説明

2眼式画像表示装置

【課題】観察者が融像領域を快適に観察し、違和感の少ない2眼式画像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る2眼式画像表示装置は、観察者の左右の眼球それぞれに対応した2つの画像表示素子と、画像表示素子の原画像を観察者の左右の眼球に投影する左眼用、右眼用の2つの観察光学系を備えた2眼式画像表示装置において、左眼用、右眼用の観察光学系において、一方の眼球に投影される観察像は、他方の眼球に投影される観察像の一部とオーバーラップした融像領域と、融像領域以外の単眼領域を有するとともに、観察者視軸に対して水平方向の内側の解像力は、外側の解像力よりも高く設定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察者の両眼それぞれに画像表示素子と観察光学系を備えた2眼式画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小型画像表示素子を用い、これらの表示素子の原画像を観察光学系によって拡大して観察者に呈示する頭部装着型の画像表示装置が知られている。この頭部装着型の画像表示装置は、装置を頭部に装着するため、装置全体の小型化、軽量化が要望されている。また呈示する画像に高い臨場感を持たせるには、表示素子の原画像を出来るだけ広画角に呈示すると共に、高解像度で表現できる光学系が求められる。このような要求を満たすための手段として、左右の画像表示素子の画像の一部で重なり、映像を立体観察できるようにしたものが提案されている。
【0003】
特許文献1には、左眼用画像表示素子及び右眼用画像表示素子と、前記画像表示素子によって形成された映像をそれぞれ観察者の左眼及び右眼に導くための接眼光学系とを有する視覚表示装置において、前記左眼用画像表示素子が表示する映像が前記右眼用画像表示素子が表示する映像に対して左側にシフトするように形成されているか、又は、前記右眼用画像表示素子が表示する映像が前記左眼用画像表示素子が表示する映像に対して右側にシフトするように形成されているか、の少なくとも何れか一方の構成を有することにより、前記接眼光学系により空中に投影された前記左右両眼用の画像表示素子による映像の虚像が、少なくとも一部で重なり、前記映像を立体観察できるようにした視覚表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−38246号公報
【特許文献2】特開平6−38218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される視覚表示装置では、立体視する左右眼の融像領域の右端は、右眼の接眼光学系の最外周の領域の光束と、左眼の接眼光学系の略中心領域の光束が重なり合うことになる。その場合、光学系は画角の違いによって収差の状態が異なるため、右眼と左眼で観察する画像に解像の差が生じる。また、観察像の解像の差が大きい場合には視野闘争を起こすこともあり、安定して立体観察を行うことが困難になることがある。
【0006】
本発明の課題は、左右の眼球に投影する観察像の一部がオーバーラップした融像領域であり、それ以外が単眼領域として表示するように観察光学系を設定した場合に、融像領域である左右眼で観察する場合に、左右眼に呈示される拡大された画像の解像度の違いを小さくすることで、観察者が融像領域を快適に観察し、違和感の少ない2眼式画像表示装置を提供するところにある。
【0007】
さらに、左右の眼球に投影する観察像の一部がオーバーラップし、それ以外が単眼領域として表示するように観察光学系を設定することによって、観察者が両眼で観察する場合に、単眼で呈示する観察像よりも、広い画角で観察することが可能となる2眼式画像表示装置を提供するところある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するため、本発明に係る2眼式画像表示装置は、
観察者の左右の眼球それぞれに対応した2つの画像表示素子と、
前記画像表示素子の原画像を前記観察者の左右の眼球に投影する左眼用、右眼用の2つの観察光学系を備えた2眼式画像表示装置において、
前記左眼用、右眼用の観察光学系において、一方の眼球に投影される観察像は、他方の眼球に投影される観察像の一部とオーバーラップした融像領域と、前記融像領域以外の単眼領域を有するとともに、観察者視軸に対して水平方向の内側の解像力は、外側の解像力よりも高く設定されていることを特徴とする。
【0009】
上記の構成の観察光学系とすることで、両眼で同じ画像を観察する、または、視差画像のような異なる画像を観察する融像領域の注視領域において、左眼の観察像と右眼の観察像の観察光学系の光学性能の差が小さくなり、特に、光学系の性能の差が生じやすい融像領域の水平方向の端部において観察画像の解像力の差が小さくなる。そのため観察者は融像しやすくなり、観察者の身体への負担を低減することができる。また、左右眼の単眼領域の画像は観察像における外側の周辺画像となり、観察者が注視することは少ないため、解像力がある程度低くても実際の観察において問題にならない。
【0010】
また、観察光学系の表示画面の一部を融像領域とし、それ以外を単眼領域とすることで、観察者は両眼で観察して認識する画像は、融像領域と左右の単眼領域の和となるため、実効的に単眼の水平画角よりも広い観察画角として認識される。
【0011】
以下に本発明の原理を詳しく説明する。
図1〜図3は、従来の2眼式画像表示装置の構成を模式的に示した図である。各図において、各符号の添字aは右眼用、bは左眼用であることを示している。観察者1の右眼球2a、左眼球2bの前方には、それぞれ右眼用の画像表示素子5aと右眼用観察光学系3a、左眼用の画像表示素子5bと左眼用の観察光学系3bが配備されている。
【0012】
図1に示されるように、上記右眼球2a、右眼球2bに配備されたそれぞれの観察光学系3a、3bの後側焦点位置近傍に左右の画像表示素子5a、5bが設置されるため、観察者には、画像表示素子5a、5bに表示された原画像が拡大投影された虚像として認識される。
【0013】
2眼式画像表示装置で観察される画像は、図4に示すように、水平方向において左眼に対しては右側にシフトし、右眼に対しては左側にシフトして表示されるように、観察光学系の配置と画像表示素子の原画像が設定される。
【0014】
画像をシフトする手段としては、図2に示すように観察光学系3a、3bの光軸に対して、画像表示素子の中心位置を外側にずらす、または、画像表示素子に表示する原画像の中心位置を表示画面内で外側にずらす方法がある。
【0015】
また、他の画像をシフトする手段としては、図3に示すように、観察光学系と画像表示素子の相対位置関係は変えず、観察者視軸101a、101bに対して観察光学系3a、3bの光軸(軸上主光線)を外側に回転させ、さらに、画像表示素子5a、5bに表示する原画像を上記回転した分だけ水平にずらし、観察者視軸101a、101bに対応する原画像の位置を画像中心にし、内側画像は融像領域とし、外側画像は内側の融像領域に相当する画角までを融像領域とし、その外側は単眼観察領域とする方法がある。
【0016】
以上のような手段を用いて図4のような観察画面を形成する場合、融像領域の左側端部
(A部)は、左眼用観察光学系の水平像高は略ゼロ、つまり光学系の中心(軸上)を観察することとなる。一方、右眼用光学系の水平像高は内側の最外周位置を観察することとなる。
【0017】
一般的に光学系は、中心位置の性能(解像)が良く、外側になるにしたがって性能は劣化する特性を有する。このような特性を2眼式画像表示装置の観察光学系として用いて、融像領域の左側端部を観察する場合、左眼の観察光学系の性能は最高の位置となるが、右眼の観察光学系の性能は最外周の劣化した位置であって左右眼で観察像の解像力が異なる。このような観察光学系では、特に左右眼で得られる観察像の解像が低いと、観察者は融像することが困難になる。或いは左右の画像が視差画像等の3D映像であった場合、立体視が困難となる。
【0018】
本発明では、右眼(左眼)の観察光学系において左側(右側)の光学性能を高く設定することで、融像領域の左側(右側)端部の観察時において、左右眼の観察像の解像力の差を抑え、観察者に対し融像または立体視を容易にすることを可能としている。
【0019】
本発明の観察光学系では、光学系の水平方向の左右の違いによって光学性能を異ならせている。例えば、左眼用の観察光学系では、設計時において左側の光学性能(収差補正の程度)を高く設定し、右側の光学性能を低く設定することで、通常の収差補正を行うときの左右を均等に補正するよりも、左側のみ収差補正能力を上げて、性能を向上させることが可能である。
【0020】
このような観察光学系を、図1〜図3で説明した従来の観察光学系に適用した場合、右眼用の2次元画像表示素子5aには右側へシフトした視野像51aが、また、左眼用の2次元画像表示素子5bには左側へシフトした視野像51bが表示される。観察者は、融像領域においては、高い解像力を有するため、疲労感を感じずに両眼観察による高解像力の映像を観察できる。
【0021】
このように、本発明に係る2眼式画像表示装置によれば、両眼観察画角が単眼画角よりも大きく、広い画面を観察者に呈示することができ、また、両眼観察領域の融像がしやすい観察者への負担の少ない2眼式画像表示装置を提供することができる。
【0022】
さらに本発明に係る2眼式画像表示装置において、前記左眼用、右眼用の各観察光学系は、画像表示素子の原画像の中間像を形成するリレー光学系と、その中間像を虚像として投影する接眼光学系を有することを特徴とする。
【0023】
図5には、2眼式画像表示装置について右眼用の構成が示されている。構成の詳細については後で説明することとなるが、本発明の2眼式画像表示装置において、観察者の各眼球前方に配置される観察光学系は、観察者眼球2(この場合、右眼)の前方に配置される接眼光学系30と、観察者に対して水平方向外側(右耳側)に配置されるリレー光学系40(自由曲面プリズム)を有して構成される。以下、観察光学系についての説明はこの図5を参照して説明を行う。
【0024】
リレー光学系を用いて1次像を形成し、接眼光学系でその1次像を眼球に導く場合には、リレー光学系を備えていない場合と比較して、リレー光学系により小さな表示素子を中間結像面に大きく拡大することで、見かけ上大きな表示面を接眼光学系に用いたものと等価になる。したがって、小さな表示素子であっても広い観察画角を得ることが可能となる。
【0025】
このようなリレー光学系と接眼光学系にて構成された観察光学系において、以下の構成
を有することがさらに好ましい。
【0026】
本発明に係る観察光学系について、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
0.2 ≦ θru/θrl ≦ 0.9 ・・・(1)
ただし、
θru:逆光線追跡において、内側主光線のリレー光学系における最初の反射面に対する入射角、
θrl:逆光線追跡において、外側主光線のリレー光学系における最初の反射面に対する入射角、である。
【0027】
以下の説明においては、光学系の射出瞳(観察者眼球)より射出して画像表示面に至る逆光線追跡によって行う。
【0028】
一般に、偏心したパワーを有する面に対して、入射角が大きくなるほどその面で発生する偏心収差、特にコマ収差が大きくなる傾向にある。リレー光学系であるプリズムに入射した後の最初の反射面に対する入射角が内側では小さく、外側では大きい角度になると、その偏心した反射面で発生する偏心収差は外側のほうが大きく発生する。したがって、条件式(1)を満足することは、内側の結像性能が高くする上で好ましい。
【0029】
下限0.2を超えて小さくなると、上側と下側主光線のリレー光学系における入射角の差が大きくなりすぎ、下側光線の入射角が大きくなり、補正しきれないほどの偏心収差が発生する。上限0.9を超えて大きくなると、十分な画角を確保することが困難となる。
【0030】
さらに本発明に係る観察光学系について、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
0.5 ≦ NAl/NAu ≦ 0.95 ・・・(2)
ただし、
NAu:逆光線追跡において、リレー光学系の内側光束の像側開口数、
NAl:逆光線追跡において、リレー光学系の外側光束の像側開口数、である。
【0031】
射出瞳から射出した光の接眼光学系における各反射点おいて、内側光線は瞳から近い位置で反射するため、軸上光線と比較して短い距離で反射する。したがって、内側画面の光束は、相対的に1次像からリレー光学系までの距離が長くなるため、リレー光学系に入射する時点で光束は太い光束となる。逆に、外側画面の光線は瞳から遠い位置で反射し、リレー光学系に近い位置で1次像を形成するため、リレー光学系に入射する時点での光束は相対的に細くなる。したがって、リレー光学系において、内側光束の開口数に対して、外側光束の開口数を小さくすることで、内側光線の解像力を高くすることに対して有用となる。
【0032】
下限0.5を超えて小さくなると、内側と外側主光線のリレー光学系における開口数の差が大きくなりすぎ、外側光線の開口数が極端に小さくなるため十分な解像力が得られない。上限0.95を超えて大きくなると、内側より外側の開口数が大きくなるため、内側の解像力を高くすることが困難になる。
【0033】
本発明に係る接眼光学系について、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.1 ≦ Dyu/Lm < 0.5 ・・・(3)
ただし、
観察者視軸に直交し観察者における水平方向をY方向とする場合、
Dyu:観察者視軸から接眼光学系の内側の最外光線との交点までのY方向の距離
Lm :接眼光学系の内側最大画角と外側の最外光線との交点までのY方向の距離、で
ある。
【0034】
光学系の射出瞳位置に対して接眼光学系は、Y軸方向においてマイナス方向に長いことが重要となる。射出瞳位置すなわち軸上主光線が接眼光学系である凹面鏡のY軸方向の中心近傍に位置した場合には、軸上光線は観察者眼球方向に反射し、光線を斜め下に反射屈曲させることができない。そのため、リレー光学系と観察者顔面が干渉し、リレー光学系を配備することが困難になる。
【0035】
下限0.1を超えて小さくなると、内側光線の凹面鏡での反射領域が小さくなり、それに伴って射出瞳から反射面までの距離が短くなり、接眼光学系と観察者顔面が干渉してしまう。上限0.5を超えて大きくなると、Y軸方向において接眼光学系の中心位置よりも下側に射出瞳が位置するため、軸上光線が観察者顔面に戻り、リレー光学系を配置できない。
【0036】
さらに、下側の軸外光線を斜め下側に反射し、かつ、できるだけ接眼光学系に近い位置で1次像を形成するには、接眼光学系の下側の正のパワーを大きく(強く)することが望ましい。下側光線の一次像位置が接眼光学系から離れすぎると上側光線に比べてリレー光学系に入射する光束の大きさが小さくなり、リレー光学系における実効的なNAが小さくなりすぎるため、十分な解像力を得ることが困難になるためである。そのためには、外側光線により形成される中間像は凹面鏡の最も離れた位置よりもY方向に下側に位置し、かつZ方向には接眼光学系とリレー光学系の間に位置することが望ましい。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、左右一方の眼球に投影する観察像の一部が他の眼球に投影する観察像とオーバーラップした融像領域を左右眼で観察する場合に、左右眼に呈示される拡大された画像の解像度の違いを小さくすることで、観察者が融像領域を快適に観察し、違和感の少ない2眼式画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】2眼式画像表示装置の構成を示す模式図
【図2】2眼式画像表示装置において画像をシフトさせる構成を示す模式図
【図3】2眼式画像表示装置において画像をシフトさせる他の構成を示す模式図
【図4】2眼式画像表示装置で観察される画像形成の様子を説明する図
【図5】本発明の実施形態(実施例1)に係る2眼式画像表示装置(片眼)を示す図
【図6】本発明の実施形態(実施例1)のスポットダイアグラムを示す図
【図7】図6のスポットダイアグラムにおける観察ポイントを示す図
【図8】本発明の実施形態(実施例2)に係る2眼式画像表示装置(両眼)を示す図
【図9】本発明の2眼式画像表示装置を装着したときの様子を示す図
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の2眼式画像表示装置について実施例1、実施例2を用いて説明する。後述する数値実施例においては、図5、図8に示すように、逆光線追跡で、軸上主光線102を、接眼光学系の射出瞳21の中心を通り、像面(画像表示素子)5の中心に到る光線で定義している。
【0040】
各実施例においては、軸上主光線(観察者視軸)102の進行方向に沿った方向をZ軸正方向とし、このZ軸と像面中心を含む平面をY−Z平面とし、原点を通りY−Z平面に直交し、紙面の手前から裏面側に向かう方向をX軸正方向とし、X軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をY軸とする。
【0041】
各実施例では、このY−Z平面内で各面の偏心を行っており、また、各回転非対称自由曲面の唯一の対称面をY−Z面としている。偏心面については、対応する座標系の原点から、その面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX、Y、Z)と、その面の中心軸(自由曲面については、前記(a)式のZ軸)のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする傾き角(それぞれα、β、γ(°))とが与えられている。なお、その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。
【0042】
また、各実施例の光学系を構成する光学作用面の中、特定の面(仮想面を含む)とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合に、面間隔が与えられており、その他、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
【0043】
また、本発明で用いられる自由曲面の面の形状は次式(a)式により定義し、その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
Z=cr2 /[1+√{1−(1+k)c22 }]
65
+Σ Cj Xmn ・・・(a)
j=2
ここで、(a)式の第1項は球面項、第2項は自由曲面項である。
【0044】
球面項中、
R:頂点の曲率半径
k:コーニック定数(円錐定数)
r=√(X2 +Y2
である。
【0045】
自由曲面項は、
66
Σ Cj Xmn
j=2
=C1
+C2 X+C3 Y
+C4 X2 +C5 XY+C6 Y2
+C7 X3 +C8 X2 Y+C9 XY2 +C10Y3
+C11X4 +C12X3 Y+C13X22 +C14XY3 +C15Y4
+C16X5 +C17X4 Y+C18X32 +C19X23 +C20XY4
+C21Y5
+C22X6 +C23X5 Y+C24X42 +C25X33 +C26X24
+C27XY5 +C28Y6
+C29X7 +C30X6 Y+C31X52 +C32X43 +C33X34
+C34X25 +C35XY6 +C36Y7
・・・・・・
ただし、Cj (jは2以上の整数)は係数である。
【0046】
上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、Y−Z面共に対称面を持つことはないが、本発明ではXの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。例えば、上記定義式(a)においては、C2、C5、C7、C9、C12、C14、C16、C18、C20、C23、C25、C27、C29、C31、C33、C35・・・の各項の係数を0にすることによって可能である。
【0047】
また、Yの奇数次項を全て0にすることによって、X−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。例えば、上記定義式においては、C3、C5、C8、C10、C12
、C14、C17、C19、C21、C23、C25、C27、C30、C32、C34、C36・・・の各項の係数を0にすることによって可能である。
【0048】
また、上記対称面の方向の何れか一方を対称面とし、それに対応する方向の偏心、例えば、Y−Z面と平行な対称面に対して光学系の偏心方向はY軸方向に、X−Z面と平行な対称面に対しては光学系の偏心方向はX軸方向にすることで、偏心により発生する回転非対称な収差を効果的に補正しながら同時に製作性をも向上させることが可能となる。
【0049】
また、上記定義式(a)は、前述のように1つの例として示したものであり、本発明の自由曲面は、対称面を1面のみ有する回転非対称な面を用いることで偏心により発生する回転非対称な収差を補正し、同時に製作性も向上させるということが特徴であり、他のいかなる定義式に対しても同じ効果が得られることはいうまでもない。
【0050】
また、非球面は、以下の定義式(b)で与えられる回転対称非球面である。
Z=(Y2/R)/[1+{1−(1+k)Y2/R21/2
+aY4+bY6+cY8+dY10+・・・
…(b)
ただし、Zを光の進行方向を正とした光軸(軸上主光線)とし、Yを光軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、kは円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
【0051】
なお、データの記載されていない自由曲面に関する項は0である。屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。
【0052】
実施例1、実施例2の光軸を含むY−Z断面図をそれぞれ図5、図8に示す。
【0053】
(実施例1)
図5には、実施例1の2眼式画像表示装置の片眼(右眼)について、画像表示素子5と、接眼光学系30とリレー光学系40にて構成される観察光学系が示されている。
【0054】
リレー光学系40は、各面に面対称自由曲面を用いた自由曲面プリズムであって、3つの光学面41〜43からなるとともに、3つの面41〜43の間は屈折率が1より大きい透明媒質で埋められている。
【0055】
接眼光学系30は、凹面透過面31と凹面反射面32とを有する裏面鏡で構成されており、凹面透過面31と凹面反射面32の間は、屈折率が1より大きい透明媒質で埋められている。
【0056】
逆光線追跡で、射出瞳21を通る軸上主光線102は、接眼光学系30の凹面透過面31から入射して、凹面反射面32で反射され、再び凹面透過面31にて透過され、次にリレー光学系40(自由曲面プリズム)の透過面である第3面43に入射してリレー光学系40内に入り、内部反射面として作用する第1面41で反射され、次に反射面の第2面42で反射され、その反射光線は透過作用を有する領域の第1面41を透過してリレー光学系40から射出して、像面の位置に配置された画像表示素子5の表示面に到達して結像する。
【0057】
ここで、第1面41は、第3面43から入射した光線に対しては、第1面41に対する
入射角が臨界角以上の場合、その領域では全反射を起こして反射する。第1面41に対する入射角が臨界角より小さい場合には、その領域にはアルミニウムなどの反射膜のコーティングが施される。また、この反射コーティングが施された領域は、画像表示素子5へ射出する領域と重ならないようにすることが肝要となる。
【0058】
この実施例1の場合は、リレー光学系40中の第3面43と接眼光学系30の凹面透過面31の間に湾曲した中間像面102が形成されている。
【0059】
以上、逆光線追跡で説明したが実際には、画像表示素子5から射出された表示光は上記の光路を逆に辿り、射出瞳21の位置に瞳孔が位置する観察者の眼球内に拡大投影される。この実施例1の接眼光学系30は、2面が回転対称非球面形状で構成された曲面鏡であり、水平画角80度、垂直画角61.4度、瞳径はφ10.0mmである。
【0060】
図6には、実施例1において接眼光学系30とリレー光学系で構成される観察光学系のスポットダイアグラムが示されている。また、図7には図6のスポットダイアグラムにおける観察ポイントが示されている。
【0061】
このスポットダイアグラムは、右眼用の観察光学系を想定しており、その観察画面内の観察ポイント毎の結像性能を示している。通常、LCD等の小型画像表示素子を用いて観察する場合の人間の瞳孔径は約4mmといわれているため、この計算において射出瞳径を4mmとしている。画面中心を丸1、右側を丸2、右上を丸3、上側を丸4、左上を丸5、左
側を丸6としている。それぞれのスポットダイアグラムの分布図の右側には、スポットダイアグラムの大きさを定量的に表すRMS(二乗平均平方根)の値を示している(単位はmm)。
【0062】
このスポットダイアグラムから分かるように、中心より左側のポイントではスポットダイアグラムは小さく、右側は大きくなっている。つまり、本実施形態において、右眼用の観察光学系の結像性能は、観察画面の外側になる右側よりも、内側になる左側の解像力が高くなっていることがわかる。
【0063】
(実施例2)
図8には、実施例2の2眼式画像表示装置(両眼)が示されている。図中、各符号の添字aは右眼用、bは左眼用であることを示している。左右の構成は対象に配置される点において異なるのみであるため、以下の説明ではこの添字a、bは省略して説明する。
【0064】
リレー光学系40は、各面に面対称自由曲面を用いた自由曲面プリズムであって、4つの光学面41〜44からなるとともに、4つの面41〜44の間は屈折率が1より大きい透明媒質で埋められている。
【0065】
接眼光学系30は、凹面透過面31と凹面反射面32とを有する裏面鏡で構成されており、凹面透過面31と凹面反射面32の間は、屈折率が1より大きい透明媒質で埋められている。
【0066】
逆光線追跡で、射出瞳21を通る軸上主光線102は、接眼光学系30の凹面透過面31から入射して、凹面反射面32で反射され、再び凹面透過面31にて透過され、次に自由曲面プリズム40の透過面である第4面44に入射してリレー光学系40内に入り、反射面である第3面43で反射され、次に反射面の第2面42で反射され、その反射光線は透過作用のみを有する第1面41を透過してリレー光学系40から射出して、像面の位置に配置された画像表示素子5の表示面に到達して結像する。
【0067】
この実施例2の場合は、リレー光学系40中の第4面44と接眼光学系30の凹面透過面31の間に湾曲した中間像面102が形成されている。
【0068】
以上、逆光線追跡で説明したが、実際には画像表示素子5から射出された表示光は上記の光路を逆に辿り、射出瞳21の位置に瞳が位置する観察者の眼球内に拡大投影される。この実施例2の接眼光学系30の凹面透過面31及び凹面反射面32は、自由曲面形状の曲面であり、水平画角75度、垂直画角60度、瞳径はφ12.0mmである。
【0069】
以下に上記実施例1、実施例2についての数値実施例を示す。これら数値実施例において“FFS”は自由曲面を示す。なお、記号“e”は、それに続く数値が10を底にもつ、べき指数であることを示している。例えば「1.0e−5」は「1.0×10-5」であることを意味している。
【0070】
(実施例1)lensdata: tk1011
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ -1000.00
1 ∞(ダミー面)
2 ∞(絞り面) 偏心(1)
3 非球面[1] 偏心(2) 1.5254 56.2
4 非球面[2] 偏心(3) 1.5254 56.2
5 非球面[1] 偏心(2)
6 FFS[1] 偏心(4) 1.5254 56.2
7 FFS[2] 偏心(5) 1.5254 56.2
8 FFS[3] 偏心(6) 1.5254 56.2
9 FFS[2] 偏心(5)
像 面 ∞ 偏心(7)

非球面[1]
曲率半径 -5085.27
k -2.0000e+001
a -5.8547e-007 b 7.5509e-011 c -1.3404e-014
d 6.3895e-019

非球面[2]
曲率半径 -93.42
k -9.9037e-001
a -6.9085e-008 b -1.2934e-011 c 1.0193e-015

FFS[1]
C4 6.6738e-004 C6 -2.9348e-002 C8 -1.6156e-003
C10 5.2387e-004 C11 5.3526e-005 C13 1.4489e-004
C15 -3.5693e-005 C17 -7.2235e-006 C19 -7.2233e-006
C21 1.3213e-006 C22 5.7673e-008 C24 3.4187e-007
C26 1.8076e-007 C28 -1.9294e-008

FFS[2]
C4 -1.3530e-002 C6 -8.0554e-003 C8 -5.9789e-005
C10 1.3591e-004 C11 -1.4512e-006 C13 1.0054e-005
C15 -5.2629e-006 C17 -7.6055e-007 C19 -6.6668e-007
C21 9.3638e-008 C22 2.3561e-008 C24 2.1529e-008
C26 1.2080e-008 C28 -1.8670e-009

FFS[3]
C4 -1.4268e-002 C6 -1.3842e-002 C8 -7.3176e-005
C10 -1.3128e-004 C11 -3.4272e-006 C13 -5.0372e-006
C15 -5.1144e-006 C17 -7.9111e-008 C19 -7.7326e-008
C21 -8.2669e-008 C22 -2.1506e-010 C24 -3.1947e-009
C26 -2.4947e-009 C28 -1.2333e-009

偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00

偏心[2]
X 0.00 Y 17.67 Z 32.61
α 10.83 β 0.00 γ 0.00

偏心[3]
X 0.00 Y -44.02 Z 58.26
α -9.18 β 0.00 γ 0.00

偏心[4]
X 0.00 Y -66.70 Z -8.74
α 36.97 β 0.00 γ 0.00

偏心[5]
X 0.00 Y -74.59 Z -19.29
α 91.77 β 0.00 γ 0.00

偏心[6]
X 0.00 Y -72.89 Z -51.44
α 143.41 β 0.00 γ 0.00

偏心[7]
X 0.00 Y -96.07 Z -33.09
α 101.46 β 0.00 γ 0.00
【0071】
(実施例2)
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ -1000.00
1 ∞(ダミー面)
2 ∞(絞り面) 偏心(1)
3 FFS[1] 偏心(2) 1.5163 64.1
4 FFS[2] 偏心(3) 1.5163 64.1
5 FFS[1] 偏心(2)
6 FFS[3] 偏心(4) 1.5254 56.2
7 FFS[4] 偏心(5) 1.5254 56.2
8 FFS[5] 偏心(6) 1.5254 56.2
9 FFS[6] 偏心(7)
像 面 ∞ 偏心(8)

FFS[1]
C4 2.4051e-003 C6 -3.7582e-003 C8 -1.1668e-004
C10 -1.1234e-005 C11 -1.9868e-006 C13 4.3143e-007
C15 2.6867e-007

FFS[2]
C4 -3.6372e-003 C6 -4.1961e-003 C8 -2.1570e-005
C10 -1.3951e-005 C11 -1.2177e-007 C13 -7.3543e-008
C15 5.6758e-008 C17 -9.3065e-009 C19 1.0143e-009
C21 -1.1080e-009 C22 -1.3255e-010 C24 5.9511e-011
C26 -5.6157e-011 C28 4.9171e-013

FFS[3]
C4 5.6030e-003 C6 1.7595e-004 C8 -1.1440e-004
C10 4.1326e-004 C11 -2.2085e-005 C13 3.6836e-005
C15 -9.4143e-007 C17 -9.1115e-007 C19 7.8857e-007
C21 -2.7796e-007 C22 2.3465e-008 C24 2.2439e-008
C26 1.1703e-008 C28 -3.5455e-009

FFS[4]
C4 3.7183e-003 C6 -2.7617e-003 C8 -1.5037e-004
C10 -6.2518e-005 C11 1.0525e-007 C13 -1.8507e-006
C15 -2.7575e-006 C17 4.3074e-009 C19 -8.0815e-008
C21 1.1020e-008 C22 -6.2978e-011 C24 -5.5364e-009
C26 -2.2358e-009 C28 -1.5740e-009

FFS[5]
C4 -6.0590e-003 C6 -8.6494e-003 C8 -3.7663e-005
C10 -4.3932e-005 C11 -4.0548e-009 C13 -8.0788e-007
C15 -1.2556e-006 C17 -1.6284e-008 C19 -1.8109e-008
C21 -2.0809e-008 C22 1.9137e-010 C24 4.2481e-010
C26 -2.5373e-010 C28 -2.9922e-010

FFS[6]
C4 4.0211e-002 C6 -1.5508e-002 C8 -1.3306e-003
C11 -2.3361e-004 C13 -9.6415e-005 C15 3.0810e-004
C17 4.7860e-005 C19 -5.7460e-007 C21 -2.5946e-005
C22 -1.0991e-006 C24 -1.7839e-006 C26 2.6690e-007
C28 6.4371e-007

偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00

偏心[2]
X 0.00 Y -22.05 Z 45.00
α 0.29 β 0.00 γ 0.00

偏心[3]
X 0.00 Y -36.87 Z 66.00
α -3.10 β 0.00 γ 0.00

偏心[4]
X 0.00 Y -45.15 Z -20.72
α 67.37 β 0.00 γ 0.00

偏心[5]
X 0.00 Y -88.89 Z -21.96
α 75.43 β 0.00 γ 0.00

偏心[6]
X 0.00 Y -62.48 Z -51.73
α 142.43 β 0.00 γ 0.00

偏心[7]
X 0.00 Y -75.33 Z 4.34
α 143.19 β 0.00 γ 0.00

偏心[8]
X 0.00 Y -81.46 Z 5.61
α 147.33 β 0.00 γ 0.00
【0072】
実施例1、実施例2において、条件式(1)〜(4)に関する値は次の通りである。
実施例1 実施例2
θru[度] 41.25687 27.31844
θrl[度] 66.12359 54.06171
NAu 0.376773 0.409413
Nal 0.272823 0.230613
Dyu [mm] 34.43749 37.65823
Lm [mm] 81.53408 89.55306
θru/θrl(条件式(1)) 0.623936 0.50532
NAl/NAu (条件式(2)) 0.724104 0.563277
Dyu/Lm (条件式(3)) 0.422369 0.420513
【0073】
以上、説明したような2眼式画像表示装置を観察者に装着することで、両眼で観察できる据え付け型又は頭部装着型の画像表示装置として構成することができる。
【0074】
図9には、観察者が2眼式画像表示装置を装着した場合の様子が示されている。図中、61R、61Lは左右の表示装置本体部であって、各表示装置本体部には、前述の画像表示素子5と観察光学系が格納されている。
【0075】
左右に配置される各表示装置本体部61の支持部材としては、一端を表示装置本体部61に接合し、観察者の側頭部を渡るように延在する前フレーム62、後フレーム63と、後フレーム63の他端に挟まれるように自らの両端を一方ずつ接合し、観察者の頭頂部を支持する頭頂フレーム64とから構成されている。両眼前方に保持される表示装置本体部61R、61Lをそれぞれ、前方フレーム62、後フレーム63を介して頭頂フレーム64にて支持することで、観察者に対して固定配置している。
【0076】
前フレーム62における上記の後フレーム63との接合近傍には、弾性体からなり例えば金属板バネ等で構成されたリヤプレート65が接合されている。このリヤプレート65は、上記支持部材の一翼を担うリヤカバー66が観察者の後頭部から首のつけねにかかる部分で耳の後方に位置して支持可能となるように接合されている。リヤプレート65又はリヤカバー66内に観察者の耳に対応する位置にスピーカー69が取り付けられている。
【0077】
映像・音声信号等を外部から送信するためのケーブル71が表示装置本体部61から、頭頂フレーム64、後フレーム63、前フレーム62、リヤプレート65の内部を介してリヤプレート65あるいはリヤカバー66の後端部より外部に突出している。そして、このケーブル71はビデオ再生装置70に接続されている。なお、図中、70aはビデオ再生装置70のスイッチやボリュウム調整部である。
【0078】
なお、ケーブル71は先端をジャックして、既存のビデオデッキ等に取り付け可能としてもよい。さらに、TV電波受信用チューナーに接続してTV鑑賞用としてもよいし、コンピュータに接続してコンピュータグラフィックスの映像や、コンピュータからのメッセージ映像等を受信するようにしてもよい。また、邪魔なコードを排斥するために、アンテナを接続して外部からの信号を電波によって受信するようにしても構わない。このような2眼式画像表示装置にて、それぞれ右眼用、左眼用として作成された映像を表示させることで、観察者に立体映像を提供することが可能となる。
【0079】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0080】
1…観察者
2…観察者眼球
3…観察光学系
30…接眼光学系
31…凹面透過面
32…凹面反射面
40…リレー光学系(自由曲面プリズム)
41…第1面
42…第2面
43…第3面
44…第4面
5…画像表示素子
51…視野像
61…本体
62…前フレーム
63…後フレーム
64…頭頂フレーム
65…リヤプレート
66…リヤカバー
70…ビデオ再生装置
71…ケーブル
101…観察者視軸
102…軸上主光線
103…中間像面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察者の左右の眼球それぞれに対応した2つの画像表示素子と、
前記画像表示素子の原画像を前記観察者の左右の眼球に投影する左眼用、右眼用の2つの観察光学系を備えた2眼式画像表示装置において、
前記左眼用、右眼用の観察光学系において、一方の眼球に投影される観察像は、他方の眼球に投影される観察像の一部とオーバーラップした融像領域と、前記融像領域以外の単眼領域を有するとともに、観察者視軸に対して水平方向の内側の解像力は、外側の解像力よりも高く設定されていることを特徴とする
2眼式画像表示装置。
【請求項2】
前記左眼用、右眼用の各観察光学系は、画像表示素子の原画像の中間像を形成するリレー光学系と、その中間像を虚像として投影する接眼光学系を有することを特徴とする
請求項1に記載の2眼式画像表示装置。
【請求項3】
以下の条件式(1)を満足することを特徴とする
請求項2に記載の2眼式画像表示装置。
0.2 ≦ θru/θrl ≦ 0.9 ・・・(1)
ただし、
θru:逆光線追跡において、内側主光線のリレー光学系における最初の反射面に対する入射角、
θrl:逆光線追跡において、外側主光線のリレー光学系における最初の反射面に対する入射角、である。
【請求項4】
以下の条件式(2)を満足することを特徴とする
請求項2または請求項3に記載の2眼式画像表示装置。
0.5 ≦ NAl/NAu ≦ 0.95 ・・・(2)
ただし、
NAu:逆光線追跡において、リレー光学系の内側光束の像側開口数、
NAl:逆光線追跡において、リレー光学系の外側光束の像側開口数、である。
【請求項5】
以下の条件式(3)を満足することを特徴とする
0.1 ≦ Dyu/Lm < 0.5 ・・・(3)
請求項2から請求項4の何れか1項に記載の2眼式画像表示装置。
ただし、
観察者視軸に直交し観察者における水平方向をY方向とする場合、
Dyu:観察者視軸から接眼光学系の内側の最外光線との交点までのY方向の距離
Lm :接眼光学系の内側最大画角と外側の最外光線との交点までのY方向の距離、である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−242794(P2012−242794A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116107(P2011−116107)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】