第6実施形態による支持部材がフレーム内に設けられた状態を示す縦断面図である。
【0059】
図9を参照して説明すれば、支持部材730は、2次電池のケースに密着するボディー732と、ボディー732から突出形成されたリブ735と、を有する。
【0060】
リブ735は、ボディー732の長さ方向に同一の高さで突出し、フレーム740に形成されたホール745は内面が傾いている。
【0061】
つまり、ホール745は、冷却媒体が流入する入口745aが出口745bよりさらに大きく形成され、入口745aはリブ735の高さよりさらに大きく形成される。より詳しく説明すれば、ホール745の内側壁面は、リブ735の長さ方向に対して所定角度で傾いた傾斜面742と、傾斜面742に連結されてリブ735の長さ方向に平行である扁平面743とを有する。また、リブ735と傾斜面742との間の空間は、出口745b側より入口745a側でさらに大きい。垂直面743はリブ735と相接して支持部材730が揺れないように安定的に固定する。
【0062】
このように、ホール745の内側壁面が傾いて形成されれば、冷却媒体の入口745a側からリブ735の間の空間が互いに連通して一部のリブ735の間に多量の空気が流入することを防止し、2次電池を均一に冷却することができる。
【0063】
図10A〜図10Cは、従来の電池モジュールの放熱特性を示すグラフであり、図11A〜図11Cは本発明の第1実施形態による電池モジュールの放熱特性を示すグラフである。
【0064】
図10は、従来の円筒形2次電池をフレームに挿入した後、充電と放電によって内部で発生した熱をフレームと2次電池との間の空間に供給して冷却した場合、2次電池周辺の温度、圧力、冷却媒体の速度の分布を表している。
【0065】
図11は、本発明の第1実施形態による支持部材を有する2次電池をフレームに挿入した後、充電と放電によって発生した熱を支持部材とフレームとの間に供給して冷却した場合、2次電池周辺の温度、圧力、冷却媒体の速度の分布を表している。
【0066】
図10Aと図11Aは、それぞれの場合の温度分布を示している。これらを比較すると、従来の電池モジュール周辺の温度は、熱伝達が正常に行われないため相対的に低い温度の空色を現わしていることが分かる。しかし、第1実施形態による電池モジュール周辺の温度は、熱伝達が活発に行われて相対的に高い温度の黄色と緑色を現していることが分かる。つまり、第1実施形態による電池モジュールで熱伝達がさらに活発に行われ、放熱効率が向上した。図10A及び図11Aにおいて、Temperature[K]は、温度(華氏)を表す。
【0067】
図10Bと図11Bは、それぞれの場合の圧力分布を示している。これらを比較すると、従来の電池モジュールは、入口側で圧力が急激に低くなって全体的に空色を現しており、第1実施形態による電池モジュールは、圧力降下が徐々に行われて緑色の範囲が広く現れることが分かる。つまり、第1実施形態による電池モジュールは、圧力の分布が緩やかで冷却媒体が容易に流入している状態であることがわかる。図10B及び図11Bにおいて、Pressure[Pa]は、圧力(パスカル)を表す。
【0068】
図10Cと図11Cは、それぞれの場合の冷却媒体の速度分布を示している。これらを比較すると、従来の電池モジュールは、2次電池から遠い側で相対的に速度の高い赤色を現している。2次電池から遠い側で冷却媒体の速度が高ければ、冷却媒体と2次電池とが正常に接することができず、冷却効率が低下する。図10C及び図11Cにおいて、Velocity[m/s]は、秒速(メートル)を表す。
【0069】
しかし、第1実施形態による電池モジュールは、リブが位置する中央側で相対的に速度の高い赤色を現している。したがって、リブと冷却媒体とが広い面積で接し、冷却効率が向上する。
【0070】
上述の通り、本発明による支持部材を設けることにより、冷却効率が従来に比べて顕著に向上した。
【0071】
なお、限定されるものではないが、上述した本実施形態に係るリブは、3個以上形成されることが好ましく、この場合、支持部材のボディーに等間隔で形成されることができる。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるわけではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変更実施することができ、これらも本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0073】
100 2次電池
120 支持部材
121 ボディー
123 支持リブ
124 固定リブ
130 フレーム
131 ホール
150 ケース
152 熱伝導性接着剤層
200 電池モジュール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンの移動により充電と放電とを繰り返す電極群と、
前記電極群が内蔵される空間を有するケースと、
前記ケースを取り囲み、外面に複数個のリブが形成された支持部材と、
を有することを特徴とする、2次電池。
【請求項2】
前記ケースと前記支持部材との間には、熱伝導性接着層が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の2次電池。
【請求項3】
前記支持部材は、
前記ケースに密着するボディーと、
前記ボディーの長さ方向に延設されたリブと、
を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の2次電池。
【請求項4】
前記ボディーは管状であることを特徴とする、請求項3に記載の2次電池。
【請求項5】
前記リブの高さが長さ方向に沿って変化することを特徴とする、請求項3又は4に記載の2次電池。
【請求項6】
前記支持部材は、前記リブとして、
支持リブと、
前記支持リブより高く形成された固定リブと、
を有することを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の2次電池。
【請求項7】
前記ボディーは、長さ方向に沿って一部が開放された構造を有することを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載の2次電池。
【請求項8】
前記支持部材の表面には陽極酸化皮膜が形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の2次電池。
【請求項9】
複数個の2次電池と、
前記2次電池が嵌合されるフレームと、を有し、
前記2次電池は、ケースと、前記ケースの外面に密着した支持部材と、を有し、
前記支持部材は、前記2次電池を取り囲むボディーと、前記ボディーから外側に突出したリブと、を有することを特徴とする、電池モジュール。
【請求項10】
前記ボディーは管状であることを特徴とする、請求項9に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記ケースと前記ボディーとの間には熱伝導性接着層が形成されることを特徴とする、請求項9又は10に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記支持部材は、前記リブとして、
支持リブと、
前記支持リブより高く形成される固定リブと、
を有することを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記固定リブには固定部材が形成されることを特徴とする、請求項12に記載の電池モジュール。
【請求項14】
前記フレームには固定溝が形成され、
前記固定部材が前記固定溝に嵌合されることを特徴とする、請求項13に記載の電池モジュール。
【請求項15】
前記ボディーは、長さ方向に沿って一部が開放された構造を有することを特徴とする、請求項9〜14のいずれかに記載の電池モジュール。
【請求項16】
前記支持部材の表面には陽極酸化皮膜が形成されることを特徴とする、請求項9〜15のいずれかに記載の電池モジュール。
【請求項17】
前記リブの高さは、冷却媒体の流入側と流出側とにおいて互いに異なることを特徴とする、請求項9〜16のいずれかに記載の電池モジュール。
【請求項18】
前記リブの高さは、冷却媒体の流入側から流出側に向かうほど高くなることを特徴とする、請求項17に記載の電池モジュール。
【請求項19】
前記フレームには2次電池が嵌合されるホールが形成され、
前記ホールの断面積は、冷却媒体の流入側から流出側に向かいながら変化することを特徴とする、請求項9〜18のいずれかに記載の電池モジュール。
【請求項20】
前記ホールの断面積は、冷却媒体の流入側から流出側に向かうほど小さくなることを特徴とする、請求項19に記載の電池モジュール。
【請求項21】
前記ホール内で前記リブの間の空間は互いに連通されることを特徴とする、請求項20に記載の電池モジュール。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【公開番号】特開2010−92860(P2010−92860A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234170(P2009−234170)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】